説明

ベンズイミダゾール、アベルメクチンおよびプラジカンテルの有効組成物および関連する使用方法

本発明の実施態様は、一般に、様々な寄生虫を駆除するための、およびイヌにおける犬糸状虫病を予防するための、ベンズイミダゾール、アベルメクチンおよびプラジカンテルを含有する組成物を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
動物における様々な寄生虫を処置および駆除するための組成物並びに関連する使用および製造方法。
【背景技術】
【0002】
多年にわたって寄生虫を駆除するのに医薬が生物に投与されている。投与される様々な医薬が異なる寄生虫に有効である。これに応じて、生物に固有の様々な寄生虫を処置する努力において、この技術分野で多数の組み合わせが開発されている。これらの組み合わせは非常に有効であることが立証されている。しかしながら、様々な成分(医薬)の干渉に関して幾つかの問題が生じている。時折、この干渉は、これらの成分を、これらの成分が別々に投与されている場合に機能するようには機能させない。同様に、および頻繁に予期せぬように、成分の組み合わせはこの機能に対する相乗効果を有する。相乗効果の一例は、成分の組み合わせがこれらの成分のうちの1つを別々に機能させる場合に報告されるものよりも良好に機能させる場合である。
【0003】
当該技術分野における多くの組成物のうち、ベンズイミダゾール、アベルメクチンおよびプラジカンテルの組み合わせは当該技術分野には存在しない。したがって、当該技術分野ではそのような組み合わせが望まれる。
【0004】
ベンズイミダゾールは、家畜における内部寄生虫、特に、線虫の駆除に広く用いられる、公知クラスの駆虫剤である。アルベンダゾールはヒトに適用される。これらの薬剤は成功裏に用いられているが、これら多くの駆虫性ベンズイミダゾールはイン・ビボで酸化機構によって分解されてこれらの排出が促進され、これはこれらの効力を制限し、および周期的な投与が必要であることを意味し得る。
【0005】
イベルメクチンがその一構成要素であるアベルメクチン族は、哺乳動物における広範なスペクトルの内部寄生虫および外部寄生虫に対して有用である一連の非常に強力な抗寄生虫剤である。イベルメクチンは1980年4月22日にChabalaおよびFisherに対して発行された米国特許第4,199,569号に開示される。イベルメクチンは22,23−ジヒドロアベルメクチンC−076B1aおよびB1bの約80:20の比の混合物である。
【0006】
プラジカンテルは、ほとんどの住血吸虫および多くの条虫寄生(条虫)において用いられる、プラジノイソキノリン誘導体駆虫剤である。これは経口的に、非経口的に、または鼻スプレーによって投与することができる。
【0007】
寄生虫およびこれらの処置に関する様々な特許が当該技術分野に存在する。そのような特許には米国特許第6,764,999号、同第6,753,324号、同第6,680,308号、同第6,645,192号、同第6,596,714号、同第6,541,037号、同第6,469,067号、同第6,426,333号、同第6,383,471号、同第6,340,672号、同第6,193,989号、同第6,162,820号、同第5,962,499号、同第5,925,374号、同第5,840,324号、同第5,782,799号、同第5,776,982号、同第5,776,981号、同第5,782,719号、同第5,637,603号、同第5,449,681号、同第5,439,924号、同第5,340,804号、同第5,135,953号、同第5,036,069号、同第4,963,141号、同第4,916,120号;および同第4,865,598号が含まれ、これらは全て参照してここに組み込まれる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
アベルメクチン化合物/ミルベマイシン化合物を含む様々な医薬が、伝統的に、経口的に、または注射(皮下、筋肉内)により、ヒトを含む動物に投与されている。家畜および/または原料動物、すなわち、食肉産生動物という背景においては、そのようなアベルメクチン化合物/ミルベマイシン化合物は時折動物の餌に添加される。しかしながら、そのような経口投与は適切な投与量を各々の、および全ての動物に効率的に送達することがない。重要なことには、病的な動物はしばしば適切に飲食することがない。しかしながら、これらの病的な動物は、1またはそれ以上のアベルメクチン化合物/ミルベマイシン化合物を含む、そのような医薬を最も必要とするものであり得る。したがって、当該技術分野では、適切な投与形態を探索し、様々な成分の有効量が生物体に投与されている。
【0009】
薬物送達用のチュワブル投与形態が製薬技術で公知である。製薬業界においては、噛む作用が利用可能な活性成分の表面積を増加させ、消化管による吸収速度を高め得ることが公知である。チュワブル系は、局所効果および/または全身吸収の両者のため、活性成分を、典型的には、口腔および咽頭領域に利用可能とすることが望ましい場合にも有利である。さらに、チュワブル投与形態は小児および老人患者における薬物投与を容易にするのにも利用される。チュワブル投与形態の例は米国特許第6,387,381号;第4,284,652号;第4,327,076号;第4,935,243号;第6,270,790号;第6,060,078号;第4,609,543号;および第5753,255号に見出すことができる。
【0010】
風味の良さおよび「口当たり(mouth feel)」は活性医薬もしくは薬物の投薬形態、あるいは、マトリックスを提供する上で考慮すべき重要な特徴である。不運なことに、多くの医薬および他の活性成分は苦味もしくは他の面で不快な味を有するか、または、化合物のザラザラした舌触りもしくは粉っぽさまたはその両者のため、受け入れがたい口当たりを有する。これらの特徴は、その不快な味および/もしくは口当たりが使用者によるコンプライアンスを得られそうにないものとするため、そのような活性成分をチュワブル投与形態の技術の現状に組み込むことを困難にする。
【0011】
結果として、これらの問題を克服する試みにおいて幾つかのアプローチが試されている。医薬もしくは他の活性成分の粗末な味は適切な香味化合物および/もしくは甘味料を用いることによってマスクすることができる。活性成分のカプセル封入も苦味および他の望ましくない味をマスクする役割を果たし得る。しかしながら、これらのアプローチは当該技術分野において現在用いられる投与形態の物理状態に影響を及ぼすものではない。例えば、チュワブルビタミン錠は、典型的には、圧縮緻密化錠として調製され、これには1種類以上の活性成分(例えば、ビタミン)、活性成分の味をマスクする甘味料および香味料、並びに結合剤、典型的には、微結晶セルロースが組み込まれる。
【0012】
一般に、チュワブル錠は、活性成分、香味料、結合剤等を含む錠剤化化合物の混合物を直接圧縮することによって作製する。混合物を錠剤プレスのダイ・チャンバに供給し、直接圧縮によって錠剤を形成する。生じる錠剤の硬度は用いられる圧縮圧の一次関数である。噛み切るのがより容易であるより柔らかな錠剤は崩壊剤、例えば、アルギン酸を錠剤になる前の混合物に添加することによって調製することができる。代わりに、用いる圧縮圧を下げることによってより柔らかな錠剤を形成することもできる。いずれの場合においても、得られる錠剤はより柔らかく、脆弱であり、砕けやすく、および容易に欠ける。圧縮チュワブル錠は、一般に、望ましい口当たりとは言えず、すなわち、粉っぽく、ザラザラ感があり、および乾燥した粉末味がある。制酸錠、例えば、ペンシルバニア州PittsburghのSmithKline Beecham Corp.が製造するTums.RTMおよびニュージャージー州Morris PlainsのWarner Lambertが製造するRolaids.RTMが、各々、典型的な圧縮チュワブル錠の例である。
【0013】
圧縮錠のザラザラ感および/または粉っぽさを、活性成分の粒子を油もしくは脂肪でコートすることによって減少させようとする試みがなされており、これらの油もしくは脂肪は搬送系に組み込まれる前に粒子をコートする。このようにして、粒子が口内に存在する間、粒子のザラザラ感もしくは粉っぽさが油もしくは脂肪によってマスクされる。加えて、錠剤の柔らかさが改善される。嚥下の後、油もしくは脂肪は除去され、粒子が消化系によって吸収され得る。しかしながら、脂肪もしくは油の錠剤になる前の混合物への添加は錠剤化成分をダイ・チャンバに付着させ、混合物中に存在する結合剤の結合作用を低下させる可能性がある。したがって、当該技術分野では、圧縮および続く製品ロスを最少化もしくは減少させる軟性咀しゃく剤の製造方法が探索されている最中である。
【0014】
チュワブル送達系を提供するための他の技術はゴム基剤の使用を含む。ゴム基剤はチューインガムの必須要素を形成する不溶性エラストマーである。ゴム基剤を、典型的には、1またはそれ以上の甘味料と配合して菓子ガムを得る。次に、活性成分を含有するコーティングをその菓子ガム全体に塗布する。その投与形態を噛むとき、コーティングが破砕され、および/または口内で溶解して嚥下される。
【0015】
他の送達系は積層非均一構造の使用を含む。
【0016】
