説明

ボールねじのナットの製造方法及びボールねじのナット

【課題】表面硬化のための熱処理による熱変形を最小限に保ち、コストや手間をさらに低減したボールねじのナットの製造方法、及びその製造方法によって製造されるボールねじのナットを提供する。
【解決手段】内周面11に転動溝16が形成され、該転動溝16と、ねじ軸の外周面に形成された転動溝とで形成される軌道の間に配置されたボールを軌道の終点から始点に戻す一以上の循環溝15が内周面11に形成されたナット素材10の内周面11を高周波によって加熱すると共に、外周面12を冷却処理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ボールねじを構成するナットの製造方法及びその製造方法によって作製されたボールねじのナットに関する。
【背景技術】
【0002】
ボールねじは、内周面に転動溝が形成されたナットと、外周面に転動溝が形成されたねじ軸と、ナットの転動溝とねじ軸の転動溝で形成される軌道の間に配置されたボールと、前記ボールを軌道の終点から始点に戻すボール戻し経路とを備え、前記軌道内をボールが転動することで前記ナットがねじ軸に対して相対移動する装置である。
このようなボールねじのナットの表面を、侵炭焼入れによって硬化させる場合、熱処理に伴う歪みの増大に伴って、前記ナットの転動溝の研削仕上げを行う際の加工取り代が大きくなり、結果として加工能率が低くなる問題があった。
【0003】
そこで、このような問題を解決するために、加工能率を向上する硬化層の形成方法が特許文献1に開示されている。
特許文献1には、ナット全体を所定温度まで外径側から低周波コイルで加熱した後に、ナット内径側に配置された高周波コイルでナット内径を加熱して、転動溝に沿う均一な硬化層を形成することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−183735号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の方法は、ナット全体を所定の温度まで外径側から加熱した後、内径側から高周波コイルによる加熱を行うため、コイルの切替や、そのための設備等、コストや手間がかかる点で、改善の余地がある。
そこで、本発明は上記の問題点に着目してなされたものであり、その目的は、表面硬化のための熱処理による熱変形を最小限に保ち、コストや手間をさらに低減したボールねじのナットの製造方法、及びその製造方法によって製造されるボールねじのナットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の請求項1に係るボールねじのナットの製造方法は、内周面に転動溝が形成されたナットと、外周面に転動溝が形成されたねじ軸と、ナットの転動溝とねじ軸の転動溝とで形成される軌道の間に配置されたボールとを有し、前記ボールを前記軌道の終点から始点に戻す一以上の循環溝が前記ナットの内周面に形成されたボールねじのナットの製造方法であって、
前記ナットの硬化対象面を高周波によって加熱すると共に、前記硬化対象面の反対側の面を冷却処理した後、前記ナットの硬化対象面及びその反対側の面を冷却することを特徴としている。
【0007】
請求項1に係る発明によれば、前記ナットの内周面と外周面とを貫通する貫通孔が前記ナットに形成されていないため、高周波熱処理用のコイルの中心軸と、前記ナットの中心軸とを合致させることで前記ナット全体を均一に加熱することができる。
また、前記貫通孔が前記ナットに形成されていないので、前記ナットの冷却時にも前記
ナットを均一に冷却することもでき、結果として、前記ナットの熱変形を最小限に抑えることができる。
【0008】
さらに、前記ナットの加熱及び冷却に手間がかからないので、加熱プロセスから冷却プロセスへの迅速な移行が可能となり、結果として、焼入れ深さをコントロールしやすくなり、前記ナットの各部の硬さを最適な値にすることができる。
上記課題を解決するための本発明の請求項2に係るボールねじのナットの製造方法は、請求項1に記載のボールねじのナットの製造方法において、前記コイルが前記転動溝に沿った形状であることを特徴としている。
