説明

ベルト駆動装置及びそれを備えた作業車両

【課題】ベルト駆動装置において、伝動ベルトの寿命を延ばすと共に、張力調整の手間を省く。
【解決手段】従動プーリ103を支持する第1支持部104と、駆動プーリ101を支持し、第1支持部104に対して変位可能な第2支持部105とを設け、駆動プーリ101と従動プーリ103との間に伝動ベルト102を架け渡す。この第1支持部104に油圧シリンダ(流体圧シリンダ)106のチューブ106a側を支持し、ロッド106b先端を第2支持部105に連結し、油圧シリンダ106内の油圧を所定の圧力以下に制限する。油圧シリンダ106を伸長させることで、伝動ベルト102を所定の張力に保つ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧洗浄車、吸引車などの作業車両に使用するベルト駆動装置及びそれを備えた作業車両に関し、特に伝動ベルトの張力調整に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、駆動プーリと従動プーリとの間に架け渡される伝動ベルトの張力調整可能なベルト駆動装置が用いられている。
【0003】
例えば、特許文献1のように、作業車のフロント推進軸とリヤ推進軸との間に介装され、車体の下方に取り付けた動力取出装置と、この動力取出装置の出力軸に取り付けた動力取出用プーリと、車体上に上下調整可能に軸支した架台に回転可能に取り付けた中間プーリと、動力取出用プーリと中間プーリとの間に架け渡した駆動用ベルトと、中間プーリと車体上に搭載した作業機器側間に取り付けたドライブシャフトとを備えた作動機器の駆動装置が知られている。
【特許文献1】実開平3−25060号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1のベルト駆動装置では、架台を上方へ回動させて伝動ベルトの張力調整をすることができるものの、常に伝動ベルトに張力がかかり、伝動ベルトの寿命が短い。また、このため伝動ベルトが徐々に延びてくるので、張力調整が面倒であるという問題があった。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、伝動ベルトの寿命を延ばすと共に、張力調整の手間を省くことにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、この発明では、流体圧シリンダで張力調整可能にした。
【0007】
具体的には、第1の発明では、
駆動プーリと従動プーリとの間に架け渡される伝動ベルトの張力調整可能なベルト駆動装置を前提とする。
【0008】
そして、上記ベルト駆動装置は、
上記駆動プーリ及び従動プーリのいずれか一方を支持する第1支持部と、
上記駆動プーリ及び従動プーリの他方を支持し、上記第1支持部に対して変位可能な第2支持部と、
上記第1支持部にチューブ側及びロッド先端のいずれか一方が支持され、該チューブ側及びロッド先端の他方が上記第2支持部に支持された流体圧シリンダとを備え、
上記流体圧シリンダ内の流体圧は所定の圧力以下に制限され、該流体圧シリンダを伸長させることで、上記伝動ベルトが所定の張力に保たれるように構成されている。
【0009】
上記の構成によると、流体圧シリンダは、流体圧シリンダ内の圧力が所定の圧力になるように、伝動ベルトの張力が所定の力になるまで延びるので、容易に張力調整が行われる。このため、伝動ベルトが初期状態から延びていても、流体圧シリンダにより所定の張力に調整されるので、従来のようにボルト調整をする必要がない。また、ベルト駆動装置を駆動しないときには、流体圧シリンダを縮小させておけば、伝動ベルトが引っ張られないので、その寿命が延びる。
【0010】
第2の発明では、第1の発明において、
上記第2支持部の一端は、上記第1支持部に回動自在に支持され、
上記流体圧シリンダは、上記第1支持部にチューブ側及びロッド先端のいずれか一方が回動自在に支持され、該チューブ側及びロッド先端の他方が上記第2支持部の他端に回動可能に連結されている。
【0011】
上記の構成によると、流体圧シリンダの伸縮作業に伴って滑らかに第2支持部が回動されるので、伝動ベルトの張力調整が容易である。
【0012】
第3の発明では、第1又は第2の発明において、
上記駆動プーリは、動力源からの出力軸に駆動され、第1回転機械の駆動軸を駆動するように構成され、
上記従動プーリは、第2回転機械の駆動軸を駆動するように構成されている。
【0013】
上記の構成によると、流体圧シリンダを縮小させれば、伝動ベルトが駆動力を第2回転機械に伝えないので、動力源からの出力を第1回転機械のみに伝達させて第2回転機械を駆動させないという動作が行える。同様に、緊急時に流体圧シリンダを縮小させるだけで第2回転機械を停止することができる。
