説明

ポリ(トリメチレンテレフタレート)繊維の製造方法

本発明はポリ(トリメチレンテレフタレート)フィラメント(2)/糸を用いる方法に関する。ポリ(トリメチレンテレフタレート)は少なくとも約26500の数平均分子量と250℃および48.65毎秒剪断速度で少なくとも約350パスカルの溶融粘度とを有する。ポリ(トリメチレンテレフタレート)はフィラメント(2)へ紡糸され、フィラメント(2)は糸へ収束される。フィラメントは1より大きいデニールを有し、糸は210より大きいデニールを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はポリエステル糸およびその製造に関する。より具体的には、本発明は良好な物理的性質を有するポリ(トリメチレンテレフタレート)繊維の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に「ポリアルキレンテレフタレート」と言われる、ポリ(エチレンテレフタレート)(「2GT」)およびポリ(ブチレンテレフタレート)(「4GT」)は、広く知れわたった商業ポリエステルである。ポリアルキレンテレフタレートは優れた物理的および化学的性質、特に、化学的、熱および光安定性、高い融点ならびに高い強度を有する。結果としてそれらは樹脂、フィルムおよび繊維に広く使用されてきた。
【0003】
ジオールとジカルボン酸との反応生成物の重縮合によって製造されるポリエステルは糸へ紡績することができる。米国特許第3,998,042号明細書は、押し出された繊維がスチームジェットアシストで高温(160℃)で、または熱水アシストでより低い温度(95℃)で延伸されるポリ(エチレンテレフタレート)糸の製造方法を記載している。ポリ(エチレンテレフタレート)は、第1段階延伸が第2段階延伸よりかなり高い延伸比でである2段階延伸法で嵩高連続フィラメント(BCF)糸へ紡績することができる。米国特許第4,877,572号明細書は、供給ローラーがポリマーのTgの30℃上または下の温度に加熱され、延伸ローラーが供給ローラーより少なくとも100℃高い、1段階で押し出された繊維が延伸されるポリ(ブチレンテレフタレート)BCF糸の製造方法を記載している。
【0004】
米国特許第6,254,961号明細書は、カーペットに好適な糸へのポリ(トリメチレンテレフタレート)の紡績に関する。この特許によれば、1000m/分より大きい延伸速度が該発明方法で可能であり、得られる糸の高いテナシティのため1800m/分より大きい延伸速度が望ましい。
【0005】
米国特許第6,284,370号明細書は、好適な熱応力および好適なボイルオフ収縮を有し、かつ、織られたまたは編まれた時に、縮み過ぎによってもたらされるより少ない剛性を示し、そして繊維に特有な低い弾性率から予期される柔らかさと優れた色発現性とを明白に示すポリ(トリメチレンテレフタレート)繊維に関する。この参考文献によれば、該発明で使用されるポリマーの固有粘度は好ましくは0.4〜1.5、より好ましくは0.7〜1.2である。該発明のポリエステル繊維は、衣類用途向けに使用される場合、好ましくはマルチフィラメント糸の形にある。糸の全体サイズは限定されないが、それは通常5〜200d(デニール)、好ましくは20〜150dである。シングルフィラメントサイズは限定されないが、それは0.1〜10d、好ましくは0.5〜5d、より好ましくは1〜3dである。またこの特許によれば、繊維を製造するために用いられる第1ロールの周速は300〜3,500m/分であることが重要である。周速は好ましくは800〜3,000m/分、より好ましくは1,200〜2,500m/分である。第2ロールの周速は延伸比によって決定されるが、それは通常600〜6,000m/分である。
【0006】
米国特許出願公開第2003/0127766号明細書は、概して、ポリ(トリメチレンテレフタレート)BCFカーペット修正断面糸およびそれの製造方法に、特に、ポリ(トリメチレンテレフタレート)BCFカーペット修正断面糸およびそれの製造方法に関する。この参考文献によれば、0.8〜1.2の固有粘度および50ppmもしくはそれ未満の含水率のポリ(トリメチレンテレフタレート)が原料として使用され、好ましくは1500〜4000m/分の紡糸速度で溶融紡糸される。紡糸されたフィラメントは1500〜4000m/分の速度で延伸され、捲縮させられる。
【0007】
米国特許出願公開第2003/0045611号明細書は、着色された造形品(例えば、繊維)の製造方法に関する。繊維用途向けに、ポリ(トリメチレンテレフタレート)は、約0.6dl/gもしくはそれ以上である、そして典型的には約1.5dl/gもしくはそれ未満である固有粘度を好ましくは有する。多くの最終用途向け、特に繊維およびフィルム向けに好ましい粘度は0.8dl/gもしくはそれ以上、より好ましくは0.9dl/gもしくはそれ以上である。典型的には、ポリ(トリメチレンテレフタレート)繊維およびフィルムの粘度は1.4dl/gもしくはそれ未満、1.2dl/gもしくはそれ未満、または1.1dl/gもしくはそれ未満である。商業用途では、紡糸速度は好ましくは少なくとも約1,000m/分であり、基準速度としてロール40を用いて、約5,000m/分以下もしくはそれ以上であってもよい。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に従った第1態様によれば、方法は、
(a)少なくとも約26500の数平均分子量と250℃および48.65毎秒剪断速度で少なくとも約350パスカルの溶融粘度とを有する溶融ポリ(トリメチレンテレフタレート)ポリマーを紡糸する工程と、
