説明

ポリマーコアを有する放射検出器

本発明は放射の検出及びマップ化用のデバイスを提供するもので、該デバイスは外側シェル材料内に配置されたポリマーコアを有し、該ポリマーコアは少なくとも1つの放射感応性成分を有し、該外側シースはコリメーションシースを有する。好ましくは、該ポリマーコアは該外側シェル内に納められた球形コアを有するのがよい。該外側シェルは好ましくは金属から成るのがよく、最も好ましくは鉛又はタングステンから成るのがよい。本発明は又場所内の放射の検出及びマップ化用の方法を提供するが、該方法は(a)本発明のデバイスを調査されるべき該場所内に置く過程と、(b)該デバイスが該場所内に留まり、予め決められた長さの時間該放射に曝露されることを可能にする過程と、(c)該デバイスを該場所から取り除く過程と、(d)該ポリマーコアを該外側シェルから取り除く過程と、そして(e)前記放射の位置、形及び強度を決定するために、ソフトウエアベースの画像再生アルゴリズムを適用する光学的解析技術により前記ポリマーコアを解析する過程と、を具備する。本発明のデバイスと方法は、放射の検出とマップ化を可能にし、特に、放射性セル、グラブボックス、他の放射性プラント、及び制約されたスペースの様なサイト内の放射線学的障害の位置、強度及び素性の3次元マップ化で有用である。従来技術に優る利点は、電源を不要とすること、高い背景放射に対処出来る、そして限定、制約されたスペースで展開される能力を有することである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は放射線学的障害の検出及びマップ化に関する。特に、本発明は放射線学的障害の位置、強度及び素性のマップ化を可能にする新規な装置に関する。
【背景技術】
【0002】
放射の存在を検出し、精密に測定出来る技術、特に3次元で放射の線量分布を高い空間解像度で測定しマップ化する能力を有する技術、を求める多くの応用品がある。この様な技術は例えば、医学分野の放射治療技術の評価及び核及び関連産業に於ける起こり得る放射障害の検出及び特徴付けに応用がある。
【0003】
放射治療の分野では、核磁気共鳴画像形成技術と組み合わせたフリック(Fricke)線量計溶液を含む水性ゲルの使用が非特許文献1で示唆され、とりわけ非特許文献2及び3で更に調査され、そして定位的放射線手術で使われる複雑な照射の線量分布をマップ化するこの技術の能力が続いて示されている。しかしながら、この様な技術は、照射後、鉄イオンが該ゲルを通して極めて自由に拡散出来て、それにより放射線量パターンを徐々に曇らせ、結果的な空間解像度の低下に導くと言う、フリックゲル媒体に固有の主要欠点をこうむる。
【0004】
ゲル又はポリマー化可能な樹脂を使う幾つかの他の線量計システムが従来技術で公知である。かくして、特許文献1は、第1溶液を形成するために放射性材料の校正済み水性溶液に第1有機溶剤を加える過程と、第2溶液を形成するために該第1溶液を、硬化触媒と共に、第2有機溶剤内に溶かされたポリマー化可能樹脂と混合する過程と、そして該第2溶液を硬化させる過程と、を有する液体相当固体のガンマ線校正標準を作る方法を開示しており、一方特許文献2は拡散性放射性ラベルに選択的に浸透可能なゲル内での固相シンチレーターの微小カプセル化を開示しており、これらのカプセル化シンチレーターは流体システム内の放射性タグ付き物質の濃度をモニターするため使われる。
【0005】
特許文献3は高粘性のホスト液体又はゲル内に懸濁した精細に分散した液体に基づく放射検出器及び線量計を開示する。放射、特に充分なエネルギーと強度の中性子放射が、この様な液滴に接触すると、これは発生する蒸気の容積が放射強度及び線量のメザーとして役立つよう、該液滴の揮発をトリガーすることが出来る。
【0006】
特許文献4はガンマ線、他の低線エネルギー付与(low LET)放射、及びオプションとしてマイクロ波、用の直読式、自己給電型の、検出器及び線量計を開示しているが、そこでは透明な弾性固体媒体が該弾性固体と実質的に混和しない非常に高い蒸気圧検出液体の均一分散液滴を含んでおり、前記液滴の蒸発がガンマ線及びマイクロ波放射の様な軽度にイオン化する放射に感応性である。かくして、該固体媒体は蒸発した各液滴の記録を保持し、その数は放射線量に比例する。
【0007】
特許文献5は検出システムを開示するが、該システムでは、可視の及び/又はMRIで可視の恒久画像が容器内のゲル内で形成され、該容器は該ゲルを寸法的に安定な形状で保持する。放射ポリマー化可能なモノマーが、ゲル内に不溶性ポリマーを形成するのに効果的な濃度で貯蔵安定形のゲル内に均一に分散され、該ポリマーは該ポリマーが形成される範囲での該ゲルの溶媒の相の緩和時間を変える。該モノマーのポリマー化は曝露範囲では入射放射エネルギーにより始動され、最終画像は該ゲルが曝露された放射エネルギーの線量分布を表す。好ましい実施例では、該ゲルは線形にホモポリマー化可能なモノマー、例えばビニルモノマー、と該モノマーと架橋結合でコーポリマー化可能なコーモノマー、例
えば2つのビニルグループを有するモノマー、の混合物を有する。
【0008】
光学走査トモグラフィーが特許文献6の主題であるが、そこでは、エネルギーの線量分布を表す放射エネルギーを受けた時、変化する光学特性を表す半透明媒体を、少なくとも1つの光ビームで、走査することにより3次元線量計データを提供する光学的スキャナーが開示される。多方向からの走査後、少なくとも1つの検出器が該媒体の光学特性の変化を示すデータを集めるよう使われ、それにより該媒体を通る断面内の光学特性の表示を提供する。測定される典型的光学特性は不透明度、光散乱、発射される光輝度及びそれらの組み合わせを含み、該特許は又2次元画像のシリースとして3次元エネルギー場を再生する方法を説明するが、該方法は、該エネルギー場を受けた時変化する特異な光学特性を有する半透明媒体にエネルギー場を印加する過程と、該半透明媒体を種々の角度で光学的に走査する過程と、該媒体内の光学的変化を検出し、該変化を示すデータを測定する過程と、そして該光学的特性の変化を解析することにより該エネルギー場の2次元画像を用意する過程と、に依る。
【0009】
