ホログラム表示による画像を有する車載操作機器
【課題】 ホログラムを有するスイッチへの光の照射を外部から行うことにより、スイッチの機能表示だけでなくスイッチ周辺又は他の場所の照明も兼ねることができる照明装置を備えた車載操作機器を提供する。
【解決手段】 オーディオ機器又はヒータコントローラのような車載機器を操作する車載操作機器の操作部１０のスイッチノブが有するホログラムへの光の照射は、従来のようにホログラムの裏側から行うのではなく、車両内の天井付近に設けられるオーバーヘッドモジュール３０又はインナーミラー４０に取付けられるミラー付属モジュール４２により行う。これらのモジュールは、操作部１０から所定距離離れた位置に設けられるため、ホログラムの表示切替だけでなく、他の周辺部分の照明を兼ねたり、室内のイルミネーション等の演出効果を醸し出したりすることもできる。
【解決手段】 オーディオ機器又はヒータコントローラのような車載機器を操作する車載操作機器の操作部１０のスイッチノブが有するホログラムへの光の照射は、従来のようにホログラムの裏側から行うのではなく、車両内の天井付近に設けられるオーバーヘッドモジュール３０又はインナーミラー４０に取付けられるミラー付属モジュール４２により行う。これらのモジュールは、操作部１０から所定距離離れた位置に設けられるため、ホログラムの表示切替だけでなく、他の周辺部分の照明を兼ねたり、室内のイルミネーション等の演出効果を醸し出したりすることもできる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、ホログラム表示可能な操作部及びホログラムに光を照射可能な照明装置を有する車載操作機器に関する。
【背景技術】
【０００２】
自動車等の車両室内に配置される、オーディオ機器又はヒータコントローラ等の車載装置を操作する車載操作機器の操作部例えばスイッチの機能表示は、発光ダイオード（以降、ＬＥＤと称する）又はランプ等の光源を、スイッチの機能を表示したスイッチノブの裏側、すなわち視認側の反対側から照射することにより行う方法が一般的である。
【０００３】
図３は、従来の車載操作機器の操作部すなわちスイッチ部周辺を示す概略の分解斜視図である。操作部１１０は、大きくはベース部１１２及び操作パネル１１４を有し、ベース部１１２には操作機器としての各動作を行うためのスイッチ１１６及び１１８が設けられる。一方操作パネル１１４には、スイッチ１１６及び１１８をそれぞれ操作するためのスイッチノブ１２０及び１２２が配設される。スイッチノブ１２０及び１２２の表面には多くの場合、２色成形や字抜き塗装等により、各スイッチの機能又は状態を示す絵又は文字が形成される。スイッチ１１６及び１１８は、スイッチノブ１２０又は１２２の操作に対応してＯＮ／ＯＦＦを行う電気的なスイッチである。ベース部１１２にはさらに、各スイッチの状態を表示するＬＥＤ等の光源が設けられる。典型例としては、スイッチ１１６がＯＮのときに点灯する例えば緑色のＬＥＤ１２４、スイッチ１１６がＯＦＦのときに点灯する例えば赤色のＬＥＤ１２６、同様にスイッチ１１８がＯＮのときに点灯する例えば緑色のＬＥＤ１２８、さらにスイッチ１１８がＯＦＦのときに点灯する例えば赤色のＬＥＤ１３０が設けられ、各スイッチの状態を目視できるようにする。あるいは、複数のＬＥＤを用いる代わりに、各スイッチへ光を分配する導光レンズ（図示せず）を使用することもできる。
【０００４】
また最近の車載操作機器の操作部においては、上述のように１つのスイッチを異なる色で照明することに加え、１つのスイッチにおいて異なる絵文字を切替えて表示することが要求される場合が多い。この場合には、ホログラムを用いた表示の切替が可能である。例えば特許文献１には、携帯電話のキー入力部に複数のホログラム層を貼付することにより、１つのキーが視認方向によって異なる表示画像を呈する装置が記載されている。また特許文献２には、車載用のオーディオ機器等のスイッチ機能表示をホログラムを用いて切替可能にする表示装置が記載されている。この表示装置は、ホログラム部材と、ホログラム部材への照射方向及び波長の少なくとも一方が異なる光を発する光源とをスイッチ機能表示部に有し、その光の切替によってホログラム表示を切替えて、異なる表示をユーザに提供するものである。
