説明

ヘッドジンバルアセンブリ及びそれを備えた情報記録再生装置

【課題】レイアウト性及び製造効率を向上させた上で、光の伝搬効率及びスライダの浮上特性の両立を図ること。
【解決手段】突起部19によるスライダ2との接触点を荷重点F、スライダ2と光導波路32とが固定される固定点Tとし、面方向におけるスライダ2の端面上または外周から荷重点Fまでの間であって、かつスライダ2の厚さ方向における上半部に固定点Tを設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光を集光したスポット光を利用して磁気記録媒体に各種の情報を記録再生するヘッドジンバルアセンブリ及びそれを備えた情報記録再生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータ機器におけるハードディスク等の容量増加に伴い、単一記録面内における情報の記録密度が増加している。例えば、磁気ディスクの単位面積当たりの記録容量を多くするためには、面記録密度を高くする必要がある。ところが、記録密度が高くなるにつれて、記録媒体上で1ビット当たりの占める記録面積が小さくなっている。このビットサイズが小さくなると、1ビットの情報が持つエネルギーが、室温の熱エネルギーに近くなり、記録した情報が熱揺らぎ等のために反転したり、消えてしまったりする等の熱減磁の問題が生じてしまう。
【0003】
一般的に用いられてきた面内記録方式では、磁化の方向が記録媒体の面内方向に向くように磁気を記録する方式であるが、この方式では上述した熱減磁による記録情報の消失等が起こり易い。そこで、このような不具合を解消するために、記録媒体に対して垂直な方向に磁化信号を記録する垂直記録方式に移行しつつある。この方式は、記録媒体に対して、単磁極を近づける原理で磁気情報を記録する方式である。この方式によれば、記録磁界が記録膜に対してほぼ垂直な方向を向く。垂直な磁界で記録された情報は、記録膜面内においてN極とS極とがループを作り難いため、エネルギー的に安定を保ち易い。そのため、この垂直記録方式は、面内記録方式に対して熱減磁に強くなっている。
【0004】
しかしながら、近年の記録媒体は、より大量且つ高密度情報の記録再生を行いたい等のニーズを受けて、さらなる高密度化が求められている。そのため、隣り合う磁区同士の影響や、熱揺らぎを最小限に抑えるために、保磁力の強いものが記録媒体として採用され始めている。そのため、上述した垂直記録方式であっても、記録媒体に情報を記録することが困難になっていた。
【0005】
そこで、この不具合を解消するために、光を集光したスポット光、若しくは、光を集光した近接場光を利用して磁区を局所的に加熱して一時的に保磁力を低下させ、その間に書き込みを行うハイブリッド磁気記録方式が提供されている。特に、近接場光を利用する場合には、従来の光学系において限界とされていた光の波長以下となる領域における光学情報を扱うことが可能となる。よって、従来の光情報記録再生装置等を超える記録ビットの高密度化を図ることができる。
【0006】
上述したハイブリッド磁気記録方式による情報記録再生装置としては、各種のものが提供されているが、その1つとして、近接場光の生成を行うための光を近接場光ヘッドに供給することで、微小開口から十分大きな近接場光を生成し、超高分解能の再生記録、高速記録再生、高SN比化を図ることができる情報記録再生装置が知られている。この情報記録再生装置は、近接場光ヘッドを備えたスライダにディスク上をスキャンさせ、スライダをディスク上の所望する位置に配置する。その後、光源から放射された近接場光とスライダから発生する記録磁界とを協働させることで、ディスクに情報を記録することができる。
【0007】
ここで、近接場光ヘッドに光束を供給する構成としては、例えば特許文献1,2に示されるように、スライダに光ファイバ等の光導波路を接続し、この光導波路を介して光源から出射される光束を近接場光ヘッドまで導くような構成が知られている。
【特許文献1】特開2001−297463号公報
【特許文献2】特開2003−67901号公報
【特許文献3】特開2001−143316号公報
【特許文献4】特開2006−323908号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上述した情報記録再生装置のスライダは、撓み変形可能なサスペンションに支持されるとともに、ディスクとの対向面にABS(Air Bearing Surface)と呼ばれる浮上面を有している。そして、スライダは、サスペンションによりディスクに向けて荷重が付与された状態で支持されており、ディスクのうねり等により、スライダに風圧が加わったときに、この風圧に追従して浮上する等の姿勢変動を行うように構成されている。
【0009】
しかしながら、上述した特許文献1,2に示されるような、光源から出射された光束を光導波路によりスライダに導入する構成の場合、光の伝搬効率は高い一方、スライダの浮上特性が低いという課題がある。つまり、スライダの基端側の端面から光導波路が接続されているため、スライダに風圧が加わった際に光導波路からスライダに作用する回転モーメントが大きい。そのため、スライダの浮上時(姿勢変動時)において、光導波路がスライダの姿勢変動の妨げになり、スライダの安定性が低下する。その結果、スライダの浮上特性やトラッキングの精度等が低下するとともに、スライダがディスク面に衝突してディスクが破損する虞もある。
【0010】
これに対して、特許文献3に示すように、光導波路を介してスライダに負荷荷重を付与する構成も考えられる。また、特許文献4に示すように、スライダに光導波路を固定する固定部を、スライダにおけるサスペンションから荷重がかかる方向に延伸した位置の近傍部に設定することも考えられる。
しかしながら、上述した特許文献3,4の構成では、光導波路からスライダに作用する回転モーメントが小さくなる一方、設計の自由度が低く、レイアウト性が低下するという問題がある。例えば、特許文献3の構成では、光路上に荷重点を設定している構成であるため、スライダに荷重を付与する荷重点と、スライダに設けられた近接場光ヘッド等とを一致させなければならない。そのため、両者間の位置合わせが難しく、製造効率が低下する。また特許文献4の構成では、スライダ内における光導波路とスライダとを接着する部位のみ、つまりスライダにおけるサスペンションから荷重がかかる方向に延伸した位置の近傍部のみに接着剤を塗布して光導波路を固定しなければならないため、所望の部位で接着を行うことが難しく、製造効率が悪いという課題がある。
【0011】
そこで本発明は、このような事情に考慮してなされたもので、その目的は、レイアウト性及び製造効率を向上させた上で、光の伝搬効率及びスライダの浮上特性の両立を図ることができるヘッドジンバルアセンブリ及びそれを備えた情報記録再生装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願発明者は、上記目的を達成するために、鋭意努力検討した結果、スライダの浮上特性が、支持部によりスライダにおける磁気記録媒体に向けて荷重が付与される荷重点と、スライダと光導波路とが固定される固定点との間の空間的な距離に関係することを見出した。
【0013】
よって、本発明は以下の手段を提供する。
