説明

ホウ素含有カーボン材料の製造方法、及び、ホウ素含有カーボン材料

【課題】 特に、従来に比べて低抵抗化をカーボン材料の改質処理により図ることが可能なホウ素含有カーボン材料の製造方法及びそれにより製造された低抵抗のホウ素含有カーボン材料を提供することを目的としている。
【解決手段】 本発明のホウ素含有カーボン材料の製造方法は、例えば、放電プラズマ焼結機(SPS)1にて、カーボン材料とホウ素もしくはホウ素化合物との混合材料7に電流を流した状態で加熱して、前記カーボン材料にホウ素をドープすることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホウ素含有カーボン材料の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
下記の特許文献1及び特許文献2には、カーボンナノチューブにホウ素をドープしたホウ素含有カーボンナノチューブに関する発明が開示されている。
【0003】
ところで特許文献1には、2000℃以上の温度でホウ素をドープすることで、ホウ素含有カーボンナノチューブの電気抵抗を低下させることができるとしている。
【0004】
しかしながら後述する実験結果に示すように、従来のカーボンナノチューブに対する加熱処理方法では、ホウ素含有カーボンナノチューブの低抵抗化を十分に図ることができなかった。しかも、特許文献1では、加熱処理を2000℃以上としているが、より低温処理での低抵抗化が求められた。
【0005】
また特許文献2に記載された発明では、炭素含有物とホウ素含有物との混合ガスを触媒を有する基板上に導き、化学気相成長法により、ホウ素含有カーボンナノチューブを成長させるとしているが、装置が大掛かりになり、また製造時間も長くなり、低抵抗のホウ素含有カーボンナノチューブを生産性良く製造できなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−256118号公報
【特許文献2】特開2008−222494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記従来の課題を解決するためのものであり、特に、従来に比べて低抵抗化をカーボン材料の改質処理により図ることが可能なホウ素含有カーボン材料の製造方法及びそれにより製造された低抵抗のホウ素含有カーボン材料を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明におけるホウ素含有カーボン材料の製造方法は、
カーボン材料とホウ素もしくはホウ素化合物との混合材料に電流を流した状態で加熱して、前記カーボン材料にホウ素をドープすることを特徴とするものである。
【0009】
本発明では、前記混合材料に対し外部から圧力を加えずに加熱を行うことが好ましい。これにより、ドープ処理前後にカーボン材料の形態を維持することができてカーボン材料の特性を効果的に用いることができる。
【0010】
また本発明では、前記混合材料に圧力がかからないようにストッパ機能を備えるダイにて加熱を行うことが好ましい。
【0011】
本発明では、放電プラズマ焼結機(SPS)にて、前記混合材料に電流を流した状態で加熱して、前記カーボン材料にホウ素をドープすることが好ましい。放電プラズマ焼結機は通常粉体の焼結に用いられる装置であり、被処理物を加圧しながら通電して加熱することができるものであるが、本発明においては、粉体を保持した上で通電して加熱することができればよいため、プラズマの発生を目的としない通電加熱焼結装置と呼ばれる装置であっても同様の効果を得ることができる。
【0012】
また本発明では、前記混合材料に結晶性の前記カーボン材料を用いることが好ましい。このとき、前記電流を流した状態での加熱により、前記結晶性のカーボン材料の結晶構造中の炭素原子をホウ素に置換できる。
【0013】
また本発明では、前記カーボン材料に、カーボンナノチューブ、グラファイト、活性炭、カーボンファイバーあるいは黒鉛化カーボンを用いることが好ましい。また、前記カーボンナノチューブには、シングルウォールナノチューブあるいはマルチウォールナノチューブを用いることが好ましい。
【0014】
また本発明では、前記混合材料中に占めるホウ素の濃度を、0.1〜10wt%の範囲内にて調整することが好ましい。
【0015】
また本発明では、加熱温度を1450℃〜2500℃の範囲内で調整することが好ましい。
【0016】
そして本発明におけるホウ素含有カーボン材料は、上記に記載の製造方法により形成されたことを特徴とするものである。
【0017】
このように本発明では、例えば、放電プラズマ焼結機(SPS)にて、カーボン材料とホウ素もしくはホウ素化合物との混合材料に電流を流した状態で加熱して、前記カーボン材料にホウ素をドープさせることで、カーボン材料(ホウ素含有なし)を単に加熱したり、あるいは、前記混合材料に対し特許文献1に記載されている処理を施すよりも、ホウ素含有カーボン材料の低抵抗化を実現できる。しかも本発明では、比較的低温での低抵抗化を図ることが可能である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、従来に比べて、ホウ素含有カーボン材料の低抵抗化を、生産性良く、更に比較的低温の下において図ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】放電プラズマ焼結機(SPS)の模式図、
【図2(a)】放電プラズマ焼結機(SPS)内の一部を拡大した部分拡大模式図、
【図2(b)】図2(a)とは異なる構成の、放電プラズマ焼結機(SPS)内の一部を拡大した部分拡大模式図、
【図2(c)】図2(b)の状態から圧力を加えた状態の部分拡大模式図、
【図2(d)】図2(a)(b)とは異なる構成の、放電プラズマ焼結機(SPS)内の一部を拡大した部分拡大模式図、
【図3】比較例1〜3及び実施例1(カーボンナノチューブ(マルチウォールナノチューブ))における粉末圧縮密度と比抵抗値との関係を示すグラフ、
【図4】図4(a)は、実施例1(カーボンナノチューブ)におけるB1sスペクトルの実験結果、図4(b)は、比較例3におけるB1sスペクトルの実験結果、
【図5】比較例1のX線回折パターンの実験結果、
