説明

ベンゾイミダゾール誘導体で置換されたベンゾピラン誘導体またはその製薬的に許容される塩、その製造方法及びそれを含む製薬組成物

本発明は、ベンゾイミダゾール誘導体で置換されたベンゾピラン誘導体またはその製薬的に許容される塩、その製造方法及びそれを含む製薬組成物に関するものである。化学式1で示されるベンゾイミダゾール誘導体で置換されたベンゾピラン誘導体が虚血再潅流損傷に対する心臓保護作用を示し、血管拡張作用のような副作用が少ないので、本発明のベンゾイミダゾール誘導体で置換されたベンゾピラン誘導体またはその製薬的に許容される塩を有効成分として含む製薬組成物は、心臓保護剤、神経細胞保護剤、脳損傷保護剤、網膜細胞保護剤、保管用臓器保護剤等の虚血再潅流と関連した組織の保護剤及び疾患の治療剤として薬理学的に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下記の化学式1で示される新規なベンゾイミダゾール誘導体で置換されたベンゾピラン誘導体またはその薬学的に許容される塩、その製造方法及びそれを含む虚血再潅流損傷に対して心臓保護作用を有する製薬組成物に関するものである。
【0002】
【化1】

【0003】
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6及び* は明細書内に記載したものと同様である)
【背景技術】
【0004】
虚血性心疾患は、動脈硬化等の原因によって心臓に供給される血流が遮断されることによって心筋の酸素供給量が要求量に比べて顕著に不足することによる心筋虚血(myocardial ischemia)の結果現れる[G. J. Grover, Can. J. Physiol.1997年, 第75巻, 309頁;G. D. Lopaschuk等. Science & Medicine, 1997年, 42頁]。心筋虚血は、漸進的に細胞内の病理的変化を起こし、窮極的には非可逆的な心筋の損傷、細胞及び組織の壊死に進行する。損傷の程度が可逆的な初期には、血栓溶解剤または経皮的冠動脈形成術(percutaneous transluminal coronary angioplasty; PTCA)と冠動脈迂回術(coronary artery bypass graft; CABG)等の手術療法による再潅流(reperfusion)によりこのような非可逆的損傷を防ぐことができるが、再潅流による損傷の可能性も大きいと考えられてきた[D. J. Hearse, Medicographia, 1996年, 第18巻, 22頁]。虚血による損傷と再潅流による損傷は明確に区分するのは難しいが、再潅流損傷は一時的に中断していた血流が再潅流療法により急に再開される時に発生して活性遊離酸素とカルシウムの過負荷が主原因であると知られている。再潅流による損傷により、不整脈、血管損傷、心臓機能低下等の広範囲の疾患が発生して神経認知能力の低下が深刻であると報告されている。
【0005】
虚血による損傷は遅延させて、再潅流による損傷を最小化させるために免疫調節物質、細胞死滅抑制物質、イオン通路調節物質等の薬物療法と血液酸素増進のための人工血液製剤及び冠状血管施術及び装備の開発等の研究が進められているが、まだ、商用化されたものはありません。イオン通路調節物質としては、ナトリウム水素交換(Na-H exchanger)の阻害剤、アデノシンA1/A2拮抗剤及びKATP開放剤(ATP-sensitive potassium channel opener)等が研究されている。
【0006】
KATP開放剤のジアゾキシド(diazoxide)がフラボタンパク質(flavoprotein)の酸化を誘導して、ミトコンドリア内にある酸素遊離基の生成を抑制することによって酸化的ストレスによる損傷を減らすことができるという研究が報告されていて[A. A. Starkov, Biosci, Rep. 1997年,第17巻,273頁;V. P. Skulachev, Q. Rev. Biophus.1996年,第29巻,169頁]、KATPの開放が抗酸化酵素の生成を誘導することと関連していて[S. Okubo等, Mol. and cell Biochem, 1999年,第196巻,3頁]、興奮性アミノ酸の遊離を減少させるという[J-L Moreau, G. Huber, Brain Res. 1999年,第31巻,65頁]報告もある。しかし、通常のKATP 開放剤は、心臓保護作用だけではなく血管弛緩作用もゆうするため、冠状及び末梢血管の弛緩は、血圧を下げてしまい、すでに損傷を受けた組織への潅流量低下を招来することにより、心臓保護作用には否定的な要素になる。即ち、心臓保護作用において血管弛緩作用は、一つの副作用であると言える。
【0007】
心筋からはじめて発見されたKATPは、膵臓のベータ細胞、平滑筋、腎臓及び中枢神経系等の様々な組織と器官に広く分布しているので多様な新薬開発の目標として注目されているが、同時に特定組織に選択的な薬物開発には難しさが伴っている。アトワル(Atwal)等は、KATP開放剤の心臓保護作用と血管弛緩作用がお互いに分離されることを報告したことがあり、下記の化学式2の構造式を有するベンゾピラニルシアノグアニジン系化合物(BMS-180448)が既存のカリウム通路開放剤とは異なり、心臓にあるKATPに選択的に作用することを明らかにし、それらの化合物は血管弛緩作用が弱く、顕著な血圧降下作用なしに虚血心臓を保護できるので新しい虚血心臓疾患治療剤の開発可能性を提示した。
【0008】
【化2】

【0009】
それで、本研究者らは、ベンゾピランの4番位置のアミンがグアニジンのベンゼン環に連結され、ベンゾイミダゾール環を形成したベンゾイミダゾール誘導体で置換されたベンゾピラン誘導体を形成して、これらの化合物が血管弛緩作用が弱いながらも虚血再潅流損傷に対する心臓保護効果が優秀であり、心筋梗塞、不安定狭心症等の虚血性心臓疾患及び血栓溶解剤または経皮的冠動脈形成術(percutaneous transluminal coronary angioplasty; PTCA)、冠動脈迂回術(coronary artery bypass graft; CABG)等の再潅流療法に対する心臓保護剤、神経細胞保護剤、脳損傷保護剤、網膜細胞保護剤、保管用臓器保護剤等の虚血再潅流と関連した組織の保護剤及び関連疾患の治療剤として使用できることを明らかにして本発明を完成した。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、前記化学式1で示される新規なベンゾイミダゾール誘導体で置換されたベンゾピラン誘導体またはその薬学的に許容される塩を提供することである。
【0011】
また、本発明の目的は、前記化学式1で示される新規なベンゾイミダゾール誘導体で置換されたベンゾピラン誘導体またはその薬学的に許容される塩の製造方法を提供することである。
【0012】
また、本発明の目的は、前記化学式1で示される新規なベンゾイミダゾール誘導体で置換されたベンゾピラン誘導体またはその製薬的に許容される塩を有効成分とする製薬組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的を達成するために本発明は、ベンゾイミダゾール誘導体で置換されたベンゾピラン誘導体またはその製薬的に許容される塩、その製造方法及びそれを有効成分とする製薬組成物を提供する。
【0014】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0015】
本発明は、下記の化学式1で示されるベンゾイミダゾール誘導体で置換されたベンゾピラン誘導体またはその製薬的に許容される塩を含む。
【0016】
【化3】

【0017】
(式中、XはO、SまたはNCNで、R1はNO2、NH2、H、CN、NHCOCH3、NHCOCF3またはNHSO2CH3であり、R2
【0018】
【化4】

【0019】
【化5】

【0020】
CH2ORaまたはCH3であり、ここで、RaはC1〜C4の直鎖または側鎖アルキル基で、ZはC2〜C6の直鎖または側鎖アルキル基であり、かつ、R3はOHまたはOCOCH3で、R4はC1〜C4の直鎖または側鎖アルキル基であり、R5及びR6は各々独立して、H、C1〜C4の直鎖または側鎖アルキル基、アルコシキ基またはハロゲン基であり、*は不斉(chiral)炭素を示す)
また、本発明は、前記化学式1で示されるベンゾピラン誘導体、その製薬的に許容される塩だけではなく、それらから製造可能な溶媒化物及び水和物をすべて含む。
【0021】
本発明の前記化学式1で示されるベンゾピラン誘導体は、ラセミ混合物だけではなく、2、3、4位の中の一つ以上が不斉(chiral)炭素であるすべてのジアステレオ異性体を含む。式中、2、3、4位すべてが不斉炭素の場合、本発明による3,4-ジヒドロベンゾピラン誘導体は下記の化学式3で示される(I1)、(I2)、(I3)及び(I4)のようなジアステレオ異性体で存在する。
【0022】
【化6】

