説明

ポリペプチドアンタゴニスト

円順列変異した成長ホルモンポリペプチドアンタゴニスト;前記アンタゴニストを含む組成物、および前記アンタゴニストの投与から利益を受ける状態を治療する方法について記載する。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
本発明は、円順列変異(circularly permuted)成長ホルモンポリペプチドアンタゴニスト;前記アンタゴニストを含む組成物および前記アンタゴニストの投与から利益を受ける状態を治療する方法に関する。
【0002】
サイトカインと称される増殖因子の大きなグループが、いくつかの多様な細胞機能に関与している。これらには、免疫系の調節、エネルギー代謝の調節ならびに成長および発生の制御が含まれる。サイトカインは、標的細胞上の細胞表面で発現する受容体を介してその効果を媒介する。サイトカイン受容体は、4つの別個のサブグループに分割することができる。1型(成長ホルモン(GH)ファミリー)受容体は、その細胞外ドメインのアミノ末端部分中の4つの保存されたシステイン残基およびC末端部分中の保存されたTrp−Ser−Xaa−Trp−Serモチーフの存在を特徴とする。反復されたCysモチーフは、2型(インターフェロンファミリー)およびIII型(腫瘍壊死因子ファミリー)にも存在する。
【0003】
多数のサイトカインリガンドが、特異的部位を介してその同族受容体と相互作用することが知られている。サイトカイン受容体には、高い親和性のリガンド結合部位および低い親和性の結合部位の両方を持つものがある。
【0004】
例えば、単一分子のGHは、2つの受容体分子(GHR)と会合することが知られている(Cunninghamら、1991;de Vosら、1992;Sundstromら、1996;Clacksonら、1998)。これは、GH上の2つの独自の受容体結合部位および2つの受容体の細胞外ドメイン上の共通の結合ポケットを介して生じる。GH分子上の部位1は部位2よりも高い親和性を有し、受容体ダイマー化は、GH上の部位1への1つの受容体の結合、その後の部位2への第2の受容体の動員によって連続的に生じると考えられる。GHRの細胞外ドメインは、各々約100アミノ酸の2つの連結したドメインとして存在する。ホルモン結合の際に、トリマー複合体GHR−GH−GHRの形成と共に、これら2つのドメインにおいて高次構造変化が生じる。GHR−GH−GHR複合体の内在化の後にリサイクル段階が続き、それにより受容体分子が細胞内でのさらなる使用のために再生される。
【0005】
種々の異なる化学量論が、受容体結合に関して、異なるサイトカインおよび他のリガンドによって採用されている。従って、エリスロポエチンはGHと同様、トリマーの受容体−ホルモン−受容体複合体を形成する。インターロイキン−4は、トリマーの受容体−ホルモン−異なる受容体複合体を形成する。他のサイトカイン、例えば、レプチンおよびGCSFは、テトラマーの受容体−ホルモン−ホルモン−受容体複合体を形成し、他(例えばインターロイキン6)は、2つの可溶性受容体分子、2つの膜貫通受容体分子および2つのサイトカイン分子からなるヘキサマー複合体をおそらく形成する。各場合において、サイトカインを受容体複合体に位置付ける一次的な高親和性の結合部位、および高次構造を変化させ、または他の分子を動員することによってシグナル伝達を開始する二次的な役割を果たすさらなる部位が存在する。
【0006】
変異体サイトカインポリペプチドは公知である。例えば、GH変異体は米国特許第5,849,535号に開示されている。GHに対する改変は、部位1および部位2のどちらの結合部位にもある。部位1に対する改変は、野生型GHと比較してGHRに対するより高い親和性を有するGH分子を生じる。これらの改変GH分子はアゴニストとして作用する。GHアンタゴニストの生成を生じる部位2の改変の開示も存在する。部位1に対するGHの結合親和性を変更するGHに対する改変のさらなる例は、米国特許第5,854,026号;米国特許第6,004,931号;米国特許第6,022,711号;米国特許第6,057,292号;および米国特許第6136563号に開示されている。これらの改変は、変更されたシグナル伝達特性を有する分子を生じるGH中の特定の位置での点変異に関する。
【0007】
円順列変異(circular permutation)は、天然ポリペプチドの全体的な線状一次配列構造を保持するが新たなアミノ末端およびカルボキシル末端を形成することによってその配列を並べ替えるポリペプチド変異体を生成する手段である。このプロセスは、変更された生物学的特性を有する分子を生成する。このプロセスは、直接的な、または典型的にはペプチドリンカーであるリンカー分子を使用することによる、天然のアミノ末端およびカルボキシル末端の融合を含む。次いで環状化分子は概念上切断されて、新たなアミノ末端およびカルボキシル末端を生じる。円順列変異ポリペプチドは、組換えまたはin vitroペプチド合成によって生成され得る。
【0008】
円順列変異は、変更された生物学的活性を有するキメラ分子を生成するために使用されてきた。
例えば、WO95/27732は、細胞傷害性因子に融合した、円順列変異IL−4リガンドの生成を開示している。順列変異したIL−4−因子は、天然IL−4−因子と比較して変更された親和性および細胞障害性を有し、コンジュゲートしたポリペプチドに曝露された癌細胞を死滅させることに関して効力を有する。
【0009】
WO99/51632は、ビオチンへの親和性が低下した新規ストレプトアビジン結合タンパク質を生成するための、円順列変異の使用を記載している。円順列変異ストレプトアビジンを、示差的にビオチンに結合する融合タンパク質を生成するために、第2のポリペプチドと融合する。ビオチンに対するストレプトアビジン融合タンパク質の親和性の低下は、ビオチンが薬物送達ビヒクルとして使用される場合に融合タンパク質の放出を容易にする。
WO01/51629は、円順列変異細菌性β−ラクタマーゼ、および順列変異したポリペプチドと集合する細胞内と細胞外のタンパク質間の相互作用の検出のためのマーカータンパク質としてのその使用を開示している。
【0010】
円順列変異ポリペプチドを同定する方法もまた公知である。例えば、その全体が参照によって組み込まれるWO00/18905は、順列変異した遺伝子のライブラリーが挿入されたファージディスプレイベクターを使用して、順列変異したポリペプチド(「パーミュテイン」と称される)を同定する方法を記載している。ディスプレイベクターの表面でのライブラリーの発現は、パーミュテインと強力に相互作用する結合タンパク質への発現ライブラリーの曝露により検出される。
【0011】
その全体が参照によって組み込まれるWO01/30998は、円順列変異タンパク質を生成し同定するためのさらなる方法を開示している。この発明は、順序変異が合成される、異なる第2のタンパク質のカルボキシル末端部分に融合した第1のタンパク質のアミノ末端部分を含む融合タンパク質の形成に関する。ファージディスプレイによってスクリーニングすることができる融合タンパク質のライブラリーが作成される。
【0012】
本発明者らの同時係属中の出願WO2005/003165 A2において、本発明者らは、とりわけ、円順列変異成長ホルモン分子を開示している。本発明者らは、1つのこのような分子のアゴニスト活性および成長ホルモン受容体活性のアンタゴニストへのこの分子の改変を開示している。
