ホース用緩衝部材
【課題】工具を用いたボンベへのホースの脱着作業を容易に行うとともに、この作業に伴う騒音の発生を防止すること。
【解決手段】円板本体部2の最外縁に、この円板本体部2の板厚方向の厚みよりも肉厚の肉厚部3を形成する。この円板本体部2の中心に、ホースHを挿し込む貫通孔4を形成する。肉厚部3から貫通孔4に向かって、円板本体部2を補強する補強用リブ5を形成する。このようにして形成したホース用緩衝部材1を、ホースHに設けられた、ホースHとボンベBを接続するナットNに被らないように、このホースHに設ける。ホースHをボンベBから取り外してこのホースHが垂れ下がった際に、この緩衝部材1が、ナットNとボンベBが直接当接するのを防ぐことで、騒音の発生を防止する。
【解決手段】円板本体部2の最外縁に、この円板本体部2の板厚方向の厚みよりも肉厚の肉厚部3を形成する。この円板本体部2の中心に、ホースHを挿し込む貫通孔4を形成する。肉厚部3から貫通孔4に向かって、円板本体部2を補強する補強用リブ5を形成する。このようにして形成したホース用緩衝部材1を、ホースHに設けられた、ホースHとボンベBを接続するナットNに被らないように、このホースHに設ける。ホースHをボンベBから取り外してこのホースHが垂れ下がった際に、この緩衝部材1が、ナットNとボンベBが直接当接するのを防ぐことで、騒音の発生を防止する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ボンベへのホースの脱着作業の際に、このホースがボンベや周辺部材に直接当接して、この当接に伴う騒音が発生するのを防止するホース用緩衝部材に関する。
【背景技術】
【0002】
ガス等のボンベへのホースの脱着作業は、ホースの先端部に設けたハンドル部材(締結部材)を緩めたり締め付けたりすることでなされる。このハンドル部材の多くは金属製であって、この作業の際にボンベから取り外したホースが垂れ下がると、この金属製ハンドル部材がボンベに直接当接して、甲高い騒音が発生することがよくある。特に、ボンベが空の場合は、ボンベ内で音が反響しやすく、周囲が静かな早朝の作業においては騒音問題が生じやすい。
【0003】
そこで、下記特許文献1の構成では、螺着部材(締結部材)にゴム製のハンドル部材を被せ、作業中にこの螺着部材がボンベに当接した際に騒音が発生するのを防止している。この螺着部材の締め付けは、作業者がハンドル部材を握って回動させる「手締め」(同文献の段落0012を参照)、あるいは、ハンドル部材を取り外した状態で、スパナ等の工具を使用する「工具締め」(同文献の段落0013を参照)によって行うのが通常である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−74612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の締め付け作業においては、手締めでも十分な締め付け力を得ることができるが、締結状態をより確実なものとするために、作業によっては工具締めが要求されることがある。この場合、螺着部材に工具を宛がうために、この螺着部材に被せたハンドル部材をずらしたり、一旦取り外したりする必要があり、その作業が煩雑になりやすい。
【0006】
そこで、本願発明は、工具を用いたボンベへのホースの脱着作業を容易に行うとともに、この作業に伴う騒音の発生を防止することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、この発明は、ボンベへのホースの着脱作業の際に、前記ホースに設けた締結部材に被らないようにこのホースに設けられ、衝撃吸収部が、前記締結部材と前記ボンベ又はその周辺部材との間に設けられ、前記締結部材と前記ボンベ又はその周辺部材とが当接するのを防止するようにホース用緩衝部材を構成した。
【0008】
ホースにこの緩衝部材を設けることにより、ボンベへのホースの脱着作業に際して、このホースが直接ボンベに当接して騒音が発生するのを極力防止することができる。しかも、ホースと緩衝部材を別部材としたので、消音対策がなされていない既設のホースについて本願発明に係る緩衝部材を適用することができ、その汎用性が広い。また、緩衝部材が、ホースに設けた締結部材に被らないようにすることにより、この緩衝部材をホースに取り付けたままの状態でも工具を用いたホースの脱着作業を容易に行うことができ、作業性が高い。
【0009】
前記緩衝部材においては、板状部材の本体部の最外縁に、前記衝撃吸収部として作用する肉厚部を形成するとともに、前記本体部に、前記ホースを挿し込む貫通孔を形成し、前記肉厚部から前記貫通孔に向かって、補強用リブを形成することができる。
【0010】
ボンベとホースが当接した際に、肉厚部でその当接に伴う衝撃を効率良く受け止め、さらに、衝撃エネルギーを板状部材の本体部が適度に変形することによって吸収する。このとき、本体部に形成した補強用リブによって、この本体部がねじれたり、過度に変形したりして衝撃吸収作用が損なわれないようにしている。この衝撃吸収作用によって、高い騒音抑制効果を発揮し得る。
【0011】