【0023】
【化7】

【0024】
【化8】

【0025】
【化9】

【0026】
(式中、X、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、前記化学式1で定義したものと同様である)
前記化学式1の化合物の中で好ましい化合物を具体的に下記に示す。
【0027】
1) (2S, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
2) (2R, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
3) (2S, 3S, 4R)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
4) (2R, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
5) (2S, 3R, 4S)-6-アミノ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
6) (2S, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-3-メチル-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
7) (2S, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-5,6-ジメチル-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
8) (2S, 3R, 4S)-6-アミノ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-5,6-ジメチル-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
9) (2S, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-3,5,6-トリメチル-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
10) (2S, 3R, 4S)-6-アミノ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-3,5,6-トリメチル-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
11) (2S, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-アセトキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
12) (2S, 3R, 4S)-6-アミノ-3,4-ジヒドロ-3-アセトキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
13) (2S, 3R, 4S)-6-アセトアミノ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
14) (2S, 3R, 4S)-6-アセトアミノ-3,4-ジヒドロ-3-アセトキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
15) (2S, 3R, 4S)-6-ベンゾイルアミノ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
16) (2S, 3R, 4S)-6-(トリフルオロアセチル)アミノ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
17) (2S, 3R, 4S)-6-メタンスルホニルアミノ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
18) (2S, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-オキソ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
19) (2S, 3R, 4S)-6-アミノ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-オキソ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
20) (3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-オキソ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
21) (3R, 4S)-6-アミノ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-オキソ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
22) (2S, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-チオキソ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
23) (3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-チオキソ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
24) (3R, 4S)-6-アミノ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-チオキソ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
25) (2S, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジエトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
26) (2S, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-メトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
27) (2S, 3R, 4S)-6-アミノ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-メトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
28) (2S, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-メトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-6-メチルベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
29) (2S, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-([1,3]ジオキサン-2-イル)-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
30) (2S, 3R, 4S)-6-アミノ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-([1,3]ジオキサン-2-イル)-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
31) (2S, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-([1,3]ジオキソラン-2-イル)-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、及び
32) (2S, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-([1,3]-5,5-ジメチルジオキサン-2-イル)-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン。
【0028】
本発明の前記化学式1の化合物は薬学的に許容される塩の形態で使用でき、塩としては薬学的に許容される遊離酸(free acid)によって形成される酸付加塩または金属塩が有用である。
【0029】
本発明の酸付加塩は通常の方法、例えば、化学式1の化合物を過量の遊離酸水溶液中に溶解させて、水混和性有機溶媒、例えば、メタノール、エタノール、アセトンまたはアセトニトリルを使用して沈澱させて製造できる。同量の化学式1の化合物及び水またはアルコール(例、グリコールモノメチルエーテル)中の酸を加熱して、続いて該混合物を蒸発させて乾燥させたり、または析出した塩を吸引ろ過させたりして製造することもできる。前記遊離酸としては、無機酸と有機酸を使用でき、無機酸としては、塩酸、臭素酸、硫酸、亜硫酸またはリン酸等を使用でき、有機酸としてはクエン酸、酢酸、マレイン酸、フマル酸、グルコン酸、メタンスルホン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、4-トルエンスルホン酸、ガラクトロン酸、エンボン酸、グルタミン酸またはアスパラギン酸等を使用できる。
【0030】
また、本発明の金属塩は塩基を使用して生成されるもので、本発明の前記化学式1で示される化合物のアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩は、例えば、化学式1の化合物を過量のアルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物溶液中に溶解して非溶解物質をろ過した後、ろ過液を蒸発乾燥させて得られる。前記金属塩としては製薬上、ナトリウム、カリウムまたはカルシウム塩が適当である。
【0031】
また、本発明は、前記化学式1のベンゾイミダゾール誘導体で置換されたベンゾピラン化合物の製造方法を含む。
【0032】
詳細には、本発明は、下記スキーム1で示されるように、化学式(III)のエポキシド化合物を金属塩(metal salt)存在下で化学式(IV)のジアミン化合物とエポキシド開環反応をさせて化学式(V)の化合物を製造した後、置換基Xを導入するために適当な試薬を使用して環化反応させて化学式(I')の化合物を製造し、置換基R1、R2、R3、R4、R5またはR6を変化させて最終的に化学式(I)のベンゾピラン誘導体を製造する方法を含む(以下「製造方法1」とする)。
【0033】
【化10】

【0034】
(式中、X、R1、R2、R3、R4、R5、R6及び* は化学式1で定義したものと同様である)
また、本発明は、化学式(I)化合物のまた他の製造方法で下記スキーム2のように化学式(IV)のジアミン化合物を置換基Xを導入するための試薬を使用して環化反応させて化学式(VI)の化合物を製造した後、適当な塩基存在下で前記スキーム1のエポキシド化合物(III)とエポキシド開環反応させて化学式(I')化合物を製造し、置換基を変形させて化学式(I)のベンゾピラン誘導体を製造する方法を含む(以下「製造方法2」とする)。
【0035】
【化11】

【0036】
(式中、X、R1、R2、R3、R4、R5、R6及び*は化学式1で定義したものと同様である)
本発明では、出発物質として各々のジアステレオ異性体を使用することにより、化学式1の化合物を各々のジアステレオ異性体として製造できる。また、出発物質にジアステレオ異性体の混合物を使用することにより、化学式1の化合物をジアステレオ異性体の混合物で製造して混合物を分離して各々のジアステレオ異性体を得ることができる。ジアステレオ異性体の分離は、通常的なカラムクロマトグラフィーまたは再結晶方法によって分離できる。
【0037】
以下、本発明による化学式1のベンゾイミダゾール誘導体で置換されたベンゾピラン誘導体の製造方法をさらに詳細に説明する。
I. 出発物質の製造
(1) エポキシド化合物(III)の製造
前記スキーム1で出発物質に使用されるエポキシド化合物(III)は、本発明の発明者らによる大韓民国特許出願第2000-60647号及び米国特許登録番号第6,323,238号に記述されている方法にしたがって製造できる。
【0038】
下記スキーム3に示したように前記文献のMn(III)サレン(Salen)エポキシ化触媒を使用する方法により、化合物(III)のジアステレオ異性体(III1)、(III2)、(III3)及び(III4)を各々オレフィン化合物(VII1)及び(VII2)から製造できる。
【0039】
【化12】

【0040】
(式中、R1及びR2は化学式1で定義したものと同様である)
II. 製造方法1
前記スキーム1で化学式(I)の化合物を製造する方法は、
1)適切な溶媒でエポキシド化合物(III)とジアミン化合物(IV)を適切な金属塩存在下で反応させて化合物(V)を製造する工程:(工程1)
2)ジアミン化合物(V)を適当な試薬を使用して環化反応をさせて置換基Xが導入された化合物(I')を製造する工程:(工程2)及び
3)化合物(I')の置換基を変化させて化合物(I)を製造する工程(工3)から成り立つ。
【0041】
工程1では適切な溶媒でエポキシド化合物(III)とジアミン化合物(IV)を適切な金属塩 存在下で反応させる。
【0042】
金属塩としては、Mg(ClO4)2、CoCl2、LiClO4、NaClO4、CaCl2、ZnCl2、LiBF4またはZn(Tf)2等を使用でき、溶媒としては、アセトニトリル、テトラヒドロフランまたはジメチルホルムアミド等を使用でき、アセトニトリルを使用することが好ましい。反応温度は室温から溶媒の沸点までである。
【0043】
前記反応でエポキシド化合物(III)の立体異性体を各々個別的に出発物質に使用した場合には、出発物質に使用した化合物に対応する立体化学を有するジアステレオ異性体を個別的に得られる。即ち、下記スキーム4に示したように、エポキシド化合物(III1)、(III2)、(III3)及び(III4)から各々化合物(V1)、(V2)、(V3)及び(V4)を製造できる。
【0044】
【化13】

【0045】
工程2の環化反応では、下記スキーム5に示したように、適切な試薬を使用して化学式(I')の化合物からXがO、SまたはNCNの化合物を製造する。
【0046】
【化14】

【0047】
(式中、R1、R2、R5、R6及び* は化学式1で定義したものと同様である)
XがOの場合は、ホスゲン(Phosgene)、ウレア(Urea)、ジメチルカーボネート、カルボニルジイミダゾール、トリホスゲン、1,1'-カルボニルジ-1,2,4-トリアゾール、1-ジスクシンイミジルカーボネート、ジ-2-ピリジルカーボネート(di-2-pyridyl carbonate)等のホスゲンから由来したカルボニル移転試薬(carbonyl transfer reagent)を使用できる。
【0048】
XがSの場合は、カーボンジスルファイド及びチオホスゲン、チオウレア、1,1'-チオカルボニルジイミダゾール、1,1'-チオカルボニルジ-1,2,4-トリアゾール、ジ-2-ピリジルチオノカーボネート、1,1'-チオカルボニル-2,2'-ピリドン等のチオホスゲンから由来のチオカルボニル移転試薬(thiocarbonyl transfer reagent)を使用できる。
【0049】
XがNCNの場合には、ジフェニルシアノカーボンイミダート(Diphenyl cyanocarbonimidate)またはジメチルN-シアノジチオイミノカーボネート(N-Cyanodithioiminocarbonate)等を使用できる。
【0050】
工程3では、アルキル化反応、アシル化反応、還元反応、置換反応等によって置換体 R1、R2、R3、R4、R5及びR6を変形させて化学式1の化合物(I)を製造する。
【0051】
例えば、化合物(I)のR1がアミン基の場合には、下記スキーム6に示したようにニトロ基を還元して製造する。ニトロ基は適切な溶媒を用いて、白金、パラジウム付着木炭(Pd/C; palladium on carbon)またはラネー・ニッケル(Raney-nickel)等のような金属触媒を利用して水素化反応を通じて還元させられる。また他の還元方法としては、CuSO4、Cu(OAc)2、CoCl2、SnCl2またはNiCl2等の存在下でNaBH4等の還元剤を用いて還元させることもできる。ここで、溶媒としては水とメタノールの混合溶媒を使用することが好ましく、反応温度は常温から溶媒の沸点までである。
【0052】
【化15】