【０００５】
【特許文献１】特開２００２−３１２０９７号公報
【特許文献２】特開平１１−２７３４８７号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
スイッチを異なる色に発光させる場合は、上述のようにスイッチ毎に複数の光源を使用するか、あるいは各スイッチへ光を分配する複雑な導光レンズが別途必要であり、いずれも組立工数及びコストアップの要因となる。
【０００７】
特許文献１に記載のホログラムを用いたキートップは、表示の切替を可能にするものではあるが、そのためにはユーザはそのキートップを見る角度、すなわち視認方向を自ら変更しなければ、その切替わる画像を視認することができない。従って携帯電話には適していても、自動車の室内におけるオーディオ操作機器のように、機器の配置が固定されかつ操作者（例えば運転者）も大きくは身動きできないような場合には不適当である。
【０００８】
一方特許文献２に記載の車載操作機器のスイッチ機能表示装置は、照射方向及び波長の少なくとも一方が異なる光をホログラムに選択的に照射することによってその表示を切替えるものであるが、その光源は、ホログラムに関し視認側とは反対側の機器筐体内部、例えばスイッチ本体が配設されるプリント基板上に配設される。従ってこの光源は特定のホログラムのみの照射に使用されるものと考えられ、ホログラムを備えたスイッチの周辺部位の照明を兼ねたり、スイッチからいくらか離れた他の部位への照射を行ったりするものではない。
【０００９】
そこで本発明は、ホログラムを有するスイッチへの光の照射を外部から行うことにより、スイッチの機能表示だけでなくスイッチ周辺の照明も兼ねることができる照明装置を備えた車載操作機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
上記目的を達成するために、請求項１に記載の発明は、入力内容を変更可能な少なくとも１つのスイッチと、前記スイッチ上又はその近傍に設けられるとともに、照射方向及び波長の少なくとも一方が異なる光を照射されたときに相異なる画像を表示するように構成されるホログラム部材と、前記照射方向及び波長の少なくとも一方が異なる光を、前記スイッチから所定距離離れた場所から前記ホログラム部材に照射可能な照明装置と、を有する車載操作機器を提供する。
【００１１】
請求項２に記載の発明は、請求項１に記載の車載操作機器において、前記照明装置が前記ホログラム部材から３０〜１５０ｃｍ離れた場所に設けられる、車載操作機器を提供する。
【００１２】
請求項３に記載の発明は、請求項２に記載の車載操作機器において、前記照明装置が車両内の天井に設けられる、車載操作機器を提供する。
【００１３】
請求項４に記載の発明は、請求項２に記載の車載操作機器において、前記照明装置が車両内のインナーミラーに設けられる、車載操作機器を提供する。
【００１４】
請求項５に記載の発明は、請求項１〜４のいずれか１項に記載の車載操作機器において、前記照明装置は、発光ダイオード及びレーザ光源の少なくとも一方を含む、車載操作機器を提供する。
【発明の効果】
【００１５】
本発明に係る車載操作機器によれば、スイッチとは別位置に配置される照明装置を使用することにより、各スイッチ照明用の光源等の部品数を削減できるとともに、スイッチの切替表示だけでなく、スイッチ周辺又は他の場所への照明、及び室内イルミネーション等の演出効果を、別途の照明装置を設ける必要なく得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１６】
以下、図面を参照しながら本発明を詳細に説明する。
