説明

ホームサーバおよび携帯端末

【課題】 家庭内の電子機器を集中自動制御するホームサーバが電子機器の自動実行を推測し、推測値をユーザに電子メールで送信し、その返信で電子機器の自動実行を実現する。
【解決手段】 電子機器のリモート管理システムにおいて、ホームサーバ11と家庭内の電子機器とをホームネットワーク17で接続し、電子機器が動作記録を短期間分蓄積し、ホームサーバ11は電子機器と通信し、短期間分の動作記録を取得し、蓄積した動作記録から自動動作を推測し、推測した電子機器の自動動作を電子メールでユーザに送信する。そのメールへのユーザからの返信電子メールを解析し電子機器に自動実行を通知する。電子機器は、受信した動作を自動実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホームネットワークに接続された電子機器を自動制御するホームサーバおよび携帯端末に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、家庭内の電子機器を外出先から自動制御するリモート管理システムが開発されている。
【0003】
例えば、制御対象になる電子機器1つ1つに電子メールアドレスを付与し、電子機器を制御するコマンド定義情報を有したホームサーバのメールアドレスと電子機器のメールアドレスを宛先としたメールをホームサーバが受信することにより選択的な電子機器の自動制御を実現するシステムがあった(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、ユーザによる電子機器の使用履歴を蓄積し、操作パターンの予測をたてることにより、電子機器の自動制御を実現するシステムがあった(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2004−153530号公報
【特許文献2】特開2004−185612号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1記載の技術では、ユーザが自分で自動実行の設定をするか、操作を開始する必要があった。
【0006】
そのため、家庭内の家電機器やAV機器など多くの電子機器を集中自動制御するホームサーバを使うシステムが導入されたとしても、各々全ての電子機器については手動でユーザが自動実行予約の設定をする必要があった。
【0007】
また、それぞれの機器について設定する項目は異なり、それらの項目を理解して1つ1つ設定するのは大変な手間になると考えられる。また、定時の操作は永遠に繰り返されるものではなく、不要な時には停止する必要があるが、忘れる可能性も高い。
【0008】
一方で、特許文献2記載の技術のように、設定項目を推測し自動制御を行うシステムもあるが、これらはユーザが在宅であることが前提になっている。ユーザ不在時に、家庭内の電子機器を推測値のみで自動操作してしまうと、思わぬ事故につながる危険性が高い。
【0009】
そこで、本発明の目的は、家庭内の家電機器やAV機器などの電子機器の集中自動制御するホームサーバとホームネットワークで接続された家電機器やAV機器などの電子機器の自動実行を推測するソフトウェアをホームサーバに設け、推測値をユーザに電子メールで送信し、その返信で電子機器の自動実行を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によるホームサーバは、電子機器の動作情報を取得する取得手段と、取得手段で取得された動作情報をデータベースに蓄積する蓄積手段と、データベースに蓄積された動作情報に基づいて、電子機器の自動制御を推測し、推測した自動制御の情報が電子機器に設定されていない場合に、推測した自動制御の情報をユーザに通知する推測手段と、推測手段による通知に対して、ユーザから返信された情報を解析し、解析結果に基づいて、ユーザが指定した電子機器の自動制御を検知する解析通知手段と、解析通知手段により検知された電子機器の自動制御の情報に基づいて、電子機器に自動制御の情報を送信する電子機器制御手段とを備えたものである。
【0011】
また、本発明による携帯端末は、電子機器のリモート管理を行うホームサーバからの電子機器の自動制御の情報を受信し、受信した自動制御の情報に基づいて、電子機器に対して指示する自動制御を指定して、ホームサーバに返信することにより、電子機器に対する自動制御を指示するものである。
【0012】
