説明

ベルトの接続装置および乗客コンベア移動手摺の製造方法

【課題】 接続されたベルトが十分な耐久性を有するとともに、平滑性に優れた、ベルトの接続装置を得ることを目的とする。
【解決手段】 金型1のキャビティ2に、樹脂製のベルト4の接続端部を互いに対向させて挿入し、上記接続端部の間を接続用樹脂50を用いて接続する接続装置であり、上記接続用樹脂を流動開始温度以上に加熱する加熱手段、および上記キャビティ1と連通し、流動状態の上記接続用樹脂50を保持するリザーバ31と、流動状態の上記接続用樹脂50に対する圧力の授受を伝達する圧力伝達部材33と、この圧力伝達部材33に付勢する付勢手段34と、この付勢手段34の付勢力を調整する付勢力調整手段35とを有する圧力保持手段を備えており、上記圧力保持手段3により上記接続用樹脂50を大気圧を越えて加圧状態に保持しながら、上記接続用樹脂50を流動開始温度未満として接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば熱可塑性樹脂からなる樹脂製のベルトを平滑性よく強固に接続することのできるベルトの接続装置およびこの接続装置を用いた乗客コンベア移動手摺の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の乗客コンベア移動手摺の接続装置は、移動手摺の両端部およびその近傍を未融着の化粧ゴムとともに上金型および下金型の間に挟み込み締結用ボルトと締結用ナットで加圧し加熱することにより融着するもので、作業者が手作業で対応しなくても、融着が進むにつれて樹脂圧が上昇して金型が変動することを防止できるというものである(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2001−328790号公報(第1頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の乗客コンベア移動手摺の接続装置は、手摺の融着が進むにつれて樹脂圧が上昇するプラスの変位に対しては対応することができるが、樹脂の成形収縮や、樹脂材料の不足等には対応しておらず、これらマイナスの変位による製品表面のヒケや、融着不良により接続部において段差が発生し易く、平滑性を損なうと共に接続部に十分な樹脂圧力が付与されないため強固に接続されず、十分な耐久性も得られないという課題があった。
【0005】
本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、接続されたベルトが平滑性よく、十分な耐久性を有する、ベルトの接続装置を得ることを目的とする。また、平滑性よく、十分な耐久性を有する乗客コンベア用移動手摺の製造方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るベルトの接続装置は、金型のキャビティに、樹脂製のベルトの接続端部を互いに対向させて挿入し、上記接続端部の間を接続用樹脂を用いて接続するベルトの接続装置において、上記接続用樹脂を流動開始温度以上に加熱する加熱手段、並びに上記キャビティと連通し、流動状態の上記接続用樹脂を保持するリザーバと、流動状態の上記接続用樹脂に対する圧力の授受を伝達する圧力伝達部材と、この圧力伝達部材に付勢する付勢手段と、この付勢手段の付勢力を調整する付勢力調整手段とを有する圧力保持手段を備えたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ベルトの接続装置が、圧力保持手段により接続用樹脂を加圧状態に保持しながら接続することにより、接続されたベルトが、平滑性よく、十分な耐久性を有するという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における、ベルトの接続装置の概略を示す平面図であり、ベルト4の接続端部4p,4qを互いに対向させて、挿入した状態を示している。図2は図1のa−a線におけるベルトの接続装置の概略を示す断面図、図3は図1のb−b線におけるベルトの接続装置の概略を示す断面図である。なお、図3では、上記b−b線上とは離れて設けられている圧力保持手段3を説明のために便宜上合わせて記載している。なお、本実施の形態においては、熱可塑性樹脂製のベルトを熱可塑性樹脂を用いて接続する場合について説明する。
図1〜図3に示すように、本実施の形態のベルトの接続装置において、接続されるべきベルト4の接続端部4p,4qが挿入される金型1は第1の金型部材と第2の金型部材とからなり、第1の金型部材である上型11と第2の金型部材である下型12は、互いに合体、分離可能で、上型11と下型12との合体により内部にキャビティ2が形成されている。
上記上型11と下型12にはそれぞれ両端に延びる第1の溝21と第2の溝22が形成され、上記第1の溝21と第2の溝22からなるキャビティ2の長手方向の形状は、挿入されるベルト4の接続端部4p,4qの長手方向の側面と略同一形状であり、キャビティ2の幅方向の断面形状は、挿入されるベルトの幅方向の断面と略同一形状であり、キャビティ2の内壁はベルト4の接続端部4p,4qに密着している。
