説明

ポジ型感光性樹脂組成物

【課題】基板面内におけるパターン寸法のばらつきを低減することのできるポジ型感光性樹脂組成物を提供。
【解決手段】特定の構造を主成分とする樹脂、感光剤および溶剤を含有するポジ型感光性樹脂組成物であって、前記感光剤が、下記一般式(2)で表されるフェノール化合物とナフトキノンジアジドスルホン酸とのエステル化物であって、一般式(2)におけるフェノール性水酸基の85モル%以上がナフトキノンジアジドスルホン酸によりエステル化されている化合物を含有することを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポジ型感光性樹脂組成物に関する。より詳しくは、半導体素子表面の表面保護膜、層間絶縁膜、有機電界発光素子の絶縁層などに適したポジ型感光性樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリイミドやポリベンゾオキサゾールに代表される樹脂は、優れた耐熱性、電気絶縁性を有することから、半導体素子の表面保護膜、層間絶縁膜、有機電界発光素子の絶縁層などに用いられている。近年、半導体素子の微細化に伴い、表面保護膜や層間絶縁膜などにも数μmレベルの解像度が要求されている。このため、このような用途において、微細加工可能なポジ型感光性ポリイミド組成物やポジ型感光性ポリベンゾオキサゾール組成物が多く用いられている。
【0003】
ポジ型感光性樹脂組成物に用いられる感光剤としては、ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化合物が広く知られている。例えば、アルカリ可溶性樹脂と、キノンジアジドスルホン酸エステル化合物を含有するポジ型フォトレジスト組成物が提案されている(例えば、特許文献1〜2参照)。また、アルカリ可溶性樹脂と、特定構造のフェノールのナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化合物を含むポジ型感光性樹脂組成物(例えば、特許文献3〜4参照)、ノボラック樹脂、ポリイミド前駆体などの耐熱性樹脂前駆体、キノンジアジド化合物、アルコキシメチル基含有化合物および溶剤を含有するポジ型感光性樹脂組成物(例えば、特許文献5〜6参照)、ポリイミド前駆体などの耐熱性樹脂前駆体とキノンジアジド化合物を含有するポジ型感光性樹脂前駆体組成物(例えば、特許文献7参照)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−161305号公報
【特許文献2】特開2003−195495号公報
【特許文献3】特開2008−58548号公報
【特許文献4】特開2008−52079号公報
【特許文献5】特開2008−22457号公報
【特許文献6】特開2008−257210号公報
【特許文献7】特開2004−117999号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記各文献に記載された感光剤を含むポジ型感光性樹脂組成物により、高解像度・高残膜率が実現されている。一方で、これらポジ型感光性樹脂組成物を用いて形成された樹脂膜パターンは、SiやSiNなどの半導体素子に用いられる基板面内においてサブμmレベルの寸法ばらつきが生じる場合があった。近年の基板の大型化とパターンの微細化に伴い、基板面内におけるパターン寸法ばらつきの課題が顕在化している。そこで本発明は、基板面内におけるパターン寸法のばらつきを低減することのできるポジ型感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、下記一般式(1)で表される構造を主成分とする樹脂、感光剤および溶剤を含有するポジ型感光性樹脂組成物であって、前記感光剤が、下記一般式(2)で表されるフェノール化合物とナフトキノンジアジドスルホン酸とのエステル化物であって、一般式(2)におけるフェノール性水酸基の85モル%以上がナフトキノンジアジドスルホン酸によりエステル化されている化合物を含有することを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物である。
【0007】
【化1】

【0008】
上記一般式(1)中、RおよびRはそれぞれ同じでも異なっていてもよく、炭素数2以上の2〜8価の有機基を示す。RおよびRはそれぞれ同じでも異なっていてもよく、水素または炭素数1〜20の1価の有機基を示す。nは10〜100,000の範囲を示す。mおよびfはそれぞれ独立に0〜2の整数、pおよびqはそれぞれ独立に0〜4の整数を示す。ただし、m+q≠0、p+q≠0である。
【0009】
【化2】

【0010】
上記一般式(2)中、Rは水素または炭素数1〜20の1価の有機基を示す。R〜Rはそれぞれ独立に、水素または炭素数1〜20の1価の有機基を示す。ただし、(5−a)個のR、(5−b)個のRおよび(5−c)個のRのうち少なくとも1つはフェノール性水酸基を含む炭素数6以上の1価の有機基である。a、bおよびcはそれぞれ独立に、1〜4の整数を示す。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、基板面内におけるパターン寸法のばらつきを低減することのできるポジ型感光性樹脂組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、下記一般式(1)で表される構造を主成分とする樹脂、感光剤および溶剤を含有する。
【0013】
下記一般式(1)で表される構造を主成分とする樹脂は、加熱あるいは適当な触媒により、イミド環、オキサゾール環、その他の環状構造を有するポリマーとなり得るものである。好ましくは、ポリイミド前駆体のポリアミド酸やポリアミド酸エステル、ポリベンゾオキサゾール前駆体のポリヒドロキシアミドなどが挙げられる。環状構造となることで、耐熱性、耐溶剤性が飛躍的に向上する。ここで、主成分とは、一般式(1)で表される構造のうちのn個の構造単位を、ポリマーの構造単位の50モル%以上有することを意味する。70モル%以上が好ましく、90モル%以上がより好ましい。
【0014】
【化3】

【0015】
上記一般式(1)中、RおよびRはそれぞれ同じでも異なっていてもよく、炭素数2以上の2〜8価の有機基を示す。RおよびRはそれぞれ同じでも異なっていてもよく、水素または炭素数1〜20の1価の有機基を示す。nは10〜100,000の範囲を示す。mおよびfはそれぞれ独立に0〜2の整数、pおよびqはそれぞれ独立に0〜4の整数を示す。ただし、m+q≠0、p+q≠0である。
【0016】
上記一般式(1)中、Rは炭素数2以上の2〜8価の有機基を示し、酸の構造成分を表している。Rが2価となる酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、ビス(カルボキシフェニル)プロパンなどの芳香族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸などを挙げることができる。Rが3価となる酸としては、トリメリット酸、トリメシン酸などのトリカルボン酸を挙げることができる。Rが4価となる酸としては、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸などのテトラカルボン酸を挙げることができる。また、ヒドロキシフタル酸、ヒドロキシトリメリット酸などの水酸基を有する酸も挙げることができる。これら酸成分を2種以上用いてもよいが、テトラカルボン酸残基を1〜40モル%含むことが好ましい。
【0017】
は耐熱性の面から芳香族環を含有することが好ましく、炭素数6〜30の3価または4価の有機基がさらに好ましい。具体的には、一般式(1)のR(COORm(OH)として下記に示す構造などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0018】
【化4】

