説明

ホログラム記録再生装置およびホログラム記録方法

【課題】外部共振器型半導体レーザーからの光ビームを制御して回折効率を向上させるホログラム記録再生装置を提供する。
【解決手段】ホログラムディスク1に照射するデータ光と参照光とを発生させるための外部共振器型レーザーを有する記録用レーザーダイオード7と、外部共振器型レーザーからの光ビームの光量である検出光量を検出するフォトダイオードと、外部共振器型レーザーに電流を供給するレーザー駆動回路と、検出光量を所定時間に渡り時間積分した積分光量を所定記録エネルギーと等しくするようにレーザー駆動回路を制御するレーザーダイオード制御部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホログラム記録再生装置およびホログラム記録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、データストレージデバイスとしてホログラム記録再生装置が注目されている。ホログラムの記録に際しては、記録データに応じて変調されたデータ光と参照光とを同一光源からのレーザー光によって生成する。これらをホログラム記録媒体に照射して、ホログラム記録媒体中でデータ光と参照光とを干渉させてホログラム(回折格子)を形成する。ここで記録されるホログラムには、極めて大容量の情報が含まれる。また、記録済みのホログラム記録媒体からの情報の再生に際しては、ホログラムに参照光を照射することで再生光(回折光)を発生させる。この再生光を2次元配列された受光素子を有して形成される撮像器で受光し、信号処理を施して記録データを再生できる。
【0003】
なお、上述した信号光と参照光との発生および再生光の受光は、光学素子を組み合わせて構成した光学ユニットでおこなわれる。光学ユニットにおける光路設計の方式としては、データ光と参照光とを同軸状に配置して、これらの光ビームが通過する光路を共通とする、所謂、コアキシャル方式(特許文献1を参照)が知られている。また、光路設計の別の方式としては、データ光、参照光の各々の光ビームが別の光路を通過する2光束法が知られている。また、ホログラム記録再生装置に用いる光ビームの発生源としては、青色の光ビームを出射する外部共振器型半導体レーザーに関する技術が提案されている(特許文献2を参照)。また、ホログラム記録媒体を移動させながら、記録する技術が提案されている(特許文献3を参照)。さらに、外部共振器型半導体レーザーを用いる場合の記録再生特性についての報告がされている(非特許文献1を参照)。
【特許文献1】特開2003−178484号公報
【特許文献2】特開2006−177995号公報
【特許文献3】特開2007−178780号公報
【非特許文献1】T.Tanaka, K.Takahashi, K.Sako, R.Kasegawa, M.Toishi, K.Watanabe, D.Samuels, and M.Takeya, “Littrow-type external-cavity blue laser for holographic data storage,” Appl.Opt. 46, 3583-3592 (2007).
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
外部共振器型半導体レーザーをホログラム記録再生装置に用いる場合に、形成されるホログラムからの再生光の回折効率を、良好に保つためにどの様に外部共振器型半導体レーザーを制御すれば良いかということについては、検討が十分になされていないという現状がある。
【0005】
本発明は、外部共振器型半導体レーザーからの光ビームを制御して回折効率を向上させるホログラム記録再生装置を提供し、回折効率を向上させるホログラム記録方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のホログラム記録再生装置は、ホログラム記録媒体に照射するデータ光と参照光とを発生させるためのレーザーダイオードを有する外部共振器型レーザーと、前記レーザーダイオードからの光ビームの光量である検出光量を検出するフォトダイオードと、前記レーザーダイオードに電流を供給するレーザー駆動回路と、前記検出光量を所定時間に渡り時間積分した積分光量を所定記録エネルギーと等しくするように前記レーザー駆動回路を制御するレーザーダイオード制御部と、を備える。
【0007】
本発明のホログラム記録方法は、レーザーダイオードを有する外部共振器型レーザーが、ホログラム記録媒体に照射するデータ光と参照光とを発生させ、フォトダイオードが、前記レーザーダイオードからの光ビームの光量である検出光量を検出し、レーザー駆動回路が、前記レーザーダイオードに電流を供給し、レーザーダイオード制御部が、前記検出光量を所定時間に渡り時間積分した積分光量を所定記録エネルギーと等しくするように前記レーザー駆動回路を制御する。
【0008】
