説明

ベーンポンプ

【課題】 二つの吸込ポートの吸込効率のバランスを良好に確保すると共に、容積効率も向上させるようにした油圧ポンプを提供する。
【解決手段】 本発明に係るベーンポンプは、吐出ポートを取付部に接近させた状態でサイドプレートの位置決めをすることにより、吸込口を基準として、ロータの回転順方向に位置する第1吸込ポートの位置を該ロータの回転逆方に位置する第2吸込ポートの位置よりも吸込口に接近させたことを特徴とするものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベーンポンプに係り、特に、吸込効率及び容積効率を向上させたベーンポンプに関するものである。
【背景技術】
【0002】
図11及び図12は、背景技術のベーンポンプ100の概略を示す。図11はベーンポンプ100の縦断面図である。図12はフロントハウジングを図11中、左側から観た状態の図である。フロントハウジング101とリヤハウジング102とで囲まれた空間内には、同軸状にサイドプレート103とカムリング104とロータ105が設けられている。
【0003】
図12に示すように、前記カムリング104の内面には楕円形状のカム面106が形成されている。又、前記ロータ105は回転軸107に取り付けられて前記カムリング104内に設置されている。該ロータ105には該ロータ105の外周面から放射状に突出するように複数のベーン108が設けられている。該ロータ105の回転に伴って、前記ベーン108の先端が前記カム面106に摺接するようになっている。
前記ロータ105の外周面と、ベーン108とカム面106との間がポンプ室pになっている。該ポンプ室Pは、前記ロータ105の回転に伴って、容積が拡大と収縮を繰り返すように変化するものである。そして、前記ポンプ室Pの容積の拡大過程に一致する位置において、対応するサイドプレート103とリヤハウジング102には吸込ポート109、110が設けられ、収縮過程に一致する位置において、対応するサイドプレート103には吐出ポート111、112が設けられ、又、吐出ポート111、112の反対側のリヤハウジング102の側には、吐出圧力によりロータ105の軸方向の移動を防止するための図示しない凹みが吐出ポート111、112と対面する位置に設けられている。
【0004】
前記吸込ポート109、110は図12中、回転軸107を挟んで左右に互いに対向する位置に設けられ、吐出ポート111、112は回転軸107を挟んで上下に互いに対向するように一対設けられている。又、吸込口113から吸い込まれた作動流体は、フロントハウジング101を密封する形態で配置されるリヤハウジング102に図12に二点鎖線で示す如く、左右に二つに分岐するように設けられた第1分岐通路114と第2分岐通路115を介して二つの吸込ポート109、110からポンプ室P内へ吸い込まれるようになっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前述のように構成されたベーンポンプ100においては、吸込口113を基準として、ロータ105の回転順方向(矢示方向)に位置する吸込ポート110の吸込効率が、ロータ105の回転逆方向に位置する吸込ポート109の吸込効率に比較して悪化するという現象がある。
【0006】
つまり、ロータ105のベーン108は第1分岐通路114を流通する作動流体と逆方向に回転するために、吸込ポート109は作動流体を効率良く吸い込むことができるのに対して、ロータ105のベーン108は第2分岐通路115内の作動流体の流れる方向と同方向に回転するために、第2分岐通路115を流れる作動流体を吸込ポート110に良好に導き入れることができず、吸込ポート110の吸込効率が低下する。これによって、特に、高回転時においては、吸込効率の悪い吸込ポート110側で押し込まれる作動流体よりも吸込に必要な作動流体の方が多くなり、吸込ポート110側が負圧になることによるキャビテーションが発生し、又、振動騒音が発生するといった問題があった。
【0007】
このため、こうした問題を解決するための発明が特許文献1に提案されている。当該特許文献1に記載の発明の特徴を図12を参照しながら説明すると、第2分岐通路115の長さを第1分岐通路114の長さよりも短くして、第2分岐通路115の流動抵抗を小さくすることにより、吸込ポート110の吸込効率を向上させるようにしたものである。
【0008】
【特許文献1】特開平8−74750号公報
【0009】
