説明

ポリウレタンフォームの製造方法

本発明は、特別なポリウレタン分散体と架橋剤との混合物を発泡させ、および乾燥させることによって、ポリウレタンフォームを製造するための方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定のポリウレタン分散体および架橋剤の混合物を発泡させ、および乾燥させることによりポリウレタンフォームを製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
創傷管理の分野において、創傷接触層としてのポリウレタンフォームの使用はよく知られている。この目的に用いるポリウレタンフォームは概して、創傷液の良好な吸収性を保証するために親水性である。親水性ポリウレタンフォームは、ジイソシアネートとポリオールの混合物またはNCO官能性ポリウレタンプレポリマーを水と特定の触媒ならびに(フォーム)添加剤の存在下で反応させることによって得られる。芳香族ジイソシアネートは、最も良好な発泡性であるので、典型的に用いられる。これらの方法の多くの成形品は既知であり、例えば、米国特許第3978266号、同第3975567号および欧州特許出願公開第0059048号に記載されている。しかしながら、上記の方法は、ジイソシアネートまたは対応するプレポリマーを含有する反応性混合物の使用を必要とする点が欠点であり、その取り扱いは、例えば適切な保護手段を必要とするので、技術的に不便であり、コストがかかる。
【0003】
強撹拌により適当な(フォーム)添加剤の存在下で空気を導入することによってポリウレタン分散体からフォームを製造することも既知である。いわゆる機械的ポリウレタンフォームは乾燥および硬化後に得られる。創傷接触材料と関連して、このようなフォームは、欧州特許出願公開第0235949号および同第0246723号に記載され、該フォームは、自己接着性ポリマーが付加されるか、または自己接着性ポリマーのフィルムに適用される。該フォームそれ自体の使用、すなわち自己接着性ポリマーを伴わない使用は記載されていない。さらに、欧州特許出願公開第0235949号および同第0246723号に記載の例は、その毒性のために今では限定的にのみ使用されるべきポリアジリジンの架橋剤としての使用を要求する。米国特許第4655210号には、裏打ち、フォームおよび皮膚接触層の特定の構造を有する創傷包帯用の上記の機械的フォームの使用が記載されている。
【0004】
欧州特許出願公開第0235949号、同第0246723号および米国特許第4655210号に記載されているポリウレタン分散体は、特定のカルボン酸、例えばジメチロールカルボン酸などの組み入れおよび第3級アミン、例えばトリエチルアミンによるカルボン酸の中和によってアニオン的に親水性化されている。しかしながら、このようにして生じたアンモニウムカルボキシレートは、特により高温で分解性であり、これにより再びアミンを放出する。このことは、こうした生成物の加工性に関して、特に皮膚との接触において大きな欠点である。さらに、これらのポリウレタン分散体は、溶解形態で、例えばジメチルホルムアミドまたはN−メチルピロリドン中で、ジメチロールカルボン酸を用いて製造され、その結果、最終生成物は、Witcobond(TM)290 Hを用いる場合、全部で10.8gリットル(水を含まない)の高いVOC含有量を有する。
【0005】
欧州特許第0760743号には、ラテックス分散体に基づいて生じたこのような機械的フォームが記載されているが、これらはポリウレタンからなるものではなく、より劣った機械的特性を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第3978266号明細書
【特許文献2】米国特許第3975567号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第0059048号明細書
【特許文献4】欧州特許出願公開第0235949号明細書
【特許文献5】欧州特許出願公開第0246723号明細書
【特許文献6】米国特許第4655210号明細書
【特許文献7】欧州特許第0760743号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明の目的は、ポリウレタンをベースとし、および極めて簡単な方法で、上記の一般に安全と認められないビルディングブロック成分または添加剤を用いずに得られる新規な創傷接触材料を提供することである。さらに、これらの創傷接触材料は、良好な機械的特性、生理食塩水に対する高い吸収能ならびに高い水蒸気透過率を有することが要求される。さらに、該フォームは、充分な耐水性を有するべきである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
特定のポリウレタン水性分散体および架橋剤を含有する組成物を発泡させ、次いで少なくとも部分的に架橋させて乾燥させると、このようなポリウレタン系創傷接触材料が得られることを見出した。
【0009】
従って、本発明は、スルホネート基によってアニオン的に親水性化されたポリウレタン水性分散体(I)を含有する組成物を架橋剤(II)と共に発泡させ、および少なくとも部分的に化学架橋させて乾燥させることを含んでなる、発泡物品、好ましくは創傷接触材料の製造方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本明細書では、架橋は、架橋剤とポリウレタン分散体に含まれるポリウレタンとの間での共有結合の生成を意味すると理解される。
【0011】
本発明のためのポリウレタンフォーム創傷接触材料は、本質的にポリウレタンから構成され、無菌カバーのように細菌および環境の影響から創傷を保護する、少なくともいくらかの連続気泡含有量を好ましく有する多孔質材料であって、生理食塩水、具体的には創傷液の急速で高い吸収度を有し、適した創傷環境を確実とするために適当な水分透過性を有し、および十分な機械的強度を有する。
【0012】
好ましくは、これらの分散体は、アニオン性親水性化のためにのみスルホネート基を有する。
【0013】
好ましくは、特定のポリウレタン分散体(I)は、低度の、好ましくはポリウレタン(固体樹脂)100gあたり0.1〜15ミリ当量の親水性アニオン性基を有する。
【0014】
沈殿に対する良好な安定性を達成するために、特定のポリウレタン分散体の数平均粒度は、好ましくは750nm未満、より好ましくは500nm未満であり、レーザー相関分光法によって決定される。
【0015】
ポリウレタン分散体(I)の固形分は、その中に存在するポリウレタンを基準として、好ましくは30重量%〜70重量%の範囲、より好ましくは50重量%〜70重量%の範囲、もっとも好ましくは55重量%〜65重量%の範囲、特に60重量%〜65重量%の範囲である。
【0016】
未結合有機アミンの濃度は、これらのポリウレタン分散体中において、全分散体を基準として、好ましくは0.5重量%未満、より好ましくは0.2重量%未満である。
【0017】
このような好適なポリウレタン分散体(I)は、
A)イソシアネート官能性プレポリマーを、
A1)有機ポリイソシアネート、
A2)400〜8000g/molの範囲、好ましくは400〜6000g/molの範囲、さらに好ましくは600〜3000g/molの範囲の数平均分子量および1.5〜6の範囲、好ましくは1.8〜3の範囲、より好ましくは1.9〜2.1の範囲のOH官能価を有するポリマーポリオール、および
A3)必要に応じて、62〜399g/molの範囲の分子量を有するヒドロキシル官能性化合物、および
A4)必要に応じて、イソシアネート反応性の、アニオン性または潜在的アニオン性および/または必要に応じて非イオン性の親水性化剤
から製造する工程、および
B)次いで、その遊離NCO基を
B1)必要に応じて、32〜400g/molの範囲の分子量を有するアミノ官能性化合物と、
B2)アニオン性または潜在的アニオン性のアミノ官能性親水性化剤
と鎖延長によって、完全にまたは部分的に反応させる工程、および
該プレポリマーを工程B)前、工程B)中または工程B)後に水中に分散する工程によって得られる。
【0018】
