ポリプロピレンから作られた柔軟性チューブおよびそのチューブの製造方法
本発明は柔軟性チューブに係るものであり、スカート(1)および排出ヘッド(2)からなり、応力を加えたときの亀裂に対し耐久性があり、水バリアを形成する。本発明によると、チューブ壁はポリプロピレン類に属する少なくとも1つの第一重合体から作られている。ヘッドから遠位にあるスカート(1)の端(121)から、チューブの排出口(3)を形成しているネック(4)の端(121)に至る長さの中間地点での壁の厚みは0.30〜1.00mmである。断面係数は700〜80MPaであり、壁を構成する成分の断面係数は、最大分散の法則に従って選択される。上記のチューブは、特に化粧品および薬品の糊状の物質といった全ての製品の保存に適用される。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は一般的に、応力を加えたときの亀裂に対し耐久性があり、水蒸気バリアを形成する柔軟性チューブおよびその製造方法に係る。
【0002】
より正確には、本発明の第一の特徴は、応力を加えたときの亀裂に対し耐久性があり、水バリアを形成し、軸方向に伸びる柔軟なスカート、少なくとも1つの排出口を含むヘッド、排出口の放射状の伸びを形成し、また軸方向に伸びるスカートと結合するネック、一体となった組み立て体を形成する少なくともスカートおよびネック、C2〜C10単量体から生成されたオレフィン共重合体類に属する少なくとも1と等しい「n」個の重合体の混合物からなるチューブ壁から基本的に構成されていることである。
【0003】
前述の一般的な説明の中にある「混合物」という言葉は、最大限に広義に解釈されるものであり、また単一重合体からなる物質を含んでいる。この物質は、上記と同じ重合体の補完的な断片の混合物から形成されていると常に考えられている。
【0004】
歯磨き粉、薬品、化粧品、食品、衛生用品、脂肪および脂肪分の多い物質、パテ、および糊といった糊状の製品は、柔軟性のあるチューブ類に包装することがしばしば提案されている。これらのチューブは、円形、楕円形、あるいはそれ以外の形状の一定の切断面を有するチューブ状のボディからなる。以後「スカート」と称されるものを形成するチューブ状のボディは、ヒートシールによって密閉された第一の端と、その反対に位置する第二の端を有しており、該スカートに含まれるディスペンスヘッドを形成するように作られている。このディスペンスヘッドは、らせん式、スナップ式、あるいは「標準」キャップタイプまたは「サービス」キャップタイプと称されるものや、また他のタイプのキャップ手段を有している。
【0005】
一般原則として、チューブに糊状の内容物を充填してからチューブの第一の端をヒートシールする。
【0006】
該チューブの容量が重要な特徴の1つである。断面が一定の円状をなすチューブの具体例を挙げると、そのチューブの容量はスカート丈およびスカートの直径、つまりスカートの円状の断面の直径によって決定する。
【0007】
チューブから製品を絞り出す場合、ユーザがチューブ壁を押し、チューブが空になったときには壁が変形して折り目ができるということが、ますます指摘されてきている。
【0008】
従ってチューブのスカートは柔軟性のある物質から作られていなければならず、この物質はヒートシール適性を有していなければならない。また該物質は、応力を加えたときの亀裂に対して耐久性があり、水蒸気に対する不透水性があり、またチューブ中の製品あるいは、いわゆる「交差」汚染、すなわちチューブ外面の汚染物質による影響で、時間の経過と共に黄ばむことがないという特徴を有し、チューブに充填されている製品の互換性に関する仕様に対応していなければならない。
【0009】
上記の基準に対応したチューブは一般的に、組み立てあるいは、射出成型されたディスペンスヘッドおよび押し出しによって作られたスカートの鋳型を挿入することで生産される。射出ブロー成形と称される別の方法もあるが、ほとんど使われず、また費用もかかる。この方法は、鋳型のインプレッションを、該鋳型のヘッドの射出へ連続的に移動させてスカートを形成する工程からなる。最後に、スカートおよびディスペンスヘッドは、一回の工程で射出成型される。
【0010】
上記の射出方法で成型したチューブには多くの利点がある:該方法によると、複数の工程を一回の工程で済ませることができる;形状に大幅に自由度が与えられ、チューブのネックとスカートとの間の硬い溶接部を取り除くことができる、つまりはユーザにとっての不快要素を取り除くことができる。
【0011】
射出方法を用いて柔軟性チューブを成型するにあたって使用する第一重合体はポリエチレンである。
【0012】
射出方法を用いて柔軟性チューブを成型するにあたって最初に直面する困難とは、応力を加えたときの亀裂に対する耐久性と、ポリエチレンを使用する際の重合体の粘着性との強力な相互関係である。
【0013】
応力を加えたときの亀裂とは、重合体上の界面活性剤の物理化学的な攻撃の現象である。この現象は、重合体に生じる微小な亀裂から壁の破裂までを指す。破裂が起こる危険性は、特にヒートシールされた端近傍で高い。
【0014】
チューブに充填された製品は、ある程度の界面活性剤を含んでいるため、壁の亀裂あるいは破裂の原因となりうる。
【0015】
応力を加えたときの亀裂に対する物質の耐久性を示すためには、後述の方法でチューブを試験する。
【0016】
0.3%の界面活性溶液である、例えばIGEPAL CO 630あるいはエトキシ・ルノニルフェノールを蒸留水に溶かして該チューブを満たし、一端をヒートウェルディングで密閉する。その後、該チューブを55℃のオーブンに24時間放置する。オーブンから取り出した後、指示者の仕様に準じてチューブに2〜4.5バールの応力を2〜10秒加える。チューブをオーブンから取り出したとき、ヒートシール部でのいかなる漏れも、そして壁の亀裂あるいは裂開もあってはならない。
【0017】
応力を加えたときの亀裂に関する仕様に対応した該ポリエチレンは、高度な粘性を有している。
【0018】
上記の高度な粘性を有する重合体を射出するためには、製造業者はチューブ壁を厚くすることになる。
【0019】
下記の表1は、ISO 1133に準じて測定したメルトフローインデックス(MFI)が5g/10mnであるポリエチレンを射出する物質として使用したときの必要射出圧力とチューブ壁との関係を2つのチューブを使用して例証したものである。
【0020】
1つ目のチューブは、直径19mm、スカート丈56mm、容量5〜9ml、
2つ目のチューブは、直径35mm、スカート丈125mm、容量75ml。
【0021】
【表1】
【0022】
仮に、グレード5の重合体、容量75mlおよびスカート丈125mmのチューブ、そして壁の厚みが0.6mmおよび0.7mmであるときに射出圧力を加えることは不可能である。選択した圧力を加えるとどちらの結果も、剪断速度の限界を超えたことによる物質の破壊、鋳型の非充填、経路での物質の凝固、限界温度を超えたことによる物質の破壊に至る。
【0023】
一般原則として、ポリエチレンは小型および中型サイズのチューブにはより適しており、物質の粘性が高度であることで増す壁の厚みに制限を加えることができる。
【0024】
プロピレンを基材とした混合物を使用することによって、上記の問題を解決することができる。それは一般的にポリプロピレンのメルトフローインデックスが比較的高く、またメルトフローインデックスが比較的高い場合においても、応力を加えたとき亀裂に対するの耐久性が許容範囲内であるからである。
【0025】
ポリプロピレンを使用するにあたっての主な障壁は、その硬さにある。一般的にポリプロピレンはポリエチレンよりもはるかに硬いため、柔軟性チューブの成型への使用には制限が加わってしまう。
【0026】
相関的にポリプロピレンは、折り目を記憶して、また折り目を消す。またポリプロピレンの硬度が高すぎる場合には、強い刺激臭を放つ。
【0027】
第2の障壁は、ポリプロピレンの水バリアに関する特性が低く、柔軟性チューブのスカートの成型に通常用いられるポリエチレンに比べて、一般的に低い。
【0028】
国際特許出願WO 01/68355には、射出方法で成型された柔軟性チューブおよび、ポリエチレンあるいはその混合物からなる壁について記載されている。上記のチューブは特定の条件下で仕様を確認することができるが、上記の重合体を使用することによって、チューブ壁の硬度が過度に高いあるいは不浸水性が低い、さらにチューブが射出されないという状況に制限が加えられることになる。
【0029】
欧州特許EP 0 856 473には包装について記載されている。特に、射出方法で成型され、壁はプロピレン・ホモ重合体および、プロピレンとエチレンとの共重合体の混合物からなるチューブについて記載されている。
【0030】
上記の解決策は、提示されている選択に対して限定的であり、かつチューブ壁の硬度および水バリアについては何ら定義していない。一方でこれら2つの制約が矛盾しているため、ポリポリプロピレンを使用することで惹起される本質的な問題が生じている。
【0031】
前述のEP 0 856 473は、提示した物質の使用を産業化する際の障害については触れていない。
【0032】
このような状況から本発明は、壁が柔軟であってかつ効果的な水バリア効果を有するチューブを提案するものである。
【0033】
本発明に係るチューブは上記の目的を達成するために、前述した一般的定義に従い、基本的に以下の特徴を有する:
軸方向に沿って、ヘッドから遠位にあるスカートの端から、排出口を形成しているネックの端までの長さの中間地点では、壁の厚みは0.30〜1.00mmであり、
混合物中の少なくとも1つの重合体はポリプロピレン類に属し、
チューブ壁を構成する混合物の曲げ弾性率は規格NF EN ISO 178に準じて700〜80MPa、望ましくは500〜120MPaであり、
各重合体の曲げ弾性率は規格NF EN ISO 178に準じており、「n」重合体はその曲げ弾性率μiが低下していく順番によって混合物中で分類され、これに従って各重合体には一般的にランク「i」がつけられ、これによって硬度が最高である最初の重合体(i=1)と硬度が最低である最後の重合体(i=n)との間に該重合体が配置され、上記の各重合体は該混合物の総重量に対してxiパーセントの重量で該混合物に含まれており、該混合物の曲げ弾性率の分散係数Kdが、ポリエチレンを含むか否かによって3あるいは2.2未満であり、望ましくはポリエチレンの有無に関わらず2未満であり、さらに望ましくは1.5未満であり、上記の分散係数Kdは以下のように定義される:
【0034】
【数1】
【0035】
ここで、
【0036】
【数2】
【0037】
であり、またここで
【0038】
【数3】
【0039】
上記の方程式は、以下の関係によって示される表記方法の規則を使用して明確に解釈されるものとする:
【0040】
【数4】
【0041】
第一重合体は、プロピレンとエチレンとの共重合体であってもよい。
【0042】
具体的には、上記の第一重合体はプロピレンとエチレンとの異相ポリプロピレン共重合体である。
【0043】
硬度が最高である重合体の曲げ弾性率は都合よく850MPa未満であり、従って該チューブ壁を構成する混合物は強力な水バリアを有する
上記の第一重合体の曲げ弾性率は500MPa未満であってもよい。
【0044】
例えば、上記の混合物は少なくとも1つの第二重合体を含んでいる。
【0045】
上記の例において、該第二重合体の曲げ弾性率は70MPaより大きく、また該第二重合体は15%と85%との間、望ましくは25%と75%との間の混合物に含まれている。
【0046】
上記の第二重合体の曲げ弾性率は、70MPa未満であってもよく、第二重合体は50%未満、望ましくは15%と40%との間の割合で混合物に含まれていてもよい。
【0047】
上記の第二重合体は、エチレンとオレフィンとの線状C4〜C10共重合体でることも可能であり、規格ISO 1133に準じて測定した該第二重合体のメルトフローインデックス(MFI)は3g/10mnと15g/10mnとの間、望ましくは4g/10mnと12g/10mnとの間である。
【0048】
具体的には、上記の第二重合体はエチレンとオクテンとの共重合体であってもよい。
【0049】
上記の第二重合体はポリプロピレン、あるいはプロピレンとエチレンとの異相共重合体であってもよい。
【0050】
上記の第一、および選択的に単一である重合体の曲げ弾性率は、チューブの容量が少なくとも30mlである場合、250MPa未満である。
【0051】
ポリプロピレン類に属し、上記の壁を構成する混合物中に含まれるあらゆる重合体の、規格ISO 1133に準じて測定したそのメルトフローインデックス(MFI)が100g/10mn未満、望ましくは20g/10mn未満であると一般的に都合がよい。
【0052】
本発明に係るチューブの長さは40mmと85mmとの間、あるいは85mmと200mmとの間である。
【0053】
本発明に係るチューブは一般的に、芯およびインプレッションを備えた射出成形鋳型への射出によって得られ、芯自体が中央部を備え、その中央部の自由端が、少なくともチューブのスカートが入射段階の間に、インプレッション上にセンタベアリングするようになっている。
【0054】
芯の中央部の自由端は、供給管を備えており、該チューブが、その射出端で、供給路に対応する少なくともセクターの一部分を形成する頂端壁を有すると都合がよい。
【0055】
上記の例では、セクターを累積した幅が、開口部の軸方向に平行する面と結合するゾーンにおいて、面周囲の少なくとも15%、望ましくは25%に都合よく相当する。
【0056】
上記のセクターの幅は、鋳型の射出部から遠心性の放射方向に沿って、該領域と開口部の面との結合部へと拡大していく。
【0057】
上記排出口の壁は、該領域を超えた部位に位置する輪状のスロットルゾーンを有している。
【0058】
上記排出口の壁は、ネックの端の下方において、軸に対して直角な面に位置する物質の輪によって拡大される。
【0059】
射出成形鋳型の芯の中央部が可動性であって、チューブ端の頂端壁は、可動性の中央部を頂端壁の所望の厚さに対応する距離だけ後方に描いた後に、隙間なく形成されると好適である。
【0060】
該芯の中央部の自由端は、窪んだ円錐形状を有し、インプレッション上のこの自由端の軸受面と長手方向軸(XX’)に対して垂直な面とによって形成される角度γが15°と45°との間、あるいは15°と20°との間である。
【0061】
該芯の中央部の自由端は、突き出した錐台形状を有し、インプレッション上のこの自由端の突き出した錐台の軸受面と、チューブの長手方向軸(XX’)に対して垂直な面とにより形成された角度βが、35°と45°との間である。
【0062】
芯の中央部の自由端は、突き出した錐台に対し内側部分において、窪んだ円錐形形状になっており、インプレッション上のこの自由端の窪んだ円錐の軸受面と該チューブの長手方向軸(XX’)に対して垂直な面とにより形成される角度δが、45°未満、好ましくは15°と20°との間である。
【0063】
ヘッドは、例えばノズルタイプや一体の片落ち管といった固定手段を有しており、このノズルおよび片落ち管は、軸XX’に沿った開口部と一続きになって配置されており、ノズルの頂端壁は片落ち管を形成し、片落ち管開口部は射出によってチューブを成型した後にカットして形成され、この結果、チューブ、ノズル、および片落ち管が一回の工程における射出によって一体となった組み立て体を形成する。
【0064】
上記の一体のノズルが非対称的な筋を有していると好適である。
【0065】
本発明に係るチューブが円錐状のチップを装備したキャップ手段を有していることも可能である。該チップは一体の片落ち管の開口部に入り込み、また該チップによって片落ち管の壁が、開口部近傍の遠心性の放射状の張力下に置かれる。
【0066】
ヘッドは、軸XX’に沿った開口部と一続きに配置されているノズルタイプの一体の固定手段を有していることも可能であり、該チューブおよび固定手段が一回の工程における射出によって一体となった組み立て体を形成する。
【0067】
該チューブはまた、追加の片落ち管タイプのディスペンスタイプまたは追加のノズルチップタイプ、あるいは片落ち管またはノズルチップを形成する追加のノズルタイプの固定手段、あるいはサービスキャップタイプのキャップ方法といった付属品を有していることも可能であり、この付属品は軸XX’に沿った開口部と一続きに配置される。
【0068】
上記の付属品はチムニを有していることも可能であり、開口部内部にチムニを挿入した後、該チムニの外面は軸XX’上の開口部に平行な面と結合する。
【0069】
上記の例において、上記の付属品のチムニによって、開口部の壁が遠心性の放射状の張力下に置かれると都合が良い。
【0070】
上記の付属品は取り外し不可であり、付属品のチムニは円錐の形状をした貫通装置を有しており、また該チムニの外面は貫通装置に対して放射状に埋め込まれている。
【0071】
本発明はまた、スカート、少なくとも1つの排出口を含むヘッド、排出口の放射状の伸びを形成し、スカートと結合するネック、応力を加えたときの亀裂に対し耐久性があり、また水バリアを形成し、かつ一体となった組み立て体を形成する少なくともスカートおよびネックで形成される柔軟性チューブの、以下の工程を含む成型方法にも係る:
C2〜C10単量体から生成されたオレフィン共重合体類に属する少なくとも1と等しい「n」個の重合体の混合物からなるチューブ壁を使用する工程であり、但し少なくとも1つの重合体はポリプロピレン類に属し、また規格NF EN ISO 178に準じて測定した壁を構成する混合物の曲げ弾性率は700〜80MPa、望ましくは500〜120MPaであり、また