前記緩衝部材においては、板状部材の本体部の最外縁に、前記衝撃吸収部として作用する肉厚部を形成するとともに、前記本体部に、前記ホースを挿し込む貫通孔を形成し、前記肉厚部からその径方向外側に向かう補強用リブを形成することができる。
【0012】
この外側に向かう補強用リブを形成すると、ボンベとホースとの接近に伴い、まず、この補強用リブとボンベが当接する。この当接に伴って、この補強用リブが変形して衝突エネルギーを吸収するため、肉厚部が大きく変形するのが防止される。この肉厚部が大きく変形するのを防止することにより、この緩衝部材の衝撃吸収作用が維持されて、高い騒音抑制効果を発揮し得る。
【0013】
また、前記緩衝部材においては、棒状の部材を前記ホースの最大径よりも大きい直径を有する円環状に成形して、前記衝撃吸収部として作用する円環部とし、この円環部の両端を中心側に折り込んで、前記ホースに固定する係止部とし、前記円環部を弾性部材で覆うようにすることができる。
【0014】
この棒状の部材として、例えば、ばね鋼を採用できる。このばね鋼は弾性に富んでいるため、ボンベとホースの間にばね鋼からなる緩衝部材が介在し、これが弾性的に変形することによって、ボンベに接近するホースの勢いを弱め、騒音が発生するのを防止する。さらに、円環部を弾性部材(樹脂材、ゴム材等)で覆うことで、円環部とボンベが直接当接するのを防ぎ、騒音の抑制効果をさらに高めている。
【0015】
また、前記緩衝部材においては、コーン状部材の先細側に、前記ホースを挿し込んでこのコーン状部材を前記ホースに沿ってスライド自在とするスライド孔を形成し、前記締結部材よりもホースの根元側に前記スライド孔が位置するとともに、前記コーン状部材の先太側が前記ホースの先端側を向くようにこのホースに挿し込んで、前記コーン状部材を前記衝撃吸収部として作用するようにすることができる。
【0016】
コーン状部材の内側は中空部となっており、その素材として、例えば樹脂材やゴム材等の弾性部材を採用できる。このコーン状部材が、ボンベ等と当接した際の衝撃吸収部として作用し、この当接に伴う騒音を極力抑制する。ボンベへのホース脱着の際に、コーン状部材をホースの根元側に少しスライドしておけば、ホース着脱作業の支障にならない。
【0017】
このホースをボンベから取り外すと、ホースが自重で撓んでその先端が下向きに垂れ下がる。すると、コーン状部材がその自重でホース先端側にスライドし、このコーン内にホース先端部が収納された状態となる。このため、ボンベからホースを取り外して垂れ下がった状態において、このホースがボンベ等に接触して騒音が発生するのを防止することができる。
【0018】
また、前記緩衝部材においては、開口部材の辺縁の対向する2箇所に、前記ホースを挟み込む切り欠き部を形成し、二つの開口部材の各切り欠き部の位置を合わせて前記開口部材の開口部を閉じた中空部材とし、この中空部材を前記衝撃吸収部として作用するようにすることができる。
【0019】
このように緩衝部材を複数のパーツに分解した開口部材で構成することにより、ホースの先端側(又は後端側)からこの緩衝部材を挿し込む必要がないため、既にボンベにホースを接続している状態でも、この緩衝部材の後付けを容易に行い得る。この開口部材を二つ合わせた際の前記緩衝部材の形状を球状とすると、ボンベへのホースの接近方向によらず均等に緩衝作用を発揮できるため最も好ましいが、この緩衝作用を発揮し得る限りにおいて、回転楕円体や立方体等のように他の形状とすることもできる。
【発明の効果】
【0020】
この発明は、ボンベに接続するホースに取り付けるホース用緩衝部材に関し、ホースに設けられた着脱用の接続部材にこの緩衝部材が被らないように設け、このホースをボンベから取り外して、このホースが垂れ下がった際に、このホースが、ボンベ等に直接当接するのを防止するように構成したものである。
【0021】
この構成とすることにより、ボンベとホースの脱着作業をスムーズに行うことができるとともに、この作業時にホースがボンベ等に当接して、騒音が発生するのを極力防止できるため、騒音問題を気にすることなく、早朝でも作業を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】この発明に係るホース用緩衝部材(第一実施形態)をホースに取り付けた状態を示す側面図
【図2】第一実施形態に係るホース用緩衝部材を示し、(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は断面図
【図3】第一実施形態に係るホース用緩衝部材を設けたホースをボンベに接続した状態を示す側面図
【図4】第一実施形態に係るホース用緩衝部材の他例を示す要部断面図であって、(a)は一条の突条を設けたもの、(b)は二条の突条を設けたもの
【図5】この発明に係るホース用緩衝部材(第二実施形態)をホースに取り付けた状態を示す側面図
【図6】第二実施形態に係るホース用緩衝部材を示し、(a)は一方の面側からの斜視図、(b)は平面図、(c)は他方の面側からの斜視図、(d)は(b)中のVId−VId線に沿う断面図
【図7】この発明に係るホース用緩衝部材(第三実施形態)をホースに取り付けた状態を示し、(a)は側面図、(b)は(a)中のVb−Vb線に沿う断面図
【図8】第三実施形態に係るホース用緩衝部材を示し、(a)は平面図、(b)は側面図
