説明

ヘッドマウントディスプレイ

【課題】ユーザーの所望する記入操作の軌跡を電子的に生成することができるヘッドマウントディスプレイを提供する。
【解決手段】ユーザーの頭部に装着され、ユーザーに画像を視認させる画像生成部52と、ユーザーの身体に装着され、検出領域31a上に対するユーザーの記入操作座標を検出する記入操作検出手段31と、記入操作座標に基づいて、記入操作の軌跡画像を生成し、前記生成した軌跡画像を画像生成部52に出力する記入操作画像生成手段と、記入操作座標から検出領域31a上に記入された文字の相対的な位置ズレを決定する文字位置ズレ決定手段と、位置ズレに基づいて、文字の位置ズレを補正する文字位置補正手段とを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザーの記入操作を表示することができるヘッドマウントディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、特許文献1に示されるように、ユーザーの記入操作の軌跡を電子的に生成し、保存することができる電子ペンが提案されている。
一方で、特許文献2に示されるように、ヘッドマウントディスプレイが表示する虚像に対して、ユーザーがペンを用いて入力を行うことができるヘッドマウントディスプレイが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−92410号公報
【特許文献1】特開2005−339267号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示される電子ペンは、2次元の入力面に記入するため、ハンズフリーとならず、モバイル性に優れないという問題がある。一方で、特許文献2に示されるヘッドマウントディスプレイでは、ユーザーが虚像に対してペンを用いて入力する構成であることから、ハンズフリーとなり、モバイル性に優れる。しかしながら、ユーザーが、虚像に対する距離感を把握し難いことから、ユーザーにとって虚像に対する入力が難しいという問題があった。
この問題の解決方法として、ユーザーの記入操作を検出する入力面をユーザーの腰等の身体に装着し、更に、ユーザーの記入操作をヘッドマウントディスプレイに表示するような構成にすることが考えられる。このような構成であれば、ユーザーは前記入力面を直接視認することができなくても、自己の記入操作をヘッドマウントディスプレイで確認することができ、なおかつ、電子ペンのモバイル性が損なわれることがない。
しかしながら、ユーザーが入力面に文字の記入を行う際に、ユーザーは体勢的に入力面を視認難しく、ユーザーの記入した文字が斜めにズレたり、前記文字が重なったりして、ユーザーの所望どおりに、文字の軌跡を電子的に生成することができないという問題が生じる。
本発明は、上記問題を解決し、ユーザーの所望する文字の軌跡を電子的に生成することができるヘッドマウントディスプレイを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の発明は、
ユーザーの頭部に装着され、ユーザーに画像を視認させる画像生成部と、
ユーザーの身体に装着され、2次元である検出領域上に対するユーザーの記入操作の座標である記入操作座標を検出する記入操作検出手段と、
前記記入操作座標に基づいて、記入操作の軌跡画像を生成し、前記生成した軌跡画像を前記画像生成部に出力する記入操作画像生成手段と、
ユーザーの入力操作により、前記記入操作が文字入力であるか否かを選択する文字入力選択手段と、
前記文字入力選択手段により文字入力が選択された場合に、前記記入操作座標から前記検出領域上に記入された文字の、前記検出領域上の第1方向に対する位置ズレを決定する文字位置ズレ決定手段と、
前記文字位置ズレ決定手段により決定された前記位置ズレに基づいて、文字の前記位置ズレを補正する文字位置補正手段と、
を有することを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
記入操作画像生成手段は、前記文字位置補正手段により相対的な位置ズレが補正された複数の文字からなる文字列の文字列画像を、画像生成部に出力することを特徴とする。
これにより、ユーザーは、文字の位置ズレの補正状態を確認することが可能となる。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、
文字位置補正手段で補正する文字の位置ズレの補正方向が、
検出領域上の第1方向に対するズレを補正する第1モードか、
検出領域上の前記第1方向と直交する方向である第2方向に対するズレを補正する第2補正モードかを、ユーザーの入力操作により選択する補正方向選択手段を更に有することを特徴とする。
これにより、文字の位置ズレを補正する方向を任意に選択することが可能となる。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3に記載の発明において、
検出領域の傾きを検出する傾斜検出手段を更に有し、
文字位置補正手段は、前記傾斜検出手段により検出された検出領域の傾き情報に基づき、検出領域に記入された文字の傾きを補正することを特徴とする。
これにより、検出領域が傾き、検出領域上に記入された文字が傾いた場合であっても、前記文字の傾きを補正することが可能となる。
なお、文字の自動認識を行う場合には、各文字の傾きが補正されるので、文字の認識精度が向上する。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4に記載の発明において、
検出領域が受ける加速度を検出する加速度検出手段を更に有し、
文字位置補正手段は、前記加速度に基づいて、検出領域に記入された文字を移動させる補正を行うことを特徴とする。
これにより、検出領域の振動に起因して、検出領域上の文字の位置ズレが生じた場合であっても、前記位置ズレを補正することが可能となる。
【0010】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5に記載の発明において、
文字位置補正手段は、文字位置ズレ決定手段が検出した検出領域上に記入された文字の相対的な位置ズレが所定以下である場合には、文字の位置ズレの補正を行わないことを特徴とする。
これにより、ユーザーが視認することができないような文字の位置ズレが生じた場合であっても、無駄に文字の位置ズレの補正を行われることが無い。
【0011】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6に記載の発明において、
記入操作座標に基づき、隣接する文字が重なっているか否かを判断する文字重なり判断手段を更に有し、
前記文字重なり判断手段が、隣接する文字が重なっていると判断した場合には、
文字位置補正手段は、前記記入操作座標に基づき、隣接する文字が重ならない位置にまで文字を移動させることを特徴とする。
これにより、検出領域に記入された文字の重畳状態を解消することが可能となる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、文字位置ズレ決定手段が、前記検出領域上に記入された文字の相対的な位置ズレを決定し、文字位置補正手段が前記決定された位置ズレに基づいて、文字の位置ズレを補正するので、ユーザーの所望する文字の軌跡を、電子的に生成することができるヘッドマウントディスプレイを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態を示すヘッドマウントディスプレイの全体図である。
【図2】本発明の概要を示す説明図である。
【図3】ヘッドマウントディスプレイのブロック図である。
【図4】メイン処理のフロー図である。
【図5】モード選択の説明図である。
【図6】初期位置座標決定時の説明図である。
【図7】記入開始状態の説明図である。