【0009】
請求項2に係る発明によれば、前記転動溝の略全体に亘って、深さ方向に均一な有効硬化層を形成することができる。
上記課題を解決するための本発明の請求項3に係るボールねじのナットは、内周面に転動溝が形成されたナットと、外周面に転動溝が形成されたねじ軸と、ナットの転動溝とねじ軸の転動溝とで形成される軌道の間に配置されたボールとを有し、前記ボールを前記軌道の終点から始点に戻す一以上の循環溝が前記ナットの内周面に形成されたボールねじのナットであって、
前記ナットが請求項1又は2に記載のボールねじのナットの製造方法によって作製されたことを特徴とすることを特徴としている。
【0010】
請求項3に係る発明によれば、表面硬化のための熱処理による熱変形を最小限に保ち、コストや手間をさらに低減したボールねじのナットを提供することができる。
上記課題を解決するための本発明の請求項4に係るボールねじのナットは、請求項3に記載のボールねじのナットにおいて、内周面の表面硬さがHRC58〜62であり、有効硬化層の硬さがHv550以上であり、有効硬化層の深さが0.4mm以上であり、芯部の硬さがHRC40以下であることを特徴としている。
【0011】
請求項4に係る発明によれば、転動疲労寿命を確保すると共に、靱性を向上させ、熱処理による変形を抑制するという効果を奏する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、表面硬化のための熱処理による熱変形を最小限に保ち、コストや手間をさらに低減したボールねじのナットの製造方法、及びその製造方法によって製造されるボールねじのナットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係るボールねじのナットの製造方法の一実施形態を説明する図である。
【図2】本発明に係るボールねじのナットの製造方法の一実施形態で使用する金型を構成するカムスライダ及びカムドライバの嵌め合い状態を示す平面図(a)と、カムスライダを示す斜視図(b)と、カムドライバを示す斜視図(c)である。
【図3】本発明に係るボールねじのナットの製造方法の一実施形態を説明する図であり、(a)は、ナット素材の切削加工の状態を示す斜視図であり、(b)は、(a)に示すナット素材と切削工具を矢印VB方向に見た図である。
【図4】本発明に係るボールねじのナットの製造方法の一実施形態を説明する図であり、(a)は、ナット素材の切削加工後における軸線方向断面図であり、(b)は、ナット素材の切削加工後における斜視図である。
【図5】本発明に係るボールねじのナットの製造方法の一実施形態における焼入れ工程を説明する図である。
【図6】本発明に係るボールねじのナットと、従来のボールねじのナットのそれぞれの循環溝の表面からの深さと硬さとの関係を比較したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係るボールねじの製造方法、及びその製造方法によって製造されるボールねじのナットの一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明に係るボールねじのナットの製造方法の一実施形態を説明する図である。また、図2は、本発明に係るボールねじのナットの製造方法の一実施形態で使用する金型を構成するカムスライダ及びカムドライバの嵌め合い状態を示す平面図(a)と、カムスライダを示す斜視図(b)と、カムドライバを示す斜視図(c)である。
【0015】
<金型>
図1に示すように、本実施形態に使用する金型50は、ナット素材10を保持する凹部21を有する素材ホルダ20と、ナット素材10の内部に配置するカムスライダ30及びカムドライバ40とを備えている。
【0016】
<カムスライダ>
カムスライダ30は、図2(a)及び(b)に示すように、外周面31と軸方向に平行な平面32を有する略半円柱状部材であって、外周面31をなす円の径は、ナット素材10の内周面11をなす円11aの径より僅かに小さい。カムスライダ30の平面32には、径方向の中央部に、軸方向に延びる斜面33が形成されている。この斜面33は、軸方向一端(上端)の凹部34の底面ライン34aと、平面32の下端をなすライン32dを結ぶ平面に相当する。また、ボール戻し経路をなすS字状凹部15に対応するS字状凸部35が、カムスライダ30の外周面31に形成されている。
