説明

プロテアーゼスクリーニング方法およびそれにより同定されるプロテアーゼ

【課題】
所望の基質特異性および活性をもつプロテアーゼまたは突然変異体プロテアーゼの選択方法を提供すること。
【解決手段】
候補および修飾プロテアーゼを、基質の開裂時に、安定した複合体を形成することによりプロテアーゼを捕捉する基質、例えばセルピン、アルファマクログロブリンまたはp35ファミリータンパク質または修飾セルピンおよび修飾p35ファミリーメンバーまたは修飾アルファマクログロブリンと接触させることにより、それらをスクリーニングし、改変された機能を有する修飾プロテアーゼを同定することにより上記課題を解決する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
キモトリプシンのナンバリングに基づいた30、73、89および155から選択される1つまたはそれ以上の位置に1個以上の突然変異を含み、それにより、該突然変異を含まないプロテアーゼと比較して基質特異性または活性が改変されている修飾セリンプロテアーゼまたはその触媒活性フラグメントであって、該プロテアーゼまたはその触媒活性フラグメントがセリンプロテアーゼのキモトリプシンファミリーのものである、修飾セリンプロテアーゼまたはその触媒活性フラグメント。
【請求項2】
プロテアーゼが修飾尿中プラスミノーゲンアクティベーター(u−PA)である、請求項1に記載の修飾プロテアーゼまたはその触媒活性フラグメント。
【請求項3】
キモトリプシンのナンバリングに基づいた21、24、30、38、39、61(A)、72、73、75、80、82、84、89、92、132、133、137、138、155、156、158、159、160、187および217の位置のいずれかに対応する位置にアミノ酸置換を含み、それにより、該アミノ酸置換を含まないu−PAポリペプチドと比較して基質特異性または活性が改変されている、飾尿中プラスミノーゲンアクティベーター(u−PA)ポリペプチドまたはその触媒活性フラグメント。
【請求項4】
アミノ酸置換が、キモトリプシンのナンバリングに基づいたu−PAポリペプチドのF21、I24、F30、V38、T39、Y61(A)、R72、L73、S75、E80、K82、E84、I89、K92、F132、G133、E137、I138、L155、K156、T158、V159、V160、K187、およびR217から選択されるアミノ酸残基である、請求項3に記載の修飾u−PAポリペプチドまたはその触媒活性フラグメント。
【請求項5】
F21V、I24L、F30I、F30V、F30L、F30T、F30G、F30M、V38D、T39A、Y61(A)H、R72G、L73A、L73P、S75P、E80G、K82E、E84K、I89V、K92E、F132L、G133D、E137G、I138T、L155P、L155V、L155M、K156Y、T158A、V159A、V160A、K187E、およびR217Cから選択されるアミノ酸置換を含む、請求項3または4に記載の修飾u−PAポリペプチドまたはその触媒活性フラグメント。
【請求項6】
u−PAポリペプチドが配列番号433に示す野生型u−PAポリペプチドと80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上の配列同一性を有し;そして
該ポリペプチドが1つまたはそれ以上の修飾を有する、
請求項2〜5のいずれかに記載の修飾u−PAポリペプチドまたはその触媒活性フラグメント。
【請求項7】
アミノ酸修飾が配列番号433に示すu−PAポリペプチドにある、請求項1〜5のいずれかに記載の修飾u−PAポリペプチドまたはその触媒活性フラグメント。
【請求項8】
VEGFR−2、またはその配列に対する基質特異性が改変されている、請求項3〜7のいずれかに記載の修飾u−PAポリペプチドまたはその触媒活性フラグメント。
【請求項9】
キモトリプシンのナンバリングに基づいたV38D、F30I、F30T、F30L、F30V、F30G、F30M、R72G、L73A、L73P、S75P、I89V、F132L、G133D、E137G、I138T、L155P、L155V、L155M、V160A、およびR217Cから選択されるアミノ酸置換を含む、修飾u−PAポリペプチドまたはその触媒活性フラグメント。
