説明

ヘッダ配管構造および配管接続方法

【課題】本発明は、ヘッダと枝管との接続部が破損しないヘッダ配管構造および配管接続方法を提供する。
【解決手段】流体が流れる主配管から分岐する複数の枝管20を繋ぎ合わせるヘッダ構造であって、直線形状のヘッダ本体11と、枝管20を嵌め込んで接続する枝管接続口部12とで構成されるヘッダ10と、枝管接続口部12に嵌め込んで接続される枝管20で構成される。枝管接続口部12と先端嵌合部管21との嵌め代41の一部を溶融し、溶融された先端嵌合部21を枝管接続口部12に嵌め込んで溶着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘッダの配管構造およびそのヘッダに枝管を接続する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
流体供給用の配管設備において、複数の枝管接続口部を有するヘッダから枝管を通して給水口や給湯口等に流体を供給する配管ユニットが用いられている。この配管ユニットは、一般に予め工場等でヘッダに枝管を接続させてから出荷される。
【0003】
図7は従来の枝管接続部と枝管とが溶着した際の断面図を示している。図7に示すヘッダ10と枝管20との接続は、ヘッダ10の枝管接続口部12に枝管20を嵌め込み、枝管接続口部12と枝管20の先端嵌合部21とが重なり合う嵌め代41のほぼ全長にわたり溶着し、さらに枝管接続口部12の開口13周辺を溶着させて接続強度を上げるようにしていた。
【0004】
しかし、作業現場で配管ユニットを設置する際、配管ユニット全体、またはヘッダや枝管のみを持ち上げて設置するため、枝管の自重によりヘッダと枝管との接続部に負荷が掛かり、溶着した部分を基点にして枝管が破損する。特に、温度が低くなると、熱溶着領域が収縮して溶着した部分を基点にして枝管が破損する傾向が強かった。
【0005】
なお、特許文献1には、ヘッダ本体の回転溶着用受口に架橋ポリエチレンからなる回転溶着用受口を設け、架橋ポリエチレンからなる枝管を架橋ポリエチレンからなる円筒状体を介して挿入し、該円筒状体の外面と前記回転溶着用受口の内面間、および、該円筒状体の内面と前記枝管の外面間を回転摩擦溶着させる方法が開示されている。
【0006】
この特許文献1では、ヘッダに架橋ポリエチレンからなる円筒状体を介して枝管を挿入し、それら部材を回転させて回転摩擦溶着させている。そのため、ヘッダと枝管との接続部が強固に固定されるので、負荷や低温等によりヘッダと枝管との接続部の破損を防ぐことができる。
【特許文献1】特開2003−176897号公報(段落0011〜段落0012、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1では、ヘッダに枝管を接続する際、円筒状体の部材を用いているため、部品点数が多くなりコスト高となる。また、回転摩擦により溶着させるために、各部材を加工する必要があり、生産効率も悪くなるという問題がある。
【0008】
そこで、本発明は、少ない部材と作業行程で接続部の破損を防止できるヘッダ配管構造および配管接続方法の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、第1配管の接続口部に第2配管を嵌め込んで接続する配管接続方法であって、前記第1配管と第2配管の管方向で重なり合う嵌め代のうち、前記第2配管の先端側、および、前記記第1配管の接続口部の奥側のみを溶融して、これらを溶着するようにしている。
【0010】
ここで、嵌め代とは、第2配管を第1配管に嵌め込んで接続した際に、第1配管と第2配管とが重なり合う部分である。
【0011】
この嵌め代のうち、溶融する部分は、第2配管の先端側外周面と、これに対応する第1配管の接続口部の奥側内周面とである。この熱溶着領域で第1配管と第2配管との接続強度を担保する。
【0012】
また、嵌め代のうち、溶融しない部分、すなわち、非溶着領域は、第1配管の接続口部の開口側内周面と、これに対応する第2配管の外周面である。この非溶着領域により、第2配管は、その配管方向と直交する方向から負荷が掛かった場合でも熱溶着領域を基点として可動することができる。これにより、第2配管の配管方向に直交する方向の負荷に対し、第1配管の接続口の口縁と第2配管との接触部位が負荷の一部を負担し、熱溶着領域に掛かる負荷を軽減することができる。したがって、熱溶着領域が破損することを防止することができる。
【0013】
