説明

ホルムアルデヒドフリーの接着剤および接着剤から製造されるリグノセルロース複合体

リグノセルロース複合体を製造するための接着剤組成物の第1の変形物は、大豆タンパク質および/またはリグニン;大豆タンパク質の少なくとも1つの官能基と反応することができる、アミン、アミド、イミン、イミド、または含窒素複素環官能基を少なくとも1つ含む実質的にホルムアルデヒドフリーの少なくとも1つの硬化剤;ホウ素化合物、IA族酸化物もしくは水酸化物、またはIIA族酸化物もしくは水酸化物から選択される少なくとも1つの化合物を含む。接着剤組成物の第2の変形物は、大豆タンパク質および/またはリグニンから選択される第1の成分;およびエピクロロヒドリンとエチレンジアミンの反応生成物、エピクロロヒドリンとビス-ヘキサメチレントリアミンの反応生成物、またはエピクロロヒドリンとヘキサメチレンジアミンの反応生成物から選択される実質的にホルムアルデヒドフリーの少なくとも1つの硬化剤を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
分野
本開示は、リグノセルロース複合体を製造するための接着剤に関する。なお、本願は、参照として本明細書に組み入れられる、2004年1月22日提出の米国仮特許出願第60/538,932号の恩典を主張する。
【背景技術】
【0002】
背景
リグノセルロース複合体は、接着剤(すなわち、結合剤)で接着された小寸法片のセルロース材料から形成される。一般に、無垢材は、ストランド、ファイバーおよびチップなどの小片に細分化される。次いで、接着剤組成物を木材成分に添加する。得られた混合物に熱および圧力をかけて複合体を生じる。接着剤混合物は、典型的には、非リグノセルロース成分のみである。
【0003】
最も一般的に使用される木材用接着剤はフェノール樹脂(PF)および尿素ホルムアルデヒド樹脂(UF)である。PF樹脂およびUF樹脂には少なくとも2つの問題点がある。第1には、リグノセルロース複合体の製造中および使用中に揮発性有機化合物(VOC)が発生する。放出されたVOC、特にホルムアルデヒドのヒトの健康に与える影響に対する関心が高まることにより、より環境的に許容できる接着剤の必要性を促している。第2に、PF樹脂およびUF樹脂は石油由来の産物から製造される。石油の埋蔵量は当然限りがある。木材複合体産業は、再生可能な自然源から製造されるホルムアルデヒドフリーの接着剤の開発から大きく利益を得ると思われる。
【0004】
大豆タンパク質は、1930年代から1960年代まで合板生産のための木材用接着剤として使用されていた。大豆タンパク質接着剤は接着強度および耐水性が比較的低いため、石油由来の接着剤が大豆タンパク質接着剤に取って代わった。しかし、大豆タンパク質は、安価で、豊富で、再生可能な、環境的に許容できる材料である。
【発明の開示】
【0005】
開示の概要
リグノセルロース複合体を製造するための接着剤組成物および方法が本明細書に開示されている。
【0006】
接着剤組成物の第1の変形物は、大豆タンパク質および/またはリグニン;大豆タンパク質の少なくとも1つの官能基と反応することができる、アミン、アミド、イミン、イミド、または含窒素複素環官能基を少なくとも1つ含む、実質的にホルムアルデヒドフリーの少なくとも1つの硬化剤;ホウ素化合物、IA族酸化物もしくは水酸化物、またはIIA族酸化物もしくは水酸化物から選択される少なくとも1つの化合物を含む。
【0007】
接着剤組成物の第2の変形物は、大豆タンパク質および/またはリグニンから選択される第1の成分;および、エピクロロヒドリンとエチレンジアミンの反応生成物、エピクロロヒドリンとビス-ヘキサメチレントリアミンの反応生成物、またはエピクロロヒドリンとヘキサメチレンジアミンの反応生成物から選択される実質的にホルムアルデヒドフリーの少なくとも1つの硬化剤を含む。
【0008】
上記の第1の変形物または第2の変形物の接着剤組成物を少なくとも1つのリグノセルロース基板に塗布する段階、および接着剤を塗布したリグノセルロース基板を少なくとも1つの他のリグノセルロース基板に接着する段階を含む、リグノセルロース複合体を製造する方法も本明細書に開示されている。これらの方法により製造されるリグノセルロース複合体もまた本明細書に記載されている。
【0009】
いくつかの態様の詳細な説明
理解を容易にするために、本明細書において使用される用語を以下により詳細に記載する。
【0010】
「リグニン」は、植物体に強度および剛性を与えるフェノールポリマーのグループをいう。リグニンは、多数のランダムカップリングを有する非常に複雑なポリマーであり、従ってより総称的な用語で呼ばれる傾向がある。リグニンは、例えば、Braunsリグニン、セルロース分解酵素リグニン、ジオキサン酸分解リグニン、ミルドウッドリグニン(milled wood lignin)、Klasonリグニン、および過ヨウ素酸リグニン、ならびにクラフトリグニンおよびリグノスルホナートなどの工業用リグニン調製物を含んでもよい。
【0011】
