説明

ポリエーテルアミド組成物

【課題】必要な特性のバランスと毛髪固定剤送達系への溶解性を与える毛髪固定ポリマーに対するニーズに応える。
【解決手段】破断伸び百分率が100%未満のエタノール可溶性または分散性ポリエーテルアミドポリマーであって、該ポリマーは少なくとも1種類以上のポリ(アルキレンオキシ)ジアミンおよび1種類以上の二酸を含んでなる反応混合物から生成される。その反応混合物には、所望により、1種類以上のポリ(アルキレンオキシ)ジアミンの他に、1種類以上の脂肪族ジアミンを含めることができる。該ポリエーテルアミドポリマーは、毛髪固定剤組成物、例えば、ヘアスプレー処方のようなパーソナルケア組成物に適用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルコール可溶性または分散性ポリエーテルアミドポリマーに関する。さらに、本発明は、パーソナルケア組成物におけるそれらのポリエーテルアミドポリマーの使用も対象とする。
【背景技術】
【0002】
パーソナルケア品および化粧品は、人々の外見を良くするために何世紀にもわたって使用されてきた。今日、化粧品は、広く使用されており、それらの処方および機能は数多く、多様である。これらの化粧品の多くは、所望の性能および美学を提供するために、様々なタイプのポリマーを含んでいる。例えば、スキンケアクリームおよびローションには、とりわけ、粘度、流動性、および乳化などの様々な特性を得るために、ポリマーが使用される。スキンケアにおける具体例としては、日焼け止め処方に、摩擦落ち抵抗および防水性を提供するためにポリマーが使用されている。ヘアケア製品では、増粘、コンディショニング、乳化、安定性、および固定などの様々な特性を得るためにポリマーが使用されてきた。
【0003】
ポリマー技術は、変化する化粧品市場のニーズに対応するように進化し続けている。ポリマー技術の量およびタイプは大きく異なっている。しかしながら、まだ探究されていない領域がなお存在しており、市場のニーズが取り上げられずにいる。
【0004】
毛髪固定剤組成物について言えば、べたつき(adhesive tackiness)がなく、きしみがなく、ごわつき(brittle feel)がない柔らかで自然な感じを有する柔軟性保持の性能属性を与える一方で、耐湿性も与え、シャンプーによって除去できる毛髪固定ポリマーの市場ニーズが拡大してきている。ほとんどの毛髪固定剤組成物は、固定剤としての役割を果たす皮膜形成ポリマーだけでなく、その皮膜形成剤を送達するための系も含む(その系は通常はアルコールまたはアルコールと水の混合物である)。エアゾールの場合、その送達系は噴射剤も含む。
【0005】
揮発性有機成分(「VOC」)の大気中への放出を管理する環境規制が進んでいることから、毛髪固定剤組成物には、水がより多く使われるようになってきている。そのようなものとして、毛髪固定ポリマーは、上記の性能属性を与えつつ、様々なアルコール、水、エアゾールの場合には、噴射剤も含む系において機能し、またはその系に溶解するものでなければならない。現在の毛髪固定剤では、このように必要な特性のバランスが得られていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
よって、上記の性能属性と毛髪固定剤送達系への溶解性を与える毛髪固定ポリマーが引き続き求められている。
現在では、ポリエーテルアミドポリマーを美容ヘアケア処方に使用することができ、その美容ヘアケア処方は優れた性能および美的成果を有し、環境および規制基準も満たしているということが分かっている。性能利益としては、手触りが良く柔らかい感じ、耐湿性、低粘着性(それらの全てがスキンケア組成物において有用な属性である)、梳かし易さ、低フレーク、中程度のpH、および洗髪による除去し易さなどがある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、破断伸び百分率が100%未満のアルコール可溶性または分散性ポリエーテルアミドポリマーが提供される。一実施形態において、そのポリマーは、ポリ(アルキレンオキシ)ジアミンおよび二酸、例えば、アジピン酸の反応混合物から作られる。もう1つの実施形態において、反応混合物は脂肪族ジアミンも含む。
【0008】
本発明はまた、パーソナルケア組成物におけるそのようなポリエーテルアミドポリマーの使用も提供する。有用なパーソナルケア組成物の用途には、毛髪固定剤組成物が含まれる。毛髪固定剤組成物は、当技術分野では、例えば、ヘアワックス、ヘアジェル、ヘアムース、エアゾールヘアスプレー、非エアゾールヘアスプレーなどを含むものと考えられている。一態様において、有用な毛髪固定剤組成物にはヘアスプレー処方が含まれる。
【0009】
本発明によれば、有用なポリエーテルアミドポリマーには、次の構造:
【化1】

(式中、Rは脂肪族、脂環式または芳香族であり;R’は水素またはCH3であり;R”は脂肪族、脂環式または芳香族であり;xは2〜34であり;yは1〜250であり;zは0〜350である)が含まれる。そのポリエーテルアミドポリマーは、1種類以上のジカルボン酸と1種類以上のポリ(アルキレンオキシ)ジアミンの反応生成物から生成され、そのポリ(アルキレンオキシ)ジアミンはポリエーテルアミドポリマーの総重量に対して約5〜75重量パーセント含まれる。さらに、そのポリエーテルアミドポリマーは破断伸び百分率が100%未満である。
【0010】
一態様において、上記ポリエーテルアミドポリマーのポリ(アルキレンオキシ)ジアミン成分の数平均分子量は約150〜約2,000ダルトン(「Da」)である。
【0011】
任意の実施形態であるポリエーテルアミドポリマーにおいて、ポリマーの重合に使用される反応生成物には、ポリ(アルキレンオキシ)ジアミンブロック成分の他に、1種類以上のジアミン成分がさらに含められる。有用な任意のジアミン成分としては、例えば、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミン、フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、1,2−ペンタンジアミン、エチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、イソホロンジアミン、またはそれらの混合物が挙げられる。
【0012】
一態様において、本発明のポリエーテルアミドポリマーの重量平均分子量は約5,000〜約70,000Daである。
一態様において、本発明のポリエーテルアミドポリマーは、25℃においてアルコールの最小重量パーセントが約50重量パーセントのアルコール−水ブレンドに溶解する。
【0013】
一態様において、本発明のポリエーテルアミドポリマーの少なくとも1以上のジカルボン酸成分が下式:
HOOC−RX−COOH
(式中、RXは2個〜32個の炭素を有する基を含む)
の二酸である。そのような二酸の例としては、1,4−ブタン二酸(コハク酸)、1,6−ヘキサン二酸(アジピン酸)、1,7−ヘプタン二酸(ピメリン酸)、1,8−オクタン二酸(スベリン酸)、1,9−ノナン二酸(アゼライン酸)、1,10−デカン二酸(セバシン酸)、1,11−ウンデカン二酸、1,12−ドデカン二酸(1,10−デカンジカルボン酸)、1,13−トリデカン二酸(ブラシル酸) 1,14−テトラデカン二酸(1,12−ドデカンジカルボン酸)、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(CHDA)、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸(CHDA)、フタル酸、重合脂肪酸、またはそれらの混合物が挙げられる。
【0014】
本発明はさらに、少なくとも上記ポリエーテルアミドポリマーおよび溶媒を含むパーソナルケア組成物も対象とする。そのポリマーは、約25℃において約6重量パーセントポリマーの溶媒で約35センチポアズ未満の低粘度溶液および/または分散液を構成する。その溶媒はアルコールまたはアルコール−水ブレンドである。一態様において、アルコールはエタノールである。
【0015】
もう1つの態様において、パーソナルケア組成物に使用されるポリマーの100%モジュラスは約8〜40kgf/cm2の間にはない。
さらなる実施形態において、パーソナルケア組成物は毛髪固定剤組成物であり、そのポリマーは、21℃(70°F)および湿度90%において2時間後に約30パーセントを上回るカール保持性を与える。一態様において、毛髪固定剤組成物はヘアスプレー組成物である。ヘアスプレー組成物には、エアゾールと非エアゾールの両方が含まれる。
【0016】
さらにもう1つの実施形態において、パーソナルケア組成物は毛髪固定剤組成物であり、そのポリマーは、約0.005〜約0.020ジュールの毛髪見本における剛性を与える。
一態様において、本発明のパーソナルケア組成物において有用な1種類以上のジカルボン酸は、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0017】
本発明はまた、パーソナルケア組成物を製造するための方法であって、約5〜約85重量パーセントの1種類以上のポリ(アルキレンオキシ)ジアミンの混合物を約15〜約95重量パーセントの1種類以上の二酸と反応させ、そうすることによって、ポリエーテルアミドポリマーを生成させる工程(重量パーセントは前記ポリマーの重量パーセント100に基づく)を含む方法も提供する。そのポリエーテルアミドポリマーを溶媒に溶解または分散させるが、ここで、約25℃において得られたポリエーテルアミドポリマーの溶媒中6重量パーセント溶液または分散液の粘度は約35センチポアズ未満である。一態様において、その溶媒はアルコールである。反応段階には、所望により、1種類以上のポリ(アルキレンオキシ)ジアミンの他に、約5〜約50重量パーセントの1種類以上のジアミンを反応させることをさらに含めることができる。
【0018】
パーソナルケア組成物を製造するための方法は、さらなる工程において、ポリマーに加えて他の添加剤を溶媒に溶解または分散させることを含む。そのような他の添加剤の例としては、可塑剤、有効成分、中和剤、着色剤または香料が挙げられる。
【0019】
一態様である方法において、パーソナルケア組成物を作るのに使用される反応混合物にはアミン基または酸性基のいずれかと反応する一官能価反応体は存在しない。
【0020】
本発明の説明を補助するために、次の定義を示す。
本明細書において「美容上の利益」とは、消費者によって認識および/または知覚される有益な特性を意味する。
本明細書において「有機溶媒に溶解する」とは、材料を有機溶媒に加えるか、または有機溶媒を材料に加えると、その材料がその有機溶媒と混ざって、その材料の重量に対して約15重量パーセント未満の濃度の溶液またはコロイド分散液を構成するということを意味する。
【0021】
本明細書において「可塑剤」とは、脆性が低く、より柔軟性のある皮膜組成を作るのに貢献するいずれの材料も意味する。
本明細書において「溶液」とは、澄明な混合物(すなわち、5重量パーセントポリエーテルアミドにおいて10NTU未満の濁度)を意味し、それにはコロイド分散液も含まれる。
【0022】
本明細書において「界面活性剤」とは、2つの非混和性物質、湿った皮膚と毛髪表面との間の界面張力を低下させる、油類を乳化もしくは可溶化させる、および/または汚れを浮かせる能力を示す、化粧料処方において使用される成分を指し、それには両性、陰イオン性、陽イオン性、および非イオン性界面活性剤が含まれることが意図される。
本明細書において「有機溶媒」とは、双極子モーメントを有するC1〜C6炭素鎖を持つ溶媒を意味し、それにはエタノールなどの溶媒が含まれることが意図される。
【0023】
本明細書において「水性溶媒」とは、溶媒の総重量に対して少なくとも2パーセントの水を含む溶媒を意味する。
本明細書において「非水性溶媒」および「無水溶媒」とは、溶媒の総重量に対して2パーセント未満の水を含む溶媒を意味する。
【0024】
本明細書において「溶媒」とは、25℃において、別の液体または固体を少なくとも部分的に溶解するいずれの液体も意味する。
本明細書において「化粧料用成分」とは、化粧料処方および/またはパーソナルケア処方において使用することができるいずれもの成分を意味する。
【0025】
