説明

ホットメルト接着剤組成物を製造するための連続プロセス

湿気硬化性ホットメルト接着剤組成物を製造する連続プロセスは、オルガノポリシロキサン、シリコーン樹脂、シラン架橋剤、触媒、及び溶媒を押出機に供給すること、及び揮発性成分を除去することを含む。連続プロセスを用いることにより、不揮発性成分含有量を調節し且つ一貫した製品を生産することができる。湿気に曝露した場合、上記ホットメルト組成物が硬化し、2つの基材間の接着をもたらす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(相互参照)
本出願は、米国特許仮出願第60/420,575号に基づく優先権を主張し、その全てを本出願に援用する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、湿気硬化性ホットメルト接着剤組成物を製造するための連続法に関する。本方法は、オルガノポリシロキサン、シリコーン樹脂、シラン架橋剤、及び溶媒の混合物を押出機に供給すること、並びに揮発性成分を除去することを含む。連続プロセスを用いることによって、不揮発性成分含有量を調節し、且つ一定した製品を製造することができる。湿気に曝露した場合、このホットメルト接着剤組成物は硬化し、少なくとも2つの基材間の接着をもたらす。
【背景技術】
【0003】
(背景技術)
湿気硬化性オルガノシロキサン組成物は多くの用途、例えば、要素間の接合部(ジョイント)に適用され、硬化してこれら要素間に弾性シールを提供することが可能なシーラント組成物として用いられている。これらの組成物は室温で硬化し、しかも、例えばハイウエイ・ジョイント、車両用ヘッドライトなどの物品のジョイント、及びビルディングのジョイントをシールするための、並びにガラス取り付け(グレージング)への応用のためのシーラント組成物としての使用に対して特に魅力的であるが、なぜなら、所望する品質のシールを形成するために通常必要とされる特別な加熱又はその他の硬化条件も必要とされないからである。
【0004】
多くの湿気硬化性オルガノシロキサン組成物が提案され、そして、少なくとも2つのシラノール基を含む実質的に直線状の少なくとも1種のポリオルガノシロキサン、そのポリオルガノシロキサンと反応し架橋された網目をもたらすことができる架橋剤、及び触媒物質、から通常は作られる。これらの組成物は、湿気によって促進される縮合反応によって硬化する。
【0005】
湿気硬化性オルガノシロキサン組成物中の上記架橋剤は、容易に加水分解する多官能性シラン類から通常は選択される。通常用いられる架橋剤は、トリアセトキシシラン類、トリアルコキシシラン類、トリアミノシラン類、及びトリオキシモシラン類である。上記縮合反応は、例えば、ジアルコキシアルキルシリル基によるポリオルガノシロキサンのキャッピング、それに続くその末端キャップのアルコキシ基及び/又はシラノール基の相互作用が架橋構造をもたらすことを経て、縮合反応が進むと考えられる。
【0006】
製造及び貯蔵中の上記組成物のいくらかの硬化は許容可能であるが、目的とする作業現場(ここにおいて大気中の湿気の影響下で硬化することが意図されている)で適用するはるか以前に硬化が進行しないことが重要である。したがって、上記組成物の湿気への曝露は、製造及び貯蔵の間、バッチからバッチへと一定の許容可能な低範囲に保たれるべきであり、さもなければ、上記組成物はその意図した目的に対して非実用的な程度までに硬化してしまう。
【0007】
有機ケイ素化合物をベースとする湿気硬化性組成物は、通常、微細に分散されたフィラーを含む。通常用いられるフィラーは、硬化した材料を強化し、製品のコストを下げ、あるいはそうでなければ、所望する特性の組み合わせを与えるものである。
【0008】
典型的なフィラーは高表面積シリカ、石英粉末、酸化鉄、酸化亜鉛、カーボンブラック、炭酸カルシウム、及び珪藻土、を含むがこれらに限定されない。湿気硬化性オルガノシロキサン組成物は、バッチ法又は連続法を用いて製造でき、これらの方法においては、フィラー及びポリオルガノシロキサンが共に混合され、その混合物に架橋剤及び触媒が添加され、そして得られた組成物は次にカートリッジなどの容器にパッケージされ、これは次に湿気の侵入を防止するために気密状態に密封(シール)される。
【0009】
シリコーン粘着剤(本明細書中、PSAとも記す)は、典型的には少なくとも2種の主要成分、すなわち、直線状シロキサンポリマー、並びに本質的にトリオルガノシロキサン単位(すなわち、RSiO1/2単位、ここでRは一価の有機基を表す)及びシリケート単位(すなわち、SiO4/2単位)からなる粘着付与樹脂、を含む。この2種の成分に加えて、いくつかのシリコーンPSA組成物は、最終粘着剤製品の様々な特性を最適化するために多少の架橋手段(例えば、パーオキサイド又はハイドロシレーション硬化システム)を含む。上記ポリマー成分によってもたらされる高粘度を考慮して、これらのPSA組成物は、典型的には、適用を容易にするための有機溶媒中に分散されている。これらのPSAのいくつかは、反応性基を含み、これが湿気への曝露によって組成物が硬化することを可能にしている。上述した樹脂及びポリマーの比率、並びにその他のパラメータが調整された場合、類似の組み合わせ物がコーティング用組成物へと配合されうる。特定の他の条件のもとでは、ホットメルトPSAを得ることができる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
(発明のまとめ)
本発明は、湿気硬化性ホットメルトシリコーン粘着剤組成物を製造するための連続法に関する。このプロセスは、オルガノポリシロキサン、シリコーン樹脂、シラン架橋剤、及び溶媒を混合すること;この組み合わせ物を押出機に供給し、揮発性成分を除去すること;並びに、95質量%以上の不揮発性成分含有量を有するホットメルト接着剤組成物を回収すること、を含む。本製造方法は、コスト、利便性、及び製品の一貫性の点で有利である。
【0011】
(本発明の詳細な説明)
