説明

ペリンドプリルエルブミンの新規結晶形

本発明は、ACE阻害薬ペリンドプリルの新規結晶形及びその調製方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペリンドプリルエルブミンの新規結晶形に関する。
【背景技術】
【0002】
ペリンドプリル及びその薬学的に許容できる塩は、アンジオテンシン変換酵素阻害薬として公知であり、循環器疾患の治療、特に高血圧及び心不全の治療に用いられている。ペリンドプリルは、(2S,3aS,7aS)−((2−(1−(エトキシカルボニル)−(S)−ブチルアミノ)−(S)−プロピオニル)オクタヒドロ−インドール−2−カルボン酸として化学的に公知であり、式(I):
【0003】
【化1】

により表し得る。
【0004】
ペリンドプリルは、EP0049658B1及びUS4,508,729に光学的に純粋なS,S,S,S,S異性体として及びナトリウム塩の形態で、初めて開示された。その後の数多くの特許及び特許出願(EP0308341B1、EP1279665A1、EP1333026A1、WO2004/099236など)が、ペリンドプリルの種々の調製方法を記載している。
【0005】
塩でない形態のペリンドプリルは、調製方法及び不純物の有無に応じ、油状の、非晶質の又は強固に結晶化した物質である。その調製工程中に生成した副生成物に加えて、ジケトピペラジン及びペリンドプリラートなどのペリンドプリル分解生成物もまた、粗製ペリンドプリル中に不純物として存在する。
【0006】
薬学的に許容できる化合物は、高純度で得られなければならず、及び長期間安定でなければならない。更に、そのような化合物は、工業規模で製造するためにろ過及び乾燥などの単離について価値ある特性を有していることが重要である。
【0007】
今まで、EP0308341に初めて開示されたペリンドプリルのtert−ブチルアミン塩、即ちペリンドプリルエルブミンだけが、医薬品目的のために用いるのに十分良好な結晶特性を有している(即ち、明確に定義された及び安定な物性を有する)。ペリンドプリルエルブミンは、結晶化条件(例えば、溶媒系、ペリンドプリルエルブミン濃度及び冷却力学など)に依り種々の結晶形で得られる。EP1296947B1は、酢酸エチルからのペリンドプリルエルブミン結晶形αの結晶化を開示し、EP1294689Aは、ジクロロメタン又は酢酸エチルからのペリンドプリルエルブミン結晶形βの結晶化を開示し、EP1296948B1は、クロロホルムからのペリンドプリルエルブミン結晶形γの結晶化を開示し、及びWO2004/113293は、ペリンドプリルエルブミン結晶形δ及び結晶形εの結晶化を開示している。結晶形εは、水1.5から2.5%(容量/容量)を含むtert−ブチルメチルエーテルからの結晶化により得られる一方、結晶形δは、共沸蒸留により結晶形εから得られる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、単離及び精製の点で改善された特性を有するペリンドプリルエルブミンの新規結晶形を得ることが引き続き必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の目的は、次の特徴的な反射角2θ:5.3±0.2°、10.7±0.2°、16.1±0.2°、24.4±0.2°及び27.0±0.2°を含む粉末X線回折パターンを有する、ペリンドプリルエルブミンの新規結晶形(結晶形Dという名称)に関する。
【0010】
ペリンドプリルエルブミンの新規結晶形Dは、図1に図示する粉末X線回折パターンを有し、及び次の特徴的な2θ角を示す。
【0011】
【表2】

【0012】
ペリンドプリルエルブミンの新規結晶形Dは、2926cm−1、2747cm−1、2640cm−1、2555cm−1、1745cm−1、1725cm−1、1642cm−1、1572cm−1、1557cm−1、1423cm−1、1388cm−1、1374cm−1、1287cm−1、1248cm−1、1210cm−1、1139cm−1、1107cm−1、1065cm−1、1025cm−1、986cm−1、739cm−1、707cm−1に吸収帯を有する、図2に図示するIRスペクトルにより、更に特徴付けられ得る。
【0013】
ペリンドプリルエルブミンの新規結晶形Dは、ラマンスペクトルにおける次の特徴的ピーク:2969cm−1、2924cm−1、1573cm−1、1450cm−1及び542cm−1により、更に特徴付けられ得る。
