説明

ペルフルオロ化エステル、ポリエステル、エーテル及びカルボネート

【課題】ペルフルオロ化エステル、ポリエステル、エーテル及びカルボネートの提供。
【解決手段】本発明は、式(I)


(式中、
Tは、H又はRを表わし;
Rは、R1、−CO−R2、−CO−R3−COOH、−COO−R4又はR5を表わし;
1は、独立して、


を表わす。)で表わされる新規化合物、及び、これらの新規化合物及び天然、合成又は半合成材料を含む組成物に関する。該化合物は、撥水剤及び/又は撥油剤として有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペルフルオロアルキル基を有する新規エステル、ポリエステル、カルボネート及びエーテル、及び、これらの新規化合物及び天然、合成又は半合成材料を含む組成物に関する。該化合物は、撥水剤及び/又は撥油剤として有用である。
【背景技術】
【0002】
米国特許第5,708,119号明細書、米国特許第5,693,747号明細書及び欧州特許出願公開第0694532号明細書は、ポリスルフィド結合のスルフィド、スルホンを含むビスペルフルオロアルキル置換ジオール、及びそのウレタン、ポリウレタン、カルボネート、エステル及びポリエステル誘導体を開示している。これらのジオール及びそれらの誘導体は、様々な基材に撥油性及び撥水性を付与するために使用され得る。
【0003】
米国特許第6,387,999号明細書は、ペルフルオロアルキル基を有するエステル及びペルフルオロアルキル基も含み得るオリゴ−又はポリウレタンを含む組成物を開示している。該組成物は、シート状繊維材料のための撥油剤及び撥水剤として有用である。
【0004】
欧州特許出願公開第0690039号明細書は、織物、ガラス、紙及び革の撥油及び撥水処理のために、ジ−、トリ−及びポリ−ペルフルオロアルキル置換アルコール及び酸及びそれらの誘導体を開示している。
【0005】
米国特許第5,807,977号明細書及び国際公開第96/21657号パンフレットは、フッ素化アルコキシメチレン側鎖を有する一置換オキサタン(oxatane)モノマーから誘導されたフッ素化ポリマー及びプレポリマーを開示している。該プレポリマーは、第一級ヒドロキシ末端基を有する非晶性オイルであり、それ故、表面エネルギーが非常に低い、疎水性が高い、ガラス転移温度が低い及び摩擦係数が低いという特徴を有する種々の熱硬化性/熱可塑性エラストマー及びプラスチックの合成においてソフト ブロック(soft block)として作用する。
【0006】
例えば、織物、カーペット、紙、革及び不織布等の繊維及び繊維状基材、フィルム及び成形品に撥油性及び撥水性を付与するための種々のフッ素系組成物の使用は、例えば米国特許第6,127,485号明細書において既知である。該文献は、繊維、織物又は成形品内に分散され、かつ該繊維、織物又は成形品の表面に存在するフッ素系化合物の合成有機ポリマーからなる疎水性及び疎油性繊維、フィルム及び成形品を開示している。
【特許文献1】米国特許第5,708,119号明細書
【特許文献2】米国特許第5,693,747号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第0694532号明細書
【特許文献4】米国特許第6,387,999号明細書
【特許文献5】欧州特許出願公開第0690039号明細書
【特許文献6】米国特許第5,807,977号明細書
【特許文献7】国際公開第96/21657号パンフレット
【特許文献8】米国特許第6,127,485号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の新規化合物が、撥水剤及び/又は撥油剤等の様々な技術用途において、又は、天然、合成又は半合成材料、好ましくは天然、合成又は半合成ポリマーにおける表面エネルギーの減少剤として有用であることが今や発見された。このような減少した表面エネル
ギーを有するポリマーは、‘‘洗浄が容易な’’、‘‘自己洗浄性の(self−cleaning)’’、‘‘防汚性の’’、‘‘汚れ除去性の(soil−release)’’、‘‘耐落書き性の(antigraffiti)’’、‘‘耐油性の’’、‘‘耐溶媒性の’’、‘‘耐薬品性の’’、‘‘自己潤滑性の(self lubricating)’’、‘‘引っかき抵抗性の’’、‘‘低い吸湿性の’’及び‘‘疎水性の’’表面を有する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、 式(I)
【化1】

(式中、
Tは、H又はRを表わし;
Rは、独立して、R1、−CO−R2、−CO−R3−COOH、−COO−R4又はR5を表わし;
1は、独立して、
【化2】

を表わし;
2は、独立して、炭素原子数3ないし20のアルケニル基、炭素原子数2ないし20のアルキニル基、炭素原子数4ないし10のシクロアルキル基、炭素原子数8ないし16のアラルケニル基又は炭素原子数8ないし16のアラルキニル基を表わし;ここで、これらの基の各々は、未置換であるか又は1つ以上のヒドロキシ基、チオール基、カルボキシル基、炭素原子数2ないし5のアルコキシカルボニル基又は炭素原子数2ないし5のアルカノイルオキシ基によって置換されるか;又は、
2は、独立して、
【化3】

、ポリ(テトラヒドロフラン)残基、ポリ(フェニレンエーテル)残基又はペルフルオロ化炭素原子数1ないし20のアルキル基を表わし;
3及びR6は、独立して、炭素原子数4ないし20のアルケニレン基又は炭素原子数2ないし20のアルキニレン基を表わし;ここで、これらの基の各々は、未置換であるか又は1つ以上の塩素原子、臭素原子又は炭素原子数1ないし4のアルキル基によって置換されるか;又は、
3及びR6は、独立して、
【化4】

、ポリ(テトラヒドロフラン)残基、ポリ(フェニレンエーテル)残基又はペルフルオロ化炭素原子数1ないし20のアルキル基を表わし;
4は、独立して、炭素原子数1ないし20のアルキル基、炭素原子数6ないし14のアリール基、炭素原子数7ないし16のアラルキル基、炭素原子数2ないし20のアルケニル基、炭素原子数2ないし20のアルキニル基、炭素原子数4ないし10のシクロアルキル基、炭素原子数8ないし16のアラルケニル基又は炭素原子数8ないし16のアラルキニル基を表わし;ここで、これらの基の各々は、未置換であるか又は1つ以上のヒドロキシ基、チオール基、カルボキシル基、炭素原子数2ないし5のアルコキシカルボニル基又は炭素原子数2ないし5のアルカノイルオキシ基によって置換されるか;又は、
4は、独立して、
【化5】

、ポリ(テトラヒドロフラン)残基、ポリ(フェニレンエーテル)残基又はペルフルオロ化炭素原子数1ないし20のアルキル基を表わし;
5は、独立して、炭素原子数1ないし20のアルキル基、炭素原子数6ないし14のアリール基、炭素原子数7ないし16のアラルキル基、炭素原子数2ないし20のアルケニル基、炭素原子数2ないし20のアルキニル基、炭素原子数4ないし10のシクロアルキル基、炭素原子数8ないし16のアラルケニル基又は炭素原子数8ないし16のアラルキニル基を表わし;ここで、これらの基の各々は、未置換であるか又は1つ以上のヒドロキシ基、チオール基、カルボキシル基、炭素原子数2ないし5のアルコキシカルボニル基又は炭素原子数2ないし5のアルカノイルオキシ基によって置換されるか;又は、
5は、独立して、
【化6】

、ポリ(テトラヒドロフラン)残基、ポリ(フェニレンエーテル)残基又はペルフルオロ化炭素原子数1ないし20のアルキル基を表わし;
7は、独立して、直接結合、炭素原子数1ないし6のアルキレン基、2ないし6個の炭素原子を有するアルキレンオキシアルキレン基、2ないし6個の炭素原子を有するアルキレンチオアルキレン基、炭素原子数1ないし6のアルキレンオキシ基、2ないし6個の炭素原子を有するアルケニレンオキシアルキレン基、3ないし9個の炭素原子を有するアルキレンチオアルキレンオキシアルキレン基;アルキレン部分が1ないし6個の炭素原子を含み、かつアミド窒素が未置換であるか又は炭素原子数1ないし5のアルキル基で更に置換されるところのカルボンアミドアルキレン基、アルキレン部分が1ないし6個の炭素原子を含み、かつアミド窒素が未置換であるか又は炭素原子数1ないし5のアルキル基で更に置換されるところのスルホンアミドアルキレン基、カルボンアミドアルキレン部分が上記で定義した通りであり、かつチオアルキレン部分が1ないし6個の炭素原子を含むところのカルボンアミドアルキレンチオアルキレン基、又はスルホンアミドアルキレン部分
が上記で定義した通りであり、かつチオアルキレン部分が1ないし6個の炭素原子を含むところのスルホンアミドアルキレンチオアルキレン基を表わすが、但し、gが1又は2を表わす場合、R7はチオ基を含まず;
x、Ry及びRzは、互いに独立して、炭素原子数1ないし5のアルキル基又は水素原子を表わし;
hは、1又は2を表わし;
gは、0、1又は2を表わすが、但し、hが2を表わす場合、gは0を表わし;
dは、0又は1を表わし、
Dは、炭素原子数2ないし10のアルキレン基、4ないし10個の炭素原子を有するアルキレンオキシアルキレン基、ペンタエリトリチルジアセテート基又はペンタエリトリチルジプロピオネート基を表わし;
nは、1又は20を表わし;
mは、2又は4を表わし;
pは、2又は30を表わし;
qは、1又は2を表わし;及び、
fは、独立して、3ないし20個の完全にフッ素化された炭素原子を有するペルフルオロ化アルキル基、アルケニル基又はシクロアルキル基を表わす。)で表わされる化合物に関する。
【0009】
好ましくは、式(I)で表わされる化合物において、TはRを表わす。
【0010】
例えば、Rは、R1、−CO−R2、−CO−R3−COOH、−COO−R4又はR5を表わす。
【0011】
7は、どちらにしても、式(I)に受け入れられ得る2価の基を表わす。2ないし6個の炭素原子を有するアルキレンオキシアルキレン基等の記載は、該基は炭素原子数1ないし5のアルキレンオキシ炭素原子数1ないし5のアルキレン基であり、ここで、該基は最大6個の炭素原子を含むと理解されるべきである。残りの定義も、同様の方法で理解されるべきである。
【0012】
好ましくは、R7は、直接結合、−CH2−、−CH(CH3)−、−CH2CH2−O−CH2−、−CH2CH2−S−CH2−、−CH=CHCH2−O−CH2−、−SO2NR8−CH2−又は−CONH−CH2CH2−O−CH2−、特に−CH2−を表わす。
8は、水素原子又は炭素原子数1ないし4のアルキル基を表わす。
好ましいのは、Rxが水素原子又はメチル基、例えば水素原子を表わす化合物である。
好ましくは、Ry及びRzは、独立して水素原子又はメチル基、特に水素原子を表わす。
【0013】
好ましくは、hは1を表わす。
興味深いのは、gが1又は2を表わす式(I)で表わされる化合物である。特に興味深いのは、gが0を表わす式(I)で表わされる化合物である。
好ましくは、dは1を表わす。また、好ましくは、dは0を表わす。
例えば、Dは、−CH2CH2−O−CH2CH2−、ペンタエリトリチルジアセテート基又はペンタエリトリチルジプロピオネート基を表わす。
好ましくは、nは、1ないし10を表わし、例えば、nは、1ないし5を表わす。
好ましくは、mは2を表わす。
好ましくは、pは、2ないし20を表わす。最も好ましくは、pは、2ないし10を表わす。
好ましくは、qは1を表わす。また、好ましくは、qは2を表わす。
fは、ペルフルオロ化アルキル同族基の混合物、又はペルフルオロ化アルケニル同族基の混合物、又はペルフルオロ化シクロアルキル同族基の混合物、例えばペルフルオロ化
炭素原子数3ないし20のアルキル基の混合物、又はペルフルオロ化炭素原子数4ないし18のアルキル基の混合物、又はペルフルオロ化炭素原子数4ないし14のアルキル基の混合物等であり得る。
好ましいのは、Rfがペルフルオロ化炭素原子数4ないし18のアルキル基、例えば直鎖のペルフルオロ化炭素原子数4ないし14のアルキル基を表わす式(I)で表わされる化合物である。
【0014】
好ましくは、R2は、独立して、炭素原子数4ないし20のアルケニル基、炭素原子数2ないし20のアルキニル基、炭素原子数4ないし10のシクロアルキル基、炭素原子数8ないし16のアラルケニル基又は炭素原子数8ないし16のアラルキニル基を表わすか;又は、R2は、独立して、
【化7】

