説明

マイクロ全分析システム

【課題】本発明は、マイクロポンプ室が形成されているマイクロ全分析システムであって、容易且つ安価に製造しうるマイクロ全分析システムを提供する。
【解決手段】 基板内に微細流路とマイクロポンプ室が形成されているマイクロ全分析システムにおいて、該マイクロポンプ室に熱によりガスを発生する材料が充填されていることを特徴とするマイクロ全分析システムであり、熱によりガスを発生する材料が、酸素含有量が15〜55重量%のポリオキシアルキレン樹脂である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロ全分析システムに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、医療診断を患者の近傍で行うベッドサイド診断、大気や水や土壌中の環境汚染材料のモニタリング、食品の安全性検査等現場において短時間に安価に診断したり分析する技術のニーズは非常に高くなってきている。
【0003】
例えば、従来、高価且つ大型の装置を必要とした分析を、持ち運び可能な小型の分析装置が代替できれば、大病院にしか設置できなかった分析装置を開業医でも設置、利用することが可能になり、診断結果を患者に簡便に早期にフィードバックすることが可能になる。
【0004】
又、高齢者の健康指標を高齢者の家族が測定し、その健康指標数値を在宅管理したり、病院に定期的に送信して病院で管理することにより在宅医療環境がより優れたものとなる。
【0005】
又、環境ホルモン、ダイオキシン等の環境汚染材料を、高価且つ大型装置を使用することなく、簡易測定することができれば、簡単且つ安価に環境診断することができる。更に、持ち運び可能な小型の分析装置を用いて現場で環境汚染材料を分析することができれば、よりきめ細かい安全環境を供出することができる。
【0006】
このような測定を簡易に行うために、基板内又は基板上に微細流路、輸液ディバイス、反応槽、電気泳動カラム、膜分離機構、液体クロマトグラフカラム、キャピラリーガスクロマトグラフィー(CGC)、誘導型プラズマ(ICP)、質量分析計(MS)、電気化学的測定装置等が内臓されたマイクロ全分析システムの研究が盛んになされている。
【0007】
上記マイクロ全分析システムにおいては、試料や反応液等の液体を輸送するための輸液ディバイスとしては一般にマイクロポンプが使用されている。
【0008】
マイクロポンプとしては、例えば、ダイヤフラムと、該ダイヤフラムを往復変位させる駆動手段と、前記ダイヤフラムで一部が画成された圧力室と、前記ダイヤフラムの変位計測手段と、該変位計測手段で検出した値に基づいて前記ダイヤフラムの変位を制御する制御手段とを備えてなるダイヤフラムポンプ(例えば、特許文献1参照。)が挙げられる。
【0009】
又、異なるマイクロポンプとしては、ピストンとハウジングを相対的に移動させる第1のアクチュエータと、このピストンの少なくとも一部を収納し軸方向に貫通した空間を有するシリンダと、このシリンダとハウジングを相対的に移動させる第2のアクチュエータと、前記ピストン、前記シリンダ、前記ハウジングで形成されるポンプ室と、このポンプ室と外部とを連絡する流体の吸入口と吐出口より構成される流体供給装置(例えば、特許文献2参照。)、微細流路上に電気浸透流を発生させる方法による送液媒体の送液を行うポンプ(例えば、特許文献3参照。)、電極および配線以外の全ての材質を加工性の良い高分子樹脂で形成することが可能であり、極限的に微小化することも容易なマイクロポンプとして水素ポンプ(例えば、特許文献4参照。)等が挙げられる。
【特許文献1】特開2001−132646号公報
【特許文献2】特開2002−021715号公報
【特許文献3】特開平10−10088号公報
【特許文献4】USP3,489,670号公報
【0010】
しかし、上記マイクロポンプは、構造が複雑であり、濃縮部や検出部を作成する労力に比べてポンプの作成労力が非常に大きい等の欠点があった。特に、使い捨てのマイクロ全分析システムにおいて使用するにはコストが高く実用には供し得なかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、上記欠点に鑑み、マイクロポンプ室が形成されているマイクロ全分析システムであって、容易且つ安価に製造しうるマイクロ全分析システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のマイクロ全分析システムは、基板内に微細流路とマイクロポンプ室が形成されているマイクロ全分析システムにおいて、該マイクロポンプ室に熱又は光線によりガスを発生する材料が充填されていることを特徴とする。
【0013】
本発明で使用される基板の素材は、特に限定されるものではなく、例えば、従来から使用されている、ガラス、石英、シリコン等の無機材料、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙げられる。
【0014】
上記無機材料は精度、加工性等が優れており、例えば、半導体微細加工技術において広く用いられている光リソグラフィー技術を利用すれば、ガラスやシリコン基板上にミクロンオーダーの溝を自在に形成することができる。
【0015】
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ乳酸系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等が挙げられ、耐酸性、耐アルカリ性を有する熱可塑性樹脂であるポリオレフィン系樹脂やポリアクリル系樹脂が好ましい。
【0016】
又、熱硬化性樹脂は、前駆体が液状のため、転写金型の形状をより忠実に転写するという利点があり、低い線膨張率、低い成形収縮率を示すので有利に用いることができる。このような熱硬化樹脂としては、コストや易取扱い性の点から、エポキシ樹脂を有利に用いることができる。
【0017】
本発明のマイクロ全分析システムは、基板内に微細流路とマイクロポンプ室が形成されていおり、マイクロポンプ室に熱又は光線によりガスを発生する材料が充填されている。この熱又は光線によりガスを発生する材料に熱又は光線を照射して、ガスを発生させ、発生したガスが微細流路を通ってポンプとして作用する。
【0018】
従って、マイクロポンプ室に熱又は光線が効率よく照射できるように、基板にマイクロポンプ室内の熱又は光線によりガスを発生する材料に光線の照射可能とする光線透過窓が形成されていることが好ましい。
【0019】
光線透過窓の形成は公知の任意に方法が採用されてよく、例えば、基板のマイクロポンプ室に通じる部位を透明なガラス、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等で形成する方法が挙げられる。
【0020】
又、熱又は光線によりガスを発生する材料が熱によりガスを発生する材料の場合には、マイクロポンプ室付近にヒーターが設置されていることが好ましく、ヒーターとしては従来公知の任意のヒーターが使用可能であるが、面状ヒーターが好ましく、マイクロポンプ室に面して基板に設置されているのが好ましい。
