説明

ベッドサイド端末装置及びベッドサイド情報システム

【課題】ベッドサイド端末装置から病院内の医療情報システムと外部のネットワークの両方を安全にアクセスできるようにすることである。
【解決手段】ベッドサイド端末装置11は、パスワード等を入力するためのキー入力部、テレビ番組を表示するための表示部等を備え、病院内の医療情報システムのアクセス機能、インターネットのアクセス機能、テレビの映像信号の受信機能等を有する。切替ユニット12は、インターネットに接続するか、病院内のイントラネットに接続するか、テレビアンテナ13で受信されるテレビの映像信号をベッドサイド端末装置11に出力するを切り換える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、病院内のベッドの近くに置かれるベッドサイド端末装置及びベッドサイド情報システムに関する。
【背景技術】
【0002】
患者のカルテを電子化して、病院の医療スタッフがパーソナルコンピュータ等によりアクセスできるようにし、業務の効率化を図ることが行われている。
また、入院患者を医師が病院内を巡回して診察するときに、個々の患者の医療情報、あるいは治療に関する医療情報を診察現場で医師が直接入手できるような医療情報の提供システムも考えられている。
【0003】
特許文献1には、入院患者のベッドサイドに設置される患者用端末装置を利用して、医療スタッフが患者の医療情報を得ることができるようにすることが記載されている。
また、特許文献2には、患者及び医療スタッフがベッドサイド端末を利用して医療情報を入手できるようにし、さらに、患者がベッドサイド端末を利用してビデオ情報や映像情報を見ることができるようにすることが記載されている。
【0004】
入院患者が家庭に居るのと同じように生活できるように、パソコンを利用してインターネットをアクセスでき、メールの送受信も行えるようにすることが望まれている。
【特許文献1】特許第3336241号公報
【特許文献2】特開2000−285181号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ベッドサイド端末装置が、病院内のシステムにのみ接続できるときには問題は発生しないが、インターネット等の外部のネットワークと接続できるようにすると、外部のネットワークから病院内の医療情報システムに対して不正なアクセスが行われる可能性がある。そのため、外部からの医療情報システムに対するアクセスを遮断する手段を設ける必要があり、セキュリティの確保を含めたシステム管理に手間がかるという問題点があった。
【0006】
本発明の課題は、ベッドサイド端末装置から病院内の医療情報システムと外部のネットワークを安全にアクセスできるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のベッドサイド端末装置は、病院内のベッドの近くに置かれるベッドサイド端末装置であって、病院内の医療情報を提供する医療情報システムへの接続と、外部のネットワークへの接続と、テレビの映像信号の供給の何れかを切り換える切替装置を有し、前記切替装置は、病院内の医療情報システムに対するアクセス許可が得られた場合には、前記ベッドサイド端末装置を前記医療情報システムにのみ接続し、外部のネットワークとの接続の許可が得られた場合には、前記ベッドサイド端末装置を外部のネットワークにのみ接続する。
【0008】
この発明によれば、病院内の医療情報システムが外部のネットワークと直接接続されないので、外部のネットワークを自由にアクセスでき、かつ病院内の医療情報システムに対する外部からの不正なアクセスを防止できる。
【0009】
ベッドサイド端末装置は、例えば、図1のベッドサイド端末装置11及び切替ユニット12に対応し、切替装置は切替ユニット12に対応する。
本発明のベッドサイド端末装置の他の態様は、前記切替装置がテレビの映像信号を前記ベッドサイド端末装置に出力している場合には所定時間単位または日単位で課金を行い、前記切替装置がインターネットに前記ベッドサイド端末装置を接続している場合には所定時間単位または日単位で課金を行う課金手段を有する。
【0010】
このように構成することでベッドサイド端末装置を利用してテレビを視聴した場合、あるいはインターネットを利用した場合に利用用途に応じて適正に課金することができる。