本発明は、ホットメルト接着剤組成物を製造するための連続プロセスに関する。このプロセスは、オルガノポリシロキサン、シリコーン樹脂、シラン架橋剤、及び溶媒を混合すること;この組み合わせ物を押出機に供給し、揮発性成分を除去すること;並びに、95質量%以上の不揮発性成分含有量を有するホットメルト接着剤組成物を回収すること、を含む。
【0012】
本発明で有用な上記シリコーン樹脂は、RSiO1/2で表される一官能性単位、及びSiO4/2で表される四官能性単位を含む。Rは置換又は無置換の一価の炭化水素残基を表す。このタイプのシリコーン樹脂は、粘着剤として用いられるオルガノシロキサン組成物中に存在する成分の一つとして当技術分野において周知である。
【0013】
上記シリコーン樹脂は、液状炭化水素、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ヘプタン、及びその他同様のもの、又は液状有機ケイ素化合物、例えば低粘度環状及び直鎖状ポリジオルガノシロキサン類、に可溶である。
【0014】
SiO1/2単位中、Rは、典型的には20以下の炭素原子、典型的には1〜10の炭素原子を含む一価の炭化水素残基である。Rとして適当な炭化水素残基の例には、アルキル残基、例えば、メチル、エチル、プロピル、ペンチル、オクチル、ウンデシル、及びオクタデシル;アルケニル残基、例えば、ビニル、アリル、及び5−ヘキセニル;脂環式残基、例えば、シクロへキシル及びシクロヘキセニルエチル;並びに、アリール残基、例えば、フェニル、トリル、キシリル、ベンジル、及び2−フェニルエチル、が含まれる。R上に存在しうる非反応性の置換基には、ハロゲン及びシアノが含まれるがこれらに限定されない。Rで表されうる典型的な置換炭化水素残基には、クロロメチル及び3,3,3−トリフルオロプロピルが含まれるが、これらに限定されない。
【0015】
SiO1/2単位中のR残基の少なくとも3分の1、あるいは少なくとも3分の2は、メチル残基である。RSiO1/2単位の例には、MeSiO1/2、PhMeSiO1/2、及びMeViSiO1/2(ここでMe、Ph、及びViは、それぞれメチル、フェニル、及びビニルを表す)が含まれるが、これらに限定されない。上記シリコーン樹脂は、これらの単位の2種以上を含むことができる。
【0016】
上記シリコーン樹脂中のRSiO1/2単位及びSiO4/2単位のモル比は、典型的には0.5/1〜1.5/1、好ましくは0.6/1〜0.9/1である。これらのモル比は、都合良く、Si29n.m.r.分光法によって測定される。この手法は、上記シリコーン樹脂、及び当初のシリコーン樹脂中に存在するネオペンタマー(Si(MeSiO))に由来する、RSiO1/2(「M」)単位及びSiO4/2(「Q」)単位の濃度を定量的に決定し、加えて、上記シリコーン樹脂の合計ヒドロキシル含有量を定量的に決定することができる。
【0017】
本発明の目的のためには、上記RSiO1/2対SiO4/2比を{M(樹脂)+M(ネオペンタマー)}/{Q(樹脂)+Q(ネオペンタマー)}として表すことができ、上記シリコーン樹脂の、樹脂及びネオペンタマー部分のシリケート基の合計数に対する、樹脂及びネオペンタマー部分のトリオルガノシロキシ基の合計数の割合を表す。
【0018】
上記シリコーン樹脂は、2.0質量%以下、又は0.7質量%以下、又は0.3質量%以下の、式XSiO3/2で表される末端単位を含み、ここでXは、ヒドロキシル又は加水分解性基、例えばメトキシ及びエトキシなどのアルコキシ;イソプロペニルオキシなどのアルケニルオキシ;メチルエチルケトキシモなどのケトキシモ;アセトキシなどのカルボキシ;アセタミドキシなどのアミドキシ;並びに、N,N−ジメチルアミノキシなどのアミノキシ、を表す。上記シリコーン樹脂に存在するシラノール基の濃度は、フーリエ変換赤外分光分析(FTIR)を用いて決定することができる。
【0019】
上記シリコーン樹脂の所望する流動特性(フロー特性)を達成するために必要な数平均分子量Mは、上記シリコーン樹脂の分子量、及び、Rによって表され、この成分中に存在する炭化水素残基の種類(タイプ)に少なくともある程度左右される。本明細書中で用いるMは、上記ネオペンタマーによって現れるピークを測定から除外したときに、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定した分子量を表す。上記シリコーン樹脂のMは、典型的には3000より大きく、さらに典型的には4500〜7500である。典型的には、150℃を超える耐熱性(すなわち、高温において接着を維持する、接着剤の能力)は、Mが3000を超える場合にかなりの程度になる。
【0020】
上記シリコーン樹脂はいずれかの適当な方法で調製できる。このタイプのシリコーン樹脂は、報告されているところでは、対応するシラン類の共加水分解によって、又は当技術分野で公知のシリカヒドロゾル・キャッピング法によって製造されてきている。上記シリコーン樹脂は好ましくは、Daudtら、米国特許第2,676,182号;Rivers-Farrellら、米国特許第4,611,042号;及び、Butlerら、米国特許第4,774,310号のシリカヒドロゾルキャッピング法によって製造される。
【0021】
上記シリコーン樹脂を製造するために用いられる中間体は、典型的には、式RSiX’のトリオルガノシラン類(ここでX’は加水分解性基を表す)、及び4つの加水分解性基(例えば、ハロゲン、アルコキシ、若しくはヒドロキシル)を有するシラン又はアルカリ金属シリケート(例えばナトリウムシリケート)のいずれか、である。
【0022】
上記シリコーン樹脂中のケイ素に結合した水酸基(すなわち、HORSiO1/2、又はHOSiO3/2基)は、シリコーン樹脂の全質量の0.7質量%以下、あるいは0.3質量%以下であることが好ましい。上記シリコーン樹脂を製造する間に形成されたケイ素に結合した水酸基は、適当な末端基を含有するシラン、ジシロキサン、又はジシラザンにそのシリコーン樹脂を反応させることによって、トリヒドロカルビルシロキシ基又は加水分解性基に変換される。加水分解性基を含有するシラン類は、典型的には、シリコーン樹脂のケイ素に結合した水酸基と反応するために必要な量よりも過剰に添加される。
