説明

ポリマー材料

イオン伝導性ポリマー材料を含む高分子電解質膜、またはガス拡散電極を開示する。前記イオン伝導性ポリマー材料は式(A)部分を含み、式(A)はイオン交換部位として作用する平均して1より大きく、3以下の基(例えばスルホン酸基)により置換されており、該部分の水素原子は任意に置換される。式(A)部分のXは、独立して酸素原子、または硫黄原子を表す。前記イオン伝導性材料は、34℃から36℃において、約100%の硫酸を用いてポリマー材料を制御しつつ硫酸化することにより適切に調製される。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高分子材料、および特にイオン交換性ポリマー材料に関するが、それに限定されるものではない。好ましい実施態様は、燃料電池の高分子電解質膜またはガス拡散電極におけるイオン交換性ポリマー材料の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
添付の概略図である図1に示される1つの形式の高分子電解質膜燃料電池(PEMFC)は、白金触媒の層4と電極6とによって両面を挟まれた水素イオン伝導性の高分子電解質膜(PEM)の薄板2を備え得る。層2,4,6は1mm未満の厚さを有する膜電極アセンブリ(MEA)を構成する。
【0003】
PEMFCにおいて、水素は以下の電気化学反応をもたらす陽極(燃料極)に導入される。
Pt−陽極(燃料極)2H→4H+4e
水素イオンは伝導性のPEMを介して陰極へ移動する。同時に、酸化剤が陰極(酸化剤電極)に導入され、該陰極では以下の電気化学反応が起こる。
Pt陰極(酸化剤電極)O+4H+4e→2H
このように、電子および陽子が消費されて、水および熱が生成される。外部回路を介して2つの電極を接続することにより、回路に電流が流れ、電池から電力が取り出される。
【特許文献1】国際公開公報第WO 2000/15691号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
燃料電池のためのイオン交換性ポリマー材料またはガス拡散電極としての重要な要件は、前記材料は再現性を有する方法を用いて作製され得なければならないということである。その方法とは、基材ポリマー材料に対してイオン交換部位を、該ポリマー材料の所定の位置に所定の程度までイオン交換部位が導入される(かつ所定の位置以外にはほぼ無い)ようにする処理方法である。
【0005】
本発明の実施態様の目的は、上記の問題に対応することにある。
燃料電池のためのイオン交換性ポリマー材料またはガス拡散電極としての他の重要な要件は、比較的高温での燃料電池における長期間の使用の際に熱的に安定でなければならないということである。ポリマー材料がイオン交換基を比較的容易に喪失すると、このことは前記材料の伝導性を低減させ、燃料電池の性能に悪影響を与える。
【0006】
本発明の目的は、比較的熱的に安定なイオン交換性ポリマー材料を生成することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によると、式A部分を有するイオン伝導性ポリマー材料を含む高分子電解質膜、またはガス拡散電極が提供される。
【0008】
【化1】

【0009】
式A部分は平均して1より大きく、3以下のイオン交換部位を提供する基(例えば硫酸基)により置換され、該部分の水素原子は任意に置換される。ここで式A中の該部分のXは、独立に酸素原子または硫黄原子を表す。
【0010】
上記の種類のイオン伝導性ポリマー材料は、驚愕するべき熱安定性を有することが検出されている。さらに、式Aの反復単位のフェニル環の電子吸引基の数が増大すると、反復単位の酸性度を増大させて有利である。
【0011】
式A部分は、平均して1.5以上、好ましくは1.8以上、さらに好ましくは1.9以上の該基により置換され得る。好ましくは、前記部分は、平均して1.8〜2.2、より好ましくは1.9〜2.1のイオン交換部位を提供する該基により置換される。好ましくは、式A部分のうちのほぼすべては、イオン交換部位を提供する基により2置換される。
【0012】
好ましくは、上記のようにイオン交換部位を提供する基により置換された部分以外の前記部分の水素原子は、置換されない。
イオン伝導性ポリマー材料は、好ましくは
(i) フェニル部分と、
(ii) カルボニルおよび/またはスルホン部分と、
(iii) エーテルおよび/またはチオエーテル部分と
を含む種類のものである。
【0013】
イオン伝導性ポリマー材料は、式I部分、
【0014】
【化2】

【0015】
および/または式II部分、
【0016】
【化3】

【0017】
および/または式III部分を含むことができる。
【0018】
【化4】

【0019】
上記式中、単位I、単位IIおよび/または単位IIIの少なくとも一部は官能基化されてイオン交換部位を提供し、単位I、単位IIおよび単位IIIのフェニル部分は独立して任意に置換されるとともに任意に架橋され、m、r、s、t、v、wおよびzは独立して0または正の整数を表し、EおよびE’は独立して酸素原子または硫黄原子または直接結合を表し、Gは酸素原子もしくは硫黄原子、直接結合または−O−Ph−O−部分を表し、Phはフェニル基を表し、Arは該Arの一つ以上のフェニル部分を介して隣接する部分に結合される以下の部分(i)または部分(i)〜部分(x)のうちから1つ選択される。
【0020】
【化5】

