説明

ベルト搬送装置、中間転写装置、画像形成装置

【課題】クリーニング不良を抑制する。
【解決手段】中間転写装置6は、従動ローラ63を含む複数のローラと、前記複数のローラに架けられている中間転写ベルト61と、中間転写ベルト61に形成されている蛇行抑制ガイド66とを有する。中間転写ベルト61は、前記複数のローラが回転することによって周回し、外周側の面がクリーニングブレード65aに当接する。蛇行抑制ガイド66は、中間転写ベルト61のうちの突出領域61aに形成され、従動ローラ63の端面63cに当接することによって中間転写ベルト61の蛇行を抑制するものである。従動ローラ63の端面63cには、従動ローラ63の回転に伴って前記回転の軸の周囲を周回する突起部63dおよび溝部63eが形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のローラと当該複数のローラに架けられる無端状のベルトとを有するベルト搬送装置、このベルト搬送装置を有する中間転写装置、この中間転写装置を有する電子写真方式の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数の支持ローラに架けられている無端ベルトを有するベルト搬送装置が知られている。ベルト搬送装置は、少なくとも何れか1つの支持ローラを駆動ローラとして回転駆動することで無端ベルトに駆動力を付与し、この無端ベルトを周回駆動する。
【0003】
さらに、このようなベルト搬送装置は、電子写真方式の画像形成装置において、用紙搬送装置や中間転写装置として利用されている。用紙搬送装置は、無端ベルト上に用紙を載置することによって当該用紙を搬送するためのものである。中間転写装置は、感光体等の像担持体のトナー像をベルト(中間転写ベルト)上に一次転写し、ベルトに転写されたトナー像を所定位置まで搬送した後で用紙上に二次転写するためのものである。
【0004】
ここで、前記ベルト搬送装置に含まれる支持ローラ同士が完全に平行な位置関係になるように各支持ローラが位置決めされることが好ましいが、取り付け位置に若干の誤差がある事は否めない。また、無端ベルトには若干の製造誤差が必ず存在し、幅方向における周長偏差が全くない無端ベルトを製造する事は困難である。そして、支持ローラの取り付け位置の誤差や無端ベルトの周長偏差が原因で、回転駆動中の無端ベルトが支持ローラの軸方向の一方の側に寄ってしまう蛇行現象(ベルト寄り現象)が発生してしまう。
【0005】
これに対し、下記特許文献1および2には、無端ベルトの内周側の面における幅方向の両端付近に、ベルトの周回方向に延びるリブ状の蛇行防止ガイド(寄り止めガイド)を形成した中間転写装置(ベルト搬送装置)が示されている。この種の中間転写装置では、無端ベルトに形成されている蛇行防止ガイドと支持ローラの端面(底面)とが当接することによって前記蛇行現象が抑制される。これにより、蛇行が進行することによって無端ベルトが支持ローラからはずれてしまうという事態を回避することができる。また、蛇行防止ガイドは、ベルト部材を支持ローラへ取り付ける時のガイドとしての役割をも担い、ベルト部材が支持ローラの軸方向の一方の側に大幅に寄って取り付けられるのを抑制できる。
【0006】
以下では、画像形成装置に備えられる中間転写装置について図7に基づいて説明する。中間転写装置200は、図7に示されるように、支持ローラ201と、支持ローラ201を回転可能に支持するシャフト202と、支持ローラ201に架けられている無端状の中間転写ベルト203とを有する。
【0007】
支持ローラ201は、円柱状のローラ本体201aとカバー(カラー材)201bとを有する。カバー201bは、ローラ本体201aにおける軸方向の一方の端部と他方の端部との各々に嵌められている。なお、図7では支持ローラ201は一つ示されているだけであるが、実際の中間転写装置においては複数備えられている。
【0008】
また、図7に示されるように、中間転写ベルト203は、その幅(支持ローラ201の軸方向におけるベルトの長さ)が支持ローラ201の長さ(前記軸方向における支持ローラの長さ)よりも長くなるように設計されている。さらに、図7に示されるように、中間転写ベルト203は、支持ローラ201の両端よりも前記軸方向に突出するように位置決めされている。そして、中間転写ベルト203において支持ローラ201の両端よりも前記軸方向に突出している領域を突出領域203aとする場合、突出領域203aにおいて中間転写ベルト203の内周側には蛇行防止ガイド205が固着されている。図7の中間転写装置200において、蛇行が生じると、支持ローラ201のいずれか一方の端面においてカバー201bと蛇行防止ガイド205とが当接することにより、前記蛇行が抑制されるようになっている。
【0009】
なお、画像形成装置は、図7に示されるように、中間転写ベルト203の外周側の面に当接するクリーニングブレード204を有する。クリーニングブレード204は、中間転写ベルト203において用紙へ二次転写されずに残留したトナーや紙粉やゴミや塵等の不要物を掻きとって、中間転写ベルト203をクリーニングするためのものである。
【特許文献1】特開2000−112259号公報(公開日:2000年04月21日)