、ポリ(テトラヒドロフラン)残基、ポリ(フェニレンエーテル)残基又はペルフルオロ化炭素原子数1ないし20のアルキル基を表わす。
より好ましくは、R2は、独立して、炭素原子数4ないし20のアルケニル基、炭素原子数2ないし20のアルキニル基、炭素原子数8ないし16のアラルケニル基又は炭素原子数8ないし16のアラルキニル基を表わすか;又は、R2は、独立して、
【化8】

、又はペルフルオロ化炭素原子数1ないし20のアルキル基を表わす。最も好ましくは、R2は、炭素原子数4ないし20のアルケニル基、炭素原子数2ないし20のアルキニル基又は炭素原子数8ないし16のアラルケニル基を表わすか;又は、R2は、
【化9】

、又はペルフルオロ化炭素原子数1ないし20のアルキル基を表わす。
【0015】
興味深いのは、R3が、独立して、炭素原子数4ないし20のアルケニレン基又は炭素原子数2ないし20のアルキニレン基を表わすか;又は、R3が、独立して、
【化10】

、ポリ(テトラヒドロフラン)残基、ポリ(フェニレンエーテル)残基又はペルフルオロ化炭素原子数1ないし20のアルキル基を表わす式(I)で表わされる化合物である。
【0016】
特に興味深いのは、R3が、独立して、炭素原子数4ないし20のアルケニレン基又は炭素原子数2ないし20のアルキニレン基を表わすか;又は、R3が、独立して、
【化11】

、又はペルフルオロ化炭素原子数1ないし20のアルキル基を表わす式(I)で表わされる化合物である。
例えば、R3は、炭素原子数4ないし20のアルケニレン基を表わす。
【0017】
好ましくは、R4は、独立して、炭素原子数1ないし20のアルキル基、炭素原子数6ないし14のアリール基、炭素原子数7ないし16のアラルキル基、炭素原子数2ないし20のアルケニル基、炭素原子数2ないし20のアルキニル基、炭素原子数4ないし10のシクロアルキル基、炭素原子数8ないし16のアラルケニル基又は炭素原子数8ないし16のアラルキニル基を表わすか;又は、R4は、独立して、
【化12】

、ポリ(テトラヒドロフラン)残基、ポリ(フェニレンエーテル)残基又はペルフルオロ化炭素原子数1ないし20のアルキル基を表わす。
より好ましくは、R4は、独立して、炭素原子数1ないし20のアルキル基、炭素原子数6ないし14のアリール基、炭素原子数7ないし16のアラルキル基、炭素原子数2ないし20のアルケニル基、炭素原子数2ないし20のアルキニル基、炭素原子数8ないし16のアラルケニル基又は炭素原子数8ないし16のアラルキニル基を表わすか;又は、R4は、独立して、
【化13】

、又はペルフルオロ化炭素原子数1ないし20のアルキル基を表わす。
例えば、R4は、炭素原子数2ないし20のアルケニル基又は
【化14】

を表わす。
【0018】
5が、独立して、炭素原子数1ないし20のアルキル基、炭素原子数6ないし14のアリール基、炭素原子数7ないし16のアラルキル基、炭素原子数2ないし20のアルケニル基、炭素原子数2ないし20のアルキニル基、炭素原子数4ないし10のシクロアルキル基、炭素原子数8ないし16のアラルケニル基又は炭素原子数8ないし16のアラルキニル基を表わすか;又は、R5が、独立して、
【化15】

、ポリ(テトラヒドロフラン)残基、ポリ(フェニレンエーテル)残基又はペルフルオロ化炭素原子数1ないし20のアルキル基を表わす化合物が好ましい。
5が、独立して、炭素原子数1ないし20のアルキル基、炭素原子数6ないし14のアリール基、炭素原子数7ないし16のアラルキル基、炭素原子数2ないし20のアルケニル基、炭素原子数2ないし20のアルキニル基、炭素原子数8ないし16のアラルケニル基又は炭素原子数8ないし16のアラルキニル基を表わすか;又は、R5が、独立して、
【化16】

を表わす化合物がより好ましい。
例えば、R5は、炭素原子数2ないし20のアルケニル基又は
【化17】

を表わす。
【0019】
好ましくは、R6は、独立して、炭素原子数4ないし20のアルケニレン基又は炭素原子数2ないし20のアルキニレン基を表わすか;又は、R6は、独立して、
【化18】

、ポリ(テトラヒドロフラン)残基、ポリ(フェニレンエーテル)残基又はペルフルオロ化炭素原子数1ないし20のアルキル基を表わす。
より好ましくは、R6は、独立して、炭素原子数4ないし20のアルケニレン基又は炭素原子数2ないし20のアルキニレン基を表わすか;又は、R6は、独立して、
【化19】

、又はペルフルオロ化炭素原子数1ないし20のアルキル基を表わす。
最も好ましくは、R6は、炭素原子数4ないし20のアルケニレン基を表わす。
【0020】
本発明はまた、式(II)
【化20】

