ボタン電話装置、電話通信システムおよび着信制御方法ならびにプログラム
【課題】異なる信号種別による通信が可能な電話端末が混在するような環境下においても全ての電話端末が着信に対して応答可能とすること。
【解決手段】着信を接続する1以上の電話端末10〜21から成る電話端末10〜21のグループに対し、グループに属する電話端末10〜21の種別を解析する解析部41と、この解析部41の解析結果を記憶する記憶部42と、この記憶部42に記憶されている電話端末10〜21の種別に基づき到来した着信に対して電話端末10〜21の応答が可能か否かを判定する判定部43と、この判定部43の判定結果に基づき所定の制御を実施する着信制御部44と、を備える。
【解決手段】着信を接続する1以上の電話端末10〜21から成る電話端末10〜21のグループに対し、グループに属する電話端末10〜21の種別を解析する解析部41と、この解析部41の解析結果を記憶する記憶部42と、この記憶部42に記憶されている電話端末10〜21の種別に基づき到来した着信に対して電話端末10〜21の応答が可能か否かを判定する判定部43と、この判定部43の判定結果に基づき所定の制御を実施する着信制御部44と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボタン電話装置、電話通信システムおよび着信制御方法ならびにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今では、NGN(Next Generation Network)などのように、従来の音声信号に加え、新たに映像信号の伝送も可能な広い帯域を有する電話網が普及しつつある。このような電話網を利用することにより高品質な映像によるテレビ電話や電話会議を実現することができる。
【0003】
【特許文献1】特開2004−153352号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上述したNGNなどの電話網をボタン電話装置に適用した場合について説明する。ボタン電話装置には、様々な種類の電話端末が混在して収容されている場合が多い。このような環境を図11に示す。
【0005】
図11に示すように、NGN網100に、部署A、B、Cを含む会社Dのボタン電話装置101が接続されている。図中の縦の鼓型の図形は音声通信可能である電話端末であることを示し、図中の二重の四角の図形は映像通信可能である電話端末であることを示す。よって、縦の鼓型の図形のみの電話端末は、音声通信のみ可能であり、縦の鼓型の図形と二重の四角の図形の双方を有する電話端末は、音声通信と映像通信とが双方共に可能な電話端末である。
【0006】
すなわち、部署Aには3台の電話端末110、111、112が設置されている。これらの電話端末110、111、112は全て音声信号による音声通信と映像信号による映像通信とが共に可能なものである。また、部署Bには4台の電話端末120、121、122、123が設置されている。これらの電話端末120〜123は全てが音声通信のみ可能である。また、部署Cには5台の電話端末130、131、132、133、134が設置されている。この中で、電話端末131、133は音声通信のみ可能であり、電話端末130、132、134は音声通信と映像通信とが共に可能である。
【0007】
図11に示したような環境において、NGN網100から会社Dのボタン電話装置101に対し、テレビ電話やテレビ会議のための音声信号と映像信号とを共に含む着信があったとする。このような場合にボタン電話装置101は、全ての電話端末110〜112、120〜123、130〜134に対して着信を行う。しかしながら、電話端末110〜112、120〜123、130〜134の中で当該着信に応答可能なものは、部署Aの電話端末110〜112、部署Cの電話端末130、132、134のみである。それ以外の電話端末120〜123、131、133については着信したことをユーザが知ることは可能であっても応答は不可能である。特に、部署Bについてはいずれの電話端末120〜123からも応答不可能である。
【0008】
なお、特許文献1には、複数種類のメディアを着信可能な端末が混在する環境における着信制御を行うマルチメディアコミュニケーションシステムが開示されている。しかしながら特許文献1のマルチメディアコミュニケーションシステムにおける制御対象は、ボタン電話装置ではなく個々に異なるアドレスを有する端末である。すなわち、発信側は、着信を要求する相手の端末のアドレスを指定して発信を行う。そして、特許文献1のマルチメディアコミュニケーションシステムは、この発信に対して着信側の端末における空塞状態や着信可能なメディア種別やユーザのプレゼンス(「離席」、「多忙」、「話中」など)によって着信可否を判断する。
【0009】
これに対し、上述した問題点における制御対象となる端末は、ボタン電話装置101が収容する電話端末110〜112、120〜123、130〜134である。よって、発信側は、会社Dあるいは会社D内の部署A、B、Cのいずれかに着信するように1つの電話番号によって発信を行う。そして、着信側では、1つの電話番号によって行われた発信により、複数の電話端末110〜112、120〜123、130〜134に同時に着信する。
【0010】
このように、ボタン電話装置101と特許文献1のマルチメディアコミュニケーションシステムとでは、その技術分野が全く異なる。したがって、ボタン電話装置101と特許文献1のマルチメディアコミュニケーションシステムとでは、制御方法についても全く異なる。例えば、ボタン電話装置101に収容された電話端末110〜112、120〜123、130〜134は、1つの同じ部署A、B、C(あるいは同じ会社D内)に配置されているグループ単位に分類できる。よって、特許文献1のマルチメディアコミュニケーションシステムが個々の端末を制御対象としているのに対し、ボタン電話装置101は、個々のグループを制御対象としている。したがって、特許文献1のマルチメディアコミュニケーションシステムにおける技術をボタン電話装置101に適用することはできない。
【0011】
本発明は、このような背景の下に行われたものであって、異なる信号種別による通信が可能な電話端末が混在するような環境下においても全ての電話端末が着信に対して応答可能とすることができるボタン電話装置、電話通信システムおよび着信制御方法ならびにプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のボタン電話装置は、電話網に接続される外線と電話端末に接続される内線とを収容し、外線からの着信を内線を介して電話端末に接続するボタン電話装置において、着信を接続する1以上の電話端末から成る電話端末のグループに対し、グループに属する電話端末の種別を解析する解析手段と、この解析手段の解析結果を記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶されている電話端末の種別に基づき到来した着信に対して電話端末の応答が可能か否かを判定する判定手段と、この判定手段の判定結果に基づき所定の制御を実施する着信制御手段と、を備えるものである。
【0013】
本発明のプログラムは、情報処理装置にインストールすることにより、その情報処理装置に、本発明のボタン電話装置における解析手段、記憶手段、判定手段および着信制御手段を含む制御部の機能を実現させるものである。
【0014】
本発明の電話通信システムは、本発明のボタン電話装置と、このボタン電話装置からの再着信の要求に対してこの要求に対応する信号種別による再着信を行う電話網と、を備えるものである。
【0015】
本発明の着信制御方法は、電話網に接続される外線と電話端末に接続される内線とを収容し、外線からの着信を内線を介して電話端末に接続するボタン電話装置が行う着信制御方法において、着信を接続する1以上の電話端末から成る電話端末のグループに対し、グループに属する電話端末の種別を解析する解析ステップと、この解析ステップの処理による解析結果を記憶する記憶ステップと、この記憶ステップの処理により記憶されている電話端末の種別に基づき到来した着信に対して電話端末の応答が可能か否かを判定する判定ステップと、この判定ステップの処理による判定結果に基づき所定の制御を実施する着信制御ステップと、を有するものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、異なる信号種別による通信が可能な電話端末が混在するような環境下においても全ての電話端末が着信に対して応答可能とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(本発明の実施の形態に係る電話通信システム1の全体構成について)
本発明の実施の形態に係る電話通信システム1の全体構成について図1を参照して説明する。電話通信システム1は、NGN網2、NGN網2に接続される外線3、電話端末10〜21に接続される内線30〜32、外線3および内線30〜33を収容するボタン電話装置40を備える。なお、以下の説明では、NGN網2からボタン電話装置40への着信についてのみ説明し、電話端末10〜21からNGN網2の外線3への発信および電話端末10〜21相互間の内線通信についての説明は省略する。
【0018】
