説明

ベール製品のための耐摩耗性被覆組成物

硬質粒子、バインダー及び少なくとも1つの増粘剤を含む被覆組成物が提供される。顔料材料、分散剤、バイオサイド及び消泡剤がまた含まれていてもよい。粒子は、サイズが約0.001〜約0.02mm(約1.0〜約20.0ミクロン)であってもよく及びモース硬度スケールにおける硬度が少なくとも5であってもよい。硬質粒子は、組成物の約2.0〜約15.0質量%の量で組成物中に存在していてもよい。被覆組成物をベールに施して、耐摩耗性被覆を形成することができる。被覆ベールを次いで使用して、被覆石こう製品を形成することができる。被覆組成物により、耐摩耗性が改良され及び巻き、取り付けの間の被覆石こう製品の取り扱いを行う者及び/又は取り付け後の悪条件により生じ得る損傷が低減される。被覆ベール及び被覆石こう製品を形成する方法もまた提供される。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
発明の技術分野及び産業上の利用性
本発明は、一般に、ベールのための被覆組成物、及びより具体的には、改良された耐摩耗性を被覆層に提供するベールのための被覆組成物に関する。製造工程の間に耐摩耗性被覆をインライン又はオフラインで適用する被覆されたベールを形成する方法もまた提供する。
発明の背景
表層(facing layer)の間に挟まれた石こうコアから形成される板壁は、通常、住居用及び商業的建物の双方のための内壁及び天井として建設業界において使用される。表材料(facing material)は、有利には、柔軟性、くぎ抜き抵抗性及び衝撃強さを、石こうコアを形成する該材料に付与する。また、表材料は、かなりの耐久性のある表面及び/又は他の所望の特性(例えば、装飾面)を石こうボードに提供し得る。石こうコアは、典型的には、石こう、場合によりいくらか湿潤していてもよいチョップトガラス繊維、耐水性化学物質、バインダー、反応促進剤及び低密度充填剤を含む。当該技術分野においては、表材料、例えば、繊維状ベールの連続層を提供し及び石こうスラリーを表材料の底表面に堆積させることにより石こうボードを形成することが知られている。表材料の第二連続層を、次いで、石こうスラリーの上面に施す。挟まれた石こうスラリーを、次いで、厚さについてサイジングし及び乾燥して、石こうコアを硬くし及び石こうボードを形成する。次いで、石こうボードを、最終用途のための所定の長さにカットすることができる。
ガラス繊維は、通常、石こうボードの製造において使用して、製品の引張強度及び引裂強度を改良する。繊維は、個々の繊維、複数の繊維を含むストランド及びロービングを含む多くの形態において使用することができる。これらの繊維製品は、順に、離散形で使用することができ又はそれらは、織物又は不織布又はマットに組み立てることができ及び石こうマトリックスに導入することができる。あるいはまた、繊維状マットは、表材料として使用することができる。例えば、ガラス繊維の形成は、溶融ガラスを、ブッシング又はオリフィス板を通してフィラメントに引き入れること及び潤滑剤、カップリング剤及びフィルム形成バインダー樹脂を含む水性サイジング組成物をフィラメントに施すことにより行うことができる。サイジング組成物は、インターフィラメントの摩耗(interfilament abrasion)から繊維を保護し及びガラス繊維が使用されるマトリックス及びガラス繊維の間の適合性を高める。サイジング組成物を施した後、湿潤繊維を、1以上のストランドに集め、チョップし及び湿潤チョップト繊維ストランドとして収集する。
【0002】
湿潤チョップト繊維は、次いで、湿式レイド法において使用することができ、その中において、湿潤チョップト繊維が、界面活性剤、粘度調整剤、消泡剤及び/又は他の化学物質を含む水スラリー中に分散される。チョップト繊維を含むスラリーを、次いで、繊維がスラリー中に分散されるように攪拌する。次いで、繊維を含むスラリーを移動スクリーンに堆積させ、そこで、水の大部分が除去されてウエブが形成される。バインダーを、次いで、施し及び得られるマットを乾燥して、残留水を除去し及びバインダーを硬化させる。形成される不織布ベールは、分散され、ランダムに配向された個々のガラスフィラメントの集合体である。
そのような繊維状の、湿式堆積された不織布ベールを石こうボードのための表材料として利用することは、工業界において一般的なものとなっている。ガラス繊維フェーシング(facing)により、上昇した、水分の存在下における寸法安定性、生物学的耐性及び紙又は他のセルロース表材料と向かい合っている従来の石こうボードより高い物理的及び機械的特性が提供される。繊維状ガラスマットを組成物で被覆して、特定の所望の添加剤をデリバリーし又は特定の所望の特性、例えば、より良い肌触りを得ることが、また、工業界において知られている。当該技術分野において知られているガラスベールのための被覆のいくつかの例を以下に記載する。
クレアの米国特許第4,645,709号明細書には、シリコーン油、粒子状固体及び高分子量ポリテトラフルオロエチレン又はエラストマーフルオロポリマーを含むガラス織布のための被覆が教示されている。フルオロポリマー被覆を使用して、それが施される織物のフレックス(flex)摩耗に対する抵抗性、柔軟性、耐候性及び強度を高める。粒子状固体材料は、好ましくは、直径が0.0003mm(0.3ミクロン)未満である。
【0003】
レクラーク(Leclercq)の米国特許公報No. 2003/0175478には、その側面の一方に被覆されたガラス繊維マットフェーシングを有する石こうボードが開示されている。ガラス繊維マットフェーシングは、無機充填剤(水和可能な(hydratable)硫酸カルシウムを除く)、有機又は無機バインダー及び場合により撥水剤を含む被覆組成物で被覆する。被覆が、遊離繊維の発生を低減し及びボードの外観を改良することが強く主張されている。無機充填剤としては、水を放出する無機充填剤、例えば、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、ホワイトカオリン、クレー及びそれらの組み合わせが挙げられる。バインダーは、有機又は無機バインダーであってもよく及びバインダー、例えば、エチレン/ビニルアセテートコポリマー、エチレン/ビニルベルサテート(versatate)及びビニルアセテート/ビニルベルサテートコポリマー、ポリアクリル酸、ビニルアセテート/アクリルコポリマー、スチレン/アクリルコポリマー、ビニルアセテート/ビニルベルサテート/アクリルターポリマー及びそれらのブレンドを含む。撥水剤は、フルオロカーボン又はシリコーン油のいずれかである。
グローブIIIらの米国特許公報No. 2004/0121075及びジール(Geel)らの米国特許公報No. 2004/0121075には、装飾的粒子を、高負荷の難燃剤充填剤(例えば、炭酸カルシウム、三水和アルミナ及び水酸化マグネシウムなど)を含む配合物に添加することを含む、装飾的壁又は音響的ベールを形成する方法が開示されている。被覆配合物としては、また、増粘剤、漂白剤、帯電防止剤、抗菌剤、殺菌剤、蛍光増白剤、顔料及び/又はpH調整剤を挙げることができる。装飾的粒子の粒径は、好ましくは、約0.1〜約0.5mm(約100〜約500ミクロン)の範囲内にあり及び好ましくは、約0.5〜約10%の量でマットに添加される。適切な装飾的粒子の例としては、雲母、熱可塑性又は熱硬化性ポリエステル光輝顔料、膨張性黒鉛、アルミナ、ガラス玉、クレー及び炭酸カルシウムが挙げられる。
高靱性、耐摩耗性及び酷使耐性(abuse resistance)が、建造物において使用される石こうベースのボードにおける所望の特性である。ガラス繊維ベールフェーシングにより、強度、寸法安定性、かび抵抗性(mold resistance)及びより良い肌触りが石こうボードに提供されるが、石こうボードの耐摩耗性を改良する必要がある。この関連で、室内で使用するための石こうボードの耐摩耗性を改良する新規試験規格(testing standard)が確立された。上記で議論したように、被覆が種々の理由でガラスベールに施されている。しかしながら、従来の被覆には、ASTM C-1629に記載された厳しい要件を満たすのに十分なものはない。従って、ASTM C-1629の新規耐摩耗性規格を満たし及び/又はそれを越え及び石こうボードの耐摩耗性を改良する被覆されたベール及び石こうボードを形成するための配合物及び方法を提供することが望まれる。
