説明

プロテーゼ要素を移植するための脛骨の外科的準備処置において使用するための外科器具アセンブリ

【課題】ハンドル、及び外科的準備処置が施された患者の脛骨の近位端に挿入されるように構成されたキールパンチを備える整形外科用外科器具アセンブリを提供する。
【解決手段】ハンドルは、キールパンチをハンドルに固定するように構成されたレバーを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、米国特許法第119条の下、2011年6月30日に出願された米国特許出願第61/503,324号に基づく優先権を主張するものであり、当該出願を本出願に援用するものである。
【0002】
(関連出願の相互参照)
いずれも本出願と同じ譲受人に譲渡され、いずれも本出願に援用するところの、デビッド・ワイト(David Waite)らによる、発明の名称が「プロテーゼ要素の移植用に脛骨に外科的準備処置を施すための方法(METHOD OF SURGICALLY PREPARING A TIBIA FOR IMPLANTATION OF A PROSTHETIC COMPONENT)」である同時係属中の米国特許仮出願第61/503,331号(代理人整理番号265280−214739、DEP6381USPSP)、デビッド・ワイト(David Waite)らによる、発明の名称が「プロテーゼ要素の移植用に脛骨に外科的準備処置を施すうえで使用される外科器具(SURGICAL INSTRUMENTS FOR USE IN SURGICALLY PREPARING A TIBIA FOR IMPLANTATION OF A PROSTHETIC COMPONENT)」である同時係属中の米国特許仮出願第61/503,245号(代理人整理番号265280−210753、DEP6275USPSP)、及びデビッド・ワイト(David Waite)らによる、発明の名称が「キールパンチ(KEEL PUNCH)」である同時係属中の米国意匠特許出願第29/396,478号(代理人整理番号265280−214755、DEP6385USDP)を相互参照する。
【0003】
(発明の分野)
本開示は、一般的に整形外科用の外科器具に関し、より詳細には患者の脛骨に使用される外科器具に関する。
【背景技術】
【0004】
関節形成術は、疾患を有する、かつ/又は損傷した自然関節を人工関節に置き換える周知の外科手術である。一般的な人工膝関節は、脛骨トレイ、大腿骨要素、及び脛骨トレイと大腿骨要素との間に配置される脛骨ベアリングを含む。脛骨トレイは一般的に、遠位方向に延びるステムを有するプレートを含む。ステムは、患者の脛骨の準備処置が施された髄管内に移植される。いったんこのようにして移植されると、脛骨トレイは、脛骨の近位端上に、脛骨ベアリングが固定される表面を与える。
【0005】
自然関節の人工膝関節による置換を容易とするため、整形外科医は、例えば、脛骨トライアル、ドリルガイド、及び他の外科器具など、各種の整形外科用外科器具を使用する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様によれば、患者の脛骨の近位端に外科的準備処置を施すための方法が開示される。本方法は、患者の脛骨の近位端の切除された表面上に、内部に画定された開口部を有する基部トライアルを配置することと、切除された表面上に配置された基部トライアル上にガイドタワーを配置することと、患者の脛骨に挿入するためのキールパンチを選択することと、ハンドルの下端を、ハンドルのレバーをキールパンチと係合させることによりキールパンチに固定することと、を含む。本方法は更に、キールパンチ及びハンドルの下端をガイドタワーの上端を通じて挿入することと、基部トライアルの開口部を通じて患者の脛骨の近位端にキールパンチを打ち込むことと、ガイドタワーの内面をレバーと接触させてレバーをキールパンチから係脱させることと、を含む。本方法は更に、キールパンチを打ち込んだ後、ガイドタワーの上端の方向にハンドルの下端を動かすことと、レバーをガイドタワーと係合させてハンドルをガイドタワーに固定することと、ハンドルを使用して基部トライアルからガイドタワーを脱離させることと、を含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、ガイドタワーの内面を接触させることは、レバーの上側アームをガイドタワーの内面と接触させてレバーを作動させることを含み、レバーをガイドタワーと係合させてハンドルをガイドタワーに固定することは、上側アームをガイドタワーの内面との接触状態から動かすことを含みうる。いくつかの実施形態では、キールパンチをハンドルの下端に固定することは、レバーの第1のフランジをキールパンチと係合させることを含みうる。更に、いくつかの実施形態では、レバーをガイドタワーと係合させることは、レバーの第2のフランジをガイドタワーと係合させることを含みうる。
【0008】
いくつかの実施形態では、本方法は更に、基部トライアル及びガイドタワー内に外科用ドリルを挿入して患者の脛骨の穴をリーマーにより拡大することを含みうる。いくつかの実施形態では、外科用ドリルを挿入することは、外科用ドリル上に画定された複数の水平線のうちの第1の水平線がガイドタワーの上端とほぼ整列するまで患者の脛骨の近位端内に外科用ドリルを進めることを含みうる。
【0009】
いくつかの実施形態では、本方法は、ドリル係止部をガイドタワーに取り付けることを含みうる。更に、いくつかの実施形態では、基部トライアル及びガイドタワー内に外科用ドリルを挿入することは、複数の水平線のうちの第1の水平線がドリル係止部の上端とほぼ整列するまでドリル係止部を通じて外科用ドリルを進めることを含みうる。いくつかの実施形態では、基部トライアル上にガイドタワーを配置することは、ガイドタワーから延びる1対の固定ピンを、患者の脛骨の近位端に挿入することを含みうる。
【0010】
いくつかの実施形態では、本方法は、切除された表面上に基部トライアルを配置する前に、基部トライアルに第2のハンドルを取り付けることを含みうる。
【0011】
別の態様によれば、患者の切除された脛骨の近位端に外科的準備処置を施すための方法は、患者の切除された脛骨内に挿入するためのキールパンチを選択することと、ハンドルのレバーを作動させてレバーをキールパンチと係合させることによって、ハンドルをキールパンチに固定することと、キールパンチを患者の切除された脛骨内に打ち込むことと、を含む。ハンドルのレバーは、患者の切除された脛骨内にキールパンチが打ち込まれる際に自動的に作動され、これによりレバーがキールパンチから係脱される。
【0012】
いくつかの実施形態では、本方法は、ハンドルのレバーを作動させる前に、ハンドルの下端上にキールパンチを配置することを含みうる。いくつかの実施形態では、本方法は、キールパンチ及びハンドルの下端をガイドタワーの上端に挿入することを含みうる。
【0013】
いくつかの実施形態では、キールパンチ及びハンドルの下端をガイドタワーに挿入することは、レバーの上側アームをガイドタワーの内面と接触させることによってレバーをキールパンチから係脱させることを含みうる。いくつかの実施形態では、本方法は、キールパンチを患者の切除された脛骨内に打ち込んだ後でハンドルの下端をガイドタワーの上端の方向に動かすことによって、レバーの上側アームをガイドタワーの内面との接触状態から動かすことを含みうる。
【0014】
更に、いくつかの実施形態では、本方法は、キールパンチを患者の切除された脛骨内に打ち込んだ後でハンドルの下端をガイドタワーの上端の方向に動かすことと、レバーをガイドタワーと係合させることによってハンドルをガイドタワーに固定することと、を含みうる。本方法は、患者の切除された脛骨の近位端の切除された表面上に、内部に画定された開口部を有する基部トライアルを配置することと、キールパンチ及びハンドルの下端をガイドタワーに挿入する前にガイドタワーを基部トライアル上に配置することと、を含みうる。
【0015】
別の態様によれば、患者の脛骨の近位端に外科的準備処置を施すための方法は、患者の脛骨の近位端の切除された表面上に、開口部及び1対の固定ピン穴が内部に画定された基部トライアルを配置することと、基部トライアル上にガイドタワーを配置することと、ガイドタワーから延びる1対の固定ピンを基部トライアルの1対の固定ピン穴を通じて患者の脛骨の近位端に挿入することと、基部トライアル上にガイドタワーを配置することと、基部トライアル及びガイドタワーに外科用ドリルを挿入して患者の脛骨の穴をリーマーにより拡大することと、を含む。いくつかの実施形態では、外科用ドリルを基部トライアルに挿入することは、外科用ドリル上に画定された複数の水平線のうちの第1の水平線がガイドタワーの上端とほぼ整列するまで患者の脛骨の近位端内に外科用ドリルを進めることを含みうる。いくつかの実施形態では、本方法は、ドリル係止部をガイドタワーに取り付けることを含みうる。更に、いくつかの実施形態では、外科用ドリルを挿入することは、複数の水平線のうちの第1の水平線がドリル係止部の上端とほぼ整列するまで患者の脛骨の近位端内に外科用ドリルを進めることを含みうる。
【0016】
いくつかの実施形態では、本方法は、患者の脛骨に挿入するためのキールパンチを選択することと、ハンドルを、そのハンドルのレバーをキールパンチと係合させることによりキールパンチに固定することと、キールパンチを患者の脛骨内に打ち込むことと、を含みうる。レバーは、患者の脛骨内にキールパンチが打ち込まれる際に自動的に作動されうるため、これによりレバーがキールパンチから係脱される。
【0017】