【図6】比較例1〜3及び実施例1(カーボンナノチューブ)のラマンスペクトルの実験結果、
【図7】カーボンナノチューブを構成する六員環の模式図であり、本実施例においての結晶性が低下した原因を推察するための説明図、
【図8】比較例4,5及び実施例2(グラファイト)における粉末圧縮密度と比抵抗値との関係を示すグラフ、
【図9】実施例2におけるホウ素ドープ前後のラマンスペクトルの実験結果、
【図10】実施例2(グラファイト)のX線回折パターンの実験結果、
【図11】比較例6及び実施例3,4(黒鉛化カーボン)における粉末圧縮密度と比抵抗値との関係を示すグラフ、
【図12】実施例3、4及び比較例6におけるラマンスペクトルの実験結果、
【図13】実施例(黒鉛化カーボン)のX線回折パターンの実験結果、
【図14】実施例5(カーボンナノチューブ(シングルウォールナノチューブ))及び比較例7における粉末圧縮密度と比抵抗値との関係を示すグラフ、
【図15】実施例6(カーボンナノチューブ(マルチウォールナノチューブ))及び比較例8における熱処理温度と比抵抗値との関係を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、放電プラズマ焼結機(SPS)の模式図である。
図1に示すように、放電プラズマ焼結機(SPS)1は、上部電極2、下部電極3、試料保持容器(ダイ)4、水冷真空チャンバー5、及び、DCパルス電源8等を有して構成される。
【0021】
図1に示すように、上部電極2及び下部電極3の試料保持容器4側の先端には例えばカーボンからなる蓋材6,6が設けられている。なお試料保持容器4も例えば、カーボンで形成されている。
【0022】
試料保持容器4内には、カーボン材料であるカーボンナノチューブ(CNT)とドーパント材料であるホウ素もしくはホウ素化合物との混合材料7が充填されている。ホウ素化合物にはB4C粉体を用いることが好ましい。あるいはホウ素化合物にはB23を用いることもできる。カーボンナノチューブとホウ素もしくはホウ素化合物との混合方法については既存の方法を選択することが出来る。例えば、ホウ素化合物を粉体とせず、図2(a)に示すように、ホウ素含有黒鉛板10を複数枚、並設し、その間に、カーボンナノチューブ11を充填してもよい。ただし、ホウ素化合物を粉体としたほうが、ホウ素含有黒鉛板10を用いるよりも拡散距離の関係で、製造されるホウ素含有カーボン材料の導電性を向上させることができる。
【0023】
ここで混合材料7中に占めるホウ素の濃度は0.1〜10wt%程度であることが好適である。これにより、ホウ素含有カーボンナノチューブの低抵抗化を生産性良く図ることが可能である。
【0024】
本実施形態では、混合材料の焼結でなく、カーボンナノチューブの改質処理が目的であるため、例えば、蓋材6,6あるいは電極2,3の先端に接続されて試料保持容器4内に充填された試料を上下から加圧するための上部パンチ(図示しない)及び下部パンチ(図示しない)を使用せずに、混合材料7に対して、焼結するときのような強い加圧力を与えない構成を提示できる。なお、図1に示す試料保持容器4内に入れられた混合材料7は、蓋材6との間に全く隙間がないように充填されていてもよいし、あるいは、混合材料7と蓋材6との間に多少の隙間(空間)が生じる状態であってもよい。
【0025】
ただし試料保持容器4内に混合材料7を充填する際に多少の圧力が加えられる。そして充填後、混合材料7に対し外部から圧力を加えずに加熱を行うことが好ましい。本実施形態の混合材料7は焼結せず粉体として使用する。そのため、混合材料7に対し外部から圧力を加えずに加熱を行うことで、後で粉砕する必要がない。粉砕工程を施すと結晶組織が破壊され、また粒径分布を制御しづらい。さらにカーボンナノチューブやカーボンナノファイバーなどの長尺のカーボン材料を用いる場合、一旦焼結したものを粉砕すると短く分断されてしまい初期の形態を維持することができず、材料が持つ特性を十分に活用できなくなってしまう。本実施形態では粉砕工程が必要ないから、適切に低抵抗値を有する粉体を簡単に得ることができる。
【0026】
本実施形態では、混合材料7に圧力がかからないようにストッパ機構を備えるダイにて加熱を行うことが好適である。
【0027】
図1、図2(a)のほか、図2(b)のように、試料保持容器4内に混合材料7を充填した際に、パンチ15,16により加圧し(矢印で示す)、このとき図2(c)に示すように蓋材6,6が試料保持容器4の上下に当接して、それ以上、混合材料7に外部からの圧力がかからない状態で電流を流しながら加熱処理を行うことが可能である。図2(b)(c)では、試料保持容器4の上面4a及び下面4bがパンチ15,16(蓋材6,6)に対するストッパとして作用する。
【0028】
あるいは図2(d)に示すように、図2(b)(c)に示すパンチ15,16と蓋材6とが一体となったパンチ17,18を用いることもできる。パンチ11,12に対して加圧すると、試料保持容器4の上下面4a,4bにパンチ11,12の延出部17a,18aが当接して、混合材料7に圧力がかからないようにできる。
【0029】
図1に示す水冷真空チャンバー5内を真空(例えば、0.04torr)にし、DCパルス電源8により、低電圧で、パルス大電流(例えば、5KA)を投入する。これにより、電極2,3から蓋材6を介して、混合材料7及び試料保持容器4にパルス大電流が流れる。これにより、混合材料7に対する加熱温度が急上昇し、2000℃程度にまで一気に上がる。そしてこの状態を数十分程度保持する。これにより、カーボンナノチューブにホウ素がドープされる。なお、本実施形態におけるホウ素含有カーボンナノチューブを試料保持容器4内から取り出すとき、必要に応じてホウ素含有カーボンナノチューブと未使用のホウ素化合物や不純物とを分離する。
【0030】
本実施形態におけるホウ素含有カーボンナノチューブは、電子部品や機構材料として使用することが出来る。例えば粉末状のホウ素含有カーボンナノチューブと樹脂とを混合することで導電材料、抵抗材料、電気2重層コンデンサ用電極、Li2次電池用電極や燃料電池用電極として使用することが可能である。
【0031】