【0023】
ここに有用な上記オルガノポリシロキサンは、式RSiOの二官能性単位、及び式RX’3−aSiG−の末端単位を含み、ここでRはアルコキシ基又は一価の無置換又は置換炭化水素残基;Rは無置換又は置換一価炭化水素残基;Rはアミノアルキル又はR基;X’は加水分解性基;Gは末端単位のケイ素原子を別のケイ素原子と連結する二価の基であり、且つaは0又は1である。上記オルガノポリシロキサンは、場合により、合計を基準にして約20%以下の式RSiO3/2の三官能性単位を含むことができ、ここでRは既に説明したとおりである。RSiO単位のR及びRによって表される残基の少なくとも50%、典型的には少なくとも80%が、低級アルキル、例えばメチル、である。
【0024】
上記オルガノポリシロキサンに存在する末端単位は、式RX’3−aSiG−で表され、ここでX’は加水分解性基、Rはアミノアルキル又はR、Gは末端単位のケイ素原子を別のケイ素原子と連結する二価の基であり、そしてaは0又は1である。典型的には、上記オルガノポリシロキサンは、架橋生成物を形成するために1分子当たり2以上の加水分解性基(X’)を含有する。X’で表される典型的な加水分解性基には、ヒドロキシ、メトキシ及びエトキシなどのアルコキシ、イソプロペニルオキシなどのアルケニルオキシ、メチルエチルケトキシモなどのケトキシモ、アセトキシなどのカルボキシ、アセタミドキシなどのアミドキシ、及びN,N−ジメチルアミノキシなどのアミノキシ、が含まれるがこれらに限定されない。
【0025】
上記末端基においては、aが0の場合、X’によって表される基はアルコキシ、ケトキシモ、アルケニルオキシ、カルボキシ、アミノキシ、又はアミドキシであることができる。aが1の場合、X’は典型的にはアルコキシであり、Rは、メチル又はエチルなどのアルキル、又はアミノプロピル若しくは3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルなどのアミノアルキルである。上記アミノアルキル残基のアミノ部分は、一級、二級、又は三級であることができる。
【0026】
上記末端単位の式において、Gは、加水分解に対して安定な二価の基又は原子である。「加水分解に対して安定」は、それが加水分解性ではなく、それにより上記末端単位は組成物が硬化する間に除去されず、かつ、硬化反応が悪影響を受けないことを意味する。Gによって表される加水分解に対して安定な連結基には、酸素、アルキレン及びフェニレンなどのヒドロカルビレン、酸素、窒素、及びイオウから選択される1つ以上のヘテロ原子を含有するヒドロカルビレン、及びこれらの連結基の組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。Gは、−(OSiMe)CHCH−、−(CHCHSiMe)(OSiMe)CHCH−、−(CHCHSiMe)O−、(CHCHSiMe)OSiMe)O−、−(CHCHSiMe)CHCH−、及び−CHCH−などのシラアルキレン連結基、−(OSiMe)O−などのシロキサン連結基、又は、より好ましくは酸素原子、を表しうる。
【0027】
好ましい末端単位の具体例は、(MeO)SiCHCH−、(MeO)SiO−、Me(MeO)SiO−、HNCHCHN(H)(CHSiO−、(EtO)SiO−、(MeO)SiCHCHSiMeCHSiMeCHCHSiMeO−、MeNOSiO−、MeC(O)N(H)SiO−、及びCH=C(CH)OSiO−、を含むがこれらに限定されない。これらの式中、Mはメチルを表し、Etはエチルを表す。
【0028】
X’がアルコキシ基を含む場合、このX’基を最も近いシロキサン単位から、エチレンなどのアルキレン残基によって分離することが好ましい。例えば、RX’3−aSiG−は、(MeO)SiCHCHSi(Me)O−でありうる。アルコキシ基をトリアルコキシシリルアルキル基に変換する方法は、従来技術で説明される。例えば、式(MeO)SiO−及びMe(MeO)SiO−を有する湿気反応性基は、それぞれ式(MeO)Si及びMe(MeO)Siを有する化合物によって、シラノール末端ポリオルガノシロキサンに導入されうる。それに代わり、ポリオルガノシロキサンがシラノール基又はビニルなどのアルケニル基、並びに白金族金属又はそれらの化合物をハイドロシレーション反応触媒として含む場合、それぞれ式(MeO)SiH及びMe(MeO)SiHを有する化合物が用いられうる。その他の加水分解性基、例えばジアルキルケトキシモ、アルケニルオキシ、及びカルボキシが、アルコキシ基と入れ替わることができることが理解されよう。
【0029】
上記ホットメルト接着剤に用いられる上記オルガノポリシロキサンは、好ましくは、3つのアルコキシ又はケトキシモ基、アルキル又はアミノアルキル残基のいずれかとともに2つのケトキシモ基又は2つのアルコキシ基、を含むポリジメチルシロキサンである。
【0030】
上記オルガノポリシロキサンの粘度は、25℃で0.02Pa・s〜100Pa・s、典型的には0.35〜約60Pa・sの範囲内にある。
【0031】
上記シリコーン樹脂及びオルガノポリシロキサンは、シリコーン樹脂及びオルガノポリシロキサンの量を基準にして55〜75樹脂固形分となる量で存在する。より多い量の樹脂を用いることができるが、基材へ上記湿気硬化性ホットメルト接着剤組成物を適用するためには、より高い適用温度が必要となる。
【0032】
上記シラン架橋剤は、式RSiZ(4−n)で表され、ここでRは上述したとおりであり、Zは環境条件下で少なくとも上記オルガノポリシロキサンの末端基と反応して硬化した材料を形成する加水分解性基であり、そしてnは0、1、又は2である。典型的には、Rはアルキル及び/又はフェニル基である。Zによって表される適当な加水分解性基は、1〜4の炭素原子を含むアルコキシ、アセトキシなどのカルボキシ、メチルエチルケトキシモなどのケトキシモ、及びアミノオキシを含むが、これらに限定されない。上記シラン架橋剤においてn=2の場合、上記オルガノポリシロキサンは典型的には3X’基(例えば、a=0)を含む。
【0033】
