説明

ボトル容器及びボトル容器の収納方法

【課題】 従来は、ボトル容器の上端に取付けられた密閉用のキャップを取り外して、例えば、飲料水を飲もうとした場合は、ボトル容器を一方の手で保持しておき、取り外したキャップを、別の手で保持して両手を用いて行わねばならず、キャップの収納が不便であった。
又、従来のボトル容器では、組合わせて、収納することが出来ないため、大きな段ボール箱等の収納手段が必要となり、その収納手段の製作費と、輸送サイズの大きさより、輸送費が大きな負担となっており、それが商品価格を、高くするという無駄が生じていた。
【解決手段】 ボトル容器の底部には、キャップ保持部が設けられており、前記保持部に対し、キャップを摩擦保持、又は引っかけ保持することにより飲用時の利便性を高める。
又、2段目のキャップ保持部に1段目のボトル容器のキャップを嵌め込み結合し、これを数段繰り返すことにより収納手段の高さ寸法を小さくすることが出来るボトル容器の収納方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体、粉状体、又は粒状体のボトル容器及びボトル容器の収納方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、飲料用等の液体、粉状体、又は粒状体のボトル容器及びボトル容器の収納方法に関しては、種々の形態のものが数多く供給され、また広く普及してきているが、いずれも使いづらい実際上の欠点を有していた。
従来は、ボトル容器の上端に取付けられた密閉用のキャップを取り外して、例えば、飲料水を飲もうとした場合は、ボトル容器を一方の手で保持しておき、取り外したキャップを、別の手で保持して両手を用いて行うか、又は、キャップを何れかの場所に置いて飲まねばならず、キャップの収納が不便であった。
【0003】
又、ボトル容器は、通常、数十本をまとめて段ボール箱等に、収納して運搬されるが、従来のボトル容器では、組み合わせて、収納することが出来ないため、大きな段ボール箱が必要となり、その段ボール箱の製作費と、輸送サイズの大きさより、輸送費が大きな負担となっており、それが商品価格を高くするという無駄が生じていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】 これらの問題を解消しようとするものとしては、[特開2004−175447号](以下、「引例1」という)が提案されている。
しかしこの引例においては、飲用時、キャップ保持具を、常に携帯しておく必要があり、必ずしも必要時に、手元に無かったり、紛失する可能性もあり、常時使用するには、これらの不便を生じており、キャップ保持具を使用しなくともキャップが収納できる構造、又は方法が望まれていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、飲用時の利便性の高いボトル容器と、ボトル容器の収納方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
液体、又は粉状体、又は粒状体のボトル容器であって、前記ボトル容器の底部には、キャップ保持部が設けられており、前記キャップ保持部に対し、キャップを摩擦保持させることを特徴とするボトル容器を提供する。
【0007】
前記キャップの嵌合い部の最大外径D2は、キャップ保持部の嵌合い部の最小内径D1に対し、D2−D1=−0.1mm以上〜+5.0mm以下に形成され、これが嵌合い公差となっていることを特徴とする請求項1記載のボトル容器を提供する。
【0008】
液体、又は粉状体、又は粒状体のボトル容器であって、前記ボトル容器の底部には、キャップ保持部が円周上連続した、又は断続した溝肩部が、設けられており、キャップの外径の一部には、円周上に連続した、又は断続した鍔部が設けられており、前記キャップ保持部の溝肩部に、前記キャップの鍔部を引っ掛け保持させることを特徴とするボトル容器を提供する。
【0009】
前記キャップの鍔部の最大外径D3は、キャップ保持部の溝肩部の最小内径D4に対し、D3−D4=+0.0mm以上〜+10.0mm以下に形成され、これが引っかけ寸法差となっていることを特徴とする請求項3記載のボトル容器を提供する。
【0010】
キャップの上部である非嵌合い部2b、4bの非嵌合い部外径D5は、D1、D4以下に

