説明

ポリアルキレンオキシド及びビニルエステルをベースとする両染性グラフトポリマーを有する洗浄組成物

グラフト基材としての水溶性ポリアルキレンオキシド(A)と、ビニルエステル成分(B)の重合により形成される側鎖とをベースとする両親媒性グラフトポリマーを含む洗濯洗剤及び洗浄組成物であって、前記ポリマーが、50アルキレンオキシド単位当たり≦1のグラフト部位を有し、平均モル質量Mが3000〜100,000である洗濯洗剤及び洗浄組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2006年5月31日に出願された欧州特許出願第06114756号に対する優先権を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、グラフト基材としての水溶性ポリアルキレンオキシドと、ビニルエステル側鎖とをベースとする両親媒性グラフトポリマーを含有する洗濯洗剤又は洗浄組成物を目的とする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、グラフト基材としての水溶性ポリアルキレンオキシド(A)と、ビニルエステル成分(B)の重合により形成される側鎖とをベースとする新規両親媒性グラフトポリマーであって、平均50アルキレンオキシド単位あたり≦1のグラフト部位、及び平均モル質量M3000〜100,000を有するポリマーを含む新規洗濯洗剤及び洗浄組成物に関する。本発明はさらに、これらの両親媒性グラフトポリマーの、洗濯洗剤及び洗浄組成物に対する汚れ脱離促進添加剤としての使用にも関する。
【発明を実施するための形態】
【0004】
界面活性剤に加えて、ポリマーはまた、洗濯洗剤及び洗浄組成物のための汚れ脱離促進添加剤としても使用される。既知のポリマーは、例えば、粘土鉱物又はすすのような汚れ色素の分散剤として、既に脱離した汚れの再付着を防ぐ添加剤として、非常に好適である。しかし、かかる分散剤は、特に低温では、布地及び硬質表面から疎水性の汚れを除去するのに実質的に無効である。
【0005】
本発明の目的は、特に布地及び硬質表面から疎水性汚れを除去するために、洗濯及び洗浄組成物への添加剤として好適であるポリマーを提供することである。
【0006】
従って、我々は、グラフト基材として水溶性ポリアルキレンオキシド(A)と、ビニルエステル成分(B)の重合により形成される側鎖をベースとする両親媒性グラフトポリマーであって、前記ポリマーが平均50アルキレンオキシド単位あたり≦1のグラフト部位、及び平均モル質量M3000〜100,000を有するポリマーを見出した。
【0007】
我々はまた、反応混合物中の未反応グラフトモノマー(B)及び反応開始剤(C)割合が、ポリアルキレンオキシド(A)に対して常に量的欠乏状態に維持されるように、反応開始剤(C)が40〜500分の分解半減期を有する平均重合温度で、水溶性ポリアルキレンオキシド(A)、フリーラジカル形成反応開始剤(C)並びに所望により成分(A)、(B)及び(C)の合計を基準として40重量%以下の有機溶媒(D)の存在下にて、酢酸ビニル及び/又はプロピオン酸ビニル(B1)並びに所望によりさらなるエチレン性不飽和モノマー(B2)から構成されるビニルエステル成分(B)を重合させることを含む、グラフトポリマーを調製する工程を見出した。
【0008】
本発明のグラフトポリマーは、低度の分枝(グラフト化の程度)を特徴とする。それらは、平均して、得られる反応混合物に基づき、50アルキレンオキシド単位当たり、1以下のグラフト部位、好ましくは0.6以下のグラフト部位、より好ましくは0.5以下のグラフト部位、最も好ましくは0.4以下のグラフト部位を有する。それらは、平均して、得られる反応混合物に基づき、50アルキレンオキシド単位当たり、好ましくは少なくとも0.05、特には少なくとも0.1のグラフト部位を含む。分枝の程度は、例えば、グラフト部位及びポリアルキレンオキシドの−CH−基のシグナル全体から、13C NMR分光法を用いて測定することができる。
【0009】
分枝が低度であることに合致して、本発明のグラフトポリマーにおける、グラフト化アルキレンオキシド単位の、非グラフト化アルキレンオキシド単位に対するモル比は、0.002〜0.05、好ましくは0.002〜0.035、より好ましくは0.003〜0.025、最も好ましくは0.004〜0.02である。
【0010】
本発明のグラフトポリマーの好ましい実施形態は、狭いモル質量分布、従って、一般に≦3、好ましくは≦2.5、より好ましくは≦2.3の多分散性M/Mを特徴とする。最も好ましくは、多分散性M/Mは1.5〜2.2の範囲である。グラフトポリマーの多分散性は、例えば、標準として、狭分布ポリメチルメタクリレートを使用するゲル透過クロマトグラフィーにより測定することができる。
【0011】
本発明のグラフトポリマーの平均重量平均分子量Mは、3000〜100,000、好ましくは6000〜45,000、より好ましくは8000〜30,000である。
【0012】
低度の分枝及び低多分散性のために、本発明のグラフトポリマーの両染性特性及びブロックポリマー構造は特に顕著である。
【0013】
本発明のグラフトポリマーの他の好ましい実施形態はまた、未グラフト化ポリビニルエステル(B)を低含量しか有しない。一般に、それらは、≦10重量%、好ましくは≦7.5重量%、より好ましくは≦5重量%の未グラフト化ポリビニルエステル(B)を含む。
【0014】
未グラフト化ポリビニルエステルが低含量であること及び成分(A)と(B)との釣り合い比のために、本発明のグラフトポリマーは、水又は水/アルコール混合物(例えば、25重量%ジエチレングリコールモノブチルエーテル水溶液)に可溶性である。それらは、50℃以下で水に可溶性であるグラフトポリマーについては、一般に≦95℃、好ましくは≦85℃、より好ましくは≦75℃であり、25重量%のジエチレングリコールモノブチルエーテル中の他のグラフトポリマーについては、一般に≦90℃、好ましくは45〜85℃である、明白な低曇点を有する。
【0015】
本発明の両親媒性グラフトポリマーは、好ましくは、
(A)20〜70重量%の、グラフト基材としての水溶性ポリアルキレンオキシドと、
(B)(A)の存在下で、
(B1)70〜100%の、酢酸ビニル及び/又はプロピオン酸ビニル、並びに、
(B2)0〜30重量%の、さらなるエチレン性不飽和モノマーから構成される、30〜80重量%のビニルエステル成分のフリーラジカル重合により形成される側鎖と、を有する。
【0016】
より好ましくは、それらは、25〜60重量%のグラフト基材(A)と、40〜75重量%のポリビニルエステル成分(B)を含む。
【0017】
グラフト基材を形成するのに好適な水溶性ポリアルキレンオキシド(A)は、原則として、少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも60重量%、より好ましくは75重量%の共重合形エチレンオキシドを含む、C〜Cアルキレンオキシドをベースとする全てのポリマーである。
【0018】
ポリアルキレンオキシド(A)は、好ましくは、低多分散性M/Mを有する。それらの多分散性は、好ましくは≦1.5である。
【0019】
ポリアルキレンオキシド(A)は、遊離形の、即ちOH末端基を有する、対応するポリアルキレングリコールであってよいが、これらグリコールは一方又は両方の末端基において末端保護されていてもよい。好適な末端基は、例えば、C〜C25アルキル、フェニル及びC〜C14アルキルフェニル基である。
【0020】
特に好適なポリアルキレンオキシド(A)の特定の例としては、
(A1)特にC〜C25アルキル基により、一方又は両方の末端基において末端保護されていてもよいが、好ましくはエーテル化されておらず、好ましくは1500〜20,000、より好ましくは2500〜15,000の平均モル質量Mを有するポリエチレングリコール;