【特許文献2】特開2007−003933号公報(公開日:2007年01月11日)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、以上のような突出領域203aは、支持ローラ201に直接支持されていないため、若干の撓みが生じることがある。さらに、この撓みによって、図9に示すように、突出領域203aが若干折れ曲がってしまい、中間転写ベルト203における突出領域203aとクリーニングブレード204とが離間するという事態が生じる。なお、このような事態は、中間転写ベルトの材質に限定されずに生じるのではあるが、低収縮性樹脂(例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート等)からなる中間転写ベルトにおいては特に顕著に生じる。
【0011】
また、以上のような事態が生じると、突出領域203aとクリーニングブレード204とが離間しているため、中間転写ベルト203の突出領域203aにおいては、ベルト表面に残留しているトナーがクリーニングブレード204によって掻きとられずにそのまま通過する。つまり、残留トナーがクリーニングブレード204と中間転写ベルト203との間をすり抜ける。これにより、図8に示されるように、中間転写ベルト203の突出領域203a付近においては、残留トナーが蓄積してしまい、また、蓄積された残留トナーがベルト搬送方向に沿ってライン状に伸びた汚れを形成し、クリーニング不良が生じてしまう。
【0012】
本発明は、ベルト表面に当接するブレードによってベルト表面がクリーニングされるベルト搬送装置において、クリーニング不良を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
以上の目的を達成するために、本発明のベルト搬送装置は、複数の支持ローラと、前記複数の支持ローラに架けられており、前記複数の支持ローラが回転することによって周回する無端ベルトと、前記無端ベルトにおいて前記支持ローラよりも前記支持ローラの軸方向に突出している突出領域に形成され、前記支持ローラの軸方向の端面に当接することによって前記無端ベルトの蛇行を抑制するガイド部材とを有し、前記無端ベルトの外周側の面に接触するクリーニング部材によって前記無端ベルトの外周側の面がクリーニングされるベルト搬送装置において、少なくとも1つの支持ローラの前記端面に、この支持ローラの回転に伴ってこの回転の軸の周囲を周回する突起部および溝部のうちの少なくとも一方が形成されていることを特徴とする。
【0014】
本発明の構成によれば、前記支持ローラの端面と前記ガイド部材とが当接しているときに、前記端面に形成されている突起部・溝部の勾配または段差によって前記ガイド部材が揺らされ、前記無端ベルトのうち前記ガイド部材の形成されている箇所である前記突出領域も揺らされることになる。そして、前記突出領域が揺らされると、前記突出領域における前記無端ベルトの外周面に付着しているクリーニング対象物が移動する。
【0015】
それゆえ、前記突出領域における前記無端ベルトの外周面とクリーニング部材とが離間している場合であっても、前記突出領域における前記無端ベルトの外周面に付着しているクリーニング対象物を、前記無端ベルトの外周面においてクリーニング部材と当接し続けている箇所に移動させることができる。これにより、前記無端ベルトにおいて同一箇所にクリーニング対象物が蓄積してしまうことを抑制でき、クリーニング不良が生じてしまうことを抑制できる。
【0016】
また、本発明のベルト搬送装置は、前記構成に加えて、前記端面に、前記突起部と前記溝部とが各々複数形成されており、前記突起部と前記溝部とが前記支持ローラの回転の方向に沿って交互に形成されていることが好ましい。この構成によれば、前記ガイド部材を揺らすための前記突起部および前記溝部が前記支持ローラの回転の方向に沿って交互に繰り返し形成されていることになり、前記ガイド部材が揺らされる頻度を高くできる。それゆえ、前記突出領域における前記無端ベルトの外周面に付着しているクリーニング対象物の移動が頻繁に行われることになり、クリーニング不良をより一層抑制できる。
【0017】
さらに、無端ベルトの蛇行を抑制しつつ、突出領域における無端ベルトの外周面に付着している残留トナーを確実に移動させるためには、本発明のベルト搬送装置において、突起部と溝部とを各々3つ以上形成し、3つの突起部によってガイド部材を支持するようにすることが好ましい。
【0018】
また、前記無端ベルトがポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂等の低収縮性樹脂を主成分とする場合、前記無端ベルトにおいて前記突出領域が折れ曲がり易くなり、前記突出領域がクリーニングブレードと離間し易くなり、前記クリーニング不良の問題が生じ易くなる。それゆえ、本発明は前記低収縮率樹脂を主成分とする無端ベルトを有するベルト搬送装置に好適である。
【0019】
さらに、前記無端ベルトが前記低収縮性樹脂を主成分とする場合、前記無端ベルトが薄いほど(厚みが100μm以下)、前記無端ベルトの前記突出領域が折れ曲がり易くなり、前記突出領域がクリーニングブレードから離間し易くなり、前記クリーニング不良の問題が生じ易くなる。それゆえ、本発明は、前記低収縮率樹脂を主成分として厚みが100μm以下の無端ベルトを有するベルト搬送装置に好適である。
