説明

ペレット供給装置と、ペレット供給方法

【課題】ペレットを計量し、かつ必要に応じて供給量を変化させることができるペレット供給装置を提供する。
【解決手段】ペレット供給装置は、ホッパを備えたペレット収容部42と、エアシリンダ54を備えた計量機構43と、エアによってペレットを移動させるペレット移送機構44を備えている。計量機構43は、計量室60を有する計量部材53と、ペレット溜め部55とを備えている。計量部材53が第1の位置にあるとき、ペレット供給孔62は上壁51によって遮断されている。計量部材53が第2の位置に移動すると、計量室60がペレット供給孔62に連通することにより、ペレット収容部42内のペレットが計量室60に落ちる。計量部材53が再び第1の位置に移動すると、計量室60内のペレットがペレット溜め部55に落ちる。エア流通孔61から噴出するエアによって、ペレット溜め部55内のペレットがペレット移送管32を経て被供給部に移送される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばダイキャスト成形機や射出成形機等の成形機において、各種ペレットを供給するためのペレット供給装置と、ペレット供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
成形機の一例であるコールドチャンバ方式のダイキャスト成形機は、ラドルによって汲み取られた金属の溶湯をスリーブ(ショットスリーブとも称される)に供給したのち、スリーブ内の溶湯をプランジャ(ショットピストンあるいはチップとも称される)によって金型内のキャビティに高速かつ高圧で射出するようになっている。
【0003】
このような成形機では、スリーブとプランジャとの潤滑のために、油性の液体潤滑剤が使用されていた。液体潤滑剤は、供給ポンプや配管系を介してスリーブの溶湯供給口からスリーブの内部に供給される。しかし油性の液体潤滑剤は成形機の周囲を汚しやすく、作業環境上も好ましくないため、最近ではペレット状の固形潤滑剤の使用が検討されている。成形機のスリーブ内にペレット状の固形潤滑剤を一定量ずつ供給するためには、それなりの供給装置が必要である。例えば下記の特許文献1あるいは特許文献2に開示されているように、複数のシャッタ機構を開閉させることによって所定量の材料を供給する材料供給装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−240041号公報
【特許文献2】特開2005−263394号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記従来例のようにシャッタ機構を備えた材料供給装置は、構造が複雑でかつ動作の制御も複雑であった。またペレットの一部がシャッタ付近に付着するなどして残留することがあり、ペレットの計量が不正確になる可能性があった。このためダイキャスト成形機等に適した簡便な構成で耐久性が高く、しかも必要に応じてペレットの供給量を変更できるようなペレット供給装置が望まれていた。
【0006】
従って本発明の目的は、構成が比較的簡単でありながらペレットの計量精度が高く、しかも必要に応じて供給量を変更できるようなペレット供給装置と、ペレット供給方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のペレット供給装置は、ペレットを収容するペレット収容部と、前記ペレット収容部の下方において第1の位置と第2の位置との間を往復移動可能に配置されかつ上下方向に貫通する計量室を有した計量部材と、前記計量部材を前記第1の位置と第2の位置とにわたって往復移動させるアクチュエータと、前記計量部材が前記第1の位置にあるときに前記計量室の下方に位置することにより、前記計量室から落とされたペレットを溜めるペレット溜め部と、前記計量部材が前記第2の位置にあるときに前記計量室の上方に位置することにより、前記計量室に向けてペレットを落とすペレット供給孔と、前記ペレット溜め部内のペレットを前記被供給部に移送するペレット移送機構とを具備している。前記アクチュエータの一例は、エアシリンダである。
【0008】