【0019】
上記一般式(1)中、Rは炭素数2以上の2〜8価の有機基を示し、ジアミンの構造成分を表している。この中で、得られる樹脂の耐熱性の点より、芳香族環を有するものが好ましい。ジアミンの具体的な例としては、フッ素原子を有する、ビス(アミノ−ヒドロキシ−フェニル)ヘキサフルオロプロパン、フッ素原子を有さない、ジアミノジヒドロキシピリミジン、ジアミノジヒドロキシピリジン、ヒドロキシ−ジアミノ−ピリミジン、ジアミノフェノール、ジヒドロキシベンチジン、ジアミノ安息香酸、ジアミノテレフタル酸などの化合物や、一般式(1)のR(COORf(OH)qが下記に示す構造であるものなどが挙げられるが、これらに限定されない。これらジアミンを2種以上用いてもよい。
【0020】
【化5】

【0021】
【化6】

【0022】
上記ジアミンにかえて、他のジアミンを用いてもよいし、他のジアミンを共重合することもできる。このような他のジアミンの例として、フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルエーテル、アミノフェノキシベンゼン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ビス(トリフルオロメチル)ベンチジン、ビス(アミノフェノキシフェニル)プロパン、ビス(アミノフェノキシフェニル)スルホンや、これらの芳香族環の水素原子の少なくとも一部をアルキル基やハロゲン原子で置換した化合物、脂肪族のシクロヘキシルジアミン、メチレンビスシクロヘキシルアミン、ヘキサメチレンジアミンなどが挙げられる。これら他のジアミンの残基の含有量は、アルカリ現像液に対する溶解性の観点から、ジアミン残基の1〜40モル%が好ましい。
【0023】
一般式(1)のRおよびRは、各々同じでも異なっていてもよく、水素または炭素数1〜20の1価の有機基を示す。得られる感光性樹脂組成物の溶液安定性の観点からは、RおよびRは有機基が好ましいが、アルカリ水溶液に対する溶解性の観点からは、水素が好ましい。本発明においては、水素原子と有機基を混在させることができる。このRおよびRの水素と有機基の量を調整することで、アルカリ水溶液に対する溶解速度が変化するので、この調整により適度な溶解速度を有した感光性樹脂組成物を得ることができる。好ましい範囲は、RおよびRの各々10〜90モル%が水素原子である。RおよびRの炭素数が20を越えるとアルカリ水溶液に溶解しなくなる。以上よりRおよびRは、炭素数1〜16の炭化水素基を少なくとも1つ以上含有し、その他は水素原子であることが好ましい。
【0024】
また、一般式(1)のmおよびfはカルボキシル基の数を示しており、それぞれ独立に0〜2の整数を示す。好ましくは1または2である。一般式(1)のpおよびqはそれぞれ独立に0〜4の整数を示し、m+q≠0、かつ、p+q≠0である。アルカリ水溶液に対する溶解性の観点から、p+q≠0であることが必要である。
【0025】
一般式(1)のnは樹脂の構造単位の繰り返し数を示し、10〜100,000の範囲である。nが10未満であると、樹脂のアルカリ水溶液に対する溶解性が大きくなり過ぎ、露光部と未露光部のコントラストが得られず所望のパターンが形成できない場合がある。一方、nが100,000より大きいと、樹脂のアルカリ水溶液に対する溶解性が小さくなり過ぎ、露光部が溶解せず、所望のパターンが形成できない。樹脂のアルカリ水溶液に対する溶解性の面から、nは1,000以下が好ましく、100以下がより好ましい。また、伸度向上の面から、nは20以上が好ましい。
【0026】
一般式(1)のnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)や光散乱法、X線小角散乱法などで重量平均分子量(Mw)を測定することで容易に算出できる。繰り返し単位の分子量をM、ポリマーの重量平均分子量をMwとすると、n=Mw/Mである。本発明における繰り返し数nは、ポリスチレン換算によるGPC測定を用いて算出する値をいう。
【0027】
さらに、基板との接着性を向上させるために、耐熱性を低下させない範囲で一般式(1)のRおよび/またはRに、シロキサン構造を有する脂肪族の基を共重合してもよい。具体的には、ジアミン成分として、ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、ビス(p−アミノ−フェニル)オクタメチルペンタシロキサンなどを1〜10モル%共重合したものなどが挙げられる。
【0028】
また、一般式(1)で表される構造を主成分とする樹脂の末端に末端封止剤を反応させることができる。樹脂の末端を水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、チオール基、ビニル基、エチニル基、アリル基などの官能基を有するモノアミン、酸無水物、酸クロリド、モノカルボン酸などにより封止することで、樹脂のアルカリ水溶液に対する溶解速度を好ましい範囲に調整することができる。モノアミン、酸無水物、酸クロリド、モノカルボン酸などの末端封止剤の含有量は、全アミン成分に対して5〜50モル%が好ましい。
【0029】
樹脂中に導入された末端封止剤は、以下の方法で容易に検出できる。例えば、末端封止剤が導入された樹脂を酸性溶液に溶解し、樹脂の構成単位であるアミン成分と酸無水成分に分解し、これをガスクロマトグラフ(GC)や、NMR測定することにより、末端封止剤を容易に検出できる。これとは別に、末端封止剤が導入された樹脂を直接、熱分解ガスクロマトグラフ(PGC)や赤外スペクトルおよび13C−NMRスペクトル測定で検出することが可能である。
【0030】
一般式(1)で表される構造を主成分とする樹脂は次の方法により合成される。ポリアミド酸またはポリアミド酸エステルの場合、例えば、低温中でテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物、末端封止に用いるモノアミノ化合物を反応させる方法、テトラカルボン酸二無水物とアルコールとによりジエステルを得、その後ジアミン化合物、モノアミノ化合物と縮合剤の存在下で反応させる方法、テトラカルボン酸二無水物とアルコールとによりジエステルを得、その後残りのジカルボン酸を酸クロリド化し、ジアミン化合物、モノアミノ化合物と反応させる方法などがある。ポリヒドロキシアミドの場合、ビスアミノフェノール化合物とジカルボン酸、モノアミノ化合物を縮合反応させる方法が挙げられる。具体的には、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)などの脱水縮合剤と酸を反応させ、ここにビスアミノフェノール化合物、モノアミノ化合物を加える方法や、ピリジンなどの3級アミンを加えたビスアミノフェノール化合物、モノアミノ化合物の溶液にジカルボン酸ジクロリドの溶液を滴下する方法などがある。
【0031】
一般式(1)で表される構造を主成分とする樹脂は、上記の方法で重合させた後、多量の水やメタノール/水の混合液などに投入し、沈殿させて濾別乾燥し、単離することが望ましい。この沈殿操作によって未反応のモノマーや、2量体や3量体などのオリゴマー成分が除去され、熱硬化後の膜特性が向上する。
【0032】
本発明のポジ型感光性樹脂組成物には、一般式(1)で表される構造を主成分とする樹脂に加えて、アルカリ可溶性のフェノール樹脂を含有してもよい。フェノール樹脂の含有量は、一般式(1)で表される構造を主成分とする樹脂100重量部に対し、70重量部以上が好ましく、140重量部以上がより好ましい。この範囲であれば、感度がより向上する。また、熱硬化後の機械特性の観点からは、170重量部以下が好ましい。
【0033】
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、下記一般式(2)で表されるフェノール化合物とナフトキノンジアジドスルホン酸とのエステル化物であって、一般式(2)におけるフェノール性水酸基の85モル%以上がナフトキノンジアジドスルホン酸によりエステル化されている化合物を含有する。一般に、ポリイミド前駆体またはポリベンゾオキサゾール前駆体を含有するポジ型感光性樹脂組成物は、SiやSiNなどの半導体素子に用いられる基板上に塗布し、露光後、アルカリ水溶液により現像し、パターン形成を行うが、形成されたパターンは基板面内においてサブμmレベルのパターン寸法のばらつきが発生する。本発明においては、一般式(2)で表されるフェノール化合物とナフトキノンジアジドスルホン酸とのエステル化物であって、一般式(2)におけるフェノール性水酸基の85モル%以上がナフトキノンジアジドスルホン酸によりエステル化されている化合物を用いることにより、前記一般式(1)で表される構造を主成分とする樹脂含有するポジ型感光性樹脂組成物であっても、基板面内におけるパターン寸法のばらつきを低減させることができる。分子中にフェノール性水酸基を4個以上有するフェノール化合物のナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化物を用いることにより、基板面内におけるパターン寸法のばらつきを低減することができる。かかる効果は、1分子中に含まれるナフトキノンジアジドスルホニル基の数が多いほど向上し、6個以上が好ましく、9個以上がより好ましい。一方、エステル化率が85モル%未満であると、アルカリ水溶液に対する溶解速度が高くなりすぎ、基板面内におけるパターン寸法のばらつきが大きくなる。90モル%以上が好ましい。
【0034】
【化7】

