説明

ポリサッカライドの制御された酸化方法

本発明は、酸化剤を用いる、フリーな1級水酸基−CHOHを含有するオリゴ−および/またはポリサッカライドの制御された酸化方法に関する。本発明は、用いられる酸化剤に対して不活性である圧縮流体中で酸化反応が行われることを特徴とする。本発明は、例えば、食品、塗料、紙、織物、農業および医薬の産業、医学、生物医学またはパラメディカル領域、手術の領域、化粧品産業において、および、金属イオン、重金属および核産業における放射性元素を錯体化または封鎖するための剤としての使用に適している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化剤を用い、カルボキシル化オリゴ−および/またはポリサッカライドに選択的に導く、フリーの1級水酸基−CHOHを含有するオリゴ−および/またはポリサッカライドの制御された酸化方法に関する。
【0002】
下記の記載および特許請求の範囲において、用語「ポリサッカライド」は、オリゴサッカライドまたはポリサッカライドまたはその混合物を区別することなく示すように用いられることになる。
【背景技術】
【0003】
酸化剤としての二酸化窒素(NO/N)によるポリサッカライドの酸化は、周知反応である。
【0004】
Yackelらは、特許文献1において、20℃以下の温度条件下でのNOガスによるセルロースの選択的酸化を特に記載した。しかしながら、NOガスの使用は慎重を要し、特に、酸化不均質性をもたらすことが分かった。したがって、有機溶媒媒体中の酸化の種々の方法が複数の著者によって提案された。
【0005】
このため、Kenyonらは特許文献2において、あるいはAshtonらは特許文献3において、四塩化炭素、Freon(登録商標)113および11等の非水溶媒中の二酸化窒素によるセルロースの酸化を記載した。BoardmanおよびSafersteinによる特許文献4には、ペルフルオロ溶媒中の二酸化窒素によるセルロースの酸化が記載されており、Kosowskiらは、特許文献5において、以前に用いられたクロロフルオロカーボンに替えて、別分類の溶媒であるヒドロフルオロエーテルを用いた。
【特許文献1】米国特許第531283号明細書
【特許文献2】米国特許第2423707号明細書
【特許文献3】米国特許第3364200号明細書
【特許文献4】米国特許第5180398号明細書
【特許文献5】米国特許第5914003号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ハロゲン化された溶媒の使用は、環境へのリスクを示す。さらに、多くの適用、特に、医療分野での適用のために、均質に酸化された生成物を有することが肝要である。
【0007】
これらの要請により、本発明者らは、環境に対してより満足度が高く、かつ、実用的要求により良好に適合する均質なカルボキシル化されたポリサッカライドを有することを可能にする新しい酸化条件を探求するに至った。
【0008】
したがって、それらの研究により、代替の反応媒質、特に、大量の酸化剤を可溶化する一方で、同時にその反応性を維持することができる反応媒質においてポリサッカライドの酸化を行うことが可能であることを観察することができた。
【0009】
したがって、本発明の目的は、セルロースの場合には、約25.5%(これは、一級水酸基の100%の酸化に相当する)にまで及ぶ可変の質量%のカルボン酸含有量を得ることを可能にし、反応の継続期間および酸化剤の量によって制御され、酸化度に拘わりなく均一に分布させられるポリサッカライドを酸化するための新しい方法を提供することである。
【0010】
本発明はまた、得られた新しいポリサッカライドおよび種々の産業分野においてそれらの特性を利用することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
酸化剤を用いる、フリーの−CHOH基を含有するポリサッカライドの本発明の制御された酸化方法は、利用される酸化剤に対して不活性である圧縮流体(densified fluid)が酸化反応に用いられることを特徴とする。
【0012】
この圧縮流体は、通常の温度および圧力条件下にガス状であり、利用される酸化剤に対して不活性であり、かつ、2MPa(20バール)超に圧縮された分子からなる。
【0013】
圧縮流体は、理想気体の状態方程式にもはや従わないような圧力に圧縮されたガスである。これらの温度および圧力範囲における熱力学的挙動は複雑であり、例えば、発泡液(expanded liquid)および圧縮ガスの2相を示し得る。
【0014】
圧縮ガスの場合、容積によって増加させられた圧力の結果は一定であることを中断させられ、圧力の増加に従って減少し、これは、密度の相関的増加につながる。この現象は、所定の圧力に基づき、分子間の相互作用の形成によって解釈され得る。
【0015】
圧縮流体の挙動は用いた温度および圧力条件に関連する臨界点の接近によって決まるだろう。
【0016】
必要に応じて、圧縮流体は、したがって、圧縮ガス相の形態または発泡液相の形態のいずれかである。
【0017】
それらは、概して、気体の特性および液体の特性の間の中間である特性を有する。気体とは異なり、それらは、特に、発泡液形態においてのみならず、圧縮ガス相形態においても、通常は比較的不揮発な分子と関連して所定の溶媒容量を有する。この溶媒容量は、圧縮ガスの密度および溶媒分子と溶質分子と間の親和性に大きく依存する。