必要に応じて、該プレポリマーを、分散前、分散中または分散後に、塩基を添加することによってアニオン形態に完全にまたは部分的に変換することができる。
【0019】
アニオン性親水性化を達成するために、少なくとも1つのNCO反応性基、例えばアミノ基、ヒドロキシル基またはチオール基などを有し、およびアニオン性基として−COOまたは−SO3−または−PO2−、または潜在的アニオン性基としてこれらの全体的にまたは部分的にプロトン化した酸形態をさらに有する親水性化剤を、A4)および/またはB2)に用いる。
【0020】
好ましくは、アニオン性官能基または潜在的アニオン性官能基として専らスルホン酸基またはスルホネート基(−SOHまたは−SOM、式中、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属である)のみを有するような、アニオン性または潜在的アニオン性の親水性化のための化合物をA4)および/またはB2)に用いる。
【0021】
成分A1)の適当なポリイソシアネートは、2以上のNCO官能価を有する周知の脂肪族または脂環式ポリイソシアネートである。
【0022】
このような適当なポリイソシアネートの例は、1,4−ブチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、2,2,4−および/または2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、異性体ビス(4,4’−イソシアナトシクロヘキシル)メタンまたはこれらの任意の所望の異性体含量の混合物、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、4−イソシアナトメチル−1,8−オクタンジイソシアネート(ノナントリイソシアネート)ならびにC1〜C8−アルキル基を有するアルキル2,6−ジイソシアナトヘキサノエート(リジンジイソシアネート)である。
【0023】
上記のポリイソシアネートと同様に、2以上の官能価およびウレットジオン、イソシアヌレート、ウレタン、アロファネート、ビウレット、イミノオキサジアジンジオンまたはオキサジアジントリオン構造を有する変性ジイソシアネート、ならびにこれらの混合物を部分的に用いることが可能である。
【0024】
好ましくは、上記の型のポリイソシアネートまたはポリイソシアネート混合物は、もっぱら脂肪族的におよび/または脂環式的に結合したイソシアネート基またはこれらの混合物、および混合物については2〜4の範囲、好ましくは2〜2.6の範囲、より好ましくは2〜2.4の範囲の平均NCO官能価を有する。
【0025】
ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートまたは異性体ビス(4,4’−イソシアナトシクロヘキシル)メタン、ならびにこれらの混合物をA1)に用いることは特に好適である。
【0026】
400〜8000g/mol、好ましくは400〜6000g/mol、より好ましくは600〜3000g/molの範囲の数平均分子量Mを有するポリマーポリオールをA2)に用いる。これらは、好ましくは1.5〜6の範囲、より好ましくは1.8〜3の範囲、もっとも好ましくは1.9〜2.1の範囲のOH官能価を有する。
【0027】
このようなポリマーポリオールは、周知のポリウレタンコーティング技術ポリエステルポリオール、ポリアクリレートポリオール、ポリウレタンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリアクリレートポリオール、ポリウレタンポリアクリレートポリオール、ポリウレタンポリエステルポリオール、ポリウレタンポリエーテルポリオール、ポリウレタンポリカーボネートポリオールおよびポリエステルポリカーボネートポリオールである。これらは、個々にまたは互いの任意の所望の混合物の状態でA2)に用いてよい。
【0028】
このようなポリエステルポリオールは、ジ−ならびに必要に応じてトリ−およびテトラオールおよびジ−ならびに必要に応じてトリ−およびテトラカルボン酸またはヒドロキシカルボン酸またはラクトンから生じる周知の重縮合物である。ポリエステルを調製するために、遊離ポリカルボン酸の代わりに、対応するポリカルボン酸無水物または対応する低級アルコールのポリカルボン酸エステルを用いることも可能である。
【0029】
適当なジオールの例は、エチレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、例えばポリエチレングリコールなど、また1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ブタンジオール(1,3)、ブタンジオール(1,4)、ヘキサンジオール(1,6)および異性体、ネオペンチルグリコールまたはヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールであり、これらのうち、ヘキサンジオール(1,6)および異性体、ブタンジオール(1,4)、ネオペンチルグリコールおよびヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールは好適である。これらに加えて、トリメチロールプロパン、グリセロール、エリトリトール、ペンタエリトリトール、トリメチロールベンゼンまたはトリスヒドロキシエチルイソシアヌレートのようなポリオールを用いることも可能である。
【0030】
有用なジカルボン酸として、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、グルタル酸、テトラクロロフタル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、マロン酸、スベリン酸、2−メチルコハク酸、3,3−ジエチルグルタル酸および/または2,2−ジメチルコハク酸が挙げられる。対応する無水物を酸源として用いてもよい。
【0031】
エステル化するポリオールの平均官能価が2より大きい場合、モノカルボン酸、例えば安息香酸およびヘキサンカルボン酸などをさらに用いてもよい。
【0032】
好適な酸は、上記の種類の脂肪族酸または芳香族酸である。アジピン酸、イソフタル酸およびフタル酸は特に好適である。
【0033】
末端ヒドロキシル基を有するポリエステルポリオールの製造において反応参加物として有用なヒドロキシカルボン酸として、例えばヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシデカン酸、ヒドロキシステアリン酸などが挙げられる。適当なラクトンとして、カプロラクトン、ブチロラクトンおよび同族体が挙げられる。カプロラクトンは好適である。
【0034】
同様に、400〜8000g/molの範囲、好ましくは600〜3000g/molの範囲の数平均分子量Mを有する、ヒドロキシル含有ポリカーボネート、好ましくはポリカーボネートジオールをA2)に用い得る。これらは、カルボン酸誘導体、例えばジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネートまたはホスゲンなどをポリオール、好ましくはジオールと反応させることによって得られる。
【0035】
このようなジオールの例は、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ビスヒドロキシメチルシクロヘキサン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチルペンタン−1,3−ペンタンジオール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジブチレングリコール、ポリブチレングリコール、ビスフェノールAおよび上記の種類のラクトン変性ジオールである。
【0036】
該ジオール成分は、40重量%〜100重量%の、ヘキサンジオール、好ましくは1,6−ヘキサンジオールおよび/またはヘキサンジオール誘導体を好ましく含有する。このようなヘキサンジオール誘導体は、ヘキサンジオールに基づき、エステル基またはエーテル基ならびに末端OH基を有する。このような誘導体は、ヘキサンジオールを過剰のカプロラクトンと反応させることによって、またはヘキサンジオールをそれ自体でエーテル化して、ジ−またはトリヘキシレングリコールを生じさせることによって得られる。