【0014】
ペリンドプリルエルブミンの新規結晶形Dは、3310cm−1、2969cm−1、2941cm−1、2924cm−1、2869cm−1、2851cm−1、2798cm−1、2735cm−1、1643cm−1、1573cm−1、1450cm−1、782cm−1、739cm−1、542cm−1、138cm−1、115cm−1における特徴的ピークを有する、図3に図示するラマンスペクトルにより更に特徴付けられ得る。
【0015】
出願者は、驚くべきことに、ペリンドプリルエルブミンの新規結晶形Dが単離及び精製の点で価値ある特性を有することを見出した。
【0016】
本発明によるペリンドプリルエルブミンの新規結晶形Dは、ペリンドプリルエルブミンの結晶形α又はいずれかの他の公知の結晶形に比べ、両方の形が同一の粗製ペリンドプリルから同一数の再結晶段階を用いて調製される場合、より高い純度で得られる。
【0017】
本発明のもう1つの目的は、ペリンドプリルエルブミンの新規結晶形の調製方法に関する。ペリンドプリルエルブミンの新規結晶形Dは、ペリンドプリルエルブミンのいずれかの他の結晶形から又はペリンドプリルエルブミンの溶液から調製され得る。
【0018】
1つの実施形態において、本発明は、
(a1)ペリンドプリルエルブミンをジクロロメタン中に懸濁する段階、
(a2)懸濁液を40℃まで加熱する段階、
(a3)得られた溶液を20‐25℃にゆっくり、好ましくは約10℃/hの速度で冷却する段階、及び
(a4)好ましくは減圧下の、好ましくは約10mbarにおけるろ過により新規結晶形Dを単離し、その後乾燥する段階、
を含む、ペリンドプリルエルブミンの新規結晶形Dの調製方法(a)に関する。
【0019】
もう1つの実施形態において、本発明は、
(b1)ペリンドプリルエルブミンをジクロロメタン中に懸濁する段階、
(b2)懸濁液を40℃まで加熱する段階、
(b3)得られた溶液を氷浴中で冷却する段階、及び
(b4)好ましくは減圧下の、好ましくは約10mbarにおけるろ過により新規結晶形Dを単離し、その後乾燥する段階、
を含む、ペリンドプリルエルブミンの新規結晶形Dの調製方法(b)に関する。
【0020】
もう1つの実施形態において、本発明は、
(c1)ペリンドプリルエルブミンをアセトニトリル中に懸濁する段階、
(c2)懸濁液を70℃まで加熱する段階、
(c3)得られた溶液を20‐25℃にゆっくり、好ましくは約10℃/hの速度で冷却する段階、及び
(c4)好ましくは減圧下の、好ましくは約10mbarにおけるろ過により新規結晶形Dを単離し、その後乾燥する段階、
を含む、ペリンドプリルエルブミンの新規結晶形Dの調製方法(c)に関する。
【0021】
もう1つの実施形態において、本発明は、約5%ペリンドプリルエルブミン水溶液の凍結乾燥を含む、ペリンドプリルエルブミンの新規結晶形Dの調製方法(d)に関する。例えば、前記溶液は液体窒素により凍結し、並びに凍結乾燥は−20℃で及び約0.2mbarの圧で、3日間かけて実施される。
【0022】
もう1つの実施形態において、本発明は、
(e1)ペリンドプリルエルブミンを水により湿潤する段階、及び
(e2)得られたペーストを、20‐25℃の温度及び40%未満の相対湿度で乾燥する段階、
を含む、ペリンドプリルエルブミンの新規結晶形Dの調製方法(e)に関する。
【0023】
もう1つの実施形態において、本発明は、
(f1)ペリンドプリルエルブミンをt−ブチルメチルエーテル中に懸濁する段階、
(f2)溶解を誘発するために十分な量の水を添加する(例えば、約1から5%の水(容量/容量)、好ましくは約3%の水(容量/容量)を添加する)段階、
(f3)懸濁液を40℃まで加熱する段階、
(f4)得られた溶液を20‐25℃にゆっくり、好ましくは約10℃/hの速度で冷却する段階、及び
(f5)好ましくは減圧下の、好ましくは約10mbarにおけるろ過により新規結晶形Dを単離し、その後乾燥する段階、
を含む、ペリンドプリルエルブミンの新規結晶形Dの調製方法(f)に関する。
【0024】
もう1つの実施形態において、本発明は、
(g1)ペリンドプリルエルブミンをt−ブチルメチルエーテル中に懸濁する段階、
(g2)溶解を誘発するために十分な量の水を添加する(例えば、約1から5%の水(容量/容量)、好ましくは約3%の水(容量/容量)を添加する)段階、
(g3)懸濁液を40℃まで加熱する段階、
(g4)得られた溶液を約5℃に素早く冷却する段階、及び
(g5)好ましくは減圧下の、好ましくは約10mbarにおけるろ過により新規結晶形Dを単離し、その後乾燥する段階、