【0013】
本発明の一態様によれば、
(i)図1(配列番号:1)に示される配列からなる核酸分子;
(ii)(i)で特定された配列にハイブリダイズする配列を含む核酸分子であって、前記核酸分子が図1に示されたアミノ酸残基176をコードする配列を含む改変を含み、前記改変により少なくとも1つのアミノ酸残基の付加、置換または欠失が生じ、前記核酸分子が成長ホルモン受容体アンタゴニスト活性を有するポリペプチドをコードする核酸分子;
(iii)図2a(配列番号:2)に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする核酸分子
からなる群より選択される核酸配列を含む、単離された核酸分子が提供される。
本発明の好ましい実施形態において、上記(i)および(ii)に記載される配列に対してストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でアニールする、単離された核酸分子が提供される。
【0014】
核酸分子のハイブリダイゼーションは、2つの相補的な核酸分子が互いに一定量の水素結合を受ける場合に生じる。ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーは、その核酸を取り巻く環境条件、ハイブリダイゼーション方法の性質、ならびに使用される核酸分子の組成および長さに従って変動し得る。特定の程度のストリンジェンシーを達成するために必要なハイブリダイゼーション条件に関する計算は、Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、NY、2001);およびTijssen、Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology−Hybridization with Nucleic Acid Probes Part I、Chapter 2(Elsevier、New York、1993)中で論じられている。Tは、核酸分子の所定の鎖の50%がその相補鎖とハイブリダイズする温度である。以下は、ハイブリダイゼーション条件の例示的設定であり、限定するものではない:
【0015】
非常に高いストリンジェンシー(少なくとも90%の同一性を共有する配列のハイブリダイズを可能にする)
ハイブリダイゼーション:5×SSC、65℃で16時間
2回洗浄: 2×SSC、室温(RT)で各々15分間
2回洗浄: 0.5×SSC、65℃で各々20分間
高いストリンジェンシー(少なくとも80%の同一性を共有する配列のハイブリダイズを可能にする)
ハイブリダイゼーション:5×〜6×SSC、65℃〜70℃で16〜20時間
2回洗浄: 2×SSC、RTで各々5〜20分間
2回洗浄: 1×SSC、55℃〜70℃で各々30分間
低いストリンジェンシー(少なくとも50%の同一性を共有する配列のハイブリダイズを可能にする)
ハイブリダイゼーション:6×SSC、RT〜55℃で16〜20時間
少なくとも2回洗浄: 2×〜3×SSC、RT〜55℃で各々20〜30分間。
【0016】
本発明の好ましい実施形態において、前記核酸分子は、図8(配列番号:9)に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする。
本発明のさらなる態様によれば、図2(配列番号:2)に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチドが提供され、この配列は、少なくとも1つのアミノ酸残基の付加、欠失または置換によって改変されており、前記改変はアミノ酸残基176を含み、前記ポリペプチドは成長ホルモン受容体アンタゴニストである。
【0017】
本発明のポリペプチドは、アミノ酸残基176を含む任意の組み合わせで存在し得る、1つまたは複数の置換、付加、欠失、切断により、アミノ酸配列が異なり得る。
本発明の好ましい実施形態において、前記ポリペプチドは、176位のグリシンの、ヒスチジン、アスパラギン酸、バリン、アルギニン、アラニン、リジン、トリプトファン、チロシン、フェニルアラニンおよびグルタミン酸からなる群より選択されるアミノ酸での置換により、改変される。
【0018】
好ましくは、前記置換は、グリシン176のアルギニンまたはリジンまたはアラニンでの置換であり;好ましくは、前記改変はグリシンのアルギニンでの置換である。
本発明の好ましい実施形態において、前記ポリペプチドは、図8(配列番号:9)に示されるアミノ酸配列を含む。
【0019】
さらに、本発明は、本明細書中に開示されるポリペプチド配列と少なくとも75%の同一性を有するポリペプチド配列、またはその断片および機能的に等価なポリペプチドを特徴とする。一実施形態において、このポリペプチドは、本明細書中に示されるアミノ酸配列と、少なくとも85%の同一性、より好ましくは少なくとも90%の同一性、さらにより好ましくは少なくとも95%の同一性、なおより好ましくは少なくとも97%の同一性、最も好ましくは少なくとも99%の同一性を有する。
本発明のさらなる実施形態において、融合タンパク質を形成するために成長ホルモン受容体の少なくとも1つの細胞外結合ドメインに連結した本発明によるポリペプチドが提供され、好ましくは、前記結合ドメインは成長ホルモン受容体の細胞外ドメインからなる。
【0020】
本発明の好ましい実施形態において、前記ドメインは、ペプチド連結分子を介して連結する。
本発明の好ましい実施形態において、前記のペプチド連結分子は柔軟なペプチドリンカーである。
好ましくは、このリンカーは、5〜30アミノ酸残基を含むペプチドである。より好ましくは、このリンカーは、10〜20アミノ酸残基を含む。
より好ましくは、このリンカーは、少なくとも1コピーのペプチド:
Gly−Gly−Gly−Gly−Ser(「Gly4Ser」と称する)(配列番号:3)
を含む。
【0021】
本発明の一実施形態において、このリンカーは10アミノ酸の長さであり、2コピーのGly4Serリンカーを含む。本発明の代替の実施形態において、このリンカーは15アミノ酸の長さであり、3コピーのGly4Serリンカーを含む。さらなる代替の実施形態において、このリンカーは20アミノ酸の長さであり、4コピーのGly4Serリンカーを含む。
【0022】
その全体が参照により組み込まれる、本発明者らの同時係属中の出願WO01/096565において、本発明者らは、ペプチドリンカーを介してサイトカインのリガンド結合ドメインをそのリガンドの細胞外受容体結合ドメインに翻訳により融合させる、融合タンパク質を開示している。この融合タンパク質は、遅延したクリアランスおよびアゴニスト活性を有する。その全体が参照により組み込まれる、本発明者らの同時係属中の出願WO2006/010891に記載されるように、この発明のポリペプチドを互いに連結してオリゴマーポリペプチド(ダイマー、トリマーなど)を形成し、成長ホルモン細胞外受容体結合ドメインに連結するペプチドリンカーは、柔軟であり、または柔軟性がなく(例えば、らせん状)、または中間の柔軟性(例えば、部分的にらせん状の組み合わせリンカー)である。リンカーはまた、遅延放出の特徴を有する融合ポリペプチドを提供するために、切断部位、例えばプロテアーゼ切断部位を含み得る。これらは、その全体が参照により組み込まれる、本発明者らの同時係属中の出願WO03/062276に記載されている。
【0023】
