説明

ボイラ火炉及びボイラ火炉用パネルの製造方法

【課題】肉盛溶接に伴うボイラ火炉用パネルの変形を抑制して変形の修正作業時間の短縮を図ることができ、しかも、鋼管の熱効率の低下の抑制が可能なボイラ火炉及びボイラ火炉用パネルの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】上記課題は、鋼管と平鋼の溶接継手部を隅肉溶接して隅肉溶接部を形成し、火炉内面側の当該鋼管と平鋼の表面に耐食性材料を肉盛溶接して肉盛溶接部を形成したボイラ火炉用パネルを使用したボイラ火炉において、火炉外面側にのみ前記隅肉溶接部を形成したボイラ火炉とする構成によって達成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボイラ火炉及びボイラ火炉用パネルの製造方法に係り、特に、鋼管と平鋼との溶接継手部を隅肉溶接し、その火炉内面側に耐食性材料を肉盛溶接したパネルを周囲に配置したボイラ火炉及びボイラ火炉用パネルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、石炭焚ボイラの火炉壁に使用されるボイラ火炉用パネルにおいては、図6〜図10に示すように、内部をボイラ水や蒸気が流れる複数本の炭素鋼または低合金鋼からなる鋼管1と、これら鋼管1の側面に断面形状がいわゆるK形の二辺の斜面部を有する開先加工部を当接させ、この開先加工部で両側から隅肉溶接によって接合してなる図10に示すようなボイラ火炉用パネル17が使用されているが、硫黄を多く含有した石炭燃料を用いて、NOx(窒素酸化物)の発生を抑制する低酸素燃焼を行った場合、ボイラの燃焼バーナ近傍の火炉壁は激しい硫化腐食が生じる。この対策として、火炉壁に溶射を施工することが一般的に行われてきた。しかし、石炭中の硫黄分が2〜3%と多くなった場合には、溶射による0.2〜0.3mm厚の皮膜では十分な耐食性が得られないため、インコネル625(UNS NO6625)、ハステロイC22(UNS NO6022)、インコネル686(UNS NO6686)、インコロイ825(UNS NO8825)等の高耐食性材料を肉盛溶接する方法が適用されている。
【0003】
肉盛溶接とは、母材表面に目的に応じた所要の組成の金属を溶接によって溶着する方法であり、溶着によって母材と溶接材料とが合金化されて強固な密着力が得られること及び肉盛層の厚みに制限がなく、厚い皮膜を形成することができる特徴がある。
【0004】
従来の肉盛溶接法では、図9に示すように、火炉内外面側の両側端に断面形状がいわゆるK形の二辺の斜面部を有する開先加工部3を形成した平鋼2と鋼管1を用いて、図8に示すように、前記開先加工部3で火炉内面及び外面の両面に隅肉溶接を施して隅肉溶接部4を形成して鋼管1と平鋼2を接合した第1のボイラ火炉用パネル17を形成した後、図7に示すように、鋼管1と平鋼2の火炉内面側表面に、例えば、特許文献1記載の方法によって、肉盛溶着が施工されて肉盛溶着部4が形成されているが、この肉盛溶接後の第2のボイラ火炉用パネル18は、肉盛溶接金属が収縮することにより、図7に示すように、火炉内面側に湾曲して大きく反り変形する。従って、肉盛溶接後の第2のボイラ火炉用パネル18を図6に示すような平坦状の最終形状とするには、プレス加工による曲げ修正を行う必要があり、変形量が大きい場合には、プレス回数が増加し、修正に多大な時間を要する問題があった。
【0005】
この対策として、火炉壁の平鋼2を鋼管1の中央部より火炉内面側にずらした位置で隅肉溶接を行って肉盛溶接施工時の溶接面積を減少させて肉盛溶接時間の短縮を図る方法が提案されている。(例えば、特許文献2参照)
【特許文献1】特開2000−84665公報