【0053】
(式中、R2、R3、R4、R5、R6及び* は化学式1で定義したものと同様である)
III. 製造方法2
化学式1の化合物(I)の他の製造方法として、スキーム2の工程1では下記スキーム7に示したようにジアミン化合物(IV)を環化反応させて化合物(VI)を製造する。XがO、SまたはNCNであるかによって製造方法1の工程2で使用した試薬を使用して化合物(VI1)、(VI2)及び(VI3)を製造する。
【0054】
【化16】

【0055】
工程2では、塩基存在下で化合物(VI)とエポキシド化合物(III)を反応させてエポキシド開環反応を通じて化合物(I')を製造する。塩基としては、ナトリウムハイドライド、カリウムt-ブトキサイド、ナトリウムメトキサイド等の無機塩基または1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク-7-エン(DBU)等のような有機塩基を使用できる。
【0056】
工程3では、製造方法1と同様の方法で置換基を変形させて化合物(I)を製造する。
【0057】
また、本発明では、前記化学式1で示されるベンゾイミダゾール誘導体で置換されたベンゾピラン誘導体またはその製薬的に許容される塩を有効成分として含む心臓保護剤用製薬組成物を提供する。
【0058】
マウスの摘出心臓を使用したランゲンドルフの虚血心臓モデルにおいて本発明の化合物は、心臓保護の指標になる収縮誘発時間(TTC、time to contracture)を有意に延長させ、再潅流後心臓機能(左心室発生圧×心拍数、LVDP×HR)の回復を増進させた。細胞損傷の指標になる乳酸塩脱水素酵素(LDH、Lactate dehydrogenase)の遊離を減少させて対照薬物であるBMS-180448と類似な心臓保護作用を示した。さらに本発明の化合物は、マウス摘出血管を使用した実験で、BMS-180448とは異なり血管弛緩作用が顕著に弱かったことから心臓選択性抗虚血作用がより優秀であることが分かった。
【発明の効果】
【0059】
このように、本発明の化合物は、血管弛緩作用が弱くて血圧を低下させないながらも優秀な抗虚血作用を示すので、心筋梗塞、不安定狭心症等の虚血性心臓疾患及び血栓溶解剤または経皮的冠動脈形成術(percutaneous transluminal coronary angioplasty; PTCA)、冠動脈迂回術(coronary artery bypass graft; CABG)等の再潅流療法により発生する再潅流療法による心筋収縮機能低下、心筋細胞損傷及びエネルギー代謝の変化、認知能力低下等の虚血再潅流と関連した疾病の予防剤または治療剤及び心臓保護剤として使用できる。また、本発明の化合物は、脳損傷保護剤、網膜細胞保護剤、保管用臓器保護剤等の虚血再潅流と関連した組織の保護剤及び関連疾患の治療剤として使用でき、心臓、腎臓、肝臓及び組織の長期保存用臓器保護剤として使用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0060】
以下、本発明を実施例によってさらに詳細に説明する。
【0061】
但し、下記実施例は本発明を例示したものであり、本発明の内容が実施例により限定されるものではない。
【0062】
本発明では、赤外線分光法、核磁気共鳴スペクトル、質量分光法、液体クロマトグラフィー法、X線構造決定法、旋光度測定法及び、代表的な化合物の元素分析計算値と実測値との比較により分子構造を確認した。
【実施例】
【0063】
<実施例1>(2S, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピランの製造
(工程1) (2S, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-[(2-アミノフェニル)アミノ]-2H-1-ベンゾピランの製造
エポキシド化合物の(2S, 3R, 4R)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3,4-エポキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-2H-1-ベンゾピラン950mg(3.38mmol)と1,2-フェニルリンジアミン370mg(3.38mmol)とをアセトニトリル(CH3CN)3mlに溶解して過塩素酸マグネシウム[Mg(ClO4)2] 754mg(3.38mmol)を加えた。常温で2時間反応させた後、飽和NaHCO3水溶液10mlを加えて酢酸エチル30mlで抽出した。有機層を無水MgSO4で乾燥させた後、減圧下で濃縮させた。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製して目的化合物670mg(収率51%)を得た。
【0064】
1H NMR (200 MHz, CDCl3) δ1.48(s, 3H), 3.53(s, 3H), 3.55(s, 3H), 4.08(d, 1H), 4.47(s, 1H), 4.62(d, 1H), 6.79(m, 5H), 8.06(dd, 1H), 8.32(d, 1H)
(工程2) (2S, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピランの製造
前記工程1で製造した化合物590mg(1.52mmol)をi-PrOH6mlに溶解してジフェニルシアノカーボンイミダート360mg(1.52mmol)とトリエチルアミン424μl(3.04mmol)を加えた。12時間加熱還流させた後、飽和NaHCO3水溶液30mlを加えて酢酸エチル40mlで抽出した。有機層を塩水で洗浄して無水MgSO4で乾燥した後、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製して目的化合物420mg(収率64%)を得た。
【0065】
1H NMR (200 MHz, CDCl3) δ1.66(s, 3H), 3.50(s, 3H), 3.55(s, 3H), 4.21(d, 1H), 4.56(s, 1H), 6.11(d, 1H), 6.25(d, 1H), 6.90(m, 1H), 7.11(m, 2H), 7.28(m, 1H), 7.76(d, 1H), 8.11(dd, 1H)
<実施例2>(2R, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピランの製造
(工程1) (2R, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-[(2-アミノフェニル)アミノ]-2H-1-ベンゾピランの製造
エポキシド化合物の(2R, 3R, 4R)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3,4-エポキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-2H-1-ベンゾピラン540mg(1.92mmol)と1,2-フェニルリンジアミン208mg(1.92mmol)とを使用して、前記実施例1の工程1と同様の方法で反応させて目的化合物404mg(収率54%)を得た。
【0066】
1H NMR (200 MHz, CDCl3) δ1.43(s, 3H), 3.50(s, 3H), 3.55(s, 3H), 4.14(d, 1H), 4.45(s, 1H), 4.49(d, 1H), 6.75(m, 5H), 8.09(dd, 1H), 8.32(d, 1H)
(工程2) (2R, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピランの製造
前記工程1で得た化合物404mg(1.04mmol)を使用して、前記実施例1の工程2と同様の方法で反応させて目的化合物306mg(収率67%)を得た。
【0067】
1H NMR (200 MHz, CDCl3) δ1.49(s, 3H), 3.62(s, 3H), 3.64(s, 3H), 4.51(s, 1H), 4.78(d, 1H), 5.90(d, 1H), 6.40(d, 1H), 6.9-7.4(m, 4H), 7.79(d, 1H), 8.14(dd, 1H)
<実施例3> (2S, 3S, 4R)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピランの製造
(工程1) (2S, 3S, 4R)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-[(2-アミノフェニル)アミノ]-2H-1-ベンゾピランの製造
エポキシド化合物の(2S, 3S, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3,4-エポキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-2H-1-ベンゾピラン2g(7.11mmol)と1,2-フェニルリンジアミン1.15g(10.7mmol)とを使用して、前記実施例1の工程1と同様の方法で反応させて目的化合物2.08g(収率75%)を得た。
【0068】
1H NMR (200 MHz, CDCl3) δ1.36(s, 3H), 3.58(s, 3H), 3.59(s, 3H), 4.23(d, 1H), 4.41(s, 1H), 4.51(d, 1H), 6.72-6.78(m, 4H), 6.90(d, 1H), 8.03(dd, 1H), 8.34(d, 1H)
Mass : 389, 296, 119, 108, 75
(工程2) (2S, 3S, 4R)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピランの製造
前記工程1で得た化合物1.51g(3.88mmol)を使用して、前記実施例1の工程2と同様の方法で反応させて目的化合物506mg(収率30%)を得た。
【0069】
1H NMR (200 MHz, CDCl3) δ1.49(s, 3H), 3.62(s, 3H), 3.64(s, 3H), 4.50(s, 1H), 4.77(d, 1H), 5.90(d, 1H), 6.37(d, 1H), 6.92(t, 1H), 7.06-7.14(m, 2H), 7.29(d, 1H), 7.76(d, 1H), 8.12(dd, 1H)
Mass : 439, 250, 190, 158, 75
<実施例4> (2R, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピランの製造
(工程1) (2R, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-[(2-アミノフェニル)アミノ]-2H-1-ベンゾピランの製造
エポキシド化合物の(2R, 3R, 4R)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3,4-エポキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-2H-1-ベンゾピラン1.50g(5.33mmol)と1,2-フェニルリンジアミン692mg(6.40mmol)とを使用して、前記実施例1の工程1と同様の方法で反応させて目的化合物1.74g(収率84%)を得た。
【0070】
1H NMR (200 MHz, CDCl3) δ1.48(s, 3H), 3.53(s, 3H), 3.55(s, 3H), 3.88(br-s, OH), 4.09(d, 1H), 4.48(s, 1H), 4.64(br-s, 1H), 6.71-6.97(m, 5H), 8.06(dd, 1H), 8.32(d, 1H)
Mass : 388, 295, 119, 108, 75
(工程2) (2R, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピランの製造
前記工程1で得た化合物1.74g(4.47mmol)を使用して、前記実施例1の工程2と同様の方法で反応させて目的化合物1.12g(収率57%)を得た。
【0071】
1H NMR (200 MHz, CDCl3) δ1.66(s, 3H), 3.50(s, 3H), 3.56(s, 3H), 4.24(d, 1H), 4.57(s, 1H), 6.14(d, 1H), 6.27(d, 1H), 6.90(t, 1H), 7.05-7.13(m, 2H), 7.31(d, 1H), 7.76(d, 1H), 8.14(dd, 1H)
Mass : 439, 250, 190, 75
<実施例5> (2S, 3R, 4S)-6-アミノ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピランの製造
前記実施例1で得たニトロ化合物150mg(0.34mmol)をメタノール3mlに溶解した後、10%Pd/C20mgを加えた。3気圧の水素ガス下で5時間反応させた。セライトパッドでろ過して固体を除去してろ液を濃縮させた。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製して目的化合物120mg(収率80%)を得た。
【0072】
1H NMR (200 MHz, CDCl3) δ1.55(s, 3H), 3.49(br-s, 2H, NH2), 3.53(s, 3H), 3.57(s, 3H), 4.23(d, 1H), 4.59(s, 1H), 5.81(d, 1H), 6.18(d, 1H), 6.48(d, 1H), 6.60(dd, 1H), 6.78(d, 1H), 6.91(dd, 1H), 7.07(dd, 1H), 7.24(d, 1H)
<実施例6> (2S, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-3-メチル-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピランの製造
実施例1で得た化合物400mg(0.91mmol)をDMF5mlに溶解してK2CO3250mg(1.82mmol)とCH3I170mg(1.18mmol)を加えた。常温で12時間撹拌した後、NaHCO3水溶液30mlを加えて酢酸エチル50mlで抽出した。無水MgSO4で乾燥させて減圧濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製して目的化合物390mg(収率95%)を得た。
【0073】
1H NMR (200 MHz, CDCl3) δ1.65 (s, 3H), 3.50 (s, 3H), 3.55 (s, 3H), 4.56 (s, 1H), 6.23 (d, 1H), 6.52 (d, 1H), 6.92 (m, 2H), 6.96 (d, 2H), 7.06 (d, 2H), 7.82 (d, 1H), 8.15 (dd, 1H)
<実施例7> (2S, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-5,6-ジメチル-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピランの製造
(工程1) (2S, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-[(2-アミノ-4,5-ジメチルフェニル)アミノ]-2H-1-ベンゾピランの製造
エポキシド化合物の(2S, 3R, 4R)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3,4-エポキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-2H-1-ベンゾピラン480mg(1.71mmol)と4,5-ジメチル-1,2-フェニルリンジアミン232mg(1.71mmol)とを使用して、前記実施例1の工程1と同様の方法で反応させて目的化合物307mg(収率43%)を得た。
【0074】
1H NMR (200 MHz, CDCl3) δ1.47(s, 3H), 2.16(s, 3H), 2.19(s, 3H), 3.53(s, 3H), 3.55(s, 3H), 4.08(d, 1H), 4.47(s, 1H), 4.56(d, 1H), 6.61(s, 1H), 6.65(s, 1H), 6.93(d, 1H), 8.07(dd, 1H), 8.34(d, 1H)
(工程2) (2S, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-5,6-ジメチル-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピランの製造
前記工程1で得た化合物110mg(0.26mmol)を使用して、前記実施例1の工程2と同様の方法で反応させて目的化合物74mg(収率58%)を得た。
【0075】
1H NMR (200 MHz, CDCl3) δ1.67(s, 3H), 2.07(s, 3H), 2.20(s, 3H), 3.51(s, 3H), 3.55(s, 3H), 4.20(d, 1H), 4.55(s, 1H), 6.01(s, 1H), 6.06(d, 1H), 7.04(d, 1H), 7.07(s, 1H), 7.74(d, 1H), 8.13(dd, 1H)
<実施例8> (2S, 3R, 4S)-6-アミノ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-5,6-ジメチル-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピランの製造
前記実施例7で得たニトロ化合物210mg(0.43mmol)を使用して、前記実施例5と同様の方法で反応させて目的化合物177mg(収率91%)を得た。
【0076】
1H NMR (200 MHz, CDCl3) δ1.54(s, 3H), 2.15(s, 3H), 2.17(s, 3H), 3.52(s, 3H), 3.54(s, 3H), 4.25(d, 1H), 4.66(s, 1H), 6.14(d, 1H), 6.17(d, 1H), 6.39(s, 1H), 6.56(dd, 1H), 6.74(d, 1H), 7.32(s, 1H)
<実施例9> (2S, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-3,5,6-トリメチル-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピランの製造
前記実施例7で得た化合物180mg(0.37mmol)を使用して、前記実施例6と同様の方法で反応させて目的化合物144mg(収率81%)を得た。
【0077】