上記のように本実施形態では、カーボンナノチューブとホウ素化合物との混合材料7を、放電プラズマ焼結機(SPS)にて加熱する。本実施形態では、パルス大電流を混合材料7に流して2000℃程度の加熱温度に上昇させ、カーボンナノチューブにホウ素をドープする。なお、パルス大電流を流した際、プラズマが生じているとも考えられる。本実施形態におけるカーボンナノチューブにホウ素をドープする処理は、焼結や特許文献2に示す化学気相成長法等と異なるものであり、放電プラズマ焼結機(SPS)の試料保持容器4内に焼結させるときのように非常に強い加圧力が掛からない状態で混合材料7を放電プラズマ焼結機(SPS)にて加熱する表面改質処理を指す。すなわち本実施形態では、混合材料7に直接加圧しなくともホウ素をドープでき、従来例よりも低抵抗値にできる。本実施形態では、放電プラズマ焼結機(SPS)の試料保持容器4内に混合材料7を充填し、混合材料7に外部から圧力を加えない状態(無加圧)で加熱を行うことが好適である。ただし、混合材料7を充填する際には圧力を加えることが好ましい。本実施形態では、加熱時に直接、混合材料7に圧力がかからないように規制する。ここで無加圧とは、意図的に混合材料7に圧力をかける構成でないことを意味し、結果的にやや圧力がかかる状況は無加圧である。例えば、図1に示す蓋材6,6に所定の圧力を加えたとき、試料保持容器4内の混合材料7に圧力がかからないはずであるが、このとき、若干、蓋材6,6が試料保持容器4の内部に入り込んだり、混合材料7の量が多くて混合材料7に圧力が結果的に作用したり、あるいは、加熱による試料保持容器4内の膨張等によって結果的に圧力が作用する構成は、意図的に外部から圧力を加えた状態に該当せず無加圧と定義する。
【0032】
本実施形態によれば、上記の製造方法により、カーボンナノチューブ(ホウ素含有なし)を加熱炉で加熱したり、あるいは、混合材料に対して特許文献1に記載されている処理を施すよりも、ホウ素含有カーボンナノチューブの低抵抗化を図ることが出来る。
【0033】
また本実施形態によれば、1450℃〜2500℃程度の比較的低温での低抵抗化を図ることが可能である。本実施形態では、加熱温度を2000℃以下に設定することがより好ましい。
【0034】
また上記の製造方法により形成されたホウ素含有カーボンナノチューブの直径を10nm以上で調整することが出来る。
【0035】
なお本実施形態ではカーボンナノチューブ以外にカーボン材料としてカーボンブラック、グラファイト(黒鉛)、グラフェン、活性炭、カーボンファイバー、黒鉛化カーボン等を用いることも出来る。カーボンナノチューブには、シングルウォールナノチューブ(SWCNT)やマルチウォールナノチューブ(MWCNT)を用いることができる。このように様々なカーボン材料を本実施形態では使用できるが、結晶性のカーボン材料を用いることで、本実施形態による製造方法での低抵抗化を結晶化が進行することによる低抵抗化と分離して実現できる。分離して実現できるのは、結晶性カーボンの結晶構造中におけるC元素のB元素への置換を促進でき、低抵抗化を効果的に図ることができるためと推測される。本実施形態における結晶性のカーボン材料は、加熱前の混合材料7内での状態を指す。すなわち最初(加熱前)は例えばアモルファスであるが加熱して結晶化したカーボンを含まない。
【0036】
本実施形態では、結晶性のカーボン材料として、カーボンナノチューブ(シングルウォールナノチューブやマルチウォールナノチューブ)、グラファイト、活性炭、カーボンファイバーあるいは黒鉛化カーボンのいずれか一種を選択することが好適である。カーボン材料としてどの材料を用いるかは、使用用途により必要とされる比抵抗(導電性)等により種々選択できる。ただし、カーボンナノチューブを用いることで、効果的に粉末圧縮密度に対する比抵抗値を下げる(導電性を上げる)ことが可能である。
【0037】
本実施形態は、混合材料7に電流を流した状態で加熱して、カーボン材料にホウ素をドープする点に特徴的な構成があり、それを実現する手段を限定するものではないが、下記の実験結果にも示すように効果的な手段として、放電プラズマ焼結機(SPS)を用いることが好適である。
【実施例】
【0038】
(カーボンナノチューブ(マルチウォールナノチューブ)を用いた実験)
カーボンナノチューブ(昭和電工製のマルチウォールナノチューブ(品番VGCF))を用いて、以下の試料を用意した。
【0039】
(比較例1)
カーボンナノチューブ未処理品(購入したままの状態)
【0040】
(比較例2)
カーボンナノチューブをアルゴンガス中、2000℃、30分間の条件で処理した処理品
【0041】
(比較例3)
カーボンナノチューブにB4Cを3wt%(混合材料中、カーボンナノチューブに対しB元素として)、混合した混合材料を、アルゴンガス中、2000℃、30分間の条件で処理した処理品
【0042】
(実施例1)
カーボンナノチューブにB4Cを2.5wt%(混合材料中、カーボンナノチューブに対しB元素として)、混合した混合材料を、放電プラズマ焼結機(SPS)にて、真空中、2000℃、30分間の条件で処理した処理品
パルス電流のパルス比を6:1、昇温を30℃/min、図1の蓋材6への加圧力を30MPaとした。なおこのとき混合材料は直接に加圧されていないので無加圧と呼べる状態である。ただし、混合材料を試料保持容器に充填するに必要な圧力は混合材料に加わっている。
【0043】
図3は、比較例1〜3、及び実施例1における粉末圧縮密度と比抵抗値との関係を示すグラフである。
【0044】
図3に示すように、比較例1〜3及び実施例1の全てにおいて、粉末圧縮密度が大きくなるほど比抵抗値の低下が見られた。
【0045】
そして、図3に示すように、実施例1は、比較例1〜3に比べて比抵抗値を、同じ粉末圧縮密度で見たときに必ず低くできることがわかった。また、実施例1では2000℃程度の加熱温度で0.2(Ω・cm)程度以下の低抵抗を実現でき、更に2000℃より低い加熱温度にしても比較例に比べて低抵抗に出来る(。このように本実施例によれば、比較例に比べてホウ素含有カーボンナノチューブを低抵抗化でき、また低抵抗化に必要な加熱温度を比較的低温で設定でき、カーボンナノチューブに欠陥が生じる不具合もしくはカーボンナノチューブが分解する不具合を抑制することができる。
【0046】
次に、上記した比較例1〜3及び実施例1をXPS(X線光電子分光)分析により構成元素及びB1sスペクトルを測定した。以下の表1に構成元素分析の結果が示されている。
【0047】
【表1】

