説明

ヘテロシクリルアミノアルキル置換ベンズイミダゾール

【化1】


式(I)[式中、Qは水素、場合により複素環で置換されていてもよいC1−6アルキルであるか、あるいはQは基−OR及び複素環の双方で置換されたC1−6アルキルであり;ここで該複素環はオキサゾリジン、チアゾリジン、1−オキソ−チアゾリジン、1,1−ジオキソチアゾリジン、モルホリニル、チオモルホリニル、1−オキソ−チオモルホリニル、1,1−ジオキソチオモルホリニル、ヘキサヒドロオキシアゼピン、ヘキサヒドロチアゼピン、1−オキソ−ヘキサヒドロチアゼピン、1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロチアゼピン、ピロリジン、ピペリジン、ホモピペリジン、ピペラジンであり、その複素環は1〜2個の置換基で置換されていてもよく;各AlkはC1−6アルカンジイルであり;RはAr又は、場合により置換されていてもよいピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピリジル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、フラニル、テトラヒドロフラニル、チエニル、ピロリル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、キノリニル、キノキサリニル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンズチアゾリル、ピリドピリジル、ナフチリジニル、1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジニル、3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル又は2,3−ジヒドロ−1,4−ジオキシノ[2,3−b]ピリジルであり;RはヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルコキシC1−6アルキル、シアノC1−6アルキル、アミノカルボニルC1−6アルキル、モノ−もしくはジ(C1−6アルキル)アミノカルボニル−C1−6アルキル、カルボキシル−C1−6アルキル、C1−6アルコキシカルボニル−C1−6アルキルであり;R、R及びRは水素又はC1−6アルキルであり;Hetはピリジル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、フラニル、テトラヒドロフラニル、チエニル、ピロリル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、キノリニル、キノキサリニル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンズチアゾリル、ピリドピリジル、ナフチリジニル、1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジニル、3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル及び2,3−ジヒドロ−1,4−ジオキシノ[2,3−b]ピリジルであり;Arは場合により置換されていてもよいフェニルである]のヘテロシクリルアミノアルキル置換ベンズイミダゾールのRSV複製インヒビター、それらの塩及び立体化学的異性体形態、化合物(I)を含有する製薬学的組成物並びに化合物(I)を調製する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は呼吸器シンシチウムウイルス(RSV)の複製に抑制作用を有する1−[2−アミノ−3−(置換アルキル)−3H−ベンズイミダゾリルメチル]−3−置換−1,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾル−2−オン及び構造類似体に関する。それは更に、有効成分としてこれらの化合物を含んでなる組成物並びにこれらの化合物及び組成物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒトRSV又は呼吸器シンシチウムウイルスは、パラミキソウイルス科(Paramyxoviridae)のメンバーのウシRSVウイルスとともにニューモウイルス亜科(pneunoviriae)の大型RNAウイルスである。ヒトRSVは世界中のすべての年齢の人々の多種多様の呼吸器疾患の原因である。それは幼児及び小児期の下部呼吸器疾患の主な原因である。すべての幼児の半数以上がその1歳未満にRSVに罹患し、そして大部分が2歳未満に罹患する。幼い小児における感染は何年も継続する肺損傷を惹起する可能性があり、後年の生涯の慢性肺疾患(慢性喘鳴、喘息)の原因になる可能性がある。高学年の小児及び成人はしばしば、RSV感染時に(重篤な)通常の風邪にかかる。高齢者においては、再度感受性が高くなり、そしてRSVは、著しい死亡率をもたらす、高齢者における肺炎の多数の発生に関連付けられてきた。
【0003】
一定のサブグループからのウイルスによる感染は次の冬季に、同一サブグループからのRSV単離物によるその後の感染に対して予防しない。従って、RSVによる再感染は、A及びBの2種のみのサブタイプの存在にも拘わらず、一般的である。
【0004】
こんにち、RSV感染に対する使用には3種の薬剤のみが認可されている。第1のものは、ヌクレオシド類似体のリバビリン(ribavirin)であり、入院小児の重篤なRSV感染に対するエアゾール処置を提供する。投与のエアゾール経路、毒性(催奇形の危険)、価格及びばらつきの多い効果がその使用を制約する。他の2種の薬剤、ポリクローナル及びモノクローナル抗体免疫刺激剤のRespiGam(R)及びパリヴィズマは予防的方法で使用されることが意図される。
【0005】
安全で有効なRSVワクチンを開発する他の試みは、これまでの所、すべて失敗であった。不活性化ワクチンは疾患を予防することに失敗し、そして事実、幾つかの症例では、その後の感染中に疾患を増強した。弱毒化ワクチンは試みられたが限定された成功をみたのみであった。RSV複製に対する有効な、無毒のそして投与が容易な薬剤が明らかに必要である。
【0006】
ベンズイミダゾール及びイミダゾピリジンの群は、RSV複製のインヒビターとして特許文献1、2及び3に記載されている(特許文献1、2及び3参照)。本発明の化合物は化学構造及び活性プロファイル双方に関してこれらの先行技術の化合物と異なる。
【0007】
【特許文献1】国際公開第01/00611号パンフレット
【特許文献2】国際公開第01/00612号パンフレット
【特許文献3】国際公開第01/00615号パンフレット
【発明の開示】
【0008】
本発明は式(I)
【0009】
【化1】