1H NMR (200 MHz, CDCl3) δ1.65(s, 3H), 2.07(s, 3H), 2.26(s, 3H), 3.51(s, 3H), 3.54(s, 3H), 3.87(s, 3H), 4.55(s, 1H), 5.98(s, 1H), 6.44(d, 1H), 6.94(s, 1H), 7.05(d, 1H), 7.80(d, 1H), 8.17(dd, 1H)
<実施例10> (2S, 3R, 4S)-6-アミノ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-3,5,6-トリメチル-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピランの製造
前記実施例9で得たニトロ化合物70mg(0.15mmol)を使用して、前記実施例5と同様の方法で反応させて目的化合物58mg(収率89%)を得た。
【0078】
1H NMR (200 MHz, CDCl3) δ1.56(s, 3H), 2.12(s, 3H), 2.28(s, 3H), 3.53(s, 3H), 3.59(s, 3H), 3.80(s, 3H), 4.17(t, 1H), 4.62(s, 1H), 6.24(s, 1H), 6.26(d, 1H), 6.64(dd, 1H), 6.78(d, 1H), 6.91(s, 1H)
<実施例11> (2S, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-アセトキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピランの製造
前記実施例1で得た化合物388mg(0.88mmol)を塩化メチレン4mlに溶解した後、アセチックアンハイドライド83μl(0.88mmol)、トリエチルアミン0.18ml(1.32mmol)及び4-ジメチルアミノピリジン32mg(0.26mmol)を加えた。常温で2時間撹拌した後、飽和NaHCO3水溶液30mlを加えて塩化メチレン60mlで抽出した。塩水で有機層を洗浄して無水MgSO4で乾燥させた後、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:2)で精製して目的化合物376mg(収率89%)を得た。
【0079】
1H NMR (200 MHz, CDCl3) δ1.49(s, 3H), 2.10(s, 3H), 3.52(s, 3H), 3.55(s, 3H), 4.63(s, 1H), 5.62(d, 1H), 6.24(d, 1H), 6.31(d, 1H), 6.91-7.24(m, 3H), 7.33(d, 1H), 7.70(d, 1H), 8.13(dd, 1H)
Mass : 481(M+)
<実施例12> (2S, 3R, 4S)-6-アミノ-3,4-ジヒドロ-3-アセトキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピランの製造
前記実施例11で得たニトロ化合物196mg(0.41mmol)をメタノール10mlに溶解した後、ラネー・ニッケル(Raney Ni)98mgを加えた。3気圧の水素ガス下で15時間反応させた後、ろ過してニッケル成分を除去して減圧下で濃縮させた。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:2)で精製して目的化合物70mg(収率38%)を得た。
【0080】
1H NMR (200 MHz, CDCl3) δ1.40(s, 3H), 2.06(s, 3H), 3.35(br-s, 2H, -NH2), 3.47(s, 3H) 3.55(s, 3H), 4.56(s, 1H), 5.63(d, 1H), 6.05(d, 1H), 6.12(d, 1H), 6.53(d, 1H), 6.59(dd, 1H), 6.81(d, 1H), 6.96(dd, 1H), 7.11(dd, 1H), 7.29(d, 1H)
<実施例13> (2S, 3R, 4S)-6-アセトアミノ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピランの製造
前記実施例5で得た化合物100mg(0.24mmol)を使用して、前記実施例11と同様の方法で反応させて目的化合物62mg(収率57%)を得た。
【0081】
1H NMR (200 MHz, CDCl3) δ1.49(s, 3H), 1.93(s, 3H), 3.44(s, 3H), 3.46(s, 3H), 4.13(dd, 1H), 4.52(s, 1H), 5.81(d, 1H), 6.34(d, 1H), 6.71(d, 1H), 6.80-6.87(m, 2H), 7.01(dd, 1H), 7.20(d, 1H), 7.68(dd, 1H), 8.59(s, 1H, -NH), 12.26(s, 1H, -NH)
<実施例14> (2S, 3R, 4S)-6-アセトアミノ-3,4-ジヒドロ-3-アセトキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピランの製造
前記実施例5で得た化合物88mg(0.21mmol)を目地連黒ライドに溶解した後、アセチックアンハイドライド61μl(0.64mmol)、トリエチルアミン120μl(0.86mmol)及び4-ジメチルアミノピリジン8mg(0.06mmol)を加えた。常温で12時間撹拌した後、飽和NaHCO3水溶液を加えて塩化メチレンで抽出した。MgSO4で乾燥させて減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:2)で精製して目的化合物35mg(収率34%)を得た。
【0082】
1H NMR (200 MHz, CDCl3) δ1.43(s, 3H), 2.02(s, 3H), 2.07(s, 3H), 3.48(s, 3H), 3.54(s, 3H), 4.59(s, 1H), 5.63(d, 1H), 6.14(d, 1H), 6.57(d, 1H), 6.67(d, 1H), 6.94-6.98(m, 2H), 7.08-7.15(m, 2H), 7.62(dd, 1H), 11.85(br-s, 1H)
<実施例15> (2S, 3R, 4S)-6-ベンゾイルアミノ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピランの製造
前記実施例5で得た化合物100mg(0.24mmol)をTHF1mlに溶解した後、塩化ベンゾイル28μl(0.24mmol)とトリエチルアミン51μl(0.37mmol)を加えた後、2時間常温で反応させた。飽和NaHCO3水溶液10mlを加えて酢酸エチル20mlで抽出した後、無水MgSO4で乾燥させて減圧下で濃縮させた。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:2)で精製して目的化合物68mg(収率54%)を得た。
【0083】
1H NMR (200 MHz, CDCl3) δ1.60(s, 3H), 3.55(s, 6H), 4.25(dd, 1H), 4.61(s, 1H), 5.95(d, 1H), 6.44(d, 1H), 6.87-6.94(m, 2H), 7.00(d, 1H), 7.08(dd, 1H), 7.37-7.48(m, 3H), 7.77(m, 3H), 7.85(dd, 1H)
<実施例16> (2S, 3R, 4S)-6-(トリフルオロアセチル)アミノ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピランの製造
前記実施例5で得た化合物120mg(0.29mmol)とトリフルオロアセチックアンハイドライド41μl(0.29mmol)とを使用して、前記実施例11と同様の方法で反応させて目的化合物30mg(収率21%)を得た。
【0084】
1H NMR (200 MHz, CDCl3) δ1.61(s, 3H), 3.53(s, 3H), 3.55(s, 3H), 4.23(m, 1H), 4.57(s, 1H), 5.98(d, 1H), 6.39(d, 1H), 6.86-7.14(m, 4H), 7.73(dd, 1H), 8.06(s, 1H)
<実施例17> (2S, 3R, 4S)-6-メタンスルホニルアミノ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピランの製造
前記実施例5で得た化合物120mg(0.29mmol)を塩化メチレン2mlに溶解してメタンスルホニルクロライド23μl(0.29mmol)とジイソプロピルエチルアミン76μl(0.44mmol)を加えた。常温で14時間撹拌した後、飽和NaHCO3水溶液を加えて塩化メチレン30mlで抽出した。MgSO4で乾燥して減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製して目的化合物35mg(収率26%)を得た。
【0085】
1H NMR (200 MHz, CDCl3) δ1.60(s, 3H), 2.62(s, 3H), 3.55(s, 6H), 4.20(dd, 1H), 4.59(s, 1H), 5.96(d, 1H), 6.33(d, 1H), 6.67(d, 1H), 6.81-6.98(m, 3H), 7.08(dd, 1H), 7.31(m, 1H)
<実施例18> (2S, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-オキソ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピランの製造
前記実施例1の工程1で得た化合物391mg(1.0mmol)を塩化メチレン4mlに溶解してジ-2-ピリジルカーボネート262mg(1.21mmol)と4-ジメチルアミノピリジン12mg(0.10mmol)を加えた後、常温で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で濃縮させた後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して目的化合物193mg(収率47%)を得た。
【0086】
1H NMR (200 MHz, CDCl3) δ1.26(s, 3H), 3.47(s, 3H), 3.53(s, 3H), 4.23(br, 2H), 4.57(s, 1H), 5.96(d, 1H), 6.01(d, 1H), 6.80(t, 1H), 6.99-7.26(m, 4H), 7.89(s, 1H), 8.10(dd, 1H), 8.91(s, 1H)
Mass : 415, 324, 206, 190
<実施例19> (2S, 3R, 4S)-6-アミノ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-オキソ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピランの製造
前記実施例18で得たニトロ化合物100mg(0.24mmol)を使用して、前記実施例5と同様の方法で反応させて目的化合物58mg(収率63%)を得た。
【0087】
1H NMR (200 MHz, CDCl3) δ1.54(s, 3H), 3.36(br, NH2), 3.52(s, 6H), 4.19(t, 1H), 4.61(s, 1H), 5.67(d, 1H), 6.33(m, 2H), 6.57(m, 1H), 6.77(m, 2H), 6.95(m, 2H), 9.73(s, NH)
Mass : 385(M+), 292, 176, 160
<実施例20> (3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-オキソ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピランの製造
(工程1) (3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-4-[(2-アミノフェニル)アミノ]-2H-1-ベンゾピランの製造
エポキシド化合物の(3R, 4R)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3,4-エポキシ-2,2-ジメチル-2H-1-ベンゾピラン1g(4.53mmol)と1,2-フェニルリンジアミン0.49g(4.53mmol)とを使用して、前記実施例1の工程1と同様の方法で反応させて目的化合物0.51g(収率32%)を得た。
【0088】
1H NMR (200 MHz, CDCl3) δ1.34(s, 3H), 1.53(s, 3H), 3.75(d, 1H), 4.51(d, 1H), 6.70(m, 5H), 8.01(dd, 1H), 8.28(s, 1H)
(工程2) (3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-オキソ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピランの製造
前記工程1で得た化合物504mg(1.80mmol)を使用して、前記実施例18と同様の方法で反応させて目的化合物410mg(収率65%)を得た。
【0089】
1H NMR (200 MHz, CDCl3) δ1.42(s, 3H), 1.62(s, 3H), 3.59(br-s, 1H-OH), 4.18(m, 1H), 5.67(d, 1H), 6.15(d, 1H), 6.77(t, 1H), 6.93(m, 3H), 7.82(s, 1H), 8.10(dd, 1H), (br-s, 1H)
<実施例21> (3R, 4S)-6-アミノ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-オキソ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピランの製造
前記実施例20で得たニトロ化合物130mg(0.37mmol)を使用して、前記実施例5と同様の方法で反応させて目的化合物110mg(収率92%)を得た。
【0090】
1H NMR (200 MHz, CDCl3) δ1.37(s, 3H), 1.50(s, 3H), 3.37(br-s, 2H, -NH2), 4.07(br-s, 1H, -OH), 5.39(d, 1H), 6.31(dd, 1H), 6.62(dd, 1H), 6.74(d, 1H), 6.91(m, 2H), 7.20(d, 2H)
<実施例22> (2S, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-チオキソ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピランの製造
前記実施例1の工程1で得た化合物300mg(0.77mmol)をジ-2-ピリジルチオノカーボネート197mg(0.85mmol)と4-ジメチルアミノピリジン9mg(0.08mmol)とを使用して実施例18と同様の方法で反応させて目的化合物240mg(収率77%)を得た。
【0091】
1H NMR (300 MHz, CDCl3+1 drop DMSO) δ1.65(s, 3H), 3.57(s, 3H), 3.60(s, 3H), 4.34(t, 1H), 4.69(s, 1H), 6.35(d, 1H), 6.90-7.15(m, 4H), 7.27(m, 2H), 7.71(s, 1H), 8.13(dd, 1H), 11.7(br, 1H)
Mass : 431(M+), 353, 338, 206, 190
<実施例23> (3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-チオキソ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピランの製造
前記実施例20の工程1で得た化合物400mg(1.21mmol)とジ-2-ピリジルチオノカーボネート280mg(1.21mmol)とを使用して、前記実施例22と同様の方法で反応させて目的化合物250mg(収率56%)を得た。
【0092】
1H NMR (200 MHz, CDCl3) δ1.48(s, 3H), 1.60(s, 3H), 3.17(br-s, 1H, OH), 4.26(m, 1H), 6.28(d, 1H), 6.80(d, 1H), 6.96(m, 4H), 7.71(s, 1H), 8.11(dd, 1H), 10.32(s, 1H, NH)
<実施例24> (3R, 4S)-6-アミノ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-チオキソ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピランの製造
前記実施例23で得たニトロ化合物145mg(0.39mmol)を使用して、前記実施例5と同様の方法で反応させて目的化合物115mg(収率86%)を得た。
【0093】
1H NMR (200 MHz, CDCl3) δ1.24(s, 3H), 1.39(s, 3H), 3.98(m, 2H), 4.48(br-s, 1H), 5.26(d, 1H), 5.50(d, 1H), 5.71(s, 2H), 6.02(s, 1H), 6.32(m, 2H), 6.77(m, 2H), 10.90(s, 1H)
Mass : 341, 320, 204, 106
<実施例25> (2S, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジエトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピランの製造
(工程1) (2S, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジエトキシメチル-2-メチル-4-[(2-アミノフェニル)アミノ]-2H-1-ベンゾピランの製造
エポキシド化合物の(2S, 3R, 4R)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3,4-エポキシ-2-ジエトキシ-2-メチル-2H-1-ベンゾピラン708mg(2.29mmol)と1,2-フェニルリンジアミン495mg(4.58mmol)とを使用して、前記実施例1の工程1と同様の方法で反応させて目的化合物791mg(収率83%)を得た。
【0094】
1H NMR (200 MHz, CDCl3) δ1.12(t, 3H), 1.20(t, 3H), 1.51(s, 3H), 3.65(br-s, 2H, NH2), 3.62(m, 2H), 3.81(m, 2H), 3.92(d, 1H), 4.08(m, 2H, NH, OH), 4.62(s, 1H), 4.69(dd, 1H), 6.74-6.90(m, 4H), 6.93(d, 1H), 8.08(dd, 1H), 8.34(d, 1H)