【0048】
表1に示すように、カーボンナノチューブとB4Cとを混合した比較例3及び実施例1では、ホウ素(B)が構成元素として認められた。
【0049】
図4(a)は、実施例1におけるB1sスペクトルの実験結果、図4(b)は、比較例3におけるB1sスペクトルの実験結果である。
【0050】
図4(a)、図4(b)に示すように、実施例1及び比較例3共に、B−C結合が見受けられるが、図4(b)の比較例3では、OやNとの結合も多く見られ、B−C結合は実施例1のほうが比較例3よりも多いと考えられる。
【0051】
次に、比較例1〜3及び実施例1の結晶状態をX線回折法により測定した。図5は、比較例1のX線回折パターンを示している。表2には、C(002)面、C(004)面、C(110)面の回折角(2θ)、比較例1におけるd値(面間隔;絶対値)、比較例2、3及び実施例1における比較例1とのd値差(面間隔差)が示されている。
【0052】
【表2】

【0053】
表2に示すように、比較例1〜3は、ほぼ同じ面間隔であることがわかった。これに対して実施例1では、C(002)面、C(004)面での面間隔が比較例1〜3に比べて若干、狭くなっていることがわかった(面間隔差がマイナス値)。
【0054】
また表2に示すように、実施例1では、C(110)面での面間隔は比較例1〜3に比べて若干、広がっていることがわかった(面間隔差がプラス値)。このように実施例1は、比較例1〜3と比べると結晶構造に若干歪みが確認された。
【0055】
次に比較例1〜3及び実施例1を、ラマン分光法により測定した。ラマン分光法には、Horiba Jobin Yvon製レーザラマンを用いた。
【0056】
図6は、比較例1〜3及び実施例1のラマンスペクトルの実験結果を示す。図6に示すGバンドは結晶性、Dバンドは非結晶性を示している。GバンドがDバンドに対して低い状態(結晶性が低下した状態)では、カーボンナノチューブを構成する六員環の形成が不完全な状態になっているものと考えられる。以下の表3に、比較例1〜3及び実施例1の各G/Dの値を示した。
【0057】
【表3】