【図9】第三実施形態に係るホース用緩衝部材を設けたホースをボンベに接続した状態を示す側面図
【図10】第三実施形態に係るホース用緩衝部材の他例の要部を示し、(a)は断面図、(b)は断面図
【図11】この発明に係るホース用緩衝部材(第四実施形態)を示し、(a)は斜視図、(b)は断面図
【図12】第四実施形態に係るホース用緩衝部材をボンベに取り付けた状態を示す側面図
【図13】第四実施形態に係るホース用緩衝部材をホースに設け、このホースを下向きに垂らした状態を示す側面図
【図14】この発明に係るホース用緩衝部材(第五実施形態)をホースに取り付けた状態を示す側面図
【図15】第五実施形態に係るホース用緩衝部材を示す斜視図
【図16】第五実施形態に係るホース用緩衝部材を設けたホースをボンベに接続した状態を示す側面図
【発明を実施するための形態】
【0023】
この発明に係るホース用緩衝部材1の第一実施形態を図1〜3に示す。この緩衝部材1は、樹脂材又はゴム材からなり略円板状をしている。この円板の最外縁は、円板本体部2の板厚方向の厚みよりも肉厚の肉厚部3となっている。この円板本体部2の中心には、ホースHを挿し込む貫通孔4が形成されている。肉厚部3から貫通孔4に向かって補強用リブ5が形成されていて、円板本体部2が外力によってねじれたり、過度に変形したりしないように、その強度を確保している。
【0024】
この緩衝部材1をホース先端部のどの位置に設けるかについては適宜決定し得るが、少なくとも、この緩衝部材1が、ホースHをボンベBに接続するためのナット(締結部材)Nに被らないようにする必要がある。この緩衝部材1がナットNに被っていると、このナットNを工具で締め付ける際等に、緩衝部材1をずらしたり、一旦取り外したりする必要があり、作業が煩雑になるためである。
【0025】
ホースHのボンベBへの脱着作業の際に、緩衝部材1がボンベBに当接することによって、ホースH(特にナットN等の金属部材)がボンベBに直接当接するのを防ぐことができる(図3中のホース先端部を示す想像線を参照)。このため、この作業に伴う騒音の発生を極力防止できる。
【0026】
緩衝部材1の大きさ(肉厚部3の最外径)は、ホースHの先端部がボンベB等に当接しないように配慮した上で、適宜決定し得る。この決定に際しては、この緩衝部材1の取り付け位置(ホース最先端からの位置)、ボンベBからホースHを取り外した際のホースHのたわみ量、ボンベBの形状等が関係する。
【0027】
肉厚部3の端部形状は、例えば図4に示すように、その外周部に一条又は二条の突条6を形成した形状とすることもできる。ホースHをボンベBから取り外す際には、このホースHがその自重によって下向きに勢いよく振れて、ボンベBに当接することがよくある。そこで、肉厚部3に突条6を形成すると、まず突条6がボンベBに当接して変形し、ホースHの振れる勢いを弱め、次いで肉厚部3で衝撃エネルギーの吸収を行うので、この突条6を形成しない場合と比較して騒音防止作用を一層高めることができる。
【0028】
この突条6は、ホースHの振れを効果的に弱めることができる素材であれば適宜選択し得るが、特に、ショア硬さが60度程度のものを用いるのが好ましい。
【0029】
この発明に係るホース用緩衝部材1の第二実施形態を図5及び6に示す。この緩衝部材1は、第一実施形態に係るホース用緩衝部材1と同様に、樹脂材又はゴム材からなり略円板形状をしている。円板本体部2の最外縁は、この円板本体部2の板厚方向の厚みよりも肉厚の肉厚部3となっている。この円板本体部2の中心には、ホースHを挿し込む貫通孔4が形成されている。この肉厚部3から径方向外側に向かって補強用リブ5が形成されている。
【0030】
ホースHがボンベBに接近すると、まず補強用リブ5とこのボンベBが当接する。この当接に伴って補強用リブ5が変形し、ホースHの振れる勢いを弱めるとともに衝撃エネルギーを吸収する。さらに肉厚部3においても前記衝撃エネルギーを吸収するため、ボンベBの交換作業に伴う騒音の発生を極力防止できる。
【0031】
この発明に係るホース用緩衝部材1の第三実施形態を図7〜9に示す。この緩衝部材1は、ばね鋼の条鋼をホースHの最大径よりも大きい直径(本実施形態では、ホース最大径の約5倍)を有する円環状に形成して円環部7としたものである。この円環部7の両端は、円環部7の内側に折り込まれるとともに互いに接続され、ホースHを挿し込んで固定する係止部8として機能する。円環部7には樹脂材からなるコーティング層9が形成されている。係止部8は、円環部7が構成する円環状の平面に対して、ホースHの挿し込み方向に若干前後するように屈曲成形されている。
【0032】
この円環部7は、外力が作用するとその円環中心に向かって少したわみ、その衝撃エネルギーを吸収することによって、騒音の発生を防止する。さらに、この円環部7にコーティング層9を形成して、円環部7のばね鋼とボンベB等が直接当接するのを防止することによって、騒音の一層の低減を図っている。
【0033】
また、係止部8を上記のように屈曲成形することによって、この係止部8とホースHが、このホースHの挿し込み方向にずれた複数の箇所で接触する。このため、係止部8によるホースHの係止状態が安定し、緩衝部材1がホースHの挿し込み方向に対して斜め向きに傾きにくく、安定した衝撃吸収作用を発揮することができる。