【0037】
純粋なポリカーボネートジオールの代わりに、またはこれに加えて、ポリエーテル−ポリカーボネートジオールをA2)に用いてもよい。
【0038】
ヒドロキシル含有ポリカーボネートは、直鎖構造を好ましく有する。
【0039】
同様に、ポリエーテルポリオールをA2)に用いてよい。
【0040】
有用なポリエーテルポリオールとして、例えば、カチオン性開環によるテトラヒドロフランの重合によって得られる、周知のポリウレタン化学ポリテトラメチレングリコールポリエーテルが挙げられる。
【0041】
同様に、有用なポリエーテルポリオールとして、スチレンオキシド、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドおよび/またはエピクロロヒドリンの二官能性または多官能性出発分子への周知の付加物が挙げられる。エチレンオキシドの二官能性または多官能性出発分子への少なくとも部分的な付加に基づくポリエーテルポリオールを成分A4)(非イオン性親水性化剤)として用いてもよい。
【0042】
有用な出発分子として、全ての先行技術化合物、例えば水、ブチルジグリコール、グリセロール、ジエチレングリコール、トリメチロールプロパン、プロピレングリコール、ソルビトール、エチレンジアミン、トリエタノールアミン、1,4−ブタンジオールが挙げられる。
【0043】
20個までの炭素原子を有する特定の分子量範囲のポリオール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール、シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ヒドロキノンジヒドロキシエチルエーテル、ビスフェノールA(2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン)、水素化ビスフェノールA(2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン)、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリトリトールならびにこれらの互いの任意の所望の混合物などをA3)に用い得る。
【0044】
特定の分子量範囲のエステルジオール、例えばα−ヒドロキシブチル−ε−ヒドロキシカプロン酸エステル、ω−ヒドロキシヘキシル−γ−ヒドロキシ酪酸エステル、アジピン酸(β−ヒドロキシエチル)エステルまたはテレフタル酸ビス(β−ヒドロキシエチル)エステルなども適当である。
【0045】
さらに、単官能性イソシアネート反応性ヒドロキシル含有化合物をA3)に用い得る。このような単官能性化合物の例は、エタノール、n−ブタノール、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、2−エチルヘキサノール、1−オクタノール、1−ドデカノール、1−ヘキサデカノールである。
【0046】
成分A4)のための有用なアニオン的に親水性化する化合物として、モノ−およびジヒドロキシスルホン酸の塩が挙げられる。このようなアニオン性親水性化剤の例は、独国特許出願公開第2446440号、第5〜9頁、式I〜IIIに記載されている2−ブテン−1,4−ジオールへの重亜硫酸ナトリウムの付加物である。
【0047】
成分A4)のための有用な非イオン的に親水性化する化合物として、例えば、少なくとも1つのヒドロキシル基、アミノ基またはチオール基を含有するポリオキシアルキレンエーテルが挙げられる。その例は、1分子当たり平均5〜70個、好ましくは7〜55個のエチレンオキシド単位を含有し、(例えばUllmanns Encyclopaedie der technischen Chemie、第4版、第19巻、Verlag Chemie、ワインハイム、第31〜38頁における)適当な出発分子のアルコキシル化によって従来の方法により得られる、一価官能性ポリアルキレンオキシドポリエーテルアルコールである。これらは、存在する全アルキレンオキシド単位を基準として、少なくとも30mol%、好ましくは少なくとも40mol%のエチレンオキシド単位を含有する、純粋なポリエチレンオキシドエーテルまたは混合ポリアルキレンオキシドエーテルのいずれかである。
【0048】
特に好適な非イオン性化合物は、エチレンオキシド単位40〜100mol%およびプロピレンオキシド単位0〜60mol%を有する単官能性混合ポリアルキレンオキシドポリエーテルである。
【0049】
このような非イオン性親水性化剤のための有用な出発分子として、飽和モノアルコール、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、異性体ペンタノール、ヘキサノール、オクタノールおよびノナノール、n−デカノール、n−ドデカノール、n−テトラデカノール、n−ヘキサデカノール、n−オクタデカノール、シクロヘキサノール、異性体メチルシクロヘキサノールまたはヒドロキシメチルシクロヘキサン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンまたはテトラヒドロフルフリルアルコールなど、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、例えばジエチレングリコールモノブチルエーテル、不飽和アルコール、例えばアリルアルコール、1,1−ジメチルアリルアルコールまたはオレイルアルコールなど、芳香族アルコール、例えばフェノール、異性体クレゾールまたはメトキシフェノールなど、芳香脂肪族アルコール、例えばベンジルアルコール、アニスアルコールまたは桂皮アルコールなど、第2級モノアミン、例えばジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ビス(2−エチルヘキシル)アミン、N−メチルシクロヘキシルアミン、N−エチルシクロヘキシルアミンまたはジシクロヘキシルアミンなど、ならびにヘテロ環式第2級アミン、例えばモルホリン、ピロリジン、ピペリジンまたは1Hピラゾールなどが挙げられる。好適な出発分子は、上記の種類の飽和モノアルコールである。出発分子としてジエチレングリコールモノブチルエーテルまたはn−ブタノールを用いることは特に好適である。
【0050】
アルコキシル化反応のための有用なアルキレンオキシドは特にエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドであり、これらはアルコキシル化反応において任意の所望の順序で、あるいは混合物の状態で用いてよい。
【0051】
有機ジ−またはポリアミン、例えば1,2−エチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,6−ジアミノヘキサン、イソホロンジアミン、2,2,4−および2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミンの異性体混合物、2−メチルペンタメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、4,4−ジアミノジシクロヘキシルメタンおよび/またはジメチルエチレンジアミンなどを成分B1)に用い得る。
【0052】
さらに、第1級アミノ基と同様に第2級アミノ基をも有する化合物、または(第1級または第2級)アミノ基と同様にOH基をも有する化合物を成分B1)に用いてよい。これらの例は、第1級/第2級アミン、例えばジエタノールアミン、3−アミノ−1−メチルアミノプロパン、3−アミノ−1−エチルアミノプロパン、3−アミノ−1−シクロヘキシルアミノプロパン、3−アミノ−1−メチルアミノブタンなど、アルカノールアミン、例えばN−アミノエチルエタノールアミン、エタノールアミン、3−アミノプロパノール、ネオペンタノールアミンなどである。
【0053】