別のチュワブル送達系はヌガー型咀しゃく錠(chewy tablet)に基づく。そのような錠剤は、一般に、コーンシロップ(もしくは誘導体)の基剤を用いる。そのような錠剤は菓子として調製され、すなわち、コーンシロップを水および結合剤、例えば、ダイズタンパク質と共に調理する。
【0017】
しかしながら、当該技術分野では、風味の良さの問題のため、添加物/活性成分の生体への送達に関する問題が経験されている。添加物で風味のよい組成物を作製および/または製造することを非常に困難にする規制枠に沿って複雑な指針が存在する。したがって、当該技術分野では、添加物を風味のよい方式で生体に送達する方法および/または組成物が探索されている最中である。
【0018】
一部解決の1つが米国特許第6,387,381号(以下、‘381号特許と呼ぶ)にある。‘381号特許は、活性成分を坦持するための、デンプン、糖、脂肪、多水酸基アルコールおよび水を水分活性が0.6−0.75であるような適切な比で有するマトリックスで形成される押出体を開示する。製品マトリックスの水分活性は活性成分に合わせて上下に調整することができ、活性成分は医薬、機能性食品、もしくはビタミン・ミネラル複合体であり得る。クレームされる製品は、添加物、約10から約50%wtのデンプン、本質的にスクロース、コーンシロップおよびソルビトールからなる甘味料(該スクロースは少なくとも10%の量である)、並びに少なくとも約5%wtの水を含有する押出体を含む製品に向けられ、該組成物は約0.60から約0.75のA、および柔らかく容易に噛みこなせる触感を有し、並びに該Aは添加物の存在下で適切な量の自由水を許容するように調整される。しかしながら、この製品は押出体に制限され、錠剤形態の配合物に利用可能ではない。
【課題を解決するための手段】
【0019】
一般に、本発明の実施態様は、ベンズイミダゾール、アベルメクチンおよびプラジカンテルの組み合わせを含む口当たりのよい組成物に関する。様々な投与形態がここで開示されるが、軟性咀しゃく剤投与形態が最も好ましい。本発明の様々な実施態様が生物における寄生虫の周期的治療に有用である。
【0020】
100もしくは150mg/kgのフェンベンダゾールでの一回の治療が有効ではなかったと結論付けた以前の刊行物に基づくと、この組成物の組み合わせは、生物の治療において相乗効果を生じる。JAVMA 180,1:53(1982年1月)およびAm J Vet Res 39,11:1799(1978年11月)を参照のこと。
【0021】
この組成物の製造方法も開示される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
ここで用いられる場合、「クッキー」および「軟性咀しゃく剤」という用語並びにこれらのあらゆる結合は食用組成物を意味し、およびこれを指す。
【0023】
ここで用いられる場合、「糖」という用語およびこれらのあらゆる結合は、少なくとも部分的に水分に可溶であり、非毒性であり、および、好ましくは、いかなる望ましくない味効果をももたらさないあらゆる糖類を意味し、およびこれらを指す。さらに、「糖」という用語の使用は「糖代替品」を含む。
【0024】
ここで用いられる場合、「糖代替品」という用語およびこれらのあらゆる結合は、糖と同様の効果を生じるが、匹敵する量の糖が生じるものと同じであるか、もしくは大きい効果を必要としないあらゆる化合物を意味し、およびこれらを指す。
【0025】
ここで用いられる場合、「寄生虫」という用語およびこれらのあらゆる結合は医薬によって処理される生物の種を意味し、およびこれらを指し、ここに含まれる例に限定されない。ウマ科、イヌ科、ネコ科、ウシ科、オビデ科(Ovidae)、カプリデ科(Capridae)、イノシシ科の内部および外部寄生虫は以下のものを含むが、これらに限定されない:シュードフィリデアン(pseudophyllidean)およびシクロフィリデアン(cyclophyllidean)条虫、ラブジチダ(Rhabditida)、ストロンギリダ(Strongylida)、オキシウリダ(Oxyurida)、アスカリジダ(Ascaridida)、スピルリダ(Spirurida)およびエノプリダ(Enoplida)目内のジゲニアン吸虫(digenean flukes)線虫。
【0026】
ウマの寄生虫には以下のものが例示されるが、これらに限定されるものではない:大型ストロンギルス(large strongyles)、例えば、これらに限定されるものではないが、ストロンギルス・ブルガリス(Strongylus vulgaris)、S.エデンタツス(S.edentatus)、およびS.エキネス(S.equines);幾つかのベンズイミダゾールクラスの化合物に対して耐性であるもの、トリオドントホスル種(Triodontophorus spp.)、シアトストストマム種(Cyathostomun spp.)、シリコシクルス種(Cylicocyclus spp.)、シリコステファヌス種(Cylicostephanus spp.)、およびシリコドントホルス種(Cylicodontophorus spp.)を含むがこれらに限定されるものではない小型ストロンギルス;蟯虫、例えば、これらに限定されるものではないが、オキシウリス・エキ(Oxyuris equi);回虫、例えば、これらに限定されるものではないが、パラスカリス・エコルム(Parascaris equorum);毛細線虫、例えば、これらに限定されるものではないが、トリコストロンギルス・アキセイ(Trichostrongylus axei);大口胃虫(largemouth stomach worms)、例えば、これらに限定されるものではないが、ハブロネマ・ムスケ(Habronema muscae)、首線虫(neck threadworms)、例えば、これらに限定されるものではないが、オンコセルカ種(Onchocerca spp.);ウマバエ、例えば、これらに限定されるものではないが、ガストロフィルス種(Gastrophilus spp.);肺線虫、例えば、これらに限定されるものではないが、ジクチオカウルス・アルンフィエルジ(Dictyocaulus arnfieldi);腸内線虫、例えば、これらに限定されるものではないが、ストロンギロイデス・ウェステリ(Strongyloides westeri);ハブロネマ(Habronema)およびドラシア(Draschia)種、並びに他の皮膚性幼虫によって生じるサマーソア(summer sores);並びに当該技術分野において一般的な他の寄生虫が含まれる。しかしながら、他の種の寄生虫は本発明の範囲内に入ることが明確に意図される。
【0027】
イヌの寄生虫の例示的非限定的な例には、トキソカラ・カニス(Toxocara canis)、トキサスカリス・レオニナ(Toxascaris leonina)、リクリス・ブルピス(richuris vulpis)、アンシロストマ・カニヌム(Ancylostoma caninum)、アンシロストマ・ブラジリエンセ(Ancylostoma braziliense)、ウンシナリア・ステノセファラ(Uncinaria stenocephala)、ジロフィラリア・イミチス(Dirofilaria immitis)、アンギオストロンギルス・バソルム(Angiostrongylus vasorum)、フィラロイデス・オスレリ(Filaroides osleri)、フィラロイデス・ヒルチ(Filaroides hirthi)、フィラロイデス・ミルクシ(Filaroides milksi)、フィサロプテラ種(Physaloptera spp.)、ユーコレウス・エアロフィルス(Eucoleus aerophilus)、ペアルソネア・プリカ(Pearsonema plica)、ドラクンクルス・インシグニス(Dracunculus insignis)、ナノフィエツス・サルミンコラ(Nanophyetus salmincola)、パラゴニムス・ケリコッチ(Paragonimus kellicotti)、ジピリジウム・カニムン(Dipylidium caninum)、タエニア・ピシホルミス(Taenia pisiformis)、タエニア・ヒダチゲナ(Taenia hydatigena)、タエニア・ムルチセプス(Taenia multiceps)、タエニア・オビス(Taenia ovis)、エキノコッカス・グラヌロスス(Echinococcus granulosus)、エキノコッカス・ムルチロクラリス(Echinococcus multilocularis)、メソセストイデス種(Mesocestoides spp.)、ジフィロボトリウム・ラツム(Diphyllobothrium latum)、およびギアルジア種(Giardia spp.)が含まれる。
【0028】