本発明では、レーザーダイオード制御部が、検出光量を所定時間に渡り時間積分した積分光量を所定記録エネルギーと等しくするようにレーザー駆動回路を制御する。これによって、ホログラム記録媒体に記録をおこなうための時間の長さは、予め定める所定値とできる。また、ホログラム記録媒体に加えられる記録エネルギーの大きさは、予め定める所定値とできる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、予め定める所定時間で記録がおこなわれ、予め定める所定記録エネルギーがホログラム記録媒体に与えられる。この結果、形成されるホログラムからの再生光の回折効率を、良好に保つことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
発明を実施するための最良の形態(実施形態)について以下に説明をする。説明は以下の順序でおこなう。(1)コアキシャル方式のホログラム記録再生光学系の説明。(2)ホログラムディスクの構造。(3)ホログラムディスクにおける光ビームの作用。(4)ホログラム記録再生装置の説明。(5)シャッター開、閉と、ガルバノミラーとの同期動作の説明。(6)外部共振器型レーザーの説明。(7)実施形態の記録用レーザーの説明。(8)実施形態の記録用レーザーの制御方法。
【0011】
以下で用いる「ホログラム記録再生装置」の用語には3つの意味がある。まず、ホログラムディスクにホログラムを記録するホログラム記録装置の意味がある。また、ホログラムディスクに記録されたホログラムから情報を再生するホログラム再生装置の意味がある。さらに、ホログラムディスクに対して記録と再生との両方をおこなうホログラム記録および再生装置の意味がある。
【0012】
(コアキシャル方式のホログラム記録再生光学系)
図1は、コアキシャル方式のホログラム記録再生装置の光学系である光学ユニット50を示す模式図である。光学ユニット50は、ホログラム記録媒体であるホログラムディスク1に対してホログラムデータを記録再生するための記録再生用の光学系(青色レーザー系)を有している。また、ホログラムディスク1のホログラムが記録される位置およびホログラムが再生される位置を特定し、光ビームを位置させる制御をするためのサーボ用の光学系(赤色レーザー系)を有している。
【0013】
ここで、青色レーザー系は、ホログラムの記録と再生とに用いられる青色のレーザー光(青色の光ビーム)を通過または反射させる光学部材から構成される光学系である。青色の光ビームは、記録用レーザー7から出射される。また、赤色レーザー系は、サーボ用の赤色のレーザー光(赤色の光ビーム)を通過または反射させる光学部材から構成される光学系である。赤色の光ビームは、サーボ用レーザー4から出射される。記録用レーザー7は、実施形態に特有の特徴ある構成を有しているので、詳細を後述する。
【0014】
また、光学部材の一部は、青色の光ビームと赤色の光ビームとの両方を通過または反射するようになされている。両方の光ビームを通過または反射させる光学部材は、ダイクロイックプリズム6とλ/4板(1/4波長板)18と対物レンズ3である。青色の光ビームと赤色の光ビームとを同一の光路を通過または反射させることによって、赤色の光ビームを用いて、サーボ動作(位置決め動作)をおこない、青色の光ビームで記録再生をおこなうことが可能となる。また、ホログラムディスク1に設けられた記録層32(図2を参照)は、赤色の光ビームによっては、その光学特性が変化することがないので、サーボ動作によって記録再生の特性が影響を受けることがない。
【0015】
サーボ用の光学系は、以下の光学部材を有し、赤色の光ビームは以下のように各光学部材を通過または反射する。サーボ用レーザー4からの赤色の光ビームはグレーティング5で3本の光ビームに分けられる。3本の光ビームは、ビームスプリッター15を直進し、ダイクロイックプリズム6で反射され対物レンズ3に入射する。対物レンズ3で光ビームは集光されてホログラムディスク1に照射される。ここで、光ビームをホログラムディスク1の所定位置に集光するのが、サーボ用の光学系の役割であり、サーボ系の内容については後述する。
【0016】
一方、記録再生用の光学系(青色レーザー系)は、以下の光学部材を有し、青色の光ビームは以下のように各光学部材を通過または反射する。記録用レーザー7から出射した青色ビームはアイソレータ8、シャッター9等を通過して、ガルバノミラー10に入射する。ガルバノミラー10では、青色の光ビームをスキャン(走査)する。スキャンされた青色の光ビームは、PBS(偏光ビームスプリッター)12で反射され空間変調器11に入射する。空間変調器11では、入射した青色の光ビームを変調し、データ光と参照光とを生成させる。データ光と参照光とは、PBS12を直進して、リレーレンズ16、PBS(偏光ビームスプリッター)14、リレーレンズ17を通過してダイクロイックプリズム6に入射する。
【0017】
ダイクロイックプリズム6には、赤色の光ビームは反射し、青色の光ビームは通過するような光学膜が形成されてあるため、青色の光ビームは直進する。青色の光ビームは、λ/4板18を通過して、対物レンズ3で集光されて、ホログラムディスク1に照射され、記録層32(図2を参照)内でデータ光と参照光とが干渉しホログラムが記録層32に記録される。
