説明

ポリウレタンをベースとする感圧接着剤

【課題】 ポリウレタンをベースとする感圧粘着剤を提供すること。
【解決手段】 ポリウレタンが、少なくとも次の出発物質の化学反応生成物を含むことを特徴とする、ポリウレタンをベースとする感圧接着剤:
a) 少なくとも一種の脂肪族または脂環式ジイソシアネート、及び3又は3より大きいイソシアネート官能価を有する少なくとも一種の脂肪族または脂環式ポリイソシアネートを含み、3又は3より大きいイソシアネート官能価を有する脂肪族または脂環式ポリイソシアネートの、ポリイソシアネートの割合としての物質量分率が、少なくとも18%である、ポリイソシアネート、及び
b) 感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーの少なくとも一種。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリウレタンをベースとする感圧接着剤(PSA)に関し、また、該PSAをベースとする感圧接着剤層および接着テープ、接着テープにおける感圧接着剤層、支持体層または機能層としての該PSAの使用、ならびに該PSAを製造するための方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
感圧接着剤は、特別な、特徴的粘弾性特性を有する。
【0003】
その特徴の一つは、感圧接着剤を機械的に変形させるとき、粘性流の変化と、さらには弾性回復力の発生との両方が存在し得るということである。これらの両方の変改は、それぞれの割合に関して、当該のPSAの正確な組成、構造および架橋度だけでなく、変形速度および変形の継続時間、ならびに温度にも依存して、互いに対して特定の割合にある。
【0004】
割合に応じた粘性流は、粘着性を得るために必要である。比較的大きい移動度を有する高分子によってもたらされる粘性成分のみが、結合されるべき基材上で効果的な湿潤および良好な流れを可能にする。高粘性流成分は、結果として、高い感圧接着性(粘着力または表面粘着性とも称する)をもたらすため、高い密着強度をももたらす場合が多い。高度に架橋した系またはポリマーは、結晶性であるか、またはガラス状の固化を経験しており、流動性成分が欠失しているために、一般に感圧接着性ではないか、または僅かに感圧接着性であるにすぎない。
【0005】
均衡する弾性回復力は、凝集性を達成するために必要である。弾性回復力は、例えば、非常に長鎖の、かなり複雑な高分子によって、さらには物理的または化学的に架橋した高分子によってもたらされ、粘着性密着に作用する力の移動を可能にする。弾性回復力は、粘着性密着が、例えば持続的なせん断負荷の形態で自身に作用する長期の負荷に対して比較的長い期間にわたって十分に耐えられるようにする。
【0006】
弾性成分および粘性成分の率、ならびにこれらの成分の互いに対する比をより厳密に記載し、数量化するために、動的機械分析(DMA)によって求めることができるパラメータである貯蔵弾性率(G’)、損失弾性率(G”)、および、損失係数tanδ(tanデルタ)として定義される比G”/G’も使用することができる。G’は、物質の弾性成分の尺度であり、G”は、物質の粘性成分の尺度である。両方のパラメータは、変形振動数および温度に依存する。
【0007】
これらのパラメータをレオメータによって求めることができる。例えば、プレート/プレート配置において、分析する材料を、正弦波的に振動するせん断応力に付す。剪断応力制御機器の場合、変形を時間の関数として測定し、この変形の経時変化を剪断応力の導入に対して測定する。この経時変化を位相角δとして特定する。
【0008】
貯蔵弾性率G’を以下のように定義する:G’=(τ/γ)・cos(δ)(τ=剪断応力、γ=変形、δ=位相角=せん断応力ベクトルと変形ベクトルとの間の位相シフト)。損失弾性率G”の定義は:G”=(τ/γ)・sin(δ)(τ=剪断応力、γ=変形、δ=位相角=剪断応力ベクトルと変形ベクトルとの間の位相シフト)である。
【0009】
物質は、室温で10から10rad/secの振動数範囲、理想的には10−1から10rad/secの振動数範囲においてG’が少なくとも部分的に10から10Paの範囲内にあるとき、かつ、G”が同様に少なくとも部分的にこの範囲にあるとき、一般に感圧接着性である。G’およびG”のマトリックスプロット(G”の関数としてプロットしたG’)において、粘弾性基準に従って感圧接着剤用途のための粘弾性ウィンドウ、または感圧接着性ウィンドウとも称されることがあるこの範囲内では、関連物質から予測される感圧粘着特性をより綿密に特徴づける種々の区域および四分円がひいては存在する。例えば、このウィンドウ内に高いG”および低いG’を有する物質は、密着強度が高く剪断強度が低いことが一般に顕著であるが、高いG”および高いG’を有する物質は、密着強度が高く剪断強度も高いことが顕著である。
【0010】
一般的に言えば、レオロジーと感圧接着性との関係に関するこれらの所見は、最先端のものであり、例えば、Satas、「Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology」、第3版、(1999年)、153〜203頁(非特許文献1)に記載されている。
【0011】
感圧接着性を記載および数量化するための多くの補足的または代替の可能性のうちの1つに、粘着力測定機器、例えばSMS(Stable Micro Systems)製のTexture Analyser TA2による粘着力の直接測定がある。この方法によると、選択された幾何学的形態を有するダイ、例えば、選択された材料製、例えば鋼製の円筒形ダイを、分析の際にサンプル上に所定の力および速度で加圧し、所定時間後、所定の速度で再び引き抜く。試験結果は、引き抜きに必要な最大の力であり、単位Nで表される。
【0012】
物質が感圧接着性であると考えることができるのは、円筒半径が1mmであり、測定対象の物質上への円筒の加圧速度が0.1mm/sであり、加圧力が5Nであり、加圧時間が0.01sであり、かつ引き抜き速度が0.6mm/sである鋼製円筒を用いて測定する際、ダイの引き抜きに必要な最大の力が少なくとも0.1Nであるときである。
【0013】
接着テープは、1層が別の層の上に位置し、互いに化学的または物理的に固定されている複数の層から構成されていることが多い。接着テープの粘着特性は、感圧接着剤の粘着特性によってだけでなく、他の層の粘弾性特性によって、さらには個々の層の厚さによっても影響される。接着テープの粘着特性に及ぼす影響は、言わば、接着テープの全ての層を通して伝播される。したがって、例えば、支持体層の粘弾性特性は、接着テープの粘着特性に影響を及ぼす場合もある。さらに、接着テープにおける機能層の粘弾性特性が、接着テープの粘着特性に影響を及ぼす場合がある。機能層とは、ほんの数例を与えると、特定の光学特性、電気特性または熱伝導特性を有する、例えば、プライマー層(複数可)を意味している。
【0014】
連続コーティング法において自己粘着性物品を製造することについて、様々な公知の技術がある。根本的には、溶媒をベースとする技術と溶媒を用いない技術とに区別することができる。
【0015】
溶媒をベースとする系では、感圧接着性ポリマーまたは混合物がコーティングの前に溶液中に存在する。支持体または補助支持体上にコーティングする少し前に、化学架橋剤を混合してもよい。該架橋剤の種類および濃度は、一般に、架橋プロセスが、コーティングの前に溶液中でゲル化を引き起こさない程度に十分に遅くなるように選択される。コーティングを行った後、および、溶媒が蒸発した後、感圧接着性ポリマーまたは混合物は、支持体または補助支持体上にフィルムまたはフィルム状の層の形態で存在し、架橋プロセスが完結したか否かとは無関係にこれを巻き上げることができる。フィルムまたはフィルム状の層は、液体の粘性よりも固体の粘性にむしろ近い、高度に粘性の状態にある。架橋は、フィルムまたはフィルム状の層のこのような固体特性に、一般に何ら著しくない程度で影響を及ぼす。フィルムまたはフィルム状の層の固体特性は、ロールへと巻き取り可能であるための基本的な必要条件である。
【0016】
溶媒をベースとする技術は、厚い層を製造するのに適していない、特に、経済的に許容可能な速度でコーティングが行われる場合に適していないという根本的な欠点を有する。約100〜150μmを超える層厚でさえも、溶媒の蒸発の結果として目に見える気泡が増大し、したがって、明らかに品質が低下する。このことは、この層を接着テープに使用することが、もやは考慮できないことを意味している。より薄い層の製造に関しても同様に、溶媒を蒸発させる必要性により、コーティング速度がかなり制限される。さらに、溶媒をベースとするコーティング法は、溶媒を回収または灰化する必要があることから、操作費用が著しく上昇させる。
【0017】
溶媒を含まない系は、溶媒を用いなくても室温で液体、シロップ状、またはペースト状である反応系と、ホットメルト系とに細区分することができ、ここで、ホットメルト系は、感圧接着性ポリマーまたは混合物が、室温においては、固体の特性を有するかなり高い粘度を有し、熱が供給されると、溶融するか、または加工可能な状態である、典型的な液体、シロップ状もしくはペースト状の物質への転移を経る。
【0018】
室温で液体、シロップ状、またはペースト状である反応系の典型的な例は、周知の二成分ポリウレタン、エポキシドまたはシリコーンである。この種の反応系を用いて薄い層および厚い層の両方を製造することができ、これは、溶媒をベースとする系に比べて大きな利点である。
【0019】
しかし、典型的な接着テープ製造工程におおいて中心的な操作ステップを一般に代表する、連続的なコーティングに関連して、室温で液状、シロップ状、またはペースト状である反応系は、この状態では巻き上げることができないという不利点、あるいは特に、層厚が高い場合に、少なくとも一定の層厚を有さない、という不利点を有する。一定の層厚を有することで、固体、または少なくとも固体特性を有する高い粘度のポリマーフィルムだけが、巻き上げ可能である。室温で液体の溶媒を含まない反応系の固化は、成分が混合された後にだけ一般に開始する化学反応の進行に関係している。反応の進行には一定時間要する。フィルムが、当該化学反応における十分に高い転化率の結果固化した場合にだけ、支持体または補助支持体上にコーティングされたフィルムの巻き上げが可能になる。したがって、これらの系のコーティング速度は制限されている。
【0020】
欧州特許出願公開第1469024A2号(特許文献1)、欧州特許第1469055B1号(特許文献2)、欧州特許出願公開第1849811A1号(特許文献3)または国際公開第2008/009542号(特許文献4)に記載されているポリウレタン系PSAは、この反応系の種類に包含される。したがって、それらは、接着テープの一部としてのフィルムおよび/またはPSA層として、制限されたコーティング速度でだけ製造できるため、おしなべてあまり経済的でない。
【0021】
欧州特許第0801121B1号(特許文献5)および欧州特許第0894841B1号(特許文献6)に記載されているポリウレタン系自己接着テープの支持体もまた、上記のPSAと同様に、液体またはペースト状の成分からコーティングの間に製造されるという不利点を有する。したがって、ここでもまた、これらの支持体を巻き上げることができるまで反応の進行を待つ必要があり、これは、コーティング速度を、したがって生産の経済状況を制限する。
【0022】
同じ不利点は、欧州特許第1095993B1号(特許文献7)に記載されている、二成分ポリウレタンから自己粘着性物品を連続法によって製造する物質についても当てはまる。
【0023】
シロップ状の成分をベースとする接着テープまたは接着テープ層は、例えば欧州特許第0259094B1号(特許文献8)または欧州特許第0305161B1号(特許文献9)に記載されており、ここでは、ポリマーの形成または架橋が、光重合を経て達成される。
【0024】
これらの反応系もまた、シロップ状の状態では巻き上げることができないという不利点、または少なくとも一定の層厚を有さないという不利点を有する。ここでもまた、巻き取り可能性が反応の進行と関係しており、一定時間を必要とする。したがって、これらの系もまた、コーティング速度に関して制限されている。
【0025】
ポリマーの形成および架橋が、例えばUVまたはEBC放射によって外部から開始される、液体、シロップ状またはペースト状の反応系は、一般に、該放射がフィルムの全厚を通ってポリマーの形成に関与する全ての分子に均一に到達するときにだけにしか、一貫して均一な特性を有するポリマーの形成が起こらないというさらなる不利点を有する。このポリマーの形成は、特に、層厚が高いとき、または系が充填剤で満たされている場合には当てはまらず、そのような場合には、フィルムは不均一に架橋した高分子骨格を含むことになる。
【0026】
液体、シロップ状、またはペースト状の反応系と比較して、ホットメルト系は、特に、押出操作での処理に関して、これを用いて非常に高いコーティング速度を得ることができるという利点を有する。押出操作において、室温で固体状であり溶融可能であるか、または固体特性を有するように高い粘度を有するポリマーは、溶融するか、または温度上昇によって低粘度状態に転換され、この状態でフィルム形成されて、一般には、支持体もしくは補助支持体上にコーティングされる。室温に冷却され、したがって固化が行われた後、巻き取りが直ちに実施されてよい。巻き取り可能性は、化学反応の進行とは関係しない。フィルムを冷却する操作には、一般に、比較的ほんの僅かな時間しか要さない。室温で固体特性を有し、押出操作で処理することができるポリマーは、一般に、ホットメルトと称される。液状、シロップ状、またはペースト状の反応系と同様に、ホットメルトも、厚さについて何ら根本的に制限されることなく、層を製造するために用いることができる。接着テープの領域では、これは、例えばドイツ特許出願公開第10003318A1(特許文献10)またはドイツ特許出願公開第10252088A1(特許文献11)に記載されており、この方法でコーティングされる、主にスチレンブロックコポリマーPSAである。
【0027】
熱可塑性ポリウレタンもまた、ホットメルト操作によって処理することができる。ドイツ特許出願公開第2059570A(特許文献12)には、例えば、非多孔質熱可塑性ポリウレタンのための連続一段階製造プロセスが記載されている。
【0028】
ドイツ特許出願公開第102005039933A号(特許文献13)には、中間体として最初に調製したOH末端線状プレポリマーから熱可塑的に処理可能なポリウレタンを調製することが記載されており、例えばDE2248382C2号(特許文献14)にも、多段階操作においてOH末端プレポリマーから熱可塑性ポリウレタンを調製することが記載されている。これらの明細書には、粘着剤用途に好適な粘弾性特性の表示がなされていない。米国特許出願公開第2007/0049719A1号(特許文献15)にも、ヒドロキシル末端ポリウレタンプレポリマーが記載されている。ここにもまた、粘着剤用途に好適な粘弾性特性の表示はなされていない。