【0014】
第4の発明では、第3の発明において、
上記駆動プーリは、動力取出装置を介して動力源に連結され、
上記流体圧シリンダは、上記動力取出装置の起動及び停止と連動して伸張するように構成されている。
【0015】
上記の構成によると、動力取出装置の起動と連動して流体圧シリンダが自動的に伸張して伝動ベルトの張力が所定の値に維持されるので、伝動ベルトの張力調整が容易である。また、動力取出装置を停止すると、流体圧シリンダが自動的に縮小するので、伝動ベルトが停止時に延びることはない。
【0016】
第5の発明では、第3の発明において、
高圧洗浄車であって、
上記第1回転機械は、油圧ポンプであり、
上記第2回転機械は、水圧ポンプであり、上記高圧洗浄車のサブフレーム上に固定されている。
【0017】
上記の構成によると、高圧洗浄車において、大きな動力を必要とする水圧ポンプを回さずに、ホースリールなどを駆動する油圧ポンプのみを回すことができる。
【0018】
第6の発明では、第3の発明において、
吸引車であって、
上記第1回転機械は、油圧ポンプであり、
上記第2回転機械は、ブロワであり、上記吸引車のサブフレーム上に固定されている。
【0019】
上記の構成によると、吸引車において、大きな動力を必要とするブロワを回さずに、ホースリールなどを駆動する油圧ポンプのみを回すことができる。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように、本発明によれば、駆動プーリ及び従動プーリを第1支持部又は第2支持部にそれぞれ設け、第1支持部にチューブ側及びロッド先端の一方を支持し、他方を第2支持部に連結した流体圧シリンダを伸長させることで、伝動ベルトが所定の張力に保たれるようにしたことにより、伝動ベルトの寿命を延ばすと共に、張力調整の手間を省くことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
−高圧洗浄車の構成−
図2は本発明の実施形態の作業車両としての高圧洗浄車1を示し、この高圧洗浄車1は、運転席のあるキャブ2と、車輪を有するシャーシ3と、シャーシ3上のサブフレーム4とを備えている。
【0023】
図3にも示すように、シャーシ3には、動力源としての走行用エンジン5、トランスミッション6及びこのトランスミッション6から動力を取り出す動力取出装置(PTO)7が設けられている。この動力取出装置7は、例えば車載のエアタンク8の高圧エアを利用したエア作動によってON/OFF制御され、トランスミッション6に係脱切換可能になっている。動力取出装置7は、駆動軸7aを介して第1回転機械としての油圧ポンプ9に接続されている。
【0024】
駆動軸7aの駆動力は、ベルト駆動装置100を介して第2回転機械としての水圧ポンプ12に伝達されるようになっている。具体的には、駆動プーリ101を介して伝動ベルト102が掛けられ、この伝動ベルト102によって駆動された従動プーリ103を介して水圧ポンプ12が駆動され、洗浄水を圧送するように構成されている。ベルト駆動装置100についての詳細は、後述する。
【0025】
一方、図2及び図3に示すように、サブフレーム4の後側には、洗浄水を貯留する水タンク13が載置されている。この水タンク13の前方には、水圧ポンプ収容室14が設けられ、上記水圧ポンプ12は、この水圧ポンプ収容室14内に設けられている。この水圧ポンプ12により水タンク13内の水が圧送されるようになっている。
【0026】
水タンク13の後方には、水圧ポンプ12からの高圧の洗浄水を導く大ホース15を巻き取るための大ホースリール16が設けられている。大ホースリール16は、鉛直軸回りに旋回自在なターンテーブル16a上の大ホースフレーム31に水平軸X1回りに正逆回転自在に配置されている。大ホースリール16は、油圧モータ41(図3に示す)により回転駆動され、正方向に回転すると大ホース15が繰り出され、逆方向に回転すると、大ホース15が巻き取られるようになっている。大ホース15の先端には、ノズル式の洗浄ノズル17が接続可能となっている。
【0027】
また、車体後方には、水圧ポンプ12からの比較的低い圧力の洗浄水を導く小ホース18を巻き取るための小ホースリール19が設けられている。小ホースリール19は、鉛直軸回りに旋回自在なサブターンテーブル上の小ホースフレーム(共に図示せず)に水平軸回りに正逆回転自在に配置されている。小ホースリール19は、手動によりハンドル34を操作することで回転駆動され、先端には、放水ガン20が接続可能となっている。この放水ガン20から比較的低い洗浄水を放水することにより、高圧洗浄車1自体や、その周辺等を洗浄可能となっている。