適当なシラン架橋剤は、メチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、メチルトリス(メチルエチルケトキシモ)シラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、及びエチルオルソシリケートなどのアルキルオルソシリケート類を含むが、これらに限定されない。
【0034】
用いられるシラン架橋剤の量は、シリコーン樹脂及びポリマーの量を基準にして、100分の0.5〜100分の15部(0.5〜15pph(parts per hundred))の範囲であり、典型的には100分の8部(8pph)である。多すぎるシラン架橋剤が存在する場合、グリーン強度及び/又はホットメルト接着剤の硬化速度が低下する。シラン架橋剤が揮発性である場合、過剰量用いて最終のホットメルト接着剤組成物中に100分の1.5〜100分の15部(1.5pph〜15pph)とすることが必要となりうる。当業者は1.5〜15pph有する組成物を製造するために必要な量を決定することができる。
【0035】
上記オルガノポリシロキサン及び/又は上記シラン架橋剤がケトキシム官能基を含む場合を除き、上記ホットメルト接着剤組成物にチタネート触媒が典型的に用いられる。チタネート触媒は、テトラブチルチタネートなどの有機チタン化合物、及びアセト酢酸エステル及びベータ−ジケトンなどのキレート剤によるこれらの塩の部分キレート誘導体、である。用いられるチタネート触媒の量は、樹脂及びポリマーの量を基準にして100分の0.01〜100分の2部(0.01〜2pph)であり、典型的には0.05〜1pphである。多すぎるチタネート触媒が添加された場合、組成物の硬化が不良になる。加えて、触媒の量が増加するにつれて、ホットメルト接着剤の粘度が増加し、その材料を適用するためにより高い溶融温度が必要となる。
【0036】
上記ホットメルト接着剤組成物は、樹脂及びポリマーを基準にして、100分の0.05〜100分の2部(0.05〜2pph)の接着促進剤を含むことができる。接着促進剤は当技術分野で公知であり、そして、典型的なシラン類は式RSi(OR)4−(c+d)を有し、ここでRは独立して置換又は無置換の、少なくとも3つの炭素原子を有する一価の炭化水素基であり、そしてRは接着促進基、例えばアミノ、エポキシ、メルカプト、又はアクリレート基、を有する少なくとも1つのSiC結合基を含み、cは0〜2の値であり、かつ、dは1又は2のいずれかであり、c+dの合計は3より大きくない。上記接着促進剤はまた、上記シランの部分縮合物であることもできる。
【0037】
上記ホットメルト接着剤組成物は、全接着剤を基準に0.1〜40質量%の処理された及び/又は未処理のフィラーを含むことができる。適当なフィラーの例には、炭酸カルシウム、ヒュームド・シリカ、ケイ酸塩(シリケート)、金属酸化物、金属水酸化物、カーボンブラック、硫酸塩、又はジルコン酸塩(ジルコネート)、が含まれる。
【0038】
上記ホットメルト接着剤を製造する場合に、溶媒が典型的には用いられる。溶媒は、流動性、並びに、上記シリコーン樹脂及びオルガノポリシロキサンポリマーの導入、を助ける。しかし、本質的には全ての溶媒は、上記ホットメルト接着剤の製造のための連続プロセスにおいて除去される。「本質的に」は、上記ホットメルト接着剤組成物が、ホットメルト接着剤の質量を基準にして、たかだか0.05〜5質量%、好ましくは0.5%未満の溶媒しか含まないことを意味する。多すぎる溶媒が存在する場合、ホットメルト接着剤の粘度が低くなりすぎて製品の性能が妨げられる。
【0039】
ここで用いられる溶媒は、上記ホットメルト接着剤の製造に用いられる成分を流動化させる助けになる溶媒であるが、本質的にホットメルト接着剤中のどの成分とも反応しない。適した溶媒は有機溶媒、例えば、トルエン、キシレン、塩化メチレン、ナフサ・ミネラルスピリット、及び低分子量シロキサン類、である。
【0040】
上記シリコーン樹脂、オルガノポリシロキサン、シラン架橋剤、溶媒、及びいずれかの任意の成分は、連続混合装置に供給される。連続混合装置に添加する順序は、上記ホットメルト接着剤組成物を製造するために決定的に重要なことではない。上記樹脂が典型的に0.7質量%より多いシラノールを有する場合、いずれかの反応が起こり、かつ、反応生成物(すなわち、揮発成分)が除去されることを可能にするため、上記シラン架橋剤及び/又は触媒並びに樹脂を共に加えることが好ましい。上記連続混合装置は、上記成分を混合することができ、かつ溶媒を除去する手段を含むべきである。典型的には押出機が用いられ、さらに典型的には二軸押出機が用いられる。
【0041】
押出機を用いる場合、上記成分は押出機中に供給され、そして50〜250℃、あるいは80〜150℃の範囲の温度に加熱される。押出機中で上記組成物を加熱することによって、粘度が低下し、成分を充分混合することができる。典型的には押出機においては、上記シリコーン樹脂及びオルガノポリシロキサン及び溶媒がその装置内に供給される。シラン架橋剤及び任意の触媒もまた、この時点で添加されうるか又はそれらはいくらか混合が行われた後で装置内のさらに下流で添加されることができる。同方向回転二軸押出機でのホットメルト接着剤の連続ステップは、T. Peitz, “Continuous Processing of Hot Melt Adhesives on Co-Rotating Twin Screw Extruder”, 1996 Hot Melt Symposium, p. 37-45に記載されている。
【0042】
上記溶媒は、連続混合プロセスの間に除去される。典型的には、連続混合装置に真空が適用され、溶媒、及びホットメルト接着剤組成物中に存在する全ての他の揮発成分の除去を容易にする。真空は、上記連続混合装置の単一又は複数段階に適用されうる。複数の真空段階の使用は、溶媒に対する改善された除去を提供することが発見された。上記シラン架橋剤は揮発性でありうることから、溶媒とともに架橋剤が除去されることを防止するために、ほとんどの溶媒が除去された後でシラン架橋剤を添加することが好ましい。
【0043】