【0029】
米国特許出願公開第2007/0129456A1号(特許文献16)には、同様に、ヒドロキシル末端ポリウレタンプレポリマーが記載されている。これらのポリマーは、合成レザーを製造するのに役立ち、室温で液状または半固体状である。これらは、結晶性ポリエーテルポリオールおよび結晶性ポリエステルポリオールを含む。粘着剤用途に好適な粘弾性特性についての表示はなされていない。また、接着テープロールの形態で巻き上げられる、十分に固体の特性を有するこれらのプレポリマーについてのいずれの表示もなされていない。
【0030】
熱可塑性または熱可塑的に処理可能なポリマーをベースとするホットメルトコーティング操作は、高いコーティング速度を達成できるという利点、および厚い層を製造できるという利点を有するが、架橋しない、または少なくとも十分には架橋しないポリマーフィルムをもたらし、これらのフィルムが、特に高温において長期間にわたる高い堅牢性が必須である接着テープ層としての使用に好適でないという結果をもたらす。
【0031】
例えば、ドイツ特許出願公開第1964834A号(特許文献17)およびDE2302564C3号(特許文献18)から、エラストマーに架橋特性をもたらし得る、トリオールを用いたポリウレタンエラストマーを押出することが公知である。しかし、これらの明細書には、液状の出発物質の反応が記載されているが、これらのエラストマーを巻き上げる前に、反応の進行に応じた固化を待つ必要があるという不利点が付随している。これらの明細書に記載されているプロセスによって製造される生成物について、粘着剤用途に好適な粘弾性特性の表示はなされていない。さらに、これらの明細書に記載されているプロセスには、ヒドロキシル末端よりはむしろイソシアネート末端のみのプレポリマーが用いられている。これらの明細書で用いられているトリオールの分子量の上限は500である。
【0032】
欧州特許第135111B1号(特許文献19)には、分枝状であるが、熱可塑的に処理可能であり、したがって架橋していないポリウレタンを多段階プロセスで調製することが記載されている。第1中間体Aとして、比較的高い分子量の実質的に線状のポリヒドロキシル化合物から構成されたOH末端プレポリマーが提案されている。ポリヒドロキシル化合物の分子量の下限を550としている。
【0033】
粘着剤用途に好適な粘弾性特性の表示も、OH末端プレポリマーの部分におけるホットメルト特性の表示もなされていない。
【0034】
特開2006−182795号(特許文献20)には、ポリエーテルジオールおよびポリエーテルトリオールからなるポリエーテルポリオール混合物と、ポリイソシアネートとから形成されるヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーが記載されている。ポリオール混合物の平均官能価は、2.2〜3.4である。さらに、このプレポリマーと多官能性イソシアネートとを反応させて粘着剤のフィルムを形成することが記載されている。しかし、特開2006−182795号におけるヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーは、ホットメルトではない。特開2006−182795号では、ジオールの分子量の下限が700であるとされている。粘着剤用途に好適な粘弾性特性の表示はなされていない。
【0035】
架橋ポリマーフィルムをもたらすホットメルトコーティング操作は、例えば、ドイツ特許出願公開第102004044086A1(特許文献21)から公知である。これには、熱架橋剤が添加されたアクリレート・ホットメルトPSAをベースとする接着テープを、溶融状態で押出機において製造する方法が記載されている。
【0036】
これに記載されている方法の1つの難点は、まず、アクリレート系ホットメルトPSAを溶媒中で重合し、次いでこの溶媒を濃縮押出機によって再び除去する必要があることである。さらなる不利点は、ポリアクリレートのモル質量が比較的高いことである(重量平均M:300000〜1500000g/mol)。モル質量が高いと、処理温度、ひいては操作コストが高くなり、さらに、押出操作においては、縦方向および横方向で等しくないポリマー特性を結果としてもたらし得る。
【0037】
ホットメルト系について、特に、厚い層について、熱架橋プロセスのための高い処理温度およびこれに関連する制限に起因して通常生じる問題は以下のとおりである:化学線を用いて層を架橋するとき、該線の侵入深さが厚さによって制限され、侵入強度が厚さに依存する、これは、層全体を通して均一に架橋することができないことを意味している。
【0038】
公知のホットメルト系のさらなる一般的な弱点は、例えば約50℃〜70℃の範囲の特に高い適用温度において長期間の剪断負荷に耐えるだけでなく、種々の基材において高い密着強度を生じさせるように、これらを架橋することができないことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0039】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1469024A2号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第1469055B1号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第1849811A1号明細書
【特許文献4】国際公開第2008/009542号パンフレット
【特許文献5】欧州特許第0801121B1号明細書
【特許文献6】欧州特許第0894841B1号明細書
【特許文献7】欧州特許第1095993B1号明細書
【特許文献8】欧州特許第0259094B1号明細書
【特許文献9】欧州特許第0305161B1号明細書
【特許文献10】ドイツ特許出願公開第10003318A1号明細書
【特許文献11】ドイツ特許出願公開第10252088A1号明細書
【特許文献12】ドイツ特許出願公開第2059570A号明細書
【特許文献13】ドイツ特許出願公開第10 2005039933A号明細書
【特許文献14】DE2248382C2号明細書
【特許文献15】米国特許出願公開第2007/0049719A1号明細書
【特許文献16】米国特許出願公開第2007/0129456A1号明細書
【特許文献17】ドイツ特許出願公開第1964834A号明細書
【特許文献18】DE2302564C3号明細書
【特許文献19】欧州特許第135111B1号明細書
【特許文献20】特開2006−182795号公報
【特許文献21】ドイツ特許出願公開第102004044086A1号明細書
【特許文献22】米国特許第5,712,216号明細書
【特許文献23】米国特許第5,693,584号明細書
【特許文献24】国際公開第99/56874号パンフレット
【特許文献25】国際公開第99/51661号パンフレット
【特許文献26】国際公開第99/59719号パンフレット
【特許文献27】国際公開第99/64152号パンフレット
【特許文献28】米国特許第5,952,261号明細書
【特許文献29】国際公開第99/64493号パンフレット
【特許文献30】国際公開第99/51657号パンフレット
【非特許文献】
【0040】
【非特許文献1】Satas、「Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology」、第3版、(1999年)、153〜203頁
【非特許文献2】GaechterおよびMueller、Taschenbuch der Kunststoff−Additive、ミュンヘン、1979
【非特許文献3】Kirk−Othmer (3rd) 23、615〜627頁
【非特許文献4】Encycl. Polym. Sci. Technol. 14、125〜148頁
【非特許文献5】Ullmann (4th) 8、21;15、529、676
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0041】
本発明の課題は、高い密着強度を生じさせるように均一に架橋される感圧接着剤を提供することである。この感圧接着剤は、有利には、70℃までの温度範囲で長時間にわたって剪断負荷に耐えることができ、および/または、特に、従来技術の不利点を回避する、もしくは少なくとも低減することができる。
【0042】
この感圧接着剤は、特定の利点を有しつつ、以下の基準の1つ、有利には2つ以上、好ましくは全てに適合するべきである。
【0043】
PSAは、ホットメルトコーティング法において、溶媒系および溶媒を含まない系の両方で場合により製造可能であるとする。PSAは、例えば押出プロセスなどにおける連続コーティング法、および非連続法の両方において場合により製造可能であるべきである。
【0044】
PSAは、コーティングの過程においてまず化学反応の進行を待つ必要なしに、特定された代替のコーティング操作のいずれにおいても、一定の層厚を有して巻き上げ可能であるべきである。
【0045】
PSAは、PSA層として、および接着テープの一部としての支持体層または機能層としての両方での使用に適するべきである。
【0046】
PSAは、PSA層の成分またはただ1つの構成成分として用いられるとき、種々の基材において高い密着強度を生じさせるべきであり、また、特に、約50℃〜70℃の範囲の高い温度範囲で、長期間の剪断負荷に耐えるべきである。PSAは、接着テープにおける支持体層または機能層の成分またはただ1つの構成成分として用いられるとき、長期間の剪断負荷に同様に耐えるべきであり、その粘弾性特性によって、接着テープの密着強度の増大に寄与するべきである。
【0047】
PSAの貯蔵弾性率G’および損失弾性率G”は、両方とも、プレート/プレート配置において、剪断比率制御レオメータを備えた動的機械分析(DMA)によって10〜10rad/secの変形振動数範囲、好ましくは10−1〜10rad/secの変形振動数範囲において室温で求めた場合に、10Pa〜10Paの範囲内に少なくとも部分的にあるべきである。
【0048】
代替的または付加的には、PSAは、円筒半径が1mmであり、測定対象の物質上への円筒の加圧速度が0.1mm/sであり、加圧力が5Nであり、加圧時間が0.01sであり、かつ引き抜き速度が0.6mm/sである鋼製円筒を用いた測定において、SMS(Stable Micro Systems)製のTexture Analyser TA2を用いて室温で求められるとき、少なくとも0.1Nの粘着力を有するものとする。
【0049】
PSAは、層として成形されて、縦方向および横方向で等しい特性を有利には有するべきである。
【課題を解決するための手段】
【0050】
上記の課題は、独立請求項に記載の感圧性ポリウレタン接着剤によって達成される。従属請求項は、感圧接着剤の有利な発展形態を提供する。本発明は、感圧接着剤を製造するための方法、および感圧接着剤の使用もさらに包含する。
【0051】
したがって、本発明は、ポリウレタンが、少なくとも次の出発物質の化学反応生成物を含むことを特徴とする、ポリウレタンをベースとする感圧接着剤を提供する:
a) 少なくとも一種の脂肪族または脂環式ジイソシアネート、及び3又は3より大きいイソシアネート官能価を有する少なくとも一種の脂肪族または脂環式ポリイソシアネートを含み、3又は3より大きいイソシアネート官能価を有する脂肪族または脂環式ポリイソシアネートの、ポリイソシアネートの割合としての物質量分率が、少なくとも18%である、ポリイソシアネート、及び
b) 感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーの少なくとも一種。
【0052】
本明細書の目的のポリイソシアネートは、その分子内に2個以上のイソシアネート基(−NCO基)を含有する有機化合物である。ジイソシアネートは、分子あたり2個のイソシアネート基を含有し、3のイソシアネート官能価を有するポリイソシアネートは、トリイソシアネートであり、したがって、分子あたり3個のイソシアネート基を含有する。これに対応して、3を超えるイソシアネート官能価を有するポリイソシアネートは、分子あたり3を超えるイソシアネート基を含有する。ジイソシアネート、トリイソシアネートおよび3を超えるイソシアネート官能価を有するポリイソシアネートは、それぞれ、ポリイソシアネートのサブグループを形成する。3又は3より大きいイソシアネート官能価を有する脂肪族または脂環式ポリイソシアネートの、ポリイソシアネートに占める割合としての物質量分率とは、ポリイソシアネート粒子の総数に占める割合としての、3又は3より大きいイソシアネート官能価を有する脂肪族または脂環式ポリイソシアネート粒子の相対的な数を意味する。
【0053】
本明細書が目的とする脂肪族ジイソシアネートは、イソシアネート基が芳香族環にも芳香族環系にも直接結合していない全てのジイソシアネートである。それゆえ、NCO基は、芳香族環にも環系にも結合していない。したがって、3又は3より大きいイソシアネート官能価を有する脂肪族ポリイソシアネートは、イソシアネート基が芳香族環にも芳香族環系にも直接結合していない、3又は3より大きいイソシアネート官能価を有する全てのポリイソシアネートである。
【0054】
本明細書が目的とする脂環式ポリイソシアネートは、少なくとも1個のNCO基が環式脂肪族鎖に結合している全ての脂肪族ポリイソシアネートである。脂環式ポリイソシアネートは、脂肪族ポリイソシアネートのサブグループを形成する。
【0055】