【0035】
上記一般式(2)中、Rは水素または炭素数1〜20の1価の有機基を示す。R〜Rはそれぞれ独立に、水素または炭素数1〜20の1価の有機基を示す。ただし、(5−a)個のR、(5−b)個のRおよび(5−c)個のRのうち少なくとも1つはフェノール性水酸基を含む炭素数6以上の1価の有機基である。a、bおよびcはそれぞれ独立に、1〜4の整数を示す。
【0036】
上記一般式(2)中、Rは水素または炭素数1〜20の1価の有機基を示す。炭素数1〜20の1価の有機基が好ましく、感光剤の耐熱性を向上させ、パターン寸法の基板面内ばらつきをより低減することができる。有機基としては、例えば、炭素数1〜20のアルキル基や炭素数1〜20のアルケニル基、炭素数1〜20のアリール基などの炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基などが挙げられる。アルキル基としては、メチル基、エチル基、ブチル基、プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基などの炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。アルコキシ基は水酸基などにより置換されていてもよく、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、ヒドロキシプロポキシ基、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基などの炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましい。アリール基は水酸基、アルキル基、アルケニル基などにより置換されていてもよく、o−ヒドロキシフェニル基、m−ヒドロキシフェニル基、p−ヒドロキシフェニル基、o−(3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチニル)フェニル基、m−(3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチニル)フェニル基、p−(3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチニル)フェニル基、o−(3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ペンチニル)フェニル基、m−(3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ペンチニル)フェニル基、p−(3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ペンチニル)フェニル基、o−(3−ヒドロキシ−3−エチル−1−ペンチニル)フェニル基、m−(3−ヒドロキシ−3−エチル−1−ペンチニル)フェニル基、p−(3−ヒドロキシ−3−エチル−1−ペンチニル)フェニル基、o−ニトロフェニル基、m−ニトロフェニル基、p−ニトロフェニル基、o−メチロールフェニル基、m−メチロールフェニル基、p−メチロールフェニル基、o−メチルベンゾエート基、m−メチルベンゾエート基、p−メチルベンゾエート基などが挙げられる。アルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基、アリル基、ブテニル基などの炭素数2〜4のアルケニル基が好ましい。
【0037】
一般式(2)中、R〜Rはそれぞれ独立に、水素または炭素数1〜20の1価の有機基を示す。ただし、(5−a)個のR、(5−b)個のRおよび(5−c)個のRのうち少なくとも1つはフェノール性水酸基を含む炭素数6以上の1価の有機基である。有機基としては、前述のRの例として示した基が挙げられる。フェノール性水酸基を含む炭素数6以上の1価の有機基としては、o−ヒドロキシフェニル基、m−ヒドロキシフェニル基、p−ヒドロキシフェニル基、o−(3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチニル)フェニル基、m−(3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチニル)フェニル基、p−(3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチニル)フェニル基、o−(3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ペンチニル)フェニル基、m−(3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ペンチニル)フェニル基、p−(3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ペンチニル)フェニル基、o−(3−ヒドロキシ−3−エチル−1−ペンチニル)フェニル基、m−(3−ヒドロキシ−3−エチル−1−ペンチニル)フェニル基、p−(3−ヒドロキシ−3−エチル−1−ペンチニル)フェニル基、o−ニトロフェニル基、m−ニトロフェニル基、p−ニトロフェニル基、o−メチロールフェニル基、m−メチロールフェニル基、p−メチロールフェニル基、o−メチルベンゾエート基、m−メチルベンゾエート基、p−メチルベンゾエート基などが挙げられる。
【0038】
一般式(2)で表されるフェノール化合物としては、具体的には以下に示す化合物が挙げられる。これらを2種以上組み合わせてもよい。
【0039】
【化8】