インプレッション(7)と芯(6)とを含む射出鋳型へ、上記混合物を一回の工程で射出して該チューブのスカートおよびヘッドを成型する工程であり、但し該芯は、少なくともスカートの射出段階においては、上部の自由端が(11)インプレッション(7)上でセンタベアリング(center-bears)している中央部(10)を含む。
【0072】
前述以外の本発明の特徴および利点は、後述する説明を読み進めるにあたってより明確となる。これは例証するためであって、これに限定されるものではない。参照している添付図面は以下の通りである:
図1および図2は、本発明に係るチューブの第1と第2の例であって、充填する端を密閉した後の正面図である。
【0073】
図3A、3B、3C、および3Dは、図1に示したチューブヘッドの4つの実施形態における断面図である。
【0074】
図4は、射出によってチューブを成型する鋳型の従来技術である。
【0075】
図5は、本発明に係る、射出によってチューブを成型する鋳型である。
【0076】
図6は、本発明に係る、チューブを射出する際の射出フローである。
【0077】
図7は、図5でVIIと記されている部分の透視図を拡大したものである。
【0078】
図8は、本発明の第1の実施形態に係る、チューブの射出に使用する鋳型ヘッドの透視図の概略である。
【0079】
図9は、本発明の第1の実施形態に従って成型され、チューブのスカートの射出段階で得られたチューブのヘッドおよびそれに付随する鋳型部分の、図8の軸IX−IXで切断した断面図である。
【0080】
図9Aは、本発明の他の実施形態に従って成型され、チューブのスカートの射出段階で得られたチューブのヘッドおよびそれに付随する鋳型部分を、図8の軸IX−IXで切断した断面図である。
【0081】
図10は、上記の鋳型のインプレッション上のセンタベアリング(center bearing)に鋳型の芯がある場合、チューブ先端の壁を上から見た図である。
【0082】
図11A、11B、11C、および11Dは、付属品を取り付けた4つの例の断面図である。チューブヘッドは図3A、3B、3C、および3Dに示す実施形態に従っており、ネックは本発明に係るチューブの第1および第2の例に従っている。
【0083】
前述した通り本発明は、軸方向XX’に沿って伸びる柔軟なスカート1、および少なくとも1つの開口部3と1つのネック4とからなり、ネックは開口部の放射状の伸びを形成して軸方向XX’に沿ってスカートに結合し、少なくともスカートおよびネックは、図1、図2、図3A、3B、3C、および3Dに示されている通り一体であるチューブに係るものである。
【0084】
市場に存在しているチューブの容量は通常2〜500mlである。それらチューブの長さと直径の比率は通常で2、5、および6であり、4に近いと好適である。
【0085】
本発明は市場に存在しているチューブのタイプに好適に適用されるものであり、従ってスカート丈と直径の比率が2、5、および6、望ましくは4に近くなるよう留意されている。
【0086】
チューブの容量および、スカート丈と直径の比率によって左右されるため、スカート丈は40〜200mmである。
【0087】
また、この柔軟なチューブに充填される製品は、ある程度の水分を含有している。
【0088】
今日の美容業界では特に、チューブ中の製品は水性の乳剤である傾向が見られる。柔軟な壁を通じて水が蒸発して容量が過度に減少してしまうと、結果としてチューブに充填されているクリームの糊性に変化が生じてしまう。これを防ぐため上記製品の包装は、水蒸気の不透水性に関してますます厳しくなっている基準を満たすものでなくてはならない。透水性は通常、チューブに最初に充填されたクリームの容量に対し、蒸発によって減少したクリームの比率を基準にして測量する。従って容量の減少は比率で表され、これは同時に、壁の水に対する空隙率および蒸発表面、つまりスカートの表面とチューブに充填されたクリームの量との比率とに左右される。
【0089】
不透水性の試験は、事前に内容物を充填して密封しておいたチューブを、各試験によって40〜55℃、一般的には45〜50度のオーブンに入れ、そして試験によって1〜16週間、多くのケースでは2〜8週間放置する工程からなる。
【0090】
クリームのタイプ、チューブのサイズ、チューブに充填されたクリームの容量、仕様で求められているバリア効果、オーブンに暴露する時間、およびオーブンの温度によって、条件が最も緩いケースの容量の減少は、2%、3%、5%、あるいは8%未満でなければならない。
【0091】
例えば5グラムのクリームの重量が5%減少した場合は、水が0.25グラム蒸発したことを意味する。従って直径19mmのチューブを45度のオーブンに8週間暴露することを考慮すると、上記は極めて制限の多い試験である。
【0092】
一般的に、チューブのサイズが小さいほど試験は困難になる。つまりチューブの容量が小さいと、スカート表面の蒸発面とチューブに充填されたクリームの量との比率が高くなる。
【0093】
同様の理由によって、チューブの一部のみが充填されている場合もまた、試験がさらに困難になる。これは蒸発面とチューブに充填されたクリームの量との比率を上昇させてしまうからである。
【0094】
結論として、容量の減少は使用されている材料の特性、つまりその空隙率に第一に関連している。第二に、チューブの内容物(クリーム)と容器(チューブ)との関係に関する一連の特徴に関連している。
【0095】
上記の特徴とは以下の通りである:
容量の減少の目的値は、チューブ製造の依頼主が、チューブ壁の柔軟性あるいは水蒸気バリア効果のどちらを優先するかによって大幅に左右されること、
クリームがチューブに効果的に充填されていること、
スカート表面の蒸発面、
壁の厚み、
容量の減少の試験条件、つまりオーブンへの暴露日数およびオーブンの温度、および
チューブに充填されたクリームの成分。
【0096】
最後に、チューブのスカートは、一般のユーザが壁を押したときに内容物が排出されるような柔軟性を有していなければならない。
【0097】
ポリプロピレンは重合体であり、その曲げ弾性率は射出成型されるチューブに一般的に使用されるポリエチレンのそれよりも通常は高い。規格ISO 178に従って測定される曲げ弾性率は、その化学的構造、そして特に重合体に重合したエチレンの量に関連して、60〜2000MPa、あるいは2500MPaまでと大幅な差がある。
【0098】
壁の空隙率はそのチューブの曲げ弾性率に直接関連しているため、十分な水バリア効果を有するチューブは過度に硬く、また柔軟性チューブは不浸水性が十分でなく、かつ射出が困難である。
【0099】
少なくとも一方がポリプロピレンである重合体からなる物質でチューブが作られている場合、この物質の曲げ弾性率は十分に高いという特性を有しているため、所望する容量の減少と互換性がある不透水性、またチューブの使用に適した柔軟性を有する壁を得るために十分に低い不透水性を得ることができる。柔軟性はまた、壁の厚さおよび構成物質の曲げ弾性率にも関連している。
【0100】
壁を構成する物質がポリプロピレンを基材としたものである場合、可能であれば単一重合体を使用すると好適である。
【0101】
単一の物質を使用することで、使用する重合体の曲げ弾性率は、目標とする柔軟性および容量の減少と正確に一致させることができると推定される。また使用されるポリプロピレンは、チューブの厚みおよび長さによって決定する射出経路への射出が可能であることが必要である。
【0102】
さらに必要なことは、所望の結果を得るために重合体の混合物の別の選択肢を持つことである。
【0103】
生成および試験後の混合物を解析し、以下のような点が観察された:
第一に、チューブに充填された製品の容量の減少は、その壁の曲げ弾性率の変化に対して直線的ではないということである。ポリプロピレンの曲げ弾性率が許容範囲内で最大である場合、その曲げ弾性率はチューブに充填された製品の重量が減少するよりも早く低下していく。より具体的には、1500MPaを超える場合、重合体の曲げ弾性率の上昇は、観察された容量の減少に対して著名な影響を及ぼすことはない。
【0104】
第二に、最も柔軟な重合体の曲げ弾性率が非常に低い場合、および該重合体が同時に高い比率で、特に50%を超える比率で使用される場合、重量は非常に急速に減少していく、ということである。
【0105】
結果として、可能な限り同質である混合物を使用して所望の柔軟性を達成することが望ましい。
【0106】
つまり:
最も硬い重合体の曲げ弾性率は可能な限り低くなくてはならない、
最も柔軟な重合体の曲げ弾性率は可能な限り高くなくてはならない、および
混合物中の異なる構成重合体の比率は可能な限り均衡していなくてはならず、混合物の異なる成分が均衡している場合、その混合物の曲げ弾性率は、混合物を構成する重合体の一般的な曲げ弾性率に対して常に低くなくてはならない。
【0107】
前述した事象を考慮し、多くの混合物を観察した結果、容量の減少を少なくする必要性と、チューブに容易で快適な使用を可能にする柔軟性を持たせる必要性とを折衷させて、それを最大限に利用する法則を見出すことができた。
【0108】
より正確には、単純化するため少なくとも1と等しい整数である「n」個の重合体の混合物に関して、完全に一般的な方法で検討を加える。「混合物」という言葉は、「n=1」であるとき、完全に保障されている。それは、単一重合体からなる物質は例えどのような状況でも、これと同じ重合体の補完的な部分の混合物に匹敵するからである。各重合体は、C2〜C10単量体から生成されたオレフィン共重合体類に属している。
【0109】
軸方向XX’に沿って、ヘッドから遠位にあるスカートの端121から、排出口3を形成しているネック4の端123までの長さHの中間地点において、壁の厚みは0.30〜1.00mmである。
【0110】
混合物中の少なくとも1つの重合体はポリプロピレン類に属し、規格NF EN ISO 178に準じて測定した混合物の曲げ弾性率は700〜80MPa、望ましくは500〜120MPaである。
【0111】
慣例により重合体は、硬度が低下していく順番によって混合物中で分類される。これに従って各重合体にはランク「i」がつけられ、硬度が最高である最初の重合体に対しては1と等しく、硬度が最低である最後の重合体に対しては「n」と等しい。
【0112】
また、ランク「i」の各重合体は、混合物の総重量に対して重量比率がxiである混合物の中に含まれており、規格NF EN ISO 178で定義づけられている重合体の硬度を示す曲げ弾性率を有している。
【0113】
前述した法則には、パラメータあるいは、Kdと表される「分散係数」に対して別の選択肢があり、これは該混合物中の異なる重合体の曲げ弾性率に関連しており、以下のように定義される:
【0114】
【数5】
【0115】
ここで
【0116】
【数6】
【0117】
また、
【0118】
【数7】
【0119】
当業者には明らかなように、「MAX」は最大選択関数を示し、「シグマ」は和の演算記号を示している。後者は、以下の関係で表される表記方法の規則に対応している:
【0120】
【数8】
【0121】
本発明の基本的な特徴に従って、Kdと表される混合物の分散係数は、該混合物がポリプロピレンを含んでいるか否かによって、3あるいは2.2未満である。望ましくはポリプロピレンの有無に関わらず2未満であり、1.5未満であるとさらに都合がよい。
【0122】
従って本発明においては、所望する用途、特に所望する容量の減少幅、チューブのサイズ、チューブの内容物、およびチューブヘッドの形状に、柔軟性および不透水性という特徴を精密に適合できる曲げ弾性率を有する物質の種類を明確にすることができる。
【0123】
また同時に本発明は、曲げ弾性率において、容量の減少を最小限にとどめる混合物の成分を明確にすることができる。
【0124】
また、ポリエチレン(PE)およびポリプロピレン(PP)の曲げ運動は異なるということが発見された。チューブを使用する際の快適さは、チューブ壁の化学的性質ゆえに、チューブ壁の曲げ弾性率に厳密に比例している。しかし壁がPP/PPから作られている(つまり第一および第二の重合体が共にポリエチレンである)場合、PP/PEから作られている(つまり第一重合体がポリプロピレンであり、第二重合体がポリエチレンである)場合、あるいはPE/PEから作られている(つまり第一および第二重合体が共にポリエチレンである)場合のチューブと比較すると、上記は当てはまらない。
【0125】
従って、PEおよびPP成分が異なる2つの物質の曲げ弾性率を比較する場合には注意が必要である。
【0126】
最後に、PPへの単一の添加物としてPEを使用した場合、PP/PE混合物の応力を加えたときの亀裂に対する仕様に対応した耐久性が、PE/PEを選択した場合に比べてより流動的なPEs、例えばメルトフローインデックス(MFI)が15g/10mn、望ましくは12g/10mn、つまり3g/10mn〜15g/10mn、望ましくは4g/10mn〜12g/10mnであるポリエチレンと共に得られる可能性がある。
【0127】
表2は、射出法で成型され、また基材にポリプロピレン類の少なくとも第一の重合体が含まれているチューブの柔軟性および透水性を示している。異なるポリプロピレンの3つの第一重合体で、その内2つは第二の重合体と関連しているものについて結果が示されている。
【0128】
チューブの柔軟性に関する結果は、曲げ弾性率で示されている。透水性に関する結果は、強力なバリア効果を持つチューブの重量の減少を100としたときの相対的な値である。つまり、直径19mm、密閉前のスカート丈56mm、充填されているクリームの容量が5mlであるチューブの重量の減少に関する仕様に対応している。
【0129】
上記の基準値100は、50℃のオーブンに14日間放置したチューブの2%未満の重量減少、あるいは45℃のオーブンに56日間放置したチューブの5%未満の重量減少とほぼ一致している。
【0130】
【表2】
【0131】
*曲げ弾性率:規格NF EN ISO 178に準じて測定した弾性率。この弾性率は、低いあるいは非常に低い弾性率に関しては、重合体製造業者の販売用文書に記載されている数値とは異なることがある。
【0132】
第一重合体:
CLYRELL EC 140 P: プロピレンとエチレンとの異相共重合体であり、表示曲げ弾性率*は規格ISO 178で740MPa、メルトフローインデックス16g/10mn、BASELL社が販売。
ADFLEX X 500 F: プロピレンとエチレンとの異相共重合体であり、表示曲げ弾性率は規格ISO 178で470MPa、メルトフローインデックス7.5g/10mn、密度0.89g/cm3、BASELL社が販売。
ADFLEX C 200 F: プロピレンとエチレンとの異相共重合体であり、表示曲げ弾性率は規格ISO 178で220MPa、メルトフローインデックス6g/10mn、密度0.890g/cm3、BASELL社が販売。
【0133】
第二重合体:
DOXLEX 2035E: エチレン−オクテンとの直線共重合体であり、曲げ弾性率は標準ASTM D638で240MPa、メルトフローインデックス6g/10mn、密度0.919g/cm3、DOW社が販売。
ADFLEX X 100 G: プロピレンとエチレンとの異相共重合体であり、表示曲げ弾性率80MPa、メルトフローインデックス8g/10mn、密度0.890g/cm3、BASELL社が販売。
AFFINITY EG 8200: エチレン−オレフィンとの直線共重合体であり、表示曲げ弾性率は標準ASTM D790で20MPa、メルトフローインデックス5g/10mn、密度0.870g/cm3、DOW社が販売。
EXACT 0210: エチレン−オクテンとの直線共重合体であり、曲げ弾性率は規格ISO 178で65MPa、メルトフローインデックス10g/10mn、密度0.902g/cm3、DEXPLASTOMERS社が販売。
【0134】
前記の「表示」曲げ弾性率は、サプライヤーの文書に記載されているものである。表2で再現されている曲げ弾性率は、規格NF EN ISO 178に準じて測定された弾性率である。
【0135】
粘度指数は、規格ISO 1133に準じてg/10mnで表記されている。
【0136】
表2は、チューブのサイズおよび所望の目的に応じて使用可能である物質の選択の範囲を表している。
【0137】
前述した書類に記載されている、測定された曲げ弾性率および計算された透水性指数は、チューブの容量および任意の壁柔軟性に応じた、所望する最大の容量減少幅の範囲内である、という点にまず着目すべきである。
【0138】
調査した全ての溶剤に関して、壁の柔軟性の上昇および壁の空隙率に起因して生じる容量減少率の増加の関係が確認された、という点もまた事前に着目すべきである。
【0139】
以下の点についてもまた、事前に観察しておかなければならない:
触れたときの柔らかさは、各列内(同成分)にある曲げ弾性率と厳密に反比例し、表2のそれぞれ別の列内(異なる成分)にある混合物からなるチューブの比較と、さらにポリエチレン単独からなる壁とポリプロピレン単独からなる壁との比較は、特に曲げ弾性率が低い場合には注意深く行わなければならない。ほぼ50MPaあるいは100MPa程度の、異なる曲げ弾性率を示す物質からなる2つのチューブは、比較的触感が柔軟である。
【0140】
表2の容量減少は、特定のクリーム、特定のチューブ、および特定の容量の減少を測定する条件(オーブンの温度および試験期間)に対する手引き用として記載されている。
【0141】
従って本発明によって、柔軟性および容量減少の結果に関し、その範囲を保証する特徴の範囲を明確にすることができる。
【0142】
上記の範囲内で得られた結果は、実際にチューブに充填された製品、実際に使われたチューブ、および容量減少に関する契約条件(仕様)を考慮して行われる最終試験で再確認しなければならない。
【0143】
使用する第一重合体はポリプロピレン類に属し、またエチレンとプロピレンとの共重合体であると好適である。
【0144】