本発明による好適なジイソシアネートの例は、ブタン1,4−ジイソシアネート、テトラメトキシブタン1,4−ジイソシアネート、ヘキサン1,6−ジイソシアネート(ヘキサメチレンジイソシアネート、HDI)、ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン(ジシクロヘキシルメタン4,4’−ジイソシアネート)、エチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、エチルエチレンジイソシアネート、1,4−ジイソシアナトシクロヘキサン、1,3−ジイソシアナトシクロヘキサン、1,2−ジイソシアナトシクロヘキサン、1,3−ジイソシアナトシクロペンタン、1,2−ジイソシアナトシクロペンタン、1,2−ジイソシアナトシクロブタン、5−イソシアナト−1−(イソシアナトメチル)−1,3,3−トリメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート、IPDI)、1−メチル−2,4−ジイソシアナトシクロヘキサン、1,6−ジイソシアナト−2,2,4−トリメチルヘキサン、1,6−ジイソシアナト−2,4,4−トリメチルヘキサン、5−イソシアナト−1−(2−イソシアナトエタ−1−イル)−1,3,3−トリメチルシクロヘキサン、5−イソシアナト−1−(3−イソシアナトプロパ−1−イル)−1,3,3−トリメチルシクロヘキサン、5−イソシアナト−1−(4−イソシアナトブタ−1−イル)−1,3,3−トリメチルシクロヘキサン、1−イソシアナト−2−(3−イソシアナトプロパ−1−イル)シクロヘキサン、1−イソシアナト−2−(2−イソシアナトエタ−1−イル)シクロヘキサン、2−ヘプチル−3,4−ビス(9−イソシアナトノニル)−1−ペンチルシクロヘキサン、ノルボルナンジイソシアナトメチル、m−テトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)、塩素化、臭素化、硫黄−またはリン−含有脂肪族または脂環式ジイソシアネート、列挙したジイソシアネートの誘導体、例えば、ウレトジオン基またはアロファネート基を含有する、特に二量体化または重合したタイプ、および提示したイソシアネートの混合物である。ひいては多くの種々のポリイソシアネートの混合物であるDesmodur N3400(登録商標)に64%の物質量分率で存在する二量体HDIウレトジオンが特に好適であり、これに存在する全てのジイソシアネートの物質量分率は、合計で83%に達する。
【0056】
本発明による、3又は3より大きいイソシアネート官能価を有する好適なポリイソシアネートは、例えば、三量体化またはそれより高度にオリゴマー化した脂肪族または脂環式ジイソシアネート、例えば、それぞれBayer社製のDesmodur N3300(登録商標)もしくはDesmodur N3600(登録商標)中に存在する三量体、五量体もしくはさらにオリゴマー化したHDIイソシアヌレート、Desmodur N100(登録商標)もしくはDesmodur N3200(登録商標)中に存在するHDIビウレット、HDIイミノオキサジアジンジオンとDesmodur XP2410(登録商標)中のHDIイソシアヌレートとの混合物、またはDesmodur Z4470(登録商標)中に存在するIPDIイソシアヌレート、およびさらには3又は3より大きいイソシアネート官能価を有する列挙したポリイソシアネートの誘導体、あるいはこれらの混合物である。
【0057】
本明細書の目的のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーは、ウレタン基を含有し末端ヒドロキシル基を有する物質である。これは、1種もしくは複数種のポリオールと少なくとも1種のポリイソシアネートとの反応の化学生成物であり、反応に参加してポリウレタンプレポリマーを形成するヒドロキシル基の数は、イソシアネート基の数よりも多い。ヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーを与える化学反応には、ポリオールの参加だけでなく、例えばアミノ官能化ポリエーテルなどのイソシアネート反応性物質の参加も関与していてよい。
【0058】
本発明によると、その目的のために、出発物質中に複数種のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマー(特にブレンドとして互いに混合され得る、例えば、2種、3種、またはそれより多くのポリウレタンプレポリマー)が存在することも可能であり、これは、複数種のポリウレタンプレポリマーがイソシアネートと反応できることを意味する。
【0059】
本明細書の目的のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーは、架橋していないため、溶融可能および/または好適な溶媒に可溶である。これらの特性は、プレポリマーの根本的な定義の一部を形成すると本明細書においてみなされる。有利な一実施形態において、ヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーは、分枝状の分子鎖を含有するため、2を超えるヒドロキシル官能価を有する。
【0060】
ヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーを調製することを考慮したポリオールとして、全ての公知のポリオール、例えば、ポリエーテルポリオール、特にポリエチレングリコールまたはポリプロピレングリコール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリテトラメチレングリコールエーテル(ポリテトラヒドロフラン)、水素化および非水素化ヒドロキシル官能化ポリブタジエン誘導体、水素化および非水素化ヒドロキシル官能化ポリイソプレン、ヒドロキシル官能化ポリイソブチレン、ヒドロキシル官能化ポリオレフィン、または水素化および非水素化ヒドロキシル官能化炭化水素などが挙げられる。好ましいポリオールは、ポリプロピレングリコールである。ポリプロピレングリコールとして、プロピレンオキサイドと、ジオールの場合には二官能性出発化合物とをベースとする、トリオールの場合には三官能性出発化合物とをベースとする、全ての市販のポリエーテルを用いることができる。これらは、従来では、すなわち、一般には、塩基性触媒、例えば水酸化カリウムなどと共に調製されるポリプロピレングリコールだけでなく、DMC(二重金属シアニド)触媒作用によって調製され、調製が、例えば、米国特許第5,712,216号(特許文献22)、米国特許第5,693,584号(特許文献23)、国際公開第99/56874(特許文献24)、国際公開第99/51661(特許文献25)、国際公開第99/59719(特許文献26)、国際公開第99/64152(特許文献27)、米国特許第5,952,261号(特許文献28)、国際公開第99/64493(特許文献29)および国際公開第99/51657(特許文献30)に記載されている特に純粋なポリプロピレングリコールも含む。DMC触媒作用によるポリプロピレングリコールの特徴は、ジオールの場合には正確には2の、またはトリオールの場合には正確には3の「名目上の」または理論上の官能価にも実際に近似していることである。従来的に調製したポリプロピレングリコールでは、「真の」官能価は、理論上の対応する官能価よりも常にいくぶん低く、これは、特に、比較的高いモル質量を有するポリプロピレングリコールの場合にもそうである。その原因は、アリルアルコールを与えるプロピレンオキサイドの二次的な転位反応にある。イソシアネートに対する反応性の増大させるためには、さらに、エチレンオキサイドが共重合されている全てのポリプロピレングリコールジオールおよびトリオールを同様に用いることもでき、これは、多くの市販のポリプロピレングリコールの場合にもそうである。
【0061】
例えばポリエーテルアミンなどの他のイソシアネート反応性物質も同様に、ヒドロキシル官能化ポリウレタン・ホットメルト・プレポリマーの合成に関与し得る。
【0062】
本明細書において、一般に、イソシアネート反応性物質は、活性水素を含有する全ての物質である。活性水素は、窒素、酸素または硫黄に結合し、かつ、メタンが放出される反応においてブチルエーテルまたは他のエーテル中でメチルマグネシウムヨージドと反応する水素として定義される。
【0063】
また、ヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーを調製することを考慮したポリオールとして、鎖延長剤も挙げられる。本発明の目的の鎖延長剤は、2以下の官能価および500g/mol以下の数平均モル質量を有する全てのイソシアネート反応性化合物である。一般に、これらは、例えば、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ハイドロキノンジヒドロキシエチルエーテル、エタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン、またはm−フェニレンジアミンなどの、低いモル質量の二官能性化合物である。しかし、鎖延長剤という名称はまた、上記のポリオール、特にポリプロピレングリコールを包含するが、これらの官能価が2以下であること、およびこれらの数平均モル質量が500g/mol以下であることを条件とする。
【0064】
ヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーを調製するためのポリオールとして架橋剤も同様に考慮される。架橋剤は、2を超える官能価を有する低いモル質量のイソシアネート反応性化合物である。架橋剤の例は、グリセロール、トリメチロールプロパン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンおよび/または1,2,4−ブタントリオールである。
【0065】
例えばモノオールなどの単官能性のイソシアネート反応性物質は、同様に、用いられるポリオールであってよい。これらは、連鎖停止剤として機能するため、これらを用いてヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマー中の鎖長を制御することができる。
【0066】
ヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーを調製することを考慮したポリイソシアネートとして、全ての公知の脂肪族、脂環式および/または芳香族ポリイソシアネートが挙げられる。本明細書の目的の芳香族ポリイソシアネートは、1個または複数個のイソシアネート基が芳香族または芳香族環系に直接結合している全てのイソシアネートである。芳香族ポリイソシアネートの例は、トリレンジイソシアネート(TDI)またはジフェニルメタン4,4’−ジイソシアネート(MDI)であり、さらには、これらから誘導されるポリイソシアネート、例えば、二量体化、三量体化または重合したタイプのものである。
【0067】
ヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーは、非感圧接着性基材または自身と接触した後に、この基材上または自身の上に穏やかなもしくは中程度に強い加圧が与えられているとき、この基材もしくはそれ自身から再び取り外すためにある一定の力を必要とするか、または残余も破壊も無しにはもはや取り外すことができないときに、本明細書の目的について感圧接着性である。既に提示したように、感圧接着性は、感圧接着性物質の独特の特徴である粘弾性特性と関連する。
【0068】
感圧接着性をより厳密に記載するために、パラメータとして貯蔵弾性率(G’)および損失弾性率(G”)−動的機械分析(DMA)によって求めることができる−を使用することができる。G’は、物質の弾性成分の尺度であり、G”は、その粘性成分の尺度である。これらのパラメータは、両方とも、変形振動数および温度に依存する。
【0069】
これらのパラメータを、レオメータを用いて求めることができる。ヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーを、例えば、プレート/プレート配置において正弦波的に振動する剪断応力に付する。剪断応力制御機器の場合、変形を時間の関数として測定し、この変形の経時変化を剪断応力の導入に対して測定する。この経時変化を位相角δとして特定する。
【0070】
貯蔵弾性率G’を以下のように定義する:G’=(τ/γ)・cos(δ)(τ=剪断応力、γ=変形、δ=位相角=剪断応力ベクトルと変形ベクトルとの間の位相シフト)。損失弾性率G”の定義は:G”=(τ/γ)・sin(δ)(τ=剪断応力、γ=変形、δ=位相角=剪断応力ベクトルと変形ベクトルとの間の位相シフト)である。角振動数の定義は、以下のとおりである:ω=2π・f(f=振動数)。単位は、rad/secである。
【0071】
測定対象のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーに好適な厚さは、0.9〜1.1mm(1±0.1mm)の間である。好適なサンプル直径は、25mmである。3Nの負荷によってプレテンションを行うことができる。サンプル要素の応力は、適切には2500Paである。
【0072】
ヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーは、室温で10から10rad/secの振動数範囲(角振動数範囲)、理想的には10−1から10rad/secの振動数範囲においてG’が少なくとも部分的に10から10Paの範囲内にあるとき、また、同様にG”が少なくとも部分的にこの範囲にあるとき、本明細書の目的で、感圧接着性である。
【0073】
感圧接着性を記載するための多くの補足的または代替の可能性のうちの1つに、粘着力測定機器、例えばSMS(Stable Micro Systems)製のTexture Analyser TA2による粘着力の直接測定がある。この方法によると、選択された幾何学的形態を有するダイ、例えば、選択された材料製、例えば鋼製の円筒形ダイを、測定対象のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマー上に所定の力および速度で加圧し、所定時間後に所定の速度で再び引き抜く。試験結果は、引き抜きに必要な最大の力であり、単位Nで表される。
【0074】
ヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーは、特に、円筒半径が1mmであり、測定対象のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマー上への円筒の加圧速度が0.1mm/sであり、加圧力が5Nであり、加圧時間が0.01sであり、かつ引き抜き速度が0.6mm/sである鋼製円筒を用いて測定する際、ダイを引き抜くために必要な最大の力が少なくとも0.1Nであるとき、本明細書の目的について感圧接着性である。
【0075】
感圧接着性物質の特徴は、既に記載したように、これらを機械的に変形させるとき、粘性流プロセスだけでなく弾性回復力の構築も存在することである。しかし、弾性回復力の構築は、感圧接着性物質が、その特徴に関して液体よりも固体によりよく似る十分に高い粘度を有するときのみに起こり得る。したがって、本明細書の目的で、感圧接着性物質は、その特徴に関しては液状よりも固体状である。
【0076】
感圧接着性についてのこの態様を記載するための1つの可能性は、複素粘性率を測定することにある。
【0077】
貯蔵弾性率(G’)および損失弾性率(G”)のパラメータと同様に、複素粘性率を動的機械分析(DMA)によって求めることができる。
【0078】
プレート/プレート配置において正弦波的に振動する剪断応力を用いて振動数実験において、剪断応力制御レオメータを用いて測定を行うことができる。複素粘性率ηは、以下のとおり定義される:η=G/ω
(G=複素剪断弾性率、ω=角振動数)
【0079】
さらなる定義は以下のとおりである:
【数1】