【0004】
発明の概要
本発明の目的は、不織繊維ベール(non-woven fibrous veil)のための耐摩耗性被覆組成物を提供することである。被覆組成物は、ベールにおける被覆の硬度を高め又は改良する硬質粒子を含む。被覆組成物は、石こうボードについてのASTM C-1629の厳しい試験要件を満たす及び/又はそれを越えるような十分な耐摩耗性を提供する。好ましい実施態様においては、粒子は、サイズが約0.001〜約0.02mm(約1.0〜約20.0ミクロン)であり及びモース硬度スケールにおける硬度が少なくとも5である。硬質粒子は、全組成物の約2.0〜約15.0質量%の量で存在していてもよい。本件組成物において使用するための硬質粒子としては、粒子、例えば、アルミナ、軽石、長石、重晶石鉱物、石英、ダイヤモンド、ボロンカーバイト(boron carbite)、イカの甲、ガーネット、シリコーンカーバイト(silicone carbide)、タングステンカーバイド、ジルコニウム、アマルガム(amalgan)、トパーズ、アパタイト(aptite)及びそれらの組み合わせが挙げられる。また、被覆組成物は、場合により少なくとも1つの主要充填剤/顔料材料と組み合わされていてもよい少なくとも1つの極低ガラス転移(fairly low glass transition)(Tg)有機バインダーを含む。有機バインダーは、組成物中において、約7.0〜約15.0質量%の量で存在していてもよく及び充填剤/顔料材料は、組成物中において、約1.0〜約15質量%の量で存在していてもよい。適切な低ガラス転移有機バインダーの例としては、スチレン−ブタジエン−ゴム(SBR)ベースの樹脂、スチレン−アクリレート樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ビニルベルサテート及び/又はビニル−アクリルバインダー(場合により、少量の架橋性樹脂、例えば、メラミン、熱硬化性アクリル樹脂、フェノール樹脂、ウレア−ホルムアルデヒド樹脂、エポキシ及び/又はポリウレタンと組み合わされていてもよい、このリストにおける1以上のバインダーとのコポリマー形態にあるか又は直接接触しているかである)が挙げられるが、これらに限定される訳ではない。適切な主要充填剤/顔料材料としては、炭酸カルシウム、タルク、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、雲母、フィロケイ酸塩、酸化亜鉛、混合酸化物、酸化鉄、クロム酸塩、ケイ酸塩、ボーキサイト及び砂が挙げられる。被覆組成物は、好ましくは、約0.2〜約0.7質量%の増粘剤を含む。また、被覆組成物は、約0.05〜約0.15質量%の少なくとも1つの消泡剤、約0.3〜約1.0質量%の少なくとも1つの分散剤及び約0.01〜約0.5質量%の少なくとも1つのバイオサイドを含んでいてもよい。水は、典型的には、組成物中において、約20〜約24質量%の量で存在する。被覆組成物の粘度は、好ましくは、ベールへの被覆組成物の部分的貫通(partial penetration)を可能にする高粘度(thickness)である。典型的な実施態様においては、被覆組成物の粘度は、100rpmで、#2スピンドルで、ブルックフィールド粘度計により測定して、約0.7〜1.5Pa・秒(約700〜約1500cps)の範囲内にある。
【0005】
本発明の別の目的は、上記被覆組成物で一方の側面が被覆された不織繊維ベールを含む耐摩耗性被覆表材料(a wear resistant coated facing material)を提供することである。繊維ベールの1つの主要側面(one major side)の被覆を、繊維ベールの第二主要側面が石こうとの機械的結合に利用可能であり、石こうボードを形成するように行うのが望ましい。繊維ベールは、ランダムに配向されたガラス繊維、天然繊維、鉱物繊維、炭素繊維、セラミック繊維及び/又は合成繊維から形成されていてもよい。そのようなベールにおける繊維のランダムな分散が好ましく、なぜなら、被覆された繊維ベール(例えば、被覆された石こうボード)を使用する得られる製品は、優先的マーキング(preferential marking)を示すことなく、いずれかの方向における取り付け(installation)が可能であるべきだからである。繊維ベールは完全にガラス繊維からなっているのが好ましく、これは、それらの低コスト、かび抵抗性、寸法安定性並びに高い引張強さ及び係数のためである。好ましい実施態様においては、繊維ベールにおける被覆組成物の厚さは、石こうの流れが繊維ベールを完全に通過するのを遅らせ又は防止するのに十分な厚さである。また、被覆された表材料は、繊維マット又はベール製品、例えば、連続フィラメントマット、織物、メルトボンド材料、スパンボンド不織布又は長繊維乾式レイド不織布マット(long fiber dry-laid non-woven mat)で強化して、被覆された表材料の衝撃強度を改良することができる。強化マット又はベールは、不織布繊維ベールの第二主要表面に機械的に又は化学的に結合し得る。
【0006】
また、本発明の目的は、石こうの内核、石こうコアに機械的に結合し及びそれを囲むベースベール及びベースベールの外面を被覆する耐摩耗性被覆層を含む耐摩耗性石こうボードを提供することである。被覆層は、上で詳細に記載した被覆組成物からなり及び石こうボードについてのASTM C-1629の厳しい試験要件を満たし及び/又はそれを越える十分な耐摩耗性を提供する。ベースベールは、従来のバインダー樹脂、例えば、ウレア−ホルムアルデヒドと結合した、複数のランダムに配向された強化繊維からなる。ベースベールを形成する強化繊維は、ガラス繊維、鉱物繊維、炭素繊維、セラミック繊維及び/又は合成繊維であってもよい。ガラス繊維が好ましく、それは、その低コスト及び高強度のためである。
本発明の利点は、本発明の被覆組成物に硬質粒子が存在することにより、それが施される製品を摩耗させるか又はすり減らす可能性が少ない被覆層が形成されることにある。従って、例えば、本発明の被覆組成物で被覆された石こうボードは、従来の石こうボードより耐摩耗性が高く及びアイテム、例えば、自然により、発送により、取り付け前及びその間にベールを取り扱う者及び/又は取り付け後の悪条件により引き起こされ得る損傷効果を低減する。
【0007】
本発明の他の利点は、本発明の耐摩耗性被覆組成物からなる被覆層が、被覆石こうボードからの壁紙又は他の装飾的アップリケの除去により除去される影響が少ない点にある。
本発明の更なる利点は、被覆組成物が、ルーズ(loose)なガラス繊維の発生を低減するのを助長し、それにより、ルーズなガラス繊維により引き起こされ得る、被覆されたベールを取り扱い及び被覆された石こうボードを取り付ける者へ生じ得るいらだち(irritation)が低減される点にある。
本発明の更に別の利点は、被覆組成物が、十分な耐摩耗性を被覆された石こうボードに提供して、ASTM C-1629の厳格な要件を満足させ及び/又はそれに合格する点にある。
本発明の別の利点は、本発明の被覆組成物で被覆された石こうボードが、普通紙で表面仕上げされた石こうボードより寸法安定性が高い点にある。
本発明の前述の及び他の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な説明を考慮することにより、これ以降より十分に明らかとなるであろう。しかしながら、図面は、説明を目的とするものであり及び本発明の制限を定義するものとして解釈されるべきではないことが明確に理解されるべきである。
【0008】
図面の簡単な説明
本発明の利点は、特に、添付図面と共に、以下の本発明の詳細な開示内容を考慮することにより明らかとなるであろう。
図1は、本発明の少なくとも1つの態様に従ったベースベールを形成するための処理ラインの略図である。