【請求項10】
u−PAポリペプチドまたはその触媒活性部分がL73A/I89V;S75P/I89V/I138T;R72G/L155P;F132L/V160A;L73A/I89V/F30T;L73A/I89V/F30L;L73A/I89V/F30V;L73A/I89V/F30G;L73A/I89V/L155V;L73A/I89V/F30M;L73A/I89V/L155M;L73A/I89V/F30L/L155M;およびL73A/I89V/F30G/L155Mから選択されるアミノ酸置換を含む、請求項3〜9のいずれかに記載の修飾u−PAポリペプチドまたはその触媒活性フラグメント。
【請求項11】
配列番号434−459のいずれかに示すアミノ酸配列、または突然変異を含み、かつ触媒活性を有する連続アミノ酸のそのフラグメントを有する、請求項3〜9のいずれかに記載の修飾u−PAポリペプチドまたはその触媒活性フラグメント。
【請求項12】
t−PA基質、またはその配列に対する基質特異性が改変されている、請求項3〜7のいずれかに記載の修飾u−PAポリペプチドまたはその触媒活性フラグメント。
【請求項13】
キモトリプシンのナンバリングに基づいたF21V、I24L、F30V、F30L、T39A、Y61(A)H、E80G、K82E、E84K、I89V、K92E、K156T、T158A、V159A、およびK187Eから選択されるアミノ酸置換を含む、請求項12に記載の修飾u−PAポリペプチドまたはその触媒活性フラグメント。
【請求項14】
u−PAポリペプチドまたはその触媒活性部分がF30V/Y61(A)H;F30V/K82E;F30V/K156T;F30V/K82E/V159A;F30V/K82E/T39A/V159A;F30V/K82E/T158A/V159A;F30V/Y61(A)H/K92E;F30V/K82E/V159A/E80G/I89V/K187E;およびF30V/K82E/V159A/E80G/E84K/I89V/K187Eから選択されるアミノ酸置換を有する、請求項3〜13のいずれかに記載の修飾u−PAポリペプチドまたはその触媒活性フラグメント。
【請求項15】
配列番号460−472のいずれかに示すアミノ酸配列、または突然変異を含み、かつ触媒活性を有する連続アミノ酸のそのフラグメントを有する、請求項3〜14のいずれかに記載の修飾u−PAポリペプチドまたはその触媒活性フラグメント。
【請求項16】
キモトリプシンのナンバリングに基づいた23、52、60(g)、65、71、93、95、126、129、131、136、143、144、154、164、166、184(a)、201、209、230、234、および244から選択される位置に対応する位置にアミノ酸置換を含み、それにより、該アミノ酸置換を含まないMT−SP1ポリペプチドと比較して基質特異性または活性が改変されている、修飾マトリックスタイプセリンプロテアーゼI(MT−SP1)ポリペプチドまたはその触媒活性部分。
【請求項17】
アミノ酸置換がキモトリプシンのナンバリングに基づいたMT−SP1ポリペプチドのD23、L52、Y60(g)、T65、H71、F93、N95、A126、V129、P131、I136、H143、T144、I154、N164、T166、F184(a)、S201、Q209、R230、F234、およびV244から選択されるアミノ酸残基である、請求項16に記載の修飾MT−SP1ポリペプチドまたはその触媒活性部分。
【請求項18】
D23E、L52M、Y60(g)s、H71R、F93L、N95K、A126T、V129D、P131S、I136T、I136V、H143R、T144I、I154V、N164D、T166A、F184(a)L、S201I、Q209L、R230W、F234L、およびV244Gから選択されるアミノ酸置換を含む、請求項16または17に記載の修飾MT−SP1ポリペプチドまたはその触媒活性フラグメント。
【請求項19】