(G”=粘性弾性率(損失弾性率)、G’=弾性率(貯蔵弾性率))。
G”=τ/γ・sin(δ)(τ=剪断応力、γ=変形、δ=位相角=剪断応力ベクトルと変形ベクトルとの間の位相シフト)。
G’=τ/γ・cos(δ)(τ=剪断応力、γ=変形、δ=位相角=剪断応力ベクトルと変形ベクトルとの間の位相シフト)。
ω=2π・f(f=振動数)
【0080】
本発明の目的の感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーの好ましい実施形態は、10rad/sの振動数で測定したとき、室温で少なくとも8000Pas、好ましくは少なくとも10000Pasの複素粘性率ηを有する。
【0081】
本明細書において、室温とは、23℃±2℃の温度範囲を意味する。
【0082】
さらに、本発明の目的の感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーの好ましい一実施形態は、約50000〜150000g/molの範囲の重量平均モル質量を有する。この範囲は、縦方向および横方向で得られるフィルム(層)の特性に顕著な差(すなわち、有用性を破壊する差)を生じさせることなく、好ましい複素粘性率ηと対応しており、ホットメルトとして問題のないコーティングを可能とする。
【0083】
感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーの厳密な組成に関係する範囲で、多様な可能性が存在する。感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーは、記載のように、1種もしくは複数種のポリオールと少なくとも1種のポリイソシアネートとの反応の化学生成物であり、ポリウレタンプレポリマーの反応に関与するヒドロキシル基の数は、イソシアネート基の数より多い。好ましい一実施形態において、感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーは、2を超える官能価および3000g/mol以上の数平均モル質量を有するポリプロピレングリコール、2以下の官能価および1000g/mol以下の数平均モル質量を有するポリプロピレングリコール、ならびに2の官能価および500g/mol未満の数平均モル質量を有する鎖延長剤と、脂肪族または脂環式ジイソシアネートとの反応によって得られる。
【0084】
可能な一実施形態において、本発明の感圧接着剤およびさらには本発明の感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーは、他の添加剤(配合構成成分)、例えば、充填剤、マイクロビーズ、樹脂、特に粘着力を高める炭化水素樹脂、可塑剤、劣化抑制剤(抗酸化剤)、光安定剤、UV保護剤、レオロジー添加剤、ならびに他の助剤およびアジュバントなどを含む。
【0085】
用いられ得る充填剤として、補強充填剤、例えばカーボンブラック、例えば、非補強充填剤、例えばチョークまたは硫酸バリウムなどが挙げられる。他の例は、全ての種類のタルク、マイカ、フュームドシリカ、シリケート、酸化亜鉛、固体ガラスマイクロビーズ、中空ガラスマイクロビーズおよび/またはプラスチックマイクロビーズである。提示した物質の混合物を用いてもよい。
【0086】
マイクロビーズの使用は、感圧接着剤の一部に泡状のコンシステンシーを一般にもたらし、このコンシステンシーは、多くの場合において有利である。PSAの一部における発泡状態は、他の手段によって、例えば、気体、または例えば、請求項1による反応の間の二次的な化学反応によって発生した気体の導入によって、得てもよい。
【0087】
抗酸化剤の使用は、必須ではないが、有利である。
【0088】
好適な抗酸化剤として、例えば、立体障害フェノール、ハイドロキノン誘導体、アミン、有機硫黄化合物または有機リン化合物が挙げられる。
【0089】
光安定剤およびUV吸収剤を場合により使用してもよい。
【0090】
用いる光安定剤およびUV吸収剤として、例えば、GaechterおよびMuellerのTaschenbuch der Kunststoff-Additive、ミュンヘン、1979(非特許文献2)において、Kirk-Othmer (3rd) 23、615〜627頁(非特許文献3)において、Encycl. Polym. Sci. Technol. 14、125〜148頁(非特許文献4)において、およびUllmann (4th) 8、21;15、529、676(非特許文献5)において開示されている化合物が挙げられる。
【0091】
場合により添加してよいレオロジー添加剤の例は、フュームドシリカ、フィロケイ酸塩(ベントナイト)、高分子量のポリアミド粉末または粉末状のヒマシ油誘導体である。
【0092】
可塑剤のさらなる使用が同様に可能であるが、移動傾向が強いため、回避されることが好ましいであろう。
【0093】
感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーとポリイソシアネートとの反応を加速するために、当業者に公知の1種または複数種の触媒、数例を挙げると、例えば、第三級アミン、有機ビスマス化合物または有機スズ化合物などを用いることができる。
【0094】
特に有利には、ビスマスおよび炭素、好ましくはビスマスカルボキシレートまたはビスマスカルボキシレート誘導体を含む触媒を用いることができる。
【0095】
触媒の濃度は、用いるポリイソシアネートおよびポリオールについて、さらに、混合アセンブリにおける所望の滞留時間、混合アセンブリの温度および/または所望のポットライフについても調整される。一般的に言えば、濃度は、調製対象のポリウレタンの0.01重量%〜0.5重量%の間である。
【0096】
感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーとポリイソシアネートとの反応は、連続的に行われても、バッチ式で行われてもよい。
【0097】
用語「連続的」は、プロセス形態に関するものであり、混合の間、混合対象の物質が継続的に、特に均一な比率で混合アセンブリに供給されることを意味し、換言すると、これらの物質が混合アセンブリに導入されて、ポリウレタンを与える穏やかな化学反応が進行している混合物が、特に均一な比率で断続的に混合アセンブリから別の場所に出る。したがって、混合アセンブリでは、混合の過程において、断続的な、特に均一なフロープロセスおよび/または輸送プロセスが存在する。混合アセンブリに導入されてから退出するまでの化学的に反応する混合物の形態での物質の滞留時間(したがって、特に、感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーとポリイソシアネートとの、成形前の反応時間)は、好ましくは10分を超えず、非常に好ましくは合計で2秒〜5分である。
【0098】
感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーとポリイソシアネートとの反応が、溶融状態(したがって、特に、無溶媒)で開始するとき、連続的なプロセス形態が特に適切である。
【0099】
感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーは、その温度上昇によって、公知の混合アセンブリにおいてポリイソシアネートと均一に混合することができる程度まで粘度が低下するとき、本明細書において、溶融しているとみなされる。感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーにおける温度上昇は、外側からの加熱によって行われてもよく、剪断によって生じてもよい。公知の混合アセンブリの例として、混練装置、内部ミキサー、押出機、遊星ローラー押出機、遊星ミキサー、バタフライミキサーまたは溶解機が挙げられる。
【0100】
本発明による、溶融した感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーと、本発明によるポリイソシアネートとの連続的な混合は、好ましくは連続的に操作する混合アセンブリにおいて、好ましくは押出機において、より詳細には2軸もしくは遊星ローラー押出機において、または加熱可能な2成分混合および計量供給システムにおいて行われる。連続的なまたはバッチ式の混合アセンブリを接続させたカスケードも同様に好適である。混合アセンブリは、混合アセンブリにおいて短い滞留時間で効果的な混合が確保されるように、好ましくは設計される。本発明による溶融した感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーの添加および本発明によるポリイソシアネートの添加は、押出機において、同じ場所で、または異なる場所で、好ましくは加圧されていない領域で行うことができる。本発明によるポリイソシアネートを、細かく分割した形態で、例えば、エアロゾルまたは微細液滴などの形態で、本発明による感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーに添加することが有益である。
【0101】
本発明による感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーを、2成分混合および計量供給システムで加熱してもよく、加熱しながら成分Aとして溶融状態で運搬してもよいが、本発明によるポリイソシアネートは成分Bとして運搬する。次いで、動的混合ヘッドにおいて、もしくは好ましくは静的混合チューブにおいて、または動的混合法および静的混合法の組合せにおいて、連続的な混合を行う。
【0102】
場合により、本発明による溶融した感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーを溶融状態で本発明によるポリイソシアネートと連続的に混合する間に、さらなる配合構成成分、例えば、充填剤、マイクロビーズ、樹脂、特に粘着力を高める炭化水素樹脂、可塑剤、劣化抑制剤(抗酸化剤)、光安定剤、UV保護剤、レオロジー添加剤、ならびに他の助剤およびアジュバントなどを混合してもよい。
【0103】
本発明による感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーを溶融状態でポリイソシアネートと連続的に混合する間および後に、ポリウレタンを形成する化学反応が連続的に進行する。反応速度は、触媒作用を伴わず、または好適な触媒による適度の触媒作用により、ある期間にわたって熱可塑性処理を可能にするには十分な遅さである。一般には分の領域であるこの期間の間に、暖かいまたは熱い、化学的に反応する混合物を連続的に成形して、フィルムを形成してもよい。成形を行った後、フィルムを室温に冷却することができ、これにより、化学反応の進行に関わらず、フィルムを直ちに固化させる。室温においても、ポリウレタンを形成する反応は、終了に至るまで、さらに進行する。室温において、ポリウレタンを形成する反応は、一般に1〜2週間で完全に完結する。反応終了後に得られたポリウレタンは、もはや溶融可能でない程度にまで、一般には化学的に架橋されている。
【0104】
暖かいまたは熱い、化学的に反応する混合物の連続的な成形は、好ましくはロールの適用によって、または押出ダイによって好ましくは行われるが、例えばコンマバーなどの他の適用方法によって行われてもよい。成形されたフィルムを支持体材料の流入ウェブに連続的に適用し、続いて巻き上げる。支持体材料の流入ウェブは、例えば、粘着防止処理したフィルムであっても、粘着防止処理した紙であってもよい。代替的には、感圧接着剤または機能層で既にコーティングした材料であっても、支持体であっても、提示したウェブ材料のいずれの所望の組合せであってもよい。
【0105】
本発明による感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーが既に分枝を含有している場合、当業者は、このプレポリマーにポリイソシアネートを溶融状態、換言すると室温よりかなり高い温度で計量添加した後、直ちにゲル化が起こり、すなわち、直ちに、架橋構造が形成されて、これが、さらなる混合、続いてのコーティング、およびフィルムを形成する成形の実施を不可能にすることを容認しなければならない。これが起こらないという事実は、当業者には予測不可能であった。
【0106】
ホットメルトコーティングの結果として、フィルムの巻き取り可能性は化学反応の進行または溶媒の蒸発速度と関係しないため、フィルムが冷却する速度のみに対してであるが、非常に高いコーティング速度を達成することができ、これは、経済的利点を構成する。さらに、加熱トンネルセクションを加熱するための、または溶媒を焼却もしくは溶媒を回収するためのコストを被らない。本発明の感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーを無溶媒で調製することができるため、溶媒を焼却および回収するいずれのコストも被らない。
【0107】
溶媒不在の可能性の結果として、溶媒の蒸発に起因した発泡も気泡も伴わずに、所望の厚さのポリマーフィルムを製造することが原則として可能である。
【0108】
本発明のプロセスにより、非常に均一な(均一に架橋した)厚い層および均一に架橋した三次元形状の構造を製造することが特に可能である。100μmを超える、さらには200μmを超える均一な層厚を顕著に製造することができる。
【0109】
記載のプロセスは、100μm〜10000μm、好ましくは200μm〜5000μm、より好ましくは300μm〜2500μmの間の層厚を有する粘弾性接着テープ(単層構成、または例えば2もしくは3層の多層構成)を製造するのに特に好適である。
【0110】
化学的架橋を本発明の感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーにもたらすポリイソシアネートの連続的な混合は、フィルムを形成する混合物を成形する少し前にのみ行われるため、反応性基をブロックする必要が無く、そのため、ブロッキング剤を用いる必要が無い。したがって、後の適用を中断する可能性があり得る、フィルムに残存するブロッキング剤を除去するという時点は存在しない。
【0111】
本発明による感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーを、溶媒または溶媒混合物中で貯蔵しても調製してもよい。これを、溶媒または溶媒混合物において、ポリイソシアネートと反応させて、プレポリマーとポリイソシアネートとの反応段階が開始される際に溶液からコーティングしてもよい。好適な溶媒の例は、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸ブチル、デカリンまたはテトラヒドロフランである。驚くべきことに、触媒作用を伴わない、または適度な触媒作用による、好適な溶媒中、特にアセトン中での反応混合物のポットライフが、合計で少なくとも数時間、通常は実際に数日になることが分かった。したがって、溶液中での請求項1による感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーとポリイソシアネートとの反応には、バッチ式の調製プロセスを利用することができる。
【0112】
架橋を放射、例えばUVまたはEBC放射などによって外側から開始しないため、作製したフィルムが非常に厚いときにおいても、またはフィルムが相当量の充填剤を含むときにおいても、一貫して均一な特性を有するポリマー構造を得ることができる。充填剤を相当量、例えば、50%以上で混入することができる。
【0113】
本発明による感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーは、その重量平均モル質量が多数の他の熱可塑的に処理可能なポリマーと比較して低いという事実から、原則として、比較的低い温度で溶融され、熱可塑的に処理され得る。フィルムを形成する溶融物を成形する間および後では、原則として、フィルムにおいて、縦方向および横方向で技術的に関連する差は存在しない。
【0114】
本発明は、請求項の少なくとも一つ、特に請求項1に記載の、および/または本明細書において上記した少なくとも1種のポリウレタン系感圧接着剤を含む、感圧接着性成形構造体、好ましくは感圧接着剤層をさらに提供する。この種の形態の感圧接着性成形構造体は、感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーをポリイソシアネートとのその反応の段階の間に成形することによって得ることができる。本発明は、少なくとも1種の感圧接着剤層を含む接着テープであって、請求項の少なくとも一つ、より詳細には請求項1に記載の、および/または本明細書において上記した少なくとも1種の感圧接着剤を含む接着テープをさらに提供する。
【0115】
当業者にとって驚くべきことに、さらには予想不可能なことに、請求項の少なくとも一つ、より詳細には請求項1に記載の、および/または本明細書において上記したポリウレタンをベースとする感圧接着剤であって、少なくとも以下の出発物質:
a) 少なくとも一種の脂肪族または脂環式ジイソシアネート、及び3又は3より大きいイソシアネート官能価を有する少なくとも一種の脂肪族または脂環式ポリイソシアネートを含み、3又は3より大きいイソシアネート官能価を有する脂肪族または脂環式ポリイソシアネートの、ポリイソシアネートの割合としての物質量分率が、少なくとも18%である、ポリイソシアネート、及び
b) 感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーの少なくとも一種、
の化学反応生成物を含む上記の感圧接着剤は、特に70℃までの高い温度範囲で、高いせん断強度と合わせて高い密着強度を得るために、接着テープ部門において必要とされる種類の粘弾性特性を達成する。3又は3より大きいイソシアネート官能価を有する脂肪族または脂環式ポリイソシアネートの、ポリイソシアネートに占める割合としての物質量分率が、20%〜90%の間、好ましくは25%〜70%の間であるとき、驚くべきことに、70℃での高いせん断強度と合わせた特に有利な高い密着強度が達成される。公知のように、密着対象の基材に粘着性をもたらすには、ある一定程度の粘性流が常に必要である。同様に、特に高温条件下でせん断応力に耐え得るには、ある一定程度の弾性回復力(凝集性)が必要である。感圧接着剤の層を対応する粘弾性によって設計するときだけでなく、これを接着テープの他の層、例えば支持体層またはプライマー層などに対して適用するときにも、有利な感圧粘着特性を得ることができる。
【0116】
当業者にとって驚くべきことに、さらには予想不可能なことに、請求項の少なくとも一つ、より詳細には請求項1に記載の、および/または本明細書において上記したポリウレタン系感圧接着剤を用いて製造される粘着ボンドは、性能試験において、少なくとも−30℃〜−40℃の温度範囲まで下がった、優れた低温衝撃強度を有することを証明している。さらに、これらの粘着ボンドは、負荷時に比較的長い期間にわたって非常に耐振動性であることを証明する。これは、PSAをそのPSA機能に用いたとき、およびPSAを接着テープにおいて支持体層または機能層として用いたときの両方の場合において当てはまる。
【0117】
当業者にとって驚くべきことに、さらには予想不可能なことに、本発明による感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーに分枝が存在し、本発明のポリイソシアネートとの反応の後に高度に架橋したポリマー構造の形成をもたらすときにおいても、PSA用途に十分である程度まで流動性である成分が、特に有利なことに同時に製造される。これは、本発明による感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーと本発明によるポリイソシアネートとの反応が約1.0のNCO/OH比で行われるときにおいても、特に当てはまる。また、NCO/OH比がより高いと、PSA用途に関して有利な粘弾性特性をもたらす。ここで、NCO/OH比は、感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマー中のイソシアネート基との反応に利用できるヒドロキシル基の総数に対する、ポリイソシアネート中のイソシアネート基の総数の比を意味する。本明細書において、このNCO/OH比はまた、「NCO/OH ポリイソシアネート:プレポリマー」としても特定される。この比は、本発明の感圧接着剤の製造過程そのときまでは含まれていた全てのNCO基およびOH基、したがってプレポリマーを調製するのに含まれたポリオールのOH基を含めた、NCO/OH比とは区別されるべきである。後者のNCO/OH比は、「NCO/OH合計」として本明細書において特定される。
【0118】
以下の例を参照して本発明をより詳細に記載するが、本発明をこれにより制限することを望まない。
【0119】
本発明によって製造した試料を簡単に特徴づけるために以下の試験方法を用いた。
【0120】
貯蔵弾性率G’および損失弾性率G”を測定するための動的機械分析(DMA)
PSAおよびさらには感圧接着性であるヒドロキシル−官能価ポリウレタンプレポリマーを特徴づけるために、貯蔵弾性率G’および損失弾性率G”を動的機械分析(DMA)によって求めた。
【0121】
プレート/プレート配置で正弦波的に振動する剪断応力を用いた振動実験において、Rheometric Scientific製の剪断応力制御レオメータDSR200Nを用いて測定を行った。25℃の温度にて10−1から10rad/secの振動数掃引で、貯蔵弾性率G’および損失弾性率G”を測定した。G’およびG”を以下のように定義する:
G’=τ/γ・cos(δ)(τ=せん断応力、γ=変形、δ=位相角=せん断応力ベクトルと変形ベクトルとの間の位相シフト)。
G”=τ/γ・sin(δ)(τ=せん断応力、γ=変形、δ=位相角=せん断応力ベクトルと変形ベクトルとの間の位相シフト)。
角振動数の定義は以下のとおりである:ω=2π・f(f=振動数)。単位はrad/secである。
【0122】
測定サンプルの厚さは、常に0.9〜1.1mm(1±0.1mm)の間であった。サンプル直径は、各場合において25mmであった。3Nの負荷によってプレテンションを行った。全ての測定値について、サンプル本体の応力は2500Paであった。
【0123】
複素粘性率(η)を求めるための動的機械分析(DMA)
感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーを特徴づけるために、複素粘性率を動的機械分析(DMA)によって求めた。
【0124】
プレート/プレート配置で正弦波的に振動するせん断応力を用いた振動実験において、Rheometric Scientific製の剪断応力制御レオメータDSR200Nを用いて測定を行った。複素粘性率を−50℃〜250℃の温度掃引にて10rad/sの振動数で測定した。複素粘性率ηを次のように定義する:η=G/ω
(G=複素せん断弾性率、ω=角振動数)。
【0125】
さらなる定義は以下のとおりである:
【数2】