本発明による電子機器のリモート管理システムは、電子機器と電子機器をリモート管理するホームサーバがネットワークで接続され、電子機器は、動作履歴を蓄積する動作記録手段と、動作履歴をホームサーバに送信する動作記録送信手段と、ホームサーバから受信した自動制御の情報に基づいて、自動制御を実行する動作実行手段とを有し、ホームサーバは、電子機器の動作情報を取得する取得手段と、取得手段で取得された動作情報をデータベースに蓄積する蓄積手段と、データベースに蓄積された動作情報に基づいて、電子機器の自動制御を推測し、推測した自動制御の情報が電子機器に設定されていない場合に、推測した自動制御の情報をユーザに通知する推測手段と、推測手段による通知に対して、ユーザから返信された情報を解析し、解析結果に基づいて、ユーザが指定した電子機器の自動制御を検知する解析通知手段と、解析通知手段により検知された電子機器の自動制御の情報に基づいて、電子機器に自動制御の情報を送信する電子機器制御手段とを有するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ホームサーバと炊飯器や電器ポットや洗濯機や録画機器などの電子機器が接続されたホームネットワークを利用して、それぞれの電子機器の自動動作を推測し、ユーザが携帯している携帯端末に通知メール送信し、その返信メールを利用することでホームサーバを利用した電子機器のリモートコントロールを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0015】
<電子機器のリモート管理システムの構成>
図1〜図3により本発明の一実施の形態に係る電子機器のリモート管理システムの構成について説明する。図1は本発明の一実施の形態に係る電子機器のリモート管理システムの構成を示す構成図、図2は本発明の一実施の形態に係る電子機器のリモート管理システムのホームサーバの構成を示す構成図、図3は本発明の一実施の形態に係る電子機器のリモート管理システムの電子機器のソフトウェア構成を示す図である。
【0016】
図1において、電子機器のリモート管理システムは、家庭内のホームサーバ11、ホームサーバ11内に構成されるデータベース12、無線ネットワークあるいは有線ネットワークで構成されたホームネットワーク17、ホームネットワーク17によりホームサーバ11と接続された炊飯器13、電気ポット14、洗濯機15、録画機器16などの電子機器、ホームサーバ11と接続されているインターネット18、インターネット18に接続できる携帯電話19などの携帯端末から構成されている。
【0017】
ホームサーバ11は、ホームネットワーク17を介して電子機器に接続され、電子機器との間で、通信を行い、電子機器の動作記録の取得や、電子機器の制御を行う。また、ホームサーバ11は、インターネット18を介して携帯端末に接続され、携帯端末との間で、メールなどを用いて通信を行い、携帯端末を所有するユーザに対して、電子機器の予約に関連する情報を送信し、ユーザからの返信により電子機器の予約制御を行う。
【0018】
データベース12には、ユーザによる設定情報や、電子機器からの動作履歴の記録情報などが格納される。
【0019】
炊飯器13、電気ポット14、洗濯機15、録画機器16などの電子機器は、動作履歴を記録する機能を持ち、ホームサーバ11からの要求に対して動作記録データを送信する。
【0020】
携帯電話19などの携帯端末は、インターネット18に接続する機能を持ち、インターネット18を介してホームサーバ11との間でメールの送受信を行い、電子機器の予約制御を行う。
【0021】
図2において、電子機器のリモート管理システムのホームサーバ11は、CPU1、メモリ2、入力部3、表示部4、ネットワークインタフェース5、記憶部6から構成され、記憶部6には、電子機器のリモート管理システムを実現するために、炊飯器13や電気ポット14、洗濯機15、録画機器16などの電子機器の動作記録データを取得する取得手段である取得ソフトウェア21、電子機器から取得した動作記録データを蓄積する蓄積手段である蓄積ソフトウェア22とデータベース12、データベース12内に蓄積された動作記録データを用いて電子機器の自動動作を推測する推測手段である推測ソフトウェア23、推測した自動動作を登録電子メールアドレスあてに電子メール送信するメール送信手段であるメール送信ソフトウェア24、ユーザからの電子メールを受信するメール受信手段であるメール受信ソフトウェア25、受信した電子メールを解析し電子メールに記載されている電子機器の自動動作を判別し電子機器制御ソフトウェア27に通知する解析通知手段である解析通知ソフトウェア26、通知された自動動作情報を電子機器に送信し実行させる電子機器制御手段である電子機器制御ソフトウェア27が搭載されている。
【0022】
図3において、炊飯器13、電気ポット14、洗濯機15、録画機器16などの電子機器は、電子機器のリモート管理のために、電子機器内の記憶部などに電子機器の動作を1日程度の短期間分記録する動作記録ソフトウェア31、記録領域35、記録領域35に記録された動作データをホームサーバ11に送信する動作記録送信ソフトウェア32、ホームサーバ11の電子機器制御ソフトウェア27から自動動作情報を受信する自動動作受信ソフトウェア34、動作を実行する動作実行ソフトウェア33が搭載されている。
【0023】