本発明の1つの実施形態では、前記ペレット移送機構は、前記計量部材が前記第1の位置にあるときに前記計量室の上方に位置するエア流通孔を有し、圧縮エアの供給源から供給されるエアを、前記エア流通孔を介して前記計量室と前記ペレット溜め部に供給することにより、前記ペレットをペレット移送管に送り込むように構成されている。また、前記計量部材が前記第2の位置に移動した状態において、前記計量部材を小ストロークで往復移動させるシャッフル動作を行なう手段を備えているとよい。
【0009】
本発明に係るペレット供給方法では、前記計量部材を前記第1の位置と第2の位置との間を複数回移動させることにより、その移動回数に応じた量のペレットを前記ペレット溜め部に供給する。また前記計量部材が前記第1の位置に移動した状態において、前記計量部材のシャッフル動作を行なってもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、エアシリンダ等のアクチュエータによって駆動される計量部材が第1の位置と第2の位置との間を往復移動することにより、計量部材の移動回数と計量室の容積に応じた量のペレットを被供給部に供給することができる。また、計量部材に与えるシャッフル動作によってペレットが落ちることを促進できるため、ペレットを正確に計量でき、所定量のペレットを被供給部に送ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の1つの実施形態に係るペレット供給装置を備えた成形機を模式的に示す断面図。
【図2】図1に示されたペレット供給装置のペレット計量部の内部を示す正面図。
【図3】図2に示されたペレット計量部の計量部材が第1の位置にある状態を一部断面で示す正面図。
【図4】図3中のF4−F4線に沿う計量機構の断面図。
【図5】図2に示されたペレット計量部の計量部材が第2の位置に移動した状態を一部断面で示す正面図。
【図6】図5中のF6−F6線に沿う計量機構の断面図。
【図7】図1に示されたペレット供給装置のペレット吐出部の正面図。
【図8】図7に示されたペレット吐出部の平面図。
【図9】図7に示されたペレット吐出部の吐出管が退避位置に移動した状態の正面図。
【図10】図1に示されたペレット供給装置の動作の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に本発明の1つの実施形態について、図1から図10を参照して説明する。
図1は、成形機の一例であるコールドチャンバ方式のダイキャスト成形機10を模式的に示している。ダイキャスト成形機10は、固定ダイプレート11と、移動ダイプレート12と、互いに平行に延びる4本のタイバー13,14(2本のみ示す)と、ダイプレート駆動機構15などを含んでいる。ダイプレート駆動機構15は、移動ダイプレート12をタイバー13,14に沿って水平方向に移動させる機能を有している。
【0013】
この成形機10は、操作パネル16を有するコントローラ17によって操作される。コントローラ17には、成形動作および型締動作等を制御するためのコンピュータプログラムとメモリ等が組込まれている。操作パネル16は、作業員が成形機10を操作する際に使用するヒューマンマシン・インタフェースとして機能する。
【0014】
固定ダイプレート11に固定側金型20が取付けられている。移動ダイプレート12に移動側金型21が取付けられている。これら金型20,21間に、成形品のためのキャビティ22が形成されている。キャビティ22は、溶湯通路23を介して溶湯供給機構24に連通している。溶湯供給機構24は、スリーブ25と、プランジャ26と、プランジャ26を駆動するための駆動源27などを含んでいる。溶湯供給機構24から溶融金属がキャビティ22に供給されることにより、ダイキャスト製品が成形される。
【0015】
このダイキャスト成形機10はペレット供給装置30を備えている。ペレット供給装置30は、固形潤滑剤のペレットをスリーブ25の被供給部25aに供給する機能を有している。固形潤滑剤のペレットの一例は、ワックスと黒鉛などからなる粒径1mm前後の粒子であり、スリーブ25とプランジャ26とを潤滑することができる。
【0016】
ペレット供給装置30は、図2から図6に示すペレット計量部31と、ペレット移送管32と、図7から図9に示すペレット吐出部33と、ペレット供給装置30の動作をつかさどる制御手段であるシーケンサ34(図1に示す)と、ヒューマンマシン・インタフェースとして機能する入力部35および表示部36とを有している。シーケンサ34は、ダイキャスト成形機10のコントローラ17に組込まれていてもよい。また、入力部35と表示部36は、ダイキャスト成形機10の操作パネル16に配置されていてもよい。
