ベルト締結具
【課題】この発明は、ベルトが強固に締結固定されていても、該ベルトの締結固定を簡単且つ容易に解除することができるベルト締結具の提供を目的とする。
【解決手段】本発明のベルト締結具1は、支持枠体2の枠部2a,2a間に取り付けられた挟持部材3と、該支持枠体2の枠部2cに取り付けられた解除レバー4の巻付け部4aによってベルトBが厚み方向に挟持される。これにより、ベルトA,Bが長さ方向に緊張される程、強固に締め付け固定することができる。
つまり、解除レバー4を締結解除方向へ回動操作して、カム部4dの中央頂部を挟持部材3の両端に当接するとともに、該挟持部材3を解除レバー4の巻付け部4aから離間される方向へ強制的に移動させる。これにより、ベルトA,Bの締結固定が簡単且つ容易に解除される。
【解決手段】本発明のベルト締結具1は、支持枠体2の枠部2a,2a間に取り付けられた挟持部材3と、該支持枠体2の枠部2cに取り付けられた解除レバー4の巻付け部4aによってベルトBが厚み方向に挟持される。これにより、ベルトA,Bが長さ方向に緊張される程、強固に締め付け固定することができる。
つまり、解除レバー4を締結解除方向へ回動操作して、カム部4dの中央頂部を挟持部材3の両端に当接するとともに、該挟持部材3を解除レバー4の巻付け部4aから離間される方向へ強制的に移動させる。これにより、ベルトA,Bの締結固定が簡単且つ容易に解除される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば荷物や物品を固縛するための荷役用のベルト、或いは、買い物用カートや台車を複数台固定するためのベルト、或いは、箪笥、書架、戸棚、キャビネット、展示ケース等の家具が地震発生時に転倒するのを防止するためのベルト等を締結する際に用いられるベルト締結具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、前記ベルトを締結する際に用いられる締結具としては、例えば特許文献1のベルト締結具が提案されている。このベルト締結具によりベルトを締結する際は、ベース金具に取り付けられた解除金具をベルトの長さ方向と直交する横向きに回動して、調節側ベルトの端部を、ベース金具に保持された固定環の対向辺の下から差し入れ、遊動環の対向辺に巻き付ける。ベルトに緊張力が生ずると、固定環と遊動環の対向辺によってベルトが締結される。また、ベルトの締結を解除する際は、解除金具をベルトの長さ方向と平行する縦向きに回動して、遊動環を後退させる。これにより、固定環と遊動環によるベルトの締結が解除され、調節側ベルトを抜き取ることができる。
【0003】
しかし、固定環と遊動環によって締結固定されたベルトには緊張力が常時付与されており、その緊張力に抗して、解除金具を縦向きに回動操作するのには大きな力が必要である。また、ベルトが強固に締結固定されていると、解除金具に付与される回動抵抗が大きく、ベルトの締結固定を解除するに手間及び時間が掛かる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭57−133860号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は、ベルトが強固に締結固定されていても、該ベルトの締結固定を簡単且つ容易に解除することができるベルト締結具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、四角形に形成された支持枠体の前後に対向する一方の枠部にベルトを固定し、該一方の枠部と対向する他方の枠部と、該支持枠体の左右に対向する各枠体に対し前後摺動自在に取り付けられた挟持部材とで、該挟持部材に巻き付けられたベルトを挟持して締結固定するベルト締結具であって、前記支持枠体の他方の枠部に、該支持枠体の前後方向と平行する方向に向けて一つの解除レバーを前後回動自在に取り付け、前記解除レバーの両側部に、前記左右枠部より外側に突出された前記挟持部材の両端と対向して、前記ベルトが挟持される位置に移動された前記挟持部材の両端に対し当接されるカム部を形成したベルト締結具であることを特徴とする。
【0007】
また、この発明は、矩形に形成された支持枠体の前後に対向する各枠部と、該支持枠体の左右に対向する各枠体に対し前後摺動自在に取り付けられた一対の挟持部材とで、該各挟持部材に巻き付けられたベルトを挟持して締結固定するベルト締結具であって、前記支持枠体の前後枠部に、該支持枠体の前後方向と平行する方向に向けて一対の解除レバーを前後回動自在に取り付け、前記解除レバーの両側部に、前記左右枠部より外側に突出された前記挟持部材の両端と対向して、前記ベルトが挟持される位置に移動された前記挟持部材の両端に対し当接されるカム部を形成したベルト締結具であることを特徴とする。
【0008】
この発明の態様として、前記左右の枠部と対向する前記カム部の内側に、前記解除レバーを締結解除角度に回動した際に前記枠部の外側の面に当接され、該解除レバーを締結解除角度に回動された角度に回動規制する突起を形成することができる。
【0009】
また、この発明の態様として、前記左右の枠部と対向する前記カム部の内側に、前記解除レバーを締結固定角度に回動した際に前記枠部の外側の面に当接され、該解除レバーを締結固定角度に回動された角度に回動規制する一対の突起を形成することができる。
【0010】
また、この発明の態様として、前記解除レバーの操作側端部に、前記挟持部材に巻き付けられた前記ベルトの端部が挿通される挿通孔を形成することができる。
【0011】
また、この発明の態様として、前記カム部を、前記解除レバーが締結固定角度に回動された際に前記ベルト挟持位置に移動された前記挟持部材の端部に対し当接が回避され、前記解除レバーが締結解除角度に回動された際に前記ベルト挟持位置に移動された前記挟持部材の端部に対し当接されるカム形状に形成することができる。
【0012】
前記ベルト締結具は、例えばスチール、ステンレス、アルミニウム、チタンなどの金属、或いは、ポリアセタール、ポリカーボネートなどのプラスチック等の材質で構成することができる。或いは、ベルトの締結固定に必要な強度が得られるならば、挟持部材及び解除レバーのいずれか一方又は両方をプラスチックで形成してもよい。
【0013】
また、ベルトは、例えばポリプロピレン繊維製(PP)、ナイロン繊維製(PA)、ポリエチレン繊維製(PE)、ポリエステル繊維製(PET)等の用途に応じた材質からなる扁平ベルトで構成することができる。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、解除レバーを締結解除方向へ回動操作するだけで、支持枠体に取り付けられた挟持部材が締結解除方向へ強制的に移動される。これにより、ベルトが強固に締結固定されていても、該ベルトの締結固定を簡単且つ容易に解除することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】シングル型のベルト締結具によるベルトの締結状態を示す斜視図。
【図2】ベルト締結具によるベルトの締結状態を示す平面図。
【図3】ベルト締結具に対するベルトの取り付け方を示す縦断側面図。
【図4】ベルト締結具によるベルトの締結状態を示す側面図。
【図5】図4のベルト締結具によるベルトの締結状態を示す縦断側面図。
【図6】解除レバーによるベルトの締結解除動作を示す側面図。