【0021】
上記熱又は光線によりガスを発生する材料としては、熱又は光線によりガスを発生する材料であれば従来公知の任意の材料が使用可能であるが、この材料が流出してマイクロ全分析システムによる測定の邪魔にならないようにマイクロポンプ室に固定されているのが好ましい。
【0022】
このような熱又は光線によりガスを発生する材料としては、熱又は光線により分解して自らがガスを発生する酸素含有量が15〜55重量%のポリオキシアルキレン樹脂が好ましい。
【0023】
上記ポリオキシアルキレン樹脂としては、例えば、ポリアルキレングリコール、ポリオキシアルキレンをセグメントとして含有する重合体等が挙げられる。
【0024】
上記ポリアルキレングリコールとしては、例えば、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられ、これらは単独で使用されてもよいし、2種以上が併用されてもよい。2種以上を併用する場合はポリプロピレングリコールを50重量%以上添加するのが好ましい。
【0025】
上記ポリオキシアルキレンをセグメントとして含有する重合体は、例えば、ポリオキシメチレン、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシトリメチレン、ポリオキシテトラメチレン等のポリオキシアルキレンをセグメントとして含有する重合体であって、例えば、上記ポリオキシアルキレンをセグメントとして含有するポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリ(メタ)アクリレート、ポリスチレン等が挙げられる。
【0026】
上記ポリオキシアルキレン樹脂の数平均分子量は、小さくなると揮発性が高くなり、大きくなるとガスが発生しにくくなるので、500〜500万が好ましい。
【0027】
上記ポリオキシアルキレン樹脂は架橋されていてもよい。架橋は物理架橋でも化学架橋でもよい。
【0028】
上記物理架橋方法としては、例えば、重合セグメントとして結晶性セグメントを選択し結晶化させる方法、高分子量セグメントを用いて分子鎖の絡み合いを増加する方法、水酸基、アミノ基、アミド基等の官能基を有するセグメントを用いて水素結合を形成させる方法等が挙げられる。
【0029】
又、化学架橋方法としては、例えば、架橋性官能基を有するポリオキシアルキレン樹脂を架橋剤で架橋する方法が挙げられる。
【0030】
上記架橋性官能基としては、例えば、加水分解性シリル基;イソシアネート基;エポキシ基;オキセタニル基;酸無水物基;カルボキシル基;水酸基;(メタ)アクリロイル基、スチリル基等の重合性不飽和炭化水素基等があげられ、加水分解性シリル基、イソシアネート基、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基又はスチリル基が好ましい。
【0031】
上記加水分解性シリル基を有するポリオキシアルキレン樹脂としては、例えば、鐘淵化学工業社製の商品名「MSポリマーS−203」、「MSポリマーS−303」、「MSポリマーS−903」、「エピオンEP−103S」、「エピオンEP−303S」、「エピオンEP−505S」、「サイリルSAT−200」、「サイリルMA−403」、「サイリルMA−447」、旭硝子社製の商品名「エクセスターESS−2410」、「エクセスターESS−2420」、「エクセスターESS−3630」、チッソ社製の商品名「(N−トリメトキシシリルプロピル)−O−ポリエチレンオキサイドウレタンPS077」等が挙げられる。
【0032】
上記イソシアネート基を有するポリオキシアルキレン樹脂としては、例えば、1,6ヘキサメチレンジイソシアネート、TDI、MDI等のジイソシアネートとポリプロピレングリコールとを、イソシアネートモル量を水酸基モル量より多めにした条件下でウレタン化反応することにより得られる。
【0033】
上記エポキシ基を有するポリオキシアルキレン樹脂としては、例えば、共栄化学社製、商品名「エポライト」シリーズ等が挙げられる。
【0034】
上記(メタ)アクリロイル基又はスチリル基を有するポリオキシアルキレン樹脂としては、例えば、α、ω−ジ(メタ)アクリロイルオキシポリプロピレングリコール、α、ω−ジ(メタ)アクリロイルオキシポリエチレングリコール、α−(メタ)アクリロイルオキシポリプロピレングリコール、α−(メタ)アクリロイルオキシポリエチレングリコール等が挙げられる。
【0035】
又、市販されている(メタ)アクリロイル基又はスチリル基を有するポリオキシアルキレン樹脂としては、例えば、日本油脂社製の商品名「ブレンマー」シリーズ、新中村化学社製の商品名「NKエステルM」シリーズ、「NKエステルAMP」シリーズ、「NKエステルPEB」シリーズ、「NKエステルA」シリーズ、「NKエステルAPG」シリーズ、東亜合成社製の商品名「アロニックスM−240」、「アロニックスM−245」、「アロニックスM−260」、「アロニックスM−270」、第一工業社製の商品名「PE」シリーズ、「BPE」シリーズ、「BPP」シリーズ、共栄化学社製の商品名「ライトエステル4EG」、「ライトエステル9EG」、「ライトエステル14EG」、「ライトアクリレートMTG−A」、「ライトアクリレートDPM−A」、「ライトアクリレートP−200A」、「ライトアクリレート9EG」、「ライトアクリレートBP−EPA」等が挙げられる。
【0036】
上記架橋性官能基を有するポリオキシアルキレン樹脂を架橋する架橋剤としては、例えば、ポリオキシアルキレン樹脂が有する架橋性官能基と反応して、架橋樹脂中に取り込まれる架橋剤(以下、「架橋剤(1)」と言う。)、ポリオキシアルキレン樹脂が有する架橋性官能基同士を反応させる触媒としての作用を有する架橋剤(以下、「架橋剤(2)」と言う。)、上記架橋剤(1)と架橋剤(2)の両方の作用を有する架橋剤(以下、「架橋剤(3)」と言う。)が挙げられる。
【0037】
上記架橋剤(1)としては、例えば、下記の架橋剤が挙げられる。
イソシアネート基を有するポリオキシアルキレン樹脂を架橋する架橋剤としては、例えば、水酸基を複数有する化合物、アミノ基を複数有する化合物等の活性水素を複数有する化合物が挙げられる。
【0038】
上記水酸基を複数有する化合物としては、例えば、エチレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ペンタエリスリトール、ポリエステルポリオール等が挙げられる。
【0039】
上記アミノ基を複数有する化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、α、ω−ジアミノプロピレングリコール等が挙げられる。
【0040】
又、オキセタニル基を有するポリオキシアルキレン樹脂の架橋する架橋剤としては、例えば、紫外線や可視光線によって酸が発生する光カチオン開始剤、熱によって酸が発生する熱カチオン開始剤等が挙げられる。
【0041】
上記架橋剤(2)としては、例えば、下記の架橋剤が挙げられる。