(b)フィラメントを糸へ収束させる工程と、
(c)該フィラメントを冷却する工程と、
(d)該フィラメントを3000メートル毎分より大きい速度で延伸して、1より大きいフィラメントデニールを有するフィラメント、および210より大きい糸デニールを有する糸を製造する工程と
を含む。
【0009】
好ましくは、フィラメントは約1.1〜約4.0の延伸比で延伸される。
【0010】
好ましくは、ポリ(トリメチレンテレフタレート)は約0.95〜約1.10の固有粘度を有する。
【0011】
延伸フィラメントは、嵩高加工および/または交絡することができる。それらはその中に3次元曲線捲縮を形成するために嵩高加工することができる。好ましくは、嵩高加工する工程は、フィラメントを熱流体ジェット嵩高加工装置でブローし、変形させることを含む。
【0012】
別の態様によれば、方法は
(a)約0.95〜約1.10の範囲の固有粘度、約100ppm未満の含水率、約26500〜約50000の数平均分子量ならびに250℃および48.65毎秒剪断速度で約350〜約1000パスカルの溶融粘度を有する溶融ポリ(トリメチレンテレフタレート)ポリマーを、紡糸口金を通して押し出してフィラメントを形成する工程と、
(b)該フィラメントを糸へ収束させる工程と、
(c)該押し出されたフィラメントを冷却する工程と、
(d)該冷却されたフィラメントを紡糸仕上げ剤でコートし、場合により該フィラメントを予備混繊する工程と、
(e)場合により、該コートされたフィラメントを該ポリマーフィラメントのガラス転移温度より高いが、約200℃未満の温度に加熱する工程と、
(f)場合により加熱された該フィラメントを3000メートル毎分より大きい速度で延伸して、1より大きいフィラメントデニールを有するフィラメントおよび210より大きい糸デニールを有する糸を製造する工程と、
(g)該延伸フィラメントを、フィラメントが熱い嵩高加工流体で3次元にブローされ、かつ、変形されるように嵩高加工して、ランダムの3次元曲線捲縮を有する嵩高加工された連続フィラメントを形成する工程と、
(h)該嵩高加工された連続フィラメントをポリマーフィラメントのガラス転移温度未満の温度に冷却する工程と、
(i)該嵩高加工された連続フィラメントを交絡する工程と
を含む。
【0013】
好ましくは、嵩高加工された連続フィラメントは冷却工程の前に交絡される。別の態様では、フィラメントは諸撚りし、ヒートセットして糸にすることができる。諸撚りされ、ヒートセットされた糸はカーペットにすることができる。
【0014】
図面はあくまで例示目的のために提供され、本発明の範囲を限定することを意図されない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
特に明記されない限り、すべての百分率、部、比などは重量による。商標は大文字で示される。
【0016】
さらに、量、濃度、または他の値もしくはパラメーターがある範囲、好ましい範囲または好ましい上限値と好ましい下限値とのリストとして与えられる場合、これは、範囲が別々に開示されるかどうかにかかわらず、任意の範囲上限または好ましい値と任意の範囲下限または好ましい値との任意のペアから形成されるすべての範囲を具体的に開示するものとして理解されるべきである。数値の範囲が本明細書で列挙される場合、特に明記されない限り、該範囲はその終点、ならびに該範囲内のすべての整数および分数を含むことを意図される。本発明の範囲がある範囲を明示する時に列挙される具体的な値に限定されることは意図されない。
【0017】
本発明の第1態様に従って、方法は、
(a)少なくとも約26500の数平均分子量と250℃および48.65毎秒剪断速度で少なくとも約350パスカルの溶融粘度とを有する溶融ポリ(トリメチレンテレフタレート)ポリマーを紡糸する工程と、
(b)フィラメントを糸へ収束させる工程と、
(c)該フィラメントを冷却する工程と、
(d)該フィラメントを3000メートル毎分より大きい速度で延伸して、1より大きいフィラメントデニールを有するフィラメントおよび210より大きい糸デニールを有する糸を製造する工程と
を含む。
【0018】
フィラメントは、紡糸仕上げ剤でコートしおよび、場合により、予備混繊することができる。好ましくは、本方法は、延伸フィラメントを嵩高加工する工程をさらに含む。延伸フィラメントはその中に3次元曲線捲縮を形成するために嵩高加工することができる。好ましくは、嵩高加工する工程はフィラメントを熱流体ジェット嵩高加工装置でブローし、変形させることを含む。
【0019】
好ましくは、本方法はフィラメントを交絡する工程をさらに含む。
【0020】
本発明に従ったさらなる態様によれば、方法は、
(a)約0.95〜約1.10の範囲の固有粘度、約100ppm未満の含水率、約26500〜約50000の数平均分子量ならびに250℃および48.65毎秒剪断速度で約350〜約1000パスカルの溶融粘度を有する溶融ポリ(トリメチレンテレフタレート)ポリマーを、紡糸口金を通して押し出してフィラメントを形成する工程と、
(b)該フィラメントを糸へ収束させる工程と、
(c)該押し出されたフィラメントを冷却する工程と、
(d)該冷却されたフィラメントを紡糸仕上げ剤でコートし、場合により該フィラメントを予備混繊する工程と、
(e)場合により、該コートされたフィラメントを該ポリマーフィラメントのガラス転移温度より高いが、約200℃未満の温度に加熱する工程と、
