説明

ヘリウム精製器

【課題】ヘリウムガスの再液化装置に用いられるヘリウム精製器において、不純物を捕捉する捕捉体の熱伝導性を改善する。
【解決手段】ヘリウムガス中の不純物を冷却・固化して捕捉する捕捉体として、三次元網構造を有する発泡金属材料を用いる。発泡金属捕捉体60をヘリウムガスの流路に配置し、流路を形成する内筒50、外筒52および発泡金属捕捉体60を支持するフランジ62により熱が伝えられ、冷却および加熱が行われる。三次元網構造を有することにより、発泡金属捕捉体60の内部まで短時間で熱が伝わる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘリウムガス中に含まれる不純物を冷却・固化して捕捉し、ヘリウムから分離してヘリウムを精製するヘリウム精製器に関する。
【背景技術】
【0002】
生体磁気計測システム、心磁計、NMR(核磁気共鳴)装置、MRI(磁気共鳴画像)装置等の計測器は極低温の冷却を要する部分があり、このために、約4Kの液体ヘリウムが用いられる。ヘリウムは希少な資源であり、また高価であるため、気化したヘリウムガスを回収し、再液化する技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
しかし、回収されたヘリウムガスに酸素、窒素などの不純物が混入していると、ヘリウムを液化する過程において、これらの不純物のガスがヘリウムより先に液化、さらに凍結して、ヘリウムガスの流路を閉塞してしまう。そこで、ヘリウムを液化する前に、ヘリウムガス中の不純物を除去するヘリウム精製器が用いられる。先の特許文献1には、ヘリウム精製器についても記載されている。
【0004】
この精製器は、冷熱源により冷却される多数の銅製の微小球体が充填された不純物の捕捉部を有している。この捕捉部に精製対象となるヘリウムガスを通過させると、不純物が微小球体により冷却され、その表面に固化することによりこれが捕捉され、ヘリウムガスから分離される。これによりヘリウムが精製される。
【0005】
【特許文献1】特開2005−291628号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記特許文献1のヘリウム精製器の銅製の微小球体は、それ自体の熱伝導性は高いが、隣接する球体同士は点接触となっており全体として熱伝導性が高くない。このため、微小球体を冷却したり、また捕捉され凝固している不純物を蒸発させて精製器より除去する場合に加熱したりする際に、多くの時間を要するという問題があった。
【0007】
本発明は、ヘリウムガス中の不純物を捕捉する部分の熱伝導性を改善することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のヘリウム精製器は、ヘリウムガスが通過する流路を形成する流路壁と、前記流路に配置され、冷熱源に接続され、通過するヘリウムガス中の不純物を冷却・固化して不純物を捕捉する第1の捕捉体とを有し、第1の捕捉体は、発泡金属材料である。発泡金属材料は、三次元網状構造を有する金属材料であり、材料中に多くの孔を有する多孔質材料となっている。それぞれの孔は連続しており、精製対象のガスはこの孔を通過し、その過程で不純物が冷却、固化されて、ヘリウムから分離される。
【0009】
発泡金属材料は、製造過程で、その孔径を変えることが可能であり、異なる孔径の材料を選択して配列することにより、流路において、下流ほど孔径を小さくすることができる。
【0010】
また、流路に配置され、冷熱源に接続され、通過するヘリウムガス中の不純物を冷却・固化して不純物を捕捉する第2の捕捉体であって、金属板である第2の捕捉体を有するようにすることができる。さらに、第1の捕捉体は、第2の捕捉体の下流に配置することができる。
【0011】
また、第1の捕捉体は、流路壁を介して冷熱源に接続されるものとでき、さらに、当該ヘリウム精製器は、第1の捕捉体の、上流側端面または下流側端面の少なくとも一方に、この端面に接して配置され、流路壁にも接し、当該第1の捕捉体を支持する支持部材を有するものとできる。
【0012】
さらに、固化されて第1の捕捉体に捕捉された不純物を蒸発させて当該ヘリウム精製器より除去するために、第1の捕捉体を加熱する温熱源を有するものとできる。
【0013】