さらに、単官能性イソシアネート反応性アミン化合物、例えばメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、オクチルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン、イソノニルオキシプロピルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、N−メチルアミノプロピルアミン、ジエチル(メチル)アミノプロピルアミン、モルホリン、ピペリジン、またはこれらの適当な置換誘導体、ジ第1級アミンとモノカルボン酸から生じるアミドアミン、ジ第1級アミンのモノケチム、第1級/第3級アミン、例えばN,N−ジメチルアミノプロピルアミンなどを成分B1)に用いてよい。
【0054】
成分B2)のための有用なアニオン的に親水性化する化合物として、モノ−およびジアミノスルホン酸のアルカリ金属塩が挙げられる。このようなアニオン性親水性化剤の例は、2−(2−アミノエチルアミノ)エタンスルホン酸、エチレンジアミンプロピルスルホン酸、エチレンジアミンブチルスルホン酸、1,2−または1,3−プロピレンジアミン−β−エチルスルホン酸またはタウリンの塩である。アニオン性親水性化剤として国際公開第01/88006号に由来するシクロヘキシルアミノプロパンスルホン酸(CAPS)の塩をさらに用いることも可能である。
【0055】
特に好適なアニオン性親水性化剤B2)は、イオン性基としてスルホネート基と2個のアミノ基を含有するもの、例えば2−(2−アミノエチルアミノ)エチルスルホン酸の塩および1,3−プロピレンジアミン−β−エチルスルホン酸の塩などである。
【0056】
アニオン性親水性化剤および非イオン性親水性化剤の混合物を用いてもよい。
【0057】
特定のポリウレタン分散体を製造するための好適な実施態様では、以下の量で成分A1)〜A4)およびB1)〜B2)を使用し、それぞれの量は常に100重量%まで添加する:
成分A1)5重量%〜40重量%、
成分A2)55重量%〜90重量%、
成分A3)とB1)を合計で0.5重量%〜20重量%、
成分A4)とB2)を合計で0.1重量%〜25重量%、ここで、成分A1)〜A4)およびB1)〜B2)の全量を基準として0.1重量%〜5重量%の、A4)および/またはB2)に由来するアニオン性または潜在的アニオン性の親水性化剤を用いる。
【0058】
特定のポリウレタン分散体を製造するための特に好適な実施態様では、以下の量で成分A1)〜A4)およびB1)〜B2)を使用し、それぞれの量は常に100重量%まで添加する:
成分A1)5重量%〜35重量%、
成分A2)60重量%〜90重量%、
成分A3)とB1)を合計で0.5重量%〜15重量%、
成分A4)とB2)を合計で0.1重量%〜15重量%、ここで、成分A1)〜A4)およびB1)〜B2)の全量を基準として0.2〜4重量%の、A4)および/またはB2)に由来するアニオン性または潜在的アニオン性の親水性化剤を用いる。
【0059】
特定のポリウレタン分散体を製造するための非常に特に好適な実施態様では、以下の量で成分A1)〜A4)およびB1)〜B2)を使用し、それぞれの量は常に100重量%まで添加する:
成分A1)10重量%〜30重量%、
成分A2)65重量%〜85重量%、
成分A3)とB1)を合計で0.5重量%〜14重量%、
成分A4)とB2)を合計で0.1重量%〜13.5重量%、ここで、成分A1)〜A4)およびB1)〜B2)の全量を基準として0.5〜3.0重量%の、A4)および/またはB2)に由来するアニオン性または潜在的アニオン性の親水性化剤を用いる。
【0060】
特定のポリウレタン分散体の製造は、均質相中で1以上の段階で、または多段階反応の場合には、部分的に分散相中で行ってよい。A1)〜A4)に由来する重付加を完全にまたは部分的に行った後、分散、乳化または溶解工程を行う。これに続いて、適切な場合には分散相中でさらなる重付加または変性を行う。
【0061】
任意の先行技術を用いてよく、その例はプレポリマー混合法、アセトン法または溶融分散法である。アセトン法は好適である。
【0062】
アセトン法による製造は通常、成分A2)〜A4)およびポリイソシアネート成分A1)を、イソシアネート官能性ポリウレタンプレポリマーを製造するために、初期投入として完全にまたは部分的に導入し、必要に応じて、水混和性であるがイソシアネート不活性である溶媒で希釈し、50〜120℃の範囲の温度に加熱することを含む。イソシアネート付加反応は、ポリウレタン化学において既知の触媒を用いて促進させてよい。
【0063】
有用な溶媒として、従来の脂肪族、ケト官能性溶媒、例えばアセトン、2−ブタノンなどが挙げられるが、これらは製造の開始時だけでなく、その後においても、必要に応じて部分的に、添加してよい。アセトンおよび2−ブタノンは好適であり、アセトンは特に好適である。
【0064】
次いで、反応開始時に添加していないA1)〜A4)の任意の成分を添加する。
【0065】
A1)〜A4)に由来するポリウレタンプレポリマーの製造において、イソシアネート基とイソシアネート反応性基の物質量比は、1.05〜3.5の範囲、好ましくは1.1〜3.0の範囲、より好ましくは1.1〜2.5の範囲である。
【0066】
プレポリマーを生成する成分A1)〜A4)の反応は、部分的にまたは完全に、好ましくは完全に達成させる。このように、遊離イソシアネート基を含有するポリウレタンプレポリマーは、溶媒を有さずに、または溶液の状態で得られる。
【0067】
次いで、さらなる工程段階において、未だ行われていないか、またはある程度だけ行われている場合には、得られたプレポリマーを脂肪族ケトン、例えばアセトンまたは2−ブタノンを用いて溶解させる。
【0068】
工程B)の鎖延長において、NH−および/またはNH−官能性成分を該プレポリマーの未だ残っているイソシアネート基と反応させる。好適には、該鎖延長/連鎖停止を水中での分散前に行う。
【0069】
有用な鎖延長成分として、例えばエチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,6−ジアミノヘキサン、イソホロンジアミン、2,2,4−および2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミンの異性体混合物、2−メチルペンタメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ジアミノジシクロヘキシルメタンおよび/またはジメチルエチレンジアミンのような有機ジ−またはポリアミンB1)が挙げられる。
【0070】
さらに、第1級アミノ基と同様に第2級アミノ基をも有する化合物、または(第1級または第2級)アミノ基と同様にOH基を有する化合物B1)を用いることも可能である。鎖延長または連鎖停止のためのこれらの例は、第1級/第2級アミン、例えばジエタノールアミン、3−アミノ−1−メチルアミノプロパン、3−アミノ−1−エチルアミノプロパン、3−アミノ−1−シクロヘキシルアミノプロパン、3−アミノ−1−メチルアミノブタンなど、アルカノールアミン、例えばN−アミノエチルエタノールアミン、エタノールアミン、3−アミノプロパノール、ネオペンタノールアミンなどである。
【0071】
連鎖停止は、イソシアネート反応性基を有するアミンB1)、例えばメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、オクチルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン、イソノニルオキシプロピルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、N−メチルアミノプロピルアミン、ジエチル(メチル)アミノプロピルアミン、モルホリン、ピペリジンまたはこれらの適当な置換誘導体、ジ第1級アミンとモノカルボン酸から生じるアミドアミン、ジ第1級アミンのモノケチム、第1級/第3級アミン、例えばN,N−ジメチルアミノプロピルアミンなどを用いて典型的に行われる。
【0072】
鎖延長を、NH基またはNH基を有する定義B2)に適合するアニオン性親水性化剤を用いて行う際、プレポリマーの鎖延長は分散前に好ましく行われる。