【0021】
本明細書中において他に記載がなければ、フェニル部分は、それが結合している部分との1,4−、または1,3−、特に1,4−結合を有し得る。
(i)において、中間のフェニルは1,4−または1,3−置換され得る。
【0022】
(iii)において、中間のフェニル環は1,3−または1,4−置換され得る。
好ましくは、イオン伝導性ポリマー材料中の各フェニル部分は、その材料中の式A部分を除き、1,4−結合を有する。
【0023】
適切には、イオン交換部位を提供するためには、前記ポリマー材料は、スルホン酸化、リン酸化、カルボン酸化、4級アミノアルキル化、またはクロロメチル化され、その後任意でさらなる修飾をされ、カチオンまたはアニオン交換膜を生成するための−CHPO、−CHNR20+を得る。ここでR20はアルキル、または−CHNArx+、Arは芳香環(アレーン)である。さらに、芳香環部分は水酸基を含み得、従来方法により容易に合成されて前記ポリマーに−SOHカチオン交換部位、および−OPOイオン交換部位を生成することが可能である。
【0024】
好ましくは、前記イオン伝導性ポリマー材料はスルホン化されている。好ましくは、前記のイオン伝導性ポリマー材料のイオン交換部位のみが、スルホン化された部位である。
スルホン化の言及(references)は、−SOM基を有する置換の言及を含み、Mは、当然イオン価を考慮して、以下の基、すなわち、H、NRy+(前記式中、RはH、C−Cアルキルを表す)、またはアルカリ金属、またはアルカリ土類金属、または第8亜族の金属、好ましくはH、NR,Na、K、Ca、Mg、FeおよびPtから選択される1つ以上の元素を表す。好ましくは、MはHを表す。
【0025】
部分Aが、イオン交換部位を提供する少なくとも2つの基を有する場合には、このような基は、X原子に対してオルソ位またはパラ位にあり得る(すなわち、部分Aのフェニル基は、4,6−置換体である)。部分Aは、X原子に対して、通常はメタ位が置換されることはない。
【0026】
好ましくは、2つの基の大部分(例えば80%以上、好ましくは90%)は、前記のようにオルソ位またはパラ位が置換されている。しかし場合によっては、フェニル基が2,5−位において置換され得るが、好ましくは20%未満、さらに好ましくは10%未満のこのような基は2,5−置換体である。
【0027】
場合によっては、各A部分を3置換することが可能である。この場合、3番目の置換基は、部分Aの2つのX原子の間に置換される。
前記ポリマー材料は、1種類以上の式Iの反復単位と、1種類以上の式IIの反復単位と、1種類以上の式IIIの反復単位とを含み得る。
【0028】
部分I、部分IIおよび部分IIIは、適切には反復単位である。前記ポリマー材料において、単位I、単位IIおよび/または単位IIIは、互いに適切に結合している。すなわち、単位I、単位II、および単位IIIの間に、他の原子または基が結合されてはいない。
【0029】
単位Aは、好ましくは単位I,単位II、および単位IIIの一部である。
単位A、単位I、単位IIまたは単位IIIにおけるフェニル部分が任意に置換される場合、該フェニル部分は1つ以上のハロゲン原子、特にフッ素原子および塩素原子、またはアルキル基、シクロアルキル基またはフェニル基によって任意に置換され得る。好適なアルキル基はC1−10アルキル基、特にC1−4アルキル基である。好適なシクロアルキル基には、シクロヘキシル基、および、例えば、アダマンチルのような多環式の基が含まれる。場合によっては、ポリマーの架橋化において任意の置換基を用いてもよい。例えば、炭化水素の任意の置換基を官能基化、例えばスルホン化して、架橋反応を引き起こさ
せ得る。好ましくは、前記フェニル部分は未置換である。
【0030】
単位A、単位I、単位IIまたは単位IIIにおけるフェニル部分のさらに別の任意の置換基には、アルキル、ハロゲン、C2y+1(yは0より大きな整数)、O−R(Rはアルキル、ペルフルオロアルキルおよびアリールからなる群から選択される)、CF=CF、CN、NOおよびOHが含まれる。トリフルオロメチル化されたフェニル部分が好ましい状況もあり得る。しかし、上記のように、単位A、単位I、単位IIおよび単位III中にフェニル部分が提供されると、さらなる置換がされないのが好ましい。
【0031】
前記ポリマー材料が架橋処理される場合、ポリマー材料は、高分子電解質膜としての該ポリマー材料の特性を改良するため、例えば水中における膨潤性を減少させるために適当に架橋処理される。架橋を行うためには、任意の適切な手段が用いられ得る。例えば、Eが硫黄原子を表す場合、ポリマー鎖間の架橋は、それぞれの鎖上の硫黄原子を介して行われ得る。別法として、米国特許第5561202号に記載されたスルホンアミドブリッジによって、前記ポリマーを架橋してもよい。別の代替手段としては、欧州特許出願公開第EP−A−0008895号に記載された架橋処理がある。前記イオン伝導性ポリマー材料は、好ましくは架橋されていない。
【0032】
wおよび/またはzが0より大きい場合、式IIおよび/または式IIIの反復単位において、各フェニレン部分は独立して、他の部分への1,4−結合または1,3−結合を有し得る。好ましくは、前記フェニレン部分は1,4−結合を有する。
【0033】
好ましくは、第1の材料のポリマー鎖は−S−部分を含まない。好ましくは、Gは直接結合を表す。
適切には、「a」は前記ポリマー材料における式Iの単位のモル%を表し、適切には、各単位Iは同一である。「b」は前記材料における式IIの単位のモル%を表し、適切には、各単位IIは同一である。「c」は前記材料における式IIIの単位のモル%を表し、適切には、各単位IIIは同一である。好ましくは、aの範囲は45〜100、より好ましくは45〜55、特に48〜52である。好ましくは、bおよびcの合計の範囲は0〜55、より好ましくは45〜55、特に48〜52である。好ましくは、aと、b+cとの比は0.9〜1.1の範囲であり、より好ましくは約1である。適切には、a、bおよびcの合計は、90以上であり、好ましくは95以上であり、より好ましくは99以上、特に約100である。好ましくは、前記ポリマー材料は実質的に、部分I、部分IIおよび/または部分IIIからなり、部分Aを部分I、部分IIおよび/または部分IIIの一部として有している。
【0034】
前記ポリマー材料は、一般式IVの反復単位を有するホモポリマー、
【0035】
【化6】

【0036】
または、一般式Vの反復単位を有するホモポリマー、
【0037】
【化7】

【0038】
または、IVおよび/またはVの少なくとも2種類の異なる単位のランダムコポリマーまたはブロックコポリマーであり得る。
ここで、前記反復単位(もしくは反復単位部分)は官能基化されてイオン交換部位を提供する。
【0039】
上記式中、A、B、CおよびDは独立して0または1を表し、E、E’、G、Ar、m、r、s、t、v、wおよびzは本明細書に記載の通りである。
上記の単位IVおよび/または単位Vを含むポリマーの代わりとして、前記ポリマー材料は、一般式IVの反復単位を有するホモポリマー、
【0040】
【化8】

【0041】
または一般式Vの反復単位を有するホモポリマー、
【0042】
【化9】

【0043】
または、IVおよび/またはVの少なくとも2種類の異なる単位のランダムコポリマーまたはブロックコポリマーであり得る。
ここで前記反復単位(もしくは反復単位部分)は官能基化されてイオン交換部位を提供する。
【0044】
上記式中、A、B、CおよびDは独立して0または1を表し、E、E’、G、Ar、m、r、s、t、v、wおよびzは本明細書に記載の通りである。
好ましくは、mの範囲は0〜3、より好ましくは0〜2、特に0〜1である。好ましくは、rの範囲は0〜3、より好ましくは0〜2、特に0〜1である。好ましくは、tの範囲は0〜3、より好ましくは0〜2、特に0〜1である。好ましくは、sは0または1である。好ましくは、vは0または1である。好ましくは、wは0または1である。好ましくは、zは0または1である。
【0045】
好ましくは、Arは以下の部分(xi)、および部分(xi)〜部分(xxi)から選択される。
【0046】
【化10】