図2は、本発明の少なくとも1つの実施態様に従った被覆されたベールを形成するためのメニスカスディップ/フローティングナイフ(floating knife)処理ラインの略図である。
図3は、本発明の少なくとも1つの典型的実施態様に従ったベール及び被覆層からなる被覆されたベールの略図である。
図4は、本発明の少なくとも1つの典型的実施態様に従った被覆されたベールを形成するための噴水流/ナイフ処理ラインの略図である。
図5は、本発明の少なくとも1つの典型的実施態様に従って形成された強化された被覆ベールの略図である。
図6は、本発明の典型的実施態様に従った耐摩耗性被覆石こうボードを形成するための処理ラインの略図である。
図7は、本発明の少なくとも1つの実施態様に従った耐摩耗性被覆石こうボードの略図である。
【0009】
発明の詳細な説明及び好ましい実施態様
他に定義のない限り、本件明細書において使用する全ての技術的及び科学的用語は、本発明が属する技術分野における当業者により通常理解されるものと同一の意味を有する。本件明細書に記載するものと類似する又は同等の方法及び材料が、本発明の実践又は試験において使用され得るが、好ましい方法及び材料を本件明細書に記載する。発行された又は対応する米国又は外国特許出願、登録された米国又は外国特許又は他の参考文献を含む、本件明細書に記載された全ての参考文献が、各々、記載された参考文献に表された全てのデータ、表、図及びテキストを含むそれらの全内容で参考文献として組み込まれる。
図面においては、ラインの厚さ、層及び領域が、明瞭化のために誇張されているかもしれない。図中にみられる同様の数(like number)は、同様の要素(like element)を示すことに留意すべきである。用語“トップ”、“底”、“側面”、“上部”及び“下部”などは、単に説明目的で本件明細書において使用される。要素が他の要素の“上”にあるとされる場合には、それは、他の要素の上に直接的に又はそれに接触(against)して存在していてもよく又は介在要素が存在していてもよい。用語“ベール(veil)”、“マット”及び“フェイサー(facer)”は、本件明細書においては、互換性をもって用いられ得る。また、用語“配合物”は、“組成物”と互換性をもって用いられ得る。語句“サイズ組成物(size composition)”、“サイジング組成物(sizing composition)”及び“サイズ(size)”は互換性をもって本件明細書において用いられ得ることに留意すべきである。
【0010】
本発明は、(1)使用することにより、被覆層の耐摩耗性を改良し及びワインディング(winding)により、自然に(mother nature)、取り付けの前及びその間にベールを取り扱う者及び/又は取り付け後の悪条件により生じ得る損傷効果を低減する繊維状の不織布ベール上における被覆層を形成することが可能である被覆組成物及び(2)それらに施される耐摩耗性被覆組成物を有するベールを形成する方法に関する。被覆されたベールは、被覆された石こうボードの形成において表材料として使用することができる。被覆組成物は、石こうボードについてのASTM C-1629の厳しい試験要件を満たし及び/又はそれを越える十分な耐摩耗性を提供する。耐摩耗性の被覆されたベールは、例えば、天井及び床のための及び乾式壁適用のための表面カバーリングとして使用することができる。
被覆組成物は、ベール上の被覆層の硬度を上昇させるか又は改良する硬質粒子を含む。一般に、粒子は、適切なサイズ、形状及び密度を有し得る。粒子のサイズは、好ましくは、約0.001〜約0.02mm(約1.0〜約20.0ミクロン)の範囲内にある。約0.001mm(約1.0ミクロン)より小さいものであるように粉砕又は沈殿された粒子は、高価であり及び従って望ましくない傾向にある。約0.02mm(約20.0ミクロン)を越える粒子は、沈殿効果の影響を受けやすく、それにより、粒子が組成物中においてサスペンションで滞在することができないために適用問題が生じ得る。大きな粒子は、また、ワインディング工程において問題を生じ得、なぜなら、それらが、1つのマット層から飛び出て次の層へと移行し得るからである。
【0011】
被覆組成物において使用するための粒子の適切な例としては、粒子、例えば、アルミナ、軽石、長石、重晶石鉱物、石英、ダイヤモンド、ボロンカーバイト、イカの甲、ガーネット、シリコーンカーバイト、タングステンカーバイド、ジルコニウム、アマルガム、トパーズ、アパタイト及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定される訳ではない。粒子は、モース硬度スケールにおける硬度が少なくとも5である硬質鉱物粒子であるのが好ましい。硬質粒子は、組成物中において、約2.0〜約15.0質量%の量で、好ましくは、約2.0〜約7.0質量%の量で存在していてもよい。本件明細書において使用する用語“質量%”は、全組成物の質量%を意味する。約2.0質量%未満の濃度では、ベール上の被覆層が、磨損試験において使用される硬質金属ブラシに接触して急速に摩耗し及び従って、ASTM C-1629の基準に合格する十分な硬度を提供しないかもしれないと考えられる。更に、約15.0質量%より高い濃度では、ベール上の被覆が、摩耗試験の間に金属ブラシ内にたまり及び被覆をより急速に摩耗する傾向にある、組成物中における多量の粒子のために、より急速に摩耗するかもしれない。
いくつかの典型的な実施態様においては、被覆組成物は、いくつかの“板状”の形状をした粒子を含み、被覆層をクローズ(close)する際に役立ち及びより低い被覆質量を達成し得る。低被覆質量が有利であり、なぜなら、低被覆質量により、被覆組成物で被覆されていない、多量の強化繊維(例えば、ガラス繊維)が、石こう、例えば、以下に記載する石こうスラリーに強力に結合することが可能になるからである。この強化繊維及び石こうの間の強力な結合は、石こうボードの形成に一般的に関連するブリスタリング(blistering)及び他の欠点を低減する。また、被覆組成物は、場合により、針状粒子を含み、被覆層を強化し得る。
【0012】
ASTM C-1629の範囲外のいくつかの適用においては、より柔軟でよりフレキシブルな被覆を有するのが望ましい。ベールのフレキシビリティを改良するため、プラスチック添加剤、例えば、モリブデナイト鉱物(例えば、モリブデン)及び/又は低摩擦係数の材料、例えば、ポリエチレンテレフタレート(polyethyleneterephalate)、シリコーン又はワックスが、硬質粒子の代わりに組成物中に含まれていてもよい。これらの添加剤は、組成物中において、約0.1〜10.0質量%の量で、好ましくは、約0.1〜2.0質量%の量で存在していてもよい。
また、被覆組成物は、バインダーを含み、ベールの被覆層において一緒に硬質粒子を保持する。バインダーとしては、少なくとも1つの極低ガラス転移(Tg)有機バインダーを挙げることができる。適切な低ガラス転移有機バインダーの例としては、スチレン−ブタジエン−ゴム(SBR)ベースの樹脂、スチレン−アクリレート樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ビニルベルサテート及び/又はビニル−アクリルバインダー(場合により、少量の架橋性樹脂、例えば、メラミン、熱硬化性アクリル樹脂、フェノール樹脂、ウレア−ホルムアルデヒド樹脂、エポキシ及び/又はポリウレタンと組み合わされていてもよい、この有機バインダーリストにおける他のバインダーとのコポリマー形態にあるか又は直接接触しているかである)が挙げられるが、これらに限定される訳ではない。本発明の目的のために、極低ガラス転移温度は、約+25〜約−30℃の範囲内のガラス転移温度として定義される。バインダーは、被覆組成物中において、約7.0〜約15.0質量%の量で、好ましくは、約9.0〜約14.0質量%の量で存在していてもよい。不十分なバインダー濃度では、被覆の耐摩耗性が低減されるかもしれず、なぜなら、不十分な付着粒子が、より摩耗されやすく又ははぎとりされやすいからである。
【0013】
