説明

ベッド装置

【課題】ベッド装置のマットレスは、長期に亘って使用しているうちに臭い成分が付着し
て不快に感じる。また、マットレス上に複数のエアーバッグを有するエアーマッサージ用
マットを敷いた場合、単一の空気吸排気装置によって、マットレスの脱臭と共に、エアー
バッグの膨張収縮を行なう新規なエアーマッサージ装置を提供する。
【解決手段】ベッド用のマットレス内に組み込まれマットレス内の空間の空気を吸排気す
るエアーマッサージ装置兼用の空気吸排気装置を備え、空気吸排気装置は、マットレス内
の空間の空気を吸い込んで圧縮する空気圧縮部と、この空気圧縮部で圧縮した空気を消音
器を通して空気送出部からマットレス内の空間へ供給する空気通路を備え、消音器にプラ
ズマ放電にて臭気成分を電気化学的に分解する高電圧放電電極を収納したこと。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マットレス内の空間の空気を吸排気する空気吸排気装置を備えたベッド装置
に関する。また、本発明は、ベッド装置のマットレス上に複数のエアーバッグが並列配置
されたエアーマッサージ用マットを敷いたベッド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のエアーバッグが並列配置されたマットの前記エアーバッグに空気を吸排気する空
気吸排気装置を備え、前記空気吸排気装置の動作による前記エアーバッグの膨張収縮によ
って、前記マット上に横たわった人体のマッサージを行なうエアーマッサージ装置がある
。(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−87820号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ベッド装置のマットレスは、長期に亘って使用しているうちに臭い成分が付着して不快
に感じることがある。本発明では、マットレス内の空間の空気を吸排気する空気吸排気装
置を設け、この空気吸排気装置に、臭い成分を高電圧放電によって電気化学的に分解する
脱臭機能を備えることにより、マットレスの脱臭を行なうものである。
【0004】
一般に、臭い成分を高電圧放電によって電気化学的に分解することは、例えば、特開2
003−147828号公報や特開平8−266854号公報等によって周知であるが、
本発明は、脱臭機能部を空気吸排気装置の特定部分に適用することによって、空気吸排気
装置の安定した吸排気動作を維持すると共に、装置の小型化とコストダウンを図り、快適
にマットレスを使用できるようにするものである。
【0005】
また、本発明は、マットレス上に複数のエアーバッグが並列配置されたエアーマッサー
ジ用マットを敷いたベッド装置とし、脱臭機能部を空気吸排気装置の特定部分に適用した
単一の空気吸排気装置を採用して、マットレスの脱臭を行なうと共に、エアーバッグの膨
張収縮によってマットレス上に横たわった人体のマッサージを行なう新規なエアーマッサ
ージ装置付きベッド装置を提供するものであり、それによって、空気吸排気装置の安定し
た吸排気動作の維持と共に、装置の小型化とコストダウンを図ることができる新規なエア
ーマッサージ機能を備えたベッド装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、ベッド用のマットレス内に組み込まれ前記マットレス内の空間の空気を
吸排気する空気吸排気装置を備え、前記空気吸排気装置は、前記マットレス内の空間の空
気を吸い込んで圧縮する空気圧縮部と、この空気圧縮部で圧縮した空気を消音器を通して
空気送出部から前記マットレス内の空間へ供給する空気通路を備え、前記消音器にはプラ
ズマ放電によって臭気成分を電気化学的に分解する高電圧放電電極を収納したことを特徴
とする。
【0007】
第2の発明は、ベッド用のマットレスと、前記マットレスの上に敷かれるマットを備え
、前記マットレス内の空間の空気を吸排気する空気吸排気装置を備え、前記マットは前記
空気吸排気装置の動作によって膨張収縮する複数のエアーバッグが並列配置され、前記空
気吸排気装置は、前記マットレス内の空間の空気を吸い込んで圧縮する空気圧縮部と、こ