【図7】解除レバーによるベルトの締結解除状態を示す側面図。
【図8】ダブル型のベルト締結具によるベルトの締結状態を示す平面図。
【図9】解除レバーを締結固定角度に回動規制する他の例を示す側面図。
【図10】ベルト締結具による家具の転倒防止例を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0016】
図1は、本発明の一実施形態であるシングル型のベルト締結具1によるベルトA,Bの締結状態を示す斜視図、図2は、ベルト締結具1によるベルトA,Bの締結状態を示す平面図、図3は、ベルト締結具1に対するベルトA,Bの取り付け方を示す縦断側面図、図4は、ベルト締結具1によるベルトA,Bの締結状態を示す側面図、図5は、図4のベルト締結具1によるベルトA,Bの締結状態を示す縦断側面図、図6は、解除レバー4によるベルトA,Bの締結解除動作を示す側面図、図7は、解除レバー4によるベルトA,Bの締結解除状態を示す側面図である。
【0017】
本発明のベルト締結具1は、四角形に形成された支持枠体2の前後(前後方向a)に対向する枠部2b,2cのうち一方の枠部2b(図2中の上側枠部)には、ベルトAの端部Aaが巻き付け固定されている。また、支持枠体2の左右(左右方向b)に対向する枠体2a,2aには、1本の挟持部材3が前後摺動自在に取り付けられている。つまり、枠部2bと対向する他方の枠部2cと、枠体2a,2aに取り付けられた挟持部材3とで、該挟持部材3に巻き付けられたベルトBの端部Baを挟持して締結固定するものである。
【0018】
また、支持枠体2の他方の枠部2c(図2中の下側枠部)には、該支持枠体2の前後方向aと平行する方向に向けて一つの解除レバー4が前後回動自在に取り付けられている。
【0019】
なお、支持枠体2の前後方向aは、ベルトA,Bの長さ方向と対応して設定されている。また、支持枠体2の左右方向bは、ベルトA,Bの幅方向と対応して設定されている。
【0020】
ベルトA,Bは、ポリプロピレン繊維製(PP)の柔軟性を有する1本の扁平ベルトで構成されている。また、ベルトA,Bの横幅は、支持枠体2の枠部2a,2a間より幅狭に形成されている。また、枠部2a,2a間に取り付けられた後述する挟持部材3と、枠部2cに取り付けられた後述する解除レバー4の巻付け部4aとで挟持される厚みに形成されている。
【0021】
支持枠体2は、図2にも示すように、金属製の丸棒を平面から見て正方形に折り曲げ加工して形成されている。また、丸棒は、該丸棒の長さ方向と直交する面で切断した形状が円形(又は丸形)の金属棒で構成されている。また、支持枠体2の表面は、例えばニッケル等でメッキ処理されている。
【0022】
支持枠体2の枠部2bと挟持部材3の間には、図3中の右側からベルトAの端部Aaが挿入されている。また、図3中の左側に引き出されたベルトAの端部AaはU字状に折り返され、該ベルトAの裏側に対し縫着固定されている。
【0023】
これにより、支持枠体2の枠部2bに対しベルトAの端部Aaが巻き付け固定されている。また、ベルトAの端部Aaを縫着固定する代わりに、例えばホックなどの止め具等で固定してもよい。
【0024】
支持枠体2の枠部2bは、前記丸棒の中央部を直線のまま利用して形成されている。また、支持枠体2の枠部2a,2aは、枠部2bの両端をベルトA,Bの長さ方向と平行する方向に向けて直角に折り曲げて形成されている。
【0025】
また、支持枠体2の枠部2cは、枠部2a,2aの端部を内側に向けて直角に折り曲げて形成されている。なお、枠部2a,2aの端部は、該両端の軸芯を一致させて軸芯方向に対し互いに当接されている。また、枠部2a,2aの両端は、後述する解除レバー4の抜け落ちが防止される間隔に近接してもよい。
【0026】
挟持部材3は、図2、図3にも示すように、端面から見て円柱状を有する真鍮製の金属棒で形成されている。また、支持枠体2の横幅より長尺に形成されており、該挟持部材3の両端が支持枠体2の枠部2a,2aより外側に突出する長さに形成されている。
なお、前記真鍮以外の材質として、例えばスチール、ステンレス、アルミニウム、チタン等の金属で挟持部材3を形成してもよい。また、金属以外の材質として、例えばポリアセタール、ポリカーボネート等のプラスチックで挟持部材3を形成してもよい。
【0027】
挟持部材3の両端より内側周面には、挟持部材3の枠部2aを挿入するための貫通孔3aが径方向に貫通して形成されている。また、貫通孔3aは、枠部2aの外径より大径に形成され、支持枠体2の前後方向aと平行して同一方向に向けて形成されている。
挟持部材3の貫通孔3a,3aには、支持枠体2の枠部2a,2aが摺動自在に挿入されており、該支持枠体2の内側に折り曲げられた枠部2cで抜止めされている。
【0028】
これにより、挟持部材3が、後述する支持枠体2の枠部2cに取り付けられた解除レバー4の巻付け部4aに対しベルトBを押し付けるベルト挟持位置(図4に示す位置)と、該解除レバー4の巻付け部4aに対するベルトBの押し付けが解除される締結解除位置(図6に示す位置)とに、支持枠体2の前後方向aと平行して前後摺動自在に取り付けられている。
【0029】
また、挟持部材3のベルトBが巻き付けられる巻き付け面の全周には、菱形目(ダイヤモンド型)がローレット加工されている。なお、前記菱形目以外に、例えば四角目(クロス型)、平目(ストレート型)、斜目(スパイラル型)等のローレット加工を施してもよい。また、セレーション加工、梨地面加工等の加工を施してもよい。
【0030】
解除レバー4は、1枚の金属板を打抜き加工した後、図1に示す形状に折り曲げ加工して形成されている。また、解除レバー4の枢着側端部(図3中の上側)には、支持枠体2の枠部2cに巻き付けられる巻付け部4aが形成されている。また、巻付け部4aは、枠部2cの軸芯を中心として、図3の右側から枠部2cの外周面に対し巻き付けられている。
【0031】
巻付け部4aの端部は、解除レバー4の裏面と対向する方向へ折り曲げられ、該解除レバー4の裏面と直交する角度に折り曲げられている。また、巻付け部4aの端部は、解除レバー4の裏面に対し枠部2cの外径より幅狭となる間隔に近接されている。
【0032】
これにより、解除レバー4が、枠部2cの軸芯を中心として、支持枠体2の前後方向aと平行する方向へ前後回動自在に取り付けられている。つまり、図4に示す締結固定角度と、図7に示す締結解除角度の間に回動操作される。さらに、巻付け部4aと枠部2cとの対向周面間には、解除レバー4の回動操作を許容する隙間が形成されている。
【0033】
解除レバー4の操作側端部(図3中の下側)には、挟持部材3に巻き付けられたベルトBの端部Baが挿通される挿通孔4bが該ベルトBと直交して幅方向に開口されている。また、挿通孔4bは、ベルトBの横幅より幅広に形成されるとともに、該ベルトBを厚み方向に複数枚重ね合わせてなるベルト群の挿通が許容される大きさ及び形状に形成されている。
【0034】
解除レバー4の両側部には、支持枠体2の枠部2a,2aより外側に突出された挟持部材3の両端と対向して、該解除レバー4の巻付け部4aに押し付けられた挟持部材3の両端に対し当接される支持板4c,4cが折り曲げ加工されている。
【0035】
支持板4c,4cは、枠部2a,2aより外側に突出された解除レバー4の両側部を、枠部2cの軸芯両端と対向する方向に向けて直角に折り曲げ形成されている。