【0020】
なお、前記クリーニング部材は、前記無端ベルトの前記外周側の面に当接するクリーニングブレードであることが好ましいが、前記無端ベルトの前記外周側の面に当接するクリーニングローラやクリーニングブラシであっても構わない。
【0021】
また、本発明のベルト搬送装置を電子写真方式の画像形成装置に備えられている中間転写装置に適用し、前記無端ベルトを中間転写ベルトとして利用することが好ましい。なお、中間転写装置とは、感光体に形成されているトナー像を中間転写ベルトに一時的に転写し、中間転写ベルトを搬送することによって中間転写ベルトのトナー像を所定位置へ搬送し、前記所定位置において中間転写ベルトのトナー像をシートへ転写するものである。
【0022】
以下、本発明のベルト搬送装置を中間転写装置に適用する事が好ましい理由を説明する。中間転写装置において、中間転写ベルトの前記突出領域とクリーニングブレードとが離間することによって、前記突出領域における前記中間転写ベルトの外周面に残留トナーが蓄積されてしまうと、蓄積された残留トナーが長期に渡って感光体の同一箇所に擦られ、感光体において局部磨耗が発生し、局部磨耗された箇所においてリーク現象が生じてしまう。これに対し、本発明の中間転写装置によれば、前記突出領域における前記中間転写ベルトの外周面に付着する残留トナーを、前記中間転写ベルトの外周面においてクリーニングブレードと当接し続けている箇所に移動させることができる。それゆえ、前記突出領域における前記中間転写ベルトの外周面に残留トナーが蓄積されることを抑制でき、前記局部磨耗の発生およびリーク現象の発生を抑制できる。
【発明の効果】
【0023】
以上のように、本発明のベルト搬送装置は、複数の支持ローラと、前記複数の支持ローラに架けられており、前記複数の支持ローラが回転することによって周回する無端ベルトと、前記無端ベルトにおいて前記支持ローラよりも前記支持ローラの軸方向に突出している突出領域に形成され、前記支持ローラの端面に当接することによって前記無端ベルトの蛇行を抑制するガイド部材とを有し、前記無端ベルトの外周側の面に接触するクリーニング部材によって前記無端ベルトの外周側の面がクリーニングされるベルト搬送装置において、少なくとも1つの支持ローラの端面に、この支持ローラの回転に伴ってこの回転の軸の周囲を周回する突起部および溝部のうちの少なくとも一方が形成されていることを特徴とする。これにより、前記無端ベルトにおいて同一箇所にクリーニング対象物が蓄積してしまうことを抑制でき、クリーニング不良が生じてしまうことを抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の一実施形態について図に基づいて説明する。図2は、本発明のベルト搬送装置の一実施形態である中間転写装置6を模式的に示す正面図であり、図3は、図2に示される中間転写装置6を有する電子写真方式の画像形成装置100の内部構成を示す図である。
【0025】
図2および図3に示すように、画像形成装置100は、外部から伝達された画像データまたは原稿から読み取られた画像データに応じて、所定のシート(記録用紙)に対して多色および単色の画像を形成するものであり、装置本体110および原稿自動搬送装置120を備えている。
【0026】
装置本体110は、露光ユニット1、現像器2、感光体ドラム3、クリーナユニット4、帯電器5、中間転写装置(中間転写ベルトユニット)6、定着ユニット7、給紙カセット81、排紙トレイ91等を有する。
【0027】
装置本体110の上部には、原稿が載置される透明ガラスからなる原稿載置台92が設けられ、原稿載置台92の上側に原稿自動搬送装置120が取り付けられている。原稿自動搬送装置120は、原稿載置台92の上部において自動で原稿を搬送する。また、原稿自動搬送装置120は、矢印M方向に回動自在に構成され、原稿載置台92の上を開放することにより原稿を手置きで置くことができるようになっている。
【0028】
画像形成装置100においては、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)の色成分毎の画像データが取り扱われ、黒画像、シアン画像、マゼンタ画像、黄画像が形成され、各々の色成分の画像を重畳することによってカラー画像が形成されるようになっている。したがって、図3に示すように、画像形成装置100においては、各色成分の画像が形成されるように、現像器2、感光体ドラム3、帯電器5、クリーナユニット4がそれぞれ4個ずつ設けられている。つまり、現像器2と感光体ドラム3と帯電器5とクリーナユニット4とを1つずつ含む画像形成ステーション(画像形成部)が4つ設けられることになる。
【0029】
帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段である。なお、画像形成装置100においては図3に示すようなチャージャ型の帯電器5が用いられているが、チャージャ型の帯電器ではなく、接触方式の帯電ローラや接触方式の帯電ブラシを用いてもよい。
【0030】