ネコの例示的非限定的な寄生虫には、トキソカラ・カチ(Toxocara cati)、トキサスカリス・レオニン(Toxascaris leonine)、アンシロストマ・ツバエホルメ(Ancylostoma tubaeforme)、ウンシナリア・ステノセファラ(Uncinaria stenocephala)、ジロフィラリア・イミチス(Dirofilaria immitis)、アンギオストロンギルス・バソルム(Angiostrongylus vasorum)、アエルロストロンギルス・アブストルスス(Aelurostrongylus abstrusus)、ユーコレウス・エアロフィルス(Eucoleus aerophilus)、ペアルソネマ・プリカ(Pearsonema plica)、アオンコテカ・プトリイ(Aonchotheca putorii)、ドラクンクルス・インシグニス(Dracunculus insignis)、パラゴニムス・ケリコッチ(Paragonimus kellicotti)、ジピリジウム・カニヌム(Dipylidium caninum)、テニア・テニエホルミス(Taenia taeniaeformis)、スピロメトラ種(Spirometra spp.)、エキノコッカス・グラヌロスス(Echinococcus granulosus)、エキノコッカス・ムルチロクラリス(Echinococcus multilocularis)、メソセストイデス種(Mesocestoides spp.)、ジフィロボトリウム・ラツム(Diphyllobothrium latum)、およびギアルジア種(Giardia spp.)が含まれる。
【0029】
これらのリストは例示にとどまるもので、列挙される動物の種および寄生虫は制限されるものではない。当業者によって理解されるように、他の動物種および他の寄生虫が考慮される。
【0030】
ここで用いられる場合、「デンプン性成分」という用語はデンプンおよび/またはデンプン様物質を優位に含有する食品素材を意味する。デンプン性成分の例は、穀粒並びに穀粒を碾くことで得られる粗挽き粉もしくは穀粉、例えば、トウモロコシ、オートムギ、コムギ、ミロ、オオムギ、コメ、およびこれらの穀粒の様々な製粉副産物、例えば、飼料用小麦粉(wheat feed flour)、ホイートミドリングス(wheat middlings)、混合飼料、ホイートショーツ(wheat shorts)、ホイートレッドドッグ(wheat red dog)、オートグローツ(oat groats)、ホミニィフィード(hominy feed)、および他のそのような物質である。塊根状食品素材、例えば、ジャガイモ、タピオカ等もデンプン性成分の源として含まれる。
【0031】
ここで用いられる場合、軟性咀しゃく剤の成分のパーセントは軟性咀しゃく剤の総重量の割合を意味し、およびこれを指す。
【0032】
ここで用いられる場合、「デンプン成分」という用語はデンプンもしくはデンプン(複数)成分を意味し、およびこれらを指し、実際に乾燥しているかどうかに関わらず、乾燥成分とみなされる。ここで用いられる場合、「糖成分」という用語は糖もしくは糖(複数)および/または糖代替品を意味し、およびこれらを指し、実際に乾燥しているかどうかに関わらず、乾燥成分とみなされる。ここで用いられる場合、「油成分」という用語は油もしくは油(複数)成分を意味し、およびこれらを指し、実際に液体であるかどうかに関わらず、液体成分とみなされる。ここで用いられる場合、「添加物成分」という用語は添加物もしくは添加物(複数)を意味し、およびこれらを指す。ここで用いられる場合、「乳化剤成分」という用語は乳化剤もしくは乳化剤(複数)、湿潤剤等を意味し、およびこれらを指し、実際に液体であるかどうかに関わらず、液体成分とみなされる。
【0033】
本発明の実施態様は、一般に、生物へのベンズイミダゾール、アベルメクチンおよびプラジカンテルの成分を含有する組成物を含み、並びに関連する使用および製造の方法に関する。一実施態様において、この組成物は、生物の体重キログラム(kg)当たり約0mgから約1000mgのフェンベンダゾール、生物の体重キログラム(kg)当たり約0mcgから約0.5gのイベルメクチン、および生物の体重キログラム(kg)当たり約0mcgから約0.5gのプラジカンテルを含有する。代わりの実施態様において、この組成物は、生物の体重キログラム(kg)当たり約25mgから約500mgのフェンベンダゾール、生物の体重キログラム(kg)当たり約2mcgから約0.2gのイベルメクチン、および生物の体重キログラム(kg)当たり約2mcgから約0.2gのプラジカンテルを含有する。代わりの実施態様において、この組成物は、生物の体重キログラム(kg)当たり約50mgから約300mgのフェンベンダゾール、生物の体重キログラム(kg)当たり約3mcgから約0.1gのイベルメクチン、および生物の体重キログラム(kg)当たり約3mcgから約0.1gのプラジカンテルを含有する。代わりの実施態様において、この組成物は、生物の体重キログラム(kg)当たり約100mgのフェンベンダゾール、生物の体重キログラム(kg)当たり約6mcgのイベルメクチン、および生物の体重キログラム(kg)当たり約5mgのプラジカンテルを含有する。
【0034】
これらの成分はあらゆる適切な医薬坦体において送達することができる。様々な実施態様において液体、固体、蒸気、ゲル、および/またはあらゆる他の医薬送達形態として送達することができる。非常に頻繁に、様々な成分が、これらの成分をより口当たりのよいものにするため、香味料と共に組み込まれる。
【0035】
本発明の組成物の様々な他の実施態様は、ベンズイミダゾール、アベルメクチンおよびプラジカンテルを含有する組成物を生物に送達するための食用搬送ビヒクルまたは軟性咀しゃく剤である。特に考慮される生物には、家畜、ペット、飼育動物等であり、これには、ウマ、雌ウシ、ブタ、ヤギ、ヒツジ、ラマ、シカ、アヒル、ニワトリ、イヌ、ネコ、ライオン、トラ、クマ、雄ウシ、水牛、魚、鳥等が含まれるが、これらに限定されない。本発明の実施態様は、一般に、トキソカラ・カニス(Toxocara canis)、アンシロストマ・カニヌム(Ancylostoma caninum)、トリクリス・ブルピス(Trichuris vulpis)、ジフィリジウム・カニヌム(Dipylidium caninum)を含む様々な寄生虫を駆除するための、および、とりわけイヌにおける、ジロフィラリア・イミチス(Dirofilaria immitis)によって生じる犬糸状虫病を予防するための組成物を含む。
【0036】
様々な実施態様において、ベンズイミダゾールはメベンダゾール、オキシベンダゾール、フェンベンダゾール(fenbendazole)、オクスフェンダゾール、トリクラベンダゾール、フルベンダゾール、リコベンダゾール、チアベンダゾール、レバミソールおよびアルベンダゾール並びにそのプロドラッグからなる群より選択される。しかしながら、現存しようと後に現れようと、当業者には、他のベンズイミダゾールが容易に明らかである。そのような他のベンズイミダゾールはここに添付される請求の範囲に包含されることが意図される。
【0037】
様々な実施態様において、アベルメクチンはエンデクトサイド(これは駆虫剤および殺虫剤である)である大環状ラクトンの群のいずれかである。大環状ラクトンの例は、アバメクチン、イベルメクチン、エプリノメクチン、セラメクチン、もしくはミルベマイシンオキシムである。一実施態様において、アベルメクチンはイベルメクチンである。
【0038】
様々な実施態様において、組成物は、例えば、錠剤、ピル、粉末、液体、ペースト、軟性咀しゃく剤等の投与形態で投与される。好ましい投与形態は口当たりのよい軟性咀しゃく剤である。しかしながら、本発明の他の実施態様において、飼料、飼料添加物、栄養補助食品、栄養補給食品、医薬、供応品等として、またはこれらと組み合わせて用いることができる。
【0039】
係属PCT出願US03/25358(その内容は参照してここに組み込まれる)は、特許請求される組成物の製造に好ましい坦体および方法を完全に開示し、および特許請求する。
【0040】
一実施態様において、本発明の組成物はデンプン成分、糖成分、および油成分を含有する。一般に、様々な実施態様において、デンプン成分は軟性咀しゃく剤の約5パーセントから約60パーセントを構成し、糖成分は軟性咀しゃく剤の約5パーセントから約75パーセントを構成し、および油成分は軟性咀しゃく剤の約1パーセントから約40パーセントを構成する。デンプン成分、糖成分および/または油成分のパーセンテージは軟性咀しゃく剤の最終用途および望ましい硬度に依存して変化し得る。
【0041】
代わりの実施態様においては、デンプン成分は軟性咀しゃく剤の約15パーセントから約40パーセントを構成し、糖成分は軟性咀しゃく剤の約15パーセントから約60パーセントを構成し、および油成分は軟性咀しゃく剤の約5パーセントから約30パーセントを構成する。
【0042】
代わりの実施態様においては、デンプン成分は軟性咀しゃく剤の約25パーセントから約35パーセントを構成し、糖成分は軟性咀しゃく剤の約25パーセントから約50パーセントを構成し、および油成分は軟性咀しゃく剤の約7パーセントから約15パーセントを構成する。
【0043】
デンプン成分はあらゆる源からのデンプンを含むことができ、軟性咀しゃく剤において結合剤として作用し得る。一実施態様において、デンプン成分は誘導体化されたものおよび/またはアルファ化デンプンである。好ましい実施態様においては、デンプン成分は高度に誘導体化されている。誘導体化の基本デンプンとして機能し得る幾つかのデンプンには、レギュラーコーン(regular corn)、ワキシーコーン(waxy corn)、ジャガイモ、タピオカ、コメ等が含まれる。デンプン用の誘導体化剤の適切なタイプには、これらに限定されるものではないが、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、無水酢酸、および無水コハク酸、並びに他の食品認可エステルもしくはエーテルが含まれ、そのような化学物質は単独で、または互いに組み合わされて導入される。