【0058】
表3では、各試料に対してG/Dを二回あるいは三回、測定した結果と、平均値を示した。
【0059】
表3に示すように、実施例1は、比較例1〜3に比べてG/Dが小さくなった。このように実施例1は比較例1〜3に比べて結晶性の低下が見られるが、これは例えば図7のように、六員環の一部の炭素(C)がホウ素(B)に置換したことが一因ではないかと考えられる。このことは、表2に示すC(110)面の面間隔が実施例1では若干広がっていることからも推測される。すなわち、C(110)面の面間隔の広がりは、六員環の結合間隔が若干広がったためではないかと考えられ、ラマン分光の実験結果も合わせると、図7のように、六員環の一部の炭素(C)がホウ素(B)に置換したことで結合間隔に差が生じ、結晶構造に歪み(結晶性の低下)が生じているものと推察される。
【0060】
上記した炭素(C)とホウ素(B)との置換は、比較例3における処理で生じても、放電プラズマ焼結機(SPS)により処理した本実施例に比べて僅かであると考えられる。
【0061】
このように炭素(C)とホウ素(B)との置換により、キャリア(ホール)が増大して、低抵抗化(導電性)が促進したものと考えられる。
【0062】
(グラファイトを用いた実験)
グラファイトとしては、粒径3μm鱗片状黒鉛(SECカーボン製 SNO3)を用いた。またドープ材料として粒径が8μmのB4Cを、グラファイトに対してB元素として3wt%添加した。
【0063】
比較例4は、上記比較例1と同様に何の処理も行っていないものである。比較例5は、比較例3と同様の製造条件によるものである。実施例2は実施例1と同じ製造条件によるものである。
【0064】
図8は、比較例4,5及び実施例2(グラファイト)における粉末圧縮密度と比抵抗値との関係を示すグラフである。
【0065】
図8に示すように、実施例2は、比較例4,5に比べて同じ粉末圧縮密度で比較したときの比抵抗値を小さくすることができた。特に実施例2の比抵抗値を比較例4(未処理品)の比抵抗値に対して1/6程度(粉末圧縮密度0.5g/cm3の部分で測定)、小さくすることができた。換言すれば、実施例2の導電性を比較例4よりも6倍程度に大きくすることができた。また比較例5でも比較例4より比抵抗を低くすることができるものの、本実施例では比較例5よりもさらに低い比抵抗を得ることが出来た。
【0066】
図9は、実施例2におけるホウ素ドープ前後のラマンスペクトルの実験結果である。ラマン分光法には、Horiba Jobin Yvon製レーザラマンを用いた。G/Dを以下の表4にまとめた。なおG/Dは、ドープ処理前及びドープ処理後の夫々、二回ずつ計測し、平均値を出した。
【0067】
【表4】

【0068】
Gバンドは、グラファイト(黒鉛)の六角網層が正確に構成されていると強くなり、Dバンドは、六角網層の一部でC元素が欠陥し又はC元素とB元素とが置換したとき同じ位置に散乱ピークが出現すると言われている。
【0069】
図9及び表4に示すように、ドープ処理後、G/Dは、約1/4になっており、これにより、グラファイトの六角網層中のC元素とB元素との置換が起きていると考えられる。
【0070】
次にXRD測定により面間隔の変化を調べた。図10は、実施例2(グラファイト)のX線回折パターンの実験結果である。また、以下の表5には、C(002)面、C(103)面、C(105)面のドープ処理前後におけるd値(面間隔;絶対値)が示されている。
【0071】
【表5】