加水分解性シリル基を有するポリオキシアルキレン樹脂を架橋する架橋剤としては、例えば、一般式(1)で示される官能基を有する光反応性架橋剤、紫外線や可視光線によって酸が発生する光カチオン開始剤、有機金属化合物、アミン系化合物、酸性燐酸エステル、テトラアルキルアンモニウムハライド(ハライド:フルオリド、クロライド、ブロマイド、ヨウダイト)、カルボン酸、塩酸、硫酸、硝酸などの無機酸等が挙げられ、一般式(1)で示される官能基を有する光反応性架橋剤が好ましい。
【0042】
O Yn-2
‖ | ‖ (1)
−C−X − C−
(式中、Xは周期律表のIVB族、VB族又はVIB族の原子、Yは水素、炭化水素基、メルカプト基、アミノ基、ハロゲン基、アルコキシ基、アルキルチオ基、カルボニルオキシ基又はオキソ基、nはXの価数を示す。)
【0043】
式中、Xは周期律表のIVB族、VB族又はVIB族の原子であり、例えば、酸素、硫黄、窒素、リン、炭素等が挙げられる。nはXの価数であり、Xが酸素の場合は2、炭素の場合は4である。
【0044】
Yは水素、炭化水素基、メルカプト基、アミノ基、ハロゲン基、アルコキシ基、アルキルチオ基、カルボニルオキシ基又はオキソ基を示し、上記炭化水素基としては、例えば、脂肪族系炭化水素基、不飽和脂肪族系炭化水素基、芳香族系炭化水素基等が挙げられる。これら炭化水素基は、本発明の目的を阻害しない範囲で、アミノ基、水酸基、エーテル基、エポキシ基、ウレタン基、ウレア基、イミド基、エステル基、重合性不飽和基等の置換基を有していてもよい。
【0045】
上記一般式(1)で示される官能基を有する光反応性架橋剤は、環状化合物であってもよい。環状化合物としては、例えば、環状鎖の中に1個又は2個以上の同種又は異種の上記一般式(1)で表される官能基を有する化合物が挙げられる。又、複数の同種又は異種の上記環状化合物を適当な有機基で結合した化合物や、複数の同種又は異種の上記環状化合物をユニットとして少なくとも1個以上含む双環化合物が挙げられる。
【0046】
上記Xが酸素である一般式(1)で示される官能基を有する光反応性架橋剤としては、例えば、酢酸無水物、プロピオン酸無水物、ブチル酸無水物、イソブチル酸無水物、バレリック酸無水物、2−メチルブチル酸無水物、トリメチル酢酸無水物、ヘキサン酸無水物、ヘプタン酸無水物、デカン酸無水物、ラウリル酸無水物、ミリスチリル酸無水物、パルミチン酸無水物、ステアリル酸無水物、ドコサン酸無水物、クロトン酸無水物、(メタ)アクリル酸無水物、オレイン酸無水物、リノレイン酸無水物、クロロ酢酸無水物、ヨード酢酸無水物、ジクロロ酢酸無水物、トリフルオロ酢酸無水物、クロロジフルオロ酢酸無水物、トリクロロ酢酸無水物、ペンタフルオロプロピオン酸無水物、ヘプタフルオロブチル酸無水物、コハク酸無水物、メチルコハク酸無水物、2,2−ジメチルコハク酸無水物、イソブチルコハク酸無水物、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、ヘキサヒドロ−4−メチルフタル酸無水物、イタコン酸無水物、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、マレイン酸無水物、2−メチルマレイン酸無水物、2,3−ジメチルマレイン酸無水物、1−シクロペンテン−1,2−ジカルボン酸無水物、グルタル酸無水物、1−ナフチル酢酸無水物、安息香酸無水物、フェニルコハク酸無水物、フェニルマレイン酸無水物、2,3−ジフェニルマレイン酸無水物、フタル酸無水物、4−メチルフタル酸無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物、4,4’−(ヘキサフルオロプロピリデン)ジフタル酸無水物、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸無水物、1,8−ナフタレンジカルボン酸無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸無水物などの酸無水物や、マレイン酸無水物とラジカル重合性二重結合を有する化合物、例えば、(メタ)アクリレート、スチレン、ビニルエーテルなどとの共重合体等が挙げられる。これらの光反応性架橋剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0047】
又、上記光反応性架橋剤の市販品としては、例えば、旭電化工業社製の商品名「アデカハードナーEH−700」、「アデカハードナーEH−703」、「アデカハードナーEH−705A」、新日本理化社製の商品名「リカシッドTH」、「リカシッドHT−1」、「リカシッドHH」、「リカシッドMH−700」、「リカシッドMH−700H」、「リカシッドMH」、「リカシッドSH」、「リカレジンTMEG」、日立化成社製の商品名「HN−5000」、「HN−2000」、油化シェルエポキシ社製の商品名「エピキュア134A」、「エピキュアYH306」、「エピキュアYH307」、「エピキュアYH308H」、住友化学工業社製の商品名「スミキュアーMS」等が挙げられる。
【0048】
上記Xが窒素である一般式(1)で示される官能基を有する光反応性架橋剤としては、例えば、コハク酸イミド、N−メチルコハク酸イミド、α,α−ジメチル−β−メチルコハク酸イミド、α−メチル−α−プロピルコハク酸イミド、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−tert−ブチルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−(2−クロロフェニル)マレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−(1−ピレニル)マレイミド、3−メチル−N−フェニルマレイミド、N,N’−1,2−フェニレンジマレイミド、N,N’−1,3−フェニレンジマレイミド、N,N’−1,4−フェニレンジマレイミド、N,N’−(4−メチル−1,3−フェニレン)ビスマレイミド、1,1’−(メチレンジ−1,4−フェニレン)ビスマレイミド、フタルイミド、N−メチルフタルイミド、N−エチルフタルイミド、N−プロピルフタルイミド、N−フェニルフタルイミド、N−ベンジルフタルイミド、ピロメリット酸ジイミド等や、N−アルキルマレイミドとラジカル重合性二重結合を有する化合物、例えば、(メタ)アクリレート、スチレン、ビニルエーテルなどとの共重合体等が挙げられる。これらの光反応性架橋剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0049】
上記Xがリンである一般式(1)で示される官能基を有する光反応性架橋剤としては、例えば、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイドなどのアシルホスフィンオキサイド等が挙げられる。これらの光反応性架橋剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0050】