【0044】
様々な実施態様において、デンプン成分中のデンプンの予備架橋は、系のpHおよび製品の形成に用いられる温度に基づき、必要であることもないこともある。
【0045】
デンプン成分はデンプン性成分を含むこともできる。デンプン性成分は、望ましいマトリックスの特性を達成するため、形成工程の前もしくはその間にゼラチン化もしくは調理されていてもよい。アルファ化デンプンが用いられる場合、加熱もしくは調理なしに主題発明の製品を調製し、または主題発明の方法を実施することが可能であり得る。しかしながら、アルファ化されていない(非ゲル化)もしくは非調理デンプンを用いることもできる。
【0046】
糖成分は甘味料として作用することができ、白砂糖、コーンシロップ、ソルビトール(溶液)、マルチトール(シロップ)、オリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、フルクトース、ラクトース、グルコース、リカシン、キシリトール、ラクチトール、エリスリトール、マンニトール、イソマルトース、ポリデキストロース、ラフィノース、デキストリン、ガラクトース、スクロース、転化糖、ハチミツ、糖蜜、多水酸基アルコール並びに他の類似の糖オリゴマーおよびポリマー並びにこれらの混合物を含む糖が含まれるがこれらに限定されるものではない。加えて、人工甘味料、例えば、サッカリン、アスパルテームおよび他のジペプチド甘味料が存在していてもよく、無糖は固体ポリオール、例えば、ソルビトール、マンニトールおよびキシリトールを含み得る。これらの糖の一部の様々な十分に確立された源の例は、コーンシロップ固体、麦芽シロップ、加水分解コーンスターチ、ハイドロール(グルコース製造操作からのシロップ)、未加工および精製サトウキビおよびビート糖等である。
【0047】
油成分は湿潤剤として作用することができ、天然および合成の両者の脂肪もしくは脂肪(複数)を含むがこれらに限定されるものではない2以上の油が含まれ得る。軟性咀しゃく剤における成分として用いられる油は、飽和もしくは不飽和液体脂肪酸、そのグリセリド誘導体または植物もしくは動物起源の脂肪酸誘導体またはこれらの混合物であり得る。典型的な動物脂肪もしくは油の源は魚油、鶏脂、獣脂、精選ホワイトグリース(choice white grease)、プライム・スチーム・ラード(prime steam lard)およびこれらの混合物である。しかしながら、他の動物脂肪も軟性咀しゃく剤における使用に適する。植物脂肪もしくは油の適切な源は、誘導されたパーム油、パーム硬化油、トウモロコシ胚硬化油、ヒマシ硬化油、綿実油、ダイズ油、オリーブ油、ラッカセイ油、パームオレイン油、カカオ脂、マーガリン、バター、ショートニングおよびパームステアリン油、並びにこれらの混合物であり得る。加えて、動物および植物油もしくは脂肪の混合物がマトリックスにおける使用に適する。
【0048】
様々な他の実施態様は香味成分をさらに含有する。そのような香味成分は、一実施態様においては、軟性咀しゃく剤の口当たりの良さを改善および/または変化させるものである。香味成分におけるあらゆる香味料を用いることができる。香味成分に適するフレーバーの例には、ストロベリーフレーバー、トゥッティフルーティフレーバー、オレンジフレーバー、バナナフレーバー、ミントフレーバー、およびリンゴ−糖蜜が含まれるが、これらに限定されるものではない。リンゴ−糖蜜香味成分に適する源は、製品名Sweet−Apple Molasses Flavoring、製品コードPC−0555の、Pharma Chemie、1877 Midland Street、P.O.Box 326、Syracuse、NE 68446−0326である。
【0049】
様々な実施態様において、香味成分用の他の香味料、例えば、果物、肉(豚肉、牛肉、鶏、魚、家禽等を含むがこれらに限定されるものではない)、野菜、チーズ、チーズ・ベーコンおよび/または人工香味料を用いることができる。香味成分を用いる好ましい実施態様において、香味成分は組成物の口当たりの良さを高めるように選択される。好ましい肉香味料は、Pharma Chemieで人工ビーフ・フレーバー製品コードPC−0125として市販されている。香味成分は、典型的には、その軟性咀しゃく剤を摂取する生物に関連する考察に基づいて選択される。例えば、ウマはリンゴ香味成分を好むことがあり、これに対してイヌは肉香味成分を好むことがある。
【0050】
様々な実施態様が安定化および/または潤滑成分をさらに含有する。一実施態様において、適切な安定化成分はステアリン酸マグネシウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム等である。しかしながら、安定化成分は当該技術分野において一般的であり、あらゆる適切な1種類もしくは2種類以上の混合物を用いることができる。一実施態様において、安定化成分は軟性咀しゃく剤の約0.0パーセントから約3.0パーセントを構成する。代わりの実施態様においては、安定化成分は軟性咀しゃく剤の約0.5パーセントから約1.5パーセントを構成する。
【0051】
様々な実施態様が乳化剤成分をさらに含有する。適切な乳化剤成分はグリセリン、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタンモノステアレート、スクロース脂肪酸エステル、レシチン、ポリエチレングリコール、これらの混合物等である。しかしながら、乳化剤成分は当該技術分野において公知であり、あらゆる乳化剤成分を用いることができる。一般に、添加される乳化剤成分の量は軟性咀しゃく剤の粘着性に影響を及ぼし得る。グリセリンの濃度が増加するほど軟性咀しゃく剤が粘着性となる。一実施態様において、乳化剤成分は軟性咀しゃく剤の約0.0パーセントから約40パーセントを構成する。代わりの実施態様においては、乳化剤成分は軟性咀しゃく剤の約5.0パーセントから約30パーセントを構成する。代わりの実施態様においては、乳化剤成分は軟性咀しゃく剤の約10パーセントから約20パーセントを構成する。
【0052】
様々な実施態様において、水分が組成物中に存在する。一実施態様において、水分は約0.0パーセントから約15パーセントを構成する。代わりの実施態様において、水分は約2.0パーセントから約10パーセントを構成する。代わりの実施態様において、水分は約5.0パーセントから約7.5パーセントを構成する。
【0053】
ベンズイミダゾール、アベルメクチンおよびプラジカンテルの先に開示された量および/または濃度は本発明の軟性咀しゃく剤製剤においても用いることができる。
【0054】
様々な実施態様において、添加物成分が組成物に添加される。添加物成分は経口投与することができる医薬、栄養補給食品、ビタミン、ミネラルおよび/または充填剤からなる群より選択される。これに関して、添加物成分は活性成分であっても不活性成分であってもよい。
【0055】
本発明の様々な実施態様がさらなる医薬/添加物を含む組成物を意図する。2種類以上の医薬を伴う例示的実施態様には、外部寄生虫に対する効果を有する抗寄生虫性化合物、例えば、アリール−ピラゾール化合物、ニテンピラム、ルフェヌロン、オメプラゾール、ピランテルパモアート、セラメクチンもしくはミルベマイシンが含まれるが、これらに限定されない。一般に、錠剤として投与されるあらゆる薬物を、製剤中の賦形剤が安定性の問題を生じないか、またはこれらを不活性化するような方式でこれらと結合しない限り、組成物中に含めることができる。
【0056】
他の医薬には、イベルメクチン、フェンベンダゾール、ピペラジン、水酸化マグネシウム、ストラノゾール、フロセミド、ペニシリン、アモキシシリン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、アセプロマジン、アスピリン、PROZAC、ZANTACS、BENADRYL、プラジカンテル、ピランテル、HOE 12073、Sumitomo Chemicals−1638、ニテンピラム、スピノサッドおよびオミプラゾールが含まれるが、これらに限定されない。
【0057】
様々な実施態様において、組成物はコートされる。あらゆる適切なコーティングを用いることができる。一実施態様においては、添加物を妨害しないコーティングが選択される。別の実施態様においては、添加物(1種類以上)の消化時間を変更し、これによりその添加物(1種類以上)の放出を少なくとも部分的に制御することができる添加物が選択される。適切なコーティングには、当該技術分野において通例であるような、あらゆる薬学的に許容し得る、および/または栄養補給的に許容し得るコーティング(ポリマー、モノマー)が含まれるが、これらに限定されない。コーティングとして機能し得るポリマーのリストについて、Cadyらの米国特許第6,498,153号を参照することができる。
【0058】