(f)場合により加熱された該フィラメントを3000メートル毎分より大きい速度で延伸して、1より大きいフィラメントデニールを有するフィラメントおよび210より大きい糸デニールを有する糸を製造する工程と、
(g)該延伸フィラメントを、フィラメントが熱い嵩高加工流体で3次元にブローされ、かつ、変形されるように嵩高加工して、ランダムの3次元曲線捲縮を有する嵩高加工された連続フィラメントを形成する工程と、
(h)該嵩高加工された連続フィラメントをポリマーフィラメントのガラス転移温度未満の温度に冷却する工程と、
(i)該嵩高加工された連続フィラメントを交絡する工程と
を含む。
【0021】
述べたように、嵩高加工された連続フィラメントは冷却工程前に交絡することができる。
【0022】
さらなる態様によれば、フィラメントは諸撚りされ、ヒートセットされて糸になる。カーペットは、諸撚りされ、ヒートセットされた糸から製造することができる。
【0023】
図面の図1について具体的に言及すると、ポリ(トリメチレンテレフタレート)チップは乾燥されるために乾燥機10へ装填される。ポリ(トリメチレンテレフタレート)の固有粘度は好ましくは約0.95〜約1.10dl/gである。固有粘度は約0.98〜約1.04または約1.00〜約1.02dl/gであることができる。好ましくは、数平均分子量は少なくとも約26500、より好ましくは少なくとも約27500、最も好ましくは少なくとも約29000である。好ましくは、数平均分子量は約50000以下、より好ましくは約45000以下、最も好ましくは約40000以下である。好ましくは、ポリマーの溶融粘度は250℃および48.65毎秒剪断速度で少なくとも約350、より好ましくは少なくとも約400,さらにより好ましくは少なくとも約450、最も好ましくは少なくとも約500パスカルである。また好ましくは、溶融粘度は250℃および48.65毎秒剪断速度で約1000以下、より好ましくは約900以下、さらにより好ましくは約800以下、最も好ましくは約700パスカル以下である。
【0024】
乾燥は好ましくは約80℃もしくはそれ以上および約180℃もしくはそれ以下、最も好ましくは約150℃で実施される。ポリ(トリメチレンテレフタレート)チップは、含水率が100ppm未満、より好ましくは約50ppmもしくはそれ未満、最も好ましくは約40ppmもしくはそれ未満になるまで好ましくは乾燥される。乾燥時間は、所望の含水率に達するために必要とされる限り、好ましくは約4〜約10時間、より好ましくは約6〜約8時間であるべきである。オペレーターは、一貫した溶融粘度を維持するために水分レベルを一様に保つべきである。商業的に入手可能な減湿機を用いることができる。乾燥窒素、空気または他の不活性ガスを使用することができる。含水率が乾燥機出口で所望のレベルにある時、再溶融が開始される。
【0025】
乾燥されたチップは任意のチップ計量供給スクリュー12に供給され、再溶融機スロウト14中へ計量供給される。
【0026】
スクリューを使用されるチップの量をコントロールするために用いることができるので、計量供給スクリューは任意である。チップ計量供給スクリューは通常スクリュー再溶融機と共に用いられる。いかなる商業的に入手可能な計量供給スクリューも用いることができる。
【0027】
「再溶融機スロウト」とは、計量供給スクリューと再溶融機とを連結するパイプをいう。
【0028】
再溶融機は、任意の好適な単軸または二軸スクリュー押出機であることができる。窒素パージを、酸素がチップと一緒に再溶融機中へ運ばれるのを防ぐために用いることができる。これは、酸素に起因するポリマー分解を減らすであろう。
【0029】
再溶融は約200℃もしくはそれ以上、好ましくは少なくとも約235℃、より好ましくは少なくとも約245℃で、そして約280℃もしくはそれ以下、好ましくは約270℃もしくはそれ以下、より好ましくは約265℃もしくはそれ以下で好ましくは実施される。280℃より上の温度では、望ましくない副生物アクロレインが発生する。
【0030】
ポリマーは任意のトランフファーラインポンプ20に供給され、それは、トランスファーライン22でのロスを解消し、一定の供給速度を与え、そしてポリマーを紡糸パック計量供給ポンプ24に供給するのに十分な圧力を与えるのに十分な圧力(約2250〜3000psig)を提供する。任意の好適なポンプが用いられてもよい。
【0031】
ポリマー温度は、ポリマー分解および刺激的なおよび/または有毒な副生物の可能な発生を防ぐために、十分に当業技術の技能内の技法を用いて監視し、コントロールされるべきである。トランスファーライン22は、好ましくは、トランスファーライン用の外側ジャケットを提供する外側パイプ(示されていない)によって取り囲まれる。外側ジャケットは、ポリマーの温度を許容限界内に維持するのに役立つ熱媒体を含有することができる。ポリマートランスファーライン22の温度は好ましくは少なくとも約220℃、より好ましくは少なくとも約230℃、最も好ましくは少なくとも約240℃に保持される。該温度は約265℃以下、好ましくは約260℃以下、最も好ましくは約255℃以下であることができる。非限定的な例として、ジャケット中の熱媒体は、好ましくは250℃より下に保持されたパラフィンであることができよう。
【0032】
トランスファーパイプ22中のポリマーホールドアップ時間は最低、例えば、20分より下、好ましくは10分より下、最も好ましくは2分より下に保たれるべきである。これは、例えば、パイプの長さおよび/または直径を減らすことによって、および/または増圧ポンプを用いることによる押出量を増やすことによって成し遂げられる。
