説明

ベルト駆動装置

【課題】 ホルダー部においてテンション付与ローラーを自由に配置して、歯付無端ベルトを引き回しの自由度を増すことができるベルト駆動装置を提供すること。
【解決手段】 ベルト駆動装置61は、歯付駆動プーリー(63)と、従動プーリー(70、80)と、前記歯付駆動プーリー(63)および前記従動プーリー(70、80)に巻回される歯付無端ベルト95と、前記歯付駆動プーリー(63)の回転支点64を支点に揺動自在なホルダー部90と、該ホルダー部90に回動自在に保持され、前記歯付無端ベルト95にテンションを付与するテンション付与ローラー(93)と、該テンション付与ローラー(93)を付勢する付勢手段94と、前記ホルダー部90に形成され、前記歯付無端ベルト95が前記歯付駆動プーリー(63)から浮き上がることを規制する規制部91と、を備えていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転駆動される歯付駆動プーリーと、従動回転する従動プーリーと、前記歯付駆動プーリーおよび前記従動プーリーに巻回される歯付無端ベルトと、を備えるベルト駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来では、特許文献1に示す如く、記録装置には、ベルト駆動装置が設けられていた。そして、前記ベルト駆動装置は、歯付駆動プーリーとしてのピニオンギアと、第1従動プーリーと、第2従動プーリーと、歯付無端ベルトと、テンション付与ローラーとしてのアイドラローラーと、ホルダー部と、付勢手段とを備えていた。このうち、前記ピニオンギアは、モーターの軸に取り付けられており、前記モーターが駆動することによって回動するように構成されていた。
【0003】
また、前記第1従動プーリーは、前記記録装置の第1軸に一体に設けられていた。同様に、前記第2従動プーリーは、前記記録装置の第2軸に一体に設けられていた。そして、前記歯付無端ベルトは、前記ピニオンギア、前記第1従動プーリーおよび前記第2従動プーリーに巻回されており、前記ピニオンギアの動力を前記第1従動プーリーおよび前記第2従動プーリーへ伝達することができるように設けられていた。
【0004】
従って、用紙を送るために前記第1軸上のローラーおよび前記第2軸上のローラーを回動させることができた。また、前記アイドラローラーは、前記ホルダー部に従動回転自在に保持されていた。そして、前記ホルダー部は、前記付勢手段によって、前記アイドラローラーが前記歯付無端ベルトの外側面を内側へ押圧するように付勢されていた。従って、前記歯付無端ベルトの張力である所謂、テンションを付与することができた。
【0005】
そして、前記アイドラローラーは、前記歯付無端ベルトが前記ピニオンギアから浮き上がって所謂、歯飛び現象が生じることを防止するために、前記ホルダー部における前記ピニオンギアの近傍に配設されていた。
ここで、「歯飛び現象」とは、一方の部材の歯が、他方の部材の歯を乗越えることにより動力が十分に伝達されない現象をいう。
従って、前記ピニオンギアの動力を前記第1従動プーリーおよび前記第2従動プーリーへ伝達することができた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、「歯飛び現象」を防止するために、前記アイドラローラーを前記ホルダー部における前記ピニオンギアの近傍に設ける必要があったため、前記アイドラローラーを自由に配置することができない。その結果、前記歯付無端ベルトの引き回しの自由度が低下する虞がある。
また、「歯飛び現象」を防止するために、前記アイドラローラーの直径および前記アイドラローラーの軸の位置寸法を厳しく管理する必要がある。
【0007】
本発明は、このような状況に鑑み成されたものであり、その課題は、ホルダー部においてテンション付与ローラーを自由に配置して、歯付無端ベルトを引き回しの自由度を増すことができるベルト駆動装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を達成するため、本発明の第1の態様のベルト駆動装置は、回転駆動される歯付駆動プーリーと、従動回転する従動プーリーと、前記歯付駆動プーリーおよび前記従動プーリーに巻回される歯付無端ベルトと、前記歯付駆動プーリーの回転支点を支点に揺動自在なホルダー部と、該ホルダー部に回動自在に保持され、前記歯付無端ベルトにテンションを付与するテンション付与ローラーと、該テンション付与ローラーを前記歯付無端ベルトに付勢する付勢手段と、前記ホルダー部に形成され、前記歯付無端ベルトが前記歯付駆動プーリーから浮き上がることを規制する規制部と、を備えていることを特徴とする。
【0009】