別の態様によれば、整形外科用外科器具アセンブリが開示される。整形外科用外科器具アセンブリは、患者の切除された脛骨の近位端上に配置されるように構成された基部トライアル、及びガイドタワーを備える。基部トライアルは、内部に画定された開口部、及び前部に画定された1対の固定ピン穴を有するプレートを含む。ガイドタワーは、基部トライアル上に配置されるように構成されたタワー基部、及びタワー基部の前部から下方に延びる1対の固定ピンを含む。タワー基部には、タワー基部が基部トライアル上に配置される際にプレートの開口部とほぼ整列するように構成された、内部に画定された通路を有する。各固定ピンは、タワー基部が基部トライアル上に配置される際に基部トライアルの固定ピン穴のそれぞれに受容され、固定ピン穴のそれぞれから外側に延出するようなサイズとなっている。
【0018】
いくつかの実施形態では、本アセンブリは、第2の固定ピンの対を含んでもよい。基部トライアルのプレートは、前部に画定された第2の固定ピン穴の対を含んでもよく、第2の固定ピンの対のそれぞれは、第2の固定ピン穴の対のそれぞれに受容され、第2の固定ピン穴の対のそれぞれから外側に延出するようなサイズとなっている。
【0019】
いくつかの実施形態では、本アセンブリは、プレートの前部に着脱可能に連結されるハンドルを備えてもよい。いくつかの実施形態では、プレートは内部に画定された切欠き部を有し、その切欠き部の両側に1対の開口部が画定されてもよい。更に、いくつかの実施形態では、ハンドルは、本体、その本体から延びる、1対の開口部に受容されるサイズに構成された1対のタブ、及び本体に旋回可能に連結されたレバーアームを含みうる。レバーアームはフランジを有してよく、そのフランジがプレートに画定された切欠き部に受容されることによりハンドルが基部トライアルに固定される第1の位置と、フランジが切欠き部から離間することによりハンドルを基部トライアルから脱離することができる第2の位置との間で動くことが可能である。
【0020】
いくつかの実施形態では、本アセンブリは、レバーアームを第1の位置に付勢する付勢部材を含んでもよい。いくつかの実施形態では、基部トライアルの開口部及びガイドタワーの通路は、外科用ドリルを受容するようなサイズに構成することができる。更に、いくつかの実施形態では、本アセンブリは、ガイドタワーの上端に配置されるように構成されたドリル係止部を備えてもよい。いくつかの実施形態では、ドリル係止部を第1の材料で形成し、ガイドタワーを第1の材料とは異なる第2の材料で形成することができる。
【0021】
いくつかの実施形態では、プレートには、プレートを患者の切除された脛骨の近位端と整列させるための、前部に画定された複数のアラインメントエッチングを有してもよい。
【0022】
別の態様によれば、整形外科用外科器具アセンブリは、患者の切除された脛骨の近位端上に配置されるように構成された基部トライアル、及びガイドタワーを備える。基部トライアルは、内部に画定された開口部を有するプレートを含む。ガイドタワーは、基部トライアル上に配置されるように構成されたタワー基部を含む。タワー基部は、前面と、タワー基部が基部トライアル上に配置される際にプレートの開口部とほぼ整列するように構成された通路を画定する内面と、前面から内面へと内側に延びて通路と連通する第1の開口部と、前面から内面へと内側に延びて通路と連通する第2の開口部と、を有する。第2の開口部は第1の開口部の上に配置される。
【0023】
いくつかの実施形態では、プレートは、その前部に画定された複数の固定ピン穴を有してもよい。いくつかの実施形態では、ガイドタワーのタワー基部は、タワー基部の前部から下方に延びる1対の固定ピンを含んでもよい。各固定ピンは、タワー基部が基部トライアル上に配置される際に基部トライアルの固定ピン穴の1つに受容され、その固定ピン穴の1つから外側に延出するようなサイズに構成することができる。
【0024】
いくつかの実施形態では、本アセンブリは外科用ドリルを含んでよく、基部トライアルの開口部及びガイドタワーの通路を、外科用ドリルを受容するサイズに構成することができる。更に、いくつかの実施形態では、外科用ドリルはその上部に画定された複数の水平線を有してもよい。ガイドタワーは、複数の水平線のうちの第1の水平線及び患者の脛骨内の第1の所定のドリル穴深さに一致する所定の高さにわたって延びてよい。いくつかの実施形態では、本アセンブリは、ガイドタワーの上端に配置されるように構成されたドリル係止部を備えてもよい。ドリル係止部及びガイドタワーは、複数の水平線のうちの第2の水平線及び患者の脛骨内の第2の所定のドリル穴深さに一致した第2の所定の高さにわたって延びてよい。
【0025】
別の態様によれば、整形外科用外科器具アセンブリは外科用ドリル用のガイドタワーを備え、そのガイドタワーは、タワー基部、及びそのタワー基部の前部から下方に延びる1対の固定ピンを含む。タワー基部は、前面と、垂直方向に延びる通路を画定する内面と、通路と連通するように前面から内面へと通路に対して垂直な方向に延びる第1の開口部と、通路と連通するように前面から内面へと通路に対して垂直な方向に延びる、第1の開口部の上に配置された第2の開口部と、を有する前部を有する。各固定ピンは、患者の切除された脛骨の近位端に挿入されるように構成される。
【0026】
いくつかの実施形態では、内面はタワー基部の上端に円形開口部を画定してよく、通路が円形開口部から下方に延びてよい。いくつかの実施形態では、内面は、円形開口部に接続する1対のスロットを画定しうる。いくつかの実施形態では、本アセンブリは、ガイドタワーの上端に配置されるように構成されたドリル係止部を備えてもよい。更に、いくつかの実施形態では、1対の固定ピンの各固定ピンは、第1の断面直径を有する第1の断面、及び第1の断面から下方に延びる、第2の断面直径を有する第2の断面を有しうる。第2の断面直径は、第1の断面直径よりも小さい。
【0027】
別の態様によれば、本整形外科用外科器具アセンブリは、ハンドルと、外科的準備処置が施された患者の脛骨の近位端に挿入されるように構成されたキールパンチと、ガイドタワーと、を備える。ハンドルは、細長い本体、及び継ぎ手においてその本体と旋回可能に連結されたレバーを含む。レバーは、継ぎ手の下に配置された、第1の方向に延びる第1のフランジと、継ぎ手が第1のフランジと第2のフランジとの間に配置されるように継ぎ手の上に配置された第2のフランジとを含む。第2のフランジは、第1の方向と逆の第2の方向に延びる。キールパンチは、レバーの第1のフランジが係合するように構成されたリップを含む。ガイドタワーは、キールパンチ及びハンドルの本体を受容するサイズに構成された通路を画定する内面を有するタワー基部を含む。ガイドタワーは更に、タワー基部に方形の開口部を画定する内壁を含む。内壁は、レバーの第2のフランジが係合するように構成される。
【0028】
いくつかの実施形態では、ハンドルは本体から延びるガイドピンを含んでよく、キールパンチは、ガイドピンを受容するサイズに構成された開口部が内部に画定された柱状部を含んでよい。キールパンチのリップは柱状部から外側に延びてよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、レバーは、複数のレバー位置の間で、ハンドルの本体に対して旋回するように構成することができる。複数のレバー位置には、第1のフランジがキールパンチのリップと係合する第1のレバー位置と、第1のフランジがキールパンチのリップから係脱する第2のレバー位置とが含まれうる。更に、いくつかの実施形態では、ハンドルは、ガイドタワーの通路内において複数のハンドル位置の間で動くことが可能であり、レバーは、ハンドルがハンドル位置の少なくとも1つに配置されている場合にタワー基部の内面と接触することによりレバーをハンドルの本体に対して旋回させるように構成された、上側アームを含みうる。
【0030】
いくつかの実施形態では、複数のハンドル位置は、上側アームがタワー基部の内面から離間することによりレバーが第1のレバー位置に配置されるような第1のハンドル位置を含みうる。いくつかの実施形態では、複数のハンドル位置は、上側アームがタワー基部の内面と接触することによりレバーが第2のレバー位置に配置されるような第2のハンドル位置を含みうる。
【0031】
いくつかの実施形態では、レバーの第2のフランジは、ハンドルが第1のハンドル位置にある場合にガイドタワーの内壁と係合しうる。更に、いくつかの実施形態では、レバーの第2のフランジは、ハンドルが第2のハンドル位置にある場合にガイドタワーの内壁から係脱しうる。いくつかの実施形態では、レバーは、上側アームに所定量の力が作用する場合に第2のレバー位置となるように構成することができる。
【0032】
いくつかの実施形態では、ハンドルは、レバーを第1のレバー位置に付勢する付勢要素を有してよく、レバーを第2のレバー位置に配置するために必要とされる所定量の力は、付勢要素の付勢力よりも大きくてよい。いくつかの実施形態では、付勢要素は金属バネとすることができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、本アセンブリは、患者の切除された脛骨の近位端上に配置されるように構成された基部トライアルを備えうる。基部トライアルは、内部に画定された、キールパンチの下端を受容するサイズに構成された開口部を有してよい。タワー基部は、タワー基部の通路が開口部とほぼ整列するように基部トライアル上に配置されるように構成することができる。
【0034】
別の態様によれば、本整形外科用外科器具アセンブリは、下端を有する本体と、下端から延びるガイドピンと、本体に旋回可能に連結されたレバーとを含むハンドルを備える。レバーは、本体の下端の下に配置されるフランジを含み、そのフランジは、ガイドピンに向かって内側に延びる。本アセンブリは更に、外科的準備処置が施された患者の脛骨の近位端に挿入されるように構成されたキールパンチを備える。キールパンチは、ガイドピンを受容するサイズに構成された開口部が内部に画定された柱状部、及びその柱状部から外側に延びるリップを含む。リップは、レバーのフランジが係合するように構成される。レバーは、複数のレバー位置の間で、ハンドルの本体に対して旋回するように構成される。複数のレバー位置には、フランジがキールパンチのリップと係合する第1のレバー位置と、フランジがキールパンチのリップから係脱する第2のレバー位置とが含まれる。