上記Xが炭素である一般式(1)で示される官能基を有する光反応性架橋剤としては、例えば、2,4−ペンタンジオン、3−メチル−2,4−ペンタンジオン、3−エチル−2,4−ペンタンジオン、3−クロロ−2,4−ペンタンジオン、1,1,1−トリフルオロ−2,4−ペンタンジオン、1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオン、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン、1−ベンゾイルアセトン、ジベンゾイルメタンなどのジケトン類;ジメチルマロネート、ジエチルマロネート、ジメチルメチルマロネート、テトラエチル−1,1,2,2−エタンテトラカルボン酸などのポリカルボン酸エステル類;メチルアセチルアセトナート、エチルアセチルアセトナート、メチルプロピオニルアセテートなどのα−カルボニル酢酸エステル類等が挙げられる。これらの光反応性架橋剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0051】
上記光反応性架橋剤の中で、ジアシルフォスフィンオキシド及びその誘導体は加熱又は光線を照射した際に消滅し残渣が極めて少ないので好適に用いられる。
【0052】
上記光反応性架橋剤の添加量は、少なくなると加水分解性シリル基を有するポリオキシアルキレン樹脂の架橋が進まず、多くなると加水分解性シリル基を有するポリオキシアルキレン樹脂の光透過性が低下し、表面のみが架橋し、内部が架橋しなくなるので、加水分解性シリル基を有するポリオキシアルキレン樹脂100重量部に対し0.01〜30重量部が好ましく、より好ましくは0.1〜20重慮部である。
【0053】
上記有機金属化合物としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫フタレート、ビス(ジブチル錫ラウリン酸)オキサイド、ジブチル錫ビスアセチルアセトナート、ジブチル錫ビス(モノエステルマレート)、オクチル酸錫、ジブチル錫オクトエート、ジオクチル錫オキサイドなどの錫化合物;テトラ−n−ブトキシチタネート、テトライソプロポキシチタネートなどのチタニウム化合物等が挙げられる。これらの有機金属化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0054】
上記有機金属化合物の添加量は、特に限定されるものではないが、加水分解性シリル基を有するポリオキシアルキレン樹脂100重量部に対して、0.01〜10重量部が好ましく、より好ましくは0.1〜8重量部である。
【0055】
上記エポキシ基を有するポリオキシアルキレン樹脂を架橋する架橋剤としては、例えば、紫外線や可視光線により酸が発生する光カチオン開始剤、熱により酸が発生する熱カチオン開始剤、アミン化合物系硬化剤、アミド系硬化剤、酸無水物系硬化剤、メルカプト系硬化剤、ケチミンやDICY等の熱潜在性硬化剤、カルバモイルオキシイミノ基等を有する光アミン発生剤等が挙げられる。
【0056】
上記光カチオン開始剤としては、例えば、鉄−アレン錯体化合物、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、オニウム塩、ピリジニウム塩、アルミニウム錯体/シラノール塩、トリクロロメチルトリアジン誘導体等が挙げられる。
【0057】
上記オニウム塩やピリジニウム塩の対アニオンとしては、例えば、SbF6 - 、PF6 - 、AsF6 - 、BF4 - 、テトラキス(ペンタフルオロ)ボレート、トリフルオロメタンスルフォネート、メタンスルフォネート、トリフルオロアセテート、アセテート、スルフォネート、トシレート、ナイトレート等が挙げられる。
【0058】
又、上記光カチオン開始剤の市販品としては、例えば、チバガイギー社製の商品名「イルガキュアー261」、旭電化社製の商品名「オプトマーSP−150」、「オプトマーSP−151」、「オプトマーSP−170」、「オプトマーSP−171」、ゼネラルエレクトロニクス社製の商品名「UVE−1014」、サートマー社製の商品名「CD−1012」、三新化学工業社製の商品名「サンエイドSI−60L」、「サンエイドSI−80L」、「サンエイドSI−100L」、日本曹達社製の商品名「CI−2064」、「CI−2639」、「CI−2624」、「CI−2481」、ローヌ・プーラン社製の商品名「RHODORSIL PHOTOINITIATOR 2074」、ユニオンカーバイド社製の商品名「UVI−6990」、ミドリ化学社製の商品名「BBI−103」、「MPI−103」、「TPS−103」、「MDS−103」、「DTS−103」、「NAT−103」、「NDS−103」等が挙げられる。これらの光カチオン開始剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0059】
上記熱カチオン開始剤としては、例えば、アルキル基を少なくとも1個有するアンモニウム塩、スルホニウム塩、ヨウドニウム塩、ジアゾニウム塩、三フッ化ホウ素・トリエチルアミン錯体等が挙げられる。
【0060】
これら熱カチオン開始剤の対アニオンとしては、例えば、SbF6 - 、PF6 - 、AsF6 - 、BF4 - 、テトラキス(ペンタフルオロ)ボレート、トリフルオロメタンスルフォネート、メタンスルフォネート、トリフルオロアセテート、アセテート、スルフォネート、トシレート、ナイトレート等が挙げられる。
【0061】
上記カルバモイルオキシイミノ基等を有する光アミン発生剤としては、例えば、カルバモイルオキシイミノ基を有する化合物、コバルトアミン錯体、カルバミン酸−o−ニトロベンジル、o−アシルオキシム等が挙げられる。
【0062】
上記重合性不飽和炭化水素基を有するポリオキシアルキレン樹脂を架橋する架橋剤としては、例えば、過酸化物、アゾ化合物等の熱ラジカル開始剤;紫外線、可視光線による光ラジカル開始剤;熱又は光ラジカル開始剤とメルカプト基を複数有する化合物を組み合わせた開始剤等が挙げられる。
【0063】
上記熱ラジカル開始剤としては、例えば、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、tert−ヘキシルハイドロパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類;α,α’−ビス(tert−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチルー2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、tert−ブチルキュミルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオキサイド類;ケトンパーオキサイド類;パーオキシケタール類;ジアシルパーオキサイド類;パーオキシジカーボネート類;パーオキシエステル類等の有機過酸化物や2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物が挙げられる。これらの熱ラジカル開始剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0064】