露光ユニット1は、レーザ出射部および反射ミラー等を備えたレーザスキャニングユニット(LSU)である。露光ユニット1には、レーザビームを走査するポリゴンミラーと、ポリゴンミラーによって反射されたレーザ光を感光体ドラム3に導くためのレンズやミラー等の光学部品とが配置されている。なお、露光ユニット1は、レーザスキャニングユニットに限定されるものではなく、発光素子をアレイ状に並べたELやLED書込みヘッドであってもよい。
【0031】
露光ユニット1は、外部から入力した画像データまたは原稿から読み取って得られた画像データに応じて、帯電された感光体ドラム3を露光することにより、画像データに応じた静電潜像を感光体ドラム3の表面に形成するためのものである。現像器2は、それぞれの感光体ドラム3上に形成された静電潜像をいずれかの色成分のトナーによって顕像化するものである。またクリーナユニット4は、現像・画像転写後における感光体ドラム3上の表面に残留しているトナーを、除去、回収する。
【0032】
感光体ドラム3の上方に配置されている中間転写装置(ベルト搬送装置)6は、中間転写ベルト61、中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、一次転写ローラ64、中間転写ベルトクリーニングユニット65を備えている。一次転写ローラ64は、YMCKの各色成分に対応して4本設けられている。
【0033】
中間転写ベルト駆動ローラ(支持ローラ)62、中間転写ベルト従動ローラ(支持ローラ)63、一次転写ローラ64は、中間転写ベルト(無端ベルト)61を架けて回転する。また、一次転写ローラ64は、感光体ドラム3のトナー像を中間転写ベルト61に転写するための一次転写バイアスを与えるためのものである。
【0034】
中間転写ベルト61は、各感光体ドラム3に接触するように設けられている。そして、感光体ドラム3に形成された各色成分のトナー像が中間転写ベルト61に順次的に重ねて転写されることによって、中間転写ベルト61にカラーのトナー像(多色トナー像)が形成される。中間転写ベルト61は、樹脂フィルムからなるベルトであり、無端状に形成されている。
【0035】
また、本実施形態では、中間転写ベルト61を薄く設計することによって高画質化を図っている。より具体的には、中間転写ベルト61は厚みが50μm〜100μmになるように設計される。
【0036】
ここで、中間転写ベルト61を薄くすれば画質を向上させ得る理由を説明する。中間転写ベルト61は薄いほどベルト内部に蓄積可能な電荷が増加する性質を有していると推測される。それゆえ、中間転写ベルト61が薄いほど、中間転写ベルト61の電気的なトナー保持力(ベルトへの引き付け力)が強くなり、最終的に形成される画像の質を向上させることができると考えられるのである。
【0037】
感光体ドラム3から中間転写ベルト61へのトナー像の転写は、中間転写ベルト61の裏側に接触している一次転写ローラ64によって行われる。一次転写ローラ64には、高電圧の一次転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。
【0038】
一次転写ローラ64は、直径8〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとし、その表面が導電性の弾性材(例えばEPDM,発泡ウレタン等)により覆われているローラである。この導電性の弾性材により、中間転写ベルト61に対して均一に高電圧を印加することができる。本実施形態では転写電極としてローラ形状を使用しているが、それ以外にブラシなども用いることが可能である。
【0039】
上述のように各感光体ドラム3上の静電潜像は各色成分に応じたトナーにより顕像化されてそれぞれトナー像となり、これらトナー像は中間転写ベルト61に重ねて合わされ積層される。このように、積層されたトナー像は、中間転写ベルト61の回転によって、搬送されるシートと中間転写ベルト61との接触位置(二次転写位置,所定位置)に移動し、この二次位置に配置されている二次転写ベルト10によってシート上に転写される。
【0040】
この場合、中間転写ベルト61と二次転写ベルト10とは所定ニップで互いに圧接されるとともに、二次転写ベルト10にはトナー像を用紙に転写させるための二次転写バイアスが印加される。この二次転写バイアスは、トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧である。
【0041】
さらに、上記所定ニップを定常的に得るために、二次転写位置にて二次転写ベルト10の裏側に圧接するローラ10aもしくは二次転写位置にて中間転写ベルト61の裏側に圧接する中間転写ベルト駆動ローラ62の何れか一方を硬質材料(金属等)とし、他方を弾性ローラ等の軟質材料(弾性ゴムローラまたは発泡性樹脂ローラ等)としている。
【0042】
また、感光体ドラム3に接触することにより中間転写ベルト61に付着したトナー、もしくは二次転写ベルト10によってシート上に転写が行われずに中間転写ベルト61に残存したトナーは、次工程でトナーの混色を発生させる原因となるために、クリーニングユニット65によって除去・回収されるように設定されている。クリーニングユニット65には、中間転写ベルト61の表面に接触するクリーニング部材としてクリーニングブレード65aが備えられており、中間転写ベルト61においてクリーニングブレード65aが接触している箇所は裏側から中間転写ベルト従動ローラ63にて支持されている。
【0043】