【0034】
円環部7及び係止部8の素材として、耐久性を考慮して、上記のようにばね鋼を用いるのが好ましいが、コスト面等を考慮して樹脂材等をその代替として用いることもできる。
【0035】
円環部7にコーティング層9を形成する代わりに、図10に示すように、樹脂材又はゴム材からなる断面コの字形のカバー部材10を設ける構成とすることもできる。この場合もコーティング層9を施した場合と同様に、円環部7のばね鋼とボンベB等が直接当接するのを防止することによって、騒音の一層の低減を図ることができる。
【0036】
上記のように、円環部7を構成するばね鋼と、ボンベBが直接当接することに起因する騒音を防止するため、円環部7に樹脂材等の弾性部材を設けるのが好ましいが、この弾性部材を設けない構成とすることもできる。円環部7の形状や素材の種類等によっては、この弾性部材を設けなくても、騒音の大きさを許容範囲に抑制し得るためである。
【0037】
この発明に係るホース用緩衝部材1の第四実施形態を図11〜13に示す。この緩衝部材1は、樹脂材又はゴム材からなり、内部が中空のコーン状をしている。このコーン状部材11の先細側にはスライド孔12が形成され、ナットNよりもホースHの根元側にスライド孔12が位置するとともに、このスライド孔12に、コーン状部材11の先太側がホースHの先端側を向くように、ホースHをスライド自在に挿し込む。
【0038】
ホースHの脱着の際には、この緩衝部材1のコーン状部材11をホースHの根元側に少しスライドさせ、ホースHに設けたナットNを露出させることによって、工具を用いた締め付け等の作業を容易に行うことができる。
【0039】
ホースHをボンベBから取り外すと、このホースHはその自重によって下向きに垂れ下がる。このとき、ホースHの先端部に設けたナットN等は、コーン状部材11内に収納される。このようにナットN等を収納された状態することにより、ナットNとボンベB等が直接当接して騒音が発生するのを防止する。
【0040】
この発明に係るホース用緩衝部材1の第五実施形態を図14〜16に示す。この緩衝部材1は、樹脂材又はゴム材からなり、半球状の二つの開口部材13、13から構成される。各開口部材13の辺縁には、中心対称の2箇所に、ホースHを挟み込む切り欠き部14が形成されている。ホースHをこの切り欠き部14に挟みつつ、各開口部材13に形成した係合突起15と係合凹部16を合わせるようにして閉じると、球体状の中空部材17となる。この中空部材17がボンベB等に当接することによって、ナットNとボンベB等が直接当接して騒音が発生するのを防止する。各開口部材13は図15に示すように、その辺縁部で互いに連結されていても良いし、別個の部材としても良い。
【符号の説明】
【0041】
1 ホース用緩衝部材
2 円板本体部(本体部)
3 肉厚部
4 貫通孔
5 補強用リブ
6 突条
7 円環部
8 係止部
9 コーティング層
10 カバー部材
11 コーン状部材
12 スライド孔
13 開口部材
14 切り欠き部
15 係合突起
16 係合凹部
17 中空部材
B ボンベ
H ホース
N ナット(締結部材)
【技術分野】
【0001】
この発明は、ボンベへのホースの脱着作業の際に、このホースがボンベや周辺部材に直接当接して、この当接に伴う騒音が発生するのを防止するホース用緩衝部材に関する。
【背景技術】
【0002】
ガス等のボンベへのホースの脱着作業は、ホースの先端部に設けたハンドル部材(締結部材)を緩めたり締め付けたりすることでなされる。このハンドル部材の多くは金属製であって、この作業の際にボンベから取り外したホースが垂れ下がると、この金属製ハンドル部材がボンベに直接当接して、甲高い騒音が発生することがよくある。特に、ボンベが空の場合は、ボンベ内で音が反響しやすく、周囲が静かな早朝の作業においては騒音問題が生じやすい。
【0003】
そこで、下記特許文献1の構成では、螺着部材(締結部材)にゴム製のハンドル部材を被せ、作業中にこの螺着部材がボンベに当接した際に騒音が発生するのを防止している。この螺着部材の締め付けは、作業者がハンドル部材を握って回動させる「手締め」(同文献の段落0012を参照)、あるいは、ハンドル部材を取り外した状態で、スパナ等の工具を使用する「工具締め」(同文献の段落0013を参照)によって行うのが通常である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−74612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の締め付け作業においては、手締めでも十分な締め付け力を得ることができるが、締結状態をより確実なものとするために、作業によっては工具締めが要求されることがある。この場合、螺着部材に工具を宛がうために、この螺着部材に被せたハンドル部材をずらしたり、一旦取り外したりする必要があり、その作業が煩雑になりやすい。
【0006】