上記ホットメルト接着剤組成物は、少なくとも2つの基材を共に接着するために用いることができる。典型的には、上記ホットメルト接着剤組成物は、2つの基材の間の層として用いられ、第一の基材、硬化したホットメルト接着剤、及び第二の基材、の積層体を作り出す。ここで作り出される積層構造は、これらの三層に限定されない。硬化接着剤及び基材の追加の層が適用されうる。上記積層体中のホットメルト接着剤組成物の層は、連続又は不連続であることができる。例えば、連続層は、図1で以下に示す窓100などの積層体を形成するために用いられうる。それに代えて、不連続層は、図2で以下に示す蓋の密封材(シール)を有するハウジング200などの積層体を形成するために用いられうる。
【0044】
さらに、基材として用いられうる材料にはいかなる制限もない。ホットメルト接着剤組成物、又はそれらの硬化生成物を適用することができる適当な基材には、ガラス;金属、例えば、アルミニウム、銅、金、ニッケル、シリコン、銀、ステンレススチール合金、及びチタン;セラミック材料;エンジニアリングプラスチック、例えばエポキシ、ポリカーボネート、ポリ(ブチレンテレフタレート)樹脂、ポリアミド樹脂、及びそれらのブレンド物、例えば、ポリアミド樹脂と例えばMidland, Michigan, U. S. A. のザ・ダウ・ケミカル・カンパニーから販売されているシンジオタクティックポリスチレンとのブレンド物、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン、スチレン変性されたポリ(フェニレンオキシド)、ポリ(フェニレンサルファイド)、ビニルエステル、ポリフタルアミド、及びポリイミド、を含むプラスチック;セルロース質基材、例えば、紙、布、及び木材;並びにそれらの組み合わせ物、が含まれるがこれらに限定されない。1より多い基材が用いられる場合は、その基材について同じ材料から作られていることは必要とされない。例えば、ガラス及び金属基材、又はガラス及びプラスチック基材の積層体を形成することが可能である。
【0045】
上記積層構造体を作るための一つの方法は、第一の基材の表面上にホットメルト接着剤組成物のフィルムを適用することである。第二の基材の表面が次にそのホットメルト接着剤組成物を接触され、そして第一及び第二の表面が共に押しつけられる。溶融材料とともに用いるために適した従来の適用方法には、ディッピング、スプレー、共押出、及び加熱したドクターブレード、ドロー・ダウン・バー、及びカレンダー・ロールを用いて広げること、が含まれるがこれらに限定されない。典型的には、上記ホットメルト接着剤組成物は、80〜150℃の温度に加熱されることによって適用され、かつホースを通しての圧力によって適用される。このタイプの装置は当技術分野で公知であり、市販されている。湿気に曝した場合、上記ホットメルト接着剤は硬化する。上記ホットメルト接着剤組成物は、空気中の湿気と接触させることにより、又は湿気の直接導入、例えば、積層体をスチームと接触させることにより又は積層体を加湿庫内に置くことにより、湿気にさらすことができる。
【0046】
上記ホットメルト接着剤組成物のフィルムを形成し、そして次にそのホットメルト接着剤組成物のフィルムを硬化させることによって積層体を形成することもできる。硬化したフィルムの第一の表面を、第一の基材の表面に接触させる。第二の基材の表面を次に硬化したフィルムの別の表面と接触させ、そして第一及び第二の表面を共に押しつけて積層体を形成する。
【0047】
積層体を製造するための別の代替法は、ホットメルト接着剤組成物のフィルムを、第一の基材の表面上に適用することである。このホットメルト接着剤組成物を次に湿気に曝露することによって硬化させ、硬化したフィルムを作る。第二の基材を、次いで第一の基材上の硬化したフィルムと接触させ、そして第一及び第二の表面を共に押しつけて積層体を形成する。
【0048】
本発明によるホットメルト接着剤組成物を硬化させることによって調製される硬化フィルムは、多くの産業、例えば自動車、電気、建築、宇宙、及び医療、における実用性を見いだしている。上記硬化フィルムは、熱及び湿気などの不利な環境に抵抗する接着剤を提供しうる。例えば、上記硬化フィルムは、印刷回路基板及び電気又は電子部品を含むその他の基板などの基材のための絶縁保護コーティングとして用いることができる。
【0049】
さまざまな積層体が、本発明に従い、上記ホットメルト接着剤組成物を用いて作成されうる。例えば、積層体は、エアーバッグの一部、自動車内装、窓、又は蓋の密封材となりうる。図1は本発明によって作成された窓の一部を示す。この窓はサッシ100を含み、その上にホットメルト接着剤組成物のフィルム101が適用される。スペーサー105によって隔てられた2枚の窓ガラス103、104を含む断熱ガラスユニット102が、ホットメルト接着剤組成物のフィルム101に適用される。ホットメルト接着剤組成物のフィルム101は、サッシ100に適用される前、サッシ100に適用後、断熱ガラスユニット102への適用前、又は断熱ガラスユニット102への適用後、に硬化されることができる。2枚の窓ガラス103、104は、ホットメルト接着剤組成物のフィルム106によってスペーサー105に取り付けられることができる。ホットメルト接着剤組成物のフィルム106は、窓ガラス103又は104への適用前、窓ガラス103又は104への適用後、スペーサー105への適用前、又はスペーサー105への適用後、に硬化されることができる。
【0050】
図2は本発明によって調製された蓋のシール(密封材)を有する、電子部品204のためのハウジング200の略図を示す。ハウジング200は例えば、
(1)上述したホットメルト接着剤組成物201を容器202としてここに示される第一の基材の枠の上に適用し、
(2)蓋203の端部がホットメルト接着剤組成物201と接触するように、容器202の上に蓋203としてここに示される第二の基材を置き、そして
(3)ホットメルト接着剤組成物201を硬化させて、容器202及び蓋203の間に蓋のシールを形成する、
ことによって作ることができる。
【0051】