【0018】
(ホログラムディスクの構造)
図2は、ホログラムディスク1の構造を模式的に示す図である。ホログラムディスク1には、反射防止膜30、0.6mm(ミリメートル)の厚みを有するプラスチック基板(Plastic基板)31、典型例として0.6mmの厚みを有する記録層32、典型例として0.1mmの厚みを有するギャップ層(Gap層)33、波長選択膜34、典型例として0.1mmの厚みを有するギャップ層(Gap層)35、プラスチック基板(Plastic基板)36が積層されている。ギャップ層(Gap層)35とプラスチック基板(Plastic基板)36との界面にはアドレスグルーブ、トラックグルーブ等が形成されており、アルミニューム反射膜(Al反射膜)が、アドレスグルーブ、トラックグルーブ等の面に配されている。そして、一体として、(アルミニューム反射膜、トラックグルーブ、アドレスグルーブ)37を形成している。
【0019】
(ホログラムディスクにおける光ビームの作用)
図2に示すサーボビーム38は、赤色の光ビームの光線の一本を模式的に示すものである。対物レンズ3からの赤色の光ビームはホログラムディスク1に照射される。サーボビーム38は、反射防止膜30、プラスチック基板(Plastic基板)31、記録層32、ギャップ層(Gap層)33を通過して、波長選択膜34に達する。波長選択膜34は、光ビームの波長によって透過または反射をするが、赤色の光ビームは透過するようにされている。このため、赤色の光ビームであるサーボビーム38は波長選択膜34を透過して、ギャップ層(Gap層)35を通過して、(アルミニューム反射膜、トラックグルーブ、アドレスグルーブ)37で反射される。このとき、サーボビーム38は、(アルミニューム反射膜、トラックグルーブ、アドレスグルーブ)37に形成されたアドレスグルーブ、トラックグルーブの形状に応じた変調を受けて、サーボ情報を持ち帰る。
【0020】
つまり、(アルミニューム反射膜、トラックグルーブ、アドレスグルーブ)37で反射したサーボビーム38は、ギャップ層35、波長選択膜34、ギャップ層33、記録層32、プラスチック基板31、反射防止膜30を通過して、対物レンズ3に至る。対物レンズ3からのサーボビーム38は、ダイクロイックプリズム6で反射し、ビームスプリッター15で反射してフォトディテクター(PD)19に入射する。フォトディテクター19によって、DVD等の通常の光ディスクと同様のサーボエラー信号が得られる。例えば、フォーカスエラー信号がアスティグマ法によって得られ、プッシュプル法によってトラッキングエラーが得られる。
【0021】
図2に示す記録ビーム39は、青色の光ビームの光線の一本を模式的に示すものである。記録時においては、対物レンズ3からの青色の光ビームである記録ビーム39は、データ光と参照光とからなっており、ホログラムディスク1に照射される。記録ビーム39は、反射防止膜30、プラスチック基板31を経て記録層32に達する。記録層32における、データ光と参照光との干渉縞はホログラムとして記録される。
【0022】
図2に示す再生時においては、記録ビーム39と同一の経路で、参照光がホログラムディスク1に照射される。参照光は、反射防止膜30、プラスチック基板31を経て記録層32に達する。記録層32に記録されたホログラムに参照光が照射され、再生光(回折光)が発生する。この再生光は青色の光ビームであるので、波長選択膜34で反射されて、ホログラムに記録された記録情報を持ち帰る。
【0023】
つまり、波長選択膜34で反射した再生光は、ギャップ層35、波長選択膜34、ギャップ層33、記録層32、プラスチック基板31、反射防止膜30を通過して、対物レンズ3に至る。対物レンズ3からの再生光は、偏光ビームスプリッター14で反射して、撮像器の一形態であるシーモスイメージャー(COSイメージャー)13に入射する。シーモスイメージャー13に得られる再生光の像を処理することによって、ホログラムに記録された情報を読み出すことができる。
【0024】
(ホログラム記録再生装置)
図3は、ホログラム記録再生装置を模式的に示す図である。サーボ系の制御は、サーボコントローラ23がおこなう。また、ホストコントローラ(HOSTコントローラ)25は、サーボコントローラ23と信号のやり取りをおこない、サーボコントローラ23に対して指令を出す。また、ホストコントローラ25は、アドレスデコードタイミング発生器24および光学ユニット50と信号のやり取りをおこなう。
【0025】
円盤形状をしたホログラムディスク1はスピンドルモータ20の回転軸に取り付けられている。スピンドルモータ20は、サーボコントローラ23によって回転制御され、結果として、ホログラムディスク1はサーボコントローラ23によって回転制御される。また、サーボコントローラ23によってサーボアクチュエータ2が駆動され、フォーカス方向に対物レンズ3を移動させる制御、トラッキング方向に対物レンズ3を移動させる制御が行われる。また、サーボコントローラ23によって送りモータ21がトラッキング方向に移動させられ、対物レンズ3の移動ではカバーできない範囲のトラッキングサーボをおこなう。