【0035】
いくつかの実施形態では、ハンドルは、レバーを第1のレバー位置に付勢する付勢要素を有しうる。いくつかの実施形態では、キールパンチは、主プラットフォーム及び主プラットフォームから外側に延びる1対のアームを更に含み、キールパンチの柱状部はプラットフォームから1対のアームの上方に延びる。更に、いくつかの実施形態では、キールパンチは、内部に画定された複数の下向きの歯状部を有する。
【0036】
別の態様では、本整形外科用外科器具アセンブリはハンドルを備える。ハンドルは、細長い本体及びその細長い本体の端部に配置された継ぎ手において本体と旋回可能に連結されたレバーを含む。レバーは継ぎ手の下に配置された第1のフランジを含み、その第1のフランジは第1の方向に延びる。レバーは更に、継ぎ手が第1のフランジと第2のフランジとの間に配置されるように継ぎ手の上に配置された第2のフランジを含む。第2のフランジは、第1の方向と逆の第2の方向に延びる。
【0037】
いくつかの実施形態では、細長い本体はグリップを含む。更に、いくつかの実施形態では、本アセンブリは、外科的準備処置が施された患者の脛骨の近位端に挿入されるように構成されたキールパンチを備えてもよい。キールパンチは、内部に画定された開口部を有する柱状部、及びその柱状部から延びるリップを含んでもよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、ハンドルは、本体から延びるガイドピンを含みうる。ガイドピンは、キールパンチの開口部に受容されてよく、レバーの第1のフランジはキールパンチのリップと係合してよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、本アセンブリは更にガイドタワーを備えうる。ガイドタワーは、ハンドルの本体を受容する通路を画定する内面、及びタワー基部の内面に開口部を画定する内壁を有するタワー基部を含みうる。レバーの第2のフランジはガイドタワーの内壁と係合しうる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
「発明を実施するための形態」においては、特に以下の図面を参照する。
【図1】整形外科用外科器具アセンブリの分解斜視図。
【図2】図1の整形外科用外科器具アセンブリの脛骨基部トライアルの平面図。
【図3】図2の脛骨基部トライアルの前面側面図。
【図4】図1の整形外科用外科器具アセンブリのガイドタワーの前面側面図。
【図5】図4のガイドタワーの平面図。
【図6】図1の整形外科用外科器具アセンブリのアラインメントハンドルの分解斜視図。
【図7】図1の整形外科用外科器具アセンブリのガイドタワー、キールパンチ、及び打ち込みハンドルの分解斜視図。
【図8】図7に示されるキールパンチの前面側面図。
【図9】図8のキールパンチの平面図。
【図10】図7に示される打ち込みハンドルの分解斜視図。
【図11】図1〜10の整形外科用外科器具アセンブリを使用するための手術の一実施形態の簡略化したフローチャート。
【図12】図11の手術において整形外科用外科器具アセンブリが使用される際の、患者の脛骨及び図1〜10の整形外科用外科器具アセンブリを示す図。
【図13】図11の手術において整形外科用外科器具アセンブリが使用される際の、患者の脛骨及び図1〜10の整形外科用外科器具アセンブリを示す図。
【図14】図11の手術において整形外科用外科器具アセンブリが使用される際の、患者の脛骨及び図1〜10の整形外科用外科器具アセンブリを示す図。
【図15】図11の手術において整形外科用外科器具アセンブリが使用される際の、患者の脛骨及び図1〜10の整形外科用外科器具アセンブリを示す図。
【図16】図11の手術において整形外科用外科器具アセンブリが使用される際の、患者の脛骨及び図1〜10の整形外科用外科器具アセンブリを示す図。
【図17】図11の手術において整形外科用外科器具アセンブリが使用される際の、患者の脛骨及び図1〜10の整形外科用外科器具アセンブリを示す図。
【図18】図11の手術において整形外科用外科器具アセンブリが使用される際の、患者の脛骨及び図1〜10の整形外科用外科器具アセンブリを示す図。
【図19】図11の手術において整形外科用外科器具アセンブリが使用される際の、患者の脛骨及び図1〜10の整形外科用外科器具アセンブリを示す図。
【図20】図11の手術において整形外科用外科器具アセンブリが使用される際の、患者の脛骨及び図1〜10の整形外科用外科器具アセンブリを示す図。
【図21】図11の手術において整形外科用外科器具アセンブリが使用される際の、患者の脛骨及び図1〜10の整形外科用外科器具アセンブリを示す図。
【図22】図11の手術において整形外科用外科器具アセンブリが使用される際の、患者の脛骨及び図1〜10の整形外科用外科器具アセンブリを示す図。
【図23】図11の手術において整形外科用外科器具アセンブリが使用される際の、患者の脛骨及び図1〜10の整形外科用外科器具アセンブリを示す図。
【図24】図11の手術において整形外科用外科器具アセンブリが使用される際の、患者の脛骨及び図1〜10の整形外科用外科器具アセンブリを示す図。
【図25】図11の手術において整形外科用外科器具アセンブリが使用される際の、患者の脛骨及び図1〜10の整形外科用外科器具アセンブリを示す図。
【図26】図11の手術の施術後の患者の脛骨の近位端の切除面の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本開示の概念には様々な改変及び代替的形態が考えられるが、その特定の代表的な実施形態を図面に例として示し、本明細書において詳細に述べる。ただし、本開示の概念を開示される特定の形態に限定することを何ら意図するものではなく、その逆に、本発明は、添付の「特許請求の範囲」において定義される発明の趣旨及び範囲に包含されるすべての改変物、均等物及び代替物を網羅することを意図するものである点を理解すべきである。
【0042】
解剖学的参照を表す、前、後、内側、外側、上、下などの用語は、本明細書の全体を通じて、本明細書において述べられる整形外科用インプラント及び外科器具に関して、並びに患者の自然の解剖学的構造に関して使用されうる。これらの用語は、解剖学的構造の研究及び整形外科学の分野の両方において広く理解された意味を有するものである。明細書及び特許請求の範囲におけるこれらの解剖学的参照用語の使用は、特に断らないかぎりは、それらの広く理解されている意味と一貫性を有するものとする。
【0043】
図1〜10を参照すると、人工膝関節全置換術などの関節形成術において使用するための整形外科用外科器具アセンブリ10(以下、アセンブリ10と称する)が示されている。アセンブリ10は、人工膝関節全置換術の施術に関して下記に述べるが、アセンブリ10に関連する特定の概念は、全身の他の多くの関節の置換術に利用可能である点は認識されるはずである。図1に示されるように、アセンブリ10は、脛骨基部トライアル12、ガイドタワー14、着脱式アラインメントハンドル16、及びドリル係止部材18を備えている。
【0044】
実際の操作では、整形外科用外科器具アセンブリ10を使用して、整形外科手術の施術時に脛骨トレイのような脛骨プロテーゼ要素を移植するための外科的準備処置を、患者の切除された脛骨22の近位端20(図26を参照)に施すことができる。脛骨基部トライアル12及びガイドタワー14は、患者の脛骨22の近位端20の切除面400上に配置され、外科医はトライアル12及びタワー14を用いて患者の脛骨22の近位端20の穴をリーマーにより拡大しながら、例えば外科用ドリルを案内する。この後、ガイドタワー14を取り外す前に患者の脛骨22の近位端20にキールパンチ220(図7を参照)を打ち込む。
【0045】
次に図1〜3を参照すると、基部トライアル12は、上面32、下面34、及び面32、34の間に延びる外側壁36を有するプレート30を含んでいる。プレート30は、上面32に画定されたプレート開口部38を有している。図2に示されるように、プレート開口部38は、中央開口部40及び中央開口部40から外側に延びる1対の細長い開口部42を有している。内壁44が、開口部38から下方に延びてプレート30を通じた通路46を画定している。内壁44は、上側壁48、及び上側壁48から内側にオフセット又は間隔をおいた下側壁50を有している。上側壁48及び下側壁50は、共にそれらの間に棚面52を画定する。下記により詳細に考察するように、通路46の構成は、患者の切除された脛骨22の近位端20内に各種の外科用ドリル、パンチ、及び他の器具を進めることが可能なものとなっている。
【0046】
プレート30は、その前部56に画定されたレバー受容切欠き部54を更に有している。切欠き部54は、上面32に画定され、外側壁36から後方に延びる溝58を含む。楕円形状のスロット60が溝58の後端62に画定されている。スロット60は、プレート30の下面34を通じて下方に延びている。図3に示されるように、1対の楕円形状の開口部64が、切欠き部54の両側の側壁36に1個ずつ画定されている。下記により詳細に考察するように、切欠き部54及び開口部64は、アラインメントハンドル16に付随するレバー66及び1対のピン68をそれぞれ受容するように構成されている。
【0047】