NGN網2の外線3から会社Dまたは会社D内の部署A、B、Cのいずれかへの着信はボタン電話装置40が受け取って着信制御を実行する。会社D、会社D内の部署A、B、Cはそれぞれ着信対象となるグループである。すなわち、発信者が会社Dの代表番号に対して発信を行った場合には、会社Dが一つの着信対象となるグループになる。また、発信者が会社Dの部署A、B、Cのいずれかの電話番号に対して発信を行った場合には、会社Dの部署A、B、Cのいずれかが一つの着信対象となるグループになる。
【0019】
さらに、ボタン電話装置40は、着信を接続する1以上の電話端末10〜21から成る電話端末10〜21のグループ(会社D、部署A、部署B、部署C)に対し、このグループに属する電話端末10〜21の種別を解析する解析手段である解析部41を備える。さらに、この解析部41の解析結果を記憶する手段である記憶部42を備える。そして、この記憶部42に記憶されている電話端末10〜21の種別に基づき到来した着信に対して電話端末10〜21の応答が可能か否かを判定する判定手段である判定部43を備える。さらに、この判定部43の判定結果に基づき所定の制御を実施する着信制御部44を備える。
【0020】
また、解析部41は、図2に示すように、着信先の電話端末が存在するか否かをチェックする端末状態解析部50と、映像メディア解析部51とを備える。なお、映像メディア解析部51は、電話端末10〜21が着信に対して応答可能な信号種別を解析する映像端末有無チェック部52と、その信号種別に対するコーデック能力を解析するコーデック能力解析部53とを備える。
【0021】
(解析部41の解析処理の動作について)
次に、解析部41の解析処理の動作について図3〜図6を参照して説明する。解析部41の端末状態解析部50は、記憶部42を参照し、着信先の端末が存在するか否かをチェックする。図3は、記憶部42における記憶内容を示す図である。記憶部42には、着信グループ名、電話番号、内線番号、映像通信対応可否、コーデック能力種別が記録されている。グループ名「会社D」は、会社Dの代表番号である。なお、図1の例では、会社Dの代表番号を専用に受け付ける電話端末は設置されていない。よって、会社Dの代表番号宛ての着信については全ての電話端末10〜21が着信対象となることとする。このときには、映像通信対応可能な電話端末10〜12、17、19、21と映像通信対応不可能な電話端末13〜16、18、20とが混在しているため、映像通信対応可否については一部対応可能を示す「△」印になる。また、コーデック能力種別としては、「A1+A2+V1」になる。ここで、A1は、音声通信対応可能なコーデック「G.711」、A2は、音声通信対応可能なコーデック「Uemclip(mU-law Embedded Coder for low-delay IP Communication)」、V1は、映像通信対応可能なコーデック「Mpeg4(Moving picture experts group phase4)」などである。
【0022】
グループ名「部署A」は、電話端末10〜12が着信対象となる。すなわち、部署A宛ての着信については電話端末10〜12が着信対象となる。電話端末10〜12は、映像通信対応可能である。よって、映像通信対応可否については全部対応可能を示す「○」印になる。また、コーデック能力種別としては、「A1+A2+V1」になる。
【0023】
グループ名「部署B」は、電話端末13〜16が着信対象となる。すなわち、部署B宛ての着信については電話端末13〜16が着信対象となる。電話端末13〜16は、映像通信対応不可能である。よって、映像通信対応可否については全部対応不可能を示す「×」印になる。また、コーデック能力種別としては、「A1+A2」になる。
【0024】
グループ名「部署C」は、電話端末17〜21が着信対象となる。すなわち、部署C宛ての着信については電話端末17〜21が着信対象となる。電話端末17〜21は、映像通信対応可能な電話端末17、19、21と映像通信対応不可能な電話端末18、20とが混在している。よって、映像通信対応可否については一部対応可能を示す「△」印になる。また、コーデック能力種別としては、「A1+A2」または「A1+A2+V1」になる。
【0025】
そこで、端末状態解析部50は、外線3からの着信が到来すると、記憶部42を参照し、着信に該当する電話番号の有無およびその電話番号に対応する電話端末の有無を調べる。なお、電話端末の有無は、内線番号が登録されているか否かによって行うことができる。
【0026】
すなわち、図4のフローチャートに示すように、端末状態解析部50は、外線3からの着信が到来すると、記憶部42を参照する(ステップS1)。その結果、着信に該当する電話番号が有り(ステップS2でYes)、その電話番号に電話端末が有れば(ステップS3でYes)、端末状態解析部50は、着信可と判定する(ステップS4)。一方で、端末状態解析部50は、外線3からの着信が到来すると、記憶部42を参照する(ステップS1)。その結果、着信に該当する電話番号が無ければ(ステップS2でNo)、端末状態解析部50は、着信不可と判定する(ステップS5)。あるいは、着信に該当する電話番号が有っても(ステップS2でYes)、その電話番号に電話端末が無ければ(ステップS3でNo)、端末状態解析部50は、着信不可と判定する(ステップS5)。
【0027】
続いて、映像メディア解析部51の解析処理の動作を図5のフローチャートを参照して説明する。ここで「応答優先モード」と「映像通信優先モード」について説明する。「応答優先モード」は、着信先の各グループにおいて、全ての電話端末が応答可能でなければ着信拒否するモードである。一方、「映像通信優先モード」は、着信先の各グループにおいて、1台でも応答可能な電話端末が有れば着信許可するモードである。この2つのモードは、ユーザが切替可能にボタン電話装置40の着信制御部44に設定できる。
【0028】
すなわち、図5に示すように、映像メディア解析部51は、着信制御部44に設定されているモードが「応答優先モード」であるか「映像通信優先モード」であるかを参照する(ステップS10)。その結果、「応答優先モード」であれば(ステップS11でYes)、映像メディア解析部51は、記憶部42を参照し(ステップS12)、着信先となるグループにおいて、着信に対応不可となる電話端末が有るか否かを判定する(ステップS13)。その結果、1台でも対応不可となる電話端末が存在すれば(ステップS13でYes)、映像メディア解析部51は、着信拒否と判定する(ステップS14)。一方、映像メディア解析部51は、着信先となるグループにおいて、着信に対応不可となる電話端末が有るか否かを判定し(ステップS13)、対応不可となる電話端末が無ければ(ステップS13でNo)、映像メディア解析部51は、その電話端末のコーデック能力を調べる(ステップS15)。その結果、当該コーデック能力が着信に応答可能なコーデックであれば(ステップS15でYes)、映像メディア解析部51は、着信許可と判定する(ステップS16)。また、映像メディア解析部51は、着信先となるグループにおいて、着信に対応不可となる電話端末が無くても(ステップS13でNo)、その電話端末のコーデック能力が着信に応答不可能なコーデックであれば(ステップS15でNo)、着信拒否と判定する(ステップS14)。
【0029】
あるいは、映像メディア解析部51は、着信制御部44に設定されているモードが「応答優先モード」であるか「映像通信優先モード」であるかを参照し(ステップS10)、「映像通信優先モード」であれば(ステップS11でNo)、映像メディア解析部51は、記憶部42を参照し(ステップS17)、着信先となるグループにおいて、着信に対応可能な電話端末が有るか否かを判定する(ステップS18)。その結果、1台でも着信に対応可能となる電話端末が存在すれば(ステップS18でYes)、映像メディア解析部51は、その電話端末のコーデック能力を調べる(ステップS19)。その結果、その電話端末のコーデック能力が着信に応答可能なコーデック能力であるならば(ステップS19でYes)、映像メディア解析部51は、着信許可と判定する(ステップS20)。
【0030】
一方、映像メディア解析部51は、着信先となるグループにおいて、着信に対応可能な電話端末が有るか否かを判定し(ステップS18)、1台も着信に対応可能となる電話端末が存在しなければ(ステップS18でNo)、映像メディア解析部51は、着信拒否と判定する(ステップS14)。あるいは、映像メディア解析部51は、着信先となるグループにおいて、着信に対応可能な電話端末が存在しても(ステップS18でYes)、そのコーデック能力が着信に応答不可能であれば(ステップS19でNo)、映像メディア解析部51は、着信拒否と判定する(ステップS14)。
【0031】
続いて、映像メディア解析部51の映像端末有無チェック部52における解析処理の動作を図6のフローチャートを参照して説明する。映像端末有無チェック部52は、着信制御部44に設定されているモードが「応答優先モード」であるか「映像通信優先モード」であるかを参照する(ステップS20)。その結果、「応答優先モード」であれば(ステップS21でYes)、映像端末有無チェック部52は、記憶部42を参照し(ステップS22)、着信先となるグループにおける全ての電話端末の能力をチェックする(ステップS23)。その結果、1台でも着信に対応不可となる電話端末が存在すれば(ステップS24でYes)、映像端末有無チェック部52は、着信不可と判定する(ステップS25)。一方、映像端末有無チェック部52は、着信先となるグループにおいて、着信に対応不可となる電話端末が有るか否かを判定し(ステップS24)、着信に対応不可となる電話端末が無ければ(ステップS24でNo)、映像端末有無チェック部52は、着信可と判定する(ステップS26)。