本発明に係るヘッドジンバルアセンブリは、磁気記録媒体の表面に沿って延設され、厚さ方向に撓み変形可能に構成されたサスペンションと、前記サスペンションの先端側において、前記磁気記録媒体の表面と対向するように配置されたスライダと、前記スライダを挟んで前記磁気記録媒体とは反対側において前記スライダを直接的または間接的に点支持し、前記磁気記録媒体の表面に平行で且つ互いに直交する2軸回りに前記スライダを回動自在とする支持部と、前記スライダの基端側に接続され、光源から出射された光束を前記スライダに導入する光導波路と、を備え、前記スライダは、前記光導波路から導入された光束を集光する光学系と、集光された前記光束からスポット光を発生させるスポット光発生素子と、を備え、前記スポット光により前記磁気記録媒体を加熱するとともに、前記磁気記録媒体に対して記録磁界を与えることで磁化反転を生じさせ、前記磁気記録媒体に情報を記録させるヘッドジンバルアセンブリであって、前記支持部による前記スライダの支持点を荷重点、前記スライダと前記光導波路とが固定される部位を固定点とすると、前記固定点は、前記磁気記録媒体の面方向において前記荷重点からオフセットした位置に設定され、かつ前記面方向における前記スライダの外周上または前記外周から前記荷重点までの間に設定されるとともに、前記固定点は、前記磁気記録媒体の表面に垂直な前記スライダの厚さ方向における中間部より前記支持部側に設定されていることを特徴とするものである。
【0014】
本発明に係るヘッドジンバルアセンブリにおいては、スポット光と記録磁界とを協働させたハイブリッド磁気記録方式により、回転する光ディスク等の磁気記録媒体に対して情報の記録を行うことができる。まず、磁気記録媒体に対して、サスペンションの先端に支持されたスライダを、磁気記録媒体の表面に平行な方向に移動させてスキャンさせる。これにより、磁気記録媒体上の所望する位置にスライダを位置することができる。次いで、光源から出射される光束をスライダに導く。そして、スライダに導かれた光束は、光学系によって集光される。これにより、スポット光発生素子が、集光された光束からスポット光を発生させることができる。なお、このスポット光発生素子は、光学的な微小開口やナノメートルサイズに形成された突起部等から構成されているものである。
そして磁気記録媒体は、このスポット光によって局所的に加熱されて一時的に保磁力が低下する。その結果、スライダを用いて記録媒体に各種の情報を記録再生することができる。
【0015】
特に、本発明のヘッドジンバルアセンブリによれば、面方向におけるスライダの外周上または外周から荷重点までの間であって、磁気記録媒体の表面に垂直なスライダの厚さ方向における中間部より支持部側に固定点を設定することで、荷重点と固定点との間の空間的な距離を可能な限り短縮することができる。これにより、スライダの記録再生動作時において、磁気記録媒体の表面の凹凸やうねり、磁気記録媒体の回転に伴う面ぶれに追従するようにスライダが姿勢変動した場合でも、光導波路からスライダに作用する回転モーメントが小さい。つまり、光導波路がスライダに固定されている場合であっても、光導波路がスライダの姿勢制御の妨げになることを防ぐことができる。そのため、スライダの安定浮上を維持して、浮上量をできるだけ小さくすることができるので、スライダの浮上特性やトラッキングの精度等に与える影響が少ない。
したがって、光の伝搬効率及びスライダの浮上特性の双方を両立させることが可能になるため、スライダのスキャン性能を向上させ、情報の記録再生を正確且つ高密度に行うことができる。
また、スライダと光導波路との固定点を、スライダの外周上または外周から荷重点までの間に設定することで、従来のようにサスペンションから荷重がかかる方向に延伸した位置の近傍部のみでスライダと光導波路とを固定する場合に比べて、設計の自由度を向上させ、固定点のレイアウト性を向上することができる。また、これに伴い光導波路とスライダとの位置合わせや固定が容易になるため、製造効率を向上させることができる。
【0016】
また、本発明に係るヘッドジンバルアセンブリは、前記スライダには、前記光導波路を収容保持する収容部が形成され、前記光導波路は、少なくとも前記面方向における前記収容部の端縁部で前記スライダに固定されていることを特徴とするものである。
【0017】
本発明に係るヘッドジンバルアセンブリにおいては、スライダと光導波路とを、スライダ基板の収容部における端縁部で固定することで、その端縁部が固定点として設定されることになる。この場合、従来のように所望の部位のみに接着剤等を塗布してスライダと光導波路とを固定する場合に比べて、光導波路とスライダとの位置合わせや固定が容易になるため、製造効率を向上させることができる。
【0018】
また、本発明に係るヘッドジンバルアセンブリは、前記面方向における前記スライダの前記外周と、前記光導波路が固定された前記収容部の端縁部との間における前記スライダには、前記光導波路と接触しないように切り欠かれた切欠き部が形成されていることを特徴とするものである。
【0019】
本発明に係るヘッドジンバルアセンブリにおいては、スライダにおける外周と、光導波路が固定された収容部の端縁部との間に、光導波路と接触しないように切り欠かれた切欠き部を形成することで、スライダ内において光導波路と切欠き部との間にはクリアランスを有することになる。つまり、光導波路は切欠き部内を遊挿された状態となる。そして、切欠き部の先端側、すなわち収容部の端縁部でスライダ基板と光導波路とを固定することで、荷重点と固定点との間の面方向の距離をより短縮することができる。したがって、スライダの記録再生動作時における、光導波路からスライダに作用する回転モーメントをより小さくすることができる。
【0020】
また、本発明に係るヘッドジンバルアセンブリは、前記固定点と前記荷重点とが前記スライダの厚さ方向に直交する幅方向において一致していることを特徴とするものである。
【0021】
本発明に係るヘッドジンバルアセンブリにおいては、固定点と荷重点とを幅方向において一致させることで、荷重点と固定点との間の幅方向の距離をより短縮することができる。したがって、スライダの記録再生動作時における、光導波路からスライダに作用する回転モーメントをより小さくすることができる。
【0022】
また、本発明に係るヘッドジンバルアセンブリは、前記スライダは、前記光学系及び前記スポット光発生素子を備えたスライダ基板と、前記光導波路内に導かれた前記光束を前記光学系に向けて反射させるミラー面を有するミラー基板とを備え、前記ミラー基板に前記収容部が形成されていることを特徴とするものである。
【0023】
本発明に係るヘッドジンバルアセンブリにおいては、光導波路内に伝搬された光束をミラー基板のミラー面に入射させることで、このミラー面により光束を反射させて光束を光学系へと導くことができる。よって、光の伝搬効率を向上させることができる。
【0024】
また、本発明に係るヘッドジンバルアセンブリは、前記スライダは、前記光学系及び前記スポット光発生素子を備えたスライダ基板を備え、前記スライダ基板における前記支持部側の面には前記収容部が形成され、前記光導波路の先端面は、前記光導波路内に導かれた前記光束を前記光学系に向けて反射させるミラー面が構成されていることを特徴とするものである。
【0025】
本発明に係るヘッドジンバルアセンブリにおいては、光導波路がミラー面を備えているため、光導波路内を伝搬した光束は光導波路の先端面に構成されたミラー面によって光学系へと導かれる。これにより、1枚の基板によりスライダを構成することができるため、スライダの薄型化及び小型化を実現することができる。したがって、スライダの厚さ方向における荷重点から固定点までの距離も短縮することができ、光導波路からスライダに作用する回転モーメントをより小さくすることができる。
【0026】