上記熱ラジカル開始剤としては、例えば、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、α−ヒドロキシ−α−α’−ジメチルアセトフェノン、メトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン等のアセトフェノン誘導体;ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル等のベンゾインエーテル系化合物;ベンジルジメチルケタール等のケタール誘導体;ハロゲン化ケトン、アシルフォスフィンオキシド、アシルフォスフォナート、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−N,N−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキシドビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド、ビス(η5−シクロペンタジエニル)−ビス(ペンタフルオロフェニル)−チタニウム、ビス(η5−シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピリ−1−イル)フェニル]−チタニウム、アントラセン、ペリレン、コロネン、テトラセン、ベンズアントラセン、フェノチアジン、フラビン、アクリジン、ケトクマリン、チオキサントン誘導体、ベンゾフェノン、アセトフェノン、2−クロロチオキサンソン、2,4−ジメチルチオキサンソン、2,4−ジエチルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン等が挙げられる。これらの熱ラジカル開始剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0065】
上記架橋剤(3)としては、例えば、α,ω−ジアミノポリオキシプロピレン等が挙げられる。
【0066】
本発明で使用される熱又は光線によりガスを発生する材料は、上記ポリオキシアルキレン樹脂が好ましいが、ポリオキシアルキレン樹脂は未架橋であってよいし、架橋されていてもよい。又、未架橋のポリオキシアルキレン樹脂と上記架橋剤との樹脂組成物であってもよい。未架橋のポリオキシアルキレン樹脂と上記架橋剤との樹脂組成物の場合は、マイクロポンプ室に充填する前又は充填後に架橋させるのが好ましい。
【0067】
本発明で使用される熱又は光線によりガスを発生する材料として、加水分解性シリル基を有する樹脂と前記一般式(1)で表される官能基を有する光反応性架橋剤よりなる樹脂組成物又はその架橋された樹脂組成物も好適に使用できる。
【0068】
上記加水分解性シリル基を有する樹脂としては、前述の加水分解性シリル基を有していれば、特に限定されず、例えば、エステル結合を有するポリエステル樹脂、アミド結合を有するポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリシロキサン樹脂、カーボネート結合を有するポリカーボネート樹脂、ポリ(メタ)アクリレート樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂などのポリマーや、これらのコポリマー等に加水分解性シリル基を含有させた化合物が挙げられる。加水分解性シリル基は、上記ポリマーやコポリマーの末端に位置していても良いし、側鎖に位置していても良いし、末端および側鎖に位置していても良い。
【0069】
上記加水分解性シリル基を有する樹脂としては、例えば、チッソ社製の商品名「アセトキシ末端ポリジメチルシロキサンPS363.5」、「ジメチルアミノ末端ポリジメチルシロキサンPS383」、「エトキシ末端ポリジメチルシロキサンPS393」、「ステアリロキシ末端ポリジメチルシロキサンPS053.5」、「トリエトキシシリル変性ポリ(1,2−ブタジエン)PS078.5」、「(N−トリメトキシシリルプロピル)ポリアザミドPS075」、「(N−トリメトキシシリルプロピル)ポリエチレンイミンPS076」等が挙げられる。
【0070】
一般式(1)で表される官能基を有する光反応性架橋剤は前述したとおりである。
【0071】
上記一般式(1)で表される官能基を有する光反応性架橋剤の添加量は、少なくなると加水分解性シリル基を有する樹脂の架橋が進まず、多くなると加水分解性シリル基を有する樹脂の光透過性が低下し、表面のみが架橋し、内部が架橋しなくなるので、加水分解性シリル基を有する樹脂100重量部に対し0.01〜30重量部が好ましく、より好ましくは0.1〜20重慮部である。
【0072】
本発明で使用される熱又は光線によりガスを発生する材料は、ガスの発生速度、発生温度等を制御するために、分解促進剤、分解遅延剤、熱又は光線によりガスを発生する化合物、光増感剤等を含有していてもよい。
【0073】
上記分解促進剤としては、熱又は光線によりガスを発生する材料に熱又は光線を照射した際に熱又は光線によりガスを発生する材料の分解を促進しうるものであれば特に限定されず、例えば、無機過酸化物;有機過酸化物;硫酸鉄、硝酸ナトリウム、ナフテン酸コバルト等の重金属化合物、蓚酸、リノレイン酸、アスコルビン酸等のカルボン酸類;ハイドロキノン、酸化錫等が挙げられる。
【0074】
上記無機過酸化物としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過塩素酸カリウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸アンモニウム、過ヨウ素酸カリウム等が挙げられる。
【0075】
上記有機過酸化物としては、10時間半減期温度が100℃以上のものが好ましく、例えば、P−メンタンハイドロキシパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロキシパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロキシパーオキサイド、クメンハイドロキシパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロキシパーオキサイド、t−ブチルハイドロキシパーオキサイド等のハイドロキシパーオキサイド;ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピルベンゼン)、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオキサイド;1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン等のパーオキシケタール;t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパ−オキシ−3,5、5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(m−トルイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(m−ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ビス−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシアリルモノカーボネート等のパーオキシエステル等が挙げられる。