【0026】
光学ユニット50で得られた再生光は、イメージャー信号処理器29で処理されて記録されたデータが再生されて、ホストコントローラ25に入力される。また、光学ユニット50のフォトディテクター19で得られたPD信号26は、フォトディテクター信号処理回路(PD処理回路)22で処理されて、赤色の光ビームによって持ち帰られた情報のひとつであるトラック再生信号28がアドレスデコードタイミング発生器24に入力され、赤色の光ビームが照射されている(アルミニューム反射膜、トラックグルーブ、アドレスグルーブ)37の位置がアドレス情報を解読して特定される。これは、青色の光ビームが照射されている記録層32の位置を特定することと同じことである。また、フォトディテクター信号処理回路22は、赤色の光ビームによって持ち帰られた他の情報であるサーボエラー信号27をサーボコントローラ23に供給する。
【0027】
アドレスデコードタイミング発生器24によって得られたアドレス情報は、ホストコントローラ25に入力される。ホストコントローラ25は、このアドレス情報をサーボコントローラ23に出力して、サーボコントローラ23が各アクチュエータを制御して、所望のアドレス情報が得られる記録層32の位置に赤色の光ビームおよび青色の光ビームを配置する。また、ホストコントローラ25は、記録・再生データを光学ユニット50との間でやり取りをして、記録再生の動作をおこなう。また、ホストコントローラ25は、レーザーパワー情報(図9を参照)を光学ユニット50から得て、光学ユニット50に対して、レーザー制御情報(図9を参照)、ON/OFF信号(図9を参照)を出力する。
【0028】
以上がホログラム記録再生装置の構成および動作の概要であるが、以下に、実施形態の要部に関してより詳細に説明をする。
【0029】
(シャッター開、閉と、ガルバノミラーとの同期動作)
ホログラムデータの記録は通常の光ディスクにおける記録とは違い、一定容量のデータを一度に記録するページ記録方式を採用する。このため、スピンドルモータ20により連続回転されているホログラムディスク1に照射する青色の光ビームをガルバノミラー10によりスキャンして一定時間同一の場所に青色の光ビームを照射するように制御している。この技術は特許文献3に記載されている。
【0030】
また、青色の光ビームがガルバノミラー10によりスキャン中のみシャッター9を開いて、アイソレータ8からの青色の光ビームをガルバノミラー10に通過させる。そして、スキャンが終了して次のスキャンを始める位置まで戻る間はシャッター9を閉にして、青色の光ビームがガルバノミラー10に到達しないように制御する。この制御は、サーボコントローラ23によっておこなわれる。
【0031】
図4は、シャッター9の開(青色の光ビームが透過する状態)と閉(青色の光ビームが遮断される状態)の状態と、ガルバノミラー10の振り角度との関係を示す図である。
【0032】
ホログラムをホログラムディスク1の記録層32に記録をするに際しては、以下のようにする。空間変調器11で反射する青色の光ビームがデータ光と参照光となるようなパターンを空間変調器11に表示する。このようなパターンを空間変調器11に表示する制御は、ホストコントローラ25によっておこなわれる。
【0033】
ホログラムの再生を行うには、空間変調器11で反射する青色の光ビームが参照光のみなるようなパターンを空間変調器11に表示する。このようなパターンを空間変調器11に表示する制御は、ホストコントローラ25によっておこなわれる。そして、上述したように、参照光をホログラムディスク1に照射すると、記録されているホログラムからの再生光が得られ、シーモスイメージャー13に入射する。ここで、ガルバノミラー10とシャッター9とは記録時と同様に、図4に示すように同期して制御される。
【0034】
(外部共振器型レーザー)
図5は、実施形態の記録用レーザー7に用いられる外部共振器型レーザー57の構成を示す図である。外部共振器型レーザー57は、リトロー型(Littrow型)と呼ばれる外部共振器型レーザーが使われる。レーザーダイオード40より出射された青色の光ビームはコリメータレンズ41で平行光とされ反射型回折格子42に入射し、反射される際に0次光と1次光に分離される。反射型回折格子42で反射回折された1次光43は矢印で示すように再びコリメータレンズ41を通り、レーザーダイオード40に戻る。この戻った光ビームにより反射型回折格子42とレーザーダイオード40の間で共振器が形成され、レーザーダイオード40は反射型回折格子42に対する入射角で決定される波長で発振する。反射型回折格子42で反射回折された0次光44は通常のミラーと同じように反射してホログラム記録再生用の光ビームとして出力される。
【0035】