当業者は、上記ホットメルト接着剤組成物が最初に上記蓋203の端部に適用され、そしてその後、蓋203が容器202の上に配置されうることがわかるだろう。当業者は、ホットメルト接着剤組成物201を硬化させることは、基材の1つ又は両者(蓋203及び容器202)に適用する前、適用する間、又は適用した後で行われうることがわかるだろう。それに代わり、ホットメルト接着剤組成物又はホットメルト接着剤組成物を硬化させることによって作られたホットメルト接着剤が、蓋が容器の上に配置された後で、蓋の端部に適用されうる。
【0052】
(例)
材料:
〔シリコーン樹脂〕
樹脂A:SiO単位1モル当たり0.8モルのトリオルガノシロキシ単位のモル比でトリオルガノシロキシ単位及びSiO単位を含むキシレン可溶性樹脂コポリマーであり、ここで上記トリオルガノシロキシ単位がトリメチルシロキシ及びジメチルビニルシロキシであり、かつ上記コポリマーが、1.9質量%のビニル残基、及び1.5質量%の、Siに結合した水酸基、を含んでいる。この樹脂はキシレン中に溶解し、70質量%固形分の溶液を与える。
【0053】
樹脂B:0.8のモル比でトリオルガノシロキシ単位及びSiO単位を含むキシレン可溶性樹脂コポリマー。この樹脂はトリメチルシロキシ基でキャップされ、0.7質量%のSiに結合した水酸基をもつ樹脂を与える。この樹脂はキシレン中に溶解され、60質量%固形分の溶液を与える。
【0054】
〔オルガノポリシロキサン〕
ポリマーA:−CHCHSi(OMe)末端基を終端とする、およその粘度が70000csの主として直線状のポリジメチルシロキサンポリマー。
【0055】
ポリマーB:末端の約80%が−CHCHSiOSiCHCHSi(OMe)を終端とし、残りの末端がビニル基を終端とし、およその粘度が70000csの主として直線状のポリジメチルシロキサンポリマー。
【0056】
ポリマーC:25℃で50Pa・sの粘度を有する、主として直線状のヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサン液体。
【0057】
〔架橋剤〕
アルコキシシランA:i−BuSi(OMe)、イソブチルトリメトキシシラン
【0058】
アルコキシシランB:MeSi(OMe)、メチルトリメトキシシラン
【0059】
オキシムシランC:メチルトリ(エチルメチルケトキシム)シラン
【0060】
オキシムシランD:ビニルトリ(メチルエチルケトキシム)シラン
【0061】
〔任意成分〕
アルコキシシランC:NHCHCHNHCHCHCHSi(OMe)
【0062】
アルコキシシランD:74質量部(parts by weight(pbw))のグリシドキシプロピルトリメトキシシランと26pbwのアミノプロピルトリメトキシシランとの反応混合物であって、これらのシランを混合し、室温で16時間置いたもの。
CaCO − ステアリン酸塩で処理された、平均2ミクロンの粒径の炭酸カルシウム粉末。米国Kennesaw GAのジョージア・マーブル社から入手可能。
【0063】
〔チタネート触媒〕
チタネート触媒A:Ti(OtBu)、テトラ−ターシャリーブチルチタン
【0064】
チタネート触媒B:Ti(OBu)、テトラ−nブチルチタン
【0065】
チタネート触媒C:Ti(iOPr)(EAA)、ジイソプロピル−ビス−エチルアセトアセテートチタン
【0066】
これら全てのチタネート触媒は、米国Deepwater NJのDuPont社から販売されている。
【0067】
錫触媒D:ジブチル錫ジラウレート
【0068】
〔試験方法〕
NVC:不揮発成分含有量(NVC)は、約1gのホットメルト接着剤をアルミニウム秤量皿に入れ、110℃に16時間加熱し、質量変化を記録することによって決定した(備考;例10は1h/150℃条件)。
【0069】
粘度:使用した装置は、ミツトヨ・マイクロメーター及び温度コントローラーを取り付けたボーリン・インスツルメンツVORレオメーター(Bohlin Instruments VOR Rheometer)である。プレート間は1.5mmギャップで、パラレルプレート構造を使用した。試験は、周波数=1Hz及び振幅=25%(ひずみ=0.0518)を用いて振動モードで行った。上記ホットメルトが入れられた金属カートリッジを110℃のオーブン内に置き、粘度試験のためのサンプルを得た。サンプルは次に上記プレートとプレートの間に置き、1.5mmのギャップに到達するまで共に近づけた。このプロセスの間、サンプルをたかだか160℃から180℃まで加熱し、かつ、余分なサンプルを上記プレートの側面から落とした。所望する温度及びギャップに到達したら、サンプルを160〜180℃から25℃まで、冷却速度=3℃/2minで傾斜をつけて降下させ、2分ごとにデータを収集した。
【0070】
〔例1〜9〕
樹脂及びポリマーを5ガロンの金属製バケツ中で混合し、次にシラン及び触媒スラリーを前もって混合したスラリーを添加し混合した。この混合物を約10 lbs/hrのフローレートで、30mm二軸押出機に供給した。バレル温度(bl temp)、スクリュー速度(rpm)及び真空条件(真空mmHg)を表に示した。
【0071】
上記二軸押出機においては、各真空段階の前に、その真空の前にシールを作り出すために用いられた2つの逆進エレメント(10/10左巻き)がある。各真空ポートの下には、3〜4の長い搬送エレメント(42/42)が用いられ、上記材料がより多くの表面領域を有し、且つ真空に対するいっそう長い滞留時間を有することができる。
【0072】
樹脂Bを用いた場合、混合物(樹脂、ポリマー、シラン、及び触媒)の粘度はずっと低かった。10 lbs/hrのフローレートを用い、顕著なうねり(サージング)が観測され、そして材料は良好にストリッピングされることができなかった。この問題を解決するため、より小さな押出能力をもつ搬送エレメント(例えば20/20の代わりに42/42及び28/28を用いる)を用い、且つ、1つの逆進エレメントを第二及び第三の真空の間に加えた。
【0073】
〔例1〕
例1は、nvc及び粘度に対する真空及びrpmの影響を示す。
【0074】
【表1】