【0040】
一般式(2)で表されるフェノール化合物とナフトキノンジアジドスルホン酸とのエステル化物であって、一般式(2)におけるフェノール性水酸基の85モル%以上がナフトキノンジアジドスルホン酸によりエステル化されている化合物は、例えば前記一般式(2)で表されるフェノール化合物の水酸基の一部または全部を、1,2−ナフトキノンジアジド−5−(および/または−4−)スルホニルクロリドと、塩基性触媒の存在下で通常のエステル化反応を行うことにより得られる。すなわち、所定量のフェノール化合物と1,2−ナフトキノンジアジド−5−(および/または−4−)スルホニルクロリド、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、N−メチルピロリドン等の溶媒をフラスコ中に仕込み、例えば水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、トリエチルアミン等の塩基性触媒を滴下させて縮合する。縮合反応の温度は、−20〜60℃が一般的であり、0〜40℃が好ましい。得られた生成物は、水洗後生成し乾燥することが好ましい。
【0041】
以上のエステル化反応においてはエステル化数およびエステル化位置が種々異なる混合物が得られる。本発明で言うエステル化率はこの混合物の平均値として定義される。なお、フェノール化合物のエステル化率は、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)により得られるピークの面積比から算出することができる。エステル化率は、原料であるフェノール化合物と1,2−ナフトキノンジアジド−5−(および/または−4−)スルホニルクロリドとの混合比により調整できる。すなわち、添加された1,2−ナフトキノンジアジド−5−(および/または−4−)スルホニルクロリドは実質上すべてエステル化反応を起こすので、所望のエステル化率の混合物を得るためには原料のモル比を調整すればよい。本発明においては、前記一般式(2)で表されるフェノール化合物のフェノール性水酸基の85モル%以上のナフトキノンジアジドスルホン酸を用いることが好ましく、90モル%以上がより好ましい。
【0042】
本発明において、ナフトキノンジアジドスルホン酸は5−ナフトキノンジアジドスルホン酸、4−ナフトキノンジアジドスルホン酸のいずれも好ましく用いられる。4−ナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物は水銀灯のi線領域に吸収を持っており、i線露光に適している。5−ナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物は水銀灯のg線領域まで吸収が伸びており、g線露光に適している。本発明においては、露光する波長によって4−ナフトキノンジアジドスルホン酸、5−ナフトキノンジアジドスルホン酸を選択することが好ましい。また、同一分子中に4−ナフトキノンジアジドスルホニル基と5−ナフトキノンジアジドスルホニル基を有するナフトキノンジアジドスルホニルエステル化合物を用いることもできるし、4−ナフトキノンジアジドスルホン酸と5−ナフトキノンジアジドスルホン酸を組み合わせて使用することもできる。
【0043】
上記感光剤の含有量は、一般式(1)で表される樹脂100重量部に対して、好ましくは3重量部以上40重量部以下である。
【0044】
また、本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、必要に応じてアルコキシメチル基含有化合物を含有することができる。本発明において、アルコキシメチル基を含有する化合物の具体例としては、以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されない。これらを2種以上含有してもよい。
【0045】
【化9】

【0046】
アルコキシメチル基含有化合物の含有量は、架橋密度を上げ、耐薬品性および機械特性をより向上させる観点から、樹脂の総量100重量部に対して、10重量部以上30重量部以下が好ましい。
【0047】
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、シラン化合物を含有することができ、下地基板との接着性を向上させることができる。シラン化合物の具体例としては、N−フェニルアミノエチルトリメトキシシラン、N−フェニルアミノエチルトリエトキシシラン、N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニルアミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニルアミノブチルトリメトキシシラン、N−フェニルアミノブチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシランや、以下に示す構造を有するシラン化合物を挙げることができるが、これらに限定されない。これらを2種以上含有してもよい。
【0048】
【化10】