【0010】
[式中、
Qは水素、場合により複素環で置換されていてもよいC1−6アルキルであるか、あるいはQは基−OR及び複素環の両方で置換されたC1−6アルキルであり、ここで該複素環はオキサゾリジン、チアゾリジン、1−オキソ−チアゾリジン、1,1−ジオキソチアゾリジン、モルホリニル、チオモルホリニル、1−オキソ−チオモルホリニル、1,1−ジオキソチオモルホリニル、ヘキサヒドロオキシアゼピン、ヘキサヒドロチアゼピン、1−オキソ−ヘキサヒドロチアゼピン、1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロチアゼピン、ピロリジン、ピペリジン、ホモピペリジン、ピペラジンよりなる群から選択され、ここで該複素環はそれぞれ、場合により、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、アミノカルボニルC1−6アルキル、ヒドロキシ、カルボキシル、C1−6アルキルオキシカルボニル、アミノカルボニル、モノ−もしくはジ(C1−6アルキル)アミノカルボニル、C1−6アルキルカルボニルアミノ、アミノスルホニル及びモノ−もしくはジ(C1−6アルキル)アミノスルホニルよりなる群から選択される1又は2個の置換基で置換されていてもよく、
Alkはそれぞれ独立してC1−6アルカンジイルを表し、
はAr又は、ピリジル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、フラニル、テトラヒドロフラニル、チエニル、ピロリル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、キノリニル、キノキサリニル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンズチアゾリル、ピリドピリジル、ナフチリジニル、1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジニル、3H−イミダゾ[4,5−b]−ピリジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル及び2,3−ジヒドロ−1,4−ジオキシノ[2,3−b]ピリジルから選択される複素環であり、ここで該複素環はそれぞれ、場合により、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、カルボキシル、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、ヒドロキシC1−6アルキルオキシ、(C1−6アルキルオキシ)C1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、モノ−もしくはジ(C1−6アルキル)アミノ、モノ−もしくはジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルオキシカルボニル、アミノカルボニル、モノ−及びジ−C1−6アルキルアミノカルボニルよりなる群からそれぞれ独立して選択される1、2又は3個の置換基で置換されていてもよく、
は水素又はC1−6アルキルであり、
はヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルコキシC1−6アルキル、シアノC1−6アルキル、アミノカルボニル−C1−6アルキル、モノ−もしくはジ(C1−6アルキル)アミノカルボニル−C1−6アルキル、カルボキシル−C1−6−アルキル、C1−6アルコキシカルボニル−C1−6アルキルであり、
は水素又はC1−6アルキルであり、
は水素又はC1−6アルキルであり、
Arはフェニルあるいは、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−もしくはジ(C1−6アルキル)アミノ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルスルホニルアミノ、シアノ、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、フェニル、
ヒドロキシC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、モノ−もしくはジ(C1−6アルキル)−アミノC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、ポリハロC1−6アルキルオキシ、フェノキシ、アミノカルボニル、モノ−もしくはジ(C1−6アルキル)アミノカルボニル、ヒドロキシカルボニル、C1−6アルコキシカルボニル、C1−6アルキルカルボニル、アミノスルホニル、モノ−及びジ(C1−6アルキル)−アミノスルホニルから選択される1、2、3又は4個のような1〜5個の置換基で置換されたフェニルであり、
Hetはピリジル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、フラニル、テトラヒドロフラニル、チエニル、ピロリル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、キノリニル、キノキサリニル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ピリドピリジル、ナフチリジニル、1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジニル、3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル及び2,3−ジヒドロ−1,4−ジオキシノ[2,3−b]ピリジルよりなる群から選択される複素環である]
により表すことができる、RSV複製のインヒビター、それらの塩及び立体化学異性体形態を対象とする。
【0011】
本発明はまた、RSV複製を抑制するための医薬の製造のための、式(I)の化合物又はその付加塩及び立体化学的異性体形態の使用を対象とする。あるいは、本発明は有効量の式(I)の化合物又はその付加塩及び立体化学的異性体形態の投与を含んでなる、温血動物におけるRSV複製を阻害する方法を対象とする。
【0012】
前記及び以後に使用される、例えばポリハロC1−6アルキルオキシ中の、基又は基の一部としての「ポリハロC1−6アルキル」は、モノ−もしくはポリハロ置換C1−6アルキル、とりわけ、1個又は複数のフルオロ原子をもつメチル又はエチル(例えばジフルオロメチル、トリフルオロオメチル、トリフルオロエチル)のような、1、2、3、4、5、6又は7個以上までのハロ原子で置換されたC1−6アルキルと定義される。好ましいものはトリフルオロメチルである。更に、すべての水素原子がフルオロ原子により置換されたC1−6アルキル基である、ペルフルオロC1−6アルキル基(例えばペンタフルオロエチル)も包含される。2個以上のハロゲン原子がポリハロ−C1−4アルキルの定義内のアルキル基に結合される場合は、それらのハロゲン原子は同一でも異なってもよい。
【0013】
各Arは、未置換フェニルあるいは、5又は4個の置換基、あるいは好ましくは3個までの置換基、あるいは2個までの置換基、あるいは1個の置換基のような、1〜5個の置換基で置換されたフェニルであってもよい。
【0014】
ヒドロキシC1−6アルキル基は、酸素原子又は窒素原子上で置換される時に、好ましくは、そのヒドロキシ基及び酸素又は窒素が少なくとも2個の炭素原子により分離されているヒドロキシC2−6アルキル基である。
【0015】
基又は基の一部として本明細書で使用される「C1−4アルキル」は、例えばメチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−ブチル、2−メチル−1−プロピルのような1〜4個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖飽和炭化水素基と定義され、「C1−6アルキル」はC1−4アルキル基及び、例えば1−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、1−ヘキシル、2−ヘキシル、2−メチル−1−ブチル、2−メチル−1−ぺンチル、2−エチル−1−ブチル、3−メチル−2−ペンチル、等のような、5又は6個の炭素原子を有する、より高次の同族体を包含する。C1−6アルキル中で興味深いものはC1−4アルキルである。
【0016】
基又は基の一部としての用語「C2−6アルケニル」は、例えばエテニル(又はビニル)、1−プロペニル、2−プロペニル(又はアリル)、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−メチル−2−プロペニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、2−メチル−2−ブテニル、2−メチル−2−ペンテニル等のような、飽和炭素−炭素結合及び少なくとも1個の二重結合を有し、そして2〜6個の炭素原子を有する直鎖及び分枝鎖炭化水素基を定義する。C2−6アルケニルの中で興味深いものはC2−4アルケニルである。
【0017】
基又は基の一部としての用語[C2−6アルキニル]は、例えばエチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル等のような、飽和炭素−炭素結合及び少なくとも1個の三重結合を有し、そして2〜6個の炭素原子を有する直鎖及び分枝鎖炭化水素基を定義する。C2−6アルキニルの中で興味深いものはC2−4アルキニルである。
【0018】
3−7シクロアルキルはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルを包含する。
【0019】
1−6アルカンジイルは、例えばメチレン、エチレン、1,3−プロパンジイル、1,4−ブタンジイル、1,2−プロパンジイル、2,3−ブタンジイル、1,5−ペンタンジイル、1,6−ヘキサンジイル等のような、1〜6個の炭素原子を有する2価の直鎖及び分枝鎖飽和炭化水素基を定義する。C1−6アルカンジイルの中で興味深いものはC1−4アルカンジイルである。
【0020】
以前に本明細書で使用された、用語(=O)は炭素原子に結合されるとカルボニル部分、硫黄原子に結合されるとスルホキシド部分、そして硫黄原子に2個の前記の用語が結合されるとスルホニル部分を形成する。
【0021】
用語ハロはフルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードを包含する。
【0022】
それが化学的に安定である限り、定義中に使用されるいずれの分子部分上の基の位置も、このような部分上のいずれにあってもよいことに注目するべきである。
【0023】
変化物の定義に使用される基は別記されない限り、すべての可能な異性体を包含する。例えば、ピリジルは2−ピリジル、3−ピリジル及び4−ピリジルを包含し、ペンチルは1−ペンチル、2−ペンチル及び3−ペンチルを包含する。
【0024】
いずれかの変化物がいずれかの成分中で2回以上存在する時は、各定義は独立である。
【0025】
用語「式(I)の化合物」又は「本発明の化合物」又は類似の用語は、以後使用される時はいつも、式(I)の化合物、それらの付加塩及び立体化学的異性体形態を包含することを意味する。
【0026】
式(I)の幾つかの化合物は1個又は複数のキラル中心をもち、立体化学的異性体形態として存在することができる。本明細書で使用される用語「立体化学的異性体形態」は、式(I)の化合物が所有することができる、同一配列の結合により結合された同一原子よりなるが、互換性ではない異なる三次元構造を有するすべての可能な化合物を定義する。
【0027】
別に言及され又は示されない限り、化合物の化学名は、該化合物が所有することができ