【0073】
鎖延長の程度、すなわち鎖延長および連鎖停止のために用いる化合物のNCO反応性基とプレポリマーの遊離NCO基との当量比は、40%と150%の間、好ましくは50%と120%の間、より好ましくは60%と120%の間である。
【0074】
アミン成分B1)およびB2)を、必要に応じて、本発明の方法において水希釈形態または溶媒希釈形態で、個々にまたは混合物の状態で、原理上可能な任意の添加順序で、使用してよい。
【0075】
水または有機溶媒を希釈剤として用いる際、B)に用いる鎖延長性成分の希釈剤含有量は、好ましくは70重量%〜95重量%の範囲である。
【0076】
鎖延長に続いて分散を好適に行う。分散のために、溶解および鎖延長したポリウレタンポリマーを、適切な場合には十分な剪断力、例えば強撹拌などによって分散水中に導入するか、または反対に、分散水を、鎖延長したポリウレタンポリマー溶液中に撹拌導入する。溶解した鎖延長ポリウレタンプレポリマーに水を添加することは好適である。
【0077】
次いで分散工程後に分散体中に未だ存在する溶媒を蒸留によって典型的に除去する。分散工程中の除去も同様に可能である。
【0078】
本発明に必要な分散体中の有機溶媒の残留濃度は、全分散体を基準として、典型的には1重量%未満、好ましくは0.5重量%未満である。
【0079】
本発明に必要な分散体のpHは、典型的には8.0未満、好ましくは7.5未満、より好ましくは5.5と7.5の間である。
【0080】
有用な架橋剤(II)として、原理上、記載の乾燥条件下で、ポリウレタン分散体(I)の用いるポリウレタンと共有結合を形成し、機械的特性および/または耐水性において所望の改良を生じさせる、任意の少なくとも二官能性の有機化合物が挙げられる。このような架橋剤の例は、必要に応じて親水性化された非ブロックトポリイソシアネート、アミドホルムアルデヒド樹脂、アミンホルムアルデヒド樹脂、フェノール樹脂、アルデヒドおよびケトン樹脂、例えばフェノールホルムアルデヒド樹脂、レゾール、フラン樹脂、ウレア樹脂、カルバミン酸エステル樹脂、トリアジン樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、シアナミド樹脂およびアニリン樹脂等である。
【0081】
架橋剤として、非ブロックトポリイソシアネートまたはメラミン樹脂、より好ましくは非ブロックトポリイソシアネート、最も好ましくは親水性化ポリイソシアネートを用いることが好ましく、これらは、特に任意の通常の混合および分散技術によってポリウレタン分散体(I)中に組み込むことが特に容易である。
【0082】
成分(II)の種々の架橋剤の混合物を用いることも可能である。
【0083】
分散体(I)および架橋剤(II)と同様に、発泡させるべき組成物は、助剤および添加剤物質(III)を含有してもよい。
【0084】
このような助剤および添加剤物質(III)の例は、フォーム形成剤および安定剤のようなフォーム助剤、増粘剤またはチキソトロープ剤、抗酸化剤、光安定剤、乳化剤、可塑剤、顔料、充填剤および流れ調整剤である。
【0085】
好ましくは、フォーム形成剤および安定剤のようなフォーム助剤は、助剤および添加剤物質(III)として含まれる。有用なフォーム助剤として、市販されている化合物、例えば脂肪酸アミド、ヒドロカルビルスルフェートまたはスルホネート、または脂肪酸塩(これらの場合、親油性基は12〜24個の炭素原子を好ましく含有する)、ならびに比較的長鎖の(アルキル基中に4〜22個の炭素原子を有する)モノアルコールをモノ−、ジ−またはポリサッカリドと反応させることによって従来の方法で得られるアルキルポリグリコシド(例えばKirk−Othmer、Encyclopedia of Chemical Technology、John Wiley&Sons、第24巻、第29頁を参照されたい)などが挙げられる。
【0086】
特に適当なフォーム助剤は、従来の方法で、OH−またはNH−官能性スターター分子へのエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドの付加によって得られるEO−POブロックコポリマーである(例えば、Kirk−Othmer、 Encyclopedia of Chemical Technology、John Wiley&Sons、第24巻、第28頁)。フォーム生成、フォーム安定性または得られるポリウレタンフォームの特性を改良するために、さらなる添加剤を成分(III)並びにEO−POブロックコポリマー中に存在させ得る。このようなさらなる添加剤は、原理上、それ自体既知の任意のアニオン性、非イオン性またはカチオン性の界面活性剤であり得る。しかしながら、好ましくは、EO−POブロックコポリマーのみを成分(III)として用いる。
【0087】
市販されている増粘剤、例えばデクストリンの誘導体、デンプンの誘導体またはセルロースの誘導体(その例はセルロースエーテルまたはヒドロキシエチルセルロースである)、アラビアゴムのような多糖誘導体、ポリアクリル酸、ポリビニルピロリドン、ポリメタクリル酸化合物またはポリウレタンに基づく有機完全合成増粘剤(会合性増粘剤)ならびにベントナイトまたはシリカのような無機増粘剤などを用いてよい。
【0088】
本発明に必要な組成物は通常、乾燥物質を基準として、90〜99.9重量部のポリウレタン分散体(I)、0.1〜10重量部の架橋剤(II)および0〜10重量部のフォーム助剤(III)を含有する。本発明に必要な組成物は、好ましくは、乾燥物質を基準として、87.5〜98.9重量部のポリウレタン分散体(I)、0.1〜5重量部の架橋剤(II)および1〜7.5重量部のフォーム助剤(III)、より好ましくは、乾燥物質を基準として、90.5〜97重量部の分散体(I)、0.5〜2重量部の架橋剤(II)および2.5〜7.5重量部のフォーム助剤(III)を含有する。
【0089】
本発明の方法における発泡は、高速回転での組成物の機械的撹拌によって、振盪によってまたは発泡性ガスの減圧によって達成される。
【0090】
機械的発泡は、所望の機械的撹拌、混合および分散技術を用いて達成されてよい。空気を一般に導入するが、窒素および他のガスをこの目的に用いてもよい。
【0091】
このようにして得られたフォームを、発泡中またはその直後に、基材に塗布するかまたは金型に導入して乾燥させる。
【0092】
基材への塗布は、例えば流し込みまたはナイフ塗布であってよいが、他の従来の技術も可能である。乾燥工程が介在する多層塗布も原理上可能である。塗布および乾燥はそれぞれ、バッチ式または連続的に行うことができるが、完全な連続法が好ましい。
【0093】
有用な基材として、負傷箇所を覆うために用いる前に創傷接触材料の簡単な分離を容易にする紙(例えばリリースペーパー)またはフィルムが挙げられる。
【0094】
乾燥は一般に、通常の加熱および乾燥装置、例えば(循環空気)乾燥棚、熱風またはIR放射等を用いて、典型的には30〜200℃、好ましくは100〜170℃、より好ましくは110〜160℃の高温で達成する。110〜130℃の温度で開始させ、次いで130〜160℃の高温でさらに乾燥(架橋)させる少なくとも二段階の乾燥は好ましい。
【0095】
架橋剤(II)とポリウレタン分散体(I)のポリウレタンとの間の共有結合の生成が乾燥中に同様に起こる。これは、向上した耐水性および/または機械的特性における向上をもたらす。
【0096】
本発明は、本発明の方法によって得られる創傷接触材料をさらに提供する。
【0097】
乾燥前、該創傷接触材料のフォーム密度は、典型的には50〜800g/リットルの範囲、好ましくは100〜500g/リットルの範囲、より好ましくは100〜250g/リットルの範囲である[1リットルのフォーム体積に基づく全投入材料の(gでの)質量]。
【0098】
乾燥後、該創傷接触材料は、連続した気泡を含む、微孔質の連続気泡構造を有する。乾燥フォームの密度は、典型的には0.4g/cm未満、好ましくは0.35g/cm未満、より好ましくは0.01〜0.3g/cmの範囲、もっとも好ましくは0.1〜0.3g/cmの範囲である。
【0099】