【0049】
シラン化合物の含有量は、樹脂の総量100重量部に対して、0.01重量部以上15重量部以下が好ましい。この範囲内であれば、ポジ型感光性樹脂組成物の耐熱性を保ったまま、接着助剤として十分な効果を得ることができる。
【0050】
また、フェノール性水酸基を有する化合物を含有することができる。フェノール性水酸基を有する化合物を含有することで、得られるポジ型感光性樹脂組成物は、露光前はアルカリ現像液にほとんど溶解せず、露光すると容易にアルカリ現像液に溶解するために、現像による膜減りが少なく、かつ短時間で現像が容易になる。フェノール性水酸基を有する化合物として特に好ましい化合物は、Bis−Z、TekP−4HBPA、TrisP−HAP、TrisP−PA、BisRS−2P、BisRS−3P(以上、商品名、本州化学工業(株)製)、BIR−PC、BIR−PTBP、BIR−BIPC−F(以上、商品名、旭有機材工業(株)製)などである。
【0051】
フェノール性水酸基を有する化合物の含有量は、樹脂の総量100重量部に対して、3重量部以上40重量部以下が好ましい。
【0052】
また、必要に応じて上記、ポジ型感光性樹脂組成物と基板との塗れ性を向上させる目的で、界面活性剤、乳酸エチルやプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類、エタノールなどのアルコール類、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類を含有してもよい。また、二酸化ケイ素、二酸化チタンなどの無機粒子、あるいはポリイミドの粉末などを含有することもできる。
【0053】
本発明のポジ型感光性樹脂組成物の製造方法を例示する。例えば、一般式(1)で表される構造を主成分とする樹脂、一般式(2)で表されるフェノール化合物とナフトキノンジアジドスルホン酸とのエステル化物であって、一般式(2)におけるフェノール性水酸基の85モル%以上がナフトキノンジアジドスルホン酸によりエステル化されている化合物、溶剤、および必要によりその他成分をガラス製のフラスコやステンレス製の容器に入れてメカニカルスターラーなどによって撹拌溶解させる方法、超音波で溶解させる方法、遊星式撹拌脱泡装置で撹拌溶解させる方法などが挙げられる。組成物の粘度は1〜10000mPa・sが好ましい。また、異物を除去するために0.1μm〜5μmのポアサイズのフィルターで濾過してもよい。
【0054】
次に、本発明のポジ型感光性樹脂組成物を用いて耐熱性樹脂パターンを形成する方法について説明する。
【0055】
ポジ型感光性樹脂組成物を基板上に塗布する。基板はシリコンウエハー、セラミックス類、ガリウムヒ素、金属、ガラス、金属酸化絶縁膜、窒化ケイ素、ITOなどが用いられるが、これらに限定されない。塗布方法はスピンナを用いた回転塗布、スプレー塗布、ロールコーティング、スリットダイコーティングなどの方法がある。また、塗布膜厚は、塗布手法、組成物の固形分濃度、粘度などによって異なるが、通常、乾燥後の膜厚が、0.1〜150μmになるように塗布される。
【0056】
次に、ポジ型感光性樹脂組成物を塗布した基板を乾燥して、感光性樹脂膜を得る。乾燥はオーブン、ホットプレート、赤外線などを使用し、50〜150℃の範囲で1分間〜数時間行うことが好ましい。
【0057】
次に、この感光性樹脂膜上に所望のパターンを有するマスクを通して化学線を照射し、露光する。露光に用いられる化学線としては紫外線、可視光線、電子線、X線などがあるが、本発明では水銀灯のi線(365nm)、h線(405nm)、g線(436nm)を用いることが好ましい。
【0058】
感光性樹脂膜から耐熱性樹脂のパターンを形成するには、露光後、現像液を用いて露光部を除去すればよい。現像液は、テトラメチルアンモニウムの水溶液、ジエタノールアミン、ジエチルアミノエタノール、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、ジエチルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、酢酸ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノエチルメタクリレート、シクロヘキシルアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのアルカリ性を示す化合物の水溶液が好ましい。また場合によっては、これらのアルカリ水溶液にN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、ジメチルアクリルアミドなどの極性溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソブチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類などを1種以上添加してもよい。現像後は水にてリンス処理をすることが好ましい。ここでもエタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類などを水に加えてリンス処理をしてもよい。
【0059】
現像後、200〜500℃の温度を加えて耐熱性樹脂被膜に変換する。この加熱処理は温度を選び、段階的に昇温するか、ある温度範囲を選び連続的に昇温しながら5分間〜5時間実施することが一般的である。一例としては、130℃、200℃、350℃で各30分間ずつ熱処理する方法、室温から320℃まで2時間かけて直線的に昇温する方法などが挙げられる。
【0060】
本発明のポジ型感光性樹脂組成物により形成した耐熱性樹脂被膜は、半導体のパッシベーション膜、半導体素子の保護膜、高密度実装用多層配線の層間絶縁膜、有機電界発光素子の絶縁層などの用途に好適に用いられる。
【実施例】
【0061】
以下、実施例等をあげて本発明を説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。なお、合成したキノンジアジド化合物のエステル化率、実施例中のポジ型感光性樹脂組成物の評価は以下の方法で行った。
【0062】
エステル化率の測定
合成したキノンジアジド化合物をアセトニトリルに溶解させ、HPLC測定を行った。得られたチャートのピークの面積比から、フェノール化合物のナフトキノンジアジドによるエステル化率を算出した。
【0063】
感光性樹脂膜の作製
8インチシリコンウエハ上に、ポジ型感光性樹脂組成物(以下ワニスと呼ぶ)をプリベーク後の膜厚T1(塗布後膜厚)=10.0μmとなるように塗布し、ついでホットプレート(東京エレクトロン(株)製の塗布現像装置Mark−7)を用いて、120℃で3分間プリベークすることにより、感光性樹脂膜を得た。
【0064】
膜厚の測定方法
大日本スクリーン製造(株)製ラムダエースVM−1210を使用し、プリベーク後および現像後の膜は、屈折率1.629で測定した。
【0065】
露光
露光機(Nikon社製i線ステッパーNSR−2005i9C)に、パターンの切られたレチクルをセットし、365nmの強度で露光時間を変化させて感光性樹脂膜をi線で露光した。
【0066】
現像
東京エレクトロン(株)製Mark−7の現像装置を用い、50回転で水酸化テトラメチルアンモニウムの2.38重量%水溶液を10秒間、露光後の膜に噴霧した。この後、0回転で30秒間静置し、400回転で水にてリンス処理し、3000回転で10秒振り切り乾燥した。
【0067】
パターン寸法の面内均一性評価
露光および現像後、ライン幅4.5〜5.5μm(マスク上ライン幅:2μm)の孤立ラインパターンの幅をSEMにて倍率5000倍で測定し、パターン寸法とした。8インチウエハ面内上10箇所に形成された孤立ラインパターンのパターン寸法をそれぞれ測定し、その平均値、レンジおよび標準偏差を算出した。
【0068】
合成例1 ヒドロキシル基含有酸無水物(a)の合成
乾燥窒素気流下、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(BAHF)18.3g(0.05モル)とアリルグリシジルエーテル34.g(0.3モル)をガンマブチロラクトン(GBL)100gに溶解させ、−15℃に冷却した。ここにGBL50gに溶解させた無水トリメリット酸クロリド22.1g(0.11モル)を反応液の温度が0℃を越えないように滴下した。滴下終了後、0℃で4時間反応させた。この溶液をロータリーエバポレーターで濃縮して、トルエン1Lに投入して、下記式で表されるヒドロキシル基含有酸無水物(a)を得た。
【0069】
【化11】

【0070】
合成例2 ヒドロキシル基含有ジアミン化合物(b)の合成
BAHF18.3g(0.05モル)をアセトン100mL、プロピレンオキシド17.4g(0.3モル)に溶解させ、−15℃に冷却した。ここに3−ニトロベンゾイルクロリド20.4g(0.11モル)をアセトン100mLに溶解させた溶液を滴下した。滴下終了後、−15℃で4時間反応させ、その後室温に戻した。析出した白色固体をろ別し、50℃で真空乾燥した。
【0071】
得られた固体30gを300mLのステンレスオートクレーブに入れ、メチルセルソルブ250mLに分散させ、5%パラジウム−炭素を2g加えた。ここに水素を風船で導入して、激しく撹拌した。約2時間後、風船がこれ以上しぼまないことを確認して反応を終了させた。反応終了後、ろ過して触媒であるパラジウム化合物を除き、ロータリーエバポレーターで濃縮し、下記式で表されるヒドロキシル基含有ジアミン化合物(b)を得た。
【0072】
【化12】

【0073】
合成例3 ヒドロキシル基含有ジアミン(c)の合成
2−アミノ−4−ニトロフェノール15.4g(0.1モル)をアセトン50mL、プロピレンオキシド30g(0.34モル)に溶解させ、−15℃に冷却した。ここにイソフタル酸クロリド11.2g(0.055モル)をアセトン60mLに溶解させた溶液を徐々に滴下した。滴下終了後、−15℃で4時間反応させた。その後、室温に戻して生成している沈殿をろ過で集めた。
【0074】
この沈殿をGBL200mLに溶解させて、5%パラジウム−炭素3gを加えて、激しく撹拌した。ここに水素ガスを入れた風船を取り付け、室温で水素ガスの風船がこれ以上縮まない状態になるまで撹拌を続け、さらに2時間水素ガスの風船を取り付けた状態で撹拌した。撹拌終了後、ろ過して触媒であるパラジウム化合物を除き、溶液をロータリーエバポレーターで半量になるまで濃縮した。ここにエタノールを加えて、再結晶を行い、下記式で表されるヒドロキシル基含有ジアミン(c)の結晶を得た。
【0075】
【化13】

【0076】
合成例4 ヒドロキシル基含有ジアミン(d)の合成
2−アミノ−4−ニトロフェノール15.4g(0.1モル)をアセトン100mL、プロピレンオキシド17.4g(0.3モル)に溶解させ、−15℃に冷却した。ここに4−ニトロベンゾイルクロリド20.4g(0.11モル)をアセトン100mLに溶解させた溶液を徐々に滴下した。滴下終了後、−15℃で4時間反応させた。その後、室温に戻して生成している沈殿をろ過で集めた。この後、合成例2と同様にして、下記式で表されるヒドロキシル基含有ジアミン(d)の結晶を得た。
【0077】
【化14】