【0036】
支持板4c,4cの間は、支持枠体2の横幅より幅広となる間隔に隔てられるとともに、枠部2a,2aより外側に突出された挟持部材3の両端に対し当接される間隔に隔てて形成されている。なお、枠部2aと支持板4cの間は、解除レバー4の回動操作が許容される間隔に隔てられている。
【0037】
支持板4cの端部には、挟持部材3の突出側端部に対し当接されるカム部4dが形成されている。また、カム部4dの周縁には、枠部2cの軸芯を中心として、挟持部材3の端部に対し当接が回避されるカム面4eと、該挟持部材3の端部に対し当接されるカム面4fとが形成されている。
【0038】
カム部4dは、カム面4eとカム面4fの中間部に形成された中央頂部が当接されるカム形状に形成されている。また、カム部4dの中央頂部は、解除レバー4を、図6に示す中間角度に回動した際に、支持枠体2の枠部2a,2a間に取り付けられた挟持部材3の両端に当接される。
【0039】
カム面4eは、枠部2cの軸芯を中心として側面から見て略半円形に形成されている。且つ、解除レバー4の巻付け部4aに押し付けられた挟持部材3の端部に対し当接が回避される大きさ及び形状に形成されている。
【0040】
カム面4fは、カム面4eの周縁より外側に突出され、側面から見て略半楕円形状に形成されている。且つ、解除レバー4の巻付け部4aに押し付けられた挟持部材3の端部に当接され、挟持部材3が解除レバー4の巻付け部4aから離間される大きさ及び形状に形成されている。
【0041】
支持枠体2の枠部2aと対向するカム部4dの内側には、該枠部2aの外側の面に対し当接される滑らかな曲面形状の突起4gが形成されている。また、突起4gは、カム面4eからカム面4fに移行する中間部分に配置され、枠部2aの外側の面に対し当接される大きさ及び形状に形成されている。
【0042】
つまり、解除レバー4を、図7に示す締結解除角度に回動操作した際に、支持枠体2の枠部2aの後側(図7に示す左側)に、支持板4cのカム部4dに形成された突起4gが係合する。これにより、解除レバー4が締結解除角度に回動規制される。
【0043】
前記ベルト締結具1を組み付ける際には、支持枠体2の枠部2a,2aは挟持部材3の貫通孔3a,3aに挿通される。また、貫通孔3a,3aに挿通された枠部2a,2aの端部は内側に向けて直角に折り曲げられ互いに当接される。また、解除レバー4の巻き付け部4aは支持枠体2の枠部4cに対し回動自在に巻き付けられる。
【0044】
これにより、支持枠体2の枠部2a,2a端部を溶着するような工程及び作業が不要となり、ベルト締結具1を安価に製造することができる。なお、支持枠体2の枠部2bには、ベルトAの端部Aaが巻き付け固定される。
【0045】
次に、本発明のベルト締結具1によって図示しない物品に巻き付けられたベルトA,Bを締結固定する方法を説明する。
【0046】
先ず、図3に示すように、ベルトBの端部Baを、ベルトAの端部Aaが固定された支持枠体2の枠部2bと、該支持枠体2の枠部2a,2a間に取り付けられた挟持部材3との間に図中左側から挿入して、該挟持部材3のローレット加工された周面に巻き付ける。
【0047】
次に、挟持部材3に巻き付けられたベルトBの端部Baを、支持枠体2の枠部2a,2a間に取り付けられた挟持部材3と、該支持枠体2の枠部2cに取り付けられた解除レバー4の巻付け部4aとの間に図中右側から挿入して、図中左側へ一旦引き出す。
【0048】
次に、ベルトBの端部Baを、支持枠体2の枠部2cに取り付けられた解除レバー4の挿通孔4bに図中左側から挿通して、図中右側へ一旦引き出す。この後、解除レバー4を、図4に示す締結固定角度に回動操作する。
【0049】
これにより、図4、図5に示すように、ベルトA,Bが図の矢印で示す長さ方向に緊張された際に、該ベルトBを巻き付けた挟持部材3が、支持枠体2の枠部2cに取り付けられた解除レバー4の巻付け部4aに押し付けられる方向へ引き寄せられる。
【0050】
支持枠体2の枠部2a,2a間に取り付けられた挟持部材3と、該支持枠体2の枠部2cによってベルトBが厚み方向に挟持される。実際には、支持枠体2の枠部2cに解除レバー4の巻付け部4aが巻き付けられており、挟持部材3と解除レバー4の巻付け部4aでベルトBが厚み方向に挟持されることになる。これにより、ベルトA,Bが長さ方向に緊張される程、強固に締結固定することができる。
【0051】
ベルトA,Bの締結時において、解除レバー4は、図4に示す締結固定角度に回動されている。また、解除レバー4の挿通孔4bにはベルトBが挿通されているので、解除レバー4が締結解除方向へ回動しようとするのを防止することができる。
【0052】
次に、ベルト締結具1によるベルトA,Bの締結固定を解除する方法を説明する。
先ず、解除レバー4を、図6に示す中間角度に回動した際に、解除レバー4の支持板4cに形成されたカム部4dの中央頂部が、支持枠体2の枠部2a,2a間に取り付けられた挟持部材3の両端に当接される。
【0053】
その当接部分に生じる反力によって、挟持部材3が、支持枠体2の枠部2a,2aに沿って解除レバー4の巻付け部4aから離間される方向へ強制的に移動される。
つまり、ベルトBが強固に締結固定されていても、枠部2cを支点とするテコの原理により、挟持部材3が、解除レバー4の巻付け部4aから離間される方向へ小さな力で移動することができる。
【0054】
支持枠体2の枠部2a,2a間に取り付けられた挟持部材3と、該支持枠体2に取り付けられた解除レバー4の巻付け部4aとの間がベルトBの厚みより幅広に離間された時点で、ベルトBの締結固定が解除される。
【0055】
さらに、解除レバー4を、図6に示す中間角度に回動すれば、カム部4dに形成された突起4gが、支持枠体2の枠部2aに当接される。また、解除レバー4を、図7に示す締結解除角度に回動する際に、支持板4c,4cの間が支持枠体2の横幅より幅広となる間隔に押し広げられる。
【0056】
つまり、カム部4dに形成された突起4gが、支持枠体2の枠部2aを乗り越えて、枠部2aの後側(図7に示す左側)に係合される。これにより、解除レバー4が、図7に示す締結解除角度に回動規制される。
【0057】
これにより、図7に示す締結解除角度に回動された解除レバー4から手を離しても、図4に示す締結固定角度に解除レバー4が回動復帰されることがない。且つ、解除レバー4による締結解除状態が維持されるので、ベルトBを緩める操作或いはベルトBの長さを調節する操作が片手で行える。
【0058】
また、解除レバー4を、図6の矢印で示す締結解除方向とは逆方向へ回動操作して、カム部4dに形成された突起4gを、図7から図6に示す位置へ移動させ、支持枠体2の枠部2a,2aを乗り越えさせる。これにより、解除レバー4を、図4に示す締結固定角度に回動操作することが可能となり、再びベルトBを締結固定することができる。
【0059】
また、図4に示す締結固定角度に回動された解除レバー4の挿通孔4bには調節側のベルトBが挿通されているので、解除レバー4が、勝手に締結解除方向へ回動されるのを防止することができる。つまり、解除レバー4を、図6から図7に示す角度に手で回動操作しないかぎり、ベルトBの締結固定が解除される心配がない。
【0060】
なお、解除レバー4の挿通孔4bにベルトBを挿通しなくても、ベルトBを締結固定するのに必要な締付け力が安定して得られる。
【0061】