給紙カセット81は、画像形成に使用するシート(記録用紙)を蓄積しておくためのトレイであり、装置本体110の露光ユニット1の下側に設けられている。また、手差し給紙カセット82にも画像形成に使用するシートを置くことができる。さらに、装置本体110の上方に設けられている排紙トレイ91は、印刷済みのシートをフェイスダウンで集積するためのトレイである。
【0044】
また装置本体110には、給紙カセット81および手差し給紙カセット82のシートを二次転写位置や定着ユニット7を経由させて排紙トレイ91に送るための、屈曲した形状のシート搬送路Sが設けられている。給紙カセット81または手差し給紙カセット82から排紙トレイ91までのシート搬送路Sの近傍には、ピックアップローラ11a・11b、搬送ローラ12a〜12d,レジストローラ13、二次転写ベルト10、定着ユニット7等が配されている。
【0045】
搬送ローラ12a〜12dは、シートの搬送を促進・補助するための小型のローラであり、シート搬送路Sに沿って複数設けられている。また、ピックアップローラ11aは、給紙カセット81の端部近傍に備えられ、給紙カセット81からシートを1枚ずつピックアップしてシート搬送路Sに供給する。同様にまたピックアップローラ11bは、手差し給紙カセット82の端部近傍に備えられ、手差し給紙カセット82からシートを1枚ずつピックアップしてシート搬送路Sに供給する。
【0046】
また、レジストローラ13は、シート搬送路Sにて搬送されているシートを一旦保持するものである。そして、中間転写ベルト61のトナー像の先端とシートの先端とを合わせるタイミングでシートを二次転写位置に搬送する機能を有している。
【0047】
定着ユニット7は、ヒートローラ71および加圧ローラ72を備えており、ヒートローラ71および加圧ローラ72は、シートを挟んで回転するようになっている。ヒートローラ71は、所定の定着温度となるように制御部(図示せず)によって温度制御される。この制御部は、ヒートローラ71の温度と検出する温度検出器(図示せず)からの検出信号に基づいてヒートローラ71の温度を制御する。ヒートローラ71は、加圧ローラ72とともにトナーをシートに熱圧着することにより、シートに転写された多色トナー像を溶融・混合・圧接し、シートに対して熱定着させる機能を有している。また、定着ユニット7においては、ヒートローラ71を外部から加熱するための外部加熱ベルト73が設けられている。
【0048】
つぎに、シート搬送路Sにおけるシート搬送動作について説明する。画像形成装置100には予めシートを収納する給紙カセット81および手差し給紙カセット82が設けられている。これら給紙カセット81、82からシートを給紙するために、ピックアップローラ11a、11bが配置され、シートを1枚ずつ搬送路Sに導くようになっている。
【0049】
給紙カセット81、82から搬送されるシートはシート搬送路Sの搬送ローラ12aによってレジストローラ13まで搬送される。その後、シートは、シートの先端と中間転写ベルト61のトナー像の先端とが整合するタイミングで二次転写ベルト10に搬送され、シート上にトナー像が書き込まれる。さらにその後、シートが定着ユニット7を通過することによってシート上の未定着トナー像が熱で溶融・固着され、搬送ローラ12bを経て排紙トレイ91上に排出される。
【0050】
なお、上記のシート搬送動作はシートに対する片面印字要求のときのものである。これに対し、両面印字要求の時は、上記のように片面印字が終了し定着ユニット7を通過したシートの後端が最終の搬送ローラ12bで把持されたときに、搬送ローラ12bが逆回転することによってシートを搬送ローラ12c、12dに導く。その後、レジストローラ13を経てシート裏面に印字が行われた後にシートが排紙トレイ91に排出される。
【0051】
つぎに、本実施形態の中間転写装置6についてより詳細に説明する。図1は、中間転写装置6を模式的に示す正面図である。なお、図1は、図2に示されるA方向側からみた中間転写装置6を示したものである。さらに、鉛直方向(重力の作用する方向)をB方向とした場合、図2ではB方向側が下側となるように中間転写装置6が図示されているが、図1ではB方向側が上側となるように中間転写装置6が図示されている。
【0052】
図1に示されるように、中間転写装置6は、中間転写ベルト従動ローラ(以下では単に「従動ローラ」と称す)63、従動ローラ63を回転可能に支持するシャフト67と、従動ローラ63に架けられている無端状の中間転写ベルト61とを有する。
【0053】
従動ローラ63は、ローラ本体63aとカバー(カラー材)63bとを有する。ローラ本体63aは硬質材料(金属等)からなる円柱状部材である。カバー63bは、ローラ本体63aにおける軸方向の一方の端部と他方の端部との各々に嵌められており、POM(ジュラコン材)からなるものである。
【0054】
中間転写ベルト61は低収縮率の樹脂材料を成形したものである。ここで、中間転写ベルト61に使用される低収縮率の樹脂材料としては、PAI(ポリアミドイミド)、PI(ポリイミド)、PC(ポリカーボネート)が挙げられる。
【0055】
なお、図1では、中間転写ベルト駆動ローラ62を省略しているが、中間転写ベルト駆動ローラ62は、従動ローラ63と略同一長さのローラであり、従動ローラ63と平行に配置されている。