また、被覆組成物は、好ましくは、約0.2〜約0.7質量%の少なくとも1つの増粘剤を含む。配合物中における増粘剤の存在により、追加の望ましい特性が提供され得る。例えば、増粘剤は、粒子沈降を防止するのを助長し及び処理条件下で生じ得る剪断又は伸長速度ストライエーションマーキングに対する抵抗性を提供する。被覆組成物中において使用され得る増粘剤の例としては、ポリウレタン増粘剤、アルカリ増粘剤、ポリアクリルアミド及び疎水的に改質されたアルカリ膨潤性エマルジョン(HASE)が挙げられる。有機増粘剤は好ましくなく及び典型的には避けられ、なぜなら、有機化合物が、かび及び細菌増殖の双方のための食料源であるからである。
被覆組成物は、また、少なくとも1つの主要充填剤/顔料材料を含んでいてもよい。好ましくは、少なくとも1つの主要充填剤/顔料材料は、板状粒子を含み、被覆層が低い多孔性及び/又は高いガーレイ値を達成することが助長される。適切な主要充填剤/顔料材料の例としては、炭酸カルシウム、タルク、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、雲母、ポリフィレート(polyphillate)、酸化亜鉛、混合酸化物、酸化鉄、クロム酸塩、ケイ酸塩、ボーキサイト及び砂が挙げられる。主要充填剤材料/顔料は、好ましくは、モース硬度スケールにおける硬度が5未満である。また、主要充填剤は、望ましくは、難燃特性を有し及び/又は火炎の進展に積極的に取り組む。例えば、充填剤/顔料、例えば、三水和アルミナ、水酸化マグネシウム及びボーキサイトが水を放出し及び窒素−リン添加剤、例えば、ポリリン酸アンモニウム又はリン酸2アンモニウムが炭化物(char)を形成するように作用する。主要充填剤/顔料材料は、組成物中において、約5.0〜約50.0質量%の量で存在していてもよく及び粒径が約0.01mm(約10ミクロン)までであってもよい。好ましい実施態様においては、主要充填剤が、組成物中において、約5.5〜約50質量%の量で存在していてもよく及び粒径が約0.01mm(約10ミクロン)以下である重質炭酸カルシウム及び/又は組成物中において、約5.0〜約20.0質量%の量で存在していてもよく及び粒径が約0.01mm(約10ミクロン)以下であるタルクを含む。
【0014】
また、被覆組成物は、約0.15質量%まで、好ましくは、約0.05〜約0.15質量%の少なくとも1つの消泡剤及び約0.1質量%まで、好ましくは、約0.3〜約1.0質量%の分散剤、例えば、ポリアクリレート分散剤を含んでいてもよい。水は、典型的には、組成物中において、約20〜約24質量%の量で存在する。更に、配合物は、抗菌剤、殺菌剤及び/又はバイオサイドを含んでいてもよい。ベールの汚れは、主に、堆積した荷電粒子、生物学的成長及びかびの成長により生じる。生物学的又はかびの攻撃は、より典型的には、プール、シャワー及び他の高温多湿環境における問題であるが、また、表面カバー又は乾燥壁適用において生じ得る。本発明の組成物において使用するための適切なバイオサイドの例としては、ジヨードメチル−p−トリルスルホン、グルタルアルデヒド(glutarealdehyde)、チオナジン、酸化亜鉛、ジンクオマジン及び銀が挙げられる。変色又は望ましくない微生物学的若しくはかびの攻撃を防止するために、バイオサイド、抗菌剤及び/又は抗真菌薬が、組成物中において、約0.5質量%まで、好ましくは、約0.01〜約0.5質量%及びより好ましくは、約0.05〜約0.15質量%の量で存在していてもよい。
本発明の被覆組成物は、また、場合により、従来の添加剤、例えば、染料、カップリング剤、充填剤、熱安定剤、酸化防止剤、湿潤剤、着色剤及び紫外線安定剤を含んでいてもよい。被覆組成物中に存在する添加剤の量は、好ましくは、約3.0質量%を越えない。
【0015】
被覆組成物の粘度は、好ましくは、単に、ベールへの被覆組成物の部分的貫通を可能にする高粘度である。典型的な実施態様においては、被覆組成物の粘度は、100rpmで、#2スピンドルで、ブルックフィールド粘度計により測定して、約700〜約1500cpsの範囲内にあるかもしれない。被覆層が、いくらかの偽可塑性を示すかもしれないことに留意すべきである。理想的には、被覆組成物は、ベールを形成する強化繊維が石こうの貫通及び機械的結合にさらされるように、ベールの一方の側面にのみ位置する。組成物中に存在する消泡剤の量は、被覆及び用途製造工程の双方の間に泡に対抗するのに十分なものであるべきだが、同時に、コブ試験により測定される被覆の疎水性を台無しにはしないべきである。コブナンバーピックアップは、T-441試験手順あたりで約0.05〜約0.7gのピックアップであってもよい。好ましい実施態様においては、分散剤の添加を、粘度が、増粘剤の添加前に水の粘度に戻るか又はほぼ戻るように、充填剤/顔料を完全に分散するのに十分な量で行う。被覆組成物中において顔料を完全に分散するのに必要な濃度より高い濃度は望ましくなく、これは、被覆層の疎水性性能の劣化が生じ得るからである。
【0016】
被覆組成物を形成する際、組成物の成分は、コールズブレード又は高剪断ミキサーのような高速ディスペンサーに添加し及び硬質粒子及び充填剤/顔料をそれらの主要サイズに粉砕するための時間攪拌することができる。粒子を適切に粉砕するために、高rpm(>1000 rpm)のコールズブレードを、バッフリング(baffling)システムと組み合せて使用して、被覆組成物中における泡の存在を低減又は排除することができる。典型的には、被覆組成物は、約15〜約45分間攪拌する。粒径は、工業界の当業者に知られる標準粉砕試験により又は紙の光沢部分を被覆し及び肉眼で確認できる粒子を探すことにより測定することができる。好ましくは、被覆組成物の成分の添加順序は以下のとおりである:水、消泡剤、バインダー、分散剤、バイオサイド、主要充填剤(例えば、炭酸カルシウム及びタルク)、硬質粒子及び増粘剤。消泡剤は、分散剤又はラテックスバインダーの添加前に添加するのが望ましく、なぜなら、これらの成分が、典型的には、泡を生成するからである。また、バインダーの添加を、主要充填剤及び硬質粒子の添加後であるが、増粘剤の添加前に、泡の発生を低減する更なる手段として行うことができる。また、バッフルを使用して、被覆組成物の形成の間に生成され及び以下で詳細に記載される被覆されたベール上の被覆層中に入り得る泡のレベルの低減を助長することができる。
本発明の好ましい被覆組成物を表1に記載する。
【0017】
表1

【0018】
操作において、耐摩耗性被覆組成物は、湿式レイド法により形成される先駆ガラス繊維ベールに適用することができる。被覆されたベールを形成するために使用するガラス繊維は、任意のタイプのガラス繊維、例えば、Aタイプのガラス繊維、Cタイプのガラス繊維、Eタイプのガラス繊維、Sタイプのガラス繊維、ECRタイプのガラス繊維(例えば、オーエンズ・コーニングから商業的に入手可能なアドバンテックス(登録商標)ガラス繊維)、ウールガラス繊維又はそれらの組み合わせであってもよい。少なくとも1つの好ましい実施態様においては、ガラス繊維は、湿潤使用チョップトストランドガラス繊維(wet use chopped strand glass fiber)(WUCS)である。当該技術分野において知られる従来の方法により形成することができるチョップトストランドガラス繊維が使用される。湿潤使用チョップトストランドガラス繊維は、水分含量が、約5.0〜約20.0質量%であるのが望ましく及び更により望ましくは、水分含量が、約10.0〜約15.0質量%である。
被覆されたベールにおける他の強化繊維、例えば、天然繊維、鉱物繊維、炭素繊維、セラミック繊維及び/又は合成繊維、例えば、ポリエステル、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート及び/又はポリプロピレンの使用が、本発明の範囲内にあると考えられる。しかしながら、ベールを形成する全ての繊維が、ガラス繊維であるのが好ましく、なぜなら、それらのコストが低く並びに引張強度及び係数が高いからである。合成繊維の存在は、高い耐衝撃性が求められる場合に有利であり得る。一般に、有機繊維を含むことは望ましいものではなく、なぜなら、これらの繊維が、石こうボード用途において望ましい特徴であるかび抵抗性を損なうからである。
【0019】