以上のように、解除レバー4を締結解除方向へ回動操作するだけで、支持枠体2の枠部2a,2a間に取り付けられた挟持部材3が締結解除方向へ強制的に移動される。これにより、ベルトA,Bが強固に締結固定されていても、その締結固定を簡単且つ容易に解除することができる。
【0062】
図8は、他の例であるダブル型のベルト締結具1によるベルトA,Bの締結状態を示す平面図である。
本例のベルト締結具1は、平面から見て矩形に折り曲げ加工された支持枠体2の前後(前後方向a)に対向する枠部2b,2cと、支持枠体2の左右(左右方向b)に対向する枠体2a,2aに対し前後摺動自在に取り付けられた一対の挟持部材3,3とで、各挟持部材3,3に巻き付けられたベルトA,Bを挟持して締結固定するものである。
【0063】
また、支持枠体2の枠部2b,2cには、該支持枠体2の前後方向aと平行する方向に向けて一対の解除レバー4,4が前後回動自在に取り付けられている。
つまり、一方の挟持部材3に巻き付けられたベルトAの端部Aaは、一方の解除レバー4の挿通孔4bに挿通して上方へ引き出す。また、他方の挟持部材3に巻き付けられたベルトBの端部Baは、他方の解除レバー4の挿通孔4bに挿通して下方へ引き出す。
【0064】
これにより、ベルトA,Bが長さ方向に緊張された際に、該ベルトA,Bを巻き付けた挟持部材3が、支持枠体2の枠部2b,2cに取り付けられた解除レバー4の巻付け部4aに押し付けられる。
【0065】
支持枠体2に取り付けられた一対の挟持部材3,3と、該支持枠体2の枠部2b,2cに取り付けられた一対の解除レバー4,4によってベルトA,Bが挟持されるので、ベルトA,Bが長さ方向に緊張される程、強固に締め付け固定することができる。
【0066】
また、一方又は他方の解除レバー4を締結解除方向へ回動操作するだけで、支持枠体2に取り付けられた挟持部材3が締結解除方向へ強制的に移動される。これにより、ベルトA,Bの締結固定を簡単且つ容易に解除することができる。
【0067】
さらに、ベルトA,Bの巻き付け具合やベルト締結具1の取り付け位置等に応じて、操作しやすい方の解除レバー4を回動操作することができる。
【0068】
図9は、解除レバー4を締結固定角度に回動規制する他の例を示す側面図である。
本例のベルト締結具1は、カム面4eが形成されたカム部4dの内側に、該枠部2aが係合される間隔に隔てて滑らかな曲面形状の突起4h,4hが形成されている。
【0069】
つまり、解除レバー4を、図に示す締結固定角度に回動操作した際に、支持枠体2の枠部2aがカム部4dに形成された突起4h,4hの間に係合される。これにより、解除レバー4が締結固定角度に回動規制される。また、ベルトA,Bの締結固定時において、解除レバー4が締結解除方向へ回動しようとするのを防止することができる。
【0070】
図10は、ベルト締結具1を家具Cが転倒するのを防止するために用いた例を示す側面図である。
本例のベルト締結具1は、図示しない建物の壁部Dに沿って設置された家具Cの後側上部に配置されている。
【0071】
家具Cの前側上部に係止又は固定されたフック5には、支持枠体2に巻き付け固定されたベルトAの一端が連結されている。また、家具C後方の上側壁部Dに固定された固定部材6には、支持枠体2の挟持部材3に巻き付けられたベルトBの一端が連結されている。また、家具C後方の下側壁部Dに固定された固定部材7には、コイルスプリング8を介して、家具Cの後側に垂下されたベルトBの他端が連結されている。
【0072】
つまり、ベルト締結具1の挟持部材3に巻き付けられたベルトBは、コイルスプリング8の復元力により常時引っ張られているので、地震発生時において、家具Cが壁部D側に傾いても、ベルトA,Bには緩みが生じることがない。
【0073】
また、家具Cが前方へ傾いた際には、ベルトA,Bが長さ方向に緊張され、支持枠体2に取り付けられた挟持部材3と、解除レバー4の巻付け部4aとによってベルトBが締結固定されるので、家具Cが壁部Dから離れる方向へ傾倒するのを防止することができる。
【0074】
なお、コイルスプリング8が係止される固定部材7は、建物の床部に固定してもよい。また、コイルスプリング8の代わりに、適宜重量の重り部材をベルトBの下端部に取り付けてもよい。
【0075】
本発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、請求項に示される技術思想に基づいて応用することができ、多くの実施の形態を得ることができる。
【0076】
本発明のベルト締結具1は、2本のベルトA,Bを締結固定する際にも利用することができる。また、ベルト締結具1は、例えばポリアセタール、ポリカーボネート等のプラスチックで形成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明のベルト締結具1は、例えば鞄、リュックサック、農機具などの装着時において、肩ひも等のベルト長さを自由に調節する際にも利用することができる。
【符号の説明】
【0078】
A,B…ベルト
C…家具
D…壁部
1…ベルト締結具
2…支持枠体
3…挟持部材
4…解除レバー
4a…巻付け部
4b…挿通孔
4c…支持板
4d…カム部
4g,4h…突起
5…フック
6,7…固定部材
8…コイルスプリング
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば荷物や物品を固縛するための荷役用のベルト、或いは、買い物用カートや台車を複数台固定するためのベルト、或いは、箪笥、書架、戸棚、キャビネット、展示ケース等の家具が地震発生時に転倒するのを防止するためのベルト等を締結する際に用いられるベルト締結具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、前記ベルトを締結する際に用いられる締結具としては、例えば特許文献1のベルト締結具が提案されている。このベルト締結具によりベルトを締結する際は、ベース金具に取り付けられた解除金具をベルトの長さ方向と直交する横向きに回動して、調節側ベルトの端部を、ベース金具に保持された固定環の対向辺の下から差し入れ、遊動環の対向辺に巻き付ける。ベルトに緊張力が生ずると、固定環と遊動環の対向辺によってベルトが締結される。また、ベルトの締結を解除する際は、解除金具をベルトの長さ方向と平行する縦向きに回動して、遊動環を後退させる。これにより、固定環と遊動環によるベルトの締結が解除され、調節側ベルトを抜き取ることができる。
【0003】
しかし、固定環と遊動環によって締結固定されたベルトには緊張力が常時付与されており、その緊張力に抗して、解除金具を縦向きに回動操作するのには大きな力が必要である。また、ベルトが強固に締結固定されていると、解除金具に付与される回動抵抗が大きく、ベルトの締結固定を解除するに手間及び時間が掛かる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭57−133860号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は、ベルトが強固に締結固定されていても、該ベルトの締結固定を簡単且つ容易に解除することができるベルト締結具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、四角形に形成された支持枠体の前後に対向する一方の枠部にベルトを固定し、該一方の枠部と対向する他方の枠部と、該支持枠体の左右に対向する各枠体に対し前後摺動自在に取り付けられた挟持部材とで、該挟持部材に巻き付けられたベルトを挟持して締結固定するベルト締結具であって、前記支持枠体の他方の枠部に、該支持枠体の前後方向と平行する方向に向けて一つの解除レバーを前後回動自在に取り付け、前記解除レバーの両側部に、前記左右枠部より外側に突出された前記挟持部材の両端と対向して、前記ベルトが挟持される位置に移動された前記挟持部材の両端に対し当接されるカム部を形成したベルト締結具であることを特徴とする。