なお、非溶着領域である第1配管の接続口部の開口側内周面と第2配管との間にわずかな隙間を形成しても良い。この場合、少なくとも第2配管の外径が、第1配管の接続口部の内径よりも小さく形成する。すなわち、非溶着領域において、第1配管の接続口部と第2配管との間に隙間を形成することができる。この隙間によって、第2配管は、その配管方向と直交する方向から負荷が掛かった場合でも熱溶着領域を基点として可動することができる。これにより、第2配管の配管方向に直交する方向の負荷に対し、第1配管の接続口の口縁と第2配管との接触部位が負荷の一部を負担し、熱溶着領域に掛かる負荷を軽減することができる。したがって、熱溶着領域が破損することを防止することができる。
【0014】
このような、接続方法および接続構造は、ヘッダに対する枝管の接続にも応用することができる。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明によれば、第1配管と第2配管の嵌め代の一部のみを溶着しているので、第2配管の可動域が増し、熱溶着領域を基点として第2配管の破損を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明に係るヘッダの全体斜視図、図2は枝管接続口部と先端嵌合部の分解断面図、図3は枝管接続口部と先端嵌合部とが溶着した断面図、図4は本発明の他の実施例を示す枝管接続口部の断面図である。
【0017】
配管ユニットは、図1に示すように、給水や給湯等の流体が流れる主配管から台所や洗面台、浴室、トイレ等に分岐する複数の枝管を繋ぎ合わせるもので、枝管接続口部12を複数設けたヘッダ10と、枝管接続口部12に嵌合して接続される枝管20とで構成される。
【0018】
枝管20は、図2、図3に示すように、枝管接続口部12と嵌合する先端嵌合部21と、枝管接続口部12と嵌合されず外部に露出する管本体部25とで構成される。枝管20は、例えば、熱可塑性樹脂で形成されるものであるが、ヘッダ10と同一材料で形成されていることが好ましい。
【0019】
ヘッダ10は、直管状のヘッダ本体11と、該ヘッダ本体11の管方向に直交する方向に突出する複数の枝管接続口部12とで構成されている。このヘッダ本体11と枝管接続口部12は、ポリブデンやポリエチレン等の熱可塑性樹脂によって一体的に成形されている。
【0020】
枝管接続口部12は、ヘッダ本体11の管方向に等間隔に配列される。各枝管接続口部12は、開口13側から奥に向かって、嵌め代41と管止部14とが配される。
嵌め代41は、枝管20を枝管接続口部12に嵌め込んで接続した際に、枝管20の先端嵌合部21と枝管接続口部12とが重なり合う部分である。このとき、嵌め代41において、枝管接続口部12の奥側内周面と先端嵌合部21の先端側外周面とを溶融して溶着する部分を熱溶着領域15,22とし、残りの溶着しない部分を非溶着領域16,23とする。
【0021】
熱溶着領域15は、先端嵌合部21の先端側外周面に配された熱溶着領域22と溶着する領域である。枝管接続口部12の内径は、枝管20の外径と同等、もしくは、若干小さく形成される。これにより、熱溶着領域15の内周面および先端嵌合部21の熱溶着領域22の外周面を溶融した際、枝管接続口部12の熱溶着領域15の内径と先端嵌合部21の熱溶着領域22の外形とで重なった厚みが溶融され、互いに密着することができる。非溶着領域16は、嵌め代41において、熱溶着領域15以外の枝管接続口部12の内周面、すなわち、先端嵌合部21と溶着しない領域である。
【0022】
なお、図4に示すように、枝管20の外形を枝管接続口部12の内径よりも小さくして、枝管接続口部12および先端嵌合部21の非溶着領域16,23に隙間42を形成しても良い。但し、枝管20の外径は、熱溶着領域22において、熱溶着により枝管接続口部12に溶着できる程度の径である。
【0023】
管止部14は、枝管接続口部12に枝管20が嵌め込まれた際、管方向の嵌め込み過ぎを防止するストッパである。その機能を発揮するために、管止部14の内径は、枝管20の外径より小さく形成される。これにより、管止部14は、枝管接続口部12の内周面と先端嵌合部21の外周面との隙間から、ヘッダ本体11内を通る流体が漏れないようにすることができる。また、管止部14の内径は、少なくとも接続する枝管20の内径よりも大きく形成される。これにより、管止部14は、枝管20の内部を通る液体の流れを止めることがない。
【0024】