DIN EN13726−1 第3.2章による生理食塩水に関する吸収性は、ポリウレタンフォームに対して典型的には100〜1500%の範囲、好ましくは300〜1500%の範囲、最も好ましくは300〜800%の範囲である(乾燥フォームの質量に基づく吸収液体の質量)。DIN EN13726−2 第3.2章による水蒸気透過率は、典型的には2000〜8000g/24時間×mの範囲、好ましくは2000〜5000g/24時間×mの範囲、最も好ましくは2000〜4000g/24時間×mの範囲である。
【0100】
DIN EN13726−1 第3.2章による生理食塩水に関する吸収性は、ポリウレタンフォームに対して典型的には100〜1500%の範囲、好ましくは300〜1500%の範囲、最も好ましくは300〜800%の範囲である(乾燥フォームの質量に基づく吸収液体の質量)。DIN EN13726−2 第3.2章による水蒸気透過率は、典型的には2000〜8000g/24時間×mの範囲、好ましくは2000〜5000g/24時間×mの範囲、最も好ましくは2000〜4000g/24時間×mの範囲である。
【0101】
該ポリウレタンフォームは良好な機械的強度および高弾性を示す。典型的には、最大応力は0.2N/mmを越え、最大伸びは250%を越える。好ましくは、最大伸びは350%、最も好ましくは400%を越える(DIN53504に従って決定)。
【0102】
乾燥後、該創傷接触材料の厚さは、典型的には0.1mm〜50mmの範囲、好ましくは0.5mm〜20mmの範囲、より好ましくは1〜10mmの範囲、もっとも好ましくは1〜5mmの範囲である。
【0103】
該創傷接触材料を、さらなる材料、例えばヒドロゲル、(半)透過性フィルム、コーティング、親水コロイドまたは他のフォームに基づく材料にさらに接着、貼り合わせまたはコートしてよい。
【0104】
適切な場合には、殺菌工程を本発明の方法に含ませてよい。本発明の方法によって得られる創傷接触材料を、これを製造した後に殺菌することも原理上同様に可能である。殺菌を、例えば熱処理、エチレンオキシドのような化学物質またはガンマ線を用いた放射によって達成する場合には、従来の殺菌方法を用いる。
【0105】
例えば、創傷治癒および細菌荷重の防止に対して積極的効果を有する抗菌的または生物学的活性成分を添加、組込みまたはコートすることも同様に可能である。
【0106】
上記の種類の好適な活性成分は、消毒剤、成長因子、プロテアーゼ阻害剤および非ステロイド抗炎症剤/鎮静剤からなる群からの活性成分である。
【0107】
本発明の好適な実施態様では、活性成分は殺菌性ビグアニドおよび/またはその塩、好ましくは塩酸塩を含んでなる。
【0108】
ビグアニドは、ビグアニド(C)から誘導される化合物、特にそのポリマーである。殺菌性ビグアニドは、抗菌効果を有する、即ち、静菌薬として、または好ましくは殺菌剤として働くビグアニドである。化合物は、課題において、多くの細菌に対して広い効果を有し、E.coli.について少なくとも0.5μg/ml、好ましくは少なくとも12または少なくとも25μg/mlの最少殺菌濃度(MMC、懸濁試験により測定)を特徴とすることができる。
【0109】
本発明による好適な殺菌性ビグアニドは、ポリ(イミノ[イミノカルボニル]イミノポリメチレン)であり、ポリヘキサニドとしても知られているポリ(ヘキサメチレン)ビグアニド(PHMB)の殺菌性ビグアニドとしての使用は特に好ましい。
【0110】
また、本発明による用語「殺菌性ビグアニド」には、殺菌性ビグアニドの代謝産物および/またはプロドラッグが含まれる。殺菌性ビグアニドをラセミ化合物または純粋なイソ型として存在させることができる。
【0111】
本発明によるポリウレタンフォームまたは組成物の発泡物品は、好ましくは殺菌性ビグアニドおよび/またはその塩、好ましくは塩酸塩を0.01重量%〜20重量%の濃度で含有し、0.1重量%〜5重量%の濃度は特に有利である。ビグアニドは、任意の所望の分子量分布を有し得る。
【実施例】
【0112】
特記のない限り、全ての百分率は重量による。
【0113】
特記のない限り、全ての分析的測定は温度23℃に関する。
【0114】
固形分をDIN−EN ISO 3251に従って決定した。
【0115】
NCO含有量は、特記のない限り、DIN−EN ISO 11909に従って容量分析的に決定した。
【0116】
遊離NCO基は、IR分光法(2260cm−1でのバンド)によって監視した。
【0117】
記載した粘度は、23℃でAnton Paar Germany GmbH、オストフィルデルン、独国製の回転粘度計を用いて、DIN 53019に従う回転粘度測定法によって決定した。
【0118】
用いた物質と略称
〔ジアミノスルホネート〕
NH−CHCH−NH−CHCH−SONa(45%水溶液)
〔Desmophen(登録商標) C2200〕
ポリカーボネートポリオール、OH価56mgKOH/g、数平均分子量2000g/mol(Bayer MaterialScience AG、レーフェルクーゼン、独国)
〔PolyTHF(登録商標) 2000〕
ポリテトラメチレングリコールポリオール、OH価56mgKOH/g、数平均分子量2000g/mol(BASF AG、ルートヴィヒスハーフェン、独国)
〔PolyTHF(登録商標) 1000〕
ポリテトラメチレングリコールポリオール、OH価112mgKOH/g、数平均分子量1000g/mol(BASF AG、ルートヴィヒスハーフェン、独国)
〔LB 25 polyether〕
エチレンオキシド/プロピレンオキシドに基づく単官能性ポリエーテル、数平均分子量2250g/mol、OH価25mgKOH/g(Bayer MaterialScience AG、レーフェルクーゼン、独国)
〔Pluronic(登録商標)PE 6800〕
EO/POブロックコポリマー(BASF AG、ルートヴィヒスハーフェン、独国)
【0119】
ポリウレタン分散体の平均粒度(数平均を記載する)の決定を、レーザー相関分光法を用いて行った(測定機器:Malvern Zetasizer 1000、Malver Inst.Limited)。
【0120】
実施例1:ポリウレタン分散体1
987.0gのPolyTHF(登録商標) 2000、375.4gのPolyTHF(登録商標) 1000、761.3gのDesmophen(登録商標) C2200および44.3gのLB 25 polyetherを標準的な撹拌装置中で70℃に加熱した。次いでヘキサメチレンジイソシアネート237.0gとイソホロンジイソシアネート313.2gの混合物を70℃で5分間にわたって添加し、該混合物を理論NCO値に達するまで120℃で撹拌した。予備調製したプレポリマーをアセトン4830gで溶解し、その過程において、50℃に冷却し、次いで、10分間にわたり計量投入した、エチレンジアミン25.1g、イソホロンジアミン116.5g、ジアミノスルホネート61.7gおよび水1030gの溶液と混合した。次いで該混合物を10分間撹拌した。次いで分散を水1250gの添加によって形成した。これに続いて減圧下での蒸留による溶媒の除去を行った。
【0121】
得られた白色分散体は以下の特性を有した:

【0122】
実施例2:ポリウレタン分散体2
223.7gのPolyTHF(登録商標) 2000、85.1gのPolyTHF(登録商標) 1000、172.6gのDesmophen(登録商標) C2200および10.0gのLB 25 polyetherを標準的な撹拌装置中で70℃に加熱した。次いでヘキサメチレンジイソシアネート53.7gとイソホロンジイソシアネート71.0gの混合物を70℃で5分間にわたって添加し、該混合物を理論NCO値に達するまで120℃で撹拌した。予備調製したプレポリマーをアセトン1005gで溶解し、その過程において、50℃に冷却し、次いで、10分間にわたり計量投入した、エチレンジアミン5.70g、イソホロンジアミン26.4g、ジアミノスルホネート9.18gおよび水249.2gの溶液と混合した。次いで該混合物を10分間撹拌した。次いで分散を水216gの添加によって形成した。これに続いて減圧下での蒸留による溶媒の除去を行った。
【0123】
得られた白色分散体は以下の特性を有した:

【0124】
実施例3:ポリウレタン分散体3