るすべての可能な立体化学的異性体形態の混合物を包含する。該混合物は該化合物の基礎分子構造のすべてのジアステレオマー及び/又はエナンチオマーを含有することができる。純粋な形態又は相互に混合された、双方の、本発明の化合物のすべての立体化学的異性体形態が本発明の範囲内に包含されることが意図される。
【0028】
本明細書に記載される化合物及び中間体の純粋な立体異性体形態は、該化合物又は中間体の同一の基礎分子構造の他のエナンチオマー又はジアステレオマー形態を実質的に包含しない異性体と定義される。とりわけ、用語「立体異性体として純粋な」は、少なくとも80%の立体異性体過剰(すなわち最低90%の片方の異性体及び最高10%の他方の可能な異性体)から100%の立体異性体過剰(すなわち100%の一方の異性体そして他方を含まない)を有する化合物又は中間体、更にとりわけ、90%から100%までの立体異性体過剰を有する化合物又は中間体、更によりとりわけ、94%から100%までの立体異性体過剰を有する、そしてもっともとりわけ、97%から100%までの立体異性体過剰を有する化合物又は中間体を対象とする。用語「エナンチオマーとして純粋な」及び「ジアステレオマーとして純粋な」は同様に、しかしその時は、問題の混合物のエナンチオマー過剰又はジアステレオマー過剰を考慮して理解しなければならない。
【0029】
本発明の化合物及び中間体の純粋な立体異性体形態は当該技術分野で知られた方法の適用により得ることができる。例えばエナンチオマーは光学活性酸又は塩基とのそれらのジアステレオマー塩の選択的結晶化により相互から分離することができる。それらの例は酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジトルオイル酒石酸及びカンホスルホン酸(camphosulfonic acid)である。あるいはまた、エナンチオマーをキラル固定相を使用するクロマトグラフィー法により分離することができる。該純粋な立体化学的異性体形態はまた、その反応が立体特異的に起る場合は、適当な出発材料の対応する純粋な立体化学的異性体形態から誘動することができる。特定の立体異性体が所望される場合は、該化合物は好ましくは立体特異的製法により合成されるであろう。これらの方法は有利にはエナンチオマーとして純粋な出発材料を使用するであろう。
【0030】
式(I)のジアステレオマーラセミ体は従来の方法により別々に得ることができる。有利に使用することができる適当な物理的分離法は例えば、選択的結晶化及びクロマトグラフィー、例えばカラムクロマトグラフィーである。
【0031】
式(I)の化合物、それらの塩及び溶媒和、並びにそれらの製造に使用される中間体の幾つかに対しては、絶対的立体化学形態を実験的に測定しなかった。当業者は例えばX−線回折のような当該技術分野で知られた方法を使用して、このような化合物の絶対的形態を決定することができる。
【0032】
本発明はまた、本発明の化合物上に存在する原子のすべての同位元素を包含することが意図される。同位元素は同一原子番号を有するが異なる質量数を有する原子を包含する。一般的な例によると、限定するものでなく、水素の同位元素はトリチウム及びジューテリウムを包含する。炭素の同位元素はC−13及びC−14を包含する。
【0033】
用語「式(I)の化合物」又は「本発明の化合物」等のようないずれかの類似した用語はまた、式(I)の化合物が形成することができるいずれかのプロドラッグをも含んでなることを意味する。本明細書で使用される用語「プロドラッグ」は、誘導体の、生成されるインビボの生体内変化生成物が、式(I)の化合物中で定義されたとおりの有効な薬剤であるように、エステル、アミド及びホスフェートのようないずれかの薬理学的に許容できる誘導体を含んでなることを意味する。プロドラッグにつき全般的に記載しているGoodman 及びGilmanによる文献(The Pharmacological Basis of Therapeutics,8th ed,McGraw−Hill
,Int.Ed.1992,“Biotransformation of Drugs”,p.13−15)が本明細書に編入されている。プロドラッグは好ましくは優れた水溶性、増加された生体利用能を有し、そしてインビボで有効なインヒビターに容易に代謝される。本発明の化合物のプロドラッグは、定常操作により又はインビボでのいずれかによりその変更物が親の化合物に開裂されるような方法で、化合物中に存在する官能基を変更することにより調製することができる。
【0034】
好ましいものは、インビボで加水分解可能で、ヒドロキシ又はカルボキシル基を有する式(I)の化合物から誘動される、製薬学的に許容できるエステルのプロドラッグである。インビボで加水分解可能なエステルは、ヒト又は動物の体内で加水分解されて、親の酸又はアルコールを生成するエステルである。カルボキシに適当な製薬学的に許容できるエステルは、C1−6アルコキシメチルエステル(例えばメトキシメチル)、C1−6アルカノイルオキシメチルエステル(例えばピバロイルオキシメチル)、フタリジルエステル、C3−7シクロアルコキシカルボニルオキシC1−6アルキルエステル(例えば1−シクロヘキシルカルボニルオキシエチル)、1,3−ジオキソレン−2−オニルメチルエステル(例えば5−メチル−1,3−ジオキソレン−2−オニル−メチル)及びC1−6アルコキシカルボニルオキシエチルエステル(例えば、本発明の化合物中のいずれのカルボキシ基において形成することができる1−メトキシカルボニルオキシエチル)を包含する。
【0035】
ヒドロキシ基を含有する式(I)の化合物のインビボで加水分解可能なエステルは、エステル分解のインビボ加水分解の結果として親のヒドロキシ基を与える、ホスフェートエステルのような無機エステル及びα−アシルオキシアルキルエーテル及び関連化合物を包含する。α−アシルオキシアルキルエーテルの例はアセトキシメトキシ及び2,2−ジメチルプロピオニルオキシ−メトキシを包含する。ヒドロキシに対するインビボで加水分解可能なエステル形成基の選択物はアルカノイル、ベンゾイル、フェニルアセチル及び置換ベンゾイル及びフェニルアセチル、アルコキシカルボニル(アルキルカルボネートエステルを与えるため)、ジアルキルカルバモイル及びN−(ジアルキルアミノエチル)−N−アルキルカルバモイル(カルバメートを与えるため)、ジアルキルアミノアセチル及びカルボキシアセチルを包含する。ベンゾイル上の置換基の例はベンゾイル環の3−又は4−位に対し、メチレン基により環窒素原子から結合されるモルホリノ及びピペラジノを包含する。アルカノイルエステルは例えば、いずれかのC1−30アルカノイルエステル、とりわけC8−30アルカノイルエステル、よりとりわけC10−24アルカノイルエステル、更にとりわけC16−20アルカノイルエステルであり、ここでアルキル部分は1個又は複数の二重結合をもつことができる。アルカノイルエステルの例はデカノエート、パルミテート及びステアレートである。
【0036】
用語「式(I)の化合物」又は「本発明の化合物」等のようないずれかの類似用語はまた、薬剤の投与時にインビボで形成されるあらゆる代謝物を含んでなることを意味する。本発明に従う代謝物の幾つかの例は限定はされないが、(a)式(I)の化合物がメチル基を含有する場合は、そのヒドロキシメチル誘導体、(b)式(I)の化合物がアルコキシ基を含有する場合は、そのヒドロキシ誘導体、(c)式(I)の化合物が第三級アミノ基を含有する場合は、その第二級アミノ誘導体、(d)式(I)の化合物が第二級アミノ基を含有する場合は、その第一級誘導体、(e)式(I)の化合物がフェニル部分を含有する場合は、そのフェノール誘導体、及び(f)式(I)の化合物がアミド基を含有する場合は、そのカルボン酸誘導体、を包含する。
【0037】
用語「式(I)の化合物」又は「本発明の化合物」等のようないずれかの類似用語はまた、その1個又は幾つかの窒素原子がN−オキシド形態に酸化されている式(I)の化合物である、式(I)の化合物のあらゆるN−オキシド形態を含んでなることを意味する。
【0038】
用語「式(I)の化合物」又は「本発明の化合物」等のようないずれかの類似用語はまた、式(I)の化合物が、式(I)の化合物の塩基性窒素と、例えば場合により置換されていてもよいハロゲン化アルキル、ハロゲン化アリール又はハロゲン化アリールアルキル、例えばヨウ化メチル又はヨウ化ベンジルのような適当な第四級化剤間の反応により形成することができる、第四級アンモニウム塩である、第四級アミンを含んでなることを意味する。アルキルトリフルオロメタンスルホネート、アルキルメタンスルホネート及びアルキルp−トルエンスルホネートのような、有効な離脱基をもつ他の反応物もまた使用することができる。第四級アミンは正に帯電した窒素を有する。製薬学的に許容できる対イオンはクロロ、ブロモ、ヨード、トリフルオロアセテート及びアセテートを包含する。選択するべき対イオンはイオン交換樹脂を使用して導入することができる。
【0039】
用語「式(I)の化合物」又は「本発明の化合物」等のようないずれかの類似用語はまた、その錯体又はキレートが、Ca、Zn、Mg又はFeイオンのような生理学的に許容できる金属イオンから誘動される、それらの金属錯体又は金属キレートを含んでなることを意味する。式(I)の化合物のこのような金属錯体又はキレート誘導体は、式(I)の化合物を金属塩と反応させることにより得ることができる。
【0040】
治療的使用のための式(I)の化合物の塩は、その対イオンが製薬学的に許容できるものである。しかし製薬学的に許容できない酸及び塩基の塩もまた、例えば製薬学的に許容できる化合物の調製又は精製において使用を見いだすかも知れない。製薬学的に許容できてもできなくても、すべての塩が本発明の範囲内に包含される。
【0041】
前記の製薬学的に許容できる酸及び塩基付加塩は、式(I)の化合物が形成することができる治療的に有効な無毒の酸及び塩基の付加塩形態を含んでなることを意味する。製薬学的に許容できる酸付加塩は好都合には、塩基形態をこのような適当な酸で処理することにより得ることができる。適当な酸は例えば、ハロゲン化水素酸(例えば塩酸又は臭化水素酸)、硫酸、硝酸、リン酸等の酸のような無機酸;あるいは、例えば酢酸、プロパン酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、ピルビン酸、蓚酸(すなわちエタンジオン酸)、マロン酸、琥珀酸(すなわちブタンジオン酸)、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸(すなわちヒドロキシブタンジオン酸)、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シクラミン酸、サリチル酸、p−アミノサリチル酸、パモエ酸等の酸のような有機酸を含んでなる。
【0042】
反対に該塩形態は、適当な塩基との処理により遊離塩基形態に転化することができる。
【0043】
酸性プロトンを含有する式(I)の化合物はまた、適当な有機及び無機塩基との処理によりそれらの無毒の金属又はアミン付加塩形態に転化させることができる。適当な塩基塩形態は例えば、アンモニウム塩、アルカリ及びアルカリ土類金属塩(例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム塩等)、有機塩基との塩(例えばベンザチン、N−メチル−D−グルカミン、ヒドラバミン塩)及び、例えばアルギニン、リシン等のようなアミノ酸との塩を含んでなる。
【0044】
前記で使用される用語の付加塩はまた、式(I)の化合物並びにそれらの塩が形成することができる溶媒和を含んでなる。このような溶媒和は例えば水和物、アルコラート等である。
【0045】
式(I)の化合物の幾つかはまたそれらの互変異性体形態で存在することができる。前記の式中には明白に記載されていないが、このような形態は本発明の範囲内に包含されることが意図される。
【0046】
本発明の1つの態様は式(I−a):
【0047】
【化2】