エチレンとプロピレンとの共重合体の種類に属し、硬度が最高であるポリプロピレンの場合、混合物中で柔軟性が最も高い重合体の比率を減少させることが可能である。つまり、所望する柔軟性に対して壁の空隙率を減少させることができる。第一重合体はエチレンとプロピレンとの異相共重合体であると最も都合がよい。
【0145】
曲げ弾性率が最も低いプロピレンが発見されたのは、まさしくこのポリプロピレン類中である。
【0146】
表2において、硬度が最高であり、ポリプロピレン類に属する第一重合体は以下の通りである:
タイプn゜1の溶剤中:
表示曲げ弾性率740MPaで、733MPaで測定された曲げ弾性率は850〜500MPaであり、
タイプn゜2の溶剤中:
表示曲げ弾性率470MPaで、399MPaで測定された曲げ弾性率は500MPa未満。
【0147】
タイプn゜1の溶剤から選択した物質を使用し、それを混合させた後の曲げ弾性率が300〜400MPaである場合、ほぼ100〜130程度の容量減少を達成することができる。つまり、強力な水バリアを有する物質を得ることができる、という点が表2を解析することで確認できる。
【0148】
同様に、タイプn゜2の溶剤から選択した物質を使用し、それを混合させた後の曲げ弾性率が150〜300MPaである場合、つまり壁が約0.6mmという厚さにしては非常に柔軟性がある場合、150〜250の容量減少を達成することができる。つまりこの数値は、大型サイズのチューブに使用する物質を限定する範囲内に留まっていない。
【0149】
タイプn゜1(バリア効果を優先)あるいはタイプn゜2(壁の柔軟性を優先)の各溶剤中の第一重合体を、ポリプロピレンまたはポリエチレン類に属する第二重合体を用いて柔軟にした。
【0150】
第二の物質としてポリエチレンを選択した場合、望ましくは応力を加えたときの亀裂に対する耐久性をそのメルトフローインデックスが保障する直線ポリエチレンである場合、そのメルトフローインデックス(MFI)は3g/10mn〜15g/10mnであり、4g/10mn〜12g/10mnであると好適である。
【0151】
第二重合体の曲げ弾性率が70MPaより大きい場合、この重合体は混合物中に15〜85%の割合で、望ましくは25〜75%の割合で溶解させることができる。
【0152】
例えば溶剤n゜1において、50% CLYRELL EC140Pおよび50% DOWLEX 2035Eの混合物の容量減少は101、曲げ弾性率は360、分散係数Kdは0.26である。
【0153】
得られたメルトフローインデックス(MFI)が約10g/10mnである物質からなっているため、上記の溶剤は好結果をもたらしている。一方、PEが選択されている同様の溶剤では、メルトフローインデックス(MFI)が応力を加えたときの亀裂に対して大幅に低い物質を使用している。
【0154】
従って柔軟性が中等度であるPP/PEを選択した場合は、壁を薄くする、つまり柔らかくする可能性が広がることになる。これは強力な水バリア効果を持つ物質を使用して製造する必要のあるチューブにとって大きな利点となる。
【0155】
任意の溶剤が非常に柔軟な重合体で、第二重合体の曲げ弾性率が70MPa未満である場合、チューブに充填されたクリームの容量は、第二重合体の比率と共に非常に急速に減少するということが、表2の結果で明らかになった。従って混合物中の上記の重合体は最大50%、望ましくは15〜40%に限定されなければならない。
【0156】
混合物中の該第二重合体を50%未満に限定するためには、使用する第一重合体は可能な限り柔軟であることが望ましい。
【0157】
溶剤n゜2において、混合物中の第二物質の比率が33%である場合、
容量減少を許容範囲の220〜270に抑えつつ、150〜300MPaという非常に低い曲げ弾性率を得ることはできない。
【0158】
柔軟な物質を要するチューブ、特に壁の厚さが0.6mmを上回る必要のある大型チューブにとっては、上記は非常に効果的な選択である。
【0159】
エチレン−オクテンとの共重合体を使用すると好適である。
【0160】
第二物質がポリプロピレンである場合、ルールは同一である。
【0161】
第二ポリプロピレンが非常に柔軟で、その曲げ弾性率が70MPa未満である場合、50%未満の比率で、望ましくは15〜40%で使用されなければならない。
【0162】
第二ポリプロピレンの柔軟性が平均的で、その曲げ弾性率が70MPaより高い場合、15〜85%、望ましくは25〜75%の比率で使用することも可能である。
【0163】
第二物質として使用するポリプロピレンは、都合よくプロピレンとエチレンとの共重合体であり、これらが異相重合体であると好適である。
【0164】
最後に、表2で証明されているように、一部のポリプロピレンは、第二重合体を追加せずに単独で使用すると、その柔軟性は十分に低いものとなる。
【0165】
バリア効果の高い物質を使用したい場合、例えば上限約500MPa、直径19mm、壁の厚さ0.65mm未満である小型のチューブの場合は、柔軟性が比較的低い物質が使用される。この場合、第一重合体は第二重合体を追加せずに使用される。
【0166】
溶剤タイプn゜3で、曲げ弾性率が低く、一般的に250MPa(表示曲げ弾性率220MPa、測定曲げ弾性率134MPa)である一部のポリプロピレンの容量減少は、容量が少なくとも30mlである大型のチューブにとっては許容範囲内である。
【0167】
上記の溶剤は、短期的な容量減少試験に関しては非常に効果的であるが、しかし溶剤タイプn゜2混合物を基材とする溶剤の長期的な容量減少試験と比較すると、それほど効果ではない。
【0168】
他の観察結果は、曲げ弾性率および容量減少が同等である場合、ポリプロピレン類に属する第二重合体あるいはポリエチレン類に属する第二重合体のどちらを選択するかに係るものである。
【0169】
上記の選択基準は以下のようになる:
壁を薄くしたい場合は、第一の基準は物質の粘性になる。しかし水バリア効果は壁の厚さと比例することを覚えておかなければならない。
第二の基準は材料の触感である。なぜなら、柔軟性が同等である2つの材料でも、ポリプロピレンの場合は比較的「硬く」、ポリエチレンの場合は比較的「柔らかい」ためである。
【0170】
上記以外の基準としては、補助的なバリア効果であるエステルバリア、酸素バリア、あるいはクリームに含まれるその他のあらゆる成分に対するバリアに関連している。また、チューブに充填された製品のあらゆる成分の影響下、あるいはユーザがチューブを使用する際に付着するあらゆる汚染物質の影響下における、壁の黄ばみによる影響にも関連している。
【0171】
最後に、折り目の記憶あるいは深い折り目ができる部分の壁を白くするという補助的な効果についても考慮されることがある。本発明でその特性が示されているポリプロピレンを用いると、これらの効果が損なわれる、あるいは失われてしまう。
【0172】
あらゆる溶剤を最大限に利用するためには、特性が可能な限り類似する物質を使用すること、つまり曲げ弾性率が可能な限り同等である重合体を使用することが望ましいという点については、一般的に容易に理解されうる。
【0173】
また、長さと壁の厚みによって決定する射出経路と、そのメルトフローインデックスとが対応するようなポリプロピレンを単独で使用すると都合が良い。また前述した仕様に対応して、応力を加えたときの亀裂に対して耐久することができる、つまり規格ISO 1133に準じたメルトフローインデックス(MFI)が100g/mn未満、望ましくは20g/10mnであると都合がよい。
【0174】
本発明に係るチューブは、ヘッドおよびスカートを一度の工程で射出する方法で成型される。この方法は、粘性の高い材料を薄い壁へ射出するために、射出圧力が極めて高いという条件下で行われる。通常の射出圧力が450〜600バールであるのに対し、本方法においては高い射出圧力を加える必要がある。例えば柔軟性があり、同時に
水バリア効果を有し、ポリプロピレンを基材とした物質を使用しているスカートを成型するためには、1250〜2500バール程度の射出圧力が必要になる。
【0175】
本発明においては、ある程度のエチレンを含有する、つまり一般的に流動性が低い重合体を追加することで第一重合体の相対的な硬度は同時に弱められる。また壁を薄くすることでも弱められる。これは特に大型のチューブに対しては高い射出圧力を加えることになる。
【0176】
本発明に係るチューブは、スカート丈40〜200mmであって、そのスカート丈の中間点での壁の厚みは0.30〜1.00mmである。
【0177】
射出される物質は1250〜2500バールの射出圧力に耐えることができるため、この圧力を利用してチューブ壁を薄くし、そして曲げ弾性率を減少させずに、つまりバリア効果を損なわせることなく柔軟性を高めると都合が良い。
【0178】
一部のチューブは、図面4に示されているような公知の鋳型へ射出される。この鋳型は、6と示されている芯と、射出ノズル9に関連して位置し7と示されているインプレッションとから構成されている。ノズル9は、インプレッションおよび芯によって決定される空洞へと溶解プラスチック材料が流れ込む経路である。柔軟性を向上させるため、およびスカート丈の長いチューブに対しては非常に高い圧力で材料を射出する必要であり、この圧力の影響下において鋳型の芯がインプレッションに向かって湾曲する傾向がある。これによって壁の厚み、つまり柔軟性に差が生じてくる。さらに深刻なことに、芯が中心からはずれることによって、スカート部への射出中に、材料の優先的な流れが生じてしまう。この優先的な流れが「溶接線」と結合して、応力を加えたときの亀裂に対して耐久性を持たない部分を形成してしまう。
【0179】
材料を補強することなく、特に縦方向に補強することなくチューブ壁を一定にして、チューブを使用する際の快適さおよび応力を加えたときの亀裂に対する耐久性の両方を維持することが非常に重要である。
【0180】
上記の結果を達成する射出鋳型の第一のタイプは図5に示されている。この図に見られるように、このタイプの鋳型の芯6は、インプレッション7上にセンタベアリング(center-bears)している自由端11を有する、中央部10を有している。
【0181】
上記のセンタベアリング(center bearing)によって所望の柔軟性を得ることができ、その一方で使用された物質の曲げ弾性率の低下を招くことなく、薄くなった壁の厚みに作用して水バリア効果を維持している。特定の物質においては、例えばチューブのスカートが壁の厚さ0.8mmを超える硬度を示す一方、厚さが0.45〜0.50mmである壁の柔軟性は満足いくものであることが分かる。従って、該インプレッション上の中央部10のセンターベアを通じて得られた芯の安定性は、ポリプロピレンと組み合わせて使用したときに以下のことが可能になる:
壁の柔軟性が平均的である小型チューブの場合、その壁の厚さを約0.45mmまで薄くすることができ、
壁が非常に柔軟である小型のチューブの場合、その壁の厚さを約0.50mmまで薄くすることができ、
ディスペンス経路を除いた長さが150mm近い大型チューブの場合、その壁の厚さを約0.60mmまで薄くすることができる。
【0182】
限定的でない図が図1および図2に示されているが、本発明はチューブの形状に関係なく、長さHが40〜85mmである2つのチューブ、そして特に長さHが85〜200mmである大型チューブにも適用される。
【0183】
射出の中心点15からチューブヘッドへと材料を射出するにあたり、芯の中央部10の自由端11に放射状の射出経路が形成される。この射出経路12および、中央部10の自由端11の支持体ゾーンは、図7でより明瞭に示されている。図7は、図5でVIIと印されている部分の拡大図である。
【0184】
しかし上記の技術を使用するにあたり、射出ポイントとチューブヘッドとの間の経路12と同様に、多くのスカート供給ポイントを形成してしまうという難点がある。
【0185】
図6にあるように、3つの経路12に沿って材料32が3経路に流れ、材料33の別々の3つの面が形成される。これらの面は3つの溶接線36で結合し、射出工程の最後でチューブのスカートを形成する。
【0186】
他の解決策は、例えば限定的でない方法で、中心からそれた射出ポイント15を複製して、チューブの端122で軸XX’と平行する壁29と一続きになっている各射出ポイントを取り付ける程からなる。
【0187】
上記の解決策は実行可能ではあるが、好適な方法ではない。それは、鋳型への射出システムを大幅に複雑化させ、また応力を加えたときの亀裂に対する溶接線の耐久性を劣化させる危険があるからである。しかし、インプレッション上の芯のセンタベアリング(center bearing)11を維持する一方で射出経路12を取り除くことが可能である。
【0188】
溶接線36は、応力を加えたときの亀裂に対して耐久性を持たない部分を作り出してしまうという難点があるが、これはポリエチレンよりも応力を加えたときの亀裂に耐久性が高いポリプロピレンを使用することで改善することができる。
【0189】
本発明は上記の難点を克服するため、チューブの形状およびそれに対応する方法を明確にして、インプレッション上の芯のセンタベアリング(center bearing)を維持する一方、溶接線を細くすることが可能である。
【0190】
チューブの形状およびそれと対応する鋳型について、図8、9、9A、および10を参照しながらここで説明する。
【0191】
チューブの端122は図10に従って、少なくとも芯の中央部10の自由端11に作られている経路12に対応した領域32から構成されている。
【0192】
第一に、放射状の射出経路とヘッド上部との間にある接合部からの材料の循環的な流れの再建を容易にするためは、図10に従って、放射状の各射出経路とヘッド上部との間の接合線を可能な限り広げると都合がよい。
【0193】
好都合な解決策は、接合点18が、面29の周辺の長さの少なくとも15%を占める開口部3の軸XX’に平行する面29と接する領域32の累積接合幅を与えるという工程からなる。
【0194】
別の解決策は、面29と接する接合点18の領域の累積した接合幅を広くする工程からなる。これは循環的な射出をさらに向上させるものであるが、インプレッション上の芯の支持体表面を減少させる。
【0195】
インプレッション上の芯の最大支持体表面を維持する一方で、面29と接する領域32の累積した接合幅を最大限に広くするためには、射出点15から面29と接する接合点15へと領域32の幅を広げると都合が良い。
【0196】
材料の循環的な流れの再建を容易にするためにはまた、領域32の接合ゾーンを超えて開口部の壁に位置している、輪状のスロットルゾーンZを取り付けると都合が良い。
【0197】
最後に、循環的な流れをさらに効果的にするために、ネックの端123の下方の軸XX’と垂直な面に位置する輪状の材料Wを使用して、開口部の壁を拡張すると都合が良い。
チューブのスカートおよびヘッドに射出後、芯の中央部10はインプレッション7上のセンタベアリング(center bearing)に位置しているため、軸XX’と垂直な面に位置するチューブの端22の壁は、図8に示されているように射出経路12に対応する領域32からなる、ということを容易に理解することができる。
【0198】
従って壁122は、インプレッション7上の中央部10の自由端11の支持体ゾーン14に対応する領域34に隙間を有している。
【0199】
芯6の中央部10を周辺の芯に対して可動性にし、また所望の頂端壁の厚さに応じて、芯の可動性の中央部6を引いても何らの隙間を生じさせることなく、頂端壁122を形成することが可能である。
【0200】
図9に示されている第一の実施形態においては、芯の中央部10の自由端11は、低い円錐の形状に設計されている。その角度γは、インプレッション上の自由端の支持体表面と、チューブの縦軸XX’に対して直角な面とによって決定され、45°であり、ユーザに最高の使い心地を提供するためには15〜20°であると好適である。
【0201】
上記の実施形態は小型のチューブに適応しており、大型のチューブへの適応は困難である。大型のチューブに対しては、芯の中央部10の長さおよび選択した鋼のタイプは、中央芯は射出圧力1200〜2500バールで加圧されており、15〜20°の支持体勾配では中心化することができない。芯への圧力を相殺するためには、35〜45°の支持体勾配が必要である。
【0202】
図9Aに示されている第二の実施形態において、大型のチューブへ適応させるためには、中央部10の自由端11は突き出た円錐の形状をしている。その角度βはインプレッション上の自由端の突き出た錐台の支持体表面と、該チューブの縦軸XX’に対して直角な面とによって決定され、35〜45°である。
【0203】
上記と同様の実施形態において、中央部10の自由端11は、突き出た円錐の内面に対して低い円錐の形状をしている。その角度δは、インプレッション上の自由端の低い円錐の支持体表面と、チューブの縦軸XX’に対して直角な面とによって決定され、45°であり、好ましくは15〜20°である。
【0204】
中央芯が陥没した後、その壁122は、その周辺部においては突き出た円錐の形状をしており、その中央部においては茶碗型をしている。
【0205】
従ってこの第二の実施形態では、チューブの端122に与えられた形状によって、射出工程で中心化を最適にし、ユーザに最高の使い心地を提供することが可能になる。
【0206】
上記の第一の実施形態(図11A)および第二の実施形態(図3A)において、チューブヘッドはノズルタイプ5の一体となった固定手段と、一体となった片落ち管9とから構成されている。ノズルおよび片落ち管は、軸XX’上の開口部3と一続きになって配置されている。チューブの頂端壁122が片落ち管9を形成し、片落ち管の開口部8は、射出でチューブを成型した後にカットして形成する。従ってチューブ、ノズル、および片落ち管は、一回の工程による射出によって一体となった組み立て体を形成している。
【0207】