【0047】
(xi)において、中間のフェニルは1,4−置換または1,3−置換されてもよい。
(xiii)において、中間のフェニル環は、1,3−置換または1,4−置換されてもよい。
【0048】
(xiv)において、フェニル基は1,3−置換または1,4−置換されてもよい。
好ましくは、(xv)は1,2−、1,3−、または1,5−部分から選択される。(xvi)は1,6−、2,3−、2,6−、または2,7−部分から選択される。さらに(xvii)は1,2−、1,4−、1,5−、1,8−、または2,6−部分から選択
される。
【0049】
好ましくは、イオン伝導性ポリマー材料は、結晶性、または結晶化可能である。
本明細書において別に記載がない限り、結晶性材料に言及すれば、それは少なくとも結晶化度を有する任意の材料にまで及ぶ。
【0050】
ポリマー中の結晶の存在および/または結晶化の程度は、好ましくは、例えばブランデルとオズボーン(Blundell and Osborn、Polymer、第24号、953ページ、1983.)による方法等の広角X線回折によって測定される。別法として、示差走査熱分析(DSC)によって結晶化度を評価してもよい。前記ポリマー材料の結晶化度(level of crystallinity)は、0%であり得るか(例えば、材料が非晶質または結晶化可能である場合)、または、適切には、ブルンデルおよびオズボーンの方法によって測定されるとき、結晶化度が0.5%以上、適切には1%以上、好ましくは5%重量部分以上であり得る。前記ポリマー材料の結晶化度は、20%未満であり得る。
【0051】
適切なAr部分は(i)、(i)、(ii)、(iv)、および(v)部分であり、これらの中で、(i)、(i)、(ii)、および(iv)部分が好ましい。好ましいAr部分は(xi)、(xi)、(xii)、(xiv)、(xv)および(xvi)であり、これらの中で(xi)、(xi)、(xii)、および(xiv)部分が特に好ましい。他の好ましい部分は、(v)部分、特に(xvi)である。単位IVおよび/またはVを含む代替案である第1のポリマー材料に関しては特に、好ましいAr部分は(v)、特に(xvi)である。
【0052】
ポリマー材料の一つの好ましい種類は、ポリマー鎖中に少なくともケトン部分を有する。このような好ましい種類においては、前記ポリマーは、ポリマー鎖中のアリール部分(または不飽和部分)同士の間に−O−部分および−SO−部分を有するだけではない。従ってこの場合、適切には、第1の態様のポリマーは、式IIIの部分を有するのみならず、式I部分および/または式II部分をも有する。
【0053】
イオン伝導性ポリマー材料は、式Bの反復単位を有する。
【0054】
【化11】