一方、本発明に係る情報記録再生装置は、上記本発明のヘッドジンバルアセンブリと、一定方向に回転する磁気記録媒体と、前記磁気記録媒体を加熱するため光束を出射する光源と、前記磁気記録媒体の外側に配置されたピボット軸と、前記ピボット軸のまわりを回動可能に形成されるとともに、前記ヘッドジンバルアセンブリを支持するアーム部を有するキャリッジと、を備えていることを特徴とするものである。
【0027】
本発明に係る情報記録再生装置においては、磁気記録媒体を回転させた後、ピボット軸まわりにキャリッジを回動させて、アーム部に支持されたスライダをスキャンさせる。そして、スライダを磁気記録媒体上の所望する位置に配置させる。その後、光源から光導波路内に光束を入射させる。これにより、ヘッドジンバルアセンブリのスライダを利用して、磁気記録媒体に各種の情報の記録再生を行うことができる。
特に、本発明のヘッドジンバルアセンブリを備えているので、情報の記録再生を正確且つ高密度に行うことができ、高品質化を図ることができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明に係るヘッドジンバルアセンブリによれば、レイアウト性及び製造効率を向上させた上で、光の伝搬効率及びスライダの浮上特性の両立を図ることができるため、高性能な情報記録再生装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
(第1実施形態)
(情報記録再生装置)
以下、本発明に係る第1実施形態を、図1から図6を参照して説明する。図1は、本発明に係る情報記録再生装置1の一実施形態を示す構成図である。なお、本実施形態の情報記録再生装置1は、垂直記録層を有するディスク(磁気記録媒体)Dに対して、垂直記録方式で書き込みを行う装置である。
【0030】
本実施形態の情報記録再生装置1は、図1に示すように、キャリッジ11と、キャリッジ11の基端側から光電気複合配線33を介して光束(図4中矢印参照)を供給するレーザ光源20と、キャリッジ11の先端側に支持されたヘッドジンバルアセンブリ(HGA)12と、ヘッドジンバルアセンブリ12をディスク面D1(ディスクDの表面)に平行なXY方向に向けてスキャン移動させるアクチュエータ6と、ディスクDを所定の方向に向けて回転させるスピンドルモータ7と、情報に応じて変調した電流をヘッドジンバルアセンブリ12のスライダ2に対して供給する制御部5と、これら各構成品を内部に収容するハウジング9とを備えている。
【0031】
ハウジング9は、アルミニウム等の金属材料からなる上部開口部を有する箱型形状のものであり、上面視四角形状の底部9aと、底部9aの周縁において底部9aに対して鉛直方向立設する周壁(不図示)とで構成されている。そして、周壁に囲まれた内側には、上述した各構成品等を収容する凹部が形成される。なお、図1においては、説明を分かりやすくするため、ハウジング9の周囲を取り囲む周壁を省略する。
また、このハウジング9には、ハウジング9の開口を塞ぐように図示しない蓋が着脱可能に固定されるようになっている。底部9aの略中心には、上記スピンドルモータ7が取り付けられており、該スピンドルモータ7に中心孔を嵌め込むことでディスクDが着脱自在に固定される。
【0032】
ディスクDの外側、つまり底部9aの隅角部には、上記アクチュエータ6が取り付けられている。このアクチュエータ6には、ピボット軸10を中心にXY方向に対して回動可能なキャリッジ11が取り付けられている。
このキャリッジ11は、基端部から先端部に向けてディスク面D1に沿って延設されたアーム部14と、基端部を介してアーム部14を片持ち状に支持する基部15とが、削り出し加工等により一体形成されたものである。
基部15は、直方体形状に形成されたものであり、ピボット軸10まわりを回動可能に支持されている。つまり、基部15はピボット軸10を介してアクチュエータ6に連結されており、このピボット軸10がキャリッジ11の回転中心となっている。
【0033】
アーム部14は、基部15におけるアクチュエータ6が取り付けられた側面15aと反対側の側面(隅角部の反対側の側面)15bにおいて、基部15の上面の面方向(XY方向)と平行に延出する平板状のものであり、基部15の高さ方向(Z方向)に沿って3枚延出している。具体的には、アーム部14は、基端部から先端部に向かうにつれ先細るテーパ形状に形成されており、各アーム部14間に、ディスクDが挟み込まれるように配置されている。つまり、アーム部14とディスクDとが、互い違いになるように配されており、アクチュエータ6の駆動によってアーム部14がディスクDの表面に平行な方向(XY方向)に移動可能とされている。なお、キャリッジ11及びヘッドジンバルアセンブリ12は、ディスクDの回転停止時にアクチュエータ6の駆動によって、ディスクD上から退避するようになっている。
【0034】
ヘッドジンバルアセンブリ12は、図示しない近接場光発生素子(スポット光発生素子)を有する近接場光ヘッドであるスライダ2に、レーザ光源20からの光束を導いて近接場光(スポット光)を発生させ、該近接場光を利用してディスクDに各種情報を記録再生させるものである。なお、近接場光発生素子は、例えば、光学的微小開口や、ナノメートルサイズに形成された突起部等により構成されている。
【0035】
図2は、スライダ2を上向きにした状態でサスペンション3をスライダ2側から見た斜視図である。図3は、スライダ2を上向きにした状態でジンバル17を見た平面図である。図4は図3のA−A’線に沿う断面図であり、図5は図3のB−B’線に沿う断面図である。
図2から図5に示すように、本実施形態のヘッドジンバルアセンブリ12は、上記スライダ2をディスクDから浮上させる機能を有しており、スライダ2と、金属性材料により薄い板状に形成され、ディスク面D1に平行なXY方向に移動可能なサスペンション3と、スライダ2を、ディスク面D1に平行で且つ互いに直交する2軸(X軸、Y軸)回りに回動自在な状態、即ち、2軸を中心として捻れることができるようにサスペンション3の下面に固定させるジンバル手段16とを備えている。
【0036】
まず上記スライダ2は、ディスクDとサスペンション3との間に配置された状態で、サスペンション3の下面に後述するジンバル17を挟んで支持されている。スライダ2は、石英ガラス等の光透過性材料や、AlTiC(アルチック)等のセラミック等からなる1枚のスライダ基板60を備えている。スライダ基板60の先端側には再生素子と記録素子とからなる磁気素子58が固定されている。また、スライダ2は、磁気素子58の先端側、つまりスライダ2の先端面に、後述する光導波路32から導入された光束を近接場光発生素子へ導くヘッド内導波路59を備えている。なお、ヘッド内導波路59は、レーザ光源20から出射された光束を集光させる図示しない集光レンズ(光学系)や、該集光レンズによって集光された光束から近接場光を発生させる上記近接場光発生素子等を有している。つまり、スライダ2には、先端面2c側にヘッド内導波路59、磁気素子58が並んだ状態で配置されている。スライダ2の長手方向(Y方向)において、先端面2c側は最もディスク面D1に近接する。したがって、先端面2c側にヘッド内導波路59、磁気素子58を配置することで、ヘッド内導波路59、磁気素子58を可能な限りディスク面D1に近づけることができる。
【0037】
また、スライダ2の下面は、ディスク面D1に対向する浮上面2aとなっている。この浮上面2aは、回転するディスクDによって生じた空気流の粘性から、浮上するための圧力を発生させる面であり、ABSと呼ばれている。具体的には、スライダ2をディスク面D1から離そうとする正圧とスライダ2をディスク面D1に引き付けようとする負圧とを調整して、スライダ2を最適な状態で浮上させるように設計されている。
