説明

ホールプラグ

【課題】簡易性及び取付操作性を維持しながら、板材の孔に対する挿入性に優れ、例えば係合を解除する方向の外力が加わっても係合解除して外れる虞を解消する。
【解決手段】頭部2及び脚部3並びにフランジ部6を備え、板材9の孔9aに対し脚部3をフランジ部6が板材側に当たって規制されるまで挿入して係止した状態で孔を閉塞するホールプラグにおいて、脚部3は、頭部に接続した略筒形の内壁4と、内壁の先端折返し部から内壁とほぼ同じ方向へ延び、かつ内壁と隙間を持って設けられた外壁5と、外壁の一部を形成している屈曲可能な薄肉部5aとを有し、薄肉部の非屈曲状態で孔9aに係止された第1の使用態様から、外壁5が外力により薄肉部5aを介して弾性的に屈曲して孔9aに対する圧接力を増大する第2の使用態様に移行可能となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体パネル、その他のパネル等の板材に設けられた孔を閉塞するホールプラグのうち、特に単一部材からなるホールプラグに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、車体パネルなどには、作業・点検、配線などに用いられる孔(窓や開口を含む)が設けられている。その孔は、使用しない場合に水等の侵入を防止するためホールプラグにより閉塞される。従来品としては、特許文献1や2に挙げられるような単一部材のものが多用されている。
【0003】
特許文献1は本出願人のものである。技術特徴は、頭部及び頭部から突設された脚部並びに脚部の上周囲に突設されたフランジ部を備え、板材に設けられた孔に対し脚部をフランジ部が板材側に当たって規制されるまで挿入して係止した状態で孔を閉塞する構造において、脚部が、筒形の内壁(第1壁)と、内壁の周囲を覆う外壁(第2壁)と、これらを連結するリブと、外壁に設けられて板材側の孔に挿入された際にその周縁に係止される係止爪とを有しているとともに、前記リブを、係止爪の位置に対応して配置し、脚部の挿入方向から見た場合にホールプラグの径方向に対して傾斜させることにより高い抜去力を実現しつつ成形性を良好にしたものである。
【0004】
特許文献2の技術特徴は、外周に環状溝を形成し、その環状溝を板材の孔の周縁に嵌合することにより孔を閉塞する構造において、プラグ中央部と、環状溝を有するプラグ外周部とを断面ほぼU形状をなす弾力付与部で連結し、プラグ中央部とプラグ外周部との間には、使用状態で弾力付与部の弾性力により相互に係合して、プラグ中央部を所定の位置に保持するようにした保持手段を有し、それにより止水性能の向上と繰り返し脱着使用可能にしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−90991号公報
【特許文献2】特開2004−116709号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の構造は、外壁全周に連続して係止爪を配置した構造に比べ、係止爪を外壁周囲に点在しているため挿入性に優れているが、挿入性を維持して抜去力を高くし難い。要は、挿入力を抑えながら抜去力を高くするという要求を充分満足できない。これに対し、特許文献2の構造では、環状溝を孔の周縁に嵌合操作するため取付操作性が悪い。また、各特許文献1,2では、使用状態において、例えばプラグ中央部に保持手段の係合を解除する方向の外力が加わると不用意に係合解除して外れる虞がある。
【0007】
本発明の目的は、以上のような問題を解消して、簡易性及び取付操作性を維持しながら、板材の孔に対する挿入性に優れるとともに、例えば係合を解除する方向の外力が加わっても係合解除して外れる虞を解消することにある。他の目的は以下の内容説明の中で明らかにする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため本発明は、頭部及び前記頭部から突設された脚部並びに前記脚部の上周囲に突設されたフランジ部を備え、板材に設けられた孔に対し前記脚部を前記フランジ部が前記板材側に当たって規制されるまで挿入して係止した状態で前記孔を閉塞するホールプラグにおいて、