本発明の第1の態様によれば、前記規制部が前記浮き上がることを規制して「歯飛び現象」を防止することができる。従って、前記テンション付与ローラーを前記ホルダー部が形成されている範囲内において自由に配置することができる。その結果、前記歯付無端ベルトの引き回しの自由度が増す。
また、前記規制部が「歯飛び現象」を防止するので、前記テンション付与ローラーの直径および軸の位置を厳しく管理する必要がない。前記テンション付与ローラーが摩耗によって直径が変わった場合であっても、前記規制部は、前記「歯飛び現象」を防止することができる。
【0010】
またさらに、前記規制部は、前記ホルダー部に形成されている。
ここで、前記ホルダー部は、前述したように前記歯付駆動プーリーの回転支点を支点に揺動自在に設けられている。
従って、前記歯付駆動プーリーの回転、停止および逆転の切り替わりにより、前記歯付無端ベルトのテンションが変化して前記ホルダー部が揺動した場合であっても、前記規制部と前記歯付駆動プーリーとの間隔を常に一定にすることができる。その結果、前記規制部と前記歯付無端ベルトとの間の隙間の距離を常に一定にすることができ、効果的に歯飛びを防止することができる。
【0011】
また、本態様の前記規制部は、通常は前記歯付無端ベルトと離間しているので、従来技術である前記アイドラローラーが常にベルトと接触している構成と比較して、長期間に亘って「歯飛び現象」を防止することができる。従来技術の前記アイドラローラーが摩耗によって直径が変わった場合は前記「歯飛び現象」を防止することができない虞が生じるからである。即ち、本態様の前記規制部は、耐久性にも優れている。
【0012】
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記歯付無端ベルトの送り方向における前記規制部の長さは、前記歯付駆動プーリーの歯間隔より長い構成であることを特徴とする。
本発明の第2の態様によれば、第1の態様と同様の作用効果に加え、前記規制部は必ず前記歯付駆動プーリーの複数の歯のうちの一の歯の先端と対向する関係となる。従って、前記規制部の前記長さが前記歯付駆動プーリーの歯間隔より短い構成である場合と比較して、より確実に歯飛びを防止することができる。
【0013】
本発明の第3の態様は、第1または第2の態様において、前記規制部と前記歯付無端ベルトとの間の隙間の距離は、前記歯付駆動プーリーおよび前記歯付無端ベルトの最小の歯の全歯丈より短い構成であることを特徴とする。
ここで、「全歯丈」とは、歯車における放射方向において、歯と歯との間の谷底から歯の頂部までの距離をいう。即ち、歯の高さ方向の該歯の長さである。
【0014】
本発明の第3の態様によれば、第1または第2の態様と同様の作用効果に加え、前記規制部と前記歯付無端ベルトとの間の隙間において、前記歯付無端ベルトの歯が、前記歯付駆動プーリーの歯を乗越えるだけのスペースをなくすことができる。従って、前記規制部は、より一層確実に歯飛びを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る記録装置の内部側断面図。
【図2】本発明に係るベルト駆動装置を示す断面図。
【図3】本発明に係るベルト駆動装置を示す底面図。
【図4】本発明に係るベルト駆動装置の要部を示す拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すのは、本発明に係る「記録装置」或いは「液体噴射装置」の一例としてのインクジェットプリンター(以下「プリンター」と言う)1の全体の概略を示す側断面図である。
ここで、液体噴射装置とは、液体噴射ヘッドとしての記録ヘッドから記録紙等の被記録材へインクを噴射して被記録材への記録を実行するインクジェット式記録装置、複写機及びファクシミリ等の記録装置に限らず、インクに代えて特定の用途に対応する液体を前述した記録ヘッドに相当する液体噴射ヘッドから、被記録材に相当する被噴射材に噴射して、液体を被噴射材に付着させる装置を含む意味で用いる。
【0017】
またさらに、液体噴射ヘッドとしては、前述した記録ヘッド以外に、液晶ディスプレイ等のカラーフィルター製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイや面発光ディスプレイ(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド、精密ピペットとしての試料を噴射する試料噴射ヘッド等が挙げられる。
【0018】