複数のアラインメントエッチング70が、プレート30の上面32及び外側壁36に沿って延びている。外科医は、アラインメントエッチング70のうちの1以上を利用することで、患者の切除された脛骨22の近位端20上に基部トライアル12を正確に配置することができる。プレート30は、その前部56に画定された多数の締結穴72を更に有している。締結穴72は、例えば、患者の切除された脛骨22の近位端20に基部トライアル12を固定するために使用することが可能な固定ピン74(図13を参照)のような締結要素を受容するように構成されている。
【0048】
上記に述べたように、アセンブリ10は、使用時にプレート30上に配置されるように構成されたガイドタワー14を更に備えている。図4に示されるように、ガイドタワー14は、タワー基部80、及びタワー基部80から下方に延びる1対の固定ピン82を含んでいる。タワー基部80は、本体84、及び本体84から外側に延びる1対のアーム86を含む。タワー基部80の下面88は、プレート30の上面32上に配置されるように構成され、固定ピン82が下面88の前部90から下方に延びる。本体84は、下記により詳細に述べるように患者の脛骨22に所定の深さで穿孔されるドリル穿孔深さと一致しうる高さ94を有する。
【0049】
図5に示されるように、タワー基部80は、内部に画定された上部ガイド開口部96を有している。上部ガイド開口部96は、本体84の上面100に画定された中央開口部98と、アーム86のそれぞれの傾斜した上面104に画定された1対の細長い開口部102とを含んでいる。タワー基部80は、上部ガイド開口部96から下面88に画定された下部ガイド開口部110(図4を参照)へと下方に延びる内壁106を有している。内壁106は、本体84及びアーム86を通じて垂直に延びる通路112を画定している。タワー基部80の通路112の断面形状は、基部トライアル12の通路46の断面形状とほぼ一致している。ガイドタワー14が基部トライアル12上に正確に配置されると、通路46、112はほぼ整列する。このように、通路112の構成は、通路46の構成と同様、下記により詳細に述べるように、患者の切除された脛骨22の近位端20内に各種の外科用ドリル、パンチ、及び他の器具を進めることが可能なものとなっている。
【0050】
次に図4を再び参照すると、タワー基部80の本体84は、タワー基部80の下面88から上方に延びる前面114を有している。前面114は、内部に画定された1対の開口部116、118を有する。開口部116は台形であり、下面88から上方に延びている。下側開口部116からは、多数の側壁120が内側に延びて開口部122を画定している。図1に最も分かりやすく示されるように、開口部122は、本体84の前面114と、本体84の内面124との間に延びているために、開口部122は通路112と連通している。開口部122は、下部ガイド開口部110にもつながっている。
【0051】
タワー基部80の開口部118は長方形であり、下側開口部116の上に配置されている。開口部118からは、多数の側壁126が内側に延びて本体84に別の開口部128を画定している。開口部122と同様、開口部128は、前面114と、内面124との間に延びているために、開口部128は通路112と連通している。他の実施形態では、開口部116、118は、例えば異なる形状を有するように改変することができる点は認識されるはずである。更に、他の実施形態では、ガイドタワー14は1個のみの開口部を有してもよく、あるいは本体84及び/又はアーム86に更なる開口部を有してもよい点は認識されるはずである。
【0052】
ガイドタワー14は、前面114から外側に突出するフランジ130、及び下面88の前部90から下方に延びる1対の固定ピン82を更に含む。フランジ130は、本体84の開口部118の上、かつ上面100の下に配置されている。下面88から延びる固定ピン82は、基部トライアル12に画定された締結穴72の対応する1対の固定ピン穴92内に受容されるようなサイズとなっている。各固定ピン82は、上側部分132、及び上側部分132から下方に延びる下側部分134を含む。上側部分132は直径136を有し、下側部分134は直径138を有している。例示的な実施形態では、直径138は直径136よりも小さく、固定ピン82の下側部分134は上側部分132よりも細くなっている。各固定ピン82は、患者の脛骨22の近位端20と係合するように構成された、先の尖った円錐状先端部140を更に含む。他の実施形態では、ガイドタワー14は、これよりも多いか又は少ない固定ピン82を含んでもよい点は認識されるはずである。
【0053】
図1を再び参照すると、アセンブリ10は、タワー基部80上に配置されるように構成されたドリル係止部18を更に備えている。ドリル係止部18は、六角形の本体150、及び本体150の下端154から下方に延びる1対のタブ152を含む。ドリル係止部18は、本体150の上端158から外側に延びる外側リム156を含む。本体150に画定された円形開口部160は、開口部160から下方に延びる内壁162を有する。内壁162によって、本体150を通じて延びる通路164が画定されている。ドリル係止部18がガイドタワー14上に正確に配置されると、通路164はガイドタワー14の中央開口部98とほぼ整列する。更に、ドリル係止部18とガイドタワー14とは、共に高さ166をなし(図16を参照)、この高さ166は下記により詳細に述べるように、患者の脛骨22のドリル穴深さと一致しうる。
【0054】
ドリル係止部18の下方に延びるタブ152は、ドリル係止部18がタワー基部80上に正確に配置される際にガイドタワー14の上部ガイド開口部96内に配置されるように構成されている。例示的な実施形態では、タブ152は、ドリル係止部18の本体150の下端154が、ガイドタワー14の上面100上に配置される際に、タワー基部80の内壁106の前部144と後部146との間に配置されるようなサイズに構成される(図16を参照)。他の実施形態では、タブ152を省略するかあるいは異なる形態としてもよい点は認識されるはずである。同様に、他の実施形態では、本体150は方形又は円筒状の形状を有してもよい点は認識されるはずである。
【0055】
例示的な実施形態では、基部トライアル12及びガイドタワー14は、鋼、チタン、又はコバルトクロムなどのインプラントグレードの金属材料で形成される。ドリル係止部18は、例えば加硫ゴムのような剛性エラストマー材料で形成される。他の実施形態では、ドリル係止部18はポリエチレン又は超高分子量ポリプロピレン(UHMWP)のようなポリマー材料で形成することができる点は認識されるであろう。
【0056】
上記に述べたように、アセンブリ10は、更に着脱式アラインメントハンドル16を更に備え、外科医はこれを使用して基部トライアル12の位置を調節することができる。次に図6を参照すると、アラインメントハンドル16は、細長い本体170、及び細長い本体170に旋回可能に連結されたレバー66を含んでいる。細長い本体170は、後端172及び前端174、並びにこれらの間に配置されたグリップ176を有している。
【0057】
アラインメントハンドル16のレバー66は、ラッチ端部180、作動端部182、及び端部180、182の間に配置された取り付けブラケット184を有するロッカーアーム178を含む。フランジ又は引っ掛かり部186が、ラッチ端部180においてロッカーアーム178から下方に延びている。引っ掛かり部186は、基部トライアル12のスロット60内に受容されるようなサイズとなっている。レバー66は、作動端部182においてロッカーアーム178に固定される、使用者によって操作されるボタン188を更に含む。例示的な実施形態では、ボタン188は、外科医又は他の使用者の指先を受容するように構成された所定の外形を有する外表面190を有している。
【0058】
細長い本体170の前端174は、レバー66を受容するようなサイズに構成された、内部に画定された溝192を有する。レバー66は、細長い本体170に画定された1対の開口部196及びレバー66の取り付けブラケット184に画定された通孔198を含む継ぎ手194を介して本体170と旋回可能に連結されている。円筒ピン200が、開口部196及び通孔198内に配置されることによってレバー66を本体170と連結する。バネ202として例示的に実施されている付勢要素が、ロッカーアーム178の作動端部182と通路192の底面204との間に配置されている。
【0059】
図6に示されるように、ピン68はレバー66の両側に配置されている。各ピン68は、細長い本体170の前端174から先端部208へと外側に延びる本体206を有する。本体206は、基部トライアル12に画定された開口部64の楕円形状に一致した楕円形状の断面を有する。上記に述べたように、各ピン68は、基部トライアル12に画定された対応する開口部64内に受容されるように構成されている。
【0060】
使用時には、基部トライアル12に画定された開口部64内にピン68の先端部208を配置することにより、アラインメントハンドル16を基部トライアル12に固定することができる。次いで、ピン68を開口部64内に進めて引っ掛かり部186の傾斜した前面を基部トライアル12の側壁36と接触させることができる。ボタン188を押し込むことにより、バネ202によって加えられる付勢力に打ち勝つと、レバー66が継ぎ手194を中心として旋回し、引っ掛かり部186が、基部トライアル12に画定された切欠き部54の溝58と整列する。これにより、レバー66のラッチ端部180を切欠き部54内に進めることができる。レバー66のラッチ端部180が切欠き部54の後端62に配置されると、引っ掛かり部186が楕円形スロット60上に位置する。ボタン188が解放された後、バネ202がレバー66を強制的に旋回させることにより引っ掛かり部186がスロット60内に進められ、これにより基部トライアル12がアラインメントハンドル16に固定される。
【0061】