また、流路壁は、二重に配置された内筒と外筒を有し、ヘリウムガスは、内筒内を通過した後、内筒と外筒の間の環状部分を通過するように形成し、内筒内に第2の捕捉体を配置し、内筒と外筒の間の環状部分に第1の捕捉体を配置するようにできる。
【0014】
さらに、外筒の第1の端部には、外筒の端を塞ぐ端面板が着脱可能に取り付けられ、第2の捕捉体は、この端面板に支持され、端面板を外筒より取り外す際に、これと一体に取り外される。また、外筒の第2の端部には、内筒の、外筒の第2の端部と同じ側の端部に設けられたフランジが、着脱可能に取り付けられ、第1の捕捉体は、内筒の外周面に固定されたフランジ状の支持部材に支持され、内筒を外筒より取り外す際に、内筒と一体に取り外される。
【0015】
さらに、第1の捕捉体は、内筒と外筒に接するようにでき、第1の捕捉体を支持する支持部材は、第1の捕捉体の、上流側端面または下流側端面の少なくとも一方に、この端面に接して配置され、外筒にも接するようにできる。
【0016】
さらに外筒を加熱する温熱源を設けることができる。
【発明の効果】
【0017】
捕捉体として発泡金属材料を用いることにより、捕捉体全体の熱伝導性が改善される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。図1は、本実施形態に係るヘリウム再液化装置10の系統図である。ヘリウム再液化装置10は、デュワー12で発生した高温(約300K)のヘリウムガスを高温回収管14を介して循環ポンプ16で回収し、さらに、第1および第2ガス供給管18,20により、コールドチャンバ22内の第1および第2冷凍機24,26に送り、ヘリウムはここで冷却されてデュワー12に送られる。二つの冷凍機24,26はギフォードマクマホンサイクル冷凍機とすることができる。
【0019】
第1ガス供給管18によりコールドチャンバ22内に送られたヘリウムガスは、第1精製器28および逆止弁30を通過して、第1冷凍機24に送られる。第1冷凍機24は、約40Kまで冷却する第1冷凍部24aと、約4Kまで冷却する第2冷凍部24bを有する。第1冷凍機24に送られたヘリウムガスは約4Kまで冷却されて凝縮器32に送られる。
【0020】
一方、第2ガス供給管20によりコールドチャンバ22内に送られたヘリウムガスは、第2精製器34および逆止弁36を通過して第2冷凍機26に送られる。第2冷凍機26も約40Kまで冷却する第1冷凍部26aと、約4Kまで冷却する第2冷凍部26bを有する。第2冷凍機26に送られたヘリウムガスは、第1冷凍部26aのみで約40Kまで冷却される。
【0021】
凝縮器32の内部は、第1および第2冷凍機の第2冷凍部24b,26bにより約4Kに保たれており、第1冷凍機24により冷却されたヘリウムガスは、ここで液化する。また、凝縮器32は、低温回収管38と返送管40が接続され、これらの配管の他端は、デュワー12に接続されている。デュワー12で発生した低温(約4〜10K)のヘリウムガスは、低温回収管38により凝縮器32に送られ、ここで液化される。液化された液体ヘリウムは、返送管40によりデュワー12に送られる。
【0022】
また、第2冷凍機26で、約40Kまで冷却されたヘリウムガスは、コールドチャンバ22から出た後、保冷管42を通ってデュワー12に送られる。低温回収管38、返送管40、保冷管42は、同軸に配置された多重配管を構成しており、中心の配管が返送管40となり、真空層を介して次の同心円状の環状部分が低温回収管38となり、さらに真空層を介して外側の環状部分が保冷管42となっている。この保冷管42に流れるヘリウムガスが、内部の各管を流れるヘリウムガスおよび液化ヘリウムを保冷する。
【0023】
第1ガス供給管18には、ヘリウムボンベ44がバルブを介して接続されている。ヘリウムボンベ44には、約300Kのヘリウムガスが蓄えられており、バルブを開くことにより、ヘリウムガスを第1ガス供給管18に補充することができる。補充されたヘリウムガスは、第1冷凍機24に送られて、約4Kまで冷却され、凝縮器32で液化され、デュワー12に送られる。また、第1および第2ガス供給管18,20には、排気ポンプ46が接続されている。この排気ポンプ46は、第1および第2精製器28,34に捕捉された不純物を除去するときに用いられる。これについては、後に詳述する。
【0024】