の空気圧縮部で圧縮した空気を消音器を通して空気送出部へ供給する空気通路を備え、前
記空気送出部は、前記複数のエアーバッグへ圧縮空気を分配する空気分配部と、前記空気
圧縮部で圧縮した空気を前記空気分配部を通して前記複数のエアーバッグに選択的に供給
しまた前記複数のエアーバッグから選択的に排気する切り替えバルブ機能部と、前記空気
圧縮部の作動と前記切り替えバルブ機能部の作動を制御する制御部を備え、前記消音器に
はプラズマ放電によって臭気成分を電気化学的に分解する高電圧放電電極が収納され、前
記空気吸排気装置の動作によって、前記複数のエアーバッグの膨張収縮作用と、前記マッ
トレス内の空気の脱臭作用とが共に動作状態にある第1モードと、前記複数のエアーバッ
グの膨張収縮作用を休止して前記マットレス内の空気の脱臭作用のみを行なう第2モード
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
第1発明では、消音器にプラズマ放電によって臭気成分を電気化学的に分解する高電圧
放電電極を収納したことにより、マットレス内の空間の空気脱臭によって、マットレスの
脱臭が行なえるため、快適なマットレス状態に維持できる。また、消音器を利用すること
により、別個に高電圧放電部を設ける場合に比して、装置の小型化とコストダウンを図る
ことができ、空気吸排気装置の安定した動作も維持できるものとなる。
【0009】
第2発明では、第1発明の効果に加えて、単一の空気吸排気装置によって、エアーバッ
グの膨張収縮作用と、マットレス内の空気の脱臭作用とが共に動作状態にあるモードと記
エアーバッグの膨張収縮作用を休止してマットレス内の空気の脱臭作用のみを行なうモー
ドとが選択可能となり、使用性が向上した新規のベッド装置を提供できる。また、エアー
バッグの膨張収縮作用と、マットレス内の空気の脱臭作用とが、単一の空気吸排気装置に
よって行なわれるため、ベッド装置の小型化とコスト抑制効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明のベッド装置は、ベッド用のマットレス内に組み込まれ前記マットレス内の空間
の空気を吸排気する空気吸排気装置を備え、前記空気吸排気装置は、前記マットレス内の
空間の空気を吸い込んで圧縮する空気圧縮部と、この空気圧縮部で圧縮した空気を消音器
を通して空気送出部から前記マットレス内の空間へ供給する空気通路を備え、前記消音器
にはプラズマ放電によって臭気成分を電気化学的に分解する高電圧放電電極を収納した構
成であり、本発明の実施例を以下に記載する。
【実施例1】
【0011】
図1は本発明に係る空気吸排気装置とベッド装置の機能説明用の平面図、図2は本発明
に係る空気吸排気装置の内部配置構成を示す平面図、図3は本発明に係る空気吸排気装置
の消音器の内部構成を示す断面図、図4は本発明に係るベッド装置の斜視図、図5は本発
明に係る空気吸排気装置を収納したベッド装置の一部断面図、図6は本発明に係る空気吸
排気装置の空気送出部の空気分配部の正面図である。
【0012】
本発明の第1発明を図1に基づき説明する。1はベッド装置であり、木製等で構成され
たベッド本体21の上にベッド用のマットレス22を載置し、マットレス22内の空間2
4の空気を吸排気する空気吸排気装置5を備え、空気吸排気装置5は、図2に示すように
、合成樹脂製のケース6内に、マットレス22内の空間24の空気を空気吸入口7Aから
吸い込んで圧縮する空気圧縮部7と、この空気圧縮部7で圧縮した空気を消音器10を通
して空気送出部8からマットレス22内の空間24へ供給する空気通路9を備え、消音器
10にはプラズマ放電によって臭気成分を電気化学的に分解するよう高電圧発生部13に
接続した高電圧放電電極13A、13Bを収納した構成である。また、ケース6内には、
空気圧縮部7の作動を制御する制御部11と高電圧発生部13が収納されており、制御部
11は、絶縁基板に多数の電気部品11Aが取り付けられたものである。
【0013】
消音器10は、空気圧縮部7の圧縮動作によって生じる空気波動を減少させて、空気送
出部8から送出される空気の脈動とそれによる脈動音を減少させるものである。消音器1
0に収納した高電圧放電電極13A、13Bは、プラス電極13Aとマイナス電極13B