【0056】
また、図1に示されるように、中間転写ベルト61は、その幅(従動ローラ63の軸方向におけるベルトの長さ)が従動ローラ63の長さ(前記軸方向における従動ローラ63の長さ)よりも長くなるように設計されている。さらに、図1に示されるように、中間転写ベルト61は、従動ローラ63の両端面(両底面)よりも前記軸方向に突出するように位置決めされている。
【0057】
そして、中間転写ベルト61において従動ローラ63の両端面よりも前記軸方向に突出している部分を突出領域61aとする場合、突出領域61aにおいて中間転写ベルト61の内周側には蛇行抑制ガイド(寄り止めガイド,ガイド部材)66が形成されている。この蛇行抑制ガイド66は、中間転写ベルト61の内周面を一周するように形成されるリブ状の部材である。なお、蛇行抑制ガイド66はウレタンゴム(ポリウレタン)からなるものである。
【0058】
以上の構成によれば、中間転写装置6において、ベルトの蛇行(ベルト寄り)が生じても、従動ローラ63のいずれか一方の端面(底面,カバー63b)と蛇行抑制ガイド66とが当接することにより、前記ベルト寄りが抑制されるようになっている。
【0059】
なお、ウレタンゴム製の蛇行抑制ガイド66と金属製のローラ本体63aとを接触させる構成の場合、当該接触によって蛇行抑制ガイド66が削れてしまうという問題が生じる。これに対し、本実施形態では、蛇行抑制ガイド66に金属製のローラ本体63aを接触させず、蛇行抑制ガイド66にジュラコン材からなるカバー63bを接触させているため、蛇行抑制ガイド66が削れてしまうという事態を抑制できる。
【0060】
また、図1に示されるように、中間転写ベルト61の外周側の面にはクリーニングブレード65aが当接している。このクリーニングブレード65aは、中間転写ベルト61において用紙へ二次転写されずに残留したトナー,紙屑,塵,ゴミ等を掻きとって、中間転写ベルト61をクリーニングするためのものである。
【0061】
ところで、図9にて示したように、中間転写ベルトの突出領域(支持ローラの底面よりも支持ローラの軸方向に突出している領域)は折れ曲がり易い。そして、この折れ曲がりによって、中間転写ベルトにおける突出領域とクリーニングブレードとが離間してしまい、前記突出領域においてベルト表面に残留しているトナーがクリーニングブレードによって掻きとられずにそのまま通過する。これにより、従来の中間転写装置では、図8に示されるように、中間転写ベルトの突出領域付近において、同一箇所に残留トナーが蓄積してしまい、ベルトの周回方向に延びたライン状の残留トナー汚れ(クリーニング不良)が生じていた。また、従来の中間転写装置では、中間転写ベルト上に蓄積した残留トナーが長期に渡って感光体ドラムの同一箇所に擦られ、感光体ドラムにおいて局部磨耗が発生し、局部磨耗された箇所においてリーク現象が生じていた。
【0062】
これに対し、本実施形態の中間転写装置6によれば、図1および図6に示すように、従動ローラ63の両方の端面63c・63cを平坦に形成するのではなく、端面63c・63cにおいて突起部63dと溝部63eとを形成することによって、前記クリーニング不良およびリーク現象の発生を抑制している。なお、図6では、説明の便宜のために溝部63eを示す領域に網掛けが施されているが、この網掛けの施されている箇所は実際には切り欠かれており溝の形成されている領域である。また、図6においては、説明の便宜のために溝部63eと突起部63dとの間においてエッジを示す実線が2本記されているが、実際には溝部63eと突起部63dとの間は図1や図4(b)に示されるように丸みのある斜面形状になっていてエッジは存在しない。
【0063】
以下、従動ローラ63の端面63cの形状、および、当該形状によって前記クリーニング不良およびリーク現象の発生を抑制できる理由を詳細に説明する。図1および図6に示されるように、従動ローラ63の端面63cには、従動ローラ63の回転方向に沿って突起部63dと溝部63eとが交互に並ぶように形成されている。そして、突起部63dは3つ形成されており、溝部63eも3つ形成されている。また、図1および図6に示すように、突起部63dは従動ローラ63の軸方向に突起した形状であり、溝部63eは前記軸方向に凹んだ形状である。
【0064】
つまり、従動ローラ63の端面63cには、図4(b)に示されるように、従動ローラ63の回転方向に沿って勾配が繰り返し形成され、波型形状が形成されていることになる。これに対し、従来の中間転写装置に備えられている支持ローラの端面は、図4(a)に示されるように、平坦形状である。なお、図4(a)は従来の中間転写装置に備えられている支持ローラの端面付近を展開した展開図であり、(b)は本実施形態の中間転写装置6に備えられている従動ローラ63の端面付近を展開した展開図である。
【0065】
以上の構成において、中間転写ベルト駆動ローラ62および従動ローラ63を回転させれば、この回転に伴い、中間転写ベルト61が周回駆動し、従動ローラ63の端面63cに形成されている突起部63dおよび溝部63eは従動ローラ63の回転軸の周囲を周回することになる。そして、従動ローラ63の端面63cと蛇行抑制ガイド66とが当接すると、従動ローラ63の端面63cに形成されている突起部63dおよび溝部63eの勾配によって蛇行抑制ガイド66が揺らされ、中間転写ベルト61のうち蛇行抑制ガイド66の形成されている箇所である突出領域61aも揺らされることになる。