【0018】
用いられ得る不活性ガスは、希ガスであるHe、Ne、Kr、Ar等、あるいは代替としてCOまたはNまたはペルハロゲン化ガスおよびこれらの混合物を含み、これらは、既にその最大酸化状態にあるかまたは酸化剤に関連して中性および不活性であるかのいずれかの酸化剤のための溶媒が利用されるようにするという利点を提供する。
【0019】
不活性ガス(単数種または複数種)は、単独で、または通常の温度および圧力条件下で液体である他の共溶媒との混合物として用いられる。
【0020】
変形例では、不活性ガス(単数または複数種)は、ペルフルオロ化溶媒等の液状の共溶媒とともに用いられる。
【0021】
不活性ガスは、より特定的にはCO、単体窒素(dinitrogen)、アルゴンまたはこれらの混合物である。これらのガスを使用する特定の場合、最終生成物は、したがって、溶媒が関連する汚染物質を欠いていることになり、これは、形成されたカルボキシル化ポリサッカライドをターゲットにする産業的適用に関して、特に、生物医学適用にとって大きな利点である。
【0022】
それらの使用が、環境を保護する安全な方法に沿っていることも興味をもって留意されるだろう。
【0023】
酸化剤は、好ましくは二酸化窒素であり、この用語は、NO、Nダイマーおよびこれらの混合物を意味する。
【0024】
CO、窒素、アルゴン等の不活性ガスは、通常、他の分子との相互作用しないことが知られている。しかしながら、本発明者らは、大いに驚くべきことに、圧縮ガスの形態または発泡液の形態のいずれかにおける圧縮流体の形態でのそれらの使用が、NO反応剤または一般的な酸化剤を大量に可溶化することを可能にすることを見出した。
【0025】
不活性な圧縮流体としてCOを使用する場合に、圧縮ガスおよび発泡液の条件下の所定の溶媒容量が注目された。
【0026】
しかしながら、発泡液相におけるNOの溶解度は無限である一方で、それは、圧縮ガス相においては閾値によって制限される。
【0027】
前記溶解度は、温度および圧力条件により可変である。
【0028】
目安として、それは、40℃および8MPa(80バール)において15mg/ml程度である。この値より上で、凝縮現象が起こり、発泡液相が出現する。
【0029】
これらの条件下に溶解したNOは、明らかに、ポリサッカライドの1級水酸基を満足のいくように酸化することからなる反応を引き出すことを可能にする。
【0030】
この酸化は、2相において効果的かつ選択的である。しかしながら、満足のいく酸化度を得るために圧縮ガス相中に含まれなければならないNOの量は、発泡液の場合より低いようである。これらの結果は、発泡液相中よりも圧縮ガス相中でNOがより反応性が高いという事実を反映する。
【0031】
酸化反応は、閉鎖系において、圧力下、好ましくは20〜60℃程度、特定的には20〜40℃の温度で、2〜40MPa(20〜400バール)程度、特には約6〜18MPa(60〜180バール)の圧力下で行われる。
【0032】
COを用いる一実施形態では、31〜50℃程度、特には約40℃の温度、圧力は、7.4〜11MPa(74〜110バール)程度、特には約9MPa(90バール)である。
【0033】
ポリサッカライドは、反応器内に配置され、次いで、反応器は、不活性な圧縮流体で満たされる。これらのポリサッカライドは、一般的には、「繊維」の形態にあり、この用語は、上下の別なく、フィブリル、ミクロフィブリル、結晶、粉体または凍結乾燥物(lyophilisate)またはその他の形態を意味する。
【0034】
酸化剤、特に二酸化窒素が用いられ、ここでは適切には、酸素存在下である。この酸化剤は、酸化することが望まれるCHOHの量に対して過剰に用いられる。不活性ガス(これは溶媒を構成する)は、NOに対して過剰に用いられ、所望のカルボキシル含有量を有するポリサッカライドを得るために選択される全ての操作条件に従って当業者によってこれらの化合物の各量が調節されるだろうことが理解される。
【0035】
反応の終了時に、洗浄が、希釈により、反応器中に溶媒(単数種または複数種)/酸化剤の混合物の漏れ流量を生じさせ一方で、同時に適切な手段により作動圧力以上のレベルに圧力を一定に維持することにより洗浄が行われる。酸化剤は、このようにして圧縮流体中に溶解させられた状態のままであり、次いで、NOに関して過度に集中した液体状態が存在する状況もなく徐々に除去され得る。
【0036】
この希釈−洗浄処置はまた、酸化剤および処理されたポリサッカライドの範囲内であり得る他の副生成物を効率的に除去することを可能にする。
【0037】
NOの一掃および除去によって洗浄する工程の後、圧力は、単一相系に維持することを可能にする条件下に低減させられる。本方法は、特に高温(40℃程度)で行われる。
【0038】
全ての残留酸化剤が除去されることを確実にするために、一掃処理は、有利には、低圧の不活性ガスにより行われる。
【0039】
酸化反応の終了時に回収されたポリサッカライドは、極性溶媒または極性溶媒の混合物により洗浄される。HNO等の反応副生成物を除去するために、適切な溶媒は、アルコールタイプのもの、例えば、イソプロパノール/水である。
【0040】