【0075】
【表2】

【0076】
〔例2〕
例2は、2つの異なる樹脂含有量において、粘度に対する触媒レベルの変化の影響を示す。
【0077】
【表3】

【0078】
【表4】

【0079】
〔例3〕
例3は、nvc及び粘度に対する架橋剤の揮発度の影響を示す。
【0080】
【表5】

【0081】
【表6】

【0082】
〔例4〕
例4は、上記ホットメルト接着剤を作るために、部分的にキャップされたポリマーが用いられうることを示す。
【0083】
【表7】

【0084】
【表8】

【0085】
〔例5〕
例5は、主に、nvcに対する真空の影響を示す。これらの場合においては、Meキャップされた樹脂が用いられる。最後の3つのサンプルは、互いに繰り返しである。
【0086】
【表9】

【0087】
【表10】

【0088】
〔例6〕
このサンプルは、粘度に与える触媒の影響を示し、樹脂はMeキャップされている。
【0089】
【表11】

【0090】
【表12】

【0091】
〔例7〕
例7は、ホットメルト接着剤を作るためにその他のチタネート触媒を用いることができることを示す。
【0092】
【表13】

【0093】
【表14】

【0094】
〔例8〕
例8は、フィラー及び接着促進剤を用いることができることを示す。
【0095】
【表15】

【0096】
【表16】

【0097】
〔例9〕
例9は、有用なホットメルト材料が、オキシム硬化によって製造されうることを示す。
【0098】
【表17】

【0099】
〔例10〕
これらのサンプルについては、L/D=50の50mm二軸混合機を使用した。樹脂及びポリマーはタンク内でプレミックスし、次に混合機に供給するために用いられる別のタンクに移した(両方のタンクは加熱可能であり、樹脂及びポリマー混合物の供給温度は以下に示した);このプロセスから溶媒を除去するために3つの真空段階を使用し、この3つの真空段階は、13.93D、20.86D、及び30.87Dにある;架橋剤及び触媒の混合物は35.87Dで供給した;最終の真空は45.86Dで適用した。
【0100】
例10は、樹脂及びポリマーが架橋剤及び触媒と分離して供給されて、ホットメルト接着剤が作られうることを示す。同様に、混合機に導入される前に、樹脂及びポリマーの流れが加熱されることができることを示す。
【0101】
【表18】

【0102】
【表19】

【0103】
〔例11〕
樹脂B(65pbw(質量部))及びポリマーA(35pbw)を30分間混合した。アルコキシシランA(8pbw)及びチタネート触媒A(0.1pbw)を前もって混合したスラリーを、樹脂及びポリマーの混合物に加え、10分間撹拌した。得られた混合物を加熱及び真空下で二軸押出機を通して送り出し、ホットメルトシーラントを製造した。
【0104】
上記ホットメルトシーラントは、0.254センチメートル(cm)厚さをもつフィルムを調製し室温で21日硬化させることによって、硬化フィルムを作るために用いた。硬化フィルムは2.54×2.54cm片に切断した。各片を第一の基材上に適用し、さらに第二の基材をその硬化フィルム片の上にプレスして、硬化フィルム積層体を作成した。
【0105】
上記ホットメルトシーラントを121℃に加熱し、第一の基材上に適用した。第二の基材をそのホットメルトの上にプレスし、第一及び第二の基材の間に0.254cm厚さを作り出し、ウェットフィルム積層体を形成した。全ての積層体は少なくとも21日間、室温で硬化させた。
【0106】
表11は、積層体番号、各積層体で用いた基材、及び硬化後の積層体のそれぞれについて、Sintech剪断試験装置によって測定した剪断力(shear force)を示す。表11において、Gはガラスを表し、Aはアルミニウムを表し、PCはポリカーボネートを表し、そしてWは木材を表す。
【0107】
【表20】