【0032】
あるいは、映像端末有無チェック部52は、着信制御部44に設定されているモードが「応答優先モード」であるか「映像通信優先モード」であるかを参照する(ステップS20)。その結果、「映像通信優先モード」であれば(ステップS21でNo)、映像端末有無チェック部52は、記憶部42を参照し(ステップS27)、着信先となるグループにおける一部の電話端末の能力をチェックする(ステップS27)。このチェックは、例えば、記憶部42のエントリを昇順または降順に調べて行き、1台でも着信に対応可能な電話端末が見つかれば、映像端末有無チェック部52は、そこでチェックを終了する。
【0033】
このようにして、映像端末有無チェック部52は、着信に対応可能な電話端末が有るか否かを判定する(ステップS29)。その結果、1台でも着信に対応可能となる電話端末が存在すれば(ステップS29でYes)、映像端末有無チェック部52は、着信可と判定する(ステップS30)。一方、映像端末有無チェック部52は、着信先となるグループにおいて、着信に対応可能な電話端末が有るか否かを判定し(ステップS29)、1台も着信に対応可能となる電話端末が存在しなければ(ステップS29でNo)、映像端末有無チェック部52は、着信不可と判定する(ステップS25)。
【0034】
続いて、コーデック能力分析部53の分析処理の動作を図7のフローチャートに示す。すなわち、コーデック能力分析部53は、記憶部42を参照し(ステップS31)、分析対象となる電話端末が有するコーデック能力と着信に応答可能なコーデックとを比較する(ステップS32)。その結果、分析対象となる電話端末が有するコーデック能力と着信に応答可能なコーデックとが一致したら(ステップS33でYes)、コーデック能力分析部53は、着信可と判定する(ステップS34)。一方、コーデック能力分析部53は、記憶部42を参照し(ステップS31)、分析対象となる電話端末が有するコーデック能力と着信に応答可能なコーデックとを比較し(ステップS32)、分析対象となる電話端末が有するコーデック能力と着信に応答可能なコーデックとが一致しなければ(ステップS33でNo)、コーデック能力分析部53は、着信不可と判定する(ステップS35)。
【0035】
このようにして、解析部41は、外線3からの着信に対して「着信拒否」または「着信許可」の判定を行う。すなわち、ボタン電話装置40はNGN網2に対して「488 Not Acceptable Here」というメッセージを送信することにより「着信拒否」である旨をNGN網2に通知する。
【0036】
NGN網2は、ボタン電話装置40からの「488 Not Acceptable Here」という「着信拒否」のメッセージを受け取ると、そのメッセージが先に送信した音声通信および映像通信の双方に対応する着信に対するものであることがわかる。そこで、NGN網2は、音声通信のみに対応する再着信をボタン電話装置40に対して送信する。その結果、図5のステップS13において対応不可となる電話端末が無くなるので、今度は着信許可となる。
【0037】
この様子を図8、図9のタイムチャートに示す。図8は、「映像通信優先モード」設定時のタイムチャートである。すなわち、図8に示すように、NGN網2からボタン電話装置40に音声信号および映像信号による着信が部署Cに到来する(ステップS40)。ボタン電話装置40は、「映像通信優先モード」に設定されているので、部署Cに映像通信対応可能な電話端末17、19、21があるためにNGN網2に対して着信許可を送信する(ステップS41)。また、ボタン電話装置40は、部署Cの電話端末17〜21に対して着信を行う(ステップS42)。なお、点線矢印は、着信に対応不可能な電話端末18、20に対する着信であり、無効となる着信である。また、ボタン電話装置40は、NGN網2に対して現在呼出中である旨の通知を行う(ステップS43)。
【0038】
ここで、電話端末21が着信に対して応答したとする(ステップS44)。ボタン電話装置40は、電話端末21の応答をNGN網2に対して転送する(ステップS45)。これにより、NGN網2を介して電話端末21と発信者(不図示)との間で音声信号および映像信号による外線通信が行われる(ステップS46)。
【0039】
また、図9は、「応答優先モード」設定時のタイムチャートである。すなわち、図9に示すように、NGN網2からボタン電話装置40に音声信号および映像信号による着信が部署Cに到来する(ステップS50)。ボタン電話装置40は、「応答優先モード」に設定されているので、部署Cに映像通信対応不可能な電話端末18、20があるためにNGN網2に対して着信拒否を送信する(ステップS51)。
【0040】
NGN網2は、ボタン電話装置40からのメッセージ“488 Not Acceptable Here”を受信すると、音声信号のみによる再着信を行う(ステップS52)。これにより、ボタン電話装置40では、先の着信拒否の理由が解消される。よって、ボタン電話装置40は、電話端末17〜21に対して着信を行う(ステップS53)。また、ボタン電話装置40は、NGN網2に対して現在呼出中である旨の通知を行う(ステップS54)。
【0041】
ここで、電話端末20が着信に対して応答したとする(ステップS55)。ボタン電話装置40は、電話端末20の応答をNGN網2に対して転送する(ステップS56)。これにより、NGN網2を介して電話端末20と発信者(不図示)との間で音声信号による外線通信が行われる(ステップS57)。
【0042】
以上説明した概要を図10に実態的に示す。図10に示すように、ボタン電話装置40は、NGN網2からの着信(INVITE)メッセージ中のSDP(Session Description Protocol)ヘッダからメディアに関する情報を取得して記憶部42に記憶する。なお、記憶部42に記憶されているTV電話♯1能力、TV電話♯2能力、電話♯1能力、電話♯2能力は、記憶部42において、各電話端末が活性化しているときにその能力を調べて保持しておくこととする。解析部41の映像端末有無チェック部52では、着信情報のメディアに映像通信(video)がある場合にチェックを行う。映像端末有無チェック部52は、着信先の電話端末の能力情報のメディアに映像通信(video)の有無をチェックする。また、コーデック能力分析部53では、着信先の電話端末に映像通信能力が有れば、着信情報と着信先の電話端末の能力情報のコーデック・サイズ・ビットレート・フレームレートが応答可能であるか否かをチェックする。なお、図10におけるSVGA(Super Video Graphics Array)、QVGA(Quarter Video Graphics Array)は、それぞれ画像サイズを示す。
【0043】
(プログラムに係る本発明の実施の形態)
また、ボタン電話装置40の各部(解析部41、記憶部42、判定部43、着信制御部44)を1つの制御部とし、この制御部は、所定のソフトウェア(請求項でいうプログラム)により動作する汎用の情報処理装置(CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal
Processor)、マイクロプロセッサ(マイクロコンピュータ)など)によって構成されてもよい。例えば、汎用の情報処理装置は、メモリ、CPU、入出力ポートなどを有する。汎用の情報処理装置のCPUは、メモリなどから所定のプログラムとして制御プログラムを読み込んで実行する。これにより、汎用の情報処理装置には、ボタン電話装置40の制御部の機能が実現される。
【0044】
なお、汎用の情報処理装置が実行する制御プログラムは、ボタン電話装置40の出荷前に、汎用の情報処理装置のメモリなどに記憶されたものであっても、ボタン電話装置40の出荷後に、汎用の情報処理装置のメモリなどに記憶されたものであってもよい。また、制御プログラムの一部が、ボタン電話装置40の出荷後に、汎用の情報処理装置のメモリなどに記憶されたものであってもよい。ボタン電話装置40の出荷後に、汎用の情報処理装置のメモリなどに記憶される制御プログラムは、例えば、CD−ROMなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に記憶されているものをインストールしたものであっても、インターネットなどの伝送媒体を介してダウンロードしたものをインストールしたものであってもよい。
【0045】
また、制御プログラムは、汎用の情報処理装置によって直接実行可能なものだけでなく、ハードディスクなどにインストールすることによって実行可能となるものも含む。また、圧縮されたり、暗号化されたりしたものも含む。
【0046】
(本発明の実施の形態に係る効果について)
以上説明したように、ボタン電話装置40を用いることにより、異なる信号種別による通信が可能な電話端末10〜21が混在するような環境下においても全ての電話端末10〜21が着信に対して応答可能とすることができる。
【0047】