また、上型11の長手方向の略中央部には、圧力保持手段3が設けられ、キャビティ2の長手方向の略中央部に、ベルト4の接続端面4x,4yを互いに対向させて挿入し、キャビティ2における上記ベルト4の接続端面4x,4yが対向した領域(この領域を、「ベルトの接続端面間領域」という。)に、熱可塑性樹脂の接続用樹脂50が配設されている。また、圧力保持手段3のリザーバ31はゲート32を有し、このゲート32は金型1において、上記ベルトの接続端面間領域に開孔し、リザーバ31は上記ゲート32によりキャビティ2と連通し、上記リザーバ31にも熱可塑性樹脂の接続用樹脂50が貯蔵され、上記リザーバ31の接続用樹脂50と上記ベルトの接続端面間領域の接続用樹脂50は連続している。
【0009】
上記接続用樹脂50が流動開始温度以上になるように、金型1を例えばヒータ等の加熱手段6により加熱し、圧力保持手段3により上記接続用樹脂50に圧力を加えて、大気圧を越えた加圧状態に保持する。なお、上記流動開始温度とは、樹脂が粘度の高い状態を経て液相となり流動状態となる温度である。
つまり、上記リザーバ31内の接続用樹脂50と上記ベルトの接続端面間領域の接続用樹脂50は連続し、流動状態であるので、圧力保持手段3において、リザーバ31の内壁を摺動する可動ピストン33は、上記接続用樹脂50に対する圧力の授受を伝達する圧力伝達部材となり、上記可動ピストン33を、付勢手段であるバネ34により付勢し、流動状態の上記接続用樹脂50を加圧することができる。
【0010】
なお、上記接続用樹脂50の圧力状態の変動に対応して、付勢力調整手段であるネジ35により、上記接続用樹脂50の圧力が大気圧を越え、加圧状態を保持するように調整する。
つまり、上記のようにしてバネ34の付勢力を調整して可動ピストン33により、上記接続用樹脂50に圧力を加えながら加熱すると、加熱により圧力保持手段3のリザーバ31内の接続用樹脂50が熱膨張して可動ピストン33は押し戻されようとする。しかし、バネ34により可動ピストン33に付勢してさらに加圧することにより、上記接続用樹脂50の圧力が開放されて圧力が低下することを抑制でき強固に接続できるという効果がある。なお、本実施の形態のように、熱可塑性樹脂製のベルトの場合、上記加熱により、キャビティ2に挿入されたベルト4の接続端面4x,4y近傍と接続用樹脂50が互いに融合するためより強固に接続される。
【0011】
次に、上記ベルト4の接続端面間領域の接続用樹脂50を固化して接続させるために、金型1を上記接続用樹脂50の流動開始温度未満となるように温度を低下させると、上記接続用樹脂50が収縮して圧力が低下し始めるが、圧力保持手段3のネジ35によりバネ34の付勢力を調整して可動ピストン33を押し込むことにより、上記接続用樹脂50を大気圧を越えた加圧状態に保持することができ、成形収縮による接続部のボイドやヒケが防止され強固に接続することができる。
なお、加熱を停止することにより、上記接続用樹脂50が流動開始温度未満になると圧力の伝達が行われなくなるが、本実施の形態におけるように、ベルトの接続端面4x,4yを金型1のキャビティ2の略中央部まで挿入し、圧力保持手段3を金型1の中央部に設置することにより、上記ベルトの接続端面4x,4y間の接続用樹脂50が最も遅く温度が低下するため、上記接続端面4x,4y間の接続用樹脂50の温度が低下するのは最も遅いため、上記接続用樹脂50が熱変形温度未満になる直前まで圧力が保持され、接続部のヒケが効率よく防止される。
【0012】
なお、本実施の形態においては、圧力保持手段3の付勢手段34としてバネを用いたが、油圧や空気圧などを用いても良い。
【0013】
図4は、本実施の形態に係わる圧力保持手段3の、別の例の概略を示す断面図であり、圧力保持手段3のリザーバ31内の樹脂の状態が固相51と液相52とが共存している場合であり、液相52の樹脂が接続用樹脂50として用いられる。なお、図4に示すような樹脂の状態は、例えばリザーバ31を加熱手段6により直接加熱するのではなく、金型1の中央部に圧力保持手段3を設け、加熱手段6により上記金型1の中央部を加熱し、金型1からの熱伝導により、リザーバ31内の樹脂において、金型1に近い領域を液相52とし、離れた領域を固相51とすることにより得ることができる。
リザーバ31内の樹脂が全て液相であると、圧力伝達部材であるピストン33はリザーバ31内壁を摺動するようにリザーバ31壁面でシールされることが好ましいが、図4に示すように、ピストン33付近を固相51とすることにより別にシール機構を設けることなく簡略化された構造により、液相の接続用樹脂50の逆流を抑制し、上記接続用樹脂50の圧力を加圧状態に保持することができる。
【0014】
本実施の形態においては、熱可塑性樹脂からなるベルトを、熱可塑性樹脂を接続用樹脂として接続する場合について述べたが、それに限定されるものではなく、熱硬化性樹脂製のベルトであっても良く、未硬化状態の熱硬化性樹脂を接続用樹脂として用いても本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0015】
実施の形態2.