(A2)少なくとも50重量%のエチレンオキシド含量を有する、エチレンオキシド及びプロピレンオキシド及び/又はブチレンオキシドのコポリマーであって、同様に、特にC〜C25アルキル基により、一方又は両方の末端基において末端保護されていてもよいが、好ましくはエーテル化されておらず、好ましくは1500〜20,000、より好ましくは2500〜15,000の平均モル質量Mを有するコポリマー;
(A3)特に2500〜20,000の平均モル質量を有する鎖延長生成物であって、200〜5000の平均モル質量Mを有するポリエチレングリコール(A1)又は200〜5000の平均モル質量Mを有するコポリマー(A2)と、C〜C12−ジカルボン酸又はジカルボン酸エステル又はC〜C18−ジイソシアネートとの反応により得ることができる鎖延長生成物、が挙げられる。
【0021】
好ましいグラフト基材(A)はポリエチレングリコール(A1)である。
【0022】
本発明のグラフトポリマーの側鎖は、グラフト基材(A)の存在下におけるビニルエステル成分(B)の重合により形成される。
【0023】
ビニルエステル成分(B)は、有利なことに、(B1)酢酸ビニル若しくはプロピオン酸ビニルからなってよく、又は酢酸ビニルとプロピオン酸ビニルとの混合物からなってよく、特にビニルエステル成分(B)としては酢酸ビニルが好ましい。
【0024】
しかしながら、グラフトポリマーの側鎖はまた、酢酸ビニル及び/又はプロピオン酸ビニル(B1)並びにさらなるエチレン性不飽和モノマー(B2)を共重合させることにより形成することもできる。ビニルエステル成分(B)中のモノマー(B2)の割合は、30重量%以下であってよく、これはグラフトポリマー中の(B2)の含有量である24重量%に一致する。
【0025】
好適なコモノマー(B2)は、例えば、モノエチレン性不飽和カルボン酸及びジカルボン酸並びにエステル、アミド及び無水物のようなそれらの誘導体、並びにスチレンである。無論、異なるコモノマーの混合物を使用することも可能である。
【0026】
具体的な例としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸のC〜C12−アルキル及びヒドロキシ−C〜C12−アルキルエステル、(メタ)アクリルアミド、N−C〜C12−アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(C〜C−アルキル)(メタ)アクリルアミド、マレイン酸、無水マレイン酸及びマレイン酸のモノ(C〜C12−アルキル)エステルが挙げられる。
【0027】
好ましいモノマー(B2)は、(メタ)アクリル酸のC〜C−アルキルエステル及びヒドロキシエチルアクリレートであり、特に好ましいのは(メタ)アクリル酸のC〜C−アルキルエステルである。
【0028】
極めて特に好ましいモノマー(B2)は、メチルアクリレート、エチルアクリレート、特にn−ブチルアクリレートである。
【0029】
本発明のグラフトポリマーが、ビニルエステル成分(B)の構成物質としてモノマー(B2)を含む時、(B2)中のグラフトポリマーの含有量は、0.5〜20重量%、より好ましくは1〜15重量%、最も好ましくは2〜10重量%である。
【0030】
本発明のグラフトポリマーは、水溶性ポリアルキレンオキシド(A)、フリーラジカル形成反応開始剤(C)並びに必要に応じて成分(A)、(B)及び(C)の合計を基準として40重量%以下の有機溶媒(D)の存在下で、反応開始剤(C)が40〜500分の分解半減期を有する平均重合温度で、反応混合物中の未反応グラフトモノマー(B)及び反応開始剤(C)の割合がポリアルキレンオキシド(A)に対して常に量的欠乏状態に維持されるように、酢酸ビニル及び/又はプロピオン酸ビニル(B1)並びに必要に応じてさらなるエチレン性不飽和モノマー(B2)から構成されるビニルエステル成分(B)を重合させることにより、同様に本発明による方法により有利に得ることができる。
【0031】
この方法では、
(B1)70〜100重量%の、酢酸ビニル及び/又はプロピオン酸ビニル、並びに、
(B2)0〜30重量%の、さらなるエチレン性不飽和モノマー、から構成される、30〜80重量%のビニルエステル成分(B)と、
20〜70重量%の、平均モル質量Mが1500〜20,000である水溶性ポリアルキレンオキシド(A)とを使用することが好ましい。
【0032】
反応開始剤(C)の量は、いずれの場合も成分(B)を基準として、好ましくは0.2〜5重量%、具体的には0.5〜3.5重量%である。
【0033】
本発明による方法については、平均重合温度で存在するラジカルの定常状態濃度は、実質的に一定であり、低濃度においてのみ(例えば、5重量%以下)グラフトモノマー(B)は反応混合物中で常に存在する。これにより、反応を制御することができ、グラフトポリマーを、所望の低度の分枝及び所望の低多分散性を有する制御された方式で調製することができる。
【0034】
「平均重合温度」という用語は、本明細書では、方法は実質的に定温であるが、反応の発熱のために、好ましくは+/−10℃、より好ましくは+/−5℃の範囲内に維持される温度変化が存在する場合があることを意図する。
【0035】
本発明によって、平均重合温度でのフリーラジカル形成反応開始剤(C)は、40〜500分、好ましくは50〜400分、より好ましくは60〜300分の分解半減期を有するべきである。
【0036】
本発明によって、反応開始剤(C)及びグラフトモノマー(B)は、低く、かつ、実質的に一定濃度の未分解反応開始剤及びグラフトモノマー(B)が反応混合物中に存在するように、有利に添加される。反応混合物全体中の未分解反応開始剤の割合は、モノマー添加中に計量された反応開始剤の総量を基準として、好ましくは≦15重量%、特に≦10重量%である。
【0037】
平均重合温度は、適切には50〜140℃、好ましくは60〜120℃、より好ましくは65〜110℃の範囲である。
【0038】
50〜140℃の範囲の温度における分解半減期が20〜500分である好適な反応開始剤(C)の例は、
− t−ブチルペルオキシアセテート、t−ブチルモノペルオキシマレアート、t−ブチルペルオキシイソブチレート、t−ブチルペルオキシピバレート、t−ブチルペルオキシネオヘプタノエート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシネオデカノエート、t−アミルペルオキシピバレート、t−アミルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−アミルペルオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシネオデカノエート、クミルペルオキシネオデカノエート、t−ブチルペルオキシベンゾエート、t−アミルペルオキシベンゾエート及びジーt−ブチルジペルオキシフタレートのようなt−C〜C12−アルキルヒドロペルオキシド及びt−(C〜C12−アラルキル)ヒドロペルオキシドのO−C〜C12−アクリル化誘導体;
− 2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン及び1,3−ジ(2−ネオデカノイルペルオキシイソプロピル)ベンゼンのようなt−C〜C14−アルキレンビスペルオキシドのジ−O−C〜C12−アクリル化誘導体;
− ジアセチルペルオキシド、ジプロピオニルペルオキシド、ジスクシニルペルオキシド、ジカプリロイルペルオキシド、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)ペルオキシド、ジデカノイルペルオキシド、ジラウロイルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、ジ(4−メチルベンゾイル)ペルオキシド、ジ(4−クロロベンゾイル)ペルオキシド及びジ(2,4−ジクロロベンゾイル)ペルオキシドのようなジ(C〜C12−アルカノイル)及びジベンゾイルペルオキシド;