本発明のさらなる態様によれば、タンデムに連結した本発明による少なくとも2つのポリペプチドを含む融合ポリペプチドが提供される。
本発明の好ましい実施形態において、本発明によるポリペプチドを複数含む融合ポリペプチドが提供される。
本発明のさらなる好ましい実施形態において、タンデムに連結した本発明による2つのポリペプチドからなる融合ポリペプチドが提供される。
【0024】
本発明の代替的な好ましい実施形態において、本発明による3、4、5、6、7、8、9、10個のポリペプチドを含む融合ポリペプチドが提供される。
本発明のさらに好ましい実施形態において、前記融合ポリペプチドは、リンカー分子によって一緒に連結した本発明による2つまたは少なくとも2つのポリペプチドを含む。好ましくは、前記リンカー分子は、本明細書の前記で開示したものである。
【0025】
本発明のなおさらなる態様によれば、成長ホルモン受容体の少なくとも1つの成長ホルモン結合ドメインをさらに含む、本発明による少なくとも2つのポリペプチドを含む融合ポリペプチドが提供される。
好ましくは、前記融合ポリペプチドは、本発明による2つのポリペプチドおよび成長ホルモン受容体の1つの成長ホルモン結合ドメインからなる。
本発明の好ましい実施形態において、前記結合ドメインは成長ホルモン受容体の細胞外結合ドメインを含み、好ましくは、前記ドメインは成長ホルモン受容体の細胞外ドメインからなる。
【0026】
本発明のさらなる態様によれば、プロラクチンポリペプチドに直接的または間接的に連結した本発明によるポリペプチドを含むキメラ融合ポリペプチドが提供される。
本発明の好ましい実施形態において、前記プロラクチンポリペプチドは、図3(配列番号:7)に示されるヒトプロラクチンの129位で改変されたアミノ酸配列を含む。
本発明の好ましい実施形態において、図3(配列番号:7)に示される129位での前記改変は、アミノ酸置換である。好ましくは、前記置換は、グリシンアミノ酸残基をアルギニンアミノ酸残基で置き換えるものである。好ましくは、前記改変は、プロラクチンの、少なくとも9、10、11、12、13または14個のアミノ末端アミノ酸残基の欠失をさらに含む。
【0027】
本発明のさらなる好ましい実施形態において、前記キメラポリペプチドは、サイトカイン受容体の結合ドメインをさらに含む。好ましくは、前記サイトカイン受容体は成長ホルモン受容体である。
本発明の好ましい実施形態において、前記結合ドメインは、成長ホルモン受容体の細胞外結合ドメインを含み、好ましくは、前記ドメインは、成長ホルモン受容体の細胞外ドメインからなる。
本発明の代替の好ましい実施形態において、前記受容体はプロラクチン受容体である。
【0028】
本発明の好ましい実施形態において、前記結合ドメインは、プロラクチン受容体の細胞外結合ドメインを含み、好ましくは、前記ドメインは、プロラクチン受容体の細胞外ドメインからなる。
本発明のさらなる態様によれば、本発明による融合ポリペプチドまたはキメラ融合ポリペプチドをコードする核酸分子が提供される。
本発明の一態様によれば、本発明による核酸分子を含むベクターが提供される。
【0029】
本発明の好ましい実施形態において、前記ベクターは、前記核酸分子の組換え発現に適合している。
本発明による核酸(複数)を含むベクターは、特に、このベクターが安定なトランスフェクションのためのゲノム中への組換えのために核酸を細胞中に導入するのに使用される場合、プロモーターまたは他の調節配列を含む必要はない。
好ましくは、ベクター中の核酸は、宿主細胞における転写のための適切なプロモーターまたは他の調節エレメントに作動可能に連結する。ベクターは、複数の宿主において機能する二機能性発現ベクターであり得る。
【0030】
「プロモーター」は、転写に必要な全ての調節領域を含む、転写開始部位から上流のヌクレオチド配列を意味する。適切なプロモーターには、構成的プロモーター、組織特異的プロモーター、誘導性プロモーター、発生プロモーターまたは真核細胞もしくは原核細胞における発現のための他のプロモーターが含まれる。
「作動可能に連結した」とは、同じ核酸分子の一部として接続され、プロモーターから転写を開始させるように適切に配置および配向されていることを意味する。プロモーターに作動可能に連結したDNAは、プロモーターの「転写開始調節下」にある。
好ましい実施形態において、プロモーターは、構成的プロモーター、誘導性プロモーターまたは調節性プロモーターである。
【0031】
本発明のさらなる態様によれば、本発明による核酸分子またはベクターでトランスフェクトまたは形質転換された細胞が提供される。
好ましくは、前記細胞は真核細胞である。あるいは、前記細胞は原核細胞である。
本発明の好ましい実施形態において、前記細胞は、真菌細胞(例えば、Pichia spp、Saccharomyces spp、Neurospora spp);昆虫細胞(例えば、Spodoptera spp);哺乳動物細胞(例えば、COS細胞、CHO細胞);植物細胞からなる群より選択される。
【0032】
本発明のさらなる態様によれば、本発明によるポリペプチドを製造する方法が提供され、この方法は、
i)本発明による細胞を提供する工程と
ii)前記ポリペプチドの産生を促す条件下で前記細胞をインキュベートする工程と、任意選択で
iii)前記ポリペプチドを前記細胞または前記細胞を取り囲む増殖培地から単離する工程と
を含む。
本発明の好ましい方法において、このポリペプチドには、このポリペプチドの単離を容易にするアミノ酸親和性タグが提供される。
【0033】
親和性タグは当該分野で公知であり、マルトース結合タンパク質、グルタチオンSトランスフェラーゼ、カルモジュリン結合タンパク質、およびニッケル含有マトリクス上での親和性精製により次いで精製されるタンパク質中へのポリヒスチジン領域の工学的作製が含まれる。多くの場合、市販のベクターおよび/またはキットを、目的のタンパク質を適切な親和性タグに融合させるために使用することができ、これをその後、発現ならびにその後の親和性マトリクス上での抽出および精製のために宿主細胞中にトランスフェクトする。
【0034】
本発明のさらなる態様によれば、医薬品として使用するための本発明によるポリペプチドが提供される。
本発明のさらなる態様によれば、医薬品として使用するための本発明による核酸が提供される。
本発明のさらなる態様によれば、本発明によるポリペプチドを含む医薬組成物が提供される。
【0035】
本発明のなおさらなる態様によれば、本発明による核酸分子を含む医薬組成物が提供される。好ましくは、前記核酸分子は、ベクター、好ましくは真核生物発現に適合した発現ベクターの一部である。
本発明の好ましい実施形態において、前記の医薬品または医薬組成物は、賦形剤または担体を含む。
本発明の好ましい実施形態において、前記医薬品または医薬組成物は、さらなる治療剤と併用される。
【0036】
投与する場合、本発明の医薬品/組成物は、製剤上許容可能な製剤で投与される。このような製剤は、製剤上許容可能な濃度の塩、緩衝剤、保存剤、適合性の担体および任意選択で他の治療剤を日常的に含み得る。
本発明の医薬品/組成物は、注射を含む任意の従来の経路によって投与することができる。投与および適用は、例えば、経口、静脈内、腹腔内、筋内、腔内、関節内、皮下、局所(眼)、皮膚(例えば、皮膚または粘膜中へのクリーム状の脂溶性インサート)、経皮または経鼻であり得る。
【0037】