【0017】
図2はペレット計量部31の内部を示している。ペレット計量部31は、筐体40と、筐体40の内部に配置されたホッパ41を有するペレット収容部42と、ペレットP(図3と図5に示す)を計量するための計量機構43と、圧縮エアによってペレットPを移送するペレット移送機構44と、エアの流れを制御するための開閉弁45と、切換弁46などを含んでいる。開閉弁45と切換弁46は、それぞれ圧縮エアの供給源47に接続されている。
【0018】
図3から図6は計量機構43を示している。計量機構43は、ボディ50を構成する上壁51および下壁52と、計量部材53と、計量部材53を駆動するためのアクチュエータの一例であるエアシリンダ54と、ペレット溜め部55を有する底部材56などを備えている。
【0019】
計量部材53には、上下方向に貫通する計量室60が形成されている。計量室60の容積は、所定量(例えば0.5グラム)のペレットPを収容できる大きさである。計量室60は、計量部材53の上方から見て円形の孔からなる。この計量部材53はエアシリンダ54によって、図3および図4に示す第1の位置と、図5および図6に示す第2の位置とにわたって、水平方向に往復移動することができるようになっている。
【0020】
ボディ50の上壁51に、エア流通孔61と、ペレット供給孔62とが、互いに水平方向に離れた位置に形成されている。エア流通孔61は、計量部材53が第1の位置(図3,図4)にあるときに、計量室60と連通する位置に形成されている。ペレット供給孔62は、計量部材53が第2の位置(図5,図6)にあるときに、計量室60と連通する位置に形成されている。エア流通孔61は、継手65とエア配管66とを介して、開閉弁45に接続されている。
【0021】
ボディ50の下壁52には、ペレット落とし孔70が形成されている。このペレット落とし孔70は、計量部材53が第1の位置(図3,図4)にあるときに、計量室60と連通する位置に形成されている。ペレット落とし孔70の下方にペレット溜め部55が形成されている。ペレット溜め部55には、継手71を介してペレット移送管32の一端32aが接続されている。
【0022】
ペレット移送管32の他端32b(図1と図7〜図9に示す)は、ペレット吐出部33に接続されている。これらペレット移送管32や開閉弁45、エア流通孔61、エア配管66などによって、ペレット溜め部55内のペレットをエアによって送り出すためのペレット移送機構44が構成されている。
【0023】
計量機構43のエアシリンダ54は、筐体40に取付けられたシリンダ本体80と、第1のエア供給口81と、第2のエア供給口82と、ロッド83などを有している。エア供給口81,82は、それぞれエア配管85,86を介して切換弁46に接続されている。ロッド83には、接続部材87を介して計量部材53が連結されている。
【0024】
図1と図7〜図9に示されたペレット吐出部33は、固定ダイプレート11側の部材11a(図8に示す)に取付けるベース部材90と、ベース部材90に設けられた駆動源の一例であるエアシリンダ91と、エアシリンダ91によって水平方向に往復駆動される可動体92と、可動体92に取付けられた吐出管93と、吐出管93の先端に設けられた網状の材料(メッシュ)からなるカバー部材94などを有している。吐出管93は、ペレット移送管32の他端32bに接続されている。エアシリンダ91には、エア配管95と切換弁46(図2に示す)を介して、圧縮エアの供給源47が接続されている。
【0025】
ペレット吐出部33の可動体92と吐出管93は、エアシリンダ91によって、図7および図8に示す前進位置と、図9に示す退避位置とにわたって駆動される。すなわち吐出管93が前進位置(図7,図8)にあるとき、カバー部材94の開口部94aがスリーブ25の溶湯供給口(被供給部25a)の上方に位置する。吐出管93が退避位置(図9)に移動すると、カバー部材94の開口部94aが被供給部25aの側方に退避するようになっている。
【0026】
ペレット吐出部33のカバー部材94は、下面側に開口部94aを有している。吐出管93が前進位置(図7,図8)にあるときに、吐出管93の先端からカバー部材94に向かってペレットPがエアと共に噴出すると、これらのペレットPは、カバー部材94の内面に衝突したのち、開口部94aから被供給部25aに向かって落下する。