特許文献7は貫入する放射の3次元線量計に関しており、固体半透明及び透明ポリマー内の3次元線量計マップを形成する方法と、入射貫入放射により与えられるデータを取り込むため定式化されたポリマーを有する製造物と、を説明する。それは、既知の手順で測定可能、定量化可能な3次元線量計マップをポリマーマトリックス内に形成することにより貫入放射の線量又は複数線量を検出、表示する。該線量計マップは、該ポリマーが曝露される貫入放射の線量又は複数線量の3次元分布を表し、高空間解像度で定量化され得て、それにより放射曝露又は線量イベント(複数を含む)の3次元の精密、安定、貯蔵可能な記録を提供する。
【0010】
ビー・アイ・エル・ソリューション社(BIL Solutions Ltd.)から入手可能なラドスキャン(Radscan(R))800の様な、産業プラントの放射の検出、測定用装置は商業的に得られて、或る範囲に亘る放射の広がりと強度を示すカラー輪郭マップを提供するための便利な手段を提案する。この様な装置は、大きな範囲が監視を要する時又は物理的制限又は安全上の考慮によりアクセスが制限される場合に、特に有用であり、これら装置は、例えば、放射性材料の零れの調査又は核関連の廃炉作業時のγホットスポットの識別で特別の応用がある。該ラドスキャン800はCCDカメラと、フォトダイオード及び増幅器に取り付けられたヨウ化セシウム検出器と連携して動作するレーザー距離計と、を有する光学的配備を備え、これらの部品はタングステンコリメーター内に収容される。
【0011】
しかしながら、従来の技術は幾つかの欠点を負っている。例えば、多くのシステム、特に放射治療応用に付随するシステム、は高い背景放射に於いて動作不能さを示す。他の共通の困難は、調査が行われるべき場所の物理空間的制約又は遠隔さ、のために展開での実用的問題を有する。更に、コスト問題は非常に重要なことが多く、ラドスキャン800の様なシステムは購入するには高価なのが典型的である。
【0012】
かくして、本発明者はこれらの課題に取り組み、従来技術に付随する困難を克服する、放射の検出とマップ化用のシステムと方法を提供することを追究して来た。従って、本発明は高い背景放射の中で有効で効率的に動作し、機能するのに電源を要せず、従って、幅広い種類の場所及び環境で展開されてもよく、比較的低廉で製造し易い、放射の検出及びマップ化用の手段を提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許出願公開第US−A−4430258号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第US−A−4588698号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第US−A−4350607号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第US−A−4779000号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第US−A−5321357号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第US−A−6218673号明細書
【特許文献7】国際公開第WO−A−2004/079393号パンフレット
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】Gore,J.C.、et al.,Phys.Med.Biol.29:1189−1197;1984
【非特許文献2】Schulz,R.J.,et al.、Phys.Med.Biol.35:1611−1622;1990
【非特許文献3】Day,J.J.Phys.Med.:1605−1609;1990
【発明の概要】
【0015】
本発明の第1側面に依れば、放射性材料により発射される放射の検出及びマップ化のための装置が提供され、この装置は外側シェル材料内に配置されたポリマーコアを具備しており、前記ポリマーコアは前記放射性材料により発射される前記放射に感応性の少なくとも1つの放射感応性成分を備え、前記外側シェルはコリメーションシースを備える。
【0016】
前記放射性材料により発射される該放射はガンマ放射を主として有し、従って前記放射感応性コア成分はガンマ放射に感応性であることが必須である。しかしながら、前記発射される放射は又中性子放射に加えて、或る量のベータ放射を含んでもよく、前記コア材料もベータ放射及び中性子放射に感応性であることが望ましい。
【0017】
前記ポリマーコアはシートを含め、種々の形で形成されてもよい。しかしながら、好ましくは前記ポリマーコアは、立方体、円柱形の又は球形のコアを有するのがよく、最も好ましくは、前記コアが切頭型球形(ドーム型)コアを有するのがよい。前記コアは、各々の場合に、該コアと同じ仕方で形付けられる前記外側シェル内に納められる。前記外側シェルは好ましくは金属から成るのがよい。最も好ましくは、前記金属は鉛又はタングステンを含むのがよい。
【0018】
本発明の第2の側面に依れば、本発明の第1側面の装置内で使用するためにコリメーションシースが提供される。好ましくは、前記コリメーションシースは金属を含むのがよく、最も好ましくは鉛又はタングステンを含むのがよい。前記コリメーションシースは放射曝露に続いて該ポリマーコア材料から取り外し可能であり、本発明に従った別の装置で次に再使用されてもよい。
【0019】
従って、前記コリメーションシースは前記コア材料の周りに填るよう、そして、コア材料から取り外し可能であるよう適合される。前記コリメーションシースは、コリメーションシースが周りに填るよう設計された該ポリマーコアと同じ形状を有し、従って、立方体、円柱形、又は球形の形状を有するのがよいが、最も好ましくは、ドーム型の切頭型球を有するのがよい。前記シースが前記コア材料の周りに填ることを可能にするため、該シースはオプションとして相互結合されてもよい2つのセクションを有する。かくして、前記コリメーションシースはヒンジ結合された配備を有し、それにより前記シェルは前記コア材料の周りで閉じる。しかしながら、好ましくは、前記シースは本質的にベースと蓋を形成する2つの分離されたセクションを有し、該コア材料は該ベースセクション内に置かれ、そして該配備は次いで、該蓋を上に置くことにより完成され、該蓋は該ベースセクションと閉じるよう協力し、該コア材料の周りを閉じるよう適合されるのがよい。加えて、前