また、枝管20の先端嵌合部21には、ヒータ等で溶融する際に熱変形しないように保形スリーブ50が内嵌されている。この保形スリーブ50は、管本体51と、その管本体51の片側端部にフランジ52を設けたものであって、枝管20の先端嵌合部21の長さより若干長く形成される。保形スリーブ50の管本体51の外径は、枝管20の内径より小さく形成されているため、先端嵌合部21に内嵌することができる。フランジ52は、枝管20の内径より大きく、かつ、枝管20の外形より小さく形成される。そのため、フランジ52によって、枝管20を枝管接続口部12に挿入する際に妨げにならない。
【0025】
また、保形スリーブ50のフランジ52側の管本体51表面には、複数の凸状の突起53が円周方向に統一幅で配列され形成される。この突起53の頂点は、枝管20の内径よりも若干大きく形成される。そのため、保形スリーブ50を先端嵌合部21に挿入した際、突起53が先端嵌合部21に無理嵌めされ、保形スリーブ50が固定される。これにより、枝管20の熱溶着領域22の溶融や枝管接続口部12への嵌め込み等の作業時に、保形スリーブ50がはずれることが防止できる。
【0026】
また、保形スリーブ50は、枝管20より溶融温度が高い、例えば、ポリフェニレンエーテル樹脂等で形成される。これにより、先端嵌合部21の熱溶融部22を溶融しても、保形スリーブ50によって形状が維持される。なお、保形スリーブ50の材質は、ポリフェニレンエーテル樹脂を使用しているが、特にこの限りではない。例えば、アルミやステンレス、鉄等のように溶融温度が枝管20の材質より高いものであれば良い。
次に、枝管接続口部12において、非溶着領域16、熱溶着領域15、管止部14が夫々形成される位置は、表1に示すように、ヘッダ10および枝管20のサイズによって決定される。
【0027】
【表1】

例えば、枝管20のサイズが13A(管外径:17mm)の場合、非溶着領域16の位置は開口13からヘッダ本体11の方向に8mmとされ、熱溶着領域15の位置は非溶着領域16の奥側からヘッダ本体11の方向に7mmとされる。すなわち、枝管接続口部12と先端嵌合部21との嵌め代41の長さは接続口12から15mmとされる。なお、非溶着領域16の長さは、ヘッダ10および枝管20のサイズに関係なく、枝管接続口部12の開口13からヘッダ本体11の方向に8mmの長さに統一される。
【0028】
管止部14の位置は、枝管接続口部12の開口13から18mmの位置、すなわち、嵌め代41の奥側からヘッダ本体11側に3mm奥に形成される。この3mmの幅は、枝管接続口部12および先端嵌合部21の熱溶着領域15,22を溶着する際、枝管20を挿入することで、溶融された表面が互いにこすれあって奥に押しやられる溶融残留分を貯めるスペースとなる。この溶融残留分を貯めるスペースがあることで、想定した枝間接続部12と枝間20との溶着面積を確保することができる。
【0029】
ヘッダ10と枝管20は、枝管20を枝管接続口部12から嵌め込んで接続される。このとき、あらかじめ枝管接続口部12および枝管20の嵌め代41の一部を溶融して嵌め込むことで、枝管接続口部12の内周面と枝管20の外周面とが溶着される。
【0030】
枝管接続口部12および先端嵌合部21を溶融し溶着する長さは、例えば、表1に示すように、枝管20のサイズが13A(管外径:17mm)の場合は、嵌め代41を15mmとし、熱溶着領域15,22の長さを7mmとする。なお、枝管接続口部12の非溶着領域16は、開口13から奥側に向かって8mmの範囲の内周面、熱溶着領域15は、さらに奥に向かって7mmの範囲の内周面である。先端嵌合部21の熱溶着領域22は、開口24から7mmの範囲の外周面に形成される。
【0031】
上記のように構成されたヘッダ構造の組立て手順を、図5、図6に基づいて説明する。図5はヘッダ用溶融ヒータを示し、同図(a)はヘッダ用電熱ヒータの正面図、(b)は(a)のA−A断面図である。図6は枝管用溶融ヒータを示し、同図(a)は枝管用電熱ヒータの正面図、(b)は(a)のB−B断面図を示す。
【0032】
先ず、枝管接続口部12の熱溶着領域15の内周面および先端嵌合部21の熱溶着領域22の外周面を溶融する。このとき、枝管接続口部12および先端嵌合部21の熱溶着領域15,22の溶融は、図5、図6に示すように、電熱ヒータ31,32を用いて溶融する。
【0033】
枝管接続口部12の場合は、図5に示すような、電熱ヒータ31を枝管接続口部12に挿入し、管止部14まで挿入したら、近傍の内周面を溶融する。このとき、電熱ヒータ31は、枝管接続口部12に内嵌する部分の先端側にある電熱部33で溶融する。
【0034】