本発明の医薬品/組成物は、有効量で投与される。「有効量」とは、単独で、またはさらなる用量もしくは相乗的薬物と一緒になって所望の応答を生じる、医薬品/組成物の量である。これは、疾患の進行を一時的に遅延させることだけを含み得るが、より好ましくは、疾患の進行を持続的に停止させることを含む。これは、日常的な方法によってモニタリングすることもでき、または診断方法に従ってモニタリングすることもできる。
【0038】
被験体に投与される医薬品/組成物の用量は、異なるパラメータに従って、特に、使用される投与の様式および被験体の状態(即ち、年齢、性別)に従って選択することができる。投与するとき、本発明の医薬品/組成物は、製剤上許容可能な量で、製剤上許容可能な組成物で適用される。このような製剤は、塩、緩衝剤、保存剤、適合性の担体および任意選択で他の治療剤を日常的に含み得る。医療で使用する場合、これらの塩は製剤上許容可能でなければならないが、製剤上許容可能でない塩は、好都合には、製剤上許容されるその塩を調製するために使用することができ、本発明の範囲から除外されない。このような薬理学的にかつ製剤上許容可能な塩には、以下の酸から調製されるものが含まれるがこれらに限定されない:塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、マレイン酸、酢酸、サリチル酸、クエン酸、ギ酸、マロン酸、コハク酸など。また、製剤上許容可能な塩は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩(例えば、ナトリウム、カリウムまたはカルシウムの塩)として調製することができる。
【0039】
この医薬品/組成物は、所望の場合、製剤上許容可能な担体と組み合わせてもよい。本明細書中で使用する場合、用語「製剤上許容可能な担体」は、ヒトへの投与に適した、1つまたは複数の適合性の固体または液体の充填剤、希釈剤またはカプセル化物質を意味する。用語「担体」は、活性成分を組み合わせて適用を容易にする、天然または合成の有機または無機成分をいう。医薬組成物の成分はまた、所望の医薬品の効力を実質的に損なう相互作用がないような様式で、本発明の分子と、また互いに混合することが可能である。
【0040】
この医薬品/組成物は、酢酸塩;クエン酸塩;ホウ酸塩およびリン酸塩を含む、適切な緩衝剤を含み得る。
この医薬品/組成物はまた、任意選択で、適切な保存剤(例えば、塩化ベンザルコニウム;クロロブタノール;パラベンおよびチメロサール)を含み得る。
【0041】
医薬組成物は、好都合には、単位剤形で提示することができ、薬学の分野で周知の方法のいずれかによって調製することができる。全ての方法は、活性剤を、1つまたは複数の付属成分を構成する担体と合わせる工程を含む。一般に、組成物は、活性化合物を、液体担体、微細に分割された固体担体またはそれら両方と均一かつ密接に合わせ、次いで必要に応じて製品を成形することによって調製される。
経口投与に適切な組成物は、別個の単位(例えば、各々が所定量の活性化合物を含む、カプセル、錠剤、ロゼンジ)として提示され得る。他の組成物には、水性の液体または非水性の液体(例えば、シロップ、エリキシルまたはエマルジョン)中の懸濁液が含まれる。
【0042】
非経口投与に適切な組成物は、簡便には、好ましくはレシピエントの血液と等張な無菌の水性または非水性の製剤を含む。この製剤は、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を使用して、公知の方法に従って製剤化され得る。無菌の注射可能な製剤はまた、非毒性の非経口投与で許容可能な希釈剤または溶媒中の、無菌の注射可能な溶液または懸濁液、例えば1,3−ブタンジオール中の溶液であり得る。使用され得る許容可能な溶媒には、水、リンゲル溶液および等張な塩化ナトリウム溶液がある。さらに、無菌の固定油が、溶媒または懸濁媒体として従来通り使用される。この目的のために、合成のモノグリセリドまたはジグリセリドを含む、任意の無刺激性の固定油が使用され得る。さらに、オレイン酸などの脂肪酸が、注射剤の調製において使用され得る。経口、皮下、静脈内、筋内などの投与に適切な担体製剤は、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Co.、Easton、PA中に見出すことができる。
【0043】
本発明によるポリペプチド/核酸分子などは、リポソーム中に取り込むことができる。リポソームは、次いで患者に導入される選択された治療剤をカプセル化する、脂質ベースのビヒクルである。リポソームは、純粋なリン脂質またはリン脂質とホスホグリセリドとの混合物のいずれかから製造される。
典型的に、リポソームは、200nm未満の直径で製造され得、これにより、リポソームを静脈内注射することが可能となり、肺毛細血管床を通過させることが可能となる。さらに、リポソームの生化学的性質は、選択された組織へ接近するために、血管膜を横切る透過性を付与する。リポソームは、比較的短い半減期を有する。ポリエチレングリコール(PEG)でコーティングされたリポソームを含む、いわゆるSTEALTH(登録商標)リポソームが開発されている。PEG処理したリポソームは、患者に静脈内投与される場合に有意に増加した半減期を有する。さらに、STEALTH(登録商標)リポソームは、細網内皮系における取り込みの低下および選択された組織への蓄積の増強を示す。さらに、選択された細胞/組織への薬剤の送達の特異性を増加させるために、脂質ベースのビヒクルを抗体(単数または複数)と組み合わせる、いわゆるイムノリポソームが開発されている。
送達手段としてのリポソームの使用は、米国特許第5580575号および米国特許第5542935号中に記載されている。
【0044】
本発明のさらなる態様によれば、巨人症、先端巨大症;癌(例えば、ウィルムス腫瘍、骨肉腫、乳癌、結腸癌、前立腺癌、甲状腺癌);糖尿病性網膜症;糖尿病性腎症ならびに糖尿病およびGH過剰の他の合併症からなる群より選択される状態の治療のための薬剤の製造における、本発明によるポリペプチドの使用が提供される。
本発明のさらなる態様によれば、動物、好ましくはヒトの治療の方法であって、成長ホルモン活性またはプロラクチン活性の阻害から利益を受ける疾患または状態の治療を必要とする前記動物に、本発明によるポリペプチドを有効量投与する工程を含む方法が提供される。
【0045】
ポリペプチドアンタゴニストの投与から利益を受ける疾患の例は当業者に明らかであり、成長ホルモンまたはプロラクチンの受容体シグナル伝達の活性化または活性化の増大を含む、任意の疾患または状態である。
本発明の好ましい方法において、前記疾患または状態は、巨人症、先端巨大症;癌(例えば、ウィルムス腫瘍、骨肉腫、乳癌、結腸癌、前立腺癌、甲状腺癌);糖尿病性網膜症;糖尿病性腎症ならびに糖尿病およびGH過剰の他の合併症からなる群より選択される。
【0046】
本明細書中で使用する場合、用語「癌」とは、自律的増殖(即ち、迅速に増殖する細胞増殖を特徴とする異常な状況または状態)の能力を有する細胞をいう。この用語は、組織病理学的な型または浸潤の段階に関わらず、全ての型の癌性の増殖もしくは発癌プロセス、転移組織または悪性形質転換した細胞、組織もしくは器官を含むことを意味する。用語「癌」には、例えば、肺、乳房、甲状腺、リンパ系、消化器および泌尿生殖器に発症するものなどの種々の器官系の悪性疾患、ならびにほとんどの結腸癌、腎細胞癌、前立腺癌および/または精巣腫瘍、肺の非小細胞癌、小腸の癌および食道の癌などの悪性疾患を含む腺癌が含まれる。用語「癌腫」は当該分野で認識されており、呼吸器系の癌腫、消化器系の癌腫、泌尿生殖系癌腫、精巣癌腫、乳房癌腫、前立腺癌腫、内分泌系癌腫および黒色腫を含む、上皮または内分泌組織の悪性疾患をいう。例示的な癌腫には、子宮頸部、肺、前立腺、乳房、頭頸部、結腸および卵巣の組織から形成されるものが含まれる。用語「癌腫」には、例えば癌性かつ肉腫様の組織からなる悪性腫瘍を含む癌肉腫も含まれる。「腺癌」とは、腺性組織由来の癌腫または腫瘍細胞が認識可能な腺性構造をそこから形成する癌腫をいう。用語「肉腫」は、当該分野で認識されており、間葉起源の悪性腫瘍をいう。