【0055】
上記式B中において、1,3−位が置換された−X−フェニル−X−部分は、平均して1より大きく、3以下の上記のようなイオン交換部位を提供する基により置換される。各Xは、上記のように独立に酸素原子または硫黄原子を表す。Yはカルボニル基またはスルホン基を表す。好ましくは、Yはカルボニル基を表す。好ましくは、各Xは酸素原子を表す。
【0056】
前記イオン伝導性ポリマー材料において、部分Aは好ましくは、上記のように2置換さ
れている。前記イオン伝導性ポリマー材料は、イオン交換部位を提供するように官能基化された別の部分を有していてもよい。前記イオン伝導性ポリマー材料は、イオン交換部位を適切には有していない前駆体ポリマー材料から導かれ得る。該前駆体材料は、比較的容易に官能基化されてイオン交換部位を提供することができる部分、およびイオン交換部位に関しては官能基化がさらに困難な部分を含み得る。比較的容易に官能基化される部分には、上記の部分A、および、好ましくは末端において酸素原子または硫黄原子と結合している多フェニレン(例えばビフェニレン)部分、または縮合環芳香族(例えばナフタレン)部分のような別の電子豊富で、比較的不活性化されてはいない単位がある。従って、容易に官能基化される単位は、単位A、および−O−ビフェニレン−O−部分である。さら
に官能基化されにくい単位には、スルホン基、またはカルボニル基に結合した単位(例えば、−O−フェニル−CO、および−O−フェニル−SO−)がある。
【0057】
適切には、前記イオン伝導性ポリマー材料中の−O−フェニル−CO部分、または−O−フェニル−SO部分は、10モル%未満、好ましくは5モル%未満、さらに好ましくは1モル%程度までイオン交換部位により官能基化される。該部分がイオン交換部位による官能基化がほぼ行われない場合は、特に好ましい。一方、比較的容易に官能基化される単位は、上記のようにイオン交換部位により官能基化され得、単位Aは上記のように2官能基化され、酸素原子または硫黄原子と末端において結合している多フェニレン単位は、各フェニレン部分が少なくとも1官能基化される。
【0058】
イオン伝導性ポリマー材料が、−O−ビフェニレン−O−部分とともに式A部分を有していると、100モル%まで(好ましくは95モル%以上、特に100モル%)の部分Aはイオン交換部位により2官能基化され、100モル%まで(好ましくは95モル%以上、特に100モル%)の−O−ビフェニレン−O−部分は、イオン交換部位により官能基化される。
【0059】
好ましくは、イオン交換部位により官能基化される前記イオン伝導性ポリマー材料中の部分は部分Aのみであり、好ましくは、この部分のほぼ100モル%は上記のように2官能基化される。
【0060】
好ましいポリマーは、
(a) 式IVの単位であって、式中、EおよびE’は酸素原子を表し、Gは直接結合を表し、Arは構造(iv)の部分を表し、mおよびsは0を表し、wは1を表し、AおよびBは、該単位が部分Aを有し、両X原子が酸素原子(すなわち、−エーテル−フェニル−メタエーテル−フェニル−ケトン−フェニル−)である場合には、1を表す単位と、
(b) 式Vの単位であって、式中、EおよびE’は酸素原子を表し、Gは直接結合を表し、Arは構造(v)の部分を表し、mおよびsは0を表し、wは1を表し、AおよびBは、該単位が部分Aを有し、両X原子が酸素原子(すなわち、−エーテル−フェニル−メタエーテル−フェニル−スルホン−フェニル−)である場合には、1を表す単位と
から選択される第1の反復単位と、
(c) 式IVの単位であって、式中、EおよびE’は酸素原子を表し、Gは直接結合を表し、Arは構造(iv)の部分を表し、mおよびsは0を表し、wは1を表し、AおよびBは1を表す単位(すなわち、−エーテル−フェニル−エーテル−フェニル−ケトン−フェニル)と、
(d) 式IVの単位であって、式中、Eは酸素原子を表し、E’は直接結合を表し、Arは構造(i)の部分を表し、mは0を表し、Aは1を表し、Bは0を表す単位(すなわち、−エーテル−フェニル−ケトン−フェニル)と、
(e) 式Vの単位であって、式中、EおよびE’は酸素原子を表し、Gは直接結合を表し、Arは構造(iv)の部分を表し、mおよびvは0を表し、zは1を表し、CおよびDは1を表す単位(すなわち、−エーテル−フェニル−エーテル−フェニル−スルフォン
−フェニル−)と、
(f) 式Vの単位であって、式中、Eは酸素原子を表し、E’は直接結合を表し、Arは構造(ii)の部分を表し、mは0を表し、Cは1を表し、Dは0を表す単位(すなわち、−エーテル−フェニル−スルホン−フェニル−)と、
(g) 式Vの単位であって、式中、EおよびE’は酸素原子を表し、Arは構造(i)の部分を表し、mは0を表し、Cは1を表し、Zは1を表し、Gは直接結合を表し、vは0を表し、Dは1を表す単位(すなわち、−エーテル−フェニル−ケトン−フェニル−エーテル−フェニル−スルフォン−フェニル−)と、
(h) 式IVの単位であって、式中、EおよびE’は酸素原子を表し、Gは直接結合を表し、Arは構造(iv)の部分を表し、mは1を表し、wは1を表し、sは0を表し、AおよびBは1を表す単位(すなわち、−エーテル−フェニル−フェニル−エーテル−フェニル−ケトン−フェニル−)と、
(i) 式IVの単位であって、式中、Eは酸素原子を表し、E’は直接結合を表し、Gは直接結合を表し、Arは構造(iv)の部分を表し、mおよびsは0を表し、wは1を表し、AおよびBは1を表す単位(すなわち、−エーテル−フェニル−フェニル−ケトン−フェニル−)と、
(j) 式Vの単位であって、式中、EおよびE’は酸素原子を表し、Gは直接結合を表し、Arは構造(iv)の部分を表し、mは1を表し、zは1を表し、vは0を表し、CおよびDは1を表す単位(すなわち、−エーテル−フェニル−フェニル−エーテル−フェニル−スルフォン−)と、
(k) 式Vの単位であって、式中、Eは酸素原子を表し、E’は直接結合を表し、Gは直接結合を表し、Arは構造(iv)の部分を表し、mおよびvは0を表し、zは1を表し、CおよびDは1を表す単位(すなわち、−エーテル−フェニル−フェニル−スルフォン−フェニル−)と、
(l) 式IVの単位であって、式中、EおよびE’は酸素原子を表し、Gは直接結合を表し、Arは構造(v)の部分を表し、mは0を表し、wは1を表し、sは0を表し、AおよびBは1を表す単位(すなわち、−エーテル−ナフタレニル−エーテル−フェニル−ケトン−フェニル−)と、
(m) 式Vの単位であって、式中、EおよびE’は酸素原子を表し、Gは直接結合を表し、Arは構造(v)の部分を表し、mは0を表し、zは1を表し、vは0を表し、CおよびDは1を表す単位(すなわち、エーテル−ナフタレニル−エーテル−フェニル−スルフォン−)と
から選択される第2の反復単位とからなるコポリマーである。
【0061】
前記イオン伝導性ポリマー材料は、第2の反復単位の上記リストから選択され得る第3の反復単位を有することができる。
好ましいイオン伝導性ポリマー材料には、(a)または(b)から選択された第1の単位と、(d)または(f)から選択された第2の単位と、任意であるが、(g)との組み合わせ(すなわち、−エーテル−フェニル−メタエーテル−フェニル−ケトン−フェニル−、または−エーテル−フェニル−メタエーテル−フェニル−スルホン−フェニル−と、−エーテル−フェニル−ケトン−フェニル−、または−エーテル−フェニル−スルホン−フェニル−と、任意で−エーテル−フェニル−ケトン−フェニル−エーテル−フェニル−スルホン−フェニルとの組み合わせ)がある。
【0062】
最も好ましいイオン伝導性ポリマー材料は、単位(a)と単位(d)との組み合わせ(すなわち、−エーテル−フェニル−メタエーテル−フェニル−ケトン−フェニル−/−エーテル−フェニル−ケトン−フェニル)、単位(a)と、単位(d)および単位(g)との組み合わせ(すなわち、−エーテル−フェニル−メタエーテル−フェニル−ケトン−フェニル−/−エーテル−フェニル−ケトン−フェニル−/−エーテル−フェニル−ケトン−フェニル−エーテル−フェニル−スルホン−フェニル−)、単位(b)と単位(f)と
の組み合わせ(すなわち、−エーテル−フェニル−メタエーテル−フェニル−スルホン−フェニル−/−エーテル−フェニル−スルホン−フェニル−)、および単位(b)と、単位(f)および単位(g)との組み合わせ(すなわち、−エーテル−フェニル−メタエーテル−フェニル−スルホン−フェニル−/−エーテル−フェニル−スルホン−フェニル−/−エーテル−フェニル−ケトン−フェニル−エーテル−フェニル−スルホン−フェニル−)からなる。
【0063】
一般的には、前記ポリマー材料は燃料電池のPEMとして使用されたとき、ほぼ安定で好ましい。従って、前記ポリマー材料は適切に酸化、還元、および加水分解に対して高度な耐性を有するとともに、燃料電池中の反応物に対して極めて低い浸透性を有する。しかし、好ましくは、前記ポリマー材料は高いプロトン伝導性を有する。さらに、前記ポリマー材料は適切には高い機械的強度を有し、膜電極アセンブリを形成する他の部品と接着され得る。
【0064】
前記ポリマー材料は薄膜をなし、適切には1mm未満の厚さ、好ましくは0.5mm未満、さらに好ましくは0.1mm未満、特に0.05mm未満の厚さである。該薄膜は5μm以上の厚さを有してもよい。
【0065】
前記高分子電解質膜は、1層以上を有してよく、少なくとも1層は前記ポリマーの薄膜からなる層であるのが適当である。前記膜は5μm以上の厚さを有し、適切には1mm未満、好ましくは0.5mm未満、さらに好ましくは0.1mm未満、特に0.05mm未満である。
【0066】
前記高分子電解質膜は、高分子薄膜の両面に触媒材料の層を有するのが適当であり、同触媒は、白金触媒(すなわち、白金を含有する触媒)、または白金とルテニウムとの混合物である。電極は触媒材料の外側に設置される。
【0067】
前記高分子電解質またはガス拡散電極は、燃料電池用、または電解質用のものである。
前記高分子電解質膜は、1000g/モル未満、適切には800g/モル未満、好ましくは600g/モル未満、さらに好ましくは500g/モル未満の当量重量(EW)を有する。好ましくは、当量重量(EW)は、400〜500g/モル、特に450〜500g/モルの範囲である。
【0068】
本発明の第2の態様によれば、第1の態様による高分子電解質膜を組み込んだ燃料電池または電解装置(特に燃料電池)が提供される。
前記の種類のイオン伝導性ポリマー材料は、高分子電解質膜またはガス拡散電極の一部以外へも適用され得る。従って、第3の態様においては、本発明は、本質的には第1の態様により説明されたイオン伝導性ポリマー材料に論及することになる。
【0069】
第3の態様の前記イオン伝導性ポリマー材料は、第1の態様により説明された材料のあらゆる特徴を有し得る。
前記イオン伝導性ポリマー材料の当量重量(EW)は、第1の態様により先に説明されたものである。しかし、前記イオン伝導性ポリマー材料は、極めて小さな当量重量を有する材料が使用される場合に、使用され得る。例えば、EWは144程度に小さい。
【0070】
本発明の第4の態様によると、イオン交換部位を提供する基が存在しない、第1の態様または第3の態様により説明された任意の新規なポリマーが提供される。
本願において説明されるポリマー材料は、特許文献1(特に23ページ23行目から29ページ6行目)に記載された工程に類似した工程により調製され得る。
【0071】
本発明の第5の態様によれば、本願中において説明されたスルホン化されたイオン伝導性ポリマー材料を調製する方法が提供され、該方法は上記の式Aの反復単位を有するポリマー材料をスルホン化剤と接触させる工程であり、それにより、平均して1より大きく、3以下のスルホン酸基により同反復単位を置換することができる。
【0072】
該方法は、好ましくは、所望のスルホン化の程度を予め決定する工程と、同スルホン化をもたらす適当な条件を選択する工程とを備える。従って、該方法は、前記ポリマー材料を制御可能にスルホン化する工程を適切に含む。
【0073】
前記ポリマー材料を制御可能にスルホン化するための好ましい条件には、硫酸を使用することが含まれ、硫酸濃度は、適切には99.5%以上、好ましくは99.8%以上、さらに好ましくは99.9%以上である。硫酸濃度は、好ましくは、100.1%未満であり、好ましくは約100%である。温度は好ましくは室温より高く、30℃以上、好ましくは32℃以上、さらに好ましくは34℃以上である。温度は40℃以下、好ましくは38℃以下、特に36℃以下である。好ましい温度範囲は、好ましい35℃を含み34℃〜36℃である。選択された温度、または選択された温度範囲は、2時間以上、好ましくは4時間以上、さらに好ましくは6時間以上、特に7時間以上の間、維持され得る。温度または温度範囲は、20時間未満、好ましくは15時間未満、さらに好ましくは10時間未満、特に9時間未満の間、維持され得る。上記のスルホン化の硫酸濃度と温度とを選択することにより、前記ポリマー材料中の式A部分のほぼすべてをジスルホン化することが可能である。好ましい条件には、99.8%〜100%の硫酸(さらに好ましくは、100%の硫酸)を、34℃〜36℃にて、適切には4〜10時間使用することが含まれる。
【0074】
第5の態様の方法は、好ましくは、上記のようにほぼ何の困難もなく単位(例えば、スルホン基またはカルボニル基に結合されたフェニル部分)をスルホン化するように、好ましく選択される。
【0075】
好ましくは、前記の方法において、イオン交換部位を提供された前記ポリマー材料中の部分のみが、ほぼ式Aの前記部分である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0076】
本発明の具体的な実施態様について、付随する図面を参照しつつ、例示により説明する。
特段の断りがない限り、以降に言及される化学物質はすべて、シグマ−アルドリッチ ケミカル カンパニー(Sigma−Aldrich Chemical Compan
y、英国ドーセット所在)から入手されるような化学物質を用いた。
【0077】
次の略記された材料は、以下の通りである。
PEEK(商標) 英国のビクトレックス ピーエルシー(Victrex plc)より入手したポリエーテルエーテルケトン。
PEK(商標) 英国のビクトレックス ピーエルシー(Victrex plc)より入手したポリエーテルケトン。
PEmEK ポリエーテル−メタ− エーテルケトン
【0078】
【化12】