図5は本発明の実施の形態2のベルトの接続装置の概略を示す、ベルトの長さ方向の断面図で、ベルトの両接続端部4p,4qを挿入した状態を示し、図3において、ベルト4の代わりに乗客コンベア用移動手摺として用いられる多層ベルト40を用いた場合である。また、図5(b)は本実施の形態におけるベルトの接続装置の概略を示す、ベルトの幅方向の断面図であり、挿入したベルトの接続端面間領域を示す。
図5に示すように、上記乗客コンベア用移動手摺の多層ベルト40は、帯状に延在する帆布43の上に、同じく帯状のスチール製抗張体42が設けられ、これを内層に包含し断面がC字形状になるように熱可塑性樹脂で加熱加圧成形することにより熱可塑性樹脂部41で一体化されている。なお、乗客コンベア用移動手摺は断面形状がC字形状であるので、下型12には上記C字の内側形状に相当する中子23が設けられている。
【0016】
上記構成の多層ベルト40によって乗客コンベア用移動手摺を形成するには、接続端部4p,4qに熱可塑性樹脂部41が設けられていない多層ベルト40を用意する。上記多層ベルト40の接続端部4p,4qを互いに対向させて、ベルトの接続装置のキャビティ2に挿入し、上記両端の露出した帆布43同士とスチール製抗張体42同士とをそれぞれ縫合44して接続する。なお、上記縫合はキャビティ2に挿入する前に行っても良い。
次に、上記多層ベルト40の熱可塑性樹脂部41の接続端面間領域に接続用樹脂50を供給し、上記実施の形態1と同様に、上記接続用樹脂50が流動状態になるように加熱し、圧力保持手段3により、上記接続端面間領域の接続用樹脂50を加圧状態に保持しながら、上記接続用樹脂50が流動開始温度未満になるように温度を低下させて接続するが、上記実施の形態1と同様に、成形収縮による接続部のボイドやヒケなどが防止され強固に接続することができる。
なお、流動状態の接続用樹脂50を、上記熱可塑性樹脂部41の接続端面間領域に供給し、加圧状態に保持するには、リザーバ31に流動状態の上記接続用樹脂50を貯蔵し、この流動状態の接続用樹脂50を上記接続端面間領域に充填し、圧力保持手段を用いて流動状態の上記接続用樹脂50を加圧することにより施すことができる。また、上記接続端面間領域に、予め、熱可塑性樹脂の固体物を介在させ、加熱手段により上記固体物を流動状態にすることにより同様に接続用樹脂50を加圧状態に保持することができる。
本実施の形態に係わる多層ベルト40を構成する熱可塑性樹脂部41には、ポリウレタン系、ポリスチレン系、ポリエステル系、ポリアミド系またはオレフィン系を用いることができる。
また、スチール製抗張体42としては、スチールコードや補強性フィラメント(ポリアミド及びカーボン繊維等)を用いることができる。
【0017】
実施の形態3.