の関係に、構成したことを特徴とする請求項1、又は請求項2、又は請求項3、又は請求項4記載のボトル容器を提供する。
【0011】
ボトル容器の収納方法であって、2段目のキャップ保持部に1段目のボトル容器のキャップを挿入結合し、これを数段繰り返すことにより収納手段の高さ寸法を小さくすることが出来ることを特徴とする請求項1、又は請求項2、又は請求項3、又は請求項4記載、又は請求項5記載のボトル容器に関するボトル容器の収納方法を提供する。
【発明の効果】
【0012】
1)キャップを他方の手で持つ必要がなく、キャップ保持部に、取付けられて、片手で 飲用することが出来る。
2)1段目のボトル容器のキャップを、2段目のキャップ保持部に結合し、これを繰り 返すことによりと収納手段6の高さは(H2×段数N−1)の高さが小さくなり、 収納手段の製作費が安くなり、輸送サイズが小さくなることにより輸送費が大幅に 安くなり、その結果、商品価格を安くすることが出来る。
【0013】
3)キャップの上部である非嵌合い部2b、4bの外径D5は、D1、D4以下に形成 されているため、多段に上架する場合は、容易に挿入することが可能となる。又、 取り外しの際も、ほとんど抵抗なく外すことができ、短時間で能率良く配置するこ とが可能となる画期的効果を発揮することとなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施例1の断面図である。
【図2】実施例1のキャップを保持した状態の断面図である。
【図3】図2の部分拡大図である。
【図4】実施例2のキャップを保持した状態の断面図である。
【図5】図4の部分拡大図である。
【図6】実施例4のボトル容器の収納方法を示す断面図である。
【図7】実施例3の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、発明の効果に前述した如く、すなわち、ボトル容器の飲用時の利便性を高くし、更に収納手段の小型化と輸送費の削減を可能とする画期的な構成を実現したものである。
【0016】
なお、本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。以下図面に基づいて詳細を説明する。
【実施例1】
【0017】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
実施例1のボトル容器の断面図を、図1に示す。
【0018】
ボトル容器1の上端には、密閉用のキャップ2が、螺装等により取付けられており、ボトル容器1の底部には、キャップ保持部3が形成されている。
通常は、ボトル容器1内に飲料水等を充填し、保存したり、携帯して、飲用時は、キャップ2を取外して、開封状態とし飲用する。
【0019】
本発明の実施例1の構造によれば、キャップ2を、図2に示す如く、ボトル容器1の底部に設けられたキャップ保持部3に、嵌めこみ取付けることが出来る。キャップ2は、キャップ保持部3に摩擦接合されている。
そのため、キャップ2を他方の手で持つ必要がなく、キャップ保持部3に、取付けられて、片手で飲用することが出来る。
【0020】
ボトル容器の材質は、通常合成樹脂製、金属製、合成紙製であり、合成樹脂製の場合は、通称ペットボトルと言われるものは、ポリエチレンテレフタレート(PET)製のものが多用されている。又金属製の場合は、アルミニューム製、又は鉄製容器が多用されており、合成紙製の場合は、紙パックと言われるものが多用されている。
本発明のボトル容器は、合成樹脂製、又は金属製、又は合成紙製のいずれでもよい。
【0021】
本発明では、キャップ2とキャップ保持部3の寸法関係が、重要である。
キャップ2の最大外径D2は、キャップ保持部3の最小内径D1に対し、D2−D1=−0.1mm以上〜+5.0mm以下に形成され、これが嵌合い公差となっている。
【0022】
最小公差の−0.1ミリは、キャップ2の最大外径がキャップ保持部3の最小内径D1より、小さいことを意味しているが、現実にテストしてみると、キャップ2が、若干斜めに嵌められるとキャップ2とキャップ保持部3の弾性変形で、軽度の摩擦が発生し、軽く保持できることが分かっている。
【0023】
又、最大公差の+5.0mm以下は、キャップ2とキャップ保持部3の弾性変形で、押し込むことによりキャップ2が、キャップ保持部3に保持できるのである。
但し、+5.0ミリを超えると嵌合い公差が大きくなりすぎ、嵌め込みが困難になることと、外すのに大きな力を必要とし、使いずらさを生じるためである。
【実施例2】
【0024】
実施例2を図4、図5に示す。実施例2においては、キャップ4とキャップ保持部5は、は、引っかけ結合となっている。
キャップ4の外径の一部には、鍔部4aが設けられており、一方、キャップ保持部5には溝肩部5aが設けられている。
【0025】
キャップ4の鍔部4aの最大外径D3は、キャップ保持部5の溝肩部5aの最小内径D4に対し、D3−D4=+0.0mm以上〜+10.0mm以下に形成され、これが引っかけ寸法差となっている。
引っかけ寸法差+0.0mm以上に関しては、鍔部4aの最大外径が同一であることを意味しているが、現実にテストしてみると、キャップ4が、若干斜めに位置することにより、引っかけ状態が発生し、軽度に止まり外れないことが分かっている。
【0026】
又、引っかけ寸法差+10.0mm以下は、キャップ4の鍔部4aとキャップ保持部5の溝肩部5aの弾性変形で、押し込むことにより鍔部4aが、キャップ保持部5の溝肩部5aを押し広げ保持できるのである。
但し、+10.0ミリを超えると引っかけ寸法差が大きくなりすぎ、嵌め込みが困難になることと、外すのに大きな力を必要とし、使いずらさを生じるためである。
【0027】
図4、図5には、これらのキャップ4の鍔部4a及びキャップ保持部5の溝肩部5aは、どちらも円周上連続している形態を示している。
しかるに、キャップ4の鍔部4a及びキャップ保持部5の溝肩部5aの両方、又はいずれかを円周上断続した爪状に形成しても良い。
円周上断続した爪状に形成すると、キャップ保持部5の溝肩部5aが円周上無い位置に、キャップ4の鍔部4aの爪部を嵌込み挿入し、回転して引っかけ固定とすることもできる。
その場合は、引っかけ寸法差を、大きく形成しても良い。
【実施例3】
【0028】
図7に実施例3のキャップの別の形態の部分拡大断面図を示す。
図2〜図4に示すキャップ2又はキャップ4の形状は、嵌合い部範囲と、非嵌合い範囲も同一直径となっているが、図7の形態においては、キャップの上部である非嵌合い部2b、4bの非嵌合い部外径D5は、D1、又はD4以下に形成されている。