前記脚部は、前記頭部に接続した略筒形の内壁と、前記内壁の先端折返し部から内壁とほぼ同じ方向へ延び、かつ前記内壁と隙間を持って設けられた外壁と、前記外壁の一部を形成している屈曲可能な薄肉部とを有し、前記薄肉部の非屈曲状態で前記孔に係止された第1の使用態様から、前記外壁が、前記内壁などに加わる外力により前記薄肉部を介して弾性的に屈曲されて前記孔に対する圧接力を増大する第2の使用態様に移行可能となっていることを特徴としている。
【0009】
以上の本発明において、『板材』には、例えば自動車のパネル、水槽や機器のハウジングやケーシングを区画している壁部材などが含まれる。『前記フランジ部が前記板材側に当たって規制される』構成としては、フランジ部が形態のごとく板材の脚部を挿入する側にある面に対し直に当接する構成に限られず、例えばその面の上に配置されたパッキンなどの部材に当接する構成を含む。『前記内壁などに加わる外力』には、内壁の内側より頭部の前方へ押圧操作するときの押圧力(これには、作業者が誤って頭部を裏側である内壁内側より押してしまった際の外力も含む)、内壁や先端折返し部に他の部材が当たったり衝突したときの押圧力が含まれる。
【0010】
以上の本発明は次の請求項2から7のように具体化されることがより好ましい。
(1)請求項1において、前記外壁は、前記孔の周縁に係合する複数の係止爪を有し、前記第2の使用態様において、前記薄肉部を介して前記先端折返し部との境界付近で屈曲された第1屈曲部、及び前記係止爪の手前付近で屈曲された第2屈曲部を形成している構成である(請求項2)。
(2)請求項2において、前記内壁の先端折返し部は、前記外壁の薄肉部よりも挿入方向に厚みを持って先端剛体部として形成されることにより、前記第2の使用態様において、前記係止爪の内倒れを防止し、前記板材に対する前記係止爪の当接状態を維持する構成である(請求項3)。
(3)請求項1から3の何れかにおいて、前記第2の使用態様では、前記第1の使用態様に対し、前記内壁が前記頭部と共に前記板材から離れる前方向へ変位しているとともに、前記外壁が上部を内側に変位し、下部を外側に変位している構成である(請求項4)。
【0011】
(4)請求項1から4の何れかにおいて、前記薄肉部は、前記脚部が前記孔に係止された前記第1の使用態様で、前記外壁のうち、前記孔を通過して外へ突出している箇所と前記先端折返し部との間に設けられているとともに、前記先端折返し部の全寸(図5(a)を参照)よりも長く形成されている構成である(請求項5)。
(5)請求項1から5の何れかにおいて、前記フランジ部は前記外壁の先端に接続されており、前記頭部は前記第1の使用態様で前記フランジ部と前記外壁との接続部とほぼ同じ高さになっている構成である(請求項6)。
(6)前記外壁は、前記第2の使用態様に移行した後、前記第1の使用態様へ自動復帰可能となっている構成である(請求項7)。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明は、脚部が外壁の薄肉部の非屈曲状態で板材の孔に係止された第1の使用態様から、外壁が薄肉部を介して弾性的に屈曲されて孔に対する圧接力を増大する第2の使用態様に移行可能であるため次のような利点を具備できる。
(ア)、本発明は、第1の使用態様において、内側ないしは脚部側より引き抜き方向の外力が働いた際に一時的に第2の使用態様に移行することによって安易に抜去されることを防止できる。換言すると、本発明は、通常時の値である第1の使用態様からそれよりも高い値である第2の使用態様に移行可能なため汎用性を向上できる。
(イ)、従来品は、一般的にホールプラグの抜去力を高くすると、孔に対する挿入力も比例して高くなって取付操作性が悪くなり易い。この点、本発明品は、ホールプラグが第1の使用態様にする際の挿入力と、第1の使用態様から第2の使用態様に移行する際に必要となる外力とが独立しているため取付操作性を維持できる。
【0013】
請求項2の発明は、以上の構成特徴を第2の使用態様に移行した後の状態で特定したもので、図4及び図5(b)に例示されるごとく第1屈曲部及び第2屈曲部が外壁の係止爪付近の非屈曲部と内壁の先端折返し部との間に配置されて、係止爪付近の非屈曲部を先端折返し部から離れる方向へ押圧変位するため高抜去力及び高耐せん断力を付与できる。
【0014】