次に、第1および第2精製器28,34について図2を用いて説明する。これらの精製器は、コールドチャンバ22内に設けられ、その周囲がコールチャンバ内の冷気により冷やされている。本実施形態の装置に用いられる二つの精製器28,34は、同様の構成を有しており、以下の説明においては、第1精製器28についてのみ説明し、第2精製器34の説明は省略する。また、以下の説明において、「上」「下」を用いて方向を表すが、これらは図2における上下方向を表すものとして用い、必ずしも第1精製器28が設置された際の鉛直方向に一致するものではない。
【0025】
第1精製器28は、二重に、好ましくは同軸に配置された金属製の内筒50と外筒52を有する。内筒50は、アウタ50aとインナ50bを含む二重管であり、これらは上端部で環状の接合部材50cにより接合されている。内筒50の下端には、インナ50bの端面を塞ぐ端面板50dが取り付けられ、ここに第1ガス供給管18が接続されている。また、アウタ50aの下端には、外側に張り出した端面フランジ50eが設けられている。
【0026】
外筒52は、筒形状の筒体52aを含み、筒体52aの上端には、この端面を塞ぐ端面板52bがボルト締めにより取り付けられている。この筒体52aと端面板52bの接合面には、インジウムワイヤが配置され、この接合面の隙間がシールされている。外筒の筒体52aの下端には、内筒の端面フランジ50eがボルト締めにより取り付けられている。この接合面にも、インジウムワイヤが配置され、接合面の隙間がシールされている。
【0027】
第1ガス供給管18から第1精製器28に供給されたヘリウムガスは、内筒50の内側を通って、内筒の上端に達し、ここから外筒52と内筒50との間に形成された環状部分を通って下端に向かう。環状部分の下端部には配管54が接続されており、ヘリウムガスは、配管54を通って逆止弁30に向かう。逆止弁30は、第1精製器28から第1冷凍機24に向かう流れを許容し、これとは逆の向きの流れを止めるものである。
【0028】
内筒50内には、複数枚の金属製のフィン56が、外筒の端面板52bに固定された支柱58に支持されて、配置されている。個々のフィン56は、円板の外周の1箇所または複数箇所を切り欠いた形状となっており、その切り欠きが、上下の隣接するフィン同士において、異なる位置になるように配置されている。図示されている配置は、フィン56の切り欠きは、それぞれのフィンに1箇所であり、これが左右に交互に配列されるように、複数枚のフィン56が配置されている。また、隣接するフィン56同士の間隔は、下流に行くに従って狭くなっている。フィン56と、内筒のインナ50bの壁面の間には、真空グリスが塗布され、両者の間の熱伝導を良好なものとしている。第1ガス供給管18から供給されたヘリウムガスは、フィン56によって蛇行して内筒50内を流れる。よって、内筒50は、ヘリウムガスが流れる流路を形成する流路壁として機能する。ヘリウムガスが内筒50内を流れる間に、冷却されて、不純物がフィン56の表面上に凝結、凝固して、捕捉される。よって、フィン56は、ヘリウムガス中の不純物を捕捉する捕捉体として機能する。
【0029】
内筒50と外筒52の間の環状の空間には、発泡金属材料からなる捕捉体(以下、発泡金属捕捉体と記す。)60が配置されている。発泡金属捕捉体60は、円環形状であり、ヘリウムガスの流れの方向に対して多段に設けられ、図示する例では、6段に設けられている。発泡金属材料は、スポンジに見られるような三次元網構造を有し、網目の孔の部分は連続している。したがって、流体はこの孔の部分を通過することができる。円環形状の発泡金属捕捉体60の作製方法としては、板状の発泡金属材料から、円環形状に切り出してもよい。また、円環を二つ、又はそれ以上に分割した形状として板状材料から切り出し、これらを内筒50の周囲に配置して円環形状にまとめるようにしてもよい。分割した形状に切り出すことにより、無駄になる部分を少なくすることができる。分割された発泡金属の接合面、発泡金属と内筒50、外筒52など周囲の部材との接合面には、真空グリスまたはワニスが塗布されている。これにより、熱伝導を良好とし、またこれらの隙間をガスが流れることを防止し、発泡金属捕捉体60の細孔を通過するようにしている。
【0030】
また、発泡金属捕捉体60を構成する発泡金属材料の孔径は、下流の段に行くに従って小さく、細かくなるように配置できる。発泡金属材料としては、例えば住友電工社製のセルメット(商品名)を用いることができる。セルメット(商品名)は、孔径が8サイズあり、この中から適宜選択して、または全てのサイズを用いて、異なる孔径を有する発泡金属捕捉体60を多段に配置することができる。また、発泡金属材料を構成する金属としては、ニッケルまたはその合金や銅などを採用することができるが、他の金属であってもよい。
