説明

マイクロヒータの接続構造および該マイクロヒータの製造方法

【課題】発熱部と非発熱部を接続したマイクロヒータにおいて、発熱線と非発熱線の十分な接続強度や良好な電気接合性が維持されるとともに、接続部内の断線や絶縁低下を防止でき、さらに、発熱部および非発熱部の長さを柔軟に設定でき、納期対応や製作コストの問題を回避できるマイクロヒータの接続構造および製造方法を提供せんとする。
【解決手段】発熱部11の発熱線15、および非発熱部12の非発熱線16が挿着される筒状の金属製接続子2を設け、双方の金属シース端部13b,14b間に外装される連結スリーブ3を設けるとともに、接続子2と連結スリーブ3との間に耐熱性絶縁物4を介装し、連結スリーブ3を径方向内方へ加圧変形させることにより、耐熱性絶縁物4を圧縮させると同時に、該耐熱性絶縁物4を介して接続子2を径方向内方へ加圧し、挿着された発熱線15および非発熱線16にそれぞれ圧着させてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば配管の保温や真空装置内での加熱装置などに使用されるマイクロヒータの接続構造に関し、より詳しくは、必要とされる発熱部以外の延長部を発熱しないように非発熱部を接続するための接続構造および製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロヒータは、発熱線をMgO等の絶縁粉末を介して金属シースで外皮された屈曲自在な構造を有し、その端部に端子部を取り付け、配管のヒートトレース、真空装置内の加熱装置等に使用されている。ここで、発熱線が端子部内まで挿入される構造であると、端子部も発熱してしまう。とくに真空装置から引き出す場合、端子部の部分をOリングで真空シールする貫通金物が使用されるが、端子部が発熱すればこのOリングを保護するために貫通金物を水冷する必要がある。装置が大型化する近年においては、マイクロヒータの設置数も増えることから、この水冷装置のコストが無視できなくなる。
【0003】
そこで、端子部が発熱しないようにマイクロヒータの発熱部と構造は同じであるが、発熱線の代わりに発熱しにくい銅、ニッケル等の非発熱線を用いたシースケーブル(非発熱部)をマイクロヒータと接続部を介して接続し、このシースケーブルの端部に端子部を設けた構造が広く使用されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
このような発熱部と非発熱部を接続したマイクロヒータは、例えば図7に示すような接続構造を有しており、マイクロヒータの発熱部111から剥き出された発熱線115と、シースケーブル114から剥き出された非発熱線116を溶接または銀ロー付けで接続し、連結用のスリーブ103を発熱部の金属シース113に溶接または銀ロー付けで取り付けた後、MgO等の絶縁粉末104をスリーブ103内にバイブレータ等を用いて充填し、プラグ105をスリーブ103とシースケーブル114に溶接または銀ロー付けで取り付けた構造である。また、このスリーブ103の外周をプレス等で加圧し、内部の絶縁粉末104の充填密度を上げることも行われている。
【0005】
しかしながら、従来の接続構造においては、発熱線115と非発熱線116を突き合せによる接続となり、溶接した場合には発熱線115にヤセが発生し易く、また銀ロー付けした場合には内部に空洞が生じ易く、使用により膨張、収縮による接合部への集中応力が生じ、接続強度や電気接合性が低下するといった問題が生じる場合がある。また、スリーブ内の絶縁粉末104はバイブレータ等を使用しても均一な充填密度を得ることが困難であり、外周をプレス等で加圧しても発熱部の金属シース内の絶縁粉末と同等の充填密度を得ることはできない。このように発熱部111と同等の充填密度が得られない場合、発熱時において接続部内の発熱線115の温度が発熱部111内の発熱線より高くなってしまい、接続部内で断線を引き起こす原因となる。さらに、絶縁粉末104の充填密度が低いと、高温時における絶縁低下の原因となる。
【0006】
このような接続部を設けない従来例としては、図8に示すように、金属シース113内に発熱線を収納してマイクロヒータの発熱部111を製作する際に、あらかじめ発熱線115に非発熱線116を接続しておき、発熱部111と一緒に非発熱部112を作成した一体構造のマイクロヒータも使用されている。このような例では、一体構造であるため上記の突き合せによる接続部の欠点はないが、発熱部111および非発熱部112の長さは、その都度要求に応じて1本1本設定して製作しなければならず、製作の柔軟さに欠けるとともに納期対応、コストに問題があった。