− t−アミルペルオキシ(2−エチルヘキシル)カーボネートのようなt−C〜C−アルキルペルオキシ(C〜C12−アルキル)カーボネート;
− ジ(n−ブチル)ペルオキシジカーボネート及びジ(2−エチルヘキシル)ペルオキシジカーボネートのようなジ(C〜C12−アルキル)ペルオキシジカーボネート
である。
【0039】
平均重合温度に応じて、特に好適な反応開始剤(C)の例は、
− 50〜60℃の平均重合温度では、t−ブチルペルオキシネオヘプタノエート、t−ブチルペルオキシネオデカノエート、t−アミルペルオキシピバレート、t−アミルペルオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシネオデカノエート、クミルペルオキシネオデカノエート、1,3−ジ(2−ネオデカノイルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ジ(n−ブチル)ペルオキシジカルボネート及びジ(2−エチルヘキシル)ペルオキシジカーボネート;
− 60〜70℃の平均重合温度では、t−ブチルペルオキシピバレート、t−ブチルペルオキシネオヘプタノエート、t−ブチルペルオキシネオデカノエート、t−アミルペルオキシピバレート及びジ(2,4−ジクロロベンゾイル)ペルオキシド;
− 70〜80℃の平均重合温度では、t−ブチルペルオキシピバレート、t−ブチルペルオキシネオヘプタノエート、t−アミルペルオキシピバレート、ジプロピオニルペルオキシド、ジカプリロイルペルオキシド、ジデカノイルペルオキシド、ジラウロイルペルオキシド、ジ(2,4−ジクロロベンゾイル)ペルオキシド及び2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルペルオキシ(ethyihexanoylperoxy))ヘキサン;
− 80〜90℃の平均重合温度では、t−ブチルペルオキシイソブチレート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−アミルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジプロピオニルペルオキシド、ジカプリロイルペルオキシド、ジデカノイルペルオキシド、ジラウロイルペルオキシド、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)ペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド及びジ(4−メチルベンゾイル)ペルオキシド;
− 90〜100℃の平均重合温度では、t−ブチルペルオキシイソブチレート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルモノペルオキシマレエート、t−アミルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジベンゾイルペルオキシド及びジ(4−メチルベンゾイル)ペルオキシド;
− 100〜110℃の平均重合温度では、t−ブチルモノペルオキシマレエート、t−ブチルペルオキシイソブチレート及びt−アミルペルオキシ(2エチルヘキシル)カーボネート;
− 110〜120℃の平均重合温度では、t−ブチルモノペルオキシマレエート、t−ブチルペルオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート及びt−アミルペルオキシ(2−エチルヘキシル)カーボネート
である。
【0040】
好ましい反応開始剤(C)は、t−C〜C−アルキルヒドロペルオキシドのO−C〜C12−アクリル化誘導体であり、特に好ましいのはt−ブチルペルオキシピバレート及びt−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエートである。
【0041】
特に有利な重合条件は、反応開始剤(C)及び重合温度を正確に調節することにより、努力を要せずに定めることができる。例えば、t−ブチルペルオキシピバレートを使用する場合に好ましい平均重合温度は60〜80℃であり、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエートの場合は80〜100℃である。
【0042】
本発明の重合反応は、少量の有機溶媒(D)の存在下で実施することができる。無論、異なる溶媒(D)の混合物を使用することも可能である。好ましいのは、水溶性又は水混和性溶媒を使用することである。
【0043】
溶媒(D)を希釈剤として使用する時、いずれの場合も成分(A)、(B)及び(C)の合計を基準として、一般に1〜40重量%、好ましくは1〜35重量%、より好ましくは1.5〜30重量%、最も好ましくは2〜25重量%用いられる。
【0044】
好適な溶媒(D)の例としては、
− 一価アルコール、好ましくは脂肪族C〜C16−アルコール、より好ましくは脂肪族C〜C12−アルコール、最も好ましくは、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、s−ブタノール及びt−ブタノールのようなC〜C−アルコール;
− 多価アルコール、好ましくはC〜C10−ジオール、より好ましくはC〜C−ジオール、最も好ましくはエチレングリコール及びプロピレングリコールのようなC〜C−アルキレングリコール;
− アルキレングリコールエーテル、好ましくはアルキレングリコールモノ(C〜C12−アルキル)エーテル及びアルキレングリコールジ(C〜C−アルキル)エーテル、より好ましくはアルキレングリコールモノ−及びジ(C〜C−アルキル)エーテル、最も好ましくは、エチレングリコールモノメチル及び−エチルエーテル並びにプロピレングリコールモノメチル及びエチルエーテルのようなアルキレングリコールモノ(C〜C−アルキル)エーテル;
− ポリアルキレングリコール、好ましくは、2〜20個のC〜C−アルキレングリコール単位を有するポリ(C〜C−アルキレン)グリコール、より好ましくは、2〜20個のエチレングリコール単位を有するポリエチレングリコール及び2〜10個のプロピレングリコール単位を有するポリプロピレングリコール、最も好ましくは、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール及びトリプロピレングリコールのような、2〜15個のエチレングリコール単位を有するポリエチレングリコール及び2〜4個のプロピレングリコール単位を有するポリプロピレングリコール;
−ポリアルキレングリコールモノエーテル、好ましくは、2〜20個のアルキレングリコール単位を有するポリ(C〜C−アルキレン)グリコールモノ(C〜C25−アルキル)エーテル、より好ましくは、2〜20個のアルキレングリコール単位を有するポリ(C〜C−アルキレン)グリコールモノ(C〜C20−アルキル)エーテル、最も好ましくは、3〜20個のアルキレングリコール単位を有するポリ(C〜C−アルキレン)グリコールモノ(C〜C16−アルキル)エーテル;
− カルボン酸エステル、好ましくは、C〜C−カルボン酸のC〜C−アルキルエステル、より好ましくは、C〜C−カルボン酸のC〜C−アルキルエステル、最も好ましくは、酢酸エチル及びプロピオン酸エチルのような、C〜C−カルボン酸のC〜C−アルキルエステル;
− アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン及びシクロヘキサノンのような、好ましくは3〜10個の炭素原子を有する脂肪族ケトン;
− 環状エーテル、特にテトラヒドロフラン及びジオキサン
が挙げられる。
【0045】