【0031】
発泡金属捕捉体60の、それぞれの段の間、および最上端と最下端には内筒50または外筒52の一方に固定され他方に接するフランジ62が設けられ、間に挟んでいる発泡金属捕捉体60を支持している。金属製のフランジ62は、多数の孔が設けられた金属板であり、流体はこの孔を通ってフランジ62を通過することができる。
【0032】
内筒50内を通ったヘリウムガスは、内筒50と外筒52の間にある発泡金属捕捉体60を通過して、下端に至る。よって、内筒50に加え外筒52もヘリウムガスが流れる流路を形成する流路壁として機能する。ヘリウムガスが発泡金属捕捉体60を通過する過程において、不純物が発泡金属捕捉体60の網状構造体の表面に凝結、凝固して、ここに捕捉される。不純物が取り除かれて、精製されたヘリウムガスが配管54を通して、第1冷凍機24に送られる。
【0033】
第1精製器28は、コールドチャンバ22内に配置され、外筒52の周囲が低温となっており、これを冷熱源として、外筒52、フランジ62および内筒50を介して発泡金属捕捉体60およびフィン56が冷却される。発泡金属捕捉体60は、三次元網構造を有しており、外筒52、フランジ62および内筒50に接する外側の表面が冷やされると、これが内部まで短時間で伝わり、早期に全体が冷却される。
【0034】
外筒52には、凝固した不純物を蒸発させ、第1精製器28内から除去するためにヒータ64が設けられている。凝固した不純物が多くなると、これが発泡金属捕捉体60の孔の部分を塞ぎ、ヘリウムガスが通過できなくなるか、またはその流量が大きく減少する。この不純物による詰まりを解消するために、ヒータ64により外筒を加熱し、この熱を直接またはフランジ62を介して発泡金属捕捉体60に伝えて、凝固した不純物を気化させる。このとき排気ポンプ46により、第1精製器28内で発生したガスを吸引する。逆止弁30の作用により、凝縮器32やデュワー12内のヘリウムガスが排気ポンプ46により吸引されることはない。
【0035】
この加熱においても、発泡金属捕捉体60の網構造により伝熱が良好であることから、早期に発泡金属捕捉体60内部まで熱が伝わり、第1精製器28内からの不純物の除去が短時間で行われる。
【0036】
図3は、第1精製器28を分解した状態を示す図である。外筒の筒体52aに対し、端面板52bを上方に取り外すと、支柱58を介して支持されているフィン56も一体となって上方に抜き取られる。また、外筒の筒体52aに対し、内筒50を下方に取り外すと、内筒50の外周に固定されたフランジ62および発泡金属捕捉体60も内筒50と一体となって、外筒52から抜き出される。外筒の筒体52aと、内筒50および発泡金属捕捉体60と、端面板52bおよびフィン56の三つの部分が溶接によらず結合されているため、分解することができ、維持管理の作業を簡素化することができる。また、組み立ても容易である。また、分解される上記三つの部分の互いの接合部分は、真空グリス等が塗布されており、分解性を確保すると同時に、良好な熱伝導性も獲得している。
【0037】
以上のように、本実施形態においては、不純物の捕捉体として3次元網構造を有する発泡金属材料を用いることで、熱伝導性を良好とし、捕捉体の冷却、また不純物除去の際の加熱を短時間で行うことができる。また、本実施形態においては、発泡金属捕捉体の上流に金属板からなる捕捉体(フィン56)を設けているが、不純物の混入が少ないなどの条件が満たされれば、発泡金属捕捉体のみにより不純物の捕捉を行うようにできる。また、本実施形態の精製器は、内筒、外筒を有する二重管の構成を有するが、設置スペースとの兼ね合いで、一つの管の中を1方向に流れるようにすることもできる。
【0038】
また、発泡金属材料の孔径は、下流に行くに従って、小さくすることができる。不純物の捕捉量は、上流側の捕捉体の方が多くなり、固化した不純物による詰まりを防止するために上流側の孔径は大きくする。下流においては、ガスと捕捉体の接触面積を増加させるために、孔径を小さく、細かなものとする。これにより、より効率よく不純物を捕捉することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】ヘリウム再液化装置の系統図である。