【0047】
本発明のさらなる態様によれば、本発明によるポリペプチドのアンタゴニスト活性を改変する方法が提供され、この方法は、
i)a)図1(配列番号:1)中に示される配列からなる核酸分子;
b)(a)で特定された配列にハイブリダイズする配列を含む核酸分子であって、前記核酸分子がアミノ酸残基176をコードする配列を含む改変を含み、前記改変により少なくとも1つのアミノ酸残基の付加、置換または欠失が生じ、前記核酸分子が成長ホルモン受容体アンタゴニスト活性を有するポリペプチドをコードする核酸分子
からなる群より選択される核酸分子がコードするポリペプチドを提供する工程と、
ii)前記ポリペプチドの最初のアミノ酸残基をコードするコドンを変異させて、変異体ポリペプチドを産生する工程と、
iii)成長ホルモン受容体活性に関してこの変異体ポリペプチドの阻害活性を決定し、それによって前記ポリペプチドの機能的変異体を同定する工程とを含む。
本発明のさらなる態様によれば、本発明による方法によって得られ、または得ることが可能な変異体ポリペプチドアンタゴニストが提供される。
【0048】
本発明のさらなる態様によれば、ポリペプチド中の変異の合理的設計方法が提供され、この方法は、
i)図2(配列番号:2)中のアミノ酸配列によって示される第1のポリペプチドの3Dモデルを提供する工程と、
ii)変異体ポリペプチドの3Dモデルを提供する工程であって、前記変異体ポリペプチドが、図2(配列番号:2)中の少なくとも1つのアミノ酸残基の付加、欠失または置換によって改変された前記第1のポリペプチドの改変配列変異体である工程と、
iii)前記第1のポリペプチドの3Dモデルと比較した場合の、前記第2のポリペプチドの3Dモデルに対する変異の影響を比較する工程と、任意選択で
iv)前記第1のポリペプチドと比較した場合の、前記第2のポリペプチドの成長ホルモン受容体活性化に対する前記改変の影響を試験する工程とを含む。
【0049】
本発明のさらなる態様によれば、第1および第2のポリペプチドを含むポリペプチドを含むホモダイマーが提供され、前記ポリペプチドは、第2の部分に直接的または間接的に連結した、本発明によるポリペプチドを含む第1の部分を含み、前記第2の部分は、成長ホルモン受容体の細胞外ドメインを含む。
本発明の好ましい実施形態において、前記第1の部分は、図2a(配列番号:2)に示されるアミノ酸配列を含み、前記アミノ酸配列は、176位の少なくとも1つのアミノ酸残基の付加、欠失または置換により改変され、前記第2の部分は、図2b(配列番号:4)、2c(配列番号:5)または2d(配列番号:6)中のアミノ酸配列によって示される成長ホルモン受容体の細胞外ドメインを含む。
【0050】
本明細書の記載および特許請求の範囲を通じて、語「含む(comprise)」および「含む(contain)」ならびにこれらの語の変化、例えば、「含む(comprising)」および「含む(comprises)」は、「〜を含むがそれに限定されない」を意味し、他の部分、追加、成分、整数または工程を排除することを意図しない(かつ排除しない)。
本明細書の記載および特許請求の範囲を通じて、単数形は、文脈が他を要求しない限り複数形を包含する。特に、不明確な冠詞が使用される場合、その指定は、文脈が他を要求しない限り、複数形ならびに単数形を意図すると理解すべきである。
【0051】
本発明の特定の態様、実施形態または例と組み合わせで記載される特性、整数、特徴、化合物、化学的部分または基は、それらと適合する限り、本明細書中に記載される任意の他の態様、実施形態または例に適用可能であると理解すべきである。
ここで、単なる例示として、添付の図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
【0052】
定義
核酸分子:ヌクレオチドは、一緒に連結したときに核酸分子を形成する、ピリミジン、プリンまたはそれらの合成アナログなどの、糖に連結した塩基を含むモノマーである。核酸配列とは、核酸分子中の塩基の配列をいう。
【0053】
ポリペプチド:アミド結合を介して一緒に接続されたアミノ酸残基がモノマーである、ポリマー。用語「ポリペプチド」または「タンパク質」は、本明細書中で使用する場合、任意のアミノ酸配列を包含し、糖タンパク質などの修飾配列を含むことを意図する。用語「ポリペプチド」は具体的には、天然に存在するタンパク質、ならびに組換えまたは合成により産生されたタンパク質をカバーすることを意図する。
【0054】
変異体ポリペプチド:変異体、即ちポリペプチドと基準ポリペプチドは、任意の組み合わせで存在し得る1つまたは複数の置換、付加、欠失、切断により、アミノ酸配列が異なり得る。とりわけ好ましい変異体は、保存的アミノ酸置換によって参照ポリペプチドから変化した変異体である。このような置換は、同様の性質の別のアミノ酸によって所定のアミノ酸を置換するものである。以下のアミノ酸の非限定的リストは、保存的置換(類似)とみなされる:a)アラニン、セリンおよびスレオニン;b)グルタミン酸およびアスパラギン酸;c)アスパラギンおよびグルタミン;d)アルギニンおよびリジン;e)イソロイシン、ロイシン、メチオニンおよびバリン、ならびにf)フェニルアラニン、チロシンおよびトリプトファン。その変異体がそこから変化した参照ポリペプチドと同じ生物学的機能および活性を保持する変異体が、最高に好ましい。さらに、本発明は、図2中に示されるポリペプチド配列と少なくとも75%の同一性を有するポリペプチド配列、またはその断片および機能的に等価なポリペプチドを特徴とする。一実施形態において、このポリペプチドは、図2中に示されるアミノ酸配列と、少なくとも85%の同一性、より好ましくは少なくとも90%の同一性、なおより好ましくは少なくとも95%の同一性、なおより好ましくは少なくとも97%の同一性、最も好ましくは少なくとも99%の同一性を有する。
【0055】
組換え核酸:組換え核酸は、天然に存在しない配列を有するもの、または2つの別の方法で分離された配列のセグメントの人為的組み合わせにより作成された配列を有するものである。この人為的組み合わせは、化学的合成によってしばしば達成され、またはより一般的には、核酸の単離されたセグメントの人為的操作、例えば遺伝子工学技術によって達成される。同様に、組換えタンパク質は、組換え核酸分子によりコードされるものである。
【0056】
融合ポリペプチド:組換えポリペプチドとして典型的に製造される単一のポリペプチドを形成するための、少なくとも2つのポリペプチドの翻訳による融合。
【0057】
ペプチドリンカー:らせん状であり従って連結したポリペプチド間に硬い連結を提供し得るか、または柔軟であり従って連結したポリペプチド間のある程度の回転運動を提供し得る、あるいは、連結したポリペプチド間の幾分かの回転運動を提供する、らせん状と非らせん状との組み合わせであり得る、典型的には短いペプチド。非可撓性のらせん状領域の提供はドメインの空間的分離を維持するが、可撓性の非らせん状領域の提供は、サイトカイン受容体(複数)の結合部位にドメインを適応させることが可能である。ペプチドは、典型的にはアミノ酸残基の短いポリマーである。