(工程2) (2S, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジエトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピランの製造
前記工程1で得た化合物200mg(0.48mmol)を使用して、前記実施例1の工程2と同様の方法で反応させて目的化合物51mg(収率23%)を得た。
【0095】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ1.12(t, 3H), 1.29(t, 3H), 1.63(s, 3H), 3.59(m, 2H), 3.67(d, 1H), 3.83(m, 2H), 4.22(dd, 1H), 4.72(s, 1H), 6.18(d, 1H), 6.28(d, 1H), 6.92(dd, 1H), 7.04(d, 1H), 7.13(dd, 1H), 7.36(d, 1H), 7.78(d, 1H), 8.15(dd, 1H)
<実施例26> (2S, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-メトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピランの製造
(工程1) (2S, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-メトキシメチル-2-メチル-4-[(2-アミノフェニル)アミノ]-2H-1-ベンゾピランの製造
エポキシド化合物の(2S, 3R, 4R)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3,4-エポキシ-2-メトキシメチル-2-メチル-2H-1-ベンゾピラン300mg(1.19mmol)と1,2-フェニルリンジアミン 258mg(2.39mmol)とを使用して、前記実施例1の工程1と同様の方法で反応させて目的化合物364mg(収率85%)を得た。
【0096】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ1.48(s, 3H), 3.38(s, 3H), 3.69(dd, 2H), 3.95(d, 1H), 4.72(d, 1H), 6.71-6.88(m, 4H), 6.95(d, 1H), 8.07(dd, 1H), 8.29(d, 1H)
Mass : 359, 296, 256, 119, 107, 80
(工程2) (2S, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-メトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピランの製造
前記工程1で得た化合物279mg(0.78mmol)を使用して、前記実施例1の工程2と同様の方法で反応させて目的化合物183mg(収率58%)を得た。
【0097】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ1.65(s, 3H), 3.41(s, 3H), 3.76(dd, 2H), 4.26(d, 1H), 6.10(d, 1H), 6.30(d, 1H), 6.89(d, 1H), 7.03(d, 1H), 7.27(m, 2H), 7.73(d, 1H), 8.14(dd, 1H), 11.88(br-s, 1H)
Mass : 409, 346, 206, 158, 132, 57
<実施例27> (2S, 3R, 4S)-6-アミノ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-メトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピランの製造
前記実施例26で得たニトロ化合物141mg(0.35mmol)を使用して、前記実施例5と同様の方法で反応させて目的化合物38mg(収率29%)を得た。
【0098】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ1.65(s, 3H), 3.34(br-s, 1H), 3.44(s, 3H), 3.56(d, 1H), 3.89(d, 1H), 4.23(d, 1H), 5.84(d, 1H), 6.19(d, 1H), 6.49(d, 1H), 6.60(dd, 1H), 6.77(d, 1H), 6.93(t, 1H), 7.09(t, 1H), 7.30(d, 1H)
Mass : 379, 319, 287, 133, 121
<実施例28> (2S, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-メトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-6-メチルベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピランの製造
(工程1) (2S, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-メトキシメチル-2-メチル-4-[(2-アミノ-5-メチルフェニル)アミノ]-2H-1-ベンゾピランの製造
エポキシド化合物の(2S, 3R, 4R)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3,4-エポキシ-2-メトキシメチル-2-メチル-2H-1-ベンゾピラン300mg(1.19mmol)と3,4-ジアミノトルエン146mg(1.19mmol)とを使用して、前記実施例1の工程1と同様の方法で反応させて目的化合物197mg(収率44%)を得た。
【0099】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ1.46(s, 3H), 2.26(s, 3H), 3.36(s, 3H), 3.66(m, 3H), 3.37(d, 1H), 4.66(t, 1H), 6.52-6.73(m, 3H), 6.95(dd, 1H), 8.04(dd, 1H), 8.30(dd, 1H)
Mass : 373, 310, 146, 133, 121, 83
(工程2) (2S, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-メトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-6-メチルベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピランの製造
前記工程1で得た化合物144mg(0.39mmol)を使用して、前記実施例1の工程2と同様の方法で反応させて目的化合物54mg(収率33%)を得た。
【0100】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ1.65(s, 3H), 3.27(s, 3H), 3.41(s, 3H), 3.77(dd, 2H), 4.26(dd, 1H), 6.60(dd, 1H), 6.16(d, 1H), 7.06(m, 2H), 7.16(d, 1H), 7.73(d, 1H), 8.13(dd, 1H)
Mass : 423, 380, 335, 289, 172, 147, 57
<実施例29> (2S, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-([1,3]ジオキサン-2-イル)-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピランの製造
(工程1) (2S, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-([1,3]ジオキサン-2-イル)-2-メチル-4-[(2-アミノフェニル)アミノ]-2H-1-ベンゾピランの製造
エポキシド化合物の(2S, 3R, 4R)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3,4-エポキシ-2-([1,3]ジオキサン-2-イル)-2-メチル-2H-1-ベンゾピラン400mg(1.36mmol)と1,2-フェニルリンジアミン295mg(2.73mmol)とを使用して、前記実施例1の工程1と同様の方法で反応させて目的化合物500mg(収率92%)を得た。
【0101】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ1.41(d, 1H), 1.50(s, 3H), 2.14(m, 1H), 3.35(br-s, 2H), 3.81(m, 2H), 3.87(br-s, 1H), 4.11(m, 1H), 4.19(m, 2H), 4.69(d, 1H), 4.85(s, 1H), 6.71-6.88(m, 4H), 7.00(d, 1H), 8.07(dd, 1H), 8.32(d, 1H)
(工程2) (2S, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-([1,3]ジオキサン-2-イル)-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピランの製造
前記工程1で得た化合物400mg(1.0mmol)を使用して、前記実施例1の工程2と同様の方法で反応させて目的化合物269mg(収率60%)を得た。
【0102】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ1.46(d, 1H), 1.70(s, 3H), 2.22(m, 1H), 3.81(m, 2H), 4.25(m, 3H), 4.94(s, 1H), 6.27(d, 1H), 6.31(d, 1H), 6.91(dd, 1H), 7.06(d, 1H), 7.11(dd, 1H), 7.28(d, 1H), 7.75(d, 1H), 8.13(dd, 1H)
<実施例30> (2S, 3R, 4S)-6-アミノ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-([1,3]ジオキサン-2-イル)-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピランの製造
前記実施例29で得たニトロ化合物173mg(0.38mmol)を使用して、前記実施例12と同様の方法で反応させて目的化合物25mg(収率15%)を得た。
【0103】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ1.42(d, 1H), 1.71(s, 3H), 2.18(m, 1H), 3.50(d, 2H), 3.75(dd, 1H), 3.92)dd, 1H), 4.18-4.31(m, 3H), 5.00(s, 1H), 5.90(d, 1H), 6.18(d, 1H), 6.47(d, 1H), 6.60(dd, 1H), 6.83(d, 1H), 6.92(dd, 1H), 7.08(dd, 1H), 7.23(d, 1H), 11.86(br-s, 1H)
Mass : 421(M+)
<実施例31> (2S, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-([1,3]ジオキソラン-2-イル)-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピランの製造
(工程1) (2S, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-([1,3]ジオキソラン-2-イル)-2-メチル-4-[(2-アミノフェニル)アミノ]-2H-1-ベンゾピランの製造
エポキシド化合物の(2S, 3R, 4R)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3,4-エポキシ-2-([1,3]ジオキソラン-2-イル)-2-メチル-2H-1-ベンゾピラン417mg(1.49mmol)と1,2-フェニルリンジアミン323mg(3.00mmol)とを使用して、前記実施例1の工程1と同様の方法で反応させて目的化合物596mg(収率87%)を得た。
【0104】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ1.54(s, 3H), 3.40(br-s, 3H), 3.80-4.08(m, 6H), 4.11(m, 1H), 4.86(d, 1H), 5.26(s, 1H), 6.75-6.87(m, 4H), 6.95(d, 1H), 8.06(dd, 1H), 8.27(d, 1H)
(工程2) (2S, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-([1,3]ジオキソラン-2-イル)-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピランの製造
前記工程1で得た化合物200mg(0.52mmol)を使用して、前記実施例1の工程2と同様の方法で反応させて目的化合物140mg(収率62%)を得た。
【0105】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ1.59(s, 3H), 3.53(m, 1H), 3.80(m, 1H), 3.88(m, 1H), 3.98(m, 1H), 4.40(d, 1H), 5.39(s, 1H), 6.24(d, 1H), 6.53(d, 1H), 7.00(dd, 1H), 7.08(d, 1H), 7.18(dd, 1H), 7.33(dd. 1H), 7.55(d, 1H), 8.10(dd, 1H)
Mass : 437(M+)
<実施例32> (2S, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-([1,3]-5,5-ジメチルジオキサン-2-イル)-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピランの製造
(工程1) (2S, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-([1,3]-5,5-ジメチルジオキサン-2-イル)-2-メチル-4-[(2-アミノフェニル)アミノ]-2H-1-ベンゾピランの製造
エポキシド化合物の(2S, 3R, 4R)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3,4-エポキシ-2-([1,3]-5,5-ジメチルジオキサン-2-イル)-2-メチル-2H-1-ベンゾピラン400mg(1.24mmol)と1,2-フェニルリンジアミン269mg(2.49mmol)とを使用して、前記実施例1の工程1と同様の方法で反応させて目的化合物474mg(収率89%)を得た。
【0106】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ0.75(s, 3H), 1.19(s, 3H), 1.54(s, 3H), 3.36(br-s, 2H), 3.48(m, 2H), 3.71(m, 2H), 3.78(br-s, 1H), 3.91(br-s, 1H), 4.14(d, 1H), 4.70(br-s, 1H), 4.75(s, 1H), 6.71-6.88(m, 4H), 7.00(d, 1H), 8.08(dd, 1H), 8.33(d, 1H)
(工程2) (2S, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-([1,3]-5,5-ジメチルジオキサン-2-イル)-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピランの製造
前記工程1で得た化合物200mg(0.47mmol)を使用して、前記実施例1の工程2と同様の方法で反応させて目的化合物178mg(収率79%)を得た。
【0107】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ0.77(s, 3H), 1.33(s, 3H), 1.72(s, 3H), 3.46(d, 1H), 3.52(d, 1H), 3.64(br-s, 1H), 3.76(d, 2H), 4.26(d, 1H), 4.83(s, 1H), 6.28(d, 1H), 6.31(d, 1H), 6.91(dd, 1H), 7.10(m, 2H), 7.34(d, 1H), 7.76(d, 1H), 8.13(dd, 1H)
Mass : 479(M+)
本発明による化学式1の化合物に対して下記のような実験を行って様々な薬理作用を調査した。
<実験例1>マウス摘出血管に対する弛緩作用
本発明による化学式1の化合物が血管を弛緩させる作用をするか否かを調べるために、下記のような実験を行った。
【0108】
マウス(350〜450g、韓国化学研究所実験動物室から入手)の後頭部を強打して気絶させて頚動脈を通じて失血させた後、胸部分を切開した。胸廓大動脈を迅速に摘出して脂肪組織等を除去して3mm長の大動脈輪(aortic ring)を得た。内皮を除去するために大動脈を生理液(Krebs Henseleit buffer)で濡らした綿棒で血管内壁をかるくこすった。血管組織を生理液で満たした水槽(organ bath)内にかけて2gの静止張力(resting tension)を加えながら、37℃で95%O2-5%CO2混合気体(carbogen)を供給しながらその状態で1時間程度安定化させた。以後、10-5Mフェニレフリン(phenylephrine)を加えて血管組織を収縮させて生理液で2回反復洗浄し、血管平滑筋の収縮弛緩反応が再現性をもって誘発されるようにした。
【0109】
一方、血管平滑筋は、3×10-6Mメトキサミン(Methoxamine)を加えて強く収縮するようにした。メトキサミンにより血管の収縮反応が頂点に到達してそのまま維持される時、各々の水槽に試験物質及び対照物質を累積するように(1、3、10、30μM)加えて薬物による血管の弛緩作用を誘導させた。ここで、対照群の物質としては、各々血管弛緩作用が大きい1世代KATP開放剤であるクロマカリム(Cromakalim)とBMS社のBMS-180448(化学式2の化合物)を使用した。
【0110】
薬物を投与する前、メトキサミンによる最高収縮力の変化率を計算して濃度弛緩反応曲線を求め、最少線形回帰(least linear regression)分析を通じて薬物投与による50%弛緩濃度であるIC50を算出した。結果は下記表1に示した。
【0111】
【表1】