溶媒(D)は、(例えば、洗濯及び洗浄組成物で)用いるための本発明のグラフトポリマーの配合にも用いられ、それ故に重合生成物中に残存することができる溶媒が有利である。
【0046】
これらの溶媒の好ましい例は、2〜15個のエチレングリコール単位を有するポリエチレングリコール、2〜6個のプロピレングリコール単位を有するポリプロピレングリコール、特にC〜C−アルコールのアルコキシル化生成物(アルキレングリコールモノアルキルエーテル及びポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル)である。
【0047】
特に好ましいのは、40〜70℃で易流動性であるポリマー混合物の配合を可能にし、比較的低粘度でポリマー含有量が非常に低い、高度の分枝を有するC〜C16−アルコールのアルコキシル化生成物である。分枝は、アルコールのアルキル鎖及び/又はポリアルコキシレート部分(少なくとも1個のプロピレンオキシド、ブチレンオキシド又はイソブチレンオキシド単位の共重合)に存在することができる。これらのアルコキシル化生成物の特に好適な例は、1〜15モルのエチレンオキシドでアルコキシル化された2−エチルヘキサノール又は2−プロピルヘプタノール、1〜15モルのエチレンオキシド及び1〜3モルのプロピレンオキシドでアルコキシル化されたC13/C15オキソアルコール又はC12/C14若しくはC16/C18脂肪族アルコール、好ましくは、1〜15モルのエチレンオキシド及び1〜3モルのプロピレンオキシドでアルコキシル化された2−プロピルヘプタノールである。
【0048】
本発明の方法では、ポリアルキレンオキシド(A)、グラフトモノマー(B1)及び適切な場合(B2)、反応開始剤(C)並びに適切な場合、溶媒(D)は、反応器内で選択された平均重合温度に加熱される。
【0049】
本発明によると、重合は、過剰なポリマー(ポリアルキレンオキシド(A)及び形成されたグラフトポリマー)が反応器内に常に存在するように実施される。ポリマーの、未グラフト化モノマー及び反応開始剤に対する量比は、一般に、≧10:1、好ましくは≧15:1、より好ましくは≧20:1である。
【0050】
本発明による重合方法は、原則として、種々の種類の反応器内で実施することができる。
【0051】
用いられる反応器は、好ましくは、適切な場合一部とともに、一般に、グラフトモノマー(B)、反応開始剤(C)及び溶媒(D)の特定の総量の15重量%以下のポリアルキレンオキシド(A)が最初に完全に又は部分的に充填され、重合温度に加熱され、(B)、(C)及び適切な場合(D)の残量が、好ましくは別個に計量される攪拌槽である。(B)、(C)及び適切な場合(D)の残量は、好ましくは≧2時間、より好ましくは≧4時間、最も好ましくは≧5時間にわたって計量される。
【0052】
特に好ましい、実質的に無溶媒である異なる工程の場合、ポリアルキレンオキシド(A)の全体量が最初に溶解物として充填され、好ましくは1種の溶媒(D)中の10〜50重量%溶液の形態で存在するグラフトモノマー(B1)及び適切な場合(B2)、並びに反応開始剤(C)も、重合中、平均して選択された重合温度が特に+/−10℃、特には+/−5℃の範囲内に維持されるように制御された温度で計量される。
【0053】
さらに特に好ましい、低溶媒である異なる工程では、反応混合物の粘度を制限するために、溶媒(D)が重合中に計量されることを除き、手順は上述の通りである。計量した量の溶媒を重合が進行した後でのみ添加することで、又は一部添加することで開始することも可能である。
【0054】
重合は、標準圧下又は低圧若しくは高圧下で生じうる。用いられるモノマー(B)又は任意の希釈剤(D)の沸点が選択した圧力で高すぎる時、重合は還流冷却しながら実施される。
【0055】
顕著な両親媒性特性のために、本発明のグラフトポリマーは特に有益な界面特性を有する。それらは、洗濯及び洗浄組成物中で有利に用いることができ、そこでそれらは界面活性剤により布地又は硬質表面から疎水性汚れを除去するのを補助し、従って製剤の洗濯及び洗浄性能を向上させる。さらに、それらは、洗濯又は洗浄液体中で除去された汚れをより分散させ、洗濯又は洗浄される材料の表面に汚れが再付着するのを防ぐ。
【0056】
洗濯洗剤及び洗浄組成物
本発明の洗濯洗剤及び洗浄組成物は、具体的な全体の組成物を基準として、一般に0.05〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%、より好ましくは0.25〜2.5重量%の、本発明の両親媒性グラフトポリマーを含む。
【0057】
さらに、洗濯洗剤及び洗浄組成物は、一般に、界面活性剤及び適切な場合、洗浄物質としての他のポリマー、ビルダー及びさらに常習的な成分、例えば、コビルダー、錯化剤、漂白剤、標準化剤、灰色化阻害剤、移染阻害剤、酵素及び香料を含む。
【0058】
本発明の両親媒性グラフトポリマーは、C10〜C15アルキルベンゼンスルホネート(LAS)及び非イオン性、カチオン性、アニオン性又はこれらの混合物から選択される1つ以上の補助界面活性剤を含む界面活性剤系を含む洗濯洗剤及び洗浄組成物中で利用することができる。補助界面活性剤の選択は、所望の効果に応じて決めてよい。1つの実施形態では、補助界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、好ましくはC12〜C18アルキルエトキシレートとして選択される。別の実施形態では、補助界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、好ましくはC10〜C18アルキルアルコキシサルフェート(AES)(式中、xは1〜30である)として選択される。他の実施形態では、補助界面活性剤は、カチオン性界面活性剤、好ましくはジメチルヒドロキシエチルラウリルアンモニウムクロリドとして選択される。界面活性剤系がC10〜C15アルキルベンゼンスルホネート(LAS)を含む場合、LASは、組成物の約9重量%〜約25重量%、又は約13重量%〜約25重量%、又は約15重量%〜約23重量%の範囲の濃度で用いられる。
【0059】
界面活性剤系は、組成物の0重量%〜約7重量%、約0.1重量%〜約5重量%、又は約1重量%〜約4重量%の、非イオン性補助界面活性剤、カチオン性補助界面活性剤、アニオン性補助界面活性剤及びこれらの任意の混合物から選択される補助界面活性剤を含んでよい。
【0060】
非イオン性補助界面活性剤の非限定の例としては、シェル(shell)製ネオドール(NEODOL)(登録商標)非イオン性界面活性剤のようなC12〜C18アルキルエトキシレート、C〜C12アルキルフェノールアルコキシレート(アルコキシレート単位はエチレンオキシ及びプロピレンオキシ単位の混合物);BASF製プルロニック(登録商標)のようなエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックアルキルポリアミンエトキシレートを有するC12〜C18アルコール及びC〜C12アルキルフェノール縮合体;米国特許第6,150,322号で論じられたようなC14〜C22中鎖分岐アルコール、BA;米国特許第6,153,577号、同第6,020,303号及び同第6,093,856号で論じられたようなC14〜C22中鎖分岐アルキルアルコキシレート、BAE(xは1〜30);Llenadoの1986年1月26日発行の米国特許第4,565,647号で論じられたようなアルキル多糖類;特に米国特許第4,483,780号及び同第4,483,779号で論じられたようなアルキルポリグリコシド類;米国特許第5,332,528号で論じられたようなポリヒドロキシ脂肪酸アミド;並びに米国特許第6,482,994号及び国際特許公開第01/42408号で論じられたようなエーテル末端保護ポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤が挙げられる。