ガラス繊維は、ブッシュ又はオリフィスからの溶融ガラス材料のストリームを繊細化することにより形成することができる。繊細化されたガラス繊維は、直径が約0.008〜約0.023mm(約8〜約23ミクロン)であってもよく、好ましくは、約0.01〜約0.016mm(約10〜約16ミクロン)である。ガラス繊維をブッシュから引いた後、水性サイジング組成物を繊維に施す。サイジングは、従来の方法により、例えば、塗りローラーにより又はサイズを直接繊維にスプレーすることにより行うことができる。サイズ組成物は、典型的には、1以上の皮膜形成剤(例えば、ポリウレタン皮膜形成剤、ポリビニルアルコール皮膜形成剤、ポリエステル皮膜形成剤及び/又はエポキシ樹脂皮膜形成剤)、少なくとも1つの潤滑剤及び少なくとも1つのシランカップリング剤(例えば、アミノシラン又はメタクリルオキシシランカップリング剤)を含む。サイズは、ガラス繊維がその後の処理の間に破損することから保護し、インターフィラメントの摩耗を妨害するのを助長し、より良い高温多湿強度保持率を提供し及び特にチョッピング工程の間のガラス繊維のストランドの保全性を確実なものとする。繊維は、約0.32〜約3.81cm(約0.125〜約1.5インチ)、好ましくは、約0.64〜約2.54cm(0.25〜約1.0インチ)の長さにチョップすることができる。
【0020】
ベール又はマットは、例えば、図1において説明されるような湿式レイド法により形成することができる。例えば、マット又はベールを形成する際、湿潤チョップトガラス繊維10を、繊維供給システム14からコンベヤ12上に堆積させることができる。チョップトガラス繊維10は、種々の界面活性剤、粘度調整剤、消泡剤及び/又は他の化学剤を含むパルパー又は混合タンク16中に、攪拌を伴って置いて、チョップトガラス繊維スラリー(示されていない)を形成することができる。混合タンク内の化学物質の集塊は、通常、“白水”と称される。ガラス繊維スラリーは、機械チェスト17及び一定水準チェスト19を通過して、白水において繊維10を更に分散し得る。チョップトガラススラリーは、その後、一定水準チェスト19から移され、サイロ23からの薄ストック(thin-stock)ストリーム中において希釈され及びライン21によりファンポンプ15を介してヒートボックス18へポンプされ得る。ガラス繊維スラリーは、その後、移動スクリーン又はワイヤー20に堆積され、そこで、スラリーからの大部分の水が、ヘッドボックス18内の上部圧力により重力を介して除去されて、ウエブ22が形成される。過剰な白水31が除去され及びサイロ23に堆積される。白水は、更に、従来の真空又は空気吸い込みシステム、例えば、真空体(vacuum)25によりウエブ22から除去され得る。希釈されたバインダー24は、その後、バインダー塗布器、例えば、カーテンコーター26によりウエブ22へ施される。任意の適切なバインダー塗布器を使用することができ及びカーテンコーター26は、適切なバインダー塗布器のうちのほんの1つの説明に役立つ例であると理解すべきである。希釈されたバインダー24は、ライン33を介して、バインダー供給タンク29から供給され得る。新鮮なバインダー(例えば、濃縮バインダー)が、バインダー供給(示されていない)によりバインダー供給タンク29へ供給されて、バインダー供給タンク29においてバインダー24を一定水準に保持して、カーテンコーター26へ供給されてもよい。過剰なバインダーは、真空又は空気吸い込み装置27によりウエブ22から吸引され及びバインダー供給タンク29へ堆積されてもよい。バインダー24は、任意の適切な従来のバインダー、例えば、アクリルバインダー、スチレンアクリロニトリルバインダー、スチレンブタジエンゴムバインダー、ビニル−アクリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ウレアホルムアルデヒドバインダー、熱硬化性アクリル樹脂、メラミンバインダー又はそれらの混合物であってもよい。しかしながら、ウレア−ホルムアルデヒドバインダーが、一般には、そのコストが低いために最も好ましいバインダーである。また、バインダー24は、好ましくは、ベースベール32上に被覆組成物を後に被覆することにより、バインダー被覆されたウエブ28の高温(hot)引張強度を保つためのいくらかの架橋を含む。熱可塑性アクリルと組み合わされた少なくとも1つのポリオール(例えば、グリセリン)及びポリアクリル酸からなる標準熱硬化性アクリルバインダーが、低遊離ホルムアルデヒドが必要とされる場合に好ましい方法である。また、バインダー24は、場合により、処理及び製品の性能を改良するための従来の添加剤、例えば、染料、カップリング剤、充填剤、熱安定剤、酸化防止剤、湿潤剤、着色剤及び/又は紫外線安定剤を含んでいてもよい。
【0021】
バインダー被覆されたウエブ28は、その後、乾燥オーブン30を通過して、残存水が除去され及びバインダー24が硬化される。オーブン30から現れる、形成された不織布チョップトストランドベースマット又はベースベール32は、ランダムに分散されたガラス繊維を含む。ランダムに分散された繊維配向が好ましく、なぜなら、ベースベール32を使用する、得られる製品(例えば、被覆された石こうボード)が、優先的マーキングを示すことなく、いずれかの方向における取り付けが可能であるべきだからである。ベースベール32は、その後、バインダー含浸工程、塗装工程及び/又は粒子適用工程(示されていない)で処理され得る。図1に描写されているように、ベースベール32は、後日用いるための貯蔵用に巻き取りロール34に巻くことができる。ベースベール32の基本質量は、所望の多孔性及び所望の引張強度に依存する。ベースベール32は、2つの主要表面(例えば、ワイヤー20と向かい合うスムースな側面、及びラフな側面)及び2つの非主要(minor)表面を有する。図1に描写した方法を、図2及び4に描写した被覆適用方法と組み合せて、例えば、多量の被覆されたベールが望ましい場合に、耐摩耗性の被覆されたベールをインラインで製造することができることが理解されるべきである。あるいはまた、被覆されたベールは、好ましくは、フローティングナイフが続くメニスカスディップ(meniscus dip)(図2)、フローティングナイフが続く噴水流塗布器(図4)、フィルタリングが十分なスロットダイ(示されていない)及び場合により、カーテンコーター(示されていない)などの方法により、オフライン被覆方法において製造することができる。
【0022】
図2で説明されている、ある典型的な実施態様においては、被覆されたベール60は、メニカスディップ/フローティングナイフ処理ラインで形成される。ベースベール32は、上で詳細に記載した耐摩耗性被覆組成物48を含む浴コンテナ46へベースベール32を向かわせる一連のローラー38、40及び42を越えて、矢印36の方向に移動される。ベースベール32は、塗布ローラー44を通過するので、それは、被覆組成物48の上部に浸される(例えば、近くの(nearly)“メニスカスディップ”)。結果として、被覆組成物48からなる被覆層50が、ベースベール32の1つの主要表面に施される。フローティングナイフ52が塗布ローラー44から近い距離に位置して、過剰な被覆組成物48を除去し及び被覆層50を平滑化して、ベースベール32上に被覆組成物48の実質的に平らな被覆を形成する。本件明細書において使用する語句“実質的に平らな被覆”とは、被覆組成物の平らな被覆又は実質的に平らな被覆を意味する。好ましい実施態様においては、フローティングナイフ52が塗布ローラー44の直径の約4分の1以内の距離に位置する。そのようにして形成され及び一般に図3に描写された耐摩耗性の被覆されたベール60は、ベースベール32及び被覆層50を含む。