【0079】
PEKES ポリエーテルケトンエーテルスルホン
PEmES ポリエーテル−メタ−エーテルスルホン
PEDEK ポリエーテルビフェニルエーテルケトン
SPEEK スルホン化ポリエーテルエーテルケトン
SPEK スルホン化ポリエーテルケトン
BDF 4,4’−ジフルオロベンゾフェノン
DHB 4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン
Res 1,3−ジヒドロキシベンゼン
Bis−S 4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン
実施例1乃至3は、ポリマーを調製する方法を説明する。実施例4は、PEmEK単位を含むポリマーを専らモノスルホン化する反応を説明する。
【0080】
実施例5は、メタ位がオキシ置換されたフェニレン環当たり、1より大きく2未満である範囲のスルホン酸基を有するポリマーを生成する方法を説明する。
実施例6はNMRの操作を説明し、実施例7は、高い酸濃度下におけるスルホン化を説明する。
【0081】
実施例8は、前記コポリマー内のPEmEK単位を専らジスルホン化する反応を説明する。
実施例9は、実施例8において説明される条件下における溶解をするが、PEK単位のスルホン化を行わない例を提示する。
【0082】
実施例10および実施例11は、実施例8において説明される方法における温度を上昇または下降させると、夫々、PEK単位の望ましくないスルホン化、または
PEmEK単位の不完全なジスルホン化という結果になることの証拠を提示する。
【0083】
実施例12および実施例13は、PEKおよびPEEKのスルホン化を行い、実施例14に説明される熱安定性の実験のためのポリマーを提供することを説明する。
実施例1a PEmEK/PEK(55:45)
すりガラスのクイックフィット式の栓、スターラ/スターラガイド、窒素注入口および排出口が取り付けられた700mlフランジフラスコに、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン(88.85g、0.407モル)、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン(38.56g、0.18モル)、1,3ジヒドロキシベンゼン(24.22g、0.22モル)およびジフェニルスルホン(320g)を装填して、窒素にて1時間パージした。その後、内容物を窒素環境(nitrogen blanket)下において140〜15
0℃に加熱し、ほぼ無色の溶液を形成した。窒素環境を維持している間、乾燥炭酸ナトリウム(42.39g、0.400モル)および乾燥炭酸カリウム(1.10g、0.008モル)を添加した。3時間にわたって徐々に320℃まで温度を上げ、次いで1.5時間維持した。
【0084】
反応混合物を冷却して、粉砕し、アセトンおよび水で洗浄した。得られたポリマーを120℃のエアオーブン内で乾燥させた。該ポリマーは、1.00kNsm−2の溶融粘度
を有した。
【0085】
実施例1aに類似のポリマーは、反応物質のモル比を変化させることにより調製した。詳細は以下の表に記載されている。
【0086】
【表1】

【0087】
実施例2a PEmEK/PEK/PEKESの合成
すりガラスのクイックフィット式の栓、スターラ/スターラガイド、窒素注入口および排出口が取り付けられた700mlフランジフラスコに、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン(88.85g、0.407モル)、1,3−ジヒドロキシベンゼン(24.75g、0.225モル)、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン(15.01g、0.07モル)、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン(26.31g、0.105モル)およびジフェニルスルホン(320g)を装填して、窒素にて1時間パージした。その後、内容物を窒素環境下において140〜150℃に加熱し、ほぼ無色の溶液を形成した。窒素環境を維持している間、乾燥炭酸ナトリウム(43.24g、0.408モル)および乾燥炭酸カリウム(0.28g、0.002モル)を添加した。3時間にわたって徐々に320℃まで温度を上げ、次いで1.5時間維持した。
【0088】
反応混合物を冷却して、粉砕し、アセトンおよび水で洗浄した。得られたポリマーを120℃のエアオーブン内で乾燥させた。該ポリマーは、400℃、1000秒−1において1.3kNsm−2の溶融粘度を有した。
【0089】
実施例2aに類似のポリマーは、反応物質のモル比を変化させることにより調製した。詳細は以下の表に記載されている。
【0090】
【表2】