【0033】
計量供給ポンプ24はポリマー組成物を紡糸口金またはダイ26へ計量供給する。
【0034】
図2について言及すると、ポリマーは紡糸口金またはダイ26を通って押し出されてフィラメント2を形成する。紡糸されたフィラメントは冷却ゾーン3でガスの放射状フローまたはクロスフローによってポリマーのガラス転移温度の下まで冷却される。紡糸仕上げ剤またはオイルを仕上げ剤塗布機4によって固化したフィラメントに塗布することができる。仕上げ剤塗布の後および計量供給ロールの前に、フィラメントは、フィラメント上の仕上げ剤を一様にするための任意の予備混繊装置5で乱気流で処理することができる。
【0035】
ポリマーは、少なくとも約200℃、好ましくは少なくとも約235℃、より好ましくは少なくとも約245℃、そして約275℃以下、好ましくは約270℃以下、より好ましくは約265℃以下の温度で紡糸口金またはダイを通して押し出される。
【0036】
紡糸パック計量供給ポンプおよび紡糸口金またはダイは、通常の手段(例えば、ダウ(Dow)流体またはホットオイル)によって加熱されてもよい。
【0037】
押出量は紡糸位置の数の関数であり、典型的には紡糸機当たり(すなわち、1再溶融機当たり)約2ポンド/時(約0.9kg/時)から約2,000ポンド/時(約907kg/時)〜約3,000ポンド/時(約1,361kg/時)もしくはそれ以上の商業的規模までのうちのいずれかである。
【0038】
冷却ゾーン3は、約0.2m/秒もしくはそれ以上そして約0.8m/秒もしくはそれ未満で適用される、約10℃もしくはそれ以上、そして好ましくは約30℃もしくはそれ以下の温度のガス、典型的には加湿空気の放射状フローまたはクロスフローによってフィラメントを冷却する。示されるように、フィラメントはローラー6で糸へ収束させられる。
【0039】
フィラメントは次に、供給ローラー6および1セットの延伸ローラー7の使用によって延伸される。フィラメントは好ましくは約1.1〜約4.0の延伸比で延伸される。延伸比は約1.2〜約3.0またはさらに1.4〜2.2であることができる。
【0040】
フィラメントは次に、フィラメントが延伸ローラー7を通過した後にテクスチャー加工ノズル付き嵩高加工装置8によって捲縮させることができる。フィラメントは次に、冷却ドラム9によって冷却し、ローラー17を経由して混繊機11を通過させることができ、そこでフィラメントは交絡される。その後、フィラメントはローラー13および糸ガイド16を経由して巻取機15を用いて巻き取られる。
【0041】
本発明に従って、フィラメントは3000メートル毎分(m/分)より大きい速度で延伸される。延伸速度は3500m/分より大きい、4000m/分より大きい、5000m/分より大きい、少なくとも5100m/分、またはさらに少なくとも5500m/分であることができる。
【0042】
フィラメントの延伸比は、フィラメントの破断伸びが好ましくは少なくとも約10%、より好ましくは少なくとも20%、そして好ましくは約90%以下、より好ましくは70%以下であるまで、供給ローラー6および/または延伸ロール7の速度を調節することによってコントロールされる。
【0043】
延伸フィラメントデニールは1より大きく、好ましくは少なくとも3、より好ましくは少なくとも10、最も好ましくは少なくとも約15dl/gである。糸デニールは好ましくは210より大きく、より好ましくは少なくとも約250、さらにより好ましくは少なくとも約500、最も好ましくは少なくとも約1000である。
【0044】
フィラメントを空気またはスチームのような熱い嵩高加工流体で3方向にブローし、変形させることができるジェット嵩高加工装置8を、本発明を実施するのに用いることができる。好適な装置は米国特許第3,525,134号明細書に記載されている。米国特許第3,525,134号明細書に記載されている嵩高加工装置では、フィラメントには嵩高加工および交絡の両方が施される。他の嵩高加工装置を用いることができる。幾つかの装置では、別個の交絡工程が巻取り前に必要であるかもしれない。当業界で広く知れわたった任意の方法が糸を交絡するために用いられてもよい。
【0045】
ランダムに間隔を置いて配置された3次元曲線捲縮を有する、得られたBCF糸は次に、糸がかなりの量の捲縮を引き伸ばさないようにおよそ0gpd張力の状態にある間に、好ましくはフィラメントのガラス転移温度より下(およそ45〜50℃)に冷却される。冷却は、様々な商業的に入手可能な手段によって、好ましくは空気もしくは水フロー、スプレーまたは噴霧によって成し遂げられてもよい。
【0046】
当該技術で公知の方法を用いると、フィラメントを諸撚りし、ヒートセットして糸にすることができる。糸を次にカーペットにすることができる。勿論、本開示を利用できる他の用途が当業者には容易に思い浮かぶであろう。一例として、本発明の糸はまた、じゅうたん、織りタイル、自動車内装および布に使用することができよう。
【実施例】
【0047】
水分調節
ポリ(トリメチレンテレフタレート)(3GT)樹脂を、VWRモデル1430M真空オーブンを用いて加熱乾燥窒素掃引付きで減圧下に120℃で50時間乾燥した。乾燥樹脂中の水分レベルを気化器(Vaporizer)モデルVA100付き三菱水分分析計(Mitsubishi Moisture Analyzer)モデルCA100を用いて10分の遅延時間で180℃で測定した。乾燥後に、3GTサンプル1および3GTサンプル2中の水分レベルはそれぞれ38および40ppmであった。