【0048】
の化合物を対象とする。
【0049】
本発明のもう1つの態様は式(I−b):
【0050】
【化3】

【0051】
の化合物を対象とする。
【0052】
(I−a)及び(I−b)において、Q、Alk、R、R、R、R、Rは、式(I)の化合物又は、本明細書に特記された式(I)の化合物のいずれかのサブグループの定義中に明記されたようなものである。
【0053】
式(I−a)又は(I−b)の化合物の前記に定義されたサブグループ並びに本明細書に定義されたいずれかの他のサブグループはまた、このような化合物のいずれかの付加塩及び立体化学的異性体形態を含んでなることを意味することを理解することができる。
【0054】
式(I)の化合物の多数のサブグループは、以下に、式(I)の化合物中の種々の基の限定される定義により特定される。しかし、これらのサブグループはまた、以後に言及される限定される定義の、あらゆる順列をもつものも含んでなることを意味する。
【0055】
式(I)の化合物のサブグループIは、基Alkの片方又は両方がエチレン又はメチレンである、更にとりわけ基Alkの片方又は両方がメチレンである、式(I)の化合物又は、本明細書に明記される式(I)の化合物のいずれかのサブグループである。
【0056】
式(I)の化合物のサブグループIIは、そこで
(a)RがAr又は、ピリジル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、フラニル、チエニル、ピロリル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、キノリニル、ベンゾフラニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンズチアゾリルから選択される複素環であり、ここで該複素環はそれぞれ、場合により、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、カルボキシル、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、ヒドロキシC
1−6アルキル、モノ−もしくはジ(C1−6アルキル)アミノ、モノ−もしくはジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシカルボニル、アミノカルボニル、モノ−及びジ−C1−6アルキルアミノカルボニルよりなる群からそれぞれ独立して選択される1、2又は3個の置換基で置換されていてもよい、
(b)RがAr又は、キノリニル、ベンズイミダゾリル、ピラジニル又はピリジルから選択される複素環であり、ここで該複素環はそれぞれ、場合により、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、カルボキシル、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、モノ−もしくはジ(C1−6アルキル)アミノ、モノ−もしくはジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシカルボニル、アミノカルボニル、モノ−及びジ−C1−6アルキルアミノカルボニルよりなる群からそれぞれ独立して選択される1、2又は3個の置換基で置換されていてもよい、
(c)RがAr、キノリニル、ベンズイミダゾリル、ピラジニル又はピリジルであり、ここでこれらの基はそれぞれ、場合により、ハロ、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシよりなる群から選択される1、2又は3個の基で置換されていてもよい、
(d)Rが場合により、ハロ、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシよりなる群から選択される1、2又は3個の基で置換されていてもよいフェニル;キノリニル;場合によりC1−6アルキルで置換されていてもよいベンズイミダゾリル;場合により、ヒドロキシ、ハロ、C1−6アルキル、ベンジルオキシ及びC1−6アルキルオキシから選択される1個又は2個の基で置換されていてもよいピリジル;場合により、C1−6アルキルから選択される3個までの基で置換されていてもよいピラジニル;あるいは、(a)〜(i)中で前記に明記されたように置換された又は場合により置換されていてもよいピリジル、である、
(e)Rが場合により、ハロ、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシよりなる群から選択される1又は2個の基で置換されていてもよいフェニルである、
(f)Rが場合により、C1−6アルキルから選択される3個までの基で場合により置換されていてもよいピラジニルである、
(g)Rがヒドロキシ、C1−6アルキル、ハロ、C1−6アルキルオキシ、Ar1−6アルキルオキシ及び(C1−6アルキルオキシ)C1−6アルキルオキシよりなる群から独立して選択される1個又は2個の置換基で置換されたピリジルである、
(h)Rがヒドロキシ、C1−6アルキル、ハロ及びC1−6アルキルオキシよりなる群から独立して選択される1個又は2個の置換基で置換されたピリジルである、
(i)Rがヒドロキシ及びC1−6アルキルよりなる群から独立して選択される1個又は2個の置換基で置換されたピリジルである、
(j)Rがヒドロキシ及びC1−6アルキルで置換されたピリジルである、
前記のサブグループIのような、式(I)の化合物又は本明細書に明記される式(I)の化合物のいずれかのサブグループである。
【0057】
本発明の態様はそのAlkがメチレンでありそしてRが(a)〜(j)において前記に明記された通りである、式(I)の化合物又は式(I)の化合物のいずれかのサブグループである。
【0058】
式(I)の化合物のサブグループIIIは、そのRが水素である、前記のサブグループI及びIIのような、式(I)の化合物又は本明細書に明記される式(I)の化合物のいずれかのサブグループである。
【0059】
本発明の更なる態様はそこで
(a)RがヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルコキシC1−6アルキル又はシ
アノC1−6アルキルである、あるいは
(b)RがヒドロキシC1−6アルキルである、
式(I)の化合物又は式(I)の化合物のいずれかのサブグループである。
【0060】
式(I)の化合物のサブグループIVは、そのRが水素である、前記のサブグループI、II及びIIIのような、式(I)の化合物又は本明細書に明記される式(I)の化合物のいずれかのサブグループである。
【0061】
式(I)の化合物のサブグループVは、そのRが水素である、前記のサブグループI、II、III及びIVのような、式(I)の化合物又は本明細書に明記される式(I)の化合物のいずれかのサブグループである。
【0062】
式(I)の化合物のサブグループVIはそこで、
(a)Qが水素又は、場合により複素環で置換されていてもよいC1−6アルキルであるか、あるいはQが基−OR及び複素環の両方で置換されたC1−6アルキルであり、ここで該複素環はオキサゾリジン、チアゾリジン、1−オキソ−チアゾリジン、1,1−ジオキソチアゾリジン、モルホリニル、チオモルホリニル、1−オキソ−チオモルホリニル、1,1−ジオキソチオモルホリニル、ヘキサヒドロオキシアゼピン、ヘキサヒドロチアゼピン、1−オキソ−ヘキサヒドロチアゼピン、1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロチアゼピンよりなる群から選択され、ここで該複素環はそれぞれ、場合によりC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、ヒドロキシ、カルボキシル、C1−6アルキルオキシカルボニル、アミノカルボニルよりなる群から選択される1又は2個の置換基で置換されていてもよい、
(b)Qが水素又は、場合により複素環で置換されていてもよいC1−6アルキルであるか、あるいはQが基−OR及び複素環の両方で置換されたC1−6アルキルであり、ここで該複素環はオキサゾリジン、チアゾリジン、1−オキソ−チアゾリジン、1,1−ジオキソチアゾリジン、モルホリニル、チオモルホリニル、1−オキソ−チオモルホリニル、1,1−ジオキソチオモルホリニルよりなる群から選択され、ここで該複素環はそれぞれ場合によりC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、ヒドロキシよりなる群から選択される1又は2個の置換基で置換されていてもよい、
(c)Qが水素又は、場合により複素環で置換されていてもよいC1−6アルキルであるか、あるいはQが基−OR及び複素環の両方で置換されたC1−6アルキルであり、ここで該複素環はオキサゾリジン、チアゾリジン、モルホリニル、チオモルホリニルよりなる群から選択され、ここで該複素環はそれぞれ、場合により1又は2個のC1−6アルキル基で置換されていてもよい、
(d)Qがモルホリニル又はチオモルホリニルで置換されたC1−6アルキルである、
前記のサブグループI、II、III、IV及びVのような、式(I)の化合物又は本明細書に明記される式(I)の化合物のいずれかのサブグループである。
【0063】
前段落中の(a)〜(d)において、オキサゾリジン、チアゾリジン、1−オキソ−チアゾリジン、1,1−ジオキソチアゾリジン、モルホリニル、チオモルホリニル、等のような複素環は好ましくは、それらがその上で置換されているC1−6アルキルに対しそれらの窒素原子により結合されている。
【0064】
本発明の態様は、そのArがフェニル又は、式(I)の化合物又はそれらのいずれかのサブグループの定義内に言及されたものから選択される1、2、3個の置換基又は1、2個の置換基で置換されたフェニルである、式(I)の化合物又は本明細書に明記された式(I)の化合物のいずれかのサブグループに属する化合物である。
【0065】
式(I)の化合物のサブグループVIIは、そこで、
(a)Arがフェニルあるいは、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、アミノスルホニル、アミノカルボニル、ヒドロキシカルボニル、C1−4アルキルカルボニル、モノ−もしくはジ(C1−4アルキル)アミノ及びC1−4アルコキシカルボニルよりなる群から選択される3個までの置換基、又は2個までの置換基又は1個の置換基で置換されたフェニルである、あるいは
(b)Arがフェニルあるいは、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、C1−6アルキル、トリフルオロメチル、C1−6アルキルオキシ、モノ−及びはジ(C1−4アルキル)アミノよりなる群から選択される3個までの置換基、又は2個までの置換基又は1個の置換基で置換されたフェニルである、あるいは
(c)Arがフェニルあるいは、ハロ、ヒドロキシ、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、トリフルオロメチル及びC1−6アルキルオキシから選択される3個までの置換基、又は2個までの置換基又は1個の置換基で置換されたフェニルである、あるいは
(d)Arがフェニルあるいは、ハロ、ヒドロキシ、C1−6アルキル、トリフルオロメチル及びC1−6アルキルオキシよりなる群から選択される3個までの置換基、又は2個までの置換基又は1個の置換基で置換されたフェニルである、あるいは
(e)Arがフェニルあるいは、ハロ、ヒドロキシ、C1−6アルキル及びC1−6アルキルオキシから選択される3個までの置換基、又は2個までの置換基又は1個の置換基で置換されたフェニルである、あるいは
(f)Arがフェニルあるいは、ハロ及びC1−6アルキルから選択される3個までの置換基、又は2個までの置換基又は1個の置換基で置換されたフェニルである、
前記のサブグループI、II、III、IV、V及びVIのような、式(I)の化合物又は本明細書に明記される式(I)の化合物のいずれかのサブグループである。
【0066】
式(I)の化合物のサブグループVIIIはそこで、
(a)Hetがピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、フラニル、チエニル、ピロリル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、キノリニル、キノキサリニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリルである、
(b)Hetがピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、フラニル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリルである、
(c)Hetがピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、フラニル、チエニルである、
(d)Hetがピリジル、ピラジニル、ピリミジニルである、
(e)Hetがピリジルである、
前記のサブグループI、II、III、IV、V、VI及びVIIのような、式(I)の化合物又は本明細書に明記される式(I)の化合物のいずれかのサブグループである。
【0067】
式(I)の化合物又はそれらのいずれかのサブグループは以下の反応スキームにおけるように調製することができる。
【0068】
【化4】