【0007】
【特許文献1】特開2005−174592号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、発熱部と非発熱部を接続したマイクロヒータにおいて、発熱線と非発熱線の十分な接続強度や良好な電気接合性が維持されるとともに、接続部内の断線や絶縁低下を防止でき、さらに、発熱部および非発熱部の長さを柔軟に設定でき、納期対応や製作コストの問題を回避できるマイクロヒータの接続構造および製造方法を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、前述の課題解決のために、金属シース内に発熱線を収納し、耐熱性絶縁材を隙間に充填してなる発熱部に対し、金属シース内に非発熱線を収納し、同じく耐熱性絶縁材を充填した非発熱部を接続してなるマイクロヒータの接続構造であって、前記発熱部の金属シース端部から突出した発熱線、および前記非発熱部の金属シース端部から突出した非発熱線がそれぞれ挿着される筒状の金属製接続子を設け、双方の金属シース端部間に外装される連結スリーブを設けるとともに、前記接続子と連結スリーブとの間に耐熱性絶縁物を介装し、前記連結スリーブを径方向内方へ加圧変形させることにより、前記耐熱性絶縁物を圧縮させると同時に、該耐熱性絶縁物を介して接続子を径方向内方へ加圧し、挿着された前記発熱線および非発熱線にそれぞれ圧着させてなることを特徴とするマイクロヒータの接続構造を提供する。
【0010】
ここで、前記接続子が、両端にそれぞれ前記発熱線または非発熱線を挿着するための有底の挿着孔を形成したものであることが好ましい。
【0011】
また、前記耐熱性絶縁物が、耐熱性絶縁粉末を圧縮成形した筒状の成形体であることが好ましい。
【0012】
さらに、前記成形体が、接続子の外周面と連結スリーブの内周面にそれぞれ遊嵌する内周面および外周面を備えていることが好ましい。
【0013】
また、前記連結スリーブが、外周面側に突出する厚肉部を備え、加圧変形により該連結スリーブ外周面が略平坦になるまで前記厚肉部を内周面側に突出させ、これにより耐熱性絶縁物及び接続子を加圧した接続構造が好ましい。
【0014】
とくに、前記厚肉部の寸法を、前記耐熱性絶縁物の気孔率および連結スリーブ内における余剰空隙の大きさに応じて、少なくとも加圧変形後の前記耐熱性絶縁物の気孔がほぼ無くなるように設定したものが好ましい。
【0015】
また本発明は、金属シース内に発熱線を収納し、耐熱性絶縁材を隙間に充填してなる発熱部に対し、金属シース内に非発熱線を収納し、同じく耐熱性絶縁材を充填した非発熱部を接続してなるマイクロヒータの製造方法であって、前記発熱部の金属シース端部から突出した発熱線、および前記非発熱部の金属シース端部から非発熱線がそれぞれ挿着される筒状の金属製接続子と、双方の金属シース端部間に外装される連結スリーブと、耐熱性絶縁粉末を圧縮成形してなり、前記接続子と連結スリーブとの間に介装される筒状の成形体とを構成し、前記発熱部又は非発熱部のうち一方の発熱線又は非発熱線に、前記接続子を装着するとともに該接続子に成形体を外装する手順と、当該一方の金属シース端部および成形体に連結スリーブを外装する手順と、他方の金属シース端部を連結スリーブに挿入し、その非発熱線又は発熱線を、前記接続子に装着する手順と、前記連結スリーブの両端部を、それぞれ金属シース端部外周面に溶接又はロー付けにより固定する手順と、前記連結スリーブを径方向内方へ加圧変形させることにより、前記成形体を圧縮させると同時に、該成形体を介して接続子を径方向内方へ加圧し、挿着された前記発熱線および非発熱線にそれぞれ圧着させる手順と、を備えたことを特徴とするマイクロヒータの製造方法をも提供する。
【発明の効果】
【0016】
以上にしてなる本願発明によれば、発熱線と非発熱線を突き合せて溶接または銀ロー付けしたものではなく、各線が金属製接続子に圧着され、該接続子を介して電気接続するものであるため、各線の長さを自由に設定でき、製造の柔軟さ、低コスト化を図ることができるとともに、ヤセや空洞にもとづく接続部の強度低下や電気接合の低下を回避でき、均一で良好な電気接合を得ることができる。
【0017】