【0048】
手順
溶融物安定性および溶融粘度は、試験方法ASTM(米国材料試験協会)D3835−02に従って、1mm直径、30:1のL/D、180°入口角度ダイのダイニスコ(Dynisco)LCR7002キャピラリー流動計を用いて250および260±0.1℃で測定した。
【0049】
溶融物安定性は手順10.8.1 ASTM D3835−02に従って測定した。48.6秒-1での定速試験を少なくとも1200秒の遅延時間で用いた。押出物サンプルを40、120、180、250、360、600、900、および1200秒に集めた。入荷したままの樹脂および押出物のグッドイヤー(Goodyear)IVを、ヴィスコテック強制フロー粘度計(Viscotek Forced Flow Viscometer)モデルY−900、V5.7を用いて19℃および0.4g/dlの濃度で50/50重量%トリフルオロ酢酸/ジクロロメタン中で測定した。
【0050】
溶融粘度は、手順10.8.2 ASTM D3835−02に従って測定した。ASTM D3835−02の定常状態のソフトウェア検出の複数レート試験(手順X2)を、各試験の初め、中間および終わりに繰り返される300秒の溶融時間および48.6秒-1の剪断速度で用いた。溶融粘度安定性は、ASTM D3835−02の繰り返し粘度値対滞留時間のプロット(手順X1.4)による最適合ラインの勾配から測定した。溶融粘度安定性を用いて各剪断速度でのデータをゼロ滞留時間に補正した。
【0051】
溶融物安定性
押出物サンプルのグッドイヤーIV対時間を表1に示す。両3GT樹脂とも試験温度で時間と共に分解する。〜500秒までの初期の速いロスは加水分解のためであると考えられる。より長い時間(>500秒)で、IVのロスはおそらく熱分解の結果であろう。IVロスの速度は両樹脂でほぼ同じである。




【0052】
表1

【0053】
溶融粘度
溶融粘度対剪断速度を表2に示す。3GTサンプル1の粘度は、より高いグッドイヤーIVと一致して、3GTサンプル2に比べてより高い。
【0054】
表2 3GTサンプル1−補正溶融粘度

【0055】
表2(続き)3GTサンプル2−補正溶融粘度

【0056】
HFIPに可溶なポリマーの分子量分布を測定するためのサイズ排除クロマトグラフィ法
ポリマーサンプルを、穏やかなかき混ぜで50℃で移動相溶媒に2時間溶解させた(ポリマーラボラトリーズ(Polymer Laboratories)製の自動サンプル調製システムPL260(商標))。すべての濃度はミリリットル当たりのミリグラム(mg/ml)単位である。移動相溶媒は0.01モル濃度トリフルオロ酢酸ナトリウム入り1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール(HFIP)であった。
【0057】
ポリマー溶液をサイズ排除クロマトグラフィシステム中へ注入した。システムは、ウォーターズ410(商標)屈折率検出器(示差屈折率)ならびに静的直角光散乱および示差キャピラリー粘度計検出器を組み込んだヴィスコテックコーポレーション(Viscotek Corporation)(テキサス州ヒュ−ストン(Houston,TX))モデルT−60A(商標)デュアル検出器モジュール付きのウォーターズコーポレーション(Waters Corporation)(マサチューセッツ州ミルフォード(Milford,MA))製のサイズ排除クロマトグラフィシステムモデルアライアンス(Model Alliance)2690(商標)を含んだ。分離カラムは、排除限界2×107および8,000/30cm理論段のツーショーデックス(Two Shodex)GPC HFIP−80M(商標)スチレン−ジビニルベンゼンカラムであった。クロマトグラフ条件は、35℃温度、1.00ml/分流量、0.1ml注入容量および50分実行時間であった。
【0058】
データ整理のために用いたソフトウェアは、ヴィスコテックによるトリセック(Trisec)(登録商標)トリプル検出器(Triple Detector)SEC3バージョン3.0であった。データ整理法は、すべての3つの検出器:屈折計、粘度計および光散乱光度計(直角)からのデータを組み込むトリプル検出法によるものであった。フォロ−リー−フォックス(Flory−Fox)方程式を角度非対称光散乱補正のために用いる。何のカラム較正もデータ処理に含まれなかった。HFIP中の3GTポリマーについてのサンプル濃度は、屈折率増分(dn/dc)=0.235に基づいて独立して検証した。数平均分子量を計算し、表3に示すように報告した。
【0059】
表3 数平均分子量

【0060】
実施例1(3742mpm延伸ロール速度)
チップ形のポリ(トリメチレンテレフタレート)ポリマー(3GT、PTT)、具体的には3GTサンプル1を回転乾燥機で乾燥した。乾燥は減圧下160℃で6時間行い、窒素ガスで25℃に冷却し、水分レベルを50ppm未満に維持するために密閉容器中に保管した。再溶融のために、チップを室温の乾燥窒素供給ホッパーに供給し、次に押出機のスロウト中へ重力供給した。代わりの方法は、乾燥機を押出機上方に取り付け、乾燥窒素または空気を用いて160℃で6〜8時間チップを連続的に乾燥することである。乾燥空気を用いる場合、下りてくるチップから酸素を除去するために乾燥窒素パージを押出機スロウトに設置した。
【0061】
単軸スクリュー押出機を次の通りセットした。






【0062】

【0063】