先端嵌合部21の場合は、図6に示すような、先端嵌合部21を電熱ヒータ32に挿入し、先端が電熱ヒータ32の奥まで挿入したら、近傍の外周面を溶融する。このとき、電熱ヒータ32は、先端嵌合部21に外嵌する部分の奥側、すなわち、枝管嵌合部21の開口24側と対向する位置にある電熱部34によって溶融する。
【0035】
溶融された先端嵌合部21を枝管接続口部12の開口13から嵌め込む。このとき、枝管接続口部12に形成された管止部14に当るまで嵌め込む。これにより、枝管接続口部12の熱溶融領域15と先端嵌合部21の熱溶融領域22とが溶着することができる。
【0036】
枝管接続口部12と先端嵌合部21との溶着は、先端嵌合部21の開口24側、および、枝管接続口部12の奥側となる。また、枝管接続口部12の開口13側、および、先端嵌合部21の熱溶着領域22以外の外周面は溶融しない。これにより、枝管接続口部12の開口13側内周面と先端嵌合部21の熱溶着領域22以外の外周面とは、溶着しない非溶着領域16,23が形成される。
【0037】
この非溶着領域16,23は、熱溶着領域15,22を基点にして枝管20を自由に可動させることができる。そのため、枝管20の配管方向に直交する方向の負荷に対し、枝管接続口部12の開口13の口縁と枝管20との接触部位が負荷の一部を負担し、熱溶着領域15,22に掛かる負荷を軽減することができ、熱溶着領域15,22が破損することを防止することができる。
【0038】
[実施例]
次に、本発明の配管接続方法の効果試験結果を表2に示す。効果試験は、ヘッダ10の枝管接続口部12に枝管20を嵌め込んで接続し、ヘッダ10を固定した状態で枝管20を熱溶着領域22から125mmの管本体部25を垂直方向に毎分50mmの速さで持ち上げ、その最大荷重と座屈または破断時の変位を測定した。
【0039】
測定試料は、10A(管外径:13mm),13A(管外径:17mm),16A(管外径:22mm)の3サイズについて、図7に示す従来例と、枝管20と枝管接続口部12との間に隙間のない本発明の実施品(実施例1)とを対比し、室内温度が常温(23℃)で測定した。
【0040】
効果試験は、各サイズで夫々3回ずつ行い、その平均値を表に記載した。また、備考欄に記載の「熱溶着際破断」とは、先端嵌合部21の熱溶着領域22と、非溶着領域23との境目が破断したことを示し、「奥部破断:3/5」および「破断せず:2/5」とは、熱溶着領域23を管方向に5等分し、先端嵌合部21の開口側から順に1/5、2/5、3/5、4/5、5/5とし、枝管20が破断した箇所を示している。
【0041】
【表2】

この試験結果によると、室内温度が常温の場合は、従来例も実施例1もさほど差異はない。
【0042】
次に、低温(0℃)時の溶着強度試験結果を表3に示す。常温(23℃)時の測定試料(従来例、実施例1)に、さらに、枝管接続口部12の内周面と先端嵌合部21の外周面との間に隙間41を形成した試料(実施例2、実施例3)を追加して実験を行った。
【0043】
実施例2は、枝管接続口部12の内径を18mm(隙間42が0.5mm)、実施例3は、枝管接続口部12の内径を17.6mm(隙間42が0.3mm)とした。また、効果試験は、各試料とも夫々3回ずつ行い、その平均値を記載した。
【0044】
【表3】

表3に示すように、いずれの実施例においても、従来例よりも溶着強度が大幅に増加した。さらに、第1実施例にいたっては、枝管20が座屈するまで熱溶着領域15,22が破断することはなかった。
【0045】
最大荷重においては、実施例1が一番高い値を示しており、次に、実施例3、実施例2の順となる。また、変位においては、実施例3の場合が一番高い値を示しており、次に、実施例1、実施例2の順となる。これは、非溶着領域16,23に隙間41が形成されることで、枝管20が荷重方向に稼動できる範囲が広くなるためである。
【0046】
以上により、実施例1は、非融着領域16,23によって枝管20が可動可能となるので、枝管自体が伸縮することができ、熱溶着領域15,22への負荷を低減することができる。すなわち、ヘッダ10および枝管20のサイズにより効果に差はあるが、従来例より本発明の実施例の方が破断荷重、変位共に効果があり、特に低温持においてはその効果は大きい。
【0047】
また、実施例2、実施例3は、実施例1と同様に、非溶着領域16,23の隙間42によって枝管20の可動範囲が広くなり、枝管自体が伸縮することができ、熱溶着領域15,22への負荷を低減することができる。したがって、従来例より本発明の実施例の方が破断荷重、変位共に効果が大きくなる。
