説明

ポリアミドを有するポリマー粉末、形状付与方法における使用および該ポリマー粉末から製造された成形体

【課題】可能な限り高い表面品質を有する可能な限り型に忠実な成形体の製造を可能にするポリマー粉末の提供。
【解決手段】選択的にそのつどの粉末層の領域を電磁エネルギーの導入により溶融する、積層造型法において使用するためのポリマー粉末において、該粉末が、少なくとも125J/gの溶融エンタルピーおよび少なくとも148℃の再結晶温度を有する、ジアミンとジカルボン酸との重縮合により製造された少なくとも1種のホモポリアミドを含有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
プロトタイプのスムーズな製造は、近年しばしば立てられるようになった課題である。とりわけ適しているのは、粉末状の材料をベースとして処理しかつ、その際、層状に選択的な溶融および硬化を行うことにより所望された構造を製造する方法である。その際、オーバーハングおよびアンダカットでの支持構造を省くことができる。それというのも溶融された領域を取り囲む粉末床が十分な支持作用を提供するからである。同じく支持体を取り除く作業もなくなる。該方法は小規模生産(Kleinserien)の製造にも適している。
【0002】
本発明は、XY型のポリアミドをベースとするポリマー粉末、有利にはジアミンとジカルボン酸との重縮合により製造されたXY型のポリアミド、形状付与方法における該粉末の使用、ならびに該粉末の使用下で選択的に粉末層の領域を溶融する、積層造型法(ein schichtweise arbeitendes Verfahren)を用いて製造された成形体に関する。前もって層状に溶融した領域を冷却しかつ硬化した後、成形体を粉末床から取り出してよい。
【背景技術】
【0003】
この場合、積層造型法の選択性は、例えばサセプタ、吸収剤、抑制剤、マスクにより、または集束させたエネルギーの導入により、例えばレーザー光線を用いるかまたはグラスファイバーにより達成されうる。エネルギーの導入は電磁放射線を用いて達成される。
【0004】
以下に本発明による粉末から本発明による成形部材(Formteile)を製造することができる方法をいくつか記載してあるが、本発明はそれらに制限されるべきではない。
【0005】
とりわけ良好にラピッドプロトタイピングのために適している方法は選択的なレーザー焼結(das selektive Laser-Sintern)である。この方法では、プラスチック粉末がチャンバー中で選択的に短時間レーザー光線にあてられ、そうしてレーザー光線にさらされる粉末−粒子は溶融する。溶融された粒子は互いに融合しあいかつ素早く凝固し再び固体の組成物となる。そのつど新たに施与された層を繰り返し照射することにより、この方法を用いて三次元の物体を容易にかつ迅速に製造することができる。
【0006】
粉状のポリマーから成形体を製造するためのレーザー焼結の方法(ラピッドプロトタイピング)は、特許明細書US6,136,948およびWO96/06881(いずれもDTM Corporation)に詳細に記載されている。多数のポリマーおよびコポリマー、例えばポリアセタート、ポリプロピレン、ポリエチレン、イオノマーおよびポリアミドがこの使用のために請求されている。
【0007】
他の好適な方法は、WO01/38061に記載されているようなSIV法、またはEP1015214に記載されているような方法である。どちらの方法も粉末を溶融するために表面を赤外線加熱して処理する。溶融の選択性は、第一の方法では抑制剤の施与により、第二の方法ではマスクにより達成される。さらに別の方法はDE10311438に記載されている。この場合、溶融のために必要とされるエネルギーはマイクロ波発振器により供給されかつ選択性はサセプタの施与により達成される。
【0008】
記載されたラピッドプロトタイピング法もしくはラピッドマニュファクチャリング法(RP法またはRM法)には、粉状の基体、殊にポリマー、有利にはポリエステル、ポリビニルクロリド、ポリアセタール、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ−(N−メチルメタクリルイミド)(PMMI)、ポリメチルメタクリラート(PMMA)、イオノマー、ポリアミド、またはそれらの混合物から選択されるポリマーを使用してよい。
【0009】
WO95/11006には、レーザー焼結に適したポリマー粉末が記載されており、これは10〜20℃/分の走査速度での示差走査熱量測定法により溶融挙動を測定する際に溶融ピークと再結晶ピークとの重なりを示さず、同じくDSCにより測定された10〜90%の結晶化度を有し、30000〜500000の数平均分子量Mnを有し、かつ該分子量のMw/Mnの商が1〜5の範囲にある。
【0010】
DE19747309は、高められた溶融ピークおよび高められた溶融エンタルピーを有するポリアミド12−粉末の使用を記載しており、該粉末は、前もってラウリンラクタムの開環およびそれに続く重縮合により製造されたポリアミドの再沈殿により得られる。この場合、それはX型のポリアミドである。
【0011】