スライダ2は、この浮上面2aによってディスク面D1から浮上する力を受けているとともに、サスペンション3によってディスクD側に押さえ付けられる力を受けている。そしてスライダ2は、この両者の力のバランスによって、ディスク面D1から浮上するようになっている。
【0038】
図2,3に示すように、上記サスペンション3は、上面視略四角状に形成されたベースプレート22と、ベースプレート22の先端側にヒンジ板23を介して連結された上面視略三角状のロードビーム24とで構成されている。
【0039】
ベースプレート22は、ステンレス等の厚みの薄い金属材料によって構成されており、基端側には厚さ方向に貫通する開口22aが形成されている。そして、この開口22aを介してベースプレート22がアーム部14の先端に固定されるようになっている。ベースプレート22の下面には、ステンレス等の金属材料により構成されたシート状のヒンジ板23が配置されている。このヒンジ板23は、ベースプレート22の下面の全面に亘って形成された平板状のものであり、その先端部分はベースプレート22の先端からベースプレート22の長手方向に沿って延出する延出部23aとして形成されている。延出部23aは、ヒンジ板23の幅方向両端部から2本延出しており、その先端部分には幅方向内側、つまり互いの延出部23aに向かう方向に幅が拡大する拡大部23bが形成されている。この拡大部23bの上面には、ロードビーム24が連結されている。
ロードビーム24は、ベースプレート22と同様にステンレス等の厚みの薄い金属材料によって構成されており、その基端がベースプレート22の先端との間に間隙を有した状態でヒンジ板23に連結されている。これにより、サスペンション3はベースプレート22とロードビーム24との間を中心に屈曲して、ディスク面D1に垂直なZ方向に向けて撓み易くなっている。
【0040】
サスペンション3上には、フレクシャ25が設けられている。フレクシャ25は、ステンレス等の金属材料により構成されたシート状のものであり、シート状に形成されることで厚さ方向に撓み変形可能に構成されている。フレクシャ25は、ロードビーム24の先端側に固定され、外形が上面視略五角形状に形成されたジンバル17と、ジンバル17より幅狭に形成され、ジンバル17の基端からサスペンション3上に沿って延在する支持体18とで構成されている。
【0041】
ジンバル17は、中間付近から先端にかけてディスク面D1に向けて厚さ方向に僅かながら反るように形成されている。そして、この反りが加わった先端側がロードビーム24に接触しないように、基端側から略中間付近にかけてロードビーム24に固定されている。
また、この浮いた状態のジンバル17の先端側には、周囲がコ形状に刳り貫かれた切欠き部26が形成されており、この切欠き部26に囲まれた部分には連結部17aによって片持ち状に支持されたパッド部(舌片部)17bが形成されている。つまり、このパッド部17bは、連結部17aによってジンバル17の先端側から基端側に向けて張出し形成されており、その周囲に切欠き部26を備えている。これにより、パッド部17bはジンバル17の厚さ方向に撓みやすくなっており、このパッド部17bのみがサスペンション3の下面と平行になるように角度調整されている。そして、このパッド部17b上に上記スライダ2が載置固定されている。つまり、スライダ2は、パッド部17bに接着固定されており、パッド部17bを介してロードビーム24にぶら下がった状態となっている。
【0042】
また、図2から図5に示すように、ロードビーム24の先端には、パッド部17b及びスライダ2の略中心に向かって突出する突起部(支持部)19が形成されている。この突起部19の先端は、丸みを帯びた状態となっている。そして突起部19は、スライダ2がディスクDから受ける風圧によりロードビーム24側に浮上したときに、パッド部17bの表面(上面)に点接触するようになっている。つまり、突起部19は、ジンバル17のパッド部17bを介して、間接的にスライダ2を支持するとともに、ディスク面D1に向けて(Z方向に向けて)スライダ2に荷重を付与するようになっている。そして、突起部19とパッド部17bとの接触点(支持点)が、突起部19によるスライダ2の荷重点Fになっている。なお、これら突起部19とパッド部17bを有するジンバル17とが、ジンバル手段16を構成している。
【0043】
図2に示す支持体18は、ジンバル17に一体形成されたシート状のものであり、サスペンション3上をアーム部14に向かって延設されている。つまり、支持体18は、サスペンション3が変形した際にサスペンション3の変形に追従するように構成されている。支持体18は、アーム部14上から側面に回りこんで、アーム部14の基部15に至るまで引き回されている。
【0044】
図6は、キャリッジ11の基部15に取り付けられたターミナル基板30の平面図である。
図1,6に示すように、キャリッジ11の基部15における側面15cには、ターミナル基板30が配置されている。このターミナル基板30は、ハウジング9に設けられた制御部5とスライダ2とを電気的に接続する際の中継点となるものであり、その表面には、各種制御回路(不図示)が形成されている。制御部5とターミナル基板30とは可撓性を有するフラットケーブル4により電気的に接続されている一方、ターミナル基板30とスライダ2とは、電気配線31により接続されている。電気配線31は、各キャリッジ11毎に設けられたスライダ2の数に対応して3組設けられており、フラットケーブル4を介して制御部5から出力された信号が、電気配線31を介してスライダ2に出力されるようになっている。
【0045】
また、ターミナル基板30上には、スライダ2のヘッド内導波路(集光レンズ)59に向けて光束を供給する上記レーザ光源20が配置されている。レーザ光源20は、フラットケーブル4を介して制御部5から出力された信号を受信し、この信号に基づいて光束を出射するものであり、各アーム部14に設けられたスライダ2の数に対応して基部15の高さ方向(Z方向)に沿って3個配列されている。各レーザ光源20の出射側には、各レーザ光源20から出射された光束をスライダ2の集光レンズまで導く光導波路32が接続されている。
【0046】
図2,3に示すように、各スライダ2に対応する1個の光導波路32と1組の電気配線31とは、レーザ光源20とスライダ2との間において、その基端側から先端に至るまで一体的に形成された光電気複合配線33として構成されている。この光電気複合配線33は、ターミナル基板30の表面からアーム部14の側面を通って、アーム部14上に引き回されている。具体的には、光電気複合配線33は、アーム部14及びサスペンション3上において、フレクシャ25の上述した支持体18上に配置されており、支持体18を間に挟んだ状態でサスペンション3の先端まで引き回されている。このように、光電気複合配線33が撓み変形可能な支持体18上に形成されているため、スライダ2の移動時やサスペンション3の変形時等には、光電気複合配線33が支持体18とともに追従するように変形する。これにより、光電気複合配線33の断線等を防ぐことができる。
電気配線31は、アルミニウムや銅等からなり、クラッド34内にコア35とともに閉じ込められている。
【0047】
図5に示すように、光電気複合配線33を構成する上記光導波路32は、外径が例えば3〜10μmで形成され、レーザ光源20から出射された光束を全反射条件で導くコア35と、外径が例えば数十μmで形成され、コア35の屈折率より低い屈折率の材料からなり、コア35に密着してコア35を封止するクラッド34とを有する断面視円形状のものである。そして、レーザ光源20から出射された光束はコア35とクラッド34との間の屈折率の違いにより全反射条件でスライダ2の集光レンズまで導かれるようになっている。