の間に高電圧発生部13から印加される高電圧によってプラズマ放電を生じる。このプラ
ズマ放電によって、消音器10内の空気の臭い成分が電気分解される仕組みである。高電
圧放電電極13A、13Bの収納のために、電気的絶縁を考慮して消音器10は全体が合
成樹脂製であり、高電圧放電電極13A、13Bは、消音器10の裏蓋10Aに取り付け
た合成樹脂製の電極支持部14によって所定間隔に保持されている。
【0014】
マットレス22は、図5に示すように、クッション性を有する板状の上層体26Aとク
ッション性を有する板状の下層体26Bが、空間24を形成するように多数のスプリング
25によって支持されて上下並列に配置され、上層体26Aと下層体26Bの外面は、ク
ッション性の詰め物28を有する布製の上下外装体27、27によって被われている。そ
して、空間24の周縁部を被うように、上下外装体27、27の周縁端部に結合された布
製の側面被覆30が設けられ、この側面被覆30の外面を被うように、上下外装体27、
27と同様の構成である側面外装体29が、上下外装体27、27の周縁端部に結合され
た構成である。
【0015】
空気吸排気装置5は、図4及び図5に示すように、マットレス22の長手方向の一端部
近傍の空間24内に、マットレス22の短辺に沿って収納されている。空気圧縮部7はダ
イヤフラムを電動式に振動させて圧縮空気を送出する周知のエアーコンプレッサ(または
エアーポンプともいう)であり、空気吸入口7Aから吸い込んだ空気を圧縮して空気送出
口7Bから空気通路9を形成するパイプへ送出する。空気通路9へ送出された圧縮空気は
、空気送出部8からマットレス22内の空間24へ送出する。
【0016】
圧縮空気をマットレス22内の空間24へ広範囲に送出するために、マットレス22の
略中央部にマットレス22の長手方向に送気パイプ23が配設され、送気パイプ23の一
端が空気送出部8の空気送出口8A8(図6に示す)に接続され、圧縮空気は、送気パイ
プ23の長さ方向に間隔を存して送気パイプ23壁を貫通して形成した多数の送気口23
Aから、マットレス22内の空間24へ送出される。マットレス22内の空間24へ送出
された空気は、空気圧縮部7の空気吸入口7Aから吸い込まれて、再び空気圧縮部7で圧
縮され、再び上記のようにマットレス22内の空間24へ送出される空気循環をする。こ
の循環により、マットレス22内の空間24の空気は、消音器10内でプラズマ放電によ
って臭気成分が電気化学的に分解され、マットレス22の脱臭が行なわれる。
【0017】
なお、マットレス22内の空間24の広範囲から空気の吸い込みを行うために、図1に
示すように、吸気パイプ230をマットレス22の長手方向の左右端部に沿って配置し、
この吸気パイプ230を通して空間24の空気を空気圧縮部7の空気吸入口7Aへ吸入す
るようにすればよい。送気口23Aと同様に、吸気パイプ230には、吸気パイプ230
の長さ方向に間隔を存して吸気パイプ230の壁を貫通して形成した多数の吸気口(図示
せず)を形成している。
【0018】
空気圧縮部7を作動させて行う脱臭時間は、制御部11に接続したコントローラ4に設
けたスイッチ操作によって設定した脱臭時間で行われる。コントローラ4は、使用性を考
慮して持ち運び自在なリモートコントローラで構成している。
【0019】
次に、本発明に係るベッド装置の第2発明を説明する。第2発明は、第1発明を発展さ
せたものであり、第1発明のように、単にマットレス22上で休息するに留まらず、人体
のマッサージを行なうことができるようにするために、図4及び図5に示すように、マッ
トレス22の上にエアーマッサージ用マット2を敷き、このマット2内の複数のエアーバ
ッグ(空気室形成袋)3を膨張収縮させ、マット2の上に横たわった人体のマッサージを
行なうように構成している。
【0020】
以下、第2発明を図に基づき説明する。上記第1発明と同じ機能部分は上記説明を援用
する。第2発明は、ベッド用のマットレス22と、マットレス22の上に敷かれるエアー
マッサージ用のマット2を備え、マットレス22内の空間24の空気を吸排気する空気吸
排気装置5を備え、マット2は空気吸排気装置5の動作によって膨張収縮する複数の空気