(式中、R7、Rx、Ry、Rz、h、g、d、D及びRfは上記で定義した通りである。)で表わされる化合物と、R2−COOH、R2−COCl、R2−COOR9、HOOC−R3−COOH、ClOC−R3−COCl、R9OOC−R3−COOR9、HOOC−R6−COOH、ClOC−R6−COCl、R9OOC−R6−COOR9、R4−O−COCl、R5−Cl、R5−Br及びR5−I(式中、R2、R3、R4、R5、R6は上記で定義した通りであり、R9は炭素原子数1ないし5のアルキル基を表わす。)からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を反応させることによって得られる化合物に関する。
【0021】
上記式(I)及び(II)の定義において、用語‘‘アルキル基’’は、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、第二ブチル基、イソブチル基、第三ブチル基、2−エチルブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、1−メチルペンチル基、1,3−ジメチルブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルヘキシル基、n−ヘプチル基、2−メチルヘプチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、1−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、1,1,3−トリメチルヘキシル基、1,1,3,3−テトラメチルペンチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、1−メチルウンデシル基又はドデシル基を含む。
【0022】
アルケニル基の例は、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基
、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基及びドデセニル基である。用語‘‘アルケニル基’’はまた、共役又は非共役2重結合を1つ以上有する残基も含む。
【0023】
アルキニル基の例は、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、ヘプチニル基、オクチニル基、ノニニル基、デシニル基、ウンデシニル基及びドデシニル基である。用語‘‘アルキニル基’’はまた、共役又は非共役3重結合を1つ以上有する残基も含む。
【0024】
アルケニレン基の例は、ビニレン基、アリレン基、ブテニレン基、ペンテニレン基、ヘキセニレン基、ヘプテニレン基、オクテニレン基、ノネニレン基、デセニレン基、ウンデセニレン基及びドデセニレン基である。用語‘‘アルケニレン基’’はまた、共役又は非共役2重結合を1つ以上有する残基も含む。
【0025】
アルキニレン基の例は、エチニレン基、1−プロピニレン基、2−プロピニレン基、ブチニレン基、ペンチニレン基、ヘキシニレン基、ヘプチニレン基、オクチニレン基、ノニニレン基、デシニレン基、ウンデシニレン基及びドデシニレン基である。用語‘‘アルキニレン基’’はまた、共役又は非共役3重結合を1つ以上有する残基も含む。
【0026】
シクロアルキル基の幾つかの例は、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロペンチル基、ジメチルシクロペンチル基及びメチルシクロヘキシル基である。
【0027】
興味深いのは、
a)天然、合成又は半合成材料、及び、
b)本発明の少なくとも1種の化合物
を含む組成物である。
【0028】
ヒト、動物等のあらゆる生物又はそれらのあらゆる部分も、この天然、合成又は半合成材料には含まれない。
【0029】
好ましいのは、成分a)がプラスチック材料、コーティング、ガラス、木材、紙、革、繊維材料又は織物である組成物である。
【0030】
特に興味深いのは、成分b)が、成分a)の質量に基づき0.001%ないし20%の量、より好ましくは0.01%ないし10%の量、例えば0.1%ないし5%の量で存在する組成物である。
【0031】
好ましくは、天然、合成又は半合成材料は、天然、半合成又は合成有機ポリマー、例えば合成有機ポリマーである。
【0032】
このような天然、合成又は半合成材料の実例を以下に示す:
1.モノオレフィン及びジオレフィンのポリマー、例えばポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブテ−1−エン、ポリ−4−メチルペンテ−1−エン、ポリビニルシクロヘキサン、ポリイソプレン又はポリブタジエン、並びにシクロオレフィン、例えばシクロペンテン又はノルボルネンのポリマー、ポリエチレン(所望により架橋され得る)、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)、高密度及び高分子量ポリエチレン(HDPE−HMW)、高密度及び超高分子量ポリエチレン(HDPE−UHMW)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、(VLDPE)及び(ULDPE)である。
【0033】
ポリオレフィン、すなわち前の段落において例示したモノオレフィンのポリマー、好ましくはポリエチレン及びポリプロピレンは、異なる方法によりそしてとりわけ以下の方法により調製され得る:
a)ラジカル重合(通常は高圧下及び高温において)。
b)通常、周期表のIVb、Vb、VIb又はVIII群の金属の一つ又はそれ以上を含む触媒を使用した触媒重合。これらの金属は通常、一つ又はそれ以上の配位子、典型的にはπ−又はσ−配位し得るオキシド、ハロゲン化物、アルコレート、エステル、エーテル、アミン、アルキル、アルケニル及び/又はアリールを有する。これらの金属錯体は遊離形態であるか、又は基材に、典型的には活性化塩化マグネシウム、チタン(III)クロリド、アルミナ又は酸化ケイ素に固定され得る。これらの触媒は、重合媒体中に可溶又は不溶であり得る。該触媒は重合においてそのまま使用され得、又は他の活性化剤、典型的には金属アルキル、金属ヒドリド、金属アルキルハライド、金属アルキルオキシド又は金属アルキルオキサンであって、該金属が周期表のIa、IIa及び/又はIIIa群の元素であるものが使用され得る。活性化剤は、他のエステル、エーテル、アミン又はシリルエーテル基で都合良く変性され得る。これらの触媒系は通常、フィリップス、スタンダード・オイル・インディアナ、チグラー(−ナッタ)、TNZ(デュポン)、メタロセン又はシングルサイト触媒(SSC)と命名される。
【0034】
2.1)で言及されたポリマーの混合物、例えばポリプロピレンとポリイソブチレン、ポリプロピレンとポリエチレン(例えば、PP/HDPE、PP/LDPE)の混合物、及び異なる型のポリエチレンの混合物(例えば、LDPE/HDPE)。
【0035】
3.モノオレフィン及びジオレフィンの互いの又は他のビニルモノマーとのコポリマー、例えばエチレン/プロピレンコポリマー、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)及びその低密度ポリエチレン(LDPE)との混合物、プロピレン/ブテ−1−エンコポリマー、プロピレン/イソブチレンコポリマー、エチレン/ブテ−1−エンコポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー、エチレン/メチルペンテンコポリマー、エチレン/ヘプテンコポリマー、エチレン/オクテンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキサンコポリマー、エチレン/シクロオレフィンコポリマー(例えば、エチレン/ノルボルネン様COC)、1−オレフィンが現場で生成されるエチレン/1−オレフィンコポリマー;プロピレン/ブタジエンコポリマー、イソブチレン/イソプレンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキセンコポリマー、エチレン/アルキルアクリレートコポリマー、エチレン/アルキルメタクリレートコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー又はエチレン/アクリル酸コポリマー及びそれらの塩(アイオノマー)並びにエチレンとプロピレン及びへキサジエン、ジシクロペンタジエン又はエチリデン−ノルボルネンのようなジエンとのターポリマー;及びそのようなコポリマーの互いの及び1)で上述したポリマーとの混合物、例えばポリプロピレン/エチレン−プロピレンコポリマー、LDPE/エチレン−酢酸ビニルコポリマー(EVA)、LDPE/エチレン−アクリル酸コポリマー(EAA)、LLDPE/EVA、LLDPE/EAA及び交互又はランダムポリアルキレン/一酸化炭素コポリマー及びそれらの他のポリマー、例えばポリアミドとの混合物。
【0036】
4.水素化変性物(例えば粘着付与剤)を含む炭化水素樹脂(例えば炭素原子数5ないし9)及びポリアルキレン及びデンプンの混合物。
【0037】
1.)ないし4.)のホモポリマー及びコポリマーは、シンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミ−アイソタクチック又はアタクチックを含むいずれの立体構造をも有し;アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーがまた含まれる。
【0038】
5.ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)。
【0039】
6.スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンの全ての異性体、とりわけp−ビニルトルエン、エチルスチレン、プロピルスチレン、ビニルビフェニル、ビニルナフタレン、及びビニルアントラセンの全ての異性体、及びそれらの混合物を含む芳香族ビニルモノマーから誘導された芳香族ホモポリマー及びコポリマー。ホモポリマー及びコポリマーはシンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミ−アイソタクチック又はアタクチックを含むいずれの立体構造をも有し;アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーがまた含まれる。
【0040】
6a.エチレン、プロピレン、ジエン、ニトリル、酸、マレイン酸無水物、マレイミド、酢酸ビニル及び塩化ビニル又はそのアクリル誘導体及び混合物から選択される上述された芳香族ビニルモノマー及びコモノマーを含むコポリマー、例えば、スチレン/ブタジエン、スチレン/アクリロニトリル、スチレン/エチレン(共重合体)、スチレン/アルキルメタクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルアクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルメタクリレート、スチレン/マレイン酸無水物、スチレン/アクリロニトリル/メチルアクリレート;スチレンコポリマー及び他のポリマー、例えばポリアクリレート、ジエンポリマー又はエチレン/プロピレン/ジエンターポリマーの高耐衝撃性の混合物;及びスチレン/ブタジエン/スチレン、スチレン/イソプレン/スチレン、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン又はスチレン/エチレン/プロピレン/スチレンのようなスチレンのブロックコポリマー。
【0041】
6b.6.)で言及されたポリマーの水素化から誘導された水素化芳香族ポリマー、とりわけアタクチックポリスチレンを水素化することにより調製されるポリシクロヘキシルエチレン(PCHE)を含み、しばしばポリビニルシクロヘキサン(PVCH)として言及される。
【0042】
6c.6a.)で言及されたポリマーの水素化から誘導された水素化芳香族ポリマー。
【0043】
ホモポリマー及びコポリマーはシンジオタクチック、アイソタクチック、ヘミ−アイソタクチック又はアタクチックを含むいずれの立体構造をも有し;アタクチックポリマーが好ましい。ステレオブロックポリマーがまた含まれる。
【0044】
7.スチレン又はα−メチルスチレンのような芳香族ビニルモノマーのグラフトコポリマー、例えばポリブタジエンにスチレン、ポリブタジエン−スチレン又はポリブタジエン−アクリロニトリルコポリマーにスチレン;ポリブタジエンにスチレン及びアクリロニトリル(又はメタクリロニトリル);ポリブタジエンにスチレン、アクリロニトリル及びメチルメタクリレート;ポリブタジエンにスチレン及びマレイン酸無水物;ポリブタジエンにスチレン、アクリロニトリル及びマレイン酸無水物又はマレイミド;ポリブタジエンにスチレン及びマレイミド;ポリブタジエンにスチレン及びアルキルアクリレート又はメタクリレート;エチレン/プロピレン/ジエンターポリマーにスチレン及びアクリロニトリル;ポリアルキルアクリレート又はポリアルキルメタクリレートにスチレン及びアクリロニトリル;アクリレート/ブタジエンコポリマーにスチレン及びアクリロニトリル、並びにそれらの6)に列挙されたコポリマーとの混合物、例えばABS、MBS、ASA又はAESポリマーとして既知であるコポリマー混合物。
【0045】
8.ポリクロロプレン、塩化ゴム、イソブチレン−イソプレンの塩化及び臭化コポリマー(ハロブチルゴム)、塩化又はスルホ塩化ポリエチレン、エチレン及び塩化エチレンのコポリマー、エピクロロヒドリンホモ−及びコポリマー、とりわけハロゲン含有ビニル化合物のポリマー、例えばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ボリフッ化ビニリデンならびに塩化ビニル/塩化ビニリデン、塩化ビニル/酢酸ビニル又は塩
化ビニリデン/酢酸ビニルコポリマーのようなそれらのコボリマーのようなハロゲン含有ポリマー。
【0046】
9.α,β−不飽和酸から誘導されたポリマー及びポリアクリレート及びポリメタクリレートのようなその誘導体;ブチルアクリレートで耐衝撃改善されたポリメチルメタクリレート、ポリアクリルアミド及びポリアクリロニトリル。
【0047】
10.9)で言及されたモノマーの互いの又は他の不飽和モノマーとのコポリマー、例えばアクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、アクリロニトリル/アルキルアクリレートコポリマー、アクリロニトリル/アルコキシアルキルアクリレート又はアクリロニトリル/ビニルハライドコポリマー又はアクリロニトリル/アルキルメタクリレート/ブタジエンターポリマー。
【0048】
11.不飽和アルコール及びアミンから誘導されたポリマー又はそれらのアシル誘導体又はアセタール、例えばポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルステアレート、ポリビニルベンゾエート、ポリビニルマレエート、ポリビニルブチラール、ポリアリルフタレート又はポリアリルメラミン;並びに上の1)で言及されたオレフィンとそれらのコポリマー。
【0049】
12.ポリアルキレングリコール、ボリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド又はビスグリシジルエーテルとそれらのコポリマーのような環式エーテルのホモポリマー及びコポリマー。
【0050】
13.ポリオキシメチレンのようなポリアセタール及びコモノマーとしてエチレンオキシドを含むポリオキシメチレン;熱可塑性ポリウレタン、アクリレートまたはMBSで変性されたポリアセタール。
【0051】
14.ポリフェニレンオキシド及びスルフィド、及びポリフェニレンオキシドとスチレンポリマー又はポリアミドとの混合物。
【0052】
15.一方はヒドロキシル末端化されたポリエーテル、ポリエステル及びポリブタジエンと、他方は脂肪族又は芳香族のポリイソシアナートから誘導されたポリウレタン、並びにそれらの前駆体。
【0053】
16.ジアミシとジカルボン酸から及び/又はアミノカルボン酸又は対応するラクタムから誘導されたポリアミド及びコポリアミド、例えばポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド6/6、6/10、6/9、6/12、4/6、12/12、ポリアミド11、ポリアミド12、m−キシレンジアミン及びアジピン酸から開始した芳香族ポリアミド;へキサメチレンジアミン及びイソフタル酸及び/又はテレフタル酸から及び変性剤としてのエラストマーを用いて又は用いずに調製されたポリアミド、例えばポリ−2,4,4−トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド又はポリ−m−フェニレンイソフタルアミド:及び上述されたポリアミドとポリオレフィン、オレフィンコポリマー、アイオノマー又は化学的に結合されたか又はグラフトされたエラストマーとのブロックコポリマー;又は例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール又はポリテトラメチレングリコールのようなポリエーテルとのブロックコポリマー;ならびにEPDM又はABSで変性されたポリアミド又はコポリアミド;及び加工の間に縮合されたポリアミド(RIMポリアミド系)。
【0054】
17.ポリ尿素、ポリイミド、ボリアミド−イミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリヒダントイン及びポリベンズイミダゾール。
【0055】
18.ジカルボン酸とジオールから及び/又はヒドロキシカルボン酸又は対応するラクトンから誘導されたポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−ジメチロールシクロヘキサンテレフタレート、ポリアルキレンナフタレート(PAN)及びポリヒドロキシベンゾエート、ならびにヒドロキシル末端ポリエーテルから誘導されたブロックコポリエーテルエステル;及びまたポリカーボネート又はMBSで変性されたポリエステル。
【0056】
19.ポリカーボネート及びポリエステルカーボネート。
【0057】
20.ポリスルホン、ポリエーテルスルホン及びポリエーテルケトン。
【0058】
21.フェノール/ホルムアルデヒド樹脂、尿素/ホルムアルデヒド樹脂及びメラミン/ホルムアルデヒド樹脂のような、1方ではアルデヒドから、他方ではフェノール、尿素及びメラミンから誘導された架橋ポリマー。
【0059】
22.乾性及び非乾性アルキド樹脂。
【0060】
23.飽和及び不飽和ジカルボン酸と、架橋剤としての多価アルコール及びビニル化合物とのコポリマーから誘導される不飽和ポリエステル樹脂、及びまたそれ自体低易燃性のハロゲン含有変性体。
【0061】
24.置換されたアクリレートから誘導された架橋性アクリル樹脂、例えばエポキシアクリレート、ウレタンアクリレート又はポリエステルアクリレート。
【0062】
25.メラミン樹脂、尿素樹脂、イソシアネート、イソシアヌレート、ポリイソシアネート又はエポキシ樹脂で架橋されたアルキド樹脂、ポリエステル樹脂及びアクリレート樹脂。
【0063】
26.脂肪族、環式脂肪族、複素環式又は芳香族グリシジル化合物、例えばビスフェノールAとビスフェノールFのジグリシジルエーテル生成物から誘導される架橋されたエポキシ樹脂であって、酸無水物又はアミンのような慣用の硬化剤により、又は所望により促進剤の存在下、架橋された前記エポキシ樹脂。
【0064】
27.セルロース、ゴム、ゼラチンのような天然ポリマー及び化学的に変性されたそれらの同族の誘導体、例えば酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース及び酪酸セルロース、又はメチルセルロースのようなセルロースエーテル、並びにロジン及びその誘導体。
【0065】
28.前記ポリマー(ポリブレンド)のブレンド及びアロイ、例えばPP/EPDM、ポリアミド/EPDM又はABS、PVC/EVA、PVC/ABS、PVC/MBS、PC/ABS、PC/ポリエステル、PBTP/ABS、PC/ASA、PC/PBT、PVC/CPE、PVC/アクリレート、POM/熱可塑性PUR、PC/熱可塑性PUR、POM/アクリレート、POM/MBS、PPO/HIPS、PPO/PA6.6及びコポリマー、PA/HDPE、PA/PP、PA/PPO、PBT/PC/ABS又はPBT/PET/PC。
【0066】
29.純粋なモノマー状化合物又は該化合物の混合物である天然由来の及び合成有機材料、例えば鉱油、動物又は植物性油脂、オイル及びワックス、又は合成エステル(例えばフタレート、アジペート、ホスフェート又はトリメリテート)に基づくオイル、脂肪及びワックス、及びまたあらゆる質量比における鉱油と合成エステルの混合物、典型的には、
紡糸組成物として使用されるもの、並びに該材料の水性エマルジョン。
【0067】
30.天然又は合成ゴム、例えば天然ラテックス又はカルボキシル化スチレン/ブタジエンコポリマーのラテックスの水性エマルジョン。
【0068】
式(I)で表わされる化合物に加えて、本発明の組成物は、典型的には以下に示す更なる添加剤を含み得る:
1.抗酸化剤
1.1.アルキル化モノフェノール、
例えば、2,6−ジ−第三ブチル−4−メチルフェノール、2−第三ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−イソブチルフェノール、2,6−ジシクロペンチル−4−メチルフェノール、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−メトキシメチルフェノール、線状又は側鎖において分岐したノニルフェノール、例えば、2,6−ジ−ノニル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルウンデシ−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルヘプタデシ−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルトリデシ−1’−イル)フェノール及びそれらの混合物。
【0069】
1.2.アルキルチオメチルフェノール、
例えば、2,4−ジオクチルチオメチル−6−第三ブチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−メチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−エチルフェノール、2,6−ジ−ドデシルチオメチル−4−ノニルフェノール。
【0070】
1.3.ヒドロキノン及びアルキル化ヒドロキノン、
例えば、2,6−ジ−第三ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ−第三ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−第三アミルヒドロキノン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノール、2,6−ジ−第三ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルステアレート、ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アジペート。
【0071】
1.4.トコフェロール、
例えば、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール及びそれらの混合物(ビタミンE)。
【0072】
1.5.ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル、
例えば、2,2’−チオビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−オクチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−2−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(3,6−ジ−第二アミルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ジスルフィド。
【0073】
1.6.アルキリデンビスフェノール、
例えば、2,2’−メチレンビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−第三ブチル−4−エチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)−フェノール]、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−ノ
ニル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(6−第三ブチル−4−イソブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,2’−メチレンビス[6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−第三ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(6−第三ブチル−2−メチルフェノール)、1,1−ビス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、2,6−ビス(3−第三ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−n−ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコールビス[3,3−ビス(3’−第三ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルベンジル)−6−第三ブチル−4−メチルフェニル]テレフタレート、1,1−ビス(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ2−メチルフェニル)−4−n−ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5−テトラ(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ペンタン。
【0074】
1.7.O−、N−及びS−ベンジル化合物
例えば、3,5,3’,5’−テトラ−第三ブチル−4,4’−ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三ブチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4−第三ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)ジチオテレフタレート、ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、イソオクチル−3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルメルカプトアセテート。
【0075】
1.8.ヒドロキシベンジル化マロネート
例えば、ジオクタデシル−2,2−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−2−ヒドロキシベンジル)マロネート、ジ−オクタデシル−2−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)マロネート、ジドデシルメルカプトエチル−2,2−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、ビス−[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]−2,2−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート。
【0076】
1.9.芳香族ヒドロキシベンジル化合物
例えば、1,3,5−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,4−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フェノール。
【0077】
1.10.トリアジン化合物
例えば、2,4−ビス(オクチルメルカプト)−6−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,2,3−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−
第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−第三ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、2,4,6−トリス−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルエチル)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)−ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート。
【0078】
1.11.ベンジルホスホネート
例えば、ジメチル−2,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル−3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル−3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル−5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルベンジルホスホネート、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸のモノエチルエステルのカルシウム塩。
【0079】
1.12.アシルアミノフェノール
例えば、4−ヒドロキシラウラニリド、4−ヒドロキシステアラニリド、オクチルN−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)カルバメート。
【0080】
1.13.β−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のエステルであって、一価又は多価アルコール、例えば、
メタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0081】
1.14.β−(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸のエステルであって、一価または多価アルコール、例えば、
メタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン;3,9−ビス[2−{3−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]−ウンデカンとのエステル。
【0082】
1.15.β−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のエステルであって、一価又は多価アルコール、例えば、
メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメ
チル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0083】
1.16.3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸のエステルであって、一価又は多価アルコール、例えば、
メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0084】
1.17.β−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、例えば、
N,N’−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)トリメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジド、N,N’−ビス[2−(3−[3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニルオキシ)エチル]オキサミド(ユニロイヤル社製ナウガードXL−1;登録商標:Naugard)。
【0085】
1.18.アスコルビン酸(ビタミンC)
【0086】
1.19.アミン酸化防止剤
例えば、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−第二ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジシクロヘキシル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(2−ナフチル)−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、4−(p−トルエンスルファモイル)ジフェニルアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−第二ブチル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N−アリルジフェニルアミン、4−イソプロポキシジフェニルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−(4−第三オクチルフェニル)−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、例えばp,p’−ジ−第三オクチルジフェニルアミン、4−n−ブチルアミノフェノール、4−ブチリルアミノフェノール、4−ノナノイルアミノフェノール、4−ドデカノイルアミノフェノール、4−オクタデカノイルアミノフェノール、ビス(4−メトキシフェニル)アミン、2,6−ジ−第三ブチル−4−ジメチルアミノメチルフェノール、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,2−ビス[(2−メチルフェニル)アミノ]エタン、1,2−ビス(フェニルアミノ)プロパン、(o−トリル)ビグアニド、ビス[4−(1’,3’−ジメチルブチル)フェニル]アミン、第三オクチル化N−フェニル−1−ナフチルアミン、モノ−及びジアルキル化第三ブチル/第三オクチルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化ノニルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化ドデシルジフ
ェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化イソプロピル/イソヘキシルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化第三ブチルジフェニルアミンの混合物、2,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−4H−1,4−ベンゾチアジン、フェノチアジン、モノ−及びジアルキル化第三ブチル/第三オクチルフェノチアジンの混合物、モノ−及びジアルキル化第三オクチルフェノチアジンの混合物、N−アリルフェノチアジン、N,N,N’,N’−テトラフェニル−1,4−ジアミノブテ−2−エン。