【0027】
図10は、前記のように構成されたペレット供給装置30の動作の一例を示すフローチャートである。以下に、図10を参照してペレット供給装置30によるペレット供給方法について説明する。
【0028】
図10に示すステップS1において、計量機構43の計量部材53が第1の位置(図3と図4に示す後退位置)で待機している。このとき計量室60はペレット供給孔62から外れた位置にあり、ペレット供給孔62は上壁51によって遮断されているため、ペレット収容部42内のペレットPが計量室60内に落ちることはない。
ステップS2において、固形潤滑剤(ペレット)の供給を指示するペレット供給信号がコントローラ17から出力されると、ステップS3に進む。
【0029】
ステップS3では、エアシリンダ54の第2のエア供給口82にエアが供給されることにより、ロッド83と計量部材53が第2の位置(図5と図6に示す)まで前進する。計量部材53が第2の位置に移動すると、計量室60がペレット供給孔62に連通するため、ペレット収容部42内のペレットPがペレット供給孔62を通って計量室60内に落下する。このため規定量のペレットPが計量室60に収容される。
【0030】
ステップS4では、計量部材53が第2の位置にあるときに、切換弁46が短い周期で繰返し切換わることにより、エアシリンダ54が小ストロークで例えば3回ほど短時間で往復動する。ここで言う小ストロークとは、計量室60がペレット供給孔62から外れない程度の距離である。この小ストローク(短周期)での往復動により、計量部材53が激しく揺さぶられる。これがシャッフル動作である。シャッフル動作が行なわれると、計量部材53に生じる振動と衝撃などにより、計量室60の上方にあるペレットPが計量室60内に落下することが促進される。このためペレットPが計量室60に確実に落とし込まれ、規定量のペレットPが計量室60に収容される。
【0031】
ステップS5において、前記シャッフル動作が所定回数(例えば3回)繰返されると、ステップS6に進む。ステップS6では、エアシリンダ54の第1のエア供給口81にエアが供給されることによって、ロッド83と計量部材53が第1の位置(図3と図4)に後退する。計量部材53が第1の位置まで後退すると、計量室60がペレット落とし孔70に連通することにより、計量室60内のペレットPがペレット落とし孔70を通ってペレット溜め部55内に落下する。
【0032】
ステップS7では、計量部材53が第1の位置にあるときに、切換弁46が短い周期で繰返し切換わることにより、エアシリンダ54が小ストロークで例えば2回ほど短時間で往復動する。ここで言う小ストロークとは、計量室60がペレット落とし孔70から外れない程度の距離である。このシャッフル動作が行なわれると、計量部材53に生じる振動と衝撃などにより、計量室60やペレット落とし孔70内のペレットPがペレット溜め部55に落下することが促進される。
【0033】
ステップS8において、前記シャッフル動作が所定回数(例えば2回)繰返されると、ステップS9に進む。ステップS9では、計量回数が所定数(例えば3回)に達したか否かが判定され、計量回数が所定数に達していなければ、再びステップS3からステップS9までの一連の計量動作が繰返されることにより、計量部材53が往復した回数に比例した量のペレットPがペレット溜め部55に貯留される。例えば計量部材53が前記第1の位置と第2の位置との間を3回往復すると、(0.5グラム×3)で合計1.5グラムのペレットPがペレット溜め部55に貯留される。計量回数は、必要に応じて、任意の値を入力部35からコントローラ17に入力することができるため、さらに多くのペレットPをペレット溜め部55に貯留することも勿論可能である。
【0034】
計量回数が所定数に達すると、ステップS10に進む。ステップS10では、計量部材53が前記第1の位置に停止した状態で、開閉弁45(図2に示す)が開弁することにより、圧縮エアの供給源47から送られるエアが、エア流通孔61から計量室60とペレット溜め部55を通ってペレット移送管32に高速で流れる。このエア(ペレット移送用エア)により、ペレット溜め部55内のペレットがペレット移送管32を経てペレット吐出部33に送られるとともに、これらペレットが吐出管93の先端からカバー部材94に向かってエアと共に噴出する。このとき吐出管93は、図7に示す前進位置にある。