室3を形成するエアーバッグ(図示のものは、7個のエアーバッグ3A、3B、3C、3
D、3E、3F、3G)が並列配置され、空気吸排気装置5は、合成樹脂製のケース6内
に、マットレス22内の空間24の空気を吸い込んで圧縮する空気圧縮部7と、この空気
圧縮部7で圧縮した空気を消音器10を通して空気送出部8へ供給する空気通路9を備え
、空気送出部8は、複数のエアーバッグ(図示のものは、7個のエアーバッグ3A、3B
、3C、3D、3E、3F、3G)へ圧縮空気を分配する空気分配部8Aと、空気圧縮部
7で圧縮した空気を空気分配部8Aを通してこの複数のエアーバッグを選択的に供給しま
たこの複数のエアーバッグから選択的に排気する切り替えバルブ機能部8Bと、空気圧縮
部7の作動と切り替えバルブ機能部8Bの作動を制御する制御部11を備え、消音器10
にはプラズマ放電によって臭気成分を電気化学的に分解する高電圧放電電極13A、13
Bが収納され、空気吸排気装置5の動作によって、複数のエアーバッグ(図示のものは、
7個のエアーバッグ3A、3B、3C、3D、3E、3F、3G)の膨張収縮作用と、マ
ットレス22内の空気の脱臭作用とが共に動作状態にある第1モードと、複数のエアーバ
ッグ(図示のものは、7個のエアーバッグ3A、3B、3C、3D、3E、3F、3G)
の膨張収縮作用を休止してマットレス22内の空気の脱臭作用のみを行なう第2モードを
選択可能としたものである。
【0021】
消音器10は上記同様に、空気圧縮部7の圧縮動作によって生じる空気波動を減少させ
て、空気送出部8から送出される空気の脈動とそれによる脈動音を減少させるものであり
、上記同様の構成である。また、マットレス22も上記同様の構成である。
【0022】
空気送出部8の詳細は、図5に示すように、8個の空気送出口8A1〜8A8を有する
空気分配部8Aと、この8個の空気送出口のうちの所定のものを選択する切り替えバルブ
機能部8Bを備え、切り替えバルブ機能部8Bは電動機部8Cによって作動する。空気分
配部8Aの8個の空気送出口のうちの7個の空気送出口8A1〜8A7には、それぞれエ
アーバッグ3A、3B、3C、3D、3E、3F、3Gの空気入口に接続された送気パイ
プ12A、12B、12C、12D、12E、12F、12Gが接続されている。また、
残りの空気送出口8A8は、上記同様に、マットレス22の略中央部にマットレス22の
長手方向に配設した送気パイプ23に接続されて、空気圧縮部7で圧縮された圧縮空気が
、マットレス22内の空間24へ送出される。また、マットレス22内の空間24の空気
は、上記同様の構成によって、空気圧縮部7の空気吸入口7Aから吸い込まれて、再び空
気圧縮部7で圧縮され、再び空気送出口7Bから空気通路9へ送出し、上記のようにマッ
トレス22内の空間24へ送出される空気循環をする。
【0023】
マット2は、図5に示すように、発泡ポリウレタン等のクッション材から構成した弾性
シートを布製の表カバーで被った長方形状のマット基体2Bの上に、マット基体2Bの長
手方向に複数の独立した空気室3が形成されるように、各空気室3を形成するエアーバッ
グ3A、3B、3C、3D、3E、3F、3Gが並列配置された構成である。図示した空
気室3は、外面が布材で被われた7個の独立したエアーバッグ3A、3B、3C、3D、
3E、3F、3Gで構成しているが、この数は設計によって定めればよい。
【0024】
マットレス22は、図5に示すように、上記同様の構成である。また、空気吸排気装置
5は、上記同様に、図4及び図5に示すように、マットレス22の長手方向の一端部近傍
の空間24内に、マットレス22の短辺に沿って収納されている。上記のような空気循環
を行なうために、空気送出口8A1〜8A7とエアーバッグ3A、3B、3C、3D、3
E、3F、3Gの空気入口を接続する送気パイプ12A、12B、12C、12D、12
E、12F、12Gは、マット2内またはマット2の下部に配置された部分121と、空
気吸排気装置5から延びる部分120とに分離され、マット2側の部分121のコネクタ
121Aと、空気吸排気装置5側の部分120のコネクタ120Aとが、着脱可能に接続
される構成である。
【0025】
空気吸排気装置5の動作は、制御部11に接続したコントローラ4に設けたスイッチ操