【0087】
2.紫外線吸収剤及び光安定剤
2.1.2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール
例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5’−第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第二ブチル−5’−第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−第三アミル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−ドデシル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニルベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾレ−2−イルフェノール];2−[3’−第三ブチル−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)−2’−ヒドロキシ−フェニル]−2H−ベンゾトリアゾールとポリエチレングリコール300とのエステル交換生成物;Rが3’−第三ブチル−4’−ヒドロキシ−5’−2H−ベンゾトリアゾリ−2−イルフェニル基を表す[R−CH2CH2−COO−CH2CH2−]2−、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(α,α−ジメチルベンジル)−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]ベンゾトリアゾール;2−[2’−ヒドロキシ−3’− (1,1,3,3−テトラメチルブチル)−5’−(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール。
【0088】
2.2.2−ヒドロキシベンゾフェノン
例えば、4−ヒドロキシ、4−メトキシ、4−オクチルオキシ、4−デシルオキシ、4−ドデシルオキシ、4−ベンジルオキシ、4,2’,4’−トリヒドロキシ及び2’−ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ誘導体。
【0089】
2.3.置換された及び非置換の安息香酸のエステル
例えば、4−第三ブチル−フェニルサリチレート、フェニルサリチレート、オクチルフェニルサリチレート、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4−第三ブチルベンゾイル)
レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、2,4−ジ−第三ブチルフェニル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、オクタデシル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−メチル−4,6−ジ−第三ブチルフェニル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート。
【0090】
2.4.アクリレート
例えば、エチルα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、イソオクチルα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチルα−カルボメトキシシンナメート、メチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、ブチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、メチルα−カルボメトキシ−p−メトキシシンナメート及びN−(β−カルボメトキシ−β−シアノビニル)−2−メチルインドリン、ネオペンチルテトラ(α−シアノ−β,β−ジ−フェニルアクリレート)。
【0091】
2.5.ニッケル化合物
例えば、n−ブチルアミン、トリエタノールアミン又はN−シクロヘキシルジエタノールアミンのような他の配位子を伴うか又は伴わない1:1又は1:2錯体のような2,2’−チオビス−[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]のニッケル錯体、ニッケルジブチルジチオカルバメート、モノアルキルエステルのニッケル塩、例えば4−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三ブチルベンジルホスホン酸のメチル又はエチルエステル、ケトキシム、例えば2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル−ウンデシルケトキシムのニッケル錯体、他の配位子を伴うか又は伴わない1−フェニル−4−ラウロイル−5−ヒドロキシピラゾールのニッケル錯体。
【0092】
2.6.立体障害性アミン
例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)n−ブチル−3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとコハク酸の縮合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−第三オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの線状又は環状縮合物、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,1’−(1,2−エタンジイル)−ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三ブチルベンジル)マロネート、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)スクシネート、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの線状又は環状縮合物、2−クロロ−4,6−ビス(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンの縮合物、2−クロロ−4,6−ジ−(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンの縮合物、8−アセチ
ル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、4−ヘキサデシルオキシ−と4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの混合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−シクロヘキシルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの縮合物、1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン並びに4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの縮合物(CAS登録番号:136504−96−6);1,6−ヘキサンジアミンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン、並びにN,N−ジブチルアミンと4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの縮合物(CAS登録番号:192268−64−7)、N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、2−ウンデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソ−スピロ[4.5]デカン、7,7,9,9−テトラメチル−2−シクロウンデシル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソ−スピロ[4.5]デカンとエピクロロヒドリンの反応生成物、1,1−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)−2−(4−メトキシフェニル)エテン、N,N’−ビス−ホルミル−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、4−メトキシメチレンマロン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ヒドロキシピペリジンとのジエステル、ポリ[メチルプロピル−3−オキシ−4−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)]シロキサン、マレイン酸無水物−α−オレフィンコポリマーと2,2,6,6−テトラメチル−4−アミノピペリジン又は1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−アミノピペリジンとの反応生成物、2,4−ビス[N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジニ−4−イル)−N−ブチルアミノ]−6−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、5−(2−エチルヘキサノイル)オキシメチル−3,3,5−トリメチル−2−モルホリノン、サンデュボー(Sanduvor)(クラリアント社製;(CAS登録番号:106917−31−1)、5−(2−エチルヘキサノイル)オキシメチル−3,3,5−トリメチル−2−モルホリノン、2,4−ビス[(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−ピペリジニ−4−イル)ブチルアミノ]−6−クロロ−s−トリアジンとN,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミンの反応生成物、1,3,5−トリス(N−シクロヘキシル−N−(2,2,6,6−テトラメチルピペラジノ−3−オン−4−イル)アミノ)−s−トリアジン、1,3,5−トリス(N−シクロヘキシル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペラジノ−3−オン−4−イル)アミノ)−s−トリアジン。
【0093】
2.7.オキサミド、
例えば、4,4’−ジオクチルオキシオキサニリド、2,2’−ジエトキシオキサニリド、2,2’−ジオクチルオキシ−5,5’−ジ−第三ブトキサニリド、2,2’−ジドデシルオキシ−5,5’−ジ−第三ブトキサニリド、2−エトキシ−2’−エチルオキサニリド、N,N’−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2−エトキシ−5−第三ブチル−2’−エトキサニリド及びその2−エトキシ−2’−エチル−5,4’−ジ−第三ブトキサニリドとの混合物、o−及びp−メトキシ−二置換オキサニリドの混合物及びo−及びp−エトキシ−二置換オキサニリドの混合物。
【0094】
2.8. 2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、
例えば、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,
3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−トリデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシプロピルオキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−(ドデシルオキシ/トリデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ)フェニル−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[2−ヒドロキシ−4−(3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシフェニル)−4−(4−メトキシフェニル)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2−{2−ヒドロキシ−4−[3−(2−エチルヘキシル−1−オキシ)−2−ヒドロキシプロピルオキシ]フェニル}−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(4−[2−エチルヘキシルオキシ]−2−ヒドロキシフェニル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン。
【0095】
3.金属奪活剤
例えば、N,N’−ジフェニルオキサミド、N−サリチラル−N’−サリチロイル−ヒドラジン、N,N’−ビス(サリチロイル)ヒドラジン、N,N’−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、3−サリチロイルアミノ−1,2,4−トリアゾール、ビス(ベンジリデン)オキサリルジヒドラジド、オキサニリド、イソフタロイルジヒドラジド、セバコイルビスフェニルヒドラジド、N,N’−ジアセチルアジポイルジヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)オキサリルジヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)チオプロピオニルジヒドラジド。
【0096】
4.ホスフィット及びホスホナイト、
例えば、トリフェニルホスフィット、ジフェニルアルキルホスフィット、フェニルジアルキルホスフィット、トリス(ノニルフェニル)ホスフィット、トリラウリルホスフィット、トリオクタデシルホスフィット、ジステアリルペンタエリトリトールジホスフィット、トリス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)ホスフィット、ジイソデシルペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−クミルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,6−ジ−第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ジイソデシルオキシペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−第三ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4,6−トリス(第三ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、トリステアリルソルビトールトリホスフィット、テトラキス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、6−イソオクチルオキシ−2,4,8,10−テトラ−第三ブチル−12H−ジベンズ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシ
ン、ビス(2,4−ジ−第三ブチル−6−メチルフェニル)メチルホスフィット、ビス(2,4−ジ−第三ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスフィット、6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ−第三ブチル−12−メチル−ジベンズ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、2,2’,2’’−ニトリロ[トリエチルトリス(3,3’,5,5’−テトラ−第三ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)−ホスフィット]、2−エチルヘキシル(3,3’,5,5’−テトラ−第三ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスフィット、5−ブチル−5−エチル−2−(2,4,6−トリ−第三ブチルフェノキシ)−1,3,2−ジオキサホスフィラン。
【0097】
5.ヒドロキシルアミン、
例えば、N,N−ジベンジルヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクチルヒドロキシルアミン、N,N−ジラウリルヒドロキシルアミン、N,N−ジテトラデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジヘキサデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘキサデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘプタデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、水素化牛脂アミンから誘導されたN,N−ジアルキルヒドロキシルアミン。
【0098】
6.ニトロン、
例えば、N−ベンジル−α−フェニルニトロン、N−エチル−α−メチルニトロン、N−オクチル−α−ヘプチルニトロン、N−ラウリル−α−ウンデシルニトロン、N−テトラデシル−α−トリデシルニトロン、N−ヘキサデシル−α−ペンタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−ヘキサデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ペンタデシルニトロン、N−ヘプタデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ヘキサデシルニトロン、水素化牛脂アミンから誘導されたN,N−ジアルキルヒドロキシルアミンから誘導されたニトロン。
【0099】
7.チオ相乗剤、
例えば、ジラウリルチオジプロピオネート、ジミストリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート又はジステアリルジスルフィド。
【0100】
8.ペルオキシド捕捉剤、
例えば、β−チオジプロピオン酸のエステル、例えば、ラウリル、ステアリル、ミリスチル又はトリデシルエステル、メルカプトベンゾイミダゾール又は2−メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩、亜鉛ジブチルジチオカルバメート、ジオクタデシルジスルフィド、ペンタエリトリトールテトラキス(β−ドデシルメルカプト)プロピオネート。
【0101】
9.ポリアミド安定剤
例えば、ヨウ化物及び/又はリン化合物と組み合わせた銅塩及び二価マンガンの塩。
【0102】
10.塩基性補助安定剤
例えば、メラミン、ポリビニルピロリドン、ジシアンジアミド、トリアリルシアヌレート、尿素誘導体、ヒドラジン誘導体、アミン、ポリアミド、ポリウレタン、高級脂肪酸のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、例えばカルシウムステアレート、亜鉛ステアレート、マグネシウムベヘネート、マグネシウムステアレート、ナトリウムリシノレート及びカリウムパルミテート、アンチモンピロカテコレート又は亜鉛ピロカテコレート。
【0103】
11.核剤
例えば、タルクのような無機物質、二酸化チタン、酸化マグネシウムのような金属酸化物、好ましくはアルカリ土類金属のリン酸塩、炭酸塩又は硫酸塩;モノ−又はポリカルボン酸のような有機化合物及びそれらの塩、例えば、4−第三ブチル安息香酸、アジピン酸
、ジフェニル酢酸、コハク酸ナトリウム又は安息香酸ナトリウム;イオンコポリマー(アイオノマー)のようなポリマー化合物。とりわけ好ましくは1,3:2,4−ビス(3’,4’−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ジ(パラメチルジベンジリデン)ソルビトール、及び1,3:2,4−ジ(ベンジリデン)ソルビトール。
【0104】
12.充填剤及び強化剤
例えば、炭酸カルシウム、シリケート、ガラス繊維、ガラスビーズ、アスベスト、タルク、カオリン、マイカ、硫酸バリウム、金属酸化物及び金属水酸化物、カーボンブラック、グラファイト、木粉及び他の天然物の粉末又は繊維、合成繊維。
【0105】
13.他の添加剤
例えば、可塑剤、滑剤、乳化剤、顔料、レオロジー添加剤、触媒、流れ向上剤、蛍光増白剤、防炎剤、静電防止剤、発泡剤。
好ましいIR吸収剤は、例えば、顔料、染料又は有機金属化合物である。このような顔料の例は、例えば特開2003−221523号公報に開示されている。IR吸収染料の例は、例えば特開2003−327865号公報又は欧州特許出願公開第1306404号明細書に開示されている。IR吸収有機金属化合物は、例えば欧州特許出願公開第1266931号明細書又はケミカル アブストラクト 117;112529に開示されている。
【0106】
14.ベンゾフラノン及びインドリノン
例えば、米国特許第4,325,863号明細書;米国特許第4,338,244号明細書;米国特許第5,175,312号明細書;米国特許第5,216,052号明細書;米国特許第5,252,643号明細書;独国特許出願公開第4316611号明細書;独国特許出願公開第4316622号明細書;独国特許出願公開第4316876号明細書;欧州特許出願公開第0589839号明細書;欧州特許出願公開第0591102号明細書;欧州特許出願公開第1291384号明細書に開示されるもの、又は3−[4−(2−アセトキシエトキシ)フェニル]−5,7−ジ−第三ブチル−ベンゾフラノ−2−オン、5,7−ジ−第三ブチル−3−[4−(2−ステアロイルオキシエトキシ)フェニル]ベンゾフラノ−2−オン、3,3’−ビス[5,7−ジ−第三ブチル−3−(4−[2−ヒドロキシエトキシ]フェニル)ベンゾフラノ−2−オン]、5,7−ジ−第三ブチル−3−(4−エトキシフェニル)ベンゾフラノ−2−オン、3−(4−アセトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−第三ブチルベンゾフラノ−2−オン、3−(3,5−ジメチル−4−ピバロイルオキシフェニル)−5,7−ジ−第三ブチルベンゾフラノ−2−オン、3−(3,4−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−第三ブチルベンゾフラノ−2−オン、3−(2,3−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−第三ブチルベンゾフラノ−2−オン、3−(2−アセチル−5−イソオクチルフェニル)−5−イソオクチルベンゾフラノ−2−オン。
【0107】
更なる添加剤は、典型的には、処理される材料の総質量に基づき、0.01ないし10%の濃度で使用される。
【0108】
式(I)で表わされる新規化合物は、特に、フェノール系抗酸化剤、光安定剤及び/又は加工安定剤と共に使用され得る。
【0109】
本発明の他の態様は、天然、合成又は半合成材料のための撥油剤及び/又は撥水剤としての、本発明の少なくとも1種の化合物の使用である。
【0110】
本発明はまた、天然、合成又は半合成材料に撥油性及び/又は撥水性を付与するための方法であって、本発明の少なくとも1種の化合物を前記材料に適用又は配合することを特
徴とする方法に関する。
【0111】
式(I)で表わされる化合物は、天然、合成又は半合成材料のための撥水剤及び/又は撥油剤としてもしくは表面エネルギーの減少剤として適当である。例えば、このような減少した表面エネルギーを有するポリマーは、‘‘洗浄が容易な’’、‘‘自己洗浄性の’’、‘‘防汚性の’’、‘‘汚れ除去性の’’、‘‘耐落書き性の’’、‘‘耐油性の’’、‘‘耐溶媒性の’’、‘‘耐薬品性の’’、‘‘自己潤滑性の’’、‘‘引っかき抵抗性の’’、‘‘低い吸湿性の’’及び‘‘疎水性の’’表面を有する。
【0112】
特に言及すべきことは、天然、合成又は半合成材料のための撥水剤及び/又は撥油剤としてのもしくは表面エネルギーの減少剤としての式(I)で表わされる新規化合物の効果である。
【0113】
合成ポリマーへの成分b)及び所望による更なる添加剤の配合は、既知の方法によって、例えば配合、押出し、共押出し前に又は配合、押出し、共押出し中に、もしくは、合成ポリマーに溶解又は分散した化合物を適用し、その後、必要に応じて、溶媒をゆっくりと蒸発させることによって行われる。
【0114】
本発明はまた、5ないし90質量%の量の成分a)及び5ないし80質量%の量の成分b)を含むマスターバッチ又は濃縮物の形態の組成物に関する。
【0115】
成分b)及び所望による更なる添加剤はまた、重合前又は重合中に、もしくは、架橋前に添加され得る。
【0116】
成分b)及び所望による更なる添加剤は、純粋な形態で又はワックス、オイル又はポリマー中にカプセル化された形態で、合成ポリマー中に配合され得る。
【0117】
成分b)及び所望による更なる添加剤はまた、合成ポリマー上に噴霧され得る。成分b)及び所望による更なる添加剤は、他の添加剤(例えば上記した慣用の添加剤)又はその溶融物を、一緒にポリマー上に噴霧し得るように希釈することができる。重合触媒の失活中の噴霧による添加は特に有利であり、例えば、失活のために使用したスチームを使用して、噴霧を行うことができる。
【0118】
球形に重合されたポリオレフィンの場合、例えば、所望により他の添加剤と一緒に、成分b)を、噴霧により適用することが有利であり得る。
【0119】
本発明の方法により製造された合成ポリマーは、多種多様な形態で、例えば発泡体、フィルム、繊維、テープ、成形組成物として、異形材として又はコーティング材料、特に粉末コーティング、接着剤、パテのためのバインダーとして、又は、特に、例えば、液体又はガス用のパイプ、フィルム、繊維、ジオメンブレン、テープ、異形材又はタンク等の長期間、抽出媒体と接触する厚層ポリオレフィン成形品として使用され得る。
【0120】
好ましい厚層ポリオレフィン成形品は、1ないし50mm、特に1ないし30mm、例えば2ないし10mmの層厚を有する。
【0121】
本発明に従った組成物は、様々な造形品の製造のために有利に使用され得る。その例を以下に示す:
I−1)浮動機器、海用機器用途、ポンツーン、ブイ、デッキのプラスチック製材、桟橋、ボート、カヤック、オール及び海岸の補強材。
I−2)自動車への適用、特にバンパー、ダッシュボード、バッテリー、リア及びフロ
ントのライニング、フードの下の成形部分、フードの棚板、トランクのライニング、室内のライニング、エアバッグカバー、電子用成形品(ライト)、ダッシュボードのガラス板、ヘッドランプのガラス板、計器パネル、室外ライニング、椅子張り、自動車のライト、ヘッドライト、パーキングライト、リアライト、ストップライト、内装品及び外装品;ドアパネル;ガスタンク;フロントガラス;リアウィンドウ;シート裏張り、室外パネル、ワイヤー絶縁物、シールの為の形材押出物、クラッド、柱カバー、シャシ部分、排気システム、燃料フィルター/フィラー、燃料ポンプ、燃料タンク、車体の成形品、コンバーチブル屋根、室外のミラー、室外装飾、締結具/固定具、フロント部分のモジュール、ガラス、ヒンジ、ロックシステム、手荷物用/ルーフラック、プレス/打抜き部品、封止装置、側部の衝撃保護材、防音材/絶縁材及びサンルーフ。
I−3)道路交通機器、特に交通標識、道路標識、自動車の備品、警告三角形、医療ケース、ヘルメット、タイヤ。
I−4)備品を含む、飛行機、鉄道、自動車(車、モーターバイク)用の機器。
I−5)宇宙用、特にロケット及び衛星用の機器、例えば再突入シールド。
I−6)建築及び設計の、鉱業用の用途、音響防音システム、街の避難所、及びシェルター用の機器。
II−1)取付け具、一般のケース及びカバー、及び電気/電子機器(パーソナルコンピューター、電話、携帯電話、プリンター、テレビ一式、オーディオ及びビデオ機器)、植木鉢、衛星TV用ボウル、及びパネル機器。
II−2)鋼または布のような他の材料の外被。
II−3)電子工業の機器、とりわけプラグの絶縁体、特にコンピュータープラグ、電気及び電子部品のケース、プリントボード、及びチップ、チェックカード、またはクレジットカードのような電子データ保存のための材料。
II−4)電気機具、とりわけ洗濯機、タンブラー、オーブン(マイクロ波オーブン)、皿洗い機、ミキサー、及びアイロン。
II−5)ライトカバー(例えば、街灯、ランプシェード)。
II−6)ワイヤー及びケーブルにおける用途(半導体、絶縁体及びケーブル被覆)
II−7)冷却器、冷凍機、加熱装置、空調機、電子部品の封入、半導体、コーヒー機器、及び真空掃除機のホイル。
III−1)はめば歯車(ギアー)、スライド取付品、スペーサー、スクリュー、ボルト、ハンドル、及びノブのような技術的物品。
III−2)回転翼、換気扇及びタービンの翼、ソーラー装置、スイミングプール、スイミングプールカバー、プールライナー、ポンドライナー、クロゼット、衣装ダンス、区分壁、小割壁、折畳壁、屋根、シャッター(例えば、ローラーシャッター)、建具、パイプ間の接合具、スリーブ、及びコンベヤーベルト。
III−3)衛生用品、特にシャワー室、便座、便座カバー、洗面台。
III−4)衛生用品、特にオムツ(幼児、成人の失禁用)、女性の生理用品、シャワーカーテン、ブラシ、マット、桶、移動式のトイレ、歯ブラシ、及び便器。
III−5)水、汚水、及び化学薬品のための(架橋された又はされていない)パイプ、ワイヤー及びケーブル保護のためのパイプ、ガス、オイル及び下水のためのパイプ、側溝、地下パイプ、及び排水システム
III−6)いずれかの外形の形材(窓ガラス)及び羽目の形材
III−7)ガラス代用品、とりわけ押出又は共押出プレート、ビル(モノリシック、二層または多層壁)、航空機、学校のガラス、押出シート、建築物のガラス、電車、乗物、衛生物品及び温室のための窓フィルム。
III−8)プレート(壁、まな板)、押出被覆(印画紙、テトラパック(tetrapack)、及びパイプ被覆)、サイロ、木材代用品、プラスチック製材、複合木材、壁、表面材、家具、装飾箔、床被覆(室内及び室外用途)、フローリング、踏板、及びタイル。
III−9)取入れ及び排出マニホールド
III−10)セメント−、コンクリート−、複合−用途、及びカバー、羽目板及びクラッド、手すり、手すり子、キッチンカウンター、屋根、屋根用シート、タイル及び防水シート。
IV−1)プレート(壁、まな板)、トレー、人工芝、アストロターフ、競技場(運動)の人工カバー、競技場(運動)の人工床、及びテープ。
IV−2)連続及び短繊維の織物、繊維(カーペット/衛生用品/ジオテキスタイル(geotextiles)/モノフィラメント;フィルター;ワイプ/カーテン(シェード)/医療用品)、バルク繊維(ガウン/防護衣等の用途)、ネット、ロープ、ケーブル、紐、コード、糸、安全シートベルト、衣服、下着、手袋;ブーツ;ゴムブーツ、肌着、長い上着、水着、運動着、傘(パラソル、日傘)、パラシュート、パラグライダー、帆、“気球に使用されている絹”、キャンプ用品、テント、エアーベッド、サンベッド(sun bed)、大きなバック(bulk bag)、及びバック。
IV−3)屋根、トンネル、ごみ捨て場、池、投棄場、壁、屋根膜、ジオメンブレン、スイミングプール、カーテン(シェード)/サン−シールド(sun−shields)、日除け、キャノピー、壁紙、食品パック及びラップ(柔軟な及び固形の)、医薬品のパッケージ(柔軟な及び固形の)、エアーバッグ/安全ベルト、腕−及び頭受け、カーペット、中央のコンソール、ダッシュボード、コックピット、ドア、頭上のコンソールモジュール、ドア装飾、ヘッドライナー、室内灯、室内鏡、網棚、荷台の荷物カバー、シート、ステアリング、ステアリングのホイール、布地、及びトランク装飾のためのメンブレン、絶縁体、カバー及びシール。
V)フィルム(包装用、投棄場用、積層用、農業用、及び園芸用、温室用、マルチ、トンネル用、緑蔵飼料用)、荷梱包、スイミングプール、ごみ袋、壁紙、延伸フィルム、ラフィア、海水脱塩フィルム、バッテリー、及びコネクター。
VI−1)食品パック及びラップ(柔軟な及び固形な)、ボトル。
VI−2)箱(かご)、旅行かばん、大型の収納箱、家庭用の箱、パレット、棚、トラック(tracks)、ねじ箱、パック及び缶のような収納システム。
VI−3)カートリッジ、シリンジ、医療用品、輸送のためのコンテナ、くずかご、及びごみ箱、ごみ袋、ビン、ごみ入れ、ごみ箱のライナー(bin liners)、車輪付きゴミ箱(wheely bins)、コンテナ一般、水/使用済水/化学薬品/ガス/オイル/ガソリン/軽油のためのタンク;タンクのライナー(tsnk liners)、箱、かご、バッテリーケース、トラフ、ピストン、眼病用用品、診察機器のような医療機器、及び薬剤ブリスターの梱包。
VII−1)押出被覆(印画紙、テトラパック(tetrapack)、及びパイプ被覆)、あらゆる家庭用品(例えば、電気機器、魔法壜/衣料ハンガー)、プラグ、ワイヤー及びケーブルクランプ、ジッパー、クロージャー、鍵及びスナップ−クロージャーのような締結システム。
VII−2)運動及びフィットネス機器、体操マット、スキーブーツ、インライン−スケート、スキー、ビックフット(big foot)、運動場(例えばテニスコート)のような余暇時間のための補助機器及び製品;ねじ蓋、ボトル及び缶の蓋及びストッパー。
VII−3)家具一般、発泡製品(クッション、衝撃吸収材)、フォーム、スポンジ、ふきん、マット、ガーデンチェアー、競技場シート、テーブル、ソファー、玩具、組立用具(板/フィギュア(figure)/ボール(ball))、プレイハウス、滑り台、及び遊び用乗物。
VII−4)光学及び磁気データ保存のための材料
VII−5)台所用品(食べるための、飲むための、料理するための、保存するための)
VII−6)CD類、カセット及びビデオテープの箱;DVD電子製品、全ての種類のオフィス用品(ボールペン、印鑑及び印肉、マウス、棚、トラック(tracks))、あらゆる体積のボトル及び内容物(飲料、洗剤、香水を含む化粧品)、及び接着テープ。
VII−7)履物(靴、靴底)、靴の敷皮、スパッツ、接着剤、構造用接着剤、食品箱
(果物、野菜、肉、魚)、合成紙、ボトルのラベル、ソファー、人工関節(人間)、プリントプレート(フレキソ印刷用)、プリント回路板、及び表示技術製品。
VII−8)充填ポリマー(タルク、チョーク、陶土(カオリン)、珪灰石、顔料、カーボンブラック、TiO2、雲母、ナノ複合材料、ドロマイト、シリケート、ガラス、アスベスト)のデバイス。
【0122】
特に興味深いのは、IV−2で言及された造形品及び織物である。
【0123】
それ故、本発明の更なる態様は、上記した組成物を含む造形品、特にフィルム、パイプ、異形材、ボトル、タンク又はコンテナ、繊維に関する。
【0124】
本発明の更なる態様は、上記した組成物を含む成形品に関する。成形は、特に射出成形、吹込み成形、圧縮成形、回転成形又はスラッシュ成形又は押出しによってなされる。
【0125】
本発明の化合物は、式(II)
【化21】