【0035】
吐出管93の先端に取付けられたカバー部材94は網状の材料(メッシュ)からなるため、エアと共にカバー部材94の内面に衝突したペレットPは、エアがカバー部材94を通り抜けて出てゆくため、ペレットPのみがカバー部材94の開口部94aから落下し、スリーブ25の被供給部25aに供給される。こうして一連のペレット供給サイクルが終了する。
【0036】
以上説明したペレット供給サイクルが終了したのち、吐出管93が図9に示す退避位置に移動する。そしてダイキャスト成形機10の成形サイクルの一環として、スリーブ25の溶湯供給口(被供給部25a)に溶湯が供給され、駆動源27によってプランジャ26が加圧されることにより、スリーブ25内の溶湯がキャビティ22に供給される。
【0037】
本実施形態のペレット供給装置30によれば、計量部材53が第1の位置と第2の位置との間で複数回往復移動することにより、希望する量のペレットを計量して被供給部25aに供給することができる。しかも計量部材53が上壁51と下壁52との間をエアシリンダ54によって往復移動するだけであるので、動作が簡単で制御も容易であり、構成も簡単である。計量室60の大きさ(孔径)を変えれば、計量するペレット量を変化させることができる。また、計量室60の容積が異なる複数種類の計量部材53を用意しておき、計量するペレット量に応じて計量部材53を取り替えてもよい。
【0038】
また本実施形態のペレット供給装置30によれば、計量部材53が第1の位置(図3,図4)に移動したときのシャッフル動作により、計量室60とペレット落とし孔70内に残留しようとするペレットを確実にペレット溜め部55に落とすことができる。また、計量部材53が第2の位置(図5,図6)に移動したときのシャッフル動作により、ペレット供給孔62内のペレットPを確実に計量室60に落とすことができ、かつ、計量室60内に規定量のペレットを充填させることができる。
【0039】
このため、正確に計量されたペレットを被供給部25aに供給することができ、スリーブ25とプランジャ26との潤滑を正しく行なうことができる。前記シャッフル動作を行なうための手段は、エアシリンダ54の作動制御をなすシーケンサ34において、切換弁46の作動タイミングを制御するシーケンスプログラムに手を加えるだけでよいため、シャッフル動作のための部材や機構を追加する必要がなく、低コストで実現できる。
【0040】
なお、計量部材53が第1の位置に移動した状態において、エア流通孔61から計量室60とペレット溜め部55に向けて少量のエアを噴出することにより、計量室60やペレット落とし孔70内のペレットがペレット溜め部55内に落ちることを促進してもよい。ここで言う少量エア噴出動作は、前記シャッフル動作と同時あるいは前記シャッフル動作の代わりに実施してもよい。
【0041】
以上説明したように本実施形態のペレット供給方法は、少なくとも下記の工程を具備している。
(1)計量部材53を第1の位置に移動させておくこと(ステップS1)、
(2)ペレット供給信号がオンになったとき計量部材53を第2の位置に移動させることにより、ペレット収容部42内のペレットを計量室60に落とすこと(ステップS2,S3)、
(3)計量部材53が第2の位置に移動した状態において、計量部材53を小ストロークで往復移動させることによりシャッフル動作を行なうこと(ステップS4)、
(4)前記シャッフル動作が所定回数行なわれたのち計量部材53を第1の位置に移動させることにより、計量室60内のペレットをペレット溜め部55に落とすこと(ステップS5,S6)、
(5)計量部材53が第1の位置に移動した状態において、計量部材53を小ストロークで往復移動させることによりシャッフル動作を行なうこと(ステップS7,S8)、
(6)計量回数が所定数に達したのち、エア流通孔61にエアを供給することにより、ペレット溜め部55内のペレットをエアによって被供給部25aに送ること(ステップS9,S10)。
【0042】
なお本発明を実施するに当たって、成形機の具体的な構成をはじめとして、ペレット供給装置を構成する種々の要素の具体的な態様を、必要に応じて変更して実施できることは言うまでもない。例えば、計量部材を往復移動させるアクチュエータとしてエアシリンダ以外のアクチュエータが採用されてもよい。また本発明は、固形潤滑剤を用いるダイキャスト成形機以外に、ペレットを用いる成形機であれば同様に適用することができる。さらにペレット収容部や計量機構、ペレット移送機構、ペレット吐出部等の具体的な形状や配置等を適宜に変更して実施できることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0043】