【0007】
また、この発明は、矩形に形成された支持枠体の前後に対向する各枠部と、該支持枠体の左右に対向する各枠体に対し前後摺動自在に取り付けられた一対の挟持部材とで、該各挟持部材に巻き付けられたベルトを挟持して締結固定するベルト締結具であって、前記支持枠体の前後枠部に、該支持枠体の前後方向と平行する方向に向けて一対の解除レバーを前後回動自在に取り付け、前記解除レバーの両側部に、前記左右枠部より外側に突出された前記挟持部材の両端と対向して、前記ベルトが挟持される位置に移動された前記挟持部材の両端に対し当接されるカム部を形成したベルト締結具であることを特徴とする。
【0008】
この発明の態様として、前記左右の枠部と対向する前記カム部の内側に、前記解除レバーを締結解除角度に回動した際に前記枠部の外側の面に当接され、該解除レバーを締結解除角度に回動された角度に回動規制する突起を形成することができる。
【0009】
また、この発明の態様として、前記左右の枠部と対向する前記カム部の内側に、前記解除レバーを締結固定角度に回動した際に前記枠部の外側の面に当接され、該解除レバーを締結固定角度に回動された角度に回動規制する一対の突起を形成することができる。
【0010】
また、この発明の態様として、前記解除レバーの操作側端部に、前記挟持部材に巻き付けられた前記ベルトの端部が挿通される挿通孔を形成することができる。
【0011】
また、この発明の態様として、前記カム部を、前記解除レバーが締結固定角度に回動された際に前記ベルト挟持位置に移動された前記挟持部材の端部に対し当接が回避され、前記解除レバーが締結解除角度に回動された際に前記ベルト挟持位置に移動された前記挟持部材の端部に対し当接されるカム形状に形成することができる。
【0012】
前記ベルト締結具は、例えばスチール、ステンレス、アルミニウム、チタンなどの金属、或いは、ポリアセタール、ポリカーボネートなどのプラスチック等の材質で構成することができる。或いは、ベルトの締結固定に必要な強度が得られるならば、挟持部材及び解除レバーのいずれか一方又は両方をプラスチックで形成してもよい。
【0013】
また、ベルトは、例えばポリプロピレン繊維製(PP)、ナイロン繊維製(PA)、ポリエチレン繊維製(PE)、ポリエステル繊維製(PET)等の用途に応じた材質からなる扁平ベルトで構成することができる。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、解除レバーを締結解除方向へ回動操作するだけで、支持枠体に取り付けられた挟持部材が締結解除方向へ強制的に移動される。これにより、ベルトが強固に締結固定されていても、該ベルトの締結固定を簡単且つ容易に解除することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】シングル型のベルト締結具によるベルトの締結状態を示す斜視図。
【図2】ベルト締結具によるベルトの締結状態を示す平面図。
【図3】ベルト締結具に対するベルトの取り付け方を示す縦断側面図。
【図4】ベルト締結具によるベルトの締結状態を示す側面図。
【図5】図4のベルト締結具によるベルトの締結状態を示す縦断側面図。
【図6】解除レバーによるベルトの締結解除動作を示す側面図。
【図7】解除レバーによるベルトの締結解除状態を示す側面図。
【図8】ダブル型のベルト締結具によるベルトの締結状態を示す平面図。
【図9】解除レバーを締結固定角度に回動規制する他の例を示す側面図。
【図10】ベルト締結具による家具の転倒防止例を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0016】
図1は、本発明の一実施形態であるシングル型のベルト締結具1によるベルトA,Bの締結状態を示す斜視図、図2は、ベルト締結具1によるベルトA,Bの締結状態を示す平面図、図3は、ベルト締結具1に対するベルトA,Bの取り付け方を示す縦断側面図、図4は、ベルト締結具1によるベルトA,Bの締結状態を示す側面図、図5は、図4のベルト締結具1によるベルトA,Bの締結状態を示す縦断側面図、図6は、解除レバー4によるベルトA,Bの締結解除動作を示す側面図、図7は、解除レバー4によるベルトA,Bの締結解除状態を示す側面図である。
【0017】
本発明のベルト締結具1は、四角形に形成された支持枠体2の前後(前後方向a)に対向する枠部2b,2cのうち一方の枠部2b(図2中の上側枠部)には、ベルトAの端部Aaが巻き付け固定されている。また、支持枠体2の左右(左右方向b)に対向する枠体2a,2aには、1本の挟持部材3が前後摺動自在に取り付けられている。つまり、枠部2bと対向する他方の枠部2cと、枠体2a,2aに取り付けられた挟持部材3とで、該挟持部材3に巻き付けられたベルトBの端部Baを挟持して締結固定するものである。
【0018】
また、支持枠体2の他方の枠部2c(図2中の下側枠部)には、該支持枠体2の前後方向aと平行する方向に向けて一つの解除レバー4が前後回動自在に取り付けられている。
【0019】
なお、支持枠体2の前後方向aは、ベルトA,Bの長さ方向と対応して設定されている。また、支持枠体2の左右方向bは、ベルトA,Bの幅方向と対応して設定されている。
【0020】
ベルトA,Bは、ポリプロピレン繊維製(PP)の柔軟性を有する1本の扁平ベルトで構成されている。また、ベルトA,Bの横幅は、支持枠体2の枠部2a,2a間より幅狭に形成されている。また、枠部2a,2a間に取り付けられた後述する挟持部材3と、枠部2cに取り付けられた後述する解除レバー4の巻付け部4aとで挟持される厚みに形成されている。
【0021】
支持枠体2は、図2にも示すように、金属製の丸棒を平面から見て正方形に折り曲げ加工して形成されている。また、丸棒は、該丸棒の長さ方向と直交する面で切断した形状が円形(又は丸形)の金属棒で構成されている。また、支持枠体2の表面は、例えばニッケル等でメッキ処理されている。
【0022】
支持枠体2の枠部2bと挟持部材3の間には、図3中の右側からベルトAの端部Aaが挿入されている。また、図3中の左側に引き出されたベルトAの端部AaはU字状に折り返され、該ベルトAの裏側に対し縫着固定されている。
【0023】
これにより、支持枠体2の枠部2bに対しベルトAの端部Aaが巻き付け固定されている。また、ベルトAの端部Aaを縫着固定する代わりに、例えばホックなどの止め具等で固定してもよい。
【0024】
支持枠体2の枠部2bは、前記丸棒の中央部を直線のまま利用して形成されている。また、支持枠体2の枠部2a,2aは、枠部2bの両端をベルトA,Bの長さ方向と平行する方向に向けて直角に折り曲げて形成されている。
【0025】