【0112】
クロマカリムは、IC50が0.067μMでありメトキサミン3μMで収縮したマウス摘出大動脈に対して強力な弛緩作用を示し、BMS-180448は、IC50が1.38μMと現れクロマカリムに比べて約20倍程度弱い血管弛緩作用を示した。一方、実施例1の化合物は、IC50が50.1μMと高く現れ、対照薬物として公知のKATP開放剤であるBMS-180448より血管弛緩作用が36倍程度顕著に低かった。実施例20の化合物もBMS-180448より10倍以上の弱い血管弛緩作用を示した。
【0113】
前記クロマカリムやBMS-180448は、心臓にあるKATPに作用して心臓を保護し、冠状及び末梢血管にあるKATPに作用して血管を弛緩させて血圧を下げる。血圧降下作用は、心臓に流れる潅流量の低下を起こし、虚血心臓に対して否定的効果を示すため心臓保護剤としての使用には制限を受けたが、本発明の化合物は血管弛緩作用が弱く心臓保護剤として好ましいことが分かる。
【0114】
このように、本発明の化合物は血管を弛緩させる作用が非常に弱く心臓保護機能の選択性がとても向上されていることが分かる。
<実験例2>マウスの摘出虚血心臓に対する心臓保護作用
本発明による化学式1の化合物が摘出心臓において虚血心臓を保護する作用を示すか否か調べるために、マウスに対する抗虚血効果(Antiischemic effects)を下記のような摘出心臓実験にて調査した。
【0115】
オスのマウス(300〜450g、韓国化学研究所実験動物室から入手)にペントバルビタールナトリウム塩(Sodium pentobarbital)を100mg/kgを腹腔内注射して麻酔した後、ヘパリン1000U/kgを静脈投与して心臓を摘出した。詳細には、気管にカニューレ(cannula、PE240)を挿入して齧歯類呼吸器(rodent ventilator)を使用して人工呼吸させた。その状態で大動脈カニューレ(cannula)を大動脈に挿入して逆行性潅流下で心臓を摘出し、ランゲンドルフ器機(Langendorff Apparatus)にすばやく移動させて心臓に付着している不必要な組織を除去した後、定圧潅流(85mmHg)下でO295%/CO25%で飽和された37℃の生理液(modified Krebs-Henseleit bicarbonate buffer(組成<mM/L>:NaCl116、KCl4.7、MgSO41.1、KH2PO41.17、NaHCO324.9、CaCl22.52、グルコース8.32、ピルビン酸塩2.0)で潅流させた。エタノールと蒸留水の混合液(1:1vol/vol)で満たしたゴム風船(latex balloon)が連結された金属カニューレを肺静脈を通じて左心室に挿入させて風船に伝達される左心室圧を圧力変圧器(pressure transducer)を通じて等量的に(isovolumetric)拡大機(Plugsys bridge amplifier)で処理して記録計(Linearcorder mark 8 WR 3500)に記録した。心臓を15分間安定化させた後、5mmHgの左心室拡張末期圧(LVEDP, left ventricular enddiastolic pressure)をで与えてこの風船容積を実験期間中維持させた。
【0116】
ベースライン(Baseline)心臓収縮機能と心拍数(HR)及び冠状血流(CF)を測定した。心臓収縮機能を評価する指標である左心室発生圧(LVDP)は、左心室最大収縮期圧(LVSP)と左心室拡張末期圧(LVEDP)の差で算出した。インビボ心臓とは異なり心臓拍出量(cardiac output)を測定できないランゲンドルフ心臓(Langendorff heart)で間接的に心臓の機能(cardiac performance)を調べる重要な指標である心拍数と圧力の積(Double product RPP (rate-pressure product))は心拍数(HR)に左心室発生圧(LVDP)をかけて計算した。総冠状血流量は、大動脈カニューレ(aortic cannula)上に固定された冠状血流プローブ(coronary flow probe, 直径:1.0mm)を使用して電子血流計(electromagnetic flowmeter)で測定した。心臓の温度は、全実験期間にわたって心臓をO295%/CO25%が持続的に供給される37℃の生理液に漬けて一定に維持した。安定化後、心臓は溶媒(0.04%,DMSO)または一定濃度の本発明による化合物または対照薬物を含んだ溶液で各々10分間潅流させた後、心臓収縮機能と心拍数(HR)及び冠状血流(CF)を再度測定した後、潅流液供給を完全に遮断して30分間全虚血(global ischemia)を誘発した。全虚血期間中、左心室拡張末期圧力(LVEDP)が最初に5mmHg上昇するまでに所要した時間(分)を収縮誘発時間(TTC)として計算した。継続して30分間潅流液を完全に再潅流した後に各指標(LVDP, HR, CF)を再度測定した。また、30分間再潅流後に総再潅流液中の乳酸塩脱水素酵素(LDH)濃度をキットを使用して測定して虚血心筋損傷の指標とした。その結果を下記表2に示した。
【0117】
【表2】