【0017】
<カムドライバ>
カムドライバ40は、図2(c)に示すように、長尺な板状部材であって、一方の側面41がカムスライダ30の斜面33と同じ傾斜の斜面になっている。他方の側面42は、ナット素材10の内周面11をなす円11aに沿った円周面となっている。カムドライバ40の軸方向寸法は、カムスライダ30の軸方向寸法より長い。また、カムドライバ40の厚さは、カムスライダ30の凹部34の開口幅(斜面33の両側面間の寸法)に相当する厚さより僅かに薄い。
カムスライダ30の斜面31とカムドライバ40の傾斜した側面41が、金型50のカム機構を構成する。
【0018】
<ボールねじのナットの製造方法>
本発明に係るボールねじのナットの製造方法は、ナット素材10の内周面11に循環溝を形成する循環溝形成工程と、形成された循環溝の位置に基づいて内周面11に転動溝を形成する転動溝形成工程とを含む。
[ナット素材の材料]
ここで、ナット素材10の材料としては、S53C、又はSAE4150であることが好ましい。
[循環溝形成工程]
金型50を用い、以下の方法で、ナット素材10の内周面11にボール戻し経路(循環溝)をなすS字状凹部15を形成する。
【0019】
まず、素材ホルダ20の凹部21にナット素材10を配置し、ナット素材10の内部に、カムスライダ30を、凹部34側を上にし、S字状凸部35をナット素材10の内周面11に向けて挿入する。次に、カムスライダ30とナット素材10の間にカムドライバ40を挿入する。その際に、カムスライダ30の凹部34にカムドライバ40の側面41側の部分を嵌めて、カムスライダ30の斜面33とカムドライバ40の傾斜した側面41を
接触させる。図1(a)はこの状態を示す。
【0020】
次に、ナット素材10の内周面11にボール戻し経路をなすS字状凹部15を鍛造加工によって形成する。具体的には、プレス圧を掛けてカムドライバ40を上から押すと、カムドライバ40の傾斜した側面41からカムスライダ30の斜面33に力が伝達される。これに伴い、カムドライバ40の下向きの力がカムスライダ30を径方向外側へ動かす力に変換されて、カムスライダ30に形成されたS字状凸部35が、ナット素材10の内周面11を押して塑性加工される。図1(b)はこの状態を示す。
【0021】
これにより、ナット素材10の内周面11にボール戻し経路をなすS字状凹部15が形成される。
よって、この実施形態の方法によれば、軸方向寸法が長く内径が小さいナットを製造する場合でも、カムドライバ4に破損を生じさせずにS字状凹部15を形成することができる。
【0022】
なお、ナット素材10の内周面11に二つのS字状凹部を形成する場合は、上述の方法で一つのS字状凹部15を形成した後、カムドライバ40を抜いてから、カムスライダ30を動かして凸部35の位置を変えるように底部に台座等を置いたり、凸部35の位置の異なるカムスライダを用いたりする等して、再度カムドライバ40を挿入して上述の方法を行う。三つ以上のS字状凹部15を形成する場合はこれを繰り返す。
【0023】
[転動溝形成工程]
次に、循環溝15が形成されたナット素材10の内周面11に、転動溝16を形成する。図3は、本発明に係るボールねじのナットの製造方法の一実施形態を説明する図であり、(a)は、ナット素材の切削加工の状態を示す斜視図であり、(b)は、(a)に示すナット素材と切削工具を矢印VB方向に見た図である。また、図4は、本発明に係るボールねじのナットの製造方法の一実施形態を説明する図であり、(a)は、ナット素材の切削加工後における軸線方向断面図であり、(b)は、ナット素材の切削加工後における斜視図である。
【0024】