上記の形状付与方法を用いた加工を行う場合に不利な点は、いわゆるカールを防止するために構造空間内の温度を可能な限り均一にポリマー材料の融点より僅かに低い水準に保たなければならないことである。カールとは、すでに溶融された領域が変形することであり、これにより少なくとも部分的に構造平面から突出部が生じる。それには、次の粉末層を配置する際にその突出する領域の位置が変わるかまたは剥がされさえしかねない危険が伴う。結果的にこの方法のために、構造空間温度を全体として比較的高い水準に保たなければならなくなる。電磁エネルギーが導入された領域と、溶融されるべきでない領域との分離が鮮明になるように、DSC(DIN53765に記載の示差走査熱量測定法)で鋭いピークとして形成される可能な限り高い溶融エンタルピーが所望される。また当然のごとく防止することができない溶融された領域からの熱伝導および熱放射により、程度の差はあれ成形体が予定された形状から強く逸脱する結果となる。粉末の可能な限り高い溶融エンタルピーにより、溶融された領域での粉末床の焼結が防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】US6,136,948
【特許文献2】WO96/06881
【特許文献3】WO01/38061
【特許文献4】EP1015214
【特許文献5】DE10311438
【特許文献6】WO95/11006
【特許文献7】DE19747309
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従って本発明の課題は、可能な限り高い表面品質を有する可能な限り型に忠実な成形体(formtreuer Formkoerper)の製造を可能にするポリマー粉末を提供することであった。この場合、加工方法は、選択的にそのつどの粉末層の領域を電磁エネルギーにより溶融し、かつそれが冷却後に互いに結合して所望された成形体となる、積層造型法である。
【課題を解決するための手段】
【0014】
ところで請求項に記載されているように意想外にも発見されたのは、特殊なポリアミドの使用により沈殿結晶化によってポリマー粉末が製造されえ、該粉末から、選択的にそのつどの粉末層の領域を溶融する、積層造型法を用いて成形体を製造することができることであり、該成形体が表面品質および型の忠実性に関して利点を有しかつその際、加工性および機械的特性値に関して、従来技術による、例えばDE19747309に記載のポリマー粉末からのものに匹敵する良好な性質を有していることである。
【0015】
従って本発明の対象は、選択的にそのつどの層の領域を溶融する、積層造型法において加工するためのポリマー粉末であって、それは、粉末がジアミンとジカルボン酸との重縮合から製造されたXY型の少なくとも1種のポリアミドを、有利にはPA610、PA612、PA613、PA1010、PA1012、PA1212の群からのXY型のポリアミドを含有することを特徴とする。とりわけ有利には、XY型のポリアミド、PA1010、PA1012またはPA1212が使用される。その際、本発明によるポリマー粉末はDSCにより算出された少なくとも125J/gの溶融エンタルピーを有し、ならびに少なくとも148℃の再結晶ピーク、有利には少なくとも130J/gの溶融エンタルピーを有し、ならびに少なくとも150℃の再結晶ピーク、およびとりわけ有利には少なくとも130J/gの溶融エンタルピーならびに少なくとも155℃の再結晶ピークを有する。
【0016】
それ以外に本発明の対象は、選択的にそのつどの層の領域を溶融する、積層造型法を用いて製造された成形体であって、該成形体は、それがジアミンとジカルボン酸との重縮合から製造されたXY型の少なくとも1種のポリアミドを、有利にはPA610、PA612、PA613、PA1010、PA1012、PA1212の群からのXY型のポリアミドを含有することを特徴とする。とりわけ有利には、成形体はPA1010、PA1012またはPA1212からの群からのXY型のポリアミドを含有する。
【0017】
本発明によるポリマー粉末がもつ利点とは、該粉末から、選択的にそのつどの層の領域を溶融する、積層造型法を用いて製造された成形体が従来のポリマー粉末からなる成形体に比べてより好ましい型の忠実性およびより好ましい表面品質を有することである。
【0018】
その際、本発明による粉末から製造された成形体は、従来の粉末から製造された成形体と同じように良好な機械的特性を有する。
【0019】
本発明による粉末の加工性もまた従来のポリアミド粉末のそれに匹敵する。
【0020】
本発明によるポリマー粉末は以下に記載されているが、本発明はそれに制限されるべきではない。
【0021】
選択的にそのつどの層の領域を溶融する、積層造型法において加工するための本発明によるポリマー粉末は、該粉末が少なくともXY−ポリアミドを含有することを特徴とする。それは一般式:
【化1】

を有するホモポリマーである。
【0022】
ポリアミドの命名法は、ISO1874−1で規則化されている。殊に付録Aで脂肪族直鎖のポリアミドの定義および特徴が記載されている。その使用が本発明によるものである型XYのポリアミドは、ジアミンとジカルボン酸との重縮合から得られる。Xが指すのはジアミン中のC−原子の数であり、yが指すのはジカルボン酸中のC−原子の数である。有利な粉末は、脂肪族(直鎖)のタイプのジアミンと同様ジカルボン酸も有する。その際、例えばモノマー単位として以下の群のジアミンが使用される:ブタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、デカンジアミン、1,12−ジアミノドデカン。ジカルボン酸のためのモノマーは、例えばアジピン酸(ヘキサン二酸、b=4)、アゼライン酸(ノナン二酸、b=7)、セバシン酸(デカン二酸、b=8)、ドデカン二酸(b=10)、ブラシル酸(b=11)、テトラデカン二酸(b=14)、ペンタデカン二酸(b=15)、オクタデカン二酸(b=18)である。
【0023】
例えば本発明による粉末は、DE2906647B1記載の方法によるかまたはDE19708146により得られるが、その際、一方で型XYのポリアミドが出発物質として使用される。ポリアミドはエタノール中に溶解しかつ特定の条件下で結晶化する。場合により、保護篩別(Schutzsiebung)およびさらに分級または低温粉砕(Kaltmahlung)を引き続き行う。当業者は方向付けのための予備試験により条件を容易に見つけ出すことができる。