そこで、本願発明は、工具を用いたボンベへのホースの脱着作業を容易に行うとともに、この作業に伴う騒音の発生を防止することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、この発明は、ボンベへのホースの着脱作業の際に、前記ホースに設けた締結部材に被らないようにこのホースに設けられ、衝撃吸収部が、前記締結部材と前記ボンベ又はその周辺部材との間に設けられ、前記締結部材と前記ボンベ又はその周辺部材とが当接するのを防止するようにホース用緩衝部材を構成した。
【0008】
ホースにこの緩衝部材を設けることにより、ボンベへのホースの脱着作業に際して、このホースが直接ボンベに当接して騒音が発生するのを極力防止することができる。しかも、ホースと緩衝部材を別部材としたので、消音対策がなされていない既設のホースについて本願発明に係る緩衝部材を適用することができ、その汎用性が広い。また、緩衝部材が、ホースに設けた締結部材に被らないようにすることにより、この緩衝部材をホースに取り付けたままの状態でも工具を用いたホースの脱着作業を容易に行うことができ、作業性が高い。
【0009】
前記緩衝部材においては、板状部材の本体部の最外縁に、前記衝撃吸収部として作用する肉厚部を形成するとともに、前記本体部に、前記ホースを挿し込む貫通孔を形成し、前記肉厚部から前記貫通孔に向かって、補強用リブを形成することができる。
【0010】
ボンベとホースが当接した際に、肉厚部でその当接に伴う衝撃を効率良く受け止め、さらに、衝撃エネルギーを板状部材の本体部が適度に変形することによって吸収する。このとき、本体部に形成した補強用リブによって、この本体部がねじれたり、過度に変形したりして衝撃吸収作用が損なわれないようにしている。この衝撃吸収作用によって、高い騒音抑制効果を発揮し得る。
【0011】
前記緩衝部材においては、板状部材の本体部の最外縁に、前記衝撃吸収部として作用する肉厚部を形成するとともに、前記本体部に、前記ホースを挿し込む貫通孔を形成し、前記肉厚部からその径方向外側に向かう補強用リブを形成することができる。
【0012】
この外側に向かう補強用リブを形成すると、ボンベとホースとの接近に伴い、まず、この補強用リブとボンベが当接する。この当接に伴って、この補強用リブが変形して衝突エネルギーを吸収するため、肉厚部が大きく変形するのが防止される。この肉厚部が大きく変形するのを防止することにより、この緩衝部材の衝撃吸収作用が維持されて、高い騒音抑制効果を発揮し得る。
【0013】
また、前記緩衝部材においては、棒状の部材を前記ホースの最大径よりも大きい直径を有する円環状に成形して、前記衝撃吸収部として作用する円環部とし、この円環部の両端を中心側に折り込んで、前記ホースに固定する係止部とし、前記円環部を弾性部材で覆うようにすることができる。
【0014】
この棒状の部材として、例えば、ばね鋼を採用できる。このばね鋼は弾性に富んでいるため、ボンベとホースの間にばね鋼からなる緩衝部材が介在し、これが弾性的に変形することによって、ボンベに接近するホースの勢いを弱め、騒音が発生するのを防止する。さらに、円環部を弾性部材(樹脂材、ゴム材等)で覆うことで、円環部とボンベが直接当接するのを防ぎ、騒音の抑制効果をさらに高めている。
【0015】
また、前記緩衝部材においては、コーン状部材の先細側に、前記ホースを挿し込んでこのコーン状部材を前記ホースに沿ってスライド自在とするスライド孔を形成し、前記締結部材よりもホースの根元側に前記スライド孔が位置するとともに、前記コーン状部材の先太側が前記ホースの先端側を向くようにこのホースに挿し込んで、前記コーン状部材を前記衝撃吸収部として作用するようにすることができる。
【0016】
コーン状部材の内側は中空部となっており、その素材として、例えば樹脂材やゴム材等の弾性部材を採用できる。このコーン状部材が、ボンベ等と当接した際の衝撃吸収部として作用し、この当接に伴う騒音を極力抑制する。ボンベへのホース脱着の際に、コーン状部材をホースの根元側に少しスライドしておけば、ホース着脱作業の支障にならない。
【0017】
このホースをボンベから取り外すと、ホースが自重で撓んでその先端が下向きに垂れ下がる。すると、コーン状部材がその自重でホース先端側にスライドし、このコーン内にホース先端部が収納された状態となる。このため、ボンベからホースを取り外して垂れ下がった状態において、このホースがボンベ等に接触して騒音が発生するのを防止することができる。
【0018】
また、前記緩衝部材においては、開口部材の辺縁の対向する2箇所に、前記ホースを挟み込む切り欠き部を形成し、二つの開口部材の各切り欠き部の位置を合わせて前記開口部材の開口部を閉じた中空部材とし、この中空部材を前記衝撃吸収部として作用するようにすることができる。
【0019】
このように緩衝部材を複数のパーツに分解した開口部材で構成することにより、ホースの先端側(又は後端側)からこの緩衝部材を挿し込む必要がないため、既にボンベにホースを接続している状態でも、この緩衝部材の後付けを容易に行い得る。この開口部材を二つ合わせた際の前記緩衝部材の形状を球状とすると、ボンベへのホースの接近方向によらず均等に緩衝作用を発揮できるため最も好ましいが、この緩衝作用を発揮し得る限りにおいて、回転楕円体や立方体等のように他の形状とすることもできる。
【発明の効果】
【0020】