【0069】
これらのスキームにおいて、Q、各Alk、R、R、R、R、Rは、式(I)又はそれらのいずれかのサブグループの化合物に対して前記に定義された意味を有する。Wはトシラート、メシラートあるいは、好ましくはクロロ又はブロモであるハロ、のような適当な離脱基である。これらのスキームの反応は、アルカリ金属炭酸塩又は水酸化物(例えば炭酸ナトリウム、カリウム又はセシウム)のような塩基;あるいはトリアルキルアミン(例えばトリエチルアミン)のような有機塩基の存在下で適当な溶媒中で実施することができる。本反応に適する溶媒は例えばエーテル(例えばTHF、ジオキサン);ハロゲン化炭化水素(例えばジクロロメタン、CHCl);トルエン;DMF、DMSO、DMA、等のような極性の非プロトン溶媒である。
【0070】
式(I)の化合物はまた、そこでAlk’が基Alkと同様な意味を有するが1個の水素原子が欠けている式(VI)のアルデヒド又はケトンから出発する還元アミノ化工程により調製することができる。中間体(VI)を貴金属触媒又は、ホウ水素化物(例えばナトリウムシアノホウ水素化物)のような水素化物の存在下で、水素のような還元剤の存在下でヘテロシクリルアミン(III)と反応させる。還元アミノ化反応は好ましくは、アルコール(例えばメタノール又はエタノール)あるいはエーテル(例えばTHF又はジオキサン)のような適当な溶媒中で実施される。
【0071】
【化5】

【0072】
式(I)の化合物は以下に説明されるものを含んでなる、当該技術分野で知られた官能基の変換反応に従って相互に転化させることができる。
【0073】
シアノ基はアルキル化することができるアミノメチレン基に還元することができる。ヒドロキシカルボニル基はC1−4アルキルオキシカルボニル基にエステル化することがで
きるか又は反対に後者を加水分解して前者を得ることができる。
【0074】
式(I)の化合物を調製するために使用される多数の中間体は知られた化合物であるか又は知られた化合物の類似体であり、それらは当業者に容易に入手できる当該技術分野で知られた方法の変更に従って調製することができる。幾つかの中間体の調製物が幾らかより詳細に以後に説明される。
【0075】
式中ベンズイミダゾール部分のフェニル部分上で置換された基Alkがメチレンである式(II)の中間体である、式(II−a)の中間体は、ハロゲン化剤(例えばSOCl)のような適当な離脱基導入剤と、式(VII)の対応するヒドロキシメチレン置換ベンズイミダゾールを反応させ、それによりヒドロキシメチレン基が対応するハロメチレン基に転化されることにより、式(VII)の対応するヒドロキシメチレン置換ベンズイミダゾールから調製することができる。中間体(VII)は、例えばLiAlHとの還元反応により、対応するエステル(VIII)から得ることができる。この反応系列は、式中RがC1−6アルキル基、とりわけ、好ましくはメチル又はエチルであるC1−4アルキル基を表す以下のスキームにより表される。式中ベンズイミダゾール部分のフェニル部分上で置換されたAlkがメチレン以外である式(II)の中間体も同様に、C2−6アルキル−COOR基を担持する対応する中間体(VIII)から得ることができる。
【0076】
【化6】

【0077】
中間体(IV)は以下の反応系列に概説のように得ることができる。
【0078】
【化7】

【0079】
第1の工程において、ジアミノベンゼン(IX)を適当な溶媒(例えばキシレン)中で尿素により環化して、ベンズイミダゾロン(X)を生成する。後者は、とりわけ(X)の適当なハロゲン化剤(例えばPOCl)との反応により、そのWが前記に特記された離脱基であるベンズイミダゾール誘導体(XI)に転化され、そして生成される中間体(XI)をアミン誘導体(XII)と反応させて、中間体(XIII)を得る。後者は、(VIII)から(II−a)への転化に対して前記のものと同様な方法に従って、還元反応、次いで基W−導入反応により中間体(IV)に転化される。最終工程で、このように得た生成物を中間体(III)とカップリングさせ、このようにして所望の中間体(IV)を得る。
【0080】
式(VI)の中間体を、緩和な酸化剤、例えばMnOによる酸化反応により式(XIV)のアルコールから得ることができる。
【0081】
【化8】