ここでは、図3に示すような切削工具Tを用いて切削加工を行う。切削工具Tは、回転軸Taの外周に、刃物Tbを形成している。刃物Tbの切削面(周方向に対向する面)は、転動溝16の形状に一致する。回転軸Taは、その軸線O回りに回転(図3(b)のA)するが、それとは独立して偏心軸Q回りに公転(図3(b)のB)する。なお、このように切削工具Tを自転及び公転させる機構としては、例えば遊星歯車機構(図示せず)の遊星歯車に回転軸Taを連結した構成が考えられるが、それに限られない。
【0025】
この切削加工を行う場合、ナット素材10の端面近辺では自転する刃物の公転軌道を、自転する刃物Tbがナット素材10の内周面11に接触しないよう公転軌道中心よりに逃がすことが必要となる。さらに図5に示すように、切削工具Tの回転軸Taを所定の軸線方向位置で半径方向外方にシフトさせ、転動溝16のピッチで軸線方向に送り出しながら公転させつつ、より速い速度で自転させることで、360度未満の螺旋状の転動溝16を、ナット素材10の内周面に切削形成することができる。このとき、循環溝15に軸線方向位置及び位相を合わせることで、図4に示すように、各循環溝15が転動溝16の両端に接続するように形成できる。図3に示す切削工具Tでは、2本の転動溝16を形成するためには、同じナット素材10について2回切削加工することになるが、回転軸Ta上に刃物Tbを2つ形成すれば、一度の切削加工で形成できる。
【0026】
[焼入れ工程]
次に、ナット素材10に対して焼入れ処理を行う。この焼入れ処理では、図5に示すよ
うに、まず、コイル50の軸とナット素材10の軸とが同軸になるように、ナット素材10の内周面11にコイル50を挿入する。そして、コイル50に高周波電流(交流)を流し、ナット素材10の内周面11を加熱する。このとき、ナット素材10の外周面12も同時に冷却処理する。この冷却処理は、例えば、内周面用、外周面用の冷却水ノズルから同時に冷却水を噴射したり、加熱されたナット素材10を冷却液中に浸漬させたりして行われ、図4及び図5に示すような、外周面を冷却するための冷却水(冷却液)が内周面に接触しないようにする治具などが用いられる。また、コイル50の形状は、転動溝16に沿うように形成され、配置されることが好ましい。このように、ナット素材10には、その内周面11と外周面12とを貫通する貫通孔が形成されていないので、ナット素材10の内周面11が均一に加熱される。
【0027】
次に、ナット素材10の内周面と外周面とを冷却水で冷却する。この冷却処理においても、ナット素材10には、その内周面11と外周面12とを貫通する貫通孔が形成されていないので、従来のように貫通孔に冷却水が流入して、当該貫通孔付近の冷却速度が速まることはなく、ナット素材10の内周面11が均一に冷却される。その後、ナット素材10を焼戻し処理して、本発明に係る循環溝が一体かつ、ねじ溝が均一に硬化されたボールねじのナットを得る。
【0028】
以上説明したように、本実施形態によれば、前記ナットの内周面と外周面とを貫通する貫通孔が前記ナットに形成されていないため、高周波熱処理用のコイルの中心軸と、前記ナットの中心軸とを合致させることで前記ナット全体を均一に加熱することができる。
また、前記貫通孔がナット素材10に形成されていないので、前記ナットの冷却時にも前記ナットを均一に冷却することもでき、結果として、前記ナットの熱変形を最小限に抑えることができる。
【0029】
また、ナット素材10の外周面12を冷却しながら、内周面11の表面を高周波熱処理しているので、当該内周面11の加熱範囲の拡大を防止でき、有効硬化層の形成範囲をコントロールしやすくなる。
また、特許文献1の加熱方法をコマ式のボールねじに適用した場合、内周面に有効硬化層を形成した後、コマ孔を形成する必要があるが、本実施形態では、ナット素材に貫通孔が形成されず、転動溝及び循環溝が内周面に形成されているので、ナット素材10の加熱及び冷却に手間がかからない。したがって、加熱プロセスから冷却プロセスへの迅速な移行が可能となり、結果として、焼入れ深さをコントロールしやすくなり、前記ナットの各部の硬さを最適な値にすることができる。
【0030】
<ボールねじのナット>
以上のようにして製造されたボールねじのナット1は、内周面11に転動溝16及び循環溝15が形成されている。