本明細書において「毛髪固定ポリマー」とは、溶解または分散させ、毛髪に適用した場合に、毛幹を特定の形態で固めるいずれの皮膜形成ポリマーも意味する。毛髪固定ポリマーとしては、天然ポリマー、合成ポリマーおよびそれらの組合せが挙げられ、その毛髪固定ポリマーは陰イオン性ポリマー、陽イオン性ポリマー、非イオン性ポリマー、両性ポリマーまたはベタインポリマーであり得る。毛髪固定ポリマーは、単独または他の天然および/もしくは合成ポリマーと組み合わせて使用することができる。毛髪固定用製品としては、限定されるものではないが、ムース、ゲル、ヘアスプレー(ポンプおよびエアゾール)、ワックスなどが挙げられる。
【0026】
「ヘアスプレー」とは、毛髪を所望の形態で保持することを目的としている、毛髪に噴霧される製品を意味する。
「ヘアスプレーポリマー」とは、ヘアスプレー処方において典型的な用量の有機溶媒中で低粘度溶液または分散液を構成する毛髪固定ポリマー、あるいは剪断により希薄化して、ポリマー、溶媒、任意の他の添加剤、噴射剤、および/またはヘアスプレー成分を、エアゾールまたは非エアゾールスプレー装置を使用して毛髪に噴霧し、乾燥させて、毛髪をある形態で固めることができるほどに十分に低い粘度を与える毛髪固定ポリマーを意味する。
【0027】
本明細書において「ムース」とは、場合によって、バルブ作動前にその製品の入った容器を振り、その後、作動によりその内容物を分配することを除き、使用者による機械的行為を一切行わないで、容器から分配される際に成分が発泡するパーソナルケア製品を意味する。
【0028】
「反応混合物」とは、ポリマーを作るのに使用される全ての化学薬品とそれらの量を指す。例えば、ポリマーは、化学薬品「a」と「b」を反応させた後、化学薬品「a」と「b」の反応生成物に化学薬品「c」を加えることにより製造してもよい(便宜上、その反応生成物を「ab」と略してよい)。化学薬品「a」と「b」が反応して、生成物(「ab」)を生じていることから、化学薬品「c」を反応フラスコに加えるときには化学薬品「a」と「b」が存在しないために、それらの化学薬品のそれぞれが同時に存在しない可能性があるとしても、その反応混合物は、本明細書において、化学薬品「a」、「b」および「c」の仮説混合物を指す。ポリマー形成中に溶媒が存在する可能性があるが、溶媒はポリマーの構造には組み込まれないため、溶媒は用語「反応混合物」には含まれない。
【0029】
本明細書において「残渣」とは、皮膜を粘着性にし、ブロックにする乾燥によって皮膜から発せられる材料を意味する。
本明細書において、「PAODA」とは、ポリ(アルキレンオキシ)ジアミンを意味する。
本明細書において「パーソナルケア組成物」とは、美容上の利益を与えるために毛髪または皮膚に適用することを目的としている組成物を意味する。
【0030】
「ポリエーテルアミドポリマー」とは、ポリアミド部分とポリエーテル部分の両方を含む高分子を意味する。
本明細書において「ポリアミド」とは、複数のアミド基(すなわち、式−NR−C(=O)−および/または−C(=O)−NR−の基)(式中、Rは水素、脂肪族基、脂環式基または芳香族基である)を含む高分子を意味する。
【0031】
ポリマーのクラスとしてのポリアミド類は、当技術分野で周知であり、ジアミンをジカルボン酸化合物(二酸)と反応させる縮合重合プロセスによって一般に製造される。後述のとおりに、本発明のポリマーは、ジアミンを二酸と反応させることによっても製造される。
【0032】
本明細書において「ポリエーテル」とは、本明細書でポリ(アルキレンオキシド)基とも呼ぶポリエーテル基を意味する。ポリエーテル基の構造は−(O−R)n−{式中、「n」はO−R基(式中、Rはアルキレン基を表し、Oは酸素である)の反復数を表す}として表してもよい。
【0033】
ポリマーのクラスとしてのポリエーテル類も当技術分野で周知である。例えば、一タイプのポリエーテルはアルキレンオキシド(例えば、酸化エチレン)を開始基(例えば、メタノール)と反応させることによって一般に製造される。現在、アミン、ヒドロキシルおよびカルボン酸から選択される末端基を有する多くのポリエーテルが市販されている。本発明では、ポリエーテルブロックをポリアミドポリマーに導入するために、2個のアミン末端基を有するポリエーテルを使用する。このアプローチによりポリエーテル基のブロックがポリアミドポリマー内に入る。この構造を有するポリマーは、毛髪固定ポリマーとして、例えば、ヘアスプレーポリマーとして有用であるということが判明している。
【0034】
本発明のポリエーテルアミドポリマーは、ポリエーテルブロック、さらに具体的に言えば、2個のアミド基が隣接するポリエーテルブロックを含む。本発明の一態様において、ポリエーテルアミドポリマーの2個のアミド基は、炭化水素基にも隣接する。この特定の基の組合せ(すなわち、ポリエーテルジラジカルとアルキレンジラジカル)を含む本発明のポリマーは、毛髪固定ポリマー、特に、ヘアスプレーポリマーとして機能することが分かっている。しかしながら、ポリエーテルアミドポリマーが有効なヘアスプレーポリマーであるためには、そのポリマーがヘアスプレー処方において低粘度溶液および/または分散液(すなわち、6重量パーセントポリマーおよび25℃においてアルコールまたはアルコール−水ブレンド中、約35センチポアズ未満)を構成することができ、市販のスプレーバルブおよびスプレーポンプを使用したエアゾールまたは非エアゾールヘアスプレーから噴霧することにより毛髪に適用することが可能でなければならない。
【0035】
本発明のポリマーの化学構造は、以下でさらに記載し、次の通り表すことができる。
【化2】

(式中、RおよびR”は、独立に、脂肪族、脂環式または芳香族であり;R’は水素またはメチルであり;x、yおよびzは反復単位の数を表す整数値であり、xは2〜34であり;yは1〜250であり;zは0〜350である。)
【0036】
上記構造から分かるように、本発明のポリエーテルアミドポリマーでは、最隣接アミド基はアルキレン基、アリーレン基またはポリエーテル基(すなわち、ポリ(アルキレンオキシ)基)のいずれかによって分離されている。本発明のポリエーテルアミドポリマーは、少なくとも1個の内部ポリエーテル基(すなわち、2個のアミド基が隣接するポリエーテル基)を含む。
【0037】
一般論として、本発明のポリエーテルアミドポリマーは、次の反応
【化3】

(式中、R1およびR3は脂肪族、脂環式、または芳香族であり;R2は水素またはメチルであり;x、yおよびzは反復単位の数を表す整数値であり、xは2〜34であり;yは1〜250であり、zは0〜350である)
に従って、ポリオキシアルキレンジアミンと、所望により、脂肪族ジアミンを、ジカルボン酸と反応させることによって製造される。
【0038】
本発明のポリマーは、毛髪固定剤処方において毛髪に適用したときに、柔軟性を与え、シャンプーにより除去可能にするのに有効なポリ(アルキレンオキシ)ジアミン(PAODA)の量で作られる。十分なPAODA成分を用いずに作られたポリマーによる皮膜は、毛髪を保持するには脆すぎ、洗髪による除去が難しすぎるため、そのようなポリマーは有効ではない。この下限に加えて、本発明のポリマーを作る際に、反応混合物に加えてよく、毛髪固定剤処方において十分な性能が得られるPAODAの重量パーセントには上限もある。特に、過剰なPAODAで作られたポリマーは、耐湿性および毛髪上での剛性が不十分であるため、そのようなポリマーは有効ではない。さらに、本発明のポリマーを作るのに使用される反応混合物におけるPAODAのこの上限は、使用されるPAODAの分子量と反応混合物において使用される二酸によって決まる。例えば、毛髪固定剤としてのポリマーの性能が低下し始めるまで、高分子量のPAODAよりも低分子量のものをより多く加えて、本発明のポリマーを作ることができる。よって、ポリマーの「有効な」量は、ポリマーを作るのに使用される二酸および/またはジアミンの種類だけでなく、ジアミンの分子量により異なる。
【0039】
よって、本発明の一実施形態において、ポリエーテルアミドポリマーは、約5〜約75重量パーセントのポリ(アルキレンオキシ)ジアミン(PAODA)を含む反応混合物より作られる。もう1つの実施形態において、ポリエーテルアミドポリマーは、約5〜71重量パーセントのPAODAを含む反応混合物より作られる。さらにもう1つの実施形態において、ポリエーテルアミドポリマーは、約5重量パーセント〜約50重量パーセントのPAODAを含む反応混合物より作られる。もう1つの実施形態において、ポリエーテルアミドポリマーは、約5重量パーセント〜約40重量パーセントのPAODA;もう1つの実施形態において、約5重量パーセント〜約30重量パーセントのPAODA;もう1つの実施形態において、約5重量パーセント〜約25重量パーセントのPAODA;もう1つの実施形態において、約5重量パーセント〜約20重量パーセントのPAODAを含む反応混合物より作られる。
【0040】
PAODAを製造するための手法は、当技術分野で周知であり、その手法は2個のヒドロキシル基を有する開始剤を酸化エチレンおよび/または一置換酸化エチレンと反応させ、続いて、生じた末端ヒドロキシル基のアミンへの変換を行うことを含む。本明細書において使用されるPAODA反応体の例示として、Huntsman LLC(米国ユタ州Salt Lake City)から入手可能なJEFFAMINE(登録商標)ブランドのポリ(アルキレンオキシ)アミンが挙げられる。これらのPAODAは、二官能価開始剤を酸化エチレンおよび酸化プロピレンと反応させ、続いて、末端ヒドロキシル基のアミンへの変換を行うことにより製造される。
【0041】
例示的なPAODAとしては、XTJおよびHuntsman製のJEFFAMINE(登録商標)D−シリーズ ポリ(アルキレンオキシ)ジアミン(数平均分子量(「Mn」)が約150〜約2,000Da間である)が挙げられる。有用なPAODAとしては、Mnが少なくとも約230〜約400Daであるものが挙げられ、JEFFAMINE(登録商標)D−230およびJEFFAMINE(登録商標)D−400 PAODAなどがある。PAODAの分子量が約2000Daより大きいと、対応するポリエーテルアミドの粘着性、粘度、および/または耐湿性は、毛髪固定ポリマーとして機能するポリエーテルアミドには望ましくないものとなる。一態様において、PAODAは3個以上のアミン基を有し得る。
【0042】
本発明のポリマーは、PAODAの他に、1種類以上の二酸または多官能価酸から作られる。本明細書において、二酸は、式HOOC−RX−COOH(式中、RXは2〜32個の炭素を有する基を含む)の化合物である。好適な二酸は、2個のカルボン酸基の間に直鎖、環式または芳香族C4-12炭化水素基を有する。本発明に適した直鎖二酸としては、1,4−ブタン二酸(コハク酸)、1,6−ヘキサン二酸(アジピン酸)、1,7−ヘプタン二酸(ピメリン酸)、1,8−オクタン二酸(スベリン酸)、1,9−ノナン二酸(アゼライン酸)、1,10−デカン二酸(セバシン酸)、1,11−ウンデカン二酸、1,12−ドデカン二酸(1,10−デカンジカルボン酸)、1,13−トリデカン二酸(ブラシル酸)および1,14−テトラデカン二酸(1,12−ドデカンジカルボン酸)が挙げられる。本発明に適した環式脂肪族二酸としては、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(CHDA)および1,3−シクロヘキサンジカルボン酸(CHDA)が挙げられる。
【0043】
本発明において有用なもう1つの例示的な二酸は、アクリル酸またはメタクリル酸(またはそれらのエステル、酸を生成するためのその後の加水分解工程を含む)と不飽和脂肪酸の反応生成物である。例えば、このタイプのC21二酸は、アクリル酸をC18不飽和脂肪酸(例えば、オレイン酸)と反応させることによって生成し、その場合、恐らく反応体間でエン反応が起こると思われる。例示的なC21二酸は、DIACID(登録商標)1550(米国コネチカット州StamfordのMeadWestvaco Corporationから市販されている)である。
【0044】
本発明のポリマーを作るのに芳香族二酸も使用することができる。本明細書において「芳香族二酸」とは、2個のカルボン酸基(−COOH)またはその反応性等価物(例えば、酸塩化物(−COCl)またはエステル(−COOR))と少なくとも1つの芳香環(「Ar」)を有する分子を指す。例示的な芳香族二酸は、フタル酸、例えば、イソフタル酸およびテレフタル酸である。その芳香族二酸は、HOOC−CH2−Ar−CH2−COOHなどのような芳香環に結合された脂肪族炭素も含み得る。その芳香族二酸は、1つ以上の炭素結合を通じて結合されている(例えば、カルボン酸置換されたビフェニル)か、または縮合されている(例えば、カルボン酸置換されたナフタレン)2つの芳香環を含み得る。
【0045】