また、支持枠体2の枠部2cは、枠部2a,2aの端部を内側に向けて直角に折り曲げて形成されている。なお、枠部2a,2aの端部は、該両端の軸芯を一致させて軸芯方向に対し互いに当接されている。また、枠部2a,2aの両端は、後述する解除レバー4の抜け落ちが防止される間隔に近接してもよい。
【0026】
挟持部材3は、図2、図3にも示すように、端面から見て円柱状を有する真鍮製の金属棒で形成されている。また、支持枠体2の横幅より長尺に形成されており、該挟持部材3の両端が支持枠体2の枠部2a,2aより外側に突出する長さに形成されている。
なお、前記真鍮以外の材質として、例えばスチール、ステンレス、アルミニウム、チタン等の金属で挟持部材3を形成してもよい。また、金属以外の材質として、例えばポリアセタール、ポリカーボネート等のプラスチックで挟持部材3を形成してもよい。
【0027】
挟持部材3の両端より内側周面には、挟持部材3の枠部2aを挿入するための貫通孔3aが径方向に貫通して形成されている。また、貫通孔3aは、枠部2aの外径より大径に形成され、支持枠体2の前後方向aと平行して同一方向に向けて形成されている。
挟持部材3の貫通孔3a,3aには、支持枠体2の枠部2a,2aが摺動自在に挿入されており、該支持枠体2の内側に折り曲げられた枠部2cで抜止めされている。
【0028】
これにより、挟持部材3が、後述する支持枠体2の枠部2cに取り付けられた解除レバー4の巻付け部4aに対しベルトBを押し付けるベルト挟持位置(図4に示す位置)と、該解除レバー4の巻付け部4aに対するベルトBの押し付けが解除される締結解除位置(図6に示す位置)とに、支持枠体2の前後方向aと平行して前後摺動自在に取り付けられている。
【0029】
また、挟持部材3のベルトBが巻き付けられる巻き付け面の全周には、菱形目(ダイヤモンド型)がローレット加工されている。なお、前記菱形目以外に、例えば四角目(クロス型)、平目(ストレート型)、斜目(スパイラル型)等のローレット加工を施してもよい。また、セレーション加工、梨地面加工等の加工を施してもよい。
【0030】
解除レバー4は、1枚の金属板を打抜き加工した後、図1に示す形状に折り曲げ加工して形成されている。また、解除レバー4の枢着側端部(図3中の上側)には、支持枠体2の枠部2cに巻き付けられる巻付け部4aが形成されている。また、巻付け部4aは、枠部2cの軸芯を中心として、図3の右側から枠部2cの外周面に対し巻き付けられている。
【0031】
巻付け部4aの端部は、解除レバー4の裏面と対向する方向へ折り曲げられ、該解除レバー4の裏面と直交する角度に折り曲げられている。また、巻付け部4aの端部は、解除レバー4の裏面に対し枠部2cの外径より幅狭となる間隔に近接されている。
【0032】
これにより、解除レバー4が、枠部2cの軸芯を中心として、支持枠体2の前後方向aと平行する方向へ前後回動自在に取り付けられている。つまり、図4に示す締結固定角度と、図7に示す締結解除角度の間に回動操作される。さらに、巻付け部4aと枠部2cとの対向周面間には、解除レバー4の回動操作を許容する隙間が形成されている。
【0033】
解除レバー4の操作側端部(図3中の下側)には、挟持部材3に巻き付けられたベルトBの端部Baが挿通される挿通孔4bが該ベルトBと直交して幅方向に開口されている。また、挿通孔4bは、ベルトBの横幅より幅広に形成されるとともに、該ベルトBを厚み方向に複数枚重ね合わせてなるベルト群の挿通が許容される大きさ及び形状に形成されている。
【0034】
解除レバー4の両側部には、支持枠体2の枠部2a,2aより外側に突出された挟持部材3の両端と対向して、該解除レバー4の巻付け部4aに押し付けられた挟持部材3の両端に対し当接される支持板4c,4cが折り曲げ加工されている。
【0035】
支持板4c,4cは、枠部2a,2aより外側に突出された解除レバー4の両側部を、枠部2cの軸芯両端と対向する方向に向けて直角に折り曲げ形成されている。
【0036】
支持板4c,4cの間は、支持枠体2の横幅より幅広となる間隔に隔てられるとともに、枠部2a,2aより外側に突出された挟持部材3の両端に対し当接される間隔に隔てて形成されている。なお、枠部2aと支持板4cの間は、解除レバー4の回動操作が許容される間隔に隔てられている。
【0037】
支持板4cの端部には、挟持部材3の突出側端部に対し当接されるカム部4dが形成されている。また、カム部4dの周縁には、枠部2cの軸芯を中心として、挟持部材3の端部に対し当接が回避されるカム面4eと、該挟持部材3の端部に対し当接されるカム面4fとが形成されている。
【0038】
カム部4dは、カム面4eとカム面4fの中間部に形成された中央頂部が当接されるカム形状に形成されている。また、カム部4dの中央頂部は、解除レバー4を、図6に示す中間角度に回動した際に、支持枠体2の枠部2a,2a間に取り付けられた挟持部材3の両端に当接される。
【0039】
カム面4eは、枠部2cの軸芯を中心として側面から見て略半円形に形成されている。且つ、解除レバー4の巻付け部4aに押し付けられた挟持部材3の端部に対し当接が回避される大きさ及び形状に形成されている。
【0040】
カム面4fは、カム面4eの周縁より外側に突出され、側面から見て略半楕円形状に形成されている。且つ、解除レバー4の巻付け部4aに押し付けられた挟持部材3の端部に当接され、挟持部材3が解除レバー4の巻付け部4aから離間される大きさ及び形状に形成されている。
【0041】
支持枠体2の枠部2aと対向するカム部4dの内側には、該枠部2aの外側の面に対し当接される滑らかな曲面形状の突起4gが形成されている。また、突起4gは、カム面4eからカム面4fに移行する中間部分に配置され、枠部2aの外側の面に対し当接される大きさ及び形状に形成されている。
【0042】
つまり、解除レバー4を、図7に示す締結解除角度に回動操作した際に、支持枠体2の枠部2aの後側(図7に示す左側)に、支持板4cのカム部4dに形成された突起4gが係合する。これにより、解除レバー4が締結解除角度に回動規制される。
【0043】
前記ベルト締結具1を組み付ける際には、支持枠体2の枠部2a,2aは挟持部材3の貫通孔3a,3aに挿通される。また、貫通孔3a,3aに挿通された枠部2a,2aの端部は内側に向けて直角に折り曲げられ互いに当接される。また、解除レバー4の巻き付け部4aは支持枠体2の枠部4cに対し回動自在に巻き付けられる。
【0044】
これにより、支持枠体2の枠部2a,2a端部を溶着するような工程及び作業が不要となり、ベルト締結具1を安価に製造することができる。なお、支持枠体2の枠部2bには、ベルトAの端部Aaが巻き付け固定される。
【0045】
次に、本発明のベルト締結具1によって図示しない物品に巻き付けられたベルトA,Bを締結固定する方法を説明する。
【0046】
先ず、図3に示すように、ベルトBの端部Baを、ベルトAの端部Aaが固定された支持枠体2の枠部2bと、該支持枠体2の枠部2a,2a間に取り付けられた挟持部材3との間に図中左側から挿入して、該挟持部材3のローレット加工された周面に巻き付ける。
【0047】
次に、挟持部材3に巻き付けられたベルトBの端部Baを、支持枠体2の枠部2a,2a間に取り付けられた挟持部材3と、該支持枠体2の枠部2cに取り付けられた解除レバー4の巻付け部4aとの間に図中右側から挿入して、図中左側へ一旦引き出す。
【0048】