【特許文献2】特開平10−238706公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献2記載の構造の第2のボイラ火炉用パネルでは、肉盛溶接施工時の溶接面積が減少するため、第2のボイラ火炉用パネルの変形を抑制することができるが、その抑制量は十分でなく、プレス加工による曲げ修正を必要とし、しかも、ボイラの火炉に曝される鋼管1面積が減少するため、鋼管の熱効率の低下等の新たな問題を招く可能性がある。
【0007】
本発明は、上述した従来技術における問題点を解決すべくなされたもので、その目的は、肉盛溶接に伴う第2のボイラ火炉用パネルの変形を抑制して変形の修正作業時間の短縮を図ることができ、しかも、鋼管の熱効率の低下を抑制することが可能なボイラ火炉用パネル及びボイラ火炉用パネルの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明による第1の手段としては、複数の鋼管間に平鋼を沿設することにより前記鋼管の軸方向に形成された溶接継手部を溶接により接合してパネルとして周囲に配置したボイラ火炉において、前記パネルのボイラ火炉外面側の前記溶接継手部には隅肉溶接を行い、前記パネルのボイラ火炉内面側の前記溶接継手部には隅肉溶接を行わずに、ボイラ火炉内面側の前記鋼管、溶接継手部及び平鋼の表面には耐食性材料の肉盛溶接を行ったパネルとして周囲に配置したことを特徴とするボイラ火炉としたものである。
【0009】
本発明による第2の手段としては、前記第1の手段記載のボイラ火炉において、前記平鋼の側端の両側に、断面形状で一辺にのみ斜面部を有する開先加工部を形成し、当該斜面部を火炉外面側に配設して、当該斜面部に隅肉溶接部を形成したことを特徴とするボイラ火炉としたものである。
【0010】
本発明による第3の手段としては、鋼管の外周に平鋼の側端を当接させて溶接継手部を形成し、当該溶接継手部の火炉外面側のみに隅肉溶接を施し、しかる後に、火炉内面側の鋼管と平鋼の表面に肉盛溶接を施すことを特徴とするボイラ火炉用パネルの製造方法としたものである。
【0011】
本発明による第4の手段としては、前記第3の手段記載のボイラ火炉用パネルの製造方法において、前記平鋼の側端の両側に、断面形状で一辺にのみ斜面部を有する開先加工部を形成し、当該斜面部を前記火炉外面側に配設して、当該斜面部に隅肉溶接部を形成したことを特徴とするボイラ火炉用パネルの製造方法としたものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、上記の構成とすることによって、第2のボイラ火炉用パネルの肉盛溶接時の変形を可及的に低減することが可能なボイラ火炉用パネルを提供することが可能となるので、肉盛溶接に伴うボイラ火炉用パネルの変形の修正作業時間の短縮を図ることができ、しかも、鋼管の熱効率の低下を抑制することが可能なボイラ火炉及びボイラ火炉用パネルの製造方法を提供することが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明においては、鋼管と平鋼の溶接継手部を隅肉溶接した際にも第1のボイラ火炉用パネルの変形が発生する場合があることに着目し、前記溶接継手部の火炉外面側にのみに隅肉溶接を行って火炉内面側に突出した湾曲面となるように反り変形させ、このように変形した第1のボイラ火炉用パネルの火炉内面側の表面に、肉盛溶接した場合、肉盛溶接による収縮によって前記湾曲した反り変形が矯正され、ほぼ平坦な第2のボイラ火炉用パネルとすることができることを究明した。
【0014】
この場合に、平鋼の側端面に、断面形状で一辺のみに斜面部を形成した台形状の開先加工部を施したものを使用し、当該斜面部を火炉外面側に配設して当該斜面部に隅肉溶接を施すと、従来のいわゆるK形の二辺の斜面部を有する開先加工部を有する場合に比べ、斜面部の深さをより深くすることが可能となって、溶接量を多くすることがすることが可能となり、鋼管への熱伝達及びこの溶接継手部分での強度を高めることができるので好適である。
【0015】