本発明のベッドサイド端末装置の他の態様は、所定のIDコードとパスワードがベッドサイド端末装置から入力されたときインターネットとの接続を許可する信号を前記切替装置に出力するインターネット制御装置と、所定のIDコードとパスワードがベッドサイド端末装置から入力されたとき、病院内の医療情報システムへの接続を許可する信号を前記切替装置に出力するイントラネット制御装置とを有する。
【0011】
このように構成することで所定のIDコードとパスワードが入力されインターネットへの接続または医療情報システムへのアクセス許可されたとき、インターネット制御装置またはイントラネット制御装置から出力される信号に基づいてベッドサイド端末装置の接続先を切り換えることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、病院内の医療情報システムと外部のネットワークが直接接続されないので、病院内の医療情報システムに対する外部のネットワークからの不正なアクセスを防止し、かつ入院患者がベッドサイド端末装置を外部のネットワークに接続することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、実施の形態の病院内のベッドサイド情報システムのシステム構成図である。
ベッドサイド端末装置11は、IDコード、パスワード等を入力するためのキー入力部と、テレビ番組、インターネットの情報等を表示するための表示部等を備え、切替ユニット12と有線または無線より接続され、病院内の医療情報システムのアクセス機能、インターネットのアクセス機能、テレビの映像信号の受信機能等を有する。このベッドサイド端末装置11は、ベッドの近くに置かれる収納ラックに収納され、あるいは伸縮可能なアーム状の部材を有し、そのアームがベッドの構造部材に取り付けられる。
【0014】
切替ユニット12は、インターネットに接続するか、病院内のイントラネットに接続するか、テレビアンテナ13で受信されるテレビの映像信号をベッドサイド端末装置11に出力するかの切り換えを行う。
【0015】
課金機14は、課金カードの挿入口を有し、挿入された課金カードの残高を確認し、残高が所定以上あるときには、切替ユニット12からの問い合わせに対してテレビの視聴が可能であることを示す信号を出力する。
【0016】
切替ユニット12は、ベッドサイド端末装置11からテレビの視聴要求があった場合、課金機14に視聴に必要な残高が課金カードに存在するか否かを問い合わせ、課金機14から残高が所定以上あって、視聴可能であることを示す応答信号を受信したなら、そのベッドサイド端末装置11にテレビの映像信号を出力する。また、課金機14から残高が不足し、課金できないとの応答信号を受信した場合には、テレビの映像信号をベッドサイド端末装置11に出力しないような制御を行う。
【0017】
インターネットPC制御部15は、インターネットへの接続の可否を決定する。インターネットPC制御部15は、ベッドサイド端末装置11から入力されるIDコードとパスワードをインターネット管理サーバ16に送信し、そのIDコードとパスワードのユーザがインターネット接続の契約を行っているか否かを確認する。IDコードとパスワードが登録されているデータと一致した場合には、切替ユニット12へ出力するインターネット信号をオンにしてインターネットへのアクセスが可能であることを通知し公衆回線17に接続する。
【0018】
イントラネットPC制御部18は、病院内のイントラネットに接続される電子カルテサーバ19及び各種アプリケーションサーバ20との接続の可否を決定する。電子カルテサーバ19に対するアクセスは、医療スタッフ及び入院患者に割り当てられているIDコードとパスワードによりアクセス範囲が制限されており、許可されている範囲の医療データのみアクセスすることができる。各種アプリケーションサーバ20は、イントラネットを介して種々の映像、音楽などのコンテンツを提供する。
【0019】
次に、図2は、切替ユニット12の構成を示す図である。切替スイッチ21は、テレビとインターネットPC制御部15及びイントラネットPC制御部18との切替を行うスイッチである。この切替スイッチ21は、ベッドサイド端末装置11を使用する人が直接操作するスイッチでもよいし、ベッドサイド端末装置11側からの操作によりオン、オフするスイッチでも良い。
【0020】