【0048】
なお、クラッド34及びコア35として使用される材料の組み合わせの一例を記載すると、例えば、石英(SiO)でコア35を形成し、フッ素をドープした石英でクラッド34を形成する組み合わせが考えられる。この場合には、光束の波長が400nmのときに、コア35の屈折率が1.47となり、クラッド34の屈折率が1.47未満となるので好ましい組み合わせである。また、ゲルマニウムをドープした石英でコア35を形成し、石英(SiO)でクラッド34を形成する組み合わせも考えられる。この場合には、光束の波長が400nmのときに、コア35の屈折率が1.47より大きくなり、クラッド34の屈折率が1.47となるのでやはり好ましい組み合わせである。
特に、コア35とクラッド34との屈折率差が大きいほど、コア35内に光束を閉じ込める力が大きくなるので、コア35に酸化タンタル(Ta:波長が550nmのときに屈折率が2.16)を用い、クラッド34に石英等を用いて、両者の屈折率差を大きくすることがより好ましい。また、赤外領域の光束を利用する場合には、赤外光に対して透明な材料であるシリコン(Si:屈折率が約4)でコア35を形成することも有効である。
また、例えばPMMA(メタクリル酸メチル樹脂)により、厚さが3〜10μmでコア35を形成し、フッ素含有重合体により、厚さが数十μmでクラッド34を形成する組み合わせが考えられる。また、コア35及びクラッド34をともにエポキシ樹脂(例えば、コア屈折率1.522〜1.523、クラッド屈折率1.518〜1.519)で構成したり、フッ素化ポリイミドで構成したりすることも可能である。この場合、コア35とクラッド34とを構成する樹脂材料の配合等を調整して、両者の屈折率差を大きくすることが好ましい。例えば、フッ素化ポリイミドの場合、フッ素含有量を調整したり、放射光等のエネルギー照射によって、屈折率を制御することができる。このように、光導波路32の構成材料に樹脂材料を用いることで、光電気複合配線33を半導体プロセスにより製造することが可能である。
【0049】
また、光電気複合配線33は、サスペンション3の先端、すなわちジンバル17の中間位置において電気配線31と光導波路32とに分岐している。具体的には、光導波路32は、光電気複合配線33の先端側における分岐地点からジンバル17の長手方向に沿って延在しており、ジンバル17の切欠き部26を跨いでスライダ2の基端側に直接接続されている。光導波路32は、光電気複合配線33の分岐地点においてジンバル17の下面から離間されており、分岐地点からスライダ2の基端側に向かうにつれ、パッド部17bとジンバル17との間を架け渡すように僅かながら浮いた状態で延在している。つまり、ジンバル17の下面において、光導波路32は略直線的(曲率半径が略無限大)に延在した状態で、スライダ2の幅方向(X方向)中央部からスライダ2の基端面2b側に引き回されている(図3参照)。つまり、後述するスライダ2と光導波路32との固定点Tと荷重点Fとはスライダ2の幅方向において一致している。
【0050】
一方、分岐地点において、電気配線31はジンバル17の外周部分に向けて屈曲されており、ジンバル17の外周部分、つまり切欠き部26の外側から引き回されている。そして、切欠き部26の外側から引き回された電気配線31は、連結部17a上を通ってスライダ2の先端面側に接続されている。すなわち、電気配線31は、スライダ2の先端面側に設けられた上記磁気素子58に対して、スライダ2の外部から直接接続されている。
【0051】
ここで、図4,5に示すように、上述したスライダ2のスライダ基板60には、スライダ2内において光導波路32を保持してヘッド内導波路59まで案内する収容部61が形成されている。この収容部61は、側面視三角形状のV溝であり、スライダ基板60におけるジンバル17との接着面、すなわちスライダ基板60の上面であって、スライダ2の長手方向における基端面2bから先端面2cまで形成されている。そして、スライダ2の基端面2b側から引き回された光導波路32は、収容部61内に保持された状態でスライダ2内を案内され、スライダ2の先端面2c側でヘッド内導波路59の一端側に接続されている。
【0052】
ところで、光導波路32の先端面は、光導波路32の軸方向(延出方向)に対して交差する方向に向けて切断されており、その切断面がコア35内を伝搬された光束を導入方向とは異なる方向に反射させるためのミラー面32aを構成している。このミラー面32aは、光導波路32によって導入された光束を、光束の向きが略90度変わるように反射させている。これにより、ミラー面32aで反射された光束が、ヘッド内導波路59内に導入されるようになっている。
【0053】
光導波路32とスライダ2とは、収容部61内の基端部側の端縁部、すなわちスライダ2の基端面2b近傍で接着剤等により接着固定されている。この時、光導波路32とスライダ基板60とが接着固定された部位を固定点Tとすると、この固定点Tは、サスペンション3の突起部19(荷重点F)に対して、ディスク面D1の面方向(XY方向)、具体的にはスライダ2の長手方向(Y方向)にオフセットした位置で接着固定されている。さらに、光導波路32は、スライダ2の浮上面2a(ディスクDとの対向面)と、上面(ジンバル17との接触面)との間の厚さ方向(Z方向)における上半部に設定されている。具体的には、固定点Tは、スライダ2の上面と収容部61内との間、つまりスライダ2における厚さ方向の最上端に設定されている。
【0054】
なお、収容部61の基端側の端縁部から収容部61の先端側まで接着剤により固定した場合であっても、固定点Tは収容部61の基端側の端縁部となる。つまり、固定点Tとは、スライダ基板60と光導波路32とが接着固定されている領域のうち、荷重点Fから最も離れた点である。また、光導波路32と収容部61との接着方法は、光導波路32を収容部61内にセットした後、光導波路32と収容部61との間の隙間から接着剤を注入してもよく、光導波路32を収容部61内にセットする前に、収容部61内に接着剤を塗布してもよい。
【0055】
このように、固定点Tは、スライダ2における幅方向(X方向)中央部で、かつ長手方向(Y方向)基端部、厚さ方向(Z方向)上端部に設定されている。したがって、上述した荷重点F、すなわちサスペンション3の突起部19とパッド部17bの上面との接触点から固定点Tまでの空間的な距離は、距離d1に設定されている。
【0056】
次に、このように構成された情報記録再生装置1により、ディスクDに各種の情報を記録再生する手順について以下に説明する。
まず、スピンドルモータ7を駆動させてディスクDを所定方向に回転させる。次いで、アクチュエータ6を作動させて、ピボット軸10を回転中心としてキャリッジ11を回動させ、キャリッジ11を介してヘッドジンバルアセンブリ12をXY方向にスキャンさせる。これにより、ディスクD上の所望する位置にスライダ2を位置させることができる。
【0057】