押出機排出溶融物温度は250℃であった。トランスファーラインおよびスピンビーム温度を約250℃に維持した。溶融ポリマーを2−パックスピンビームに供給した。スピンビームで計量供給ギアポンプは76バール圧力をスピンパックに与えた。各ポンプは回転当たり30立方センチメートル(cm3/回転)の能力を有した。ポンプを12.10rpmで運転した。各パックは、10,000M/cm2のスクリーンメッシュサイズの1層金属スクリーンフィルターを有した。紡糸口金それぞれは、0.6mm長さの0.35×0.66mmのキャピラリー直径の68個の三葉(Y)穴を有した。
【0064】
押し出されたまたは紡糸されたフィラメントを、1600mmの急冷ゾーン長さで80%湿度に維持された18℃空気で急冷した。平均空気クロスフローは0.35メートル/秒(m/s)であった。フィラメントを、ワンフロア高さインターフロアチューブ(3フロア機の一部)を通してノイマッグ(Neumag)嵩高連続フィラメント(Bulk Continuous Filament)(BCF)紡績機へ引き下ろした。インターフロアチューブの底部で2セットの68フィラメントを、仕上げ剤塗布機を用いて収束させた。上方塗布機の接触幅は5ミリメートル(mm)であり、下方の逆転仕上げ剤塗布機は2mmであった。35rpmにセットした2つの4ストリーム0.8cm3/回転仕上げ剤ポンプは、18%標準仕上げ剤を仕上げ剤塗布機にポンプ送液した。
【0065】
繊維を、1950メートル毎分(m/分)の表面速度の入口ゴデット(ローラー)上へ、次に、1970m/分の表面速度の40℃にセットした計量供給ゴデットデュオ上へ導いた。フィラメントを、3742m/分の表面速度の165℃にセットした密閉された加熱デュオのセットへ前進させることによって空間で延伸した。フィラメントをゴデットによって加熱し、3/4.5mmのラメラコーンおよび80mmの長さを有するノイマッグテクスチャー加工チャンバー中へ供給した。18ラメラ片がコーンを形成した。7.0バールおよび225℃にセットした熱風が糸束に衝突した。ラメラ排気コーンは−70ミリバール(mbar)の減圧セッティングを有した。テクスチャー加工または嵩高加工された糸はチャンバーの底部から流れ出て、60m/分の表面速度の冷却ドラム上へ垂れ落ちた。
【0066】
冷却された繊維を3010m/分の表面速度のゴデットで冷却ドラムから取り去った。ゴデットから繊維はヨーク幅および6mmの直径のエアジェットを有する結び付けまたは混繊ボックスを通過した。繊維に5.5バールの空気圧を衝突させた。正確な張力は、3030m/分の表面速度の出口ゴデットによってコントロールした。このゴデットは、必要とされる結び付け張力から巻取張力を分離した。
【0067】
繊維を、79ミリメートル(mm)のチューブ直径をとる2−コット巻取機に導いた。駆動ロールまたは圧力ロール(100ニュートン(N)にセットした)表面速度は、約150グラムの巻取張力を生み出す3015m/分であった。横行ストロークは250mmであり、13度巻取角度を生み出すための速度で動かした。トラバース機構を0.1/秒で0.1%の振幅で調節した。最終パッケージ直径は、5.1キログラムのパッケージ重量を生み出す215mmであった。
【0068】
テキスタイル測定値は次の通りであった。
【0069】

1 TYT=ローソン−ヘムフィル電子糸試験機(Lawson-Hemphill Electron Yarn Tester)モデルTYT-EWの嵩計測装置、 %TR=全収縮
2 %CO=クリンプアウト
3 %FS=繊維収縮
【0070】
実施例2(4100m/分延伸ロール速度)
チップ形のポリ(トリメチレンテレフタレート)ポリマー(3GT、PTT)、具体的には3GTサンプル1を回転乾燥機で乾燥した。乾燥は減圧下160℃で6時間行い、窒素ガスで25℃に冷却し、水分レベルを50ppm未満に維持するために密閉容器中に保管した。再溶融のために、チップを室温の乾燥窒素供給ホッパーに供給し、次に押出機のスロウト中へ重力供給した。代わりの方法は、乾燥機を押出機上方に取り付け、乾燥窒素または空気を用いて160℃で6〜8時間チップを連続的に乾燥することである。乾燥機で乾燥空気を用いる場合、下りてくるチップから酸素を除去するために乾燥窒素パージを押出機スロウトに設置した。
【0071】
単軸スクリュー押出機を次の通りセットした。
【0072】

【0073】
押出機排出溶融物温度は250℃であった。トランスファーラインおよびスピンビーム温度を250℃に維持した。溶融ポリマーを2−パックスピンビームに供給した。スピンビームで計量供給ギアポンプは79バール圧力をスピンパックに与えた。各ポンプは30cm3/回転の能力を有した。ポンプを13.26rpmで運転した。各パックは、10,000M/cm2のスクリーンメッシュサイズの1層金属スクリーンフィルターを有した。紡糸口金それぞれは、0.6mm長さの0.35×0.66ミリメートル(mm)のキャピラリー直径の68個の三葉(Y)穴を有する。
【0074】
押し出されたまたは紡糸されたフィラメントを、1600mmの急冷ゾーン長さで80%湿度に維持された18℃空気で急冷した。平均空気クロスフローは0.25メートル毎秒(m/s)であった。フィラメントを、ワンフロア高さインターフロアチューブ(3フロア機の一部)を通してノイマッグ紡績機へ引き下ろした。インターフロアチューブの底部で2セットの68フィラメントを、仕上げ剤塗布機を用いて収束させた。上方塗布機の接触幅は5mmであり、下方の逆転仕上げ剤塗布機は2mmであった。40rpmにセットした2つの4ストリーム0.8cm3/回転仕上げ剤ポンプは、P−7050T18%繊維溶液(Fiber Solution)仕上げ剤を仕上げ剤塗布機にポンプ送液した。