(式中、R7、Rx、Ry、Rz、h、g、d、D及びRfは上記で定義した通りである。)で表わされる化合物と、R2−COOH、R2−COCl、R2−COOR9、HOOC−R3−COOH、ClOC−R3−COCl、R9OOC−R3−COOR9、HOOC−R6−COOH、ClOC−R6−COCl、R9OOC−R6−COOR9、R4−O−COCl、R5−Cl、R5−Br及びR5−I(式中、R2、R3、R4、R5、R6は上記で定義した通りであり、R9は炭素原子数1ないし5のアルキル基を表わす。)からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を反応させることを特徴とする方法によって製造され得る。
【0126】
式(II)で表わされる化合物の多くの製造方法は、米国特許第5,693,747号明細書に開示されている。
【0127】
本発明のエステル、ポリエステル、カーボネート及びエーテルは、本質的に既知の方法によって製造され得る。式(I)で表わされるエステルは、式(II)で表わされるジオールとカルボン酸塩化物、エステル又はカルボキシレートを反応させることによって製造され得る。式(I)で表わされるポリエステルは、式(II)で表わされるジオールと少なくとも2種の酸塩化物、エステル又はカルボキシレート基を含む化合物を反応させることによって製造され得る。式(I)で表わされるカーボネートは、式(II)で表わされるジオールとクロロホルメートを反応させることによって製造され得る。式(I)で表わされるエーテルは、式(II)で表わされるジオールと塩化物、臭化物又はヨウ化物等のハロゲン化物を反応させることによって製造され得る。本発明のエステル、ポリエステル、エーテル及びカーボネートを製造するために使用され得るエステル、ポリエステル及びエーテルを製造するためのこれらの及び他の方法は、例えば、J.マーチ,Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms,and Structures,McGraw−Hill Kogakusha,Ltd.,Tokyo,1968及びその引用文献に開示されている。このようなカーボネートは、例えば、Y.リー及びI.シミズ,SYNLETT(1998),p.1063−1064に開示される方法に従って製造され得る。
【0128】
以下の実施例で本発明を詳細に説明する。部又はパーセントは、特に記載がない限りは、質量に関する。
【0129】
化合物A
【化22】