【0028】
−高圧洗浄車の水回路の構成−
次に、高圧洗浄車1の水回路23について説明する。この水回路23は、水タンク13から洗浄ノズル17又は放水ガン20に洗浄水を供給する回路である。
【0029】
図3に示すように、高圧洗浄車1の水タンク13の底部には、水配管61の一端が接続され、水配管61の他端は、水圧ポンプ12に接続されている。また、水配管61には、上流側から下流側へタンク用開閉弁80とストレーナ62とが設けられている。
【0030】
水配管61のタンク用開閉弁80よりも下流側かつストレーナ62よりも上流側の中途部には、水配管74が接続されている。水配管74の端部には、排水用開閉弁84が設けられている。水配管74は、洗浄終了後に水タンク13に残った洗浄水を外部に放流する役割を果たす。
【0031】
水圧ポンプ12の吐出側には、水配管63の一端が接続されている。水圧ポンプ12は、水配管61を介して水タンク13内に貯留された洗浄水を吸引し、高圧の洗浄水として水配管63に吐出するように構成されている。
【0032】
水配管63の他端は、圧力制御弁64に接続されている。圧力制御弁64は、水配管65を介してマニホールド69と接続されている。また、圧力制御弁64は、水配管71を介して水タンク13とも接続されている。圧力制御弁64は、主として水配管63内の洗浄水を水配管65へ導くが、流入した洗浄水の圧力が所定の設定圧力(目標圧力)よりも高い場合、その一部を水配管71に導くようになっている。このようにして、水配管65へ導く洗浄水の圧力は、圧力制御弁64により目標圧力以下となるように制御される。また、詳細は述べないが、圧力制御弁64には、エア回路(図示せず)を介してエアタンク8からエアが供給されるようになっている。圧力制御弁64は、エアの供給の有無によってON/OFFされると共に、供給されるエアの圧力により、設定圧力が変更されるように構成されている。
【0033】
マニホールド69は、水配管68を介して小ホースリール19と接続されている。水配管68の小ホースリール19側には、小ホース用開閉弁81が設けられている。マニホールド69に流入した洗浄水は、水配管68に導かれ、小ホース用開閉弁81を開くことにより、小ホースリール19及び小ホース18を介して放水ガン20から噴出されるようになっている。
【0034】
また、マニホールド69は、水配管66を介して大ホースリール16と接続されている。水配管66には、大ホース用開閉弁82が設けられている。マニホールド69に流入した洗浄水は、大ホース用開閉弁82を開くことにより、水配管67に導かれ、大ホースリール16及び大ホース15を介して洗浄ノズル17から噴射されるようになっている。
【0035】
マニホールド69には、このマニホールド69内を通る洗浄水の圧力を測定する水圧計72が設けられている。
【0036】
−ベルト駆動装置の構成−
次に、ベルト駆動装置100について詳細に説明する。図1及び図4に示すように、このベルト駆動装置100は、駆動プーリ101と従動プーリ103との間に架け渡される伝動ベルト102の張力を調整できるように構成されている。伝動ベルト102は、例えば、Vベルトよりなる。
【0037】
従動プーリ103は、第1支持部104に支持されている。第1支持部104は、一対の第1ベアリング104aを備え、この第1ベアリング104aが、従動プーリ103と回転一体に構成された従動軸104bを回転可能に支持している。従動軸104bは、水圧ポンプ12の駆動軸12aに回転一体に連結されている。第1支持部104は、サブフレーム4に変位不能に固定されている。
【0038】
一方、駆動プーリ101は、第2支持部105に回転自在に支持されている。この第2支持部105は、一対の第2ベアリング105aを備え、この第2ベアリング105aが、駆動プーリ101と回転一体に構成された駆動軸105bを回転可能に支持している。駆動軸105bは、動力取出装置7の駆動軸7aに回転一体(同一回転となるよう)に連結されている。また、駆動軸105bは、連結軸108を介して油圧ポンプ9の駆動軸9aに回転一体にユニバーサル連結されている。そして、第2支持部105の一端(右端)は、第1支持部104から下方へ延びる一対の支持ブラケット104cに回動自在に支持されている。具体的には、第2支持部105の一端は、回動軸105cに回動自在に挿通され、この回動軸105cが支持ブラケット104cに固定されている。
【0039】
第1支持部104には、流体圧シリンダとしての油圧シリンダ106のチューブ106a側が回動自在に支持されている。具体的には、第1支持部104に連結されたシリンダ取付ブラケット107には、チューブ106aの中間に設けたトラニオン106cを介して油圧シリンダ106が回動自在に設けられている。