しかしながら、前述の特許文献1に記載した発明においては、以下の問題がある。すなわち、図12に示すように、フロントハウジング101にリヤハウジング102を取り付けるための取付部116から離れた位置に、高圧の吐出ポート111、112が位置している。このため、高圧の吐出ポート111、112を通る軸線上において、作動流体の圧力によってリヤハジング102がフロントハウジング101から剥離するように変形して、リヤハウジング102とロータ105及びベーン108間のクリアランスが大きくなることで、そのクリアランスを通してポンプ室Pから他のポンプ室Pへの作動流体のリークが発生し、その結果、容積効率が悪化するといった問題があった。
【0010】
本発明は、前述した背景技術を解決するためになされたもので、その目的は、二つの吸込ポートの吸込効率のバランスを良好に確保すると共に、容積効率も向上させるようにした油圧ポンプを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係るベーンポンプは、吐出ポートを取付部に接近させた状態でサイドプレート、又はリヤハウジングの位置決めをすることにより、吸込口を基準として、ロータの回転順方向に位置する第1吸込ポートの位置を該ロータの回転逆方向に位置する第2吸込ポートの位置よりも吸込口に接近させたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
ロータの回転順方向に位置する第1吸込ポートの吸込効率と、ロータの回転逆方向に位置する第2吸込ポートの吸込効率とのバランスを保つことができる上に、フロントハウジングとリヤハウジングとの取付部近傍に吐出ポートを設けることができるため、吐出ポートに作用する高圧の作動流体の圧力によってリヤハウジング102がフロントハウジング101から剥離するように変形する現象が防止されて、リヤハウジングとロータ及びベーン間のクリアランスが大きくなることが防止される結果、当該クリアランスを通してポンプ室から他のポンプ室への作動流体のリークが防止されて、容積効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1はベーンポンプの縦断面図である。図2は、フロントハウジングを図1中、左側から観た状態の図である。図3はサイドプレートの斜視図である。図4は図2に示すフロントハウジング内にサイドプレートを設置した状態の図である。図5はリヤハウジングの正面図である。図6はカムリングの斜視図である。図7はロータの斜視図である。図8はフロントハウジング内にサイドプレート、カムリング、及びロータを設置した状態の図である。
図1に示すように、ベーンポンプ1は、フロントハウジング2と、該フロントハウジング2の一面3に取り付けられるリヤハウジング4を備えている。図2に示すように、該リヤハウジング4は該フロントハウジング2に対して2対の取付部5,6、7,8によって取り付けられるようになっている。同図2に示すように、各1対の取付部5,6、7,8は、対角線方向に互いに対面するように4隅に設けられている。
【0014】
フロントハウジング2は、空間9を有している。該空間9は、フロントハウジング2の一面3側が開口し、他面側が閉塞していると共に、他面には軸孔10が形成されて、該軸孔10から空間9内へ回転軸11が挿入されるようになっている。又、図1に示すように、フロントハウジング2には、流入路12が形成されている。この流入路12の上流端は、連通口13となって、オイルタンク(図示せず)に接続可能となり、下流端は吸込口14となって、フロントハウジング2の一面3に開口している。
【0015】
図1に示すように、前記空間9内には、サイドプレート15と、カムリング16と、ロータ17が同軸状に設置されるようになっている。サイドプレート15とフロントハウジング2との間の空間は、圧力室18になっている。同図1に示すように、圧力室18の底面の内部には、ドレン通路19(図1中、破線で示す)が形成されている。該ドレン通路19は、各部位のクリアランス等によって回転軸11のシール部材側に内部リークした作動流体を低圧側の流通路12に戻すための通路である。そして、該ドレン通路19を形成するために、図2に示すように、圧力室18の底面が該圧力室18内へ肉盛り部20となって膨らむように突出している。又、圧力室18には、前記肉盛り部20を避けた位置に吐出孔21が形成されて圧力室18内の高圧化した作動流体が該吐出孔21から吐出するようになっている。又、図2に示すように、軸孔10を挟んで互いに対向する一対の取付部5と取付部6同士を結ぶ線N、並びに、軸孔10を挟んで互いに対向する一対の取付部7と取付部8同士を結ぶ線Mは、軸孔10と吸込口14とを結ぶ線Lと略45度を成すように設けられている。これら線Mと線Nとは直交している。