セルロースの場合、カルボン酸含有量(質量%)は25.5%にまで及び得る。
【0041】
酸化反応に付されるポリサッカライドは、半結晶または微繊維状の化合物、例えば、セルロース、キチン、でんぷん(starch)、アミロース、ニゲラン((α(1→3)α(1→4)グルカン))、β(1→3)グルカン、β(1→4)マンナン、β(1→3)キシラン、イヌリン、アガロース、カラギナン、グルコマンナン等である。
【0042】
生来のセルロースは、β(1→4)結合によって互いに結合させられるD−グルコピラノースユニットからなり、複数の結晶形態(セルロースI体(天然状態);セルロースII(アルカリ媒体処理または誘導体化、続いて、再生/凝固の後);セルロースIII(液体NH媒体中またはアミン存在下での天然セルロースの処理後))で存在することが想起される。
【0043】
本明細書および請求の範囲において用いられる場合の用語「セルロース」は、上下の別なく、種々のタイプのセルロースを意味する。
【0044】
セルロースIIは、特に、糸状、スポンジ状またはフィルム状の形態であり得る。
【0045】
特に、セルロースIIは、押出ダイにおいて成形されて種々のサイズのフィラメントを与えるという利点を有する。TiOまたは重金属により処理されないという条件で、ビスコース法または溶媒法により得られたとしても再生セルロースの全てのタイプが用いられ得る。
【0046】
操作条件に応じて、これらのフィラメントをベースとする繊維状物を酸化する一方で、同時に、これらの繊維の構造を保護し、吸収性包帯(absorbent dressing)および/または止血包帯タイプの適用または生体吸収性外科用糸を得ることも可能であるだろう。
【0047】
キチンは、β(1→4)結合によって互いに結合させられるN−アセチル−D−グルコサミンユニットからなる。
【0048】
β(1→3)グルカンは、β(1→3)結合によって互いに結合させられるD−グルコピラノースユニットからなる。
【0049】
β(1→4)マンナンは、β(1→4)結合によって互いに結合させられるD−マンノピラノースユニットからなる。
【0050】
ニゲランは、交互のα(1→3)およびα(1→4)結合によって互いに結合させられるD−グルコピラノースユニットからなる。
【0051】
でんぷんは、α(1→4)結合によって互いに結合させられるD−グルコピラノースユニットからなり、これは、所々に、α(1→6)結合によって互いに結合させられるD−グルコピラノースユニットからなる枝を有する。
【0052】
アミロースは、α(1→4)結合を介して互いに結合させられるD−グルコピラノースユニットからなる。
【0053】
イヌリンは、β(1→2)−D−フルクトフラノースユニットからなる。
【0054】
アガロースは、β(1→4)−D−ガラクトピラノースユニットとα(1→3)3,6−アンヒドロ−L−ガラクトピラノースユニットとの交互結合からなる。
【0055】
カラギナンは、β(1→4)−D−ガラクトピラノースユニットとα(1→3)3,6−アンヒドロ−D−ガラクトピラノースユニットとの交互結合からなり、1〜3個の硫酸基を有する(それぞれ、κ、ιおよびλカラギナン)。
【0056】
得られたカルボキシル化ポリマーは、非常に多種多様な特性を有し、これは、単独あるいは2以上のポリサッカロイドを有する集合体の形態で用いられ得る多くの適用において非常に興味深いものであることを意味する。
【0057】
それらは非常に重要であるが、特に以下において重要である。
【0058】
・食品産業−増粘剤、分散、エマルジョンおよび懸濁の安定剤として、低カロリー食品、または低脂肪または低コレステロール食品のための界面活性剤として;
・塗料、紙または織物産業−充填材(filler)の立体安定剤として;
・農業−農薬用途において;
・医薬産業−薬剤の賦形剤、活性成分または生物分子の放出コントロール剤、軟膏またはクリーム用の担体、腸管輸送剤、歯磨き粉、風味担体として;
・医学、生物医学またはパラメディカル領域(沈殿/アフィニティ吸着によるタンパク質またはウイルスの分離および精製);手術において、これらのポリサッカライドは特に有用であり、例えば、ヒトまたは動物における組織または臓器修繕用の生体吸収性糸および/または布地として有用である;それらは、特に、外科手技の間の支持および2つの臓器間の接着の防止を可能にする;それらはまた、止血性および/または静菌性の特性を有する包帯、布地およびスポンジとして有利である:
・化粧品産業−粘度調整剤およびゲル化剤として、特にゲルとして、または軟膏およびクリームまたは他の化粧品製剤のための担体として、充填材のための安定化剤として;
・特に洗浄剤、化粧品または界面活性処理のために用いられ得るカルシウムイオン等の金属イオンまたは核工業における重金属および放射性元素を錯体化または封鎖するための剤として。
【0059】
本発明の他の特徴および利点は、図1Aおよび1Bおよび図2Aおよび2Bを参照する以下の実施例において明らかになるだろう。
【0060】
(実験1〜5用の機器の説明)
(操作:手順1)
(容器を介するNOの導入)