【0072】
図10は、グラファイトのX線回折パターンにおいて主に出現するピークのミラー指数を示している。表5に示すように、C(002)面の面間隔は、ドープ処理後、小さくなり、すなわちC軸方向が狭くなり、一方、C(103)面及びC(105)面の面間隔は、ドープ処理後、大きくなり、すなわちa軸方向に広がったことがわかった。これは、ドープ処理によりC元素とB元素とが置換したためであると推測される。
【0073】
続いて、XPS(X線光電子分光)分析により実施例2の構成元素及びB1sスペクトルを測定した。表6に構成元素分析の結果が示されている。
【0074】
【表6】

【0075】
また、ドープ材としてのB4CのスペクトルのB−B、B−Cが約1の比率であり、これと、ドープ処理後のB1sスペクトルとを比較することで、B濃度は最低でも0.4%、B−C結合は約27%、B−O結合は約13%存在することがわかった。
【0076】
以上のように、グラファイトにホウ素をドープすることにより、導電性をドープ処理しないものに対して約6倍に高くできた。グラファイトへのドープは、六角網層中のC元素とB元素とが置換している可能性が高く、これにより、キャリアとしてのホールが増えて導電性が増大したものと考えられる。
【0077】
(黒鉛化カーボンを用いた実験)
黒鉛化カーボンとしては、東海カーボン製 ♯3845を用いた。またドープ材料として粒径が50μmあるいは0.8μmのB4Cを、黒鉛化カーボンに対しB元素として2.5wt%添加した。
【0078】
比較例6は、上記比較例1と同様に何の処理も行っていない。実施例3,4は実施例1と同じ製造条件によるものである。なお実施例3には、粒径が50μmのB4Cを用いた。また実施例4には、粒径が0.8μmのB4Cを用いた。
【0079】
図11は、比較例6及び実施例3,4(黒鉛化カーボン)における粉末圧縮密度と比抵抗値との関係を示すグラフである。
【0080】
図11に示すように、実施例3,4は、比較例6に比べて同じ粉末圧縮密度で比較したときの比抵抗値を小さくすることができた。具体的には実施例3,4の比抵抗値を比較例6(未処理品)の比抵抗値に対して1/6程度(粉末圧縮密度0.5g/cm3の部分で測定)、小さくすることができた。換言すれば、実施例3,4の導電性を比較例6よりも6倍程度に大きくすることができた。
【0081】
また図11では図8と異なって比較例5に示すような、混合材料を、アルゴンガス中、2000℃、30分間の条件で処理した処理品(ここでは従来例という)に関する実験結果はないが、図8と対比すると、図11での実施例3,4は図8の実施例2と同様に未処理の比較例6に対して1/6程度、比抵抗を小さくできており、したがって、図8と同様に従来例よりも比抵抗を小さくでき、高い導電性が得られるものと考えられる。
【0082】
4Cの粒径に違いのある実施例3と実施例4とでは比抵抗に顕著な差は見られなかったが、小径である粒径0.8μmのB4Cをドープした実施例4のほうがより導電性向上の効果が見られた。
【0083】
図12は、実施例3,4のドープ前後(ドープ前は比較例6)におけるラマンスペクトルの実験結果である。ラマン分光法には、Horiba Jobin Yvon製レーザラマンを用いた。また、G/Dを以下の表7にまとめた。なおG/Dは夫々三回ずつ測定し、平均値を出した。
【0084】
【表7】


【0085】
Gバンドは、グラファイト(黒鉛)の六角網層が正確に構成されていると強くなり、Dバンドは、六角網層の一部でC元素が欠陥し又はC元素とB元素とが置換したとき同じ位置に散乱ピークが出現すると言われている。
【0086】
図12及び表7に示すように、ドープ処理後の実施例3及び実施例4のG/Dは約0.6であり、ドープ処理前(G/D=1.32)(比較例6)に比べて半減した。これにより、黒鉛化カーボンの六角網層中のC元素とB元素との置換が起きていると考えられる。
【0087】
次にXRD測定により面間隔の変化を調べた。図13は、実施例3,4(黒鉛化カーボン)のX線回折パターンの実験結果である。また、以下の表8には、実施例3,4及び比較例6におけるC(002)面、C(100)面、C(004)面、(110)面のd値(面間隔;絶対値)が示されている。
【0088】
【表8】