有用な二酸には、ダイマー酸とも呼ばれる重合脂肪酸がさらに含まれる。重合脂肪酸は、一般に、各ダイマー酸が飽和、不飽和、環式、非環式のものなどであってよい構造の混合体である。そのため、ダイマー酸の構造の詳細な構造特性は容易には入手できない。しかしながら、例えば、米国特許第3,157,681号やNAVAL STORES-PRODUCTION, CHEMISTRY AND UTILIZATION, D. F. Zinkel and J. Russell (eds.), Pulp. Chem. Assoc. Inc., Chpt. 23 (1989)から脂肪酸重合についての十分な考察が得られる。重合脂肪酸を作るのに使用される典型的な不飽和脂肪酸としては、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などが挙げられる。本発明において有用な例示的な重合脂肪酸源は、トール油脂肪酸(木材パルプ化工程の副産物として得られる長鎖不飽和脂肪酸を含む混合物)である。あるいは、他の供給源(例えば、ダイズまたはカノーラ)の不飽和脂肪酸の重合により重合脂肪酸を製造してもよい。このように、重合脂肪酸は、一般に、30〜42個の炭素原子を有し、ダイマー酸またはトリマー酸構造を有するといってよい。ダイマー脂肪酸は、例えば、商品名UNIDYME(登録商標)およびSYLVADYME(商標)ダイマー酸(フロリダ州JacksonvilleのArizona Chemical)、EMPOL(商標)ダイマー酸(ペンシルバニア州AmblerのCognis);ならびにPRIPOL(登録商標)ダイマー酸(デラウエア州New CastleのUniqema)で市販されている。
【0046】
脂肪酸の重合では、一般に、ダイマー酸およびトリマー酸の両方が生成する。その重合生成物は、モノマー脂肪酸種の全てまたは大部分を除去するだけでなく、ダイマー酸およびトリマー酸を分画するために蒸留に供することができる。しかしながら、重合脂肪酸を、トリマー酸を含まず、および/または残留モノマー脂肪酸も含まないように分画することは困難であり、費用がかかる。よって、市販の「ダイマー酸」には、トリマー酸および/またはモノマー酸が少し含まれていることが多く、製品の製品規格分析書には、一般にトリマー酸および/またはモノマー酸含量が記載されている。このように、本発明のポリマーの製造に使用されるダイマー酸には、トリマー酸および/またはモノマー酸が少し含まれている可能性がある。
【0047】
一態様において、重合脂肪酸のダイマー酸には、約25重量%未満のトリマー酸が含まれている。本発明の他の種々の態様において、そのダイマー酸には、20重量%未満、または15重量%未満、または10重量%未満、または5重量%未満のトリマー酸が含まれている。また、一態様において、そのダイマー酸には、約25重量%未満の残留モノマー酸も含まれている。本発明の他の種々の態様において、そのダイマー酸には、20重量%未満、または15重量%未満、または10重量%未満、または5重量%未満のモノマー脂肪酸が含まれている。
【0048】
重合脂肪酸蒸留物中に存在するモノマー脂肪酸、ダイマー酸およびトリマー酸の割合は、当技術分野で周知の方法に従って、ガスクロマトグラフィーにより決定することができる。好ましくは、本発明のポリマーの製造に使用される反応混合物中に存在するダイマー酸の量は、この混合物中の酸等価物の合計の約10%未満、またはこの混合物の総重量の約25%未満がダイマー酸によるという量である。
【0049】
最適な毛髪固定性と本発明のポリマーの溶解性を得るためには、反応混合物中の二酸のタイプおよび用量とPAODAのタイプおよび量とのバランス調整をすべきである。例えば、反応混合物に高分子量のPAODAを含める場合には、結果として生じるポリマーの毛髪上での剛性を高めるように、より高いガラス転移温度(「Tg」)のポリマーが得られる二酸を選択することができる。(ガラス転移温度は、以下の実施例節に記載されている手順に従って決定される)。同様に、反応混合物に低分子量または低用量のPAODAを含める場合には、同じ理由でポリマーにより低いTgを与える二酸を使用することができる。
【0050】
本明細書において、用語二酸およびポリ(アルキレンオキシ)ジアミンとは、化学薬品それ自体を指すだけでなく、その反応性等価物も指す。例えば、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の反応性等価物には、対応する塩形態、酸ハロゲン化物および短鎖エステルが含まれる。ポリ(アルキレンオキシ)ジアミンの反応性等価物には、対応する塩形態および短鎖アミドが含まれる。本発明のポリエーテルアミドポリマーの製造には、化学薬品それ自体またはそれらの反応性等価物のいずれかを使用してよい。
【0051】
本発明のポリマーを作るのに使用される反応混合物には、PAODAおよび1種類以上の二酸の他に、所望により、1種類以上のさらなるジアミンまたは多官能価アミンを含めることができる。これらのさらなるジアミンは、ポリマーを作るのに使用される反応混合物に含められる様々なタイプおよび量のPAODAおよび二酸によって提供されるものをバランス調整し、ポリマーに性能特性を与えることができる。
【0052】
反応混合物に、PAODAの他に1種類以上のジアミンを含める場合には、その1種類以上のさらなるジアミンはC2〜C12脂肪族ジアミンであり得る。もう1つの実施形態において、これらのさらなるジアミンは環式のものである。本発明において有用な任意のジアミンの例としては、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミン、フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、1,2−ペンタンジアミン、エチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、およびイソホロンジアミンが挙げられる。
【0053】
一実施形態において、重量パーセントについて言えば、さらなるジアミンは、ポリエーテルアミドポリマーの総重量パーセントに対して0〜約50重量パーセント;もう1つの実施形態において、ポリエーテルアミドポリマーの総重量パーセントに対して0〜約45重量パーセント;さらにもう1つの実施形態において、ポリエーテルアミドポリマーの総重量パーセントに対して0〜約25重量パーセントを占める。
【0054】
一態様において、本発明のポリマーは、ポリマーを作るための反応混合物に存在するジアミン(PAODAと任意のさらなるジアミン化合物)の重量パーセント合計によって定義することができる。本発明のポリマーの一実施形態において、ポリマーを作るのに使用される反応混合物に存在するジアミンの重量パーセント合計は、約20重量パーセント〜約85重量パーセントであり;もう1つの実施形態において、そのジアミンは、約40重量パーセント〜約80重量パーセントであり;もう1つの実施形態において、そのジアミンの重量パーセント合計は約50〜約75重量パーセントである。
【0055】
本発明のポリマーは、特別な末端基を必要としない(すなわち、そのポリマーは、エステル基、第三級アミド基、またはポリ(アルキレンオキシ)置換アミドを末端にする必要はない)。そのため、それらのポリマーは、末端として酸性残基または末端としてアミン残基を有する、高分子量のものであってよい。唯一の制限は、ポリマーが毛髪固定ポリマーとして機能することができるということである。すなわち、毛髪固定剤処方においては、本発明のポリマーは、典型的な用量で、アルコール(例えば、エタノール)および/またはアルコール−水ブレンド中溶液または分散液を構成し;混合物を十分な適切な美学で噴霧することができるアルコールおよび/またはアルコール−水ブレンド中粘度を与え;洗髪により除去できる皮膜を毛髪上に形成し;特定の形態で毛髪を固めるものでなければならない。
【0056】
本発明のポリマーの分子量に関しては特別な制限はない;しかしながら、典型的な重量平均分子量(Mw)は約5,000〜約70,000Daの間である。もう1つの態様において、重量平均分子量は約5,000〜約50,000Daの間である。さらにもう1つの態様において、ポリマーの重量平均分子量は約10,000〜約35,000Daの間である。もう1つの態様において、ポリマーの重量平均分子量は約15,000〜約35,000Daの間である。
【0057】
本発明のポリマーは、アルコールへ(例えば、エタノール)のそれらの溶解性によって特徴付けることができる。本発明の一態様において、そのポリマーは25℃においてアルコール−水ブレンド中のアルコールの数最小重量パーセントでアルコール−水ブレンドに溶解する。一実施形態において、5重量パーセントポリマーは25℃においてアルコール−水ブレンドに溶解し、アルコールの最小重量パーセントが約10重量パーセントである;もう1つの実施形態において、アルコールの最小重量パーセントは約15重量パーセントであり;もう1つの実施形態において、エタノールの最小重量パーセントは約20重量パーセントであり;もう1つの実施形態において、アルコールの最小重量パーセントは約30重量パーセントであり;もう1つの実施形態において、アルコールの最小重量パーセントは約40重量パーセントであり;もう1つの実施形態において、アルコールの最小重量パーセントは約50重量パーセントであり;もう1つの実施形態において、アルコールの最小重量パーセントは約60重量パーセントであり;もう1つの実施形態において、アルコールの最小重量パーセントは約70重量パーセントであり;もう1つの実施形態において、アルコールの最小重量パーセントは約80重量パーセントである。
【0058】
本発明の一態様において、ポリエーテルアミドポリマーの製造に使用される反応混合物には、アミン基またはカルボン酸基のいずれかと反応する一官能価反応体は(二官能価反応体中に不純物として微量含まれることを除き)加えられない。言い換えれば、反応混合物が酸性基またはアミン基とよく反応する一官能価化合物を含まないという記述は、反応混合物の成分それぞれが100%純粋でなければならず、酸性基またはアミン基とよく反応する一官能価化合物を微量ですら含み得ないということを意味するものではない。
【0059】
もう1つの実施形態において、ポリエーテルアミドポリマーの製造に使用される反応混合物には、結果として生じるポリマーの性能特性に影響を与えるために混合物に意図的に加えられた少量の一官能価反応体が含まれる。例えば、分子量を制御するためにまたは溶解性またはポリマーを流延した樹脂皮膜の耐久性に影響を与えるために、一官能価反応体を加えてよい。
【0060】
本発明のもう1つの態様において、二官能価反応体は、若干の多官能価化合物(すなわち、3個以上の官能基)を含んでいてもよい。例えば、ジアミンとして反応混合物に加えられる成分は、トリアミンを含んでいてもよく、二酸として反応混合物に加えられる成分は、三酸を含んでいてもよい。本発明のさらなる実施形態において、結果として生じるポリマーの特性に影響を与えるために、反応混合物にさらなる多官能価アミンまたは酸が加えられる。
【0061】
ポリエーテルアミドポリマーの製造において重要なのは、二酸、PAODAおよび任意のジアミンの相対量である。ヘアスプレー処方において本発明のポリマーを使用する場合には、PAODA、二酸、および任意のさらなるジアミンをバランス調整することによって、許容されるスプレー美学を与えるだけでなく、耐湿性を与え、シャンプーによって除去可能にし、優れた毛髪上での特性(例えば、剛性、きしみ、粘着性、および低フレークまたは残留性)およびコーミング特性も与えるアルコールおよび/またはアルコール−水ブレンド中粘度にすることが重要である。当業者ならば、ヘアスプレーポリマー溶液および/または分散液についての粘度および性能要件や噴霧特性を最適化するためのバルブ寸法の変更の仕方については分かるだろう。
【0062】
本発明のポリエーテルアミドポリマーを作るために調製される反応混合物には、PAODAと二酸の両方が含まれ、先述のとおり、所望により含めてよい他の反応体も含まれている可能性がある。例えば、PAODAは、所望により、1種類以上のさらなるジアミンと組み合わせてよく、独立に、二酸は二酸の混合物であってよい。さらなるジアミンおよび/または二酸混合物が存在するような場合においては、ジアミン混合物におけるジアミンの相対量と二酸混合物における二酸の相対量を当量および/または当量パーセントにおいて、あるいは重量パーセントにおいて特徴付けてよい。
【0063】