NOは、最初に、20mlの移送容器Rに事前に装入されており、10℃に維持され、装置Fに挿入される。装置Fは、図1Aに従って複数のバルブを含んでいる。NOを含有するボトル(Air Liquide,参照DR030259)は、10℃の温度に平衡を保っており、装置Fのバルブ(1)に接続されている。装置Fは、窒素流によって前もって完全に乾燥させられ、続いて、0.2MPa(2バール)の窒素圧力下に維持される。この圧力は、NOボトルとの接続がなされる正確な瞬間に解除された。これらの予防措置がとられるのは、NOと、装置Fの管類中のガスおよび液相中に最初に存在する水との間の接触(硝酸を形成するおそれがある)を防止するためである。バルブ(6)は、可撓性テフロン(登録商標)チューブによって、過剰のNOを中和することを目的とする2%w/wの水酸化ナトリウムのフラスコに接続される。ボトルが容器Rより上であり、かつ、NOが重力によって流れることができるようにして組み立てが行われる。ボトル上のバルブが開にされた後、バルブ(1)、(3)、(4)、(5)および(6)が開にされる。水酸化ナトリウムを含有するフラスコへのガスの解放が次いで観察される。バルブ(6)の開は、NOがフラスコを通過する際にこれが効率的に壊されるようなレベルにガスの解放を維持するように制御される。装置はこうしてNOガスにより1分にわたりパージされる。この期間の後、バルブ(5)および(6)は閉にされ、系は、平衡を保つことを可能にされ、NOは、ボトルから容器に流れ、容器において完全に凝結することを可能にされる。15分後、バルブ(3)および(4)は閉にされ、容器およびバルブ(4)および(5)によって形成されたアセンブリーEを維持しながら容器は接続を解除される。アセンブリーEは、前もって風袋を計られ、容器内部に存在するNOの量が測量によって測定された。
【0061】
NOを反応器に導入するために以下の手順が続けられた(図1B)。
【0062】
バルブ(1’)および(2’)は互いに接続されており、かつ、開になっており、超臨界状態(40℃および8MPa(80バール))のCOが、最初に、反応器に充填される。次いで、アセンブリーEが、略図2による反応器のCO供給回路上のバルブ(1’)と(2’)との間に挿入され、バルブ(1’)および(2’)は閉にされる。バルブ(2’)が開にされ、続いて、バルブ(5)が開にされ、圧力は、容器Rと反応器との間で平衡を保つ。結果として生じる圧力7.5MPa(75バール)は、マノメータPrによって測定される。他の側では、マノメータPpによって測定される設定圧力9MPa(90バール)が達成されるまでポンプが作動させられる。バルブ(1’)および(4)が次いで開にされ、COは、ポンプから反応器に流れ、全てのNOが反応器に移動し得る。反応器内側で圧力が9MPa(90バール)に達する時に、全てのNOが移動したと考えられ、バルブ(2’)が閉にされる。反応器は、2つのサファイヤ窓を備えている。該サファイヤ窓は、さらに、反応媒体が実際にNOの特徴的な赤色を確認することを可能にする。
【0063】
(反応器の説明)
250mL容積を有する316Lステンレス鋼反応器がParr Industrieによって提供された(Pmax=30MPa(300バール)、tmax=150℃)。それはサーモスタット制御され、2つのサファイヤ窓を備え、マグネティックスターラを備えている。孔あけされたテフロン(登録商標)プレートが内側に置かれ、これは、反応器内に2つの区画を画定することを可能にする。下部Aは、マグネテッィクバーが回転することを可能にする。上部Bにサンプルが置かれる。COを加圧するためのポンプは、Top Industrieの圧縮空気ピストンポンプ(参照:090210000,Pmax=60MPa(600バール))である。
【0064】
(操作:手順2)
(反応器の説明)
手順1と同一の、250mlの容積を有する316Lステンレス鋼反応器が用いられる。
【0065】
(操作)
サンプルが反応器(図2B)に装填され、COまたは圧力下のガスの入口バルブ(V1)および(V2)が開にされ、背圧レギュレータDが出口(TESCOM参照:26-1700,トレーサーカートリッジを有する)に配置されるようにし、不活性ガス流量によって反応器中に含有される空気を一掃する。次いで、背圧レギュレータ(back-pressure regulator)は閉にされ、作動温度および圧力の圧縮流体で反応器を装填する。圧縮流体がCOであるならば、作動圧力達成するためにピストンポンプ(TOP INDUSTRIE 参照.0902 10000、Pmax=60MPa(600バール))が用いられる。圧縮流体が圧縮ガス(窒素またはアルゴン)であるならば、反応器は、緩衝保留(buffer reserve)としてのバルブ(V5)および(V6)の間の管を用いて順次満たされ、ボトルと反応器との間の直接的な接触を防止する。反応器内の圧力は、圧力センサ(Pr)によって制御される。次いで、所望量のNOが、下記に記載される注入装置によって反応器に導入され、バルブ(V4)は開にされる。
【0066】
(NO注入手順)