この発明は、ボンベに接続するホースに取り付けるホース用緩衝部材に関し、ホースに設けられた着脱用の接続部材にこの緩衝部材が被らないように設け、このホースをボンベから取り外して、このホースが垂れ下がった際に、このホースが、ボンベ等に直接当接するのを防止するように構成したものである。
【0021】
この構成とすることにより、ボンベとホースの脱着作業をスムーズに行うことができるとともに、この作業時にホースがボンベ等に当接して、騒音が発生するのを極力防止できるため、騒音問題を気にすることなく、早朝でも作業を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】この発明に係るホース用緩衝部材(第一実施形態)をホースに取り付けた状態を示す側面図
【図2】第一実施形態に係るホース用緩衝部材を示し、(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は断面図
【図3】第一実施形態に係るホース用緩衝部材を設けたホースをボンベに接続した状態を示す側面図
【図4】第一実施形態に係るホース用緩衝部材の他例を示す要部断面図であって、(a)は一条の突条を設けたもの、(b)は二条の突条を設けたもの
【図5】この発明に係るホース用緩衝部材(第二実施形態)をホースに取り付けた状態を示す側面図
【図6】第二実施形態に係るホース用緩衝部材を示し、(a)は一方の面側からの斜視図、(b)は平面図、(c)は他方の面側からの斜視図、(d)は(b)中のVId−VId線に沿う断面図
【図7】この発明に係るホース用緩衝部材(第三実施形態)をホースに取り付けた状態を示し、(a)は側面図、(b)は(a)中のVb−Vb線に沿う断面図
【図8】第三実施形態に係るホース用緩衝部材を示し、(a)は平面図、(b)は側面図
【図9】第三実施形態に係るホース用緩衝部材を設けたホースをボンベに接続した状態を示す側面図
【図10】第三実施形態に係るホース用緩衝部材の他例の要部を示し、(a)は断面図、(b)は断面図
【図11】この発明に係るホース用緩衝部材(第四実施形態)を示し、(a)は斜視図、(b)は断面図
【図12】第四実施形態に係るホース用緩衝部材をボンベに取り付けた状態を示す側面図
【図13】第四実施形態に係るホース用緩衝部材をホースに設け、このホースを下向きに垂らした状態を示す側面図
【図14】この発明に係るホース用緩衝部材(第五実施形態)をホースに取り付けた状態を示す側面図
【図15】第五実施形態に係るホース用緩衝部材を示す斜視図
【図16】第五実施形態に係るホース用緩衝部材を設けたホースをボンベに接続した状態を示す側面図
【発明を実施するための形態】
【0023】
この発明に係るホース用緩衝部材1の第一実施形態を図1〜3に示す。この緩衝部材1は、樹脂材又はゴム材からなり略円板状をしている。この円板の最外縁は、円板本体部2の板厚方向の厚みよりも肉厚の肉厚部3となっている。この円板本体部2の中心には、ホースHを挿し込む貫通孔4が形成されている。肉厚部3から貫通孔4に向かって補強用リブ5が形成されていて、円板本体部2が外力によってねじれたり、過度に変形したりしないように、その強度を確保している。
【0024】
この緩衝部材1をホース先端部のどの位置に設けるかについては適宜決定し得るが、少なくとも、この緩衝部材1が、ホースHをボンベBに接続するためのナット(締結部材)Nに被らないようにする必要がある。この緩衝部材1がナットNに被っていると、このナットNを工具で締め付ける際等に、緩衝部材1をずらしたり、一旦取り外したりする必要があり、作業が煩雑になるためである。
【0025】
ホースHのボンベBへの脱着作業の際に、緩衝部材1がボンベBに当接することによって、ホースH(特にナットN等の金属部材)がボンベBに直接当接するのを防ぐことができる(図3中のホース先端部を示す想像線を参照)。このため、この作業に伴う騒音の発生を極力防止できる。
【0026】
緩衝部材1の大きさ(肉厚部3の最外径)は、ホースHの先端部がボンベB等に当接しないように配慮した上で、適宜決定し得る。この決定に際しては、この緩衝部材1の取り付け位置(ホース最先端からの位置)、ボンベBからホースHを取り外した際のホースHのたわみ量、ボンベBの形状等が関係する。
【0027】
肉厚部3の端部形状は、例えば図4に示すように、その外周部に一条又は二条の突条6を形成した形状とすることもできる。ホースHをボンベBから取り外す際には、このホースHがその自重によって下向きに勢いよく振れて、ボンベBに当接することがよくある。そこで、肉厚部3に突条6を形成すると、まず突条6がボンベBに当接して変形し、ホースHの振れる勢いを弱め、次いで肉厚部3で衝撃エネルギーの吸収を行うので、この突条6を形成しない場合と比較して騒音防止作用を一層高めることができる。
【0028】
この突条6は、ホースHの振れを効果的に弱めることができる素材であれば適宜選択し得るが、特に、ショア硬さが60度程度のものを用いるのが好ましい。
【0029】