本実施の形態の電子機器のリモート管理システムは、図2に示す家庭内のホームサーバ11により管理され、ホームサーバ11内の記憶部6に搭載された各ソフトウェアをCPU1で実行することにより、電子機器のリモート管理を制御し、図3に示す電子機器側のソフトウェアなどの処理により、電子機器の動作履歴などを取得している。
【0024】
<リモート管理システムの各処理>
次に、図4〜図18により本発明の一実施の形態に係る電子機器のリモート管理システムの各処理について炊飯器を例に説明する。図4〜図9は本発明の一実施の形態に係る電子機器のリモート管理システムで使用されるデータ例を示す図であり、図4は電子機器に記録される動作記録データの一例を示す図、図5はホームサーバに設定される設定値の一例を示す図、図6はホームサーバに蓄積された4週間分の動作記録データの一例を示す図、図7はホームサーバに蓄積された動作記録データについてポイントおよび判断値のデータの一例を示す図、図8はホームサーバが持つ通知対象動作データの一例を示す図、図9はホームサーバが持つ通知動作リストの一例を示す図である。図10および図11は本発明の一実施の形態に係る電子機器のリモート管理システムで使用されるメールの一例を示す図であり、図10はホームサーバから送信するメールの一例を示す図、図11は携帯端末から返信するメールの一例を示す図である。図12〜図18は本発明の一実施の形態に係る電子機器のリモート管理システムの各処理を示すフローチャートであり、図12は電子機器の動作記録データをホームサーバに蓄積する処理を示すフローチャート、図13は通知対象動作を決定する処理を示すフローチャート、図14は設定時刻に炊飯予約通知処理を呼び出すまでの処理を示すフローチャート、図15は炊飯予約通知処理を示すフローチャート、図16は通知メール作成処理を示すフローチャート、図17は受信メール解析処理を示すフローチャート、図18は炊飯器の自動動作実行処理を示すフローチャートである。
【0025】
まず、電子機器である炊飯器13では、動作記録ソフトウェア31により、炊飯器13が操作および動作した際の情報が取得されており、炊飯器13内の記録領域35には、図4に示すような動作記録データが記録されている。図4に示す例は、ある日の7:00に18:30の炊飯予約がされ、予約炊飯が17:40に開始され、予約炊飯が18:30に終了した場合の動作記録データ例である。
【0026】
また、ホームサーバ11には、例えば、図5に示すようにユーザにより電子機器のリモート管理を行うための設定が行われており、例えば、図5に示す例では、機器動作履歴取得頻度、通知する閾値、ポイント計算頻度、通知アドレスを1つ設定している。
【0027】
図5に示す設定により、ホームサーバ11と炊飯器13が通信し、炊飯器13に記録された動作記録データをホームサーバ11に蓄積する処理としては、図12に示すように、まず、図5に示す設定値により設定されている機器動作履歴取得頻度に従い、1日に1回、ホームサーバ11の取得ソフトウェア21と炊飯器13の動作記録送信ソフトウェア32が通信を確立する(S61)。
【0028】
そして、取得ソフトウェア21から動作記録送信ソフトウェア32に動作記録取得要求を出し(S62)、動作記録送信ソフトウェア32は炊飯器13の記録領域35から動作記録データを取り出し、ホームサーバ11に送信する(S63)。
【0029】
そして、取得ソフトウェア21は受信した動作記録データに日付、曜日、機器情報を付加し、蓄積ソフトウェア22に渡し(S64)、蓄積ソフトウェア22は日付、曜日、機器情報が付加された動作記録データをホームサーバ11のデータベース12に格納する(S65)。
【0030】
この処理によりホームサーバ11のデータベース12には、炊飯器13の動作記録データが格納され、例えば、4週間分の動作記録データとして、図6に示すようなデータとなす。図6に示す例は、図4に示す動作記録データに日付、曜日、機器情報を付加したデータとなっている。
【0031】
また、ホームサーバ11の推測ソフトウェア23は、図12に示す処理により蓄積された動作記録データから自動動作を推測し、推測した自動動作の時間に予約などがない場合に、ユーザに対して送信する通知メールを作成している。
【0032】
推測する規則の例として次のようなものが考えられる。曜日、時間、動作の組み合わせで1回実行されると1ポイント加算する。時間については、本実施の形態では毎時00分から59分までの1時間を単位とし区切る。
【0033】
このようなポイント加算処理により、図6に示す動作記録データについて4週間分を加算したポイントは、図7に示すポイント項である。また、図7の判断値項の値はポイント項の値を動作記録をとり始めた日からの週数で除したものとする。図7に示す例では、図6に示す4週間分の動作記録データから計算しているので、ポイントの値を4で割った値が判断値項の値となっている。
【0034】