NOは、図2Aに提示された圧力下での注入用のモジュール(TOP INDUSTRIE 参照:1644 1000)によって反応器に導入される。この注入モジュールは、圧力増幅器であり、注入圧力は、注入圧力の8分の1に等しい圧縮空気の反対圧力によって調節され、この比は、最初にNO、二番目に圧縮空気を含むシリンダーの断面積の比に相当する。NOボトル(Air Liquide,参照.DR 030259)は、バルブ(V1’)、(V3’)および(V4’)によって注入器に接続されている。NOを含有する注入器の区画は、NOが液体の状態であるように約13℃に維持され、その後に反応器に注入される。NO区画の総容積は、50mlに等しく、注入される実際の容積は、注入ピストンの変位を読み取ることによって分かる。注入器は、バルブ(V1’)、(V3’)および(V4’)(ボトル−注入器の接続)を開にすることによって満たされ、利用されるNOの量は、二次的圧縮空気回路(バルブ(V7’)および(V8’)開、バルブ(V6’)および(V9’)閉)によって制御される。バルブ(V1’)、(V3’)および(V4’)が閉にされバルブ(V5’)が開にされる間に圧力下での所望量のNOの酸化反応器への移動が行われ、バルブ(V6’)および(V9’)を開にし、バルブ(V7’)および(V8’)が閉にされることによって制御される。管および注入器の予備乾燥およびパージを可能にする窒素不活性化回路は、注入装置アセンブリー上に提供される。
【0067】
(洗浄手順)
反応の終了時に、酸化されたサンプルは、超臨界COによる希釈によって洗浄される。その後、バルブ(V1)および(V4)が開にされ、背圧レギュレータDは、洗浄するための所望の圧力(一般的には9〜10MPa(90〜100バール))に調節される。背圧レギュレータは、上流圧力レギュレータであり、したがって、反応器内に一定の圧力を確実にすることを可能にする。背圧レギュレータは、反応器の圧力出口の流れの圧力が大気圧に低減させられる場合に起こり得るドライアイスの形成を避けるために加熱される。この洗浄は、反応器内に存在する化合物の大部分を除去することを可能にする。反応器は、次いで、一定温度を維持するようにゆっくりと圧力解除される。
【0068】
(手順1の操作により行われる実施例1〜5)
(実施例1)
2.90gのTENCELL(登録商標)繊維が反応器(図1B)の区画B内に配置された。これは、次いで、超臨界二酸化炭素(40℃および8MPa(80バール))で満たされた。次いで、手順1に従い33gの二酸化窒素が反応器に導入された。反応は、40℃および9MPa(90バール)で攪拌しながら4時間にわたり行われた。用いられた反応条件およびCO/NO比は、発泡液相を規定した。温度および圧力が維持され、洗浄は、超臨界条件下のCOにより行われた。加圧解除は、温度を一定に維持するために十分に遅い。反応器が開にされた後、処理された繊維が取り出され、水:イソプロパノール(1:1)混合物により3回、水を除去するために高純度イソプロパノールにより2回洗浄された。サンプルは、インキュベータにおいて60℃で3時間にわたり乾燥させられた。3.15gの酸化セルロースが回収され、これは、依然として白色繊維の外観を有していた。
【0069】
(酸化度の測定)
200mgのセルロースが、2mlの0.5M NaOHに溶解させられ、8mlの水により希釈された。溶液は、0.05M HClの標準溶液により指示薬としてフェノールフタレインを用いて中性に滴定された。ブランクは、セルロースの添加なしで実現された。このようにして測定されたカルボン酸含有量は14%であった。
【0070】
(実施例2)
3.29gのTENCELL(登録商標)繊維および2.2gのレーヨン(登録商標)繊維が別々に反応器(図1B)の区画Bに配置された。これは、次いで、超臨界二酸化炭素(40℃および8MPa(80バール))により満たされた。次いで、手順1に従い33gの二酸化窒素が反応器に導入された。反応は、40℃および9MPa(90バール)で攪拌しながら5時間にわたり行われた。用いられた反応条件およびCO/NO比は、発泡液相を規定した。反応の終了時に、反応器内に漏れ流量を生じさせる一方で、同時に、加圧下の高純度COを提供するポンプによって圧力を維持することによって反応器の「希釈洗浄」が行われた。加圧解除の後、処理された繊維が反応器から取り出され、水:イソプロパノール(1:1)混合物により3回、次いで、水を除くために高純度イソプロパノールにより洗浄された。TENCELL(登録商標)繊維について16%およびレーヨン(登録商標)繊維について17%のカルボン酸含有量を有する白色の均一繊維状物質がこうして回収された。
【0071】
(実施例3)
3.1gのTENCELL(登録商標)繊維、2.7gのレーヨン(登録商標)繊維および1.5gのSpontex(登録商標)スポンジ片が別々に反応器(図1B)の区画Bに配置された。これは、次いで、超臨界二酸化炭素(40℃および8MPa(80バール))で満たされた。次いで、手順1に従い33gの二酸化窒素が反応器に導入された。反応は、40℃および9MPa(90バール)で攪拌しながら7時間にわたり行われた。用いられた反応条件およびCO/NO比は、発泡液相を規定した。反応終了時に、反応器内に漏れ流量を生じさせる一方で、同時に、圧力下の高純度COを提供するポンプによって圧力を維持することによって反応器の「希釈洗浄」が行われた。加圧解除の後、白色の処理済み繊維が反応器から取り出され、水:イソプロパノール(1:1)混合液により3回、次いで、水を除くために高純度イソプロパノールにより洗浄された。
【0072】
カルボン酸含有量は、TENCELL(登録商標)繊維については17%、レーヨン(登録商標)繊維については18.5%およびスポンジについては17%である。
【0073】
(実施例4)