987.0gのPolyTHF(登録商標) 2000、375.4gのPolyTHF(登録商標) 1000、761.3gのDesmophen(登録商標) C2200および44.3gのLB 25 polyetherを標準的な撹拌装置中で70℃に加熱した。次いでヘキサメチレンジイソシアネート237.0gとイソホロンジイソシアネート313.2gの混合物を70℃で5分間にわたって添加し、該混合物を理論NCO値に達するまで120℃で撹拌した。予備調製したプレポリマーをアセトン4830gで溶解し、その過程において、50℃に冷却し、次いで、10分間にわたり計量投入した、1,4−ジアミノブタン36.9g、イソホロンジアミン116.5g、ジアミノスルホネート61.7gおよび水1076gの溶液と混合した。次いで該混合物を10分間撹拌した。次いで分散を水1210gの添加によって形成した。これに続いて減圧下での蒸留による溶媒の除去を行った。
【0125】
得られた白色分散体は以下の特性を有した:

【0126】
実施例4:ポリウレタン分散体4
201.3gのPolyTHF(登録商標) 2000、76.6gのPolyTHF(登録商標) 1000、155.3gのDesmophen(登録商標) C2200、2.50gの1,4−ブタンジオールおよび10.0gのLB 25 polyetherを標準的な撹拌装置中で70℃に加熱した。次いでヘキサメチレンジイソシアネート53.7gとイソホロンジイソシアネート71.0gの混合物を70℃で5分間にわたって添加し、該混合物を理論NCO値に達するまで120℃で撹拌した。予備調製したプレポリマーをアセトン1010gで溶解し、その過程において、50℃に冷却し、次いで、10分間にわたり計量投入した、エチレンジアミン5.70g、イソホロンジアミン26.4g、ジアミノスルホネート14.0gおよび水250gの溶液と混合した。次いで該混合物を10分間撹拌した。次いで分散を水243gの添加によって形成した。これに続いて減圧下での蒸留による溶媒の除去を行った。
【0127】
得られた白色分散体は以下の特性を有した:

【0128】
実施例5:ポリウレタン分散体5
201.3gのPolyTHF(登録商標) 2000と、76.6gのPolyTHF(登録商標) 1000、155.3gのDesmophen(登録商標) C2200、2.50gのトリメチロールプロパンおよび10.0gのLB 25 polyetherを標準的な撹拌装置中で70℃に加熱した。次いでヘキサメチレンジイソシアネート53.7gとイソホロンジイソシアネート71.0gの混合物を70℃で5分間にわたって添加し、該混合物を理論NCO値に達するまで120℃で撹拌した。予備調製したプレポリマーをアセトン1010gで溶解し、その過程において、50℃に冷却し、次いで、10分間にわたり計量投入した、エチレンジアミン5.70g、イソホロンジアミン26.4g、ジアミノスルホネート14.0gおよび水250gの溶液と混合した。次いで該混合物を10分間撹拌した。次いで分散を水293gの添加によって形成した。これに続いて減圧下での蒸留による溶媒の除去を行った。
【0129】
得られた白色分散体は以下の特性を有した:

【0130】
実施例6:ポリウレタン分散体6
1072gのPolyTHF(登録商標) 2000、407.6gのPolyTHF(登録商標) 1000、827gのDesmophen(登録商標) C2200および48.1gのLB 25 polyetherを標準的な撹拌装置中で70℃に加熱した。次いでヘキサメチレンジイソシアネート257.4gとイソホロンジイソシアネート340gの混合物を70℃で5分間にわたって添加し、該混合物を理論NCO値に達するまで120℃で撹拌した。予備調製したプレポリマーをアセトン4820gで溶解し、その過程において、50℃に冷却し、次いで、10分間にわたり計量投入した、エチレンジアミン27.3g、イソホロンジアミン126.5g、ジアミノスルホネート67.0gおよび水1090gの溶液と混合した。次いで該混合物を10分間撹拌した。次いで分散を水1180gの添加によって形成した。これに続いて減圧下での蒸留による溶媒の除去を行った。
【0131】
得られた白色分散体は以下の特性を有した:

【0132】
比較例1
ポリウレタン分散体、本発明ではない(スルホネート基を有さない、単なる非イオン性基およびカルボキシレート基による親水性化)
ジアミノスルホネートを当量のカルボキシラト含有成分で置き換えたことを除き、実施例1を繰り返す。
【0133】
206.8gのPolyTHF(登録商標) 2000、78.7gのPolyTHF(登録商標) 1000、159.5gのDesmophen(登録商標) C2200および9.3gのLB 25 polyetherを標準的な撹拌装置中で70℃に加熱した。次いでヘキサメチレンジイソシアネート49.7gとイソホロンジイソシアネート65.6gの混合物を70℃で5分間にわたって添加し、該混合物を理論NCO値に達するまで120℃で撹拌した。予備調製したプレポリマーをアセトン1010gで溶解し、その過程において、50℃に冷却し、次いで、10分間にわたり計量投入した、エチレンジアミン5.3g、イソホロンジアミン24.4g、11.9gのKV 1386(N−(2−アミノエチル)−β−アラニンのナトリウム塩の40%水溶液、BASF AG、ルートヴィヒスハーフェン、独国)および水204gの溶液と混合した。次いで該混合物を10分間撹拌した。次いで分散を水235gの添加によって形成した。これに続いて減圧下での蒸留による溶媒の除去を行った。高粘度のため合計で250gの水を添加した。
【0134】
得られた白色分散体は以下の特性を有した:

【0135】
900nmを越える比較的高い平均粒度に起因し、純粋にスルホネート親水性化された分散体に反して、沈殿が数日以内に起こることを観測し、創傷接触材料にさらに加工することが困難であった。
【0136】
比較例2
ポリウレタン分散体、本発明ではない(スルホネート基を有さない、単なる非イオン性基およびカルボキシレート基による親水性化)
ジアミノスルホネートを当量のカルボキシラト含有親水性化成分の量を(鎖延長度を同一に保持する間)50%増加させたことを除き、比較例1を繰り返す。
206.8gのPolyTHF(登録商標) 2000、78.7gのPolyTHF(登録商標) 1000、159.5gのDesmophen(登録商標) C2200および9.3gのLB 25 polyetherを標準的な撹拌装置中で70℃に加熱した。次いでヘキサメチレンジイソシアネート49.7gとイソホロンジイソシアネート65.6gの混合物を70℃で5分間にわたって添加し、該混合物を理論NCO値に達するまで120℃で撹拌した。予備調製したプレポリマーをアセトン1010gで溶解し、その過程において、50℃に冷却し、次いで、10分間にわたり計量投入した、エチレンジアミン5.3g、イソホロンジアミン21.8g、17.9gのKV 1386(N−(2−アミノエチル)−β−アラニンのナトリウム塩の40%水溶液、BASF AG、ルートヴィヒスハーフェン、独国)および水204gの溶液と混合した。次いで該混合物を10分間撹拌した。次いで分散を水235gの添加によって形成した。これに続いて減圧下での蒸留による溶媒の除去を行った。
【0137】
得られた白色分散体は以下の特性を有した:

【0138】
該ポリウレタン分散体は、比較例2より低い平均粒度およびやや高いpHを有した。フォームへさらに加工することは、純粋にスルホネート親水性化された分散体と比べて明らかに困難であった。
【0139】
実施例7〜9:架橋フォームの製造および耐水性についての試験
表1に示した量のポリウレタン分散体2(実施例2)、フォーム助剤Pluronic(登録商標)6800および架橋剤を混合し、市販されている手撹拌器(湾曲した針金でできた撹拌器)を用いて10分間にわたり500mlのフォーム体積に発泡させた。その後、該フォームを、リリースペーパー上に延展塗布した(湿潤厚み4mm)。該フォームを20分間120℃で、および10分間150℃で乾燥させた。良好な機械的特性および微細孔構造を有する清潔な白色親水性フォームを一律に得た。
【0140】
架橋フォームはまた、良好な耐水性を示した。
