説明

プロピレン系樹脂フィルムまたはシート、または該フィルムまたはシートを含んでなる積層体、プロピレン系重合体組成物および該組成物からなるペレット

【課題】透明性、耐熱性、柔軟性にも優れたフィルムまたはシート、および該フィルムまたはシートからなる積層体を提供すること。フィルムまたはシートを積層しても、シンジオタクティック構造を有する重合体系の特長である耐傷付き性が保持されること。
【解決手段】本発明のプロピレン系樹脂フィルムまたはシート、または該フィルムまたはシートを含んでなる積層体は、(1)針進入温度(TMA温度)が120℃以上であり、(2)柔軟性(YM)が1〜500MPaであり、
(3)フィルムの内部ヘイズが0.1%〜50%以下であり、(4)プロピレン系樹脂は極性モノマーでグラフト変性されており、極性モノマーのグラフト量が、グラフト変性プロピレン系樹脂100重量%に対し、0.02重量%以上10重量%以下であることを特徴とする。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロピレン由来の構成単位を50mol%以上(プロピレン由来の構成単位と任意成分である炭素数2〜20のα−オレフィン由来の構成単位との合計を100モル%とする。)含有し、下記要件(z)を充足するグラフト変性プロピレン系樹脂からなり、
下記要件(1)〜(3)を満たす
ことを特徴とするフィルムまたはシート;
(z)該グラフト変性プロピレン系樹脂は、プロピレン系樹脂を極性モノマーでグラフト変性してなり、極性モノマーのグラフト量は、グラフト変性プロピレン系樹脂100重量%に対し0.02重量%以上10重量%以下である、
(1)針進入温度(TMA温度)が120℃以上である、
(2)柔軟性ヤング率(YM)が1〜500MPaである、
(3)フィルムまたはシートの内部ヘイズが0.1%〜50%である。
【請求項2】
前記グラフト変性プロピレン系樹脂が、
(AA)下記要件(a)を充足するプロピレン系重合体(A)に対して、極性モノマーでグラフト変性してなるグラフト変性プロピレン重合体を10〜95重量部、および、
(BB)下記要件(b)を充足するプロピレン・α-オレフィン共重合体(B)および/
またはプロピレン・α−オレフィン共重合体(B)に対して、極性モノマーでグラフト変性してなるグラフト変性プロピレン・α−オレフィン共重合体(B1)を合計 90〜5重量部(ただし、(AA)と(BB)との合計を100重量部とする)
を含むプロピレン系重合体組成物(X)である請求項1に記載のフィルムまたはシート;(a):示差走査熱量計(DSC)により測定される融点(Tm)が140℃以上であり、かつプロピレンから導かれる構成単位が90モル%(ただし、該重合体(A)中のプロピレンから導かれる構成単位と、必要に応じで含んでいても良い炭素数2〜20のα−オレフィン(ただしプロピレンを除く)から導かれる構成単位との合計を100モル%とする。)を超える量である、
(b):プロピレンから導かれる構成単位を30〜90モル%(ただし、該共重合体(B)中のプロピレンから導かれる構成単位と炭素数2〜20のα−オレフィン(ただしプロピレンを除く)から導かれる構成単位の全量を100モル%とする。)の量で含有し、かつ炭素原子数2〜20のα-オレフィン(プロピレンを除く)から選ばれる少なくとも1
種のオレフィンから導かれる構成単位を10〜70モル%(ただし、プロピレンから導かれる構成単位と炭素数2〜20のα-オレフィン(ただしプロピレンを除く)から導かれ
る構成単位との合計を100モル%とする)の量で含有し、かつJIS K-6721に
準拠して230℃、2.16kg荷重にて測定したMFRが0.01〜100g/10分
の範囲にあり、かつ下記要件(b-1)または(b-2)のいずれか一つ以上を満たす;
(b-1):13C-NMR法により測定したシンジオタクティックトライアッド分率(rr分率)が60%以上である、
(b-2):135℃デカリン中で測定した極限粘度[η](dL/g)と前記MFR(
g/10分、230℃、2.16kg荷重)とが下記の関係式
1.50×MFR(-0.20)≦[η]≦2.65×MFR(-0.20)
を満たす。
【請求項3】
前記プロピレン系重合体(A)が、下記要件(c)を充足するシンジオタクティックプロピレン系重合体(A1)である請求項2に記載のフィルムまたはシート;
(c):13C-NMR法により測定したシンジオタクティックペンタッド分率(rrrr
分率)が85%以上であり、かつDSCにより測定される融点(Tm)が145℃以上である。
【請求項4】