次いで、レーザ光源20から光束を光導波路32(光電気複合配線33)に入射させて、光束をスライダ2に導く。レーザ光源20から出射された光束は、光電気複合配線33におけるコア35の一端側からコア35内に導入され、コア35とクラッド34との界面で全反射を繰り返しながらスライダ2に向かって伝搬される。光束が光導波路32の先端面まで到達すると、光導波路32の先端面に形成されたミラー面32aでヘッド内導波路59に向けて反射される。ヘッド内導波路59内に導入された光束は、ヘッド内導波路59内で集光レンズによって集光され、スポットサイズが徐々に絞り込まれる。これにより、近接場光発生素子の周囲には、近接場光が滲み出るように発生する。また、コア35はクラッド34が密着した状態で封止されているので、伝搬している光束が途中でコア35の外部に漏れることがない。よって、導入された光束を無駄にすることなく効率良く近接場光にすることができる。
【0058】
そして、近接場光が入射されたディスクDは、この近接場光によって局所的に加熱されて一時的に保磁力が低下する。一方、制御部5によってスライダ2の記録素子に電流が供給されると、電磁石の原理によりディスクDに対して垂直方向の記録磁界を発生させることができる。その結果、近接場光と記録素子で発生した記録磁界とを協働させたハイブリッド磁気記録方式により情報の記録を行うことができる。
これに対して、ディスクDに記録された情報を再生する場合には、記録素子に隣接して固定されている再生素子が、ディスクDから漏れ出ている磁界を受けて、その大きさに応じて電気抵抗が変化する。よって、再生素子の電圧が変化する。これにより制御部5は、ディスクDから漏れ出た磁界の変化を電圧の変化として検出することができる。そして制御部5は、この電圧の変化から信号の再生を行うことで、情報の再生を行うことができる。
このように、スライダ2を利用してディスクDに対して各種の情報を記録再生することができる。
【0059】
ここで、スライダ2は、サスペンション3によって支持されていると共に所定の力でディスクD側に押さえ付けられている。また、これと同時にスライダ2は、浮上面2aがディスクDに対向しているので、回転するディスクDによって生じる風圧の影響を受けて浮上する力を受けている。この両者の力のバランスによって、スライダ2はディスクD上から離間した位置に浮遊している状態となっている。
この際スライダ2は、風圧を受けてサスペンション3側に押されるので、スライダ2を固定するジンバル17のパッド部17bとサスペンション3に形成された突起部19とが、点接触した状態となる。そして、この浮上する力は、突起部19を介してサスペンション3に伝わり、該サスペンション3をディスク面D1に垂直なZ方向に向けて撓ませるように作用する。これにより、上述したようにスライダ2は浮上する。また、ディスクDの凹凸やうねり等により、スライダ2にXY方向に向かう風圧が加わったときに、スライダ2及びパッド部17bは、突起部19を中心としてX軸及びY軸の2軸回りに捩じれるようになっている。これにより、ディスクDのうねりによるZ方向の変位(ディスク面D1に略直交する方向への変位)を吸収することができ、スライダ2の姿勢が安定するようになっている。
【0060】
またスライダ2は、ディスクDのうねりに起因して発生する風圧(XY方向に向かう風圧)を受けたとしても、ジンバル手段16、すなわち、突起部19の先端に点接触したパッド部17bを介してXY軸回りに捩じれるようになっている。そのため、うねりによるZ方向への変位を吸収することができ、浮上している際のスライダ2の姿勢を安定にすることができる。
【0061】
このように、本実施形態の情報記録再生装置1では、スライダ2におけるディスク面D1に向けて荷重が付与される荷重点F、スライダ2における光導波路32が固定される固定点Tとし、荷重点Fから固定点Tまでの間の距離d1を設定する構成とした。
この構成によれば、面方向におけるスライダ2の基端面2bから荷重点Fまでの間であって、かつスライダ2の浮上面2aと、パッド部17bとの接触面との間の厚さ方向における上半部に固定点Tを設定することで、荷重点Fと固定点Tとの間の空間的な距離を可能な限り短縮することができる。これにより、スライダ2の記録再生動作時において、ディスク面D1の凹凸や、ディスクDの回転に伴う面ぶれに追従するようにスライダ2が姿勢変動した場合でも、光導波路32からスライダ2に作用する回転モーメントが小さい。つまり、光導波路32がスライダ2に固定されている場合であっても、光導波路32がスライダ2の姿勢制御の妨げになることを防ぐことができる。そのため、スライダ2の安定浮上を維持して、浮上量をできるだけ小さくすることができるので、スライダ2の浮上特性やトラッキングの精度等に与える影響が少ない。
したがって、光の伝搬効率及びスライダの浮上特性の双方を両立させることが可能になるため、スライダ2のスキャン性能を向上させ、情報の記録再生を正確且つ高密度に行うことができる。
【0062】
さらに、光導波路32が先端面にミラー面32aを備えているため、光導波路32のコア35内を伝搬した光束は光導波路32の先端面に構成されたミラー面32aによってヘッド内導波路59へと導かれる。1枚の基板(スライダ基板60)によりスライダ2を構成することができるため、スライダ2の薄型化及び小型化を実現することができる。
したがって、荷重点Fから固定点Tまでの厚さ方向(Z方向)の距離も短縮することができる。
また、スライダ2と光導波路32との固定点Tと荷重点Fとをスライダ2の幅方向において一致させることで、荷重点Fから固定点Tまでの幅方向(X方向)の距離も短縮することができ、光導波路21からスライダ2に作用する回転モーメントをより小さくすることができる。
【0063】
また、スライダ2と光導波路32とを、スライダ基板60の収容部61における基端側の端縁部で固定し、その端縁部を固定点Tとして設定する構成とした。
この構成によれば、従来のようにサスペンション3から荷重がかかる方向に延伸した位置の近傍部のみでスライダ2と光導波路32とを固定する場合に比べて、設計の自由度を向上させ、固定点Tのレイアウト性を向上することができる。また、これに伴い光導波路32とスライダ2との位置合わせや固定が容易になるため、製造効率を向上させることができる。
【0064】
このように、本発明の情報記録再生装置1は、上述したヘッドジンバルアセンブリ12を備えているので、情報の記録再生を正確且つ高密度に行うことができ、高品質化を図ることができる。
【0065】
(第2実施形態)
次に、図7,8に基づいて本発明の第2実施形態について説明する。図7は、第2実施形態におけるヘッドジンバルアセンブリの断面図であり、図8のC−C‘線に沿う断面図である。また、図8は図7のD矢視図である。なお、本実施形態においては、上述した第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、説明は省略する。
図7,8に示すように、本実施形態のヘッドジンバルアセンブリ112は、ジンバル117のパッド部117bにおける下面(スライダ102との対向面)に切欠き部117cが形成されている。この切欠き部117cは、パッド部117bの幅方向(X方向)の中央部において、厚さ方向の中途部まで側面視矩形状に切欠き形成されたものである。つまり、切欠き部117bの形成部位におけるパッド部117bの肉厚は、切欠き部117cの周囲の肉厚より薄く形成されている。また、切欠き部117cは、パッド部117bの長手方向(Y方向)先端側から基端側に向けて形成されており、XY平面方向における荷重点Fの近傍に至るまで形成されている。そして、切欠き部117bの先端側には、切欠き部117cとパッド部117bの下面との間で段差部117dが形成されている。なお、切欠き部117cはパッド部117bの厚さ方向に貫通する構成でもよい。
【0066】