上記の用語の説明は単に読者の助けのためだけに提供されており、当業者によって理解されているものより狭い範囲を有する、または添付の特許請求の範囲の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0012】
接着剤組成物は、大豆タンパク質および/またはリグニンと実質的にホルムアルデヒドフリーの少なくとも1つの硬化剤を反応または混合することによって製造することができる。大豆タンパク質とリグニンの混合物が使用されてもよい。実質的にホルムアルデヒドフリーの化合物は、接着剤組成物の硬化およびリグノセルロース基板への接着の両方を提供することができる。言い換えると、実質的にホルムアルデヒドフリーの化合物は、1つの化合物が二重の機能を提供することができるという意味において二官能性接着促進物質である。上記の第1の変形物において、接着剤はまた、少なくとも1つのホウ素化合物、IA族酸化物もしくは水酸化物、またはIIA族酸化物もしくは水酸化物も含む。上記の第2の変形物において、硬化剤は、具体的には、エピクロロヒドリンとエチレンジアミンの反応生成物、エピクロロヒドリンとビス-ヘキサメチレントリアミンの反応生成物、またはエピクロロヒドリンとヘキサメチレンジアミンの反応生成物またはそれらの混合物である。接着剤組成物の第1の変形物および第2の変形物は共に、タンパク質またはリグニンが1部またはパッケージを含み、硬化剤が2部またはパッケージを含む2部システムとして提供されてもよい。第1および第2の変形物の両方において、組成物の全ての部分または成分は、水溶液または分散の形態であってもよい。従って、担体液としての揮発性有機溶媒を回避することができる。これら2つの変形物を以下にさらに詳細に記載する。
【0013】
大豆タンパク質は、本明細書に記載される接着剤に使用する例示的なタンパク質である。大豆は約38重量パーセントのタンパク質を含有し、残りの部分に炭水化物、油分および水分を含む。加工製品では大豆を加工して大豆タンパク質の量を増加している。任意の形態の大豆タンパク質製品は、開示される接着剤組成物に使用することができる。最も一般的な3つの大豆タンパク質製品は、大豆粉、大豆タンパク質濃縮物、および大豆タンパク質単離物(SPI)である。これらの製品間の1つの相違は大豆タンパク質の量である。大豆粉は、典型的には、約50重量パーセントのタンパク質を含み、大豆タンパク質濃縮物は少なくとも約65重量パーセントのタンパク質(乾燥重量)を含み、SPIは少なくとも約85重量パーセントのタンパク質(乾燥重量)を含む。接着剤組成物のある態様によると、大豆タンパク質はSPIまたは大豆粉である。
【0014】
上記のように、リグニンは、クラフトリグニンなどの工業用リグニン調製物を含んでもよい。現在、クラフトリグニンは商業的利用が限られているが、数トンの不要なクラフトリグニン廃棄物が毎年商業用紙生産の副産物として製造される。特に、クラフトリグニンは、典型的には、NaOHとNa2Sの反応において木材材料から製造される。
【0015】
大豆タンパク質またはリグニンは、任意の方法で接着剤組成物中に使用するために調製することができる。典型的には、大豆タンパク質またはリグニンは、水または同様の溶媒などの担体または送達液体中に含まれる。特に、大豆タンパク質またはリグニンを水に溶解し、得られた水溶液に硬化剤および/またはホウ素化合物を混合することができる。接着剤水溶液は、例えば、大豆タンパク質またはリグニンを水に混合し、混合物のpHを望ましい範囲に調節することによって調製することができる。大豆タンパク質またはリグニンに二官能性硬化剤を混合する場合には、得られるタンパク質/二官能性硬化剤混合物が非酸性またはさらに特にアルカリ性であるように、大豆タンパク質またはリグニン部分のpHは十分にアルカリ性であってもよい。例えば、大豆タンパク質またはリグニン部分のpHは約7〜約14で、2つの部分を合わせた混合物はpHが6より大きく最高約11であってもよい。pHは、例えば、アルカリ金属の水酸化物、水酸化アンモニウム、アミン、またはピリジンなどの塩基性物質を添加することによって調節することができる。水に溶解する大豆タンパク質またはリグニンの量を調節して、2部系の大豆タンパク質またはリグニン部分の望ましい固形物含量を調節することができる。大豆タンパク質またはリグニン固形物含量は、例えば、約10〜約70重量パーセントであってもよい。大豆タンパク質またはリグニン溶液はこの調製段階において凍結乾燥してもまたは溶液として維持してもよい。大豆タンパク質またはリグニン溶液を凍結乾燥する場合には、使用時に水(または適当な担体液体)を凍結乾燥した物質に添加するだけでよい。凍結乾燥すると接着剤の輸送費用が削減される。硬化剤および/またはホウ素化合物を大豆タンパク質またはリグニン水溶液と混合して、リグノセルロース基板に塗布される最終的な接着剤組成物を形成することができる。
【0016】