【0066】
そして、突出領域61aが揺らされると、図5(a)(b)に示されるように、突出領域61aにおける中間転写ベルト61の外周側の面に付着している残留トナーが移動する。なお、図5(a)は中間転写ベルト61上のトナーが移動する前の様子を示した図であり、(b)は中間転写ベルト61上のトナーが移動した後の様子を示した図である。
【0067】
それゆえ、突出領域61aにおける中間転写ベルト61の外周面とクリーニングブレード65aとが離間している場合であっても、突出領域61aにおける中間転写ベルト61の外周面に付着している残留トナーを、中間転写ベルト61の外周面においてクリーニングブレード65aと当接し続けている箇所に移動させることができる。これにより、中間転写ベルト61において残留トナーが蓄積してしまうことを抑制でき、クリーニング不良が生じてしまうことを抑制できる。また、突出領域61aにおける中間転写ベルト61の外周面に残留トナーが蓄積されることを抑制できるため、感光体ドラム3に局部磨耗が発生してリーク現象が発生するのを抑制できる。
【0068】
また、本実施形態では、従動ローラ63の端面63cには突起部63dと溝部63eとが各々複数形成されているが、突起部63dおよび溝部63eのうちの一方が少なくとも1つ形成されてさえいれば、蛇行抑制ガイド66を揺らすことが可能であり、残留トナーを移動させることが可能である。
【0069】
しかし、本実施形態の構成のように、蛇行抑制ガイド66を揺らすための突起部63dおよび溝部63eが従動ローラ63の回転の方向に沿って交互に繰り返し形成されている場合、蛇行抑制ガイド66が揺らされる頻度を高くでき、突出領域61aにおける中間転写ベルト61の外周面に付着している残留トナーを頻繁に移動させることができ、クリーニング不良をより一層抑制できる。そして、中間転写ベルト61の蛇行を抑制しつつ、突出領域61aにおける中間転写ベルト61の外周面に付着している残留トナーを確実に移動させるためには、突起部63dと溝部63eとを各々3つ以上形成し、3つの突起部63dによって蛇行抑制ガイド66を支持するようにすることが好ましい。
【0070】
また、本実施形態では、中間転写ベルト61は、低収縮性樹脂(ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂のいずれか)を主成分とするベルトであるが、このようなベルトを画像転写用ベルトとして使用することにより最終的に形成される画像の質を高めることができる。なお、前記低収縮性樹脂を主成分とする中間転写ベルト61では、中間転写ベルト61の突出領域61aが折れ曲がり易くなり、突出領域61aとクリーニングブレード65aとが離間し易くなるが、上述通り従動ローラ63の端面63cに突起部63dおよび溝部63eが形成されているため、前記クリーニング不良および前記リーク現象が発生することを抑制できる。
【0071】
さらに、本実施形態では、高画質化を図るために中間転写ベルト61の厚みを50〜100μmに設計している。但し、中間転写ベルト61の厚みを100μm以下にすると、中間転写ベルト61における突出領域61aが折れ曲がり易くなり、突出領域61aがクリーニングブレード65aから離間し易くなるが、上述通り従動ローラ63の端面63cに突起部63dおよび溝部63eが形成されているため、前記クリーニング不良および前記リーク現象が発生することを抑制できる。
【0072】
また、図4に示すように、突起部63dの頂点と溝部63eの最深部との高低差をdとする場合、dの好ましい数値範囲はクリーニングブレード65aの種類やライフや線圧によって異なるが、本願発明者の行った実験によればdが少なくとも1mm以上であれば前記クリーニング不良および前記リーク現象の発生を抑制できることがわかった。なお、前記高低差は、突起部63dの高さでもあり、溝部63eの深さでもある。また、クリーニングブレード65aの線圧は、ブレードのゴム部の自由長、ヤング率、弾性率、厚みに依存する。
【0073】
さらに、本実施形態では、中間転写ベルト61の外周側の面を清掃するクリーニング部材としてクリーニングブレード65aを採用しているが、中間転写ベルト61の外周側の面に当接するクリーニングローラやクリーニングブラシを前記クリーニング部材としても構わない。
【0074】
また、本実施形態では、従動ローラ63の端面63cに突起部63dおよび溝部63eを形成する構成について説明したが、中間転写ベルト駆動ローラ62の端面に突起部および溝部を形成する構成であっても構わない。
【0075】
なお、本実施形態では、本発明のベルト搬送装置の一形態として中間転写ベルト61を例示して説明したが、本発明のベルト搬送装置は中間転写ベルトに限定されるものではない。例えば、無端ベルトによって用紙を搬送すると共にクリーニングブレードによってベルト上の紙粉を清掃する用紙搬送装置や、無端ベルトによってトナーを移送すると共にクリーニングブレードによって無端ベルトを清掃するトナー移送用ベルトコンベヤ装置にも本発明を適用することが可能である。