また、ボタン電話装置40には「応答優先モード」と「映像通信優先モード」とを切替可能に設定できるので、ユーザが所望するモードを設定することができる。「応答優先モード」では、全ての電話端末10〜21が音声通信により応答することができる。さらに、このようなモード設定をグループ単位で行うことができる。例えば、上述した実施の形態における部署Aについては全ての電話端末10〜12が映像通信および音声通信に対応可能である。しかしながら、NGN網2の料金体系では、映像通信を伴う通信の方が音声通信のみの通信よりも料金が高いといった場合には、部署Aを「応答優先モード」としておく。これにより、部署Aにおいては、映像通信を伴う通信を拒絶し、音声通信のみにより応答することができる。
【0048】
あるいは、部署Aの中をさらにグループ分けし、電話端末10のみを1つのグループとみなし、他の電話端末11、12を別のグループとして分類する。そして、電話端末10のグループに対しては「映像通信優先モード」を設定し、電話端末11、12のグループに対しては「応答優先モード」を設定する。これによれば、部署Aの中で、電話端末10のみが映像通信を伴う通信が着信する専用の電話端末として機能する。
【0049】
このようにボタン電話装置40を用いることにより、様々なユーザの利用形態に対応することができる。
【0050】
(変形例)
本発明の実施の形態は、その要旨を逸脱しない限り、様々に変更が可能である。例えば、上述した実施の形態では、音声通信と映像通信とを例に挙げて説明したが、通信に用いる信号種別については、様々な信号種別を適用することができる。例えば、信号種別としては、音声通信と文字通信であってもよい。あるいは、信号種別としては、映像通信と文字通信であってもよい。また、信号種別としては、デジタル通信とアナログ通信であってもよい。あるいは、信号種別としては、同じ映像通信または音声通信であるが、コーデックが異なる映像通信または音声通信でもよい。
【0051】
また、グループの設定は、ユーザが操作入力によって手動により設定してもよいし、電話端末が設置された位置に応じてボタン電話装置40が自動的に設定するようにしてもよい。あるいは、ボタン電話装置40の出荷前にデフォルトのグループ設定をしておき、ユーザがこれをそのまま用いたり、一部を変更するなどして用いるようにしてもよい。
【0052】
また、NGN網2において、ボタン電話装置40からの着信拒否に応じて音声信号による再着信を行うとして説明した。このときに、ボタン電話装置40から着信拒否の理由をNGN網2に対して報告し、NGN網2ではその理由に応じて対応を変更するようにしてもよい。例えば、NGN網2において、ボタン電話装置40から映像信号による着信であったことが理由の着信拒否があったときには、音声信号による再着信を行う。しかしながら、ボタン電話装置40からの音声信号による着信であったことが理由の着信拒否があったときには、映像信号による再着信を行うなど、着信拒否の理由に応じて再着信の際の信号種別などの対応形態を様々に変更するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施の形態に係るボタン電話装置を含む電話通信システムの全体構成図である。
【図2】図1に示す解析部のブロック構成図である。
【図3】図1に示す記憶部における記憶内容を示す図である。
【図4】図2に示す端末状態解析部の解析処理の動作を示すフローチャートである。
【図5】図2に示す映像メディア解析部の解析処理の動作を示すフローチャートである。
【図6】図2に示す映像端末有無チェック部のチェック処理の動作を示すフローチャートである。
【図7】図2に示すコーデック能力分析部の分析処理の動作を示すフローチャートである。
【図8】図1に示す着信制御部に設定されているモードが「映像通信優先モード」であるときの着信手順を示すシーケンス図である。
【図9】図1に示す着信設定部に設定されているモードが「応答優先モード」であるときの着信手順を示すシーケンス図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る電話通信システムの実態的な処理動作を説明するための図である。
【図11】従来のボタン電話装置を含む電話通信システムの全体構成図である。
【符号の説明】
【0054】
1…電話通信システム、2…NGN網、3…外線、10〜21…電話端末、30、31、32…内線、40…ボタン電話装置、41…解析部(解析手段)、42…記憶部(記憶手段)、43…判定部(判定手段)、44…着信制御部(着信制御手段)、50…端末状態解析部、51…映像メディア解析部、52…映像端末有無チェック部、53…コーデック能力分析部
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボタン電話装置、電話通信システムおよび着信制御方法ならびにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今では、NGN(Next Generation Network)などのように、従来の音声信号に加え、新たに映像信号の伝送も可能な広い帯域を有する電話網が普及しつつある。このような電話網を利用することにより高品質な映像によるテレビ電話や電話会議を実現することができる。
【0003】
【特許文献1】特開2004−153352号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上述したNGNなどの電話網をボタン電話装置に適用した場合について説明する。ボタン電話装置には、様々な種類の電話端末が混在して収容されている場合が多い。このような環境を図11に示す。
【0005】
図11に示すように、NGN網100に、部署A、B、Cを含む会社Dのボタン電話装置101が接続されている。図中の縦の鼓型の図形は音声通信可能である電話端末であることを示し、図中の二重の四角の図形は映像通信可能である電話端末であることを示す。よって、縦の鼓型の図形のみの電話端末は、音声通信のみ可能であり、縦の鼓型の図形と二重の四角の図形の双方を有する電話端末は、音声通信と映像通信とが双方共に可能な電話端末である。
【0006】
すなわち、部署Aには3台の電話端末110、111、112が設置されている。これらの電話端末110、111、112は全て音声信号による音声通信と映像信号による映像通信とが共に可能なものである。また、部署Bには4台の電話端末120、121、122、123が設置されている。これらの電話端末120〜123は全てが音声通信のみ可能である。また、部署Cには5台の電話端末130、131、132、133、134が設置されている。この中で、電話端末131、133は音声通信のみ可能であり、電話端末130、132、134は音声通信と映像通信とが共に可能である。
【0007】
図11に示したような環境において、NGN網100から会社Dのボタン電話装置101に対し、テレビ電話やテレビ会議のための音声信号と映像信号とを共に含む着信があったとする。このような場合にボタン電話装置101は、全ての電話端末110〜112、120〜123、130〜134に対して着信を行う。しかしながら、電話端末110〜112、120〜123、130〜134の中で当該着信に応答可能なものは、部署Aの電話端末110〜112、部署Cの電話端末130、132、134のみである。それ以外の電話端末120〜123、131、133については着信したことをユーザが知ることは可能であっても応答は不可能である。特に、部署Bについてはいずれの電話端末120〜123からも応答不可能である。
【0008】
なお、特許文献1には、複数種類のメディアを着信可能な端末が混在する環境における着信制御を行うマルチメディアコミュニケーションシステムが開示されている。しかしながら特許文献1のマルチメディアコミュニケーションシステムにおける制御対象は、ボタン電話装置ではなく個々に異なるアドレスを有する端末である。すなわち、発信側は、着信を要求する相手の端末のアドレスを指定して発信を行う。そして、特許文献1のマルチメディアコミュニケーションシステムは、この発信に対して着信側の端末における空塞状態や着信可能なメディア種別やユーザのプレゼンス(「離席」、「多忙」、「話中」など)によって着信可否を判断する。
【0009】
これに対し、上述した問題点における制御対象となる端末は、ボタン電話装置101が収容する電話端末110〜112、120〜123、130〜134である。よって、発信側は、会社Dあるいは会社D内の部署A、B、Cのいずれかに着信するように1つの電話番号によって発信を行う。そして、着信側では、1つの電話番号によって行われた発信により、複数の電話端末110〜112、120〜123、130〜134に同時に着信する。
【0010】
このように、ボタン電話装置101と特許文献1のマルチメディアコミュニケーションシステムとでは、その技術分野が全く異なる。したがって、ボタン電話装置101と特許文献1のマルチメディアコミュニケーションシステムとでは、制御方法についても全く異なる。例えば、ボタン電話装置101に収容された電話端末110〜112、120〜123、130〜134は、1つの同じ部署A、B、C(あるいは同じ会社D内)に配置されているグループ単位に分類できる。よって、特許文献1のマルチメディアコミュニケーションシステムが個々の端末を制御対象としているのに対し、ボタン電話装置101は、個々のグループを制御対象としている。したがって、特許文献1のマルチメディアコミュニケーションシステムにおける技術をボタン電話装置101に適用することはできない。
【0011】