【0061】
半極性非イオン性補助界面活性剤の非限定例としては、約10〜約18個の炭素原子のアルキル部分1個と、約1〜約3個の炭素原子を含有するアルキル部分及びヒドロキシアルキル部分から成る群から選択される部分2個とを含有する水溶性アミンオキシド、約10〜約18個の炭素原子のアルキル部分1個と、約1〜約3個の炭素原子を含有するアルキル部分及びヒドロキシアルキル部分から成る群から選択される部分2個とを含有する水溶性ホスフィンオキシド、並びに、約10〜約18個の炭素原子のアルキル部分1個と、約1〜約3個の炭素原子のアルキル部分及びヒドロキシアルキル部分から成る群から選択される部分1個とを含有する水溶性スルホキシドが挙げられる。国際特許公開第01/32816号、米国特許第4,681,704号、及び同第4,133,779号を参照のこと。
【0062】
カチオン性補助界面活性剤の非限定例としては、米国特許第6,136,769号で論じられているようなアルコキシレート四級アンモニウム(AQA)界面活性剤;米国特許第6,004,922号で論じられているようなジメチルヒドロキシエチル四級アンモニウム;ジメチルヒドロキシエチルラウリルアンモニウムクロリドを包含する26個までの炭素原子を有してよい四級アンモニウム界面活性剤;国際特許公開第98/35002号、国際特許公開第98/35003号、国際特許公開第98/35004号、国際特許公開第98/35005号及び国際特許公開第98/35006号で論じられているようなポリアミンカチオン性界面活性剤;米国特許第4,228,042号、米国特許第4,239,660号、米国特許第4,260,529号及び米国特許第6,022,844号で論じられているようなカチオン性エステル界面活性剤;並びに米国特許第6,221,825号及び国際特許公開第00/47708号で論じられているようなアミノ界面活性剤、具体的にはアミドプロピルジメチルアミン(APA)が挙げられる。
【0063】
本明細書で有用なアニオン性補助界面活性剤の非限定例としては、C10〜C20一級分枝鎖及びランダムアルキルサルフェート(AS);C10〜C18二級(2,3)アルキルサルフェート;C10〜C18アルキルアルコキシサルフェート(AES)(xは1〜30である);1〜5個のエトキシ単位を含むC10〜C18アルキルアルコキシカルボキシレート;米国特許第6,020,303号及び同第6,060,443号に記載されているような中鎖分枝アルキルサルフェート;米国特許第6,008,181号及び同第6,020,303号に記載されているような中鎖分枝アルキルアルコキシサルフェート;国際特許公開第99/05243号、同第99/05242号及び同第99/05244号に記載されているような変性アルキルベンゼンスルホネート(MLAS);メチルエステルスルホネート(MES);並びにα−オレフィンスルホネート(AOS)が挙げられる。
【0064】
本発明はまた、本発明の両親媒性グラフトポリマー及びC〜C18直鎖アルキルスルホネート界面活性剤及び補助界面活性剤を含む界面活性剤系を含む組成物に関する。本組成物は、任意の形態、即ち、液体;粉末、顆粒、粒塊、ペースト、錠剤、袋、バー、ジェルのような固体;エマルション;二重区画容器にて供給される種類のもの;スプレー又は泡洗剤;予め湿潤した拭き取り布(即ち、米国特許第6,121,165号(マッキー(Mackey)ら)で論じられているような不織布材料と組み合わせた洗浄組成物);消費者によって水で活性化される乾燥拭き取り布(即ち、米国特許第5,980,931号(フォーラー(Fowler)ら)で論じられているような不織布材料と組み合わせた洗浄組成物);及び他の均質又は多相の消費者用洗浄製品の形態であってよい。
【0065】
1つの実施形態では、本発明の洗浄組成物は、液体又は固体洗濯洗剤組成物である。別の実施形態では、本発明の洗浄組成物は、硬質表面洗浄組成物であり、好ましくはこの硬質表面洗浄組成物が不織布基材に含浸される。本明細書で使用する時、「含浸」とは、不織布基材の少なくとも一部分に硬質表面洗浄組成物が染み込むように、好ましくは硬質表面洗浄組成物が不織布基材に十分に染み渡るように、硬質表面洗浄組成物が不織布基材と接触して置かれることを意味する。洗浄組成物はまた、広葉樹材、タイル、セラミック、プラスチック、革、金属、ガラスのような、様々な表面を洗浄するカーケア組成物に利用してもよい。この洗浄組成物はまた、シャンプー組成物、身体洗浄剤、液体又は固体石鹸及び界面活性剤が遊離硬度(free hardness)に接触する他の洗浄組成物のようなパーソナルケア及びペットケア組成物、並びに石油掘削組成物のような硬度耐性界面活性剤系を必要とするすべての組成物に使用されるように設計されてよい。
【0066】
別の実施形態では、洗浄組成物は、液体食器手洗い用組成物、固体自動食器洗い用組成物、液体自動食器洗い用組成物、及び自動食器洗い用組成物のタブ/単位用量型のような食器洗浄組成物である。
【0067】
非常に典型的には、洗濯洗剤、洗濯洗剤添加剤、硬質面クリーナー、合成及び石鹸ベースの洗濯バー、柔軟仕上げ剤及び布地処理液、固体及びすべての種類の処理物品のような本明細書中の洗浄組成物は、いくつかの補助剤を必要とするが、漂白添加剤のような単純に処方された特定の製品は、例えば、酸素漂白剤及び本明細書中に記載されるような界面活性剤のみを必要とする場合がある。好適な洗濯又は洗浄補助剤物質の包括的なリストは、国際特許公開第99/05242号中に見出すことができる。
【0068】
通常の洗浄補助剤としては、上で既に定義した任意の物質を除く、ビルダー、酵素、上述されていないポリマー、漂白剤、漂白活性化剤、触媒物質等が挙げられる。本明細書の他の洗浄補助剤としポリマー(例えばBASF社(BASF Corp.)又はては、起泡促進剤、泡抑制剤(消泡剤)等、前述した以外の分散性ローム・アンド・ハース(Rohm & Haas)製)、カラースペックル(color speckles)、シルバーケア(silvercare)、曇り防止剤及び/又は耐食剤、染料、充填剤、殺菌剤、アルカリ源、ヒドロトロープ、酸化防止剤、酵素安定化剤、プロ香料、香料、可溶化剤、キャリア、加工助剤、顔料、並びに、液体製剤の場合、溶媒、キレート剤、移染阻害剤、分散剤、増白剤、泡抑制剤、染料、構造弾性化剤(structure elasticizing agents)、布地柔軟仕上げ剤、磨耗防止剤、ヒドロトロープ、加工助剤、並びに他の布地ケア剤、表面及び皮膚ケア剤のような様々な活性成分又は特定の物質を挙げることができる。かかる他の洗浄補助剤の好適な例及び使用濃度は、米国特許第5,576,282号、同第6,306,812号及び同第6,326,348号に見出される。
【0069】
使用方法
本発明は、対象とする表面を洗浄する方法を含む。本明細書で使用する時、「対象とする表面」としては、布地、食器、ガラス製品、及び他の料理用の表面、硬質表面、毛髪又は皮膚のようなかかる表面を挙げることができる。本明細書で使用する時、「硬質表面」としては、広葉樹材、タイル、セラミック、プラスチック、皮革、金属、ガラスのような、典型的な家庭で見られる硬質表面が挙げられる。かかる方法は、非希釈形態又は洗浄液で希釈した、変性ポリオール化合物を含む組成物を、少なくとも対象とする表面の一部と接触させ、次いで所望により対象とする表面をすすぐ工程を含む。好ましくは、対象とする表面は、前述した任意のすすぎ工程の前に洗浄工程に供される。本発明の目的上、洗浄することは、擦ること、拭くこと及び機械的攪拌を含むが、これらに限定されない。
【0070】
当業者には理解されるように、本発明の洗浄組成物は、理想的には、ホームケア(硬質表面洗浄組成物)及び/又は洗濯用途での使用に適している。
【0071】