どのような理論によっても確定されないが、上記のように、二官能性硬化剤の分子構造は、(1)接着剤組成物を硬化することができる反応部位および(2)リグノセルロース基板との接着を提供する反応部位を含むことが考えられる。硬化反応部位および接着反応部位は、二官能性硬化剤の同じ部位に位置してもよい。言い換えると、二官能性硬化剤分子の利用可能な反応部位の第1の部分は他の二官能性硬化剤分子と反応してもまたはタンパク質の官能基(特にカルボン酸およびアミノ)と反応してもよい。二官能性硬化剤分子の利用可能な反応部位の第2の部分は、リグノセルロース基板と共有結合および/または水素結合を形成してもよい。
【0017】
好適な二官能性硬化剤の例には、エポキシドとポリアミン樹脂、ポリアミドアミン樹脂、またはポリアミド樹脂の反応生成物が挙げられる。このような樹脂は、典型的には、ポリアルキレンポリアミンのグリシジルエーテルまたはエピクロロヒドリン縮合物から製造され、紙の湿潤強度剤として使用される。樹脂は水溶性または水分散性であってもよい。これらの樹脂は、典型的には、タンパク質官能基と共有結合する、他の樹脂分子の含窒素複素環官能基と共有結合するおよび/またはリグノセルロース基板のカルボン酸および/またはヒドロキシル基と共有結合する反応部位である含窒素複素環官能基を含む。
【0018】
エポキシドとポリアミン樹脂、ポリアミドアミン樹脂またはポリアミド樹脂の市販の例示的な反応生成物には、Hercules Inc.社製のKymene(登録商標)樹脂およびGeorgia-Pacific Corporation社製のAmres(登録商標)が挙げられる。Kymene(登録商標)557H樹脂は、ポリ(アジピン酸-コ-ジエチレントリアミン)(poly(adipic acid-co-diethylenetriamine))とエピクロロヒドリンの反応生成物に基づいた具体的な一例である。Kymene(登録商標)557H樹脂は、以下に示すように、含窒素4員環官能基を含む構造を有すると考えられている。

【0019】
過剰量のエピクロロヒドリンを使用して、製造過程中の架橋速度を制御し、保存安定性の助けとする。このような組成物および製造方法は、米国特許第2,926,116号および米国特許第2,926,154号に開示されている。さらに別の例示的なクラスのポリアミン-エピクロロヒドリン樹脂は、エピクロロヒドリンなどのエピハロヒドリンとエチレンジアミン、ビス-ヘキサメチレントリアミンおよびヘキサメチレンジアミンなどのポリアルキレンポリアミンの反応によって製造されるものである。これらのポリアルキレンポリアミン-エピハロヒドリン樹脂は、例えば、米国公開特許出願第20030070783号、米国特許第3,655,506号、米国特許第3,248,353号および米国特許第2,595,935号に記載されている。Kymene(登録商標)736樹脂は、このようなポリアルキレンポリアミン-エピクロロヒドリン樹脂の市販の例である。
【0020】
上記のように、少なくとも1つのホウ素化合物、IA族酸化物もしくは水酸化物、またはIIA族酸化物もしくは水酸化物を接着剤組成物に含ませてもよい。ホウ素化合物は、少なくとも1つのホウ素原子または核種を含む任意の化合物または物質であってもよい。「IA族」および「IIA族」は元素の周期表の元素の分類をいう。どのような理論によっても確定されないが、ホウ素種はおそらく4つのヒドロキシル基とキレートして、大豆タンパク質またはリグニンの架橋剤として働くことができると考えられる。IA族またはIIA族種はおそらく複数のカルボン酸基とキレートして、大豆タンパク質またはリグニンの架橋剤として働くことができる。
【0021】
特定の例において、ホウ素化合物はホウ酸、ホウ素塩またはホウ酸エステルであってもよい。当業者に理解されるように、ホウ酸、ホウ素塩およびホウ酸エステルは、メタホウ酸塩、ホウ酸アシル、無水ホウ酸塩、ホウ砂、水素化ホウ素等を含むが、これらに限定されない数多くの他のホウ素化合物から製造することができる。ホウ酸塩またはホウ酸エステルの具体的な例には、ホウ酸ナトリウム、無水ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、ナトリウムボロホルメート(sodium boroformate)および水素化ホウ素ナトリウムが挙げられる。ホウ素化合物は、KB5・H2O、Na2B4O7・10H2O、Na2B4O7・5H2O、Mg3B7O13Cl、K3B3O6、CaB2O4等を含むが、これらに限定されない種々の塩および種々の水和状態で提供されうることを当業者は認識している。
【0022】
特定の例において、IA族酸化物もしくは水酸化物、またはIIA族酸化物もしくは水酸化物は、カルシウム、ナトリウムまたはカリウムの水酸化物または酸化物であってもよい。例示的な化合物には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムまたは酸化カルシウムが挙げられる。
【0023】
硬化剤と混合する大豆タンパク質またはリグニンの相対的な量は、例えば、利用可能な反応部位の数および硬化剤の分子量に応じて異なってもよい。例えば、硬化剤に対する大豆タンパク質またはリグニンの混合比は、乾燥重量に基づいて、約1:1〜約1000:1の範囲であってもよく、さらに特に約1:1〜約100:1の範囲であってもよい。特定の態様において、硬化剤に対する大豆タンパク質の混合比は、乾燥重量に基づいて、約2:1〜約30:1である。別の考え方をすると、接着剤組成物は、大豆タンパク質と硬化剤を合わせた乾燥重量に対して約0.1〜約50重量%、さらに特に約0.5〜約10重量%の硬化剤を含んでもよい。