さらにD23E、I41F、I41T、L52M、Y60(g)s、T65K、H71R、F93L、N95K、F97Y、F97L、T98P、F99L、A126T、V129D、P131S、I136T、I136V、H143R、T144I、I154V、N164D、T166A、L171F、P173S、Q175R、F184(a)L、Q192H、S201I、Q209L、D217V、Q221(a)L、R230W、F234L、およびV244Gから選択されるアミノ酸置換を含む、請求項18に記載の修飾MT−SP1ポリペプチドまたはその触媒活性フラグメント。
【請求項20】
MT−SP1ポリペプチドまたはその触媒活性部分がI136T/N164D/T166A/F184(A)L/D217V;I41F/A126T/V244G;D23E/I41F/T98P/T144I;I41F/L171F/V244G;H143R/Q175R;I41F/I154V/V244G;I141F/L52M/V129D/Q221(A)L;F97Y/I136V/Q192H/S201I;H71R/P131S/D217V;T65K/F93L/F97Y/D217V;I41T/P173S/Q209LおよびF97L/F234Lから選択されるアミノ酸置換を含む、請求項16〜19のいずれかに記載の修飾MT−SP1ポリペプチドまたはその触媒活性フラグメント。
【請求項21】
キモトリプシンのナンバリングに基づいたT65K、F97Y、F97L、T98P、F99L、L171F、P173S、Q192H、およびQ221(a)Lから選択される1個またはそれ以上のアミノ酸修飾を含み、それにより該突然変異を含まないMT−SP1ポリペプチドと比較して基質特異性または活性が改変されている、修飾マトリックスタイプセリンプロテアーゼI(MT−SP1)ポリペプチドまたはその触媒活性部分。
【請求項22】
さらにアミノ酸置換I41F、I41T、Q175RまたはD217Vを含む、請求項21に記載の修飾MT−SP1ポリペプチドまたはその触媒活性フラグメント。
【請求項23】
アミノ酸置換がI41F/L171Fである、請求項22に記載の修飾MT−SP1ポリペプチドまたはその触媒活性フラグメント。
【請求項24】
修飾が、配列番号253に示すアミノ酸配列を有するMT−SP1ポリペプチドにあるか、または配列番号505に示すアミノ酸配列を有するMT−SP1の触媒活性部分にある、請求項16〜23のいずれかに記載の修飾MT−SP1ポリペプチドまたはその触媒活性フラグメント。
【請求項25】
修飾がさらにキモトリプシンのナンバリングに基づいた配列番号253に示すMT−SP1ポリペプチドにおけるC122Sの改変に対応する改変を有するMT−SP1ポリペプチドにある、請求項1〜24のいずれかに記載の修飾MT−SP1ポリペプチドまたはその触媒活性フラグメント。
【請求項26】
修飾が配列番号507または517に示すアミノ酸配列を有するMT−SP1ポリペプチドにある、請求項25に記載の修飾MT−SP1ポリペプチドまたはその触媒活性フラグメント。
【請求項27】
MT−SP1ポリペプチドが配列番号253に示す野生型MT−SP1ポリペプチドまたは配列番号505に示すその触媒活性部分と80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上の配列同一性を示し;そして
該ポリペプチドが1個またはそれ以上の修飾を含む、
請求項16〜26のいずれかに記載の修飾MT−SP1ポリペプチドまたはその触媒活性フラグメント。
【請求項28】
修飾がC2補体タンパク質に対する特異性またはC2補体タンパク質に対する活性の一方または両方を高める、請求項16〜27のいずれかに記載の修飾MT−SP1ポリペプチドまたはその触媒活性フラグメント。
【請求項29】
配列番号568−609のいずれかに示すアミノ酸配列を有する、請求項16〜28のいずれかに記載の修飾MT−SP1ポリペプチドまたはその触媒活性部分。
【請求項30】
請求項1〜29のいずれかに記載の修飾プロテアーゼまたはその触媒活性フラグメントを含む、医薬組成物。
【請求項31】
医薬上許容される賦形剤をさらに含む、請求項30に記載の医薬組成物。
【請求項32】
全身、経口、経鼻、経肺、限局的または局所的投与用に処方されている、請求項30または31に記載の医薬組成物。
【請求項33】