【0024】
意想外にも、X型の代わりにXY型のポリアミドが使用される場合、DE19747309に記載されたポリアミド粉末の有利な特性、すなわち高い溶融エンタルピーをずっと有利に設定できることが確認された。違いは、水素架橋結合を形成できるという可能性にある。例えばPA66−本発明によるXY型のポリアミド−の場合、カルボンアミド基は隣接した分子と向き合っているので、各官能基は変形することなく水素結合を形成することができる。それに比べて、X型のポリアミドの一例であるPA6の場合、これは分子の変形による付加的なエネルギー消費下でのみ可能となる。これによりとりわけ、溶融エンタルピーと同じようにPA66(約260℃)における溶融ピークがPA6(約220℃)の場合より明らかに高くなる。
【0025】
高い再結晶温度は、DE19747309A1においてと異なり同じく有利である。それというのも一方では加工窓(Verarbeitungsfenster)がそれにより狭められないからであり−なぜなら他のファクターが比較的重要な役割を担うので−また他方では材料の再循環性が明らかに改善されるからである。構造化プロセスにおいて溶融されなかった粉末は、再結晶温度が高い場合、表面特性がそれの影響を受けることなく有利な補充割合(Auffrischrate)で再利用することができる。それゆえ、本発明によるポリマー粉末はDSCを用いて算出された少なくとも125J/gの溶融エンタルピーならびに少なくとも148℃の再結晶ピークを、有利には少なくとも130J/gの溶融エンタルピーならびに少なくとも150℃の再結晶ピークを、かつとりわけ有利には少なくとも130J/gの溶融エンタルピーならびに155℃の再結晶ピークを有する。種々のパラメータは、DIN53765に記載のもしくはAN−SAA0663に記載のDSC(示差走査熱量測定法)を用いて測定した。測定は、Perkin Elmer DSC7を用いて洗浄ガスとしての窒素と20K/分の加熱速度ならびに冷却速度とで実施した。測定範囲は−90〜+250℃だった。
【0026】
DIN53727に記載の0.5%のm−クレゾール溶液中の溶液粘度は、本発明によるポリアミド粉末の場合、有利には1.4〜2.1、とりわけ有利には1.5〜1.9、および特にとりわけ有利には1.6〜1.7である。
【0027】
有利には、本発明によるポリマー粉末は10〜250μm、有利には45〜150μmおよびとりわけ有利には50〜125μmの平均粒径を有するXY型のポリアミド粉末を含有する。
【0028】
例えば、加工して本発明による粉末を得るための出発顆粒物質は商業的にドイツ国Marl在Degussa社(ポリアミド612、商品名Vestamid D−シリーズ)からかまたはスイス国Donat在EMS Chemie社(Technyl D、ポリアミド610)から販売されている。
【0029】
本発明によるポリマー粉末はそれ以外に、助剤および/または充填剤および/または有機または無機の顔料を含有してよい。そのような助剤は、例えば流動助剤(Rieselhilfsmittel)、例えば沈降および/またはヒュームドシリカであってもよい。沈降シリカは、例えば様々の仕様を有する製品名AerosilとしてDegussa株式会社から提供されている。有利には、本発明によるポリマー粉末は存在するポリマーの合計に対してそのような助剤の3質量%未満を、有利には0.001〜2質量%をかつ特にとりわけ有利には0.05〜1質量%を有する。例えば充填剤はガラス粒子、金属粒子またはセラミック粒子、例えばガラス球、鋼球または粒状金属(Metalgriess)またはその他の材料の顔料、例えば遷移金属酸化物であってもよい。例えば顔料は、ルチルまたはアナタースをベースとする二酸化チタン粒子、またはカーボンブラック粒子であってもよい。
【0030】
その際、充填剤の粒子は有利にはポリアミドの粒子より小さいかまたはほぼ同じ大きさの平均粒径を有する。有利には充填剤の平均粒径d50はポリアミドの平均粒径d50を20%より多く、有利には15%より多くかつ特にとりわけ有利には5%より多く上回るべきではない。平均粒径は、殊にラピッドプロトタイピング/ラピッドマニュファクチャリング−装置中で許容される構造高さもしくは層厚により制限される。
【0031】
有利には、本発明によるポリマー粉末は存在するポリアミドの合計に対してそのような充填剤の75質量%未満を、有利には0.001〜70質量%未満を、とりわけ有利には0.05〜50質量%をかつ特にとりわけ有利には0.5〜25質量%を有する。
【0032】
助剤および/または充填剤について記載された最大値を超過する場合、使用される充填剤または助剤に従って、そのようなポリマー粉末を用いて製造された成形体の機械的特性は明らかに悪化する。
【0033】
同じく従来のポリマー粉末と本発明によるポリマー粉末とを混合することも可能である。この方法で、さらに別の組み合わせの表面特性を有するポリマー粉末を製造することができる。そのような混合物の製造法は、例えばDE3441708から読み取れる。
【0034】
成形体を製造する際の溶融流展(Schmelzverlaufs)を改善するためにレベリング剤(Verlaufsmittel)、例えば金属石鹸、有利には基礎となるアルカンモノカルボン酸またはダイマー酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩を、沈殿したポリマー粉末に添加してもよい。金属石鹸粒子をポリマー粒子に組み込んでもよいが、一方ではまた微細な金属石鹸粒子とポリマー粒子との混合物も使用してよい。