【図2】精製器の詳細構造を示す断面図である。
【図3】精製器を分解した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0040】
10 ヘリウム再液化装置、12 デュワー、16 循環ポンプ、18 第1ガス供給管、20 第2ガス供給管、24 第1冷凍機、26 第2冷凍機、28 第1精製器、34 第2精製器、44 ヘリウムボンベ、46 排気ポンプ、50 内筒、52 外筒、56 フィン(金属板捕捉体)、60 発泡金属捕捉体、62 フランジ、64 ヒータ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘリウムガス中の不純物を冷却・固化して捕捉し、ヘリウムを精製するヘリウム精製器であって、
ヘリウムガスが通過する流路を形成する流路壁と、
前記流路に配置され、冷熱源に接続され、通過するヘリウムガス中の不純物を冷却・固化して不純物を捕捉する第1の捕捉体と、
を有し、
前記第1の捕捉体は、発泡金属材料である、
ヘリウム精製器。
【請求項2】
請求項1に記載のヘリウム精製器であって、
第1の捕捉体は流路に沿って複数設けられ、下流に配置されるものほど孔径が小さい、
ヘリウム精製器。
【請求項3】
請求項1または2に記載のヘリウム精製器であって、前記流路に配置され、冷熱源に接続され、通過するヘリウムガス中の不純物を冷却・固化して不純物を捕捉する第2の捕捉体を有し、第2の捕捉体は金属板である、ヘリウム精製器。
【請求項4】
請求項3に記載のヘリウム精製器であって、第1の捕捉体は、第2の捕捉体より下流に配置される、ヘリウム精製器。
【請求項5】
請求項1に記載のヘリウム精製器であって、
第1の捕捉体は、流路壁を介して冷熱源に接続され、
さらに、第1の捕捉体の、上流側端面または下流側端面の少なくとも一方には、この端面に接して配置され、流路壁にも接し、当該第1の捕捉体を支持する支持部材を有する、
ヘリウム精製器。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のヘリウム精製器であって、固化されて捕捉体に捕捉された不純物を蒸発させて当該ヘリウム精製器より除去するために、第1の捕捉体を加熱する温熱源を有する、ヘリウム精製器。
【請求項7】
請求項3に記載のヘリウム精製器であって、
流路壁は、二重に配置された内筒と外筒を有し、ヘリウムガスは、内筒内を通過した後、内筒と外筒の間の環状部分を通過し、
第2の捕捉体は内筒内に配置され、第1の捕捉体は内筒と外筒の間の環状部分に配置される、
ヘリウム精製器。
【請求項8】
請求項7に記載のヘリウム精製器であって、
外筒の第1の端部には、外筒の端を塞ぐ端面板が着脱可能に取り付けられ、
第2の捕捉体は、この端面板に支持され、端面板を外筒より取り外す際に、これと一体に取り外され、
外筒の第2の端部には、この外筒の第2の端部と同じ側の内筒の端部に設けられたフランジが、着脱可能に取り付けられ、
第1の捕捉体は、内筒の外周面に固定されたフランジ状の支持部材に支持され、内筒を外筒より取り外す際に、内筒と一体に取り外される、
ヘリウム精製器。
【請求項9】
請求項8に記載のヘリウム精製器であって、
第1の捕捉体は、内筒と外筒に接し、
前記支持部材は、第1の捕捉体の、上流側端面または下流側端面の少なくとも一方に、この端面に接して配置され、外筒にも接している、
ヘリウム精製器。
【請求項10】
請求項9に記載のヘリウム精製器であって、外筒を加熱する温熱源を有する、ヘリウム精製器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−1539(P2008−1539A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−171003(P2006−171003)
【出願日】平成18年6月21日(2006.6.21)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成17年度、独立行政法人科学技術振興機構、大学発ベンチャー創出推進事業、「長期連続運転可能なMEG用低ノイズ高効率ヘリウム循環装置」、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受けるもの)
【出願人】(504137912)国立大学法人 東京大学 (1,942)
【Fターム(参考)】