【0016】
図3に示すように、サイドプレート15は円板状に形成されている。該サイドプレート15の中心には、前記回転軸11が貫通する中心孔22が形成されている。又、該サイドプレート15には、第1吐出ポート23及び第2吐出ポート24と第1吸込ポート25び第2吸込ポート26が設けられている。ここで、図4に示すように、第1吸込ポート25は、フロントハウジング2に形成された吸込口14を基準として、前記ロータ17の回転順方向(図4中、矢示方向)に位置しているポートであり、第2吸込ポート26は、前記吸込口14を基準として、前記ロータ17の回転逆方向に位置しているポートである。
図4に示すように、前記第1吐出ポート23及び第2吐出ポート24は、サイドプレート15の中心孔22を挟んで互いに対向する位置に設けられ、又、第1吸込ポート25及び第2吸込ポート26は、該中心孔22を挟んで互いに対向する位置に設けられている。第1吐出ポート23と第2吐出ポート24は、前述の線M上に位置している。又、第1吸込ポート25と第2吸込ポート26は、前述の線N上に位置している。
又、図3、図4に示すように、該サイドプレート15には、前記中心孔22に同軸状に複数の背圧溝27が形成されている。これら背圧溝27は、前記圧力室18(図1に示す)に連通している。該サイドプレート15には、二つの取付ピン29、30が立設されている。この二つの取付ピン29、30は、前記中心孔22を挟んで互いに対向する位置に形成されている。この二つの取付ピン29、30の位置に対応して、図5に示すように、前記リヤハウジング4にピン孔31、32が形成されている。前記取付ピン29、30の先端をリヤハウジング4のピン孔31、32に差し込むことにより、サイドプレート15の位置決めがなされるものである。
【0017】
前記サイドプレート15は、図4に示すように、前記フロントハウジング2の空間9内に所望の角度回転した状態で設置できるものである。そして、この場合、サイドプレート15の設置角度に応じて、図5に示すように、リヤハウジング4に設けられているピン孔31、32の位置が決定されるものである。このように、サイドプレート15の設置角度に応じてリヤハウジング4に設けられているピン孔31、32の位置が決定されることにより、サイドプレート15は所望の設置角度でリヤハウジング4によって位置決めされるものである。
【0018】
前記カムリング16は図6に示すように、環状に形成されて、内面は楕円形状のカム面33になっている。該カムリング16には、前記取付ピン29、30が挿通されるピン孔34、35が形成されている。
【0019】
前記ロータ17は、図8に示すように、前記カムリング16内に収容されて、前記回転軸11に取り付けられるものである。該ロータ17には、図7に示すように、放射状に複数のベーン収容溝36が設けられて各ベーン収容溝36内には、ベーン37が出没自在に設けられている。該ベーン収容溝36の基端側は、サイドプレート15に設けた背圧溝27を介して前記フロントハウジング2の圧力室18に連通し、該圧力室18内の圧力によって前記ベーン37を該ベーン収容溝36から突出させる方向に付勢している。
従って、図8に示すように、前記ロータ17の回転に伴って前記ベーン37の先端がカムリング16のカム面33に摺接することになって、ロータ17の外周面とベーン37とカム面33とで囲まれたポンプ室Pが形成されることになる。
該ポンプ室Pは、前記ロータ17の回転に伴って、容積が拡大と収縮を繰り返すように変化するものである。そして、サイドプレート15には、前記ポンプ室Pの拡大過程に一致する位置に前記第1吸込ポート25及び第2吸込ポート26が設けられ、収縮過程に一致する位置に前記第1吐出ポート23及び第2吐出ポート24が設けられている。
【0020】
図5に示すように、前記リヤハウジング4には、フロントハウジング2の吸込口14(図5中、二点差線で示す)から作動流体を吸い込むための吸込路が形成されている。該吸込路は、二股状に分岐されて第1分岐吸込路38と第2分岐吸込路39とになっている。リヤハウジング4を前記フロントハウジング2に取り付けられた状態において、該吸込路の分岐部分40は、前記フロントハウジング2の吸込口14(図5中、二点鎖線で示す)に対面し、第1分岐吸込路38の終端部分38aは、前記サイドプレート15(図5中、二点差線で示す)の第1吸込ポート25に対面し、且つ、第2分岐吸込路39の終端部分39aは、前記サイドプレート15の第2吸込ポート26に対面するようになっている。