【図8】座標変換処理の説明図である。
【図9】ユーザーの記入操作が検知領域外に近接した状態の説明図である。
【図10】警告報知状態の説明図である。
【図11】再び座標変換処理が行われている状態の説明図である。
【図12】第1の実施形態の補正処理のフロー図である。
【図13】文字重なり補正の説明図である。
【図14】文字傾き補正の説明図である。
【図15】加速度位置ズレ補正の説明図である。
【図16】第1の実施形態の文字列傾き補正処理の説明図である。
【図17】第2の実施形態の補正処理のフロー図である。
【図18】第2の実施形態の文字列傾き補正処理の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(ヘッドマウントディスプレイの概要)
以下に図面を参照しつつ、本発明の好ましい実施の形態を示す。図1に示されるように、ヘッドマウントディスプレイ100は、ユーザーの頭部に装着されるヘッドマウントディスプレイ部50とユーザーの腰等の身体に装着される制御部30とから構成されている。ヘッドマウントディスプレイ部50は、頭部装着部51、画像生成部52とから構成されている。頭部装着部51は、図1に示される実施形態では、眼鏡のフレーム形状であるが、ヘルメット形状等であってもよく、ユーザーの頭部に装着される構造のものであれはすべて含まれる。
【0015】
画像生成部52は、頭部装着部51の側前部に取り付けられている。画像生成部52は、画像を生成し、当該画像をユーザーに視認させるものである。本実施形態では、画像生成部52は、レーザ光を直接ユーザーの眼球に走査することにより、ユーザーに画像を視認させる網膜走査型ディスプレイを用いて構成される。このように、網膜走査型ディスプレイを用いて画像生成部52を構成すると、ユーザーは画像生成部52が生成する画像を視認することができると同時に、外界もまた視認することができる。なお、画像生成部52は、液晶ディスプレイ、有機EL(Organic Electroluminescence)ディスプレイなど、その他の装置を用いた構成であっても差し支えない。
【0016】
制御部30は、ユーザーの記入操作を検出するとともに、画像生成部52で表示する記入操作の軌跡画像を生成する装置である。制御部30は、画像生成部52と接続している。制御部30には、ヘッドマウントディスプレイ100を操作するための操作部35が設けられている。制御部30には、図2に示されるように記入操作検出部31が設けられている。記入操作検出部31は、2次元である検出領域31a上の、ユーザーの記入操作の座標を検出する装置である。本実施形態では、ユーザーが入力ペン60で検出領域31a上に記入操作を行うと、前記記入操作による検出領域31a上の座標が「記入操作座標」として、記入操作検出部31で検出されるようになっている。
【0017】
検出領域31aの絶対座標(x、y)と、画像生成部52の表示領域90の絶対座標(X、Y)は一致している。ユーザーが入力ペン60で検出領域31a上に記入操作を行うと(図2の(B)に示す)、記入操作検出部31で前記入力ペン60による記入操作が検知され、図2の(A)に示されるように、画像生成部52の表示領域90に前記ユーザーによる記入操作の軌跡が表示される。制御部30がユーザーの腰に装着されている場合には、図2の(B)に示されるように、ユーザーは検出領域31aの上部から下部方向(x負方向からx正方向)に文字を記入する。ユーザーは、検出領域31aを視認することができないことから、図2の(C)に示されるように、検出領域31a上に記入された文字が重なったり、ズレたりしてしまう。また、図14に示されるように、制御部30が、水平線或いは垂直線から傾いていると、検出領域31a上に記入された文字が傾いてしまう。また、ユーザーが歩行中等に検出領域31aに記入操作を行うと、制御部30が上下に揺れることから、図15に示されるように、検出領域31aに記入された文字がズレてしまう。本発明では、前記したように検出領域31aに記入された重なった文字、ズレた文字、傾いた文字の位置を制御部30で補正することにより、図2の(A)に示されるように、前記検出領域31a上に記入された文字が整列されて画像生成部52で表示されるようになっている。以下、このような機能を実現するヘッドマウントディスプレイ100について詳細に説明する。
【0018】
(ヘッドマウントディスプレイのブロック図)
図3を用いて、ヘッドマウントディスプレイ100のブロック図を説明する。制御部30には、ヘッドマウントディスプレイ100の各種制御を行う制御基板20を有している。制御基板20は、CPU10、RAM11、ROM12、補助記憶装置13、画像生成コントローラ16、VRAM17、インターフェース19を有している。これらの構成は、相互にバス9で接続されている。画像生成コントローラ16とVRAM17は相互に接続している。
【0019】
CPU(Central Processing Unitの略)10は、RAM(Random Access Memoryの略)11、ROM(Read Only Memoryの略)12と協動して、各種演算、処理を行うものである。
【0020】
RAM11は、CPU10で処理されるプログラムや、CPU10が処理するデータを、そのアドレス空間に一時的に記憶するものである。RAM11は、記入操作座標記憶領域11a、初期位置座標記憶領域11b、開始位置座標記憶領域11c、記入軌跡座標記憶領域11d、補正モード記憶領域11e、加速度データ記憶領域11f、傾斜角データ記憶領域11gを有している。
記入操作座標記憶領域11aには、バス9に入力された「記入操作座標」が記憶される。
初期位置座標記憶領域11bには、後述する初期位置座標決定プログラム12cが決定した画像生成部52の表示領域90上の「初期位置座標」が記憶される。
開始位置座標記憶領域11cには、ユーザーの入力ペン60による検出領域31aへの記入操作の開始位置の座標である「開始位置座標」が記憶される。
記入軌跡座標記憶領域11dには、座標変換プログラム12eにより生成された「記入軌跡座標」が記憶される。
補正モード記憶領域11eには、「垂直補正モード」、「水平補正モード」のいずれかのモードであることを示すフラグが記憶される。なお、「垂直補正モード」は、文字の位置ズレを補正する方向が垂直方向(第1方向)であるモードである。また、「水平補正モード」は、文字の位置ズレを補正する方向が水平方向(第2方向)であるモードである。なお、前記第1方向と第2方向とは直交している。
加速度データ記憶領域11fには、制御部30(検出領域31a)の「加速度データ」と、この「加速度データ」の「検出時間」が記憶される。
傾斜角データ記憶領域11gには、検出領域31aの「傾斜角データ」と、この「傾斜角データ」の「検出時間」が記憶される。
【0021】
ROM12には、ヘッドマウントディスプレイ100を制御する各種プログラムやパラメータが記憶されている。当該各種プログラムが、CPU10で処理されることにより、各種機能を実現している。ROM12には、モード選択画面表示プログラム12a、モード選択プログラム12b、初期位置座標決定プログラム12c、開始位置座標検出プログラム12d、座標変換プログラム12e、記入軌跡画像生成プログラム12f、記入操作エラー検出プログラム12g、警告報知プログラム12h、1文字記入完了判断プログラム12i、文字重なり判断プログラム12j、文字位置ズレ決定プログラム12k、文字位置補正プログラム12mが記憶されている。なお、補助記憶装置13に、これらプログラムやデータを記憶することにしても差し支えない。
【0022】
モード選択画面表示プログラム12aは、「文字入力モード」であるか「描画入力モード」であるかを選択させる「入力モード選択画面」(図5の(A)に示す)や、「垂直補正モード」であるか「水平補正モード」であるか、或いは、「ズレ補正無し」のいずれかを選択させる「補正モード選択画面」(図5の(B)に示す)を、画像生成部52の表示領域90上に表示させる命令を、画像生成コントローラ16に出力するプログラムである。