【0058】
治療剤(therapeutic agent):これは一般的な意味で使用され、治療薬(treating agent)、治療薬(prophylactic agent)および置換薬(replacement agent)、例えば、本発明のポリペプチドの投与から利益を受ける状態の治療効果を強化または増強する剤、例えば、免疫調節剤または化学療法剤が含まれる。
【0059】
細胞外結合ドメイン:リガンドと接触して受容体媒介性のシグナル伝達をもたらす、細胞表面受容体の一部をいう。例えば、成長ホルモン受容体の細胞外ドメインは、各々約100アミノ酸の2つの連結したドメインとして存在し、C末端SD−100(Bドメイン)は細胞表面に最も近接しており、N末端SD−100ドメイン(Aドメイン)は最も遠く離れている。成長ホルモンまたはプロラクチンの結合の際に、トリマー複合体の形成と共に、これら2つのドメインにおいて高次構造変化が生じる。複合体の内在化の後にリサイクル段階が続き、それにより受容体分子が細胞内でのさらなる使用のために再生される。
【0060】
材料および方法
円順列変異アンタゴニストを、2つのPCR戦略(図4)を使用して合成した;PCR用の鋳型は、結合部位2において変異した成長ホルモン(G120R)または結合部位1および2の両方において変異した成長ホルモン(H18D、H21N、G120R、R167N、K168A、D171S、K172R、E174SおよびI179T)であった。PCR反応において使用したプライマーFOR、LINKおよびREVはそれぞれ、GHPermLink−(5’−tggataagggaatggtgctgccctccacagag−3’配列番号:10)、Nde−GHCP07F(5’−aattaattcatatgagcccccggactgggcag−3’配列番号:11)およびGHCP07−XhoR(5’−aattctcgagatcttccagcctccccatc−3’配列番号:12)であった。PCR反応は、EXPAND PCRキット(Roche)を使用して実施し、付属の説明書に従った;第1および第2のPCRのためのアニーリング温度はそれぞれ、55℃および45℃であった。最終PCR産物を、NdeI部位とXhoI部位との間でpET21a+(Novagen)中に連結した。連結したプラスミドを次いで、化学的にコンピテントなE.coli XLl Blue細胞中に形質転換した。形質転換によって生じたコロニーから作製したプラスミドを、NdeIおよびXhoIを使用した制限分析によって最初に確認した。制限分析において陽性の結果を生じたクローンについて、T7プロモーターおよびT7ターミネーター配列決定プライマーを使用した配列決定を行った。
【0061】
正しい配列を有する単一のプラスミドを選択し、化学的にコンピテントなE.coli BL21(DE3)中に形質転換した。このプラスミドで形質転換したE.coli BL21(DE3)のコロニーを取り、これを使用してカルベニシリン(100μg/ml)を補充した20mlのLB培地に接種した。37℃で振盪しながら一晩のインキュベーションを行った後、この培養物を使用して、カルベニシリン(100μg/ml)を補充した500mlのLBに対して2%の接種物を提供した;これを次いで、室温で振盪しながら増殖させた。培養物のOD600が約0.4に達したときに、この培養物をIPTG(1mMの最終濃度)で誘導し、次いで室温で一晩振盪を続けた。次いで、この培養物を遠心分離して細胞をペレットにし、上清を廃棄した。
【0062】
この細胞ペレットを15mlの平衡緩衝液(20mMリン酸塩緩衝液、0.5M NaCl、20%グリセロール、20mMイミダゾールおよびpH8)中に再懸濁し、次いでリゾチーム/デオキシコール酸ナトリウム/超音波処理を使用して細胞を溶解した。溶解した細胞を高速で遠心分離して不溶性成分をペレットにし、次いで上清を新たなチューブにデカントした。平衡緩衝液を使用して上清を20mlにし、次いで0.2μmのシリンジフィルターにそれを通過させ、試料をさらに浄化した。
【0063】
Hisタグ付きタンパク質を、固定化金属イオンクロマトグラフィーを使用して精製し、Ni2+で飽和させたProbond Resin(Invitrogen)を使用した。1mlの樹脂をカラムに充填し、10カラム容量(CV)の平衡緩衝液で平衡化した。次いで、浄化したタンパク質試料をこのカラムに添加した。このカラムを20CVの平衡緩衝液で洗浄し、次いで洗浄緩衝液(20mMリン酸塩緩衝液、0.5M NaCl、20%グリセロール、pH6)により、溶出液のA280が0.01を下回るまで洗浄した。次いで、結合したタンパク質を、溶出緩衝液(20mMリン酸塩緩衝液、0.5M NaCl、20%グリセロール、0.5Mイミダゾール、pH6)を使用してカラムから溶出させ、6つの1ml画分を収集した。溶出した画分を、SDS−PAGEゲル分析およびBradfordsタンパク質アッセイによって内容物についてチェックした。
【0064】
精製タンパク質についてGHバイオアッセイを行った;アゴニスト活性を試験タンパク質単独による刺激を観察することによって試験し、アンタゴニスト活性を試験タンパク質の存在下でGHの活性を観察することによって試験した。
【0065】
(実施例)
円順列変異した成長ホルモンアンタゴニストGHCP07B(部位2に変異を有するGHCP07)を、2つのPCR反応によって作製した。第1の反応は約200bpの産物を生じ、これを第2のPCR反応における「メガプライマー」として使用して、約600bpの円順列変異した成長ホルモンアンタゴニスト(GHCP07B)遺伝子を生成した。GHCP07B遺伝子のDNA断片をNdeIおよびXhoIで消化し、次いで、同じ制限酵素によって消化しておいたpET21a+中に連結した。これのE.coli XLl Blue細胞への形質転換により約500個のコロニーが生じ、陰性コントロールの(水のみで形質転換した)プレート上にはコロニーは現れなかった。
【0066】
3つのクローンを取ってさらに処理した;プラスミドミニプレップをこれらのクローンから作製し、プラスミドを制限分析によって分析したところ、3つ全てのクローンが正しい消化パターンを生じた。次いでこれらのプラスミドを配列決定し、得られた配列を所望の配列(図5)と比較したところ、3つのプラスミドのうち2つから正しい配列が得られた。次いでこれらのプラスミドのうち1つを選択し、GHCP07BHisを発現させ精製した。
【0067】
このプラスミドをE.coli BL21(DE3)中に形質転換し、培養した。得られた細胞を溶解させ、Hisタグ付きタンパク質をNiキレートカラムを使用して可溶性画分から精製した。溶出したタンパク質をSDS−PAGEおよびBradfordsタンパク質アッセイによって分析し(図6)、合計約25mgのタンパク質を90%より高い純度まで精製した。
【0068】
精製の溶出液3をバイオアッセイにおいて使用し、GHCP07BHis活性の用量範囲をそれ自体で、また、0.5nmolのrhGHの存在下でも測定した。これにより、GHCP07BHisがアゴニスト活性を有さず、アンタゴニスト活性を有することが示された(図7A)。GHCP07BHisの活性は、GH.G120Rの活性と同等であった(図7B)。