この図7に示すポイントおよび判断値を用い、通知対象動作を決定する処理としては、図13に示すように、まず、図5で示したホームサーバ11の設定値より、週に1回、ポイントおよび判断値を計算する(S91)。
【0035】
そして、S91で計算した判断値が、図5で示したホームサーバ11に設定されている閾値以上の機器、曜日、時間、動作の組み合わせによる動作候補があるか否かを判断し(S92)、S92で閾値以上の動作候補がないと判断されると処理を終了し、S92で閾値以上の動作候補があると判断されると、その動作候補の動作が、例えば、図9に示すようなその機器の通知動作リストに含まれるか否かを判断する(S93)。
【0036】
また、S93で動作候補は通知動作リストに含まれないと判断されると、S92で判断値が閾値以上と判断された動作候補を通知対象動作としないで(S96)、終了する。
【0037】
また、S93で動作候補は通知動作リストに含まれると判断されると、S92で判断値が閾値以上と判断された動作候補を通知対象動作とし(S94)、通知対象動作の曜日と時間の終了時刻をタイマーセットする(S95)。
【0038】
この処理の具体例としては、図7に示す例では、項番4、5、6の組み合わせが、判断値「1」で、ホームサーバ11に設定された閾値「0.8」を超えている。このうち、「炊飯予約」の動作が、図9に示す通知動作リストに含まれるため、項番4の「炊飯器」、「水」、「7:00−7:59」、「炊飯予約18:00−18:59」の組み合わせが通知対象動作となる。そして、図13のS95により、次の水曜日8:00に「炊飯予約18:00−18:59」通知がタイマーセットされることになる。
【0039】
なお、このタイマーセットは予約時間の終了時刻だけではなく、開始直前や、予約を設定する時刻の所定時間後などにタイマーセットしてもよい。
【0040】
また、通知対象動作が設定時刻に通知処理を呼び出すまでの処理については、図14に示すように、まず、タイマーセットされた時間であるか否かを判断し(S121)、S121でタイマーセットされた時間になるまでS121を繰り返す。
【0041】
そして、S121でタイマーセットされた時間になると(例えば、水曜日8:00)、通知対象動作データから動作「炊飯予約」を取り出し(S122)、「炊飯予約」通知処理を呼び出す(S123)。
【0042】
このS123で呼び出される「炊飯予約」通知処理としては、図15に示すように、まず、通知対象機器「炊飯器13」にホームサーバ11から現在の状態を問い合わせ(S131)、「炊飯器13」から現在の状態「内容物の重量」と「炊飯予約の有無」について回答が返る(S132)。
【0043】
そして、炊飯器13が炊飯動作可能な状態であるかを判断するために、「内容物の重量」が0gであるか否かを判断する(S133)。そして、S133で「内容物の重量」が0gであると判断されると、炊飯器13が炊飯動作可能な状態でないので、処理を終了する。
【0044】
また、S133で「内容物の重量」が0gでないと判断されると、炊飯器13が炊飯動作可能な状態であると判断し、炊飯器13に「炊飯予約」がされているか否かを判断し(S134)、S134で「炊飯予約」がされていると判断されると、既にユーザにより炊飯予約が行われているので、処理を終了する。
【0045】
また、S134で「炊飯予約」がされていないと判断されると、ホームサーバ11のメール送信ソフトウェア24が「炊飯予約」通知のメールを作成し(S135)、「炊飯予約」通知のメールを送信する(S136)。
【0046】
この「炊飯予約」通知のメール作成処理としては、図16に示すように、まず、通知動作リストの動作「炊飯予約18:00−18:59」を取り出し(S141)、図9に示す通知動作リストのメール文面テンプレートの情報より、炊飯器13の「炊飯予約」の炊飯予約通知文面を取得する(S142)。
【0047】
そして、炊飯予約通知文面と通知動作リストの単位時間から、「18:00−18:59」から30分単位の候補時刻を決定し(S143)、炊飯予約通知文面に候補時刻を追記し、ユニークな識別子となる識別IDを追記して送信通知メールデータを完成する(S144)。
【0048】
ここで完成したメールの文面としては、例えば、図10に示すような文面である。
【0049】
図10の例では、送信元を示すFrom:は、ホームサーバ11に付与されたメールアドレスとなり、送信先を示すTo:は、ユーザの電子メールアドレスとなり、本実施の形態では携帯電話19に付与された電子メールアドレスである。
【0050】
また、本文はユーザへの質問の形で示されており、ユーザはこの通知電子メールへの返信メールにて、質問の回答選択肢をSubject(件名)に追加する形で動作実行を可能とする。
【0051】
この返信メールとしては、例えば、図11に示すような文面となり、図11に示す例では、Subject(件名)の後ろに「2」を追加し、「18:30 炊飯予約」を選択した例を示している。