請求項3の発明は、内壁の先端折返し部が挿入方向に厚みを持って先端剛体部となっているため第2の使用態様において、係止爪に加わる外力を受け止め係止爪の内倒れを確実に阻止できる。
【0015】
請求項4の発明は、図3及び図4から推察されるごとく、第2の使用態様において、脚部の外壁が上部を内側に変位するためフランジ部を介して高水密性にし易く、かつ外壁下部を外側に変位するため孔に対する係止力ないしは抜去力も増大し易くなる。
【0016】
請求項5の発明では、薄肉部が外壁のうち、孔を通過して外へ突出している箇所と先端折返し部との間に設けられているとともに、内壁よりも薄く形成されているため、例えば、図3(a)の第1の使用態様において、矢印に示した抜去方向の力を受けると、まず、外壁の薄肉部が図4のごとく屈曲して第2の使用態様へ徐々に移行し、これにより安定した高抜去力を確実に得られる。
【0017】
請求項6の発明では、頭部が第1の使用態様でフランジ部と外壁との接続部とほぼ同じ高さになっているため、第1の使用態様での見栄えが良好となる。
【0018】
請求項7の発明では、例えば作業者が誤って頭部を内側ないしは裏側から押して第2の使用状態に移行しても脚部が再び第1の使用態様に自動復帰可能なため使い勝手を損なうことなく信頼性も得られる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明形態に係るホールプラグを示し、(a)は上側から見た概略斜視図、(b)は下側から見た概略斜視図である。
【図2】(a)は上記ホールプラグの下面図、(b)はそのA−A線断面図である。
【図3】(a),(b)は上記ホールプラグの第1の使用態様を板材の厚さを変えた状態で示す断面図である。
【図4】(a),(b)は図3の第1の使用態様から第2の使用態様に切り換えた状態で示す断面図である。
【図5】(a)は図3(a)のB部拡大図、(b)は図4(a)のC部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。この説明では、ホールプラグの構造、図3から図5の使用例の順に詳述する。なお、各図では試作品よりも拡大して示している。
【0021】
(構造) ホールプラグ1は、図1から図5に示されるごとく樹脂の射出形成品であり、中央部に配置されている頭部2と、頭部2から下向きに突設された脚部3と、脚部3の上周囲に突設されたフランジ部6とを一体に備えており、板材9に設けられた孔9aに対し脚部3をフランジ部6が板材側に当たって規制されるまで挿入して係止した状態で孔9aを水密に閉塞する点で特許文献1のものと同じ。工夫点は脚部構造にある。
【0022】
なお、材質は、ポリエチレンやポリプロピレンのごとく比較的軟質の樹脂が用いられているが、適度な弾性が得られる他の樹脂、更にはゴム製であっても差し支えない。
【0023】
ここで、要部の脚部3は、頭部2に接続した内壁4と、内壁4の先端折返し部4aから内壁4とほぼ同じ方向である上向きに延び、かつ内壁4と隙間を持って設けられた外壁5と、外壁5の一部を形成している屈曲可能な薄肉部5aとを有している。そして、この脚部3では、図3に示されるごとく薄肉部5aの非屈曲状態で孔9aに係止された第1の使用態様から、図4に示されるごとく外壁5が内壁4などに加わる外力により薄肉部5aを介して弾性的に屈曲ないしは折れ曲がって孔9aに対する圧接力を増大する第2の使用態様に移行可能となっている。
【0024】
詳述すると、頭部2は、円盤状をなしており、上側中心部の凹部2a及び下側中心部の凸2bが形成されている。これに対し、脚部3は、内壁4及び外壁5の概略二重筒形をなしている。このうち、内壁4は、上端が頭部2の下面に一体化した状態に設けられた略円筒形である。先端折返し部4aは、内壁4のうち最も厚く形成され、かつ外壁5の薄肉部5aよりも挿入方向に厚みを持って先端剛体部として形成されている。これは、先端折返し部4aが挿入方向に厚みを持って先端剛体部とすることにより、第2の使用態様において、係止爪7の内倒れを防止し板材9に対する係止爪7の当接状態を維持可能、つまり係止爪7に加わる外力を受け止め係止爪の内倒れを阻止可能にする構成である。
【0025】