f=ペルフルオロ化された直鎖の炭素原子数6ないし12のアルキル基の混合物。
略語:
AATCC:米国繊維化学技術・染色技術協会。
INDA :米国不織布協会
PD :多分散指数(標準物質としてスチレンを使用したゲル透過クロマ
トグラフィーにより測定)。
【実施例】
【0130】
実施例1:化合物(101)の製造
【化23】

撹拌機及びディーンスターク装置を備え、冷却機を載せた2L丸底フラスコ中に、窒素雰囲気下で、化合物A 80.00g、キシレン 850mL、2,4−ヘキサジエン酸
32.66g及びp−トルエンスルホン酸 7.89gを充填した。混合物を140℃において6時間還流し、その後、室温まで冷却した。混合物を、K2CO3の15% w/v溶液で2度、塩水で1度洗浄した。溶媒を蒸発させた後、表題の化合物を、琥珀色の樹脂として75.93g(理論収率の81%)得た。
n=1362,Mw=1420,PD=1.04(マイナス極性).1H NMR:(300MHz,アセトン d6),δ=7.25(m,1H,CH=);6.15(m,2H,2CH=);5.70(d,1H,J=15Hz,CH=);5.40(m,1H,CH−O);2.85(m,2H,CH2);2.50(m,2H,CH2),1.80(m,3H,CH3).
【0131】
実施例2:化合物(102)の製造
【化24】