【0052】
また、図11に示すような返信メールによるホームサーバ11での受信メール解析処理としては、図17に示すように、まず、ホームサーバ11に搭載されているメール受信ソフトウェア25が、図11に示すような返信メールを受信し、解析通知ソフトウェア26が、受信メールデータ内のユニークな識別IDをサーチする(S171)。
【0053】
そして、S171での識別IDのサーチ結果により、「炊飯予約」通知メールの返信であるか否かを判断し(S172)、S172で「炊飯予約」通知メールの返信でないと判断されると終了し、S172で「炊飯予約」通知メールの返信であると判断されると、返信メールの件名の内容「Re:炊飯予約2」を解析し、通知メールの回答選択肢「2」を取り出す(S173)。
【0054】
そして、解析通知ソフトウェア26は、選択肢2の「炊飯予約18:30」の内容を電子機器制御ソフトウェア27に通知し、電子機器制御ソフトウェア27は、図3に示した炊飯器13の自動動作受信ソフトウェア34に「炊飯予約 18:30」の自動動作データを送信する(S174)。
【0055】
また、自動動作データを受信した炊飯器13の自動動作実行処理としては、図18に示すように、まず、自動動作受信ソフトウェア34が自動動作データ「炊飯予約 18:30」を受信し(S181)、動作実行ソフトウェア33が自動動作データ「炊飯予約18:30」を実行する(S182)。
【0056】
これにより、炊飯器13には、炊飯予約18:30がセットされ、ユーザが予約を忘れるなどして炊飯器13に炊飯予約がされていない場合でも、ユーザの操作実行の習慣を推測することにより、予約時間などを推測し、推測値をユーザに電子メールで送信することにより、適切な炊飯予約設定を、ユーザが確認し、ユーザが指示することにより行うことが可能となる。
【0057】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0058】
例えば、本実施の形態では、炊飯器13を例に説明したが、電気ポット14、洗濯機15、録画機器16やその他の電子機器も、同様に予約設定など行うことが可能である。
【0059】
電気ポット14の場合は、電気ポット14の動作記録データを取得し、電気ポット14が予約されるか動作開始と推定される時間に、予約されていない場合や動作していない場合に、電気ポット14内の水の容量などを確認した後、電気ポット14の予約実行の確認や動作開始確認の電子メールを送信する。
【0060】
また、洗濯機15の場合は、洗濯機15の動作記録データを取得し、洗濯機15が予約されるか動作開始と推定される時間に、予約されていない場合や動作していない場合に、洗濯機15内の洗濯物の容量や、洗濯済みかなどを確認した後、洗濯機15の予約実行の確認や動作開始確認の電子メールを送信する。
【0061】
また、録画機器16の場合は、録画機器16の動作記録データを取得し、録画機器16が予約されるか動作開始と推定される時間に、予約されていない場合や動作していない場合に、録画機器16内の記録メディアの有無や、その録画可能容量などを確認した後、録画機器16の予約実行の確認や録画開始確認の電子メールを送信する。
【0062】
また、本実施の形態では、ユーザへの電子メールの送信先としては、1人を設定しているが、家族の複数人を登録しておきその複数人の中から選択するようにしてもよい。その場合は、例えば、録画機器16の場合などで、録画機器を予約や録画開始した際に、個人を特定する例えばIDなども入力しておき、動作記録データには予約や録画開始をした人の個人情報も記録し、予約を行う個人を選択して電子メールを送信するようにすればよい。
【0063】
また、本実施の形態では、返信メールの件名に質問の回答選択肢を追加しているが、その他の本文などに、回答選択肢と分かるように追加してもよい。また、回答選択肢は数字に限らず、回答選択肢が選択されたことが分かるものであれば、どのような文字や記号などを使用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の一実施の形態に係る電子機器のリモート管理システムの構成を示す構成図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る電子機器のリモート管理システムのホームサーバの構成を示す構成図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る電子機器のリモート管理システムの電子機器のソフトウェア構成を示す図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る電子機器のリモート管理システムの電子機器に記録される動作記録データの一例を示す図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係る電子機器のリモート管理システムのホームサーバに設定される設定値の一例を示す図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係る電子機器のリモート管理システムのホームサーバに蓄積された4週間分の動作記録データの一例を示す図である。