モード選択プログラム12bは、ユーザーの選択操作により、「文字入力モード」又は「描画入力モード」のいずれかが選択されたかを判断するプログラムである。また、モード選択プログラム12bは、ユーザーの選択操作により、「垂直補正モード」であるか「水平補正モード」であるか、或いは、「ズレ補正無し」のいずれかをのモードが選択されたかを判断するプログラムである。
初期位置座標決定プログラム12cは、画像生成部52の表示領域90上の初期位置座標99(図7〜図11に示す)を決定するプログラムである。
開始位置座標検出プログラム12dは、「記入操作座標」から、ユーザーによる書き始め位置である開始位置座標91(図7〜図11に示す)を検出するプログラムである。
座標変換プログラム12eは、ユーザーによる記入操作の開始位置座標91を、画像生成部52の表示領域90上の初期位置座標99に変換し、初期位置座標99と、「記入操作座標」と開始位置座標91との位置関係を用いて、順次「記入軌跡座標」を算出するプログラムである。
記入軌跡画像生成プログラム12fは、前記算出された「記入軌跡座標」に基づいて、画像生成部52に出力する「記入軌跡画像」を生成するプログラムである。
記入操作エラー検出プログラム12gは、ユーザーの記入操作の検出領域31a外への近接又は離脱を検出するプログラムである。
警告報知プログラム12hは、ユーザーの記入操作の検出領域31a外への近接又は離脱を検出した場合に、画像生成部52に警告画像を表示させ、ユーザーに警告を報知するプログラムである。
1文字記入完了判断プログラム12iは、ユーザーの検出領域31aに対する記入操作が、1文字書き終わったか否かを判断するプログラムである。
文字重なり判断プログラム12jは、検出領域31aに記入された隣接する文字の重なりを検出するプログラムである。
文字位置ズレ決定プログラム12kは、各文字の検出領域31a上の座標位置から、検出領域31a上に記入された文字の相対的な位置ズレを決定するプログラムである。
文字位置補正プログラム12mは、文字の相対的な位置ズレに基づいて、隣接する文字の位置ズレを補正するプログラムである。
なお、モード選択画面表示プログラム12a、モード選択プログラム12b、初期位置座標決定プログラム12c、開始位置座標検出プログラム12d、座標変換プログラム12e、記入軌跡画像生成プログラム12f、記入操作エラー検出プログラム12g、警告報知プログラム12h、1文字記入完了判断プログラム12i、文字重なり判断プログラム12j、文字位置ズレ決定プログラム12k、文字位置補正プログラム12mを、ASIC(ApplicationSpecific Integrated Circuit)として構成することとしても差し支えない。
【0023】
補助記憶装置13は、例えば、不揮発性メモリーやハードディスクである。補助記憶装置13には、記入軌跡座標保存領域13a、記入操作座標保存領域13bを有している。記入軌跡座標保存領域13aには、「文字入力モード」の場合に、ユーザーの検出領域31a上の記入操作により生成された「記入軌跡座標」が記憶される。記入操作座標保存領域13bには、「描画入力モード」の場合に、ユーザーの検出領域31a上の記入操作により生成された「記入操作座標」が記憶される。
【0024】
画像生成コントローラ16は、GPU(Graphics Processing Unit)を有している。画像生成コントローラ16は、記入軌跡画像生成プログラム12fからの描画命令により、「記入操作軌跡画像」を生成し、VRAM17に記憶させる。VRAM17に記憶された「記入操作軌跡画像」は、「画像信号」として画像生成部52に出力される。
【0025】
インターフェース19は、信号の物理的、論理的な形式を変換するものである。インターフェース19には、記入操作検出部31、加速度センサー32、傾斜センサー33、操作部35が接続している。
【0026】
本実施形態では、入力ペン60の先端は交番磁界を発し、記入操作検出部31には前記交番磁界を検知する検知コイルがマトリックス状に配設されている。このような構成により、記入操作検出部31で、2次元である検出領域31a上の、ユーザーの記入操作の座標である「記入操作座標」が生成される。この「記入操作座標」は、所定時間(数ミリ秒)をおいて生成される。但し、ユーザーが入力ペン60を、記入操作検出部31の検出領域31aから離した場合には、「記入操作座標」は生成されない。生成された「記入操作座標」は、インターフェース19を介してバス9に出力される。バス9に入力された「記入操作座標」は、「記入操作座標」が生成された「検出時間」とともに、RAM11の記入操作座標記憶領域11aに記憶される。
【0027】
加速度センサー32は、検出領域31aが受ける加速度を検出する装置である。本実施形態では、加速度センサー32は、検出領域31aの絶対座標のx軸方向及びy軸方向の加速度を検出する。加速度センサー32は、所定時間(数ミリ秒)をおいて、検出領域31aが受ける加速度を検出し、「加速度データ」を生成する。生成された「加速データ」は、インターフェース19を介してバス9に出力され、前記「加速度データ」の「検出時間」とともに、RAM11の加速度データ記憶領域11fに記憶される。
【0028】
傾斜センサー33は、検出領域31aの水平線或いは垂直線からの傾斜を検出する装置である。なお、本明細書において、垂直線とは物体に重力が作用する方向の線であり、水平線とは前記垂直線に対して直交する方向の線である。傾斜センサー33で、所定時間(数ミリ秒)をおいて、検出領域31aの傾斜が検出され、「傾斜角データ」が生成される。生成された「傾斜角データ」は、インターフェース19を介してバス9に出力され、前記「傾斜角データ」の「検出時間」とともに、RAM11の傾斜角データ記憶領域11gに記憶される。
【0029】
操作部35は、ボタンやタッチパネルで構成されている。操作部35は、ユーザーの操作により、ヘッドマウントディスプレイ100をON状態(電源が投入された状態)やOFF状態(電源が遮断された状態)にし、ヘッドマウントディスプレイ100の各種操作を行うためのものである。
【0030】
(メイン処理の説明)
図4を用いて、メインフローについて説明する。ユーザーが操作部35を操作することにより、ヘッドマウントディスプレイ100に電源が投入されると、メイン処理が開始し、S8の処理に進む。
S8「起動処理」において、ヘッドマウントディスプレイ100の各種プログラムが起動する。S8の処理が終了すると、S9の処理に進む。
【0031】
S9「入力モード選択画面を表示」の処理において、モード選択画面表示プログラム12aは、「文字入力モード」であるか「描画入力モード」であるかを選択させる「入力モード選択画面」を画像生成部52に表示させる命令を、画像生成コントローラ16に出力する。すると、図5の(A)に示されるように、「文字入力モード」及び「描画入力モード」のボタンからなる「入力モード選択画面」が画像生成部52に表示される。更に、モード選択プログラム12bは、画像生成部52の表示領域90上に、ポインター97を表示させる命令を、画像生成コントローラ16に出力する。すると、図5の(A)に示されるように、ポインター97が画像生成部52の表示領域90上に表示される。なお、ポインター97が、画像生成部52の表示領域90上に、表示されている状態で、ユーザーが入力ペン80の先端を、記入操作検出部31の検出領域31aに押し当てたまま所定の位置まで移動させる「ドラッグ操作」を行うと、ポインター97が前記「ドラッグ操作」に伴って移動する。S9の処理が終了すると、S10の判断処理に進む。
【0032】