4.05gのTENCELL(登録商標)繊維、2.9gのレーヨン(登録商標)繊維および1.3gのSpontex(登録商標)スポンジ片が反応器(図1B)の区画Bに配置された。これは、次いで、超臨界二酸化炭素(40℃および8MPa(80バール))により満たされた。次いで、手順1に従い33gの二酸化窒素が反応器に導入された。反応は、40℃および9MPa(90バール)で攪拌しながら2.2時間にわたり行われた。用いられた反応条件およびCO/NO比は、発泡液相を規定した。反応の終了時に、反応器内に漏れ流量を生じさせる一方で、同時に、加圧下の高純度COを提供するポンプによって圧力を維持することによって反応器の「希釈洗浄」が行われた。加圧解除の後、処理された繊維が反応器から取り出され、水:イソプロパノール(1:1)混合物により3回、次いで、水を除くために高純度イソプロパノールにより洗浄された。カルボン酸含有量は、TENCELL(登録商標)繊維については11%、レーヨン(登録商標)繊維については12%であり、スポンジについては11%である。TENCELL(登録商標)およびレーヨン(登録商標)繊維は白色である。
【0074】
類似の結果(制御された酸化)が天然織物繊維(綿、亜麻等)により得られた。
【0075】
(実施例5)
実施例4と同一の条件下での方法を行うことによってレーヨン(登録商標)布地(異なる織り方およびメッシュ)の酸化が行われた。得られた酸化布地は、γ放射線によって滅菌された。そのカルボン酸含有量は12%であった。
【0076】
(実施例6)
1.4gのレーヨン(登録商標)繊維および1.5gの綿くず(cotton linter)が反応器(図2B)の区画B内に配置された。これは、次いで、二酸化炭素(42℃および10MPa(100バール))により満たされた。次いで、手順2に従い33gの二酸化窒素が反応器に導入された。反応は、42℃および10MPa(100バール)で攪拌しながら15時間にわたり行われた。用いられた反応条件およびCO/NO比は、発泡液相を規定した。反応の終了時に、サンプルは洗浄され、実施例2と同一条件下に処理された。カルボン酸含有量は、レーヨン(登録商標)繊維については15.9%、綿くずについては6.4%である。
【0077】
(実施例7)
2.9gのレーヨン(登録商標)繊維が反応器(図2B)の区画B内に配置された。これは、次いで、二酸化炭素(40℃および7.5MPa(75バール))により満たされた。次いで、手順2に従い2.5gの二酸化窒素が反応器に導入された。反応は、40℃および7.5MPa(75バール)で攪拌しながら4時間にわたり行われた。用いられた反応条件およびCO/NO比は、圧縮ガス相を規定した。反応の終了時に、サンプルは洗浄され、実施例2と同一の条件下に処理された。10%のカルボン酸含有量を有する均一な繊維状物質がこのようにして回収された。
【0078】
(実施例8)
1gのレーヨン(登録商標)繊維が反応器(図2B)の区画B内に配置された。これは、次いで、二酸化炭素(40℃および7.5MPa(75バール))により満たされた。次いで、手順2に従い2.5gの二酸化窒素が反応器に導入された。反応は、40℃および7.5MPa(75バール)で攪拌しながら15時間にわたり行われた。用いられた反応条件およびCO/NO比は、圧縮ガス相を規定した。反応の終了時に、サンプルは洗浄され、実施例2と同一の条件下に処理された。15.9%のカルボン酸含有量を有する均一な繊維状物質がこのようにして回収された。
【0079】
(実施例9)
3gのレーヨン(登録商標)繊維が反応器(図2B)の区画B内に配置された。これは、次いで、二酸化炭素(34℃および9.5MPa(95バール))により満たされた。次いで、手順2に従い33gの二酸化窒素が反応器に導入された。反応は、34℃および9.5MPa(95バール)で攪拌しながら4時間にわたり行われた。用いられた反応条件およびCO/NO比は、発泡液相を規定した。反応の終了時に、サンプルは洗浄され、実施例2と同一の条件下に処理された。10%のカルボン酸含有量を有する均一な繊維状物質がこうして回収された。
【0080】
(実施例10)
3.4gのレーヨン(登録商標)繊維が、反応器(図2B)の区画B内に配置された。これは、次いで、二酸化炭素(23℃および8.5MPa(85バール))により満たされた。次いで、手順2に従い68gの二酸化窒素が反応器に導入された。反応は、23℃および8.5MPa(85バール)で攪拌しながら4時間にわたり行われた。用いられた反応条件およびCO/NO比は、発泡液相を規定した。反応の終了時に、サンプルは洗浄され、実施例2と同一の条件下に処理された。3.2%のカルボン酸含有量を有する均一な繊維状物質がこうして回収された。
【0081】
(実施例11)
2.9gのレーヨン(登録商標)繊維が、反応器(図2B)の区画B内に配置された。これは、次いで、超臨界二酸化炭素(60℃および100バール)により満たされた。次いで、手順2に従い33gの二酸化窒素が反応器に導入された。反応は、60℃および10MPa(100バール)で攪拌しながら4時間にわたり行われた。用いられた反応条件およびCO/NO比は、発泡液相を規定した。反応の終了時に、サンプルは洗浄され、実施例2と同一の条件下に処理された。18.6%のカルボン酸含有量を有する物質がこうして回収された。