【0024】
混合物に添加する、ホウ素化合物、IA族酸化物もしくは水酸化物、またはIIA族酸化物もしくは水酸化物の量もまた変化してもよい。例えば、大豆タンパク質、化合物および硬化剤を合わせた乾燥重量に対して約0.1〜約20重量%、さらに特に約0.5〜約10重量%の化合物が接着剤に含まれてもよい。
【0025】
接着剤組成物はまた、殺菌剤、殺虫剤、シリカ、ワックス、小麦粉、樹木の樹皮粉末、堅果の殻の粉末などのようなリグノセルロース接着剤中に見られる添加剤および増量剤を含んでもよい。
【0026】
接着剤組成物の成分は、任意の順番で、標準的な温度および圧力(すなわち、約25℃、約1気圧)において混合することができる。典型的には、成分は水溶性または水分散性である。得られる最終的な接着剤混合物の固形物含量は、約15〜約70重量%、さらに特に約20〜約68重量%であってもよい。接着剤系の各部(または1つの部のみ)は、エンドユーザーによって適当な混合比および固形物含量に希釈される濃度形態でエンドユーザーに提供されてもよい。
【0027】
1つのアプローチによると、接着剤組成物は、大豆タンパク質またはリグニン成分が1部を含み、硬化剤が第2の部を含む2部系として使用してもよい。2つの部は使用直前に混合する。組成物はオープンタイムが最長約5日である場合がある。本明細書において使用する「オープンタイム」は、2つの部を混合したときから、混合した組成物が加工できなくなる点まで硬化する時点までの時間を示す。別のアプローチにおいて、接着剤組成物の全ての成分は1部系に事前に混合され、エンドユーザーに提供される。1部系では、接着剤組成物は、2つの異なる成分を混合する必要なしに、基板に塗布することができる。
【0028】
接着剤組成物は熱硬化性である。言い換えると、2部接着剤混合物を加熱すると、接着剤組成物の個々の分子間に共有結合を形成し、接着剤混合物の分子とリグノセルロース粒子の間に共有結合および/または水素結合を形成する。このような硬化する段階は、典型的には、複合体製造のホットプレス段階中に生じる。従って、接着剤組成物の硬化温度は、複合体製造に使用する加熱温度に一致するように調整される。このような硬化温度は、例えば、約90〜約200℃の範囲であってもよく、さらに特に約100〜約160℃の範囲であってもよい。
【0029】
本明細書に記載する接着剤を用いて製造することができるリグノセルロース複合体には、パーティクルボード、合板、配向性ストランドボード(OSB)、ウエハー板、繊維板(中密度および高密度繊維板を含む)、パラレルストランドランバー(parallel strand lumber)(PSL)、ラミネーテッドストランドランバー(laminated strand lumber)(LSL)、単板積層材(LVL)、および同様の製品が挙げられる。一般に、これらの複合体は、まず粉砕したリグノセルロース材料を、粉砕したリグノセルロース材料を接着して圧縮した1つの固まりとする結合剤として働く接着剤とブレンドすることによって製造される。好適なリグノセルロース材料の例には、木材、ワラ(イネ、コムギおよびオオムギを含む)、亜麻、麻およびバガスが挙げられる。粉砕したリグノセルロース材料を任意の好適な基剤形態に加工して、チップ、フレーク、ファイバー、ストランド、ウエハー、トリム(trim)、削り屑、大鋸屑、ストロー、茎(stalk)、破片(shives)およびそれらの混合物などのサイズにすることができる。
【0030】
リグノセルロース材料を、結合剤として働く接着剤組成物と混合し、望ましい形態に形成して、プレ-ボンド集合体(pre-bonded assembly)を提供する。次いで、プレ-ボンド集合体に熱および高圧を適用して、リグノセルロース複合体製品を提供する。例えば、リグノセルロース材料からの混入水分の解放によって発生される種々の量の水蒸気の存在下において約120〜225℃の温度を適用する。
【0031】
リグノセルロース粒子と混合する接着剤の量は、例えば、望ましい複合体の種類、リグノセルロース材料の種類および量ならびに特定の接着剤組成物によって変化してもよい。一般に、接着剤およびリグノセルロース材料を合わせた総重量に対して、約1〜12重量パーセント、さらに特に約3〜約10重量パーセントの接着剤をリグノセルロース材料と混合することができる。ブレンダーまたは同様のミキサーでリグノセルロース粒子を転がしながらまたは撹拌しながら、混合した接着剤組成物を噴霧または同様の技法によって粉砕したリグノセルロース粒子に添加ことができる。例えば、粉砕したリグノセルロース粒子流を混合した接着剤組成物流と混ぜて、機械的な撹拌を適用することができる。
【0032】