【0048】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で修正、変更を加えることができる。本実施例のヘッダおよび枝管は、ポリブデンやポリエチレン等の熱可塑性樹脂を使用しているが、特にこの限りではなく、アルミやステンレス、鉄等の材料を用いてもよい。
【0049】
また、枝管接続部の形状は、側方断面から見て直管状に形成されているが、例えば、側方断面から見て接続口から挿入部までをテーパ状にし、熱溶着領域から奥側を階段状にしても良い。また、枝管接続部の全体、すなわち、接続口から管本体までの間をテーパ状にしても良い。また、枝管接続部の接続口の内側端部は、本実施例において特に加工をしていないが、枝管を挿入し易い形状、または、傷付けない形状にしても良い。例えば、面取り加工や、端面形状を丸くする加工等しても良い。これによって、枝管は、枝管接続部に嵌め込むのをスムーズに行うことができる。また、設置時における取り扱いや枝管の自重等で枝管が撓んで端部に接触し、枝管自身が破損することを防止することができる。
【0050】
また、本実施形態では、ヘッダ配管と枝管との接続方法としたが、接続するものはこの限りでなく、エルボ継手やY字型継手と配管との接続に用いてもよい。さらに、本実施例では、ヘッダおよび枝管の形状を円筒としているが、特にこの限りではなく、四角や六角等の多角形形状、楕円や長丸等の円形形状等を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明に係るヘッダの全体斜視図
【図2】枝管接続口部と先端嵌合部の分解断面図
【図3】枝管接続口部と先端嵌合部とが溶着した断面図
【図4】本発明の他の実施例を示す枝管接続口部の断面図
【図5】(a)はヘッダ用電熱ヒータの正面図、(b)は(a)のA−A断面図
【図6】(a)は枝管用電熱ヒータの正面図、(b)は(a)のB−B断面図
【図7】従来の枝管接続部と枝管とが溶着した際の断面図
【符号の説明】
【0052】
10 ヘッダ
11 ヘッダ本体
12 枝管接続口部
13 開口
14 管止部
15 熱溶着領域
16 非溶着領域
20 枝管
21 先端嵌合部
22 熱溶着領域
23 比熱溶融領域
24 開口
25 管本体部
31 枝管接続部用電熱ヒータ
32 枝管用電熱ヒータ
33 電熱部
34 電熱部
41 嵌め代
42 隙間
50 保形スリーブ
51 管本体
52 フランジ
53 突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1配管の接続口部に第2配管を嵌め込んで接続する配管接続方法であって、前記第1配管と第2配管の管方向で重なり合う嵌め代のうち、前記第2配管の先端側、および、前記記第1配管の接続口部の奥側のみを溶融して溶着することを特徴とする配管接続方法。
【請求項2】
第1配管および第2配管は熱可塑性樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載の配管接続方法。
【請求項3】
ヘッダの枝管接続口部に枝管を嵌め込んで接続する配管接続方法であって、前記枝管接続口部と前記枝管の先端嵌合部との管方向で重なり合う嵌め代のうち、前記枝管の先端側、および、前記記枝管接続口部の奥側のみを溶融して溶着することを特徴とする配管接続方法。
【請求項4】
ヘッダの枝管接続口部に枝管が嵌合接続されたヘッダ配管構造であって、前記枝管接続口部と前記枝管の先端嵌合部との管方向で重なり合う嵌め代は、前記枝管の先端側、および、前記枝管接続口部の奥側の熱溶着領域と、枝管接続口部の開口側の非溶着領域とを備えていることを特徴とするヘッダ配管構造。
【請求項5】
少なくとも先端嵌合部の外径と、枝管接続口部の内径とが等しい寸法に設定されていることを特徴とする請求項4に記載のヘッダ配管構造。
【請求項6】
少なくとも先端嵌合部の外径が、枝管接続口部の内径よりも小さく形成され、非溶着領域で先端嵌合部と枝管接続口部との間に隙間が形成されることを特徴とする請求項4に記載のヘッダ配管構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−112446(P2006−112446A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−297248(P2004−297248)
【出願日】平成16年10月12日(2004.10.12)
【出願人】(592070878)株式会社アトライズヨドガワ (3)
【Fターム(参考)】