図6は、本発明の実施の形態3の、ベルトの接続装置の長手方向の断面図であり、実施の形態1において、金型1は両端部領域に、長手方向に対して略垂直方向に断熱領域8を有し、上記金型には上記断熱領域8の内側で、圧力保持手段3の近傍に加熱手段6が、外側にフィン等の冷却手段7が設けられ、また、上記加熱手段6が着脱可能である他は実施の形態1と同様である。
【0018】
本実施の形態によれば、熱可塑性樹脂製のベルトの場合は、上記加熱手段6によって、上記接続用樹脂50およびベルトの接続端面近傍が加熱されて流動状態となり、上記接続用樹脂50およびベルトの接続端面近傍が互いに融合して接続が強固となり、また、上記加熱手段6を上記金型1から離脱することにより、上記接続用樹脂50を効率良く、流動開始温度未満となるように温度を低下することができる。
また、金型1の上記断熱領域8により、上記加熱手段6による金型1の温度上昇が金型1の断熱領域8の外側に伝導するのを防止できるので、ベルト4が金型1に挿入された部分と挿入されていない部分の間で、温度が急激に変化するのを防止することができベルトの平滑性を向上させることができる。さらに、金型1の断熱領域8の外側に冷却手段7を設けることにより、より効果的にベルトの平滑性を向上させることができる。
【0019】
図7は、本実施の形態の接続装置を用いてベルトの接続を行なう場合の成形プロセスを説明するフローチャートであり、図8は、上記成形プロセスにおける、接続装置の各場所の温度変化を示す温度プロファイル図である。図8において、Aは加熱手段6近傍の金型温度、Bは冷却手段7近傍の金型温度、Cは加熱手段6自体の温度を示す。
【0020】
次に、図6〜図8を用いて、熱可塑性樹脂製のベルト、接続端面4x,4y間の接続用樹脂50およびリザーバ内の接続用樹脂50が熱可塑性樹脂であるポリウレタン樹脂の場合について具体的に説明する。
予め、加熱手段6の温度をポリウレタン樹脂の流動開始温度以上である220℃に設定しておき、その間に、金型1のキャビティ2の略中央部に、ベルト4の接続端面4x,4yを、接続用樹脂50を介し対向させて挿入する(t)。
その後、金型1に上記加熱手段6を取り付け(t)、実施の形態1に示すように圧力保持手段3により、接続用樹脂50を加圧状態に保持しながら、上記加熱手段6近傍の温度を接続用樹脂50の流動開始温度以上である200℃に、上記冷却手段7近傍の温度を接続用樹脂50の流動開始温度未満である70℃以下に20分以上保持し、その後、上記接続用樹脂50を加圧状態に保持しながら、上記加熱手段6を取り去り(t)、上記接続用樹脂50が70℃未満になるまで冷却し、上型11と下型12を分離させてベルト4を取り外す(t)。
上記プロセスにより、予め昇温された加熱手段6を取付けたり、取り外したりするので、効率的に温度制御ができるとともに、上記接続用樹脂50が十分に加熱されて流動状態となり、ベルト4の接続端面4x,4y近傍と上記接続用樹脂50が互いに融合するため強固な接続ができる。
また、圧力保持手段3により、上記接続用樹脂50の圧力が大気圧を越えた加圧状態に保たれながら、上記融合と冷却が行えるため、上記接続用樹脂50の成形収縮による接続端部における段差が防止され、平滑性が向上するとともに、金型は両端部領域に断熱領域8を有し、特に断熱領域8の外側に冷却手段7を設けることにより、さらに平滑性が向上する。
なお、本実施の形態においては、ベルトとして簡略化のため熱可塑性樹脂単層からなるベルトについて説明したが、実施の形態2で示した多層ベルトを用いた場合も本実施の形態と同様の効果が得られ、強固な接続と平滑性に優れた乗客コンベアの移動手摺を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態1における、ベルトの接続装置の概略を示す平面図である。
【図2】図1のa−a線におけるベルトの接続装置の概略を示す断面図である。
【図3】図1のb−b線におけるベルトの接続装置の概略を示す断面図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係わる圧力保持手段の、別の例の概略を示す断面図である。
【図5】本発明の実施の形態2における、ベルトの接続装置の概略を示す、ベルトの長さ方向と幅方向断面図である。
【図6】本発明の実施の形態3における、ベルトの接続装置の概略を示す、ベルトの長手方向の断面図である。
【図7】本発明の実施の形態3における、ベルトの接続を行なう場合の成形プロセスを説明するフローチャートである。
【図8】図7に示す成形プロセスにおける、接続装置の各場所における温度変化を示す温度プロファイル図である。
【符号の説明】
【0022】