記蓋は前記コリメーションシースの外側の周りに保持手段を置くことにより位置的に保持されてもよい。前記保持手段は例えば、ストラップ又は柔軟なシート又はフイルムを有する連続カバーを備えてもよい。
【0020】
前記コリメーションシースが作られる材料は、放射性材料により発射される放射に本質的に不透明であるが、前記シースはその面を通る複数の孔を有し、前記孔は、前記シース上へ入射する前記放射が、前記放射の軌跡が該ポリマーコア材料により取り込まれるように、前記シースを通過することを可能にする。前記シース内の前記複数の孔は好ましくは複数のピンホールを有するのがよい。
【0021】
本発明の第3の側面に依れば、所要場所内の放射の検出とマップ化のための方法が提供され、該方法は、
(a)本発明の第1側面の装置を調査されるべき該所要場所内に置く過程と、
(b)前記装置が前記場所内に留まり、予め決められた時間の長さだけ前記放射に曝露されることを可能にする過程と、
(c)前記所要場所から前記装置を取り除く過程と、
(d)該外側シェルから該ポリマーコアを取り除く過程と、そして
(e)前記放射の位置、形及び強度を決めるために、ソフトウエアベースの画像再生アルゴリズムを適用する光学的解析技術により前記ポリマーコアを解析する過程と、を具備する。
【0022】
好ましくは、前記ポリマーコア材料の前記解析は該コアの不透明度を3次元でデジタル表現するために光学的トモグラフィーにより行われるのがよく、次にリバース・レイ・トレーシング技術を応用するが、該技術は設計の位置的配置と、割り当てられたセル/制約空間形状の知識を利用することにより該放射の位置及び性質を戻り投射するためである。
【0023】
本明細書の説明及び請求項を通して、用語“具備する”及び“含む”と該用語の変化形、例えば、“具備している”及び“具備する(三人称単数形)”は“含むがそれに限定しない”ことを意味し、他の半分(moieties)、付加物、部品、完全体又は過程を排除しようと意図しない(そして排除しない)。
【0024】
本明細書の説明及び請求項を通して、文脈が他の要求をしないなら、単数は複数を含む。特に、不定冠詞が使われる場合、明細書は文脈が他の要求をしないなら、単数のみならず複数も考慮すると理解されるべきである。
【0025】
本発明の特定の側面、実施例又は例に連携して説明される特徴、完全体、特性、化合物、化学的部分又はグループは、これら特徴等と両立しないのでなければ、ここで説明される何等かの他の側面、実施例又は例にも適用可能であると理解されるべきである。
【0026】
本発明の説明
本発明の装置は、コリメーションシースを有する外側シェル材料内に配置される少なくとも1つの放射感応性材料を有するポリマーコア材料に基づいている。本発明の装置及び方法は放射の検出及びマップ化を可能にして、放射性セル、グラブボックス、他の放射性プラント及び制約されたスペースの様な、サイト内の放射性障害の位置、強度及び素性の3次元マップ化に特に使用される。
【0027】
該装置は切頭された球形を有し、5〜20cmの領域内の、最も便利なのは約10cmの、直径を有する。本発明の最も満足すべきで効率的な実施例を提供するためには基本的球形が示され、該切頭型球形形状は、該装置が、動作時、平坦面上に置かれることを可能にすると言う利点を有する。該装置が空間内に懸垂される場合は、完全な球形が使われて
もよいことは勿論である。本発明の何等かの与えられた装置のためには、該コア材料の形状は当然該シェルの形状に適合するであろう。
【0028】
本発明者は、全方向から入射する放射のモニター用に最適にカバーするのを達成するために、該切頭型球形は最も効率的手段を提供することを見出した。該コアの寸法は、展開に伴う実用性、入射放射の種々のエネルギーを成功裡に取り込むに要する材料の深さ、そして照射され、検査範囲からの取り除き後、該ポリマーコアからのデータをデジタル表現するため使われる光学的トモグラフィーシステムの空間解像度、の様な課題を考慮して選ばれる。
【0029】
該シェルは或る非常に特別の要求を考慮して設計される。かくして、例えば、該シースの厚さは該コリメーション孔を通る入射放射を幾何学的に制限しないよう、充分に薄くすべきである。しかしながら、必要程度のコントラストを達成するためにコリメーション孔に隣接しないコアの領域では放射を止めるのに充分厚いことも要求される。
【0030】
該コア材料は放射性材料により発射される放射に感応性のポリマー材料を有する。主に、前記放射は、例えば、コバルト60(60Co)又はセシウム137(137Cs)により発射されるそれの様なガンマ放射を有する。前記放射は又ベータ放射及び中性子放射を含んでもよい。該ポリマーコアがこの様な放射に感応性であるべきことが本発明のキーとなる要求である。しかしながら、前記ポリマーコアは、背景レベルでは前記ポリマーコアの応答性のレベルは非常に高くはないが、可視光及び他の電磁放射のエネルギーに感応性であってもよい。かくして、前記ポリマーコア材料は明るい光から離して貯蔵されるべきことが勧められるが、動作時、該デバイスにより監視されるべき空間内のガンマ発射放射の存在の結果として発生される放射レベルは、常に、標準背景放射レベルより遙かに高い。
【0031】
前記ポリマーコアは好ましくは切頭型球であるが、該望ましい形状にモールドされた1つのポリマーピースを有する。要求される放射感応性を有する適当なポリマー材料は使用前に透明なモールドピースを形成し、該ピースは放射への曝露に従い不透明になる。本発明の文脈で使われる特定の材料は例えば、エポキシ及びポリウレタンポリマー又はそれらの組み合わせを含む。
【0032】