最後に、チューブは通常、「サービス」キャップタイプあるいは「標準」キャップタイプというキャップ手段35で密閉される。第一の解決策は、チューブとキャップとを例えばらせん組み立て体で連結させる工程からなる。
【0208】
スカートと同様に柔軟で弾性のある物質から作られている、一体となったチューブにおいては、ヘッドの構成物質および、特にらせんの勾配は、キャップをチューブに締め付ける力の影響で変形する可能性がある。
【0209】
上記の欠点を克服するために、図11Aに示されているような2つの処置を施すと好適である。
【0210】
第一に、図3A、9、および9Aに示されているように、らせんの筋19は非対称を成している。
【0211】
第二に、キャップ手段35に付いている円錐形のチップ27によって不透水性が確保される。図11Aに示されているように、チップ27が片落ち管の開いた状態にある開口部8に入り込む際に、一体となっている片落ち管の壁が遠心性の放射状の張力下に置かれることで密閉される。
【0212】
上記の好適な解決策の実施においては、キャップ35の内周に位置する支持リング28、および片落ち管辺縁部の支持体を用いることで、チューブがキャップを支持することができる。
【0213】
第三の実施形態において、ヘッドは軸XX’上の開口部3と一続きになって位置しているノズルタイプ5の、一体となった安全装置を含む。チューブおよび安全装置5は、図3Bに示されている通りに一回の射出工程で作られ、一体となった組み立て体を形成している。選択的に、ヘッドには片落ち管タイプあるいはノズルチップなどの付属品が取り付けられている。
【0214】
第四の実施形態は、図3Cおよび3Dで限定的でない方法で示されている通り、ヘッドは、追加の片落ち管タイプ、追加のノズルチップタイプ、または他のディスペンス装置、らせんノズルタイプまたは他の固定装置、およびサービスタイプまたは他のキャップ装置といった、付属品が取り付けられている。
【0215】
上記の実施形態のいずれかにおいてヘッドは、片落ち管36を形成する付属品、片落ち管37を形成する追加のノズル、およびサービスキャップ38が取り付けられており、該付属品は軸XX’上の開口部3と一続きなって配置されている。付属品36、37、および38は、限定的でない例証である。
【0216】
本発明においてヘッドに付属品36、37、あるいは38が取り付けられている場合、該付属品にチムニ21が付いていると好適である。開口部3の内部にチムニ21を挿入してチューブ上に付属品を確実に固定すると、該チムニの外面は、開口部3の軸XX’と平行な面29と結合する。該チムニによって、開口部の壁29が遠心性の放射状の張力25下に置かれる。
【0217】
本発明に係るチューブの壁は柔軟な物質から作られているため、前述した解決策によって、隙間、より深刻な不完全密閉、あるいはユーザがチューブ壁に応力を加えたときに付属品がチューブから外れてしまう、ということを回避することができる。前項で提案した解決策によってさらに、本発明に係る物質が柔軟であるという利点を活用して、付属品の抵抗力を確実にすることができる。
【0218】
開口部3への挿入を確実にするため、チムニ21に円錐形の装置22が取り付けてあると好適である。
【0219】
チムニ21の外面は、装置22から放射状に陥没23し、カウンターバックテイパーが軸XX’上の付属品を固定し、その付属品が非可動性になっているとさらに好適である。
【0220】
第三および第四の実施形態にいずれかにおいて、チューブおよびその付属品は結合する手段を有しているため、組み立て体の透水性が確保され、また選択的に、チューブに対して付属品が回転してしまうこと防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0221】
【図1】図1は、本発明に係るチューブの第1と第2の例であって、充填する端を密閉した後の正面図である。
【図2】図2は、本発明に係るチューブの第1と第2の例であって、充填する端を密閉した後の正面図である。
【図3】図3A、3B、3C、および3Dは、図1に示したチューブヘッドの4つの実施形態における断面図である。
【図4】図4は、射出によってチューブを成型する鋳型の従来技術である。
【図5】図5は、本発明に係る、射出によってチューブを成型する鋳型である。
【図6】図6は、本発明に係る、チューブを射出する際の射出フローである。
【図7】図7は、図5でVIIと記されている部分の透視図を拡大したものである。
【図8】図8は、本発明の第1の実施形態に係る、チューブの射出に使用する鋳型ヘッドの透視図の概略である。
【図9】図9は、本発明の第1の実施形態に従って成型され、チューブのスカートの射出段階で得られたチューブのヘッドおよびそれに付随する鋳型部分の、図8の軸IX−IXで切断した断面図である。図9Aは、本発明の他の実施形態に従って成型され、チューブのスカートの射出段階で得られたチューブのヘッドおよびそれに付随する鋳型部分を、図8の軸IX−IXで切断した断面図である。
【図10】図10は、上記の鋳型のインプレッション上のセンタベアリング(center bearing)に鋳型の芯がある場合、チューブ先端の壁を上から見た図である。
【図11】図11A、11B、11C、および11Dは、付属品を取り付けた4つの例の断面図である。
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は一般的に、応力を加えたときの亀裂に対し耐久性があり、水蒸気バリアを形成する柔軟性チューブおよびその製造方法に係る。
【0002】
より正確には、本発明の第一の特徴は、応力を加えたときの亀裂に対し耐久性があり、水バリアを形成し、軸方向に伸びる柔軟なスカート、少なくとも1つの排出口を含むヘッド、排出口の放射状の伸びを形成し、また軸方向に伸びるスカートと結合するネック、一体となった組み立て体を形成する少なくともスカートおよびネック、C2〜C10単量体から生成されたオレフィン共重合体類に属する少なくとも1と等しい「n」個の重合体の混合物からなるチューブ壁から基本的に構成されていることである。
【0003】
前述の一般的な説明の中にある「混合物」という言葉は、最大限に広義に解釈されるものであり、また単一重合体からなる物質を含んでいる。この物質は、上記と同じ重合体の補完的な断片の混合物から形成されていると常に考えられている。
【0004】
歯磨き粉、薬品、化粧品、食品、衛生用品、脂肪および脂肪分の多い物質、パテ、および糊といった糊状の製品は、柔軟性のあるチューブ類に包装することがしばしば提案されている。これらのチューブは、円形、楕円形、あるいはそれ以外の形状の一定の切断面を有するチューブ状のボディからなる。以後「スカート」と称されるものを形成するチューブ状のボディは、ヒートシールによって密閉された第一の端と、その反対に位置する第二の端を有しており、該スカートに含まれるディスペンスヘッドを形成するように作られている。このディスペンスヘッドは、らせん式、スナップ式、あるいは「標準」キャップタイプまたは「サービス」キャップタイプと称されるものや、また他のタイプのキャップ手段を有している。
【0005】
一般原則として、チューブに糊状の内容物を充填してからチューブの第一の端をヒートシールする。
【0006】
該チューブの容量が重要な特徴の1つである。断面が一定の円状をなすチューブの具体例を挙げると、そのチューブの容量はスカート丈およびスカートの直径、つまりスカートの円状の断面の直径によって決定する。
【0007】
チューブから製品を絞り出す場合、ユーザがチューブ壁を押し、チューブが空になったときには壁が変形して折り目ができるということが、ますます指摘されてきている。
【0008】
従ってチューブのスカートは柔軟性のある物質から作られていなければならず、この物質はヒートシール適性を有していなければならない。また該物質は、応力を加えたときの亀裂に対して耐久性があり、水蒸気に対する不透水性があり、またチューブ中の製品あるいは、いわゆる「交差」汚染、すなわちチューブ外面の汚染物質による影響で、時間の経過と共に黄ばむことがないという特徴を有し、チューブに充填されている製品の互換性に関する仕様に対応していなければならない。
【0009】
上記の基準に対応したチューブは一般的に、組み立てあるいは、射出成型されたディスペンスヘッドおよび押し出しによって作られたスカートの鋳型を挿入することで生産される。射出ブロー成形と称される別の方法もあるが、ほとんど使われず、また費用もかかる。この方法は、鋳型のインプレッションを、該鋳型のヘッドの射出へ連続的に移動させてスカートを形成する工程からなる。最後に、スカートおよびディスペンスヘッドは、一回の工程で射出成型される。
【0010】
上記の射出方法で成型したチューブには多くの利点がある:該方法によると、複数の工程を一回の工程で済ませることができる;形状に大幅に自由度が与えられ、チューブのネックとスカートとの間の硬い溶接部を取り除くことができる、つまりはユーザにとっての不快要素を取り除くことができる。
【0011】
射出方法を用いて柔軟性チューブを成型するにあたって使用する第一重合体はポリエチレンである。
【0012】
射出方法を用いて柔軟性チューブを成型するにあたって最初に直面する困難とは、応力を加えたときの亀裂に対する耐久性と、ポリエチレンを使用する際の重合体の粘着性との強力な相互関係である。
【0013】
応力を加えたときの亀裂とは、重合体上の界面活性剤の物理化学的な攻撃の現象である。この現象は、重合体に生じる微小な亀裂から壁の破裂までを指す。破裂が起こる危険性は、特にヒートシールされた端近傍で高い。
【0014】
チューブに充填された製品は、ある程度の界面活性剤を含んでいるため、壁の亀裂あるいは破裂の原因となりうる。
【0015】
応力を加えたときの亀裂に対する物質の耐久性を示すためには、後述の方法でチューブを試験する。
【0016】
0.3%の界面活性溶液である、例えばIGEPAL CO 630あるいはエトキシ・ルノニルフェノールを蒸留水に溶かして該チューブを満たし、一端をヒートウェルディングで密閉する。その後、該チューブを55℃のオーブンに24時間放置する。オーブンから取り出した後、指示者の仕様に準じてチューブに2〜4.5バールの応力を2〜10秒加える。チューブをオーブンから取り出したとき、ヒートシール部でのいかなる漏れも、そして壁の亀裂あるいは裂開もあってはならない。
【0017】
応力を加えたときの亀裂に関する仕様に対応した該ポリエチレンは、高度な粘性を有している。
【0018】
上記の高度な粘性を有する重合体を射出するためには、製造業者はチューブ壁を厚くすることになる。
【0019】
下記の表1は、ISO 1133に準じて測定したメルトフローインデックス(MFI)が5g/10mnであるポリエチレンを射出する物質として使用したときの必要射出圧力とチューブ壁との関係を2つのチューブを使用して例証したものである。
【0020】
1つ目のチューブは、直径19mm、スカート丈56mm、容量5〜9ml、
2つ目のチューブは、直径35mm、スカート丈125mm、容量75ml。
【0021】
【表1】
【0022】
仮に、グレード5の重合体、容量75mlおよびスカート丈125mmのチューブ、そして壁の厚みが0.6mmおよび0.7mmであるときに射出圧力を加えることは不可能である。選択した圧力を加えるとどちらの結果も、剪断速度の限界を超えたことによる物質の破壊、鋳型の非充填、経路での物質の凝固、限界温度を超えたことによる物質の破壊に至る。
【0023】
一般原則として、ポリエチレンは小型および中型サイズのチューブにはより適しており、物質の粘性が高度であることで増す壁の厚みに制限を加えることができる。
【0024】
プロピレンを基材とした混合物を使用することによって、上記の問題を解決することができる。それは一般的にポリプロピレンのメルトフローインデックスが比較的高く、またメルトフローインデックスが比較的高い場合においても、応力を加えたとき亀裂に対するの耐久性が許容範囲内であるからである。
【0025】
ポリプロピレンを使用するにあたっての主な障壁は、その硬さにある。一般的にポリプロピレンはポリエチレンよりもはるかに硬いため、柔軟性チューブの成型への使用には制限が加わってしまう。
【0026】
相関的にポリプロピレンは、折り目を記憶して、また折り目を消す。またポリプロピレンの硬度が高すぎる場合には、強い刺激臭を放つ。
【0027】
第2の障壁は、ポリプロピレンの水バリアに関する特性が低く、柔軟性チューブのスカートの成型に通常用いられるポリエチレンに比べて、一般的に低い。
【0028】
国際特許出願WO 01/68355には、射出方法で成型された柔軟性チューブおよび、ポリエチレンあるいはその混合物からなる壁について記載されている。上記のチューブは特定の条件下で仕様を確認することができるが、上記の重合体を使用することによって、チューブ壁の硬度が過度に高いあるいは不浸水性が低い、さらにチューブが射出されないという状況に制限が加えられることになる。
【0029】
欧州特許EP 0 856 473には包装について記載されている。特に、射出方法で成型され、壁はプロピレン・ホモ重合体および、プロピレンとエチレンとの共重合体の混合物からなるチューブについて記載されている。
【0030】
上記の解決策は、提示されている選択に対して限定的であり、かつチューブ壁の硬度および水バリアについては何ら定義していない。一方でこれら2つの制約が矛盾しているため、ポリポリプロピレンを使用することで惹起される本質的な問題が生じている。
【0031】
前述のEP 0 856 473は、提示した物質の使用を産業化する際の障害については触れていない。
【0032】
このような状況から本発明は、壁が柔軟であってかつ効果的な水バリア効果を有するチューブを提案するものである。
【0033】
本発明に係るチューブは上記の目的を達成するために、前述した一般的定義に従い、基本的に以下の特徴を有する:
軸方向に沿って、ヘッドから遠位にあるスカートの端から、排出口を形成しているネックの端までの長さの中間地点では、壁の厚みは0.30〜1.00mmであり、
混合物中の少なくとも1つの重合体はポリプロピレン類に属し、
チューブ壁を構成する混合物の曲げ弾性率は規格NF EN ISO 178に準じて700〜80MPa、望ましくは500〜120MPaであり、
各重合体の曲げ弾性率は規格NF EN ISO 178に準じており、「n」重合体はその曲げ弾性率μiが低下していく順番によって混合物中で分類され、これに従って各重合体には一般的にランク「i」がつけられ、これによって硬度が最高である最初の重合体(i=1)と硬度が最低である最後の重合体(i=n)との間に該重合体が配置され、上記の各重合体は該混合物の総重量に対してxiパーセントの重量で該混合物に含まれており、該混合物の曲げ弾性率の分散係数Kdが、ポリエチレンを含むか否かによって3あるいは2.2未満であり、望ましくはポリエチレンの有無に関わらず2未満であり、さらに望ましくは1.5未満であり、上記の分散係数Kdは以下のように定義される:
【0034】
【数1】
【0035】
ここで、
【0036】
【数2】
【0037】
であり、またここで
【0038】
【数3】
【0039】
上記の方程式は、以下の関係によって示される表記方法の規則を使用して明確に解釈されるものとする:
【0040】
【数4】
【0041】
第一重合体は、プロピレンとエチレンとの共重合体であってもよい。
【0042】
具体的には、上記の第一重合体はプロピレンとエチレンとの異相ポリプロピレン共重合体である。
【0043】
硬度が最高である重合体の曲げ弾性率は都合よく850MPa未満であり、従って該チューブ壁を構成する混合物は強力な水バリアを有する
上記の第一重合体の曲げ弾性率は500MPa未満であってもよい。
【0044】
例えば、上記の混合物は少なくとも1つの第二重合体を含んでいる。
【0045】
上記の例において、該第二重合体の曲げ弾性率は70MPaより大きく、また該第二重合体は15%と85%との間、望ましくは25%と75%との間の混合物に含まれている。
【0046】
上記の第二重合体の曲げ弾性率は、70MPa未満であってもよく、第二重合体は50%未満、望ましくは15%と40%との間の割合で混合物に含まれていてもよい。
【0047】
上記の第二重合体は、エチレンとオレフィンとの線状C4〜C10共重合体でることも可能であり、規格ISO 1133に準じて測定した該第二重合体のメルトフローインデックス(MFI)は3g/10mnと15g/10mnとの間、望ましくは4g/10mnと12g/10mnとの間である。
【0048】
具体的には、上記の第二重合体はエチレンとオクテンとの共重合体であってもよい。
【0049】
上記の第二重合体はポリプロピレン、あるいはプロピレンとエチレンとの異相共重合体であってもよい。
【0050】
上記の第一、および選択的に単一である重合体の曲げ弾性率は、チューブの容量が少なくとも30mlである場合、250MPa未満である。
【0051】
ポリプロピレン類に属し、上記の壁を構成する混合物中に含まれるあらゆる重合体の、規格ISO 1133に準じて測定したそのメルトフローインデックス(MFI)が100g/10mn未満、望ましくは20g/10mn未満であると一般的に都合がよい。
【0052】
本発明に係るチューブの長さは40mmと85mmとの間、あるいは85mmと200mmとの間である。
【0053】
本発明に係るチューブは一般的に、芯およびインプレッションを備えた射出成形鋳型への射出によって得られ、芯自体が中央部を備え、その中央部の自由端が、少なくともチューブのスカートが入射段階の間に、インプレッション上にセンタベアリングするようになっている。
【0054】
芯の中央部の自由端は、供給管を備えており、該チューブが、その射出端で、供給路に対応する少なくともセクターの一部分を形成する頂端壁を有すると都合がよい。