本発明は、このような背景の下に行われたものであって、異なる信号種別による通信が可能な電話端末が混在するような環境下においても全ての電話端末が着信に対して応答可能とすることができるボタン電話装置、電話通信システムおよび着信制御方法ならびにプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のボタン電話装置は、電話網に接続される外線と電話端末に接続される内線とを収容し、外線からの着信を内線を介して電話端末に接続するボタン電話装置において、着信を接続する1以上の電話端末から成る電話端末のグループに対し、グループに属する電話端末の種別を解析する解析手段と、この解析手段の解析結果を記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶されている電話端末の種別に基づき到来した着信に対して電話端末の応答が可能か否かを判定する判定手段と、この判定手段の判定結果に基づき所定の制御を実施する着信制御手段と、を備えるものである。
【0013】
本発明のプログラムは、情報処理装置にインストールすることにより、その情報処理装置に、本発明のボタン電話装置における解析手段、記憶手段、判定手段および着信制御手段を含む制御部の機能を実現させるものである。
【0014】
本発明の電話通信システムは、本発明のボタン電話装置と、このボタン電話装置からの再着信の要求に対してこの要求に対応する信号種別による再着信を行う電話網と、を備えるものである。
【0015】
本発明の着信制御方法は、電話網に接続される外線と電話端末に接続される内線とを収容し、外線からの着信を内線を介して電話端末に接続するボタン電話装置が行う着信制御方法において、着信を接続する1以上の電話端末から成る電話端末のグループに対し、グループに属する電話端末の種別を解析する解析ステップと、この解析ステップの処理による解析結果を記憶する記憶ステップと、この記憶ステップの処理により記憶されている電話端末の種別に基づき到来した着信に対して電話端末の応答が可能か否かを判定する判定ステップと、この判定ステップの処理による判定結果に基づき所定の制御を実施する着信制御ステップと、を有するものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、異なる信号種別による通信が可能な電話端末が混在するような環境下においても全ての電話端末が着信に対して応答可能とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(本発明の実施の形態に係る電話通信システム1の全体構成について)
本発明の実施の形態に係る電話通信システム1の全体構成について図1を参照して説明する。電話通信システム1は、NGN網2、NGN網2に接続される外線3、電話端末10〜21に接続される内線30〜32、外線3および内線30〜33を収容するボタン電話装置40を備える。なお、以下の説明では、NGN網2からボタン電話装置40への着信についてのみ説明し、電話端末10〜21からNGN網2の外線3への発信および電話端末10〜21相互間の内線通信についての説明は省略する。
【0018】
NGN網2の外線3から会社Dまたは会社D内の部署A、B、Cのいずれかへの着信はボタン電話装置40が受け取って着信制御を実行する。会社D、会社D内の部署A、B、Cはそれぞれ着信対象となるグループである。すなわち、発信者が会社Dの代表番号に対して発信を行った場合には、会社Dが一つの着信対象となるグループになる。また、発信者が会社Dの部署A、B、Cのいずれかの電話番号に対して発信を行った場合には、会社Dの部署A、B、Cのいずれかが一つの着信対象となるグループになる。
【0019】
さらに、ボタン電話装置40は、着信を接続する1以上の電話端末10〜21から成る電話端末10〜21のグループ(会社D、部署A、部署B、部署C)に対し、このグループに属する電話端末10〜21の種別を解析する解析手段である解析部41を備える。さらに、この解析部41の解析結果を記憶する手段である記憶部42を備える。そして、この記憶部42に記憶されている電話端末10〜21の種別に基づき到来した着信に対して電話端末10〜21の応答が可能か否かを判定する判定手段である判定部43を備える。さらに、この判定部43の判定結果に基づき所定の制御を実施する着信制御部44を備える。
【0020】
また、解析部41は、図2に示すように、着信先の電話端末が存在するか否かをチェックする端末状態解析部50と、映像メディア解析部51とを備える。なお、映像メディア解析部51は、電話端末10〜21が着信に対して応答可能な信号種別を解析する映像端末有無チェック部52と、その信号種別に対するコーデック能力を解析するコーデック能力解析部53とを備える。
【0021】
(解析部41の解析処理の動作について)
次に、解析部41の解析処理の動作について図3〜図6を参照して説明する。解析部41の端末状態解析部50は、記憶部42を参照し、着信先の端末が存在するか否かをチェックする。図3は、記憶部42における記憶内容を示す図である。記憶部42には、着信グループ名、電話番号、内線番号、映像通信対応可否、コーデック能力種別が記録されている。グループ名「会社D」は、会社Dの代表番号である。なお、図1の例では、会社Dの代表番号を専用に受け付ける電話端末は設置されていない。よって、会社Dの代表番号宛ての着信については全ての電話端末10〜21が着信対象となることとする。このときには、映像通信対応可能な電話端末10〜12、17、19、21と映像通信対応不可能な電話端末13〜16、18、20とが混在しているため、映像通信対応可否については一部対応可能を示す「△」印になる。また、コーデック能力種別としては、「A1+A2+V1」になる。ここで、A1は、音声通信対応可能なコーデック「G.711」、A2は、音声通信対応可能なコーデック「Uemclip(mU-law Embedded Coder for low-delay IP Communication)」、V1は、映像通信対応可能なコーデック「Mpeg4(Moving picture experts group phase4)」などである。
【0022】
グループ名「部署A」は、電話端末10〜12が着信対象となる。すなわち、部署A宛ての着信については電話端末10〜12が着信対象となる。電話端末10〜12は、映像通信対応可能である。よって、映像通信対応可否については全部対応可能を示す「○」印になる。また、コーデック能力種別としては、「A1+A2+V1」になる。
【0023】
グループ名「部署B」は、電話端末13〜16が着信対象となる。すなわち、部署B宛ての着信については電話端末13〜16が着信対象となる。電話端末13〜16は、映像通信対応不可能である。よって、映像通信対応可否については全部対応不可能を示す「×」印になる。また、コーデック能力種別としては、「A1+A2」になる。
【0024】
グループ名「部署C」は、電話端末17〜21が着信対象となる。すなわち、部署C宛ての着信については電話端末17〜21が着信対象となる。電話端末17〜21は、映像通信対応可能な電話端末17、19、21と映像通信対応不可能な電話端末18、20とが混在している。よって、映像通信対応可否については一部対応可能を示す「△」印になる。また、コーデック能力種別としては、「A1+A2」または「A1+A2+V1」になる。
【0025】
そこで、端末状態解析部50は、外線3からの着信が到来すると、記憶部42を参照し、着信に該当する電話番号の有無およびその電話番号に対応する電話端末の有無を調べる。なお、電話端末の有無は、内線番号が登録されているか否かによって行うことができる。
【0026】
すなわち、図4のフローチャートに示すように、端末状態解析部50は、外線3からの着信が到来すると、記憶部42を参照する(ステップS1)。その結果、着信に該当する電話番号が有り(ステップS2でYes)、その電話番号に電話端末が有れば(ステップS3でYes)、端末状態解析部50は、着信可と判定する(ステップS4)。一方で、端末状態解析部50は、外線3からの着信が到来すると、記憶部42を参照する(ステップS1)。その結果、着信に該当する電話番号が無ければ(ステップS2でNo)、端末状態解析部50は、着信不可と判定する(ステップS5)。あるいは、着信に該当する電話番号が有っても(ステップS2でYes)、その電話番号に電話端末が無ければ(ステップS3でNo)、端末状態解析部50は、着信不可と判定する(ステップS5)。
【0027】
続いて、映像メディア解析部51の解析処理の動作を図5のフローチャートを参照して説明する。ここで「応答優先モード」と「映像通信優先モード」について説明する。「応答優先モード」は、着信先の各グループにおいて、全ての電話端末が応答可能でなければ着信拒否するモードである。一方、「映像通信優先モード」は、着信先の各グループにおいて、1台でも応答可能な電話端末が有れば着信許可するモードである。この2つのモードは、ユーザが切替可能にボタン電話装置40の着信制御部44に設定できる。
【0028】