【0082】
式(I)の化合物は3価の窒素をそのN−オキシド形態に転化するための当該技術分野で知られた方法に従って、対応するN−オキシド形態に転化させることができる。該N−酸化反応は概括的に、適当な有機又は無機過酸化物と式(I)の出発材料を反応させることにより実施することができる。適当な無機過酸化物は例えば、過酸化水素、アルカリ金属又はアルカリ土類金属過酸化物(例えば過酸化ナトリウム、過酸化カリウム)を含んでなり、適当な有機過酸化物は例えばベンゼンカルボペルオキソ酸のようなペルオキシ酸又はハロ置換ベンゼンカルボペルオキソ酸(例えば3−クロロオベンゼンカルボペルオキソ酸)、ペルオキソアルカン酸(例えばペルオキソ酢酸)、アルキルヒドロペルオキシド(例えばt.ブチルヒドロ−ペルオキシド)を含んでなることができる。適当な溶媒は例えば水、低級アルコール(例えばエタノール等)、炭化水素(例えばトルエン)、ケトン(例えば2−ブタノン)、ハロゲン化炭化水素(例えばジクロロメタン)及びそのような溶媒の混合物である。
【0083】
式(I)の化合物の純粋な立体化学異性体形態は当該技術分野で知られた方法の適用により得ることができる。ジアステレオマーは選択的結晶化及びクロマトグラフィー法(例えば向流分配、液体クロマトグラフィー等)のような物理的方法により分離することができる。
【0084】
前記の方法で調製される式(I)の化合物は概括的に、当該技術分野で知られた分割法に従って相互から分離することができるエナンチオマーのラセミ混合物である。十分に塩基性又は酸性である、式(I)のラセミ化合物は適当なキラル酸又はキラル塩基との反応により対応するジアステレオマー塩形態に転化させることができる。次に、該ジアステレオマー塩形態を例えば選択的又は分別結晶化により分離して、エナンチオマーをアルカリ又は酸によりそれらから遊離する。式(I)の化合物のエナンチオマー形態を分離する代りの方法は液体クロマトグラフィー、とりわけキラル固定相を使用する液体クロマトグラフィーを伴なう。該純粋な立体化学異性体形態はまた、その反応が立体特異的に起る場合
は、適当な出発材料の、対応する純粋な立体化学的異性体形態から誘動することができる。特定の立体異性体が所望される場合は、該化合物は好ましくは立体特異的調製法により合成されるであろう。これらの方法は有利にはエナンチオマーとして純粋な出発材料を使用するであろう。
【0085】
更なるアスペクトにおいて、本発明は、治療的に有効量の、本明細書に明記された式(I)の化合物又は本明細書に明記された式(I)の化合物のいずれかのサブグループの化合物及び製薬学的に許容できる担体を含んでなる製薬学的組成物を対象とする。これに関する治療的有効量は、感染被験体又は感染されている危険にある被験体におけるウイルス感染、そしてとりわけRSVウイルス感染に対して予防的に作用し、それを安定化し、又はそれを軽減させるのに十分な量である。まだ更なるアスペクトにおいて、本発明は、治療的有効量の、本明細書に明記された式(I)の化合物又は本明細書に明記された式(I)の化合物のいずれかのサブグループの化合物と、製薬学的に許容できる担体を密接に混合する工程を含んでなる、本明細書に明記される製薬学的組成物の製法を対象とする。
【0086】
従って、本発明の化合物又はそれらのいずれかのサブグループは、投与目的に対する種々の製薬学的剤形に調合することができる。適当な組成物として、全身投与剤に通常使用されるすべての組成物を引用することができる。本発明の製薬学的組成物を調製するために、場合により付加塩形態又は金属錯体の、有効成分として、有効量の特定の化合物を、投与に所望される調製形態に応じて広範な種類の剤形を採ることができる製薬学的に許容できる担体と密接な混合物に合わせる。これらの製薬学的組成物は特に経口、直腸内、経皮的又は非経口注射による投与に適した単位剤形にあることが望ましい。例えば、経口投与剤形の組成物を調製する際には、懸濁物、シロップ、エリキシル、エマルション及び液剤のような経口液体調製物の場合は、例えば水、グリコール、油、アルコール等のようないずれかの通常の製薬学的媒質、あるいは散剤、ピル、カプセル及び錠剤の場合はデンプン、糖、カオリン、滑沢剤、結合剤、崩壊剤等のような固形担体を使用することができる。それらの投与容易性のために錠剤及びカプセルがもっとも有利な経口投与単位剤形を表し、その場合、明らかに固形の製薬学的担体が使用される。非経口組成物に対しては、例えば溶解度を補助するために他の成分を包含することができるが、担体は通常、少なくとも大部分は滅菌水を含んでなるであろう。例えば、担体が生理食塩水、ブドウ糖液又は生理食塩水とブドウ糖液の混合物を含んでなる注射液を調製することができる。適当な液体担体、懸濁剤等を使用することができる注射用懸濁液もまた調製することができる。更に、使用直前に液体剤形の調製物に転化されることが意図される固形調製物も包含される。経皮的投与に適した組成物中では、担体は場合により、少量の、皮膚に対して有意な有害効果を誘発しない、あらゆる性状の適当な添加剤と組み合わせた浸透促進剤及び/又は適当な湿潤化剤を場合により含んでなる。
【0087】
本発明の化合物はまた、この方法による投与のために当該技術分野で使用される方法及び/又は調合物により、経口吸入又は吹き込みにより投与することができる。従って、一般に、本発明の化合物を液剤、懸濁液又は乾燥散剤の形態で肺に投与することができ、そこで液剤が好ましい。経口吸入又は吹き込みによる液剤、懸濁液又は乾燥散剤の送達用に開発されたいずれの系も本発明の化合物の投与に適する。
【0088】
従って本発明はまた、式(I)の化合物及び製薬学的に許容できる担体を含んでなる、口を通る吸入又は吹き込みにより投与するようになっている製薬学的組成物を提供する。本発明の化合物は好ましくは、噴霧化又はエアゾール化用量の液剤の吸入により投与される。
【0089】
投与の容易性及び用量の均一性のために、前記の製薬学的組成物を単位剤形に調合することは特に有利である。本明細書で使用される単位投与剤形は、各単位が必要な製薬学的
担体と一緒に所望の治療効果をもたらすように計算された有効成分の前以て決定された量を含有する、単位投与物として適する物理的に分離された単位を表す。このような単位投与剤形の例は錠剤(刻み目付き錠剤又はコート錠)、カプセル、ピル、座薬、散剤分包、ウエファー、注射液又は懸濁液等並びにそれらの分離複数物である。
【0090】
式(I)の化合物は抗ウイルス性を示す。本発明の化合物及び方法を使用して処置可能なウイルス感染はオルソ−及びパラミクソウイルスにより、そしてとりわけヒト及びウシの呼吸器シンシチウムウイルス(RSV)により流行される感染を包含する。更に、幾つかの本発明の化合物はRSVの突然変異株に対して有効である。更に、多数の本発明の化合物は好ましい薬物動態学的プロファイルを示し、許容できる半減寿命、AUC及びピーク値並びに不十分な早期開始及び組織鬱滞のような望ましくない現象の不在、を包含する、生体利用能に関する魅力的な特性を有する。
【0091】
本発明の化合物のRSVに対するインビトロの抗ウイルス活性は説明の実験部門に記載されるテストにおいて試験され、更にウイルス産生減少アッセイ(virus yield reduction assay)においても示すことができる。本発明の化合物のRSVに対するインビボの抗ウイルス活性はWyde等(Antiviral Research(1998),38,31−42)中に記載のコットンラットを使用する試験モデルにおいて示すことができる。
【0092】
それらの抗ウイルス作用、特にそれらの抗−RSV特性により、式(I)の化合物又はそれらのいずれかのサブグループ、付加塩及び立体化学的異性体形態は、ウイルス感染、特にRSV感染を経験している個体の処置において、そしてこれらの感染の予防のために有用である。一般に、本発明の化合物はウイルス、とりわけ呼吸器シンシチウムウイルスで感染した温血動物の処置に有用である可能性がある。
【0093】
従って、本発明の化合物又はそれらのいずれかのサブグループは医薬として使用することができる。医薬としての前記の使用又は処置法は,ウイルス感染、とりわけRSV感染に伴なう状態を治療するための有効量の、ウイルス感染被験体又はウイルス感染に感受性の被験体への全身投与を含んでなる。
【0094】
本発明はまた、ウイルス感染、特にRSV感染の処置又は予防のための医薬の製造における本発明の化合物又はそれらのいずれかのサブグループの使用を対象とする。
【0095】
本発明は更に、本明細書に明記された式(I)の化合物又は、本明細書に明記された式(I)の化合物のいずれかのサブグループの化合物の抗ウイルス有効量の投与を含んでなる、ウイルスにより感染した又はウイルス、とりわけRSVによる感染の危険にある温血動物を処置する方法を対象とする。
【0096】
一般に、抗ウイルス有効1日量は0.01mg/kg〜500mg/kg体重、より好ましくは0.1mg/kg〜50mg/kg体重であろうと予期される。必要量を1日を通して、適当な間隔で、2、3、4回又はそれ以上の分割用量として投与することが適当かも知れない。該分割用量は単位投与剤形当たり例えば、1〜1000mg、そしてとりわけ5〜200mgの有効成分を含有する単位投与剤形として調合することができる。
【0097】
投与の正確な用量及び回数は、当業者に周知のように、使用される式(I)の特定の化合物、処置されている特定の状態、処置されている状態の重篤度、特定の患者の年齢、体重、性別、障害の程度及び全身の健康状態並びに、個体が摂取している他の投薬に左右される。更に、該有効1日量は処置される被験体の反応に応じて、そして/又は本発明の化合物を処方する医師の評価に応じて減量又は増量することができることは明らかである。
従って、前記の有効1日量範囲は指針であるのみである。
【0098】
更に、もう1種の抗ウイルス剤及び式(I)の化合物の組み合わせ物を医薬として使用することができる。従って本発明はまた、抗ウイルス処置における同時の、別々の又は連続的使用のための組み合わせ調製物として、(a)式(I)の化合物及び(b)もう1種の抗ウイルス化合物、を含有する製品を対象とする。異なる薬剤を製薬学的に許容できる担体と一緒に単一調製物中に組み合わせることができる。例えば、RSV感染を処置又は予防するために本発明の化合物をインターフェロン−ベータ又は腫瘍壊死因子−アルファと組み合わせることができる。
【0099】
実施例
以下の実施例は本発明を具体的に示すことを意図され、それに限定することは意図されない。これらの実施例中に使用される用語「化合物e−1」、「化合物c−3」、等は、表中の同一化合物を表す。
【0100】
化合物は以下の装置を使用してLC/MSにより同定された:
【0101】
LCT:正モードの、100〜900amuのスキャンモードにおける電子スプレイイオン化;Xterra MS C18(Waters,Milford,MA)5μm、3.9×150mm;流速1m/分。2種の移動相(移動相A:85%の6.5mM酢酸アンモニウム+15%のアセトニトリル;移動相B:20%の6.5mMの酢酸アンモニウム+80%のアセトニトリル)を使用して3分間の100%Aから5分間の100%B,6分間の100%Bから3分間の100%Aに、そして再度3分間の100%Aに平衡化して勾配を実行した。
【0102】
ZQ:100〜1000amuでスキャンする正及び負双方の(パルス)モードにおける電子スプレイイオン化;Xterra MS C18(Waters,Milford,MA)5μm、3.9×150mm;流速1m/分。2種の移動相(移動相A:85%の6.5mM酢酸アンモニウム+15%のアセトニトリル;移動相B:20%の6.5mMの酢酸アンモニウム+80%のアセトニトリル)を使用して、3分間の100%Aから5分間の100%B、6分間の100%Bから3分間の100%A、そして再度3分間の100%Aで平衡化して勾配を実行した。
【実施例1】
【0103】
【化9】