前記プロピレン系重合体(A)が、下記要件(d)を充足するアイソタクティックプロ
ピレン系重合体(A2)である請求項2に記載のフィルムまたはシート;
(d):13C-NMR法により測定したアイソタクティックペンタッド分率(mmmm分
率)が85%以上である。
【請求項5】
前記プロピレン系重合体(A)が、下記要件(e)を充足するプロピレン系重合体(A3)からなる、請求項2〜4のいずれかに記載のフィルムまたはシート;
(e):プロピレンから導かれる構成単位が90モル%(ただし、該重合体(A)中の構成単位の全量を100モル%とする。)を超える量である。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載のフィルムまたはシートからなる層を有する積層体。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれかに記載のフィルムまたはシートからなる層と、基材とが隣接した構造を少なくとも一部に有する請求項6に記載の積層体。
【請求項8】
(AA)下記要件(f)を充足するプロピレン系重合体(A)を極性モノマーでグラフト変性してなるグラフト変性プロピレン重合体を10〜95重量部、および、
(BB)下記要件(g)を充足するプロピレン・α-オレフィン共重合体(B)および/
またはプロピレン・α−オレフィン共重合体(B)を極性モノマーでグラフト変性してなるグラフト変性プロピレン・α−オレフィン共重合体(B1)を合計 90〜5重量部
(ただし、(AA)と(BB)との合計を100重量部とする)と
を含むプロピレン系重合体組成物(X);
(f):DSCにより測定される融点(Tm)が140℃以上であり、かつプロピレンから導かれる構成単位が90モル%(ただし、該重合体(A)中のプロピレンから導かれる構成単位と、必要に応じで含んでいても良い炭素数2〜20のα−オレフィン(ただしプロピレンを除く)から導かれる構成単位との合計を100モル%とする。)を超える量である、
(g):プロピレンから導かれる構成単位を30〜90モル%(ただし、該共重合体(B)中のプロピレンから導かれる構成単位と炭素数2〜20のα−オレフィン(ただしプロピレンを除く)から導かれる構成単位の全量を100モル%とする。)の量で含有し、かつ炭素原子数2〜20のα-オレフィン(プロピレンを除く)から選ばれる少なくとも1
種のオレフィンから導かれる構成単位を10〜70モル%(ただし、プロピレンから導かれる構成単位と炭素数2〜20のα-オレフィン(ただしプロピレンを除く)から導かれ
る構成単位との合計を100モル%とする)の量で含有し、かつJIS K-6721に
準拠して230℃、2.16kg荷重にて測定したMFRが0.01〜100g/10分
の範囲にあり、かつ下記要件(b-1)または(b-2)のいずれか一つ以上を満たす;
(b-1):13C-NMR法により測定したシンジオタクティックトライアッド分率(rr分率)が60%以上である、
(b-2):135℃デカリン中で測定した極限粘度[η](dL/g)と前記MFR(
g/10分、230℃、2.16kg荷重)とが下記の関係式
1.50×MFR(-0.20)≦[η]≦2.65×MFR(-0.20)
を満たす。
【請求項9】
前記プロピレン系重合体(A)が、下記要件(h)を充足するシンジオタクティックプロピレン系重合体(A1)であることを特徴とする請求項8に記載のプロピレン系重合体組成物(X);
(h):13C-NMR法により測定したシンジオタクティックペンタッド分率(rrrr
分率)が85%以上であり、かつDSCにより測定される融点(Tm)が145℃以上である。
【請求項10】
前記プロピレン系重合体(A)が、下記要件(i)を充足するアイソタクティックプロ
ピレン系重合体(A2)であることを特徴とする請求項8に記載のプロピレン系重合体組成物(X);
(i):13C-NMR法により測定されるアイソタクティックペンタッド分率(mmmm分率)が85%以上である。
【請求項11】
請求項8〜10のいずれかに記載のプロピレン系重合体組成物(X)からなるペレット。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−127440(P2008−127440A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−312296(P2006−312296)
【出願日】平成18年11月17日(2006.11.17)
【出願人】(000005887)三井化学株式会社 (2,318)
【Fターム(参考)】