【0076】
分解促進剤を熱又は光線によりガスを発生する材料に添加すると、熱又は光線によりガスを発生する材料の分解が促進されるが、分解促進剤として上記無機過酸化物又は有機過酸化物を添加すると、熱又は光線によりガスを発生する材料の分解残渣である炭化物の発生を抑止できるので好ましく、有機過酸化物は灰分残渣の発生も抑止できるのでより好ましい。
【0077】
上記分解遅延剤としては、熱又は光線によりガスを発生する材料に熱又は光線を照射した際に熱又は光線によりガスを発生する材料の分解を遅延しうるものであれば特に限定されず、例えば、メルカプト化合物、アミン化合物、有機錫、有機ホウ素等が挙げられる。
【0078】
上記メルカプト化合物としては、例えば、プロパンチオール、ブタンチオール、ペンタンチオール、1−オクタンチオール、ドデカンチオール、シクロペンタンチオール、シクロヘキサンチオール、1,3−プロパンジチオール等が挙げられる。
【0079】
上記アミン化合物としては、例えば、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、ドデシルアミン、イソプロピルアミン、ヘキサメチレンジアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、アニリン、メチルアニリン等が挙げられる。
【0080】
上記有機錫としては、例えば、ジメチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ビス(2,4−ペンタンジオン)、ジラウリル錫ジラウレート等が挙げられる。
【0081】
上記有機ホウ素としては、例えば、トリメチルボレート、トリプロピルボレート、トリブチルボレート、トリメトキシボロキシン、トリメチレンボレート等が挙げられる。
【0082】
上記熱又は光線によりガスを発生する化合物としては、例えば、熱又は光線により分解してガスを発生する化合物、低沸点溶剤等が挙げられる。
【0083】
上記熱又は光線により分解してガスを発生する化合物としては、熱可塑性樹脂発泡体を製造する際に一般に発泡剤として使用されている化合物が好適に使用され、例えば、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾジカルボン酸バリウム塩、2,2−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2.2−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)等のアゾ化合物、ヒドラドジカルボンアミド、ニトロソグアニジン、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルセミカルバジド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、トルエンスルホニルヒドラジド、4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)等が挙げられ、アゾ化合物が好適に使用される。
【0084】
上記低沸点溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエン、キシレン等が挙げられる。但し、これらの低沸点溶剤が揮発したときに、本発明のマイクロ全分析システムでの測定の邪魔をする場合には使用しないほうが好ましい。
【0085】
上記光増感剤としては、熱又は光線によりガスを発生する材料に光線を照射した際に熱又は光線によりガスを発生する材料の分解を促進しうるものであれば特に限定されず、例えば、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、α−ヒドロキシ−α,α’−ジメチルアセトフェノン、メトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンなどのアセトフェノン誘導体化合物;ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテルなどのベンゾインエーテル系化合物;ベンジルジメチルケタールなどのケタール誘導体化合物;ハロゲン化ケトン;アシルホスフィンオキシド;アシルホスフォナート;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−N,N−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、ビス(η5−シクロペンタジエニル)ビス(ペンタフルオロフェニル)チタニウム、ビス(η5−シクロペンタジエニル)ビス[2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピリ−1−イル)フェニル]チタニウム、アントラセン、ペリレン、コロネン、テトラセン、ベンズアントラセン、フェノチアジン、フラビン、アクリジン、ケトクマリン、チオキサントン誘導体、ベンゾフェノン、アセトフェノン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン等が挙げられる。これらの増感剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0086】
上記分解促進剤、分解遅延剤、熱又は光線によりガスを発生する化合物及び光増感剤の添加量は、特に限定されるものではなく、使用形態に応じて適宜決定されればよいが、一般に、熱又は光線によりガスを発生する材料100重量部に対し0.1〜10重量部である。
【0087】
上記熱又は光線によりガスを発生する材料には、本発明の課題達成を阻害しない範囲で必要に応じて、例えば、増粘剤、物性調整剤、増量剤、酸化防止剤(老化防止剤)、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、着色剤等が添加されていても良い。
【0088】
上記増粘剤は、熱又は光線によりガスを発生する材料との相溶性の良い高分子化合物が好ましく、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール誘導体、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン誘導体、ポリエステル類、ポリエーテル類、ポリオレフィン類、ポリウレタン類、ポリアミド類、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリイソブテン、NBR、SBS、SIS、SEBS、水添NBR、水添SBS、水添SIS、水添SEBS等や、これらの共重合体や官能基変性体等が挙げられる。