1 金型、11 第1の金型部材(上型)、12 第2の金型部材(下型)、2 キャビティ、3 圧力保持手段、31 リザーバ、32 ゲート、33 圧力伝達部材(可動ピストン)、34 付勢手段(バネ)、35 付勢力調整手段(ネジ)、4 ベルト、40 多層ベルト、41 熱可塑性樹脂部、42 スチール製抗張体、43 帆布、50 接続用樹脂、6 加熱手段(ヒータ)、8 断熱領域。




【特許請求の範囲】
【請求項1】
金型のキャビティに、樹脂製のベルトの接続端部を互いに対向させて挿入し、上記接続端部の間を接続用樹脂を用いて接続するベルトの接続装置において、上記接続用樹脂を流動開始温度以上に加熱する加熱手段、並びに上記キャビティと連通し、流動状態の上記接続用樹脂を保持するリザーバと、流動状態の上記接続用樹脂に対する圧力の授受を伝達する圧力伝達部材と、この圧力伝達部材に付勢する付勢手段と、この付勢手段の付勢力を調整する付勢力調整手段とを有する圧力保持手段を備えたベルトの接続装置。
【請求項2】
リザーバは、対向して挿入されたベルトの接続端面間領域に開孔したゲートを備え、このゲートを経由してキャビティ内の、上記ベルトの接続端面間領域と連通することを特徴とする請求項1に記載のベルトの接続装置。
【請求項3】
圧力伝達部材は可動ピストンであり、付勢手段は上記可動ピストンをリザーバ内の流動状態の接続用樹脂に付勢するバネであることを特徴とする請求項1に記載のベルトの接続装置。
【請求項4】
圧力保持手段は、金型の長手方向の中央部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のベルトの接続装置。
【請求項5】
加熱手段は、金型に着脱可能であることを特徴とする請求項1に記載のベルトの接続装置。
【請求項6】
加熱手段は圧力保持手段の近傍に設けられていることを特徴とする請求項1または請求項4に記載のベルトの接続装置。
【請求項7】
金型は端部領域に、長手方向に対して略垂直方向に断熱領域を有することを特徴とする請求項4に記載のベルトの接続装置。
【請求項8】
乗客コンベアの移動方向に沿ってほぼ連続的に延在する金属製抗張体と帆布を熱可塑性樹脂部で一体成形してなる多層ベルトの接続端部を、互いに対向させて金型のキャビティに挿入する工程、上記多層ベルトの接続端部の上記金属製抗張体同士と上記帆布同士とをそれぞれ接続する工程、上記多層ベルトの接続端部の熱可塑性樹脂部の接続端面間領域に接続用樹脂を供給する工程、上記接続用樹脂が流動状態になるように加熱する工程、流動状態の上記接続用樹脂を加圧状態に保持する工程、流動状態の上記接続用樹脂を加圧状態に保持しながら、上記接続用樹脂を流動開始温度未満とする工程とを備えたことを特徴とする乗客コンベアの移動手摺の製造方法。
【請求項9】
流動状態の接続用樹脂を加圧状態に保持する工程は、金型のキャビティと連通し、流動状態の上記接続用樹脂を保持するリザーバと、流動状態の上記接続用樹脂に対する圧力の授受を伝達する圧力伝達部材と、この圧力伝達部材を流動状態の上記接続用樹脂に付勢する付勢手段と、この付勢手段の付勢力を調整する付勢力調整手段とを備えた圧力保持手段を用いて、流動状態の上記接続用樹脂を加圧することにより施すことを特徴とする請求項8に記載の乗客コンベアの移動手摺の製造方法。
【請求項10】
接続用樹脂が流動状態になるように加熱する工程は、上記接続用樹脂の流動開始温度以上に加熱され着脱可能な加熱手段を、圧力保持手段の近傍に装着することにより施すことを特徴とする請求項8に記載の乗客コンベアの移動手摺の製造方法。
【請求項11】
接続用樹脂を流動開始温度未満とする工程は、圧力保持手段により上記接続用樹脂を加圧状態に保持しながら、加熱手段を金型から離脱することにより施すことを特徴とする請求項10に記載の乗客コンベアの移動手摺の製造方法。
【請求項12】
多層ベルトの接続端部の熱可塑性樹脂部の接続端面間領域に接続用樹脂を供給する工程は、圧力保持手段を用い、この圧力保持手段の流動状態の上記接続用樹脂を、上記接続端面間領域に供給することにより施すことを特徴とする請求項8に記載の乗客コンベアの移動手摺の製造方法。



【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2007−91448(P2007−91448A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−286572(P2005−286572)
【出願日】平成17年9月30日(2005.9.30)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】