【0118】
前記表2に示されたようにマウスの摘出心臓を使用した摘出虚血心臓実験で、溶媒投与群では心臓の収縮機能を良く反映する左心室発生圧(LVDP)と心拍数の積(LVDP×HR)から薬物投与前より再潅流後に心臓の収縮機能が15.8%に顕著に低下したことが分かり、抗虚血作用即ち、心臓保護作用を示すまた他の指標である再潅流拡張末期圧も5mmHgから45.1mmHgに有意に増加し、収縮誘発時間(TTC)は19.8分だった。細胞損傷の指標になる酵素である乳酸塩脱水素酵素(LDH)の再潅流時の遊離量は31.3unit/gだった。
【0119】
BMS-180448投与群は、再潅流後の心筋収縮機能(LVDP×HR)が薬物投与前の67.6%で溶媒群に比べて顕著に増加し、拡張末期圧(EDP)は16.5mmHgで溶媒群より顕著に低く、TTCは27.8分に延長され、再潅流時LDH遊離量は17.2unit/gに減少し、すべての指標において溶媒群に比べて有意性ある虚血心臓の明確な保護効果を示した。
【0120】
一方、本発明の化合物と前記対照群の化合物の心臓収縮機能、EDP、TTC、LDH等の虚血心臓保護作用を比較してみると、BMS-180448と類似していた。実施例1の化合物は血管弛緩作用が非常に低いにもかかわらず(IC50=50.1μM)心筋収縮機能(LVDP×HR)が薬物投与前の68.8%、EDPは20.3mmHg、TTCは23.2分、再潅流時LDH遊離は8.1unit/gですべての指標で優秀な保護作用を示したので、心臓選択性抗虚血作用がさらに優秀であることが分かった。特に、再潅流時細胞損傷によって遊離されるLDHは、臨床でも広く使用される心臓機能の損傷に対する重要な指標であり、BMS-180448(17.2unit/g)に比べても顕著に低いので(8.1unit/g)、虚血再潅流による優秀な心臓保護効果を期待できる。このように、本発明の化合物は虚血性心血管疾患に対する保護作用が優秀であるので、虚血性心血管疾患に関連した治療剤として使用できる。また、心臓以外にも虚血再潅流による損傷と関連した虚血性脳及び網膜細胞の保護剤、または保管用臓器の保護剤としても使用できる。
<実験例3>ラットに対する経口投与急性毒性実験
一方、化学式1の化合物の急性毒性を調べるために下記の実験を行った。
【0121】
6週齢の特定病原不在(SPF)SD系ラットを使用して急性毒性実験を実施した。一群当たり2匹ずつの動物に実施例1から得た化合物を0.5%メチルセルロース溶液に懸濁して1g/kg/15mlの用量で単回経口投与した。試験物質投与後、斃死動物の有無、臨床症状及び体重変化等を観察して血液学的検査と血液生化学的検査を実施した。剖検して肉眼で腹腔臓器と胸腔臓器の異状有無を観察した。
【0122】
試験の結果、試験物質を投与した全ての動物で特記に値する臨床症状は認められず、斃死した動物もなかった。また、体重変化、血液検査、血液生化学検査、剖検所見等でも毒性変化は観察されなかった。以上の結果から実験した化合物はすべて、ラットにおいて2g/kgまで毒性変化を示さず、経口投与最小致死量(LD50)は2g/kg以上の安全な物質であると判断された。
【産業上の利用可能性】
【0123】
上記で詳しく見たように、本発明による化学式1の化合物は、血管弛緩作用が弱く血圧を減少させずに虚血再潅流損傷に対する心臓保護作用を示す。したがって、本発明による前記化学式1で示されるベンゾイミダゾール誘導体で置換されたベンゾピラン誘導体またはその塩を有効成分とする製薬組成物は、心筋梗塞、不安定狭心症等の虚血性心臓疾患及び血栓溶解剤または経皮的冠動脈形成術、冠動脈迂回術等の再潅流療法に対する心臓保護剤、神経細胞保護剤、脳損傷保護剤、網膜細胞保護剤、保管用臓器保護剤等の虚血再潅流と関連した組織の保護剤及び関連疾患の治療剤として使用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の化学式1で示されるベンゾイミダゾール誘導体で置換されたベンゾピラン誘導体またはその製薬的に許容される塩。
【化1】