ニップ又は圧力ポイント(例えば、洪水及び抽出法、キス被覆(kiss coating)、二次成形機(secondary former)及び乾燥塗布法)又はニップロールの処理中における存在は、被覆組成物48をベースベール32に施す好ましい方法においては避けられ、なぜなら、ニップポイント又はニップロールにより付与される塗布圧力が、被覆組成物48をベースベール32から完全にもぎとる(force)かもしれないからであることを理解すべきである。上述したように、ベースベール32の一方の主要側面の被覆を、ベースベール32が、被覆されたベール60の他の主要側面に存在して、後の処理工程において石こうと機械的に結合するように行うのが望ましい。石こうが被覆層50を通過して、ベースベール32へとその後の処理工程において移行し得るようにあまりにも薄いものではなく、ベースベール32において被覆層50が可能な限り薄いものであることが望まれる。また、被覆層50の厚さは、被覆されたベール60を完全に通す石こうの流れを妨害し又は防止するのに十分な厚さであるべきである。被覆層50の厚さの適切な範囲の例は、約0.05〜約0.20mmであり得る。更に、被覆組成物48は、ベースベール32のごく一部である距離を貫通する。
【0023】
ベースベール32に施される被覆組成物48の量及びベースベール32に含浸される被覆組成物48の量は、少なくとも部分的に、ライン速度及びベースベール32が被覆組成物48中に置かれる時間に依存する。例えば、より大きな塗布ローラー44は、ベースベール32が、より小さな塗布ローラー44より長い時間、被覆組成物48中に浸されることを可能にするであろう。同様に、より遅いライン速度は、速いライン速度と比較してより長い時間、被覆組成物48中にベースベール32を保持するであろう。ベースベール32への被覆組成物48の含浸は、また、被覆層50におけるナイフ52により生じる圧力及びナイフ52の形状に影響を受ける。被覆層50の厚さは、被覆層50の基本質量を得ること及びそれを密度(それは、存在するのであれば、空気連行を含むべきである)で割ることにより概算することができる。
図4で説明した、ある典型的な実施態様においては、被覆されたベール60が、噴水流/ナイフ処理ラインにおいて形成される。図4に示されているように、ベースベール32は、ローラー54から塗布ローラー56を越えて、矢印36の方向に移動する。塗布ローラー56は、多量の被覆組成物48を含む噴水流装置58の上に距離Dで位置する。噴水流装置58は、被覆組成物48を、上方へ、噴水様の手段でスプレーして、被覆組成物48の被覆層50をベースベール32に施す。距離Dは、好ましくは、被覆組成物48の空気中への実質的損失なしに、ベースベール32の一方の主要表面上に被覆組成物48を広範に及び実質的に平らに被覆することを可能にする距離である。ベースベール32に施される被覆組成物48の量は、ライン速度及び噴水流装置58から発射される被覆組成物48の量に依存する。噴水流装置58からベースベール32への被覆組成物48の含浸量は、ベースベール32に向かって発射される被覆組成物48の速度、ベール32の開放(openness)(例えば、浸透性及び穴寸法分布)、被覆組成物48の粘度、被覆組成物48の表面張力、被覆組成物48とベースベール32の表面の接触角及びベースベール32が噴水流装置58からの被覆組成物48のストリームに付される時間に依存する。噴水流装置58からの流出は、ポンプの設定に依存する。ナイフ52は、好ましくは、塗布ローラー56に隣接して又は実質的に隣接して位置して、過剰な被覆組成物48を除去し、要望どおりの追加の浸漬をもぎとり(force)及び被覆層50を平らにする。しかしながら、ナイフ52は、塗布ローラー56から短い距離で位置していてもよい。被覆されたベール60は、その後、ローラー62を越え及び乾燥装置(示されていない)に運ばれてもよい。
【0024】
代替実施態様においては、耐摩耗性被覆組成物は、上述した及び図1に描写した湿式レイド法において混合タンク中における白水へ添加されたプレバインダーで処理されたベースベールへ施される。白水において使用するための適切なプレバインダーの例としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びウレア−ホルムアルデヒドベースのバインダーが挙げられる。ポリビニルアルコールが最も好ましいプレバインダーである。初期バインダー濃度は、含浸されたマットにおいて、約15.0〜約30.0質量%の範囲内であってもよい。ポリビニルアルコールがバインダーとして選択される場合、それは、温水で前処理され、溶解され、冷却され及びその後、チョップト繊維及び他の白水成分、例えば、アニオン性ポリアクリルアミド、分散剤、消泡剤及びバイオサイドと一緒に白水へ添加され得る。
いくつかの適用においては、より高い衝撃強度が、被覆されたベール60について望ましいかもしれない。そのような適用においては、繊維状マット又はベール製品88、例えば、連続フィラメントマット、織物、メルトボンド(meltbond)材料、スパンボンド不織布又は長繊維乾式レイド不織布マットが、上述した被覆されたベール製品のベースベールに機械的に又は化学的に結合していてもよい。被覆されたベールが織物と組み合わされる場合、それは、インラインで、被覆処理を用いて行って、別のオフライン処理の経済的インパクトを低減することができる。高インパクトの被覆されたベールの例を図5で説明する。
【0025】
本発明の少なくとも1つの典型的な実施態様においては、被覆されたベール60を、次いで、石こう又はフォームフェイサー(foam facer)処理において処理することができる。図6で説明する実施態様においては、被覆されたベール60を使用して、被覆された石こうボード84を形成する。第一の被覆されたベール70は、第一運搬装置72(例えば、コンベヤ)により、形成領域74へ運搬される。好ましい実施態様においては、第一運搬装置72は、ベルトコンベヤである。第一の被覆されたベール70の位置付けは、ベースベール32が上方を向き(例えば、第一運搬装置72から離れて)及び被覆層50が第一運搬装置72に隣接して位置するように行う。石こうスラリー76は、石こう供給78から、堆積装置、例えば、ホース79又は一連のホース(示されていない)を介して、第一の被覆されたベール70のベースベール32へ堆積される。石こうスラリー76は、水、石こう(CaSO4・2H2O)、種々の反応促進剤、バインダー及び撥水性化学物質からなる従来の石こうスラリーであってもよい。
第二の被覆されたベール80は、同時に、形成領域74へ、第二の運搬装置73により運搬される。第二の被覆されたベール80は、第一の被覆されたベール70と同一であるか又は異なる、被覆されたベールであってもよい。しかしながら、第一及び第二の被覆されたベール70及び80は、そりを避けるために互いに同一であるか又は類似しているのが好ましい。形成領域74で、第二の被覆されたベール80は、第二の被覆されたベール80のベースベール32が石こう層82と接触して置かれるように石こうスラリー層82へ施される。また、形成領域74においては、第一の被覆されたベール70が、石こう層82の周辺で折り曲げ(fold)される。第一の被覆されたベール70は、第二の被覆されたベール80より大きく、それにより、第一の被覆されたベール70が石こう層82の側面の周辺で“ラップされる(wrapped)”ことが可能になると理解すべきである。形成領域74及び第一の被覆されたベール70上に堆積される石こうスラリー76の量は、石こうスラリー72が第一及び第二の被覆されたベール70及び80の双方に圧縮されるようにサイジングされる。第一及び第二の被覆されたベール70及び80のベースベール32は、機械的に、石こう層82に連結する。結果として、ベースベール32及び石こう層82を結合するためには、化学的添加剤又は接着剤は必要とされない。得られる製品は、外部主要及び非主要表面に耐摩耗性被覆を有する、2つの被覆されたベール70及び80の間に挟まれた石こう層82からなる、中間に挟まれた石こう複合体90である。図6においては、中間に挟まれた石こう複合体90は、石こう層82及び第一及び第二ベール70及び80の層が確認できるように非主要側面には耐摩耗性被覆なしに描写されていることに留意すべきである。
【0026】