(G”=粘性弾性率(損失弾性率)、G’=弾性率(貯蔵弾性率))。
G”=τ/γ・sin(δ)(τ=せん断応力、γ=変形、δ=位相角=せん断応力ベクトルと変形ベクトルとの間の位相シフト)。
G’=τ/γ・cos(δ)(τ=せん断応力、γ=変形、δ=位相角=せん断応力ベクトルと変形ベクトルとの間の位相シフト)。
ω=2π・f(f=振動数)
【0126】
測定サンプルの厚さは、常に0.9〜1.1mm(1±0.1mm)の間であった。サンプル直径は、各場合において25mmであった。3Nの負荷によってプレテンションを行った。全ての測定値について、サンプル本体の応力は2500Paであった。
【0127】
粘着力
SMS(Stable Micro Systems)製のTexture Analyser TA2を用いてASTM D2979−01に基づいたダイス測定方法に従って粘着力測定(表面粘着性の測定)を実施した。この方法に従って、円筒形状の鋼製ダイを測定対象のサンプル上で所定の加圧力および速度によって加圧して、所定時間後、所定の速度で再び引き抜く。試験結果は、引き抜きに必要な最大の力であり、単位Nで示す。
【0128】
試験パラメータの詳細は以下のとおりであった:
円筒半径:1mm→円筒面積:3.14mm
加圧速度:0.1mm/s
加圧力:5N
加圧時間:0.01s
引き抜き速度:0.6mm/s
温度:23℃±1℃
相対湿度:50%±5%
【0129】
密着強度
密着強度をPSTC−101に従って求めた。この方法に従って、測定用の粘着剤ストリップを種々の基材(鋼、ABS、PS、PC、PVC)に適用し、2kg重で2回押し下げ、次いで、所定の条件下で引張試験機によって剥離した。剥離角度は90°または180°であり、剥離速度は300mm/分であった。剥離除去に必要な力は密着強度であり、単位N/cmで報告する。測定した粘着剤ストリップの一部を36μmのポリエステルフィルムによって裏打ちして補強した。
【0130】
せん断試験
せん断試験を試験仕様書PSTC−107に従って実施した。この方法により、測定用の粘着剤ストリップを基材(鋼)に適用し、2kg重で4回加圧し、次いで、一定のせん断負荷に曝した。保持時間を数分で確認する。
【0131】
各場合において密着面積は13×20mmであった。この密着面積におけるせん断負荷は1kgであった。測定を室温(23℃)および70℃で実施した。測定した粘着剤ストリップの一部を36μmのポリエステルフィルムによって裏打ちして補強した。
【0132】
厚さ
厚さ測定を、Wolf−Messtechnik GmbH製の厚さ測定装置を用いて試験仕様書PSTC−33に従って実施した。ディスクが測定対象の粘着剤ストリップを圧迫したときの力は0.3Nまたは4Nであった。ディスクの直径は10mmであった。
【0133】
感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーを、溶解槽撹拌器を備えた常套の加熱可能かつ排気可能な混合容器(Molteni社製)において製造した。各場合において約2時間継続する混合操作の間に、混合物の温度を約70℃〜100℃に調整した。溶媒を用いない場合においては、成分を脱気するために真空にした。
【0134】
本発明による感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーと本発明によるポリイソシアネートとの反応を行い、このとき、感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーを、Leistritz社(ドイツ)製の2軸押出機(参照記号LSM30/34)において無溶媒で用いた。アセンブリを外部から約70℃〜90℃に電気的に加熱し、種々のファンによって空冷して、押出機においてプレポリマーおよびポリイソシアネートを短い滞留時間で確実に効率的に混合させるように設計した。この目的のために、輸送要素と混合要素とが交互になるように2軸押出機の混合スクリューを配置した。それぞれのポリイソシアネートを、計量供給補助機を用いて、好適な計量供給装置によって、2軸押出機の加圧されていない輸送領域内に添加した。
【0135】
80℃付近の温度を有する化学的に反応する混合物が2軸押出機(出口:サーキュラーダイ(直径5mm))から出てきた後に、これのフィルム成形を、入ってくる2枚の、両側がシリコーン被覆された50μmのポリエステルフィルムの間で、下流の2本ロール塗布機によって直接行った。供給比率を、1m/min〜20m/minの間で変動させた。フィルムを冷却し、したがって固化した後、入ってくる、両側がシリコーン被覆されたポリエステルフィルムのうちの一方を、直ちに再び除去した。これにより、巻き取り可能なフィルム(層)を得た。
【0136】
シリコーン被覆されたポリエステルフィルム上に巻き取られたフィルム(層)のいくつかを室温における2週間の貯蔵期間の後に再び巻き戻し、National Starch社製のポリアクリレート感圧接着剤Durotac280−1753に積層し、これは、シリコーン被覆されたポリエステルフィルム上に厚さ50μmで予備コーティングされた粘着剤の形態で存在した。さらなる前処理をすることなく積層を行った。ポリアクリレートPSAによる実験は、接着テープにおける支持体層または機能層としての使用を試験するのに役立った。
【0137】
一部の実験において、本発明による感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーを使用前にアセトンに溶解させた。アセトン分率は常に40重量%であった。次いで、本発明による感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーと本発明によるポリイソシアネートとの反応を、溶解槽撹拌器を備えた常套の加熱可能かつ排気可能な混合容器(Molteni社製)において室温で行った。混合時間は、15〜30分であった。感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーと本発明によるポリイソシアネートとをアセトン中に含むこの種の化学的に反応する混合物は、徐々にゲル化が起こるまで、0.05%〜0.2%の触媒レベルで約24〜48時間にわたって一般にはコーティング可能であった。
【0138】
表1に、各場合においてポリウレタン系PSAを製造するために用いられる原料物質を商品名および製造者と共に列挙する。提示した原料物質は全て自由に市販されている。
【0139】
【表1】