【0069】
円順列変異した成長ホルモンアンタゴニストGHCP07C(部位1および部位2に変異を有するGHCP07)を作製し、GHCP07Bと同じ方法で分析した。GHCP07Cの配列は図8に示され、このタンパク質の精製は図9に示される。精製タンパク質の溶出液1をバイオアッセイにおいて使用した。これにより、GHCP07Cがアゴニスト活性を有さず、B2036(部位1および部位2の両方に変異を有する成長ホルモン)と同等の活性を有する(図10B)、強力なアンタゴニストであることが示された(図10A)。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】成長ホルモン円順列変異GHCP07の核酸配列を示す図である(配列番号:1)。
【図2a】成長ホルモン円順列変異GHCP07のアミノ酸配列を示す図である(配列番号:2)。
【図2b】成長ホルモン受容体の細胞外ドメインのアミノ酸配列を示す図である(配列番号:4)。
【図2c】成長ホルモン受容体のAドメインのアミノ酸配列を示す図である(配列番号:5)。
【図2d】成長ホルモン受容体のBドメインのアミノ酸配列を示す図である(配列番号:6)。
【図3】ヒトプロラクチンのアミノ酸配列を示す図である(配列番号:7)。
【図4】成長ホルモンを円順列変異させるのに使用される戦略を示す図である。
【図5】GHCP07BHisのヌクレオチド配列およびアミノ酸(3文字アミノ酸コード)配列を示す図である(配列番号:8)。結合部位2の変異が太字で示される。変異により達成されるアミノ酸変化は、配列の右側に(1文字アミノ酸コードを使用して)示される。
【図6】GHCP07BHisの精製を示すSDS−PAGEゲルを示す図である。レーンの内容物はゲルの下に示され、Bradfordsアッセイにより測定されるタンパク質濃度(mg/ml)が各ウェルの下に示される。
【図7A】0.5nmolのrhGHの非存在下および存在下でのその用量応答を示す、GHCP07BHisのバイオアッセイを示す図である。GHCP07BHisは、それ自体活性を有さず、rhGHの効果と拮抗する。
【図7B】GH.G120Rに対するGHCP07BHisのアンタゴニスト活性の比較を示す図である。GHCP07BHisおよびGH.G120Rの活性は類似している。
【図8】GHCP07CHisのヌクレオチド配列およびアミノ酸(3文字アミノ酸コード)配列を示す図である(配列番号:9)。結合部位1の変異が下線で示され、結合部位2の変異が太字で示される。これらの変異によって達成されるアミノ酸変化は、配列の右側に(1文字アミノ酸コードを使用して)示される。
【図9】GHCP07CHisの精製を示すSDS−PAGEゲルを示す図である。レーンの内容物はゲルの下に示され、Bradfordsアッセイにより測定されるタンパク質濃度(mg/ml)が各ウェルの下に示される。
【図10A】1nmolのrhGHの非存在下および存在下でのその用量応答を示す、GHCP07CHisのバイオアッセイを示す図である。GHCP07CHisは、それ自体活性を有さず、rhGHの効果と拮抗する。
【図10B】B2036に対するGHCP07CHisのアンタゴニスト活性の比較を示す図である。GHCP07CHisおよびB2036の活性は類似している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号:2に示されるポリペプチドをコードする配列番号:1に示される配列を含む核酸分子であって、当該アミノ酸配列が、アミノ酸残基176のアミノ酸の付加、欠失または置換を含むように改変されている核酸分子。
【請求項2】
配列番号:2に示されるポリペプチドをコードする配列番号:1に示される配列を含む核酸分子。
【請求項3】
配列番号:9に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする、請求項1に記載の核酸分子。
【請求項4】
ポリペプチド成長ホルモンアンタゴニストをコードする、請求項1から3のいずれかに記載の核酸分子。
【請求項5】
少なくとも1つのアミノ酸残基の付加、欠失または置換によって配列が改変された、配列番号:2に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、前記改変がアミノ酸残基176を含み、前記ポリペプチドが成長ホルモン受容体アンタゴニストであるポリペプチド。
【請求項6】
176位のグリシンの、ヒスチジン、アスパラギン酸、バリン、アルギニン、アラニン、リジン、トリプトファン、チロシン、フェニルアラニンおよびグルタミン酸からなる群より選択されるアミノ酸での置換によって改変されている、請求項5に記載のポリペプチド。
【請求項7】
アルギニンまたはリジンまたはアラニンでグリシン残基176を置換している、請求項6に記載のポリペプチド。
【請求項8】
前記改変が、グリシンのアルギニンでの置換である、請求項7に記載のポリペプチド。
【請求項9】
配列番号:9中のアミノ酸配列によって示される、請求項5から8のいずれかに記載のポリペプチド。
【請求項10】
成長ホルモン受容体の細胞外結合ドメインを含む第2のポリペプチドに連結している、請求項5から9のいずれかに記載のポリペプチド。
【請求項11】
前記第2のポリペプチドが、成長ホルモン受容体の細胞外ドメインからなる、請求項10に記載のポリペプチド。
【請求項12】
前記第2のポリペプチドが、配列番号:4に示されるアミノ酸配列からなる、請求項11に記載のポリペプチド。
【請求項13】
前記細胞外ドメインが、配列番号:5に示されるアミノ酸配列からなる成長ホルモン受容体の細胞外ドメインのAドメインである、請求項11に記載のポリペプチド。
【請求項14】
前記細胞外ドメインが、配列番号:6に示されるアミノ酸配列からなる成長ホルモン受容体の細胞外ドメインのBドメインである、請求項11に記載のポリペプチド。
【請求項15】
タンデムに連結した請求項5から9のいずれかに記載の少なくとも2つのポリペプチドを含む融合ポリペプチド。
【請求項16】
タンデムに連結した2つのポリペプチドからなる、請求項15に記載の融合ポリペプチド。
【請求項17】
請求項5から9のいずれかに記載のポリペプチドを複数含む融合ポリペプチド。
【請求項18】
前記ポリペプチドがペプチドリンカー分子によって一緒に連結している、請求項10から17のいずれかに記載の融合ポリペプチド。
【請求項19】
前記ペプチド連結分子が、柔軟なペプチドリンカーである、請求項18に記載の融合ポリペプチド。
【請求項20】
リンカーが、5〜30アミノ酸残基からなるペプチドである、請求項18または19に記載の融合ポリペプチド。
【請求項21】
ペプチドリンカーが10〜20アミノ酸残基からなる、請求項20に記載の融合ポリペプチド。
【請求項22】
リンカーが、少なくとも1コピーのペプチド:
Gly−Gly−Gly−Gly−Ser(Gly4Serと称する)(配列番号:3)
を含む、請求項18から20のいずれかに記載の融合ポリペプチド。
【請求項23】
ペプチドリンカーが10アミノ酸の長さであり、2コピーのGly4Serを含む、請求項22に記載の融合ポリペプチド。
【請求項24】
ペプチドリンカーが15アミノ酸の長さであり、3コピーのGly4Serを含む、請求項22に記載の融合ポリペプチド。
【請求項25】