【0040】
油圧シリンダ106のロッド106b先端は、第2支持部105の他端(左端)に回動可能に連結されている。具体的には、ロッド106bの先端が第2支持部105の左端に設けた第2シリンダ支持軸105dに回動自在に挿入されている。
【0041】
−高圧洗浄車の油圧回路の構成−
次に、高圧洗浄車1の油圧回路の構成について説明する。
【0042】
図3に示すように、油圧ポンプ9の吐出側と油圧モータ41とは、油圧配管52を介して接続されている。油圧配管52の中途部には、方向切換弁48が設けられている。方向切換弁48は、油圧モータ41の回転方向と回転速度を制御するように構成されている。油圧モータ41とオイルリザーバ50とは、上記方向切換弁48を通る油圧配管53を介して接続されている。
【0043】
さらに、油圧ポンプ9の吐出側は、油圧シリンダ106を制御する3位置4ポート切換弁109に接続されている。この3位置4ポート切換弁109は、動力取出装置7の起動及び停止と連動するように、電気的に接続されている。具体的には、動力取出装置7を起動すると、高圧の作動油が油圧シリンダ106の伸張側に送り込まれて油圧シリンダ106が伸張し、停止すると、油圧シリンダ106の縮小側に送り込まれて油圧シリンダ106が縮小するようになっている。また、動力取出装置7が作動しているときでも、3位置4ポート切換弁109を縮小側に移動させるように切換スイッチ(図示せず)が設けられている。この切換スイッチを押せば、油圧ポンプ9のみを駆動させて水圧ポンプ12は停止させることができるようになっている。
【0044】
また、3位置4ポート切換弁109に到る油圧ポンプ9の吐出側には、リリーフ弁110が接続されている。このことで、油圧シリンダ106内の流体圧は、リリーフ圧以下に制限されている。リリーフ弁110のリリーフ圧は調整可能に構成されている。
【0045】
−運転動作−
次に、本実施形態にかかるベルト駆動装置100の作動について説明する。
【0046】
動力取出装置7の停止状態では、3位置4ポート切換弁109は縮小側(図3の左側)へ移動するので、作動油は、油圧シリンダ106の縮小側に送り込まれ、油圧シリンダ106が縮小している。このように、ベルト駆動装置100を駆動しないときには、油圧シリンダ106を縮小させておけば、伝動ベルト102が弛んで引っ張られないので、その寿命が延びる。
【0047】
動力取出装置7を起動すると、3位置4ポート切換弁109は伸張側(図3の右側)に移動するので、高圧の作動油が油圧シリンダ106の伸張側に送り込まれ、油圧シリンダ106が伸張する。このとき、第2支持部105は、支持ブラケット104cに回動自在に支持されているので、油圧シリンダ106の伸縮作業に伴って滑らかに回動される。油圧シリンダ106は、油圧シリンダ106内の圧力がリリーフ弁110のリリーフ圧以下になるように、伝動ベルト102の張力が所定の力になるまで延びる。このため、伝動ベルト102が初期状態から延びていても、従来のように面倒なボルト調整をする必要がない。また、動力取出装置7の起動と連動して油圧シリンダ106が自動的に伸張して伝動ベルト102の張力が所定の値に維持されるので、伝動ベルト102の張力調整が容易である。
【0048】
また、動力取出装置7が作動しているときに、切換スイッチを押せば、3位置4ポート切換弁109が縮小側に移動して油圧シリンダ106が縮小し、伝動ベルト102が弛んで滑るので、油圧ポンプ9のみが駆動され、水圧ポンプ12は停止する。このため、大きな動力を必要とする水圧ポンプ12を回さずに、ホースリールなどを駆動する油圧ポンプ9のみを回すことができて効率がよい。また、緊急時に切換スイッチを押して油圧シリンダ106を縮小させるだけで、水圧ポンプ12を停止することができる。
【0049】
再び動力取出装置7を停止すると、油圧シリンダ106が自動的に縮小するので、伝動ベルト102が停止時に延びるのが確実に防止される。
【0050】
−実施形態の効果−
したがって、本実施形態にかかるベルト駆動装置100によると、従動プーリ103を第1支持部104に設け、駆動プーリ101を第2支持部105に設け、第1支持部104にチューブ106a側を支持し、ロッド106b先端を第2支持部105に連結した油圧シリンダ106を伸長させることで、伝動ベルト102が所定の張力に保たれるようにしたことにより、伝動ベルト102の寿命を延ばすと共に、張力調整の手間を省くことができる。
【0051】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