本発明のポリマーは毛髪固定ポリマーとして有用であり、毛髪固定剤処方においてポリマーが提供する高湿度カール保持量によって定義することができる。「高湿度カール保持性」は、以下の実施例節で説明している手順に従って決定される。本発明の一実施形態において、本発明のポリマーによって提供される高湿度カール保持性は、70℃および湿度90%において2時間後に20パーセントを上回っている。本発明の一実施形態において、本発明のポリマーによって提供される高湿度カール保持性は、70℃および湿度90%において2時間後に30パーセントを上回っている。本発明のもう1つの実施形態において、高湿度カール保持性は、70℃および湿度90%において2時間後に40パーセントを上回っている。さらなる実施形態において、高湿度カール保持性は、70℃および湿度90%において2時間後に50%を上回っている。さらにもう1つの実施形態において、高湿度カール保持性は、70℃および湿度90%において2時間後に60%を上回っている。もう1つの実施形態において、高湿度カール保持性は、70℃および湿度90%において2時間後に70%を上回っている。もう1つの実施形態において、高湿度カール保持性は、70℃および湿度90%において2時間後に80%を上回っている。もう1つの実施形態において、高湿度カール保持性は、70℃および湿度90%において2時間後に90%を上回っている。
【0064】
本発明のポリマーはまた、ヘアスプレー処方においてポリマーが提供する、毛髪見本における剛性によっても定義することができる。「毛髪見本における剛性」は、以下の実施例節で詳述しているDiastronの毛髪見本における剛性についての手順(Diastron Hair Swatch Stiffness Procedure)に従って決定される。一実施形態において、ヘアスプレーポリマーは、最大約0.020ジュール毛髪見本における剛性を与え;もう1つの実施形態において、ヘアスプレーポリマーは、約0.005〜約0.020ジュールの毛髪見本における剛性を与え;さらにもう1つの実施形態において、ヘアスプレーポリマーは、約0.005〜約0.015ジュールの毛髪見本における剛性を与える。これらの見本の剛性の範囲内に入るポリエーテルアミドポリマーは、優れた毛髪固定特性を有する。
【0065】
本発明のポリマーは、さらに、25℃におけるアルコール(特に、エタノール)中でのそれらの粘度によっても定義することができる。本発明の一実施形態において、25℃における本発明のポリマーのアルコール中6重量パーセント溶液または分散液の粘度は、約35センチポアズ未満である。もう1つの実施形態において、6重量パーセント溶液の粘度は約30センチポアズ未満である。さらにもう1つの実施形態において、その粘度は約25センチポアズ未満であり;もう1つの実施形態において、その粘度は約20センチポアズ未満である。本明細書に記載する粘度測定値は、低粘度用付加装置を取り付けたBrookfield RVTD粘度計を使用して測定した。
【0066】
毛髪固定ポリマーとして使用する場合には、本発明のポリマーを、ポリマーから形成された皮膜の引張弾性率(ヤング率)によって定義することができる。弾性率(または剛性)は、以下の実施例節で詳述している「引張試験」手順に従って決定した。本発明の一実施形態において、ポリマーの100%モジュラスは8〜40kgf/cm2の間にはない。(「100%モジュラス」とは、サンプルの100%伸び率における応力を指す。本発明のポリマーは、それらが100%伸びる前に破断する。)本発明の一実施形態において、そのポリマーのヤング率は約20kgf/cm2〜約1400kgf/cm2であり;もう1つの実施形態において、そのポリマーのモジュラスは約45kgf/cm2〜約1400kgf/cm2であり;もう1つの実施形態において、そのポリマーのモジュラスは約50kgf/cm2〜約1400kgf/cm2である。もう1つの実施形態において、本発明のポリマーにはヤング率の測定値がないが、これはドッグボーン型サンプルでは、そのサンプルが柔らかすぎるかまたは脆過ぎるために、引張試験機に取り付けることができなかったためである。モジュラスパラメーターを満たす本発明のポリマーは、優れた毛髪固定特性を提供する。
【0067】
さらに、一実施形態において、本発明のポリマーの破断伸び百分率は100%未満である。(「破断伸び百分率」は、破断点におけるサンプルの長さから最初のサンプルの長さを減じ、その結果を最初のサンプルの長さで割り、100を乗じたものによって決定される。)さらにもう1つの実施形態において、本発明のポリエーテルアミドポリマーの破断伸び百分率は約70%未満である。もう1つの実施形態において、本発明のポリエーテルアミドポリマーの破断伸び百分率は約50%未満である。さらにもう1つの実施形態において、本発明のポリエーテルアミドポリマーの破断伸び百分率は約40%未満である。もう1つの実施形態において、本発明のポリエーテルアミドポリマーの破断伸び百分率は約35%未満であり;もう1つの実施形態において、その破断伸び百分率は約33%以下である。もう1つの実施形態において、本発明のポリマーには伸びの測定値はない。伸びの測定は、以下の実施例節で詳述している「引張試験」手順に従って決定される。
【0068】
本明細書に記載のとおり、本発明のポリマーは毛髪固定剤としてよい性能を示す。一実施形態において、そのポリマーは毛髪固定剤処方において使用される。もう1つの態様において、そのポリマーはヘアスプレー処方において使用される。一般に、ヘアスプレーを処方する際には、ヘアスプレーポリマーを、可塑剤、有効成分、中和剤、着色剤および香料などの他の添加剤と一緒に溶媒に溶解または分散させる。全ての成分の溶解または分散が完了したら、得られた溶液または濃縮液を容器に充填し、非エアゾールスプレーポンプまたはエアゾールバルブのいずれかを取り付ける。もしヘアスプレーがエアゾールである場合には、その容器に噴射剤も充填する必要がある(この噴射剤は可溶性、不溶性または部分的に可溶性であり得る)。他のタイプの分配装置としては、内袋内蔵缶(bag-in-can)およびダイヤフラムがある。内袋内蔵缶系の場合、外装シェルとヘアスプレー濃縮液の入った内袋の間に噴射剤(気体または液体)が充填される。作動装置を押すと、噴射剤の圧力により内袋が押されて、濃縮液が分配される。ダイヤフラム系では、外装シェル内に収まるダイヤフラム弾性スリーブにヘアスプレー濃縮液が送り込まれ、スリーブが膨張する。作動装置を押すと、スリーブの収縮により濃縮液が容器の外へ押し出される。
【0069】
上述のとおり、毛髪固定剤組成物には溶媒が含まれる。その溶媒は、一般に水、エタノールなどのアルコール、またはそれらのブレンドである。ヘアスプレーには、塩素化およびフッ素化溶媒(ジクロロエタンおよびクロロフルオロカーボンP−12など)、他の低分子量アルコール(メタノールおよびプロパノールなど)、低分子量アルカン(ペンタンおよびヘキサンなど)、ならびに石油蒸留物などのさらなる溶媒も使用されている。
【0070】
本発明の一態様において、溶媒はエタノールである。本発明のもう1つの実施形態において、本発明の毛髪固定剤は、組成物の重量に対してある最小重量パーセントのエタノールを含む。もう1つの実施形態において、本発明の毛髪固定剤は、約10〜約98重量パーセントエタノール;もう1つの実施形態において、約20〜約95重量パーセントエタノール;もう1つの実施形態において、約30〜約90重量パーセントエタノール;もう1つの実施形態において、約40〜90重量パーセントエタノール;もう1つの実施形態において、約50〜約80重量パーセントエタノール;もう1つの実施形態において、約50〜約70重量パーセントエタノール;もう1つの実施形態において、約55〜約65重量パーセントエタノールを含む。
【0071】
毛髪固定剤組成物中のポリマーの重量パーセントは、所望の保持レベルおよび他の特性に応じて異なる。一般に、ポリマーの重量パーセントは、処方の総重量(エアゾールヘアスプレーの場合には噴射剤を含む)に対して約0.5〜約6重量パーセントと様々である。しかしながら、一部の市販のヘアスプレーに含まれるポリマーは、ヘアスプレー処方の総重量に対して12重量パーセントという高さである。
【0072】
よって、本発明の毛髪固定剤におけるポリマーの量は、組成物の総重量に対して約0.5〜約12重量パーセントと様々である。もう1つの実施形態において、毛髪固定剤組成物におけるポリマーの量は、組成物の総重量に対して約0.5〜約10重量パーセントと様々である。もう1つの実施形態において、毛髪固定剤組成物におけるポリマーの量は、約0.5〜約7重量パーセントと様々であり;さらにもう1つの実施形態において、毛髪固定剤組成物におけるポリマーの量は、約0.5〜約5重量パーセントと様々であり;もう1つの実施形態において、毛髪固定剤組成物におけるポリマーの量は、約1〜約4重量パーセントと様々である。
【0073】
エアゾールヘアスプレーにおいては、処方に噴射剤も加えられる。噴射剤の例としては、低分子量炭化水素(プロパンおよびブタンなど)、アルコキシド(ジメチルエーテル(すなわち、DuPontのDYMEL(登録商標)Aなど)、クロロフルオロカーボンおよびヒドロフルオロカーボン(CFC P−12および1,1−ジフルオロエタン(すなわち、DuPontのDYMEL(登録商標)152a)など)が挙げられる。場合によっては、噴射剤はヘアスプレーポリマーおよび他の成分に、ジメチルエーテルなどに対する溶解性も与える。ヘアスプレー処方における噴射剤のタイプおよび量に応じて、エアゾールヘアスプレーの圧力は、室温において約17psi〜約108psiと様々である。本発明のヘアスプレー組成物の一実施形態において、噴射剤は室温において圧力約17〜約108psiを与えるように選択され;本発明のヘアスプレーのもう1つの実施形態において、その圧力は約31〜約70psiであり;本発明のヘアスプレーのもう1つの実施形態において、その圧力は約40〜65であり;本発明のもう1つの実施形態において、その圧力は約40〜約55psiである。
【0074】
毛髪固定剤処方には、当技術分野で公知のさらなる添加剤も含めてよい。これらの任意の成分としては、限定されるものではないが、増粘剤、乳化剤、美観調整剤(aesthetic modifiers)、UVフィルター、湿潤剤(商標HYDROVANCE(登録商標)でNational Starch and Chemical Companyから入手可能なヒドロキシエチルウレアなど)、滑剤、シリコン、粘度低下剤(deviscosifying agents)、保湿剤、軟化剤、溶剤、キレート化剤、ビタミン類、酸化防止剤、植物抽出物、pH調整剤、防腐剤、香料、防水剤、有効成分(老化防止薬、安定剤または青味剤など)、染料、色素、着色剤、ポリマー、品質改良剤、レオロジー調整剤、界面活性剤、乳白剤、起泡剤、発熱剤、光輝顔料、ならびに装飾ビーズおよび造形物が挙げられる。
【0075】
本発明の毛髪固定剤処方には、所望により、当技術分野で可塑剤も含めてよい。そのような可塑剤としては、限定されるものではないが、ジメチコンコポリオール、ポリオール、ポリカルボン酸、およびポリエステルが挙げられる。有用なジメチコンコポリオールの例としては、限定されるものではないが、PEG−12ジメチコン、PEG/PPG−18/18ジメチコン、およびPPG−12ジメチコンが挙げられる。有用なポリオールの例としては、限定されるものではないが、エチレングリコール、プロピレングリコール、糖アルコール類(ソルビトール、マンニトール、マルチトール、ラクチトールなど);単糖、二糖およびオリゴ糖(フルクトース、グルコース、スクロース、マルトース、ラクトース、および高フルクトースコーンシロップ固体など)、ならびにアスコルビン酸が挙げられる。ポリカルボン酸の例としては、限定されるものではないが、クエン酸、マレイン酸、コハク酸、ポリアクリル酸、およびポリマレイン酸が挙げられる。ポリエステルの例としては、限定されるものではないが、グリセロールトリアセテート、アセチル化モノグリセリド、フタル酸ジエチル、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチルが挙げられる。
【0076】