【0089】
上記物性調整剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N’−ビス−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N,N’−ビス−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N,N’−ビス−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ヘキサエチレンジアミン、N,N’−ビス−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]ヘキサエチレンジアミンなどのシランカップリング剤や、チタンカップリング剤、アルミニウムカップリング剤等が挙げられる。
【0090】
上記増量剤としては、例えば、タルク、クレー、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水珪素、含水珪素、珪酸カルシウム、二酸化チタン、カーボンブラック等の無機充填剤が挙げられる
【0091】
又、熱又は光線によりガスを発生する材料は、熱可塑性樹脂と熱又は光線によりガスを発生する化合物からなる樹脂組成物であってもよい。
【0092】
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ヘプテン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−スチレン共重合体、プロピレン−スチレン共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン共重合体、プロピレン−スチレン−エチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体等のオレフィン系樹脂;ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート、ポリ2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート−ビニルピロリドン共重合体、エチル(メタ)アクリレート−ビニルピロリドン共重合体等の(メタ)アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール誘導体、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリイソブテン、NBR、SBS、SIS、SEBS、水添NBR、水添SBS、水添SIS、水添SEBS等や、これらの共重合体や官能基変性体等が挙げられる。
【0093】
熱又は光線によりガスを発生する化合物としては、前述の熱又は光線によりガスを発生する化合物があげられ、アゾ化合物が好ましい。
【0094】
上記熱又は光線によりガスを発生する化合物の添加量は、特に限定されるものではなく、使用形態に応じて適宜決定されればよいが、一般に、熱可塑性樹脂100重量部に対し0.1〜10重量部である。
【0095】
上記樹脂組成物には、前述の増粘剤、物性調整剤、増量剤、酸化防止剤(老化防止剤)、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、着色剤等が本発明の課題達成を阻害しない範囲で必要に応じて、添加されていても良い。
【0096】
本発明で使用される熱又は光線によりガスを発生する材料は、常態では安定であり、熱又は光線を照射することにより、分解してガスを発生する。
【0097】
熱によりガスを発生する材料は、酸素雰囲気下では150〜300℃の所定温度で加熱することにより、10分以内に分解し、消滅してガスを発生する。又、嫌気性雰囲気下では150〜350℃の所定温度で加熱することにより、10分以内に、減圧すると5分以内に分解し、消滅してガスを発生する。
【0098】
又、光線によりガスを発生する材料は、光を照射することにより分解し、消滅してガスを発生するが、光源としては、特に限定されず、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、発光ダイオード(LED)、全固体レーザー、エキシマレーザー、冷陰極線管、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ、ナトリウムランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、蛍光灯、太陽光、電子線照射装置等が挙げられる。これらの光源は、単独で用いられても良いし、2種類以上が組み合わされて用いられても良い。
【0099】
次に、本発明のマイクロ全分析システムを図面を参照して説明する。図1は、本発明のマイクロ全分析システムの一例を示す平面図であり、図2は、マイクロポンプ室付近の断面図である。
【0100】
マイクロ全分析システムは上部基板8と下部基板9よりなり、上部基板8と下部基板9の間には、試料貯留槽1、試薬貯留槽2、反応液貯留槽3、マイクロポンプ室4、4、4、混合槽5、検出部6及び廃液貯留槽7が内蔵されている。
【0101】
試料貯留槽1には試料を注入するための、開口された微細流路11が連通され、試薬貯留槽2には試薬を注入するための、開口された微細流路21が連通され、反応液貯留槽3には反応液を注入するための、開口された微細流路31が連通されている。
【0102】
マイクロポンプ室4は上面に透明な光線透過窓81が形成されており、内部に熱又は光線によりガスを発生する材料10が充填されている。又、マイクロポンプ室4は微細流路41、42、43により、試料貯留槽1、試薬貯留槽2又は反応液貯留槽3に連通されている。
【0103】
即ち、光線透過窓81から熱又は光線を、熱又は光線によりガスを発生する材料10に照射することにより、発生したガスを試料貯留槽1、試薬貯留槽2又は反応液貯留槽3に送りポンプとして作用する。
【0104】
尚、熱又は光線によりガスを発生する材料10としては、ビーカーに、加水分解性シリル基含有ポリプロピレングリコール(旭硝子社製、商品名「エクセスターESS−2410」)100重量部とジブチル錫ジラウリレート(和光純薬社製)2重量部を均一に成るまで混合した後、マイクロポンプ室4が略一杯になるように塗布し、空気中で12時間硬化させて熱によりガスを発生する材料を形成した。
【0105】
又、異なる熱又は光線によりガスを発生する材料10として、ビーカーに、フリーラジカル重合法によって得られた数平均分子量エチルアクリレート−ビニルピロリドン共重合体(重量比95:5)50重量部、テトラヒドロフラン50重量部、アゾビスイソブチロニトリル(和光純薬社製)10重量部及びジエチルチオキサントン(日本化薬社製、商品名「DETX」)5重量部を供給し、混合して、テトラヒドロフラン溶液を得、得られたテトラヒドロフラン溶液をマイクロポンプ室4が略一杯になるように塗布し、空気中で乾燥して光線によりガスを発生する材料を形成した。