図１は、本発明に係る車載操作機器の操作部１０の機能表示スイッチ周辺を示す概略の分解斜視図である。操作部１０は、例えば自動車室内のオーディオ機器又はヒータコントローラを操作するためのものであり、大きくはベース部１２及び操作パネル１４を有し、ベース部１２には操作機器としての各動作を行うためのスイッチ１６及び１８が設けられる。一方操作パネル１４には、スイッチ１６及び１８をそれぞれ操作するためのスイッチノブ２０及び２２が配設される。スイッチ１６及び１８は、例えばスイッチノブ２０又は２２の操作に対応してＯＮ／ＯＦＦを行う電気的なスイッチである。スイッチは、図示例では２つであるが、動作の種類に応じ任意数設けることができる。図３と比較してわかるように、本発明においては、各スイッチ１６及び１８を照明するためのＬＥＤ等の光源を操作部１０の内部（例えばベース部１２上）に有する必要がない。その代わりに、スイッチノブ２０及び２２は、それぞれホログラム２４及び２６を有する。ホログラム２４及び２６は、特定の波長又は照射方向の光を照射することにより絵、文字等の画像を操作者に表示することができ、さらに後述するように照射光の波長又は照射方向を変えることにより異なる画像を切替えて表示するように構成される。
【００１７】
本発明においてはホログラム２４及び２６への光の照射は、従来のようにスイッチノブ２０及び２２の裏側から行うのではなく、例えば図２に示すように、スイッチ及びスイッチノブから所定距離離れた場所、具体的には車両内の天井付近に設けられる照明装置すなわちオーバーヘッドモジュール３０、又はインナーミラー（ルームミラー）４０に取付けられる照明装置すなわちミラー付属モジュール４２により行う。オーバーヘッドモジュール３０は例えば、赤色ＬＥＤ３２及び緑色ＬＥＤ３４のような異なる波長の光源を有し、各ＬＥＤはいずれも上述の操作部１０のスイッチノブ２０及び２２上のホログラム２４及び２６を照射可能に構成される。ホログラム２４及び２６は、赤色ＬＥＤ３２により照射されたときはオーディオ機器操作スイッチとしての機能表示を行い、緑色ＬＥＤ３４により照射されたときはヒータコントローラ操作スイッチとしての機能表示を行うように構成される。従って、スイッチ１６及び１８をオーディオ機器操作スイッチとして使用するときはオーバーヘッドモジュール３０は赤色ＬＥＤ３２による照射を行い、スイッチ１６及び１８をヒータコントローラ操作スイッチとして使用するときはオーバーヘッドモジュール３０は緑色ＬＥＤ３４による照射を行うという使い分けが可能である。この場合各スイッチは、適当な制御装置により、赤色ＬＥＤ３２が照射しているときはオーディオ機器操作用として、緑色ＬＥＤ３４が照射しているときはヒータコントローラ操作用としてその入力内容すなわち機能を切替えられる多機能スイッチとして作用する。またオーバーヘッドモジュール３０の光源は、他の色のＬＥＤであってももちろんよいし、レーザ光源であってもよい。ミラー付属モジュール４２についても、オーバーヘッドモジュール３０と同様の構成とすることが可能である。
【００１８】
図２に示すように、オーバーヘッドモジュール３０又はミラー付属モジュール４２は、スイッチノブ２０及び２２のホログラム部材２４及び２６から所定距離、例えば３０〜１５０ｃｍ、好ましくは５０〜１００ｃｍ程度離れた位置に設けられるため、ＬＥＤ等によるホログラム２４及び２６への照射だけでなく、例えばシフトレバー５０等の他の部分の照明をＬＥＤ又は別の光源により行い、さらに室内のイルミネーション等の演出効果を醸し出すこともできる。またオーバーヘッドモジュールは室内の任意の位置に配設可能であるので、パワーウインドウのスイッチベース等の照明を兼ねることもできる。また本発明によれば、ホログラム表示を行うための光源をそのホログラム近傍に設ける必要がないので、スペースの制約等から従来では配設が困難であった場所もホログラム表示機能を備えることができる。
【００１９】