【図7】本発明の一実施の形態に係る電子機器のリモート管理システムのホームサーバに蓄積された動作記録データについてポイントおよび判断値のデータの一例を示す図である。
【図8】本発明の一実施の形態に係る電子機器のリモート管理システムのホームサーバが持つ通知対象動作データの一例を示す図である。
【図9】本発明の一実施の形態に係る電子機器のリモート管理システムのホームサーバが持つ通知動作リストの一例を示す図である。
【図10】本発明の一実施の形態に係る電子機器のリモート管理システムで使用されるホームサーバから送信するメールの一例を示す図である。
【図11】本発明の一実施の形態に係る電子機器のリモート管理システムで使用される携帯端末から返信するメールの一例を示す図である。
【図12】本発明の一実施の形態に係る電子機器のリモート管理システムの電子機器の動作記録データをホームサーバに蓄積する処理を示すフローチャートである。
【図13】本発明の一実施の形態に係る電子機器のリモート管理システムの通知対象動作を決定する処理を示すフローチャートである。
【図14】本発明の一実施の形態に係る電子機器のリモート管理システムの設定時刻に炊飯予約通知処理を呼び出すまでの処理を示すフローチャートである。
【図15】本発明の一実施の形態に係る電子機器のリモート管理システムの炊飯予約通知処理を示すフローチャートである。
【図16】本発明の一実施の形態に係る電子機器のリモート管理システムの通知メール作成処理を示すフローチャートである。
【図17】本発明の一実施の形態に係る電子機器のリモート管理システムの受信メール解析処理を示すフローチャートである。
【図18】本発明の一実施の形態に係る電子機器のリモート管理システムの炊飯器の自動動作実行処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0065】
11…ホームサーバ、12…データベース、13…炊飯器、14…電気ポット、15…洗濯機、16…録画機器、17…ホームネットワーク、18…インターネット、19…携帯電話、21…取得ソフトウェア(取得手段)、22…蓄積ソフトウェア(蓄積手段)、23…推測ソフトウェア(推測手段)、24…メール送信ソフトウェア(メール送信手段)、25…メール受信ソフトウェア(メール受信手段)、26…解析通知ソフトウェア(解析通知手段)、27…電子機器制御ソフトウェア(電子機器制御手段)、31…動作記録ソフトウェア、32…動作記録送信ソフトウェア、33…動作実行ソフトウェア、34…自動動作受信ソフトウェア、35…記録領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器の動作情報を取得する取得手段と、
前記取得手段で取得された動作情報をデータベースに蓄積する蓄積手段と、
前記データベースに蓄積された動作情報に基づいて、前記電子機器の自動制御を推測し、推測した自動制御の情報が前記電子機器に設定されていない場合に、推測した自動制御の情報をユーザに通知する推測手段と、
前記推測手段による通知に対して、前記ユーザから返信された情報を解析し、解析結果に基づいて、前記ユーザが指定した前記電子機器の自動制御を検知する解析通知手段と、
前記解析通知手段により検知された前記電子機器の自動制御の情報に基づいて、前記電子機器に前記自動制御の情報を送信する電子機器制御手段とを備えたことを特徴とするホームサーバ。
【請求項2】
請求項1記載のホームサーバにおいて、
前記推測手段は、前記推測した自動制御の情報を特定の識別子を追加した電子メールとして、メール送信手段を介して前記ユーザに送信し、
前記解析通知手段は、前記ユーザから返信され、メール受信手段を介して受信した電子メールの内容から、前記ユーザが指定した自動制御の情報を検知することを特徴とするホームサーバ。
【請求項3】
電子機器のリモート管理を行うホームサーバからの前記電子機器の自動制御の情報を受信し、受信した前記自動制御の情報に基づいて、前記電子機器に対して指示する前記自動制御を指定して、前記ホームサーバに返信することにより、前記電子機器に対する前記自動制御を指示することを特徴とする携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2006−222713(P2006−222713A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−33875(P2005−33875)
【出願日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】