10…成形機(ダイキャスト成形機)
25a…被供給部
30…ペレット供給装置
42…ペレット収容部
43…計量機構
44…ペレット移送機構
53…計量部材
54…エアシリンダ(アクチュエータ)
55…ペレット溜め部
60…計量室
61…エア流通孔
62…ペレット供給孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペレットを被供給部に供給するためのペレット供給装置であって、
ペレットを収容するペレット収容部と、
前記ペレット収容部の下方において第1の位置と第2の位置との間を往復移動可能に配置されかつ上下方向に貫通する計量室を有した計量部材と、
前記計量部材を前記第1の位置と第2の位置とにわたって往復移動させるアクチュエータと、
前記計量部材が前記第1の位置にあるときに前記計量室の下方に位置することにより、前記計量室から落とされたペレットを溜めるペレット溜め部と、
前記計量部材が前記第2の位置にあるときに前記計量室の上方に位置することにより、前記計量室に向けてペレットを落とすペレット供給孔と、
前記ペレット溜め部内のペレットを前記被供給部に移送するペレット移送機構と、
を具備したことを特徴とするペレット供給装置。
【請求項2】
前記アクチュエータがエアシリンダであることを特徴とする請求項1に記載のペレット供給装置。
【請求項3】
前記ペレット移送機構は、前記計量部材が前記第1の位置にあるときに前記計量室の上方に位置するエア流通孔を有し、圧縮エアの供給源から供給されるエアを、前記エア流通孔を経て前記ペレット溜め部に供給することにより、前記ペレットをペレット移送管に送り込むことを特徴とする請求項1に記載のペレット供給装置。
【請求項4】
前記計量部材が前記第2の位置に移動した状態において、前記計量部材を小ストロークで往復移動させるシャッフル動作を行なう手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載のペレット供給装置。
【請求項5】
ペレットを被供給部に供給するためのペレット供給方法であって、
前記ペレットが収容されたペレット収容部の下方において第1の位置と第2の位置との間を往復移動可能に配置された計量部材を前記第1の位置に移動させておくこと、
ペレット供給信号がオンになったときに前記計量部材を前記第2の位置に移動させることにより、前記ペレット収容部から前記計量部材の計量室内にペレットを落とすこと、
前記計量部材が前記第2の位置に移動した状態において前記計量部材のシャッフル動作をなすこと、
前記計量部材を前記第2の位置から第1の位置に移動させることにより、前記計量室内のペレットを前記計量室の下方のペレット溜め部に落とすこと、
所定回数の計量動作が終了したのち、前記計量室とペレット溜め部に向けてエアを供給することにより、前記ペレット溜め部内のペレットを前記被供給部に移送すること、
を具備したことを特徴とするペレット供給方法。
【請求項6】
前記計量部材を前記第1の位置と第2の位置との間を複数回移動させることにより、その移動回数に応じた量のペレットを前記ペレット溜め部に供給することを特徴とする請求項5に記載のペレット供給方法。
【請求項7】
前記計量部材が前記第1の位置に移動した状態において、前記計量部材のシャッフル動作を行なうことを特徴とする請求項5に記載のペレット供給方法。
【請求項8】
前記計量部材が前記第1の位置に移動した状態において、前記エア流通孔から前記計量室に向けて少量のエアを噴出することを特徴とする請求項5または7に記載のペレット供給方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−111592(P2012−111592A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−261454(P2010−261454)
【出願日】平成22年11月24日(2010.11.24)
【出願人】(000003458)東芝機械株式会社 (843)
【Fターム(参考)】