図6は、記録用レーザー7を構成する外部共振器型レーザー57の発振波長スペクトラムを示す図である。外部共振器型レーザー57からの光ビームの発振波長スペクトラムはほぼ単一波長となる。しかしながら、外部共振器型レーザー57のレーザーダイオード40に供給される電流値や周囲温度の変化等により発振モードが変わる。図6(a)は、複数の波長で発振する場合を示し、図6(b)は、単一の波長で発振する場合を示し、図6(c)は、2つの山を有する複数の波長で発振する場合を示している。図6(a)、図6(b)、図6(c)の各状態は、レーザーダイオード40の電流値、周囲温度に応じて、いずれもが生じうる状態である。モードホップとは、図6(a)であれば、3つの波長の間を高速に遷移することであり、図6(c)であれば、6つの波長の間を高速に遷移することを言うものである。
【0036】
図7は、記録用レーザー7からの光ビームの出力パワーが変動する状態を模式的に示すものである。図7の縦軸は出力パワーであり、横軸は時刻である。実験によれば、外部共振器型レーザー57の一例では、0次光として出力される光パワーが最大7%程度変動する事が確認された。この7%の光パワーの変動が、ホログラム記録において露光過不足の原因となっている。図8は、光パワーの変動をオシロスコープにて観測して、これを写真に撮影したものである。図8に示すように光パワーの変動は、極めて短時間、例えば、1μsec(マイクロ秒)以下で生じ、また、光パワーの変動を制御回路で抑圧するように制御をすることは困難である。
【0037】
(実施形態の記録用レーザー)
図9は、実施形態の記録用レーザー7の構成を示す図である。図9に示す記録用レーザー7は、図5に示した、リトロー型の外部共振器型レーザー57と、ビームスプリッター51と、フォトダイオード52と、レーザーパワーモニタアンプ53と、エーデイコンバータ(ADコンバータ)56と、ディエーコンバータ(DAコンバータ)58と、レーザー駆動回路55と、を備えている。レーザー駆動回路55は、レーザーダイオードの一種である外部共振器型レーザー57に電流を供給する。また、ホストコントローラ25は、レーザー駆動回路55を制御するレーザーダイオード制御部として機能する。レーザー駆動回路55はアナログ信号で駆動され、ホストコントローラ25はデジタル信号を出力するので、DAコンバータ58を介して制御はおこなわれる。
【0038】
外部共振器型レーザー57から出射された光ビーム(0次光)44は、ビームスプリッター51で二分され、直進したビームはホログラム記録用として利用される。一方、ビームスプリッター51で反射された光ビームはフォトダイオード52に入射する。フォトダイオード52は入射した光ビームの光量に比例した電流をレーザーパワーモニタアンプ53に対して出力する。つまり、フォトダイオード52は、レーザーダイオードからの光ビームの光量である検出光量を検出する。レーザーパワーモニタアンプ53では電流電圧変換される。すなわち、レーザーパワーモニタアンプ53の出力電圧は、フォトダイオード52で検出する光ビームのパワーに比例し、ホログラム記録用として利用される光ビームのパワーに比例したものとなる。
【0039】
エーデイコンバータ56は、レーザーパワーモニタアンプ53からのアナログ値をディジタル値に変換して、ホストコントローラ25に出力する。ホストコントローラ25では、エーデイコンバータ56からのレーザーパワー情報、その他の情報(例えば、図示しない温度センサから検出する環境温度の情報等)に基づき、演算をおこなって、記録再生に適した、レーザー制御情報をディエーコンバータ58に対して出力する。また、ホストコントローラ25はレーザー駆動回路55に対してレーザー駆動信号の供給/供給停止(ON/OFF)を指示し、外部共振器型レーザー57からの光ビームの出射と出射の停止とを制御する、ON/OFF信号を出力する。なお、サーボに関しては、上述したように赤色の光ビームを用いているので、外部共振器型レーザー57からの光ビームの出射を停止してもサーボの動作は維持される。また、外部共振器型レーザー57からの光ビームの出射をしながら、シャッター9を閉とする場合にも青色の光ビームはホログラムディスク1に達することはないが、この場合でも、同様にサーボの動作は維持される。
【0040】
(実施形態の記録用レーザーの制御方法)
ホログラムの記録に際しては、上述したように、青色の光ビームを、参照光と記録データで変調されたデータ光とに分けてホログラムディスク1に照射し、記録層32の内部で両者が干渉してできる干渉縞をホログラムとして記録するものである。ここで、記録層32としては感光性のモノマーが用いられ、モノマーがポリマーに変化してホログラムが形成される。記録されたホログラムを再生するには参照光のみを記録済みのホログラムに照射することで行うが、この時の再生光の信号レベルは、記録されたホログラムの品質によって定まる回折効率が高い程、良好なものとなる。
【0041】
ここで、回折効率は、ホログラムを記録する際にホログラムディスク1に照射された光ビームのエネルギー(記録エネルギー)によって決まる。なお、記録エネルギーは、記録時のレーザーパワー(記録光量)の時間積分で表される。このため、最適な回折効率が得られるよう、すなわち、回折効率が最大となるように記録エネルギーを制御する必要がある。ここで、回折効率が最大となるときの、記録エネルギーの値を最適記録エネルギー値と称する。
【0042】