【0078】
合成例5 キノンジアジド化合物(e)の合成
TrisP−PA(商品名、本州化学工業(株)製)21.23g(0.050モル)、5−ナフトキノンジアジドスルホニル酸クロリド(NAC5)、37.69g(0.140モル)を2Lフラスコに入れ、1,4−ジオキサン450gに溶解させ、室温にした。ここに、1,4−ジオキサン50gと混合したトリエチルアミン12.85gを系内が35℃以上にならないように滴下した。滴下後40℃で2時間撹拌した。トリエチルアミン塩を濾過し、濾液を水に投入した。その後、析出した沈殿を濾過で集めた。この沈殿を真空乾燥機で乾燥させ、下記式で表されるキノンジアジド化合物(e)を得た。
【0079】
【化15】

【0080】
合成例6 キノンジアジド化合物(f)の合成
TekP−4HBPA(商品名、本州化学工業(株)製)、22.99g(0.040モル)、NAC5 38.77g(0.144モル)を2Lフラスコに入れ、1,4−ジオキサン450gに溶解させ、室温にした。ここに、1,4−ジオキサン50gと混合したトリエチルアミン13.21gを系内が35℃以上にならないように滴下した。滴下後40℃で2時間撹拌した。トリエチルアミン塩を濾過し、濾液を水に投入した。その後、析出した沈殿を濾過で集めた。この沈殿を真空乾燥機で乾燥させ、下記式で表されるキノンジアジド化合物(f)を得た。
【0081】
【化16】

【0082】
合成例7 キノンジアジド化合物(g)の合成
TrisOC−HAP(商品名、本州化学工業(株)製)69g(0.2モル)と20%水酸化ナトリウム水溶液113gを1Lフラスコに入れ、撹拌して均一に溶解させた。ここに35%ホルムアルデヒド水溶液17g(0.2モル)を1時間かけて滴下し、さらに、18時間撹拌した。撹拌中、温度は35〜40℃に保った。撹拌終了後、得られた反応物を15%の塩酸で中和し、さらに2時間撹拌して析出した結晶を濾過した。得られた結晶から分取HPLCでモノメチロール体を分取し、エバポレータによって溶媒を除去して結晶を得た。この結晶をメタノール104gに加えて撹拌し、溶解させた。この溶液を濾過した後、40℃で乾燥した。
【0083】
得られた固体7.5g、メタノール5.0gとフェノール18.8gを500mLのフラスコに入れ、溶解させた。溶液を30℃以下に保ちながら35%塩酸水溶液を0.91g滴下して添加し、55℃で4時間撹拌して、TrisOC−HAPのヒドロキシメチル基に対する付加縮合反応を行い、下記式で表されるフェノール化合物(X)を得た。このようにして得られたフェノール化合物(X)を、メタノールから繰り返して再結晶を行い、精製した。
【0084】
続いて、フェノール化合物(X)18.26g(0.040モル)、NAC5 38.77g(0.144モル)を2Lフラスコに入れ、1,4−ジオキサン450gに溶解させ、室温にした。ここに、1,4−ジオキサン50gと混合したトリエチルアミン13.21gを系内が35℃以上にならないように滴下した。滴下後40℃で2時間撹拌した。トリエチルアミン塩を濾過し、濾液を水に投入した。その後、析出した沈殿を濾過で集めた。この沈殿を真空乾燥機で乾燥させ、下記式で表されるキノンジアジド化合物(g)を得た。
【0085】
【化17】

【0086】
合成例8 キノンジアジド化合物(h)の合成
TrisDimer(商品名、本州化学工業(株)製)、21.27g(0.030モル)、NAC5 41.19g(0.153モル)を2Lフラスコに入れ、1,4−ジオキサン450gに溶解させ、室温にした。ここに、1,4−ジオキサン50gと混合したトリエチルアミン14.04gを系内が35℃以上にならないように滴下した。滴下後40℃で2時間撹拌した。トリエチルアミン塩を濾過し、濾液を水に投入した。その後、析出した沈殿を濾過で集めた。この沈殿を真空乾燥機で乾燥させ、下記式で表されるキノンジアジド化合物(h)を得た。
【0087】
【化18】

【0088】
合成例9 キノンジアジド化合物(i)の合成
乾燥窒素気流下、TPPHBA920−P(商品名、本州化学工業(株)製)、18.58g(0.020モル)とNAC5 42.00g(0.156モル)を1,4−ジオキサン450gに溶解させ、室温にした。ここに、1,4−ジオキサン50gと混合したトリエチルアミン14.32gを系内が35℃以上にならないように滴下した。滴下後30℃で2時間撹拌した。トリエチルアミン塩を濾過し、ろ液を水に投入した。その後、析出した沈殿をろ過で集めた。この沈殿を真空乾燥機で乾燥させ、下記式で表されるキノンジアジド化合物(i)を得た。
【0089】
【化19】

【0090】
合成例10 キノンジアジド化合物(j)の合成
TPHAP940−P(商品名、本州化学工業(株)製)、18.86g(0.020モル)、NAC5 32.31g(0.120モル)を2Lフラスコに入れ、1,4−ジオキサン450gに溶解させ、室温にした。ここに、1,4−ジオキサン50gと混合したトリエチルアミン11.01gを系内が35℃以上にならないように滴下した。滴下後40℃で2時間撹拌した。トリエチルアミン塩を濾過し、濾液を水に投入した。その後、析出した沈殿を濾過で集めた。この沈殿を真空乾燥機で乾燥させ、下記式で表されるキノンジアジド化合物(j)を得た。
【0091】
【化20】

【0092】
合成例11 キノンジアジド化合物(k)の合成
TPHAP940−P(商品名、本州化学工業(株)製)、18.86g(0.020モル)、NAC5 42.00g(0.156モル)を2Lフラスコに入れ、1,4−ジオキサン450gに溶解させ、室温にした。ここに、1,4−ジオキサン50gと混合したトリエチルアミン14.32gを系内が35℃以上にならないように滴下した。滴下後40℃で2時間撹拌した。トリエチルアミン塩を濾過し、濾液を水に投入した。その後、析出した沈殿を濾過で集めた。この沈殿を真空乾燥機で乾燥させ、下記式で表されるキノンジアジド化合物(k)を得た。
【0093】
【化21】

【0094】
合成例12 キノンジアジド化合物(l)の合成
乾燥窒素気流下、TPHAP940−P(商品名、本州化学工業(株)製)、18.86g(0.020モル)、NAC5 46.31g(0.172モル)を1,4−ジオキサン450gに溶解させ、室温にした。ここに、1,4−ジオキサン50gと混合したトリエチルアミン15.78gを系内が35℃以上にならないように滴下した。滴下後30℃で2時間撹拌した。トリエチルアミン塩を濾過し、ろ液を水に投入した。その後、析出した沈殿をろ過で集めた。この沈殿を真空乾燥機で乾燥させ、下記式で表されるキノンジアジド化合物(l)を得た。
【0095】
【化22】