次に、ベルトBの端部Baを、支持枠体2の枠部2cに取り付けられた解除レバー4の挿通孔4bに図中左側から挿通して、図中右側へ一旦引き出す。この後、解除レバー4を、図4に示す締結固定角度に回動操作する。
【0049】
これにより、図4、図5に示すように、ベルトA,Bが図の矢印で示す長さ方向に緊張された際に、該ベルトBを巻き付けた挟持部材3が、支持枠体2の枠部2cに取り付けられた解除レバー4の巻付け部4aに押し付けられる方向へ引き寄せられる。
【0050】
支持枠体2の枠部2a,2a間に取り付けられた挟持部材3と、該支持枠体2の枠部2cによってベルトBが厚み方向に挟持される。実際には、支持枠体2の枠部2cに解除レバー4の巻付け部4aが巻き付けられており、挟持部材3と解除レバー4の巻付け部4aでベルトBが厚み方向に挟持されることになる。これにより、ベルトA,Bが長さ方向に緊張される程、強固に締結固定することができる。
【0051】
ベルトA,Bの締結時において、解除レバー4は、図4に示す締結固定角度に回動されている。また、解除レバー4の挿通孔4bにはベルトBが挿通されているので、解除レバー4が締結解除方向へ回動しようとするのを防止することができる。
【0052】
次に、ベルト締結具1によるベルトA,Bの締結固定を解除する方法を説明する。
先ず、解除レバー4を、図6に示す中間角度に回動した際に、解除レバー4の支持板4cに形成されたカム部4dの中央頂部が、支持枠体2の枠部2a,2a間に取り付けられた挟持部材3の両端に当接される。
【0053】
その当接部分に生じる反力によって、挟持部材3が、支持枠体2の枠部2a,2aに沿って解除レバー4の巻付け部4aから離間される方向へ強制的に移動される。
つまり、ベルトBが強固に締結固定されていても、枠部2cを支点とするテコの原理により、挟持部材3が、解除レバー4の巻付け部4aから離間される方向へ小さな力で移動することができる。
【0054】
支持枠体2の枠部2a,2a間に取り付けられた挟持部材3と、該支持枠体2に取り付けられた解除レバー4の巻付け部4aとの間がベルトBの厚みより幅広に離間された時点で、ベルトBの締結固定が解除される。
【0055】
さらに、解除レバー4を、図6に示す中間角度に回動すれば、カム部4dに形成された突起4gが、支持枠体2の枠部2aに当接される。また、解除レバー4を、図7に示す締結解除角度に回動する際に、支持板4c,4cの間が支持枠体2の横幅より幅広となる間隔に押し広げられる。
【0056】
つまり、カム部4dに形成された突起4gが、支持枠体2の枠部2aを乗り越えて、枠部2aの後側(図7に示す左側)に係合される。これにより、解除レバー4が、図7に示す締結解除角度に回動規制される。
【0057】
これにより、図7に示す締結解除角度に回動された解除レバー4から手を離しても、図4に示す締結固定角度に解除レバー4が回動復帰されることがない。且つ、解除レバー4による締結解除状態が維持されるので、ベルトBを緩める操作或いはベルトBの長さを調節する操作が片手で行える。
【0058】
また、解除レバー4を、図6の矢印で示す締結解除方向とは逆方向へ回動操作して、カム部4dに形成された突起4gを、図7から図6に示す位置へ移動させ、支持枠体2の枠部2a,2aを乗り越えさせる。これにより、解除レバー4を、図4に示す締結固定角度に回動操作することが可能となり、再びベルトBを締結固定することができる。
【0059】
また、図4に示す締結固定角度に回動された解除レバー4の挿通孔4bには調節側のベルトBが挿通されているので、解除レバー4が、勝手に締結解除方向へ回動されるのを防止することができる。つまり、解除レバー4を、図6から図7に示す角度に手で回動操作しないかぎり、ベルトBの締結固定が解除される心配がない。
【0060】
なお、解除レバー4の挿通孔4bにベルトBを挿通しなくても、ベルトBを締結固定するのに必要な締付け力が安定して得られる。
【0061】
以上のように、解除レバー4を締結解除方向へ回動操作するだけで、支持枠体2の枠部2a,2a間に取り付けられた挟持部材3が締結解除方向へ強制的に移動される。これにより、ベルトA,Bが強固に締結固定されていても、その締結固定を簡単且つ容易に解除することができる。
【0062】
図8は、他の例であるダブル型のベルト締結具1によるベルトA,Bの締結状態を示す平面図である。
本例のベルト締結具1は、平面から見て矩形に折り曲げ加工された支持枠体2の前後(前後方向a)に対向する枠部2b,2cと、支持枠体2の左右(左右方向b)に対向する枠体2a,2aに対し前後摺動自在に取り付けられた一対の挟持部材3,3とで、各挟持部材3,3に巻き付けられたベルトA,Bを挟持して締結固定するものである。
【0063】
また、支持枠体2の枠部2b,2cには、該支持枠体2の前後方向aと平行する方向に向けて一対の解除レバー4,4が前後回動自在に取り付けられている。
つまり、一方の挟持部材3に巻き付けられたベルトAの端部Aaは、一方の解除レバー4の挿通孔4bに挿通して上方へ引き出す。また、他方の挟持部材3に巻き付けられたベルトBの端部Baは、他方の解除レバー4の挿通孔4bに挿通して下方へ引き出す。
【0064】
これにより、ベルトA,Bが長さ方向に緊張された際に、該ベルトA,Bを巻き付けた挟持部材3が、支持枠体2の枠部2b,2cに取り付けられた解除レバー4の巻付け部4aに押し付けられる。
【0065】
支持枠体2に取り付けられた一対の挟持部材3,3と、該支持枠体2の枠部2b,2cに取り付けられた一対の解除レバー4,4によってベルトA,Bが挟持されるので、ベルトA,Bが長さ方向に緊張される程、強固に締め付け固定することができる。
【0066】
また、一方又は他方の解除レバー4を締結解除方向へ回動操作するだけで、支持枠体2に取り付けられた挟持部材3が締結解除方向へ強制的に移動される。これにより、ベルトA,Bの締結固定を簡単且つ容易に解除することができる。
【0067】
さらに、ベルトA,Bの巻き付け具合やベルト締結具1の取り付け位置等に応じて、操作しやすい方の解除レバー4を回動操作することができる。
【0068】
図9は、解除レバー4を締結固定角度に回動規制する他の例を示す側面図である。
本例のベルト締結具1は、カム面4eが形成されたカム部4dの内側に、該枠部2aが係合される間隔に隔てて滑らかな曲面形状の突起4h,4hが形成されている。
【0069】
つまり、解除レバー4を、図に示す締結固定角度に回動操作した際に、支持枠体2の枠部2aがカム部4dに形成された突起4h,4hの間に係合される。これにより、解除レバー4が締結固定角度に回動規制される。また、ベルトA,Bの締結固定時において、解除レバー4が締結解除方向へ回動しようとするのを防止することができる。
【0070】
図10は、ベルト締結具1を家具Cが転倒するのを防止するために用いた例を示す側面図である。
本例のベルト締結具1は、図示しない建物の壁部Dに沿って設置された家具Cの後側上部に配置されている。
【0071】
家具Cの前側上部に係止又は固定されたフック5には、支持枠体2に巻き付け固定されたベルトAの一端が連結されている。また、家具C後方の上側壁部Dに固定された固定部材6には、支持枠体2の挟持部材3に巻き付けられたベルトBの一端が連結されている。また、家具C後方の下側壁部Dに固定された固定部材7には、コイルスプリング8を介して、家具Cの後側に垂下されたベルトBの他端が連結されている。
【0072】