冷却機を備えた250mL丸底フラスコ中に、窒素雰囲気下で、化合物A 5.0g、キシレン 90mL、ジメチルアミノピリジン 1.11g及び塩化シンナモイル 1.63gを充填した。混合物を140℃において4時間還流し、その後、室温まで冷却した。混合物を濾過し、得られた有機相を1N HClで2度、その後NaOHの20% w/v溶液で、そして最後にK2CO3の15% w/v溶液で洗浄した。溶媒を蒸発させた後、表題の化合物を、黄色ワックスとして4.12g(理論収率の67%)得た。
n=1352,Mw=1364,PD=1.0.1H NMR:(400MHz,アセトン d6),δ=7.64(d,2H,COCH=,J=16.0Hz),7.53(m,4H,ArCH),7.30(m,6H,ArCH),6.47(dd,2H,CH=,J=16.0,7.3Hz),3.01(m,4H,CH2),2.73(m,4H,CH2S).
【0132】
実施例3:化合物(103)の製造
【化25】

250mL丸底フラスコ中に、窒素雰囲気下で、化合物A 5.0g、メチルイソブチルケトン 90mL、ジメチルアミノピリジン 1.11g及びペルフルオロブチリルクロリド 2.06gを充填した。混合物を24時間室温で維持し、その後、濾過した。有機相を1N HClで2度、その後塩水で1度洗浄した。溶媒を蒸発させた後、表題の化合物を、黄色オイルとして4.89g(理論収率の82%)得た。
n=1159,Mw=1299,PD=1.12.1H NMR:(300MHz,CDCl3),δ=5.60(m,2H,CHO),2.94(m,4H,CH2),2.67(m,4H,CH2).
【0133】
実施例4:化合物(104)の製造
【化26】

冷却機を備えた250mL丸底フラスコ中に、窒素雰囲気下で、化合物A 10.0g、キシレン 140mL、2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸 4.7g及びp−トルエンスルホン酸 1.03gを充填した。混合物を6時間還流し、その後、室温まで冷却した。混合物を濾過し、得られた有機相をK2CO3の20質量%溶液で2度洗浄した。溶媒を蒸発させた後、表題の化合物を、褐色オイルとして8.6g(理論収率の67%)得た。
Mn=1284,Mw=1456,PD=1.13.1H NMR:(400MHz,CDCl3),δ=5.42(m,2H,CHO),4.11(m,4H,CH2O),3.70−3.55(m,12H,CH2O),3.49(m,4H,CH2O),3.30(s,6H CH3O),2.78(m,4H,CH2O),2.50(m,4H,CH2O).
【0134】
実施例5:化合物(105)の製造
【化27】