【0082】
(実施例12)
3gのレーヨン(登録商標)繊維が、反応器(図2B)の区画B内に配置された。これは、次いで、二酸化炭素(42℃および18MPa(180バール)により満たされた。次いで、手順2に従い33gの二酸化窒素が反応器に導入された。反応は、42℃および18MPa(180バール)で攪拌しながら4時間にわたり行われた。用いられた反応条件およびCO/NO比は、発泡液相を規定した。反応の終了時に、サンプルは洗浄され、実施例2と同一の条件下に処理された。11%のカルボン酸含有量を有する均一な繊維状物質がこうして回収された。
【0083】
(実施例13)
3.2gのレーヨン(登録商標)繊維が、反応器(図2B)の区画B内に配置された。これは、次いで、超臨界二酸化炭素(41℃および9.5MPa(95バール))により満たされた。次いで、手順2に従い52gの二酸化窒素が反応器に導入された。反応は、41℃および9.5MPa(95バール)で攪拌しながら4時間にわたり行われた。用いられた反応条件およびCO/NO比は、発泡液相を規定した。反応の終了時に、サンプルは洗浄され、実施例2と同一の条件下に処理された。14.4%のカルボン酸含有量を有する均一繊維状物質がこうして回収された。
【0084】
(実施例14)
1.65gのレーヨン(登録商標)繊維および0.91gの綿くずが、反応器(図2B)の区画B内に配置された。これは、次いで、超臨界二酸化炭素(40℃および5.7MPa)により満たされた。次いで、手順2に従い2.5gの二酸化窒素が反応器に導入された。反応は、40℃および5.7MPaで攪拌しながら4時間にわたり行われた。用いられた反応条件およびCO/NO比は、圧縮ガス相を規定した。反応の終了時に、サンプルは洗浄され、実施例2と同一の条件下に処理された。レーヨン(登録商標)については11%、綿くずについては4%のカルボン酸含有量を有する均一な繊維状物質がこうして回収された。
【0085】
(実施例15)
1.56gのレーヨン(登録商標)繊維および1.02gの綿くずが、反応器(図2B)の区画B内に配置された。これは、次いで、圧縮窒素(40℃および8MPa)により満たされた。次いで、手順2に従い2.5gの二酸化窒素が反応器に導入された。反応は、40℃および8MPaで攪拌しながら4時間にわたり行われた。用いられた反応条件およびN/NO比は、圧縮ガス相を規定した。反応の終了時に、圧力下に窒素を導入する一方で、同時に、漏れ流量を維持することによって希釈洗浄が行われた。次いで、洗浄は、実施例2と同一の条件下にイソプロパノール:水の混合物により行われた。レーヨン(登録商標)については14%、綿くずについては6%のカルボン酸含有量を有する均一な繊維状物質がこうして回収された。
【0086】
(実施例16)
1gのレーヨン(登録商標)繊維が、反応器(図2B)の区画B内に配置された。これは、ついで、圧縮アルゴン(40℃および7.5MPa)により満たされた。次いで、手順2に従い2.5gの二酸化窒素が反応器に導入された。反応は、40℃および7.5MPaで攪拌しながら4時間にわたり行われた。用いられた反応条件およびAr/NO比は、圧縮ガス相を規定した。反応の終了時に、反応器内に漏れ流量を生じさせる一方で、同時に、圧力下の高純度アルゴンを提供するポンプによって圧力を維持することによって反応器の「希釈洗浄」が行われた。次いで、洗浄が、実施例2と同一の条件下にイソプロパノール/水の混合物により行われた。14.4%のカルボン酸含有量を有する均一な繊維状物質がこうして回収された。
【0087】
(実施例17)
3.01gのグルコマンナン(参照.M1HCO,Kalis,フランス)が、ビーカー内に配置された。ビーカーは、マグネティックバーを含み、テフロン(登録商標)膜の手段によってシールされた。このビーカーは、反応器(図2B)の区画B内に配置された。これは、次いで、超臨界二酸化炭素(40℃および7.5MPa)により満たされた。次いで、手順2に従い5gの二酸化窒素が反応器に導入された。反応は、40℃および7.5MPaで攪拌しながら4時間にわたり行われた。用いられた反応条件およびCO/NO比は、発泡液相を規定した。反応の終了時に、サンプルは洗浄され、実施例2と同一の条件下に処理された。7.8%のカルボン酸含有量を有する均一な粉体状物質がこうして回収された。
【0088】
(実施例18)
3.15gのジャガイモでんぷん(Roquette,フランス)が、ビーカー内に配置された。ビーカーは、マグネティックバーを含み、テフロン(登録商標)膜の手段によってシールされた。このビーカーは、反応器(図2B)の区画B内に配置された。これは、次いで、超臨界二酸化炭素(40℃および7.5MPa)により満たされた。次いで、手順2に従い5gの二酸化窒素が反応器に導入された。反応は40℃および7.5MPaで攪拌しながら4時間にわたり行われた。用いられた反応条件およびCO/NO比は、発泡液相を規定した。反応の終了時に、サンプルは洗浄され、実施例2と同一の条件下に処理された。8.1%のカルボン酸含有量を有する均一な粉体状の物質がこうして回収された。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】図1は、ポリサッカライドの酸化のために用いられる設備の要素の説明である。