適当なポリウレタンはポリイソシアネートの多価アルコールとの反応により用意されるのが典型的である。前記ポリイソシアネートは一般に、アリルディイソシアネート、アリファチックディイソシアネート、シクロアルキルディイソシアネート又はヘテロサイクリックディイソシアネートであってもよいディイソシアネート、又は3つのイソシアネートグループを有するイソシアネート三量体又はビウレット(biurets)の様なトリイソシアネートを含む。好適なポリイソシアネートは、例えば、1,6−ヘキサメチレンディイソシアネートとイソホロンディイソシアネートを含む。有用な多価アルコールは2つ以上のハイドロキシルグループを有する広範囲の有機化合物から選択されてもよく、ダイオール及びトリオールは最も好適な材料の中にあり、典型的例はポリマー多価アルコール、例えばハイドロキシルを末端基とするポリエーテル又はポリエステル多価アルコールのみならずエチレングリコール及びグリセロールの様なモノマー多価アルコールを含む。本発明の文脈で特に好適な材料は米国、ニュージャージー州08558、スキルマン、412サンセット通りの、ヒューリス ファーマ エルエルシー(Heuris Pharma LLC,412 Sunset Rd.,Skillman,NJ 08558,USA)から入手可能で、商業的に入手可能なポリウレタンプレセージテーエム(PRESAGETM)である。代わりに、米国、コネチカット州06443、マディソン、スート13,1オーチャドパークロード、エムジーエスリサーチ社(MGS Research,Inc.,1 Orchard Park Road,Suite 13,Madis
on,CT 06443,USA)により供給されるバングテーエムポリマーゲルドシメーター(BANGTM polymer gel dosimeters)を使って良好な結果が得られる。
【0033】
好ましくは、前記ポリマーコア材料は又カラー変化材料を含み、該材料は、曝露材料の解析がより容易に行われ得るよう、放射への曝露前は無色であるが、放射曝露後はカラー画像を提供出来るのがよい。この目的用の適当なカラー変化材料は、ロイコマラカイトグリーン又はクリスタルバイオレットラクトーンの様な、種々のフルオラン又はディ又はトリアリルメタン染料のロイコ化合物を含む。
【0034】
前記シェル及びコリメーションシースはポリマーコア材料を囲むよう適合され、その材料と同じ形状、好ましくは切頭型球がよい、を有する金属ケーシングを備える。該シェルは上部及び下部セクションのヒンジ結合された配備を有してもよいが、より好ましくは切頭型球の形のシェルを形成するため一緒に嵌合する2つの別々で、取り外し可能な部品を有するのがよい。好ましくは、該2部品は比肩される寸法で、該コア材料の周りで1つのシェルとして該2部品を固定するよう適合された契合手段を有するのがよい。かくして、最も好ましい実施例では、該コリメーションシースはベースセクションと上部セクションを有し、ポリマー部は該ベースセクション内に置かれ、次いで該シースの頂部セクションが該コア上で該シース底部セクション上へ填り、頂部及び底部セクション間を接合部が良好な嵌合を可能化するようステップされる。
【0035】
該シースの頂部セクションは典型的に該底部セクションから独立に回転し、該デバイスが動作時、前記蓋は前記コリメーションシースの外側付近に配置された保持手段により位置的に保持されるのがよく、前記保持手段はストラップ又は連続するカバーの配備を有してもよい。好ましくは、前記ストラップの配備は適当なプラスチック材料、最も好ましくは、例えばポリエチレンを含む低密度プラスチック材料で形成されたストラップを有するのがよく、一方前記連続するカバーは、典型的に低密度ポリエチレン又はポリ(ビニルクロライド)を有する柔軟なプラスチックシート又はフイルムを備える。代わりに、該上部及び下部セクションを一緒に固定するため、保持手段として接着テープの様な或る1時的接着手段が使われてもよい。
【0036】
或る実施例では、該コアを該シース内へ固定するために別の手段は使われず、該シースは該コアの周りに固く填るよう設計され、それにより回転運動を拘束する。代わりに、該コリメーションシースは、それにより前記構成内の位置に保持されるよう、該ポリマーコアが1つの特定の構成で前記シース内にのみ置かれるよう設計されてもよい。前記配備は該コアが、例えば、該シースのベースの内側に配置されたスパイク、好ましくは2本のスパイク、の様な1つ以上の小さい突起上に配置されるよう求めてもよい。
【0037】
該シェルは放射線源により発射される放射に対し本質的に非透過性を有する、適度の密度の金属から成る。加えて、前記シェルはコリメーションシースに加工可能又は鋳造可能な金属を有する。該金属の選択は一般的に、該デバイスが曝露される入射放射の性質に左右されるが、適当な材料は鉄、鋼、ガリウム及び他の金属合金を含む。しかしながら、最も好ましくは、前記金属は鉛又はタングステンを含むのがよい。
【0038】
前記シェル材料の厚さは典型的には1から15mm、好ましくは2から10mm、最も好ましくは5mmの領域にあるのがよい。該シェルを通る該コア材料への放射の透過は前記シェルに複数の孔を提供することにより達成され、該孔は該シェルを貫通し、放射が該コアまで通過することを可能にする。この方法で、該シェルはコリメーションシースとして機能し、例えば光学的分光測光器のコリメーターと同じ仕方で該放射をコア材料上に配向し、焦点合わせするのに役立つ。
【0039】
コリメーションシース内の該孔はピンホールであり、該ピンホールは入射放射の軌跡がポリマーコア内部で取り込まれるようにする。該孔は該入射放射の通路を該孔に隣接しない領域でポリマーコア内に制約する。かくして、該孔を通して送られた放射は該コア内に放射軌跡又は光輝路を作り、それにより放射の方向性に関する情報を提供する。加えて、該軌跡の深さは放射エネルギー源に関する情報を提供し、該情報は種々の同位元素の識別を可能にする。又この様な情報はコリメーション孔に隣接する及び隣接しない領域での不透明度の差から収集されてもよく、該情報は該放射の減衰の容易さの見積を可能にし、それにより種々の同位元素の識別用の代替え手段を提供する。
【0040】