表1:化学的に架橋したポリウレタンフィルムを製造するのに用いた原料物質
【0140】

例1
以下の出発物質を特定の割合で均一に混合することによって、ゆえに化学的に反応させることによって、感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーを調製した。
【0141】
【表2】

表2:感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーの組成、例1

*Voranol P400およびVoranol 2000 Lが正確には2の官能価を有し、Voranol CP 6055が正確には3の官能価を有するという、高度に理想化されていることを仮定して、出発物質の重量分率およびOH数またはNCO数から算出
【0142】
初めに、MP DiolおよびVestanat IPDIを除く列挙した全ての出発物質を、70℃の温度および100mbarの圧力で1.5時間混合した。次いでこれにMP Diolを15分間混合し、続いてVestanat IPDIを15分間にわたって同様に混合した。反応熱が発生したことにより、混合物が100℃に加熱され、次いでこれを貯蔵容器内に分注した。
【0143】
プレポリマーのNCO/OH比は0.92であった。100gの感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーは、15.5mmolのOH基を含有した。感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーを形成するのに導入したヒドロキシル基の9.0%は、2を超える官能価および6000g/molの数平均モル質量を有するポリプロピレングリコールに由来する。したがって、OH基を含有する出発物質分子の約6.1%が三官能性である。
【0144】
得られたプレポリマーは、室温で感圧接着性であった。
【0145】
室温(23℃)における複素粘性率ηは、16000Pasであった。得られたプレポリマーは溶融可能であった。
【0146】
さらなるデータ:
G’(10rad/secおよび23℃において):0.02MPa
G”(10rad/secおよび23℃において):0.04MPa
G’(10rad/secおよび23℃において):0.1MPa
G”(10rad/secおよび23℃において):0.2MPa
粘着力:6.5N
【0147】
一部の実験用に、プレポリマーをアセトンに溶解させた。
【0148】
各場合において、感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーを、本発明による以下のポリイソシアネート混合物と反応させて、本発明のPSAを得た。
【0149】
例1a
【0150】
【表3】

表3:ポリイソシアネート混合物の組成、例1a
*理想化考察:3を超える官能価は算出の際に除外する
【0151】
ポリイソシアネート混合物のトリイソシアネート分率:23.6%(物質量分率)。
【0152】
例1b
【0153】
【表4】

表4:ポリイソシアネート混合物の組成、例1b
理想化考察:3を超える官能価は算出の際に除外する
【0154】
ポリイソシアネート混合物のトリイソシアネート分率:63.3%(物質量分率)。
【0155】
例1c
【0156】
【表5】