【0104】
a−1(0.0072モル)及びパラホルムアルデヒド(0.0058モル)の混合物(3.5mlのDMSO及び0.27mlのトリトンB中)を90℃で4時間撹拌し、次いで室温に冷却し、そしてシリカゲル上カラムクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl次いでCHCl/CHOH/NHOH(99/1/0.1);15μm)により精製した。純粋な画分を回収し、溶媒を蒸発させると0.3gの中間体a−2(20%)を収穫した。
【0105】
a−2(0.0017モル)及びラネイニッケル(0.3g)の混合物(30mlのCHOH中)を室温の3バール圧力下で1時間水素化し、次いでシーライト上で濾過した。シーライトをCHOHで洗浄した。濾液を蒸発乾燥させると0.23gの中間体a−3(93%、融点:168℃)を収穫した。
【実施例2】
【0106】
【化10】

【0107】
b−1(0.166モル)及び尿素(0.199モル)の混合物(300mlのキシレン中)を還流下で12時間撹拌した。反応物を室温に冷却した。沈殿物を濾取し、キシレン及びジイソプロピルエーテルですすぎ、次いで乾燥すると32gの中間体b−2(93%、融点:>260℃)を収穫した。
【0108】
LiAlH(0.146モル)をテトラヒドロフラン(200ml)の溶液中に5℃、N流下で分割添加した。次にb−2(0.073モル)の溶液(200mlのテトラヒドロフラn中)を滴下した。混合物を5℃で3時間撹拌した。次いで最少量のHO、次にCHCl/CHOH(90/10)の溶液を添加した。生成された混合物を乾燥し(MgSO上)、濾過し、溶媒を蒸発乾燥すると、12.6gの中間体b−3(95%、融点:179℃)を収穫した。
【0109】
b−3(0.069モル)及びN−プロピルアミノ−モルホリン(0.207モル)の混合物を125℃で4時間撹拌し、次いでCHCl/CHOH中に取った。有機層を10%KCO水溶液で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、溶媒を蒸発乾燥した。残渣(37g)をシリカゲル上カラムクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl/CHOH/NHOH 90/10/0.5;20〜45μm)により精製した。純粋な画分を回収し、溶媒を蒸発させると16.5gの中間体b−4(82%)を収穫した。
【0110】
b−4(0.0396モル)、b−5(0.0475モル)及びKCO(0.1188モル)の混合物(110mlのジメチルホルムアミド中)を室温で12時間撹拌した。反応物を氷/水中に注入した。水層をKCO(粉末)で飽和させ、CHCl/CHOH(95/5)の溶液で抽出した。残渣をシリカゲル上カラムクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl/CHOH/NHOH 90/10/1;20〜45μm
)により精製した。純粋な画分を回収し、溶媒を蒸発させると、5.4gの中間体b−6(33%、融点:192℃)及び5gの中間体b−7(31%、融点:134℃)を収穫した。
【0111】
b−6(0.0024モル)及びMnO(2g)の混合物(50mlのCHCl中)を室温で12時間撹拌し、次いでシーライト上で濾過した。シーライトをHOで洗浄した。濾液の溶媒を蒸発乾燥すると、0.9gの中間体b−8(90%、融点:206℃)を収穫した。
【実施例3】
【0112】
【化11】

【0113】
c−1(0.0003モル)、c−2(0.0004モル)及び固形担体上BHCN−(0.0005モル)の混合物(15mlのCHOH及び0.15mlのCHCOH中)を室温で48時間撹拌し、次いで濾過し、CHOHで洗浄し、蒸発乾燥した。残渣をCHCl及びCHOH(少量)中に取った。有機層を10%KCO水溶液で洗浄し、乾燥し(MgSO上)、濾過し、溶媒を蒸発させた。残渣(0.19g)をシリカゲル上カラムクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl/CHOH/NHOH(97/3/0.3);3.5μm)により精製した。純粋な画分を回収し、溶媒を蒸発させた。残渣(0.114g、59%)を2−プロパノンから結晶化した。沈殿物を濾過し、ジイソプロピルエーテルで洗浄し、乾燥した。収量:0.1gの最終化合物c−3(51%、融点:211℃)。
【実施例4】
【0114】
【化12】

【0115】
中間体d−3(24%、融点:254℃)及びd−4(17%、融点:242℃)を中間体b−6及びb−7について記載された方法に従って合成した。
【0116】
中間体d−5(80%、融点:208℃)を中間体b−8につき記載された方法に従って合成した。
【実施例5】
【0117】
【化13】

【0118】
d−5(0.0002モル)、a−3(0.0003モル)及び固形担体上BHCN−(0.0003モル)の混合物(15mlのCHOH及び0.15mlのCHCOH中)を室温で48時間撹拌し、次いで濾過し、CHOHで洗浄し、蒸発乾燥した。残渣をCHCl及びCHOH(少量)中に取った。有機層をKCO10%水溶液で洗浄し、乾燥し(MgSO上)、濾過し、溶媒を蒸発させた。残渣(0.14g)をシリカゲル上カラムクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl/CHOH/NH
OH(96/4/0.4);3.5μm)により精製した。純粋な画分を回収し、溶媒を蒸発させた。残渣(0.08g、62%)を2−プロパノンから結晶化した。沈殿物を濾過し、ジイソプロピルエーテルで洗浄し、乾燥した。収量:0.07gの最終化合物e−1(54%、融点:233℃)。
【実施例6】
【0119】
【化14】

【0120】
f−1(0.0094モル)及びパラホルムアルデヒド(0.0075モル)の混合物(4.5mlのDMSO及び0.35mlのトリトンB中)を90℃で4時間撹拌し、次いでシリカゲル上カラムクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl;15μm)により精製した。純粋な画分を回収し、溶媒を蒸発させると、0.15gの中間体f−2(10%)を収穫した。
【0121】
f−2(0.0008モル)及びラネイニッケル(0.2g)の混合物(30mlのCHOH中)を室温、3バールの圧力下で1時間水素化し、次いでシーライト上で濾過した。濾液を蒸発乾燥させた。収量:0.1gの中間体f−3(82%)。
【実施例7】
【0122】
【化15】

【0123】
g−1(0.0003モル)、g−2(0.0003モル)及び固形担体上BHCN−(0.0004モル)の混合物(20mlのCHOH及び0.15mlのCHCOH中)を室温で48時間撹拌し、次いで濾過し、CHOHで洗浄し、蒸発乾燥した。残渣をCHCl及びCHOH(少量)中に取った。有機層をKCO10%水溶液で洗浄し、乾燥し(MgSO上)、濾過し、溶媒を蒸発させた。残渣(0.22g)をシリカゲル上カラムクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl/CHOH/NHOH(96/4/0.4);3.5μm)により精製した。純粋な画分を回収し、溶媒を蒸発させた。残渣(0.05g、31%)を2−プロパノン/ジイソプロピルエーテルから結晶化した。沈殿物を濾取し、乾燥した。収量:0.043gの最終化合物g−3(2
7%、融点:207℃)。
【実施例8】
【0124】
【化16】

【0125】
h−1(0.0003モル)、h−2(0.0003モル)及び固形担体上BHCN−(0.0004モル)の混合物(20mlのCHOH及び0.15mlのCHCOH中)を室温で48時間撹拌し、次いで濾過し、CHOHで洗浄し、蒸発乾燥した。残渣をCHCl及びCHOH(少量)中に取った。有機層をKCO10%水溶液で洗浄し、乾燥し(MgSO上)、濾過し、溶媒を蒸発させた。残渣(0.16g)をシリカゲル上カラムクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl/CHOH/NHOH(95/5/0.5;3.5μm)により精製した。純粋な画分を回収し、溶媒を蒸発させた。収量:0.081g(51%)。この画分を2−プロパノン/ジイソプロピルエーテルから結晶化した。沈殿物を濾取し、乾燥した。収量:0.049gの最終化合物h−3(32%、融点:142℃)。
【実施例9】
【0126】
【化17】

【0127】
中間体i−2(40%)を中間体a−2に記載の方法に従って合成した。
【0128】
中間体i−3(57%、融点:152℃)を中間体a−3に記載の方法に従って合成した。
【実施例10】
【0129】
【化18】

【0130】
最終化合物j−3(36%、融点:212℃)を中間体c−3に記載の方法に従って合成した。
【実施例11】
【0131】
【化19】

【0132】
最終化合物k−3(30%、融点:254℃)を中間体e−3につき記載の方法に従って合成した。
【0133】
以下の表は前記実施例のいずれか1例に従って調製された化合物を挙げる。
【0134】
【表1】