中間に挟まれた石こう複合体製品90は、好ましくは、最初に、コンベヤ72又は他の類似した運搬装置により支持される。時間と共に石こうの自然の反応から生じる十分な生強度が得られた後に、ベルトコンベヤ72が終了し及び一連のローラー94が、中間に挟まれた石こう製品90を切断装置77(例えば、ナイフ)に運搬し、そこで、中間石こう製品90が、個々の被覆された石こうボード84に切断される。被覆された石こうボード84は、周囲の耐摩耗性被覆層50を有する、第一及び第二の被覆されたベール70及び80のベースベール32に機械的に結合した内部石こうコア98から形成される。本発明に従って形成された、被覆された石こうボード84は、図7に描写する。コンベヤ72及び一連のローラー94は、中間に挟まれた石こう複合体90のための運搬デバイスとして描写されるが、当該技術分野における当業者に知られる一連のコンベヤ又は他の類似した運搬装置を使用して、中間に挟まれた石こう複合体製品90を形成領域74から切断装置77に運搬することができると理解すべきである。
中間に挟まれた石こう複合体90を個々の被覆された石こうボード84に切断した後、被覆された石こうボード84を、その後、第二の一連のローラー96より、乾燥装置(示されていない)、例えば、マルチゾーンドライヤーに運搬して、更に石こうを乾燥することができる。形成領域74から切断装置77までの距離は、中間に挟まれた石こう製品90を被覆された石こうボード84に、被覆された石こうボード84の破壊又はそりなしに切断するのに十分な強さである生強度を提供するのに十分な距離である。実際には、その距離は、ライン速度に依存して、60.96m(200フィート)以上の距離であってもよい。
【0027】
多くの利点が、本発明の耐摩耗性被覆組成物により提供される。例えば、組成物中における硬質粒子の存在は、被覆層が、それが施される製品を摩耗し又はすり減らす傾向を低くする。従って、上述したように被覆組成物で被覆された石こうボードは、従来の石こうボードより耐摩耗性が高く及びワインディングにより、自然により、発送により、取り付け前及びその間にベールを取り扱う者及び/又は取り付け後の悪条件により引き起こされ得る損傷効果を低減する。また、耐摩耗性被覆は、被覆された石こうボードからの壁紙又は他の装飾的粘着性アップリケの除去により除去される影響が少ない。また、被覆組成物は、ルーズな又は“飛び去る(fly-away)”ガラス繊維の発生を低減するのを助長し、それにより、ガラス繊維により引き起こされ得る被覆されたベールを取り扱い及び被覆された石こうボードを取り付ける者へ生じ得るいらだちが低減される。
被覆組成物の更なる利点は、それにより、ASTM C-1629の厳しい要件に合格するのに十分な耐摩耗性が、被覆された石こうボードに提供される点にある。本発明の更に別の利点は、被覆された石こうボードが、普通紙で表面仕上げされた石こうボードより寸法安定性が高い点にある。
本発明を一般的に記載してきたが、説明目的のためだけに提供され及び他に記載のない限り全て包括的又は制限的であることが意図される訳ではない、以下に説明するいくつかの特定の実施例を参照することにより更なる理解を得ることができる。
【0028】
実施例
被覆組成物
被覆組成物の形成を、24%の水、0.1%の消泡剤(クルーシブル・ケミカルズより商業的に入手可能な消泡剤、Foamkill CPD)、15%のスチレン−アクリレートバインダー(ローム・アンド・ハースより商業的に入手可能なスチレン−アクリレートバインダー、NW 1845K)、0.6%の分散剤(RTバンダービルトより商業的に入手可能な分散剤、Darvan 811)、0.1%の流動性アミカル(amical)バイオサイド(ダウ・バイオサイド製)、39.7%の0.003mm(3ミクロン)の重質炭酸カルシウム(例えば、JMヒューバーより商業的に入手可能な重質炭酸カルシウム、Hubercarb3)、15%のタルク(0.003〜0.007mm(3〜7ミクロン))(RTバンダービルトより商業的に入手可能なNytal 200タルク)、5%の軽石(ヘスより商業的に入手可能なNCS-10軽石)及び0.5%の増粘剤(ローム・アンド・ハースより商業的に入手可能なAcrysol RM-5増粘剤)を容器に添加することにより行った。混合物を、上記順序で組み合わせ及び粒子がほぼそれらの第一サイズ(primary size)に粉砕されるのに十分な時間、コールズ・ブレード攪拌機での高度な攪拌を伴って混合した。典型的には、被覆組成物を混合した時間は、約15〜45分間であった。バッフルを使用して、被覆の密閉(closeness)に悪影響を与えるであろう、被覆に入り得る泡のレベルを低減した。混合物を攪拌して、粒子をほぼそれらの第一サイズに粉砕した後、混合物を先駆体ベールに適用する準備が整った。
本発明を一般的に記載してきたが、説明目的のためだけに提供され及び他に記載のない限り全て包括的又は制限的であることが意図される訳ではない、以下に説明するいくつかの特定の実施例を参照することにより更なる理解を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の少なくとも1つの態様に従ったベースベールを形成するための処理ラインの略図である。
【図2】本発明の少なくとも1つの実施態様に従った被覆されたベールを形成するためのメニスカスディップ/フローティングナイフ処理ラインの略図である。
【図3】本発明の少なくとも1つの典型的実施態様に従ったベール及び被覆層からなる被覆されたベールの略図である。
【図4】本発明の少なくとも1つの典型的実施態様に従った被覆されたベールを形成するための噴水流/ナイフ処理ラインの略図である。
【図5】本発明の少なくとも1つの典型的実施態様に従って形成された強化された被覆ベールの略図である。
【図6】本発明の典型的実施態様に従った耐摩耗性被覆石こうボードを形成するための処理ラインの略図である。
【図7】本発明の少なくとも1つの実施態様に従った耐摩耗性被覆石こうボードの略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不織繊維ベールのための耐摩耗性被覆組成物であって、極低ガラス転移有機バインダー;少なくとも1つの増粘剤;及びモース硬度スケールにおける硬度が少なくとも5であり及び粒径が約0.001〜約0.02mmである粒子を含む耐摩耗性被覆組成物。
【請求項2】
更に、少なくとも1つの顔料材料を含む請求項1に記載の耐摩耗性被覆組成物。
【請求項3】
前記少なくとも1つの顔料材料の粒径が約0.01mm未満である請求項2に記載の耐摩耗性被覆組成物。
【請求項4】
前記少なくとも1つの顔料材料が、炭酸カルシウム、タルク、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、雲母、フィロケイ酸塩、酸化亜鉛、酸化鉄、クロム酸塩、ケイ酸塩、ボーキサイト及び砂からなる群より選ばれる少なくとも1つのメンバーである請求項2に記載の耐摩耗性被覆組成物。
【請求項5】
更に、少なくとも1つの消泡剤、少なくとも1つの分散剤及び少なくとも1つのバイオサイドからなる群より選ばれる少なくとも1つのメンバーを含む請求項2に記載の耐摩耗性被覆組成物。
【請求項6】
前記粒子が、アルミナ、軽石、長石、重晶石鉱物、石英、ダイヤモンド、ボロンカーバイト、イカの甲、ガーネット、シリコーンカーバイト、タングステンカーバイド、ジルコニウム、アマルガム、トパーズ、アパタイト及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる請求項1に記載の耐摩耗性被覆組成物。
【請求項7】
前記極低ガラス転移有機バインダーが、スチレン−ブタジエン−ゴムバインダーベースの樹脂、スチレン−アクリレート樹脂、アクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ビニル−アクリル樹脂、ビニルベルサテート、ビニル−アクリル/スチレン−ブタジエン−ゴムコポリマー、ビニル−アクリル/スチレン−アクリレートコポリマー、ビニル−アクリル/アクリルコポリマー、ビニル−アクリル/ポリ酢酸ビニルコポリマー、ビニル−アクリル/ポリビニルアルコールコポリマー、ビニル−アクリル/ポリエチレンコポリマー、ビニル−アクリル/ビニルベルサテートコポリマー、架橋性樹脂と結合されたビニル−アクリル樹脂、架橋性樹脂と結合されたビニル−アクリル/スチレン−ブタジエン−ゴムコポリマー、架橋性樹脂と結合されたビニル−アクリル/スチレン−アクリレートコポリマー、架橋性樹脂と結合されたビニル−アクリル/アクリルコポリマー、架橋性樹脂と結合されたビニル−アクリル/ポリ酢酸ビニルコポリマー、架橋性樹脂と結合されたビニル−アクリル/ポリビニルアルコールコポリマー、架橋性樹脂と結合されたアクリル/ポリエチレンコポリマー及び架橋性樹脂と結合されたビニル−アクリル/ビニルベルサテートコポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1つのメンバーである請求項1に記載の耐摩耗性被覆組成物。