該シース内の孔の断面積は一般に0.5mmと25mmの間、好ましくは2mmと10mmの間の領域にあるのがよいが、最も好ましくは5mmの領域にあるのがよい。該孔は該コリメーションシースの表面上で典型的に0.25cmと2cmの間、より好ましくは0.5cmと1.5cmの間だけ隔てられるのがよいが、最も好ましくは該孔の間隔は約1cmがよい。
【0041】
該装置の放射への曝露に続いて、該シェルは該シースの異なるセクションを分離することにより、コア材料から取り外される。該シースは次いで中にポリマーコア材料の新サンプルを閉じ込めることにより更に進んだ放射の検出とマップ化手順用に再使用されてもよいが、該コア材料は、一旦曝露されると、勿論再使用不可能である。
【0042】
本発明の第3の側面による方法では、本発明の装置は調査されるべき場所内に置かれる。該装置は、オペレーターにより手動で、或いはマニピュレーター又は遠隔アームにより遠隔から、単純に置かれてもよい。更に進んだ実施例では、本発明は、例えば、該装置が特定の物理的場所で展開され、空洞壁を通す様な状況での取扱いを要する時、又はクレーンの様な機器から吊り下げられた時、この様な目的用に目的を持って作られた機械的装置の使用を予想している。曝露後、該装置は、選ばれた展開方法を遡及することにより回収され、一旦調査範囲から取り外されると、該ポリマーコア材料は次の解析用に、一般的に手で、該シースから取り外される。
【0043】
該装置の配置は本発明の方法のキーとなる側面であり、何故ならば周囲空間に対する該装置の位置の知識は入射放射の精密なマップ化と、画像再生とに重要である。更に、既知配向の該デバイスの配置は、方向情報の再生と、どの方向が北、南、東及び西であるかを知る意味で極度に重要である。
【0044】
精確な位置が既知であることを保証するために種々の簡単な手段が使われてもよい。かくして、例えば、該装置は、既知位置を有し、問題の空間の技術的図面上にドキュメント化されているプラント家具の品物に隣り合って、又はその近くに置かれてもよい。この空間は次いで例えば、AUTOCAD内に再生され、これは画像再生用の基礎を提供する。代わりのアプローチでは、レーザー走査の様な或る第2手段が該装置の位置付けに適用されてもよい。更に別の可能性は、前に論じた様に、マニピュレーター又は位置付けシステムの端部上での該装置の遠隔展開であり、これにより該装置が記録可能な位置に置かれることを可能にする。
【0045】
又、調査下のシステム内装置の配向が精密に規定されることの保証に簡単な手段が適用されてもよい。かくして、例えば、コリメーションシースの外側が方向矢印で明らかにマーク付けされ、次いで、該装置は該矢印が既知位置の方へ向けられるよう置かれてもよい。代わりに、マーク付きベースプレートが使われ、該装置を該ベースプレート上で該マークに対し注意深く置き、それにより該マークが精密な配向の助けを提供してもよい。更に代わりの実施例では、該装置を精密に位置付けるためにレーザー走査が使われるが、この
様な場合該コリメーションシースの外面上に反射性マーキングが組み入れられることが必要である。又、この実施例は、該装置が中で展開される空間、例えば、セル、グラブボックス又は室を画像形成する可能性を提供する。
【0046】
選ばれた位置に置かれた後、該装置は予め決められた長さの時間、原位置に留まることが許されるが、該時間長さは該装置が曝露される放射の線量を参照して決定される。該ポリマーコアは特定の吸収される線量用に最適に動作し、従って該装置は達成されるべきこの吸収線量のレベル用に充分に長い時間原位置に留まることが許されねばならない。結果として該装置が曝露される線量レートが高い程、必要な曝露時間は短くなることは明らかである。
【0047】
典型的に該装置の曝露は5mGyと100Gyの間のレベルで行われ、この値は選ばれたポリマー材料の性質により決定される。勿論、曝露線量と曝露時間の間に逆数関係があり、何故ならば、該装置が曝露される放射線量が増加すると、望まれるレベルの放射を達成するために要する時間長さは減じ、その逆も然りであるからである。
【0048】
しかしながら、実際は、コア材料として使われるポリマーの各バッチが精確に同じであることを保証することは殆ど不可能と分かり、結果的に各コアは僅かに異なる感度を有すると分かり、この現象が斟酌されねばならない。その結果、従って、該装置の展開の前の放射レベルの見積は、本質的なことではないが、一般に有用な情報を提供する。この様な情報を得る1手段は全体的放射レベルの読み値を提供する簡単な放射検出器を使用することであろう。
【0049】
しかしながら、この目的に代わりの手段も利用可能である。かくして、実際は、ポリマーコア材料の供給者は、特定のバッチからの多数のポリマーコアを、幾つかの小さなクベットサンプルと一緒に提供し、これらのクベットサンプルの使用により、特定の環境内の放射レベルの見積が得られてもよい。従って、クベットサンプルが既知の時間、関心のある領域内に置かれ、次いで放射場の強さを見積もるために解析されてもよい。
【0050】
加えて、前記クベットサンプルは校正目的にも有用であり、そこでは本発明の装置の展開の前に、該特定バッチのポリマー用の校正データを提供するために、クベットサンプルが既知放射場で照射され、解析されてもよい。従って、該クベットの光学的透過効率が特定の吸収された線量について定量化され、かくして得られた該校正データは次いで、配送される線量値への曝露後にポリマーコアの不透明度を変換するため使われてもよく、それにより放射レベルの定量化用手段を提供する。
【0051】
本発明の好ましい実施例では、該装置は汚染のリスクを減ずるために、適当なラッピング手段内に封じられるか、又は“袋詰め”されてもよい。かくして、例えば、放射性ダストのサンプルにより該装置が汚染される可能性は減じられ、それにより調査下の範囲から放射性汚染物が移送される機会を制限する。明らかに、このアプローチは健康及び安全の意味で重要な利点を提供する。好ましいラッピング手段はポリエチレン又はポリ(ビニールクロライド)の様な熱可塑性材料を含む。調査下の範囲からの該装置の除去に続いて、該ラッピング手段は解析の前に該装置から取り外される。
【0052】