以下、本発明に係わる一実施形態のボイラ火炉及びこのボイラ火炉用パネルの製造方法について、図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は、本発明による一実施形態のボイラ火炉用パネルを使用したボイラ火炉の概略構成を示す断面図で、6はボイラ火炉本体、7はボイラ火炉本体6内へ燃料を噴射して燃焼させるバーナ、8は一次過熱器、9は二次過熱器、10は三次過熱器、11は最終過熱器、12は一次再熱器、13は二次再熱器、14は節炭器であり、バーナ7からボイラ火炉本体6内へ燃料を噴射して燃焼させることにより、燃焼ガスを生成し、生成された燃焼ガスを通過させ、二次過熱器9、三次過熱器10、最終過熱器11、二次再熱器13、一次過熱器8、一次再熱器12及び節炭器14と熱交換させ、熱交換した後の排ガスを排ガスダクト15へ流出させ、下流側に設けられた脱硝、脱硫等の排煙処理装置(図示せず)で窒素酸化物や硫黄酸化物等を除去した後、大気へ放出するようになっている。
【0017】
ボイラ火炉本体6における火炉壁16は、前述の図10で示す第1のボイラ火炉用パネル17と同様な外形を有する炭素鋼または0.5Cr−0.5Mo鋼等の低合金鋼からなる複数の鋼管1間に同じ材質の平鋼2を沿設することにより前記鋼管1の軸方向に形成された溶接継手部19を溶接により接合した第2のボイラ火炉用パネル18を多数接合して形成され、第2のボイラ火炉用パネル18に配設された鋼管1内に水等の流体を送給し、この流体をバーナー7から生成する燃焼ガスで加熱して、高温流体または蒸気を生成し、この高温流体または蒸気を使用して発電機用タービンを回転させて発電等を行うようになっている。
【0018】
火炉壁16を構成する第2のボイラ火炉用パネル18の断面構造は、図2に示すように、断面円筒状の鋼管1の外周中央の溶接継手部19で、平鋼2の側端の火炉外面側(火炉壁16の外表面側)でのみ隅肉溶接部4によって溶接接続され、この隅肉溶接部4と反対側の火炉内面側(火炉壁16の内表面側)の鋼管1、平鋼2及び溶接継手部19の表面全体に、高Ni鋼等のインコネル625(UNS NO6625)、ハステロイC22(UNS NO6022)、インコネル686(UNS NO6686)、インコロイ825(UNS NO8825)等の高耐食性材料からなる肉盛溶接部5が形成されており、この肉盛溶接部5によって燃焼ガスに接触して加熱される火炉内面側のボイラ火炉用パネル17の燃焼ガスによる腐食を防止している。
【0019】
次に、本発明による一実施形態のボイラ火炉用パネル18の製造方法について、図3〜図5に基づいて説明する。
【0020】
図3は、本発明による一実施形態の鋼管1と平鋼2の接合溶接前の配置を示す図で、図4は、図3の鋼管1と平鋼2を隅肉溶接4して接続して形成した第1のボイラ火炉用パネル17を示す図で、図5は、図4で示す第1のボイラ火炉用パネル17に肉盛溶接5を施した第2のボイラ火炉用パネル18を示す図である。
【0021】
本発明による一実施形態の第2のボイラ火炉用パネル18は、上述のように、鋼管1と平鋼2の側端を隅肉溶接によって接合溶接されるが、この平鋼2には、図3に示すように、平鋼2の両側端に、断面形状で一辺のみに斜面部20を有する台形状の開先加工部3がいわゆるレ形に形成されており、この開先加工部3の斜面部20が火炉外面側となるように、また、平鋼2が鋼管1のほぼ中央位置に位置するように配置し、開先加工部3が鋼管1に当接して溶接継手部19を形成する。
【0022】
続いて、この配置状態で、前記開先加工部3の斜面部20に、溶接トーチ(図示せず)をセットし隅肉溶接を行って、火炉外面側にのみ隅肉溶接部4を形成する。この隅肉溶接部4は、鋼管1の管軸と平行に配設された鋼管1と平鋼2の側端の溶接継手部19の全体に施され、板状の第1のボイラ火炉用パネル17が形成される。この場合、隅肉溶接部4が第1のボイラ火炉用パネル17の一方側(火炉内面側)にしか形成されないため、鋼管1の管軸と直交する方向Aにおいて反り変形が生じ、図4で示すように、第1のボイラ火炉用パネル17は、その中央部分で火炉内面側に突出するように湾曲変形する。