切替部22は、切替スイッチ21の設定と、制御部23の指示に従って回線制御部24から出力されるTVアンテナ信号、イントラネットのデータ、あるいはインターネットのデータの内の1つを選択してベッドサイド端末装置11に出力する。メモリ部25は、切替スイッチ21の状態を示すフラグSW_flag、テレビ視聴の課金、インターネット接続の課金が可能か否を問い合わせる課金信号kakin等を記憶する。
【0021】
次に、以上のような構成の切替ユニット11の処理動作を図3及び図4のフローチャートを参照して説明する。以下の処理は、切替ユニット11の制御部23により実行される。
【0022】
図3は、切替スイッチ21の検出処理のフローチャートである。図3のステップS11において、切替スイッチ21がオンか、オフかを判別する。切替スイッチ21がオンのときには(S11,ON)、ステップS12に進み、フラグSW_flagに「1」を設定する。他方、切替スイッチ21がオフのときには(S11,OFF)、ステップS13に進み、フラグSW_flagに「0」を設定する。
【0023】
図4のステップS21において、イントラネットPC制御部18から出力されるイントラネット信号がオンか否か、つまりイントラネットへの接続が許可されているか否かを判別する。
【0024】
イントラネットPC制御部18は、ベッドサイド端末装置11から出力されるIDコード及びパスワードが電子カルテサーバ19により認証された場合に、イントラネットへのアクセスを許可するためにイントラネット信号をオンにする。
【0025】
イントラネット信号がオンでなけば(S21,NO)、ステップS22に進み、フラグSW_flagが「0」か否かを判別する。
フラグSW_flagが「0」のときには(S22,YES)、テレビ視聴が選択されている場合であるので、ステップS23に進みインターネット信号をオフにし、次のステップS24で、TV信号がオンか否か、つまりテレビの映像信号が入力しているか否かを判別する。TV信号がオンでないときには、ステップS24の判別を繰り返す。
【0026】
ステップS24でTV信号がオンと判別されたときには(S24,YES)、ステップS25に進み、課金機14にテレビ視聴の課金が可能か否かを問い合わせる課金信号kakin=1を出力する。次のステップS26において、課金機14からの応答があったか否かを判別する。課金機14からの応答がなければ、ステップS26の判別を繰り返す。
【0027】
他方、課金機14から応答があったときには(S26、YES)、ステップS27に進み、応答信号がka_flag=1か否かを判別する。
応答信号がka_flag=1のとき(S27,YES)、すなわち、課金機14に挿入された課金カードの残高が所定金額(例えば、0円)より大きいときには、ステップS28に進み、TVの映像及び音声信号をベッドサイド端末装置11に出力する。
【0028】
上記の処理により、課金カードの残高が一定以上あるときには、ベッドサイド端末装置11を利用して好みの番組を視聴することができる。
ステップS27において、フラグka_flagが「1」でないと判別されたとき(S27,NO)、つまり課金カードに残高がないときには、ステップS29に進み、TV信号をオフ、つまりテレビの映像信号をベッドサイド端末装置11へ出力しないようにする。
【0029】
上記の処理により、課金カードの残高が所定金額以上のときには、ベッドサイド端末装置11によりテレビ視聴が可能となり、課金カードの残高が所定値未満となると、ベッドサイド端末装置11でのテレビの視聴ができなくなる。
【0030】
ステップS22で、フラグSW_flagが「0」ではないと判別された場合には(S22,NO)、ステップS30に進み、TV信号をオフにして、次のステップS31で、インターネット信号がオンか否か、つまりインターネットPC制御部15からインターネットへの接続を許可する信号が出力されたか否かを判別する。インターネット信号がオフであれば、ステップS31の判別を繰り返す。
【0031】
他方、インターネット信号がオンのときには(S31,YES)、ステップS32に進み、課金機14に課金信号kakin=2を送信し、インターネット接続に対する課金が可能か否かを問い合わせる。そして、課金機14から応答信号があったか否かを判別する(S33)。応答信号なければ、ステップS33の判別を繰り返す。
【0032】
課金機14から応答信号が有ったときには(S33,YES)、ステップS34に進み、応答信号ka_flagが「1」か否かを判別する。
課金機14の応答信号ka_flagが「1」のとき(S34,YES)、つまり課金カードの残高がある場合には、ステップS35に進み、インターネットに接続し、インターネットのウェブサイトの表示データをベッドサイト端末装置11に送信する。