例示的な栄養補給品、ビタミン、ミネラル等には、ビタミン、例えば、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ニコチンアミド、葉酸、パントテン酸カルシウム、ビオチンおよびこれらの混合物;ミネラル栄養補助品、例えば、カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、マグネシウム、炭酸マグネシウム、グリセロリン酸マグネシウム、マンガン、カリウム、レシチン、鉄、銅、亜鉛、リン、ヒッポフェ・ラムノイデス(hippophae rhamnoides)抽出物、花粉、ガルシニア(Garcinia)、エキナセア(Echinaceae)、ジンセノシド抽出物、イチョウ(Ginkgo biloba)抽出物、ブルーベリー、サンザシ抽出物、ヒメウコギ抽出物、アロエ抽出物、カルドゥス・マリアヌス(Cardus marianus)抽出物、ピコリン酸クロム、グルコン酸カリウムおよびメチオニンアミノ酸、鉄、銅、亜鉛並びにこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0059】
例示的な充填剤には、炭水化物源、タンパク源、酸化防止剤、例えば、Tenox 8、ゴム、着色料、染料、顔料等が含まれるが、これらに限定されない。一般に、あらゆる成分を充填剤として用いることができる。好ましい実施態様においては、充填剤は軟性咀しゃく剤の口当たりに悪影響を及ぼさないように選択される。
【0060】
本発明の軟性咀しゃく剤の形成方法の一実施態様は:
デンプン成分、糖成分、油成分、および組成物を混合する工程;
場合により、これらの成分の少なくとも一部を加熱する工程;並びに
軟性咀しゃく剤の実施態様を形成する工程、
を含む。
【0061】
さらなる実施態様においては、追加の添加物を混合する。
【0062】
組成物、および追加の添加物(存在する場合)は、他の成分と共に、またはそのプロセスにおける後の工程および/もしくは時間に混合することができる。代わりの実施態様においては、成分を完全に混合して混合生地を生産する。最も好ましい実施態様においては、生地中の成分が均一に分散するまで生地を混合する。
【0063】
さらなる実施態様において、このプロセスは乳化剤成分の混合をさらに含む。乳化剤成分は湿潤剤および/または形成剤(forming agent)として作用するように選択することができる。一実施態様において、選り抜きの形成剤はポリエチレングリコール(PEG)である。さらに、軟性咀しゃく剤の望ましい硬度に依存して、異なる分子量のPEGを用いることができる。一実施態様においては、PEG3350が用いられる。しかしながら、選択されるPEGは選択の問題であり、分子量は3350を上回っても下回ってもよい。
【0064】
本発明のプロセスの実施態様は、安定化剤成分、香味成分、および/または充填剤成分の混合をさらに含むことができる。
【0065】
一実施態様においては、乾燥成分を混合し、および液体成分を別に混合する。一実施態様においては、油成分および乳化剤成分を混合するときに加熱し、十分な温度で、乾燥成分に添加する。その後、液体および乾燥成分を、望ましい生地が得られるまで、共に混合する。しかしながら、成分を混合し、および/または加熱して生地にする方法は変更し得る。さらに、様々な実施態様において、生地が均一に混合されずに筋がついたままであるように、混合の程度を変化させることができる。同様に、本発明の生地の様々な実施態様は分離した帯域および/または層を有する。
【0066】
一実施態様においては、添加物(1種類以上)成分を成分の混合中に添加する。代わりの実施態様においては、添加物成分を、形成後に、軟性咀しゃく剤に注入する。代わりの実施態様においては、添加物成分の周囲に生地を形成する。別の実施態様においては、本発明の生地および/または成分に添加する前に、添加物(1種類以上)をアルコールもしくは他の液体と混合し、および/またはそこに溶解する。代わりの実施態様においては、添加物(1種類以上)成分を生地内に、混合しながら、噴霧する。添加物を生地内に混合するための具体的な方法は、その添加物の安定性、その添加物の温度感受性等を含む考慮に依存し得る。一実施態様においては、様々な成分および組成物を均一に混合し、および/または生地内に分散させる。
【0067】
別の実施態様においては、成分の混合に先立って油成分を加熱し、これにより
次に、ノックアウトにより生地を本発明の軟性咀しゃく剤に形成する。一実施態様において、生地は依然として暖かいまま形成される。生地は当該技術分野において通例のあらゆる手段もしくは方法によって、例えば、手によって、もしくは機械によって軟性咀しゃく剤に形成することができる。一実施態様においては、軟性咀しゃく剤が生地から形成されるように、形成機もしくはパティ・マシーンが用いられる。形成機の適切な例は米国特許第5,165,218号、同第7,780,931号、同第4,523,520号、および同第3,887,964号に例示される。最も好ましい形成機は、イリノイ州MokenaのFORMAX Food Machinesが製造するFORMAX機である。
【0068】
ノックアウトが意味するところは、本発明の軟性咀しゃく剤の実施態様が生地から形成されることである。一実施態様においては、例えばクッキーカッター・ノックアウトにより、ノックアウトを生地から切断することができる。他の実施態様においては、ノックアウトは生地から打ち抜かれる。さらに他の実施態様においては、ノックアウトは生地から引き裂かれる。ノックアウトの形成は、本願および参照して組み込まれる素材の開示から、当業者に容易に明らかであろう。
【0069】
ここで、本発明の組成物の実施態様の形成において用いられる形成装置の一実施態様の説明図、図2を参照して、本発明の軟性咀しゃく剤を形成するための一般的な好ましい実施態様を考察する。一般に、生地10をホッパー11に加える。スクリュー(1以上)12およびコンベア14が供給スクリュー(1以上)30を介して型プレート38上に生地10を移動させる。その後、ノックアウト32が本発明の軟性咀しゃく剤を形成する。図3、本発明の一実施態様の形成に用いられるノックアウトの一実施態様の説明図への参照は軟性咀しゃく剤40の好ましい実施態様を説明する。しかしながら、あらゆるサイズもしくは形状のノックアウトを許容することができる。その後、軟性咀しゃく剤40はコンベア42に沿って搬送される。軟性咀しゃく剤40は用いることも、包装することも、または望みのままにすることもできる。
【0070】
一実施態様においては、依然として暖かいまま、生地10を軟性咀しゃく剤40に形成する。しかしながら、生地10はあらゆる望ましい温度で軟性咀しゃく剤40に形成することができる。
【0071】
本発明の軟性咀しゃく剤の実施態様は異なる肌目、堅砕性、硬度等を有することができる。一実施態様において、軟性咀しゃく剤の肌目は滑らかである。他の実施態様においては、軟性咀しゃく剤の肌目は粗い。ここで図1aを参照すると、本発明の軟性咀しゃく剤の一実施態様、均一に混合された生地から形成された軟性咀しゃく剤1が図示される。しかしながら、図1bは2以上の区域を有する軟性咀しゃく剤2を図示する。生地が均一に混合されるか否かは、添加物のタイプ、軟性咀しゃく剤の硬度等を含む様々な要素に依存し得る。
【0072】
本発明のさらなる実施態様は生物において寄生虫を駆除するプロセス/方法であって、上記組成物を生物に投与する工程を含み、該組成物がベンズイミダゾール、アベルメクチンおよびプラジカンテルを含有するプロセス/方法である。本発明の実施態様の所要投薬量は変化し、および確立された獣医学的パラメータ範囲内にあるように選択されなければならない。投薬量を制御するため、組成物を様々な時間に投与することができる。一実施態様においては、組成物を月に1回投与する。代わりの実施態様においては、組成物を半年に1回投与する。さらに代わりの実施態様においては、組成物を年に1回投与する。しかしながら、投与の頻度は配合される組成物によって変化し得る。一般に、当該技術分野において通例であるように、あらゆる投与頻度に向けて組成物を配合することができる。
【0073】
投薬量を制御する別の方法は生物に投与される組成物の数を制御することである。各々の組成物は特定のポンド数の生物、例えば、25kgを治療するためのものであり得る。例として、および制限されることなしに、25kgの生物は1用量を受容することができ、これに対して75kgの生物は3用量を受容し、すなわち、生物に送達される投薬量はより多くの、もしくはより少ない単位の軟性咀しゃく剤を生物に投与することによって調整することができ、1個の軟性咀しゃく剤は特定の体重の生物に十分な添加物を供給する。
【0074】
生物の適切な例は家畜、ペット、飼育動物等であり、これには、ウマ、雌ウシ、ブタ、ヤギ、ヒツジ、ラマ、シカ、アヒル、ニワトリ、イヌ、ネコ、ライオン、トラ、クマ、雄ウシ、水牛、魚、鳥等が含まれるが、これらに限定されない。一実施態様においては、生物はイヌである。イヌにおいて上記製剤で処置される具体的な寄生虫には、トキソカラ・カニス(Toxocara canis)、アンシロストマ・カニヌム(Ancylostoma caninum)、トリクリス・ブルピス(Trichuris vulpis)、ジフィリジウム・カニヌム(Dipylisium caninum)およびイヌにおいてジロフィラリア・イミチス(Dirofilaria immitis)によって生じる犬糸状虫病の予防のためのものが含まれるが、これらに限定されない。当該技術分野では特許請求されるベンズイミダゾール(フェンベンダゾール)成分の投薬量がこれらの寄生虫に対して有効ではないと指摘されてきたため、これは驚くべきことである。フェンベンダゾール、イベルメクチンおよびプラジカンテルの組み合わせの相乗効果は新規であり、報告された文献を拒否するものである。前述の参考文献を挿入すべきであろうか?