組成物溶液のpHは、pH約5〜約11の広い範囲にわたり洗浄される、対象とする表面に対して最も相補的になるように選択される。皮膚及び毛髪洗浄のようなパーソナルケアの場合、かかる組成物のpHは、好ましくはpH約5〜約8であり、洗濯洗浄組成物の場合、pH約8〜約10である。組成物は、好ましくは、溶液中で約200ppm〜約10,000ppmの濃度で用いられる。水温は、好ましくは約5℃〜約100℃にわたる。
【0072】
洗濯洗浄組成物で使用する場合、組成物は、好ましくは、溶液(又は洗浄液)中で約200ppm〜10000ppmの濃度で用いられる。水温は、好ましくは約5℃〜約60℃にわたる。水の布地に対する比は、好ましくは、約1:1〜約20:1である。
【0073】
方法は、本発明の組成物の実施形態を含浸した不織布基材に接触させる工程を含んでよい。本明細書で使用する時、「不織布基材」は、好適な坪量、キャリパー(厚さ)、吸収力及び強度特性を有する任意の従来通りに作られた不織布シート又はウェブを含んでよい。好適な市販の不織布基材の例としては、デュポン(DuPont)より商標名ソンタラ(SONTARA)(登録商標)として販売されているもの、及びジェームス・リバー社(James River Corp.)より商標名ポリウェブ(POLYWEB)(登録商標)として販売されているものが挙げられる。
【0074】
当業者には理解されるように、本発明の洗浄組成物は、理想的には、液体食器洗い用組成物で使用するのに適している。本発明の液体食器組成物を使用する方法は、汚れた皿を、有効量、典型的には約0.5mL〜約20mL(処理される皿25枚あたり)の、水で希釈した本発明の液体食器洗い用組成物と接触させる工程を含む。
【実施例】
【0075】
ポリマー例
本発明の両親媒性グラフトポリマーは、以下のように調製することができる。K値は、23℃及びポリマー濃度1重量%の3重量%水性NaCl溶液で測定することができる。平均モル質量及び多分散性は、溶出剤としてジメチルアセトアミド中の0.5重量%LiBr溶液を、標準としてポリメチルメタクリレート(PMMA)を使用するゲル透過クロマトグラフィーにより測定される。分枝の程度は、グラフト部位及びポリエチレングリコールの−CH−基のシグナル全体から、ジメチルスルホキシドで重水素化された13C NMR分光法により判定してもよい。報告された値は、生成物中に存在するポリエチレングリコールの全てに関する、即ち、未グラフト化ポリエチレングリコールを含み、平均でポリエチレングリコール当たりに存在する側鎖の数に一致する。
【0076】
(グラフトポリマー1)
攪拌棒及び還流凝縮器を備える重合容器に、窒素雰囲気下で、70℃で融解した480gのポリエチレングリコール(M12,000)を最初に充填する。
【0077】
16.0gの酢酸ビニル及び0.2gのt−ブチルペルオキシピバレートの添加後、0.9gのジプロピレングリコールに溶解し、さらに5分間攪拌し、6時間以内に304gの酢酸ビニル(フィード1)及び7時間以内に18gのジプロピレングリコールに溶解した4.0gのt−ブチルペルオキシピバレート(フィード2)を、攪拌しながら内部温度70℃にて一定の流量で連続的に平行して計量する。
【0078】
フィード2の終了後、混合物をさらに1時間70℃にて攪拌し、9.0gのジプロピレングリコールに溶解した4.8gのt−ブチルペルオキシピバレートを、いずれの場合も2時間攪拌しながら70℃にて3度に分けて添加する。さらに73gのジプロピレングリコールを添加し、粘度を下げる。
【0079】
酢酸ビニルの残留量を70℃で真空蒸留により除去する。その後、水を添加することにより、固体含有量を24.3重量%に定める。
【0080】
得られるグラフトポリマーは、28.4のK値、1.8の多分散性(重量平均分子量M36,900及び数平均分子量M21,000)及び0.8%の分枝度(0.15グラフト部位/50EO単位に一致する)を有する。
【0081】
(グラフトポリマー2)
攪拌棒及び還流凝縮器を備える重合容器に、窒素雰囲気下にて、85℃で融解した400gのポリエチレングリコール(M9000)を最初に充填する。
【0082】
20.0gの酢酸ビニル及び0.9gのジプロピレングリコールに溶解した0.25gのt−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエートを添加した後、さらに5分間攪拌し、6時間以内に380gの酢酸ビニル(フィード1)、7時間以内に18gのジプロピレングリコールに溶解した5.0gのt−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート(フィード2)を、攪拌しながら内部温度85℃にて一定の流速で連続的に平行して計量する。
【0083】
フィード2の終了後、混合物を85℃にてさらに1時間攪拌し、9.0gのジプロピレングリコールに溶解した6.0gのt−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエートを、いずれの場合もさらに2時間攪拌しながら85℃で3度に分けて添加する。さらに、73gのジプロピレングリコールを添加し、粘度を下げる。
【0084】
酢酸ビニルの残留量を、85℃にて真空蒸留により除去する。その後、水を添加することにより、固体含有量を23.2%に定める。
【0085】
得られるグラフトポリマーは、24.0のK値、1.9の多分散性(M37000、M19500)及び0.8%の分枝度(0.20グラフト部位/50EO単位に一致する)を有する。
【0086】
(グラフトポリマー3)
攪拌棒及び還流凝縮器を備える重合圧力容器に、窒素雰囲気下にて、90℃で融解した最初に1000gのポリエチレングリコール(M6000)を充填する。
【0087】
次いで、6時間以内に1500gの酢酸ビニル(フィード1)及び7時間以内に60.5gのトリプロピレングリコールに溶解した14.5gのt−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエートを、攪拌しながら内部温度90℃にて一定の流速で連続的に平行して計量する。
【0088】
フィード2の終了後、混合物をさらに1時間90℃にて攪拌し、22.6gのトリプロピレングリコールに溶解した17.1gのt−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエートを、いずれの場合もさらに2時間攪拌しながら90℃で3度に分けて添加する。さらに、73gのジプロピレングリコールを添加し、粘度を下げる。
【0089】
酢酸ビニルの残留量を、90℃で真空蒸留により除去する。その後、水を添加することにより、固体含有量を22.8重量%に定める。
【0090】
得られるグラフトポリマーは、19.6のK値、1.9の多分散性(M35,700、M18,800)及び0.9%の分枝度(0.33グラフト部位/50EO単位に一致する)を有する。
【0091】
(グラフトポリマー4)
攪拌棒及び還流凝縮器を備える重合容器に、窒素雰囲気下にて70℃で融解した、480gのポリエチレングリコール(M12,000)を最初に充填する。
【0092】
14.0gの酢酸ビニル、1.6gのブチルアクリレート及び0.9gのジプロピレングリコールに溶解した0.3gのt−ブチルペルオキシピバレートを添加した後、さらに5分間攪拌し、6時間以内に274gの酢酸ビニル(フィード1)及び6時間以内に30.4gのブチルアクリレート(フィード2)及び7時間以内に18gのジプロピレングリコールに溶解した6.0gのt−ブチルペルオキシピバレート(フィード3)を、攪拌しながら内部温度70℃にて一定の流速で連続的に平行して計量する。
【0093】
フィード3の終了後、混合物を70℃でさらに1時間攪拌し、9.0gのジプロピレングリコールに溶解した7.2gのt−ブチルペルオキシピバレートを、いずれの場合もさらに2時間攪拌しながら70℃で3度に分けて添加する。さらに、73gのジプロピレングリコールを添加し、粘度を下げる。
【0094】