【0033】
ステップS34の判別で、課金機14の応答信号ka_flagが「0」と判別されたとき(S34,NO)、つまり課金カードに残高がないときには、ステップS36に進み、インターネット信号をオフにしインターネットへの接続を行わない。
【0034】
上記のステップS30〜S36の処理により、ベッドサイド端末装置11からのインターネットへの接続要求に対して課金カードを利用して適正な課金を行うことができる。
ステップS21において、イントラネット信号がオンと判別されたとき(S21,YES)、つまり、ベッドサイド端末装置11からイントラネットへの接続要求があり、それに対してイントラネットPC制御部18からイントラネットへの接続を許可する信号が出力されたときには、ステップS37に進み、インターネット信号とTV信号をオフにする。
【0035】
上記のステップS37の処理により、ベッドサイド端末装置11がイントラネットに接続されるときには、インターネットとの接続は切断されるのでインターネットと病院内のイントラネットが直接接続されるのを防止できる。
【0036】
次に、課金機14に課金信号kakin=0を送信する(S38)。そして、課金機14から応答信号があったか否かを判別する(S39)。課金機14から応答が無ければ、ステップS39の判別を繰り返す。
【0037】
課金機14から応答があったときには、ステップS40に進み、アクセスが許可されている電子カルテのメニューまたは各種アプリケーションサーバ20が提供しているコンテンツのメニューをベッドサイド端末装置11の表示部に表示させる。
【0038】
次に、図5は、課金機14の処理を示すフローチャートである。最初に、切替ユニット12からの課金信号kakinを受信する(図5,S51)。
次に、受信した課金信号kakinが「0」か否かを判別する(S52)。課金信号kakinが「0」でなければ(S52,NO)、ステップS53に進み、課金カードが課金機14のカード挿入口に挿入されているか否かを判別する。
【0039】
課金カードが挿入されているときには(S53,YES)、ステップS54に進み、課金カードの残高が0円か否かを判別する。
課金カードの残高が0円ではないときには(S54,NO)、ステップS55に進み、課金信号kakinが「1」か否かを判別する。
【0040】
課金信号kakinが「1」のときには(S55,YES)、つまり、テレビを視聴するための残高があるか否かを問い合わせる課金信号を受信した場合には、ステップS56に進み、課金カードの残高を1時間毎に所定金額づつ減らしていく。そして、減算後の課金カードの残高が0円か否か判別する(S57)。
【0041】
ステップS55で課金信号kakinが「1」でないと判別されたときには(S55、NO)、ステップS58に進み、課金信号kakinが「2」か否かを判別する。
ステップS58で課金信号kakinが「2」と判別されたときには(S58,YES)、つまりインターネットに接続するための残高があるか否かを問い合わせる課金信号を受信した場合には、ステップS59に進み、1日単位で課金カードの残高から所定金額を減算する。その後、ステップS57の処理を実行する。
【0042】
ここで、図6(A)、(B)を参照して課金信号kakinとその応答信号ka_flagについて説明する。
ベッドサイド端末装置11でテレビを視聴するために切替スイッチ21がオンされると、切替ユニット12から、テレビを視聴するための残高が課金カードにあるか否かを問い合わせる課金信号kakin=1が課金機14に対して出力される。
【0043】
また、ベッドサイド端末装置11からインターネットの接続要求があった場合には、切替ユニット12からインターネット接続に必要な残高が課金カードにあるか否を問い合わせる課金信号kakin=2が課金機14に対して出力される。
【0044】
さらに、ベッドサイド端末装置11からイントラネットの接続要求があった場合には、切替ユニット12から課金信号kakin=0が課金機14に対して出力される。
課金機14は、現在課金中で課金カードに残高がある場合には、課金中であることを示す応答信号ka_flag=1を出力する。また、課金カードの残高が0円の場合には、課金停止を示す応答信号ka_flag=0を出力する。また、イントラネットに接続する場合には、課金なしであることを示す応答信号ka_flag=2を出力する。