またホログラム２４及び２６は、上述のように波長の異なる光に対して異なる画像を表示するものであってもよいし、照射方向の異なる光に対して異なる画像を表示するものであってもよい。後者の場合は、オーバーヘッドモジュール３０及びミラー付属モジュール４２は、赤色ＬＥＤ及び緑色ＬＥＤのような波長の異なる光源の代わりに、同一波長でもよいが照射方向の異なる複数の光源を有することにより、ホログラム２４及び２６の画像表示の切替を行うことができる。例えば、スイッチ１６及び１８をオーディオ機器操作スイッチとして使用するときはオーバーヘッドモジュール３０からの照射を行い、スイッチ１６及び１８をヒータコントローラ操作スイッチとして使用するときはミラー付属モジュール４２からの照射を行うという使い分けが可能である。
【００２０】
本発明に係る好適な照明装置の具体例としてオーバーヘッドモジュール又はミラー付属モジュールを説明したが、ホログラムを備えたスイッチに離れた位置から照射可能な他の照明装置も本発明の効果を奏することはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【００２１】
【図１】本発明に係る車載操作機器の操作部を示す概略の分解斜視図である。
【図２】車両内における車載操作機器の操作部及び照明装置の配置を示す概略図である。
【図３】従来の車載操作機器の操作部を示す概略の分解斜視図である。
【符号の説明】
【００２２】
１０ 操作部
１６、１８ スイッチ
２０、２２ スイッチノブ
２４、２６ ホログラム
３０ オーバーヘッドモジュール
３２、３４ ＬＥＤ
４２ ミラー付属モジュール
【技術分野】
【０００１】
本発明は、ホログラム表示可能な操作部及びホログラムに光を照射可能な照明装置を有する車載操作機器に関する。
【背景技術】
【０００２】
自動車等の車両室内に配置される、オーディオ機器又はヒータコントローラ等の車載装置を操作する車載操作機器の操作部例えばスイッチの機能表示は、発光ダイオード（以降、ＬＥＤと称する）又はランプ等の光源を、スイッチの機能を表示したスイッチノブの裏側、すなわち視認側の反対側から照射することにより行う方法が一般的である。
【０００３】
図３は、従来の車載操作機器の操作部すなわちスイッチ部周辺を示す概略の分解斜視図である。操作部１１０は、大きくはベース部１１２及び操作パネル１１４を有し、ベース部１１２には操作機器としての各動作を行うためのスイッチ１１６及び１１８が設けられる。一方操作パネル１１４には、スイッチ１１６及び１１８をそれぞれ操作するためのスイッチノブ１２０及び１２２が配設される。スイッチノブ１２０及び１２２の表面には多くの場合、２色成形や字抜き塗装等により、各スイッチの機能又は状態を示す絵又は文字が形成される。スイッチ１１６及び１１８は、スイッチノブ１２０又は１２２の操作に対応してＯＮ／ＯＦＦを行う電気的なスイッチである。ベース部１１２にはさらに、各スイッチの状態を表示するＬＥＤ等の光源が設けられる。典型例としては、スイッチ１１６がＯＮのときに点灯する例えば緑色のＬＥＤ１２４、スイッチ１１６がＯＦＦのときに点灯する例えば赤色のＬＥＤ１２６、同様にスイッチ１１８がＯＮのときに点灯する例えば緑色のＬＥＤ１２８、さらにスイッチ１１８がＯＦＦのときに点灯する例えば赤色のＬＥＤ１３０が設けられ、各スイッチの状態を目視できるようにする。あるいは、複数のＬＥＤを用いる代わりに、各スイッチへ光を分配する導光レンズ（図示せず）を使用することもできる。
【０００４】
また最近の車載操作機器の操作部においては、上述のように１つのスイッチを異なる色で照明することに加え、１つのスイッチにおいて異なる絵文字を切替えて表示することが要求される場合が多い。この場合には、ホログラムを用いた表示の切替が可能である。例えば特許文献１には、携帯電話のキー入力部に複数のホログラム層を貼付することにより、１つのキーが視認方向によって異なる表示画像を呈する装置が記載されている。また特許文献２には、車載用のオーディオ機器等のスイッチ機能表示をホログラムを用いて切替可能にする表示装置が記載されている。この表示装置は、ホログラム部材と、ホログラム部材への照射方向及び波長の少なくとも一方が異なる光を発する光源とをスイッチ機能表示部に有し、その光の切替によってホログラム表示を切替えて、異なる表示をユーザに提供するものである。
【０００５】