【0035】
金属石鹸は、粉末中に存在するポリアミドの合計に対して0.01〜30質量%、有利には0.5〜15質量%の量で使用される。有利には金属石鹸として、基礎となるアルカンモノカルボン酸またはダイマー酸のナトリウム塩またはカルシウム塩が使用される。商業的に入手可能な製品の例は、Clariant社のLicomont NaV 101またはLicomont CaV 102である。
【0036】
加工性を改善するためにまたはポリマー粉末をさらに変性するために、該粉末に無機顔料、例えば遷移金属酸化物、安定剤、例えばフェノール、殊に立体障害フェノール、レベリング剤および流動助剤、例えばヒュームドシリカならびに充填剤粒子を添加してもよい。有利にはポリマー粉末中のポリマーの全質量に対して、これらの物質は本発明によるポリマー粉末のために記載された充填剤および/または助剤の濃度が保持される量でポリマーに添加される。
【0037】
本発明の対象はまた、選択的に領域を溶融する、積層造型法を用いて成形体を製造する方法であって、該方法において本発明による粉末は、それがジアミンとジカルボン酸との重縮合により製造されたXY型の少なくとも1種のポリアミドを、有利にはPA66、PA610、PA612、PA1010、PA1012、PA1212、PA613からの群からのXY型のポリアミドを含有することを特徴とする。とりわけ有利には、本発明による成形体はXY型のポリアミドPA1010、PA1012またはPA1212を含有する。その使用が本発明によるものである型XYのポリアミドは、ジアミンとジカルボン酸との重縮合から得られる。xが指すのはジアミン中のC−原子の数であり、yが指すのはジカルボン酸中のC−原子の数である。有利な粉末は脂肪族(直鎖)のタイプのジアミンと同様ジカルボン酸も有する。その際、例えばモノマー単位として以下の群のジアミンが使用される:ブタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、デカンジアミン、1,12−ジアミノドデカン。ジカルボン酸のためのモノマーは、例えばアジピン酸(ヘキサン二酸、b=4)、アゼライン酸(ノナン二酸、b=7)、セバシン酸(デカン二酸、b=8)、ドデカン二酸(b=10)、ブラシル酸(b=11)、テトラデカン二酸(b=14)、ペンタデカン二酸(b=15)、オクタデカン二酸(b=18)である。
【0038】
エネルギーは電磁放射線により供給され、かつ選択性は例えばマスクにより、抑制剤、吸収剤、サセプタの施与により、または放射線の集束によりもたらされる。全ての層の冷却後に、本発明による成形体を取り出してよい。
【0039】
そのような方法について以下の例が説明に使用されるが、本発明はそれらに限定されない。
【0040】
レーザー焼結法は十分に公知でありかつポリマー粒子の選択的な焼結に基づいており、その際、ポリマー粒子の層は短時間レーザー光線にかけられかつそうしてレーザー光線にかけられたポリマー粒子は互いに結合する。ポリマー粒子の層の焼結を連続して行うことにより、三次元の目的物が製造される。選択的なレーザー焼結法の詳細は、例えば刊行物US6,136,948およびWO96/06881から読み取れる。
【0041】
他の好適な方法はWO01/38061に記載されているようなSIV法、またはEP1015214に記載されているような方法である。どちらの方法も粉末を溶融するために表面を赤外線加熱して処理する。溶融の選択性は、第一の方法では抑制剤の施与により、第二の方法ではマスクにより達成される。さらに別の方法はDE10311438に記載されている。この方法の場合、溶融のために必要とされるエネルギーはマイクロ波発振器により供給されかつ選択性はサセプタの施与により達成される。
【0042】
選択的に領域を溶融する、積層造型法を用いて製造された本発明による成形体は、それがジアミンとジカルボン酸との重縮合により製造されたXY型の少なくとも1種のポリアミドを、有利にはPA66、PA610、PA612、PA613、PA1010、PA1012、PA1212からの群からのXY型のポリアミドを含有することを特徴とする。とりわけ有利には、本発明による成形体はXY型のポリアミドのPA1010、PA1012、またはPA1212を含有する。その使用が本発明によるものである型XYのポリアミドは、ジアミンとジカルボン酸との重縮合から得られる。xが指すのはジアミン中のC−原子の数であり、yが指すのはジカルボン酸中のC−原子の数である。有利な粉末は脂肪族(直鎖)のタイプのジアミンと同様ジカルボン酸も有する。その際、例えばモノマー単位として以下の群のジアミンが使用される:ブタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、デカンジアミン、1,12−ジアミノドデカン。ジカルボン酸のためのモノマーは、例えばアジピン酸(ヘキサン二酸、b=4)、アゼライン酸(ノナン二酸、b=7)、セバシン酸(デカン二酸、b=8)、ドデカン二酸(b=10)、ブラシル酸(b=11)、テトラデカン二酸(b=14)、ペンタデカン二酸(b=15)、オクタデカン二酸(b=18)である。
【0043】
成形体はそれ以外に、充填剤および/または助剤、例えば熱安定剤、例えば立体障害フェノール誘導体を含有してよい。例えば充填剤は、ガラス粒子、セラミック粒子およびまた金属粒子、例えば鉄球、もしくは相応する中空球を有してもよい。有利には本発明による成形体は、存在するポリマーの合計に対してそのような助剤の3質量%未満を、有利には0.001〜2質量%をかつ特にとりわけ有利には0.05〜1質量%を含有する。同様に有利には、本発明による成形体は、存在するポリマーの合計に対してそのような充填剤の75質量%未満を、有利には0.001〜70質量%を、とりわけ有利には0.05〜50質量%をかつ特にとりわけ有利には0.5〜25質量%を含有する。