【0089】
図13は、黒鉛化カーボンのX線回折パターンにおいて主に出現するピークのミラー指数を示している。表8に示すように、C(002)面、C(004)面の面間隔は、ドープ処理後、比較例6よりも小さくなり、すなわちC軸方向が狭くなり、一方、C(100)面及びC(110)面の面間隔の比較例6に対する増減傾向は、ドープ材の粒径により及び面の種類により異なることがわかった。すなわちC軸方向はドープ処理により狭くなるが、a軸方向へはドープ材により変わってしまい統一した傾向がないものと考えられる。
【0090】
続いて、XPS(X線光電子分光)分析により実施例3,4及び比較例6(未処理品)の構成元素及びB1sスペクトルを測定した。表9に構成元素分析の結果が示されている。
【0091】
【表9】

【0092】
なおドープ処理後のB1sスペクトル、及びドープ材としてのB4Cのスペクトルとを比較してみたが、両者に大きな差が見られなかった。
【0093】
以上のように、黒鉛化カーボンにB4Cをドープ処理することにより、ドープ処理しないものに対して導電性を約6倍に高くできた。なお、黒鉛部における六角網層中のC−B置換の目安となるラマンのG/D比はドープ後、約半減して置換が進んでいるとする結果が得られたが、XRDの実験結果からはC−B置換を示唆する有意なシフトが見られなかった。このことから、黒鉛化カーボンによるC−B置換の割合は、カーボンナノチューブやグラファイト(黒鉛)よりも低いものと推測される。
【0094】
(カーボンナノチューブ(シングルウォールナノチューブ)を用いた実験)
シングルウォールナノチューブ(名城カーボン製 品番FH−P)を用いて、以下の試料を用意した。
【0095】
(比較例7)
シングルウォールナノチューブ未処理品(購入したままの状態)
【0096】
(実施例5)
シングルウォールナノチューブにB23を3wt%(混合材料中、 シングルウォールナノチューブに対しB元素として)、混合した混合材料を、放電プラズマ焼結機(SPS)にて、真空中、1450℃、30分間の条件で処理した処理品
パルス電流のパルス比を6:1、昇温を30℃/min、図1の蓋材6への加圧力を30MPaとした。なおこのとき混合材料は直接に加圧されていないので無加圧と呼べる状態である。ただし、混合材料を試料保持容器に充填するに必要な圧力は混合材料に加わっている。
【0097】
図14は、比較例7、及び実施例5における粉末圧縮密度と比抵抗値との関係を示すグラフである。
【0098】
図14に示すように、比較例7及び実施例5の全てにおいて、粉末圧縮密度が大きくなるほど比抵抗値の低下が見られた。
【0099】
そして、図14に示すように、実施例5は、比較例7に比べて比抵抗値を、同じ粉末圧縮密度で見たときに必ず低くできることがわかった。また、実施例5では1450℃程度の加熱温度で0.5(Ω・cm)程度以下の低抵抗を実現できた。
【0100】
次に、実施例5と同様にシングルウォールナノチューブ及びB23を用いてB元素配合率を変化させ、0.4g/cm3の粉末圧縮密度時の比抵抗値、及びG/D比を測定した。その実験結果が以下の表10に示されている。
【0101】
【表10】

【0102】
表10に示すように、B元素の濃度を10wt%まで大きくしても比較例7に比べて比抵抗値を低くできることがわかった。また、実施例は、比較例7に比べてG/Dが小さくなった。これにより実施例では、六員環の一部の炭素(C)がホウ素(B)に置換したことで結合間隔に差が生じ、結晶構造に歪み(結晶性の低下)が生じているものと推察される。このように炭素(C)とホウ素(B)との置換により、キャリア(ホール)が増大して、低抵抗化(導電性)が促進したものと考えられる。
【0103】
(熱処理温度に関する実験)
カーボンナノチューブ(昭和電工製のマルチウォールナノチューブ(品番VGCF))を用いて、以下の試料を用意した。
【0104】
(比較例8)
カーボンナノチューブにB4Cを3wt%(混合材料中、カーボンナノチューブに対しB元素として)、混合した混合材料を、真空中、1400℃〜2000℃、30分間の条件で処理した処理品
【0105】
(実施例6)
カーボンナノチューブにB4Cを3wt%(混合材料中、カーボンナノチューブに対しB元素として)、混合した混合材料を、放電プラズマ焼結機(SPS)にて、真空中、1400℃〜2000℃、30分間の条件で処理した処理品
パルス電流のパルス比を6:1、昇温を30℃/min、図1の蓋材6への加圧力を30MPaとした。なおこのとき混合材料は直接に加圧されていないので無加圧と呼べる状態である。ただし、混合材料を試料保持容器に充填するに必要な圧力は混合材料に加わっている。
【0106】
図15は、比較例8、及び実施例6における熱処理温度と比抵抗値との関係を示すグラフである。なお各試料の粉末圧縮密度は0.4g/cm3に統一した。
【0107】
図15に示すように、加熱処理温度が上昇すると比抵抗値が低下することがわかった。ただし加熱処理温度が1800℃以上となると比抵抗値の低減効果が小さくなることがわかった。
【0108】
図15に示すように、例えば、比較例6とほぼ同じ比抵抗値を実施例にて得ようとすると、100℃〜200℃程度、熱処理温度を低くできることがわかった。あるいは、実施例6と比較例8とで同じ加熱処理温度としても、実施例のほうが比較例よりも短時間で所定の比抵抗値にまで低下させることが期待できる。
【0109】
このように実施例6では比較例8に比べて低温化・熱処理工程の短時間化を実現できる。これにより省エネルギー及び生産性の向上を図ることができる。
【0110】
以下の表11は、図15に示す各試料のG/D比を測定した実験結果である。表11にはカーボンナノチューブの未処理品の比抵抗値及びG/D比も合わせて掲載した。
【0111】
【表11】