この発明に係るホース用緩衝部材1の第二実施形態を図5及び6に示す。この緩衝部材1は、第一実施形態に係るホース用緩衝部材1と同様に、樹脂材又はゴム材からなり略円板形状をしている。円板本体部2の最外縁は、この円板本体部2の板厚方向の厚みよりも肉厚の肉厚部3となっている。この円板本体部2の中心には、ホースHを挿し込む貫通孔4が形成されている。この肉厚部3から径方向外側に向かって補強用リブ5が形成されている。
【0030】
ホースHがボンベBに接近すると、まず補強用リブ5とこのボンベBが当接する。この当接に伴って補強用リブ5が変形し、ホースHの振れる勢いを弱めるとともに衝撃エネルギーを吸収する。さらに肉厚部3においても前記衝撃エネルギーを吸収するため、ボンベBの交換作業に伴う騒音の発生を極力防止できる。
【0031】
この発明に係るホース用緩衝部材1の第三実施形態を図7〜9に示す。この緩衝部材1は、ばね鋼の条鋼をホースHの最大径よりも大きい直径(本実施形態では、ホース最大径の約5倍)を有する円環状に形成して円環部7としたものである。この円環部7の両端は、円環部7の内側に折り込まれるとともに互いに接続され、ホースHを挿し込んで固定する係止部8として機能する。円環部7には樹脂材からなるコーティング層9が形成されている。係止部8は、円環部7が構成する円環状の平面に対して、ホースHの挿し込み方向に若干前後するように屈曲成形されている。
【0032】
この円環部7は、外力が作用するとその円環中心に向かって少したわみ、その衝撃エネルギーを吸収することによって、騒音の発生を防止する。さらに、この円環部7にコーティング層9を形成して、円環部7のばね鋼とボンベB等が直接当接するのを防止することによって、騒音の一層の低減を図っている。
【0033】
また、係止部8を上記のように屈曲成形することによって、この係止部8とホースHが、このホースHの挿し込み方向にずれた複数の箇所で接触する。このため、係止部8によるホースHの係止状態が安定し、緩衝部材1がホースHの挿し込み方向に対して斜め向きに傾きにくく、安定した衝撃吸収作用を発揮することができる。
【0034】
円環部7及び係止部8の素材として、耐久性を考慮して、上記のようにばね鋼を用いるのが好ましいが、コスト面等を考慮して樹脂材等をその代替として用いることもできる。
【0035】
円環部7にコーティング層9を形成する代わりに、図10に示すように、樹脂材又はゴム材からなる断面コの字形のカバー部材10を設ける構成とすることもできる。この場合もコーティング層9を施した場合と同様に、円環部7のばね鋼とボンベB等が直接当接するのを防止することによって、騒音の一層の低減を図ることができる。
【0036】
上記のように、円環部7を構成するばね鋼と、ボンベBが直接当接することに起因する騒音を防止するため、円環部7に樹脂材等の弾性部材を設けるのが好ましいが、この弾性部材を設けない構成とすることもできる。円環部7の形状や素材の種類等によっては、この弾性部材を設けなくても、騒音の大きさを許容範囲に抑制し得るためである。
【0037】
この発明に係るホース用緩衝部材1の第四実施形態を図11〜13に示す。この緩衝部材1は、樹脂材又はゴム材からなり、内部が中空のコーン状をしている。このコーン状部材11の先細側にはスライド孔12が形成され、ナットNよりもホースHの根元側にスライド孔12が位置するとともに、このスライド孔12に、コーン状部材11の先太側がホースHの先端側を向くように、ホースHをスライド自在に挿し込む。
【0038】
ホースHの脱着の際には、この緩衝部材1のコーン状部材11をホースHの根元側に少しスライドさせ、ホースHに設けたナットNを露出させることによって、工具を用いた締め付け等の作業を容易に行うことができる。
【0039】
ホースHをボンベBから取り外すと、このホースHはその自重によって下向きに垂れ下がる。このとき、ホースHの先端部に設けたナットN等は、コーン状部材11内に収納される。このようにナットN等を収納された状態することにより、ナットNとボンベB等が直接当接して騒音が発生するのを防止する。
【0040】
この発明に係るホース用緩衝部材1の第五実施形態を図14〜16に示す。この緩衝部材1は、樹脂材又はゴム材からなり、半球状の二つの開口部材13、13から構成される。各開口部材13の辺縁には、中心対称の2箇所に、ホースHを挟み込む切り欠き部14が形成されている。ホースHをこの切り欠き部14に挟みつつ、各開口部材13に形成した係合突起15と係合凹部16を合わせるようにして閉じると、球体状の中空部材17となる。この中空部材17がボンベB等に当接することによって、ナットNとボンベB等が直接当接して騒音が発生するのを防止する。各開口部材13は図15に示すように、その辺縁部で互いに連結されていても良いし、別個の部材としても良い。
【符号の説明】
【0041】
1 ホース用緩衝部材
2 円板本体部(本体部)
3 肉厚部
4 貫通孔
5 補強用リブ
6 突条
7 円環部
8 係止部
9 コーティング層
10 カバー部材
11 コーン状部材
12 スライド孔
13 開口部材
14 切り欠き部
15 係合突起
16 係合凹部
17 中空部材
B ボンベ
H ホース