外壁5は、下端が内壁4の先端折返し部4aに一体化した状態に設けられた内壁4より一回り大きな略円筒形であり、かつ、先端(図の下端)側が孔9aに挿入し易くなるよう少し細く絞られている。外壁5には、複数(この例では5つ)の係止爪7と、屈曲可能にする薄肉部5aとが設けられている。各係止爪7は、外壁5の外面にあって、外面の上端から所定距離だけ下側で、周囲を等分する箇所に凸形状として設けられている。この所定距離は、この例だと、板材9の厚さが0.5mm〜2.0mmの範囲で適用可能となっているためそれに対応した距離である。なお、フランジ部6は、外壁5の上端に接続部6aを介して一体化されて略傘状となっており、該傘状の下端が前記係止爪7より若干上側に位置している。そして、図3に示される第1の使用態様において、接続部6aと頭部2とはほぼ同じ高さ、つまり頭部2の外面と接続部6aとがほぼ同一平面に配されている。
【0026】
薄肉部5aは、外壁5の最も薄く形成された箇所であるとともに、内壁4の肉厚よりも薄く設定されている。また、薄肉部5は、脚部3が孔9aに係止爪7を介して係止された状態で、外壁5のうち、孔9aを通過して外へ突出している箇所(前記所定距離よりも下側)と、内壁4の先端折返し部4aとの間に設けられている。薄肉部5aの長さは、図5(a)のごとく第1の使用態様において、内壁4の先端折返し部4aの挿入方向の全寸8よりも長く形成されている。
【0027】
以上の要件は、図3に示された第1の使用態様から外力が加わって図4に示された第2の使用態様に移行した状態で、外壁5が薄肉部5aを介して先端折返し部4aとの境界付近で屈曲ないしは折れ曲げられた第1屈曲部5b、及び係止爪7の手前付近で屈曲ないしは折れ曲げられた第2屈曲部5cを形成することと、図5(a)から分かるごとく内壁側先端折返し部4aが外壁側の薄肉部5aよりも挿入方向に厚みを持って先端剛体部として形成されること、或いは第1屈曲部5bから第2屈曲部5cまでの距離が先端折返し部4aの外端面(図面では下端面)から第1屈曲部5bまでの距離より長くする上で重要となる。
【0028】
(使用例) 以上のホールプラグ1は、板材9の孔9aに対して着脱可能に取り付けらて孔9aを閉塞する点で従来と同じ。異なる点は、図3に示される第1の使用態様から図4に示される第2の使用態様に移行可能なことにある。
【0029】
すなわち、ホールプラグ1は、孔9aに対し脚部3を挿入し、かつ頭部2を指などで押すと、係止部7が孔9aを弾発的に通過して孔9aの周縁に係合することで装着される。この過程では、フランジ部6が板材9の上面に圧接しながら、接続部6aを支点として傘状の傾斜角を小さくなるよう弾性変位して、脚部3の挿入を規制するとともに、板材9に対する圧接力を増して水密性を保つ。この構造では、そのフランジ部6による水密性と、孔9aに対する脚部3の圧接による水密性とが得られる。なお、ホールプラグ1は、対象の板材9として、図3(a)と(b)の例から分かるように、板の厚さが異なっても使用可能であり、かつ、板の厚さ寸法が大きくなるほどフランジ部6が傘状の傾斜角をより小さくなるよう弾性変位し、板材9に対する圧接力をより増大して高水密性を付与できる。
【0030】
また、ホールプラグ1は、第1の使用態様から、例えば図3(a)に示したごとく脚部3ないしは内壁4の内側より矢印方向(頭部2の上ないしは前方)へ外力が加わることによって第2の使用態様に移行する。第2の使用態様では、脚部3を構成している外壁5が薄肉部5aを介して先端折返し部4aとの境界付近で屈曲ないしは折れ曲げられた第1屈曲部5b、及び係止爪7の手前付近つまり係止爪7を構成している凸形の下側で屈曲ないしは折れ曲げられた第2屈曲部5cを形成する。また、脚部3において、内壁4は、第1の使用態様に対し、頭部2と共に前方つまり板材9から離れる前方向へ変位される。同時に、外壁5は、接続部6a側である上部を内側に変位し、下部を外側に変位しており、図面上、全体としているハ字形となる。
【0031】