以下の例は本発明の実施態様によって得られる予期せざる結果を説明する。
【0075】
(実施例)
研究の目的は口当たりのよいフェンベンダゾール、イベルメクチン、およびプラジカンテルの組み合わせの効力を評価することであった。軟性咀しゃく剤製品製剤を選択し、体重kgあたり100mgのフェンベンダゾール、6mcgのイベルメクチンおよび5mgのプラジカンテルの1回用量を誘導された寄生虫感染に対して投与した。これらの研究は「良好な臨床実務、VICH GL9、最終指針(Good Clinical Practice,VICH GL9,Final Guidance)」(2001年5月9日)と題するFDA Center for Veterinary Medicine (CVM) Guidance Document #85に従って行った。この研究に関与する人物には研究の開始に先立ってこの指針のコピーが配布された。
【実施例1】
【0076】
1つの実験を行い、誘導されたアンシロストマ・カニヌム(Ancylostoma caninum)の感染に対して体重kgあたり100mgのフェンベンダゾール、6mcgのイベルメクチンおよび5mgのプラジカンテルの1回用量を投与して、口当たりのよいフェンベンダゾール、イベルメクチンおよびプラジカンテルの組み合わせの軟性咀しゃく剤製品の効力を評価した。この研究は「良好な臨床実務、VICH GL9、最終指針(Good Clinical Practice,VICH GL9,Final Guidance)」(2001年5月9日)と題するFDA Center for Veterinary Medicine (CVM) Guidance Document #85に従って行った。20匹の特定の目的で飼育されたビーグル犬(雄10匹および雌10匹)に約300匹のA.カニヌム(A.caninum)幼生を第28研究日に経口接種し、第2研究日に3つの別個の糞便卵数によって感染を確認した。これらのイヌをこれらの平均糞便卵数に従って降順に等級付けした後、2つの群のうちの1つに無作為に割り当てた:群1には活性獣医学的製品を含有する軟性咀しゃく剤の1回処置を施し、群2にはプラセボ対照軟性咀しゃく剤製品の1回処置を施した。第0研究日に全てのイヌに処置を施した。第7研究日に全てのイヌを安楽死させ、腸の内容物を集めて存在する鈎虫の数を数えた。対照に対する幾何平均に基づくA.カニヌム(A.caninum)虫回収における減少は98.4%であった。処置に関連する有害事象は観察されなかった。この研究は、体重kgあたり100mgのフェンベンダゾール、6mcgのイベルメクチンおよび5mgのプラジカンテルの1回用量で投与された口当たりのよいフェンベンダゾール、イベルメクチンおよびプラジカンテルの組み合わせの軟性咀しゃく剤製品の1回処置が誘導されたA.カニヌム(A.caninum)感染に対して有効であることを示した。
【0077】
材料および方法
分割区画研究デザインをこのプラセボ制御効力研究に用いた。ブロック化因子はA.カニヌム(A.caninum)糞便卵数であった。ブロックは2匹のイヌ、1匹の雄および1匹の雌からなり、これらのイヌを平均糞便卵数によって降順に等級付けした。
【0078】
処置
イヌに送達された実施態様における活性成分はフェンベンダゾール(100mg/kg)、イベルメクチン(6mcg/kg)およびプラジカンテル(5mg/kg)であった。この実験製剤のバッチナンバーはPC005.094であった。完全な製剤はスポンサーと共にファイリングされている。この獣医学的製品は乾燥した場所に制御された室温で保管され、光から保護されていた。
【0079】
対照製品
対照製品はいかなる活性成分をも含有していなかった。対照製品は乾燥した場所に制御された室温で保管された。
【0080】
投薬量および投与
治験および対照製品はチュワブル固体投与形態にあり、各々の軟性咀しゃく剤の重量は約5.2グラムから5.4グラムであった。この獣医学的製品は活性成分を24.5ポンドまでの体重を処置するのに十分な量で含有していた。イヌの体重は16.3から30.3ポンドの範囲であった。イヌには獣医学的製品もしくは対照製品のいずれかの1回経口処置を施した。投薬の前夜に食物をイヌから取り上げ、次いで投薬の約30分前に食物を与えた。獣医学的製品を割り当てられたイヌのうち、2匹のイヌには各々2個の咀しゃく剤を投与し、残りの8匹のイヌには各々1個の咀しゃく剤を投与した。
【0081】
研究手順
【0082】
【表1】

【0083】
処置群に対する無作為化/割り当て 第2研究日までの別の3日に、糞便試料中のA.カニヌム(A.caninum)卵の計数を各々のイヌについて行った。その後、これらの平均糞便卵数によって性別内で降順にイヌを等級付けし、無作為に処置群に割り当てた(群あたり5匹の雄および5匹の雌)。
【0084】
盲目化
毎日の観察、剖検、および剖検時に回収された寄生虫の計数を実施する人物はこれらのイヌが受ける処置について盲目化された。処置の施行に責任を負う個人は盲目化されなかった。
【0085】
研究の変数および観察
処置前理学的検査および血液試料を第7研究日に収集し、寄生を除いてイヌが健常であることを研究に含める前に確証した。血液試料は安楽死の前にも収集し、血液学および血清化学パラメータを初期値と比較した。これらの血液試料は完全な血液計数および血清化学プロフィールのために臨床病理研究所に送付した。
【0086】
付録Iに記載されるように、イヌに約300匹の可視L3幼生を第0研究日の28日前に接種した。幼生提供犬の源泉データは研究データに含められる。
【0087】
獣医学的および対照製品の投与後4時間、全てのイヌを毎時1回、有害事象について観察した。この後、これらを安楽死させるまで(第7研究日)、イヌを1日1回観察した。
【0088】
第1の効力変数は剖検時に回収されるA.カニヌム(A.caninum)虫の数であった。A.カニヌム(A.caninum)の計数を付録IIに記載されるように決定した。この計数を文書化し、研究データに含める。第2の変数はなかった。
【0089】
分析方法
標準的な実験機器を試料の収集および寄生虫の同定に用いた。
【0090】
統計的方法
寄生虫計数を、各々の動物から回収された腸内寄生虫の計数+1の自然対数をとることによって変換した。計数に1を加えて寄生虫のいないイヌの決定されない結果を防止した。変換された計数を、SAS(登録商標)統計ソフトウェアにおいてProc Mixed法を用いて、計数を混合モデルでモデル化することによって分析した。処置および性別は固定化効果としてモデル化し、ブロックは無作為効果としてモデル化した。モデルは以下の通りである:
Log(Yijk+1)=μ+b+α+β+αβij+αbik+βbjk+eijk
式中、
i=1、2(処置、プラセボもしくは3種の組み合わせ)
j=1、2(性別、MもしくはF)
k=1、2、…10(ブロック)
ijk=ブロックk、処置iおよび性別jにおける動物からの寄生虫の計数
μ=全平均
b=ブロックkの無作為効果
β=性別jの効果
β(b)jk=性別j内でのブロックkの無作為効果
α=処置iの効果
αβij=性別jによる処置iの相互作用
αβ(b)ijk=処置i、ブロックk、性別j内の無作為効果
ijk=無作為誤差項
変換された寄生虫計数の最小二乗幾何平均を用いて処置を陰性対照と比較した。主要効果処置平均の比較には0.05レベル(p≦0.05)を用いた。各々の処置の最小二乗幾何平均を戻し変換し、平均計数として提示した。
【0091】
A.カニヌム(A.caninum)に対する有効性パーセントを、性別を超えて、以下の式に従って算出した:
有効性パーセント={(対照の平均−処置体の平均)/(対照の平均)}×100,
対照の平均=適切な対照群からのイヌにおける寄生虫の数の幾何平均。
【0092】
処置体の平均=適切な処置群からのイヌにおける寄生虫の数の幾何平均。
【0093】
効力
A.カニヌム(A.caninum)虫は全ての対照イヌから剖検時に回収された。活性成分を含有する軟性咀しゃく剤(1以上)を施されたイヌは、対照イヌと比較して、剖検時に存在するA.カニヌム(A.caninum)が有意に(P<0.0001)減少した。フェンベンダゾール、イベルメクチン、およびプラジカンテルを含有する軟性咀しゃく剤の剖検時に回収される虫の数の減少に基づく効力は98.4%であった(第3表)。