【0075】
繊維を、2390m/分の表面速度の入口ゴデット上へ、次に、2400m/分の表面速度の40℃にセットした計量供給ゴデットデュオ上へ導いた。フィラメントを、4100m/分の表面速度の165℃にセットした密閉された加熱デュオのセットへ前進させることによって何のアシストもなしに空間で延伸した。フィラメントをゴデットによって加熱し、3/4.5mmのラメラコーンおよび80mmの長さを有するノイマッグテクスチャー加工チャンバー中へ供給した。18ラメラ片がコーンを形成した。7.5バールおよび225℃にセットした熱風が糸束に衝突した。ラメラ排気コーンは−95mbarの減圧セッティングを有した。テクスチャー加工または嵩高加工された糸はチャンバーの底部から流れ出て、65m/分の表面速度の冷却ドラム上へ垂れ落ちた。
【0076】
冷却された繊維を3300m/分の表面速度のゴデットで冷却ドラムから取り去った。ゴデットから繊維はヨーク幅および6mmの直径のエアジェットを有する結び付けまたは混繊ボックスを通過した。繊維に7.0バールの空気圧を衝突させた。正確な張力は、3340m/分の表面速度の出口ゴデットによってコントロールした。このゴデットは、必要とされる結び付け張力から巻取張力を分離した。
【0077】
繊維を、79mmのチューブ直径をとる2−コット巻取機に導いた。駆動ロールまたは圧力ロール(100Nにセットした)表面速度は、約150グラムの巻取張力を生み出す3305m/分であった。横行ストロークは250mmであり、13度巻取角度を生み出すための速度で動かした。トラバース機構を0.1/秒で0.1%の振幅で調節した。最終パッケージ直径は、5.1キログラムのパッケージ重量を生み出す215mmであった。
【0078】
テキスタイル測定値は次の通りであった。
【0079】

1 TYT=ローソン−ヘムフィル電子糸試験機モデルTYT-EWの嵩計測装置、 %TR=全収縮
2 %CO=クリンプアウト
3 %FS=繊維収縮
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】チップ乾燥機および溶融押出機システムを概略的に例示する。
【図2】本発明で有用な紡績機器構成を概略的に例示する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)少なくとも約26500の数平均分子量と250℃および48.65毎秒剪断速度で少なくとも約350パスカルの溶融粘度とを有する溶融ポリ(トリメチレンテレフタレート)ポリマーを紡糸する工程と、
(b)フィラメントを糸へ収束させる工程と、
(c)該フィラメントを冷却する工程と、
該フィラメントを3000メートル毎分より大きい速度で延伸して、1より大きいフィラメントデニールを有するフィラメントおよび210より大きい糸デニールを有する糸を製造する工程と
を含む方法。
【請求項2】
前記数平均分子量が約26500〜約50000である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記数平均分子量が約27500〜約45000である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記数平均分子量が約29000〜約40000である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記溶融粘度が250℃および48.65毎秒剪断速度で約350〜約1000パスカルである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記溶融粘度が250℃および48.65毎秒剪断速度で約400〜約900パスカルである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記溶融粘度が250℃および48.65毎秒剪断速度で約450〜約800パスカルである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記溶融粘度が250℃および48.65毎秒剪断速度で約500〜約700パスカルである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記フィラメントデニールが少なくとも3である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記フィラメントデニールが少なくとも10である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記フィラメントデニールが少なくとも15である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記糸デニールが少なくとも250である、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記糸デニールが少なくとも500である、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記糸デニールが少なくとも1000である、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記フィラメントを紡糸仕上げ剤でコートする工程と、場合により該フィラメントを予備混繊する工程とをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記延伸フィラメントを嵩高加工する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記フィラメントを交絡する工程をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項18】