【0135】
前記の表中の点線はその基がそれにより分子の残りに結合される結合を表す。
【0136】
【表2】

【0137】
上記の表中の点線はその基が分子の残りに結合される結合を表す。
【実施例12】
【0138】
呼吸器シンシチウムウイルスに対する活性のインビトロのスクリーニング
試験される化合物により達成される、ウイルスにより惹起される細胞病理に対する防御率(抗ウイルス活性又はEC50)及びそれらの細胞毒性(CC50)の双方を用量反応曲線から計算する。抗ウイルス効果の選択性は、CC50(細胞の50%に対する細胞毒性量)をEC50(細胞の50%に対する抗ウイルス活性)で割ることにより計算される選択性指標(SI)により表される。
【0139】
試験化合物のEC50及びCC50の決定のために、自動化されたテトラゾリウム基剤の比色分析アッセイを使用した。平底の96−ウェルのプラスチックの微量滴定トレーに
、5%のFCS(FLUに対して0%)及び20mMのHepesバッファーを添加された180μlのイーグルの基礎培地を充填した。次いで、化合物のストック溶液(7.8×最終試験濃度)を一連の三列ウェルに45μlの容量で添加して、ウイルス−及び疑似−感染細胞に対するそれらの効果の同時評価を許した。5回の5倍希釈をロボットシステムを使用して微量滴定トレー中で直接実施した。未処理ウイルス対照及びHeLa細胞対照を各試験に包含した。呼吸器シンシチウムウイルスのほぼ100TCID50を50μlの容量で3列中の2列に添加した。同量の培地を第3列に添加して、抗ウイルス活性を測定するために使用されたものと同一濃度における化合物の細胞毒性を測定した。2時間のインキュベート後、HeLa細胞の懸濁液(4×10細胞/ml)を50μlの容量ですべてのウェルに添加した。培養物を5%CO雰囲気下、37℃でインキュベートした。感染の7日後に、細胞毒性及び抗ウイルス活性を分光分析法により検定した。微量滴定トレーの各ウェルに、25μlのMTT(3−(4,5−ジメチルチアゾル−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド)の溶液を添加した。トレーを更に37℃で2時間インキュベートし、その後、培地を各カップから除去した。ホルマザン結晶の可溶化を、100μlの2−プロパノールを添加することにより達成した。トレーをプレートシェーカー上に10分間置いた後に、ホルマザン結晶の完全な溶解を得た。最後に2種の波長(540及び690nm)において8−チャンネルのコンピューター制御光度計(Multiskan MCC,Flow Laboratories)において吸収を読み取った。690nmで測定された吸収を540nmにおける吸収から自動的に差し引いて、非特異的吸収の効果を排除した。本試験の結果は上表中に記載されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】

【化1】

[式中、
Qは水素、場合により複素環で置換されていてもよいC1−6アルキルであるか、あるいはQは基−OR及び複素環の両方で置換されたC1−6アルキルであり、ここで該複素環はオキサゾリジン、チアゾリジン、1−オキソ−チアゾリジン、1,1−ジオキソチアゾリジン、モルホリニル、チオモルホリニル、1−オキソ−チオモルホリニル、1,1−ジオキソチオモルホリニル、ヘキサヒドロオキシアゼピン、ヘキサヒドロチアゼピン、1−オキソ−ヘキサヒドロチアゼピン、1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロチアゼピン、ピロリジン、ピペリジン、ホモピペリジン、ピペラジンよりなる群から選択され、ここで該複素環はそれぞれ、場合により、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、アミノカルボニルC1−6アルキル、ヒドロキシ、カルボキシル、C1−6アルキルオキシカルボニル、アミノカルボニル、モノ−もしくはジ(C1−6アルキル)アミノカルボニル、C1−6アルキルカルボニルアミノ、アミノスルホニル及びモノ−もしくはジ(C1−6アルキル)アミノスルホニルよりなる群から選択される1又は2個の置換基で置換されていてもよく、
Alkはそれぞれ独立してC1−6アルカンジイルを表し、
はAr又は、ピリジル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、フラニル、テトラヒドロフラニル、チエニル、ピロリル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、キノリニル、キノキサリニル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ピリドピリジル、ナフチリジニル、1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジニル、3H−イミダゾ[4,5−b]−ピリジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル及び2,3−ジヒドロ−1,4−ジオキシノ[2,3−b]ピリジルから選択される複素環であり、ここで該複素環はそれぞれ、場合により、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、カルボキシル、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、ヒドロキシC1−6アルキルオキシ、(C1−6アルキルオキシ)C1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、モノ−もしくはジ(C1−6アルキル)アミノ、モノ−もしくはジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルオキシカルボニル、アミノカルボニル、モノ−及びジ−C1−6アルキルアミノカルボニルよりなる群からそれぞれ独立して選択される1、2又は3個の置換基で置換されていてもよく、
は水素又はC1−6アルキルであり、
はヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルコキシC1−6アルキル、シアノC1−6アルキル、アミノカルボニル−C1−6アルキル、モノ−もしくはジ(C1−6アルキル)アミノカルボニル−C1−6アルキル、カルボキシル−C1−6−アルキル、C1−6アルコキシカルボニル−C1−6アルキルであり、
は水素又はC1−6アルキルであり、
は水素又はC1−6アルキルであり、
Arはフェニルあるいは、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−もしくはジ(C1−6
ルキル)アミノ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルスルホニルアミノ、シアノ、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、フェニル、ヒドロキシC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、モノ−もしくはジ(C1−6アルキル)−アミノC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、ポリハロC1−6アルキルオキシ、フェノキシ、アミノカルボニル、モノ−もしくはジ(C1−6アルキル)アミノカルボニル、ヒドロキシカルボニル、C1−6アルコキシカルボニル、C1−6アルキルカルボニル、アミノスルホニル、モノ−及びジ(C1−6アルキル)−アミノスルホニルから選択される1、2、3又は4個のような1〜5個の置換基で置換されたフェニルであり、
Hetはピリジル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、フラニル、テトラヒドロフラニル、チエニル、ピロリル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、キノリニル、キノキサリニル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンズチアゾリル、ピリドピリジル、ナフチリジニル、1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジニル、3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル及び2,3−ジヒドロ−1,4−ジオキシノ[2,3−b]ピリジルよりなる群から選択される複素環である]
を有する化合物、その塩又は立体化学的異性体形態。
【請求項2】
化合物が式(I−a):
【化2】

[式中、Q、R、各Alk、R、R、R及びRは請求項1に記載した通りである]
を有する、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
が、ヒドロキシ、C1−6アルキル、ハロ、C1−6アルキルオキシ、Ar1−6アルキルオキシ及び(C1−6アルキルオキシ)C1−6アルキルオキシよりなる群から独立して選択される1又は2個の置換基で置換されたピリジルである、請求項1〜2記載の化合物。
【請求項4】
各Alkがメチレンである、請求項1〜3のいずれかに記載の化合物。
【請求項5】
がC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、シアノ−C1−6アルキルである、請求項1〜4のいずれかに記載の化合物。
【請求項6】
がヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルコキシC1−6アルキル又はシアノC1−6アルキルである、請求項1〜5のいずれかに記載の化合物。
【請求項7】
が水素である、請求項1〜6のいずれかに記載の化合物。
【請求項8】
が水素である、請求項1〜7のいずれかに記載の化合物。
【請求項9】
Hetがピリジルである、請求項1〜8のいずれかに記載の化合物。
【請求項10】
Qがモルホリニル又はチオモルホリニルで置換されたC1−6アルキルである、請求項1〜9のいずれかに記載の化合物。
【請求項11】
医薬として使用のための請求項1〜10のいずれかに定義された化合物。
【請求項12】
担体及び、有効成分として請求項1〜10のいずれかに定義された化合物を含んでなる製薬学的組成物。
【請求項13】
(a)ベンズイミダゾール誘導体(II)を複素環式アミン(III)と反応させるか又はベンズイミダゾール誘導体(IV)を中間体(V)と反応させ、
【化3】

[ここで、Q、各Alk、R、R、R、R、Rは請求項中に定義された意味をもち、Wは離脱基である]
(b)式(VI)[ここでAlk’は基Alkと同様な意味をもつが、1個の水素原子が欠けている]のアルデヒド又はケトンをヘテロシクリルアミン(III)との還元アミノ化反応にかけ、
【化4】

(c)式(I)の化合物の塩形態を酸又は塩基との処理により調製するか、あるいは反対に式(I)の化合物の塩形態を塩基又は酸との処理により遊離形態に転化させる、
請求項1〜10のいずれかに定義された通りの化合物の製造方法。

【公表番号】特表2008−546739(P2008−546739A)
【公表日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−517488(P2008−517488)
【出願日】平成18年6月20日(2006.6.20)
【国際出願番号】PCT/EP2006/063366
【国際公開番号】WO2006/136562
【国際公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(504347371)テイボテク・フアーマシユーチカルズ・リミテツド (94)
【Fターム(参考)】