請求項30〜32のいずれかに記載の医薬組成物、該組成物投与装置および所望による投与説明書を含む、キット。
【請求項34】
請求項1〜29のいずれかに記載の修飾プロテアーゼまたはその触媒活性フラグメントをコードするヌクレオチド配列を含む、核酸分子。
【請求項35】
請求項34に記載の核酸分子を含む、ベクター。
【請求項36】
請求項33に記載のベクターを含む、細胞。
【請求項37】
VEGFR−2が介在する疾患または状態の処置に使用するための、請求項8〜11のいずれかに記載の修飾u−PAポリペプチドまたはその触媒活性フラグメントを含む医薬組成物。
【請求項38】
VEGFR−2が介在する疾患または状態の処置のための、請求項8〜11のいずれかに記載の修飾u−PAポリペプチドまたはその触媒活性フラグメントを含む医薬組成物の使用。
【請求項39】
処置される疾患または状態が脈管形成疾患である、請求項37または38に記載の医薬組成物または使用。
【請求項40】
脈管形成疾患が癌、黄斑変性症、炎症、および糖尿病から選択される、請求項39に記載の医薬組成物または使用。
【請求項41】
さらに他の抗腫瘍剤を含む、請求項37〜40のいずれかに記載の医薬組成物または使用。
【請求項42】
t−PAの投与により処置される疾患または状態の処置に使用するための、請求項12〜15のいずれかに記載の修飾u−PAポリペプチドまたはその触媒活性フラグメントを含む、医薬組成物。
【請求項43】
t−PAにより処置される疾患または状態の処置のための、請求項12〜15のいずれかに記載の修飾u−PAポリペプチドまたはその触媒活性フラグメントを含む医薬組成物の使用。
【請求項44】
疾患または状態が、動脈血栓症、静脈血栓症および血栓性塞栓症、虚血性卒中、後天的凝固障害、汎発性血管内凝固症候群、細菌感染症および歯周炎、および神経学的状態から選択される、請求項42または43に記載の医薬組成物または使用。
【請求項45】
補体タンパク質C2が介在する疾患または状態の処置に使用するための、請求項16〜29のいずれかに記載の修飾MT−SP1ポリペプチドまたはその触媒活性部分を含む、医薬組成物。
【請求項46】
補体タンパク質C2が介在する疾患または状態の処置のための、請求項16〜29のいずれかに記載の修飾MT−SP1ポリペプチドまたはその触媒活性部分を含む医薬組成物の使用。
【請求項47】
疾患または状態が、自己免疫疾患、敗血症、慢性関節リウマチ(RA)、膜性増殖性糸球体腎炎(MPGN)、多発性硬化症(MS)、重症筋無力症(MG)、喘息、炎症性腸疾患、免疫複合体(IC)性急性炎症性組織損傷、アルツハイマー病(AD)、虚血−再灌流損傷、移植臓器の拒絶、黄斑変性、およびギラン−バレー症候群から選択される、請求項45または46に記載の医薬組成物または使用。
【請求項48】
虚血−再灌流損傷が、心筋梗塞(MI)、卒中、血管形成術、冠動脈バイパス移植、心肺バイパス(CPB)および血液透析から選択される事象または処置により誘発される、請求項47に記載の医薬組成物または使用。

【図1】
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【公開番号】特開2012−34701(P2012−34701A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−221546(P2011−221546)
【出願日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【分割の表示】特願2009−292841(P2009−292841)の分割
【原出願日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願人】(508121599)カタリスト・バイオサイエンシーズ・インコーポレイテッド (7)
【氏名又は名称原語表記】CATALYST BIOSCIENCES, INC.
【出願人】(509004686)トーリー・パインズ・インスティテュート・フォー・モレキュラー・スタディーズ (3)
【氏名又は名称原語表記】TORREY PINES INSTITUTE FOR MOLECULAR STUDIES
【Fターム(参考)】