ペプチドリンカーが20アミノ酸の長さであり、4コピーのGly4Serリンカーを含む、請求項22に記載の融合ポリペプチド。
【請求項26】
請求項5から9のいずれかに記載の少なくとも2つのポリペプチドを含む融合ポリペプチドであって、成長ホルモン受容体の少なくとも1つの細胞外結合ドメインをさらに含む融合ポリペプチド。
【請求項27】
請求項5から9のいずれかに記載の2つのポリペプチドおよび成長ホルモン受容体の1つの細胞外結合ドメインからなる、請求項26に記載の融合ポリペプチド。
【請求項28】
プロラクチンポリペプチドに直接的または間接的に連結した請求項5から9のいずれか1項に記載のポリペプチドを含むキメラ融合ポリペプチド。
【請求項29】
前記プロラクチンポリペプチドが、配列番号:7に示されるヒトプロラクチンの129位、または代替のプロラクチンポリペプチド中の等価のアミノ酸が改変されたアミノ酸配列を含む、請求項28に記載のキメラ融合ポリペプチド。
【請求項30】
配列番号:7に示される129位での改変がアミノ酸置換である、請求項29に記載のキメラ融合ポリペプチド。
【請求項31】
前記置換が、グリシンアミノ酸残基をアルギニンアミノ酸残基で置き換えるものである、請求項30に記載のキメラ融合ポリペプチド。
【請求項32】
前記プロラクチンポリペプチドが、少なくとも9、10、11、12、13または14個のアミノ末端アミノ酸残基の欠失をさらに含む、請求項28から31のいずれかに記載のキメラ融合ポリペプチド。
【請求項33】
サイトカイン受容体のリガンド結合ドメインをさらに含む、請求項29から32のいずれかに記載のキメラ融合ポリペプチド。
【請求項34】
前記サイトカイン受容体が、成長ホルモン受容体の細胞外結合ドメインを含む、請求項33に記載のキメラ融合ポリペプチド。
【請求項35】
前記サイトカイン受容体が、プロラクチン受容体の細胞外結合ドメインを含む、請求項34に記載のキメラ融合ポリペプチド。
【請求項36】
前記サイトカイン受容体が、成長ホルモン受容体の細胞外ドメインからなる、請求項34に記載のキメラ融合ポリペプチド。
【請求項37】
前記サイトカイン受容体が、プロラクチン受容体の細胞外ドメインからなる、請求項35に記載のキメラ融合ポリペプチド。
【請求項38】
請求項10から37のいずれかに記載の融合ポリペプチドまたはキメラポリペプチドをコードする核酸分子。
【請求項39】
請求項1から3または38のいずれかに記載の核酸分子を含むベクター。
【請求項40】
前記核酸分子の組換え発現に適合している、請求項39に記載のベクター。
【請求項41】
請求項1から3もしくは38のいずれか一項に記載の核酸分子または請求項39もしくは40に記載のベクターでトランスフェクトされた細胞。
【請求項42】
請求項1から3もしくは38のいずれかに記載の核酸分子または請求項39もしくは40に記載のベクターで形質転換された細胞。
【請求項43】
真核細胞である、請求項41に記載の細胞。
【請求項44】
原核細胞である、請求項42に記載の細胞。
【請求項45】
ポリペプチドを製造する方法であって、
i)請求項41から44のいずれかに記載の細胞を提供する工程と、
ii)前記ポリペプチドの産生を促す条件下で前記細胞をインキュベートする工程と、任意選択で
iii)前記ポリペプチドを前記細胞または前記細胞を取り囲む増殖培地から単離する工程とを含む方法。
【請求項46】
前記ポリペプチドに、前記ポリペプチドの単離を容易にするアミノ酸親和性タグが提供される、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
医薬品として使用するための、請求項5から37のいずれかに記載のポリペプチド。
【請求項48】
医薬品として使用するための、請求項1から3または38のいずれかに記載の核酸。
【請求項49】
請求項3から36のいずれかに記載のポリペプチドを含み、賦形剤または担体を含む医薬組成物。
【請求項50】
請求項1から3または38のいずれかに記載の核酸分子を含み、賦形剤または担体を含む医薬組成物。
【請求項51】
前記核酸分子がベクターの一部である、請求項50に記載の組成物。
【請求項52】
前記ベクターが真核生物発現に適合した発現ベクターである、請求項51に記載の組成物。
【請求項53】
さらなる治療剤と併用される、請求項49から52のいずれかに記載の組成物。
【請求項54】
巨人症、先端巨大症、癌;糖尿病性網膜症;糖尿病性腎症ならびに糖尿病およびGH過剰の他の合併症からなる群より選択される状態の治療のための薬剤の製造における、請求項5から37のいずれかに記載のポリペプチドの使用。
【請求項55】
動物の治療の方法であって、成長ホルモン活性またはプロラクチン活性の阻害から利益を受ける疾患または状態の治療を必要とする前記動物に、請求項5から37のいずれかに記載のポリペプチドを有効量投与する工程を含む方法。
【請求項56】
前記疾患または状態が、巨人症、先端巨大症、癌;糖尿病性網膜症;糖尿病性腎症ならびに糖尿病およびGH過剰の他の合併症からなる群より選択される、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
ポリペプチドのアンタゴニスト活性を改変する方法であって、
i)配列番号:1に示される核酸配列を含む核酸分子がコードするポリペプチドを提供する工程と、
ii)前記ポリペプチドの最初のアミノ酸残基をコードするコドンを変異させて、変異体ポリペプチドを産生する工程と
を含む方法。
【請求項58】
請求項57に記載の方法によって得られた、または得ることが可能な変異体ポリペプチドアンタゴニスト。
【請求項59】
ポリペプチド中の変異の合理的設計方法であって、
i)配列番号:2中のアミノ酸配列によって示される第1のポリペプチドの3Dモデルを提供する工程と、
ii)変異体ポリペプチドの3Dモデルを提供する工程であって、前記変異体ポリペプチドが、配列番号:2に示される少なくとも1つのアミノ酸残基の付加、欠失または置換によって改変された前記第1のポリペプチドの改変配列変異体である工程と、
iii)前記第1のポリペプチドの3Dモデルと比較した場合の、前記第2のポリペプチドの3Dモデルに対する変異の影響を比較する工程と、場合によっては、
iv)第1のポリペプチドと比較した場合の、第2のポリペプチドによる成長ホルモン受容体活性化に対する前記改変の影響を試験する工程とを含む方法。
【請求項60】
請求項10から14のいずれかに記載の2つのポリペプチドを含むホモダイマー。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【公表番号】特表2009−532051(P2009−532051A)
【公表日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−503658(P2009−503658)
【出願日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際出願番号】PCT/GB2007/001285
【国際公開番号】WO2007/128979
【国際公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【出願人】(508298189)アステリオン・リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】ASTERION LIMITED
【Fターム(参考)】