また、接続子と連結スリーブとの間に耐熱性絶縁物を介装し、前記連結スリーブを径方向内方へ加圧変形させ、耐熱性絶縁物の圧縮と同時に、該耐熱性絶縁物を介して接続子を径方向内方へ加圧して発熱線および非発熱線にそれぞれ圧着させる構造であるので、線の接合と絶縁物の圧縮を同時に効率よく行うことができ、耐熱性絶縁物には発熱部の金属シース内の絶縁粉末と同様の均一な高充填密度を容易に得ることができ、使用による断線や絶縁低下を未然に回避できる。
【0018】
また、接続子が両端にそれぞれ前記発熱線または非発熱線を挿着するための有底の挿着孔を形成したので、各線を底に当たるまで挿入することで、電気接合を確実に行うことができ、組み付けの作業性も向上する。
【0019】
また、耐熱性絶縁物が耐熱性絶縁粉末を圧縮成形した筒状の成形体であるので、組み付け時に粉末を充填するものに比べて、均一な充填密度が得られ、電気絶縁をより確実にすることができるとともに、装着するだけでよいため従来のごとき絶縁粉末の充填作業を省略でき、製作コストを抑えることができる。
【0020】
また、成形体が接続子の外周面と連結スリーブの内周面にそれぞれ遊嵌する内周面および外周面を備えているので、組み付け作業が容易となる。
【0021】
また、連結スリーブが外周面側に突出する厚肉部を備え、加圧変形により該連結スリーブ外周面が略平坦になるまで前記厚肉部を内周面側に突出させ、これにより耐熱性絶縁物及び接続子を加圧した接続構造であるので、該厚肉部の寸法を設定することにより加圧力が決定され、加圧時の調節が不要となり、予め設定した良好な加圧状態を得ることができ、良好で均一な品質、作業性の向上を図ることができる。
【0022】
また、厚肉部の寸法を前記耐熱性絶縁物の気孔率および連結スリーブ内における余剰空隙の大きさに応じて、少なくとも加圧変形後の前記耐熱性絶縁物の気孔がほぼ無くなるように設定したので、金属シース内の絶縁粉末と同様の均一な高充填密度が得られ、良好な絶縁状態が得られる。
【0023】
具体的な手順としては、発熱部又は非発熱部のうち一方の発熱線又は非発熱線に、前記接続子を装着するとともに該接続子に成形体を外装する手順と、当該一方の金属シース端部および成形体に連結スリーブを外装する手順と、他方の金属シース端部を連結スリーブに挿入し、その非発熱線又は発熱線を、前記接続子に装着する手順と、前記連結スリーブの両端部を、それぞれ金属シース端部外周面に溶接又はロー付けにより固定する手順と、前記連結スリーブを径方向内方へ加圧変形させることにより、前記成形体を圧縮させると同時に、該成形体を介して接続子を径方向内方へ加圧し、挿着された前記発熱線および非発熱線にそれぞれ圧着させる手順とを備え、容易かつ低コストに高品質のマイクロヒータを製作できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
次に、本発明の実施形態を添付図面に基づき詳細に説明する。
【0025】
図1は、本発明に係るマイクロヒータの代表的な実施形態の構成を示す説明図、図2はその接続構造の要部を示す説明図であり、図中符号1はマイクロヒータ、2は接続子、3は連結スリーブ、4は耐熱性絶縁物をそれぞれ示している。
【0026】
マイクロヒータ1は、図1に示すように、金属シース13内に発熱線15を収納し、耐熱性絶縁材を隙間に充填してなる発熱部11に対し、金属シース14内に非発熱線16を収納し、同じく耐熱性絶縁材を充填した非発熱部12を接続し、該非発熱部12の端部に端子部5を設けたものである。
【0027】
そして、本発明に係るマイクロヒータ1の接続構造10は、図2(a)に示すように、前記発熱部11の金属シース端部13bから突出した発熱線15、および前記非発熱部12の金属シース端部14bから突出した非発熱線16がそれぞれ挿着される筒状の金属製接続子2を設け、双方の金属シース端部13b,14b間に外装される連結スリーブ3を設けるとともに、前記接続子2と連結スリーブ3との間に耐熱性絶縁物4を介装し、前記連結スリーブ3を径方向内方へ加圧変形させることにより、図2(b)に示すように、前記耐熱性絶縁物4を圧縮させると同時に、該耐熱性絶縁物4を介して接続子2を径方向内方へ加圧し、挿着された前記発熱線15および非発熱線16にそれぞれ圧着させてなることを特徴としている。
【0028】
なお、発熱線15、非発熱線16は、従来と同様の素材を用いることができ、発熱線15としてはニクロム、非発熱線16としてはニッケルや銅からなるものを使用できる。また、金属シース13、14についても、従来と同様、ステンレスからなるものを使用できる。
【0029】