図1に示す如く、プリンター1は、載置部10と、給送部20と、搬送部30と、記録部40と、排出部50とを備えている。このうち、載置部10は、プリンター1の下方に配設され、用紙を積層することができる用紙トレイ11を有している。また、給送部20は、用紙トレイ11に積層された用紙を一枚ずつピックアップして送り方向下流側へ送ることができるように構成されている。具体的には、用紙トレイ11に積層された用紙と接触して図示しない給送用モーターの動力によって駆動する給送ローラー21を有している。
【0019】
給送ローラー21によって送られる用紙は、先ず、予備分離部22へ送られる。重送された場合は予備分離部22によって給送ローラー21に対して最上位の用紙と次位以降の用紙とに分離される。そして、最上位の用紙は、さらに送り方向下流側の本分離部23へ送られる。本分離部23は、図示しないモーターの動力によって駆動する中間ローラー25と、回転するために所定の負荷を有するリタードローラー24とを有する。そして、本分離部23まで重送された場合であっても、公知の摩擦係数の関係により中間ローラー25に対して最上位の用紙のみが本分離部23を通過することができるように構成されている。
【0020】
本分離部23を通過した用紙は、U字型の送り経路に沿って案内され、補助ローラー26および中間ローラー25によって、搬送部30へ送られる。
搬送部30は、用紙を記録部40へ精度よく搬送することができるように設けられている。具体的には、動力伝達手段60(図2参照)によって搬送用モーター65の動力が伝達され駆動する搬送駆動ローラー32と、従動回転する搬送従動ローラー33とを有する搬送ローラー対31を備えている。
【0021】
記録部40は、搬送部30から搬送された用紙に対してインクを吐出することにより記録を実行することができるように構成されている。具体的には、キャリッジ41と、記録ヘッド44と、第1ガイドレール部42と、第2ガイドレール部43と、用紙支持部45とを有している。このうち、キャリッジ41は、用紙の幅方向(図1の表裏の方向)に延設された第1ガイドレール部42および第2ガイドレール部43によって案内されながら、図示しないキャリッジ用モーターの動力によって用紙の幅方向へ往復移動することができるように設けられている。また、記録ヘッド44は、キャリッジ41の鉛直方向下方に設けられ、用紙に対してインクを吐出することができるように設けられている。またさらに、用紙支持部45は、記録ヘッド44と対向する位置に設けられ、用紙を裏面から支持することができるように構成されている。
【0022】
排出部50は、記録部40によって記録された用紙をプリンター1の外部の排出トレイ(図示せず)に排出することができるように設けられている。具体的には、排出補助ローラー51と、排出ローラー対52とを有している。このうち、排出ローラー対52は、動力伝達手段60(図2参照)によって搬送用モーター65の動力が伝達され駆動する排出駆動ローラー53と、従動回転する排出従動ローラー54とを有している。
尚、本実施例のプリンター1は、用紙の表面を記録した後、記録時の送り方向上流側へ逆送して中間ローラー25を介してU字に反転送りして記録時の送り方向下流側へ送ることにより用紙を裏面に対して記録を実行することができるように構成されている。
続いて、搬送駆動ローラー32および排出駆動ローラー53への動力伝達について説明する。
【0023】
図2に示すのは、本発明に係るベルト駆動装置を示す断面図である。また、図3に示すのは、本発明に係るベルト駆動装置を示す底面図である。またさらに、図4に示すのは、本発明に係るベルト駆動装置の要部を示す拡大断面図である。
図2〜図4に示す如く、動力伝達手段60としてのベルト駆動装置61は、ピニオンギア63と、第1従動プーリー70と、第2従動プーリー80と、歯付無端ベルト95と、ホルダー部90と、テンション付与ローラーとしてのテンション付与プーリー93と、付勢手段94と、規制部91とを備えている。
【0024】
このうち、ピニオンギア63は、搬送用モーター65の軸に設けられており、搬送用モーター65の駆動によって回動するように設けられている。即ち、ベルト駆動装置61においては、回転駆動源である。また、第1従動プーリー70は、搬送駆動ローラー32の軸と一体に設けられている。同様に、第2従動プーリー80は、排出駆動ローラー53の軸と一体に設けられている。
また、歯付無端ベルト95は、ピニオンギア63、第1従動プーリー70の第1歯部71および第2従動プーリー80の第2歯部81に巻回されている。
尚、図2においては、歯付無端ベルト95の歯(図4参照)の図示を省略する。
【0025】
またさらに、ホルダー部90は、テンション付与プーリー93を回動自在に保持すると共に、ピニオンギア63の回動支点64を支点に揺動可能に設けられている。このうち、テンション付与プーリー93は、ピニオンギア63、第1従動プーリー70および第2従動プーリー80に巻回された歯付無端ベルト95の外側面と接するように設けられている。また、ホルダー部90は、付勢手段94によってテンション付与プーリー93が歯付無端ベルト95の外側面を内側へ向かって押圧するように付勢されている。