を含む、ペリンドプリルエルブミンの新規結晶形Dの調製方法(g)に関する。
【0025】
本発明のもう1つの目的は、1つの更なる段階において、前述した方法の1つにより得られるペリンドプリルエルブミンの新規結晶形Dが、薬学的に許容できる剤形(特に、前記剤形が錠剤、ピル剤、カプセル剤又は注射用剤である)に製剤される、上述した方法のいずれかに関する。
【0026】
本発明のもう1つの目的は、ペリンドプリルエルブミンの純粋な結晶形α又はいずれかの他の公知の結晶形の調製方法における、新規のペリンドプリルエルブミン結晶形Dの使用に関する。
【0027】
本発明のもう1つの目的は、ペリンドプリルエルブミンの新規結晶形Dを調製する段階を含む、ペリンドプリルエルブミンの純粋な結晶形α又はいずれかの他の公知の結晶形の調製方法に関する。
【0028】
本発明におけるペリンドプリルエルブミンの「純粋な」結晶形は、クロマトグラフィーで測定した純度の95%超、好ましくは99%超、より好ましくは99.5%超、最も好ましくは99.8%超を有するペリンドプリルエルブミンの結晶形を意味する。
【0029】
本発明のもう1つの目的は、1つ以上の薬学的に許容できる担体又は他の賦形剤と併せてペリンドプリルエルブミンの新規結晶形Dの治療的有効量を含む医薬組成物に関する。
【0030】
ペリンドプリル塩の治療的有効量は、高血圧の又は循環器疾患の治療に有用な剤形中において適切なペリンドプリルの量を含む、ペリンドプリル塩の量である。一般に、ペリンドプリルの薬学的有効量は、ペリンドプリル1から15mg、好ましくは2から8mgである。
【0031】
薬学的に許容できる賦形剤は、結着剤、希釈剤、崩壊剤、安定化剤、防腐剤、滑剤、香料、風味剤、甘味剤、及び製剤技術の分野において公知の他の賦形剤からなる群より選択され得る。好ましくは、担体及び賦形剤は、ヒドロキシプロピルセルロース、ラクトース、微晶質セルロース、炭酸カルシウム、デンプン、コロイド状二酸化ケイ素、デンプングリコール酸ナトリウム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、及び製剤技術の分野において公知の他の賦形剤からなる群より選択され得る。
【0032】
場合により、本発明の医薬組成物は、ペリンドプリルに加えて1つ以上の追加の医薬的有効成分を含む、組み合わせ製品であり得る。好ましくは、追加の医薬的有効成分は、例えばインダパミドなどの利尿薬である。
【0033】
適した医薬組成物は、活性成分の即放性又は徐放性を有する錠剤、発泡性錠剤又は分散錠剤及びカプセル剤などの固形剤形である。
【0034】
該医薬組成物は、製剤技術の分野において公知の方法により調製され得る。
【0035】
本発明のもう1つの目的は、循環器疾患(例えば高血圧又は心不全)の治療における使用のための医薬組成物の調製のための、ペリンドプリルエルブミンの新規結晶形Dの使用に関する。
【0036】
本発明のもう1つの目的は、ペリンドプリルエルブミンの新規結晶形Dの治療的有効量を投与することを含む、循環器疾患(例えば高血圧又は心不全)の治療のための方法に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下の実施例は本発明を例示するが、それらは決して本発明を限定するものではない。
【実施例1】
【0038】
ペリンドプリルエルブミンの結晶形Dの調製
ペリンドプリルエルブミン結晶形α0.25gをジクロロメタン5mL中に懸濁し、懸濁液を40℃まで加熱する。透明溶液を約10K/hの速度で室温に冷却する。生成物を減圧下(10mbar)でろ過し、空気乾燥する。収量(率):0.23g(92%)。
【実施例2】
【0039】
ペリンドプリルエルブミンの結晶形Dの調製
ペリンドプリルエルブミン結晶形α0.25gをジクロロメタン5mL中に懸濁し、懸濁液を40℃まで加熱する。透明溶液を氷浴中で冷却する。無色結晶を減圧下(約10mbar)でろ過し、空気乾燥する。収量(率):0.18g(72%)。
【実施例3】
【0040】
ペリンドプリルエルブミンの結晶形Dの調製
ペリンドプリルエルブミン結晶形α0.25gをアセトニトリル12mL中に懸濁し、懸濁液を70℃まで加熱する。透明溶液を約10K/hの速度で室温に冷却する。無色結晶を減圧下(約10mbar)でろ過し、空気乾燥する。収量(率):0.16g(64%)。
【実施例4】
【0041】