最適記録エネルギー値は、記録層32を形成する媒体の性質によって異なるが、媒体の種類および温度を特定すれば、そのときの最適記録エネルギー値は特定される。また、最適記録エネルギー値は、上述したように、記録光量を積分した値(積算光量)で表され、積算光量が、予め特定された値となるようにすれば、得ることができるものである。記録層32に最適記録エネルギーを与えるには、次の二つの方法がある。
【0043】
方法1
記録を開始してからの記録光量を積分し、積算光量が、予め設定しておいたレベル(最適記録エネルギーに相当)に達したら記録を停止する。
【0044】
方法2
記録時間(参照光とデータ光とが記録層32に照射される時間)を予め定めた一定の値である所定時間とし、記録終了時に、積算光量が、予め設定しておいた一定の値である所定記録エネルギー(最適記録エネルギーと称する)となるように、順次、記録のための青色の光ビームのパワーを制御する。
【0045】
方法1では、記録時間を制御し、方法2では、記録光量(青色の光ビームのパワー)を制御する。ここで、常に一定速度で回転しているホログラムディスクに記録を行う場合には、上述したように、シャッター開、閉と、ガルバノミラーと、ホログラムディスクの回転とは同期するようにするのが好ましい。この観点から、方法1よりは、方法2の方がより適している。以下では、方法2を採用する場合について説明をする。
【0046】
Ew:残りの記録エネルギー、Tw:残りの露光時間、Pw:記録パワー(光ビームのパワー)、Ts :制御間隔(サンプリング時間(周期))とすると、以下の数式(1)、数式(2)が成立する。
【0047】
【数1】

【0048】
ここで、Ew-1は、前回のサンプル時刻における残りの記録エネルギーであり、Pw-1は前回のサンプル時刻における記録パワーである。
【0049】
【数2】

【0050】
ここで、Tw-1は前回のサンプル時刻における残りの露光時間である。
【0051】
よって、今回のサンプル周期において、設定すべき、記録パワーを表す数式として、数式(3)を得ることができる。つまり、残りの露光時間において、数式(3)で示す記録パワーで記録したならば、所定時間で記録が終了するとともに、所定記録エネルギーをホログラムディスク1に与えることができるものである。
【0052】
【数3】

【0053】
数式(3)で示す光ビームのパワーを、今回の周期および残りの周期における記録パワーとすることによって、刻々、記録パワーを修正することができる。このようにして、回折効率を最大とするホログラムの記録をおこなうことができる。
【0054】
図10は、実施形態の記録用レーザーの制御のフローチャートを示す図である。
【0055】
ステップST100では、ホストコントローラ25は、使用する記録媒体(ホログラムディスク1の記録層32)の回折効率を最大とする記録エネルギー(最適記録エネルギー)を、残りの記録エネルギーEwの初期値としてセットする。
この最適記録エネルギー値は、実験によって、予め求められている。
【0056】
ステップST101では、ホストコントローラ25は、使用する記録媒体(ホログラムディスク1の記録層32)に対して光ビームを照射する所定時間を初期の残り記録時間Twとしてセットする。この所定時間については、スピンドルモータ20の回転速度と、ホログラムの記録間隔に応じたものとしている。
【0057】
ステップST102では、ホストコントローラ25は、ON/OFF信号を制御して、記録用レーザー7から光ビームを出射する。
【0058】
ステップST103では、ホストコントローラ25は、数式(3)の演算をおこない、記録パワーPwを求める。
【0059】
ステップST104では、ホストコントローラ25は、ステップST103での計算結果に基づき、ディエーコンバータ58に、レーザー制御信号を送出して、記録パワーPwを設定する。
【0060】
ステップST105では、ホストコントローラ25は、(Tw ? Ts)が0以下であるか否かを判断する。0以下であると判断する場合(Y)には、処理はST108に移る。一方、0以下ではないと判断する場合(N)には、処理はステップST106に移る
【0061】
ステップST106では、ホストコントローラ25は、残りの記録エネルギーEwを計算して、処理はステップST107へ移る。ここで、残りの記録エネルギーEwの値は、ステップST100で設定した初期値から、ステップST106を通過するごとに順次減少させられた値である。
【0062】
ステップST107では、ホストコントローラ25は、残りの記録時間Twを計算して、処理はステップST103へ移る。ここで、残りの記録時間Twの値は、ステップST101で設定した初期値から、ステップST107を通過するごとに順次減少させられた値である。
【0063】
ステップST108では、ホストコントローラ25は、レーザーをOFF状態として、記録用レーザー7からの光ビームが、ホログラムディスク1に照射されないようにする。そして、処理は終了する。なお、ステップST102でのレーザーONの処理によって青色の光ビームの記録層32への照射を開始し、ステップST108でのレーザーOFFの処理によって青色の光ビームの記録層32への照射を停止することができるので、このような処理をおこなう場合には、シャッター9を設けることなく、記録時間を管理することができる。