S10「文字入力モードか?」の判断処理において、モード選択プログラム12bは、ユーザーの入力ペン80の操作により、「文字入力モード」が選択されたか否かを判断する。ユーザーが、入力ペン80の操作することによりポインター97を「文字入力モード」のボタン上まで移動した後に、「選択操作」を行った場合には、モード選択プログラム12bは、「文字入力モード」が選択されたと判断し(S10の判断処理がYES)、S11の判断処理に進む。
一方で、ユーザーが、入力ペン80の操作することによりポインター97を「描画入力モード」のボタン上まで移動した後に、「選択操作」を行った場合には、モード選択プログラム12bは、「描画入力モード」が選択されたと判断し(S10の判断処理がNO)、S51の処理に進む。
なお、「選択操作」としては、例えばユーザーが選択ペン80の先端を検出領域31a上で離しては着ける動作を2回繰り返すダブルクリック操作などが含まれる。
【0033】
S11「補正モード選択画面表示」の処理において、モード選択画面表示プログラム12aは、「垂直補正モード」であるか「水平補正モード」であるか、或いは、「ズレ補正無し」のいずれかを選択させる「補正モード選択画面」を画像生成部52に表示させる命令を、画像生成コントローラ16に出力する。すると、図5の(B)に示されるように、「垂直補正モード」、「水平補正モード」及び「ズレ補正無し」のボタンからなる「補正モード選択画面」が画像生成部52に表示される。更に、モード選択プログラム12bは、画像生成部52の表示領域90上に、ポインター97を表示させる命令を、画像生成コントローラ16に出力する。すると、図5の(B)に示されるように、ポインター97が画像生成部52の表示領域90上に表示される。S11の処理が終了すると、S12の判断処理に進む。
【0034】
S12「選択完了?」の判断処理において、モード選択プログラム12bは、ユーザーの入力ペン80の操作により、「垂直補正モード」、「水平補正モード」及び「ズレ補正無し」のいずれかが選択されたか否かを判断する。ユーザーが、入力ペン80の操作することによりポインター97を「垂直補正モード」、「水平補正モード」及び「ズレ補正無し」のいずれかのボタン上まで移動した後に、「選択操作」を行った場合には、モード選択プログラム12bは、当該選択されたモードを補正モード記憶領域11eに記憶させて(S12の判断処理がYES)、S13の判断処理に進む。
一方で、「垂直補正モード」、「水平補正モード」及び「ズレ補正無し」のいずれもが選択されていない場合には(S12の判断処理がNO)、S13の選択処理に進まない。
【0035】
S13「センサー起動」の処理において、CPU10は、加速度センサー32での検出領域31aの加速度の検出を開始させる。加速度センサー32で検出され、生成された「加速度データ」は、「検出時間」とともに、RAM11の加速度データ記憶領域11fに記憶される。
また、CPU10は、傾斜センサー33での検出領域31aの傾斜の検出を開始させる。傾斜センサー33で検出され、生成された「傾斜角データ」は、「検出時間」とともに、RAM11の傾斜角データ記憶領域11gに記憶される。
S13の処理が終了すると、S14の判断処理に進む。
【0036】
S14「初期位置入力あり?」の判断処理において、初期位置座標決定プログラム12cは、初期位置入力があったか否かを判断する。具体的には、ユーザーが入力ペン80の先端を、記入操作検出部31の検出領域31aに接触させると、初期位置座標決定プログラム12cは、初期位置入力があったと判断し(S14の判断処理がYES)、S15の処理に進む。一方で、初期位置座標決定プログラム12cが、初期位置入力があったと判断しない場合には(S14の判断処理がNO)、S15の処理に進まない。
【0037】
S15「絶対座標で初期位置マークを表示」の処理において、初期位置座標決定プログラム12cは、S14の処理で検出された検出領域31a上の操作ペン80先端の絶対座標に対応する、表示領域90上の位置に初期位置マーク98を表示する描画命令を、画像生成コントローラ16に出力する。すると、図6に示されるように、画像生成部52の表示領域90上に初期位置マーク98が表示される。S15の処理が終了すると、S16の処理に進む。
【0038】
S16「初期位置決定入力あり?」の判断処理において、初期位置座標決定プログラム12cは、初期位置決定入力があったか否かを判断する。具体的には、ユーザーが操作部35を操作することにより、初期位置座標決定プログラム12cが、初期位置決定入力があったと判断した場合には(S16の判断処理がYES)、初期位置座標決定プログラム12cは、画像生成部52の表示領域90の初期位置マーク98が表示されている座標を「初期位置座標」として、RAM11の初期位置座標記憶領域11bに記憶させて、S17の判断処理に進む。一方で、初期位置座標決定プログラム12cが、初期位置決定入力があったと判断しない場合には(S16の判断処理がNO)、S17の判断処理に進まない。このように、本発明では、ユーザーが「初期位置座標」として画像生成部52の表示領域90上の任意の位置を選択することができる。
【0039】
S17「記入操作有り?」の判断処理において、CPU10は、ユーザーによる記入操作があったか否かを判断する。具体的には、ユーザーが入力ペン80で、記入操作検出部31の検出領域31a上に記入操作を行うことにより、「記入操作座標」がインターフェース19を介してバス9に入力されたと、CPU10が判断した場合には(S17の判断処理がYES)、S18の処理に進む。この際に、開始位置座標検出プログラム12dは、時系列的に最も古い「記入操作座標」を「開始位置座標」としてRAM11の開始位置座標記憶領域11cに記憶させる。一方で、CPU10が、「記入操作座標」がインターフェース19を介してバス9に入力されたと判断しない場合には(S17の判断処理がNO)、S18の処理に進まない。
【0040】
S18「記入操作座標の記憶開始」の処理において、CPU10は、バスに入力された「記入操作座標」を、RAM11の記入操作座標記憶領域11aに記憶させる処理を開始させる。S18の処理が終了すると、S19の処理に進む。
【0041】
S19「記入軌跡座標算出開始」の処理において、座標変換プログラム12eは、画像生成部52の表示領域90に表示される、ユーザー記入操作の軌跡座標である「記入軌跡座標」の算出を開始させる。座標変換プログラム12eが、「記入軌跡座標」を算出する処理について次に説明する。
座標変換プログラム12eは、RAM12の初期位置座標記憶領域11bと開始位置座標記憶領域11cを参照することにより、「初期位置座標」及び「開始位置座標」を認識する。そして、図7に示されるように、座標変換プログラム12eは、ユーザーによる記入操作の開始位置座標91を、画像生成部52の表示領域90上の初期位置座標99に変換する。
次に、座標変換プログラム12eは、RAM11の記入操作座標記憶領域11aを参照することにより、「記入操作座標」を認識する。そして、座標変換プログラム12eは、初期位置座標99と、「記入操作座標」と開始位置座標91との位置関係を用いて、順次「記入軌跡座標」を算出する。本実施形態では、座標変換プログラム12eは、初期位置座標99に、「記入操作座標」と開始位置座標91との差分値(図8に示されるX’、Y’)を加算することにより、順次「記入軌跡座標」を算出する。算出された「記入軌跡座標」は、RAM11の記入軌跡座標記憶領域11dに記憶される。
S19の処理が終了すると、S20の処理に進む。
【0042】
S20「画像表示部への表示開始」の処理において、記入軌跡画像生成プログラム12fは、記入軌跡座標記憶領域11dに記憶されている「記入軌跡座標」に基づいて、「表示領域軌跡画像」を生成する。具体的には、記入軌跡画像生成プログラム12fは、時系列的に隣接する「記入軌跡座標」同士を結ぶ線を生成する描画命令を、画像生成コントローラ16に出力する。但し、時系列的に隣接する「記入軌跡座標」が所定距離以上離れている場合には、ユーザーが入力ペン80を、記入操作検出部31の検出領域31aから離しているので、時系列的に隣接する「記入軌跡座標」は結ばない。