【特許文献１】特開２００２−３１２０９７号公報
【特許文献２】特開平１１−２７３４８７号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
スイッチを異なる色に発光させる場合は、上述のようにスイッチ毎に複数の光源を使用するか、あるいは各スイッチへ光を分配する複雑な導光レンズが別途必要であり、いずれも組立工数及びコストアップの要因となる。
【０００７】
特許文献１に記載のホログラムを用いたキートップは、表示の切替を可能にするものではあるが、そのためにはユーザはそのキートップを見る角度、すなわち視認方向を自ら変更しなければ、その切替わる画像を視認することができない。従って携帯電話には適していても、自動車の室内におけるオーディオ操作機器のように、機器の配置が固定されかつ操作者（例えば運転者）も大きくは身動きできないような場合には不適当である。
【０００８】
一方特許文献２に記載の車載操作機器のスイッチ機能表示装置は、照射方向及び波長の少なくとも一方が異なる光をホログラムに選択的に照射することによってその表示を切替えるものであるが、その光源は、ホログラムに関し視認側とは反対側の機器筐体内部、例えばスイッチ本体が配設されるプリント基板上に配設される。従ってこの光源は特定のホログラムのみの照射に使用されるものと考えられ、ホログラムを備えたスイッチの周辺部位の照明を兼ねたり、スイッチからいくらか離れた他の部位への照射を行ったりするものではない。
【０００９】
そこで本発明は、ホログラムを有するスイッチへの光の照射を外部から行うことにより、スイッチの機能表示だけでなくスイッチ周辺の照明も兼ねることができる照明装置を備えた車載操作機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
上記目的を達成するために、請求項１に記載の発明は、入力内容を変更可能な少なくとも１つのスイッチと、前記スイッチ上又はその近傍に設けられるとともに、照射方向及び波長の少なくとも一方が異なる光を照射されたときに相異なる画像を表示するように構成されるホログラム部材と、前記照射方向及び波長の少なくとも一方が異なる光を、前記スイッチから所定距離離れた場所から前記ホログラム部材に照射可能な照明装置と、を有する車載操作機器を提供する。
【００１１】
請求項２に記載の発明は、請求項１に記載の車載操作機器において、前記照明装置が前記ホログラム部材から３０〜１５０ｃｍ離れた場所に設けられる、車載操作機器を提供する。
【００１２】
請求項３に記載の発明は、請求項２に記載の車載操作機器において、前記照明装置が車両内の天井に設けられる、車載操作機器を提供する。
【００１３】
請求項４に記載の発明は、請求項２に記載の車載操作機器において、前記照明装置が車両内のインナーミラーに設けられる、車載操作機器を提供する。
【００１４】
請求項５に記載の発明は、請求項１〜４のいずれか１項に記載の車載操作機器において、前記照明装置は、発光ダイオード及びレーザ光源の少なくとも一方を含む、車載操作機器を提供する。
【発明の効果】
【００１５】
本発明に係る車載操作機器によれば、スイッチとは別位置に配置される照明装置を使用することにより、各スイッチ照明用の光源等の部品数を削減できるとともに、スイッチの切替表示だけでなく、スイッチ周辺又は他の場所への照明、及び室内イルミネーション等の演出効果を、別途の照明装置を設ける必要なく得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１６】
以下、図面を参照しながら本発明を詳細に説明する。