【0064】
ここで、ステップST103からステップST107までのループを実行する時間間隔がサンプリング時間Tsとなるようにタイマー等(図示せず)を挿入して構成してあり、サンプリング時間Tsは記録に要する記録時間よりも充分に小さく選んである。また、タイマー等に替えて、ステップST103での処理をサンプリング時間Tsごとのタイマー割込み処理とするものであっても良い。また、最初にステップST103の処理をおこなった時刻とステップST108の処理をおこなった時刻との間の時間の長さは、予め定める所定時間である記録時間(ホログラムディスク1に記録をおこなっている時間)とされている。例えば、記録時間は、図4に示す、シャッター9を開状態とする時間の長さと一致するように設定されている。
【0065】
図11は、実施形態の別の記録用レーザーの制御のフローチャートを示す図である。図11に示すフローチャートでは、図10に示すフローチャートにおけるステップST102の処理に替えてステップST1021の処理をおこない、ステップST108の処理に替えてステップST1081の処理をおこなう。他の処理は、図10と図11とで異なるところがないので、説明は省略する。
【0066】
ステップST1021では、シャッター9を開とする。これによって、青色の光ビームが記録層32に照射される。
ステップST1081では、シャッター9を閉とする。これによって、青色の光ビームの記録層32への照射が停止される。
ホログラム記録では、通常は、ページデータ(一つのホログラム)を数百ページ以上記録する。図11にフローチャートで示すように、記録開始のときにレーザーをONしておき、ページ毎に、シャッター9を開閉して記録し、一連の記録が終わったらレーザーをOFFにするようにして、記録がおこなえる。
【0067】
上述した制御を要約すると、サンプリング時間Tsごとに残りの記録エネルギーの値と残りの記録時間の値を算出し、それに基づいた記録パワーを決定して、記録をすることにより、決められた記録時間で最適な記録がおこなえるものである。
【0068】
ところで、一般的に、外部共振器レーザーでは、上述したように、レーザーパワーを調整する場合に、シングルモード(図6(b)を参照)、3モード(図6(a)を参照)、6モード(図6(c)を参照)の状態が発生する。実施形態のレーザー制御方式では、記録時間を固定して、レーザーパワーを調整するので、シングルモード、3モード、6モードのいずれもが生じうる。
【0069】
コアキシャル方式を採用する場合には、シングルモード、3モード、6モードのいずれのモードでも良好な記録をすることが可能である。一方、2光束方式を採用する場合には、シングルモードと3モードでは記録できるものの、6モードでは記録できない場合があることが、非特許文献1に述べられている。しかしながら、本願願書に記載の発明者らの実験の結果によれば、リトロー型の外部共振器型レーザー57のレーザーダイオード40のチップ長を1mm以上にすれば、2光束方式においても、1.5mmの厚さの記録層に6モードでの記録が可能であった。
【0070】
このようにして、実施形態のレーザー制御方式は、コアキシャル方式、2光束方式を含め、ホログラフィックデータストレージの記録方式によらず、使用することができるものである。
【0071】
実施形態のレーザー制御方式によれば、ホログラムの記録に要する時間を特定する必要が生じる場合(例えば、スピンドルモータ20の回転角速度と同期する等)においても、形成されたホログラムの回折効率を良好とすることができる。このような特徴は、特にディスク型ホログラム媒体を回転させて記録する方式のホログラム記録再生装置において効果的である。
【0072】
また、実施形態のレーザー制御方式では、記録用レーザーからの光ビームの出力パワーを変化させるが、ホログラムの形成に大きな影響を与えるのは、記録用レーザーからの積分光量である。よって、サンプリング時間Ts程度の時間で変化する、光ビームの出力の変化が与える影響は小さい。また、光ビームの出力パワーを変化させるに際して、レーザーダイオードの電流を変化させる場合には、レーザーダイオードが、図6(a)、図6(b)、図6(c)の状態間を遷移し易くなる。しかしながら、この場合でも、コアキシャル方式を採用する場合には、良好なる回折効率が得られる。また、2光束方式を採用する場合でも、レーザーダイオードのチップ長を管理することによって、良好なる回折効率が得られる。
【0073】
また、上述した実施形態では、ホログラム記録媒体は円盤状の形状をしたホログラムディスクであるとして説明をしてきたが、実施形態のレーザー制御方式は、ホログラム記録媒体が方形のカード形状であっても採用ができるものである。
【0074】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、当然にその発明の技術的思想の範囲内で様々に変形して実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】コアキシャル方式のホログラム記録再生装置の光学ユニットを示す模式図である。