又、図5に示すように、リヤハウジング4には、前記サイドプレート15(図5中、二点鎖線で示す)の第1吐出ポート23に対応して第1吐出ポート対応凹部41が形成され、第2吐出ポート24に対応して第2吐出ポート対応凹部42が形成され、更に、前記サイドプレート15の背圧溝27に対応して背圧溝対応凹部43が形成されている。尚、図1中、44は流量調整弁である。該流量調整弁44は、流通路12と圧力室18との間に設けられて、該圧力室18の吐出口21から吐出される高圧の作動流体の流量に対して、図示しない吐出口21から吐出する流量を制御し、余剰の作動流体を流入路12に戻すための弁である。
【0021】
次に、作用について説明する。背景技術に比較して、図4に示すように、吸込口14を基準にして、ロータ17の回転順方向(図4中、矢示方向)に位置する第1吸込ポート25は吸込口14に接近し、ロータ17の回転逆方向に位置する第2吸込ポート26は吸込口14から遠ざかって位置することになる。
その結果、図5に示すように、第1分岐吸込路38が第2分岐吸込路39に比較して短くなって、第1分岐吸込路38の流路抵抗が第2分岐吸込路39に比較して減少するため、第1吸込ポート25からの吸込効率が向上して、第1吸込ポート25と第2吸込ポート26の吸込効率のバランスを良くすることができる。又、第1吸込ポート25側における吸込効率が向上することで第1吸込ポート25において特に高回転時に負圧となる現象が抑制される結果、第1吸込ポート25側でのキャビテーションの発生を抑えることができ、しかも、振動騒音の発生も抑制することができる。
【0022】
又、背景技術に比較して、図4に示すように、第1吐出ポート23が取付部7に接近し、第2吐出ポート24が取付部8に接近するため、該第一吐出ポート23及び第2吐出ポート24の近傍において、リヤハウジング4はフロントハウジング2に強固に取り付けられた状態が維持される。その結果、第1吐出ポート23及び第2吐出ポート24に高圧の作動流体が作用しても、リヤハウジング4はフロントハウジング2から剥離し難く、両者間に隙間が生じ難いため、リヤハウジング4とロータ17及びベーン37間のクリアランスが大きくなることが防止される結果、当該クリアランスを通してポンプ室Pから他のポンプ室Pへの作動流体のリークが防止される。このため、背景技術に比較して、容積効率を向上させることができるという作用効果がある。
【0023】
又、図4に示すように、第1吐出ポート23は、ドレン通路19(図1に示す)の肉盛り部20(図4中、二点差線で示す)を避けて位置することになるため、高圧の作動流体は吐出孔21から効率良く吐出されることができる。
【0024】
更に、図5に示すように、リヤハウジング4に設けられるピン孔31、32は、二つの分岐吸込路38、39を避けた広いスペースの位置に形成することができるため、該ピン孔31、32は背景技術と比較して真円に形成することができて、図3及び図4に示す取付ピン29、30は該ピン孔31、32に安定して挿入できるため、取付ピン29、30が挿通するカムリング16の振動を小さく押さえて、振動音を抑制することができる。
【0025】
図5は回転軸11の軸芯と吸込口14とを結ぶ基準線Lに対して、該回転軸11の軸芯と第1吐出ポート23及び第2吐出ポート24を結ぶ直線が45度を成すようにサイドプレート15を回転させて設置した状態を示すのに対し、図9は回転軸11の軸芯と吸込口14とを結ぶ基準線Lに対して、該回転軸11の軸芯と第1吐出ポート23及び第2吐出ポート24を結ぶ直線Xが22.5度を成すようにサイドプレート15を回転させて設置した状態を示すものである。
又、図10は回転軸11の軸芯と吸込口14とを結ぶ基準線Lに対して、該回転軸11の軸芯と第1吐出ポート23及び第2吐出ポート24を結ぶ直線Yが30度を成すようにサイドプレート15を回転させて設置した状態を示すものである。
【0026】
尚、図9及び図10に示す実施形態においても、第1吸込ポート25と第2吸込ポート26の吸込効率のバランスを向上できることは勿論である。又、背景技術に比較して、第1吐出ポート23が取付部5に接近し、第2吐出ポート24が取付部6に接近する結果、第1吐出ポート23及び第2吐出ポート24に高圧の作動流体が作用しても、リヤハウジング4はフロントハウジング2から剥離し難く、両者間に隙間が生じ難い。このため、リヤハウジング4とロータ17及びベーン37間のクリアランスが大きくなることが防止される結果、当該クリアランスを通してポンプ室Pから他のポンプ室Pへの作動流体のリークが防止され、背景技術に比較して、容積効率を向上させることができるという作用効果がある。