可塑剤の他の例としては、限定されるものではないが、鉱油、植物油、トリグリセリド、ラノリンおよびそれらの誘導体、不飽和脂肪酸およびそれらの誘導体、シリコン、およびいくつかの軟化剤;グリセロール、ソルビトール、乳酸塩(限定されるものではないが、ナトリウム塩、アンモニウム塩、およびカリウム塩など)、ポリオール類(例えば、プロピレングリコール)、ポリエチレングリコール(200−600)、およびSorbeth−30などの湿潤剤;尿素、乳酸、およびピロリドンカルボン酸ナトリウム(PCA)などの天然保湿成分(NMF);グリセロール、セリン、キトサンPCA、ヒアルロン酸ナトリウム、ヒアルロン酸、マイクロスポンジ、可溶性コラーゲン、変性タンパク質、L−グルタミン酸モノナトリウム、レシチンおよびリン脂質、およびそれらの誘導体などのリポソーム、天然および植物性湿潤剤;グリコール酸、乳酸、クエン酸、マレイン酸およびサリチル酸などのαおよびβヒドロキシ酸;多糖類およびそれらの誘導体、ポリアクリレート、およびポリクオタニウムなどの高分子可塑剤;ならびにタンパク質およびグルタミン酸、アスパラギン酸、およびリシンなどのアミノ酸が挙げられる。
【0077】
可塑剤は可塑化有効量で存在する。一実施形態において、可塑剤はヘアスプレー処方中に毛髪固定剤組成物の総重量に対して約0〜約2重量パーセント量で存在する。もう1つの実施形態において、可塑剤は毛髪固定剤組成物の総重量に対して約0.10〜約1重量パーセント量で存在し;さらにもう1つの実施形態において、可塑剤は毛髪固定剤組成物の総重量に対して約0.10〜約0.5重量パーセント量で存在する。
【0078】
本発明のポリエーテルアミドポリマーは、パーソナルケア処方において一般的に使用されている他のポリマーと相溶性である。そのようなポリマーの例としては、限定されるものではないが、National Starch and Chemical CompanyのAMPHOMER(登録商標)およびAMPHOMER(登録商標)LV−71ポリマー(オクチルアクリルアミド/アクリレーツ/メタクリル酸ブチルアミノエチルポリマー)、AMPHOMER(登録商標)HCポリマー(アクリレーツ/オクチルアクリルアミドポリマー) BALANCE(登録商標)0/55およびBALANCE(登録商標)CRポリマー(アクリレーツポリマー)、BALANCE(登録商標)47ポリマー(オクチルアクリルアミド/メタクリル酸ブチルアミノエチルポリマー)、DERMACRYL(登録商標)79およびDERMACRYL(登録商標)LTポリマー(アクリレーツ/オクチルアクリルアミドポリマー)、RESYN 28−2930ポリマー(VA/クロトン酸/ネオデカン酸ビニルポリマー)、RESYN(登録商標)28−1310ポリマー(VA/クロトン酸ポリマー)、FLEXAN(登録商標)ポリマー(ポリスチレンスルホン酸ナトリウム)、DynamX(登録商標)ポリマー(ポリウレタン−14(および)AMP−アクリレーツポリマー)、RESYN(登録商標)XPポリマー(アクリレーツ/オクチルアクリルアミドポリマー)、STRUCTURE(登録商標)2001(アクリレーツ/イタコン酸ステアレス−20ポリマー)およびSTRUCTURE(登録商標)3001(アクリレーツ/イタコン酸セテス−20ポリマー)が挙げられる。
【0079】
さらに、ISPのOMNIREZ(商標)−2000(PVM/MAハーフエチルエステルポリマー)GANEX(登録商標)P−904(ブチル化PVP)、GANEX(登録商標)V−216(PVP/ヘキサデセンポリマー) GANEX(登録商標)V−220(PVP/エイコセンポリマー)、GANEX(登録商標)WP−660(トリコンタニルPVP)、GANTREZ(商標)A−425(PVM/MAポリマーのブチルエステル)、GANTREZ(商標)AN−119 PVM/MAポリマー、GANTREZ(商標)ES 225(PVM/MAポリマーのエチルエステル)、GANTREZ(商標)ES−425(PVM/MAポリマーのブチルエステル)、GAFFIX(登録商標)VC−713(ビニルカプロラクタム/PVP/メタクリル酸ジメチルアミノエチルポリマー)、GAFQUAT(商標)755(ポリクオタニウム−11)、GAFQUAT(商標)HS−100(ポリクオタニウム−28) AQUAFLEX(登録商標)XL−30(ポリイミド−1)、AQUAFLEX SF−40(PVP/ビニルカプロラクタム/アクリル酸DMAPAポリマー)、AQUAFLEX(登録商標)FX−64(イソブチレン/エチルマレイミド/ヒドロキシエチルマレイミドポリマー)、ALLIANZ(商標)LT−120(アクリレーツ/C1−2コハク酸/ヒドロキシアクリレーツポリマー)、STYLEZE(登録商標)CC−10(PVP/アクリル酸DMAPAポリマー)、STYLEZE(登録商標)2000(VP/アクリレーツ/メタクリル酸ラウリルポリマー)、STYLEZE(登録商標)W−20(ポリクオタニウム−55)、ポリマーシリーズ(PVP/メタクリル酸ジメチルアミノエチルポリマー)、ADVANTAGE(商標)SおよびADVANTAGE(商標)LCA(ビニルカプロラクタム/VP/メタクリル酸ジメチルアミノエチルポリマー)、ADVANTAGE(商標)PLUS(VA/マレイン酸ブチル/アクリル酸イソボルニルポリマー)が挙げられる。
【0080】
さらに、BASFのULTRAHOLD(登録商標)STRONG(アクリル酸/アクリル酸エチル/t−ブチルアクリルアミド)、LUVIMER(登録商標)100P(アクリル酸t−ブチル/アクリル酸エチル/メタクリル酸)、LUVIMER(登録商標)36D(アクリル酸エチル/アクリル酸t−ブチル/メタクリル酸)、LUVIQUAT(商標)HM−552(ポリクオタニウム−16)、LUVIQUAT(商標)HOLD(ポリクオタニウム−16)、LUVISKOL(登録商標)K30(PVP)LUVISKOL(登録商標)K90(PVP)、LUVISKOL(登録商標)VA 64(PVP/VAポリマー) LUVISKOL(登録商標)VA73W(PVP/VAポリマー)、LUVISKOL(登録商標)VA、LUVISET(登録商標)PUR(ポリウレタン−1)、LUVISET(登録商標)Clear(VP/メタクリルアミド/ビニルイミダゾールポリマー)、LUVIFLEX(登録商標)SOFT(アクリレーツポリマー)、ULTRAHOLD(登録商標)8(アクリレーツ/アクリルアミドポリマー)、LUVISKOL(登録商標)Plus(ポリビニルカプロラクタム)、LUVIFLEX(登録商標)Silk(PEG/PPG−25/25ジメチコン/アクリレーツポリマー);AmercholのAMERHOLD(商標)DR−25(アクリル酸/メタクリル酸/アクリレーツ/メタクリル酸エステル)が挙げられる。
【0081】
さらに、Rohm and Haas CompanyのACUDYNE(登録商標)258(アクリル酸/メタクリル酸/アクリレーツ/メタクリル酸エステル/アクリル酸ヒドロキシエステル、ACUDYNE(登録商標)180(アクリレーツ/アクリル酸ヒドロキシエステルポリマー)、ACUDYNE(登録商標)SCP(エチレンカルボキシアミド/AMPSA/メタクリル酸エステルポリマー)、およびACULYN(登録商標)レオロジー調整剤;Mitsubishi(Clariant卸売)のDIAFORMER(登録商標)Z−301、DIAFORMER(登録商標)Z−SM、およびDIAFORMER(登録商標)Z−400(メタクリロイルエチルベタイン/アクリレーツポリマー);ONDEO Nalcoの、FIXOMER(登録商標)A−30およびFIXOMER(登録商標)N−28(INCI名:メタクリル酸/アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸ナトリウムポリマー);Noveonの、FIXATE(登録商標)G−100(AMP−アクリレーツ/メタクリル酸アリルポリマー)、FIXATE(登録商標)PLUS(ポリアクリレーツ−X)、CARBOPOL(登録商標)Ultrez 10(カルボマー)、CARBOPOL(登録商標)Ultrez 20(アクリレーツ/C10-30アクリル酸アルキルポリマー)、AVALURE(登録商標)ACシリーズ(アクリレーツポリマー)、AVALURE(登録商標)URシリーズ(ポリウレタン−2、ポリウレタン−4、PPG−17/IPDI/DMPAポリマー);ポリエチレングリコール;水溶性アクリル樹脂;水溶性ポリエステル類;ポリアクリルアミド類;ポリアミン類;ポリ第四級アミン類;スチレン無水マレイン酸(SMA)樹脂;ポリエチレンアミン;ならびに他の標準的なポリマーが挙げられる。
【0082】
本発明のポリエーテルアミドポリマーを併用してよい市販のデンプンの例とそれらのINCI名としては、限定されるものではないが、National Starch and Chemical CompanyのAMAZE(登録商標)ポリマー(変性コーンスターチ)、CELQUAT(登録商標)LS−50樹脂(ポリクオタニウム−4/ヒドロキシプロピルデンプンポリマー)、STRUCTURE(登録商標)XLポリマー(ヒドロキシプロピルデンプンリン酸)、DRY FLO(登録商標)PC滑剤(オクテニルコハク酸デンプンアルミニウム)、DRY FLO(登録商標)AF滑剤(変性コーンスターチ)、DRY FLO(登録商標)ELITE LL滑剤(オクテニルコハク酸デンプンアルミニウム(および)ラウリルリジン)、DRY FLO(登録商標)ELITE BN滑剤(INCI名:オクテニルコハク酸デンプンアルミニウム(および)窒化ホウ素)、PURITY(登録商標)21C デンプン(zea mays(コーン)スターチ)、TAPIOCA(商標)PURE(タピオカデンプン)、NATRASORB(登録商標)WおよびNATRASORB(登録商標)BATH(タピオカデンプン)、NATRASORB(登録商標)HFB(オクテニルコハク酸デンプンアルミニウム(および)アクリレーツポリマー(および)炭酸マグネシウム)、INDEX(商標)(デキストリン)、商標NOVATION(登録商標)で販売されている熱抑制したトウモロコシ、ジャガイモ、タピオカ、高アミラーゼ、およびモチトウモロコシデンプン、および商標HI−MAIZE(登録商標)で販売されている難消化性デンプン;Croda Companyの、CROSTYLE(商標)MFP(トリメチル四級化トウモロコシデンプン);ONDEO Nalcoの、SENSOMER(登録商標)Cl−50(塩化ヒドロキシプロピルトリモニウムデンプン)が挙げられる。
【0083】
本発明のポリエーテルアミドポリマーを併用してよい他の天然ポリマーとしては、限定されるものではないが、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、微晶質セルロース、エチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、陽イオン性セルロース誘導体(例えば、ポリクオタニウム−4(National Starch and Chemical CompanyのCELQUAT(登録商標)L−200およびCELQUAT(登録商標)H−100ポリマー)およびポリクオタニウム−10(National Starch and Chemical CompanyのCELQUAT(登録商標)SC−240CおよびCELQUAT(登録商標)230Mポリマー)などのセルロース系材料;キサンタンガム(National Starch and Chemical CompanyのAMAZE(商標)XT 10ポリマー)などのガム;プルラン;親水コロイド;カラギナン;アルギン酸塩;カゼイン;ゼラチン;ならびに可溶化タンパク質が挙げられる。
【0084】
上記のとおり、本発明のポリエーテルアミドポリマーは、それらの特性によって多くのヘアケア用途において固定剤および皮膜形成剤として適している。本発明のポリエーテルアミドポリマーが適する可能性があるさらなるパーソナルケア組成物としては、特に、ヘアメイクアップリムーバー、日常の洗顔料、フェイシャルマスクまたはパック、スクラブ洗剤、フォーミングクレンザー、モイスチュアライジングクレンザー、シャワージェル、ボディソープ、固形石鹸、溶けるソープシート、ニキビ予防製品、および老化防止製品、アフターシェーブローション、ベビーローション/オイル/パウダー/クリーム、ベビーシャンプー、ベースコートおよびアンダーコート、バスカプセル、バスオイル/タブレット/ソルト、浴用石鹸および洗浄剤、髭軟化剤、頬紅、全身・手用調製品、気泡剤、クレンジング製品、オーデコロンおよび化粧水、キューティクルソフナー、デオドラント 脱毛剤、アイローション、アイメイクアップ料、アイメイクアップリムーバー、アイシャドウ、アイブローペンシル、アイライナー、顔・首用調製品、フェイスパウダー、フットパウダーおよびスプレー、ファンデーション、芳香調製品、ヘアブリーチ、ヘアカラースプレー、ヘアカラー用調製品、へアーコンディショナー、ヘアダイおよびカラー、ヘアライトナー、毛髪用調製品、ヘアリンス、ヘアシャンプー、ヘアスプレー、ヘアストレートナー、ヘアティント、ヘアウェーブセット、室内日焼け用調製品、レッグおボディペイント、口紅、メイクアップベース、メイクアップ定着剤、メイクアップ料、マニキュア用調製品、マスカラ、男性用滑石粉、保湿用調製品、ネイルクリームおよびローション、ネイルエクステンダー、ネイルポリッシュおよびエナメルリムーバー、ネイルポリッシュおよびエナメル、ナイトスキンケア用調製品、ペーストマスク、香水、パーマネントウェーブ、パーソナル衛生製品、パウダー、プリシェーブローション、ルージュ、香粉、シャンプー、シェービングクリーム、シェービング用調製品、シェービングソープ、スキンケア用調製品、スキンフレッシュナー、日焼け止めゲル/クリーム/ローション、日焼け止め用調製品、ヘアートニック、ヘアードレッシング、ならびに他の整髪用品が挙げられる。これらの具体的な用途に一般に使用される成分の具体例は、INTERNATIONAL COSMETIC INGREDIENT DICTIONARY AND HANDBOOK, T. E. Gottschalck and G. N. McEwen, Jr., Ph. D., J. D. editors, 10th ed., Vol. 4, pp. 2301-2402, The Cosmetic, Toiletry, and Fragrance Association, Washington, D.C. (2003)に記載されている。