この結果、この構造では、外壁5がハ字形の下側広がりに起因して孔9aにより強く圧接して孔9aに対する係止力ないしは抜去力を増大し、それにより従来品に比べて係合解除の虞を解消できる。なお、第2の使用態様においても、ホールプラグ1は、対象の板材9として、図4(a)と(b)の例から分かるように、板の厚さが異なっても切換可能であり、かつ、板の厚さ寸法が大きくなるほどフランジ部6が傘状の傾斜角をより小さくなるよう弾性変位する。そして、以上の構造では、例えば作業者が誤って頭部2などを内側ないしは裏側から押して第2の使用状態に移行しても、その外力が解放されると、脚部3が第2の使用態様から再び第1の使用態様に復帰するため修復作業も要求されず使い勝手を維持できる。
【0032】
なお、本発明のホールプラグは、請求項1で特定される構成を備えておればよく、細部はこの形態及び変形例を参考にして更に変更したり展開可能なものである。
【符号の説明】
【0033】
1・・・ホールプラグ
2・・・頭部(2aは凹部、2bは凸部)
3・・・脚部
4・・・内壁(4aは先端折返し部)
5・・・外壁(5aは薄肉部)
5b,5c・・・第1屈曲部と第2屈曲部
6・・・フランジ部(6aは接続部)
7・・・係止部
8・・・先端折返し部の全寸
9・・・パネル(板材、9aは孔)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭部及び前記頭部から突設された脚部並びに前記脚部の上周囲に突設されたフランジ部を備え、板材に設けられた孔に対し前記脚部を前記フランジ部が前記板材側に当たって規制されるまで挿入して係止した状態で前記孔を閉塞するホールプラグにおいて、
前記脚部は、
前記頭部に接続した略筒形の内壁と、前記内壁の先端折返し部から内壁とほぼ同じ方向へ延び、かつ前記内壁と隙間を持って設けられた外壁と、前記外壁の一部を形成している屈曲可能な薄肉部とを有し、
前記薄肉部の非屈曲状態で前記孔に係止された第1の使用態様から、前記外壁が、前記内壁などに加わる外力により前記薄肉部を介して弾性的に屈曲されて前記孔に対する圧接力を増大する第2の使用態様に移行可能となっていることを特徴とするホールプラグ。
【請求項2】
前記外壁は、前記孔の周縁に係合する複数の係止爪を有し、前記第2の使用態様において、前記薄肉部を介して前記先端折返し部との境界付近で屈曲された第1屈曲部、及び前記係止爪の手前付近で屈曲された第2屈曲部を形成していることを特徴とする請求項1に記載のホールプラグ。
【請求項3】
前記内壁の先端折返し部は、前記外壁の薄肉部よりも挿入方向に厚みを持って先端剛体部として形成されており、前記第2の使用態様において、前記係止爪の内倒れを防止し、前記板材に対する前記係止爪の当接状態を維持することを特徴とする請求項2に記載のホールプラグ。
【請求項4】
前記第2の使用態様では、前記第1の使用態様に対し、前記内壁が前記頭部と共に前記板材から離れる前方向へ変位しているとともに、前記外壁が上部を内側に変位し、下部を外側に変位していることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のホールプラグ。
【請求項5】
前記薄肉部は、前記脚部が前記孔に係止された前記第1の使用態様で、前記外壁のうち、前記孔を通過して外へ突出している箇所と前記先端折返し部との間に設けられているとともに、前記先端折返し部の全寸よりも長く形成されていることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載のホールプラグ。
【請求項6】
前記フランジ部は前記外壁の先端に接続されており、前記頭部は前記第1の使用態様で前記フランジ部と前記外壁との接続部とほぼ同じ高さになっていることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載のホールプラグ。
【請求項7】
前記外壁は、前記第2の使用態様に移行した後、前記第1の使用態様へ自動復帰可能となっていることを特徴とする請求項1から6の何れかに記載のホールプラグ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−72896(P2012−72896A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−158907(P2011−158907)
【出願日】平成23年7月20日(2011.7.20)
【出願人】(000135209)株式会社ニフコ (972)
【Fターム(参考)】