時系列的に隣接する「記入軌跡座標」同士を結ぶ線を生成する描画命令が、画像生成コントローラ16に入力されると、図8に示されるように、画像生成部52の表示領域90上に文字列である「表示領域軌跡画像」が表示される。S20の処理が終了すると、S21の判断処理に進む。
【0043】
S21「1文字記入完了?」の判断処理において、1文字記入完了判断プログラム12iは、ユーザーが1文字書き終わったか否かを判断する。具体的には、1文字記入完了判断プログラム12iは、記入操作座標記憶領域11aを参照することにより、時系列的に隣接する「記入軌跡座標」の「検出時間」が、所定時間(例えば数100ミリ秒)以上離れているか否かを判断し、前記「検出時間」が所定時間以上離れている場合には、ユーザーの検出領域31aに対する記入操作が、1文字書き終わったと判断する。1文字記入完了判断プログラム12iが、ユーザーが1文字書き終わったと判断した場合には(S21の判断処理がYES)、S22の処理に進む。一方で、1文字記入完了判断プログラム12iが、ユーザーが1文字書き終わっていないと判断した場合には(S21の判断処理がNO)、S25の判断処理に進む。
【0044】
S22「補正処理」において、記入領域31a上に記入された文字の位置ズレや、傾きや、重なりを補正する「補正処理」が実行される。詳しくは、図12又は図17に示すフローを用いて後で説明する。S22の処理が終了すると、S25の判断処理に進む。
【0045】
S25「検出領域外に近接?」の判断処理において、記入操作エラー検出プログラム12gは、ユーザーの記入操作(入力ペン80の先端)の、検出領域31a外へ近接又は離脱を検出したか否かを判断する。なお、図9に示されるように、記入操作検出部31は、検出領域31aの外縁から当該外縁からやや内側位置まで近接警告領域31bを有している。そして、ユーザーの記入操作が、近接警告領域31bに侵入した場合には、記入操作エラー検出プログラム12gは、ユーザーの記入操作が検出領域31a外へ近接したと判断する。また、ユーザーの記入操作が、近接警告領域31bに侵入した後に、検出領域31aからユーザーの記入操作が検出されなくなった場合には、記入操作エラー検出プログラム12gは、ユーザーの記入操作が検出領域31a外へ離脱したと判断する。
記入操作エラー検出プログラム12gが、ユーザーの記入操作の検出領域31a外へ近接又は離脱を検出した場合には(S25の判断処理YES)、S31の処理に進む。
一方で、記入操作エラー検出プログラム12gが、ユーザーの記入操作の検出領域31a外へ近接又は離脱を検出しない場合には(S25の判断処理NO)、S41の処理に進む
【0046】
S31「警告を報知」の処理において、警告報知プログラム12hは、画像生成部52で警告を表示する描画命令を画像生成コントローラ16に出力する。すると、図10に示されるように、画像生成部52に警告が表示される。
或いは、ヘッドマウントディスプレイ100にスピーカを設け、当該スピーカで警告音を再生して、ユーザーに警告を報知する実施形態であっても差し支えない。
S31の処理が終了すると、S32の判断処理に進む。
【0047】
S32「記入操作座標が所定以上変化?」の判断処理において、記入操作エラー検出プログラム12gは、RAM11の記入操作座標記憶領域11aを参照することにより、「記入操作座標」が所定以上変化したか否かを判断する。つまり、ユーザーがS31の処理で報知される警告を知覚することにより、入力ペン80を検出領域31aの内側に移動させた場合には、「記入操作座標」が所定以上変化する。記入操作エラー検出プログラム12gが、「記入操作座標」が所定以上変化したと判断した場合には(S32の判断処理がYES)、S33の処理に進む。一方で、記入操作エラー検出プログラム12gが、「記入操作座標」が所定以上変化したと判断しない場合には(S32の判断処理がNO)、S33の処理に進まない。
【0048】
S33「記入軌跡座標再算出」の処理において、座標変換プログラム12eは、S25の判断処理において記入操作エラー検出プログラム12gがユーザーの記入操作の検出領域外への近接又は離脱を検出した時点の記入軌跡座標92(図10や図11に示す)と、記入操作検出部31が再び検出した後の、開始位置座標93と記入操作座標94(図11に示す)との位置関係を用いて記入軌跡座標95(図11に示す)を算出する。本実施形態では、座標変換プログラム12eは、前記記入軌跡座標92に、前記記入操作座標94と開始位置座標93との差分値(図11に示されるX’’、Y’’)を加算して、記入軌跡座標95を算出している。算出された「記入軌跡座標」は、RAM11の記入軌跡座標記憶領域11dに記憶される。更に、図11に示されるように、再算出された「記入軌跡座標」に基づいて、画像生成部52の表示領域90に「表示領域軌跡画像」が表示される。
このように、ユーザーが検出領域31aの外側に離脱しそうになった入力ペン80を、検出領域31aの内側に移動させた場合には、S33の処理において、「記入軌跡座標」が再算出されるので、途切れなく「記入軌跡座標」が算出され、画像生成部52の表示領域90に「表示領域軌跡画像」が表示される。S33の処理が終了すると、S41の判断処理に進む。
【0049】
S41「文字入力モード解除?」の判断処理において、CPU10は、ユーザーが操作部35を操作することにより、「文字入力モード」を解除する信号がバス9に入力されたか否かを判断する。CPU10が、「文字入力モード」を解除する信号がバス9に入力されたと判断した場合には(S41の判断処理がYES)、S44の処理に進む。一方で、CPU10が、「文字入力モード」を解除する信号がバス9に入力されていないと判断した場合には(S41の判断処理がNO)、S42の判断処理に進む。
【0050】
S42「所定時間記入操作無し?」の判断処理において、CPU10は、所定時間(例えば数分)以上、ユーザーによる記入操作検出部31の検出領域31aへの記入操作が無かったか否かを判断する。具体的には、CPU10が、所定時間以上、バス9に「記入操作座標」が入力されなかったと判断した場合には(S42の判断処理がYES)、S44の処理に進む。一方で、CPU10が、所定時間内に、バス9に「記入操作座標」が入力された判断した場合には(S42の判断処理がNO)、S46の処理に進む。
【0051】
S44「記入軌跡座標を保存」の処理において、CPU10は、RAM11の記入軌跡座標記憶領域11dに記憶されている「記入軌跡座標」を、補助記憶装置13の記入軌跡座標保存領域13aに保存させる。このように、記入軌跡座標保存領域13aに「記入軌跡座標」を保存させることにより、事後的に、ユーザーの記入内容を利用することができる。S44の処理が終了すると、S9の処理に戻る。
【0052】
S46「終了?」の判断処理において、CPU10は、ユーザーが操作部35を操作することにより、「終了信号」がバス9に入力されたか否かを判断する。CPU10が、「終了信号」がバス9に入力されたと判断した場合には(S46の判断処理がYES)、S47の処理に進む。CPU10が、「終了信号」がバス9に入力されていないと判断した場合には(S46の判断処理がNO)、S25の判断処理に戻る。
【0053】
S47「記入軌跡座標を保存」の処理において、CPU10は、RAM11の記入軌跡座標記憶領域11dに記憶されている「記入軌跡座標」を、補助記憶装置13の記入軌跡座標保存領域13aに保存させる。S47の処理が終了すると、ヘッドマウントディスプレイ100がOFF状態となり、一連のフローが終了する。
【0054】
S51「記入操作座標の記憶開始」の処理において、CPU10は、バスに入力された「記入操作座標」を、RAM11の記入操作座標記憶領域11aに記憶させる処理を開始させる。S51の処理が終了すると、S52の処理に進む。
【0055】