ペリンドプリルエルブミン溶液の凍結乾燥によるペリンドプリルエルブミンの結晶形Dの調製
5%ペリンドプリルエルブミン水溶液を、液体窒素により凍結する。凍結乾燥を、−20℃で及び約0.2mbarの圧で、3日間かけて実施する。
【実施例5】
【0042】
ペリンドプリルエルブミンの結晶形Dの調製
乾燥ペリンドプリルエルブミンを乳鉢中に入れ、水数滴を添加する。混合物を乳棒で均質化し、得られたペーストを室温(20‐25℃)で、40%未満の相対湿度で乾燥する。
【実施例6】
【0043】
ペリンドプリルエルブミンの結晶形Dの調製
ペリンドプリルエルブミン結晶形α0.5gをt−ブチルメチルエーテル5mL中に懸濁し、水3滴を添加する。懸濁液を40℃まで加熱し、透明溶液を約10K/hの速度で室温まで冷却する。透明結晶を減圧下(約10mbar)でろ過し、空気乾燥する。収量(率):0.44g(88%)。
【実施例7】
【0044】
ペリンドプリルエルブミンの結晶形Dの調製
ペリンドプリルエルブミン結晶形α0.5gをt−ブチルメチルエーテル5mL中に懸濁し、水3滴を添加する。懸濁液を40℃まで加熱し、透明溶液を約5℃に素早く冷却する。透明結晶を減圧下(約10mbar)でろ過し、空気乾燥する。収量(率):0.46g(92%)。
【0045】
実施例の分析データを、下記ハードウェアにより得る。
赤外分光分析:
フーリエ変換赤外(FTIR)スペクトルを、Brucker IFS25分光光度計(Brucker Analytische Messtechnik GmbH(Karlsruhe,D)社製)を用いて記録する。2cm−1の解像度(64スキャン)で、4000から400cm−1の範囲のスペクトルを、KBr錠剤(275mgのKBr当たり約1.5mgBD104)に記録する。
【0046】
スペクトルの大部分は、Spectrum GX FT−IR−System分光光度計(Perkin Elmer(Norwalk Ct.,USA)社製)のDurasampler ATRを用いて記録する。スペクトルを、2cm−1の解像度(24スキャン)で、4000から600cm−1の範囲にわたって記録する。分析を、Spectrum v2.00ソフトウェアを用いて実施する。
ラマン分光分析:
結晶形のラマンスペクトルを、Brucker RFS100ラマン分光光度計(Brucker Analytische Messtechnik GmbH(Karlsruhe,D)社製;励振源としてのNd:YAG Laser(1064nm)及び液体窒素冷却高感度Ge検出器を備える)を用いて記録する。3500から10cm−1のスペクトルを、300mWのレーザー出力(1スペクトル当たり64スキャン)で、アルミニウム製のサンプル保持器中で記録する。
粉末X線回折(PXRD):
X線回折パターンは、Siemens D−5000回折計(Brucker AXS(Karlsruhe,D)社製;シータ/シータゴニオメーター、CuKα放射源、ゲーベルミラー(Brucker AXS(Karlsruhe,D)社製)、0.15°ソーラースリットコリメーター、及びシンチレーション計数器を備える)を用いて得られる。パターンを、40kVの管電圧及び35mAの管電流で、2から40°2θの角度範囲において0.005°2θs−1のスキャン速度をかけて記録する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】ペリンドプリルの新規結晶形Dの粉末X線回折パターンである。
【図2】ペリンドプリルの新規結晶形DのIRスペクトルである。
【図3】ペリンドプリルの新規結晶形Dのラマンスペクトルである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の特徴的な反射角(2θ):5.3±0.2°、10.7±0.2°、16.1±0.2°、24.4±0.2°及び27.0±0.2°を含む粉末X線回折パターンにより特徴付けられる、ペリンドプリルエルブミンの結晶形D。
【請求項2】
次の特徴的な回折角(2θ):
【表1】

を含む粉末X線回折パターンにより更に特徴付けられる、請求項1に記載のペリンドプリルエルブミンの結晶形D。
【請求項3】
図1に示される粉末X線回折パターンにより更に特徴付けられる、請求項1から2のいずれか1項に記載のペリンドプリルエルブミンの結晶形D。
【請求項4】
図2に示されるIRスペクトルにより更に特徴付けられる、請求項1から3のいずれか1項に記載のペリンドプリルエルブミンの結晶形D。
【請求項5】