【0094】
【表2】

【0095】
有害事象
研究中に観察される処置関連有害事象はなかった。処置前後の血液値は許容し得るものであった。
【0096】
プロトコル逸脱
全てのイヌは、第7研究日が土曜日に当たるため、プロトコルに列挙されるように第7研究日の代わりに第5研究日に血液の抜き取りを受けた。第7日の代わりに第5日に血液を抜き取ることはいかなる意味においても研究に影響をもたらさなかった。
【0097】
このプロトコルは、無作為化完全ブロックデザインが用いられたことを示すが、記載される統計的方法論は分割区画デザインに基づく。生成された統計データは分割区画デザインに従った。不正確な用語法が研究の統計的所見に影響をもたらすことはなかった。
【0098】
このプロトコルはイヌが糞便卵数によって性別内でブロック化されることを示す。しかしながら、無作為化が行われた場合、イヌは性別内でブロック化されていないものと仮定した。処置は依然として無作為化され、したがって、この逸脱が研究の統計的所見に影響をもたらすことはなかった。
【0099】
この研究は、体重kgあたり100mgのフェンベンダゾール、6mcgのイベルメクチンおよび5mgのプラジカンテルの一回用量で投与される口当たりのよいフェンベンダゾール、イベルメクチン、およびプラジカンテルの組み合わせの軟性咀しゃく剤製品の1回処置が、誘導されたA.カニヌム(A.caninum)感染に対して有効であることを示した。
【実施例2】
【0100】
体重kgあたり100mgのフェンベンダゾール、6mcgのイベルメクチンおよび5mgのプラジカンテルの一回用量で投与される口当たりのよいフェンベンダゾール、イベルメクチンおよびプラジカンテルの組み合わせの軟性咀しゃく剤製品の、トリクリス・ブルピス(Trichuris vulpis)の自然感染に対する効力を評価するため別のものを実施した。20匹のイヌ(10匹の雄および10匹の雌)を、第2研究日に3回の別個の糞便卵計数を行うことにより、T.ブルピス(T.vulpis)に感染していることを確認した。これらのイヌを、性別内で、これらの平均糞便卵数に従って降順に等級付けした後、2つの群のうちの1つに無作為に割り当てた:群1には活性獣医学的製品を含有する軟性咀しゃく剤の1回処置を施し、群2にはプラセボ対照製品の1回処置を施した。第0研究日に全てのイヌに処置を施した。第7研究日に全てのイヌを安楽死させ、腸の内容物を集めて存在する鞭虫の数を数えた。対照に対する幾何平均に基づく回収されたT.ブルピス(T.vulpis)虫の減少は、99.8%であった。処置に関連する有害事象は観察されなかった。この研究は、体重kgあたり100mgのフェンベンダゾール、6mcgのイベルメクチンおよび5mgのプラジカンテルの1回用量で投与される口当たりのよいフェンベンダゾール、イベルメクチンおよびプラジカンテルの組み合わせの軟性咀しゃく剤製品の1回処置が自然T.ブルピス(T.vulpis)感染に対して有効であることを示した。
【0101】
この調査研究の目的は、体重kgあたり100mgのフェンベンダゾール、6mcgのイベルメクチンおよび5mgのプラジカンテルの一回用量で投与される口当たりのよいフェンベンダゾール、イベルメクチンおよびプラジカンテルの組み合わせの軟性咀しゃく剤の、T.ブルピス(T.vulpis)の自然感染に対する効力を評価することであった。
【0102】
材料および方法
イヌを2つの処置群のうちの1つに分割区画デザインで無作為に割り当てた。全区画は性別であり、下位区画は処置であって、これは無作為化完全ブロックデザインでイヌに割り当てられた。各性別内のイヌは平均糞便卵数により降順に等級付けた。ブロックは各性別内の2匹の連続して等級付けられたイヌを含んでいた。処置は各ブロック内でイヌに無作為に割り当てられ、性別への処置の割り当ては等しいものであった。イヌには活性獣医学的製品を含有する軟性咀しゃく剤の1回処置もしくはプラセボ対照製品の1回処置のいずれかを施した。
【0103】
処置
獣医学的製品
活性成分はフェンベンダゾール(100mg/kg)、イベルメクチン(6mcg/kg)およびプラジカンテル(5mg/kg)であった。この実験配合物のバッチナンバーはPC005.094であった。完全な配合物はスポンサーと共にファイリングされている。この獣医学的製品は乾燥した場所に制御された室温で保管され、光から保護されていた。
【0104】
対照製品
対照製品はいかなる活性成分をも含有していなかった。対照製品のバッチナンバーはPC005.091であった。対照製品は乾燥した場所に制御された室温で保管された。
【0105】
投薬量および投与
治験および対照製品はチュワブル固体投与形態にあり、各々の軟性咀しゃく剤の重量は、それぞれ、約5.2グラムもしくは5.4グラムであった。この獣医学的製品は活性成分を24.5ポンドまでの体重を処置するのに十分な量で含有していた。イヌの体重は27.2から72.7ポンドの範囲であった。イヌには獣医学的製品もしくは対照製品のいずれかの1回経口処置を施した。投薬の前夜に食物をイヌから取り上げ、次いで投薬の約30分前に食物を与えた。獣医学的製品に割り当てられたイヌのうち、4匹のイヌには各々2個の咀しゃく剤を投与し、残りの6匹のイヌには各々3個の咀しゃく剤を投与した。
【0106】
研究手順
【0107】
【表3】

【0108】
処置群に対する無作為化/割り当て 第2研究日までの別の3日に、糞便試料中のT.ブルピス(T.vulpis)卵の計数を各々のイヌについて行った。その後、これらの平均糞便卵数によって性別内で降順にイヌを等級付けし、無作為に処置群に割り当てた(群あたり5匹の雄および5匹の雌)。
【0109】
研究の変数および観察
処置前理学的検査および血液試料を第7研究日までに収集し、寄生を除いてイヌが健常であることを研究に含める前に確証した。血液試料は安楽死の前にも収集し、血液学および血清化学パラメータを初期値と比較した。これらの血液試料は完全な血液計数および血清化学プロフィールのために臨床病理研究所に送付した。
【0110】
獣医学的および対照製品の投与後4時間、全てのイヌを毎時1回、有害事象について観察した。次に、これらを安楽死させるまで(第7研究日)、イヌを1日1回観察した。
【0111】
Guidance for Industry 111,Effectiveness of Anthelmintics: Specific Recommendations for Canine VICH GL19において示唆されるように、第1の効力変数は剖検時に記録されるT.ブルピス(T.vulpis)虫の数であった。T.ブルピス(T.vulpis)の計数は付録IIに記載されるように決定した。これらの計数を文書化し、研究データに含める。第2の変数はなかった。
【0112】
分析方法
標準的な実験機器を試料の収集および寄生虫の同定に用いた。
【0113】
統計的方法
実験単位は個々のイヌであった。寄生虫計数を、各々の動物から回収された腸内寄生虫の計数+1の自然対数をとることによって変換した。計数に1を加えて寄生虫のいないイヌの決定されない結果を防止した。変換された計数を、SAS(登録商標)統計ソフトウェアにおいてProc Mixed法を用いて、計数を混合モデルでモデル化することによって分析した。処置および性別は固定化効果としてモデル化し、ブロックは無作為効果としてモデル化した。モデルを以下に列挙する:
Log(Yijk+1)=μ+b+α+β+αβij+αbik+βbjk+eijk
式中、
i=1、2(処置、プラセボもしくは3種の組み合わせ)
j=1、2(性別、MもしくはF)
k=1、2、…10(ブロック)
ijk=ブロックk、処置i、および性別jにおける動物からの寄生虫の計数
μ=全平均
b=ブロックkの無作為効果
β=性別jの効果
β(b)jk=性別j内でのブロックkの無作為効果
α=処置iの効果
αβij=性別jによる処置iの相互作用
αβ(b)ijk=処置i、ブロックk、性別j内の無作為効果
ijk=無作為誤差項
変換された寄生虫計数の最小二乗幾何平均を用いて処置を陰性対照と比較した。主要効果処置平均の比較には0.05レベル(p≦0.05)を用いた。各々の処置の最小二乗幾何平均を戻し変換し、平均計数として提示した。