【0085】
本発明のポリエーテルアミドポリマーを使用してよいパーソナルケア用には、研磨剤、吸収剤、接着剤、ニキビ予防薬、固結防止剤、虫歯予防薬、ふけ防止薬、消泡剤、抗真菌薬、抗菌薬、酸化防止剤、発汗抑制剤、静電気防止剤、人工ネイルビルダー、ビーズ、結合剤、緩衝剤、充填剤、キレート化剤、着色剤、魚の目/胼胝/疣除去剤、腐食防止剤、化粧料用収斂剤、化粧料用殺生物剤、変性剤、デオドラント剤、除毛剤、収斂剤(皮膚保護薬)、エマルジョン安定剤、脱毛剤、角質剥離剤、外用鎮痛薬、皮膜形成剤、香味剤、芳香成分、毛髪着色剤、毛髪コンディショニング剤、毛髪固定剤、パーマネントウェーブ用/ストレート用剤、湿潤剤、細胞溶解剤、爪コンディショニング剤、乳白剤、口腔ケア薬剤、口腔衛生ケア薬剤、酸化剤、殺虫剤、pH調整剤、可塑剤、防腐剤、噴射剤、還元剤、皮膚漂白剤、皮膚コンディショニング剤(皮膚軟化剤、湿潤剤、閉塞剤(occlusives))、皮膚保護剤、スリップ調整剤、溶剤、日焼け止め剤、表面改質剤、界面活性剤(洗浄剤、乳化剤、増泡剤、ヒドロトロープ、可溶化剤、沈殿防止剤)、沈殿防止剤(非界面活性剤)、紫外線吸収剤、粘度調整剤、粘度低下剤、増粘剤(水性および非水性)、防水剤、発熱剤および/または発泡剤、光輝顔料、ならびに装飾ビーズおよび造形物などの任意の成分を含めてもよい。これらの目的に一般に使用される成分の具体例は、INTERNATIONAL COSMETIC INGREDIENT DICTIONARY AND HANDBOOK (INCI), T. E. Gottschalck and G. N. McEwen, Jr., Ph. D., J. D. editors, 10th ed., Vol. 4, pp. 2177-2299, The Cosmetic, Toiletry, and Fragrance Association, Washington, D.C. (2003)に記載されている。本発明のポリエーテルアミドポリマーは、様々な形態、とりわけ、ゲル、ローション、クリーム、エマルジョン、液体、ペースト、固体、スティック、バー、スプレー、フィルムまたはシートなどの製品としても使用することができる。
【実施例】
【0086】
以下、実施例を示して本発明をさらに例示し、説明するが、これらの実施例はいずれの場合にも制限と解釈してはならない。使用した全てのパーセントは重量/重量ベースである。
【0087】
実施例1
36.1重量%PAODAおよび45.6重量%二酸を含んでなるポリエーテルアミドポリマーの合成
撹拌器、加熱マントル、蒸留ヘッド、および窒素パージを備えた2000mL反応槽に水207.4gを入れた。攪拌しながら、水面下をおよそ10分間窒素でパージし、残りの試薬を加えている間そのパージを続けた。次いで、その攪拌水溶液に、1,2−ジアミノシクロヘキサン57.0g(0.50モル、18.3重量%)、約230g/molのMnを含有するポリオキシプロピレンジアミン(PAODA)(米国ユタ州Salt Lake CityのHuntsman CorporationからJEFFAMNE(登録商標)D−230として入手可能)112.4g(0.50モル、36.1重量%)、アジピン酸141.8g(0.97モル、45.6重量%)、および50%次亜リン酸水溶液(触媒および酸化防止剤として)0.62gを加えた。この反応が窒素ブランケット下で続けられるように、水面下の窒素パージを変更した。この反応混合物を190℃に加熱した。全ての水を留去したところで、その反応を190℃で20時間続けて、取り出した。
【0088】
実施例2
61.3重量%PAODAおよび38.7重量%二酸を含んでなるポリエーテルアミドポリマーの合成
撹拌器、加熱マントル、蒸留ヘッド、および窒素パージを備えた2000mL反応槽に水244.3gを入れた。攪拌しながら、水面下をおよそ10分間窒素でパージし、残りの試薬を加えている間そのパージを続けた。次いで、その攪拌水溶液に、JEFFAMINE(登録商標)D−230 224.7g(1.00モル、61.3重量%)、アジピン酸141.8g(0.97モル、38.7重量%)、および50%次亜リン酸水溶液0.73gを加えた。この反応が窒素ブランケット下で続けられるように、水面下の窒素パージを変更した。この反応混合物を190℃に加熱した。全ての水を留去したところで、その反応を190℃で20時間続けて、取り出した。
【0089】
実施例3
58.2重量%PAODAおよび41.8重量%二酸を含んでなるポリエーテルアミドポリマーの合成
撹拌器、加熱マントル、蒸留ヘッド、および窒素パージを備えた2000mL反応槽に水257.2gを入れた。攪拌しながら、水面下をおよそ10分間窒素でパージし、残りの試薬を加えている間そのパージを続けた。その水溶液に、PAODA(JEFFAMINE(登録商標)D−230)224.7g(1.00モル、58.2重量%)およびテレフタル酸161.1g(1.00モル、41.8重量%)を加えた。この反応が窒素ブランケット下で続くように、水面下の窒素パージを変更した。この反応混合物を240℃に加熱した。全ての水を留去したところで、その反応を240℃で5時間続けて、取り出した。
【0090】
実施例4
49.6重量%PAODAおよび41.8重量%二酸を含んでなるポリエーテルアミドポリマーの合成
撹拌器、加熱マントル、蒸留ヘッド、および窒素パージを備えた2000mL反応槽に水226.2gを入れた。攪拌しながら、水面下をおよそ10分間窒素でパージし、残りの試薬を加えている間そのパージを続けた。その攪拌水溶液に、PAODA(JEFFAMINE(登録商標)D−230)168.5g(0.75モル、49.6重量%)、ヘキサメチレンジアミン29.1g(0.25モル、8.6重量%)、アジピン酸141.8g(0.97モル、41.8重量%)、およびフェノール系酸化防止剤1.7gと、安定剤として亜リン酸塩(Ciba Specialty Chemicalsから入手可能なIRGANOX(登録商標)B1171)を加えた。この反応が窒素ブランケット下で続くように、水面下の窒素パージを変更した。この反応混合物を190℃に加熱した。全ての水を留去したところで、その反応を190℃で20時間続けて、取り出した。
【0091】
実施例5
7.0重量%PAODAおよび45.4重量%二酸を含んでなるポリエーテルアミドポリマーの合成
撹拌器、加熱マントル、蒸留ヘッド、および窒素パージを備えた2000mL反応槽に水214.6gを入れた。攪拌しながら、水面下をおよそ10分間窒素でパージし、残りの試薬を加えている間そのパージを続けた。その攪拌水溶液に、JEFFAMINE(登録商標)D−230 22.5g(0.10モル、7.0重量%)、イソホロンジアミン153.3g(0.90モル、47.6重量%)、アジピン酸146.1g(1.00モル、45.4重量%)、および50%次亜リン酸水溶液0.64gを加えた。この反応が窒素ブランケット下で続くように、水面下の窒素パージを変更した。この反応混合物を190℃に加熱した。全ての水を留去したところで、その反応を190℃で8時間続けて、取り出した。
【0092】
実施例6
10.5重量%PAODAおよび44.4重量%二酸を含んでなるポリエーテルアミドポリマーの合成
撹拌器、加熱マントル、蒸留ヘッド、および窒素パージを備えた2000mL反応槽に水214.0gを入れた。攪拌しながら、水面下をおよそ10分間窒素でパージし、残りの試薬を加えている間そのパージを続けた。その攪拌水溶液に、PAODA(JEFFAMINE(登録商標)D−230)33.7g(0.15モル、10.5重量%)、イソホロンジアミン144.8g(0.85モル、45.1重量%)、アジピン酸142.5g(0.98モル、44.4重量%)、および50%次亜リン酸水溶液0.32gを加えた。この反応が窒素ブランケット下で続くように、水面下の窒素パージを変更した。この反応混合物を190℃に加熱した。全ての水を留去したところで、その反応を190℃で3時間続けて、取り出した。
【0093】
実施例7
13.7重量%PAODAおよび44.7重量%二酸を含んでなるポリエーテルアミドポリマーの合成
撹拌器、加熱マントル、蒸留ヘッド、および窒素パージを備えた2000mL反応槽に水218.2gを入れた。攪拌しながら、水面下をおよそ10分間窒素でパージし、残りの試薬を加えている間そのパージを続けた。その攪拌水溶液に、PAODA(JEFFAMINE(登録商標)D−230)44.9g(0.20モル、13.7重量%)、イソホロンジアミン136.2g(0.80モル、41.6重量%)、アジピン酸146.1g(1.00モル、44.7重量%)、および50%次亜リン酸水溶液0.33gを加えた。この反応が窒素ブランケット下で続くように、水面下の窒素パージを変更した。この反応混合物を190℃に加熱した。全ての水を留去したところで、その反応を190℃で4時間続けて、取り出した。
【0094】
実施例8
17.0重量%PAODAおよび44.3重量%二酸を含んでなるポリエーテルアミドポリマーの合成
撹拌器、加熱マントル、蒸留ヘッド、および窒素パージを備えた2000mL反応槽に水220.0gを入れた。攪拌しながら、水面下をおよそ10分間窒素でパージし、残りの試薬を加えている間そのパージを続けた。その攪拌水溶液に、PAODA(JEFFAMINE(登録商標)D−230)56.2g(0.25モル、17.0重量%)、イソホロンジアミン127.7g(0.75モル、38.7重量%)、アジピン酸146.1g(1.00モル、44.3重量%)、および50%次亜リン酸水溶液0.33gを加えた。その反応が窒素ブランケット下で続けられるように、水面下の窒素パージを変更した。この反応混合物を190℃に加熱した。全ての水を留去したところで、その反応を190℃で4時間続けて、取り出した。
【0095】
実施例9
32.7重量%PAODAおよび42.5重量%二酸を含んでなるポリエーテルアミドポリマーの合成
撹拌器、加熱マントル、蒸留ヘッド、および窒素パージを備えた2000mL反応槽に水229.1gを入れた。攪拌しながら、水面下をおよそ10分間窒素でパージし、残りの試薬を加えている間そのパージを続けた。その攪拌水溶液に、PAODA(JEFFAMINE(登録商標)D−230)112.4g(0.50モル、32.7重量%)、イソホロンジアミン85.2g(0.50モル、24.8重量%)、アジピン酸146.1g(1.00モル、42.5重量%)、および50%次亜リン酸水溶液0.69gを加えた。この反応が窒素ブランケット下で続くように、水面下の窒素パージを変更した。この反応混合物を190℃に加熱した。全ての水を留去したところで、その反応を190℃で18時間続けて、取り出した。
【0096】
実施例10
11.8重量%PAODAおよび43.1重量%二酸を含んでなるポリエーテルアミドポリマーの合成
撹拌器、加熱マントル、蒸留ヘッド、および窒素パージを備えた2000mL反応槽に水181.0gを入れた。攪拌しながら、水面下をおよそ10分間窒素でパージし、残りの試薬を加えている間その水面下の窒素パージを続けた。その攪拌水溶液に、約400g/molのMnを含有するポリオキシプロピレンジアミン(ユタ州Salt Lake CityのHuntsman CorporationからJEFFAMINE(登録商標)D400として入手可能)32.0g(0.08モル、11.8重量%)、イソホロンジアミン122.6g(0.72モル、45.1重量%)、アジピン酸116.9g(0.80モル、43.1重量%)、および50%次亜リン酸水溶液0.54gを加えた。この反応が窒素ブランケット下で続くように、水面下の窒素パージを変更した。この反応混合物を190℃に加熱した。全ての水を留去したところで、その反応を190℃で18時間続けて、取り出した。