表5:ポリイソシアネート混合物の組成、例1c
*理想化考察: 3を超える官能価は算出の際に除外する
【0157】
ポリイソシアネート混合物のトリイソシアネート分率:37.3%(物質量分率)。
【0158】
PSAを調製するために、アセトン溶液中のプレポリマーを室温でポリイソシアネート混合物(例1a〜1c)と混合した。それぞれの混合比を表6に列挙する。調製の過程のそのときまで収容されていた全てのNCO基およびOH基のNCO/OH比(表および以下において「NCO/OH合計」によって特定する)は各場合において1.05であった。初めに存在したOH基の大部分は既に反応によって消費されて、プレポリマーを形成した。表2に列挙した重量分率を基づいて、ポリイソシアネートとの反応に利用できるOHはさらに15.5mmolであった。感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマー中のイソシアネート基との反応に利用できるヒドロキシル基の総数に対する、ポリイソシアネート中のイソシアネート基の総数の比は、常に1.6であった。このNCO/OH比を表および以下において「NCO/OH ポリイソシアネート:プレポリマー」と称する。混合物を25μm厚のポリエステルフィルム上にコーティングした。溶媒を70℃で蒸発させた。これにより、ポリエステルフィルム上に50μmの層を与え、記載した試験方法を用いてこれを特徴づけた。
【0159】
接着テープの支持体としての使用を考慮したPSAを作製するために、各場合においてプレポリマーを80℃に予熱した2軸押出機に連続的に供給した。ポリイソシアネート混合物(例1a〜1c)をプレポリマーと同時に、かつプレポリマーと同じ位置で2軸押出機に連続的に供給した。各場合において計量供給したポリイソシアネート混合物は、例1a〜1cのポリイソシアネート混合物の1つであった。
【0160】
また、各場合において、NCO/OH合計比を1.05と定めた。
【0161】
また、混合比を、表6から取得することができる。
【0162】
輸送および混合を連続的に実施した。押出機から押出物が出る前の時間は、各場合において約2分であった。
【0163】
各場合において押出物を2本ロール塗布機に直接供給し、入ってくる2枚の、両側がシリコーン被覆されたポリエステルフィルムの間にコーティングし、これによりフィルム成形した。各場合においてフィルムの厚さは1.0mmであった。各場合において、室温に冷却した後、2枚のシリコーン被覆されたポリエステルフィルムのうち一方を各場合において除去した後に、フィルムを巻き上げた。巻き取ったフィルムを各場合において室温で2週間貯蔵した。
【0164】
次いで、部分的に巻き戻し、各場合において、シリコーン被覆されたポリエステルフィルム上に厚さ50μmで予備コーティングされた粘着剤の形態で存在する、National Starch社製のポリアクリレート感圧接着剤Durotac280−1753に積層した。各場合において、さらなる前処理をすることなく積層を行った。ポリアクリレートPSAによる実験は、それぞれ、接着テープにおける支持体層または機能層としてのPSAの使用を試験するのに役立った。このアセンブリを、各場合において、記載した試験方法によって同様に特徴づけた。さらに、各場合において、フィルムの巻き戻した部分を、1mm厚の単層接着テープとして、記載した試験方法によって特徴づけた。この場合、PSAは、支持体およびPSAの2つの機能を同時に果たした。
【0165】
【表6】

表6:ポリイソシアネート混合物:プレポリマー混合比
【0166】
試験結果
【0167】
【表7】

表7:試験結果、例1a
【0168】
比較のために、25μmのポリエステルフィルムに50μmの層として適用したPSA Durotac 280−1753の密着強度は、5.9N/cmであった。
【0169】
全ての試料は、縦方向および横方向において等しい特性を示した。
【0170】
試料の厚さは一定であった。1.0mm厚の試料について、厚さの標準偏差は0.03mmであった。
【0171】
3層構造:Durotac 280−1753/PU PSA(厚さ:1.0mm)/Durotac 280−1753を有する試料、および単層構造を有する試料によるボンドを性能試験に付した。
【0172】
性能試験は、−30℃〜−40℃の温度範囲において、優れた低温衝撃強度を有することを証明した。さらに、これらのボンドが、負荷時に比較的長い期間にわたって非常に耐振動性であることを証明した。
【0173】
【表8】

表8:試験結果、例1b
【0174】
比較のために、25μmのポリエステルフィルムに50μmの層として適用したPSA Durotac 280−1753の密着強度は、5.9N/cmであった。
【0175】
全ての試料は、縦方向および横方向において等しい特性を示した。
【0176】
試料の厚さは一定であった。1.0mm厚の試料について、厚さの標準偏差は0.03mmであった。
【0177】
3層構造:Durotac 280−1753/PU PSA(厚さ:1.0mm)/Durotac 280−1753を有する試料、および単層構造を有する試料によるボンドを性能試験に付した。
【0178】
性能試験は、−30℃〜−40℃の温度範囲において、優れた低温衝撃強度を有することを証明した。さらに、これらのボンドが、負荷時に比較的長い期間にわたって非常に耐振動性であることを証明した。
【0179】
【表9】

表9:試験結果、例1c
【0180】
比較のために、25μmのポリエステルフィルムに50μmの層として適用したPSA Durotac 280−1753の密着強度は、5.9N/cmであった。
【0181】
全ての試料は、縦方向および横方向において等しい特性を示した。
【0182】
試料の厚さは一定であった。1.0mm厚の試料について、厚さの標準偏差は0.03mmであった。
【0183】
1.0mmの試料の場合の厚さは、常に1.0±0.05mmであった。
【0184】
3層構造:Durotac 280−1753/PU PSA(厚さ:1.0mm)/Durotac 280−1753を有する試料、および単層構造を有する試料によるボンドを性能試験に付した。
【0185】
性能試験は、−30℃〜−40℃の温度範囲において、優れた低温衝撃強度を有することを証明した。さらに、これらのボンドが、負荷時に比較的長い期間にわたって非常に耐振動性であることを証明した。
【0186】
例2
以下の出発物質を特定の割合で均一に混合することによって、ゆえに化学的に反応させることによって、感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーを調製した。
【0187】
【表10】

表10:感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーの組成、例2

Voranol P400が正確には2の官能価を有し、Voranol CP 6055が正確には3の官能価を有するという、高度に理想化されていることを仮定して、出発物質の重量分率およびOH数またはNCO数から算出
【0188】
初めに、MP DiolおよびVestanat IPDIを除く列挙した全ての出発物質を、70℃の温度および100mbarの圧力で1.5時間混合した。次いでこれにMP Diolを15分間混合し、続いてVestanat IPDIを15分間にわたって同様に混合した。反応熱が発生したことによって、混合物が100℃に加熱され、次いでこれを貯蔵容器内に分注した。
【0189】
プレポリマーのNCO/OH比は0.95であった。100gの感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーは、13.0mmolのOH基を含有した。感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーを形成するのに導入したヒドロキシル基の5.0%は、2を超える官能価および6000g/molの数平均モル質量を有するポリプロピレングリコールに由来する。したがって、OH基を含有する出発物質分子の約3.4%が三官能性である。
【0190】
得られたプレポリマーは、室温で感圧接着性であった。
【0191】
室温(23℃)における複素粘性率ηは、35000Pasであった。得られたプレポリマーは溶融可能であった。
【0192】
さらなるデータ:
G’(10rad/secおよび23℃において):0.02MPa
G”(10rad/secおよび23℃において):0.04MPa
G’(10rad/secおよび23℃において):0.10MPa
G”(10rad/secおよび23℃において):0.13MPa
粘着力:6.8N
【0193】
一部の実験用に、プレポリマーをアセトンに溶解させた。
【0194】
各場合において、感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーを、本発明による以下のポリイソシアネート混合物と反応させて、本発明のPSAを得た。
【0195】
例2a
【0196】
【表11】

表11:ポリイソシアネート混合物の組成、例2a
理想化考察:3を超える官能価は算出の際に除外する
【0197】
ポリイソシアネート混合物のトリイソシアネート分率:39.1%(物質量分率)。
【0198】
例2b
【0199】
【表12】

表12:ポリイソシアネート混合物の組成、例2b
理想化考察:3を超える官能価は算出の際に除外する
【0200】
ポリイソシアネート混合物のトリイソシアネート分率:66.8%(物質量分率)。
【0201】
PSAを調製するために、アセトン溶液中のプレポリマーを室温でポリイソシアネート混合物(例2aおよび2b)と混合した。それぞれの混合比を表13に列挙する。調製の過程のそのときまで収容されていた全てのNCO基およびOH基のNCO/OH比(表および以下において「NCO/OH 合計」によって特定する)は各場合において1.05であった。初めに存在したOH基の大部分は既に反応によって消費されて、プレポリマーを形成した。表10に列挙した重量分率を基づいて、ポリイソシアネートとの反応に利用できるOHはさらに13.0mmolであった。感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマー中のイソシアネート基との反応に利用できるヒドロキシル基の総数に対する、ポリイソシアネート中のイソシアネート基の総数の比は、常に2.0であった。このNCO/OH比を表13および以下において「NCO/OH ポリイソシアネート:プレポリマー」と称する。混合物を25μm厚のポリエステルフィルム上にコーティングした。溶媒を70℃で蒸発させた。これにより、ポリエステルフィルム上に50μmの層を与え、記載した試験方法を用いてこれを特徴づけた。
【0202】
接着テープの支持体としての使用を考慮したPSAを作製するために、各場合においてプレポリマーを80℃に予熱した2軸押出機に連続的に供給した。ポリイソシアネート混合物(例2aおよび2b)をプレポリマーと同時に、かつプレポリマーと同じ位置で2軸押出機に連続的に供給した。各場合において計量供給したポリイソシアネート混合物は、例2aおよび2bのポリイソシアネート混合物の1つであった。
【0203】
また、各場合において、NCO/OH 合計比を1.05と定めた。
【0204】
また、混合比を、表13から取得することができる。
【0205】
輸送および混合を連続的に実施した。押出機から押出物が出る前の時間は、各場合において約2分であった。
【0206】
各場合において押出物を2本ロール塗布機に直接供給し、入ってくる2枚の、両側がシリコーン被覆されたポリエステルフィルムの間にコーティングし、これによりフィルム成形した。各場合においてフィルムの厚さは1.0mmであった。各場合において、室温に冷却した後、2枚のシリコーン被覆されたポリエステルフィルムのうち一方を各場合において除去した後に、フィルムを巻き上げた。巻き取ったフィルムを各場合において室温で2週間貯蔵した。
【0207】
次いで、部分的に巻きほどき、各場合において、シリコーン被覆されたポリエステルフィルム上に厚さ50μmで予備コーティングされた粘着剤の形態で存在する、National Starch社製のポリアクリレート感圧接着剤Durotac280−1753に積層した。各場合において、さらなる前処理をすることなく積層を行った。ポリアクリレートPSAによる実験は、それぞれ、接着テープにおける支持体層または機能層としてのPSAの使用を試験するのに役立った。このアセンブリを、各場合において、記載した試験方法によって同様に特徴づけた。さらに、各場合において、フィルムの巻き戻した部分を、1mm厚の単層接着テープとして、記載した試験方法によって特徴づけた。この場合、PSAは、支持体およびPSAの2つの機能を同時に果たした。
【0208】
【表13】