【0114】
T.ブルピス(T.vulpis)に対する有効性パーセントを、性別を超えて、以下の式に従って算出した:
有効性パーセント={(対照の平均−処置体の平均)/(対照の平均)}×100
対照の平均=適切な対照群からのイヌにおける寄生虫の数の幾何平均。
【0115】
処置体の平均=適切な処置群からのイヌにおける寄生虫の数の幾何平均。
【0116】
結果
効力
T.ブルピス(T.vulpis)虫は全ての対照イヌから剖検時に回収された。活性成分を含有する軟性咀しゃく剤(1以上)を施されたイヌは、対照イヌと比較して、剖検時に存在するT.ブルピス(T.vulpis)が有意に(P<0.0001)減少した。フェンベンダゾール、イベルメクチン、およびプラジカンテルを含有する軟性咀しゃく剤の剖検時に回収された虫の数の減少に基づく効力は99.8%であった(第3表)。
【0117】
【表4】

【0118】
有害事象
研究中に観察される処置関連有害事象はなかった。
【0119】
処置前後の血液値は許容し得るものであった。
【0120】
プロトコル逸脱
このプロトコルは無作為化完全ブロックデザインが用いられたことを示すが、記載される統計的方法論は分割区画デザインに基づく。生成された統計データは分割区画デザインに従った。不正確な用語法が研究の統計的所見に影響をもたらすことはなかった。
【0121】
このプロトコルの付録Bの第2段落(腸内寄生虫収集の手順)は盲腸/結腸検査に適用可能ではなかった。この段落はStandard Operating Procedureサイトからのもので、付録に含められるべきではなかった。この逸脱が研究の結果に影響を及ぼすことはなかった。
【0122】
結論
この研究は、体重kgあたり100mgのフェンベンダゾール、6mcgのイベルメクチンおよび5mgのプラジカンテルの一回用量で投与される口当たりのよいフェンベンダゾール、イベルメクチン、およびプラジカンテルの組み合わせの軟性咀しゃく剤製品の1回処置が自然T.ブルピス(T.vulpis)感染に対して有効であることを示した。
【0123】
本発明をこれらの特定の実施態様および例と絡めて説明したが、さらなる変更が可能であり、および添付の請求の範囲が一般に、本発明の原理に従い、本発明のあらゆる変形、使用、もしくは適応を包含しようとするものであり、その変形、使用、もしくは適用が、並びに、現存しようと後に生じようと、本発明が属する技術内で公知もしくは通例の実務内で生じるような、および前述の本質的な特徴に適用することができるような、本開示から逸脱を含むことは理解されるであろう。さらに、本発明の実施態様を特定の次元的特徴および/または寸法および/または成分と共に説明してきたが、これらの実施態様は、本発明の原理から逸脱することなしに、異なる次元的特徴および/または寸法および/または成分が可能であり、並びに添付の請求の範囲がそのような相異を包含しようとするものであることは理解されるであろう。さらに、ここで言及される全ての特許、印刷刊行物等は参照してここに組み込まれる。参照による組み込みを許容しない法域においては、出願人はその素材を明細書に追加する。
【図面の簡単な説明】
【0124】
【図1a】図1aは本発明の組成物の一実施態様の説明図である。
【図1b】図1bは本発明の組成物の代替実施態様の説明図である。
【図2】図2は、本発明の組成物の様々な実施態様の形成において用いられる、形成装置の一実施態様の説明図である。
【図3】図3は、本発明の一実施態様の形成に用いられる、ノックアウトの一実施態様の説明図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベンズイミダゾール、アベルメクチンおよびプラジカンテルを含む、有効量の成分を含有する、寄生虫を処理するための組成物。
【請求項2】
活性成分が、約0.1から約50パーセントの香味成分、約5.0から約60パーセントのデンプン成分、約5.0から約75パーセントの糖成分、約1.0から約40パーセントの油成分、および水分含有率が約15パーセント未満である第1添加物を含有する軟性咀しゃく剤に加えられ、軟性咀しゃく剤がノックアウトによって形成され押出体ではない、請求項1の組成物。
【請求項3】
医薬、栄養補給食品、ビタミン、ミネラル、および充填剤からなる群より選択される少なくとも1種類の添加物をさらに含有する、請求項2の組成物。
【請求項4】
香味成分が果物、肉、野菜、チーズ、チーズ・ベーコンおよび/または人工香料からなる群より選択される、請求項2の組成物。
【請求項5】
トキソカラ・カニス(Toxocara canis)、アンシロストマ・カニヌム(Ancylostoma caninum)、トリクリス・ブルピス(Trichuris vulpis)、ジピリジウム・カニヌム(Dipylidium caninum)およびジロフィラリア・イミチス(Dirofilaria immitis)を生物から実質的に排除するのに有効な量のフェンベンダゾール、イベルメクチン、およびプラジカンテルを含有する投与形態の医薬。
【請求項6】
生物をトキソカラ・カニス(Toxocara canis)、アンシロストマ・カニヌム(Ancylostoma caninum)、トリクリス・ブルピス(Trichuris vulpis)、ジピリジウム・カニヌム(Dipylidium caninum)およびジロフィラリア・イミチス(Dirofilaria immitis)に対して治療するための方法であって、有効量の請求項1の組成物を投与することを含む方法。
【請求項7】
請求項1に記載された軟性咀しゃく剤を生物に供与し、これにより、消費されることで、添加物が生物によって摂取されることを含む、少なくとも1種類の添加物を生物に導入するための方法。
【請求項8】
生物がウマ、雌牛、ブタ、ヤギ、ヒツジ、ラマ、シカ、アヒル、ニワトリ、イヌ、ネコ、ライオン、トラ、クマ、雄牛、水牛、魚、ヒト等からなる群より選択される請求項7に記載の方法。
【請求項9】
a.香味成分、デンプン成分、糖成分、および油成分を生地内に混合する工程;
b.ベンズイミダゾール、アベルメクチンおよびプラジカンテルを生地内に混合する工程;及び
c.生地を加熱する工程を含み、;
軟性咀しゃく剤を、該軟性咀しゃく剤が押出体でないように、ノックアウトで形成することを特徴とする、
、請求項2に記載の組成物の製造方法。
【請求項10】
成分を加熱する工程が混合する前に油成分を加熱することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
軟性咀しゃく剤を形成する工程が生地をホッパーからプレスに移動させることを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
請求項1もしくは5に記載の軟性咀しゃく剤を生物に投与することを含む、添加物を生物に送達するための方法。
【請求項13】
a.香味成分、デンプン成分、糖成分、油成分、および添加物を生地内に混合する工程;
b.生地を加熱する工程;並びに
c.軟性咀しゃく剤を叩き出す工程、
を含む、軟性咀しゃく剤の形成方法。
【請求項14】
叩き出しの工程をパティ・プレス機で行う、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
軟性咀しゃく剤が追加添加物をさらに含有する、請求項13に記載の方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−532571(P2007−532571A)
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−507536(P2007−507536)
【出願日】平成17年4月6日(2005.4.6)
【国際出願番号】PCT/US2005/011981
【国際公開番号】WO2005/099692
【国際公開日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(506196247)インターベツト・インターナシヨナル・ベー・ベー (85)
【Fターム(参考)】