【0055】
上記の例では、セクターを累積した幅が、開口部の軸方向に平行する面と結合するゾーンにおいて、面周囲の少なくとも15%、望ましくは25%に都合よく相当する。
【0056】
上記のセクターの幅は、鋳型の射出部から遠心性の放射方向に沿って、該領域と開口部の面との結合部へと拡大していく。
【0057】
上記排出口の壁は、該領域を超えた部位に位置する輪状のスロットルゾーンを有している。
【0058】
上記排出口の壁は、ネックの端の下方において、軸に対して直角な面に位置する物質の輪によって拡大される。
【0059】
射出成形鋳型の芯の中央部が可動性であって、チューブ端の頂端壁は、可動性の中央部を頂端壁の所望の厚さに対応する距離だけ後方に描いた後に、隙間なく形成されると好適である。
【0060】
該芯の中央部の自由端は、窪んだ円錐形状を有し、インプレッション上のこの自由端の軸受面と長手方向軸(XX’)に対して垂直な面とによって形成される角度γが15°と45°との間、あるいは15°と20°との間である。
【0061】
該芯の中央部の自由端は、突き出した錐台形状を有し、インプレッション上のこの自由端の突き出した錐台の軸受面と、チューブの長手方向軸(XX’)に対して垂直な面とにより形成された角度βが、35°と45°との間である。
【0062】
芯の中央部の自由端は、突き出した錐台に対し内側部分において、窪んだ円錐形形状になっており、インプレッション上のこの自由端の窪んだ円錐の軸受面と該チューブの長手方向軸(XX’)に対して垂直な面とにより形成される角度δが、45°未満、好ましくは15°と20°との間である。
【0063】
ヘッドは、例えばノズルタイプや一体の片落ち管といった固定手段を有しており、このノズルおよび片落ち管は、軸XX’に沿った開口部と一続きになって配置されており、ノズルの頂端壁は片落ち管を形成し、片落ち管開口部は射出によってチューブを成型した後にカットして形成され、この結果、チューブ、ノズル、および片落ち管が一回の工程における射出によって一体となった組み立て体を形成する。
【0064】
上記の一体のノズルが非対称的な筋を有していると好適である。
【0065】
本発明に係るチューブが円錐状のチップを装備したキャップ手段を有していることも可能である。該チップは一体の片落ち管の開口部に入り込み、また該チップによって片落ち管の壁が、開口部近傍の遠心性の放射状の張力下に置かれる。
【0066】
ヘッドは、軸XX’に沿った開口部と一続きに配置されているノズルタイプの一体の固定手段を有していることも可能であり、該チューブおよび固定手段が一回の工程における射出によって一体となった組み立て体を形成する。
【0067】
該チューブはまた、追加の片落ち管タイプのディスペンスタイプまたは追加のノズルチップタイプ、あるいは片落ち管またはノズルチップを形成する追加のノズルタイプの固定手段、あるいはサービスキャップタイプのキャップ方法といった付属品を有していることも可能であり、この付属品は軸XX’に沿った開口部と一続きに配置される。
【0068】
上記の付属品はチムニを有していることも可能であり、開口部内部にチムニを挿入した後、該チムニの外面は軸XX’上の開口部に平行な面と結合する。
【0069】
上記の例において、上記の付属品のチムニによって、開口部の壁が遠心性の放射状の張力下に置かれると都合が良い。
【0070】
上記の付属品は取り外し不可であり、付属品のチムニは円錐の形状をした貫通装置を有しており、また該チムニの外面は貫通装置に対して放射状に埋め込まれている。
【0071】
本発明はまた、スカート、少なくとも1つの排出口を含むヘッド、排出口の放射状の伸びを形成し、スカートと結合するネック、応力を加えたときの亀裂に対し耐久性があり、また水バリアを形成し、かつ一体となった組み立て体を形成する少なくともスカートおよびネックで形成される柔軟性チューブの、以下の工程を含む成型方法にも係る:
C2〜C10単量体から生成されたオレフィン共重合体類に属する少なくとも1と等しい「n」個の重合体の混合物からなるチューブ壁を使用する工程であり、但し少なくとも1つの重合体はポリプロピレン類に属し、また規格NF EN ISO 178に準じて測定した壁を構成する混合物の曲げ弾性率は700〜80MPa、望ましくは500〜120MPaであり、また
インプレッション(7)と芯(6)とを含む射出鋳型へ、上記混合物を一回の工程で射出して該チューブのスカートおよびヘッドを成型する工程であり、但し該芯は、少なくともスカートの射出段階においては、上部の自由端が(11)インプレッション(7)上でセンタベアリング(center-bears)している中央部(10)を含む。
【0072】
前述以外の本発明の特徴および利点は、後述する説明を読み進めるにあたってより明確となる。これは例証するためであって、これに限定されるものではない。参照している添付図面は以下の通りである:
図1および図2は、本発明に係るチューブの第1と第2の例であって、充填する端を密閉した後の正面図である。
【0073】
図3A、3B、3C、および3Dは、図1に示したチューブヘッドの4つの実施形態における断面図である。
【0074】
図4は、射出によってチューブを成型する鋳型の従来技術である。
【0075】
図5は、本発明に係る、射出によってチューブを成型する鋳型である。
【0076】
図6は、本発明に係る、チューブを射出する際の射出フローである。
【0077】
図7は、図5でVIIと記されている部分の透視図を拡大したものである。
【0078】
図8は、本発明の第1の実施形態に係る、チューブの射出に使用する鋳型ヘッドの透視図の概略である。
【0079】
図9は、本発明の第1の実施形態に従って成型され、チューブのスカートの射出段階で得られたチューブのヘッドおよびそれに付随する鋳型部分の、図8の軸IX−IXで切断した断面図である。
【0080】
図9Aは、本発明の他の実施形態に従って成型され、チューブのスカートの射出段階で得られたチューブのヘッドおよびそれに付随する鋳型部分を、図8の軸IX−IXで切断した断面図である。
【0081】
図10は、上記の鋳型のインプレッション上のセンタベアリング(center bearing)に鋳型の芯がある場合、チューブ先端の壁を上から見た図である。
【0082】
図11A、11B、11C、および11Dは、付属品を取り付けた4つの例の断面図である。チューブヘッドは図3A、3B、3C、および3Dに示す実施形態に従っており、ネックは本発明に係るチューブの第1および第2の例に従っている。
【0083】
前述した通り本発明は、軸方向XX’に沿って伸びる柔軟なスカート1、および少なくとも1つの開口部3と1つのネック4とからなり、ネックは開口部の放射状の伸びを形成して軸方向XX’に沿ってスカートに結合し、少なくともスカートおよびネックは、図1、図2、図3A、3B、3C、および3Dに示されている通り一体であるチューブに係るものである。
【0084】
市場に存在しているチューブの容量は通常2〜500mlである。それらチューブの長さと直径の比率は通常で2、5、および6であり、4に近いと好適である。
【0085】
本発明は市場に存在しているチューブのタイプに好適に適用されるものであり、従ってスカート丈と直径の比率が2、5、および6、望ましくは4に近くなるよう留意されている。
【0086】
チューブの容量および、スカート丈と直径の比率によって左右されるため、スカート丈は40〜200mmである。
【0087】
また、この柔軟なチューブに充填される製品は、ある程度の水分を含有している。
【0088】
今日の美容業界では特に、チューブ中の製品は水性の乳剤である傾向が見られる。柔軟な壁を通じて水が蒸発して容量が過度に減少してしまうと、結果としてチューブに充填されているクリームの糊性に変化が生じてしまう。これを防ぐため上記製品の包装は、水蒸気の不透水性に関してますます厳しくなっている基準を満たすものでなくてはならない。透水性は通常、チューブに最初に充填されたクリームの容量に対し、蒸発によって減少したクリームの比率を基準にして測量する。従って容量の減少は比率で表され、これは同時に、壁の水に対する空隙率および蒸発表面、つまりスカートの表面とチューブに充填されたクリームの量との比率とに左右される。
【0089】
不透水性の試験は、事前に内容物を充填して密封しておいたチューブを、各試験によって40〜55℃、一般的には45〜50度のオーブンに入れ、そして試験によって1〜16週間、多くのケースでは2〜8週間放置する工程からなる。
【0090】
クリームのタイプ、チューブのサイズ、チューブに充填されたクリームの容量、仕様で求められているバリア効果、オーブンに暴露する時間、およびオーブンの温度によって、条件が最も緩いケースの容量の減少は、2%、3%、5%、あるいは8%未満でなければならない。
【0091】
例えば5グラムのクリームの重量が5%減少した場合は、水が0.25グラム蒸発したことを意味する。従って直径19mmのチューブを45度のオーブンに8週間暴露することを考慮すると、上記は極めて制限の多い試験である。
【0092】
一般的に、チューブのサイズが小さいほど試験は困難になる。つまりチューブの容量が小さいと、スカート表面の蒸発面とチューブに充填されたクリームの量との比率が高くなる。
【0093】
同様の理由によって、チューブの一部のみが充填されている場合もまた、試験がさらに困難になる。これは蒸発面とチューブに充填されたクリームの量との比率を上昇させてしまうからである。
【0094】
結論として、容量の減少は使用されている材料の特性、つまりその空隙率に第一に関連している。第二に、チューブの内容物(クリーム)と容器(チューブ)との関係に関する一連の特徴に関連している。
【0095】
上記の特徴とは以下の通りである:
容量の減少の目的値は、チューブ製造の依頼主が、チューブ壁の柔軟性あるいは水蒸気バリア効果のどちらを優先するかによって大幅に左右されること、
クリームがチューブに効果的に充填されていること、
スカート表面の蒸発面、
壁の厚み、
容量の減少の試験条件、つまりオーブンへの暴露日数およびオーブンの温度、および
チューブに充填されたクリームの成分。
【0096】
最後に、チューブのスカートは、一般のユーザが壁を押したときに内容物が排出されるような柔軟性を有していなければならない。
【0097】
ポリプロピレンは重合体であり、その曲げ弾性率は射出成型されるチューブに一般的に使用されるポリエチレンのそれよりも通常は高い。規格ISO 178に従って測定される曲げ弾性率は、その化学的構造、そして特に重合体に重合したエチレンの量に関連して、60〜2000MPa、あるいは2500MPaまでと大幅な差がある。
【0098】
壁の空隙率はそのチューブの曲げ弾性率に直接関連しているため、十分な水バリア効果を有するチューブは過度に硬く、また柔軟性チューブは不浸水性が十分でなく、かつ射出が困難である。
【0099】
少なくとも一方がポリプロピレンである重合体からなる物質でチューブが作られている場合、この物質の曲げ弾性率は十分に高いという特性を有しているため、所望する容量の減少と互換性がある不透水性、またチューブの使用に適した柔軟性を有する壁を得るために十分に低い不透水性を得ることができる。柔軟性はまた、壁の厚さおよび構成物質の曲げ弾性率にも関連している。
【0100】
壁を構成する物質がポリプロピレンを基材としたものである場合、可能であれば単一重合体を使用すると好適である。
【0101】
単一の物質を使用することで、使用する重合体の曲げ弾性率は、目標とする柔軟性および容量の減少と正確に一致させることができると推定される。また使用されるポリプロピレンは、チューブの厚みおよび長さによって決定する射出経路への射出が可能であることが必要である。
【0102】
さらに必要なことは、所望の結果を得るために重合体の混合物の別の選択肢を持つことである。
【0103】
生成および試験後の混合物を解析し、以下のような点が観察された:
第一に、チューブに充填された製品の容量の減少は、その壁の曲げ弾性率の変化に対して直線的ではないということである。ポリプロピレンの曲げ弾性率が許容範囲内で最大である場合、その曲げ弾性率はチューブに充填された製品の重量が減少するよりも早く低下していく。より具体的には、1500MPaを超える場合、重合体の曲げ弾性率の上昇は、観察された容量の減少に対して著名な影響を及ぼすことはない。
【0104】
第二に、最も柔軟な重合体の曲げ弾性率が非常に低い場合、および該重合体が同時に高い比率で、特に50%を超える比率で使用される場合、重量は非常に急速に減少していく、ということである。
【0105】
結果として、可能な限り同質である混合物を使用して所望の柔軟性を達成することが望ましい。
【0106】
つまり:
最も硬い重合体の曲げ弾性率は可能な限り低くなくてはならない、
最も柔軟な重合体の曲げ弾性率は可能な限り高くなくてはならない、および
混合物中の異なる構成重合体の比率は可能な限り均衡していなくてはならず、混合物の異なる成分が均衡している場合、その混合物の曲げ弾性率は、混合物を構成する重合体の一般的な曲げ弾性率に対して常に低くなくてはならない。
【0107】
前述した事象を考慮し、多くの混合物を観察した結果、容量の減少を少なくする必要性と、チューブに容易で快適な使用を可能にする柔軟性を持たせる必要性とを折衷させて、それを最大限に利用する法則を見出すことができた。
【0108】
より正確には、単純化するため少なくとも1と等しい整数である「n」個の重合体の混合物に関して、完全に一般的な方法で検討を加える。「混合物」という言葉は、「n=1」であるとき、完全に保障されている。それは、単一重合体からなる物質は例えどのような状況でも、これと同じ重合体の補完的な部分の混合物に匹敵するからである。各重合体は、C2〜C10単量体から生成されたオレフィン共重合体類に属している。
【0109】
軸方向XX’に沿って、ヘッドから遠位にあるスカートの端121から、排出口3を形成しているネック4の端123までの長さHの中間地点において、壁の厚みは0.30〜1.00mmである。
【0110】
混合物中の少なくとも1つの重合体はポリプロピレン類に属し、規格NF EN ISO 178に準じて測定した混合物の曲げ弾性率は700〜80MPa、望ましくは500〜120MPaである。
【0111】
慣例により重合体は、硬度が低下していく順番によって混合物中で分類される。これに従って各重合体にはランク「i」がつけられ、硬度が最高である最初の重合体に対しては1と等しく、硬度が最低である最後の重合体に対しては「n」と等しい。
【0112】
また、ランク「i」の各重合体は、混合物の総重量に対して重量比率がxiである混合物の中に含まれており、規格NF EN ISO 178で定義づけられている重合体の硬度を示す曲げ弾性率を有している。
【0113】
前述した法則には、パラメータあるいは、Kdと表される「分散係数」に対して別の選択肢があり、これは該混合物中の異なる重合体の曲げ弾性率に関連しており、以下のように定義される:
【0114】
【数5】
【0115】
ここで
【0116】
【数6】
【0117】
また、
【0118】
【数7】
【0119】
当業者には明らかなように、「MAX」は最大選択関数を示し、「シグマ」は和の演算記号を示している。後者は、以下の関係で表される表記方法の規則に対応している:
【0120】
【数8】
【0121】
本発明の基本的な特徴に従って、Kdと表される混合物の分散係数は、該混合物がポリプロピレンを含んでいるか否かによって、3あるいは2.2未満である。望ましくはポリプロピレンの有無に関わらず2未満であり、1.5未満であるとさらに都合がよい。
【0122】
従って本発明においては、所望する用途、特に所望する容量の減少幅、チューブのサイズ、チューブの内容物、およびチューブヘッドの形状に、柔軟性および不透水性という特徴を精密に適合できる曲げ弾性率を有する物質の種類を明確にすることができる。
【0123】
また同時に本発明は、曲げ弾性率において、容量の減少を最小限にとどめる混合物の成分を明確にすることができる。
【0124】
また、ポリエチレン(PE)およびポリプロピレン(PP)の曲げ運動は異なるということが発見された。チューブを使用する際の快適さは、チューブ壁の化学的性質ゆえに、チューブ壁の曲げ弾性率に厳密に比例している。しかし壁がPP/PPから作られている(つまり第一および第二の重合体が共にポリエチレンである)場合、PP/PEから作られている(つまり第一重合体がポリプロピレンであり、第二重合体がポリエチレンである)場合、あるいはPE/PEから作られている(つまり第一および第二重合体が共にポリエチレンである)場合のチューブと比較すると、上記は当てはまらない。
【0125】
従って、PEおよびPP成分が異なる2つの物質の曲げ弾性率を比較する場合には注意が必要である。
【0126】
最後に、PPへの単一の添加物としてPEを使用した場合、PP/PE混合物の応力を加えたときの亀裂に対する仕様に対応した耐久性が、PE/PEを選択した場合に比べてより流動的なPEs、例えばメルトフローインデックス(MFI)が15g/10mn、望ましくは12g/10mn、つまり3g/10mn〜15g/10mn、望ましくは4g/10mn〜12g/10mnであるポリエチレンと共に得られる可能性がある。
【0127】
表2は、射出法で成型され、また基材にポリプロピレン類の少なくとも第一の重合体が含まれているチューブの柔軟性および透水性を示している。異なるポリプロピレンの3つの第一重合体で、その内2つは第二の重合体と関連しているものについて結果が示されている。
【0128】
チューブの柔軟性に関する結果は、曲げ弾性率で示されている。透水性に関する結果は、強力なバリア効果を持つチューブの重量の減少を100としたときの相対的な値である。つまり、直径19mm、密閉前のスカート丈56mm、充填されているクリームの容量が5mlであるチューブの重量の減少に関する仕様に対応している。