S52「記入操作軌跡の表示開始」の処理において、記入軌跡画像生成プログラム12fは、RAM11の記入操作座標記憶領域11aに記憶されている「記入操作座標」に基づいて、「表示領域軌跡画像」を生成する。具体的には、記入軌跡画像生成プログラム12fは、時系列的に隣接する「記入操作座標」同士を結ぶ線を生成する描画命令を、画像生成コントローラ16に出力する。但し、時系列的に隣接する「記入操作座標」が所定距離以上離れている場合には、ユーザーが入力ペン80を、記入操作検出部31の検出領域31aから離していると考えられるので、時系列的に隣接する「記入操作座標」は結ばない。時系列的に隣接する「記入操作座標」同士を結ぶ線を生成する描画命令が、画像生成コントローラ16に入力されると、画像生成部52の表示領域90上に「表示領域軌跡画像」が表示される。つまり、入力モードが「描画入力モード」である場合には、ユーザーが入力ペン80で検出領域31aに記入した内容がそのまま画像生成部52の表示領域90に表示される。S52の処理が終了すると、S53の判断処理に進む。
【0056】
S53「描画入力モード解除?」の判断処理において、CPU10は、ユーザーが操作部35を操作することにより、「描画入力モード」を解除する信号がバス9に入力されたか否かを判断する。CPU10が、「描画入力モード」を解除する信号がバス9に入力されたと判断した場合には(S53の判断処理がYES)、S55の処理に進む。一方で、CPU10が、「描画入力モード」を解除する信号がバス9に入力されていないと判断した場合には(S53の判断処理がNO)、S54の判断処理に進む。
【0057】
S54「所定時間記入操作無し?」の判断処理において、CPU10は、所定時間(例えば数分)以上、ユーザーによる記入操作検出部31の検出領域31aへの記入操作が無かったか否かを判断する。具体的には、CPU10が、所定時間以上、バス9に「記入操作座標」が入力されなかったと判断した場合には(S54の判断処理がYES)、S55の処理に進む。一方で、CPU10が、所定時間内に、バス9に「記入操作座標」が入力された判断した場合には(S54の判断処理がNO)、S56の判断処理に進む。
【0058】
S55「記入操作座標を保存」の処理において、CPU10は、RAM11の記入操作座標記憶領域11aに記憶されている「記入操作座標」を、補助記憶装置13の記入操作座標保存領域13bに保存させる。S55の処理が終了すると、S9の処理に戻る。
【0059】
S56「終了?」の判断処理において、CPU10は、ユーザーが操作部35を操作することにより、「終了信号」がバス9に入力されたか否かを判断する。CPU10が、「終了信号」がバス9に入力されたと判断した場合には(S56の判断処理がYES)、S47の処理に進む。CPU10が、「終了信号」がバス9に入力されていないと判断した場合には(S56の判断処理がNO)、S53の判断処理に戻る。
【0060】
S57「記入操作座標を保存」の処理において、CPU10は、RAM11の記入操作座標記憶領域11aに記憶されている「記入操作座標」を、補助記憶装置13の記入操作座標保存領域13bに保存させる。S57の処理が終了すると、ヘッドマウントディスプレイ100がOFF状態となり、一連のフローが終了する。
なお、以上説明した実施形態では、S20の処理において、検出領域31aに記入している途中の記入操作の軌跡を画像生成部52で表示させているが、S20の処理を飛ばして、1文字の記入が完了し、S22の処理が完了した時点で、記入操作の軌跡である文字を画像生成部52に表示させる実施形態であっても差し支えない。
【0061】
(第1の実施形態の補正処理)
図12〜図16を用いて、第1の実施形態の「補正処理」について説明する。「補正処理」が開始すると、S111の処理に進む。
S111「文字が重なっているか?」の判断処理において、文字重なり判断プログラム12jは、図13の(A)や(B)に示されるように、新たに記入された文字72と前回記載された文字71とが重なっているか否かを判断する。具体的には、文字重なり判断プログラム12jは、RAM11の記入軌跡座標記憶領域11dを参照することにより、前回記入された文字71の「記入軌跡座標」を結んだ線(記入軌跡)と、今回記入された文字72の「記入軌跡座標」を結んだ線(記入軌跡)とが重なっているか否かを判断することにより、新たに記入された文字72と前回記載された文字71とが重なっているか否かを判断する。文字重なり判断プログラム12jが、新たに記入された文字72と前回記載された文字71とが重なっていると判断した場合には(図13の(B)の状態)(S111の判断処理がYES)、S112の処理に進む。一方で、文字重なり判断プログラム12jが、新たに記入された文字72と前回記載された文字71とが重なっていないと判断した場合には(図13の(A)の状態)(S111の判断処理がNO)、S113の判断処理に進む。
【0062】
S112「文字毎に間隔をあけて補正」の処理において、文字位置補正プログラム12mは、記入軌跡座標記憶領域11dを参照することにより「記入軌跡座標」を認識する。そして、文字位置ズレ決定プログラム12kは、認識した「記入軌跡座標」に基づき、隣接する前回記載された文字71と新たに記入された文字72が重ならない位置となる位置ズレ量を算出する。文字位置補正プログラム12mは、前記算出された位置ズレ量に基づき、隣接する前回記載された文字71と新たに記入された文字72が重ならない位置まで、新たに記入された文字72が移動するように(図13の(C)に示す)、「記入軌跡座標」を変更して、記入軌跡座標記憶領域11dに更新記憶させる。S112の処理が終了すると、S113の判断処理に進む。
【0063】
S113「補正モードあり?」の判断処理において、CPU10は、RAM11の補正モード記憶領域11eを参照することにより、「垂直補正モード」又は「水平補正モード」のいずれかの補正モードが選択されているか否かを判断する。CPU10が、「垂直補正モード」又は「水平補正モード」のいずれかが選択されていると判断した場合には(S113の判断処理がYES)、S111の処理に進む。一方で、CPU10が、「ズレ補正無し」のモードが選択されていると判断した場合には(S113の判断処理がNO)、S22「補正処理」が終了し、S25の判断処理に進む。
【0064】
S121「傾斜角データ認識」の処理において、文字位置ズレ決定プログラム12kは、RAM11の傾斜角データ記憶領域11gを参照することにより、水平線或いは垂直線からの検出領域31aの傾き角θを認識する。図14に示される実施形態では、文字位置ズレ決定プログラム12kは、垂直線(X’軸)からの検出領域31aの傾き角θを認識する。S121の処理が終了すると、S122の処理に進む。
【0065】
S122「文字傾き補正」の処理において、文字位置補正プログラム12mは、「記入軌跡座標」の基準座標を、検出領域31aの絶対座標(x、y)から、前記絶対座標から前記傾き角θ分回転させた相対座標(x’、y’)に変換し、前記相対座標を基準座標とする「記入軌跡座標」を生成し、当該「記入軌跡座標」を記入座標記憶領域11dに更新記憶させる。この「文字傾き補正処理」において、検出領域31aの絶対座標(x、y)上に記入された文字の傾きが補正される。S122の処理が終了すると、S131の処理に進む。
【0066】
S131「加速度データ認識」の処理において、文字位置ズレ決定プログラム12kは、RAM11の加速度データ記憶領域11fを参照して、検出領域31aが受ける「加速度」及び、前記「加速度」の「検出時間」を認識する。S131の処理が終了すると、S132の処理に進む。
【0067】
S132「加速度位置ズレ補正」の処理において、文字位置ズレ決定プログラム12kは、「加速度」の「検出時間」と、「記入軌跡座標」の「検出時間」とを照合し、前記両方の「検出時間」が一致する「加速度」に基づいて、前記「検出時間」に対応する「記入軌跡座標」の位置ズレを算出する。前記位置ズレは、「加速度」の大きさに応じて算出される。文字位置補正プログラム12mは、前記算出された「記入軌跡座標」の位置ズレに基づいて、「記入操作座標」を、これと対応する「加速度」の方向と反対側に移動させた「記入軌跡座標」を生成する。生成された「記入軌跡座標」は、記入軌跡座標記憶領域11dに更新記憶される。