【0027】
以上の説明においては、圧力室18がフロントハウジング2側に設けられている場合について説明したが、圧力室18がリヤハウジング4側に設けられている場合にも本発明が適用され得るものである。又、吐出ポート23、24や吸込ポート25、26をサイドプレート15又はリヤハウジング4のうちの少なくとも一方に設けても本発明が適用され得るものである。
【0028】
又、以上の説明においては、取付ピン29,30がサイドプレート15に立設した場合について説明したが、該取付ピン29,30をリヤハウジング4に立設させる一方、カムリング16及びサイドプレート15にピン孔を設け、該ピン孔に該取付ピン29,30を挿通させることにより、リヤハウジング4及びサイドプレート15の位置決めをする場合にも本発明を適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】ベーンポンプの縦断面図である。
【図2】フロントハウジングを図1中左側から観た状態の正面図である。
【図3】サイドプレートの斜視図である。
【図4】フロントハウジングにサイドプレートを設置した状態の図である。
【図5】リヤハウジングの正面図である。
【図6】カムリングの斜視図である。
【図7】ロータの斜視図である。
【図8】フロントハウジング内にサイドプレート、カムリング、及びロータを設置した状態の図である。
【図9】サイドドプレートの設置角度を変更した場合のリヤハウジングの正面図である。
【図10】サイドドプレートの設置角度を変更した場合のリヤハウジングの正面図である。
【図11】背景技術のベーンポンプの縦断面図である。
【図12】背景技術のフロントハウジング内にサイドプレートとカムリングとロータを設置した状態を示すフロントハウジングの正面図である。
【符号の説明】
【0030】
1 ベーンポンプ
2 フロントハウジング
3 フロントハウジングの一面
4 リヤハウジング
5 取付部
6 取付部
7 取付部
8 取付部
15 サイドプレート
16 カムリング
17 ロータ
23 第1吐出ポート
24 第2吐出ポート
25 第1吸込ポート
26 第2吸込ポート
37 ベーン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロントハウジングと、該フロントハウジングに取付部によって取り付けられるリヤハウジングとで形成された空間内にベーンを備えたロータとサイドプレートを配置し、
前記サイドプレート又はリヤハウジングのうち少なくとも一方にはそれぞれ二つの吸込ポートと吐出ポートとを前記ロータの回転軸を中心として対向する位置に所定角度離間して設け、
前記フロントハウジングに設けられた吸込口から吸い込まれた作動流体を前記吸込ポートからポンプ室内に吸い込み、該作動流体に対して前記ロータの回転によってポンプ作用を施した後に前記吐出ポートから吐出するようにしたベーンポンプにおいて、
前記吐出ポートを前記取付部に接近させた状態で前記サイドプレート又はリヤハウジングの位置決めをすることにより、前記吸込口を基準として、ロータの回転順方向に位置する第1吸込ポートの位置をロータの回転逆方向に位置する第2吸込ポートの位置よりも吸込口に接近させたことを特徴とするベーンポンプ。
【請求項2】
取付部を前記回転軸を中心として対向する位置に設け、該二つの取付部を結ぶ線上に二つの吐出ポートが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のベーンポンプ。
【請求項3】
前記サイドプレートとフロントハウジングとの間が圧力室になり、該圧力室の底面の内部に内部リークした作動流体を吸込口側に戻すドレン通路が設けられ、前記吐出ポートは該ドレン通路の位置を避けて設けられたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のベーンポンプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−162554(P2007−162554A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−358941(P2005−358941)
【出願日】平成17年12月13日(2005.12.13)
【出願人】(000000929)カヤバ工業株式会社 (2,151)
【Fターム(参考)】