本発明の方法の解析過程は、該ポリマーコアの3次元再生を提供するための光学的トモグラフィーの使用と、それに続く該コア内に取り込まれた軌跡のリバース・レイ・トレーシングを含む。この方法では、各軌跡は該放射位置を、調査下の範囲の関連部分へ戻り投射するため使われる。
【0053】
この手順の第1過程で、該ポリマーコアを3次元でデジタル表現するため光学的トモグ
ラフィーが使われる。この手順は、該ポリマーコアにマッチングする屈折率を有する流体を含む容器内部に該ポリマーコアを置く過程を有する。次いで、光源が適当なレンズへ向けられ、該レンズは該光を平行光源に変換し、この光源は該容器を通して透過され、1つの投射を作る。該サンプル容器は次いで、多数角度からの視点を提供するよう多数の小角度インクレメントずつ回転され、その後該多数の見方及び投射を数学的に合同させることにより該サンプルを3次元で再生するために画像再生アルゴリズムが使われる。
【0054】
ポリマーコアのこの3次元再生から、一般的に壁又は天井を有する関心領域の関連境界上への該放射位置の戻り投射により、該コア内に取り込まれた軌跡をリバース・レイ・トレースすることが可能となる。この方法での画像又はマップの形成で、コリメーションシースの各孔は1画素を効果的に表し、その結果、該シース内の孔の数が多いほど、解像度は良くなる。加えて、該装置が、壁又は天井の様な、境界に近い程、より良い解像度が生ずる点で、該装置の位置付けがこの意味で重要なことが分かる。従って該過程のこの段階の成果は画像の数の形を取る。かくして、本発明の装置がフロア上の立方体空間内に置かれるなら、5つの画像が作られ、その4つは各壁を表し、5番目は天井を表す。送られる線量に関するデータを提供するのに加えて、本発明の方法は、存在する同位元素の種類に関するマップの製作を可能にする画像の更に進んだセットを実現する。
【0055】
該装置は電源の必要性無しに動作する非電気的ユニットであり、それは精密監視データと障害解析を提供出来る。該装置はオペレータへの曝露線量を減じ、厄介で重い機器のニーヅを取り除くので、安全の利点を提供する。更に、該出力は安全な廃炉と除染の戦略とを進展させる。本発明の装置は、該装置が高い背景放射を処理し、限定され、制約されたスペース内で展開され得る意味で、従来技術の装置に優る主な利点を有する。該装置は、放射の存在が検出されるべき適当な場所に置かれ、必要な曝露時間、原位置に留まることが可能である。該装置は次いで回収され、関心のある領域内の放射障害の位置及び種類の再生画像を提供するため解析される。
【0056】
前のこの課題を引き受ける手段は一般に手持ち線量計又は前に論じたラドスキャン800の使用を含む。しかしながら、手持ち装置は作業員の安全についての心配のために、高い放射の背景では使用されず、制約されたスペース内では、作業員がこれらの範囲にアクセス出来ないので、限定された価値しかなく、一方、ラドスキャン800はコストと、使われる場所を明らかに限定する近隣電源の必要性と、の意味で欠点を有する。本発明の装置はこれらの欠点を被ることはない。
【0057】
本発明の装置と方法は、制約されたスペースのためアクセスし難い、或いは安全なアクセスを許容したり、電気部品の使用を可能にするには余りに高く、受け入れ不可能な高さの背景放射レベルである、核施設での放射障害の種類及び位置のマップ化を可能にすることにより、主に事前除染作業に応用される。該技術はかくして、核プラント、グラブボックス、セル内、制約スペース、及び、例えば、核貯蔵施設又は放射解除後の軍施設で、2つ以上の封じ込め壁間の、遮蔽により制約された他の放射性環境、の放射のありか及び種類をマップ化するため使われ得る。従って、該装置と方法は多くの軍及び安全関連応用で使用する可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0058】
本発明の方法が付随する図面を参照して図解される。
【図1】コア材料と外側シェルを有する本発明の装置の線図を示す。
【図2】本発明の装置による放射の検出とマップ化に含まれる段階を図解する。
【図3】コバルト60のガンマ放射(グレイ単位の)に対するプレセージテーエムポリマーの応答(不透明度の変化)のグラフ表現である。
【図4】球形プレセージテーエムポリマーサンプルの照射の影響の図解を提供する。
【図5】球形プレセージテーエムポリマーサンプルを通しての光学的CTで得られたスライスを示すが、該スライスはポリマーサンプルの光学的走査の結果である。
【図6】円柱形プレセージテーエムポリマーサンプルと連携するリバースレイトレーシング技術を使う実験から得られた結果を図解する。
【実施例1】
【0059】
最初に図1を考えると、左から切頭型球形を有するポリマーコア材料1が見られ、コリメーションシース2の形のシェル材料が続き、該シースの表面は該コア材料に入射するために放射が通過する孔3を有する。図1の右の最終画像は本発明の装置を画くが、該装置は外側シェル2内に取り外し可能に配置されたコア材料1を有しており、該装置はこの特定実施例では10cmの高さを有する。
【0060】
図2を参照すると、過程1で該装置は、動作時、関心のある範囲の内側の既知位置に置かれることが分かる。前に論じた様に、該装置はオプションで、汚染のリスクを減ずるために‘袋詰めされる’、すなわち、適当なラッピング手段内に置かれてもよい。加えて、該装置が特定の既知の方向に向いていることを保証するよう注意されていることが重要である。更に、セル又は制約されたスペースの形状が知られるべきであり、何故ならばこの情報は解析手順および画像再生過程時必要だからである。
【0061】
過程2では、該装置は適当な曝露時間の間選ばれた環境内に留まることが可能であり、該曝露時間は、与えられたセル/制約されたスペース内の背景放射レベルのみならず、該ポリマーコア材料の感度にも左右される。該コア材料の感度は製造時最大化され、そして適切な曝露時間の決定を可能にするために展開に先立って校正データが与えられたバッチに提供される。
【0062】
曝露時間が終わると、過程3で図解される様に、該装置は調査下の環境から取り除かれる。この点で、もし適当なら、該装置は1時的ラッピング手段を除去しそれにより汚染の広がりを最小にするよう‘袋から出されて’もよい。オプションであるが、好ましくは、該回収された装置は次いで解析前貯蔵用に冷蔵庫内に置かれるべきである。