つまり、ベルト締結具1の挟持部材3に巻き付けられたベルトBは、コイルスプリング8の復元力により常時引っ張られているので、地震発生時において、家具Cが壁部D側に傾いても、ベルトA,Bには緩みが生じることがない。
【0073】
また、家具Cが前方へ傾いた際には、ベルトA,Bが長さ方向に緊張され、支持枠体2に取り付けられた挟持部材3と、解除レバー4の巻付け部4aとによってベルトBが締結固定されるので、家具Cが壁部Dから離れる方向へ傾倒するのを防止することができる。
【0074】
なお、コイルスプリング8が係止される固定部材7は、建物の床部に固定してもよい。また、コイルスプリング8の代わりに、適宜重量の重り部材をベルトBの下端部に取り付けてもよい。
【0075】
本発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、請求項に示される技術思想に基づいて応用することができ、多くの実施の形態を得ることができる。
【0076】
本発明のベルト締結具1は、2本のベルトA,Bを締結固定する際にも利用することができる。また、ベルト締結具1は、例えばポリアセタール、ポリカーボネート等のプラスチックで形成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明のベルト締結具1は、例えば鞄、リュックサック、農機具などの装着時において、肩ひも等のベルト長さを自由に調節する際にも利用することができる。
【符号の説明】
【0078】
A,B…ベルト
C…家具
D…壁部
1…ベルト締結具
2…支持枠体
3…挟持部材
4…解除レバー
4a…巻付け部
4b…挿通孔
4c…支持板
4d…カム部
4g,4h…突起
5…フック
6,7…固定部材
8…コイルスプリング
【特許請求の範囲】
【請求項1】
四角形に形成された支持枠体の前後に対向する一方の枠部にベルトを固定し、該一方の枠部と対向する他方の枠部と、該支持枠体の左右に対向する各枠体に対し前後摺動自在に取り付けられた挟持部材とで、該挟持部材に巻き付けられたベルトを挟持して締結固定するベルト締結具であって、
前記支持枠体の他方の枠部に、該支持枠体の前後方向と平行する方向に向けて一つの解除レバーを前後回動自在に取り付け、
前記解除レバーの両側部に、前記左右枠部より外側に突出された前記挟持部材の両端と対向して、前記ベルトが挟持される位置に移動された前記挟持部材の両端に対し当接されるカム部を形成した
ベルト締結具。
【請求項2】
矩形に形成された支持枠体の前後に対向する各枠部と、該支持枠体の左右に対向する各枠体に対し前後摺動自在に取り付けられた一対の挟持部材とで、該各挟持部材に巻き付けられたベルトを挟持して締結固定するベルト締結具であって、
前記支持枠体の前後枠部に、該支持枠体の前後方向と平行する方向に向けて一対の解除レバーを前後回動自在に取り付け、
前記解除レバーの両側部に、前記左右枠部より外側に突出された前記挟持部材の両端と対向して、前記ベルトが挟持される位置に移動された前記挟持部材の両端に対し当接されるカム部を形成した
ベルト締結具。
【請求項3】
前記左右の枠部と対向する前記カム部の内側に、前記解除レバーを締結解除角度に回動した際に前記枠部の外側の面に当接され、該解除レバーを締結解除角度に回動された角度に回動規制する突起を形成した
請求項1又は2に記載のベルト締結具。
【請求項4】
前記左右の枠部と対向する前記カム部の内側に、前記解除レバーを締結固定角度に回動した際に前記枠部の外側の面に当接され、該解除レバーを締結固定角度に回動された角度に回動規制する一対の突起を形成した
請求項1〜3のいずれか一つに記載のベルト締結具。
【請求項5】
前記解除レバーの操作側端部に、前記挟持部材に巻き付けられた前記ベルトの端部が挿通される挿通孔を形成した
請求項1〜4のいずれか一つに記載のベルト締結具。
【請求項6】
前記カム部を、前記解除レバーが締結固定角度に回動された際に前記ベルト挟持位置に移動された前記挟持部材の端部に対し当接が回避され、前記解除レバーが締結解除角度に回動された際に前記ベルト挟持位置に移動された前記挟持部材の端部に対し当接されるカム形状に形成した
請求項1〜5のいずれか一つに記載のベルト締結具。
【請求項1】
四角形に形成された支持枠体の前後に対向する一方の枠部にベルトを固定し、該一方の枠部と対向する他方の枠部と、該支持枠体の左右に対向する各枠体に対し前後摺動自在に取り付けられた挟持部材とで、該挟持部材に巻き付けられたベルトを挟持して締結固定するベルト締結具であって、
前記支持枠体の他方の枠部に、該支持枠体の前後方向と平行する方向に向けて一つの解除レバーを前後回動自在に取り付け、
前記解除レバーの両側部に、前記左右枠部より外側に突出された前記挟持部材の両端と対向して、前記ベルトが挟持される位置に移動された前記挟持部材の両端に対し当接されるカム部を形成した
ベルト締結具。
【請求項2】
矩形に形成された支持枠体の前後に対向する各枠部と、該支持枠体の左右に対向する各枠体に対し前後摺動自在に取り付けられた一対の挟持部材とで、該各挟持部材に巻き付けられたベルトを挟持して締結固定するベルト締結具であって、
前記支持枠体の前後枠部に、該支持枠体の前後方向と平行する方向に向けて一対の解除レバーを前後回動自在に取り付け、
前記解除レバーの両側部に、前記左右枠部より外側に突出された前記挟持部材の両端と対向して、前記ベルトが挟持される位置に移動された前記挟持部材の両端に対し当接されるカム部を形成した
ベルト締結具。
【請求項3】
前記左右の枠部と対向する前記カム部の内側に、前記解除レバーを締結解除角度に回動した際に前記枠部の外側の面に当接され、該解除レバーを締結解除角度に回動された角度に回動規制する突起を形成した
請求項1又は2に記載のベルト締結具。
【請求項4】
前記左右の枠部と対向する前記カム部の内側に、前記解除レバーを締結固定角度に回動した際に前記枠部の外側の面に当接され、該解除レバーを締結固定角度に回動された角度に回動規制する一対の突起を形成した
請求項1〜3のいずれか一つに記載のベルト締結具。
【請求項5】
前記解除レバーの操作側端部に、前記挟持部材に巻き付けられた前記ベルトの端部が挿通される挿通孔を形成した
請求項1〜4のいずれか一つに記載のベルト締結具。
【請求項6】
前記カム部を、前記解除レバーが締結固定角度に回動された際に前記ベルト挟持位置に移動された前記挟持部材の端部に対し当接が回避され、前記解除レバーが締結解除角度に回動された際に前記ベルト挟持位置に移動された前記挟持部材の端部に対し当接されるカム形状に形成した
請求項1〜5のいずれか一つに記載のベルト締結具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2010−195452(P2010−195452A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−45073(P2009−45073)
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【出願人】(509058841)有限会社カミシゲ (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【出願人】(509058841)有限会社カミシゲ (1)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]