すなわち、図5に示すように、映像メディア解析部51は、着信制御部44に設定されているモードが「応答優先モード」であるか「映像通信優先モード」であるかを参照する(ステップS10)。その結果、「応答優先モード」であれば(ステップS11でYes)、映像メディア解析部51は、記憶部42を参照し(ステップS12)、着信先となるグループにおいて、着信に対応不可となる電話端末が有るか否かを判定する(ステップS13)。その結果、1台でも対応不可となる電話端末が存在すれば(ステップS13でYes)、映像メディア解析部51は、着信拒否と判定する(ステップS14)。一方、映像メディア解析部51は、着信先となるグループにおいて、着信に対応不可となる電話端末が有るか否かを判定し(ステップS13)、対応不可となる電話端末が無ければ(ステップS13でNo)、映像メディア解析部51は、その電話端末のコーデック能力を調べる(ステップS15)。その結果、当該コーデック能力が着信に応答可能なコーデックであれば(ステップS15でYes)、映像メディア解析部51は、着信許可と判定する(ステップS16)。また、映像メディア解析部51は、着信先となるグループにおいて、着信に対応不可となる電話端末が無くても(ステップS13でNo)、その電話端末のコーデック能力が着信に応答不可能なコーデックであれば(ステップS15でNo)、着信拒否と判定する(ステップS14)。
【0029】
あるいは、映像メディア解析部51は、着信制御部44に設定されているモードが「応答優先モード」であるか「映像通信優先モード」であるかを参照し(ステップS10)、「映像通信優先モード」であれば(ステップS11でNo)、映像メディア解析部51は、記憶部42を参照し(ステップS17)、着信先となるグループにおいて、着信に対応可能な電話端末が有るか否かを判定する(ステップS18)。その結果、1台でも着信に対応可能となる電話端末が存在すれば(ステップS18でYes)、映像メディア解析部51は、その電話端末のコーデック能力を調べる(ステップS19)。その結果、その電話端末のコーデック能力が着信に応答可能なコーデック能力であるならば(ステップS19でYes)、映像メディア解析部51は、着信許可と判定する(ステップS20)。
【0030】
一方、映像メディア解析部51は、着信先となるグループにおいて、着信に対応可能な電話端末が有るか否かを判定し(ステップS18)、1台も着信に対応可能となる電話端末が存在しなければ(ステップS18でNo)、映像メディア解析部51は、着信拒否と判定する(ステップS14)。あるいは、映像メディア解析部51は、着信先となるグループにおいて、着信に対応可能な電話端末が存在しても(ステップS18でYes)、そのコーデック能力が着信に応答不可能であれば(ステップS19でNo)、映像メディア解析部51は、着信拒否と判定する(ステップS14)。
【0031】
続いて、映像メディア解析部51の映像端末有無チェック部52における解析処理の動作を図6のフローチャートを参照して説明する。映像端末有無チェック部52は、着信制御部44に設定されているモードが「応答優先モード」であるか「映像通信優先モード」であるかを参照する(ステップS20)。その結果、「応答優先モード」であれば(ステップS21でYes)、映像端末有無チェック部52は、記憶部42を参照し(ステップS22)、着信先となるグループにおける全ての電話端末の能力をチェックする(ステップS23)。その結果、1台でも着信に対応不可となる電話端末が存在すれば(ステップS24でYes)、映像端末有無チェック部52は、着信不可と判定する(ステップS25)。一方、映像端末有無チェック部52は、着信先となるグループにおいて、着信に対応不可となる電話端末が有るか否かを判定し(ステップS24)、着信に対応不可となる電話端末が無ければ(ステップS24でNo)、映像端末有無チェック部52は、着信可と判定する(ステップS26)。
【0032】
あるいは、映像端末有無チェック部52は、着信制御部44に設定されているモードが「応答優先モード」であるか「映像通信優先モード」であるかを参照する(ステップS20)。その結果、「映像通信優先モード」であれば(ステップS21でNo)、映像端末有無チェック部52は、記憶部42を参照し(ステップS27)、着信先となるグループにおける一部の電話端末の能力をチェックする(ステップS27)。このチェックは、例えば、記憶部42のエントリを昇順または降順に調べて行き、1台でも着信に対応可能な電話端末が見つかれば、映像端末有無チェック部52は、そこでチェックを終了する。
【0033】
このようにして、映像端末有無チェック部52は、着信に対応可能な電話端末が有るか否かを判定する(ステップS29)。その結果、1台でも着信に対応可能となる電話端末が存在すれば(ステップS29でYes)、映像端末有無チェック部52は、着信可と判定する(ステップS30)。一方、映像端末有無チェック部52は、着信先となるグループにおいて、着信に対応可能な電話端末が有るか否かを判定し(ステップS29)、1台も着信に対応可能となる電話端末が存在しなければ(ステップS29でNo)、映像端末有無チェック部52は、着信不可と判定する(ステップS25)。
【0034】
続いて、コーデック能力分析部53の分析処理の動作を図7のフローチャートに示す。すなわち、コーデック能力分析部53は、記憶部42を参照し(ステップS31)、分析対象となる電話端末が有するコーデック能力と着信に応答可能なコーデックとを比較する(ステップS32)。その結果、分析対象となる電話端末が有するコーデック能力と着信に応答可能なコーデックとが一致したら(ステップS33でYes)、コーデック能力分析部53は、着信可と判定する(ステップS34)。一方、コーデック能力分析部53は、記憶部42を参照し(ステップS31)、分析対象となる電話端末が有するコーデック能力と着信に応答可能なコーデックとを比較し(ステップS32)、分析対象となる電話端末が有するコーデック能力と着信に応答可能なコーデックとが一致しなければ(ステップS33でNo)、コーデック能力分析部53は、着信不可と判定する(ステップS35)。
【0035】
このようにして、解析部41は、外線3からの着信に対して「着信拒否」または「着信許可」の判定を行う。すなわち、ボタン電話装置40はNGN網2に対して「488 Not Acceptable Here」というメッセージを送信することにより「着信拒否」である旨をNGN網2に通知する。
【0036】
NGN網2は、ボタン電話装置40からの「488 Not Acceptable Here」という「着信拒否」のメッセージを受け取ると、そのメッセージが先に送信した音声通信および映像通信の双方に対応する着信に対するものであることがわかる。そこで、NGN網2は、音声通信のみに対応する再着信をボタン電話装置40に対して送信する。その結果、図5のステップS13において対応不可となる電話端末が無くなるので、今度は着信許可となる。
【0037】
この様子を図8、図9のタイムチャートに示す。図8は、「映像通信優先モード」設定時のタイムチャートである。すなわち、図8に示すように、NGN網2からボタン電話装置40に音声信号および映像信号による着信が部署Cに到来する(ステップS40)。ボタン電話装置40は、「映像通信優先モード」に設定されているので、部署Cに映像通信対応可能な電話端末17、19、21があるためにNGN網2に対して着信許可を送信する(ステップS41)。また、ボタン電話装置40は、部署Cの電話端末17〜21に対して着信を行う(ステップS42)。なお、点線矢印は、着信に対応不可能な電話端末18、20に対する着信であり、無効となる着信である。また、ボタン電話装置40は、NGN網2に対して現在呼出中である旨の通知を行う(ステップS43)。
【0038】
ここで、電話端末21が着信に対して応答したとする(ステップS44)。ボタン電話装置40は、電話端末21の応答をNGN網2に対して転送する(ステップS45)。これにより、NGN網2を介して電話端末21と発信者(不図示)との間で音声信号および映像信号による外線通信が行われる(ステップS46)。
【0039】
また、図9は、「応答優先モード」設定時のタイムチャートである。すなわち、図9に示すように、NGN網2からボタン電話装置40に音声信号および映像信号による着信が部署Cに到来する(ステップS50)。ボタン電話装置40は、「応答優先モード」に設定されているので、部署Cに映像通信対応不可能な電話端末18、20があるためにNGN網2に対して着信拒否を送信する(ステップS51)。
【0040】
NGN網2は、ボタン電話装置40からのメッセージ“488 Not Acceptable Here”を受信すると、音声信号のみによる再着信を行う(ステップS52)。これにより、ボタン電話装置40では、先の着信拒否の理由が解消される。よって、ボタン電話装置40は、電話端末17〜21に対して着信を行う(ステップS53)。また、ボタン電話装置40は、NGN網2に対して現在呼出中である旨の通知を行う(ステップS54)。
【0041】
ここで、電話端末20が着信に対して応答したとする(ステップS55)。ボタン電話装置40は、電話端末20の応答をNGN網2に対して転送する(ステップS56)。これにより、NGN網2を介して電話端末20と発信者(不図示)との間で音声信号による外線通信が行われる(ステップS57)。
【0042】