【0112】
表11に示すように、実施例は、比較例及び未処理品に比べてG/Dが小さくなった。これにより実施例では、六員環の一部の炭素(C)がホウ素(B)に置換したことで結合間隔に差が生じ、結晶構造に歪み(結晶性の低下)が生じているものと推察される。このように炭素(C)とホウ素(B)との置換により、キャリア(ホール)が増大して、低抵抗化(導電性)が促進したものと考えられる。
【0113】
(パルス比に関する実験)
パルス電流のパルス比を99:1として、加熱温度を1600℃とし、他の条件は実施例6と同じ条件で処理した試料(実施例7)を用意した。また未処理品の比較例8を用意した。実施例7と、同じ温度で加熱を行った実施例6、および、比較例8の各試料の粉体抵抗値を測定した。その実験結果が以下の表12に示されている。
【0114】
【表12】

【0115】
なお表12に示されている粉体抵抗値は、0.4g/cm3の粉末圧縮密度時の比抵抗値を示す。表12に示すように、実施例7でも比較例8に比べて粉体抵抗値が低下しており、本発明の効果が現れている。また、パルス比のみが異なる実施例6と実施例7とで粉体抵抗が異なっており、パルス電流によってドープ処理に影響を及ぼしていることが確認できたと言える。
【符号の説明】
【0116】
1 放電プラズマ焼結機(SPS)
2、3 電極
4 試料保持容器(ダイ)
5 水冷真空チャンバー
6 蓋材
7 混合材料
8 DCパルス電源
10 ホウ素含有黒鉛板
11 カーボンナノチューブ
15〜18 パンチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーボン材料とホウ素もしくはホウ素化合物との混合材料に電流を流した状態で加熱して、前記カーボン材料にホウ素をドープすることを特徴とするホウ素含有カーボン材料の製造方法。
【請求項2】
前記混合材料に対し外部から圧力を加えずに加熱を行う請求項1記載のホウ素含有カーボン材料の製造方法。
【請求項3】
前記混合材料に圧力がかからないようにストッパ機能を備えるダイにて加熱を行う請求項2記載のホウ素含有カーボン材料の製造方法。
【請求項4】
放電プラズマ焼結機(SPS)にて、前記混合材料に電流を流した状態で加熱して、前記カーボン材料にホウ素をドープする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のホウ素含有カーボン材料の製造方法。
【請求項5】
前記混合材料に結晶性の前記カーボン材料を用いる請求項1ないし4のいずれか1項に記載のホウ素含有カーボン材料の製造方法。
【請求項6】
前記電流を流した状態での加熱により、前記結晶性のカーボン材料の結晶構造中の炭素原子をホウ素に置換する請求項5記載のホウ素含有カーボン材料の製造方法。
【請求項7】
前記カーボン材料に、カーボンナノチューブ、グラファイト、活性炭、カーボンファイバーあるいは黒鉛化カーボンを用いる請求項1ないし6のいずれか1項に記載のホウ素含有カーボン材料の製造方法。
【請求項8】
前記カーボンナノチューブには、シングルウォールナノチューブあるいはマルチウォールナノチューブを用いる請求項7記載のホウ素含有カーボン材料の製造方法。
【請求項9】
前記混合材料中に占めるホウ素の濃度を、0.1〜10wt%の範囲内にて調整する請求項1ないし8のいずれか1項に記載のホウ素含有カーボン材料の製造方法。
【請求項10】
加熱温度を1450℃〜2500℃の範囲内で調整する請求項1ないし9のいずれか1項に記載のホウ素含有カーボン材料の製造方法。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれか1項に記載の製造方法により形成されたことを特徴とするホウ素含有カーボン材料。

【図1】
image rotate

【図2(a)】
image rotate

【図2(b)】
image rotate

【図2(c)】
image rotate

【図2(d)】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2012−121792(P2012−121792A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247087(P2011−247087)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【出願人】(591074736)宮城県 (60)
【Fターム(参考)】