250mL丸底フラスコ中に、窒素雰囲気下で、化合物A 9.0g、メチルイソブチルケトン 150mL、NaOH 1.28g及びアリルブロミド 4.83g(3.4
mL)を充填した。混合物を60℃において72時間維持し、その後、濾過した。有機相を水で1度洗浄した。溶媒を蒸発させた後、表題の化合物を、オレンジ色オイルとして8.76g(理論収率の91%)得た。
n=1155,Mw=1215,PD=1.05.1H NMR:(300MHz,CDCl3),δ=5.91(m,2H,2CH=),5.27(m,4H,2CH2=),4.06(m,4H,2=CHCH2),3.97(m,2H,2CHO),2.85(m,4H,2CH2),2.44(m,4H,2CH2).
【0135】
実施例6:ポリプロピレンにおける撥水性及び撥油性
a)合成した化合物の撥水性及び撥油性を決定するために、それらを以下の方法に従って試験した。サンプル調製は、ポリプロピレン(PP)不織布及び該添加剤及び熱処理(例えば、130℃で10分間)を組み合わせて行い、そしてそれは、表面への添加剤の移動及び化学基の適切な表面転移を可能にする。この特別な熱サイクルは、フルオロケミカルを溶融し、基材の表面に均一に再分布するために必要とされる。
ポリプロピレン不織布の産業サンプル(繊維質量:40g/m2)を試験化合物の1%イソプロパノール溶液中に浸漬し、同時に、超音波エネルギーを1分間適用した。サンプルを、室温で一晩、その後、オーブン中で90℃において2時間乾燥させた。その後、サンプルの一部を130℃において10分間アニールした。
b)処理した不織布サンプルを、INDA試験法80.8(99)と同様の撥水性試験で評価した。不織布の湿潤挙動を、一連の水/イソプロパノール混合物を用いて試験した。湿潤挙動の観測結果は、0(水により湿潤、撥水性なし)ないし10(最適な撥水性)で評価した。結果を表1にまとめた。
c)処理した不織布サンプルを、AATCC試験法118−1997/ISO 14419と同様の撥油性試験で評価した。この試験は、既に上記した撥水性試験法と同様の概念で行ったが、試験溶媒として一連の炭化水素を使用した。湿潤挙動の観測結果は、0(撥油性なし)ないし8(最適な撥油性)で評価した。結果を表2にまとめた。
表1:
【表1】

表2:
【表2】

a)比較例
b)本発明に従う例



【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

(式中、
Tは、H又はRを表わし;
Rは、独立して、R1、−CO−R2、−CO−R3−COOH、−COO−R4又はR5を表わし;
1は、独立して、
【化2】

を表わし;
2は、独立して、炭素原子数3ないし20のアルケニル基、炭素原子数2ないし20のアルキニル基、炭素原子数4ないし10のシクロアルキル基、炭素原子数8ないし16のアラルケニル基又は炭素原子数8ないし16のアラルキニル基を表わし;ここで、これらの基の各々は、未置換であるか又は1つ以上のヒドロキシ基、チオール基、カルボキシル基、炭素原子数2ないし5のアルコキシカルボニル基又は炭素原子数2ないし5のアルカノイルオキシ基によって置換されるか;又は、
2は、独立して、
【化3】

、ポリ(テトラヒドロフラン)残基、ポリ(フェニレンエーテル)残基又はペルフルオロ化炭素原子数1ないし20のアルキル基を表わし;
3及びR6は、独立して、炭素原子数4ないし20のアルケニレン基又は炭素原子数2ないし20のアルキニレン基を表わし;ここで、これらの基の各々は、未置換であるか又は1つ以上の塩素原子、臭素原子又は炭素原子数1ないし4のアルキル基によって置換されるか;又は、
3は、独立して、
【化4】

、ポリ(テトラヒドロフラン)残基、ポリ(フェニレンエーテル)残基又はペルフルオロ化炭素原子数1ないし20のアルキル基を表わし;
4は、独立して、炭素原子数1ないし20のアルキル基、炭素原子数6ないし14のアリール基、炭素原子数7ないし16のアラルキル基、炭素原子数2ないし20のアルケニル基、炭素原子数2ないし20のアルキニル基、炭素原子数4ないし10のシクロアルキル基、炭素原子数8ないし16のアラルケニル基又は炭素原子数8ないし16のアラルキニル基を表わし;ここで、これらの基の各々は、未置換であるか又は1つ以上のヒドロキシ基、チオール基、カルボキシル基、炭素原子数2ないし5のアルコキシカルボニル基又は炭素原子数2ないし5のアルカノイルオキシ基によって置換されるか;又は、
4は、独立して、
【化5】

、ポリ(テトラヒドロフラン)残基、ポリ(フェニレンエーテル)残基又はペルフルオロ化炭素原子数1ないし20のアルキル基を表わし;
5は、独立して、炭素原子数1ないし20のアルキル基、炭素原子数6ないし14のアリール基、炭素原子数7ないし16のアラルキル基、炭素原子数2ないし20のアルケニル基、炭素原子数2ないし20のアルキニル基、炭素原子数4ないし10のシクロアルキル基、炭素原子数8ないし16のアラルケニル基又は炭素原子数8ないし16のアラルキニル基を表わし;ここで、これらの基の各々は、未置換であるか又は1つ以上のヒドロキシ基、チオール基、カルボキシル基、炭素原子数2ないし5のアルコキシカルボニル基又は炭素原子数2ないし5のアルカノイルオキシ基によって置換されるか;又は、
5は、独立して、
【化6】

、ポリ(テトラヒドロフラン)残基、ポリ(フェニレンエーテル)残基又はペルフルオロ化炭素原子数1ないし20のアルキル基を表わし;
7は、独立して、直接結合、炭素原子数1ないし6のアルキレン基、2ないし6個の炭素原子を有するアルキレンオキシアルキレン基、2ないし6個の炭素原子を有するアルキレンチオアルキレン基、炭素原子数1ないし6のアルキレンオキシ基、2ないし6個の炭素原子を有するアルケニレンオキシアルキレン基、3ないし9個の炭素原子を有するアルキレンチオアルキレンオキシアルキレン基;アルキレン部分が1ないし6個の炭素原子を含み、かつアミド窒素が未置換であるか又は炭素原子数1ないし5のアルキル基で更に置換されるところのカルボンアミドアルキレン基、アルキレン部分が1ないし6個の炭素原子を含み、かつアミド窒素が未置換であるか又は炭素原子数1ないし5のアルキル基で更に置換されるところのスルホンアミドアルキレン基、カルボンアミドアルキレン部分が上記で定義した通りであり、かつチオアルキレン部分が1ないし6個の炭素原子を含むところのカルボンアミドアルキレンチオアルキレン基、又はスルホンアミドアルキレン部分が上記で定義した通りであり、かつチオアルキレン部分が1ないし6個の炭素原子を含むところのスルホンアミドアルキレンチオアルキレン基を表わすが、但し、gが1又は2を表わす場合、R7はチオ基を含まず;
x、Ry及びRzは、互いに独立して、炭素原子数1ないし5のアルキル基又は水素原子を表わし;
hは、1又は2を表わし;
gは、0、1又は2を表わすが、但し、hが2を表わす場合、gは0を表わし;
dは、0又は1を表わし、
Dは、炭素原子数2ないし10のアルキレン基、4ないし10個の炭素原子を有するアルキレンオキシアルキレン基、ペンタエリトリチルジアセテート基又はペンタエリトリチルジプロピオネート基を表わし;
nは、1又は20を表わし;
mは、2又は4を表わし;
pは、2又は30を表わし;
qは、1又は2を表わし;及び、
fは、独立して、3ないし20個の完全にフッ素化された炭素原子を有するペルフルオロ化アルキル基、アルケニル基又はシクロアルキル基を表わす。)で表わされる化合物。
【請求項2】
TがRを表わす請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
7が、直接結合、−CH2−、−CH(CH3)−、−CH2CH2−O−CH2−、−CH2CH2−S−CH2−、−CH=CHCH2−O−CH2−、−SO2NR8−CH2−又は−CONH−CH2CH2−O−CH2−を表わし;かつ、R8が、水素原子又は炭素原子数1ないし4のアルキル基を表わす請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
xが水素原子を表わす請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
y及びRzが水素原子を表わす請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
hが1を表わし、gが0を表わし、かつdが0を表わす請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
mが2を表わし、かつpが2ないし20を表わす請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
fが、ペルフルオロ化炭素原子数4ないし18のアルキル基を表わす請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
2は、独立して、炭素原子数4ないし20のアルケニル基、炭素原子数2ないし20のアルキニル基、炭素原子数8ないし16のアラルケニル基又は炭素原子数8ないし16のアラルキニル基を表わすか;又は、R2は、独立して、
【化7】

、又はペルフルオロ化炭素原子数1ないし20のアルキル基を表わす請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
3が、炭素原子数4ないし20のアルケニレン基を表わす請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
4が、炭素原子数2ないし20のアルケニル基又は
【化8】

を表わす請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
5が、炭素原子数2ないし20のアルケニル基、又は
【化9】

を表わす請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
6が、炭素原子数4ないし20のアルケニレン基を表わす請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
式(II)
【化10】

(式中、R7、Rx、Ry、Rz、h、g、d、D及びRfは請求項1で定義した通りである。)で表わされる化合物と、R2−COOH、R2−COCl、R2−COOR9、HOOC−R3−COOH、ClOC−R3−COCl、R9OOC−R3−COOR9、HOOC−R6−COOH、ClOC−R6−COCl、R9OOC−R6−COOR9、R4−O−COCl、R5−Cl、R5−Br及びR5−I(式中、R2、R3、R4、R5、R6は請求項1で定義した通りであり、R9は炭素原子数1ないし5のアルキル基を表わす。)からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を反応させることによって得られる化合物。
【請求項15】
a)天然、合成又は半合成材料、及び、
b)請求項1に記載の式(I)で表わされる少なくとも1種の化合物
を含む組成物。
【請求項16】
成分a)がプラスチック材料、コーティング、ガラス、木材、紙、革、繊維材料又は織物である請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
成分b)が、成分a)の質量に基づき0.001%ないし10%の量で存在する請求項15に記載の組成物。
【請求項18】
成分a)及びb)に加えて、更なる添加剤を含む請求項15に記載の組成物。
【請求項19】
更なる添加剤として、フェノール系抗酸化剤、光安定剤及び/又は加工安定剤を含む請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
天然、合成又は半合成材料のための撥油剤及び/又は撥水剤としての、請求項1に記載の式(I)で表わされる少なくとも1種の化合物の使用。
【請求項21】
天然、合成又は半合成材料に撥油性及び/又は撥水性を付与するための方法であって、請求項1に記載の式(I)で表わされる少なくとも1種の化合物を前記材料に適用又は配合することを特徴とする方法。


【公表番号】特表2008−500308(P2008−500308A)
【公表日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−513910(P2007−513910)
【出願日】平成17年5月18日(2005.5.18)
【国際出願番号】PCT/EP2005/052267
【国際公開番号】WO2005/116099
【国際公開日】平成17年12月8日(2005.12.8)
【出願人】(396023948)チバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Specialty Chemicals Holding Inc.
【Fターム(参考)】