以上説明した概要を図10に実態的に示す。図10に示すように、ボタン電話装置40は、NGN網2からの着信(INVITE)メッセージ中のSDP(Session Description Protocol)ヘッダからメディアに関する情報を取得して記憶部42に記憶する。なお、記憶部42に記憶されているTV電話♯1能力、TV電話♯2能力、電話♯1能力、電話♯2能力は、記憶部42において、各電話端末が活性化しているときにその能力を調べて保持しておくこととする。解析部41の映像端末有無チェック部52では、着信情報のメディアに映像通信(video)がある場合にチェックを行う。映像端末有無チェック部52は、着信先の電話端末の能力情報のメディアに映像通信(video)の有無をチェックする。また、コーデック能力分析部53では、着信先の電話端末に映像通信能力が有れば、着信情報と着信先の電話端末の能力情報のコーデック・サイズ・ビットレート・フレームレートが応答可能であるか否かをチェックする。なお、図10におけるSVGA(Super Video Graphics Array)、QVGA(Quarter Video Graphics Array)は、それぞれ画像サイズを示す。
【0043】
(プログラムに係る本発明の実施の形態)
また、ボタン電話装置40の各部(解析部41、記憶部42、判定部43、着信制御部44)を1つの制御部とし、この制御部は、所定のソフトウェア(請求項でいうプログラム)により動作する汎用の情報処理装置(CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal
Processor)、マイクロプロセッサ(マイクロコンピュータ)など)によって構成されてもよい。例えば、汎用の情報処理装置は、メモリ、CPU、入出力ポートなどを有する。汎用の情報処理装置のCPUは、メモリなどから所定のプログラムとして制御プログラムを読み込んで実行する。これにより、汎用の情報処理装置には、ボタン電話装置40の制御部の機能が実現される。
【0044】
なお、汎用の情報処理装置が実行する制御プログラムは、ボタン電話装置40の出荷前に、汎用の情報処理装置のメモリなどに記憶されたものであっても、ボタン電話装置40の出荷後に、汎用の情報処理装置のメモリなどに記憶されたものであってもよい。また、制御プログラムの一部が、ボタン電話装置40の出荷後に、汎用の情報処理装置のメモリなどに記憶されたものであってもよい。ボタン電話装置40の出荷後に、汎用の情報処理装置のメモリなどに記憶される制御プログラムは、例えば、CD−ROMなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に記憶されているものをインストールしたものであっても、インターネットなどの伝送媒体を介してダウンロードしたものをインストールしたものであってもよい。
【0045】
また、制御プログラムは、汎用の情報処理装置によって直接実行可能なものだけでなく、ハードディスクなどにインストールすることによって実行可能となるものも含む。また、圧縮されたり、暗号化されたりしたものも含む。
【0046】
(本発明の実施の形態に係る効果について)
以上説明したように、ボタン電話装置40を用いることにより、異なる信号種別による通信が可能な電話端末10〜21が混在するような環境下においても全ての電話端末10〜21が着信に対して応答可能とすることができる。
【0047】
また、ボタン電話装置40には「応答優先モード」と「映像通信優先モード」とを切替可能に設定できるので、ユーザが所望するモードを設定することができる。「応答優先モード」では、全ての電話端末10〜21が音声通信により応答することができる。さらに、このようなモード設定をグループ単位で行うことができる。例えば、上述した実施の形態における部署Aについては全ての電話端末10〜12が映像通信および音声通信に対応可能である。しかしながら、NGN網2の料金体系では、映像通信を伴う通信の方が音声通信のみの通信よりも料金が高いといった場合には、部署Aを「応答優先モード」としておく。これにより、部署Aにおいては、映像通信を伴う通信を拒絶し、音声通信のみにより応答することができる。
【0048】
あるいは、部署Aの中をさらにグループ分けし、電話端末10のみを1つのグループとみなし、他の電話端末11、12を別のグループとして分類する。そして、電話端末10のグループに対しては「映像通信優先モード」を設定し、電話端末11、12のグループに対しては「応答優先モード」を設定する。これによれば、部署Aの中で、電話端末10のみが映像通信を伴う通信が着信する専用の電話端末として機能する。
【0049】
このようにボタン電話装置40を用いることにより、様々なユーザの利用形態に対応することができる。
【0050】
(変形例)
本発明の実施の形態は、その要旨を逸脱しない限り、様々に変更が可能である。例えば、上述した実施の形態では、音声通信と映像通信とを例に挙げて説明したが、通信に用いる信号種別については、様々な信号種別を適用することができる。例えば、信号種別としては、音声通信と文字通信であってもよい。あるいは、信号種別としては、映像通信と文字通信であってもよい。また、信号種別としては、デジタル通信とアナログ通信であってもよい。あるいは、信号種別としては、同じ映像通信または音声通信であるが、コーデックが異なる映像通信または音声通信でもよい。
【0051】
また、グループの設定は、ユーザが操作入力によって手動により設定してもよいし、電話端末が設置された位置に応じてボタン電話装置40が自動的に設定するようにしてもよい。あるいは、ボタン電話装置40の出荷前にデフォルトのグループ設定をしておき、ユーザがこれをそのまま用いたり、一部を変更するなどして用いるようにしてもよい。
【0052】
また、NGN網2において、ボタン電話装置40からの着信拒否に応じて音声信号による再着信を行うとして説明した。このときに、ボタン電話装置40から着信拒否の理由をNGN網2に対して報告し、NGN網2ではその理由に応じて対応を変更するようにしてもよい。例えば、NGN網2において、ボタン電話装置40から映像信号による着信であったことが理由の着信拒否があったときには、音声信号による再着信を行う。しかしながら、ボタン電話装置40からの音声信号による着信であったことが理由の着信拒否があったときには、映像信号による再着信を行うなど、着信拒否の理由に応じて再着信の際の信号種別などの対応形態を様々に変更するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施の形態に係るボタン電話装置を含む電話通信システムの全体構成図である。
【図2】図1に示す解析部のブロック構成図である。
【図3】図1に示す記憶部における記憶内容を示す図である。
【図4】図2に示す端末状態解析部の解析処理の動作を示すフローチャートである。
【図5】図2に示す映像メディア解析部の解析処理の動作を示すフローチャートである。
【図6】図2に示す映像端末有無チェック部のチェック処理の動作を示すフローチャートである。
【図7】図2に示すコーデック能力分析部の分析処理の動作を示すフローチャートである。
【図8】図1に示す着信制御部に設定されているモードが「映像通信優先モード」であるときの着信手順を示すシーケンス図である。
【図9】図1に示す着信設定部に設定されているモードが「応答優先モード」であるときの着信手順を示すシーケンス図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る電話通信システムの実態的な処理動作を説明するための図である。
【図11】従来のボタン電話装置を含む電話通信システムの全体構成図である。
【符号の説明】
【0054】
1…電話通信システム、2…NGN網、3…外線、10〜21…電話端末、30、31、32…内線、40…ボタン電話装置、41…解析部(解析手段)、42…記憶部(記憶手段)、43…判定部(判定手段)、44…着信制御部(着信制御手段)、50…端末状態解析部、51…映像メディア解析部、52…映像端末有無チェック部、53…コーデック能力分析部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電話網に接続される外線と電話端末に接続される内線とを収容し、上記外線からの着信を上記内線を介して上記電話端末に接続するボタン電話装置において、
上記着信を接続する1以上の上記電話端末から成る上記電話端末のグループに対し、
上記グループに属する上記電話端末の種別を解析する解析手段と、
この解析手段の解析結果を記憶する記憶手段と、
この記憶手段に記憶されている上記電話端末の種別に基づき到来した上記着信に対して上記電話端末の応答が可能か否かを判定する判定手段と、
この判定手段の判定結果に基づき所定の制御を実施する着信制御手段と、
を備えることを特徴とするボタン電話装置。
【請求項2】
請求項1記載のボタン電話装置において、
前記解析手段は、前記電話端末が前記着信に対して応答可能な信号種別とその信号種別に対するコーデック能力とを解析する、
ことを特徴とするボタン電話装置。
【請求項3】
請求項1または2記載のボタン電話装置において、
前記着信制御手段は、前記グループに属する全ての前記電話端末が前記着信に対して応答が可能である場合に限り前記着信を前記電話端末に接続する第1のモードと、前記グループに属する一部の前記電話端末が前記着信に対して応答が可能である場合に前記着信を前記電話端末に接続する第2のモードと、
を切替可能に設定する手段を備える、
ことを特徴とするボタン電話装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項記載のボタン電話装置において、
前記着信制御手段は、前記第1のモードの設定により、前記グループに属する一部の前記電話端末が前記着信に対して応答が不可能である場合には、前記電話網に対して前記着信を拒否すると共に前記グループに属する全部の前記電話端末が応答可能となる信号種別による再着信を前記電話網に対して要求する、