N ナット(締結部材)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボンベ(B)へのホース(H)の着脱作業の際に、前記ホース(H)に設けた締結部材(N)に被らないようにこのホース(H)に設けられ、衝撃吸収部が、前記締結部材(N)と前記ボンベ(B)又はその周辺部材との間に設けられ、前記締結部材(N)と前記ボンベ(B)又はその周辺部材とが当接するのを防止するホース用緩衝部材。
【請求項2】
板状部材の本体部(2)の最外縁に、前記衝撃吸収部として作用する肉厚部(3)を形成するとともに、前記本体部(2)に、前記ホース(H)を挿し込む貫通孔(4)を形成し、前記肉厚部(3)から前記貫通孔(4)に向かって、補強用リブ(5)を形成した請求項1に記載のホース用緩衝部材。
【請求項3】
板状部材の本体部(2)の最外縁に、前記衝撃吸収部として作用する肉厚部(3)を形成するとともに、前記本体部(2)に、前記ホース(H)を挿し込む貫通孔(4)を形成し、前記肉厚部(3)からその径方向外側に向かう補強用リブ(5)を形成した請求項1に記載のホース用緩衝部材。
【請求項4】
棒状の部材を前記ホース(H)の最大径よりも大きい直径を有する円環状に成形して、前記衝撃吸収部として作用する円環部(7)とし、この円環部(7)の両端を中心側に折り込んで、前記ホース(H)に固定する係止部(8)とし、前記円環部(7)を弾性部材で覆った請求項1に記載のホース用緩衝部材。
【請求項5】
コーン状部材(11)の先細側に、前記ホース(H)を挿し込んでこのコーン状部材(11)を前記ホース(H)に沿ってスライド自在とするスライド孔(12)を形成し、前記締結部材(N)よりもホース(H)の根元側に前記スライド孔(12)が位置するとともに、前記コーン状部材(11)の先太側が前記ホース(H)の先端側を向くようにこのホース(H)に挿し込んで、前記コーン状部材(11)を前記衝撃吸収部として作用するようにした請求項1に記載のホース用緩衝部材。
【請求項6】
開口部材(13)の辺縁の対向する2箇所に、前記ホース(H)を挟み込む切り欠き部(14)を形成し、二つの開口部材(13)の各切り欠き部(14)の位置を合わせて前記開口部材(13)の開口部を閉じた中空部材(17)とし、この中空部材(17)を前記衝撃吸収部として作用するようにした請求項1に記載のホース用緩衝部材。
【請求項1】
ボンベ(B)へのホース(H)の着脱作業の際に、前記ホース(H)に設けた締結部材(N)に被らないようにこのホース(H)に設けられ、衝撃吸収部が、前記締結部材(N)と前記ボンベ(B)又はその周辺部材との間に設けられ、前記締結部材(N)と前記ボンベ(B)又はその周辺部材とが当接するのを防止するホース用緩衝部材。
【請求項2】
板状部材の本体部(2)の最外縁に、前記衝撃吸収部として作用する肉厚部(3)を形成するとともに、前記本体部(2)に、前記ホース(H)を挿し込む貫通孔(4)を形成し、前記肉厚部(3)から前記貫通孔(4)に向かって、補強用リブ(5)を形成した請求項1に記載のホース用緩衝部材。
【請求項3】
板状部材の本体部(2)の最外縁に、前記衝撃吸収部として作用する肉厚部(3)を形成するとともに、前記本体部(2)に、前記ホース(H)を挿し込む貫通孔(4)を形成し、前記肉厚部(3)からその径方向外側に向かう補強用リブ(5)を形成した請求項1に記載のホース用緩衝部材。
【請求項4】
棒状の部材を前記ホース(H)の最大径よりも大きい直径を有する円環状に成形して、前記衝撃吸収部として作用する円環部(7)とし、この円環部(7)の両端を中心側に折り込んで、前記ホース(H)に固定する係止部(8)とし、前記円環部(7)を弾性部材で覆った請求項1に記載のホース用緩衝部材。
【請求項5】
コーン状部材(11)の先細側に、前記ホース(H)を挿し込んでこのコーン状部材(11)を前記ホース(H)に沿ってスライド自在とするスライド孔(12)を形成し、前記締結部材(N)よりもホース(H)の根元側に前記スライド孔(12)が位置するとともに、前記コーン状部材(11)の先太側が前記ホース(H)の先端側を向くようにこのホース(H)に挿し込んで、前記コーン状部材(11)を前記衝撃吸収部として作用するようにした請求項1に記載のホース用緩衝部材。
【請求項6】
開口部材(13)の辺縁の対向する2箇所に、前記ホース(H)を挟み込む切り欠き部(14)を形成し、二つの開口部材(13)の各切り欠き部(14)の位置を合わせて前記開口部材(13)の開口部を閉じた中空部材(17)とし、この中空部材(17)を前記衝撃吸収部として作用するようにした請求項1に記載のホース用緩衝部材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−177464(P2012−177464A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−153746(P2011−153746)
【出願日】平成23年7月12日(2011.7.12)
【出願人】(000118534)伊藤工機株式会社 (13)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月12日(2011.7.12)
【出願人】(000118534)伊藤工機株式会社 (13)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]