表13:ポリイソシアネート混合物:プレポリマー混合比
【0209】
試験結果
【0210】
【表14】

表14:試験結果、例2a
【0211】
比較のために、25μmのポリエステルフィルムに50μmの層として適用したPSA Durotac 280−1753の密着強度は、5.9N/cmであった。
【0212】
全ての試料は、縦方向および横方向において等しい特性を示した。
【0213】
試料の厚さは一定であった。1.0mm厚の試料について、厚さの標準偏差は0.03mmであった。
【0214】
3層構造:Durotac 280−1753/PU PSA(厚さ:1.0mm)/Durotac 280−1753を有する試料、および単層構造を有する試料によるボンドを性能試験に付した。
【0215】
性能試験は、−30℃〜−40℃の温度範囲において、優れた低温衝撃強度を有することを証明した。さらに、これらのボンドが、負荷時に比較的長い期間にわたって非常に耐振動性であることを証明した。
【0216】

表14:試験結果、例2b
【0217】
比較のために、25μmのポリエステルフィルムに50μmの層として適用したPSA Durotac 280−1753の密着強度は、5.9N/cmであった。
【0218】
全ての試料は、縦方向および横方向において等しい特性を示した。
【0219】
試料の厚さは一定であった。1.0mm厚の試料について、厚さの標準偏差は0.03mmであった。
【0220】
3層構造:Durotac 280−1753/PU PSA(厚さ:1.0mm)/Durotac 280−1753を有する試料、および単層構造を有する試料によるボンドを性能試験に付した。
【0221】
性能試験は、−30℃〜−40℃の温度範囲において、優れた低温衝撃強度を有することを証明した。さらに、これらのボンドが、負荷時に比較的長い期間にわたって非常に耐振動性であることを証明した。
【0222】
例3
以下の出発物質を特定の割合で均一に混合することによって、ゆえに化学的に反応させることによって、感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーを調製した。
【0223】
【表15】

表15:感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーの組成、例3
Voranol P400およびVoranol 2000 Lが正確には2の官能価を有するという、高度に理想化されていることを仮定して、出発物質の重量分率およびOH数またはNCO数から算出
【0224】
初めに、MP DiolおよびVestanat IPDIを除く列挙した全ての出発物質を、70℃の温度および100mbarの圧力で1.5時間混合した。次いでこれにMP Diolを15分間混合し、続いてVestanat IPDIを15分間にわたって同様に混合した。反応熱が発生したことによって、混合物が100℃に加熱され、次いでこれを貯蔵容器内に分注した。
【0225】
プレポリマーのNCO/OH比は0.98であった。100gの感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーは、5.4mmolのOH基を含有した。感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーを形成するのに導入したヒドロキシル基の0.0%は、2を超える官能価を有するポリプロピレングリコールに由来する。したがって、OH基を含有する出発物質分子のいずれもが三官能性ではない。
【0226】
得られたプレポリマーは、室温で感圧接着性であった。
【0227】
室温(23℃)における複素粘性率ηは、22000Pasであった。得られたプレポリマーは溶融可能であった。
【0228】
さらなるデータ:
G’(10rad/secおよび23℃において):0.007MPa
G”(10rad/secおよび23℃において):0.02MPa
G’(10rad/secおよび23℃において):0.09MPa
G”(10rad/secおよび23℃において):0.17MPa
粘着力:1.9N
【0229】
一部の実験用に、プレポリマーをアセトンに溶解させた。
【0230】
各場合において、感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーを、本発明による以下のポリイソシアネート混合物と反応させて、本発明のPSAを得た。
【0231】
例3a
【0232】
【表16】

表16:ポリイソシアネート混合物の組成、例3a
*理想化考察:3を超える官能価は算出の際に除外する
【0233】
ポリイソシアネート混合物のトリイソシアネート分率:66.7%(物質量分率)。
【0234】
PSAを調製するために、アセトン溶液中のプレポリマーを室温でポリイソシアネート混合物(例3a)と混合した。それぞれの混合比を表17に列挙する。調製の過程そのときまで収容されていた全てのNCO基およびOH基のNCO/OH比(表および以下において「NCO/OH 合計」によって特定する)は各場合において1.1であった。初めに存在したOH基の大部分は既に反応によって消費されて、プレポリマーを形成した。表15に列挙した重量分率に基づいて、ポリイソシアネートとの反応に利用できるOHはさらに5.4mmolであった。感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマー中のイソシアネート基との反応に利用できるヒドロキシル基の総数に対する、ポリイソシアネート中のイソシアネート基の総数の比は、常に6.5であった。このNCO/OH比を表および以下において「NCO/OH ポリイソシアネート:プレポリマー」と称する。混合物を25μm厚のポリエステルフィルム上にコーティングした。溶媒を70℃で蒸発させた。これにより、ポリエステルフィルム上に50μmの層を与え、記載した試験方法を用いてこれを特徴づけた。
【0235】
接着テープの支持体としての使用を考慮したPSAを作製するために、プレポリマーを80℃に予熱した2軸押出機に連続的に供給した。ポリイソシアネート混合物(例3a)をプレポリマーと同時に、かつプレポリマーと同じ位置で2軸押出機に連続的に供給した。計量供給したポリイソシアネート混合物は、例3aのポリイソシアネート混合物であった。
【0236】
また、各場合において、NCO/OH 合計比を1.1と定めた。
【0237】
また、混合比を、表17から取得することができる。
【0238】
輸送および混合を連続的に実施した。押出機から押出物が出る前の時間は、約2分であった。
【0239】
押出物を2本ロール塗布機に直接供給し、入ってくる2枚の、両側がシリコーン被覆されたポリエステルフィルムの間にコーティングし、これによりフィルム成形した。フィルムの厚さは1.0mmであった。室温に冷却した後、2枚のシリコーン被覆されたポリエステルフィルムのうち一方を除去した後に、フィルムを巻き上げた。巻き取ったフィルムを室温で2週間貯蔵した。
【0240】
次いで、部分的に巻き戻し、シリコーン被覆されたポリエステルフィルム上に厚さ50μmで予備コーティングされた粘着剤の形態で存在する、National Starch社製のポリアクリレート感圧接着剤Durotac280−1753に積層した。さらなる前処理をすることなく積層を行った。ポリアクリレートPSAによる実験は、接着テープにおける支持体層または機能層としてのPSAの使用を試験するのに役立った。このアセンブリを、記載した試験方法によって同様に特徴づけた。さらに、フィルムの巻き戻した部分を、1mm厚の単層接着テープとして、記載した試験方法によって特徴づけた。この場合、PSAは、支持体およびPSAの2つの機能を同時に果たした。
【0241】
【表17】

表17:ポリイソシアネート混合物:プレポリマー混合比
【0242】
試験結果
【0243】
【表18】

表18:試験結果、例3a
【0244】
比較のために、25μmのポリエステルフィルムに50μmの層として適用したPSA Durotac 280−1753の密着強度は、5.9N/cmであった。
【0245】
全ての試料は、縦方向および横方向において等しい特性を示した。
【0246】
試料の厚さは一定であった。1.0mm厚の試料について、厚さの標準偏差は0.03mmであった。
【0247】
3層構造:Durotac 280−1753/PU PSA(厚さ:1.0mm)/Durotac 280−1753を有する試料、および単層構造を有する試料によるボンドを性能試験に付した。
【0248】
性能試験は、−30℃〜−40℃の温度範囲において、優れた低温衝撃強度を有することを証明した。さらに、これらのボンドが、負荷時に比較的長い期間にわたって非常に耐振動性であることを証明した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリウレタンが、少なくとも次の出発物質の化学反応生成物を含むことを特徴とする、ポリウレタンをベースとする感圧接着剤:
a) 少なくとも一種の脂肪族または脂環式ジイソシアネート、及び3又は3より大きいイソシアネート官能価を有する少なくとも一種の脂肪族または脂環式ポリイソシアネートを含み、3又は3より大きいイソシアネート官能価を有する脂肪族または脂環式ポリイソシアネートの、ポリイソシアネートの割合としての物質量分率が、少なくとも18%である、ポリイソシアネート、及び
b) 感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーの少なくとも一種。
【請求項2】
前記3又は3より大きいイソシアネート官能価を有する脂肪族または脂環式ポリイソシアネートの、ポリイソシアネートの割合としての物質量分率が、少なくとも20%〜せいぜい90%の範囲、好ましくは少なくとも25%〜せいぜい70%の範囲であることを特徴とする、請求項1に記載の感圧接着剤。
【請求項3】
10rad/sの振動数で室温で、プレート/プレート配置において動的機械分析によって測定した、前記感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーの複素粘性率ηが、8000Pas以上であることを特徴とする、請求項1または2のいずれか一つに記載の感圧接着剤。
【請求項4】
前記感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーが、2より大きいヒドロキシル官能価を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つに記載の感圧接着剤。
【請求項5】
請求項1に記載のポリイソシアネート中のイソシアネート基の総数と、前記感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマー中のイソシアネート基の反応に利用できるヒドロキシル基の総数との比が、0.9〜5.0の範囲内であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一つに記載の感圧接着剤。
【請求項6】
前記接着剤が、例えば、マイクロビーズ、充填剤、レオロジー添加剤、樹脂類、可塑剤、光安定剤、UV保護剤、または老化防止剤のような添加剤をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一つに記載の感圧接着剤。
【請求項7】
反応のために少なくとも一種の触媒が出発物質に添加されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一つに記載の感圧接着剤。
【請求項8】
前記接着剤が、発泡されているか、または泡状であることを特徴とする、請求項1に記載の感圧接着剤。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一つに記載の感圧接着剤を少なくとも一種含む、感圧接着性成形構造体、好ましくは感圧接着剤層。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一つに記載の感圧接着剤を少なくとも一種含む接着テープ。
【請求項11】
少なくとも次の出発物質を反応させることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一つに記載の感圧接着剤を調製する方法:
a) 少なくとも一種の脂肪族または脂環式ジイソシアネート、及び3又は3より大きいイソシアネート官能価を有する少なくとも一種の脂肪族または脂環式ポリイソシアネートを含み、3又は3より大きいイソシアネート官能価を有する脂肪族または脂環式ポリイソシアネートの、ポリイソシアネートの割合としての物質量分率が、少なくとも18%である、ポリイソシアネート、及び
b) 感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーの少なくとも一種。
【請求項12】
前記ポリイソシアネートと、前記感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーとの反応が、連続的に行われることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ポリイソシアネートと、前記感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーとの反応が、溶媒なしで、より好ましくは溶融状態で開始されることを特徴とする、請求項11および12のいずれか一つに記載の方法。
【請求項14】
前記ポリイソシアネートと、前記感圧接着性のヒドロキシル官能化ポリウレタンプレポリマーとの反応が、押出操作または共押出操作で開始されることを特徴とする、請求項11〜13のいずれか一つに記載の方法。
【請求項15】
請求項1〜8のいずれか一つに記載の感圧接着剤、または請求項11から14のいずれか一つに記載の方法によって調製される感圧接着剤の、接着剤テープ中での感圧接着剤層および/または支持体層および/または機能層としての使用。

【公開番号】特開2011−105937(P2011−105937A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−252477(P2010−252477)
【出願日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(509120403)テーザ・ソシエタス・ヨーロピア (118)
【Fターム(参考)】