【0023】
この隅肉溶接部4を形成するに当っては、例えば、実開平5−44373で開示されているような方法を使用することによって、複数の鋼管1と平鋼2の溶接継手部19を同時に施工することができる。このようにして形成された第1のボイラ火炉用パネル17では、隅肉溶接部4によって、鋼管1の管軸方向及び管軸直角方向の両方に変形が生じるが、鋼管1と平鋼2の強度のために、管軸方向の変化量はわずかで、管軸直角方向の変化量が大半である。
【0024】
次に、このように湾曲変形した第1のボイラ火炉用パネル17に対して、第1のボイラ火炉用パネル17の火炉内面側の表面前面に、図5に示すように、前述の高耐食性材料からなる肉盛溶接部5を形成した第2のボイラ火炉用パネル18を形成する。肉盛溶接方法としては、例えば、前述の特許文献1に記載されているように、第1のボイラ火炉用パネル17を垂直に立て、ウイビングあるいは回転アーク溶接させながら下進方向に行われるため、鋼管1の管軸方向の変形量が小さい場合、鋼管1の管軸直角方向に変形した第1のボイラ火炉用パネル17でも適切に肉盛溶接をおこなうことができる。この肉盛溶接を施工すると、第2のボイラ火炉用パネル18は、前述の図7で説明したように、火炉外面側の中央部が突出するように湾曲反り変形しようとするが、肉盛溶接部5形成前の第1のボイラ火炉用パネル17は、火炉外面側の溶接量増加と火炉内面側の隅肉溶接の省略とによって図4に示すように、第1のボイラ火炉用パネル17の中央部が突出した湾曲変形を生じているので、肉盛溶接部5による湾曲反り変形力が第1のボイラ火炉用パネル17の変形を矯正するように作用し、第2のボイラ火炉用パネル18の変形量は、図7で示す従来の第2のボイラ火炉用パネル18の変形量より大幅に減少し、隅肉溶接部4と肉盛溶接部5の材質や堆積量を適当に制御した場合には、ほぼ平坦な第2のボイラ火炉用パネル18を形成することができ、プレス加工による曲げ修正工程を省くことが可能となる。このように、本発明による第2のボイラ火炉用パネル18の製法においては、少なくとも、従来のボイラ火炉用パネル17の製法時のプレス加工による曲げ修正作業に比べ、この修正作業に要する加工時間を大幅に短縮することができる。
【0025】
本発明においては、上述のように、隅肉溶接部4が火炉外面側にのみ施工された第2のボイラ火炉用パネル18は、強度と熱伝達とにおいて問題が生じる場合がある。先ず、強度について説明すると、ボイラ稼動時の高温環境下においてボイラ火炉用パネル17は膨張するため応力が発生する。隅肉溶接部4を火炉外面側にのみとした場合、鋼管1と平鋼2と隅肉溶接部4とが合わさる部位に応力が集中し、亀裂が発生する。しかし、本発明では、隅肉溶接部4を施さない火炉内面側には、肉盛溶接部5を施すため、応力は集中せず、亀裂が発生する問題はない。
【0026】
次に、熱伝達に関して説明する。隅肉溶接部4は、平鋼2の熱を鋼管1内部の水、蒸気に伝える役割がある。図9に示す従来の平鋼2の断面形状いわゆるK形の二辺の斜面部を有する開先加工部3で火炉外面側のみ隅肉溶接4を施した場合、平鋼2と鋼管1の接続面積が半分となるため、熱伝達率が半減する。その結果、平鋼2の熱が鋼管1内部の水や水蒸気に十分伝わらず、平鋼2が鋼管1に比べ高温となるため、平鋼2の強度低下に加え、熱応力が発生して損傷が大きくなり、最悪の場合、噴破に至る可能性がある。従って、本発明においては、平鋼2の開先加工部3の斜面部20の深さDを、図9で示す従来開先加工部3の斜面部20の深さより深くし(開先を大きくし)、平鋼2の厚みの1/2以上の深さとして溶接量を増加させることで、熱伝達及び強度を確保できるようにしてある。
【0027】
以上のように、本発明によるボイラ用ボイラ火炉用パネルでは、肉盛溶接の施工の際に問題となるパネルの変形量を低減でき、曲げ修正のためのプレス加工の作業時間の短縮を図ることができるだけでなく、片面の隅肉溶接工程を省略できるので、全体のボイラ火炉用パネルの製造時間を大幅に短縮することができる。