モノマーの残留量を70℃で真空蒸留により除去する。その後、水を添加することにより、固体含有量を19.8%に定める。
【0095】
得られるグラフトポリマーは、29.1のK値、1.9の多分散性(M35,500、M18,400)及び0.7%の分枝度(0.13グラフト部位/50EO単位に一致する)を有する。
【0096】
(グラフトポリマー5)
攪拌棒及び還流凝縮器を備える重合容器に、窒素雰囲気下にて90℃で融解した1175gのポリエチレングリコール(M4000)を最初に充填する。
【0097】
88.0gの酢酸ビニル及び3.5gのトリプロピレングリコールに溶解した0.85gのt−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエートを添加した後、さらに5分間攪拌し、6時間以内に1674gの酢酸ビニル(フィード1)及び7時間以内に71gのトリプロピレングリコールに溶解した17.0gのt−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート(フィード2)を、攪拌しながら内部温度90℃にて一定の流速で連続的に平行して計量する。
【0098】
フィード2の終了後、混合物を90℃にてさらに1時間攪拌し、21.0gのトリプロピレングリコールに溶解した39.0gのt−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエートを、いずれの場合もさらに2時間攪拌しながら70℃で3度に分けて添加する。さらに、73gのジプロピレングリコールを添加し、粘度を下げる。
【0099】
酢酸ビニルの残留量を90℃で真空蒸留により除去する。その後、水を添加することにより、固体含有量を23.4%に定める。
【0100】
得られるグラフトポリマーは、17.9のK値、2.3の多分散性(M26,800、M11,700)及び0.6%の分枝度(0.33グラフト部位/50EO単位に一致する)を有する。
【0101】
(グラフトポリマー6)
攪拌棒及び還流凝縮器を備える重合圧力容器に、窒素雰囲気下にて90℃で融解した444gのポリエチレングリコール(M6000)を最初に充填する。
【0102】
1.7gのトリプロピレングリコールに溶解した0.55gのt−ブチルペル−2−エチルヘキサノエートを添加した後、さらに15分間攪拌し、6時間以内に666gの酢酸ビニル(フィード1)及び6.5時間以内に21.6gのトリプロピレングリコールに溶解した7.22gのt−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、またフィード1の開始後3時間に始める、3.5時間以内に233gのアルコキシル化2−プロピルヘプタノール(1モルのPO及び10モルのEO/モル)(フィード3)を、攪拌しながら内部温度90℃で一定の流速で連続的に平行して計量する。
【0103】
フィード2及び3の終了後、90℃でさらに1時間攪拌し、18.25gのトリプロピレングリコールに溶解した、6.1gのt−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエートは、いずれの場合もさらに2時間攪拌しながら90℃で3℃に分けて添加する。
【0104】
酢酸ビニルの残留量は90℃で真空蒸留により除去する。その後、水を添加することにより、固体含有量を86.9%に定める。
【0105】
得られるグラフトポリマーは、17.6のK値、1.8の多分散性(M35,700、M20,000)及び0.9%の分枝度(0.33グラフト部位/50EO単位に一致する)。
【0106】
組成物の配合
(実施例7)−顆粒洗濯洗剤
【表1】

実施例1、2、3、4、5又は6のいずれかによる両親媒性グラフトポリマー又は任意のポリマーの混合物
【0107】
(実施例8)−顆粒洗濯洗剤
【表2】

実施例1、2、3、4、5又は6のいずれかによる両親媒性グラフトポリマー又は任意のポリマーの混合物。
【0108】
噴霧乾燥された粉末の調製
上述したような組成を有する、含水率が25.89%である水性スラリーを調製する。水性スラリーを、72℃に加熱し、高圧(5.5×10Nm−2〜6.0×10Nm−2)下で、空気入り口温度270℃〜300℃の向流式噴霧乾燥塔内に送り込む。水性スラリーを噴霧化し、この噴霧化されたスラリーを乾燥して固体混合物を生成し、次にこれを冷却して、大きすぎる物質(>1.8mm)を篩分けして取り除き、噴霧乾燥された自由流動性粉末を形成する。微細物質(<0.15mm)は、噴霧乾燥塔内の排気(the exhaust the exhaust air)で水簸されて、後の塔(post tower)の収容システム内に集められる。噴霧乾燥された粉末は、1.0重量%の含水率、427g/Lの嵩密度、及び噴霧乾燥された粉末の95.2重量%の粒径が150〜710マイクロメートルであるような粒径分布を有する。噴霧乾燥された粉末の組成を以下に示す。
【表3】

【0109】
アニオン性洗浄界面活性剤粒子1の調製
アニオン性洗浄界面活性剤粒子1は、傾斜ピン(Tilt-A-Pin)ミキサー、次に傾斜プラウ(Tilt-A-Plow)ミキサー(いずれもプロセソール(Processall)製)を用いて520gバッチを基準にして作製される。供給された硫酸ナトリウム108gを、炭酸ナトリウム244gと共に傾斜ピン(Tilt-A-Pin)ミキサーに添加する。70%活性C25Sペースト(C12/15アルコールとエチレンオキシドをベースとするエトキシ硫酸ナトリウム)168gを傾斜ピン(Tilt-A-Pin)ミキサーに添加する。成分を次いで1200rpmで10分間混合する。得られた粉末を、次に、傾斜プラウ(Tilt-A-Plow)ミキサーに移して、200rpmで2分間混合し粒子を形成する。粒子を、次に、前期粒子の平衡相対湿度が15%未満になるまで、2500L/分の速度で120℃において流動床乾燥機内で乾燥させる。乾燥した粒子を、次いで、ふるいにかけ、1180μmを通過し、250μm上に残る画分を保持する。アニオン性界面活性剤粒子1の組成は以下の通りである。
25Sエトキシ硫酸ナトリウム 25.0重量%
硫酸ナトリウム 18.0重量%
炭酸ナトリウム 57.0重量%
【0110】
カチオン性洗浄界面活性剤粒子1の調製
カチオン性界面活性剤粒子1は、モートンFM−50ローディッジ(Morton FM-50 Loedige)ミキサーで14.6kgバッチを基準にして作製される。微紛化硫酸ナトリウム4.5kg及び微紛化炭酸ナトリウム4.5kgをモートン FM−50ローディッジミキサーで予備混合する。活性モノ−C12〜14アルキルモノヒドロキシエチルジメチル四級アンモニウムクロライド(カチオン性界面活性剤)の40%水溶液4.6kgをモートン FM−50ローディッジミキサーに添加し、それと同時に主要な駆動部とチョッパーの両方を作動する。約2分間混合した後、微粉化硫酸ナトリウムと微粉化炭酸ナトリウムとの重量比1:1の混合物1.0kgをミキサーに追加する。得られた凝集体を集めて、100〜140℃で2500L/分の空気ベースで、30分間、流体床乾燥機を使って乾燥させる。得られた粉末を篩分けして、1400μmを通過する画分をカチオン性界面活性剤粒子1として集める。カチオン性界面活性剤粒子1の組成は、次の通りである:
モノC12〜14アルキルモノヒドロキシエチルジメチル四級アンモニウムクロライド 15重量%
炭酸ナトリウム 40.76重量%
硫酸ナトリウム 40.76重量%
湿分及びその他 3.48重量%
【0111】
粒状洗濯洗剤組成物の調製
実施例1の噴霧乾燥された粉末10.84kg、アニオン性洗浄界面活性剤粒子1 4.76kg、カチオン性洗浄界面活性剤粒子1 1.57kg、及びその他の個別に与えられ、乾燥状態で追加された物質7.83kg(総量)を、24rpmで作動している直径1mのコンクリートバッチミキサーに加える。材料全てを前記ミキサー内に加えた後、混合物を5分間混合し、粒状洗濯洗剤組成物を形成する。粒状洗濯洗剤組成物の配合を以下に示す。