接着剤組成物を使用して、合板または単板積層材(LVL)を製造することもできる。ロールコーティング、ナイフコーティング、カーテンコーティングまたは噴霧によって接着剤組成物を単板表面に塗布することができる。次いで、複数の単板を積層して必要な厚さのシートを形成する。次いで、マットまたはシートを加熱プレス(例えば、プラテン)に入れて、圧縮して、材料を圧密してボードに硬化する。繊維板は、ウェットフェルト/ウェットプレス方法、ドライフェルト/ドライプレス方法またはウェットフェルト/ドライプレス方法によって製造することができる。
【0033】
本明細書に開示する接着剤はリグノセルロース基板間に強力な接着を提供する。接着剤はまた、驚くほど高い機械的強度を構造複合体に提供する。また、接着剤組成物は、ホルムアルデヒド(分解してホルムアルデヒドを形成することができる任意の化合物を含む)を実質的に含まない。例えば、接着剤組成物は、従来の方法によって検出可能な任意のホルムアルデヒド(およびホルムアルデヒド発生化合物)を含有しない、またはホルムアルデヒド(およびホルムアルデヒド発生化合物)の量が環境および職場の規制値から無視できる。
【0034】
以下に記載する具体的な実施例は例示的な目的のためであり、添付の特許請求の範囲を限定するものと考えられるべきではない。
【0035】
実施例1-接着剤混合物の調製-方法1
600 mlのフラスコにおいて大豆粉(SF)(30g乾燥重量)を170 mlの水に撹拌しながら徐々に添加した。50重量%NaOH溶液で、大豆粉のpH値を約10に調節した。SF混合物を20分撹拌し、以下に記載するカエデ単板を接着するための対照として使用した。38重量%Kymene 736(「K736」、Hercules, Inc.,社製、Wilmington, DE)水溶液(15.8 g)をアルカリ性SF混合物に添加した。得られたSF-K736混合物の水溶液をさらに30分撹拌し、次いで以下の実施例3に記載するカエデ単板の接着剤として使用した。SF-K736接着剤の総固形物含量は16.7%であり、SF:K736重量比は5:1であった。K736および水の量を調節することによって、SF:K736重量比が異なるSF-K736接着剤を調製した。
【0036】
実施例2-接着剤混合物の調製-方法2
撹拌しながら、45 mlの水に38重量%K736水溶液(12.6g)を添加した。激しく撹拌しながら、大豆粉(48 g乾燥重量)をK736溶液に徐々に添加した。得られたSFペーストは、以下の実施例3に記載するカエデ単板を接着するための対照として使用した。38重量%K736溶液(12.6 g)および0.53 g NaOHまたは0.77 gのNa2B4O7・5H2Oを45.3 mlの水に溶解することによって別の例の接着剤を製造した。SF(48 g乾燥重量)をK736-NaOH溶液またはK736- Na2B4O7溶液に激しく撹拌しながら徐々に添加した。得られたSF-K736接着剤は総固形物含量が50重量%であり、総固形物含量に対して1重量%のNaOHまたは1重量%のNa2B4O7を含有した。SF:K736重量比は10:1であった。得られたSF:K736接着剤は、以下の実施例3に記載するカエデ単板を接着するために使用した。
【0037】
実施例3-木材複合体の調製および試験
実施例1および2に記載するように調製したSF-K736接着剤混合物を、2片のカエデ単板を接着する能力について評価した。試験するための接着剤調製物を、カエデ単板ストリップ(1 cm×10 cm)の一方の側の末端に塗布した。2片のカエデ単板ストリップを積層して、120℃において5分間ホットプレスした。適用した圧力は11 kg/cm2であった。2層複合体検体各々の接着面積は2.0 cm2であった。接着剤の展延速度は9 mg/cm2接着面積であった。1.0 mm/minのクロスヘッド速度のInstron TTBML機械を用いて従来の技法を使用してラップ-剪断強度(lap-shear strength)を測定した。破断時の最大剪断強度を記録した。
【0038】
接着剤で接着した2層木材複合体検体に水-浸漬-および-乾燥(water-soaking-and-drying)(WSAD)試験および熱湯試験(boiling-water test)(BWT)を実施した。WSAD試験では、検体を室温において24時間水に浸漬し、室温において24時間ドラフトで乾燥し、次いで剪断強度を評価した。BWTは、Construction and Industrial PlywoodのU. S. Voluntary Product Standard PS 1-95(加工木材協会(Engineered Wood Association), Tacoma, WAを介して米商務省(U. S. Department of Commerce)によって公布)に準じて実施した。検体を4時間煮沸し、63±3℃において24時間乾燥し、再度4時間煮沸し、次いで水道水で冷却した。いくつかの検体は、濡れているときに剪断強度を評価した。この様式で測定した剪断強度をBWT/湿潤強度と呼んだ。いくつかの検体は、ドラフト内で室温において24時間乾燥してからも剪断強度を測定した。この強度はBWT/乾燥強度と呼んだ。
【0039】