【0129】
上記の基準値100は、50℃のオーブンに14日間放置したチューブの2%未満の重量減少、あるいは45℃のオーブンに56日間放置したチューブの5%未満の重量減少とほぼ一致している。
【0130】
【表2】
【0131】
*曲げ弾性率:規格NF EN ISO 178に準じて測定した弾性率。この弾性率は、低いあるいは非常に低い弾性率に関しては、重合体製造業者の販売用文書に記載されている数値とは異なることがある。
【0132】
第一重合体:
CLYRELL EC 140 P: プロピレンとエチレンとの異相共重合体であり、表示曲げ弾性率*は規格ISO 178で740MPa、メルトフローインデックス16g/10mn、BASELL社が販売。
ADFLEX X 500 F: プロピレンとエチレンとの異相共重合体であり、表示曲げ弾性率は規格ISO 178で470MPa、メルトフローインデックス7.5g/10mn、密度0.89g/cm3、BASELL社が販売。
ADFLEX C 200 F: プロピレンとエチレンとの異相共重合体であり、表示曲げ弾性率は規格ISO 178で220MPa、メルトフローインデックス6g/10mn、密度0.890g/cm3、BASELL社が販売。
【0133】
第二重合体:
DOXLEX 2035E: エチレン−オクテンとの直線共重合体であり、曲げ弾性率は標準ASTM D638で240MPa、メルトフローインデックス6g/10mn、密度0.919g/cm3、DOW社が販売。
ADFLEX X 100 G: プロピレンとエチレンとの異相共重合体であり、表示曲げ弾性率80MPa、メルトフローインデックス8g/10mn、密度0.890g/cm3、BASELL社が販売。
AFFINITY EG 8200: エチレン−オレフィンとの直線共重合体であり、表示曲げ弾性率は標準ASTM D790で20MPa、メルトフローインデックス5g/10mn、密度0.870g/cm3、DOW社が販売。
EXACT 0210: エチレン−オクテンとの直線共重合体であり、曲げ弾性率は規格ISO 178で65MPa、メルトフローインデックス10g/10mn、密度0.902g/cm3、DEXPLASTOMERS社が販売。
【0134】
前記の「表示」曲げ弾性率は、サプライヤーの文書に記載されているものである。表2で再現されている曲げ弾性率は、規格NF EN ISO 178に準じて測定された弾性率である。
【0135】
粘度指数は、規格ISO 1133に準じてg/10mnで表記されている。
【0136】
表2は、チューブのサイズおよび所望の目的に応じて使用可能である物質の選択の範囲を表している。
【0137】
前述した書類に記載されている、測定された曲げ弾性率および計算された透水性指数は、チューブの容量および任意の壁柔軟性に応じた、所望する最大の容量減少幅の範囲内である、という点にまず着目すべきである。
【0138】
調査した全ての溶剤に関して、壁の柔軟性の上昇および壁の空隙率に起因して生じる容量減少率の増加の関係が確認された、という点もまた事前に着目すべきである。
【0139】
以下の点についてもまた、事前に観察しておかなければならない:
触れたときの柔らかさは、各列内(同成分)にある曲げ弾性率と厳密に反比例し、表2のそれぞれ別の列内(異なる成分)にある混合物からなるチューブの比較と、さらにポリエチレン単独からなる壁とポリプロピレン単独からなる壁との比較は、特に曲げ弾性率が低い場合には注意深く行わなければならない。ほぼ50MPaあるいは100MPa程度の、異なる曲げ弾性率を示す物質からなる2つのチューブは、比較的触感が柔軟である。
【0140】
表2の容量減少は、特定のクリーム、特定のチューブ、および特定の容量の減少を測定する条件(オーブンの温度および試験期間)に対する手引き用として記載されている。
【0141】
従って本発明によって、柔軟性および容量減少の結果に関し、その範囲を保証する特徴の範囲を明確にすることができる。
【0142】
上記の範囲内で得られた結果は、実際にチューブに充填された製品、実際に使われたチューブ、および容量減少に関する契約条件(仕様)を考慮して行われる最終試験で再確認しなければならない。
【0143】
使用する第一重合体はポリプロピレン類に属し、またエチレンとプロピレンとの共重合体であると好適である。
【0144】
エチレンとプロピレンとの共重合体の種類に属し、硬度が最高であるポリプロピレンの場合、混合物中で柔軟性が最も高い重合体の比率を減少させることが可能である。つまり、所望する柔軟性に対して壁の空隙率を減少させることができる。第一重合体はエチレンとプロピレンとの異相共重合体であると最も都合がよい。
【0145】
曲げ弾性率が最も低いプロピレンが発見されたのは、まさしくこのポリプロピレン類中である。
【0146】
表2において、硬度が最高であり、ポリプロピレン類に属する第一重合体は以下の通りである:
タイプn゜1の溶剤中:
表示曲げ弾性率740MPaで、733MPaで測定された曲げ弾性率は850〜500MPaであり、
タイプn゜2の溶剤中:
表示曲げ弾性率470MPaで、399MPaで測定された曲げ弾性率は500MPa未満。
【0147】
タイプn゜1の溶剤から選択した物質を使用し、それを混合させた後の曲げ弾性率が300〜400MPaである場合、ほぼ100〜130程度の容量減少を達成することができる。つまり、強力な水バリアを有する物質を得ることができる、という点が表2を解析することで確認できる。
【0148】
同様に、タイプn゜2の溶剤から選択した物質を使用し、それを混合させた後の曲げ弾性率が150〜300MPaである場合、つまり壁が約0.6mmという厚さにしては非常に柔軟性がある場合、150〜250の容量減少を達成することができる。つまりこの数値は、大型サイズのチューブに使用する物質を限定する範囲内に留まっていない。
【0149】
タイプn゜1(バリア効果を優先)あるいはタイプn゜2(壁の柔軟性を優先)の各溶剤中の第一重合体を、ポリプロピレンまたはポリエチレン類に属する第二重合体を用いて柔軟にした。
【0150】
第二の物質としてポリエチレンを選択した場合、望ましくは応力を加えたときの亀裂に対する耐久性をそのメルトフローインデックスが保障する直線ポリエチレンである場合、そのメルトフローインデックス(MFI)は3g/10mn〜15g/10mnであり、4g/10mn〜12g/10mnであると好適である。
【0151】
第二重合体の曲げ弾性率が70MPaより大きい場合、この重合体は混合物中に15〜85%の割合で、望ましくは25〜75%の割合で溶解させることができる。
【0152】
例えば溶剤n゜1において、50% CLYRELL EC140Pおよび50% DOWLEX 2035Eの混合物の容量減少は101、曲げ弾性率は360、分散係数Kdは0.26である。
【0153】
得られたメルトフローインデックス(MFI)が約10g/10mnである物質からなっているため、上記の溶剤は好結果をもたらしている。一方、PEが選択されている同様の溶剤では、メルトフローインデックス(MFI)が応力を加えたときの亀裂に対して大幅に低い物質を使用している。
【0154】
従って柔軟性が中等度であるPP/PEを選択した場合は、壁を薄くする、つまり柔らかくする可能性が広がることになる。これは強力な水バリア効果を持つ物質を使用して製造する必要のあるチューブにとって大きな利点となる。
【0155】
任意の溶剤が非常に柔軟な重合体で、第二重合体の曲げ弾性率が70MPa未満である場合、チューブに充填されたクリームの容量は、第二重合体の比率と共に非常に急速に減少するということが、表2の結果で明らかになった。従って混合物中の上記の重合体は最大50%、望ましくは15〜40%に限定されなければならない。
【0156】
混合物中の該第二重合体を50%未満に限定するためには、使用する第一重合体は可能な限り柔軟であることが望ましい。
【0157】
溶剤n゜2において、混合物中の第二物質の比率が33%である場合、
容量減少を許容範囲の220〜270に抑えつつ、150〜300MPaという非常に低い曲げ弾性率を得ることはできない。
【0158】
柔軟な物質を要するチューブ、特に壁の厚さが0.6mmを上回る必要のある大型チューブにとっては、上記は非常に効果的な選択である。
【0159】
エチレン−オクテンとの共重合体を使用すると好適である。
【0160】
第二物質がポリプロピレンである場合、ルールは同一である。
【0161】
第二ポリプロピレンが非常に柔軟で、その曲げ弾性率が70MPa未満である場合、50%未満の比率で、望ましくは15〜40%で使用されなければならない。
【0162】
第二ポリプロピレンの柔軟性が平均的で、その曲げ弾性率が70MPaより高い場合、15〜85%、望ましくは25〜75%の比率で使用することも可能である。
【0163】
第二物質として使用するポリプロピレンは、都合よくプロピレンとエチレンとの共重合体であり、これらが異相重合体であると好適である。
【0164】
最後に、表2で証明されているように、一部のポリプロピレンは、第二重合体を追加せずに単独で使用すると、その柔軟性は十分に低いものとなる。
【0165】
バリア効果の高い物質を使用したい場合、例えば上限約500MPa、直径19mm、壁の厚さ0.65mm未満である小型のチューブの場合は、柔軟性が比較的低い物質が使用される。この場合、第一重合体は第二重合体を追加せずに使用される。
【0166】
溶剤タイプn゜3で、曲げ弾性率が低く、一般的に250MPa(表示曲げ弾性率220MPa、測定曲げ弾性率134MPa)である一部のポリプロピレンの容量減少は、容量が少なくとも30mlである大型のチューブにとっては許容範囲内である。
【0167】
上記の溶剤は、短期的な容量減少試験に関しては非常に効果的であるが、しかし溶剤タイプn゜2混合物を基材とする溶剤の長期的な容量減少試験と比較すると、それほど効果ではない。
【0168】
他の観察結果は、曲げ弾性率および容量減少が同等である場合、ポリプロピレン類に属する第二重合体あるいはポリエチレン類に属する第二重合体のどちらを選択するかに係るものである。
【0169】
上記の選択基準は以下のようになる:
壁を薄くしたい場合は、第一の基準は物質の粘性になる。しかし水バリア効果は壁の厚さと比例することを覚えておかなければならない。
第二の基準は材料の触感である。なぜなら、柔軟性が同等である2つの材料でも、ポリプロピレンの場合は比較的「硬く」、ポリエチレンの場合は比較的「柔らかい」ためである。
【0170】
上記以外の基準としては、補助的なバリア効果であるエステルバリア、酸素バリア、あるいはクリームに含まれるその他のあらゆる成分に対するバリアに関連している。また、チューブに充填された製品のあらゆる成分の影響下、あるいはユーザがチューブを使用する際に付着するあらゆる汚染物質の影響下における、壁の黄ばみによる影響にも関連している。
【0171】
最後に、折り目の記憶あるいは深い折り目ができる部分の壁を白くするという補助的な効果についても考慮されることがある。本発明でその特性が示されているポリプロピレンを用いると、これらの効果が損なわれる、あるいは失われてしまう。
【0172】
あらゆる溶剤を最大限に利用するためには、特性が可能な限り類似する物質を使用すること、つまり曲げ弾性率が可能な限り同等である重合体を使用することが望ましいという点については、一般的に容易に理解されうる。
【0173】
また、長さと壁の厚みによって決定する射出経路と、そのメルトフローインデックスとが対応するようなポリプロピレンを単独で使用すると都合が良い。また前述した仕様に対応して、応力を加えたときの亀裂に対して耐久することができる、つまり規格ISO 1133に準じたメルトフローインデックス(MFI)が100g/mn未満、望ましくは20g/10mnであると都合がよい。
【0174】
本発明に係るチューブは、ヘッドおよびスカートを一度の工程で射出する方法で成型される。この方法は、粘性の高い材料を薄い壁へ射出するために、射出圧力が極めて高いという条件下で行われる。通常の射出圧力が450〜600バールであるのに対し、本方法においては高い射出圧力を加える必要がある。例えば柔軟性があり、同時に
水バリア効果を有し、ポリプロピレンを基材とした物質を使用しているスカートを成型するためには、1250〜2500バール程度の射出圧力が必要になる。
【0175】
本発明においては、ある程度のエチレンを含有する、つまり一般的に流動性が低い重合体を追加することで第一重合体の相対的な硬度は同時に弱められる。また壁を薄くすることでも弱められる。これは特に大型のチューブに対しては高い射出圧力を加えることになる。
【0176】
本発明に係るチューブは、スカート丈40〜200mmであって、そのスカート丈の中間点での壁の厚みは0.30〜1.00mmである。
【0177】
射出される物質は1250〜2500バールの射出圧力に耐えることができるため、この圧力を利用してチューブ壁を薄くし、そして曲げ弾性率を減少させずに、つまりバリア効果を損なわせることなく柔軟性を高めると都合が良い。
【0178】
一部のチューブは、図面4に示されているような公知の鋳型へ射出される。この鋳型は、6と示されている芯と、射出ノズル9に関連して位置し7と示されているインプレッションとから構成されている。ノズル9は、インプレッションおよび芯によって決定される空洞へと溶解プラスチック材料が流れ込む経路である。柔軟性を向上させるため、およびスカート丈の長いチューブに対しては非常に高い圧力で材料を射出する必要であり、この圧力の影響下において鋳型の芯がインプレッションに向かって湾曲する傾向がある。これによって壁の厚み、つまり柔軟性に差が生じてくる。さらに深刻なことに、芯が中心からはずれることによって、スカート部への射出中に、材料の優先的な流れが生じてしまう。この優先的な流れが「溶接線」と結合して、応力を加えたときの亀裂に対して耐久性を持たない部分を形成してしまう。
【0179】
材料を補強することなく、特に縦方向に補強することなくチューブ壁を一定にして、チューブを使用する際の快適さおよび応力を加えたときの亀裂に対する耐久性の両方を維持することが非常に重要である。
【0180】
上記の結果を達成する射出鋳型の第一のタイプは図5に示されている。この図に見られるように、このタイプの鋳型の芯6は、インプレッション7上にセンタベアリング(center-bears)している自由端11を有する、中央部10を有している。
【0181】
上記のセンタベアリング(center bearing)によって所望の柔軟性を得ることができ、その一方で使用された物質の曲げ弾性率の低下を招くことなく、薄くなった壁の厚みに作用して水バリア効果を維持している。特定の物質においては、例えばチューブのスカートが壁の厚さ0.8mmを超える硬度を示す一方、厚さが0.45〜0.50mmである壁の柔軟性は満足いくものであることが分かる。従って、該インプレッション上の中央部10のセンターベアを通じて得られた芯の安定性は、ポリプロピレンと組み合わせて使用したときに以下のことが可能になる:
壁の柔軟性が平均的である小型チューブの場合、その壁の厚さを約0.45mmまで薄くすることができ、
壁が非常に柔軟である小型のチューブの場合、その壁の厚さを約0.50mmまで薄くすることができ、
ディスペンス経路を除いた長さが150mm近い大型チューブの場合、その壁の厚さを約0.60mmまで薄くすることができる。
【0182】
限定的でない図が図1および図2に示されているが、本発明はチューブの形状に関係なく、長さHが40〜85mmである2つのチューブ、そして特に長さHが85〜200mmである大型チューブにも適用される。
【0183】
射出の中心点15からチューブヘッドへと材料を射出するにあたり、芯の中央部10の自由端11に放射状の射出経路が形成される。この射出経路12および、中央部10の自由端11の支持体ゾーンは、図7でより明瞭に示されている。図7は、図5でVIIと印されている部分の拡大図である。
【0184】
しかし上記の技術を使用するにあたり、射出ポイントとチューブヘッドとの間の経路12と同様に、多くのスカート供給ポイントを形成してしまうという難点がある。
【0185】
図6にあるように、3つの経路12に沿って材料32が3経路に流れ、材料33の別々の3つの面が形成される。これらの面は3つの溶接線36で結合し、射出工程の最後でチューブのスカートを形成する。
【0186】
他の解決策は、例えば限定的でない方法で、中心からそれた射出ポイント15を複製して、チューブの端122で軸XX’と平行する壁29と一続きになっている各射出ポイントを取り付ける程からなる。
【0187】
上記の解決策は実行可能ではあるが、好適な方法ではない。それは、鋳型への射出システムを大幅に複雑化させ、また応力を加えたときの亀裂に対する溶接線の耐久性を劣化させる危険があるからである。しかし、インプレッション上の芯のセンタベアリング(center bearing)11を維持する一方で射出経路12を取り除くことが可能である。
【0188】
溶接線36は、応力を加えたときの亀裂に対して耐久性を持たない部分を作り出してしまうという難点があるが、これはポリエチレンよりも応力を加えたときの亀裂に耐久性が高いポリプロピレンを使用することで改善することができる。
【0189】
本発明は上記の難点を克服するため、チューブの形状およびそれに対応する方法を明確にして、インプレッション上の芯のセンタベアリング(center bearing)を維持する一方、溶接線を細くすることが可能である。
【0190】
チューブの形状およびそれと対応する鋳型について、図8、9、9A、および10を参照しながらここで説明する。
【0191】