【0045】
図5に戻り、ステップS57でカード残高が0円ではないと判別された場合には(S57,NO)、ステップS60に進み、切替ユニット12へ課金中であることを示す応答信号であるka_flag=1を送信し、その後ステップS55に戻る。
【0046】
ステップS57でカード残高が0円と判別されたときには(S57,YES)、ステップS61に進み、課金カードをリジェクトする。
ステップS61の次、またはステップS53で課金カードが挿入されていないと判別されたときには(S53,NO)、ステップS62に進み、課金停止の応答信号ka_flag=0を切替ユニット12へ送信する。
【0047】
この課金停止の応答信号kakin=0を受信すると、切替ユニット12は、ベッドサイド端末装置11に対するテレビの映像信号の出力及びインターネットの接続を中止する。
【0048】
ステップS52で課金信号kakinが「0」と判別されたときには(S52,YES)、つまりイントラネットへの接続要求であった場合には、ステップS63に進み、切替ユニット12に課金なしの応答信号ka_flag=2を出力する。
【0049】
すなわち、イントラネットPC制御部18からイントラネットへの接続を許可する信号(イントラネット信号オン)が出力され、課金機14から応答信号ka_flag=2を受信した場合には、切替ユニット12は、ベッドサイド端末装置11をイントラネットに接続し電子カルテをアクセスできるようにする。
【0050】
次に、図7(A)、(B)は、イントラネットPC制御部18の処理内容を示すフローチャートである。
ベッドサイド端末装置11またはイントラネットPC制御部18にICカードが挿入されたことが検出されると、図7(A)のICカード認識割り込み処理が実行され、ICカードのカード情報が適正か否かを判断し、適正であればICcard_flagに「1」をセットする(図7(A)、S71)。
【0051】
次に、ICcard_flagが「1」か否かを判別する(図7(B)、S72)。ICcard_flagが「1」でなければ、ステップS72の判別を繰り返す。
他方、ICcard_flagが「1」と判別されたときには(S72,YES)、すなわち、挿入されたICカードが適正なカードであった場合には、ステップS73に進み、ベッドサイド端末装置11のキー入力部から入力されるIDコードとパスワードが、電子カルテのアクセス権を有するユーザのIDコード及びパスワードと一致するか否か及びそのユーザに対して許可されているアクセス範囲を確認する。
【0052】
IDコード及びパスワードが、予め登録されているIDコード及びパスワードと一致しない場合には(S73,NO)、ステップS74に進み、ICcard_flagを「0」にクリアする。エラー表示をし(S75)、ステップS72に戻る。
【0053】
入力されたIDコード及びパスワードが登録されているID及びパスワードと一致した場合には(S73,YES)、ステップS76に進み、イントラネットへの接続を許可するためにイントラネット信号をオンにして切替ユニット12に送信する。
【0054】
次に、入力されたIDコードのユーザに対して許可されている電子カルテのメニューを表示し業務処理を開始する(S77)。
次に、ベッドサイド端末装置11のユーザにより要求された電子カルテのデータを電子カルテサーバ19から読み出し、ベッドサイド端末装置11に出力する(S78)。
【0055】
上記のステップS78の処理により、医療スタッフ及び患者が、各人がアクセスが許可されている範囲で電子カルテをアクセスして必要な医療情報を入手することができる。
次に、ユーザがイントラネットの接続の終了操作を行ったか否かを判別する(S79)。イントラネットの接続の終了操作が行われていなければ、ステップS78に戻る。
【0056】
他方、終了操作が行われた場合には(S79,YES)、ステップS80に進み、電子カルテへのアクセスを終了し、次のステップS81で切替ユニット12に出力するイントラネット信号をオフにする。
【0057】
次に、図8は、インターネットPC制御部15の処理内容を示すフローチャートである。
インターネット接続画面でIDコードとパスワードが入力されたなら(図8,S91)、入力されたIDコード及びパスワードが予め登録されているIDコード及びパスワードと一致するか否かをチェックする(S92)。IDコードとパスワードが一致しないときには(S92,NG)、ステップS93に進みエラー表示をし、ステップS91に戻る。