【図2】ホログラムディスクの構造を模式的に示す図である
【図3】ホログラム記録再生装置を模式的に示す図である。
【図4】シャッター開と閉の状態と、ガルバノミラーの振り角度との関係を示す図である。
【図5】実施形態の記録用レーザーに用いられる外部共振器型レーザーの構成を示す図である。
【図6】記録用レーザーの発振波長スペクトラムを示す図である。
【図7】モードホップによって、記録用レーザーからの光ビームの出力パワーが変動する状態を模式的に示すものである。
【図8】モードホップによる光パワーの変動をオシロスコープにて観測して、これを写真に撮影したものである。
【図9】実施形態の記録用レーザーの構成を示す図である。
【図10】実施形態の記録用レーザーの制御のフローチャートを示す図である。
【図11】実施形態の別の記録用レーザーの制御のフローチャートを示す図である。
【符号の説明】
【0076】
1 ホログラムディスク、 2 サーボアクチュエータ、 3 対物レンズ、 4サーボ用レーザー、 5 グレーティング、 6 ダイクロイックプリズム、 7 記録用レーザー、 8 アイソレータ、 9 シャッター、 10 ガルバノミラー、 11 空間変調器、 13 シーモスイメージャー(撮像器)、 14、 偏光ビームスプリッター、 15 ビームスプリッター、 16、17 リレーレンズ、 19 フォトディテクター、 20 スピンドルモータ、 21 送りモータ、 23 サーボコントローラ、 24 アドレスデコードタイミング発生器、 25 ホストコントローラ、 26 PD信号、 27 サーボエラー信号、 28 トラック再生信号、 29 イメージャー信号処理器、 30 反射防止膜、 31 プラスチック基板、 32 記録層、 33 ギャップ層、 34 波長選択膜、 35 ギャップ層、 37 アルミニューム反射膜、トラックグルーブ、アドレスグルーブ、 38 サーボビーム、 39 記録ビーム、 40 レーザーダイオード、 41 コリメータレンズ、 42 反射型回折格子、 43 1次光、 44 0次光、 50 光学ユニット、 51 ビームスプリッター、 52 フォトダイオード、 53 レーザーパワーモニタアンプ、 55 レーザー駆動回路、 56 エーデイ(AD)コンバータ、 57 外部共振器型レーザー、 58 ディエー(DA)コンバータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホログラム記録媒体に照射するデータ光と参照光とを発生させるためのレーザーダイオードを有する外部共振器型レーザーと、
前記レーザーダイオードからの光ビームの光量である検出光量を検出するフォトダイオードと、
前記レーザーダイオードに電流を供給するレーザー駆動回路と、
前記検出光量を所定時間に渡り時間積分した積分光量を所定記録エネルギーと等しくするように前記レーザー駆動回路を制御するレーザーダイオード制御部と、を備えるホログラム記録再生装置。
【請求項2】
前記レーザーダイオード制御部は、
前記所定記録エネルギーを残りの記録エネルギーの初期値として設定し、
前記所定時間を残りの露光時間の初期値として設定し、
サンプリング時間ごとに、
前記残りの記録エネルギーを前記残りの露光時間で除して記録パワーを求めて、前記記録パワーに応じた電流を前記レーザーダイオードに供給するとともに、
前記残りの記録エネルギーから該サンプリング時間における積分光量を減算した結果を、残りの記録エネルギーとして新たに設定し、前記残りの露光時間から前記サンプリング時間を減算した結果を、残りの露光時間として新たに設定し、
前記残りの露光時間が0以下に達したときに、前記データ光と前記参照光との照射を停止する請求項1に記載のホログラム記録再生装置。
【請求項3】
前記レーザーダイオードのチップ長は、青色の光ビームが得られる範囲の長さであって、1ミリメータ以上である請求項2に記載のホログラム記録再生装置。
【請求項4】
レーザーダイオードを有する外部共振器型レーザーが、ホログラム記録媒体に照射するデータ光と参照光とを発生させ、
フォトダイオードが、前記レーザーダイオードからの光ビームの光量である検出光量を検出し、
レーザー駆動回路が、前記レーザーダイオードに電流を供給し、
レーザーダイオード制御部が、前記検出光量を所定時間に渡り時間積分した積分光量を所定記録エネルギーと等しくするように前記レーザー駆動回路を制御する、ホログラム記録方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2010−54659(P2010−54659A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−217739(P2008−217739)
【出願日】平成20年8月27日(2008.8.27)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】