【0052】
すなわち、上記実施形態では、作業車両は、高圧洗浄車としたが、吸引車としてもよい。この場合には、第2回転機械をブロワとし、このブロワを吸引車のサブフレーム上に固定すればよい。また、第2回転機械は、真空ポンプであってもよい。
【0053】
上記実施形態では、流体圧シリンダは、油圧シリンダ106としたが、水圧シリンダであっても、空圧シリンダであってもよい。また、油圧シリンダ106の伸張側にアキュムレータを設け、常時油圧シリンダ106のロッド106bを一定圧で伸張するようにしてもよい。
【0054】
上記実施形態では、第1支持部104に油圧シリンダ106のチューブ106a側を支持し、第2支持部105にロッド106b先端を支持したが、逆に第2支持部105にチューブ106a側を支持し、第1支持部104にロッド106b先端を支持してもよい。
【0055】
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の実施形態にかかるベルト駆動装置を示す背面図である。
【図2】本発明の実施形態にかかる高圧洗浄車の側面図である。
【図3】水回路及び油圧回路を示す図である。
【図4】本発明の実施形態にかかるベルト駆動装置を示す側面図である。
【符号の説明】
【0057】
1 高圧洗浄車(作業車両)
4 サブフレーム
5 走行用エンジン(動力源)
6 トランスミッション
7 動力取出装置
7a 駆動軸(出力軸)
8 エアタンク
9 油圧ポンプ(第1回転機械)
9a 駆動軸
12 水圧ポンプ(第2回転機械)
12a 駆動軸
100 ベルト駆動装置
101 駆動プーリ
102 伝動ベルト
103 従動プーリ
104 第1支持部
105 第2支持部
106 油圧シリンダ(流体圧シリンダ)
106a チューブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動プーリと従動プーリとの間に架け渡される伝動ベルトの張力調整可能なベルト駆動装置において、
上記駆動プーリ及び従動プーリのいずれか一方を支持する第1支持部と、
上記駆動プーリ及び従動プーリの他方を支持し、上記第1支持部に対して変位可能な第2支持部と、
上記第1支持部にチューブ側及びロッド先端のいずれか一方が支持され、該チューブ側及びロッド先端の他方が上記第2支持部に支持された流体圧シリンダとを備え、
上記流体圧シリンダ内の流体圧は所定の圧力以下に制限され、該流体圧シリンダを伸長させることで、上記伝動ベルトが所定の張力に保たれるように構成されている
ことを特徴とするベルト駆動装置。
【請求項2】
請求項1に記載のベルト駆動装置において、
上記第2支持部の一端は、上記第1支持部に回動自在に支持され、
上記流体圧シリンダは、上記第1支持部にチューブ側及びロッド先端のいずれか一方が回動自在に支持され、該チューブ側及びロッド先端の他方が上記第2支持部の他端に回動可能に連結されている
ことを特徴とするベルト駆動装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のベルト駆動装置を備えた作業車両であって、
上記駆動プーリは、動力源からの出力軸に駆動され、第1回転機械の駆動軸を駆動するように構成され、
上記従動プーリは、第2回転機械の駆動軸を駆動するように構成されている
ことを特徴とする作業車両。
【請求項4】
請求項3に記載の作業車両において、
上記駆動プーリは、動力取出装置を介して動力源に連結され、
上記流体圧シリンダは、上記動力取出装置の起動及び停止と連動して伸張するように構成されている
ことを特徴とする作業車両。
【請求項5】
請求項3に記載の作業車両において、
高圧洗浄車であって、
上記第1回転機械は、油圧ポンプであり、
上記第2回転機械は、水圧ポンプであり、上記高圧洗浄車のサブフレーム上に固定されている
ことを特徴とする作業車両。
【請求項6】
請求項3に記載の作業車両において、
吸引車であって、
上記第1回転機械は、油圧ポンプであり、
上記第2回転機械は、ブロワであり、上記吸引車のサブフレーム上に固定されている
ことを特徴とする作業車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−78053(P2010−78053A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−246817(P2008−246817)
【出願日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(000002358)新明和工業株式会社 (919)
【Fターム(参考)】