【0044】
以下の例は、本発明によるポリマー粉末ならびに該粉末の使用を記載するべきであるが、本発明はこれらの例に制限されない。
【0045】
レーザー回折の測定値は、(マルベルン・マスターサイザー)Malvern Mastersizer S,バージョン2.18,を用いて得られた。
【実施例】
【0046】
例1:ポリアミド12(PA12)の再沈殿(本発明によらない)
未調節の、1.62の相対的な溶液粘度およびCOOH75ミリモル/kgもしくはNH2 69ミリモル/kgの末端基含有率を有する加水分解重合により製造されたPA12 400kgを、2−ブタノンおよび1%の水含有率で変性されたエタノール2500lと共に5時間以内に3mの攪拌槽(a=160cm)中で145℃にしかつ攪拌しながら(ブレード攪拌機(Blattruehrer)、x=80cm、回転数=49rpm)1時間この温度で放置する。引き続き、ジャケット温度を124℃に低下させかつエタノールを連続的に留去しながら25K/hの冷却速度で同じ攪拌回転数の下、内部温度を125℃にする。それから同じ冷却速度でジャケット温度を内部温度より2K〜3K低く保つ。内部温度を同じ冷却速度で117℃にし、次いで60分間一定に保つ。その後、さらに40K/hの冷却速度で留去しかつそうして内部温度を111℃にする。この温度で、発熱により認められる沈殿が始まる。蒸留速度は、内部温度が111.3℃を超えない限り上昇させる。25分後、内部温度は下がりこれにより沈殿が終了したことになる。ジャケットを介してさらに留去しかつ冷却することで、懸濁液の温度を45℃にしかつ懸濁液をその後パドル乾燥機(Schaufeltrockner)中に移送する。エタノールを70℃/400mbarで留去しかつ残留物を引き続き20mbar/86℃で3時間、後乾燥する。
【0047】
55μmの平均粒径を有する沈殿したPA12が得られる。かさ密度は435g/lだった。
【0048】
例1に記載された方法と同様にかまたはDE19708146により、PA1012、PA1010、PA612、PA613からなる粉末を製造する。
【0049】
例2:PA1010の一段階の再沈殿(本発明による)
例1に従って、以下の性質を有する1,10−デカンジアミンとセバシン酸との重縮合により得られるPA1010のサンプル400kgを再沈殿させる:ηrel=1.84、[COOH]62ミリモル/kg、[NH]=55ミリモル/kg。
【0050】
沈殿条件を、例1に対して以下のように変更する:
沈殿温度:120℃、沈殿時間:2時間、攪拌回転数:90rpm
かさ密度:417g/l
篩分析:<32μm:6.0質量%
<45μm:8.5質量%
<63μm:23.5質量%
<100μm:96.1質量%
<160μm:99.7質量%
<200μm:99.9質量%
<250μm:100.0質量%
【0051】
例3:PA1012の一段階の再沈殿(本発明による)
例1に従って、以下の性質を有する1,10−デカンジアミンとドデカン二酸との重縮合により得られるPA1012の顆粒サンプル400kgを再沈殿させる:ηrel=1.76、[COOH]46ミリモル/kg、[NH]=65ミリモル/kg。
【0052】
沈殿条件を、例1に対して以下のように変更する:
溶液温度:155℃、沈殿温度:123℃、沈殿時間:40分、攪拌回転数:110rpm
かさ密度:510g/l
篩分析:<32μm:0.2質量%
<100μm:44.0質量%
<250μm:99.8質量%
【0053】
例4:PA1012の一段階の再沈殿(本発明による)
以下の変更を加えて例3を繰り返す:
沈殿温度:125℃、沈殿時間:60分
かさ密度:480g/l
篩分析:<32μm:0.1質量%
<100μm:72.8質量%
<250μm:99.7質量%
【0054】
例5:PA1012の一段階の再沈殿(本発明による)
以下の変更を加えて例4を繰り返す:
沈殿温度:128℃、沈殿時間:90分
かさ密度:320g/l
篩分析:<32μm:0.5質量%
<100μm:98.5質量%
<250μm:99.6質量%
【0055】
例6:PA1212の一段階の再沈殿(本発明による)
例1に従って、以下のデータを有する1,10−デカンジアミンと1,12−ドデカン二酸との重縮合により得られるPA1212の顆粒サンプル400kgを再沈殿させる:ηrel=1.80、[COOH]3ミリモル/kg、[NH]=107ミリモル/kg。
【0056】
沈殿条件を、例1に対して以下のように変更する:
溶液温度:155℃、沈殿温度:117℃、沈殿時間:60分、攪拌回転数110rpm
かさ密度:450g/l
篩分析:<32μm:0.5質量%
<100μm:54.0質量%
<250μm:99.7質量%
【0057】
例7:PA1010の二段階の再沈殿(本発明による)
未調節の、1,10−デカンジアミンとセバシン酸との重縮合により得られる−以下の性質:ηrel=1.84、[COOH]=62ミリモル/kg、[NH]=55ミリモル/kgを有する−PA1010のサンプル400kgを、2−ブタノンおよび1%の水含有率で変性されたエタノール2500lと共に5時間以内に3mの攪拌槽(a=160cm)中で155℃にしかつ攪拌しながら(ブレード攪拌機、d=80cm、回転数=90rpm)1時間この温度で放置する。引き続き、ジャケット温度を135℃に低下させかつエタノールを連続的に留去しながら25K/hの冷却速度で同じ攪拌回転数の下、内部温度を138℃にする。それから同じ冷却速度でジャケット温度を内部温度より2K〜3K低く保つ。内部温度を同じ冷却速度で128℃にしかつそれから60分間一定に保つ。その後、さらに40K/hの冷却速度で留去しかつそうして内部温度を120℃にする。この温度で、発熱により認められる沈殿が始まる。蒸留速度は、内部温度が121.3℃を超えない限り上昇させる。25分後、内部温度は下がりこれにより沈殿が終了したことになる。内部温度をさらに35分間、120℃で放置しておく。ジャケットを介してさらに留去しかつ冷却することにより、懸濁液の温度を75℃にしかつ懸濁液をその後パドル乾燥機中に移送する。エタノールを70℃/400mbarで留去しかつ残留物を引き続き20mbar/86℃で3時間、後乾燥する。