【0063】
過程4で、該ポリマーコアは次いで、光学的トモグラフィーによる解析の前に外側シースから取り外される。該鉛外側シースは次の適用のために再使用され、この特徴は本発明の装置に於けるコスト削減での非常に重要な要因である。
【0064】
次いで該ポリマーコアは過程5で図解される様に、光学的トモグラフィーシステムを使って解析される。この手順は該ポリマープラスチックコアの不透明度を3次元でデジタル表現し、過程6で示す次の放射障害アセスメント解析の基礎を提供するが、そこでは該設計の位置的配置と割り当てられたセル/制約スペース形状を使って放射障害の位置と種類を戻り投射するためにリバースレイトレーシング技術が使われる。
【0065】
図3に戻ると、これはプレセージテーエムポリマー材料の放射応答に関する実験データを含み、得られた不透明度/カラー変化データは次に該放射強度指示を得るために利用される。
【0066】
今図4を見ると、コリメーションシースと連携して使われた、切頭型球形ポリマーサンプルの照射時、プレセージテーエムポリマーコア1の内部に取り込まれた多数の放射軌跡4の図解が見られる。又、該シース内でコア1を固定するために該シースのベースの内側に配置されたスパイクの1つにより残された痕跡5が見られる。
【0067】
図5を見ると、放射軌跡4は該プレセージテーエムポリマーサンプル中に明らかに見られる。又より大きい正方形のコリメーション孔を通して照射されたポリマーの断面6が見られる。
【0068】
最後に、図6は、円柱状プレセージテーエムポリマーサンプルを使うリバースレイトレーシング実験からの結果の(a)側面図及び(b)平面図を示すが、軌跡4が明らかに3次元で見られる。該画像は1度照射されたポリマーサンプルを走査するため使われた同じ光学的CTスキャナーからのデータを使って作られており、該軌跡の配向は放射源を位置定めするため使われる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射性材料により発射される放射の検出及びマップ化のための装置であって、外側シェル材料内に配置されたポリマーコアを具備しており、該ポリマーコアは前記放射性材料により発射される前記放射に感応性である少なくとも1つの放射感応性成分を備えており、前記外側シェルはコリメーションシースを備えている装置。
【請求項2】
前記放射感応性コア成分がガンマ放射に感応性である請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記コア材料が又ベータ放射及び中性子放射に感応性である請求項1又は2記載の装置。
【請求項4】
前記ポリマーコアがシート、又は立方形、円柱形又は球形のコアを、有する請求項1、2又は3記載の装置。
【請求項5】
前記コアが切頭型球形コアを有する請求項1、2又は3記載の装置。
【請求項6】
前記外側シェルが前記コアと同じ仕方で形作られる請求項1から5の何れか1つに記載の装置。
【請求項7】
切頭型球形の形状を有し、5〜20cmの領域内の直径を有する請求項5記載の装置。
【請求項8】
前記直径が約10cmである請求項7記載の装置。
【請求項9】
前記コア材料が形状にモールドされた1つのポリマーピースを有する請求項1〜8の何れか1つに記載の装置。
【請求項10】
前記ポリマー材料がエポキシポリマー又はポリウレタンの少なくとも1つを有する請求項1〜9の何れか1つに記載の装置。
【請求項11】
前記ポリマーコア材料がカラー変化材料を有する請求項1〜10の何れか1つに記載の装置。
【請求項12】
前記カラー変化材料がフルオラン又はディ又はトリアリルメタン染料の少なくとも1つのロイコ化合物を有する請求項11記載の装置。
【請求項13】
前記ロイコ化合物がロイコマラカイトグリーン又はクリスタルバイオレットラクトーンを有する請求項12記載の装置。
【請求項14】
複数の孔を有するシェルを備え、請求項1〜13の何れか1つに記載の装置で使用するコリメーションシース。
【請求項15】
金属を有する請求項14記載のコリメーションシース。
【請求項16】
前記金属が機械加工可能及び/又は鋳造可能である請求項15記載のコリメーションシース。
【請求項17】
前記金属が鉄、綱、アルミニウム、ガリウム、又はそれらの合金を有する請求項15又は16記載のコリメーションシース。
【請求項18】
前記金属が鉛又はタングステンを有する請求項15又は16記載のコリメーションシース。
【請求項19】
切頭型球を有する請求項14〜18の何れか1つに記載のコリメーションシース。
【請求項20】
上部及び下部セクションのヒンジ結合された配備を有する請求項14〜19の何れか1つに記載のコリメーションシース。
【請求項21】
2つの別々で取り外し可能な部品を有する請求項14〜19の何れか1つに記載のコリメーションシース。
【請求項22】
該部品又はセクションを一緒に固着する係合手段を有する請求項14〜21の何れか1つに記載のコリメーションシース。
【請求項23】
蓋が、前記コリメーションシースの外側付近に保持手段を置くことにより所要位置に保持される請求項14〜22の何れか1つに記載のコリメーションシース。
【請求項24】
前記保持手段が、柔軟なシート又はフイルムを有するストラップ又は連続したカバーの配備を備える請求項23記載のコリメーションシース。
【請求項25】
前記ストラップの配備が、適当なプラスチック材料で形成されたストラップを有する請求項24記載のコリメーションシース。
【請求項26】
前記プラスチック材料が低密度プラスチック材料を有する請求項25記載のコリメーションシース。
【請求項27】
前記低密度プラスチック材料がポリエチレンを有する請求項26記載のコリメーションシース。
【請求項28】
前記連続したカバーが柔軟なプラスチックシート又はフイルムを有する請求項24記載のコリメーションシース。
【請求項29】
前記柔軟なプラスチックシート又はフイルムが低密度ポリエチレン又はポリ(ビニールクロライド)を有する請求項28記載のコリメーションシース。