チューブの端122は図10に従って、少なくとも芯の中央部10の自由端11に作られている経路12に対応した領域32から構成されている。
【0192】
第一に、放射状の射出経路とヘッド上部との間にある接合部からの材料の循環的な流れの再建を容易にするためは、図10に従って、放射状の各射出経路とヘッド上部との間の接合線を可能な限り広げると都合がよい。
【0193】
好都合な解決策は、接合点18が、面29の周辺の長さの少なくとも15%を占める開口部3の軸XX’に平行する面29と接する領域32の累積接合幅を与えるという工程からなる。
【0194】
別の解決策は、面29と接する接合点18の領域の累積した接合幅を広くする工程からなる。これは循環的な射出をさらに向上させるものであるが、インプレッション上の芯の支持体表面を減少させる。
【0195】
インプレッション上の芯の最大支持体表面を維持する一方で、面29と接する領域32の累積した接合幅を最大限に広くするためには、射出点15から面29と接する接合点15へと領域32の幅を広げると都合が良い。
【0196】
材料の循環的な流れの再建を容易にするためにはまた、領域32の接合ゾーンを超えて開口部の壁に位置している、輪状のスロットルゾーンZを取り付けると都合が良い。
【0197】
最後に、循環的な流れをさらに効果的にするために、ネックの端123の下方の軸XX’と垂直な面に位置する輪状の材料Wを使用して、開口部の壁を拡張すると都合が良い。
チューブのスカートおよびヘッドに射出後、芯の中央部10はインプレッション7上のセンタベアリング(center bearing)に位置しているため、軸XX’と垂直な面に位置するチューブの端22の壁は、図8に示されているように射出経路12に対応する領域32からなる、ということを容易に理解することができる。
【0198】
従って壁122は、インプレッション7上の中央部10の自由端11の支持体ゾーン14に対応する領域34に隙間を有している。
【0199】
芯6の中央部10を周辺の芯に対して可動性にし、また所望の頂端壁の厚さに応じて、芯の可動性の中央部6を引いても何らの隙間を生じさせることなく、頂端壁122を形成することが可能である。
【0200】
図9に示されている第一の実施形態においては、芯の中央部10の自由端11は、低い円錐の形状に設計されている。その角度γは、インプレッション上の自由端の支持体表面と、チューブの縦軸XX’に対して直角な面とによって決定され、45°であり、ユーザに最高の使い心地を提供するためには15〜20°であると好適である。
【0201】
上記の実施形態は小型のチューブに適応しており、大型のチューブへの適応は困難である。大型のチューブに対しては、芯の中央部10の長さおよび選択した鋼のタイプは、中央芯は射出圧力1200〜2500バールで加圧されており、15〜20°の支持体勾配では中心化することができない。芯への圧力を相殺するためには、35〜45°の支持体勾配が必要である。
【0202】
図9Aに示されている第二の実施形態において、大型のチューブへ適応させるためには、中央部10の自由端11は突き出た円錐の形状をしている。その角度βはインプレッション上の自由端の突き出た錐台の支持体表面と、該チューブの縦軸XX’に対して直角な面とによって決定され、35〜45°である。
【0203】
上記と同様の実施形態において、中央部10の自由端11は、突き出た円錐の内面に対して低い円錐の形状をしている。その角度δは、インプレッション上の自由端の低い円錐の支持体表面と、チューブの縦軸XX’に対して直角な面とによって決定され、45°であり、好ましくは15〜20°である。
【0204】
中央芯が陥没した後、その壁122は、その周辺部においては突き出た円錐の形状をしており、その中央部においては茶碗型をしている。
【0205】
従ってこの第二の実施形態では、チューブの端122に与えられた形状によって、射出工程で中心化を最適にし、ユーザに最高の使い心地を提供することが可能になる。
【0206】
上記の第一の実施形態(図11A)および第二の実施形態(図3A)において、チューブヘッドはノズルタイプ5の一体となった固定手段と、一体となった片落ち管9とから構成されている。ノズルおよび片落ち管は、軸XX’上の開口部3と一続きになって配置されている。チューブの頂端壁122が片落ち管9を形成し、片落ち管の開口部8は、射出でチューブを成型した後にカットして形成する。従ってチューブ、ノズル、および片落ち管は、一回の工程による射出によって一体となった組み立て体を形成している。
【0207】
最後に、チューブは通常、「サービス」キャップタイプあるいは「標準」キャップタイプというキャップ手段35で密閉される。第一の解決策は、チューブとキャップとを例えばらせん組み立て体で連結させる工程からなる。
【0208】
スカートと同様に柔軟で弾性のある物質から作られている、一体となったチューブにおいては、ヘッドの構成物質および、特にらせんの勾配は、キャップをチューブに締め付ける力の影響で変形する可能性がある。
【0209】
上記の欠点を克服するために、図11Aに示されているような2つの処置を施すと好適である。
【0210】
第一に、図3A、9、および9Aに示されているように、らせんの筋19は非対称を成している。
【0211】
第二に、キャップ手段35に付いている円錐形のチップ27によって不透水性が確保される。図11Aに示されているように、チップ27が片落ち管の開いた状態にある開口部8に入り込む際に、一体となっている片落ち管の壁が遠心性の放射状の張力下に置かれることで密閉される。
【0212】
上記の好適な解決策の実施においては、キャップ35の内周に位置する支持リング28、および片落ち管辺縁部の支持体を用いることで、チューブがキャップを支持することができる。
【0213】
第三の実施形態において、ヘッドは軸XX’上の開口部3と一続きになって位置しているノズルタイプ5の、一体となった安全装置を含む。チューブおよび安全装置5は、図3Bに示されている通りに一回の射出工程で作られ、一体となった組み立て体を形成している。選択的に、ヘッドには片落ち管タイプあるいはノズルチップなどの付属品が取り付けられている。
【0214】
第四の実施形態は、図3Cおよび3Dで限定的でない方法で示されている通り、ヘッドは、追加の片落ち管タイプ、追加のノズルチップタイプ、または他のディスペンス装置、らせんノズルタイプまたは他の固定装置、およびサービスタイプまたは他のキャップ装置といった、付属品が取り付けられている。
【0215】
上記の実施形態のいずれかにおいてヘッドは、片落ち管36を形成する付属品、片落ち管37を形成する追加のノズル、およびサービスキャップ38が取り付けられており、該付属品は軸XX’上の開口部3と一続きなって配置されている。付属品36、37、および38は、限定的でない例証である。
【0216】
本発明においてヘッドに付属品36、37、あるいは38が取り付けられている場合、該付属品にチムニ21が付いていると好適である。開口部3の内部にチムニ21を挿入してチューブ上に付属品を確実に固定すると、該チムニの外面は、開口部3の軸XX’と平行な面29と結合する。該チムニによって、開口部の壁29が遠心性の放射状の張力25下に置かれる。
【0217】
本発明に係るチューブの壁は柔軟な物質から作られているため、前述した解決策によって、隙間、より深刻な不完全密閉、あるいはユーザがチューブ壁に応力を加えたときに付属品がチューブから外れてしまう、ということを回避することができる。前項で提案した解決策によってさらに、本発明に係る物質が柔軟であるという利点を活用して、付属品の抵抗力を確実にすることができる。
【0218】
開口部3への挿入を確実にするため、チムニ21に円錐形の装置22が取り付けてあると好適である。
【0219】
チムニ21の外面は、装置22から放射状に陥没23し、カウンターバックテイパーが軸XX’上の付属品を固定し、その付属品が非可動性になっているとさらに好適である。
【0220】
第三および第四の実施形態にいずれかにおいて、チューブおよびその付属品は結合する手段を有しているため、組み立て体の透水性が確保され、また選択的に、チューブに対して付属品が回転してしまうこと防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0221】
【図1】図1は、本発明に係るチューブの第1と第2の例であって、充填する端を密閉した後の正面図である。
【図2】図2は、本発明に係るチューブの第1と第2の例であって、充填する端を密閉した後の正面図である。
【図3】図3A、3B、3C、および3Dは、図1に示したチューブヘッドの4つの実施形態における断面図である。
【図4】図4は、射出によってチューブを成型する鋳型の従来技術である。
【図5】図5は、本発明に係る、射出によってチューブを成型する鋳型である。
【図6】図6は、本発明に係る、チューブを射出する際の射出フローである。
【図7】図7は、図5でVIIと記されている部分の透視図を拡大したものである。
【図8】図8は、本発明の第1の実施形態に係る、チューブの射出に使用する鋳型ヘッドの透視図の概略である。
【図9】図9は、本発明の第1の実施形態に従って成型され、チューブのスカートの射出段階で得られたチューブのヘッドおよびそれに付随する鋳型部分の、図8の軸IX−IXで切断した断面図である。図9Aは、本発明の他の実施形態に従って成型され、チューブのスカートの射出段階で得られたチューブのヘッドおよびそれに付随する鋳型部分を、図8の軸IX−IXで切断した断面図である。
【図10】図10は、上記の鋳型のインプレッション上のセンタベアリング(center bearing)に鋳型の芯がある場合、チューブ先端の壁を上から見た図である。
【図11】図11A、11B、11C、および11Dは、付属品を取り付けた4つの例の断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
応力を加えたときの亀裂に対し耐久性があり、水バリアを形成しるチューブであって、
基本的には、軸方向(XX’)に伸びる柔軟なスカート(1)と、少なくとも1つの排出口(3)を含むヘッド(2)とからなり、
少なくとも1つの排出口(3)と、上記排出口(3)における半径方向の拡張部を形成し、軸方向(XX’)に伸びる上記スカート(1)と接合するネック(4)とを備え、
少なくともスカートおよびネックが、一体となった組み立て体を形成し、
チューブ壁が、C2〜C10単量体で調製されたオレフィン共重合体類に属する重合体の少なくとも1に等しい「n」個の混合物からなり、
軸方向(XX’)に沿って、ヘッドから遠位にあるスカート(1)の端(121)から、排出口(3)を形成しているネック(4)の端(123)までの長さ(H)の中間地点において、壁の厚みは0.30〜1.00mmであり、
混合物中の少なくとも1つの重合体はポリプロピレン類に属し、
チューブ壁を構成する混合物の曲げ弾性率は規格NF EN ISO 178に準じて700〜80MPa、望ましくは500〜120MPaであり、
各重合体の曲げ弾性率は規格NF EN ISO 178に準じており、「n」重合体はその曲げ弾性率μiが低下していく順番によって混合物中で分類され、これに従って各重合体には一般的にランク「i」がつけられ、これによって硬度が最高である最初の重合体(i=1)と硬度が最低である最後の重合体(i=n)との間に該重合体が位置され、上記の各重合体は該混合物の総重量に対してxiパーセントの重量で該混合物に含まれており、該混合物の曲げ弾性率の分散係数(Kd)が、ポリエチレンを含むか否かによって3あるいは2.2未満であり、望ましくはポリエチレンの有無に関わらず2未満であり、さらに望ましくは1.5未満であり、上記の該分散係数(Kd)は以下のように定義される、
【数1】
ここで、
【数2】
であり、また、ここで
【数3】
であることを特徴とするチューブ。
【請求項2】
第一重合体が、プロピレンとエチレンとの共重合体であることを特徴とする請求項1に記載のチューブ。
【請求項3】
上記第一重合体が、プロピレンとエチレンとの異相ポリプロピレン共重合体であることを特徴とする請求項1または2に記載のチューブ。
【請求項4】
硬度が最も高い重合体の曲げ弾性率は850MPa未満であり、その結果、該チューブ壁を形成する混合物は強い水バリアを有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のチューブ。
【請求項5】
上記の第一重合体の曲げ弾性率が500MPa未満であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のチューブ。
【請求項6】
上記の混合物が、少なくとも1つの第二重合体を含んでいることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のチューブ。
【請求項7】
上記の第二重合体の曲げ弾性率は70MPaよりも大きくなっており、
第二重合体は、15%と85%との間、望ましくは25%と75%との間の割合で混合物に含まれていることを特徴とする請求項6に記載のチューブ。
【請求項8】
上記の第二重合体の曲げ弾性率は、70MPa未満であり、
第二重合体は50%未満、望ましくは15%と40%との間の割合で混合物に含まれていることを特徴とする請求項6に記載のチューブ。
【請求項9】
上記の第二重合体は、エチレンとオレフィンとの線状C4〜C10共重合体であり、
規格ISO 1133に準じて測定した該第二重合体のメルトフローインデックス(MFI)は、3g/10mnと15g/10mnとの間、望ましくは4g/10mnと12g/10mnとの間であることを特徴とする請求項6〜8の何れか1項に記載のチューブ。
【請求項10】
上記第二重合体は、エチレンとオクテンとの共重合体であることを特徴とする請求項6〜8の何れか1項に記載のチューブ。
【請求項11】
上記第二重合体は、ポリプロピレンであることを特徴とする請求項6〜8の何れか1項に記載のチューブ。
【請求項12】
上記第二重合体は、プロピレンとエチレンとの異相共重合体であることを特徴とする請求項6〜8の何れか1項に記載のチューブ。
【請求項13】
上記の第一、および選択的に単一である重合体の曲げ弾性率は、チューブの容量が少なくとも30mlである場合、250MPa未満であることを特徴とする請求項1〜12の何れか1項に記載のチューブ。
【請求項14】
ポリプロピレン類に属し、上記の壁を構成する混合物中に含まれるあらゆる重合体において、規格ISO 1133に準じて測定したメルトフローインデックス(MFI)は、100g/10mn未満、望ましくは20g/10mn未満であることを特徴とする請求項1〜13の何れか1項に記載のチューブ。
【請求項15】
長さ(H)が、40mmと85mmとの間であることを特徴とする請求項1〜14の何れか1項に記載のチューブ。
【請求項16】
長さ(H)が、85mmと200mmとの間であることを特徴とする請求項1〜15の何れか1項に記載のチューブ。
【請求項17】
芯(6)およびインプレッション(7)を備えた射出成形鋳型への射出によって得られ、芯自体が中央部(10)を備え、その中央部の自由端(11)が、少なくともチューブのスカートが入射段階の間に、インプレッション(7)上にセンタベアリングするようになっていることを特徴とする、請求項1〜16の何れか1項に記載のチューブ。
【請求項18】
芯の中央部(10)の自由端(11)は、供給管(12)を備えており、該チューブが、その射出端(122)で、供給路(12)に対応する少なくともセクター(32)の一部分を形成する頂端壁(12)を有することを特徴とする、請求項17に記載のチューブ。
【請求項19】
セクター(32)を累積した幅が、排出口(3)の軸方向(XX’)に平行する面(29)と結合するゾーン(18)において、面(29)周囲の少なくとも15%、望ましくは25%に相当することを特徴とする請求項18に記載のチューブ。
【請求項20】
セクター(32)の幅は、鋳型の射出部から遠心性の放射方向に沿って、セクターと排出口(3)の面(29)との結合部へと拡大していくことを特徴とする請求項19と組み合わせられた請求項1〜19の何れか1項に記載のチューブ。
【請求項21】
排出口(3)の壁は、セクター(32)を超えた部位に位置する輪状のスロットルゾーン(Z)を有していることを特徴とする特徴とする、請求項17と組み合わせられた請求項1〜20の何れか1項に記載のチューブ。
【請求項22】
排出口(3)の壁は、ネックの端(123)の下方において、軸XX’に対して直角な面に位置する物質(W)の輪によって拡大されることを特徴とする請求項17から21の何れか1項に記載のチューブ。
【請求項23】
射出成形鋳型の芯(6)の中央部(10)が可動性であって、
チューブ端(122)の頂端壁は、可動性の中央部(10)を頂端壁の所望の厚さに対応する距離だけ後方に描いた後に、隙間なく形成されることを特徴とする、請求項17と組み合わせられた請求項17〜22の何れか1項に記載のチューブ。
【請求項24】
該芯の中央部(10)の自由端(11)は、窪んだ円錐形状を有し、インプレッション(7)上のこの自由端(11)の軸受面と長手方向軸(XX’)に対して垂直な面とによって形成される角度(γ)が15°と45°との間であることを特徴とする、請求項23と組み合わされた請求項17〜23のいずれか1項に記載のチューブ。
【請求項25】
上記角度(γ)が15°と20°との間であることを特徴とする請求項24に記載のチューブ。
【請求項26】
該芯の中央部(10)の自由端(11)は、突き出した錐台形状を有し、インプレッション上のこの自由端(11)の突き出した錐台の軸受面と、チューブの長手方向軸(XX’)に対して垂直な面とにより形成された角度(β)が、35°と45°との間であることを特徴とする、請求項23と組み合わせられた請求項17から23の何れか1項に記載のチューブ。
【請求項27】