の関係に、構成する。
【0029】
このように構成されることで、図6に示す収納方法において、非嵌合い部2b、4bは、それらの上段のボトル容器のキャップ保持部3又は5に対し、外径が、小さいので、上架する場合は、容易に挿入することが可能となる。又、取り外しの際も、ほとんど抵抗なく外すことができる。
このように構成すると、図6に示すように多段に、収納する場合は、容易に挿入でき、短時間で、能率良く配置することが可能となる画期的効果を発揮することとなる。
【実施例4】
【0030】
次に、ボトル容器の収納方法について述べる。
ボトル容器は、前述の如く、通常数十本をまとめて段ボール箱等の収納手段6に、収納して運搬されるが、従来のボトル容器では、組み合わせて、収納することが出来ないため、大きな段ボール箱等が必要であった。
そのため、収納手段6の製作費が高くなり、輸送サイズの大きさより、輸送費が大きな負担となっており、それが商品価格を、高くするという無駄が生じていた。
本発明は、上記の課題を大幅に解決できる収納方法を提供することにある。
【0031】
図6にボトル容器の収納方法の全体概要図を示す。
ボトル容器1−1の上には、ボトル容器1−2が取付けられるが、ボトル容器1−2の底部のキャップ保持部3−2に対し、ボトル容器1−1のキャップ2−1が嵌めこまれ、相互に固定される。同様にボトル容器1−2の上には、ボトル容器1−3が取付けられるが、ボトル容器1−3の底部のキャップ保持部3−3に対し、ボトル容器1−2のキャップ2−2が嵌めこまれ、相互に固定される。これらを繰り返して適度な段数結合することができる。
【0032】
図6に示すように、ボトル容器の全高H1に対し、キャップ部の挿入部高さをH2とすると、ボトル容器の結合した上下ピッチH3は、例えばH2=H1×0.3に形成すると、これを繰り返すことにより収納手段6の高さはH2×(段数N−1)の高さが小さくなり、前述の効果を発揮することが出来る。
更に実施例3に示す形態とすることにより、能率的な収納が出来ることは、前述のとおりである。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明の活用例としては、以上説明したように、ボトル容器のキャップを、底部のキャップ保持部に、取付け使用できるため、飲用時の利便性が良くなり、加えて、収納手段の寸法を大幅に削減できるため、新商品の販売増による経済効果と、収納手段の製作費削減効果、輸送費の削減効果による大きな産業上の効果を発揮することができる。
【符号の説明】
【0034】
1 ボトル容器
2 キャップ
2b、4b 非嵌合い部
3 キャップ保持部
4 キャップ
4a 鍔部
5 キャップ保持部
5a 溝肩部
6 収納手段
D1 キャップ保持部の最小内径
D2 キャップの嵌合い部の最大外径
D3 キャップの鍔部の最大外径
D4 溝肩部5aの最小内径
D5 非嵌合い部外径
H1 全高
H2 挿入部高さ
H3 上下ピッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体、又は粉状体、又は粒状体のボトル容器であって、前記ボトル容器の底部には、キャップ保持部が設けられており、前記キャップ保持部に対し、キャップを摩擦保持させることを特徴とするボトル容器。
【請求項2】
前記キャップの嵌合い部の最大外径D2は、キャップ保持部の嵌合い部の最小内径D1に対し、D2−D1=−0.1mm以上〜+5.0mm以下に形成され、これが嵌合い公差となっていることを特徴とする請求項1記載のボトル容器。
【請求項3】
液体、又は粉状体、又は粒状体のボトル容器であって、前記ボトル容器の底部には、キャップ保持部が円周上連続した、又は断続した溝肩部が、設けられており、キャップの外径の一部には、円周上に連続した、又は断続した鍔部が設けられており、前記キャップ保持部の溝肩部に、前記キャップの鍔部を引っ掛け保持させることを特徴とするボトル容器。
【請求項4】
前記キャップの鍔部の最大外径D3は、キャップ保持部の溝肩部の最小内径D4に対し、D3−D4=+0.0mm以上〜+10.0mm以下に形成され、これが引っかけ寸法差となっていることを特徴とする請求項3記載のボトル容器。
【請求項5】
前記キャップの上部である非嵌合い部2b、4bの非嵌合い部外径D5は、D1、D4以

の関係に、構成したことを特徴とする請求項1、又は請求項2、又は請求項3、又は請求項4記載のボトル容器。
【請求項6】
ボトル容器の収納方法であって、2段目のキャップ保持部に1段目のボトル容器のキャップを挿入結合し、これを数段繰り返すことにより収納手段の高さ寸法を小さくすることが出来ることを特徴とする請求項1、又は請求項2、又は請求項3、又は請求項4記載、又は請求項5記載のボトル容器に関するボトル容器の収納方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−247891(P2010−247891A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−112305(P2009−112305)
【出願日】平成21年4月10日(2009.4.10)
【出願人】(509125202)
【Fターム(参考)】