【請求項30】
前記保持手段が接着テープを有する請求項23記載のコリメーションシース。
【請求項31】
1つ以上の小さな突起が、該シースのベースの内側に配置される請求項14〜30の何れか1つに記載のコリメーションシース。
【請求項32】
前記小さな突起がスパイクを有する請求項31記載のコリメーションシース。
【請求項33】
該シェル材料の厚さが1〜15mmの領域内にある請求項14〜32の何れか1つに記載のコリメーションシース。
【請求項34】
前記厚さが2〜10mmである請求項33記載のコリメーションシース。
【請求項35】
前記厚さが5mmの領域内にある請求項34記載のコリメーションシース。
【請求項36】
該孔の断面積が略0.5mmと25mmの間の領域にある請求項14〜35の何れ
か1つに記載のコリメーションシース。
【請求項37】
前記断面積が2mmと10mmの間の領域にある請求項36記載のコリメーションシース。
【請求項38】
前記断面積が5mmの領域にある請求項37記載のコリメーションシース。
【請求項39】
前記孔が、該コリメーションシースの表面上で0.25cmと2cmの間だけ隔てられている請求項14〜38の何れか1つに記載のコリメーションシース。
【請求項40】
前記孔間隔が0.5cmと1.5cmの間にある請求項39記載のコリメーションシース。
【請求項41】
前記孔間隔が約1cmである請求項40記載のコリメーションシース。
【請求項42】
放射曝露に続いて該ポリマーコア材料から取り外し可能であり、請求項1〜13の何れか1つに記載の更に別の装置で再使用できる請求項14〜41の何れか1つに記載のコリメーションシース。
【請求項43】
請求項14〜42の何れか1つに記載のコリメーションシースを有する請求項1〜13の何れか1つに記載の装置。
【請求項44】
所要場所の放射の検出及びマップ化のための方法であって、
(a)調査されるべき該所要場所内に請求項1〜13又は43の何れか1つに記載の装置を配置する過程と、
(b)該装置が前記所要場所内に留まり、予め決められた長さの時間、前記放射に曝露されることを可能にする過程と、
(c)前記装置を前記所要場所から取り除く過程と、
(d)ポリマーコアを外側シェルから取り除く過程と、そして
(e)前記放射の位置、形及び強度を決定するために、ソフトウエアベースの画像再生アルゴリズムを適用する光学的解析技術により前記ポリマーコアを解析する過程と、を具備する方法。
【請求項45】
前記装置を前記所要場所内に配置及び前記所要場所から取り除く操作が手により行われる請求項44記載の方法。
【請求項46】
前記装置を前記場所内に置く及び前記場所から取り除く操作が遠隔から行われる請求項44記載の方法。
【請求項47】
前記外側シェルから前記ポリマーコアを取り除く操作が手により行われる請求項44、45、又は46記載の方法。
【請求項48】
前記曝露が5mGy及び100Gyの間のレベルで行われる請求項44〜47の何れか1つに記載の方法。
【請求項49】
前記曝露の持続時間が1時間と15時間の間にある請求項44〜48の何れか1つに記載の方法。
【請求項50】
該放射レベルが請求項1〜13又は43の何れか1つに記載の装置の展開の前に見積もられる請求項44〜49の何れか1つに記載の方法。
【請求項51】
前記見積用に前記ポリマーコア材料のクベットサンプルが使われる請求項50記載の方法。
【請求項52】
前記ポリマーコア材料の前記解析が、
(a)該コアの不透明度を3次元でデジタル表現するための光学的トモグラフィーと、そして
(b)設計の位置的配置と、該割り当てられたセル/制約されたスペースの形状と、の知識を利用することにより該放射の位置と性質を戻り投射するためのリバースレイトレーシング技術の次の適用と、により行われる請求項44〜51の何れか1つに記載の方法。
【請求項53】
請求項1〜13又は43の何れか1つに記載の前記デバイスが、調査されるべき場所内に配置される前に、適当なラッピング手段内に配置される請求項44〜52の何れか1つに記載の方法。
【請求項54】
請求項1〜13又は43の何れか1つに記載の前記デバイスが、調査されるべき前記所要場所から取り除かれた後、前記ラッピング手段から取り除かれる請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記ラッピング手段が熱可塑性材料を含む請求項53又は54記載の方法。
【請求項56】
前記熱可塑性材料がポリエチレン又はポリ(ビニルクロライド)を含む請求項55記載の方法。
【請求項57】
請求項1〜13又は43の何れか1つに記載の前記装置が調査されるべき前記所要場所からの除去後、解析前貯蔵用の冷蔵庫内に置かれる請求項44〜56の何れか1つに記載の方法。
【請求項58】
放射性セル、グラブボックス、他の放射性プラント及び制約されたスペース内の放射性障害の位置、強度及び素性の3次元マップ化過程を具備する請求項44〜57の何れか1つに記載の方法。
【請求項59】
廃炉及び除染作業で使用するための請求項44〜58の何れか1つに記載の方法。
【請求項60】
放射性セル、グラブボックス、他の放射性プラント及び制約されたスペース内の放射性障害の位置、強度及び素性の3次元マップ化過程での請求項1〜13又は43の何れか1つに記載の装置の使用法。
【請求項61】
廃炉及び除染作業に於ける請求項1〜13又は43の何れか1つに記載の装置の使用法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2011−503602(P2011−503602A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−533667(P2010−533667)
【出願日】平成20年11月14日(2008.11.14)
【国際出願番号】PCT/GB2008/051066
【国際公開番号】WO2009/063246
【国際公開日】平成21年5月22日(2009.5.22)
【出願人】(510134112)ネクシア・ソリユーシヨンズ・リミテツド (1)
【Fターム(参考)】