図7〜10に示されるように、整形外科用外科器具アセンブリ10は、キールパンチ220及び着脱式の打ち込みハンドル222を更に備えている。キールパンチ220は、脛骨トレイ又は他のプロテーゼ要素の移植用に患者の脛骨に準備処置を施すために、基部トライアル12のプレート開口部38を通じて患者の脛骨22の近位端20に挿入されるように構成されている。キールパンチ220は、上部フレーム224、及び上部フレーム224から下方に延びる本体226を有している。上部フレーム224と本体226とは、共にそれらの周囲にリム228を画定する。リム228は、キールパンチ220が基部トライアル12上かつ患者の脛骨22の近位端20内に配置される際に基部トライアル12の棚面52と係合するように構成された、下面230を有している。
【0062】
図8に示されるように、キールパンチ220の上部フレーム224は、中央プラットフォーム232、及び中央プラットフォーム232から外側に延びる1対のアーム234を含んでいる。柱状部236が上部フレーム224の上面238から上端240にまで上方に延び、リップ242が上端240から外側に延びている。リップ242は、上面238とほぼ平行に延びる下面244を有している。下面244と中央プラットフォーム232の上面238とは、共にレバー受容切欠き部246を画定する。レバー受容切欠き部246は、下記により詳細に述べるように、打ち込みハンドル222に付随するロックフランジ248を受容するように構成されている。
【0063】
キールパンチ220の本体226は、中央弾丸状部250、及びアーム234の下に配置され、中央弾丸状部250から外側に延びる1対の下側アーム252を含む。中央弾丸状部250は、その長さに沿って直径が変化する円形の断面を有している(すなわち、弾丸状部250の直径は上下方向にテーパしている)。このため、弾丸状部250の上端256における断面直径は、弾丸状部250の下端258における断面直径よりも大きくなっている。下側アーム252のそれぞれには、多数の下方に延びる歯状部260が画定されている。歯状部260は、患者の脛骨22と噛合して、患者の脛骨22の近位端20に脛骨インプラントを受容するようなサイズの開口部404を画定する(図26を参照)。
【0064】
図9に示されるように、キールパンチ220の柱状部236は、内部に画定された開口部262を有している。内壁264が、開口部262から下方に延びてキールパンチ220を通じた中央通路266を画定している。開口部262は、打ち込みハンドル222に付随するガイドピン268を受容するように構成されている(図7を参照)。内壁264は、キールパンチ220を1つの所定の向きでのみ打ち込みハンドル222に取り付けることを可能とする鍵形成部分270を有している。
【0065】
上部フレーム224の中央プラットフォーム232もやはり鍵形成部分272を有している。鍵形成部分272、及びプラットフォーム232に対するアーム234の向きのため、キールパンチ220を基部トライアル12のプレート開口部38内に所定の向きで挿入することが可能となっている。
【0066】
上記に述べたように、アセンブリ10は、キールパンチ220及び/又はガイドタワー14に着脱可能に取り付けることができる打ち込みハンドル222を更に備えている。次に図10を参照すると、打ち込みハンドル222は、細長い本体280、細長い本体280の端部284に連結された取り付けシャフト282、並びにキールパンチ220及び/又はガイドタワー14をハンドル222の取り付け端部276に取り付けるように構成された取り付け機構278を含んでいる。細長い本体280は、端部284から延びるネック286、及び細長い本体280の反対側の端部290においてネック286に連結されたヘッド288を含む。グリップ292がネック286の、端部284、290間に固定されており、外科医又は他の使用者の手を受容するように構成されている。グリップ292は、所定の断面積294を有している。
【0067】
打ち込みハンドル222のヘッド288は、端部290に配置された金属プレート298を含む。金属プレート298は、グリップ292の断面積294よりも大きい断面積302を有する円形基部300を含む。使用時には、外科医は、グリップ292を介して打ち込みハンドル222を握り、マレット、スレッジ、又は他の打ち込み用具を使用して金属プレート298を打撃することによりキールパンチ220を患者の脛骨22の近位端20内に打ち込む。円形基部300はグリップ292の断面積294よりも大きな断面積302を有しているため、円形基部300はグリップ292を使用する外科医の手を保護する。金属プレート298は、円形基部300から外側に延びるフランジ304を更に含み、フランジ304は基部300と共に外科医の手を保護する機能を有する。
【0068】
打ち込みハンドル222の取り付け機構278は、取り付けシャフト282に旋回可能に連結されるレバー308を含む。レバー308は、ラッチアーム310、及びラッチアーム310の端部314から所定角度で延びる作動アーム312を含む。ラッチアーム310の下面318の、端部314と反対側の端部320との間には、取り付けブラケット316が固定されている。
【0069】
ロックフランジ248がラッチアーム310の端部320に配置されており、ラッチアーム310の下面318から下方に延びている。上記に述べたように、ロックフランジ248は、キールパンチ220のリップ242と係合してキールパンチ220を打ち込みハンドル222に固定するように構成されている。ロックフランジ248は、傾斜した前面324とラッチアーム310の下面318と直交する方向に延びる後面326とを含む楔形本体322を有している。キールパンチ220が打ち込みハンドル222に固定される際、後面326はリップ242の下面244と接触する(図17を参照)。
【0070】
ラッチアーム310の端部314に隣接して別のロックフランジ又は引っ掛かり部328が配置されていることにより、取り付けブラケット316はフランジ248と引っ掛かり部328との間に位置するようになっている。下記により詳細に述べるように、ガイドタワー14の開口部118は引っ掛かり部328を受容するようなサイズとなっているために、ガイドタワー14を打ち込みハンドル222に対して固定することができる。図10に示されるように、引っ掛かり部328は、ラッチアーム310の上面332からロックフランジ248と逆方向に上方に延びる楔形本体330を含んでいる。本体330は、傾斜した前面334と、ラッチアーム310の上面332と直交する方向に延びる後面336とを含む。ガイドタワー14が打ち込みハンドル222に固定される際、後面336はガイドタワー14の上側側壁338と接触する(図25を参照)。
【0071】
レバー308の作動アーム312は、ラッチアーム310に対して一定の角度をなす2個の枝部340、342に分割されている。枝部340はラッチアーム310の端部314から遠ざかる方向に延びており、枝部342は枝部340から延びている。枝部340、342は、ラッチアーム310の上面332及び互いに対して角度をなす、傾斜した上面344、346をそれぞれ有している。レバー308は、枝部342に固定される、使用者によって操作されるボタン348を更に含む。例示的な実施形態では、ボタン348は、外科医又は他の使用者の指先を受容するように構成された所定の外形を有する外表面350を含む。
【0072】
打ち込みハンドル222の取り付けシャフト282は、細長い本体280の端部284から延びるハウジング360を含む。ハウジング360は、1対の側壁364によって画定される溝362を有している。溝362はレバー308を受容するようなサイズとなっており、レバー308が継ぎ手366を介してハウジング360に旋回可能に連結される。継ぎ手366は、側壁364に画定された1対の開口部368及び取り付けブラケット316に画定された通孔370を含む。円筒ピン372が開口部368及び通孔370内に配置されることによって、レバー308がハウジング360と連結される。図10に示されるように、継ぎ手366は、レバー308のロックフランジ248と引っ掛かり部328との間に配置される。
【0073】
取り付けシャフト282は、ハウジング360から延びるロッド380を更に含む。ガイドピン268がロッド380の端面382から延出している。ハウジング360、ロッド380、及びガイドピン268の断面積は徐々に小さくなっている。このため、打ち込みハンドル222の取り付け端部276には段差が形成されている。ガイドピン268は、キールパンチ220に画定された開口部262の形状にほぼ一致した断面を有している。図10に示されるように、ガイドピン268は、キールパンチ220の鍵形成部分270内に受容されるようなサイズに構成された平坦面384を含んでいる。
【0074】
取り付けシャフト282のロッド380は、ハウジング360に画定された溝362とほぼ整列した、内部に画定された溝386を有する。レバー308のラッチアーム310が、溝362、386内に配置されて、溝362、386から外側に延び、ラッチアーム310の端部320が、ロッド380の端面382を超えて配置されることにより、ロックフランジ248がガイドピン268上に配置され、平坦面384に向かって延びることになる。この構成により、ロックフランジ248がキールパンチ220の切欠き部246内に配置され、ガイドピン268がキールパンチ220の開口部262内に配置されることで、キールパンチ220が打ち込みハンドル222に固定される。
【0075】
図10に示されるように、細長い本体280のネック286は、レバー308の作動アーム312を受容するようなサイズに構成された、内部に画定された溝390を有している。打ち込みハンドル222は、作動アーム312と溝390の底面394との間に配置され、バネ392として例示的に実施される付勢要素を更に有している。
【0076】