【0076】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、上述した実施形態において開示された各技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明のベルト搬送装置は、電子写真方式の画像形成装置に備えられる転写装置や用紙搬送装置に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の一実施形態である中間転写装置を模式的に示す側面図である。
【図2】図1の中間転写装置を模式的に示す正面図である。
【図3】図1および図2の中間転写装置を有する画像形成装置の内部構成を示す図である。
【図4】(a)は従来の中間転写装置に備えられている支持ローラの端面(底面)付近を展開した展開図であり、(b)は本実施形態の中間転写装置に備えられている従動ローラの端面(底面)付近を展開した展開図である。
【図5】(a)は本実施形態の中間転写装置において中間転写ベルト上のトナーが移動する前の様子を示した図であり、(b)は本実施形態の中間転写装置において中間転写ベルト上のトナーが移動した後の様子を示した図である。
【図6】本実施形態の中間転写装置に備えられている従動ローラの端面(底面)付近を示した斜視図である。
【図7】従来の中間転写装置を模式的に示した図である。
【図8】従来の中間転写装置において中間転写ベルトに残留トナーが蓄積されている様子を示した図である。
【図9】従来の中間転写装置において中間転写ベルトの一部が折れ曲がっている様子を示した図である。
【符号の説明】
【0079】
3 感光体ドラム(感光体)
6 中間転写装置(ベルト搬送装置)
61 中間転写ベルト(無端ベルト)
61a 突出領域
62 中間転写ベルト駆動ローラ(支持ローラ)
63 中間転写ベルト従動ローラ(支持ローラ)
63c 端面
63d 突起部
63e 溝部
65a クリーニングブレード(クリーニング部材)
66 蛇行抑制ガイド(ガイド部材)
100 画像形成装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の支持ローラと、
前記複数の支持ローラに架けられており、前記複数の支持ローラが回転することによって周回する無端ベルトと、
前記無端ベルトにおいて前記支持ローラよりも前記支持ローラの軸方向に突出している突出領域に形成され、前記支持ローラの軸方向の端面に当接することによって前記無端ベルトの蛇行を抑制するガイド部材とを有し、
前記無端ベルトの外周側の面に接触するクリーニング部材によって前記無端ベルトの外周側の面がクリーニングされるベルト搬送装置において、
少なくとも1つの支持ローラの前記端面に、この支持ローラの回転に伴ってこの回転の軸の周囲を周回する突起部および溝部のうちの少なくとも一方が形成されていることを特徴とするベルト搬送装置。
【請求項2】
前記端面に、前記突起部と前記溝部とが各々複数形成されており、前記突起部と前記溝部とが前記支持ローラの回転の方向に沿って交互に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のベルト搬送装置。
【請求項3】
前記突起部と前記溝部とは各々3つ以上形成されていることを特徴とする請求項2に記載のベルト搬送装置。
【請求項4】
前記無端ベルトは、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、およびポリカーボネート樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂を主成分とすることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のベルト搬送装置。
【請求項5】
前記無端ベルトの厚さが100μm以下であることを特徴とする請求項4に記載のベルト搬送装置。
【請求項6】
前記クリーニング部材は前記無端ベルトの前記外周側の面に当接するクリーニングブレードであることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のベルト搬送装置。
【請求項7】
電子写真方式の画像形成装置に備えられ、
感光体に形成されているトナー像を中間転写ベルトに一時的に転写し、中間転写ベルトを搬送することによって中間転写ベルトのトナー像を所定位置へ搬送し、前記所定位置において中間転写ベルトのトナー像をシートへ転写する中間転写装置において、
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のベルト搬送装置を有し、前記無端ベルトが前記中間転写ベルトであることを特徴とする中間転写装置。
【請求項8】
請求項7に記載の中間転写装置を備えていることを特徴とする電子写真方式の画像形成装置。

【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−198723(P2009−198723A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−39170(P2008−39170)
【出願日】平成20年2月20日(2008.2.20)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】