【0058】
他方、入力されたIDコード及びパスワードが登録されているIDコードとパスワードと一致したときには(S92,OK)、ステップS94に進み、切替ユニット12へ送信するインターネット信号をオンにする。
【0059】
そして、公衆回線17への接続を行いインターネット接続を開始し(S95)、アプリケーションサーバ20により提供される種々のコンテンツや電子メールの送受信を可能にする(S96)。
【0060】
次に、インターネットの接続終了の操作が行われたか否かを判別する(S97)。終了の操作が行われていなければ、ステップS97の判別を繰り返す。
インターネット接続の終了操作が行われたときには(S97,YES)、ステップS98に進み、回線を切断し、次のステップS99で、切替ユニット12に送信するインターネット信号をオフにする。
【0061】
次に、ベッドサイド端末装置11からイントラネットやインターネットをアクセスするときの動作と、テレビを視聴するときの動作を図9を参照して説明する。
イントラネット上で提供されている電子カルテをアクセスする場合には、最初にベッドサイド端末装置11の電源をオンする(図10(A),S101)。次に、イントラネットPC制御部18が、ICカードの認識、IDコード及びパスワードの認証を行った後、アクセス権限のある電子カルテのデータをベッドサイド端末装置11に出力する(S102)。
【0062】
アクセスを終了するときには、イントラネットPC制御部18が業務処理を終了する(S103)。そして、ベッドサイド端末装置11の電源をオフにする(S104)。
インターネットをアクセスする場合には、最初にベッドサイド端末装置11の電源をオンにする(図9(B)、S111)。次に、切替ユニット12のテレビ視聴とインターネット接続/イントラネット接続とを切り換える切替スイッチ21を、インターネット/イントラネット接続側(PC制御側)に切り換える(S112)。次に、課金機14に課金カードを挿入する(S113)。
【0063】
インターネットPC制御部15が、ベッドサイド端末装置11から入力されたIDコード及びパスワードが登録されているIDコード及びパスワードと一致するか否かを判別し、両者が一致した場合には、インターネットの接続を実行する(S114)。さらに、インターネットの接続料金を1日単位で課金する(S115)。
【0064】
インターネットの接続を終了する場合には、インターネットPC制御部15が、インターネットとの回線の接続を切断する(S116)。課金機14から課金カードを抜き取り(S117)、課金機14は課金を停止する(S118)。最後に、ベッドサイド端末装置11の電源をオフにする(S119)。
【0065】
次に、テレビを視聴する場合には、最初にベッドサイド端末装置11の電源をオンにし(図9(C)、S121)、課金機14に課金カードを挿入する(S122)。
ユーザが切替ユニット12の切替スイッチ21をテレビの視聴側に切り換え、課金カードに残高が存在すると、ベッドサイド端末装置11の表示部にテレビの映像が表示される(S123)。テレビの映像を表示させると同時に1時間単位で課金が開始される(S124)。
【0066】
テレビの視聴を終了する場合には、ユーザが課金機14から課金カードを抜き取ると(S125)、課金機14は、切替ユニット12にテレビの映像信号の出力を中止させ、課金を停止する(S126)。そして、ベッドサイド端末装置11の電源がオフされる(S127)。
【0067】
上述した実施の形態によれば、ベッドサイド端末装置11からインターネットと病院内のイントラネットの両方にアクセスできるようにした場合に、インターネットとイントラネットが直接接続されないようにしたので、インターネットを介して外部から病院内の医療情報システムが不正にアクセスされるのを防止できる。これにより、病院内の医療情報システムを外部のネットワークと完全に分離できるので病院内の医療情報システムのセキュリティ管理が容易になる。
【0068】
また、切替ユニット12に接続された課金機14によりベッドサイド端末装置11でテレビを視聴しているときの課金、インターネットに接続しているときの課金を利用用途に応じて適正に行うことができる。
【0069】
本発明は上述した実施の形態に限らず、例えば、以下のように構成しても良い。