(式中、XはO、SまたはNCNで、R1はNO2、NH2、H、CN、NHCOCH3、NHCOCF3またはNHSO2CH3であり、
R2は、
【化2】

【化3】

、CH2ORaまたはCH3であり、ここで、RaはC1〜C4の直鎖または側鎖アルキル基で、ZはC2〜C6の直鎖または側鎖アルキル基で、かつ、R3はOHまたはOCOCH3で、R4はC1〜C4の直鎖または側鎖アルキル基であり、R5及びR6は各々独立して、H、C1〜C4の直鎖または側鎖アルキル基、アルコシキ基またはハロゲンであり、*は不斉(chiral)炭素を示す)
【請求項2】
請求項1において、前記化学式1の化合物が、
1) (2S, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
2) (2R, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
3) (2S, 3S, 4R)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
4) (2R, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
5) (2S, 3R, 4S)-6-アミノ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
6) (2S, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-3-メチル-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
7) (2S, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-5,6-ジメチル-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
8) (2S, 3R, 4S)-6-アミノ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-5,6-ジメチル-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
9) (2S, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-3,5,6-トリメチル-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
10) (2S, 3R, 4S)-6-アミノ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-3,5,6-トリメチル-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
11) (2S, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-アセトキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
12) (2S, 3R, 4S)-6-アミノ-3,4-ジヒドロ-3-アセトキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
13) (2S, 3R, 4S)-6-アセトアミノ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
14) (2S, 3R, 4S)-6-アセトアミノ-3,4-ジヒドロ-3-アセトキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
15) (2S, 3R, 4S)-6-ベンゾイルアミノ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
16) (2S, 3R, 4S)-6-(トリフルオロアセチル)アミノ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
17) (2S, 3R, 4S)-6-メタンスルホニルアミノ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
18) (2S, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-オキソ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
19) (2S, 3R, 4S)-6-アミノ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-オキソ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
20) (3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-オキソ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
21) (3R, 4S)-6-アミノ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-オキソ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
22) (2S, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジメトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-チオキソ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
23) (3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-4- (2,3-ジヒドロ-2-チオキソ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
24) (3R, 4S)-6-アミノ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-チオキソ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
25) (2S, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-ジエトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
26) (2S, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-メトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
27) (2S, 3R, 4S)-6-アミノ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-メトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
28) (2S, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-メトキシメチル-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-6-メチルベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
29) (2S, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-([1,3]ジオキサン-2-イル)-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
30) (2S, 3R, 4S)-6-アミノ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-([1,3]ジオキサン-2-イル)-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
31) (2S, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-([1,3]ジオキソラン-2-イル)-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピラン、
32) (2S, 3R, 4S)-6-ニトロ-3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-2-([1,3] -5,5-ジメチルジオキサン-2-イル)-2-メチル-4-(2,3-ジヒドロ-2-シアノイミノ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-2H-1-ベンゾピランであることを特徴とする請求項1のベンゾイミダゾール誘導体で置換されたベンゾピラン誘導体またはその製薬的に許容される塩。
【請求項3】
請求項1のベンゾイミダゾール誘導体で置換されたベンゾピラン誘導体またはその製薬的に許容される塩を有効成分として含む心筋梗塞、不安定狭心症、心不全症の予防または治療用心臓保護剤。
【請求項4】
請求項1のベンゾイミダゾール誘導体で置換されたベンゾピラン誘導体またはその製薬的に許容される塩を有効成分として含む血栓溶解剤または経皮的冠動脈形成術、冠動脈迂回術等の再潅流療法に対する心臓収縮機能低下、心筋細胞の損傷、エネルギー代謝の変化及び認知能力低下により惹起される虚血再潅流と関連した疾患の予防または治療剤。
【請求項5】
請求項1のベンゾイミダゾール誘導体で置換されたベンゾピラン誘導体またはその製薬的に許容される塩を有効成分として含む虚血再潅流と関連した脳損傷保護剤、網膜細胞保護剤または保管用臓器保護剤。
【請求項6】
請求項1のベンゾイミダゾール誘導体で置換されたベンゾピラン誘導体またはその製薬的に許容される塩を有効成分として含む心臓、腎臓、肝臓及び組織の長期保存用臓器保護剤。

【公表番号】特表2007−505948(P2007−505948A)
【公表日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−532064(P2006−532064)
【出願日】平成16年5月28日(2004.5.28)
【国際出願番号】PCT/KR2004/001269
【国際公開番号】WO2004/106330
【国際公開日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【出願人】(504380378)ドンブ ハンノン ケミカル カンパニー リミテッド (4)
【氏名又は名称原語表記】DONGBU HANNONG CHEMICAL CO.,LTD
【Fターム(参考)】