接続子2は、図3にも示すように、両端にそれぞれ前記発熱線15または非発熱線16を容易に挿入できる有底の挿着孔20,21が窄孔されている。このように有底の挿着孔をそれぞれ設けたのは、各線を底に当たるまで確実に挿着して電気接合をより確実に行うためであるが、有底とせずに連通した貫通孔とすることも勿論可能である。このような接続子2は、金属製とくにニッケルや銅からなるものが好ましい。
【0030】
耐熱性絶縁物4は、図4にも示すように、MgO、BN等からなる耐熱性絶縁粉末を圧縮成形した筒状の成形体40であり、該成形体40は、接続子2の外周面22と連結スリーブ3の内周面30にそれぞれ遊嵌する内周面41および外周面42を備えている。このように成形体40として構成することにより組み付けるだけでよいことから、従来のように粉末を充填して圧縮する必要がなく、製作が容易となり、また、均一な圧縮密度を得ることができる。
【0031】
連結スリーブ3は、金属シース13、14の外周面に嵌着する内周面を備え、内装される前記耐熱性絶縁物4に対応する位置に、外周面31側に突出する厚肉部32を備えた円筒状の金属製部材である。この厚肉部32の寸法は、内部の耐熱性絶縁物4と接続子2、金属シース13、14との隙間、接続子2と金属シース13、14との隙間、接続子2と各線との隙間など、余剰空隙の大きさや、耐熱性絶縁物4の気孔に応じて設定される。
【0032】
そして、図2(b)に示すように、該連結スリーブ外周面31が略平坦になるまで、周方向わたって均一に内方へ加圧変形させた際、厚肉部32が内周面30側に突出し、この突出によって耐熱性絶縁物4及び接続子2が同じく周方向にわたって均一な力で内方に加圧され、接続子2と各線との電気接合が為されるとともに、耐熱性絶縁物4が圧縮されて気孔がなくなるとともに、変形により金属シース13、14と接続子2との隙間などに充填され、上記余剰空隙が埋められることとなる。図5(a)は加圧前、図5(b)は加圧後の接続部の横断面図であり、加圧変形により各部の空隙はなくなり、発熱線15や非発熱線が接続子2に圧着されるとともに成形体40は圧縮変形されている。
【0033】
前記連結スリーブ3の厚肉部32の寸法は、望ましくは加圧後の気孔および空隙が無くなる程度、より望ましくは耐熱性絶縁物の気孔が無くなる以上に、加圧により耐熱性絶縁物を構成する粒子を粉砕し、圧縮するように設定される。
【0034】
なお、本例では、このような厚肉部32を設定することにより、外周面がフラットになるまでプレスすることにより設定どおりの加圧ができ、良好な電気接合、圧着強度を確実に得られるというメリットがあるが、たとえば更に外周面が凹みを生じるまで加圧するものでもよいし、この場合、厚肉部32を設けることなく、均一厚の筒状のスリーブとしてもよい。本実施形態では、厚肉部32を接続子2に対応する位置に軸方向に連続して形成したが、連続した凹凸形状としてもよく、たとえば接続子2に挿着した発熱線15、非発熱線16に対応する位置に、単又は複数のリング状または螺旋状の凸部を形成し、軸方向に均一に加圧するのではなく集中的に加圧して圧着強度の向上を図ったもの等も好ましい例である。
【0035】
図6は、図2(a)の組み付け状態に至るまでの組み付け手順を示す説明図であり、まず発熱部11の発熱線15に、接続子2の挿着孔20を装着した後、さらに耐熱性絶縁物4の成形体40を接続子2に外装する(図6(a))。
【0036】
次に、この成形体40と金属シース13に対して、連結スリーブ3を装着した後(図6(b))、非発熱部12の金属シース14および非発熱線16を、連結スリーブ3および内部の接続子2に挿着し(図6(c))、連結スリーブ3の外周面を加圧する前に、連結スリーブ3の両端部33、34をそれぞれ金属シース13、14端部外周面に溶接又はロー付けにより固定する。
【0037】
なお、連結スリーブ3に非発熱部12の金属シース14を装着する前に、あらかじめ一端部33を金属シース13の端部外周面に溶接等で固定しておいてもよい。また、組み付け手順は、図6に示す手順が最も効率的であるが、特にこれに限定されるものではない。
【0038】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施形態に係るマイクロヒータを示す説明図。
【図2】(a)は加圧変形前の接続構造の要部を示す説明図、(b)は加圧変形後の接続構造の要部を示す説明図。
【図3】接続子を示す縦断面図。
【図4】耐熱性絶縁物の成形体を示す縦断面図。
【図5】(a)は加圧変形前の接続構造の要部を示す横断面図、(b)は加圧変形後の接続構造の要部を示す横断面図。
【図6】(a)〜(d)は同じく接続構造の組み付け手順の一例を示す説明図。