【0091】
実施例3 PEDEK/PEK/PEKES
すりガラスのクイックフィット式の栓、スターラ/スターラガイド、窒素注入口および
排出口が取り付けられた700mlフランジフラスコに、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン(89.03g、0.408モル)、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン(11.43g、0.053モル)、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン(53.42g、0.214モル)および4,4’−ジヒドロキシビフェニル(24.80g、0.133モル)、およびジフェニルスルホン(320g)を装填して、窒素にて1時間パージした。その後、内容物を窒素環境下において140〜150℃に加熱し、ほぼ無色の溶液を形成した。窒素環境を維持している間、乾燥炭酸ナトリウム(43.23g、0.408モル)および乾燥炭酸カリウム(0.40g、0.003モル)を添加した。3時間にわたって徐々に320℃まで温度を上げ、次いで2時間維持した。
【0092】
反応混合物を冷却して、粉砕し、アセトンおよび水で洗浄した。得られたポリマーを120℃のエアオーブン内で乾燥させた。該ポリマーは、400℃、1000秒−1において0.49kNsm−2の溶融粘度を有した。
実施例4 専らモノスルホン化PEmEK環を生成するスルホン化
実施例2aのポリマーを、98%の高濃度の酸に溶解した。溶液を室温にて24時間攪拌した。その後、反応溶液を攪拌した脱イオン水中に滴下した。スルホン化されたポリマーは自由流動ビーズとして沈殿した。濾過により回収し、脱イオン水にて洗浄し、その後乾燥した。
【0093】
該ビーズは、すべてのPEmEK単位のジスルホン化した時のEWの理論値345の2倍に相当するEW690を有することが判明した。このEWの結果、およびプロトンNMRスペクトルにより、PEmEK環は専らモノスルホン化されたことが示された。
実施例5 各1,3−オキシ置換のフェニレン環に1〜2のスルホン酸部分を調製するためのスルホン化
98%硫酸(7.50gのポリマー/100gの硫酸)中にて、種々の時間と種々の温度各ポリマーを攪拌することにより、実施例1乃至3のポリマーをスルホン化した。その後、反応溶液を攪拌した脱イオン水中に滴下した。スルホン化されたポリマーは自由流動ビーズとして沈殿した。濾過により回収し、脱イオン水にて洗浄し、その後乾燥した。
【0094】
これらの条件にてスルホン化されたポリマーの実測EWと理論EWとを下記の表に示す。幾つかの実施例において、スルホン化時間、またはスルホン化温度を延長または上昇させ、ジスルホン化されたPEmEK単位の数を増大させた。さらに、この表には、実施例6において説明する方法により測定されたジスルホン化されたレゾルシノール部分の比率が記載されている。
【0095】
【表3】

【0096】
N/A 測定できず。
+ 完全にジスルホン化されたPEmEK単位(このような単位を含まない実施例3を除く)。
【0097】
結合しているケトン基によりPEK単位のフェニル環が不活性となるので、98%硫酸では前記ポリマー中のPEK単位をスルホン化できないことは、留意されるべきである。実施例6 プロトンNMRによりジスルホン化の比率を計算する一般的な手順
ジスルホン化度のNMRによる測定値は、6.5ppmにおけるピークの積分値を、6.75ppmにおけるピークの積分値と6.5ppmにおけるピークの積分値との和の1/2により除した比率から得られる。6.5ppmにおける共鳴は、2つのエーテル結合の間に配位されたプロトンに相当し、エーテル結合からの強い電子遮蔽、および2つのスルホン酸基のメタ配向効果を受けている(機構1b)。6.7ppmにおけるプロトンシグナルは、モノスルホン化された1,3−エーテル結合を有するフェニレン中の両プロトンを表し、機構1aにおいて示されており、さらにSPEmEK/PEKコポリマーのNMRスペクトル中に示されている(図2)。
【0098】
【化13】

【0099】
6.7ppmにおけるシグナルがない場合、完全なジスルホン化は、実測EWを理論EWに対して比較することにより確認され得る。または代替案としては、6.5ppmにおけるシグナルを、ポリマーからの他のプロトンのシグナルで除することにより、完全なジスルホン化が確認され得る。
実施例7 高濃度の酸によるスルホン化
実施例2fのポリマーを、98%の高濃度の酸に溶解した。この溶液に対し、濃硫酸に溶解した20%の発煙硫酸を加え、99%の濃硫酸溶液を調製した。この溶液を攪拌下に65℃で8時間加熱した。その後、反応溶液を攪拌した脱イオン水中に滴下した。スルホン化されたポリマーは自由流動ビーズとして沈殿した。濾過により回収し、脱イオン水にて洗浄し、その後乾燥した。
【0100】
上記の操作により、EW803を有するポリマーを得た(EWの結果によると、83.6%のジスルホン化がされた)。赤外分析によると、スルホン化されたPEK環の存在は検出されなかった。
実施例8 専らジスルホン化PEmEK環を生成するスルホン化
実施例2fのポリマーを、98%の高濃度の酸に溶解した。この溶液に対し、濃硫酸に溶解した20%の発煙硫酸を加え、100%の濃硫酸溶液を調製した。この溶液を攪拌下に35℃で8時間加熱した。その後、反応溶液を室温まで冷却し、攪拌した脱イオン水中に滴下した。スルホン化されたポリマーは自由流動ビーズとして沈殿した。濾過により回収し、脱イオン水にて洗浄し、その後乾燥した。
【0101】
該ビーズは、理論EW690に相当するEWを有することが判明した。プロトンNMR分光法
により該ビーズを調査することにより(すなわち、ジスルホン化メタ位置換のエーテル−フェニレン−エーテル環に相当するプロトンと、モノスルホン化メタ位置換のエーテル−フェニレン−エーテル環に相当するプロトンとの比を測定することにより)、前記ポリマー鎖内のすべてのPEmEK部分は専らジスルホン化され、そのため、1,3−オキシ−フェニレン−オキシ結合が生じた場合には、スルホン酸基は4−位、および6−位に存在するということが示された。さらに、ポリマーの赤外スペクトルは、−エーテル−フェニレン−エーテル−部分にあるスルホン酸基に影響された伸縮を含んではいなかった。それにより、PEK単位、およびPEKES単位はいずれもスルホン化されていないことが確認された。
実施例9 35℃における100%硫酸中でのPEKのスルホン化
PEKポリマーを、98%の高濃度の酸に溶解した。この溶液に対し、濃硫酸に溶解した20%の発煙硫酸を加え、100%の濃硫酸溶液を調製した。この溶液を攪拌下に35℃で8時間加熱した。その後、反応溶液を室温まで冷却し、攪拌した脱イオン水中に滴下した。ポリマーは自由流動ビーズとして沈殿した。濾過により回収し、脱イオン水にて洗浄し、その後乾燥した。
【0102】
水酸化ナトリウムを添加すると、フェノールフタレイン試験結果がプラスであることが直ちに観察されたので、該ビーズのEWは測定されなかった。これは、前記ポリマーがスルホン化されていないことを示していた。さらに、ポリマーの赤外スペクトルは、−エーテル−フェニレン−ケトン−部分にあるスルホン酸基に影響された伸縮を含んではいなかった。これによりPEK単位はスルホン化されていないことが確認された。
実施例10 45℃における100%硫酸中でのPEMEK/PEK/PEKESのスルホン化
実施例2fのポリマーを、98%の高濃度の酸に溶解した。この溶液に対し、濃硫酸に溶解した20%の発煙硫酸を加え、100%の濃硫酸溶液を調製した。この溶液を攪拌下に45℃で8時間加熱した。その後、反応溶液を室温まで冷却し、攪拌した脱イオン水中に滴下した。スルホン化されたポリマーは自由流動ビーズとして沈殿した。濾過により回収し、脱イオン水にて洗浄し、その後乾燥した。
【0103】
前記ポリマーのEWは683と測定されたが、ポリマーの赤外分光法による分析により、PEK単位がスルホン化されたとの明確な証拠が示された。
実施例11 室温における100%硫酸中でのPEMEK/PEK/PEKESのスルホン化
実施例2fのポリマーを、98%の高濃度の酸に溶解した。この溶液に対し、濃硫酸に溶解した20%の発煙硫酸を加え、100%の濃硫酸溶液を調製した。この溶液を室温で24時間攪拌した。その後、反応溶液を室温まで冷却し、攪拌した脱イオン水中に滴下した。ポリマーは自由流動ビーズとして沈殿した。濾過により回収し、脱イオン水にて洗浄し、その後乾燥した。
【0104】
NMRによるポリマーの分析によれば、66%のPEMEK環のみがジスルホン化されたことを示していた。
実施例12 100%よりも高濃度の硫酸によるPEKのスルホン化
PEKポリマーを、98%の高濃度の酸に溶解した。この溶液に対し、濃硫酸に溶解した20%の発煙硫酸を加え、100%を超える濃度の濃硫酸溶液を調製した。この溶液を攪拌下に50℃で1時間10分加熱した。その後、反応溶液を室温まで冷却し、攪拌した脱イオン水中に滴下した。スルホン化されたポリマーは自由流動ビーズとして沈殿した。濾過により回収し、脱イオン水にて洗浄し、その後乾燥した。
【0105】
ポリマーのEWは845であると測定された。
実施例13 65℃における98%硫酸中でのPEEKのスルホン化
PEEKポリマーを、98%の高濃度の酸に溶解した。この溶液を攪拌下に65℃で1時間30分加熱した。その後、反応溶液を室温まで冷却し、攪拌した脱イオン水中に滴下した。スルホン化されたポリマーは自由流動ビーズとして沈殿した。濾過により回収し、脱イオン水にて洗浄し、その後乾燥した。
【0106】
ポリマーのEWは、557であると測定された。
実施例 熱安定性の実験
選択されたスルホン化されたポリマーの熱安定性については、該スルホン化されたポリマーのビーズをPTFEにてライニングされたフラスコ中に入れ、該ビーズを200℃の空気に1時間45分の間暴露することにより測定した。その後、該ビーズに関しては、この温度における熱処理後のイオン交換部位の消失を測定するEWテストを行った。これらの実験の結果を、以下の表に示す。
【0107】
【表4】