【0108】
例11は、本発明の方法によって作られたホットメルト接着剤組成物が、様々な基材を有効に積層することを示す。
〔比較例1〕
表11Aの成分を混合することによりサンプルを調製する。
【0109】
【表21】

【0110】
比較例1及び例11の組成物を用いて積層体を作成した。6.45平方cmの重なり及び0.254cmの厚さ(の接着剤層)をもつ積層体について、0.0847cm/secで引張り剪断(Lap shear)を測定した。引張り剪断は、組成物を14日にわたって硬化させたときに数回測定した。結果は表12にある。
【0111】
【表22】

【産業上の利用可能性】
【0112】
上記ホットメルト接着剤組成物及びホットメルト接着剤組成物を硬化させることによって調製されたホットメルト接着剤は、建築及びエレクトロニクス産業における使用を見いだしている。上記ホットメルト接着剤組成物及びホットメルト接着剤は、建築産業、例えば、窓への応用に用いることができる。上記ホットメルト接着剤組成物及びホットメルト接着剤は、エレクトロニクス産業、例えば、蓋の密封への応用に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】図1は、本発明にしたがって作成される窓の一部分である。
【図2】図2は、本発明にしたがって作成される蓋シールをもつハウジングの略図である。
【符号の説明】
【0114】
100…サッシ
101…ホットメルト接着剤組成物
102…断熱ガラスユニット
103…窓ガラス
104…窓ガラス
105…スペーサー
106…ホットメルト接着剤組成物
200…ハウジング
201…ホットメルト接着剤組成物
202…容器
203…蓋
204…電子部品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下のステップ:
(A)連続混合装置内に、
(1)2質量%未満のシラノール含有量を有し、かつ、RSiO1/2で表される一官能性単位、及びSiO4/2で表される四官能性単位を含むシリコーン樹脂(ここでRは置換又は無置換の一価炭化水素残基である)、
(2)式RSiOの二官能性単位、及び式RX’3−aSiG−の末端単位を含むオルガノポリシロキサン(ここでRはアルコキシ基又は一価の無置換又は置換炭化水素残基;Rは一価の無置換又は置換炭化水素残基;Rはアミノアルキル又はR基、X’は加水分解性基;Gは前記末端単位のケイ素原子を別のケイ素原子と連結する二価の基、そしてaは0又は1である)、
(3)シリコーン樹脂及びオルガノポリシロキサンの100分の0.5〜15部のシラン架橋剤、及び
(4)溶媒
を供給すること;
(B)前記連続混合装置内で上記(1)〜(4)の混合物を作り出すこと;
(C)前記混合物が、少なくとも97質量%の不揮発性成分含有量を有するまで、前記連続混合装置内で前記混合物から揮発性成分を充分に除去すること;及び
(D)ホットメルト接着剤組成物を回収すること、
を含む、ホットメルト接着剤組成物を製造するための連続プロセス。
【請求項2】
前記(1)〜(4)の混合物が50〜250℃の温度で作り出される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記揮発性成分が除去された後で、前記シラン架橋剤が前記混合物に添加される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
前記揮発性成分が除去された後で、前記シラン架橋剤及び触媒が前記混合物に添加される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項5】
前記混合物が少なくとも1種の(5)接着促進剤、及び(6)フィラーをさらに含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項6】
前記連続混合装置が押出機である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項7】
前記押出機が二軸押出機である、請求項6に記載のプロセス。
【請求項8】
前記連続混合装置に真空が適用されていずれかの揮発性成分の除去を助ける、請求項1に記載のプロセス。
【請求項9】
前記ホットメルト接着剤組成物が、120℃で200〜10000ポイズの粘度を有する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項10】
以下のステップ:
(A)請求項1に記載の連続プロセスで製造されるホットメルト接着剤組成物のフィルムを第一の基材の表面に適用すること;
(B)前記ホットメルト接着剤組成物のフィルムに第二の基材の表面を接触させること;
(C)前記第一及び第二の基材を共に押しつけること;
(D)前記ホットメルト接着剤組成物を湿気に曝露し、前記ホットメルト接着剤組成物を硬化させ且つ積層体を製造すること、
を含む、積層体を製造するためのプロセス。
【請求項11】
以下のステップ:
(A)請求項1記載の連続プロセスで製造されるホットメルト接着剤組成物の薄いフィルムを調製すること;
(B)前記ホットメルト接着剤組成物のフィルムを湿気に曝露し、前記ホットメルト接着剤組成物を硬化させて硬化したフィルムを形成すること;
(C)前記硬化したフィルムを第一の基材の表面に適用すること;
(D)第二の基材の表面を前記硬化したフィルムと接触させること;
(E)前記第一及び第二の基材をともに押しつけて、積層体を製造すること、
を含む、積層体を製造するためのプロセス。
【請求項12】
前記第一及び第二の基材がそれぞれ独立して、ガラス、金属、セラミック材料、プラスチック、及びセルロース質基材、から選択される、請求項10又は11に記載のプロセス。
【請求項13】
前記第一及び第二の基材が同じである、請求項12に記載のプロセス。
【請求項14】
請求項1に記載のプロセスによって製造されたホットメルト接着剤組成物。
【請求項15】
請求項10又は11に記載のプロセスによって製造された積層体。
【請求項16】
建築産業への応用又は電子工業への応用における、請求項14に記載のホットメルト接着剤組成物の使用。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2006−503958(P2006−503958A)
【公表日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−546706(P2004−546706)
【出願日】平成15年8月19日(2003.8.19)
【国際出願番号】PCT/US2003/025951
【国際公開番号】WO2004/037941
【国際公開日】平成16年5月6日(2004.5.6)
【出願人】(596012272)ダウ・コーニング・コーポレイション (347)
【Fターム(参考)】