図１は、本発明に係る車載操作機器の操作部１０の機能表示スイッチ周辺を示す概略の分解斜視図である。操作部１０は、例えば自動車室内のオーディオ機器又はヒータコントローラを操作するためのものであり、大きくはベース部１２及び操作パネル１４を有し、ベース部１２には操作機器としての各動作を行うためのスイッチ１６及び１８が設けられる。一方操作パネル１４には、スイッチ１６及び１８をそれぞれ操作するためのスイッチノブ２０及び２２が配設される。スイッチ１６及び１８は、例えばスイッチノブ２０又は２２の操作に対応してＯＮ／ＯＦＦを行う電気的なスイッチである。スイッチは、図示例では２つであるが、動作の種類に応じ任意数設けることができる。図３と比較してわかるように、本発明においては、各スイッチ１６及び１８を照明するためのＬＥＤ等の光源を操作部１０の内部（例えばベース部１２上）に有する必要がない。その代わりに、スイッチノブ２０及び２２は、それぞれホログラム２４及び２６を有する。ホログラム２４及び２６は、特定の波長又は照射方向の光を照射することにより絵、文字等の画像を操作者に表示することができ、さらに後述するように照射光の波長又は照射方向を変えることにより異なる画像を切替えて表示するように構成される。
【００１７】
本発明においてはホログラム２４及び２６への光の照射は、従来のようにスイッチノブ２０及び２２の裏側から行うのではなく、例えば図２に示すように、スイッチ及びスイッチノブから所定距離離れた場所、具体的には車両内の天井付近に設けられる照明装置すなわちオーバーヘッドモジュール３０、又はインナーミラー（ルームミラー）４０に取付けられる照明装置すなわちミラー付属モジュール４２により行う。オーバーヘッドモジュール３０は例えば、赤色ＬＥＤ３２及び緑色ＬＥＤ３４のような異なる波長の光源を有し、各ＬＥＤはいずれも上述の操作部１０のスイッチノブ２０及び２２上のホログラム２４及び２６を照射可能に構成される。ホログラム２４及び２６は、赤色ＬＥＤ３２により照射されたときはオーディオ機器操作スイッチとしての機能表示を行い、緑色ＬＥＤ３４により照射されたときはヒータコントローラ操作スイッチとしての機能表示を行うように構成される。従って、スイッチ１６及び１８をオーディオ機器操作スイッチとして使用するときはオーバーヘッドモジュール３０は赤色ＬＥＤ３２による照射を行い、スイッチ１６及び１８をヒータコントローラ操作スイッチとして使用するときはオーバーヘッドモジュール３０は緑色ＬＥＤ３４による照射を行うという使い分けが可能である。この場合各スイッチは、適当な制御装置により、赤色ＬＥＤ３２が照射しているときはオーディオ機器操作用として、緑色ＬＥＤ３４が照射しているときはヒータコントローラ操作用としてその入力内容すなわち機能を切替えられる多機能スイッチとして作用する。またオーバーヘッドモジュール３０の光源は、他の色のＬＥＤであってももちろんよいし、レーザ光源であってもよい。ミラー付属モジュール４２についても、オーバーヘッドモジュール３０と同様の構成とすることが可能である。
【００１８】
図２に示すように、オーバーヘッドモジュール３０又はミラー付属モジュール４２は、スイッチノブ２０及び２２のホログラム部材２４及び２６から所定距離、例えば３０〜１５０ｃｍ、好ましくは５０〜１００ｃｍ程度離れた位置に設けられるため、ＬＥＤ等によるホログラム２４及び２６への照射だけでなく、例えばシフトレバー５０等の他の部分の照明をＬＥＤ又は別の光源により行い、さらに室内のイルミネーション等の演出効果を醸し出すこともできる。またオーバーヘッドモジュールは室内の任意の位置に配設可能であるので、パワーウインドウのスイッチベース等の照明を兼ねることもできる。また本発明によれば、ホログラム表示を行うための光源をそのホログラム近傍に設ける必要がないので、スペースの制約等から従来では配設が困難であった場所もホログラム表示機能を備えることができる。
【００１９】
またホログラム２４及び２６は、上述のように波長の異なる光に対して異なる画像を表示するものであってもよいし、照射方向の異なる光に対して異なる画像を表示するものであってもよい。後者の場合は、オーバーヘッドモジュール３０及びミラー付属モジュール４２は、赤色ＬＥＤ及び緑色ＬＥＤのような波長の異なる光源の代わりに、同一波長でもよいが照射方向の異なる複数の光源を有することにより、ホログラム２４及び２６の画像表示の切替を行うことができる。例えば、スイッチ１６及び１８をオーディオ機器操作スイッチとして使用するときはオーバーヘッドモジュール３０からの照射を行い、スイッチ１６及び１８をヒータコントローラ操作スイッチとして使用するときはミラー付属モジュール４２からの照射を行うという使い分けが可能である。