【0058】
かさ密度:440g/l
篩分析:<32μm:4.2質量%
<63μm:28.6質量%
<100μm:86.1質量%
<160μm:99.7質量%
<250μm:100.0質量%
【0059】
例8:PA1012の二段階の再沈殿(本発明による)
例7に従って、以下のデータを有する1,10−デカンジアミンとドデカン二酸との重縮合により得られるPA1012の顆粒サンプル400kgを再沈殿させる:ηrel=1.76、[COOH]=46ミリモル/kg、[NH]=65ミリモル/kg(例えば例3に記載)。
【0060】
沈殿条件を、例7に対して以下のように変更する:
溶液温度:155℃、核生成温度:141℃、沈殿温度:123℃、沈殿時間:40分、攪拌回転数:110rpm
かさ密度:530g/l
篩分析:<32μm:1.3質量%
<100μm:34.1質量%
<250μm:99.7質量%
【0061】
例9:PA1012の二段階の再沈殿(本発明による)
以下の変更を加えて例7を繰り返す:
核生成時間:90分
かさ密度:530g/l
篩分析:<32μm:0.8質量%
<100μm:32.2質量%
<250μm:99.8質量%
【0062】
例10:PA1012の二段階の再沈殿
以下の変更を加えて例7を繰り返す。
【0063】
核生成温度:120分
かさ密度:530g/l
篩分析:<32μm:0.3質量%
<100μm:28.4質量%
<250μm:99.8質量%
【0064】
例11:PA1212の二段階の再沈殿(本発明による)
例7に従って、以下のデータを有する1,10−デカンジアミンと1,12−ドデカン二酸との重縮合により得られるPA1212の顆粒サンプル400kgを再沈殿させる:ηrel=1.80、[COOH]=3ミリモル/kg、[NH]=107ミリモル/kg。
【0065】
沈殿条件を、例1に対して以下のように変更する:
溶液温度155℃、核生成温度:123℃、核生成時間:60分、沈殿温度:117℃、沈殿時間:60分、攪拌回転数:110rpm
かさ密度:480g/l
篩分析:<32μm:1.3質量%
<100μm:56.6質量%
<250μm:99.8質量%
【0066】
例12:PA613の二段階の再沈殿(本発明による)
例7を、ヘキサメチレンジアミンとブラシル酸との重縮合により得られるPA613−溶液粘度ηrel=1.83、[COOH]=17ミリモル/kg、[NH]=95ミリモル/kg−の使用下で以下の変更:溶液温度:152℃、核生成温度:125℃、核生成時間:45分、沈殿温度:114℃、沈殿時間:120分、攪拌回転数:110rpmを加えて繰り返す。
【0067】
かさ密度:380g/l BET=11.19m/g
レーザー回折: D10: 55μm
D50: 78μm
D90: 109μm
【0068】
例13:PA613の一段階の再沈殿(本発明による)
例1を、ヘキサメチレンジアミンとブラシル酸との重縮合により得られるPA613−溶液粘度ηrel=1.65、[COOH]=33ミリモル/kg、[NH]=130ミリモル/kg−の使用下で以下の変更:溶液温度:152℃、沈殿温度:119℃、沈殿時間:150分、攪拌回転数:110rpmを加えて繰り返す。
【0069】
かさ密度:426g/l BET=7.63m/g
レーザー回折: D10: 50μm
D50: 89μm
D90:132μm
【表1】

【0070】
【表2】

【0071】
例に基づいて、本発明によるポリアミド粉末が従来のポリマー粉末より明らかに高められた溶融エンタルピーおよびまた高い再結晶温度を有していることが非常に良くわかる。それに応じて、より高い表面品質を有する構成部材を製造することができる。それというのも、殆どの粉末が溶融された領域に付着しないからである。それにより本発明による粉末の再循環性は同様に従来のポリアミド粉末に比べて改善される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
選択的にそのつどの粉末層の領域を電磁エネルギーの導入により溶融する、積層造型法において使用するためのポリマー粉末において、該粉末が、少なくとも125J/gの溶融エンタルピーおよび少なくとも148℃の再結晶温度を有する、ジアミンとジカルボン酸との重縮合により製造された少なくとも1種のホモポリアミドを含有することを特徴とする、積層造型法において使用するためのポリマー粉末。
【請求項2】
粉末が、少なくとも130J/gの溶融エンタルピーおよび少なくとも150℃の再結晶温度を有する、ジアミンとジカルボン酸との重縮合により製造された少なくとも1種のホモポリアミドを含有することを特徴とする、選択的にそのつどの粉末層の領域を電磁エネルギーの導入により溶融する、請求項1記載の積層造型法において使用するためのポリマー粉末。
【請求項3】
粉末が、少なくとも130J/gの溶融エンタルピーおよび少なくとも155℃の再結晶温度を有する、ジアミンとジカルボン酸との重縮合により製造された少なくとも1種のホモポリアミドを含有することを特徴とする、選択的にそのつどの粉末層の領域を電磁エネルギーの導入により溶融する、請求項1記載の積層造型法において使用するためのポリマー粉末。