作によって行われる。その一つは、複数のエアーバッグ(図示のものは、7個のエアーバ
ッグ3A、3B、3C、3D、3E、3F、3G)の膨張収縮作用と、マットレス22内
の空気の脱臭作用とが共に動作状態にある第1モードの選択であり、もう一つは、複数の
エアーバッグ(図示のものは、7個のエアーバッグ3A、3B、3C、3D、3E、3F
、3G)の膨張収縮作用を休止してマットレス22内の空気の脱臭作用のみを行なう第2
モードの選択である。
【0026】
上記第1モードでの一つの作用は、コントローラ4に設けたスイッチ操作による第1モ
ードの選択に基づき、制御部11の動作によって行なわれる。即ち、選択された作動モー
ドに従ってステッピングモータ式の電動機部8Cが動作し、切り替えバルブ機能部8Bが
回動して、空気通路9から供給される圧縮空気が空気送出口8A1〜8A7のいずれかに
供給され、また空気送出口8A1〜8A7のいずれかが空気排出口99に接続される動作
によって、複数のエアーバッグ(図示のものは、7個のエアーバッグ3A、3B、3C、
3D、3E、3F、3G)が、順々に膨張収縮するものである。これは、例えば、膨張部
分が3Aから3B、3Bから3Cへと移動するように、3Aから3Gへ向かって膨張部分
が順次移動する関係の膨張収縮作用をすることにより、マット2上に横たわる人体にマッ
サージ作用を行うものである。空気排出口99からの排気音を減少するために、排気用消
音器100が取り付けられている。
【0027】
また、上記第1モードでのもう一つの作用は、空気圧縮部7で圧縮した圧縮空気の一部
が、空気送出口8A8から送気パイプ23に供給されて、マットレス22内の空間24へ
送出され、マットレス22内の空間24の空気が、空気圧縮部7の空気吸入口7Aから吸
い込まれて、再び空気圧縮部7で圧縮され、再び上記のようにマットレス22内の空間2
4へ送出される空気循環をすることにより、消音器10内で臭気成分が電気化学的に分解
され、マットレス22の脱臭が行なわれるものである。このように第1モードでは、二つ
の作用が行なわれる。
【0028】
また、上記第2モードは、複数のエアーバッグ(図示のものは、7個のエアーバッグ3
A、3B、3C、3D、3E、3F、3G)の膨張収縮作用を休止して、マットレス22
内の空気の脱臭作用のみを行なうものであり、このモード選択は、コントローラ4に設け
たスイッチ操作による第2モードの選択に基づき、制御部11の動作によって行なわれる
。この第2モードでは、空気圧縮部7で圧縮した圧縮空気は、空気送出口8A1〜8A7
から供給されされないように電動機部8Cが動作して切り替えバルブ機能部8Bが動作す
る。一方、空気圧縮部7で圧縮した圧縮空気は、空気送出口8A8から送気パイプ23に
供給されて、マットレス22内の空間24へ送出され、マットレス22内の空間24の空
気が空気圧縮部7の空気吸入口7Aから吸い込まれて、再び空気圧縮部7で圧縮され、再
び上記のようにマットレス22内の空間24へ送出される空気循環をする。これによって
、消音器10内で臭気成分が電気化学的に分解され、マットレス22の脱臭が行なわれる
ものである。
【0029】
上記のように、第1発明では、消音器10にプラズマ放電によって臭気成分を電気化学
的に分解する高電圧放電電極13A、13Bを収納したことにより、マットレス22内の
空間の空気脱臭によって、マットレス22の脱臭が行なえるため、快適なマットレス状態
に維持できる。また、消音器10を利用するため、他の空気部分に高電圧放電室を形成す
る場合に比して、装置の小型化とコストダウンを図ることができると共に、空気吸排気装
置5の安定した動作が保たれるものとなる。
【0030】
また、第2発明では、第1発明の作用効果に加えて、単一の空気吸排気装置5によって
、複数のエアーバッグ(図示のものは、7個のエアーバッグ3A、3B、3C、3D、3
E、3F、3G)の膨張収縮作用と、マットレス22内の空気の脱臭作用とが共に動作状
態にある第1モードと、複数のエアーバッグの膨張収縮作用を休止してマットレス22内
の空気の脱臭作用のみを行なう第2モードとが選択可能であり、使用性が向上した新規の
ベッド装置1を提供できる。また、複数のエアーバッグの膨張収縮作用と、マットレス2