【0108】
本出願に関連して、本明細書と同時に、あるいは本明細書に先立って出願され、本明細書と共に公開されたすべての論文ならびに文献に対する、読み手の注意を喚起するものであり、それらの論文および文献の全容を本明細書において参照により組み込むものとする。
【0109】
本明細書(任意の添付する特許請求の範囲、要約書、および図面を含む)において開示される特徴のすべて、および/または、同様に開示されたあらゆる方法または工程のすべての段階は、これらの特徴および/または段階の少なくともいずれかが互いに相容れないような組み合わせを除いて、任意の組み合わせとして組み合わせることが可能である。
【0110】
本明細書(特許請求の範囲、要約書、および図面を含む)において開示される特徴のそれぞれは、特に断らない限りにおいて、同一かあるいは均等かあるいは同様の目的を果たす別の特徴にて置き換えることが可能である。すなわち、特に断らない限りにおいて、開
示される各特徴は、同等もしくは同様な一連の一般的特徴のあくまで一実施例に過ぎない。
【0111】
本発明は、上述する実施形態の詳細に限定されるものではない。本発明は、本明細書(任意の添付する特許請求の範囲、要約書および図面を含む)において開示される特徴の内、任意の新規な1つの特徴もしくは任意の新規な組み合わせ、あるいは同様に開示されたすべての方法または工程の段階の内、任意の新規な1つもしくは任意の新規な組み合わせに及ぶものである。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】高分子電解質膜燃料電池の概略図。
【図2】SPEmEK/PEKコポリマーのプロトンNMRスペクトル図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式A部分を有するイオン伝導性ポリマー材料を含有する高分子電解質膜または高分子ガス拡散電極であって、
【化1】

式Aは、平均して1つより多く、3つ以下の、イオン交換部位を提供する基(例えば、スルホン酸基)により置換され、前記部分の水素原子は任意で置換されており、式Aの前記部分の各Xは、独立して酸素原子、または硫黄原子を表す、高分子電解質膜または高分子ガス拡散電極。
【請求項2】
前記部分は、平均して1.8〜2.2の、前記イオン交換部位を提供する基により置換されている請求項1に記載の膜または電極。
【請求項3】
前記イオン伝導性ポリマー材料は、
(i) フェニル部分、
(ii) カルボニル部分およびスルホン部分の少なくともいずれか、ならびに
(iii) エーテル部分およびチオエーテル部分の少なくともいずれか
を含む種類のものである請求項1および2のいずれか1項に記載の膜または電極。
【請求項4】
前記イオン伝導性ポリマー材料は、式Iの部分、
【化2】

式IIの部分、
【化3】

および式IIIの部分のうちの少なくともいずれかを含み、
【化4】

前記式中、単位I、単位IIおよび/または単位IIIのうちの少なくとも一部は官能基化されてイオン交換部位を提供し、単位Aは単位I、単位II、および/または単位IIIの一部であり、単位I,単位II,および単位IIIのフェニル部分は独立して任意に
置換されるとともに任意に架橋され、m,r,s,t,v,wおよびzは独立してゼロまたは正の整数を表し、EおよびE’は独立して酸素原子または硫黄原子または直接結合を表し、Gは酸素原子もしくは硫黄原子、または−O−Ph−O−部分を表し、Phはフェニル基を示し、Arは1つ以上の自身のフェニル部分を介して隣接する部分に結合される以下の部分(i)、(i)〜(x)のうちの1つから選択される、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の膜または電極。
【化5】

【請求項5】
前記イオン伝導性ポリマー材料はスルホン化されている請求項1乃至4のいずれか1項に記載の膜または電極。
【請求項6】
前記ポリマー材料は、下記一般式IVの反復単位を有するホモポリマーであるか、
【化6】

または下記一般式Vの反復単位を有するホモポリマーであるか、
【化7】

または、IVおよび/またはVの少なくとも2種類の異なる単位のランダムコポリマーまたはブロックコポリマーであり、
前記反復単位(もしくは反復単位部分)は官能基化されてイオン交換部位を提供し、
あるいは、一般式IVの反復単位を有するホモポリマーであるか、
【化8】

または一般式Vの反復単位を有するホモポリマーであるか、
【化9】

または、IVおよび/またはVの少なくとも2種類の異なる単位のランダムコポリマーまたはブロックコポリマーであり、
前記反復単位(もしくは反復単位部分)は官能基化されてイオン交換部位を提供し、
上記式中、A、B、CおよびDは独立して0または1を表し、E、E’、G、Ar、m、r、s、t、v、wおよびzは、請求項4に記載した通りである請求項1乃至5のいずれか1項に記載の膜または電極。
【請求項7】
前記イオン伝導性ポリマーは、結晶性であるか、結晶可能である請求項1乃至6のいずれか1項に記載の膜または電極。
【請求項8】
前記ポリマー材料は、前記ポリマー鎖中に少なくともケトン部分を有する請求項1乃至7のいずれか1項に記載の膜または電極。
【請求項9】
前記イオン伝導性ポリマー材料は、式Bの反復単位を有し、
【化10】