【請求項4】
選択的にそのつどの粉末層の領域を電磁エネルギーの導入により溶融し、その際、選択性はサセプタ、抑制剤、吸収剤の施与によるかまたはマスクにより達成されることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の積層造型法において使用するためのポリマー粉末。
【請求項5】
選択的にそのつどの粉末層の領域を電磁エネルギーの導入により溶融し、その際、選択性はレーザー光線の集束により達成されることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の積層造型法において使用するためのポリマー粉末。
【請求項6】
粉末が、ブタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、デカンジアミン、1,12−ジアミノドデカンの群からのジアミンと、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、ブラシル酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、オクタデカン二酸の群からのジカルボン酸との重縮合により製造された少なくとも1種のホモポリアミドを含有することを特徴とする、請求項1から3までの少なくともいずれか1項記載のポリマー粉末。
【請求項7】
粉末が、デカンジアミンとセバシン酸(PA1010)との重縮合により製造された少なくとも1種のホモポリアミドを含有することを特徴とする、請求項1から3までの少なくともいずれか1項記載のポリマー粉末。
【請求項8】
粉末が、デカンジアミンとドデカン二酸(PA1012)との重縮合により製造された少なくとも1種のホモポリアミドを含有することを特徴とする、請求項1から3までの少なくともいずれか1項記載のポリマー粉末。
【請求項9】
粉末が、ヘキサメチレンジアミンとドデカン二酸(PA612)との重縮合により製造された少なくとも1種のホモポリアミドを含有することを特徴とする、請求項1から4までの少なくともいずれか1項記載のポリマー粉末。
【請求項10】
粉末が、ヘキサメチレンジアミンとセバシン酸(PA610)との重縮合により製造された少なくとも1種のホモポリアミドを含有することを特徴とする、請求項1から3までの少なくともいずれか1項記載のポリマー粉末。
【請求項11】
粉末が、1,12−ジアミンドデカンとドデカン二酸(PA1212)との重縮合により製造された少なくとも1種のホモポリアミドを含有することを特徴とする、請求項1から3までの少なくともいずれか1項記載のポリマー粉末。
【請求項12】
粉末が、ヘキサメチレンジアミンとブラシル酸(PA613)との重縮合により製造された少なくとも1種のホモポリアミドを含有することを特徴とする、請求項1から3までの少なくともいずれか1項記載のポリマー粉末。
【請求項13】
ポリアミド粉末が沈殿結晶化により得られたことを特徴とする、請求項1から12までの少なくともいずれか1項記載のポリマー粉末。
【請求項14】
ポリアミド粉末が少なくとも130J/gの溶融エンタルピーを有することを特徴とする、請求項1から13までの少なくともいずれか1項記載のポリマー粉末。
【請求項15】
ポリアミド粉末が少なくとも135J/gの溶融エンタルピーを有することを特徴とする、請求項1から14までの少なくともいずれか1項記載のポリマー粉末。
【請求項16】
ポリアミド粉末が少なくとも140J/gの溶融エンタルピーを有することを特徴とする、請求項1から15までの少なくともいずれか1項記載のポリマー粉末。
【請求項17】
ポリアミド粉末が少なくとも150℃の再結晶温度を有することを特徴とする、請求項1から16までの少なくともいずれか1項記載のポリマー粉末。
【請求項18】
ポリアミド粉末が少なくとも155℃の再結晶温度を有することを特徴とする、請求項1から17までの少なくともいずれか1項記載のポリマー粉末。
【請求項19】
ポリアミド粉末が1.4〜2.1の溶液粘度を有することを特徴とする、請求項1から18までの少なくともいずれか1項記載のポリマー粉末。
【請求項20】
ポリアミド粉末が1.5〜1.9の溶液粘度を有することを特徴とする、請求項1から19までの少なくともいずれか1項記載のポリマー粉末。
【請求項21】
ポリアミド粉末が1.6〜1.7の溶液粘度を有することを特徴とする、請求項1から20までの少なくともいずれか1項記載のポリマー粉末。
【請求項22】
ポリアミド粉末が10〜250μmの平均粒径を有することを特徴とする、請求項1から21までの少なくともいずれか1項記載のポリマー粉末。
【請求項23】
ポリアミド粉末が45〜150μmの平均粒径を有することを特徴とする、請求項1から22までの少なくともいずれか1項記載のポリマー粉末。
【請求項24】
ポリアミド粉末が50〜125μmの平均粒径を有することを特徴とする、請求項1から23までの少なくともいずれか1項記載のポリマー粉末。
【請求項25】
助剤および/または充填剤を含有することを特徴とする、請求項1から24までの少なくともいずれか1項記載のポリマー粉末。
【請求項26】
助剤として流動助剤を含有することを特徴とする、請求項25記載のポリマー粉末。
【請求項27】
充填剤としてガラス粒子を含有すること特徴とする、請求項25記載のポリマー粉末。
【請求項28】
助剤として金属石鹸を含有することを特徴とする、請求項25記載のポリマー粉末。
【請求項29】
有機および/または無機の顔料を含有することを特徴とする、請求項1から28までの少なくともいずれか1項記載のポリマー粉末。