SF-K736接着剤で接着した乾燥木材複合体のラップ-剪断強度に対するSF:K736重量比の影響を図1に示す。図1に示すデータは、上記の実施例1により製造した接着剤を用いた結果である。全ての重量比において、SFとK736の混合物は、SF単独と比較して大きいラップ-剪断強度を提供した。剪断強度は、SF:K736重量比を5:1〜10:1に増加すると有意に増加した。SF:K736重量比を10:1から20:1に増加すると、剪断強度はわずかに低下した。しかし、重量比をさらに増加すると、剪断強度は有意に低下した。
【0040】
総固形物含量35%のSF水性懸濁液(組成物A)と比較すると、SF-K736混合物(組成物B)は剪断強度が高かった(図2参照)。SF-K736混合物に1重量%NaOHを添加すると(組成物C)、SF-K736接着剤と比較して、剪断強度が改善された。NaOHをNa2B4O7(組成物D)と交換すると剪断強度はさらに増加した。2重量%では、NaOH(組成物E)およびNa2B4O7 (組成物F)は剪断強度の増加に対して同じ影響を示し、強度は1重量%のNa2B4O7よりわずかに低かった(図2参照)。
【0041】
50%総固形物含量では、SF-K736接着剤は粘着性であったが、単板に容易に塗布できた。図3に示すデータは、図1および2から引き出される結果をさらに確認した:SF-K736接着剤はSF単独よりかなり高い乾燥剪断強度を生じた;NaOH(組成物C)またはNa2B4O7 (組成物D)の添加は剪断強度をさらに増加した;および0.67重量%のNa2B4O7は1重量%のNaOHより大きい剪断強度を与えた。さらに、SF-K736接着剤で接着した木材複合体は、SF単独よりはるかに耐水性であった。SF単独またはSF-K736接着剤で接着した木材複合体に熱湯試験(BWT)を実施すると、SF単独で接着した木材複合体には若干の層間剥離が生じたが、SF-K736接着剤で接着したものには層間剥離は観察されなかった。SF-K736-NaOH接着剤は、SF-K736接着剤およびSF-K736- Na2B4O7接着剤と比較してわずかに低いBWT/乾燥およびBWT/湿潤剪断強度を提供した。SF-K736- Na2B4O7接着剤は、全ての接着剤調製物の中で最も大きい剪断強度(乾燥、WSAD、BWT/乾燥およびBWT/湿潤)を生じた。言い換えると、Na2B4O7は得られた木材複合体の剪断強度および耐水性を増強した。
【0042】
実施例4-クラフトリグニン-K736接着剤の調製
38重量%のK736溶液(10.5 g)を撹拌しながら17.5 mlの水に添加した。クラフトリグニン(20 g乾燥重量)を、激しく撹拌しながら、希釈したK736溶液に徐々に添加した。得られたクラフトリグニン-K736接着剤は総固形物含量が50重量%であり、カエデ単板を接着するために使用した。カエデ単板ストリップ(1 cm×10 cm)の一方の側の端に接着剤を塗布した。2片のカエデ単板ストリップを積層して、150℃において5分間ホットプレスした。適用した圧力は11 kg/cm2であった。2層複合体検体各々の接着面積は2.0 cm2であった。接着剤の総展延速度は9 mg/cm2接着面積であった。
【0043】
いくつかの態様を参照して開示されている方法、組成物および複合体を例示し、記載したが、これらの方法、組成物および複合体は、このような原則から逸脱せずに配列および詳細が解消されうることが明らかであるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0044】
以下の図面に関して、ある態様がより詳細に記載されている。
【図1】本明細書に開示される接着剤組成物のいくつかの例の乾燥剪断強度を図示するグラフである。
【図2】本明細書に開示される接着剤組成物のいくつかの他の例の剪断強度を図示するグラフである。
【図3】本明細書に開示される接着剤組成物のいくつかのさらに別の例の剪断強度を図示するグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
大豆タンパク質または大豆タンパク質とリグニンの混合物;
大豆タンパク質の少なくとも1つの官能基と反応することができる、アミン、アミド、イミン、イミド、または含窒素複素環官能基を少なくとも1つ含む実質的にホルムアルデヒドフリーの少なくとも1つの硬化剤;
ホウ素化合物、IA族酸化物もしくは水酸化物、またはIIA族酸化物もしくは水酸化物から選択される少なくとも1つの化合物
を含む、接着剤組成物。
【請求項2】
実質的にホルムアルデヒドフリーである、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
ホウ素化合物、IA族酸化物もしくは水酸化物、またはIIA族酸化物もしくは水酸化物の少なくとも1つを組成物の乾燥重量に対して約0.5重量%〜約10重量%含む、請求項1記載の組成物。
【請求項4】
ホウ素化合物が、ホウ酸、ホウ素塩、またはホウ酸エステルから選択される、請求項1記載の組成物。
【請求項5】