【請求項8】
耐摩耗性被覆表材料であって、バインダー樹脂と結合された、複数のランダムに配向された強化繊維;及び該複数のランダムに配向された強化繊維の第一主要側面の少なくとも一部における耐摩耗性被覆層を含み、該被覆層が、極低ガラス転移有機バインダー;少なくとも1つの増粘剤;及びモース硬度スケールにおける硬度が少なくとも5であり及び粒径が約0.001〜約0.02mmである粒子を含む耐摩耗性被覆表材料。
【請求項9】
前記強化繊維が、ガラス繊維、鉱物繊維、炭素繊維、セラミック繊維、合成繊維及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる請求項8に記載の耐摩耗性被覆表材料。
【請求項10】
前記被覆層が、更に、1以上の顔料材料、少なくとも1つの消泡剤、少なくとも1つの分散剤及び少なくとも1つのバイオサイドからなる群より選ばれる少なくとも1つのメンバーを含む請求項9に記載の耐摩耗性被覆表材料。
【請求項11】
前記被覆層が、部分的に、前記複数のランダムに配向された強化繊維を貫通する請求項8に記載の耐摩耗性被覆表材料。
【請求項12】
前記極低ガラス転移有機バインダーが、スチレン−ブタジエン−ゴムバインダーベースの樹脂、スチレン−アクリレート樹脂、アクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ビニル−アクリル樹脂、ビニルベルサテート、ビニル−アクリル/スチレン−ブタジエン−ゴムコポリマー、ビニル−アクリル/スチレン−アクリレートコポリマー、ビニル−アクリル/アクリルコポリマー、ビニル−アクリル/ポリ酢酸ビニルコポリマー、ビニル−アクリル/ポリビニルアルコールコポリマー、ビニル−アクリル/ポリエチレンコポリマー、ビニル−アクリル/ビニルベルサテートコポリマー、架橋性樹脂と結合されたビニル−アクリル樹脂、架橋性樹脂と結合されたビニル−アクリル/スチレン−ブタジエン−ゴムコポリマー、架橋性樹脂と結合されたビニル−アクリル/スチレン−アクリレートコポリマー、架橋性樹脂と結合されたビニル−アクリル/アクリルコポリマー、架橋性樹脂と結合されたビニル−アクリル/ポリ酢酸ビニルコポリマー、架橋性樹脂と結合されたビニル−アクリル/ポリビニルアルコールコポリマー、架橋性樹脂と結合されたアクリル/ポリエチレンコポリマー及び架橋性樹脂と結合されたビニル−アクリル/ビニルベルサテートコポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1つのメンバーである請求項8に記載の耐摩耗性被覆表材料。
【請求項13】
前記粒子が、アルミナ、軽石、長石、重晶石鉱物、石英、ダイヤモンド、ボロンカーバイト、イカの甲、ガーネット、シリコーンカーバイト、タングステンカーバイド、ジルコニウム、アマルガム、トパーズ、アパタイト及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる請求項8に記載の耐摩耗性被覆表材料。
【請求項14】
更に、前記複数のランダムに配向された強化繊維の第二主要側面に取り付けられた繊維製品を含む請求項8に記載の耐摩耗性被覆表材料。
【請求項15】
前記繊維製品が、連続フィラメントマット、織物、メルトボンド材料、スパンボンド不織布及び長繊維乾式レイド不織布マットからなる群より選ばれる請求項14に記載の耐摩耗性被覆表材料。
【請求項16】
耐摩耗性石こうボード(84)であって、第一及び第二主要表面及び第一及び第二非主要表面を有する石こうコア;第一バインダー樹脂と結合された、第一の複数のランダムに配向された強化繊維を含み、該石こうコアの該第一主要表面、該第一及び第二非主要表面及び該第二主要表面の少なくとも一部に機械的に結合され、該石こうコアを囲む第一ベースベール(70);第二バインダー樹脂と結合された、第二の複数のランダムに配向された強化繊維を含み、該石こうコアの該第二主要表面の一部に機械的に結合され、該石こうコアを囲む第二ベースベール(80);並びに該石こうコアに対向する該第一及び第二ベースベールの各々の主要側面に存在し、極低ガラス転移有機バインダー;少なくとも1つの増粘剤;及びモース硬度スケールにおける硬度が少なくとも5であり及び粒径が約0.001〜約0.02mmである粒子を含む耐摩耗性外部被覆を含む耐摩耗性石こうボード。
【請求項17】
前記第一及び第二強化繊維が、ガラス繊維、鉱物繊維、炭素繊維、セラミック繊維、合成繊維及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる請求項16に記載の耐摩耗性石こうボード。
【請求項18】
前記耐摩耗性被覆層が、1以上の顔料材料、少なくとも1つの消泡剤、少なくとも1つの分散剤及び少なくとも1つのバイオサイドからなる群より選ばれる1以上のメンバーを含む請求項17に記載の耐摩耗性石こうボード。
【請求項19】
前記粒子が、アルミナ、軽石、長石、重晶石鉱物、石英、ダイヤモンド、ボロンカーバイト、イカの甲、ガーネット、シリコーンカーバイト、タングステンカーバイド、ジルコニウム、アマルガム、トパーズ、アパタイト及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる請求項18に記載の耐摩耗性石こうボード。
【請求項20】
前記極低ガラス転移有機バインダーが、スチレン−ブタジエン−ゴムバインダーベースの樹脂、スチレン−アクリレート樹脂、アクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ビニル−アクリル樹脂、ビニルベルサテート、ビニル−アクリル/スチレン−ブタジエン−ゴムコポリマー、ビニル−アクリル/スチレン−アクリレートコポリマー、ビニル−アクリル/アクリルコポリマー、ビニル−アクリル/ポリ酢酸ビニルコポリマー、ビニル−アクリル/ポリビニルアルコールコポリマー、ビニル−アクリル/ポリエチレンコポリマー、ビニル−アクリル/ビニルベルサテートコポリマー、架橋性樹脂と結合されたビニル−アクリル樹脂、架橋性樹脂と結合されたビニル−アクリル/スチレン−ブタジエン−ゴムコポリマー、架橋性樹脂と結合されたビニル−アクリル/スチレン−アクリレートコポリマー、架橋性樹脂と結合されたビニル−アクリル/アクリルコポリマー、架橋性樹脂と結合されたビニル−アクリル/ポリ酢酸ビニルコポリマー、架橋性樹脂と結合されたビニル−アクリル/ポリビニルアルコールコポリマー、架橋性樹脂と結合されたアクリル/ポリエチレンコポリマー及び架橋性樹脂と結合されたビニル−アクリル/ビニルベルサテートコポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1つのメンバーである請求項19に記載の耐摩耗性石こうボード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2009−527625(P2009−527625A)
【公表日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−556361(P2008−556361)
【出願日】平成19年2月16日(2007.2.16)
【国際出願番号】PCT/US2007/004069
【国際公開番号】WO2007/100510
【国際公開日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(508248829)オウェンス コーニング インテレクチュアル キャピタル リミテッド ライアビリティ カンパニー (3)
【Fターム(参考)】