2内の空気の脱臭作用とが、単一の空気吸排気装置5によって行なわれるため、ベッド装
置1の小型化とコスト抑制効果が得られるものとなる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明は上記実施例に示した構成に限定されず、種々の形態のベッド装置に適用できる
ものであり、本発明の技術範囲において種々の形態を包含するものである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明に係る空気吸排気装置とベッド装置の機能説明用の平面図である。
【図2】本発明に係る空気吸排気装置の内部配置構成を示す平面図である。
【図3】本発明に係る空気吸排気装置の消音器の内部構成を示す断面図である。
【図4】本発明に係るベッド装置の斜視図である。
【図5】本発明に係る空気吸排気装置を収納したベッド装置の一部断面図である。
【図6】本発明に係る空気吸排気装置の空気送出部の空気分配部の正面図である。
【符号の説明】
【0033】
1・・・・ベッド装置
2・・・・エアーマッサージ用マット
3・・・・空気室
3A〜3G・・・・エアーバッグ
4・・・・コントローラ
5・・・・空気吸排気装置
6・・・・ケース
7・・・・空気圧縮部
7A・・・空気吸入口
8・・・・空気送出部
8A・・・空気分配部
8A1〜8A8・・・空気送出口
8B・・・切り替えバルブ機能部
8C・・・電動機部
9・・・・空気通路
10・・・消音器
11・・・制御部
12A〜12G・・・送気パイプ
13・・・高電圧発生部
13A、13B・・・高電圧放電電極
22・・・ベッド用マットレス
24・・・マットレス内の空間
120A・・・空気吸排気装置側の部分のコネクタ
121A・・・マット側の部分のコネクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベッド用のマットレス内に組み込まれ前記マットレス内の空間の空気を吸排気する空気
吸排気装置を備え、前記空気吸排気装置は、前記マットレス内の空間の空気を吸い込んで
圧縮する空気圧縮部と、この空気圧縮部で圧縮した空気を消音器を通して空気送出部から
前記マットレス内の空間へ供給する空気通路を備え、前記消音器にはプラズマ放電によっ
て臭気成分を電気化学的に分解する高電圧放電電極を収納したことを特徴とするベッド装
置。
【請求項2】
ベッド用のマットレスと、前記マットレスの上に敷かれるマットを備え、前記マットレ
ス内の空間の空気を吸排気する空気吸排気装置を備え、前記マットは前記空気吸排気装置
の動作によって膨張収縮する複数のエアーバッグが並列配置され、前記空気吸排気装置は
、前記マットレス内の空間の空気を吸い込んで圧縮する空気圧縮部と、この空気圧縮部で
圧縮した空気を消音器を通して空気送出部へ供給する空気通路を備え、前記空気送出部は
、前記複数のエアーバッグへ圧縮空気を分配する空気分配部と、前記空気圧縮部で圧縮し
た空気を前記空気分配部を通して前記複数のエアーバッグに選択的に供給しまた前記複数
のエアーバッグから選択的に排気する切り替えバルブ機能部と、前記空気圧縮部の作動と
前記切り替えバルブ機能部の作動を制御する制御部を備え、前記消音器にはプラズマ放電
によって臭気成分を電気化学的に分解する高電圧放電電極が収納され、前記空気吸排気装
置の動作によって、前記複数のエアーバッグの膨張収縮作用と前記マットレス内の空気の
脱臭作用とが共に動作状態にある第1モードと、前記複数のエアーバッグの膨張収縮作用
を休止して前記マットレス内の空気の脱臭作用のみを行なう第2モードを備えたことを特
徴とするベッド装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−279307(P2009−279307A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−136483(P2008−136483)
【出願日】平成20年5月26日(2008.5.26)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(302071092)テガ三洋工業株式会社 (244)
【Fターム(参考)】