キールパンチ220を打ち込みハンドル222に固定するためには、ガイドピン268がキールパンチ220の開口部262内に配置される。レバー308の、使用者によって操作されるボタン348を所定量の力で押し込むことにより、バネ392によって加えられる付勢力に打ち勝つと、レバー308が継ぎ手366を中心として旋回する。レバー308が旋回すると、レバー308の下面318がロッド380の溝386の外に動かされ、ロックフランジ248がガイドピン268の平坦面384から遠ざかる方向に動かされる。
【0077】
ガイドピン268は、キールパンチ220の柱状部236がロッド380の端面382と接触するまで、キールパンチ220に画定された通路266に沿って進めることができる。この位置において、ロックフランジ248がレバー受容切欠き部246上に配置される。ボタン348が解放されると、バネ392がレバー308を、継ぎ手366を中心として強制的に旋回させ、ロックフランジ248がキールパンチ220の切欠き部246内に進められる。詳細には、キールパンチ220のリップ242がロックフランジ248とロッド380の端面382との間に配置される一方で、打ち込みハンドル222のガイドピン268がキールパンチ220の開口部262内に配置される。これにより、キールパンチ220は打ち込みハンドル222に固定される。
【0078】
アセンブリ10に関して上記に述べた器具の1以上のものを省略するか又は改変することが可能である点は認識されるであろう。例えば、実施形態によっては、ガイドタワー14の上面100がドリル係止部として機能しうるために、ドリル係止部18は必要ではない。更に、例えば基部トライアル12を、アラインメントエッチング70を設けずに製造するか、又はより少ない数の締結穴72を有するように製造することができる。
【0079】
操作時には、整形外科用外科器具アセンブリ10を、図11に示されるような整形外科手術の施術において使用する。図12〜25に示されるように、脛骨基部トライアル12及びガイドタワー14を、患者の脛骨22の近位端20の切除面400上に配置し、外科医がトライアル12及びタワー14を用いて患者の脛骨22の近位端20の穴をリーマーにより拡大しながら、例えば外科用ドリルを案内する。この後、ガイドタワー14を取り外す前に、患者の脛骨22の近位端20にキールパンチ220を打ち込む。
【0080】
次に図11を参照すると、外科器具アセンブリ10を使用した例示的な整形外科手術500が示されている。ブロック502では、外科医は、脛骨基部トライアル12を患者の脛骨22の近位端20の切除面400上に配置する。これを行うためには、外科医は、アラインメントハンドル16を基部トライアル12に取り付け、図12に示されるように、アラインメントハンドル16を使用して基部トライアル12を切除面400上に配置して、アラインメントエッチング70を患者の脛骨22の近位端20に設けられた1以上のマーク402と整列させることができる。あるいは、外科医は手で基部トライアル12を配置することを選択することもできる。
【0081】
アラインメントハンドル16を使用する際、外科医は、最初にアラインメントハンドル16を基部トライアル12に取り付ける。これを行うためには、外科医は、アラインメントハンドル16から延びるピン68の先端部208を基部トライアル12に画定された開口部64内に配置する。外科医がボタン188を押し込むことにより、バネ202によって加えられる付勢力に打ち勝つと、レバー66が継ぎ手194を中心として旋回し、引っ掛かり部186が、基部トライアル12に画定された切欠き部54の溝58と整列する。外科医は、レバー66のラッチ端部180を切欠き部54内に進める。レバー66のラッチ端部180が切欠き部54の後端62に配置されると、引っ掛かり部186が楕円形スロット60上に位置する。外科医がボタン188を解放すると、バネ202がレバー66を強制的に旋回させることにより、引っ掛かり部186がスロット60内に進められ、これにより基部トライアル12がアラインメントハンドル16に固定される。
【0082】
基部トライアル12のアラインメントエッチング70を、患者の脛骨22の近位端20上に設けられた1以上のマーク402と整列させた後、手術はブロック504に進み、外科医は基部トライアル12に画定された締結穴72を利用して患者の脛骨22の近位端20に多数の開口部を穿孔する。所望の数の穴を穿孔した後、手術はブロック506に進む。
【0083】
ブロック506では、ガイドタワー14を基部トライアル12上に配置する。これを行うためには、外科医はタワー基部80を基部トライアル12上に配置する。図13に示されるように、外科医はタワー基部80から延びる固定ピン82を、基部トライアル12に画定された固定ピン穴92と整列させる。外科医が固定ピン82を基部トライアル12のピン穴92内に進めることにより、ピン82の円錐状先端部140が患者の脛骨22の近位端20に穿孔された開口部内に配置される。外科医は、開口部内に固定ピン82を引き続き進めつつ、タワー基部80を下げて基部トライアル12の上面32と接触させる。
【0084】
図14に示されるように、外科医は必要に応じて1以上の更なる固定ピン74を患者の脛骨22の近位端20に挿入することもできる。これを行うためには、外科医は、患者の脛骨22の切除された近位端20に更なる数の開口部を穿孔する。次いで外科医は、締結穴72を通じて患者の脛骨22の近位端20内へと固定ピン74を進めることによって、脛骨基部トライアル12を患者の脛骨22に固定する。外科医は、基部トライアル12上にガイドタワー14を配置する前又は後で更なる固定ピンを取り付けることができる点は認識されるはずである。
【0085】
次に図11を再び参照すると、手術500はブロック508により継続し、外科医が患者の脛骨22の穴をリーマーによって拡大する。これを行うためには、外科医は、例えば図15に示される外科用ドリル410を使用することができる。外科用ドリル410を、ガイドタワー14に画定された上部ガイド開口部96を通じて、通路112に沿って進める。次いでドリル410を基部トライアル12の中央開口部40に通して、患者の脛骨22と係合させる。ここで外科医はドリル410を作動させ、ガイドタワー14及び基部トライアル12を、患者の脛骨22に対してドリル410を正確な向きに維持するためのガイドアセンブリとして使用して、患者の脛骨22の近位端20にドリル穴412を形成する。
【0086】
図15に示されるように、ドリル410は、それぞれがドリル穴412の異なる深さに対応した複数の水平線414を有している。外科医は、所望の深さに対応した水平線414のうちの1つがガイドタワー14の上面100と整列するまで、患者の脛骨22の近位端20内にドリル410を進めることができる。これにより、水平線414とガイドタワー14の高さ94との組み合わせによって、ドリル410は所定のドリル穴深さに限定される。他の実施形態では、ドリル410は、ドリル410が患者の脛骨22内の所望の深さにまで進んだ時点で上面100と係合する深さ止めを更に含んでもよい点は認識されるはずである。
【0087】
図16に示されるように、外科医は必要に応じてドリル係止部18を使用してリーミングプロセスを案内することができる。これを行うためには、ドリル係止部18をガイドタワー14上に配置する。外科医は、所望の深さに対応した水平線414のうちの1つがドリル係止部18の上面と整列するまで、患者の脛骨22内にドリル410を進めることができる。これにより、水平線414と、ガイドタワー14及びドリル係止部18を合わせた高さ166との組み合わせによって、ドリル410は別の所定のドリル穴深さに限定される。他の実施形態では、ドリル410が、ドリル係止部18とは別に、又はこれと組み合わせて使用することができる深さ止めを更に含むことにより、ドリル410を患者の脛骨22内の所望の深さにまで進めることが可能である点は認識されるはずである。
【0088】
リーミングプロセスによって発生する破片により、キールパンチ220の基部トライアル12上への正確な配置が妨げられる場合があるため、外科医はリーミングの後にガイドタワー14及びドリル穴412を洗浄することができる。これを行うためには、外科医は、上部ガイド開口部96内に、通路112を通じ、ドリル穴412内へと流体を噴射することができる。更に、外科医はガイドタワー14に画定された開口部116、118を利用してアセンブリ10の内部及びドリル穴412内に流体を適用することができる。タワー14の開口部116は下部ガイド開口部110と連通しているため、開口部116もまた、破片がアセンブリ10及びドリル穴412から流出する経路を与えるものであり、これにより洗浄プロセスを更に支援するものである。
【0089】
図11を再び参照すると、外科医は、手術500のブロック510においてキールパンチ220を選択する。外科医は、例えば手術キットに含まれる複数のキールパンチから適当なサイズのキールパンチ220を選択することができる。また、キールパンチ220のサイズが予め決まっており、手術キットが1個のみのキールパンチを含んでもよい。その場合、外科医は手術キットに含まれる唯一のキールパンチ220を選択するだけである。
【0090】
キールパンチ220が選択されたなら、外科医は、図17に示されるようにキールパンチ220を打ち込みハンドル222に取り付ける。上記に述べたように、外科医は打ち込みハンドル222のガイドピン268をキールパンチ220の開口部262内に配置し、レバー308の使用者によって操作されるボタン348を所定量の力で押し込むことでバネ392によって加えられる付勢力に打ち勝つことによって、レバー308が継ぎ手366を中心として旋回する。レバー308が旋回すると、ロックフランジ248がガイドピン268の平坦面384から遠ざかる方向に動かされ、キールパンチ220の柱状部236がロッド380の端面382と接触するまで、ガイドピン268をキールパンチ220に画定された通路266に沿って進めることができる。この位置において、ロックフランジ248がレバー受容切欠き部246上に配置される。外科医がボタン348を解放すると、バネ392がレバー308を、継ぎ手366を中心として強制的に旋回させ、ロックフランジ248が切欠き部246内に進められることにより、キールパンチ220が打ち込みハンドル222に固定される。