芯の中央部(10)の自由端(11)は、突き出した錐台に対し内側部分において、窪んだ円錐形形状になっており、
インプレッション(7)上のこの自由端(11)の窪んだ円錐の軸受面と該チューブの長手方向軸(XX’)に対して垂直な面とにより形成される角度(δ)が、45°未満、好ましくは15°と20°との間であることを特徴とする、請求項26に記載のチューブ。
【請求項28】
上記ヘッドが、ノズル式の一体成形の固定手段(5)と、一体成形の片落ち管(9)とを備え、上記ノズルおよび片落ち管が、軸XX’方向に沿った排出口(3)の延長線上に位置し、該ノズルの上記頂端壁(122)が該片落ち管を形成し、該片落ち管の開口部(8)が射出によってチューブが形成された後の切断によって得られ、チューブ、ノズルおよび片落ち管は、一つの操作の射出によって形成された一体となった組み立て体を形成することにより得られたことを特徴とする、請求項23と組み合わせられた請求項17〜27の何れか1項に記載のチューブ。
【請求項29】
円錐形の先端(27)を備えたキャッピング手段(35)が設けられ、
該先端が一体成形の片落ち管(9)の開口部(8)の一部になっており、開口部近傍の、遠心力による放射状の張力(25)下で、該先端が片落ち管(9)の壁に位置していることを特徴とする、請求項28と組み合わせられた請求項1〜28の何れか1項に記載のチューブ。
【請求項30】
上記ヘッドは、軸方向(XX’)に沿った排出口(3)の延長線上に位置する一体成形のノズル式固定手段(5)を備え、
チューブ及び固定手段(5)は、一つの操作の射出によって形成された一体となった組み立て体を形成することを特徴とする、請求項17〜27の何れか1項に記載のチューブ。
【請求項31】
一体成形のノズル(5)の壁が非対称のネジ山(19)を有することを特徴とする、請求項28から30の何れか1項に記載のチューブ。
【請求項32】
さらに、付加的な片落ち管(36)または付加的なノズルチップ式の分与手段式、片落ち管(37)またはノズルチップ式を形成するノズル式固定手段、もしくはサービスキャップ式キャッピング手段(38)の付加的な付属部材が設けられており、
その付加的な付属部材は、軸方向XX’に沿った排出口(3)の延長線上に位置することを特徴とする、請求項1〜27、32、31の何れか1項に記載のチューブ。
【請求項33】
付加的な付属部材(36)、(37)、または(38)には、チムニ(21)が設けられており、該チムニを排出口(3)に挿入後に、該チムニの外面が排出口(3)の軸XX’に平行な面(29)と接合したことを特徴とする、請求項32に記載のチューブ。
【請求項34】
付加的な付属部材の該チムニ(21)が、遠心力による放射状の張力(25)下で、排出口(3)の側壁に位置したことを特徴とする、請求項33に記載のチューブ。
【請求項35】
付加的な付属部材が取り外し不可能になっており、
付加的な付属部材のチムニ(21)には、円錐形状の貫通装置(22)が設けられているとともに、チムニの外面は、貫通装置(22)に対し放射状に埋め込まれている(23)ことを特徴とする、請求項33に記載のチューブ。
【請求項36】
スカート及びヘッドから形成され、少なくとも1つの排出口とネックとを備え、上記ネックが、上記排出口における半径方向の拡張部を形成し、上記スカートと接合するとともに、少なくとも上記スカート及びネックが一体となった組み立て体により形成され、応力亀裂および水バリヤの形成に対し耐久性がある柔軟性チューブの製造方法であって、
壁の構成材料として、C2〜C10単量体で調製されたオレフィン共重合体類に属する重合体、ポリプロピレン類に属する第1重合体の少なくとも1に等しい「n」個の混合物を使用し、壁の構成成分の混合物の曲げ弾性率が、規格NF EN ISO 178に準じて測定して700〜80MPa、望ましくは500〜120MPaになるようにする工程と、
射出成形鋳型に、1つの射出操作で上記混合物を射出することにより、チューブのスカート及びヘッドを製造する工程であって、上記射出成形鋳型がインプレッション(7)と芯(6)とを備え、上記芯が中央部(10)を有し、中央部の上方自由端(11)が、少なくともスカートの射出中に、インプレッション上にセンタベアリングする工程と、
を含むことを特徴とする、チューブの製造方法。
【請求項1】
応力を加えたときの亀裂に対し耐久性があり、水バリアを形成しるチューブであって、
基本的には、軸方向(XX’)に伸びる柔軟なスカート(1)と、少なくとも1つの排出口(3)を含むヘッド(2)とからなり、
少なくとも1つの排出口(3)と、上記排出口(3)における半径方向の拡張部を形成し、軸方向(XX’)に伸びる上記スカート(1)と接合するネック(4)とを備え、
少なくともスカートおよびネックが、一体となった組み立て体を形成し、
チューブ壁が、C2〜C10単量体で調製されたオレフィン共重合体類に属する重合体の少なくとも1に等しい「n」個の混合物からなり、
軸方向(XX’)に沿って、ヘッドから遠位にあるスカート(1)の端(121)から、排出口(3)を形成しているネック(4)の端(123)までの長さ(H)の中間地点において、壁の厚みは0.30〜1.00mmであり、
混合物中の少なくとも1つの重合体はポリプロピレン類に属し、
チューブ壁を構成する混合物の曲げ弾性率は規格NF EN ISO 178に準じて700〜80MPa、望ましくは500〜120MPaであり、
各重合体の曲げ弾性率は規格NF EN ISO 178に準じており、「n」重合体はその曲げ弾性率μiが低下していく順番によって混合物中で分類され、これに従って各重合体には一般的にランク「i」がつけられ、これによって硬度が最高である最初の重合体(i=1)と硬度が最低である最後の重合体(i=n)との間に該重合体が位置され、上記の各重合体は該混合物の総重量に対してxiパーセントの重量で該混合物に含まれており、該混合物の曲げ弾性率の分散係数(Kd)が、ポリエチレンを含むか否かによって3あるいは2.2未満であり、望ましくはポリエチレンの有無に関わらず2未満であり、さらに望ましくは1.5未満であり、上記の該分散係数(Kd)は以下のように定義される、
【数1】
ここで、
【数2】
であり、また、ここで
【数3】
であることを特徴とするチューブ。
【請求項2】
第一重合体が、プロピレンとエチレンとの共重合体であることを特徴とする請求項1に記載のチューブ。
【請求項3】
上記第一重合体が、プロピレンとエチレンとの異相ポリプロピレン共重合体であることを特徴とする請求項1または2に記載のチューブ。
【請求項4】
硬度が最も高い重合体の曲げ弾性率は850MPa未満であり、その結果、該チューブ壁を形成する混合物は強い水バリアを有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のチューブ。
【請求項5】
上記の第一重合体の曲げ弾性率が500MPa未満であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のチューブ。
【請求項6】
上記の混合物が、少なくとも1つの第二重合体を含んでいることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のチューブ。
【請求項7】
上記の第二重合体の曲げ弾性率は70MPaよりも大きくなっており、
第二重合体は、15%と85%との間、望ましくは25%と75%との間の割合で混合物に含まれていることを特徴とする請求項6に記載のチューブ。
【請求項8】
上記の第二重合体の曲げ弾性率は、70MPa未満であり、
第二重合体は50%未満、望ましくは15%と40%との間の割合で混合物に含まれていることを特徴とする請求項6に記載のチューブ。
【請求項9】
上記の第二重合体は、エチレンとオレフィンとの線状C4〜C10共重合体であり、
規格ISO 1133に準じて測定した該第二重合体のメルトフローインデックス(MFI)は、3g/10mnと15g/10mnとの間、望ましくは4g/10mnと12g/10mnとの間であることを特徴とする請求項6〜8の何れか1項に記載のチューブ。
【請求項10】
上記第二重合体は、エチレンとオクテンとの共重合体であることを特徴とする請求項6〜8の何れか1項に記載のチューブ。
【請求項11】
上記第二重合体は、ポリプロピレンであることを特徴とする請求項6〜8の何れか1項に記載のチューブ。
【請求項12】
上記第二重合体は、プロピレンとエチレンとの異相共重合体であることを特徴とする請求項6〜8の何れか1項に記載のチューブ。
【請求項13】
上記の第一、および選択的に単一である重合体の曲げ弾性率は、チューブの容量が少なくとも30mlである場合、250MPa未満であることを特徴とする請求項1〜12の何れか1項に記載のチューブ。
【請求項14】
ポリプロピレン類に属し、上記の壁を構成する混合物中に含まれるあらゆる重合体において、規格ISO 1133に準じて測定したメルトフローインデックス(MFI)は、100g/10mn未満、望ましくは20g/10mn未満であることを特徴とする請求項1〜13の何れか1項に記載のチューブ。
【請求項15】
長さ(H)が、40mmと85mmとの間であることを特徴とする請求項1〜14の何れか1項に記載のチューブ。
【請求項16】
長さ(H)が、85mmと200mmとの間であることを特徴とする請求項1〜15の何れか1項に記載のチューブ。
【請求項17】
芯(6)およびインプレッション(7)を備えた射出成形鋳型への射出によって得られ、芯自体が中央部(10)を備え、その中央部の自由端(11)が、少なくともチューブのスカートが入射段階の間に、インプレッション(7)上にセンタベアリングするようになっていることを特徴とする、請求項1〜16の何れか1項に記載のチューブ。
【請求項18】
芯の中央部(10)の自由端(11)は、供給管(12)を備えており、該チューブが、その射出端(122)で、供給路(12)に対応する少なくともセクター(32)の一部分を形成する頂端壁(12)を有することを特徴とする、請求項17に記載のチューブ。
【請求項19】
セクター(32)を累積した幅が、排出口(3)の軸方向(XX’)に平行する面(29)と結合するゾーン(18)において、面(29)周囲の少なくとも15%、望ましくは25%に相当することを特徴とする請求項18に記載のチューブ。
【請求項20】
セクター(32)の幅は、鋳型の射出部から遠心性の放射方向に沿って、セクターと排出口(3)の面(29)との結合部へと拡大していくことを特徴とする請求項19と組み合わせられた請求項1〜19の何れか1項に記載のチューブ。
【請求項21】
排出口(3)の壁は、セクター(32)を超えた部位に位置する輪状のスロットルゾーン(Z)を有していることを特徴とする特徴とする、請求項17と組み合わせられた請求項1〜20の何れか1項に記載のチューブ。
【請求項22】
排出口(3)の壁は、ネックの端(123)の下方において、軸XX’に対して直角な面に位置する物質(W)の輪によって拡大されることを特徴とする請求項17から21の何れか1項に記載のチューブ。
【請求項23】
射出成形鋳型の芯(6)の中央部(10)が可動性であって、
チューブ端(122)の頂端壁は、可動性の中央部(10)を頂端壁の所望の厚さに対応する距離だけ後方に描いた後に、隙間なく形成されることを特徴とする、請求項17と組み合わせられた請求項17〜22の何れか1項に記載のチューブ。
【請求項24】
該芯の中央部(10)の自由端(11)は、窪んだ円錐形状を有し、インプレッション(7)上のこの自由端(11)の軸受面と長手方向軸(XX’)に対して垂直な面とによって形成される角度(γ)が15°と45°との間であることを特徴とする、請求項23と組み合わされた請求項17〜23のいずれか1項に記載のチューブ。
【請求項25】
上記角度(γ)が15°と20°との間であることを特徴とする請求項24に記載のチューブ。
【請求項26】
該芯の中央部(10)の自由端(11)は、突き出した錐台形状を有し、インプレッション上のこの自由端(11)の突き出した錐台の軸受面と、チューブの長手方向軸(XX’)に対して垂直な面とにより形成された角度(β)が、35°と45°との間であることを特徴とする、請求項23と組み合わせられた請求項17から23の何れか1項に記載のチューブ。
【請求項27】
芯の中央部(10)の自由端(11)は、突き出した錐台に対し内側部分において、窪んだ円錐形形状になっており、
インプレッション(7)上のこの自由端(11)の窪んだ円錐の軸受面と該チューブの長手方向軸(XX’)に対して垂直な面とにより形成される角度(δ)が、45°未満、好ましくは15°と20°との間であることを特徴とする、請求項26に記載のチューブ。
【請求項28】
上記ヘッドが、ノズル式の一体成形の固定手段(5)と、一体成形の片落ち管(9)とを備え、上記ノズルおよび片落ち管が、軸XX’方向に沿った排出口(3)の延長線上に位置し、該ノズルの上記頂端壁(122)が該片落ち管を形成し、該片落ち管の開口部(8)が射出によってチューブが形成された後の切断によって得られ、チューブ、ノズルおよび片落ち管は、一つの操作の射出によって形成された一体となった組み立て体を形成することにより得られたことを特徴とする、請求項23と組み合わせられた請求項17〜27の何れか1項に記載のチューブ。
【請求項29】
円錐形の先端(27)を備えたキャッピング手段(35)が設けられ、
該先端が一体成形の片落ち管(9)の開口部(8)の一部になっており、開口部近傍の、遠心力による放射状の張力(25)下で、該先端が片落ち管(9)の壁に位置していることを特徴とする、請求項28と組み合わせられた請求項1〜28の何れか1項に記載のチューブ。
【請求項30】
上記ヘッドは、軸方向(XX’)に沿った排出口(3)の延長線上に位置する一体成形のノズル式固定手段(5)を備え、
チューブ及び固定手段(5)は、一つの操作の射出によって形成された一体となった組み立て体を形成することを特徴とする、請求項17〜27の何れか1項に記載のチューブ。
【請求項31】
一体成形のノズル(5)の壁が非対称のネジ山(19)を有することを特徴とする、請求項28から30の何れか1項に記載のチューブ。
【請求項32】
さらに、付加的な片落ち管(36)または付加的なノズルチップ式の分与手段式、片落ち管(37)またはノズルチップ式を形成するノズル式固定手段、もしくはサービスキャップ式キャッピング手段(38)の付加的な付属部材が設けられており、
その付加的な付属部材は、軸方向XX’に沿った排出口(3)の延長線上に位置することを特徴とする、請求項1〜27、32、31の何れか1項に記載のチューブ。
【請求項33】
付加的な付属部材(36)、(37)、または(38)には、チムニ(21)が設けられており、該チムニを排出口(3)に挿入後に、該チムニの外面が排出口(3)の軸XX’に平行な面(29)と接合したことを特徴とする、請求項32に記載のチューブ。
【請求項34】
付加的な付属部材の該チムニ(21)が、遠心力による放射状の張力(25)下で、排出口(3)の側壁に位置したことを特徴とする、請求項33に記載のチューブ。
【請求項35】
付加的な付属部材が取り外し不可能になっており、
付加的な付属部材のチムニ(21)には、円錐形状の貫通装置(22)が設けられているとともに、チムニの外面は、貫通装置(22)に対し放射状に埋め込まれている(23)ことを特徴とする、請求項33に記載のチューブ。
【請求項36】
スカート及びヘッドから形成され、少なくとも1つの排出口とネックとを備え、上記ネックが、上記排出口における半径方向の拡張部を形成し、上記スカートと接合するとともに、少なくとも上記スカート及びネックが一体となった組み立て体により形成され、応力亀裂および水バリヤの形成に対し耐久性がある柔軟性チューブの製造方法であって、
壁の構成材料として、C2〜C10単量体で調製されたオレフィン共重合体類に属する重合体、ポリプロピレン類に属する第1重合体の少なくとも1に等しい「n」個の混合物を使用し、壁の構成成分の混合物の曲げ弾性率が、規格NF EN ISO 178に準じて測定して700〜80MPa、望ましくは500〜120MPaになるようにする工程と、
射出成形鋳型に、1つの射出操作で上記混合物を射出することにより、チューブのスカート及びヘッドを製造する工程であって、上記射出成形鋳型がインプレッション(7)と芯(6)とを備え、上記芯が中央部(10)を有し、中央部の上方自由端(11)が、少なくともスカートの射出中に、インプレッション上にセンタベアリングする工程と、
を含むことを特徴とする、チューブの製造方法。
【図1】
【図2】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公表番号】特表2006−517242(P2006−517242A)
【公表日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−518709(P2005−518709)
【出願日】平成16年1月14日(2004.1.14)
【国際出願番号】PCT/FR2004/000063
【国際公開番号】WO2004/073962
【国際公開日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【出願人】(502434332)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年1月14日(2004.1.14)
【国際出願番号】PCT/FR2004/000063
【国際公開番号】WO2004/073962
【国際公開日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【出願人】(502434332)
【Fターム(参考)】
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