【表4】

【0112】
(実施例9)−液体洗濯洗剤
【表5】

実施例1、2、3、4、5又は6のいずれかの両親媒性グラフトポリマー又は任意のポリマーの混合物。
ジエチレントリアミン五酢酸、ナトリウム塩
ジエチレントリアミンペンタキスメチレンホスホン酸、ナトリウム塩
エチレンジアミン四酢酸、ナトリウム塩
アキュソール(Acusol)OP 301
【0113】
(実施例10)−液体食器手洗い用洗剤
【表6】

実施例1、2、3、4、5又は6のいずれかによる両親媒性グラフトポリマー又は任意のポリマーの混合物。
非イオン性とは、9個のエトキシル基を含有するC11アルキルエトキシル化界面活性剤であってもよい。
1,3BACは1,3ビス(メチルアミン)−シクロヘキサンである。
(N,N−ジメチルアミノ)エチルメタクリレートホモポリマー
【0114】
(実施例11)−自動食器洗い用洗剤
【表7】

実施例1、2、3、4、5又は6のいずれかによる両親媒性グラフトポリマー又は任意のポリマーの混合物。
例えば、ローム・アンド・ハース(Rohm & Haas)から入手可能なアキュソール(登録商標)445N又はアルコ(Alco.)から入手可能なアルコスパース(ALCOSPERSE)(登録商標)等。
例えば、オリン社(Olin Corporation)製のSLF−18 PLYタージェント(TERGENT)等。
【0115】
特に記載のない限り、構成成分又は組成物の濃度は全て、構成成分又は組成物の活性濃度に関するものであり、市販の供給源に存在し得る不純物、例えば残留溶媒又は副生成物は除外されている。
【0116】
百分率及び比率は全て、特に指示がない限り、重量で計算されている。百分率及び比率は全て、特に指示がない限り、組成物全体を基準にして計算されている。
【0117】
本明細書を通じて与えられるあらゆる最大数値限定は、あらゆる低い数値限定を、そのような低い数値限定が本明細書に明示的に記載されているかのように含むと理解されなければならない。本明細書全体を通じて、記載されているあらゆる最小数値限定は、それより大きいあらゆる数値限定を、そのような大きい数値限定が本明細書に明示的に記載されているかのように含む。本明細書全体を通じて記載されているあらゆる数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内に入るそれよりも狭いあらゆる数値範囲を、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように含む。
【0118】
本発明の「発明を実施するための形態」において引用する全ての文献は、その関連部分において本明細書に援用されるものであるが、いずれの文献の引用も、こうした引用が本発明の先行技術であることを容認するものとして解釈すべきではない。
【0119】
本発明の特定の実施形態が説明及び記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行えることが当業者には明白であろう。従って、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
グラフト基材としての水溶性ポリアルキレンオキシド(A)及びビニルエステル成分(B)の重合により形成される側鎖をベースとする両親媒性グラフトポリマーを含み、前記ポリマーが、平均50アルキレンオキシド単位あたり≦1のグラフト部位、及び平均モル質量M3000〜100000を有する、洗濯洗剤又は洗浄組成物。
【請求項2】
前記洗濯洗剤又は洗浄組成物が、液体洗濯洗剤組成物、固体洗濯洗剤組成物、硬質表面洗浄組成物、液体食器手洗い用組成物、固体自動食器洗い用組成物、液体自動食器洗い及びタブ/単位用量型自動食器洗い用組成物からなる群から選択される、請求項1に記載の洗濯洗剤又は洗浄組成物。
【請求項3】
前記洗剤又は洗浄組成物が、洗剤又は洗浄組成物の0.05〜10重量%の両親媒性グラフトポリマーを含む、請求項1又は2に記載の洗濯洗剤又は洗浄組成物。
【請求項4】
前記両親媒性グラフトポリマーが3以下の多分散性を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の洗濯洗剤又は洗浄組成物。
【請求項5】
前記両親媒性グラフトポリマーが、ポリマーの10重量%以下の、非グラフト形態のポリビニルエステルを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の洗濯洗剤又は洗浄組成物。
【請求項6】
前記両親媒性グラフトポリマーが、
(A)20〜70重量%の、グラフト基材としての水溶性アルキレンオキシドと、
(B)(A)の存在下で、
(B1)70〜100重量%の、酢酸ビニル及び/又はプロピオン酸ビニル、
並びに、
(B2)0〜30重量%の、さらなるエチレン性不飽和モノマーから構成される、30〜80重量%のビニルエステル成分のフリーラジカル重合により形成される側鎖と、を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の洗濯洗剤又は洗浄組成物。
【請求項7】
前記両親媒性グラフトポリマーが、
(A)20〜70重量%の、平均モル質量M1500〜20000の水溶性ポリアルキレンオキシドと、
(C)成分(B)を基準として0.25〜5重量%のフリーラジカル形成反応開始剤と、
(D)成分(A)、(B)及び(C)の合計を基準として0〜40重量%の有機溶媒と、の存在下で、
反応開始剤(C)が40〜500分の分解半減期を有する平均重合温度で、反応混合物中の未反応グラフトモノマー(B)及び反応開始剤(C)の割合がポリアルキレンオキシド(A)に対して常に量的欠乏状態に維持されるように、
(B1)70〜100重量%の、酢酸ビニル及び/又はプロピオン酸ビニルと、
(B2)0〜30重量%の、さらなるエチレン性不飽和モノマーと、から構成される、
(B)30〜80重量%のビニルエステル成分
のフリーラジカル重合により得ることができる、請求項1又は2に記載の洗濯洗剤又は洗浄組成物。
【請求項8】
前記洗剤又は組成物が界面活性剤系をさらに含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の洗濯洗剤又は洗浄組成物。
【請求項9】
前記界面活性剤系がC10〜C15アルキルベンゼンスルホネートを含む、請求項8に記載の洗濯洗剤又は洗浄組成物。
【請求項10】
前記界面活性剤系がC〜C18直鎖アルキルスルホネート界面活性剤を含む、請求項8に記載の洗濯洗剤又は洗浄組成物。
【請求項11】
前記界面活性剤系が、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される1つ以上の補助界面活性剤をさらに含む、請求項9又は10に記載の洗濯洗剤又は洗浄組成物。
【請求項12】
前記洗剤又は組成物が、洗浄補助添加剤をさらに含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の洗濯洗剤又は洗浄組成物。
【請求項13】
不織布基材と、請求項1〜12のいずれか一項に記載の洗濯洗剤又は洗浄組成物とを含む、洗浄用具。

【公表番号】特表2009−538947(P2009−538947A)
【公表日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−512581(P2009−512581)
【出願日】平成19年5月29日(2007.5.29)
【国際出願番号】PCT/EP2007/055198
【国際公開番号】WO2007/138054
【国際公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】