ホウ素化合物が、ホウ酸ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム、または四ホウ酸ナトリウムを含む、請求項1記載の組成物。
【請求項6】
硬化剤が、エポキシドとポリアミン樹脂の反応生成物、エポキシドとポリアミドアミン樹脂の反応生成物、またはエポキシドとポリアミド樹脂の反応生成物である、請求項1記載の組成物。
【請求項7】
硬化剤がポリアルキレンポリアミン-エピハロヒドリン樹脂を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項8】
硬化剤が、エピクロロヒドリンとエチレンジアミン、ビス-ヘキサメチレントリアミン、またはヘキサメチレンジアミンの反応生成物を含む、請求項7記載の組成物。
【請求項9】
大豆タンパク質が大豆粉を含み、かつ硬化剤が、エピクロロヒドリンとエチレンジアミン、ビス-ヘキサメチレントリアミン、またはヘキサメチレンジアミンの反応生成物を含む、請求項5記載の組成物。
【請求項10】
組成物の乾燥重量に対して約2重量%〜約30重量%の少なくとも1つの硬化剤を含む、請求項3記載の組成物。
【請求項11】
大豆タンパク質、少なくとも1つの硬化剤、および少なくとも1つの化合物の反応生成物を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項12】
少なくとも1つの化合物が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、または酸化カルシウムから選択される、請求項1記載の組成物。
【請求項13】
少なくとも1つの化合物が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、または酸化カルシウムから選択される、請求項8記載の組成物。
【請求項14】
大豆タンパク質または大豆タンパク質とリグニンの混合物;
アミン、アミド、イミン、イミド、または含窒素複素環官能基を少なくとも1つ含む実質的にホルムアルデヒドフリーの少なくとも1つの硬化剤;
ホウ素化合物、IA族酸化物もしくは水酸化物、またはIIA族酸化物もしくは水酸化物から選択される少なくとも1つの化合物
を一緒に混合する段階を含む、接着剤組成物を製造する方法。
【請求項15】
ホウ素化合物、IA族酸化物もしくは水酸化物、またはIIA族酸化物もしくは水酸化物から選択される少なくとも1つの化合物とアミン、アミド、イミン、イミド、または含窒素複素環官能基を少なくとも1つ含む実質的にホルムアルデヒドフリーの少なくとも1つの硬化剤を一緒に混合する段階;および
得られた生成物に大豆タンパク質または大豆タンパク質とリグニンの混合物と接触させる段階
を含む接着剤組成物を製造する方法。
【請求項16】
ホウ素化合物/硬化剤生成物と大豆タンパク質を反応させるのに十分な条件下において、少なくとも1つの化合物/硬化剤生成物に大豆タンパク質または大豆タンパク質とリグニンの混合物を接触させる、請求項15記載の方法。
【請求項17】
大豆タンパク質が大豆粉を含み、少なくとも1つの硬化剤がエピクロロヒドリンとエチレンジアミン、ビス-ヘキサメチレントリアミン、またはヘキサメチレンジアミンの反応生成物を含み、少なくとも1つの化合物がホウ酸、ホウ素塩、ホウ酸エステル、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、または酸化カルシウムから選択される、請求項15記載の方法。
【請求項18】
請求項17に従って製造される、接着剤組成物。
【請求項19】
以下の成分から製造される、接着剤組成物:
大豆タンパク質または大豆タンパク質とリグニンの混合物;
アミン、アミド、イミン、イミド、または含窒素複素環官能基を少なくとも1つ含む実質的にホルムアルデヒドフリーの少なくとも1つの硬化剤;および
ホウ素化合物、IA族酸化物もしくは水酸化物、またはIIA族酸化物もしくは水酸化物から選択される少なくとも1つの化合物。
【請求項20】
大豆タンパク質、リグニン、またはそれらの混合物の少なくとも1つから選択される第1の成分;および
エピクロロヒドリンとエチレンジアミンの反応生成物、エピクロロヒドリンとビス-ヘキサメチレントリアミンの反応生成物、またはエピクロロヒドリンとヘキサメチレンジアミンの反応生成物から選択される、実質的にホルムアルデヒドフリーの少なくとも1つの硬化剤
を含む、接着剤組成物。
【請求項21】
実質的にホルムアルデヒドフリーである、請求項20記載の組成物。
【請求項22】
組成物の乾燥重量に対して、約2重量%〜約30重量%の硬化剤を含む、請求項20記載の組成物。
【請求項23】
第1の成分が大豆タンパク質である、請求項20記載の組成物。
【請求項24】
大豆タンパク質が大豆粉を含む、請求項23記載の組成物。
【請求項25】
第1の成分と少なくとも1つの硬化剤の反応生成物を含む、請求項20記載の組成物。
【請求項26】
第1の成分がリグニンである、請求項20記載の組成物。
【請求項27】
大豆タンパク質、リグニン、またはそれらの混合物から選択される第1の成分;および