また、スライダ基板160にも、その基端面2bから先端側に向けて長手方向に沿って、切欠き部163が形成されている。この切欠き部163は、側面視三角形状に形成されたV溝であり、収容部61の外形より大きく形成されている。つまり、光導波路32の軸方向に直交する断面積よりも大きく形成されており、光導波路32の外周面と切欠き部163の内面とは接触しないようになっている。切欠き部163は、スライダ基板160の幅方向(X方向)中央部であって、長手方向においてパッド部117bの切欠き部117cの段差部117dと同様に、XY平面方向における荷重点Fの近傍に至るまで形成されている。そして、切欠き部163の先端側には、切欠き部163と収容部61との間に段差部164が形成されている。段差部164は、パッド部117bの段差部117dと面一に形成されている。
【0067】
そして、切欠き部163の先端には、段差部164を介して上述した第1実施形態と同様の収容部61が形成されている。つまり、本実施形態では、収容部61とスライダ102の基端面2bとの間に、収容部61の外形より外形が大きい切欠き部163が形成されている。そして、スライダ基板160の上面は、切欠き部163及び収容部61により、基端側から先端側に向けてV溝の外形が小さく(浅く)なっている。そして、光導波路32は、スライダ102とパッド部117bとの間、すなわちスライダ102の収容部61及び切欠き部163内に収容された状態で、スライダ102の先端側に配置されたヘッド内導波路59に接続されている。
【0068】
ここで、スライダ102の基端側において、光導波路32の周囲にはクリアランスを有している。つまり、スライダ102の切欠き部163及びパッド部117bの切欠き部117cと光導波路32との間にはクリアランスを有しており、光導波路32はクリアランス内に遊挿された状態となっている。この場合、光導波路32は、収容部61の基端側の端縁部、すなわち段差部117d,164の近傍で接着剤等により接着固定されている。このように、本実施形態の光導波路32は、スライダ102の基端面2bよりも先端側に近づいた部位で接着固定されている。よって、スライダ102の段差部164が、光導波路32とスライダ102とが接着固定された領域のうち、荷重点Fから最も離れた部位の端面となる。そして、段差部164の端面を光導波路32の固定点Tとすると、荷重点Fと固定点Tとの距離は、距離d2に設定されている。つまり、スライダ102の基端面2bを固定点とした場合に比べて、固定点と荷重点との間の距離d2が短くなっている。
【0069】
したがって、本実施形態によれば、上述した第1実施形態と同様の効果を奏することに加えて、スライダ基板160における収容部61より基端側に、光導波路32の外周面が接触しないように切欠き部163を形成することで、スライダ102内において光導波路32と切欠き部163との間にはクリアランスを有することになる。つまり、光導波路32は切欠き部163内を遊挿された状態となる。そして、切欠き部163の先端側、すなわち収容部61の端縁部でスライダ基板160と光導波路32とを固定することで、荷重点Fと固定点Tとの間の空間的な距離d2をより短縮することができる。具体的には、上述した第1実施形態と比べて、幅方向(X方向),厚さ方向(Z方向)の距離は同じであるが、スライダ2の長手方向(Y方向)の距離を短縮することができる。したがって、スライダ102の記録再生動作時における、光導波路32からスライダ102に作用する回転モーメントをより小さくすることができる。
【0070】
(第3実施形態)
次に、図9,10に基づいて本発明の第3実施形態について説明する。図9は、第3実施形態におけるヘッドジンバルアセンブリの断面図であり、図10のE−E‘線に沿う断面図である。また、図10は図9のG矢視図である。なお、本実施形態においては、上述した第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、説明は省略する。
【0071】
図9,10に示すように、本実施形態のヘッドジンバルアセンブリ212のスライダ202は、スライダ基板260とミラー基板270とが重ね合わされて構成されている。
スライダ基板260は、第1実施形態と同様に石英ガラス等の光透過性材料等からなり、その先端側には上面が厚さ方向に刳り抜かれた凹部261が形成されている。凹部261の底面における中央部は、スライダ基板260の厚さ方向に半球状に突出する集光レンズ262が形成されている。スライダ基板260の浮上面260aにおいて、集光レンズ262の厚さ方向における直下部には、浮上面260aから下方に向けて突出する近接場光発生素子263が設けられている。この近接場光発生素子263は、光学的な微小開口やナノメートルサイズに形成された突起部等により構成されており、集光レンズ262により集光された光束から近接場光を発生するものである。なお、集光レンズ262と近接場光発生素子263との間には、集光レンズ262により集光された光束を近接場光発生素子263まで導くヘッド内導波路(不図示)が設けられている。また、近接場光発生素子263に隣接して、再生素子と記録素子とからなる磁気素子258が設けられている。
【0072】
ミラー基板270は、シリコン等からなり、その上面270bがパッド部17bの下面に接着固定されるとともに、下面270aがスライダ基板260の上面260bに接着固定されている。ミラー基板270の下面270aにおける幅方向の中央部であって、長手方向(Y方向)における基端面から先端側に向けて光導波路32の収容部271が形成されている。この収容部271は、ミラー基板270の下面270aから厚さ方向に切り欠かれたV溝である。収容部271の先端側は、徐々にV溝の深さが浅くなってミラー基板270の下面270aまで到達しており、ミラー基板270の下面270aに対して傾斜したミラー面272が形成されている。ミラー面272は、その表面にAl膜等が成膜されており、光導波路32から導入された光束を反射させてスライダ基板260の集光レンズ262に導くようになっている。
【0073】
ここで、光導波路32は、ミラー基板270の収容部271内に保持されており、収容部271の基端側の端縁部で接着剤等により接着固定されている。そして、光導波路32とミラー基板270とが接着固定された部位を固定点Tとすると、この固定点Tは、光導波路32は、サスペンション3の突起部19(荷重点F)に対してディスク面D1の面方向(XY方向)にオフセットした位置で接着固定されている。さらに、スライダ202の浮上面260a(スライダ基板260の浮上面260a)と、上面(ミラー基板270の上面)との間の厚さ方向(Z方向)における上半部に設定されている。
【0074】
このように、固定点Tは、スライダ202における幅方向(X方向)中央部で、かつ長手方向(Y方向)基端部、厚さ方向(Z方向)上半部に設定されている。したがって、上述した荷重点F、すなわちサスペンション3の突起部19とパッド部17bの上面との接触点から固定点Tまでの空間的な距離は、距離d3に設定されている。
したがって、本実施形態のように、スライダ202をスライダ基板260とミラー基板270との2枚で構成した場合においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。また、ミラー基板270に収容部271を形成するのみで、光導波路32を保持することができるので、スライダ基板260に加工を施すことがなく、加工を容易にすることができる。
【0075】
なお、本発明の技術範囲は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、上述した実施形態で挙げた構成等はほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