【0028】
また、パネル自体が内部を水等の流体が流れる重量物であり、このような重量物である上下パネルとの接続におけるパネルの強度を確保する必要があるが、前記隅肉溶接を管軸方向に連続して施工する場合には、このようなパネルの強度の確保をより確実に行うことが可能となり、またボイラ火炉内の高温ガスが外側にリークすることを確実に防止することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
上記実施形態においては、石炭焚ボイラについて説明したが、その他重油焚ボイラや、ごみ焼却炉等においても適当に適応可能である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施形態に係わるボイラ火炉用パネルを備えたボイラ火炉の概略構成を示す断面図である。
【図2】本発明による一実施形態の第2のボイラ火炉用パネルの断面図である。
【図3】本発明による一実施形態の鋼管と平鋼の配置を示す断面図である。
【図4】図3の鋼管と平鋼の配置状態で形成した第1のボイラ火炉用パネルの断面図である。
【図5】図4の第1のボイラ火炉用パネルに肉盛溶接部5を形成した第2のボイラ火炉用パネルの断面図である。
【図6】従来のプレス加工による曲げ修正を行った第2のボイラ火炉用パネルの断面図である。
【図7】従来の曲げ修正加工前の第2のボイラ火炉用パネルの断面図である。
【図8】従来の隅肉溶接を施工した第1のボイラ火炉用パネルの断面図である。
【図9】従来の鋼管と平鋼の配置を示す断面図である。
【図10】従来のボイラ火炉用パネルの斜視図である。
【符号の説明】
【0031】
1 鋼管
2 平鋼
3 開先加工部
4 隅肉溶接部
5 肉盛溶接部
6 ボイラ本体
7 バーナ
8 一次過熱器
9 二次過熱器
10 三次過熱器
11 最終過熱器
12 一次再熱器
13 二次再熱器
14 節炭器
15 排ガスダクト
16 火炉壁
17 第1のボイラ火炉用パネル
18 第2のボイラ火炉用パネル
19 溶接継手部
20 斜面部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の鋼管間に平鋼を沿設することにより前記鋼管の軸方向に形成された溶接継手部を溶接により接合してパネルとして周囲に配置したボイラ火炉において、
前記パネルのボイラ火炉外面側の前記溶接継手部には隅肉溶接を行い、前記パネルのボイラ火炉内面側の前記溶接継手部には隅肉溶接を行わずに、ボイラ火炉内面側の前記鋼管、溶接継手部及び平鋼の表面には耐食性材料の肉盛溶接を行ったパネルとして周囲に配置したことを特徴とするボイラ火炉。
【請求項2】
請求項1記載のボイラ火炉において、
前記平鋼の側端の両側に、断面形状で一辺にのみ斜面部を有する開先加工部を形成し、当該斜面部を火炉外面側に配設して、当該斜面部に隅肉溶接部を形成したことを特徴とするボイラ火炉。
【請求項3】
鋼管の外周に平鋼の側端を当接させて溶接継手部を形成し、当該溶接継手部の火炉外面側のみに隅肉溶接を施し、しかる後に、火炉内面側の鋼管と平鋼の表面に肉盛溶接を施すことを特徴とするボイラ火炉用パネルの製造方法。
【請求項4】
請求項3記載のボイラ火炉用パネルの製造方法において、
前記平鋼の側端の両側に、断面形状で一辺にのみ斜面部を有する開先加工部を形成し、当該斜面部を前記火炉外面側に配設して、当該斜面部に隅肉溶接部を形成したことを特徴とするボイラ火炉用パネルの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−155233(P2007−155233A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−352083(P2005−352083)
【出願日】平成17年12月6日(2005.12.6)
【出願人】(000005441)バブコック日立株式会社 (683)
【Fターム(参考)】