【００２０】
本発明に係る好適な照明装置の具体例としてオーバーヘッドモジュール又はミラー付属モジュールを説明したが、ホログラムを備えたスイッチに離れた位置から照射可能な他の照明装置も本発明の効果を奏することはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【００２１】
【図１】本発明に係る車載操作機器の操作部を示す概略の分解斜視図である。
【図２】車両内における車載操作機器の操作部及び照明装置の配置を示す概略図である。
【図３】従来の車載操作機器の操作部を示す概略の分解斜視図である。
【符号の説明】
【００２２】
１０ 操作部
１６、１８ スイッチ
２０、２２ スイッチノブ
２４、２６ ホログラム
３０ オーバーヘッドモジュール
３２、３４ ＬＥＤ
４２ ミラー付属モジュール
【特許請求の範囲】
【請求項１】
車両内で使用される車載操作機器であって、
入力内容を変更可能な少なくとも１つのスイッチと、
前記スイッチ上又はその近傍に設けられるとともに、照射方向及び波長の少なくとも一方が異なる光を照射されたときに相異なる画像を表示するように構成されるホログラム部材と、
前記照射方向及び波長の少なくとも一方が異なる光を、前記スイッチから所定距離離れた場所から前記ホログラム部材に照射可能な照明装置と、
を有する車載操作機器。
【請求項２】
前記照明装置が前記ホログラム部材から３０〜１５０ｃｍ離れた場所に設けられる、請求項１に記載の車載操作機器。
【請求項３】
前記照明装置が車両内の天井に設けられる、請求項２に記載の車載操作機器。
【請求項４】
前記照明装置が車両内のインナーミラーに設けられる、請求項２に記載の車載操作機器。
【請求項５】
前記照明装置は、発光ダイオード及びレーザ光源の少なくとも一方を含む、請求項１〜４のいずれか１項に記載の車載操作機器。
【請求項１】
車両内で使用される車載操作機器であって、
入力内容を変更可能な少なくとも１つのスイッチと、
前記スイッチ上又はその近傍に設けられるとともに、照射方向及び波長の少なくとも一方が異なる光を照射されたときに相異なる画像を表示するように構成されるホログラム部材と、
前記照射方向及び波長の少なくとも一方が異なる光を、前記スイッチから所定距離離れた場所から前記ホログラム部材に照射可能な照明装置と、
を有する車載操作機器。
【請求項２】
前記照明装置が前記ホログラム部材から３０〜１５０ｃｍ離れた場所に設けられる、請求項１に記載の車載操作機器。
【請求項３】
前記照明装置が車両内の天井に設けられる、請求項２に記載の車載操作機器。
【請求項４】
前記照明装置が車両内のインナーミラーに設けられる、請求項２に記載の車載操作機器。
【請求項５】
前記照明装置は、発光ダイオード及びレーザ光源の少なくとも一方を含む、請求項１〜４のいずれか１項に記載の車載操作機器。
【図１】
【図２】
【図３】
【図２】
【図３】
【公開番号】特開２００６−１５８９９（Ｐ２００６−１５８９９Ａ）
【公開日】平成１８年１月１９日（２００６．１．１９）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００４−１９６５６８（Ｐ２００４−１９６５６８）
【出願日】平成１６年７月２日（２００４．７．２）
【出願人】（０００１８５６１７）小島プレス工業株式会社 (515)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１８年１月１９日（２００６．１．１９）
【国際特許分類】
【出願日】平成１６年７月２日（２００４．７．２）
【出願人】（０００１８５６１７）小島プレス工業株式会社 (515)
【Ｆターム（参考）】
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