【図2】図2は、ポリサッカライドの酸化のために用いられる設備の要素の説明である。
【図1A】

【図1B】

【図2A】

【図2B】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化剤を用いる、フリーの1級水酸基−CHOHを含有するオリゴ−および/またはポリサッカライドの制御された酸化方法であって、
酸化反応は、用いられる酸化剤に対して不活性である圧縮流体中で行われることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記流体は不活性ガスであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記不活性ガスは、希ガス、CO、単体窒素、ペルハロゲン化ガスおよびこれらの混合物から選ばれることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記不活性ガスは、CO、単体窒素、アルゴンおよびこれらの混合物から選ばれることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記流体は、圧縮ガス相の形態であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
前記流体は、発泡液相の形態であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
不活性ガス(単数種または複数種)は、他の液体共溶媒との混合物として用いられることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1つに記載の方法。
【請求項8】
酸化剤は、二酸化窒素、すなわち、NO、Nダイマーまたはこれらの混合物であり、必要に応じて酸素の存在下に用いられることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
操作は、閉鎖系において、圧力下に、20〜60℃程度、特には約20〜40℃の温度で、2〜40MPa(20〜400バール)程度、特には約6〜18MPa(60〜180バール)の圧力下に行われることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の方法。
【請求項10】
ポリサッカライドは、閉じられた反応器内に配置され、該反応器は、次いで、不活性圧縮流体により満たされることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の方法。
【請求項11】
酸化剤は、酸化されることが望まれるCHOHの量に対して過剰に用いられる特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載の方法。
【請求項12】
反応の終了時に、反応器内に漏れ流量を生じさせる一方で、同時に、作動圧力と同一のレベル以上に圧力を一定に維持することによってNOは除去されることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1つに記載の方法。
【請求項13】
セルロース、でんぷんまたはグルコマンナンをポリサッカライドとして使用すること特徴とする請求項1〜12のいずれか1つに記載の方法。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1つに記載の方法によって得られるカルボキシル化ポリサッカライド。
【請求項15】
セルロースの場合に25.5%までにわたる可変の質量%のカルボン酸含有量を示すことを特徴とする請求項14に記載のポリサッカライド。
【請求項16】
食品産業において、塗料、紙または織物産業において、農業において、医薬産業において、医学、生物医学またはパラメディカル領域において;手術において、化粧品産業において、および、金属イオン、重金属および核産業における放射性元素を錯体化または封鎖するための剤としての、請求項14または15に記載のポリサッカライドの適用。
【請求項17】
前記カルボキシル化ポリサッカライドは、ヒトまたは動物用の組織または臓器修繕のための生体吸収性糸および/または布地として用いられることを特徴とする請求項16に記載の適用。
【請求項18】
前記カルボキシル化ポリサッカライドは、止血性および/または静菌静特性を有する、包帯、圧定布、布地およびスポンジとして用いられることを特徴とする請求項16に記載の適用。

【公表番号】特表2008−508387(P2008−508387A)
【公表日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−523121(P2007−523121)
【出願日】平成17年7月29日(2005.7.29)
【国際出願番号】PCT/FR2005/002002
【国際公開番号】WO2006/018552
【国際公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【出願人】(500049369)サーントゥル ナシオナル ドゥ ラ ルシェルシュ シャーンティフィク (14)
【出願人】(503095376)アンスティテュ ナシオナル ポリテクニク ドゥ トゥールーズ (4)
【Fターム(参考)】