【0026】
従って、歯付無端ベルト95の緩みを防止し所謂、テンションである張力を安定させることができる。付勢の仕方は、付勢手段94の一端側をベルト駆動装置61の基体部62に係合させ、他端側をホルダー部90に係合させることにより、前記押圧するように付勢することができる。
尚、ホルダー部90を介してテンション付与プーリー93を付勢する構成としたが、テンション付与プーリー93を直接付勢する構成でもよいのは勿論である。
【0027】
また、付勢手段94は、コイルばね、ねじりコイルばね、板ばね、その他付勢力を付与することができるものであればよい。
またさらに、付勢手段94によって付勢する方向は、ベルトの外側から内側に限られない。歯付無端ベルト95が、ピニオンギア63に巻き付く範囲である所謂、巻き付き量が大きくなる方向であればよい。本実施例では、歯付無端ベルト95の内側にピニオンギア63が配設されているので、ベルトの外側から内側へ向かって付勢する構成とした。
【0028】
また、ホルダー部90におけるピニオンギア63の軸方向両側には、側壁部92、92が設けられている(図3参照)。従って、歯付無端ベルト95が、ピニオンギア63に対してピニオンギア63の軸方向へ外れる虞がない。またさらに、第1従動プーリー70の第1ギアの軸方向の一方側には、歯付無端ベルト95が第1ギアから外れることを防止する第1ガイド鍔72が設けられている。
【0029】
同様に、第2従動プーリー80の第2ギアの軸方向における第1ガイド鍔72が設けられている側と反対側には、歯付無端ベルト95が第2ギアから外れることを防止する第2ガイド鍔82が設けられている。このように、第1ガイド鍔72は第2ガイド鍔82と軸方向において向かい合うように設けられているので、歯付無端ベルト95が第1ギアおよび第2ギアから外れることを防止することができる。
【0030】
またさらに、ホルダー部90におけるピニオンギア63と対向する箇所には、規制部91が設けられている。規制部91は、ピニオンギア63に巻回された歯付無端ベルト95がピニオンギア63から浮き上がることを規制することができるように設けられている。
ここで、規制部91は、ホルダー部90に一体に形成されている。従って、搬送用モーター65の駆動が停止、駆動開始および駆動方向の切換え等の場合に歯付無端ベルト95のテンションが変化したときであっても、ピニオンギア63と規制部91との距離を常に一定に保持することができる。
【0031】
具体的には、歯付無端ベルト95のテンションが変化したとき、テンション付与プーリー93の位置が変位するためホルダー部90が揺動する。
ここで、ホルダー部90は、前述したようにピニオンギア63の回動支点64を支点に揺動する構成である。従って、規制部91も、回動支点64を支点に揺動する。その結果、ピニオンギア63と規制部91との距離を常に一定に保持することができる。
【0032】
また、規制部91を設けることにより、従来技術であるアイドラローラー(本実施形態のテンション付与プーリー93に相当)でピニオンギア63から歯付無端ベルト95が浮き上がることを規制する構成と比較して、テンション付与プーリー93の配置位置の自由度が増すことができる。そして、歯付無端ベルト95の引き回しを自由に行うことができる。また、前記従来技術の構成と比較して、テンション付与プーリー93の直径および軸位置を厳しく管理する必要がない。さらに、従来技術の構成のアイドラローラーの摩耗による直径の変化を考慮する必要もない。
【0033】
続いて、規制部91の詳細についてさらに説明する。
図4に示す如く、規制部91と、歯付無端ベルト95の外周面との間の距離をD1、ピニオンギア63の歯および歯付無端ベルト95の歯のうちの最小の歯の高さ(全歯丈)をD2とすると、
歯付無端ベルト95の外周面との間の距離D1<最小の歯の高さD2
の関係が成り立つように構成されている。
【0034】
ここで、「最小の歯の高さ」としたのは、歯の高さのバラツキを考慮したものである。バラツキがなければ、その歯の高さがD2となる。
上記の大小関係により、歯付無端ベルト95の歯が、ピニオンギア63の歯を乗越えることを防止することができる。即ち、歯付無端ベルト95の歯飛びを防止することができる。
【0035】
さらに、歯付無端ベルト95の送り方向における規制部91の長さをL1、ピニオンギア63の歯と歯との間隔をL2とすると、
送り方向における規制部91の長さをL1>ピニオンギア63の歯間隔L2