【0097】
実施例11
42.7重量%PAODAおよび39.0重量%二酸を含んでなるポリエーテルアミドポリマーの合成
撹拌器、加熱マントル、蒸留ヘッド、および窒素パージを備えた2000mL反応槽に水199.8gを入れた。攪拌しながら、水面下をおよそ10分間窒素でパージし、残りの試薬を加えている間その水面下の窒素パージを続けた。その攪拌水溶液に、PAODA(JEFFAMINE(登録商標)D−400)128.0g(0.32モル、42.7重量%)、1,2−ジアミノシクロヘキサン54.7g(0.48モル、18.3重量%)、アジピン酸116.9g(0.80モル、39.0重量%)、および50%次亜リン酸水溶液0.60gを加えた。この反応が窒素ブランケット下で続くように、水面下の窒素パージを変更した。この反応混合物を190℃に加熱した。全ての水を留去したところで、その反応を190℃で20時間続けて、取り出した。
【0098】
実施例12
59.3重量%PAODAおよび18.7重量%二酸を含んでなるポリエーテルアミドポリマーの合成
撹拌器、加熱マントル、蒸留ヘッド、および窒素パージを備えた2000mL反応槽に水202.2gを入れた。攪拌しながら、水面下をおよそ10分間窒素でパージし、残りの試薬を加えている間その水面下の窒素パージを続けた。その攪拌水溶液に、PAODA(JEFFAMINE(登録商標)D−230)179.8g(0.80モル、59.3重量%)、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸66.8g(0.39モル、22.0重量%)、アジピン酸56.7g(0.39モル、18.7重量%)、および50%次亜リン酸水溶液0.30gを加えた。この反応が窒素ブランケット下で続くように、水面下の窒素パージを変更した。この反応混合物を240℃に加熱した。全ての水を留去したところで、その反応を240℃で5時間続けて、取り出した。
【0099】
実施例13
58.3重量%PAODAおよび41.7重量%二酸を含んでなるポリエーテルアミドポリマーの合成
撹拌器、加熱マントル、蒸留ヘッド、および窒素パージを備えた2000mL反応槽に水205.6gを入れた。攪拌しながら、水面下をおよそ10分間窒素でパージし、残りの試薬を加えている間その水面下の窒素パージを続けた。その攪拌水溶液に、PAODA(JEFFAMINE(登録商標)D−230)179.8g(0.80モル、58.3重量%)、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸100.2g(0.58モル、9.2重量%)、アジピン酸28.4g(0.19モル、41.7重量%)、および50%次亜リン酸水溶液0.31gを加えた。この反応が窒素ブランケット下で続くように、水面下の窒素パージを変更した。この反応混合物を240℃に加熱した。全ての水を留去したところで、その反応を240℃で5時間続けて、取り出した。
【0100】
実施例14
57.4重量%PAODAおよび42.6重量%二酸を含んでなるポリエーテルアミドポリマーの合成
撹拌器、マントル、蒸留ヘッド、および窒素パージを備えた2000mL反応槽に水208.9gを入れた。攪拌しながら、水面下をおよそ10分間窒素でパージし、残りの試薬を加えている間その水面下の窒素パージを続けた。その攪拌水溶液に、PAODA(JEFFAMINE(登録商標)D−230)179.8g(0.80モル、57.4重量%)、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸133.6g(0.78モル、42.6重量%)、および50%次亜リン酸水溶液0.31gを加えた。この反応が窒素ブランケット下で続くように、水面下の窒素パージを変更した。この反応混合物を240℃に加熱した。全ての水を留去したところで、その反応を240℃で5時間続けて、取り出した。
【0101】
実施例15
62.6重量%PAODAおよび37.4重量%二酸を含んでなるポリエーテルアミドポリマーの合成
撹拌器、加熱マントル、蒸留ヘッド、および窒素パージを備えた2000mL反応槽に水200.3gを入れた。攪拌しながら、水面下をおよそ10分間窒素でパージし、残りの試薬を加えている間その水面下の窒素パージを続けた。その攪拌水溶液に、PAODA(JEFFAMINE(登録商標)D−230)118.0g(0.53モル、39.3重量%)、JEFFAMINE(登録商標)D−400 70.0g(0.18モル、23.3重量%)、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸87.7g(0.51モル、29.2重量%)、アジピン酸24.8g(0.17モル、8.2重量%)、および50%次亜リン酸水溶液0.30gを加えた。この反応が窒素ブランケット下で続くように、水面下の窒素パージを変更した。この反応混合物を240℃に加熱した。全ての水を留去したところで、その反応を240℃で5時間続けて、取り出した。
【0102】
実施例16
66.9重量%PAODAおよび33.1重量%二酸を含んでなるポリエーテルアミドポリマーの合成
撹拌器、加熱マントル、蒸留ヘッド、および窒素パージを備えた2000mL反応槽に水202.3gを入れた。攪拌しながら、水面下をおよそ10分間窒素でパージし、残りの試薬を加えている間その水面下の窒素パージを続けた。その攪拌水溶液に、PAODA(JEFFAMINE(登録商標)D−230)73.0g(0.33モル、24.1重量%)、PAODA(JEFFAMINE(登録商標)D−400)130.0g(0.33モル、42.8重量%)、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸54.3g(0.32モル、17.9重量%)、アジピン酸46.1g(0.32モル、15.2重量%)、および50%次亜リン酸水溶液0.30gを加えた。この反応が窒素ブランケット下で続くように、水面下の窒素パージを変更した。この反応混合物を240℃に加熱した。全ての水を留去したところで、その反応を240℃で5時間続けて、取り出した。
【0103】
実施例17
72.2重量%PAODAおよび27.8重量%二酸を含んでなるポリエーテルアミドポリマーの合成
撹拌器、加熱マントル、蒸留ヘッド、および窒素パージを備えた2000mL反応槽に水203.3gを入れた。攪拌しながら、水面下をおよそ10分間窒素でパージし、残りの試薬を加えている間その水面下の窒素パージを続けた。次いで、その攪拌水溶液に、PAODA(JEFFAMINE(登録商標)D−400)220.0g(0.55モル、72.2重量%)、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸45.9g(0.27モル、15.0重量%)、アジピン酸39.0g(0.27モル、12.8重量%)、および50%次亜リン酸水溶液0.30gを加えた。この反応が窒素ブランケット下で続けられるように、水面下の窒素パージを変更した。この反応混合物を240℃に加熱した。全ての水を留去したところで、その反応を240℃で5時間続けて、取り出した。
【0104】
実施例18
71.3重量%PAODAおよび28.7重量%二酸を含んでなるポリエーテルアミドポリマーの合成
撹拌器、加熱マントル、蒸留ヘッド、および窒素パージを備えた2000mL反応槽に水205.6gを入れた。攪拌しながら、水面下をおよそ10分間窒素でパージし、残りの試薬を加えている間その水面下の窒素パージを続けた。次いで、その攪拌水溶液に、PAODA(JEFFAMINE(登録商標)D−400)220.0g(0.55モル、71.3重量%)、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸68.9g(0.40モル、22.4重量%)、アジピン酸19.5g(0.13モル、6.3重量%)、および50%次亜リン酸水溶液0.31gを加えた。この反応が窒素ブランケット下で続けられるように、水面下の窒素パージを変更した。この反応物を窒素ブランケット下で240℃に加熱した。全ての水を留去したところで、その反応を240℃で4時間続けて、取り出した。
【0105】
実施例19
70.5重量%PAODAおよび29.5重量%二酸を含んでなるポリエーテルアミドポリマーの合成
撹拌器、加熱マントル、蒸留ヘッド、および窒素パージを備えた2000mL反応槽に水207.9gを入れた。攪拌しながら、水面下をおよそ10分間窒素でパージし、残りの試薬を加えている間その水面下の窒素パージを続けた。次いで、その攪拌水溶液に、PAODA(JEFFAMINE(登録商標)D−400)220.0g(0.55モル、70.5重量%)、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸91.9g(0.53モル、29.5重量%)、および50%次亜リン酸水溶液0.31gを加えた。この反応が窒素ブランケット下で続くように、水面下の窒素パージを変更した。この反応混合物を240℃に加熱した。全ての水を留去したところで、その反応を240℃で4時間続けて、取り出した。
【0106】
比較実施例1(米国特許第6,956,099号の実施例6)
JEFFAMINE(登録商標)D−2000(約2000g/molのMnを含有するポリオキシプロピレンジアミン、米国ユタ州Salt Lake CityのHuntsman Corporationから入手可能)149.5g(0.08モル、46.0重量%)、VERSAMINE(登録商標)551(ドイツ国DusseldorfのHenkel KGaAから入手可能なC36ダイマージアミン)120.3g(0.21モル、37.0重量%)、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(CHDA)55.3g(0.32モル、17.0重量%)、および50%次亜リン酸水溶液0.3gを、撹拌器、加熱マントル、蒸留ヘッド、および窒素パージを備えた2000mL反応槽に入れた。この反応混合物を、激しい窒素気流下で攪拌しながら、約2時間かけて220℃に加熱し、さらに4時間この温度に維持して、取り出した。
【0107】
比較実施例2(米国特許第6,956,099号の実施例7)
JEFFAMINE(登録商標)D−230 75.0g(0.33モル、25.0重量%)、Versamine 551 135.0g(0.24モル、45.0重量%)、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸27.0g(0.16モル、9.0重量%)、アジピン酸54.0g(0.37モル、18.0重量%)、イソステアリン酸9.0g(0.03モル、3.0重量%)、および50%次亜リン酸水溶液0.3gを、撹拌器、加熱マントル、蒸留ヘッド、および窒素パージを備えた2000mL反応槽に入れた。この反応混合物を、激しい窒素気流下で攪拌しながら、約2時間かけて220℃に加熱し、さらに4時間この温度に維持して、取り出した。
【0108】
【表1】

【0109】
【表2】

【0110】
手順
以下の手順を、実施例1〜19、ならびに比較実施例1および2のポリマーの試験で用いた。
ガラス転移温度
ASTM法D3418−99に従って、ガラス転移温度をTA Instrument DSC 2920で測定した。
【0111】
引張試験
以下のとおり引張試験を実施した。
1.ポリマーの20%固体エタノール溶液を作製した。
2.その溶液をASTM No.4ドッグボーン型(試験領域6.35mm×38.10mm)の1.5mm厚金型に注ぎ入れた。
3.そのサンプルを室温にて20時間、その後、60℃にて20時間乾燥させた。
4.そのサンプルを80%RHで24〜48時間調整した後、取り出し、すぐに試験した。
5.MTS Synergie 200で50Nロードセル、引張速度50mm/分を用いて測定を行った。
【0112】
DIASTRONの毛髪見本における剛性についての手順
「剛性」は、速度50mm/分で毛髪見本10mmを撓ませるのに要する仕事量である。以下の手順を用いて剛性を測定する。