【0141】
【表1】

1) Acrafix ML (ヘキサメトキシメチルメラミン、Lanxess AG、レーフェルクーゼン、独国)、2) Bayhydur 305 (ヘキサメチレンジイソシアネートに基づく非イオン性親水性化ポリイソシアネート、NCO含有量:16.2%、BayerMaterialScience AG、レーフェルクーゼン、独国)、3) Bayhydur 3100 (ヘキサメチレンジイソシアネートに基づく非イオン性親水性化ポリイソシアネート、NCO含有量:17.4% BayerMaterialScience AG、レーフェルクーゼン、独国)、4) 5×5cmフォームを蒸留水中において37℃で18時間含浸させた後の、舌引裂耐性の比較試験(分類:低い、中間、良好)、5)水滴を完全に吸収する時間(フォームの親水性の測定として)
【0142】
比較例3:未架橋フォームの製造および耐水性についての試験
未架橋フォームを実施例7〜9に記載の同一の方法、即ち、架橋剤を用いずに製造した。未架橋フォームは、実施例7〜9の架橋フォームより極めて低い耐水性(分類:「低い」)を有した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スルホネート基によってアニオン的に親水性化されたポリウレタン水性分散体(I)および架橋剤(II)を含有する組成物を発泡させ、および少なくとも部分的に化学架橋させて乾燥させることを含んでなる、発泡物品の製造方法。
【請求項2】
発泡物品は創傷接触材料であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ポリウレタン分散体(I)は、スルホネート基のみによってアニオン的に親水性化されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
スルホネート基は、対イオンとしてアルカリ金属カチオンを有することを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
ポリウレタン分散体(I)は、固体樹脂を基準として、固体樹脂100gあたり0.1〜15ミリ当量のアニオン性基または潜在的アニオン性基を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
分散体(I)は、分散体中に存在するポリウレタンを基準として55重量%〜65重量%の範囲の固形分を有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
分散体(I)を、
A)イソシアネート官能性プレポリマーを、
A1)有機ポリイソシアネート、
A2)400〜8000g/molの範囲の数平均分子量および1.5〜6の範囲のOH官能価を有するポリマーポリオール、および
A3)必要に応じて、62〜399g/molの範囲の分子量を有するヒドロキシル官能性化合物、および
A4)必要に応じて、イソシアネート反応性の、アニオン性または潜在的アニオン性および必要に応じて非イオン性の親水性化剤
から製造する工程、および
B)次いで、その遊離NCO基を、
B1)必要に応じて、32〜400g/molの範囲の分子量を有するアミノ官能性化合物と、
B2)アニオン性または潜在的アニオン性のアミノ官能性親水性化剤
と鎖延長により完全にまたは部分的に反応させる工程、および
該プレポリマーを工程B)前、工程B)中または工程B)後に水中に分散する工程によって得ることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
発泡させるべき組成物は、架橋剤(II)として、必要に応じて親水性化された非ブロックトポリイソシアネート、アミドホルムアルデヒド樹脂、アミンホルムアルデヒド樹脂、フェノール樹脂、アルデヒドおよびケトン樹脂、レゾール、フラン樹脂、ウレア樹脂、カルバミン酸エステル樹脂、トリアジン樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、シアナミド樹脂およびアニリン樹脂を含有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
非ブロックトポリイソシアネートを架橋剤(II)として含むことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
親水性化非ブロックトポリイソシアネートを架橋剤(II)として含むことを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
発泡させるべき組成物は、発泡させるべき組成物は、補助剤および添加剤物質(III)として、脂肪酸アミド、スルホスクシンアミド、ヒドロカルビルスルホネートまたはスルフェート、アルキルポリグリコシド、EO−POブロックコポリマーおよび/または脂肪酸塩をフォーム形成剤および安定剤として含有することを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
EO−POブロックコポリマーをフォーム形成剤および安定剤として含むことを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
消毒剤、成長因子、プロテアーゼ阻害剤および非ステロイド抗炎症剤/鎮静剤からなる群からの活性成分をも用いることを特徴とする、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
殺菌性ビグアニドおよび/またはその塩を活性成分として用いることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれかに記載の方法によって得られる発泡物品。
【請求項16】
連続気泡微細構造および乾燥状態で0.4g/cm未満の密度を有することを特徴とする、請求項15に記載の発泡物品。
【請求項17】
100〜1500%(乾燥フォームの質量を基準として、取り込まれる液体の質量)の範囲のDIN EN 13726−1 第3.2章生理食塩水吸収性および2000〜8000g/24時間×mの範囲のDIN EN13726−2 第3.2章水蒸気透過率を有することを特徴とする、請求項13または16に記載の発泡物品。
【請求項18】
活性成分をも含有することを特徴とする、請求項13〜17のいずれかに記載の発泡物品。
【請求項19】
創傷接触材料であることを特徴とする、請求項13〜18のいずれかに記載の発泡物品。
【請求項20】
スルホネート基によりアニオン的に親水性化されたポリウレタン水性分散体(I)および架橋剤(II)を含有する組成物。
【請求項21】
消毒剤、成長因子、プロテアーゼ阻害剤および非ステロイド抗炎症剤/鎮静剤からなる群からの活性成分をさらに含むことを特徴とする、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
殺菌性ビグアニドおよび/またはその塩を活性成分として含むことを特徴とする、請求項21に記載の組成物。

【公表番号】特表2011−501768(P2011−501768A)
【公表日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−527351(P2010−527351)
【出願日】平成20年9月20日(2008.9.20)
【国際出願番号】PCT/EP2008/007946
【国際公開番号】WO2009/046854
【国際公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【出願人】(504037346)バイエル・マテリアルサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト (728)
【氏名又は名称原語表記】Bayer MaterialScience AG
【出願人】(504142961)バイエル・イノヴェイション・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (22)
【氏名又は名称原語表記】Bayer Innovation GmbH
【Fターム(参考)】