【0096】
合成例13 ノボラック樹脂Aの合成
乾燥窒素気流下、m−クレゾール70.2g(0.65モル)、p−クレゾール37.8g(0.35モル)、37重量%ホルムアルデヒド水溶液75.5g(ホルムアルデヒド0.93モル)、シュウ酸二水和物0.63g(0.005モル)、メチルイソブチルケトン264gを仕込んだ後、油浴中に浸し、反応液を還流させながら、4時間重縮合反応を行った。その後、油浴の温度を3時間かけて昇温し、その後に、フラスコ内の圧力を40〜67hPaまで減圧して揮発分を除去し、室温まで冷却してノボラック樹脂Aのポリマー固体を得た。GPCから重量平均分子量は3500であった。
【0097】
合成例14 ポリマーAの合成
乾燥窒素気流下、4,4’−ジアミノフェニルエーテル(DAE)4.60g(0.023モル)、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン(SiDA)1.24g(0.005モル)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)50gに溶解させた。ここに合成例1で得られたヒドロキシル基含有酸無水物(a)21.4g(0.030モル)をNMP14gとともに加えて、20℃で1時間撹拌し、次いで40℃で2時間撹拌した。その後、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール7.14g(0.06モル)をNMP5gで希釈した溶液を10分かけて滴下した。滴下後、40℃で3時間撹拌した。反応終了後、溶液を水2Lに投入して、ポリマー固体の沈殿をろ過で集めた。ポリマー固体を50℃の真空乾燥機で72時間乾燥し、ポリイミド前駆体のポリマーAを得た。GPCにより得られたポリマーの重量平均分子量を測定し、n=10〜100,000の範囲内にあることを確認した。
【0098】
合成例15 ポリマーBの合成
乾燥窒素気流下、合成例2で得られたヒドロキシル基含有ジアミン(b)13.90g(0.023モル)をNMP50gに溶解させた。ここに合成例1で得られたヒドロキシル基含有酸無水物(a)17.5g(0.025モル)をピリジン30gとともに加えて、40℃で2時間撹拌した。その後、N,N−ジメチルホルムアミドジエチルアセタール7.35g(0.05モル)をNMP5gで希釈した溶液を10分かけて滴下した。滴下後、40℃で2時間撹拌した。反応終了後、溶液を水2Lに投入して、ポリマー固体の沈殿をろ過で集めた。ポリマー固体を80℃の真空乾燥機で72時間乾燥しポリイミド前駆体のポリマーBを得た。GPCにより得られたポリマーの重量平均分子量を測定し、n=10〜100,000の範囲内にあることを確認した。
【0099】
合成例16 ポリマーCの合成
乾燥窒素気流下、合成例3で得られたヒドロキシル基含有ジアミン化合物(c)15.13g(0.040モル)、SiDA1.24g(0.005モル)をNMP50gに溶解させた。ここに3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸無水物(ODPA)15.51g(0.05モル)をNMP21gとともに加えて、20℃で1時間撹拌し、次いで50℃で1時間撹拌した。その後、N,N−ジメチルホルムアミドジエチルアセタール13.2g(0.09モル)をNMP15gで希釈した溶液を10分かけて滴下した。滴下後、40℃で3時間撹拌した。反応終了後、溶液を水2Lに投入して、ポリマー固体の沈殿をろ過で集めた。ポリマー固体を80℃の真空乾燥機で72時間乾燥しポリイミド前駆体のポリマーCを得た。GPCにより得られたポリマーの重量平均分子量を測定し、n=10〜100,000の範囲内にあることを確認した。
【0100】
合成例17 ポリマーDの合成
乾燥窒素気流下、合成例4で得られたヒドロキシル基含有ジアミン化合物(d)4.37g(0.018モル)とDAE4.51g(0.0225モル)とSiDA0.62g(0.0025モル)をNMP70gに溶解させた。ここに合成例1で得られたヒドロキシル基含有酸無水物(a)24.99g(0.035モル)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)4.41g(0.010モル)を室温でNMP25gとともに加え、そのまま室温で1時間、その後40℃で1時間撹拌した。その後、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール13.09g(0.11モル)をNMP5gで希釈した溶液を10分かけて滴下した。滴下後、40℃で3時間撹拌した。反応終了後、溶液を水2Lに投入して、ポリマー固体の沈殿をろ過で集めた。ポリマー固体を80℃の真空乾燥機で72時間乾燥しポリイミド前駆体のポリマーDを得た。GPCにより得られたポリマーの重量平均分子量を測定し、n=10〜100,000の範囲内にあることを確認した。
【0101】
合成例18 ポリマーEの合成
乾燥窒素気流下、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸ジクロライド(DEDC)1モルと1−ヒドロキシベンゾトリアゾール2モルとを反応させて得られたジカルボン酸誘導体19.70g(0.040モル)とBAHF18.31g(0.050モル)をNMP200gに溶解させ、75℃で12時間撹拌し反応を終了した。反応終了後、溶液を水/メタノール=3/1(体積比)の溶液3Lに投入して、ポリマー固体の沈殿をろ過で集めた。ポリマー固体を80℃の真空乾燥機で20時間乾燥し、ポリベンゾオキサゾール前駆体のポリマーEを得た。GPCにより得られたポリマーの重量平均分子量を測定し、n=10〜100,000の範囲内にあることを確認した。
【0102】
合成例19 ポリマーFの合成
乾燥窒素気流下、DAE4.40g(0.022モル)、SiDA1.24g(0.005モル)をNMP50gに溶解させた。ここに合成例1で得られたヒドロキシル基含有酸無水物(a)21.4g(0.030モル)をNMP14gとともに加えて、20℃で1時間反応させ、次いで40℃で2時間撹拌した。その後、末端封止剤として、4−エチニルアニリン0.71g(0.006モル)を加え、さらに40℃で1時間反応させた。その後、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール7.14g(0.06モル)をNMP5gで希釈した溶液を10分かけて滴下した。滴下後、40℃で3時間撹拌した。反応終了後、溶液を水2Lに投入して、ポリマー固体の沈殿をろ過で集めた。ポリマー固体を50℃の真空乾燥機で72時間乾燥しポリイミド前駆体のポリマーFを得た。GPCにより得られたポリマーの重量平均分子量を測定し、n=10〜100,000の範囲内にあることを確認した。
【0103】
合成例20 ポリマーGの合成
乾燥窒素気流下、DAE48.1g(0.241モル)、SiDA25.6g(0.103モル)をNMP820gに溶解させ、ODPA105g(0.338モル)を加え、10℃以上30℃以下となるよう調節しながら8時間撹拌して、ポリイミド前駆体のポリマー溶液Gを得た。GPCにより得られたポリマーの重量平均分子量を測定し、n=10〜100,000の範囲内にあることを確認した。
【0104】
合成例21 ポリマーHの合成
乾燥窒素気流下、SiDA198g(0.797モル)をNMP600gに溶解させ、ODPA123.6g(0.398モル)、無水マレイン酸78.2g(0.798モル)を加え、10℃以上30℃以下となるよう調節しながら8時間撹拌して、ポリイミド前駆体のポリマー溶液Hを得た。GPCにより得られたポリマーの重量平均分子量を測定し、n=10〜100,000の範囲内にあることを確認した。
【0105】
実施例1
ポリマーA10g、キノンジアジド化合物(k)0.9gを測りとり、GBL13gに溶解させて感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のようにパターン寸法の面内均一性の評価を行った。
【0106】
実施例2
ポリマーA10gに代えてポリマーB10gを用いた以外は実施例1と同様にして感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のようにパターン寸法の面内均一性の評価を行った。
【0107】
実施例3
ポリマーA10gに代えてポリマーC10gを用いた以外は実施例1と同様にして感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のようにパターン寸法の面内均一性の評価を行った。
【0108】
実施例4
ポリマーA10gに代えてポリマーD10gを用いた以外は実施例1と同様にして感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のようにパターン寸法の面内均一性の評価を行った。
【0109】
実施例5
ポリマーA10gに代えてポリマーE10gを用いた以外は実施例1と同様にして感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のようにパターン寸法の面内均一性の評価を行った。
【0110】
実施例6
ポリマーA10gに代えてポリマーF10gを用いた以外は実施例1と同様にして感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のようにパターン寸法の面内均一性の評価を行った。
【0111】
実施例7
キノンジアジド化合物(k)0.9gに代えてキノンジアジド化合物(g)0.9gを用いた以外は実施例1と同様にして感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のようにパターン寸法の面内均一性の評価を行った。
【0112】
実施例8
キノンジアジド化合物(k)0.9gに代えてキノンジアジド化合物(h)0.9gを用いた以外は実施例1と同様にして感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のようにパターン寸法の面内均一性の評価を行った。
【0113】
実施例9
キノンジアジド化合物(k)0.9gに代えてキノンジアジド化合物(i)0.8gを用いた以外は実施例1と同様にして感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のようにパターン寸法の面内均一性の評価を行った。
【0114】
実施例10
ポリマーB10g、キノンジアジド化合物(i)0.8gを測りとり、GBL13gに溶解させて感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のようにパターン寸法の面内均一性の評価を行った。
【0115】
実施例11
ポリマーA4g、ノボラック樹脂A6g、キノンジアジド化合物(k)1.2gを測りとり、GBL13gに溶解させて感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のようにパターン寸法の面内均一性の評価を行った。
【0116】
実施例12
ポリマーA4g、ノボラック樹脂A6g、キノンジアジド化合物(k)1.2gを測りとり、GBL10g、乳酸エチル(EL)3gに溶解させて感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のようにパターン寸法の面内均一性の評価を行った。
【0117】
実施例13
GBL13gに代えてNMP13gを用いた以外は実施例11と同様にして感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のようにパターン寸法の面内均一性の評価を行った。
【0118】
比較例1
キノンジアジド化合物(k)0.9gに代えてキノンジアジド化合物(j)1.0gを用いた以外は実施例1と同様にして感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のようにパターン寸法の面内均一性の評価を行った。
【0119】
比較例2
キノンジアジド化合物(k)0.9gに代えてキノンジアジド化合物(e)1.0gを用いた以外は実施例1と同様にして感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のようにパターン寸法の面内均一性の評価を行った。
【0120】
比較例3
キノンジアジド化合物(k)0.9gに代えてキノンジアジド化合物(f)1.0gを用いた以外は実施例1と同様にして感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のようにパターン寸法の面内均一性の評価を行った。
【0121】
比較例4
キノンジアジド化合物(k)1.2gに代えてキノンジアジド化合物(f)1.3gを用いた以外は実施例11と同様にして感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のようにパターン寸法の面内均一性の評価を行った。
【0122】
比較例5
ポリマーA4gに代えてポリマーB4g、キノンジアジド化合物(k)1.2gに代えてキノンジアジド化合物(j)1.3gを用いた以外は実施例12と同様にして感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のようにパターン寸法の面内均一性の評価を行った。
【0123】
比較例6
ポリマーB10gに代えてポリマーG10gを用いた以外は実施例10と同様にして感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のようにパターン寸法の面内均一性の評価を行った。
【0124】
比較例7
ポリマーB10gに代えてポリマーH10gを用いた以外は実施例10と同様にして感光性樹脂組成物のワニスを得た。得られたワニスを用いて前記のようにパターン寸法の面内均一性の評価を行った。
【0125】
実施例1〜13および比較例1〜7の組成、評価結果を表1〜2に示す。なお、表2における△Tは現像前後の膜厚差(ΔT=現像前の膜厚−現像後の膜厚)を示す。
【0126】
【表1】