2969cm−1、2924cm−1、1573cm−1、1450cm−1及び542cm−1における特徴的ピークを有するラマンスペクトルにより更に特徴付けられる、請求項1から2のいずれか1項に記載のペリンドプリルエルブミンの結晶形D。
【請求項6】
(a1)ペリンドプリルエルブミンをジクロロメタン中に懸濁する段階、
(a2)懸濁液を40℃まで加熱する段階、
(a3)得られた溶液を20‐25℃にゆっくり冷却する段階、及び
(a4)前記結晶形を単離する段階、
を含む、請求項1から5のいずれか1項に記載のペリンドプリルエルブミンの結晶形Dの調製方法。
【請求項7】
(b1)ペリンドプリルエルブミンをジクロロメタン中に懸濁する段階、
(b2)懸濁液を40℃まで加熱する段階、
(b3)得られた溶液を氷浴中で冷却する段階、及び
(b4)前記結晶形を単離する段階、
を含む、請求項1から5のいずれか1項に記載のペリンドプリルエルブミンの結晶形Dの調製方法。
【請求項8】
(c1)ペリンドプリルエルブミンをアセトニトリル中に懸濁する段階、
(c2)懸濁液を70℃まで加熱する段階、
(c3)得られた溶液を20‐25℃にゆっくり冷却する段階、及び
(c4)前記結晶形を単離する段階、
を含む、請求項1から5のいずれか1項に記載のペリンドプリルエルブミンの結晶形Dの調製方法。
【請求項9】
5%ペリンドプリルエルブミン水溶液の凍結乾燥を含む、請求項1から5のいずれか1項に記載のペリンドプリルエルブミンの結晶形Dの調製方法。
【請求項10】
(e1)ペリンドプリルエルブミンを水により湿潤する段階、及び
(e2)得られたペーストを、20‐25℃の温度及び40%未満の相対湿度で乾燥する段階、
を含む、請求項1から5のいずれか1項に記載のペリンドプリルエルブミンの結晶形Dの調製方法。
【請求項11】
(f1)ペリンドプリルエルブミンをt−ブチルメチルエーテル中に懸濁する段階、
(f2)溶解を誘発するために十分な量の水を添加する段階、
(f3)懸濁液を40℃まで加熱する段階、
(f4)得られた溶液を20‐25℃にゆっくり冷却する段階、及び
(f5)前記結晶形を単離する段階、
を含む、請求項1から5のいずれか1項に記載のペリンドプリルエルブミンの結晶形Dの調製方法。
【請求項12】
(g1)ペリンドプリルエルブミンをt−ブチルメチルエーテル中に懸濁する段階、
(g2)溶解を誘発するために十分な量の水を添加する段階、
(g3)懸濁液を40℃まで加熱する段階、
(g4)得られた溶液を約5℃に素早く冷却する段階、及び
(g5)前記結晶形を単離する段階、
を含む、請求項1から5のいずれか1項に記載のペリンドプリルエルブミンの結晶形Dの調製方法。
【請求項13】
ペリンドプリルエルブミンの純粋な結晶形α又はいずれかの他の公知の結晶形の調製のための、請求項1から5のいずれか1項に記載のペリンドプリルエルブミンの結晶形Dの使用。
【請求項14】
請求項1から5のいずれか1項に記載のペリンドプリルエルブミンの結晶形Dを調製する段階を含む、ペリンドプリルエルブミンの純粋な結晶形α又はいずれかの他の公知の結晶形の調製方法。
【請求項15】
1つの更なる段階において、得られたペリンドプリルエルブミンの結晶形Dが、薬学的に許容できる剤形(特に、前記剤形が錠剤、ピル剤、カプセル剤又は注射用剤である)に製剤される、請求項6から12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
請求項1から5のいずれか1項に記載のペリンドプリルエルブミンの結晶形Dを含む医薬組成物。
【請求項17】
循環器疾患の治療に用いるための医薬組成物を調製するための、請求項1から5のいずれか1項に記載のペリンドプリルエルブミンの新規結晶形Dの使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−505970(P2009−505970A)
【公表日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−525485(P2008−525485)
【出願日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際出願番号】PCT/EP2006/007923
【国際公開番号】WO2007/020009
【国際公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(305008042)サンド・アクチエンゲゼルシヤフト (54)
【Fターム(参考)】