の関係が成り立つように構成されている。この関係により規制部91は、必ずピニオンギア63の複数の歯のうちの一の歯の先端と対向する関係となる。従って、規制部91の長さL1がピニオンギア63の歯間隔L2より短い構成である場合と比較して、より確実に歯飛びを防止することができる。
【0036】
本実施形態のベルト駆動装置61は、回転駆動される歯付駆動プーリーとしてのピニオンギア63と、従動回転する従動プーリーとしての第1従動プーリー70および第2従動プーリー80と、ピニオンギア63および第1従動プーリー70および第2従動プーリー80に巻回される歯付無端ベルト95と、ピニオンギア63の回転支点を支点に揺動自在なホルダー部90と、ホルダー部90に回動自在に保持され、歯付無端ベルト95にテンションを付与するテンション付与ローラーとしてのテンション付与プーリー93と、テンション付与プーリー93を歯付無端ベルト95に付勢する付勢手段94と、ホルダー部90に形成され、歯付無端ベルト95がピニオンギア63から浮き上がることを規制する規制部91と、を備えていることを特徴とする。
【0037】
また、本実施形態において、歯付無端ベルト95の送り方向における規制部91の長さL1は、ピニオンギア63の歯間隔L2より長い構成であることを特徴とする。
またさらに、本実施形態において、規制部91と歯付無端ベルト95との間の隙間の距離D1は、ピニオンギア63および歯付無端ベルト95の最小の歯の全歯丈である歯の高さD2より短い構成であることを特徴とする。
【0038】
尚、上記実施例では、従動プーリーを2つ設けた構成としたが、従動プーリーの数は2つに限られるものではない。
また、本発明は上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0039】
1 プリンター、10 載置部、11 用紙トレイ、20 給送部、
21 給送ローラー、22 予備分離部、23 本分離部、24 リタードローラー、
25 中間ローラー、26 補助ローラー、30 搬送部、31 搬送ローラー対、
32 搬送駆動ローラー、33 搬送従動ローラー、40 記録部、41 キャリッジ、
42 第1ガイドレール部、43 第2ガイドレール部、44 記録ヘッド、
45 用紙支持部、50 排出部、51 排出補助ローラー、52 排出ローラー対、
53 排出駆動ローラー、54 排出従動ローラー、60 動力伝達手段、
61 ベルト駆動装置、62 基体部、63 ピニオンギア、64 回動支点、
65 搬送用モーター70 第1従動プーリー、71 第1歯部、72 第1ガイド鍔、
80 第2従動プーリー、81 第2歯部、82 第2ガイド鍔、90 ホルダー部、
91 規制部、92 側壁部、93 テンション付与プーリー、94 付勢手段、
95 歯付無端ベルト、D1 規制部と歯付無端ベルトとの間隔、D2 歯の高さ、
L1 送り方向における規制部の長さ、L2 歯間隔
【先行技術文献】
【特許文献】
【0040】
【特許文献1】特開2004−123381号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転駆動される歯付駆動プーリーと、
従動回転する従動プーリーと、
前記歯付駆動プーリーおよび前記従動プーリーに巻回される歯付無端ベルトと、
前記歯付駆動プーリーの回転支点を支点に揺動自在なホルダー部と、
該ホルダー部に回動自在に保持され、前記歯付無端ベルトにテンションを付与するテンション付与ローラーと、
該テンション付与ローラーを前記歯付無端ベルトに付勢する付勢手段と、
前記ホルダー部に形成され、前記歯付無端ベルトが前記歯付駆動プーリーから浮き上がることを規制する規制部と、を備えるベルト駆動装置。
【請求項2】
請求項1に記載のベルト駆動装置において、前記歯付無端ベルトの送り方向における前記規制部の長さは、前記歯付駆動プーリーの歯間隔より長い構成であるベルト駆動装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のベルト駆動装置において、前記規制部と前記歯付無端ベルトとの間の隙間の距離は、前記歯付駆動プーリーおよび前記歯付無端ベルトの最小の歯の全歯丈より短い構成であるベルト駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−242789(P2010−242789A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−89253(P2009−89253)
【出願日】平成21年4月1日(2009.4.1)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】