そして、このナット1の内周面11の表面硬さは、HRC58〜62であり、有効硬化層の硬さがHv550以上であり、有効硬化層の深さが0.4mm以上であり、芯部の硬さがHRC40以下である。
ここで、前記「有効硬化層」とは、限界硬さ(Hv550)までの層を指し、前記「芯部」とは、肉厚中心を指す。
【0031】
以上説明したように、ナット1の内周面11の表面硬さが上記の範囲となるようにナット素材10を加熱及び冷却すると、図6に示すように、有効硬化層深さを確保しながら、焼き入れされない層を多くできるであることがわかる。すなわち、表面硬化のための熱処理による熱変形を最小限に保ち、コストや手間をさらに低減したボールねじのナットの製造方法、及びその製造方法によって製造されるボールねじのナットを提供することができる。
【0032】
(他の実施形態)
本発明に係るボールねじのナットの製造方法の他の実施形態として、ナット素材10の内周面11を冷却した状態で、ナット素材10の外周面12を高周波熱処理によって硬化させて有効硬化層を形成してもよい。例えば、ナット1の外周面12に、フランジ部や、ナット1を回転させるためのギア部に有効硬化層を形成したい場合、これらフランジ部やギア部に対してコイル50を配置し、コイル50に高周波電流(交流)を流して有効硬化層を形成する。これにより、ナット素材10の内周面11と外周面12とを貫通する貫通孔がナット素材10に形成されていないので、ナット素材10の内周面11と外周面12とを別個独立に焼入れできる。
【0033】
以上、本発明に係るボールねじのナットの製造方法、及びその製造方法によって製造されるボールねじのナットの実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能である。例えば、本発明に係るボールねじのナットの製造方法、及びその製造方法によって製造されるボールねじのナットは、ねじ軸循環を採用したボールねじのナットにも適用できる。
【符号の説明】
【0034】
1 ボールねじのナット
10 ナット素材
11 内周面
12 外周面
15 循環溝
16 転動溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内周面に転動溝が形成されたナットと、外周面に転動溝が形成されたねじ軸と、ナットの転動溝とねじ軸の転動溝とで形成される軌道の間に配置されたボールとを有し、前記ボールを前記軌道の終点から始点に戻す一以上の循環溝が前記ナットの内周面に形成されたボールねじのナットの製造方法であって、
硬化する対象の面を高周波によって加熱すると共に、前記硬化する対象の面の反対側の面を冷却処理した後、前記ナットの硬化対象面及びその反対側の面を冷却することを特徴とするボールねじのナットの製造方法。
【請求項2】
前記コイルが前記転動溝に沿った形状であることを特徴とする請求項1に記載のボールねじのナットの製造方法。
【請求項3】
内周面に転動溝が形成されたナットと、外周面に転動溝が形成されたねじ軸と、ナットの転動溝とねじ軸の転動溝とで形成される軌道の間に配置されたボールとを有し、前記ボールを前記軌道の終点から始点に戻す一以上の循環溝が前記ナットの内周面に形成されたボールねじのナットであって、
前記ナットが請求項1又は2に記載のボールねじのナットの製造方法によって作製されたことを特徴とすることを特徴とするボールねじのナット。
【請求項4】
前記内周面の表面硬さがHRC58〜62であり、有効硬化層の硬さがHv550以上であり、有効硬化層の深さが0.4mm以上であり、芯部の硬さがHRC40以下であることを特徴とする請求項3に記載のボールねじのナット。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−180539(P2012−180539A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−42528(P2011−42528)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000004204)日本精工株式会社 (8,378)
【Fターム(参考)】