ことを特徴とするボタン電話装置。
【請求項5】
請求項3記載のボタン電話装置において、
前記設定する手段は、前記グループ単位に前記第1のモードまたは前記第2のモードのいずれかを設定する、
ことを特徴とするボタン電話装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項記載のボタン電話装置において、
前記解析手段、前記記憶手段、前記判定手段および前記着信制御手段の機能を備える制御部を備える、
ことを特徴とするボタン電話装置。
【請求項7】
情報処理装置にインストールすることにより、その情報処理装置に、
請求項6記載のボタン電話装置における前記制御部の機能を実現させる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項記載のボタン電話装置と、
このボタン電話装置からの前記再着信の要求に対してこの要求に対応する信号種別による再着信を行う電話網と、
を備えることを特徴とする電話通信システム。
【請求項9】
電話網に接続される外線と電話端末に接続される内線とを収容し、上記外線からの着信を上記内線を介して上記電話端末に接続するボタン電話装置が行う着信制御方法において、
上記着信を接続する1以上の上記電話端末から成る上記電話端末のグループに対し、
上記グループに属する上記電話端末の種別を解析する解析ステップと、
この解析ステップの処理による解析結果を記憶する記憶ステップと、
この記憶ステップの処理により記憶されている上記電話端末の種別に基づき到来した上記着信に対して上記電話端末の応答が可能か否かを判定する判定ステップと、
この判定ステップの処理による判定結果に基づき所定の制御を実施する着信制御ステップと、
を有することを特徴とする着信制御方法。
【請求項10】
請求項9記載の着信制御方法において、
前記解析ステップの処理として、前記電話端末が前記着信に対して応答可能な信号種別とその信号種別に対するコーデック能力とを解析するステップを有する、
ことを特徴とする着信制御方法。
【請求項11】
請求項9または10記載の着信制御方法において、
前記着信制御ステップの処理として、前記グループに属する全ての前記電話端末が前記着信に対して応答が可能である場合に限り前記着信を前記電話端末に接続する第1のモードと、前記グループに属する一部の前記電話端末が前記着信に対して応答が可能である場合に前記着信を前記電話端末に接続する第2のモードと、
を切替可能に設定するステップを有する、
ことを特徴とする着信制御方法。
【請求項12】
請求項9から11のいずれか1項記載の着信制御方法において、
前記着信制御ステップの処理として、前記第1のモードの設定に伴い、前記グループに属する一部の前記電話端末が前記着信に対して応答が不可能である場合には、前記電話網に対して前記着信を拒否すると共に前記グループに属する全部の前記電話端末が応答可能となる信号種別による再着信を前記電話網に対して要求するステップを有する、
ことを特徴とする着信制御方法。
【請求項13】
請求項11記載の着信制御方法において、
前記切替可能に設定するステップの処理として、前記グループ単位に前記第1のモードまたは前記第2のモードのいずれかを設定するステップを有する、
ことを特徴とする着信制御方法。
【請求項1】
電話網に接続される外線と電話端末に接続される内線とを収容し、上記外線からの着信を上記内線を介して上記電話端末に接続するボタン電話装置において、
上記着信を接続する1以上の上記電話端末から成る上記電話端末のグループに対し、
上記グループに属する上記電話端末の種別を解析する解析手段と、
この解析手段の解析結果を記憶する記憶手段と、
この記憶手段に記憶されている上記電話端末の種別に基づき到来した上記着信に対して上記電話端末の応答が可能か否かを判定する判定手段と、
この判定手段の判定結果に基づき所定の制御を実施する着信制御手段と、
を備えることを特徴とするボタン電話装置。
【請求項2】
請求項1記載のボタン電話装置において、
前記解析手段は、前記電話端末が前記着信に対して応答可能な信号種別とその信号種別に対するコーデック能力とを解析する、
ことを特徴とするボタン電話装置。
【請求項3】
請求項1または2記載のボタン電話装置において、
前記着信制御手段は、前記グループに属する全ての前記電話端末が前記着信に対して応答が可能である場合に限り前記着信を前記電話端末に接続する第1のモードと、前記グループに属する一部の前記電話端末が前記着信に対して応答が可能である場合に前記着信を前記電話端末に接続する第2のモードと、
を切替可能に設定する手段を備える、
ことを特徴とするボタン電話装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項記載のボタン電話装置において、
前記着信制御手段は、前記第1のモードの設定により、前記グループに属する一部の前記電話端末が前記着信に対して応答が不可能である場合には、前記電話網に対して前記着信を拒否すると共に前記グループに属する全部の前記電話端末が応答可能となる信号種別による再着信を前記電話網に対して要求する、
ことを特徴とするボタン電話装置。
【請求項5】
請求項3記載のボタン電話装置において、
前記設定する手段は、前記グループ単位に前記第1のモードまたは前記第2のモードのいずれかを設定する、
ことを特徴とするボタン電話装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項記載のボタン電話装置において、
前記解析手段、前記記憶手段、前記判定手段および前記着信制御手段の機能を備える制御部を備える、
ことを特徴とするボタン電話装置。
【請求項7】
情報処理装置にインストールすることにより、その情報処理装置に、
請求項6記載のボタン電話装置における前記制御部の機能を実現させる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項記載のボタン電話装置と、
このボタン電話装置からの前記再着信の要求に対してこの要求に対応する信号種別による再着信を行う電話網と、
を備えることを特徴とする電話通信システム。
【請求項9】
電話網に接続される外線と電話端末に接続される内線とを収容し、上記外線からの着信を上記内線を介して上記電話端末に接続するボタン電話装置が行う着信制御方法において、
上記着信を接続する1以上の上記電話端末から成る上記電話端末のグループに対し、
上記グループに属する上記電話端末の種別を解析する解析ステップと、
この解析ステップの処理による解析結果を記憶する記憶ステップと、
この記憶ステップの処理により記憶されている上記電話端末の種別に基づき到来した上記着信に対して上記電話端末の応答が可能か否かを判定する判定ステップと、
この判定ステップの処理による判定結果に基づき所定の制御を実施する着信制御ステップと、
を有することを特徴とする着信制御方法。
【請求項10】
請求項9記載の着信制御方法において、
前記解析ステップの処理として、前記電話端末が前記着信に対して応答可能な信号種別とその信号種別に対するコーデック能力とを解析するステップを有する、
ことを特徴とする着信制御方法。
【請求項11】
請求項9または10記載の着信制御方法において、
前記着信制御ステップの処理として、前記グループに属する全ての前記電話端末が前記着信に対して応答が可能である場合に限り前記着信を前記電話端末に接続する第1のモードと、前記グループに属する一部の前記電話端末が前記着信に対して応答が可能である場合に前記着信を前記電話端末に接続する第2のモードと、
を切替可能に設定するステップを有する、
ことを特徴とする着信制御方法。
【請求項12】
請求項9から11のいずれか1項記載の着信制御方法において、
前記着信制御ステップの処理として、前記第1のモードの設定に伴い、前記グループに属する一部の前記電話端末が前記着信に対して応答が不可能である場合には、前記電話網に対して前記着信を拒否すると共に前記グループに属する全部の前記電話端末が応答可能となる信号種別による再着信を前記電話網に対して要求するステップを有する、
ことを特徴とする着信制御方法。
【請求項13】
請求項11記載の着信制御方法において、
前記切替可能に設定するステップの処理として、前記グループ単位に前記第1のモードまたは前記第2のモードのいずれかを設定するステップを有する、
ことを特徴とする着信制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−130362(P2010−130362A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−303033(P2008−303033)
【出願日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【出願人】(399040405)東日本電信電話株式会社 (286)
【出願人】(399041158)西日本電信電話株式会社 (215)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【出願人】(399040405)東日本電信電話株式会社 (286)
【出願人】(399041158)西日本電信電話株式会社 (215)
【Fターム(参考)】
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