【0127】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表される構造を主成分とする樹脂、感光剤および溶剤を含有するポジ型感光性樹脂組成物であって、前記感光剤が、下記一般式(2)で表されるフェノール化合物とナフトキノンジアジドスルホン酸とのエステル化物であって、一般式(2)におけるフェノール性水酸基の85モル%以上がナフトキノンジアジドスルホン酸によりエステル化されている化合物を含有することを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物。
【化1】

(上記一般式(1)中、RおよびRはそれぞれ同じでも異なっていてもよく、炭素数2以上の2〜8価の有機基を示す。RおよびRはそれぞれ同じでも異なっていてもよく、水素または炭素数1〜20の1価の有機基を示す。nは10〜100,000の範囲を示す。mおよびfはそれぞれ独立に0〜2の整数、pおよびqはそれぞれ独立に0〜4の整数を示す。ただし、m+q≠0、p+q≠0である。)
【化2】

(上記一般式(2)中、Rは水素または炭素数1〜20の1価の有機基を示す。R〜Rはそれぞれ独立に、水素または炭素数1〜20の1価の有機基を示す。ただし、(5−a)個のR、(5−b)個のRおよび(5−c)個のRのうち少なくとも1つはフェノール性水酸基を含む炭素数6以上の1価の有機基である。a、bおよびcはそれぞれ独立に、1〜4の整数を示す。)
【請求項2】
前記一般式(2)におけるRが炭素数1〜20の1価の有機基であることを特徴とする請求項1記載のポジ型感光性樹脂組成物。

【公開番号】特開2011−133615(P2011−133615A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−291999(P2009−291999)
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】