【図7】従来の接続構造を示す説明図。
【図8】従来の他のマイクロヒータを示す説明図。
【符号の説明】
【0040】
1 マイクロヒータ
2 接続子
3 連結スリーブ
4 耐熱性絶縁物
5 端子部
10 接続構造
11 発熱部
12 非発熱部
13 金属シース
13b 端部
14 金属シース
14b 端部
15 発熱線
16 非発熱線
20、21 挿着孔
22 外周面
30 内周面
31 外周面
32 厚肉部
33、34 端部
40 成形体
41 内周面
42 外周面
103 スリーブ
104 絶縁粉末
105 プラグ
111 発熱部
112 非発熱部
113 金属シース
114 シースケーブル
115 発熱線
116 非発熱線


【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属シース内に発熱線を収納し、耐熱性絶縁材を隙間に充填してなる発熱部に対し、金属シース内に非発熱線を収納し、同じく耐熱性絶縁材を充填した非発熱部を接続してなるマイクロヒータの接続構造であって、前記発熱部の金属シース端部から突出した発熱線、および前記非発熱部の金属シース端部から突出した非発熱線がそれぞれ挿着される筒状の金属製接続子を設け、双方の金属シース端部間に外装される連結スリーブを設けるとともに、前記接続子と連結スリーブとの間に耐熱性絶縁物を介装し、前記連結スリーブを径方向内方へ加圧変形させることにより、前記耐熱性絶縁物を圧縮させると同時に、該耐熱性絶縁物を介して接続子を径方向内方へ加圧し、挿着された前記発熱線および非発熱線にそれぞれ圧着させてなることを特徴とするマイクロヒータの接続構造。
【請求項2】
前記接続子が、両端にそれぞれ前記発熱線または非発熱線を挿着するための有底の挿着孔を形成してなる請求項1記載のマイクロヒータの接続構造。
【請求項3】
前記耐熱性絶縁物が、耐熱性絶縁粉末を圧縮成形した筒状の成形体である請求項1又は2記載のマイクロヒータの接続構造。
【請求項4】
前記成形体が、接続子の外周面と連結スリーブの内周面にそれぞれ遊嵌する内周面および外周面を備える請求項3記載のマイクロヒータの接続構造。
【請求項5】
前記連結スリーブが、外周面側に突出する厚肉部を備え、加圧変形により該連結スリーブ外周面が略平坦になるまで前記厚肉部を内周面側に突出させ、これにより耐熱性絶縁物及び接続子を加圧してなる請求項1〜4の何れか1項に記載のマイクロヒータの接続構造。
【請求項6】
前記厚肉部の寸法を、前記耐熱性絶縁物の気孔率および連結スリーブ内における余剰空隙の大きさに応じて、少なくとも加圧変形後の前記耐熱性絶縁物の気孔がほぼ無くなるように設定してなる請求項5記載のマイクロヒータの接続構造。
【請求項7】
金属シース内に発熱線を収納し、耐熱性絶縁材を隙間に充填してなる発熱部に対し、金属シース内に非発熱線を収納し、同じく耐熱性絶縁材を充填した非発熱部を接続してなるマイクロヒータの製造方法であって、前記発熱部の金属シース端部から突出した発熱線、および前記非発熱部の金属シース端部から非発熱線がそれぞれ挿着される筒状の金属製接続子と、双方の金属シース端部間に外装される連結スリーブと、耐熱性絶縁粉末を圧縮成形してなり、前記接続子と連結スリーブとの間に介装される筒状の成形体とを構成し、
前記発熱部又は非発熱部のうち一方の発熱線又は非発熱線に、前記接続子を装着するとともに該接続子に成形体を外装する手順と、
当該一方の金属シース端部および成形体に連結スリーブを外装する手順と、
他方の金属シース端部を連結スリーブに挿入し、その非発熱線又は発熱線を、前記接続子に装着する手順と、
前記連結スリーブの両端部を、それぞれ金属シース端部外周面に溶接又はロー付けにより固定する手順と、
前記連結スリーブを径方向内方へ加圧変形させることにより、前記成形体を圧縮させると同時に、該成形体を介して接続子を径方向内方へ加圧し、挿着された前記発熱線および非発熱線にそれぞれ圧着させる手順と、
を備えたことを特徴とするマイクロヒータの製造方法。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2007−220325(P2007−220325A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−36244(P2006−36244)
【出願日】平成18年2月14日(2006.2.14)
【出願人】(390007744)山里産業株式会社 (33)
【Fターム(参考)】