(1)実施の形態では、ベッドサイド端末装置11と別に切替ユニット12、課金機14,インターネットPC制御部15,イントラネットPC制御部18を設けているが、これらの一部又は全部をベッドサイド端末装置11と一体に構成しても良い。
(2)切替ユニット12の構成は、図2に示したものに限らず他の構成でも良い。例えば、切替スイッチ21を設けずに切替部22が全ての切り換えを行うようにしても良い。
(3)病院内の医療情報システムへの接続、外部のネットワークへの接続、あるいはテレビの視聴への切り換えを行うための個人の認証方法は、実施の形態に述べたIDとパスワードを入力する方法に限らず、鍵の差し込み口と、鍵を検出する手段をベッドサイド端末装置11、あるいは切替ユニット12に設け、特定の鍵が差し込まれたときのみ医療情報システムまたは外部のネットワークへのアクセス、あるいはテレビの視聴の何れかが可能となるようにしても良い。あるいは、ICカード、RFID、生体認証手段等により個人の認証を行い、認証が得られた人のみが医療情報システム、外部のネットワーク、あるいはテレビの視聴ができるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】ベッドサイド情報システムのシステム構成図である。
【図2】切替ユニットの構成図である。
【図3】切替スイッチの検出処理のフローチャートである。
【図4】切替ユニットの処理のフローチャートである。
【図5】課金機の処理のフローチャートである。
【図6】課金信号と応答信号の説明図である。
【図7】イントラネットPC制御部の処理のフローチャートである。
【図8】インターネットPC制御部の処理のフローチャートである。
【図9】ベッドサイド端末の動作説明図である。
【符号の説明】
【0071】
11 ベッドサイド端末装置
12 切替ユニット
14 課金機
15 インターネットPC制御部
16 インターネット管理サーバ
18 イントラネットPC制御部
19 電子カルテサーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
病院内のベッドの近くに置かれるベッドサイド端末装置であって、
病院内の医療情報を提供する医療情報システムへの接続と、外部のネットワークへの接続と、テレビの映像信号の供給の何れかを切り換える切替装置を有し、
前記切替装置は、病院内の医療情報システムに対するアクセス許可が得られた場合には、前記ベッドサイド端末装置を前記医療情報システムにのみ接続し、外部のネットワークとの接続の許可が得られた場合には、前記ベッドサイド端末装置を外部のネットワークにのみ接続するベッドサイド端末装置。
【請求項2】
前記切替装置がテレビの映像信号を前記ベッドサイド端末装置に出力している場合には所定時間単位または日単位で課金を行い、前記切替装置がインターネットに前記ベッドサイド端末装置を接続している場合には所定時間単位または日単位で課金を行う課金手段を有する請求項1記載のベッドサイド端末装置。
【請求項3】
所定のIDコードとパスワードがベッドサイド端末装置から入力されたときインターネットとの接続を許可する信号を前記切替装置に出力するインターネット制御装置と、
所定のIDコードとパスワードがベッドサイド端末装置から入力されたとき、病院内の医療情報システムへの接続を許可する信号を前記切替装置に出力するイントラネット制御装置とを有する請求項1または2記載のベッドサイド端末装置。
【請求項4】
病院内のベッドの近くに置かれるベッドサイド端末装置から病院内の医療情報システムへのアクセスが可能なベッドサイド情報システムであって、
病院内の医療情報を提供する医療情報システムへの接続と、外部のネットワークへの接続と、テレビの映像信号の供給の何れかを切り換える切替装置を有し、
前記切替装置は、病院内の医療情報システムに対するアクセス許可が得られた場合には、前記ベッドサイド端末装置を前記医療情報システムにのみ接続し、外部のネットワークとの接続の許可が得られた場合には、前記ベッドサイド端末装置を外部のネットワークにのみ接続するベッドサイド情報システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−20877(P2006−20877A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−202390(P2004−202390)
【出願日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】