エピクロロヒドリンとエチレンジアミンの反応生成物、エピクロロヒドリンとビス-ヘキサメチレントリアミンの反応生成物、またはエピクロロヒドリンとヘキサメチレンジアミンの反応生成物から選択される実質的にホルムアルデヒドフリーの少なくとも1つの硬化剤
を一緒に混合する段階を含む、接着剤組成物を製造する方法。
【請求項28】
請求項27に従って製造される接着剤組成物。
【請求項29】
(i)大豆タンパク質、(ii)大豆タンパク質の少なくとも1つの官能基と反応することができるアミン、アミド、イミン、イミド、または含窒素複素環官能基を少なくとも1つ含む実質的にホルムアルデヒドフリーの少なくとも1つの硬化剤、および(iii)ホウ素化合物、IA族酸化物もしくは水酸化物、またはIIA族酸化物もしくは水酸化物から選択される少なくとも1つの化合物を含む接着剤組成物を少なくとも1つのリグノセルロース基板に塗布する段階;および
接着剤を塗布したリグノセルロース基板を少なくとも1つの他のリグノセルロース基板に接着する段階
を含む、リグノセルロース複合体を製造する方法。
【請求項30】
接着する段階が、接着剤を塗布したリグノセルロース基板と他のリグノセルロース基板の集成物に熱および圧力をかける段階を含む、請求項29記載の方法。
【請求項31】
リグノセルロース基板が粉砕した木材粒子を含み、
約1〜約12重量パーセントの接着剤組成物と粉砕した木材粒子の混合物をブレンドする段階であって、重量パーセントは接着剤組成物と粉砕した木材粒子を合わせた重量に対してである段階;
接着剤/木材粒子ブレンドを所定の形状に成形する段階;および
成形したブレンドに熱および圧力をかける段階
を含む、請求項29記載の方法。
【請求項32】
リグノセルロース基板が木製単板基板を含み、
接着剤組成物を木製単板基板の少なくとも1つの表面に塗布する段階;
接着剤を塗布した木製単板基板の集成物を形成する段階;および
集成物に熱および圧力をかける段階
を含む、請求項29記載の方法。
【請求項33】
少なくとも1つの化合物がホウ酸、ホウ素塩、ホウ酸エステル、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、または酸化カルシウムから選択され、硬化剤が、エピクロロヒドリンとエチレンジアミン、ビス-ヘキサメチレントリアミン、またはヘキサメチレンジアミンの反応生成物を含む、請求項29記載の方法。
【請求項34】
(i)大豆タンパク質、リグニン、またはそれらの混合物から選択される第1の成分、および(ii) エピクロロヒドリンとエチレンジアミンの反応生成物、エピクロロヒドリンとビス-ヘキサメチレントリアミンの反応生成物、またはエピクロロヒドリンとヘキサメチレンジアミンの反応生成物から選択される実質的にホルムアルデヒドフリーの少なくとも1つの硬化剤を含む接着剤組成物を少なくとも1つのリグノセルロース基板に塗布する段階;および
接着剤を塗布したリグノセルロース基板を少なくとも1つの他のリグノセルロース基板に接着する段階
を含む、リグノセルロース複合体を製造する方法。
【請求項35】
接着する段階が、接着剤を塗布したリグノセルロース基板と他のリグノセルロース基板の集成物に熱および圧力をかける段階を含む、請求項34記載の方法。
【請求項36】
リグノセルロース基板が粉砕した木材粒子を含み、
約1〜約12重量パーセントの接着剤組成物と粉砕した木材粒子の混合物をブレンドする段階であって、重量パーセントは接着剤組成物と粉砕した木材粒子を合わせた重量に対してである段階;
接着剤/木材粒子ブレンドを所定の形状に成形する段階;および
成形したブレンドに熱および圧力をかける段階
を含む、請求項34記載の方法。
【請求項37】
リグノセルロース基板が木製単板基板を含み、
接着剤組成物を木製単板基板の少なくとも1つの表面に塗布する段階;
接着剤を塗布した木製単板基板の集成物を形成する段階;および
集成物に熱および圧力をかける段階
を含む、請求項34記載の方法。
【請求項38】
第1の成分が大豆タンパク質である、請求項34記載の方法。
【請求項39】
第1の成分がリグニンである、請求項34記載の方法。
【請求項40】
請求項29記載の方法により製造されるリグノセルロース複合体。
【請求項41】
請求項34記載の方法により製造されるリグノセルロース複合体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2007−520600(P2007−520600A)
【公表日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−551310(P2006−551310)
【出願日】平成17年1月19日(2005.1.19)
【国際出願番号】PCT/US2005/001981
【国際公開番号】WO2005/072260
【国際公開日】平成17年8月11日(2005.8.11)
【出願人】(506253388)ステイト オブ オレゴン アクティング バイ アンド スルー ザ ステイト ボード オブ ハイヤー エデュケーション オン ビハーフ オブ オレゴン ステイト ユニバーシティー (9)
【Fターム(参考)】