例えば、図15に示されるように、ユーザーが歩行中にヘッドマウントディスプレイ100を使用し、前後・上下に移動する検出領域31aに記入操作を行い、検出領域31a上に記入された文字の位置ズレが発生したとしても、この「加速度位置ズレ補正」により、前記文字の位置ズレが補正される。
なお、図15に示される実施形態では、文字位置補正プログラム12mは「記入軌跡座標」のy軸方向の位置ズレのみを補正しているが、勿論、文字位置補正プログラム12mは「記入軌跡座標」のx軸方向の位置ズレも補正する。
S132の処理が終了すると、S141の処理に進む。
【0068】
S141「1文字目の始点座標を認識」の処理において、文字位置ズレ決定プログラム12kは、記入軌跡座標記憶領域11dを参照することにより、検出領域31aに記入された1文字目73の始点座標75を認識する。具体的には、文字位置ズレ決定プログラム12kは、時系列的に、「検出時間」が最も古い「記入軌跡座標」を1文字目73の始点座標75として認識する。S141の処理が終了すると、S142の処理に進む。
【0069】
S142「書き終わった文字の終点座標を認識」の処理において、文字位置ズレ決定プログラム12kは、記入軌跡座標記憶領域11dを参照することにより、検出領域31aに記入された書き終わった文字74(今回記載された文字)の終点座標76を認識する。具体的には、文字位置ズレ決定プログラム12kは、時系列的に、「検出時間」が最も新しい「記入軌跡座標」を書き終わった文字74の終点座標76して認識する。S142の処理が終了すると、S143の処理に進む。
【0070】
S143「始点・終点から傾きを算出」の処理において、文字位置ズレ決定プログラム12kは、補正モード記憶領域11eを参照して、補正モードが「垂直補正モード」であるか「水平補正モード」のいずれかであるかを確認する。そして、文字位置ズレ決定プログラム12kは、S141及びS142の処理で認識した1文字目73の始点座標75及び書き終わった文字76の終点座標76を結ぶ直線77の検出領域31aの絶対座標(x、y)の基準線に対する傾きを算出する。補正モードが「垂直補正モード」である場合には、図16の(A)に示されるように、検出領域31aの絶対座標のx軸が基準線79となる。この場合には、文字位置ズレ決定プログラム12kは、前記基準線79であるx軸に対する直線77の傾斜角θ78を算出する。一方で、補正モードが「水平補正モード」である場合には、検出領域31aの絶対座標のy軸が基準線となる。この場合には、文字位置ズレ決定プログラム12kは、前記基準線であるy軸に対する直線77の傾斜角θを算出する。S143の処理が終了すると、S144の判断処理に進む。
【0071】
S144「傾きは所定値以上か?」の判断処理において、CPU10は、S143の処理で算出された直線77の検出領域31aの絶対座標(x、y)に対する傾き(傾斜角θ)が所定値以上であるか否かを判断する。CPU10が、基準線に対する傾きが所定値以上であると判断した場合には(S144の判断処理がYES)、S145の処理に進む。一方で、CPU10が、直線77の検出領域31aの絶対座標(x、y)に対する傾きが所定値よりも小さいと判断した場合には(S144の判断処理がNO)、「補正処理」が終了し、S25の判断処理に進む。
【0072】
S145「文字列傾き補正」の処理において、文字位置補正プログラム12mは、S143の処理で算出された直線77の検出領域31aの絶対座標(x、y)に対する傾き(傾斜角θ78)に基づいて、図16の(B)に示されるように、1文字目73と書き終わった文字74との位置関係が、基準線79(図16の実施形態では、X軸が基準線)と平行となるように、「記入軌跡座標」を補正する。具体的には一文字目の始点座標75を起点として基準線79に平行な基準線79’が算出され、基準線79’と直線77との比較から、77を79’に補正すべき各文字のX座標に応じたY軸方向の移動距離を算出する。そして、各文字は前記Y軸方向の移動距離が加算され補正される。補正された「記入軌跡座標」は、記入軌跡座標記憶領域11dに更新記憶される。S145の処理が終了すると、「補正処理」が終了し、S25の判断処理に進む。
【0073】
文字によって書き始め位置と書き終わり位置は異なることから、隣接する文字が検出領域31aの絶対座標に対して傾いていなくても、直線77が検出領域31aの絶対座標の基準線に対して傾く場合がある。S144の判断処理において、直線77の基準線に対する傾きが所定値よりも小さい場合には、S145「文字列傾き補正」が行われないので、無意味に「記入軌跡座標」が補正されることが無い。
(第2の実施形態の補正処理)
図17及び図18を用いて、第2の実施形態の「補正処理」について説明する。第2の実施形態の「補正処理」の、S211、S212、S213、S221、S222、S231、S232の各処理は、第1の実施形態の「補正処理」の、S111、S112、S113、S121、S122、S131、S132の各処理と同一であるため、説明を省略する。
【0074】
S232の処理が終了すると、S241の処理に進む。
S241「1文字目の重心座標を算出」の処理において、文字位置ズレ決定プログラム12kは、検出領域31aに記載された1文字目81の検出領域31aの絶対座標(x、y)上の重心座標84を算出する。具体的には、文字位置ズレ決定プログラム12kは、前記1文字目81を囲む四角形83の重心座標を算出することにより、前記重心座標84を算出する。S241の処理が終了すると、S242の処理に進む。
【0075】
S242「書き終わった文字の重心座標を算出」の処理において、文字位置ズレ決定プログラム12kは、検出領域31aに記載された書き終わった文字82の検出領域31aの絶対座標(x、y)上の重心座標86を算出する。具体的には、文字位置ズレ決定プログラム12kは、前記書き終わった文字82を囲む四角形85の重心座標を算出することにより、前記重心座標86を算出する。S242の処理が終了すると、S243の処理に進む。
【0076】
S243「重心座標から傾きを算出」の処理において、文字位置ズレ決定プログラム12kは、補正モード記憶領域11eを参照して、補正モードが「垂直補正モード」であるか「水平補正モード」のいずれかであるかを確認する。そして、文字位置ズレ決定プログラム12kは、S241及びS242の処理で認識した1文字目81の重心座標84及び書き終わった文字82の重心座標86を結ぶ直線87の検出領域31aの絶対座標(x、y)の基準線に対する傾きを算出する。補正モードが「垂直補正モード」である場合には、図18の(A)に示されるように、検出領域31aの絶対座標のx軸が基準線89となる。この場合には、文字位置ズレ決定プログラム12kは、前記基準線で89あるx軸に対する直線87の傾斜角θ88を算出する。一方で、補正モードが「水平補正モード」である場合には、検出領域31aの絶対座標のy軸が基準線となる。この場合には、文字位置ズレ決定プログラム12kは、前記基準線であるy軸に対する直線87の傾斜角θを算出する。S243の処理が終了すると、S244の処理に進む。
【0077】