各試験サンプルに対して6インチのバージンブラウンの毛髪見本5本を使用する。各処方に対し、ポリマー固体を0.75%にし、各毛髪見本に対して55%ポリマーのエタノール/水溶液2gを適用する。各毛髪見本の風袋を計った後、その毛髪見本が完全に湿るまでそのポリマー水溶液に浸液する。次いで、その毛髪見本を親指と人差し指で引き抜き、毛髪見本の重量がそれぞれ、風袋重量よりも2.0g±0.1g多い状態までペーパータオルで吸い取る。この超過重量が毛髪見本に適用された溶液の重量であり、ポリマー.015gが毛髪見本に適用されたことになる。溶液を適用した後、22.2℃(72°F)、50%相対湿度に維持された一定の温湿度の部屋で毛髪見本を風乾させ、その後、試験を行う。
【0113】
毛髪見本は、翌日、Diastron MTT 160小型引張試験機を使用して、機器の製造業者から入手可能な剛性試験治具を用いて試験する。その際、各毛髪見本を10cm離れた2つの低い水平プロング(またはバー)にまたがって置き、ある時点で一毛髪見本を評価するために毛髪が置かれる方向に垂直にしておく。こうして、Diastronの機器により、水平の毛髪見本に垂直な1cm径の水平バーを用い、それらの2つの低いバーの間で測定力(ニュートン)を加えて、毛髪見本を10mm撓ませる。仕事は(ジュール)は、毛髪見本に適用された特定の組成物を含む毛髪見本の剛性である。こうして、6インチの毛髪見本5本の剛性を記録し、統計的に解析して、試験したサンプルの平均剛性を決定する。
【0114】
高湿度カール保持性
高湿度カール保持性は、固定剤処方が高湿度条件において毛髪を所定のスタイルでどの程度維持するかの尺度であり、毛髪固定剤の性能の標準的で重要な試験であるということが分かっている。試験する各毛髪固定剤サンプルに対して7.25インチのバージンブラウンの毛髪見本9本を使用する。本発明の毛髪固定ポリマーのカール保持性を互いに比較し合い、市販のbenchmarksとも比較する。試験は21℃(70°F)および90%相対湿度で24時間かけて行う。この方法により処方の変数の統計分析ができる。
【0115】
高湿度カール保持性についての手順
1.毛髪を湿らせ、梳かしてもつれをとる。
2.毛髪見本を親指と人差し指ではさんで走らせ、余分な水分を絞る。
3.長さ3”−直径1/2”のテフロン(登録商標)製マンドレルに毛髪を巻いて、毛髪をコイル形状にカールする。マンドレルに巻いた毛髪をプラスチッククリップで留める。
4.毛髪、マンドレル、クリップを48.9℃(120°F)で乾燥させる。
5.毛髪が乾燥し、冷めたら、マンドレルからクリップ、毛髪のカールを慎重に外す。
6.固定端から毛髪を吊るす。制御された方法で制御された量のヘアスプレーを塗布する。非エアゾールヘアスプレーの評価では、6インチの距離からカール表面と裏面の両方に均一に4回噴射を行う。
7.噴霧したてのカールを水平表面に置き、48.9℃(120°F)で1時間乾燥させる。
8.乾燥させたカールを澄明で透明なプレキシガラスの目盛り付きカール保持ボードから乱雑に吊るす。
9.L0を示す最初のカール高さ(curl height)を測り、カール保持ボードを環境室にセットする。
10.15分、30分、60分、90分、2時間、3時間、4時間、5時間および24時間の時間をおいてカール長さLtを記録する。
【0116】
カール保持率は、以下の式:
カール保持率%=100×(L−Lt)/(L−L0
(式中、L=完全に伸ばしたときの毛髪の長さ、L0=最初のカール長さ、Lt=特定の時点tにおけるカール長さ)
により算出される。
【0117】
【表3】

【0118】
1カール保持性は55%VOC非エアゾールヘアースプレーを使用して判定した。
2ポリマーがエタノールにもエタノール/水にも溶解しなかったため、引張試験は行わなかった。
3ポリマーがエタノール/水にもエタノールにも溶解しないため、毛髪見本における剛性の測定は行わなかった。
4ポリマーが55%VOC非エアゾールヘアースプレーを作るのに使用する55%エタノール/水溶液に溶解しないため、カール保持性の測定は行わなかった。
5手順が行えるように、ポリマーを100%エタノールに溶かした。
【0119】
実施例20〜23−エアゾールヘアスプレー処方
【表4】

【0120】
手順
1.エタノールと水(含める場合)を合わせ、混合して溶媒を作る。
2.溶媒にポリエーテルアミドを加え、溶液または分散液が得られるまで混合する。
3.溶液/分散液を容器に充填し、噴射剤を加える。
【0121】
上記、実施例20〜23のエアゾールヘアスプレー処方を作るのに、実施例1〜19のポリエーテルアミドポリマーを使用した。結果として得られた生成物は、エアゾールヘアスプレーとして十分に機能する。同様に、3重量%および5重量%ポリマー固体を利用して、処方を調製した。
【0122】
実施例24〜26−非エアゾールヘアスプレー処方
【表5】

【0123】
手順
1.エタノールと水(含める場合)を合わせ、混合して溶媒を作る。
2.溶媒にポリエーテルアミドを加え、溶液または分散液が得られるまで混合する。
3.溶液/分散液を容器に充填する。
【0124】
上記、実施例24〜26の非エアゾールヘアスプレー処方を作るのに、実施例1〜19のポリエーテルアミドポリマーを使用し、それらは非エアゾールヘアスプレーとして十分に機能する。同様に、3重量%および5重量%ポリマー固体を利用して、処方を調製した。
【0125】
本発明を記載し、詳細に説明してきたが、当然のことながら、それは例示にすぎず、限定と解釈してはならない。本発明の精神および範囲は、以下に示す特許請求の範囲によってのみ限定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の構造:
【化1】

(式中、Rは脂肪族、脂環式または芳香族であり;R’は水素またはCH3であり;R”は脂肪族、脂環式または芳香族であり;xは2〜34であり;yは1〜250であり;zは0〜350である)
を含むポリエーテルアミドポリマーであって、
前記ポリエーテルアミドポリマーが、1種類以上のジカルボン酸と1種類以上のポリ(アルキレンオキシ)ジアミンの反応生成物から生成され、前記ポリ(アルキレンオキシ)ジアミンがポリエーテルアミドポリマーの総重量に対して5〜75重量パーセントを構成し;
前記ポリエーテルアミドポリマーの破断伸び百分率が100%未満である、
ポリエーテルアミドポリマー。
【請求項2】
前記少なくとも1種類のポリ(アルキレンオキシ)ジアミン成分の数平均分子量が、150〜2,000ダルトン(「Da」)である、請求項1に記載のポリエーテルアミドポリマー。
【請求項3】
前記反応生成物が、前記少なくとも1種類のポリ(アルキレンオキシ)ジアミンブロック成分の他に、1種類以上のジアミン成分がさらに含む、請求項1に記載のポリエーテルアミドポリマー。
【請求項4】
前記1種類以上のジアミン成分が、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミン、フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、1,2−ペンタンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、イソホロンジアミン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項3に記載のポリエーテルアミドポリマー。
【請求項5】
前記ポリマーの重量平均分子量が、5,000〜70,000Daである、請求項1に記載のポリエーテルアミドポリマー。
【請求項6】
前記ポリマーが、25℃においてアルコールの最小重量パーセントが50重量パーセントのアルコール−水ブレンドに溶解する、請求項1に記載のポリエーテルアミドポリマー。
【請求項7】
前記1種類以上のジカルボン酸が、下式:
HOOC−RX−COOH
(式中、RXは2〜32個の炭素を有する基を含む)
の二酸である、請求項1に記載のポリエーテルアミドポリマー。
【請求項8】
前記二酸が、1,4−ブタン二酸(コハク酸)、1,6−ヘキサン二酸(アジピン酸)、1,7−ヘプタン二酸(ピメリン酸)、1,8−オクタン二酸(スベリン酸)、1,9−ノナン二酸(アゼライン酸)、1,10−デカン二酸(セバシン酸)、1,11−ウンデカン二酸(1,11-undecanedoic acid)、1,12−ドデカン二酸(1,10−デカンジカルボン酸)、1,13−トリデカン二酸(ブラシル酸) 1,14−テトラデカン二酸(1,12−ドデカンジカルボン酸)、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(CHDA)、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸(CHDA)、フタル酸、重合脂肪酸、またはそれらの混合物からなる群から選択される、請求項6に記載のポリエーテルアミドポリマー。
【請求項9】
請求項1に記載のポリエーテルアミドポリマーおよび溶媒を含んでなるパーソナルケア組成物であって、
前記ポリマーが25℃において6重量パーセントポリマーの溶媒で35センチポアズ未満の低粘度溶液およびまたは分散液を構成し、かつ
前記溶媒がアルコールまたはアルコール−水ブレンドである、
パーソナルケア組成物。
【請求項10】
前記ポリマーの100%モジュラスが、8〜40kgf/cm2の間にはない、請求項9に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項11】
前記組成物が毛髪固定剤組成物であって、前記ポリマーが、21℃(70°F)および湿度90%において2時間後に30パーセントを上回るカール保持性を与える、請求項9に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項12】
前記組成物が毛髪固定剤組成物であって、前記ポリマーが、0.005〜0.020ジュールの毛髪見本剛性を与える、請求項9に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項13】
前記剛性毛髪固定剤組成物が、ヘアスプレー組成物である、請求項11に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項14】
前記1種類以上のジカルボン酸が、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項9に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項15】
前記アルコールが、エタノールである、請求項9に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項16】
パーソナルケア組成物を製造するための方法であって、
5〜85重量パーセントの1種類以上のポリ(アルキレンオキシ)ジアミンの混合物を15〜95重量パーセントの1種類以上の二酸と反応させ、そうすることによって、ポリエーテルアミドポリマーを生成させる工程(重量パーセントは前記ポリマーの総重量パーセントに基づく)、および
前記ポリマーを溶媒に溶解または分散させる工程
を含み、
ここで、25℃における得られたポリエーテルアミドポリマーのアルコール中6重量パーセント溶液または分散液の粘度が35センチポアズ未満である、
方法。
【請求項17】
前記反応工程が、前記1種類以上のポリ(アルキレンオキシ)ジアミンの他に、5〜50重量パーセントの1種類以上のジアミンを反応させることをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記ポリマーに加えて他の添加剤を溶媒に溶解または分散させることをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記他の添加剤が、可塑剤、有効成分、中和剤、着色剤または香料を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記反応混合物が、アミン基または酸性基のいずれかと反応する一官能価反応体を含まない、請求項16に記載の方法。

【公開番号】特開2007−308704(P2007−308704A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−129542(P2007−129542)
【出願日】平成19年5月15日(2007.5.15)
【出願人】(590000824)ナショナル スターチ アンド ケミカル インベストメント ホールディング コーポレイション (112)
【Fターム(参考)】