例えば、上述した実施形態では、固定点を収容部の端縁部に設定する場合について説明したが、これに限らずスライダの端面のみでスライダと光導波路とを固定し、スライダの端面を固定点として設定することも可能である。つまり、光導波路を収容部内に保持した場合であって、スライダの外周上または外周から荷重点までの間であれば、固定点は任意に設定可能である。
【0076】
例えば、図11に示すように、スライダ基板60に形成された収容部(不図示)をスライダ2の幅方向一端寄りに形成し、この収容部内に光導波路32を保持させるような構成も可能である。この構成によれば、荷重点Fと固定点Tとがスライダ2の幅方向(XY方向)に対してもオフセットする。そして、この場合における荷重点と固定点との距離は、距離d’となる。つまり、上述した実施形態のように、荷重点Fと固定点Tとを幅方向(X方向)に一致させた場合に比べ、荷重点Fと固定点Tとの幅方向(X方向)の距離が長くなる。
【0077】
また、上述の実施形態では、スライダを浮上させた空気浮上タイプの情報記録再生装置を例に挙げて説明したが、この場合に限られず、ディスク面に対向配置されていればディスクとスライダとが接触していても構わない。つまり、本発明のスライダは、コンタクトスライダタイプのスライダであっても構わない。この場合であっても、同様の作用効果を奏することができる。
【0078】
また、上述の実施形態では、アーム部の片面側のみにヘッドジンバルアセンブリが設けられている構成について説明したが、各ディスク間に差し入れられるアーム部の両面に、各ディスクに対向するようにそれぞれヘッドジンバルアセンブリを設けるような構成も可能である。この場合、アーム部の両面側に設けられたヘッドジンバルアセンブリの各スライダにより、各スライダに対向するディスク面の情報の記録再生を行うことができる。つまり、1つのアーム部により2枚のディスクの情報を記録再生することができるため、情報記録再生装置の記録容量の増加及び装置の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明に係る情報記録再生装置の一実施形態を示す構成図である。
【図2】図1に示すヘッドジンバルアセンブリの斜視図である。
【図3】図2に示すジンバルの平面図である。
【図4】第1実施形態に係る図3のA−A’線に沿う断面図である。
【図5】第1実施形態に係る図3のB−B’線に沿う断面図である。
【図6】図1に示すターミナル基板の平面図である。
【図7】第2実施形態に係る図8のC−C’線に沿う断面図である。
【図8】図7のD矢視図である。
【図9】第3実施形態に係る図10のE−E’線に沿う断面図である。
【図10】図9のG矢視図である。
【図11】本発明に係る情報記録再生装置の他の実施形態を示すスライダの平面図である。
【符号の説明】
【0080】
Dディスク(磁気記録媒体) D1ディスク面(磁気記録媒体の表面) F荷重点 T固定点 1情報記録再生装置 2スライダ 3サスペンション 10ピボット軸 11キャリッジ 12ヘッドジンバルアセンブリ 14アーム部 17ジンバル 19突起部(支持部) 20レーザ光源(光源) 32光導波路 32aミラー面 60,160,260スライダ基板 61,271収容部 163切欠き部 262 集光レンズ(光学系) 263近接場光発生素子(スポット光発生素子) 270ミラー基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気記録媒体の表面に沿って延設され、厚さ方向に撓み変形可能に構成されたサスペンションと、前記サスペンションの先端側において、前記磁気記録媒体の表面と対向するように配置されたスライダと、前記スライダを挟んで前記磁気記録媒体とは反対側において前記スライダを直接的または間接的に点支持し、前記磁気記録媒体の表面に平行で且つ互いに直交する2軸回りに前記スライダを回動自在とする支持部と、前記スライダの基端側に接続され、光源から出射された光束を前記スライダに導入する光導波路と、を備え、
前記スライダは、前記光導波路から導入された光束を集光する光学系と、集光された前記光束からスポット光を発生させるスポット光発生素子と、を備え、
前記スポット光により前記磁気記録媒体を加熱するとともに、前記磁気記録媒体に対して記録磁界を与えることで磁化反転を生じさせ、前記磁気記録媒体に情報を記録させるヘッドジンバルアセンブリであって、
前記支持部による前記スライダの支持点を荷重点、前記スライダと前記光導波路とが固定される部位を固定点とすると、
前記固定点は、前記磁気記録媒体の面方向において前記荷重点からオフセットした位置に設定され、かつ前記面方向における前記スライダの外周上または前記外周から前記荷重点までの間に設定されるとともに、
前記固定点は、前記磁気記録媒体の表面に垂直な前記スライダの厚さ方向における中間部より前記支持部側に設定されていることを特徴とするヘッドジンバルアセンブリ。
【請求項2】
前記スライダには、前記光導波路を収容保持する収容部が形成され、前記光導波路は、少なくとも前記面方向における前記収容部の端縁部で前記スライダに固定されていることを特徴とする請求項1記載のヘッドジンバルアセンブリ。
【請求項3】
前記面方向における前記スライダの前記外周と、前記光導波路が固定された前記収容部の端縁部との間における前記スライダには、前記光導波路と接触しないように切り欠かれた切欠き部が形成されていることを特徴とする請求項2記載のヘッドジンバルアセンブリ。
【請求項4】
前記固定点と前記荷重点とが前記スライダの厚さ方向に直交する幅方向において一致していることを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載のヘッドジンバルアセンブリ。
【請求項5】
前記スライダは、前記光学系及び前記スポット光発生素子を備えたスライダ基板と、
前記光導波路内に導かれた前記光束を前記光学系に向けて反射させるミラー面を有するミラー基板とを備え、
前記ミラー基板に前記収容部が形成されていることを特徴とする請求項2ないし請求項4の何れか1項に記載のヘッドジンバルアセンブリ。
【請求項6】
前記スライダは、前記光学系及び前記スポット光発生素子を備えたスライダ基板を備え、前記スライダ基板における前記支持部側の面には前記収容部が形成され、
前記光導波路の先端面は、前記光導波路内に導かれた前記光束を前記光学系に向けて反射させるミラー面が構成されていることを特徴とする請求項2ないし請求項4の何れか1項に記載のヘッドジンバルアセンブリ。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6の何れか1項に記載のヘッドジンバルアセンブリと、
一定方向に回転する磁気記録媒体と、
前記磁気記録媒体を加熱するため光束を出射する光源と、
前記磁気記録媒体の外側に配置されたピボット軸と、
前記ピボット軸のまわりを回動可能に形成されるとともに、前記ヘッドジンバルアセンブリを支持するアーム部を有するキャリッジと、を備えていることを特徴とする情報記録再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−301677(P2009−301677A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−157662(P2008−157662)
【出願日】平成20年6月17日(2008.6.17)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】