S244「文字列傾き補正」の処理において、文字位置補正プログラム12mは、S243の処理で算出された直線87の検出領域31aの絶対座標(x、y)に対する傾き(傾斜角θ78)に基づいて、図18の(B)に示されるように、1文字目81と書き終わった文字82との位置関係が、基準線89(図18の実施形態では、X軸が基準線89)と平行となるように、「記入軌跡座標」を補正する。具体的には一文字目の重心座標84を起点として基準線89に平行な基準線89’が算出され、基準線89’と直線87との比較から、87を89’に補正すべき各文字の重心のX座標に応じたY軸方向の移動距離が算出される。或いは、各文字の重心は計算されているので、各文字の重心の絶対位置からY軸方向の移動距離を算出しても差し支えない。或いは、各文字の重心を算出せずとも、87を89’に補正すべき各文字の重心のX座標に応じたY軸方向の移動距離を算出することで、各文字は前記Y軸方向の移動距離を算出しても差し支えない。そして、各文字は前記Y軸方向の移動距離が加算され補正される。補正された「記入軌跡座標」は、記入軌跡座標記憶領域11dに更新記憶される。S244の処理が終了すると、「補正処理」が終了し、S25の判断処理に進む。
【0078】
入力ペン80を、赤外線や超音波を発生する構成とし、入力検出部31は前記赤外線や超音波を受信する構成とし、入力検出部31でユーザーの記入操作を検出することにしても差し支えない。
或いは、検出領域31aを撮像して、ユーザーの記入操作を検出する構成にしても差し支えない。
また、入力検出部31を感圧式や静電容量式のタッチパネルで構成しても差し支えない。
以上説明した実施形態では、ユーザーが入力ペン80を用いて、入力検出部31の検出領域31aに記入操作を行っているが、入力検出部31をタッチパネルで構成するか、もしくは、入力検出部31を撮像する構成とすることにより、ユーザーが指で検出領域31aに記入操作を行い、入力検出部31が前記記入操作を検出する実施形態であっても差し支えない。
【0079】
以上説明した実施形態では、図4に示される「メイン処理」のS11の処理において、「垂直補正モード」であるか「水平補正モード」であるか、或いは、「ズレ補正無し」のいずれかをユーザーに選択させているが、図2に示されるように、入力ペン60に操作ボタン60aを設け、ユーザーが操作ボタン60aを操作することにより、各種モードを選択する実施形態であっても差しつかえない。或いは、S11の処理において、ユーザーが操作部35を操作することにより、各種モードを選択する実施形態であっても差し支えない。
【0080】
以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うヘッドマウントディスプレイもまた技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
【符号の説明】
【0081】
9 バス
10 CPU
11 RAM
11a 記入操作座標記憶領域
11b 初期位置座標記憶領域
11c 開始位置座標記憶領域
11d 記入軌跡座標記憶領域
11e 補正モード記憶領域
11f 加速度データ記憶領域
11g 傾斜角データ記憶領域
12 ROM
12a モード選択画面表示プログラム
12b モード選択プログラム
12c 初期位置座標決定プログラム
12d 開始位置座標検出プログラム
12e 座標変換プログラム
12f 記入軌跡画像生成プログラム
12g 記入操作エラー検出プログラム
12h 警告報知プログラム
12i 1文字記入完了判断プログラム
12j 文字重なり判断プログラム
12k 文字位置ズレ決定プログラム
12m 文字位置補正プログラム
13 補助記憶装置
13a 記入軌跡座標保存領域
13b 記入操作座標保存領域
16 画像生成コントローラ
17 VRAM
19 インターフェース
30 制御部
31 記入操作検出部
31a 検出領域
31b 近接警告領域
32 加速度センサー
33 傾斜センサー
35 操作部
50 ヘッドマウントディスプレイ部
51 頭部装着部
52 画像生成部
60 入力ペン
60a 操作部
71 前回記入された文字
72 新たに記入された文字
73 1文字目
74 書き終わった文字
75 1文字目の始点座標
76 書き終わった文字の終点座標
77 直線
78 傾斜角
79 基準線
81 1文字目
82 書き終わった文字
83 四角形
84 重心座標
85 四角形
86 重心座標
87 直線
88 傾斜角
89 基準線
90 表示領域
91 開始位置座標
92 記入軌跡座標
93 開始位置座標
94 記入操作座標
95 記入軌跡座標
96 警告
97 ポインター
98 初期位置マーク
99 初期位置座標
100 ヘッドマウントディスプレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーの頭部に装着され、ユーザーに画像を視認させる画像生成部と、
ユーザーの身体に装着され、2次元である検出領域上に対するユーザーの記入操作の座標である記入操作座標を検出する記入操作検出手段と、
前記記入操作座標に基づいて、記入操作の軌跡画像を生成し、前記生成した軌跡画像を前記画像生成部に出力する記入操作画像生成手段と、
ユーザーの入力操作により、前記記入操作が文字入力であるか否かを選択する文字入力選択手段と、
前記文字入力選択手段により文字入力が選択された場合に、前記記入操作座標から前記検出領域上に記入された文字の、前記検出領域上の第1方向に対する位置ズレを決定する文字位置ズレ決定手段と、
前記文字位置ズレ決定手段により決定された前記位置ズレに基づいて、文字の前記位置ズレを補正する文字位置補正手段と、
を有することを特徴とするヘッドマウントディスプレイ。
【請求項2】
記入操作画像生成手段は、前記文字位置補正手段により相対的な位置ズレが補正された複数の文字からなる文字列の文字列画像を、画像生成部に出力することを特徴とする請求項1に記載のヘッドマウントディスプレイ。
【請求項3】
文字位置補正手段で補正する文字の位置ズレの補正方向が、
前記第1方向に対するズレを補正する第1モードか、
検出領域上の前記第1方向と直交する方向である第2方向に対するズレを補正する第2補正モードかを、ユーザーの入力操作により選択する補正方向選択手段を更に有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のヘッドマウントディスプレイ。
【請求項4】
検出領域の傾きを検出する傾斜検出手段を更に有し、
文字位置補正手段は、前記傾斜検出手段により検出された検出領域の傾き情報に基づき、検出領域に記入された文字の傾きを補正することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のヘッドマウントディスプレイ。
【請求項5】
検出領域が受ける加速度を検出する加速度検出手段を更に有し、
文字位置補正手段は、前記加速度に基づいて、検出領域に記入された文字を移動させる補正を行うことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のヘッドマウントディスプレイ。
【請求項6】
文字位置補正手段は、文字位置ズレ決定手段が検出した検出領域上に記入された文字の相対的な位置ズレが所定以下である場合には、文字の位置ズレの補正を行わないことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載のヘッドマウントディスプレイ。
【請求項7】
記入操作座標に基づき、隣接する文字が重なっているか否かを判断する文字重なり判断手段を更に有し、
前記文字重なり判断手段が、隣接する文字が重なっていると判断した場合には、
文字位置補正手段は、前記記入操作座標に基づき、隣接する文字が重ならない位置にまで文字を移動させることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載のヘッドマウントディスプレイ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−134053(P2011−134053A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−292163(P2009−292163)
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】