前記延伸フィラメントが3次元曲線捲縮をその中に形成するために嵩高加工される、請求項21に記載の方法。
【請求項19】
前記嵩高加工する工程が前記フィラメントを熱流体ジェット嵩高加工装置でブローし、かつ、変形させることを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項20】
前記フィラメントが約1.1〜約4.0の延伸比で延伸される、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記延伸比が約1.2〜約3.0である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記延伸比が約1.4〜約2.2である、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記ポリ(トリメチレンテレフタレート)が約0.95〜約1.10の固有粘度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記固有粘度が約0.98〜約1.04である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記固有粘度が約1.00〜約1.02である、請求項25に記載の方法。
【請求項26】
(a)約0.95〜約1.10の範囲の固有粘度、約100ppm未満の含水率、約26500〜約50000の数平均分子量ならびに250℃および48.65毎秒剪断速度で約350〜約1000パスカルの溶融粘度を有する溶融ポリ(トリメチレンテレフタレート)ポリマーを、紡糸口金を通して押し出してフィラメントを形成する工程と、
(b)該フィラメントを糸へ収束させる工程と、
(c)該押し出されたフィラメントを冷却する工程と、
(d)該冷却されたフィラメントを紡糸仕上げ剤でコートし、場合により該フィラメントを予備混繊する工程と、
(e)場合により、該コートされたフィラメントを該ポリマーフィラメントのガラス転移温度より高いが、約200℃未満の温度に加熱する工程と、
(f)場合により加熱された該フィラメントを、1より大きいデニールを有するフィラメントおよび210より大きい糸デニールを有する糸を製造するために3000メートル毎分より大きい速度で延伸する工程と、
(g)該延伸フィラメントを、フィラメントが熱い嵩高加工流体で3次元にブローされ、かつ、変形されるように嵩高加工して、ランダムの3次元曲線捲縮を有する嵩高加工された連続フィラメントを形成する工程と、
(h)該嵩高加工された連続フィラメントをポリマーフィラメントのガラス転移温度未満の温度に冷却する工程と、
(i)該嵩高加工された連続フィラメントを交絡する工程と
を含む方法。
【請求項27】
前記含水率が約50ppm未満である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記含水率が約40ppm未満である、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
(g)の前記嵩高加工された連続フィラメントが(h)での冷却前に交絡される、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記フィラメントが少なくとも3000メートル毎分の速度で延伸される、請求項1または26に記載の方法。
【請求項31】
前記フィラメントが約3500メートル毎分より大きい速度で延伸される、請求項1または26に記載の方法。
【請求項32】
前記フィラメントが少なくとも4000メートル毎分の速度で延伸される、請求項1または26に記載の方法。
【請求項33】
前記フィラメントが少なくとも5000メートル毎分の速度で延伸される、請求項1または26に記載の方法。
【請求項34】
前記フィラメントが少なくとも5100メートル毎分の速度で延伸される、請求項1または26に記載の方法。
【請求項35】
前記フィラメントが少なくとも5500メートル毎分の速度で延伸される、請求項1または26に記載の方法。
【請求項36】
前記フィラメントを諸撚りし、ヒートセットして糸にする工程をさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項37】
請求項36に記載の諸撚りされ、ヒートセットされたポリ(トリメチレンテレフタレート)糸から製造されたカーペット。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−521422(P2007−521422A)
【公表日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−549507(P2006−549507)
【出願日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【国際出願番号】PCT/US2005/000774
【国際公開番号】WO2005/068695
【国際公開日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】