【0091】
手術500のブロック512では、外科医は、キールパンチ220及び打ち込みハンドル222の取り付け端部276をガイドタワー14の上部ガイド開口部96に挿入する。図18に示されるように、キールパンチ220及び打ち込みハンドル222は上部ガイド開口部96を通じて、通路112に沿って進められる。図19に示されるように、レバー308の引っ掛かり部328が、タワー基部80の上面100と接触するように進められる。外科医が打ち込みハンドル222をガイドタワー14内に更に深く押し込むと、引っ掛かり部328はガイドタワー14の内壁126の内面124に沿って進み、キールパンチ220は脛骨基部トライアル12のプレート開口部38を通り、患者の脛骨22の近位端20内に進められる。
【0092】
手術500のブロック514では、外科医はキールパンチ220を患者の脛骨22内に打ち込んで、脛骨22の内部にキールパンチ220を配置させる。これを行うためには、外科医は打ち込みハンドル222のヘッド288をマレット又は他の器具で叩いて、キールパンチ220を患者の脛骨22内に打ち込む。キールパンチ220の下側アーム252に画定された歯状部260が患者の脛骨22と噛合し、ドリル穴412を、脛骨インプラントを受容するようなサイズの開口部404へと拡張する。図20に示されるように、キールパンチ220が患者の脛骨22内に打ち込まれるに従って、作動アーム312の傾斜した上面344が、ガイドタワー14の内壁126の内面124の上縁416と接触するように動く。ガイドタワー14の内面124とレバー308の傾斜した上面344との接触によって、バネ392により加えられる付勢力に打ち勝つような所定量の力がレバー308に加えられる。バネ付勢力に打ち勝つと、レバー308が継ぎ手366を中心として旋回することにより、ロックフランジ248がキールパンチ220のリップ242から離れる方向に動く。このようにして、打ち込みハンドル222とガイドタワー14との接触によって、レバー308は自動的に作動される。
【0093】
外科医は、キールパンチ220が患者の脛骨22内に正確に配置されるまで引き続きキールパンチ220を患者の脛骨22内に打ち込んでいく。キールパンチ220が患者の脛骨22内により深く打ち込まれるのに従って、レバー308の作動アーム312がガイドタワー14の内面124に沿って進められ、作動アーム312の傾斜した上面346が内面124と接触する。図21に示されるように、傾斜した上面346と内面124との接触によって、レバー308が継ぎ手366を中心として更に旋回することにより、ロックフランジ248がキールパンチ220のリップ242との係合から完全に離脱する。キールパンチ220が配置されると、パンチ220の上部フレーム224の下面230が、図21及び22に示されるように基部トライアル12の棚面52と係合する。
【0094】
手術500の次のブロック516では、外科医は打ち込みハンドル222を、配置されたキールパンチ220から脱離させる。これを行うためには、図23に示されるように、外科医はハンドル222をガイドタワー14の通路112に沿って上方に引っ張る。作動アーム312がタワー14の内面124と接触状態に維持されるため、ロックフランジ248はリップ242から離間し、キールパンチ220から係脱した状態に維持される。このため、打ち込みハンドル222が通路112を上方に動くと、キールパンチ220は患者の脛骨22内に配置されたままとなる。
【0095】
手術500の次のブロック518では、打ち込みハンドル222がガイドタワー14に取り付けられる。これを行うためには、外科医は、引き続き通路112に沿って打ち込みハンドル222を上方に引っ張るのみでよく、レバー308が自動的に作動されて、打ち込みハンドル222がガイドタワー14に取り付けられる。図24に示されるように、打ち込みハンドル222が通路112を上方に動くのに従って、レバー308の作動アーム312がガイドタワー14の通路112から引き出される。作動アーム312がガイドタワー14の内面124と接触しなくなると、バネ392がレバー308を、継ぎ手366を中心として強制的に旋回させ、レバー308をロッド380と再び接触するように動かす。このようにして、レバー308は自動的に作動される。更に図24に示されるように、打ち込みハンドル222の引っ掛かり部328の後面336がガイドタワー14の上側側壁338と係合することにより、ガイドタワー14は打ち込みハンドル222に固定される。
【0096】
手術500のブロック520では、外科医は打ち込みハンドル222を使用して基部トライアル12からガイドタワー14を脱離させる。これを行うためには、外科医は打ち込みハンドル222を引き続き上方に引っ張る。引っ掛かり部328がガイドタワー14の上側側壁338と係合しているため、ガイドタワー14は打ち込みハンドル222と一緒に上方に引っ張られる。図25に示されるように、ガイドタワー14が基部トライアル12から脱離されると、固定ピン82が患者の脛骨22から引き抜かれ、患者の脛骨22の近位端20上に配置された脛骨基部トライアル12及び脛骨基部トライアル12内に配置されたキールパンチ220のみが残る。基部トライアル12及びキールパンチ220を使用して、患者の脛骨22から取り外す前に外科用インプラントの更なる選択及び評価を行うことができる。
【0097】
ガイドタワー14が基部トライアル12から取り外された後、レバー308を作動させることによって打ち込みハンドル222をガイドタワー14から取り外すことができる。外科医は、レバー308の使用者によって操作されるボタン348を、バネ392によって加えられる付勢力に打ち勝つような所定量の力で押し込むだけでよく、これによりレバー308が継ぎ手366を中心として旋回する。レバー308が旋回するに従って、引っ掛かり部328がガイドタワー14の上側側壁338から係脱し、これにより外科医がハンドル222をガイドタワー14から分離することが可能となる。
【0098】
図26に示されるように、患者の脛骨22の近位端20に結果として形成される形成部は、脛骨インプラントを受容するような構成となっている。脛骨インプラントは脛骨22内に圧入するか、あるいは骨セメントの使用によって脛骨22に固定することができる点は認識されるはずである。
【0099】
以上、図面及び上記の説明文において本開示内容を詳細に図示、説明したが、こうした図示、説明はその性質上、例示的なものとみなすべきであって、限定的なものとみなすべきではなく、あくまで例示的実施形態を示し、説明したものにすぎないのであって、本開示の趣旨の範囲に含まれる変更及び改変はすべて保護されることが望ましい点は理解されるであろう。
【0100】
本開示は、本明細書において述べた方法、装置、及びシステムの様々な特徴に基づく多くの利点を有するものである。本開示の方法、装置、及びシステムの代替的実施形態は、本明細書に述べた特徴のすべてを含むわけではないが、こうした特徴の利点の少なくとも一部から利益を享受するものである点に留意されたい。当業者であれば、本発明の1つ以上の特徴を取り入れた、「特許請求の範囲」において定義される本開示の趣旨及び範囲に包含される方法、装置、及びシステムを独自に実施することが容易に可能であろう。
【0101】
〔実施の態様〕
(1) 整形外科用外科器具アセンブリであって、
細長い本体及び継ぎ手において前記本体と旋回可能に連結されたレバーを含むハンドルであって、前記レバーが、(i)前記継ぎ手の下に配置された、第1の方向に延びる第1のフランジと、(ii)前記継ぎ手が前記第1のフランジと第2のフランジとの間に配置されるように前記継ぎ手の上に配置された第2のフランジであって、前記第1の方向と逆の第2の方向に延びる、第2のフランジと、を含む、ハンドルと、
外科的準備処置が施された患者の脛骨の近位端に挿入されるように構成されたキールパンチであって、前記レバーの前記第1のフランジが係合するように構成されたリップを含む、キールパンチと、
(i)前記キールパンチ及び前記ハンドルの前記本体を受容するサイズに構成された通路を画定する内面を有するタワー基部と、(ii)前記タワー基部に方形の開口部を画定する内壁であって、前記レバーの前記第2のフランジが係合するように構成されている、内壁と、を含むガイドタワーと、を備える整形外科用外科器具アセンブリ。
(2) 前記ハンドルが、前記本体から延びるガイドピンを更に含み、
前記キールパンチが、前記ガイドピンを受容するサイズに構成された開口部が内部に画定された柱状部を含み、前記キールパンチの前記リップが前記柱状部から外側に延びる、実施態様1に記載の整形外科用外科器具アセンブリ。
(3) 前記レバーが、(i)前記第1のフランジが前記キールパンチの前記リップと係合する第1のレバー位置と、(ii)前記第1のフランジが前記キールパンチの前記リップから係脱する第2のレバー位置とを含む複数のレバー位置の間で、前記ハンドルの前記本体に対して旋回するように構成されている、実施態様1に記載の整形外科用外科器具アセンブリ。
(4) 前記ハンドルが、前記ガイドタワーの前記通路内において複数のハンドル位置の間で動くことが可能であり、
前記レバーが、前記ハンドルが前記ハンドル位置の少なくとも1つに配置されている場合に前記タワー基部の前記内面と接触することにより前記レバーを前記ハンドルの前記本体に対して旋回させるように構成された、上側アームを含む、実施態様3に記載の整形外科用外科器具アセンブリ。