式B中、1,3−位が置換された−X−フェニル−X−部分は、平均して1つより多く、3つ以下の、イオン交換部位を提供する基により置換されており、各Xは独立に酸素原子または硫黄原子であり、Yはカルボニル基またはスルホン基である、請求項1乃至8のい
ずれか1項に記載の膜または電極。
【請求項10】
Yはカルボニル基を表し、Xは酸素原子を表す請求項9に記載の膜または電極。
【請求項11】
前記イオン伝導性ポリマー中の−O−フェニル−CO部分、または−O−フェニル−SO部分は、イオン交換部位により10モル%未満の程度で、官能基化されている請求項1乃至10のいずれか1項に記載の膜または電極。
【請求項12】
前記イオン伝導性ポリマー材料中において、イオン交換部位により官能基化されている唯一の部分は部分Aである請求項1乃至11のいずれか1項に記載の膜または電極。
【請求項13】
ほぼ100モル%の部分Aは2官能基化されている請求項1乃至12のいずれか1項に記載の膜または電極。
【請求項14】
前記イオン伝導性ポリマー材料は、
(a) 式IVの単位であって、式中、EおよびE’は酸素原子を表し、Gは直接結合を表し、Arは構造(iv)の部分を表し、mおよびsは0を表し、wは1を表し、AおよびBは、同単位が部分Aを有し、両X原子が酸素原子である場合には、1を表す単位と、(b) 式Vの単位であって、式中、EおよびE’は酸素原子を表し、Gは直接結合を表し、Arは構造(v)の部分を表し、mおよびsは0を表し、wは1を表し、AおよびBは、同単位が部分Aを有し、両X原子が酸素原子である場合には、1を表す単位と
のうちから選択される第1の反復単位と、
(c) 式IVの単位であって、式中、EおよびE’は酸素原子を表し、Gは直接結合を表し、Arは構造(iv)の部分を表し、mおよびsは0を表し、wは1を表し、AおよびBは1を表す単位と、
(d) 式IVの単位であって、式中、Eは酸素原子を表し、E’は直接結合を表し、Arは構造(i)の部分を表し、mは0を表し、Aは1を表し、Bは0を表す単位と、
(e) 式Vの単位であって、式中、EおよびE’は酸素原子を表し、Gは直接結合を表し、Arは構造(iv)の部分を表し、mおよびvは0を表し、zは1を表し、CおよびDは1を表す単位と、
(f) 式Vの単位であって、式中、Eは酸素原子を表し、E’は直接結合を表し、Arは構造(ii)の部分を表し、mは0を表し、Cは1を表し、Dは0を表す単位と、
(g) 式Vの単位であって、式中、EおよびE’は酸素原子を表し、Arは構造(i)の部分を表し、mは0を表し、Cは1を表し、Zは1を表し、Gは直接結合を表し、vは0を表し、Dは1を表す単位と、
(h) 式IVの単位であって、式中、EおよびE’は酸素原子を表し、Gは直接結合を表し、Arは構造(iv)の部分を表し、mは1を表し、wは1を表し、sは0を表し、AおよびBは1を表す単位と、
(i) 式IVの単位であって、式中、Eは酸素原子を表し、E’は直接結合を表し、Gは直接結合を表し、Arは構造(iv)の部分を表し、mおよびsは0を表し、wは1を表し、AおよびBは1を表す単位と、
(j) 式Vの単位であって、式中、EおよびE’は酸素原子を表し、Gは直接結合を表し、Arは構造(iv)の部分を表し、mは1を表し、zは1を表し、vは0を表し、CおよびDは1を表す単位と、
(k) 式Vの単位であって、式中、Eは酸素原子を表し、E’は直接結合を表し、Gは直接結合を表し、Arは構造(iv)の部分を表し、mおよびvは0を表し、zは1を表し、CおよびDは1を表す単位と、
(l) 式IVの単位であって、式中、EおよびE’は酸素原子を表し、Gは直接結合を表し、Arは構造(v)の部分を表し、mは0を表し、wは1を表し、sは0を表し、AおよびBは1を表す単位と、
(m) 式Vの単位であって、式中、EおよびE’は酸素原子を表し、Gは直接結合を表し、Arは構造(v)の部分を表し、mは0を表し、zは1を表し、vは0を表し、CおよびDは1を表す単位と
のうちから選択される第2の反復単位とを有するコポリマーである請求項1乃至13のいずれか1項に記載の膜または電極。
【請求項15】
前記イオン伝導性ポリマー材料は、(a)および(b)のうちから選択された第1の単位と、(d)および(f)のうちから選択された第2の単位と、任意で単位(g)とを組み合わせて含む請求項14に記載の膜または電極。
【請求項16】
前記イオン伝導性ポリマー材料は、単位(a)と単位(d)との組み合わせ、単位(a)と単位(d)および単位(g)との組み合わせ、単位(b)と単位(f)との組み合わせ、および、単位(b)と単位(f)および単位(g)との組み合わせを有する請求項14に記載の膜または電極。
【請求項17】
前記高分子電解質膜は500g/モル未満の当量重量(EW)を有する請求項1乃至16のいずれか1項に記載の膜または電極。
【請求項18】
請求項1乃至17のいずれか1項に記載の高分子電解質膜を内蔵する燃料電池または電解装置。
【請求項19】
請求項1乃至17のいずれか1項に記載のイオン伝導性ポリマー材料。
【請求項20】
請求項1乃至19のいずれか1項に記載のスルホン化されたイオン伝導性ポリマー材料を調製する方法であって、
請求項1に記載の式Aの反復単位を有するポリマー材料を、スルホン化剤と接触させることにより、該反復単位を平均して1つより多く、3つ以下のスルホン酸基によって置換する工程を備える方法。
【請求項21】
前記ポリマー材料を制御可能にスルホン化するための条件は、99.5%以上の濃度の硫酸を使用することを含む請求項20に記載の方法。
【請求項22】
硫酸の濃度は100.1%未満である請求項21に記載の方法。
【請求項23】
スルホン化中の温度は30℃以上である請求項21および請求項22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
スルホン化中の温度は40℃以下である請求項20乃至23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
選択された前記温度、および温度範囲のうちのいずれかは、2時間以上、20時間未満の間維持される請求項23および請求項24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
99.8%〜100%の硫酸を、34〜36℃において使用することにより実行される請求項20乃至25のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2006−524415(P2006−524415A)
【公表日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−506066(P2006−506066)
【出願日】平成16年4月1日(2004.4.1)
【国際出願番号】PCT/GB2004/001401
【国際公開番号】WO2004/088778
【国際公開日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【出願人】(501097318)ビクトレックス マニュファクチャリング リミテッド (15)
【氏名又は名称原語表記】VICTREX MANUFACTURING LIMITED
【Fターム(参考)】