【請求項30】
カーボンブラックを含有することを特徴とする、請求項29記載のポリマー粉末。
【請求項31】
二酸化チタンを含有することを特徴とする、請求項29記載のポリマー粉末。
【請求項32】
選択的にそのつどのポリマー粉末層の領域を電磁エネルギーの導入により溶融する、積層造型法を用いる成形体の製造法において、該粉末が、少なくとも125J/gの溶融エンタルピーおよび少なくとも148℃の再結晶温度を有する、ジアミンとジカルボン酸との重縮合により製造された少なくとも1種のホモポリアミドを含有することを特徴とする、積層造型法を用いる成形体の製造法。
【請求項33】
選択的にそのつどの粉末層の領域を電磁エネルギーの導入により溶融し、その際、選択性はサセプタ、抑制剤、吸収剤の施与によるかまたはマスクにより達成されることを特徴とする、請求項32記載の積層造型法を用いる成形体の製造法。
【請求項34】
選択的にそのつどの粉末層の領域を電磁エネルギーの導入により溶融し、その際、選択性はレーザー光線の集束により達成されることを特徴とする、請求項32記載の積層造型法を用いる成形体の製造法。
【請求項35】
請求項32から34までのいずれか1項記載の方法により製造された成形体。
【請求項36】
成形体が、ブタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、デカンジアミン、1,12−ジアミノドデカンの群からのジアミンと、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、ブラシル酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、オクタデカン二酸の群からのジカルボン酸との重縮合により製造された少なくとも1種のホモポリアミドを含有することを特徴とする、請求項35記載の成形体。
【請求項37】
成形体が、デカンジアミンとセバシン酸(PA1010)との重縮合により製造された少なくとも1種のホモポリアミドを含有することを特徴とする、請求項35または36記載の成形体。
【請求項38】
成形体が、デカンジアミンとドデカン二酸(PA1012)との重縮合により製造された少なくとも1種のホモポリアミドを含有することを特徴とする、請求項35または36記載の成形体。
【請求項39】
成形体が、ヘキサメチレンジアミンとドデカン二酸(PA612)との重縮合により製造された少なくとも1種のホモポリアミドを含有することを特徴とする、請求項35または36記載の成形体。
【請求項40】
成形体が、ヘキサメチレンジアミンとセバシン酸(PA610)との重縮合により製造された少なくとも1種のホモポリアミドを含有することを特徴とする、請求項35または36記載の成形体。
【請求項41】
成形体が、1,12−ジアミンドデカンとドデカン二酸(PA1212)との重縮合により製造された少なくとも1種のホモポリアミドを含有することを特徴とする、請求項35または36記載の成形体。
【請求項42】
成形体が、ヘキサメチレンジアミンとブラシル酸(PA613)との重縮合により製造された少なくとも1種のホモポリアミドを含有することを特徴とする、請求項35または36記載の成形体。
【請求項43】
成形体が、沈殿結晶化により得られたポリアミド粉末を含有することを特徴とする、請求項35から42までの少なくともいずれか1項記載の成形体。
【請求項44】
成形体が、1.4〜2.1の溶液粘度を有するホモポリアミドを含有することを特徴とする、請求項35から42までの少なくともいずれか1項記載の成形体。
【請求項45】
成形体が、1.5〜1.9の溶液粘度を有するホモポリアミドを含有することを特徴とする、請求項35から42までの少なくともいずれか1項記載の成形体。
【請求項46】
成形体が、1.6〜1.7の溶液粘度を有するホモポリアミドを含有することを特徴とする、請求項35から42までの少なくともいずれか1項記載の成形体。
【請求項47】
成形体が助剤および/または充填剤を含有することを特徴とする、請求項35から46までの少なくともいずれか1項記載の成形体。
【請求項48】
成形体が助剤として流動助剤を含有することを特徴とする、請求項47記載の成形体。
【請求項49】
成形体が充填剤としてガラス粒子を含有することを特徴とする、請求項47記載の成形体。
【請求項50】
成形体が助剤として金属石鹸を含有することを特徴とする、請求項47記載の成形体。
【請求項51】
成形体が有機および/または無機の顔料を含有することを特徴とする、請求項35から50までの少なくともいずれか1項記載の成形体。
【請求項52】
成形体がカーボンブラックを含有することを特徴とする、請求項51記載の成形体。
【請求項53】
成形体が二酸化チタンを含有することを特徴とする、請求項51記載の成形体。

【公開番号】特開2010−163618(P2010−163618A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−28520(P2010−28520)
【出願日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【分割の表示】特願2007−510004(P2007−510004)の分割
【原出願日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(501073862)エボニック デグサ ゲーエムベーハー (837)
【氏名又は名称原語表記】Evonik Degussa GmbH
【住所又は居所原語表記】Rellinghauser Strasse 1−11, D−45128 Essen, Germany
【Fターム(参考)】