(5) 前記複数のハンドル位置が、前記上側アームが前記タワー基部の前記内面から離間することにより前記レバーが前記第1のレバー位置に配置されるような第1のハンドル位置を含む、実施態様4に記載の整形外科用外科器具アセンブリ。
(6) 前記複数のハンドル位置が、前記上側アームが前記タワー基部の前記内面と接触することにより前記レバーが前記第2のレバー位置に配置されるような第2のハンドル位置を含む、実施態様5に記載の整形外科用外科器具アセンブリ。
(7) 前記ハンドルが前記第1のハンドル位置にある場合に、前記レバーの前記第2のフランジが前記ガイドタワーの前記内壁と係合する、実施態様6に記載の整形外科用外科器具アセンブリ。
(8) 前記ハンドルが前記第2のハンドル位置にある場合に、前記レバーの前記第2のフランジが前記ガイドタワーの前記内壁から係脱する、実施態様6に記載の整形外科用外科器具アセンブリ。
(9) 前記レバーが、前記上側アームに所定量の力が作用する場合に前記第2のレバー位置となるように構成されている、実施態様4に記載の整形外科用外科器具アセンブリ。
(10) (i)前記ハンドルが、前記レバーを前記第1のレバー位置に付勢する付勢要素を更に有し、(ii)前記所定量の力が、前記付勢要素の付勢力よりも大きい、実施態様9に記載の整形外科用外科器具アセンブリ。
【0102】
(11) 前記付勢要素が金属バネである、実施態様10に記載の整形外科用外科器具アセンブリ。
(12) 患者の切除された脛骨の前記近位端上に配置されるように構成された基部トライアルを更に備え、前記基部トライアルが、内部に画定された、前記キールパンチの下端を受容するサイズに構成された開口部を有し、前記タワー基部が、前記タワー基部の前記通路が前記開口部とほぼ整列して前記基部トライアル上に配置されるように構成されている、実施態様1に記載の整形外科用外科器具アセンブリ。
(13) 整形外科用外科器具アセンブリであって、
(i)下端を有する本体と、(ii)前記下端から延びるガイドピンと、(iii)前記本体と旋回可能に連結されたレバーであって、前記本体の前記下端の下に配置されたフランジを含み、前記フランジは前記ガイドピンに向かって内側に延びる、レバーと、を含むハンドルと、
患者の外科的準備処置が施された脛骨の近位端に挿入されるように構成されたキールパンチであって、前記ガイドピンを受容するサイズに構成された開口部が内部に画定された柱状部と、前記柱状部から外側に延び、前記レバーの前記フランジが係合するように構成されているリップとを含む、キールパンチと、を備え、
前記レバーが、(i)前記フランジが前記キールパンチの前記リップと係合する第1のレバー位置と、(ii)前記フランジが前記キールパンチの前記リップから係脱する第2のレバー位置とを含む複数のレバー位置の間で、前記ハンドルの前記本体に対して旋回するように構成されている、整形外科用外科器具アセンブリ。
(14) 前記ハンドルが、前記第1のレバー位置に前記レバーを付勢する付勢要素を更に有する、実施態様13に記載の整形外科用外科器具アセンブリ。
(15) (i)前記キールパンチが、主プラットフォーム及び前記主プラットフォームから外側に延びる1対のアームを更に含み、(ii)前記キールパンチの前記柱状部が、前記主プラットフォームから前記1対のアームの上方に延びる、実施態様13に記載の整形外科用外科器具アセンブリ。
(16) 前記キールパンチは、内部に画定された複数の下向きの歯状部を有する、実施態様13に記載の整形外科用外科器具アセンブリ。
(17) 整形外科用外科器具アセンブリであって、
細長い本体及び前記細長い本体の端部に配置された継ぎ手において前記本体と旋回可能に連結されたレバーを含むハンドルであって、前記レバーが、(i)前記継ぎ手の下に配置された、第1の方向に延びる第1のフランジと、(ii)前記継ぎ手が前記第1のフランジと第2のフランジとの間に配置されるように前記継ぎ手の上に配置された第2のフランジであって、前記第1の方向と逆の第2の方向に延びる、第2のフランジとを含む、ハンドルを備える整形外科用外科器具アセンブリ。
(18) 前記細長い本体がグリップを含む、実施態様17に記載の整形外科用外科器具アセンブリ。
(19) 外科的準備処置が施された患者の脛骨の近位端に挿入されるように構成されたキールパンチを更に備え、前記キールパンチが、(i)内部に画定された開口部を有する柱状部と、(ii)前記柱状部から延びるリップとを含み、
(i)前記ハンドルが、前記本体から延び、前記キールパンチの前記開口部内に受容されるガイドピンを更に含み、(ii)前記レバーの前記第1のフランジが、前記キールパンチの前記リップと係合する、実施態様17に記載の整形外科用外科器具アセンブリ。
(20) (i)前記ハンドルの前記本体を受容する通路を画定する内面を有するタワー基部と、(ii)前記タワー基部の前記内面に開口部を画定する内壁とを含むガイドタワーを更に備え、
前記レバーの前記第2のフランジが前記ガイドタワーの前記内壁と係合する、実施態様17に記載の整形外科用外科器具アセンブリ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
整形外科用外科器具アセンブリであって、
細長い本体及び継ぎ手において前記本体と旋回可能に連結されたレバーを含むハンドルであって、前記レバーが、(i)前記継ぎ手の下に配置された、第1の方向に延びる第1のフランジと、(ii)前記継ぎ手が前記第1のフランジと第2のフランジとの間に配置されるように前記継ぎ手の上に配置された第2のフランジであって、前記第1の方向と逆の第2の方向に延びる、第2のフランジと、を含む、ハンドルと、
外科的準備処置が施された患者の脛骨の近位端に挿入されるように構成されたキールパンチであって、前記レバーの前記第1のフランジが係合するように構成されたリップを含む、キールパンチと、
(i)前記キールパンチ及び前記ハンドルの前記本体を受容するサイズに構成された通路を画定する内面を有するタワー基部と、(ii)前記タワー基部に方形の開口部を画定する内壁であって、前記レバーの前記第2のフランジが係合するように構成されている、内壁と、を含むガイドタワーと、を備える整形外科用外科器具アセンブリ。
【請求項2】
前記ハンドルが、前記本体から延びるガイドピンを更に含み、
前記キールパンチが、前記ガイドピンを受容するサイズに構成された開口部が内部に画定された柱状部を含み、前記キールパンチの前記リップが前記柱状部から外側に延びる、請求項1に記載の整形外科用外科器具アセンブリ。
【請求項3】
前記レバーが、(i)前記第1のフランジが前記キールパンチの前記リップと係合する第1のレバー位置と、(ii)前記第1のフランジが前記キールパンチの前記リップから係脱する第2のレバー位置とを含む複数のレバー位置の間で、前記ハンドルの前記本体に対して旋回するように構成されている、請求項1に記載の整形外科用外科器具アセンブリ。
【請求項4】
前記ハンドルが、前記ガイドタワーの前記通路内において複数のハンドル位置の間で動くことが可能であり、
前記レバーが、前記ハンドルが前記ハンドル位置の少なくとも1つに配置されている場合に前記タワー基部の前記内面と接触することにより前記レバーを前記ハンドルの前記本体に対して旋回させるように構成された、上側アームを含む、請求項3に記載の整形外科用外科器具アセンブリ。
【請求項5】
前記複数のハンドル位置が、前記上側アームが前記タワー基部の前記内面から離間することにより前記レバーが前記第1のレバー位置に配置されるような第1のハンドル位置を含む、請求項4に記載の整形外科用外科器具アセンブリ。
【請求項6】
前記複数のハンドル位置が、前記上側アームが前記タワー基部の前記内面と接触することにより前記レバーが前記第2のレバー位置に配置されるような第2のハンドル位置を含む、請求項5に記載の整形外科用外科器具アセンブリ。
【請求項7】
前記ハンドルが前記第1のハンドル位置にある場合に、前記レバーの前記第2のフランジが前記ガイドタワーの前記内壁と係合する、請求項6に記載の整形外科用外科器具アセンブリ。
【請求項8】
前記ハンドルが前記第2のハンドル位置にある場合に、前記レバーの前記第2のフランジが前記ガイドタワーの前記内壁から係脱する、請求項6に記載の整形外科用外科器具アセンブリ。
【請求項9】
前記レバーが、前記上側アームに所定量の力が作用する場合に前記第2のレバー位置となるように構成されている、請求項4に記載の整形外科用外科器具アセンブリ。
【請求項10】
(i)前記ハンドルが、前記レバーを前記第1のレバー位置に付勢する付勢要素を更に有し、(ii)前記所定量の力が、前記付勢要素の付勢力よりも大きい、請求項9に記載の整形外科用外科器具アセンブリ。
【請求項11】
前記付勢要素が金属バネである、請求項10に記載の整形外科用外科器具アセンブリ。
【請求項12】
患者の切除された脛骨の前記近位端上に配置されるように構成された基部トライアルを更に備え、前記基部トライアルが、内部に画定された、前記キールパンチの下端を受容するサイズに構成された開口部を有し、前記タワー基部が、前記タワー基部の前記通路が前記開口部とほぼ整列して前記基部トライアル上に配置されるように構成されている、請求項1に記載の整形外科用外科器具アセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2013−13732(P2013−13732A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−146648(P2012−146648)
【出願日】平成24年6月29日(2012.6.29)
【出願人】(501384115)デピュイ・プロダクツ・インコーポレイテッド (216)
【Fターム(参考)】