【0106】
試料貯留槽1と混合槽5及び試薬貯留槽2と混合槽5はそれぞれ微細流路12,22で連通されており、混合槽5と検出部6及び反応液貯留槽3と検出部6はそれぞれ微細流路51,32で連通されている。又、検出部6と廃液貯留槽7は微細流路61で連通されており、廃液貯留槽7には廃液を排出するための、開口された微細流路71が連通されている。
【0107】
上記マイクロ全分析システムで測定する方法を説明する。先ず、試料貯留槽1に試料をマイクロシリンジ等で微細流路11から注入し、試薬貯留槽2に試薬をマイクロシリンジ等で微細流路21から注入し、反応液貯留槽3に反応液をマイクロシリンジ等で微細流路31から注入し各微細流路11、21、31を密閉する。
【0108】
尚、光線によりガスを発生する材料をマイクロポンプ室に充填したマイクロ全分析システムにおいては、太陽光線や環境光線による感光する懸念がある場合には、光線によりガスを発生する材料の光感度を落とすように設計したり、マイクロ全分析システムを使用するまで、光透過窓を遮光シールや遮光フィルム等で遮光させることによって、光線によりガスを発生する材料がガスを発生しないようにするのが好ましい。
【0109】
次に、試料貯留槽1及び試薬貯留槽2に連通したマイクロポンプ室4、4の光線透過窓81から熱又は光線を、熱又は光線によりガスを発生する材料10に照射し、ガスを発生させ、発生したガスを試料貯留槽1及び試薬貯留槽2に送り、試料貯留槽1及び試薬貯留槽2中の試料及び試薬を混合槽5に送り混合槽5内で混合する。
【0110】
更に、ガスを発生させて混合された試料及び試薬を混合槽5から検出部6に送ると共に、反応液貯留槽3に連通したマイクロポンプ室4の光線透過窓81から熱又は光線を、熱又は光線によりガスを発生する材料10に照射し、ガスを発生させ、発生したガスを反応液貯留槽3に送り、反応液貯留槽3中の反応液を検出部6に送る。
【0111】
検出部6内に、試料、試薬及び反応液が送られ、測定材料を測定する。測定終了した混合液は、更に熱又は光線によりガスを発生する材料10にガスを発生させ、廃液として廃液貯留槽7に供給され貯留又は微細流路71から排出される。
【0112】
上記検出部6に設置される検出装置としては、従来からマイクロ全分析システムに使用されている任意の検出装置が挙げられ、例えば、質量分析計(MS);ボルタンメトリ法、ストリッピングボルタンメトリ法、アンペロメトリ法、ポテンシオメトリー法、クーロンメトリ法等の電気化学的測定装置;光学的測定装置等が挙げられる。
【0113】
又、上記マイクロ全分析システムには、従来からマイクロ全分析システムに使用されている試料を反応させるための反応槽;電気泳動カラム、膜分離機構、液体クロマトグラフカラム、キャピラリーガスクロマトグラフィー(CGC)、誘導型プラズマ(ICP)等の試料を濃縮・分離するための濃縮・分離装置;溶離液槽等が内蔵されていてもよい。
【0114】
又、上記マイクロ全分析システムの例は一体に形成されているが、上記マイクロポンプ室、試料貯留槽、試薬貯留槽、反応液貯留槽、溶離液槽、反応槽、濃縮・分離装置、検出部等が異なる基板内に形成され、組み合わされて使用されてもよい。
【発明の効果】
【0115】
本発明のマイクロ全分析システムの構成は上述の通りであり、容易にマイクロポンプ室を形成することができ、容易且つ安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】本発明のマイクロ全分析システムの一例を示す平面図である。
【図2】マイクロポンプ室付近の断面図である。
【符号の説明】
【0117】
1 試料貯留槽
2 試薬貯留槽
3 反応液貯留槽
4 マイクロポンプ室
5 混合槽
6 検出部
7 廃液貯留槽
8 上部基板
9 下部基板
10 熱又は光線によりガスを発生する材料
81 光線透過窓

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板内に微細流路とマイクロポンプ室が形成されているマイクロ全分析システムにおいて、該マイクロポンプ室に熱によりガスを発生する材料が充填されており、
熱によりガスを発生する材料は、酸素含有量が15〜55重量%のポリオキシアルキレン樹脂であることを特徴とするマイクロ全分析システム。
【請求項2】
ポリオキシアルキレン樹脂が、加水分解性シリル基、イソシアネート基、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基及びスチリル基よりなる群から選ばれた官能基を有することを特徴とする請求項1記載のマイクロ全分析システム。
【請求項3】
ガス発生性樹脂組成物が、加水分解性シリル基、イソシアネート基、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基及びスチリル基よりなる群から選ばれた官能基を有するポリオキシアルキレン樹脂と架橋剤よりなる樹脂組成物又はその架橋された樹脂組成物であることを特徴とする請求項2記載のマイクロ全分析システム。
【請求項4】
架橋剤が、一般式(1)で表される官能基を有する光反応性架橋剤であることを特徴とする請求項3記載のマイクロ全分析システム。
O Yn-2
‖ | ‖ (1)
−C−X − C−
(式中、Xは周期律表のIVB族、VB族又はVIB族の原子、Yは水素、炭化水素基、メルカプト基、アミノ基、ハロゲン基、アルコキシ基、アルキルチオ基、カルボニルオキシ基又はオキソ基、nはXの価数を示す。)
【請求項5】
ガス発生性樹脂組成物が、加水分解性シリル基を有する樹脂と一般式(1)で表される官能基を有する光反応性架橋剤よりなる樹脂組成物又はその架橋された樹脂組成物よりなることを特徴とする請求項1記載のマイクロ全分析システム。
O Yn-2
‖ | ‖ (1)
−C−X − C−
(式中、Xは周期律表のIVB族、VB族又はVIB族の原子、Yは水素、炭化水素基、メルカプト基、アミノ基、ハロゲン基、アルコキシ基、アルキルチオ基、カルボニルオキシ基又はオキソ基、nはXの価数を示す。)
【請求項6】
熱によりガスを発生する材料が、熱ラジカル開始剤を含有することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項記載のマイクロ全分析システム。
【請求項7】
熱によりガスを発生する材料が、熱分解促進剤を含有することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項記載のマイクロ全分析システム。
【請求項8】
熱分解促進剤が、無機過酸化物又は有機過酸化物であることを特徴とする請求項7記載のマイクロ全分析システム。
【請求項9】
熱によりガスを発生する材料が、熱分解遅延剤を含有することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項記載のマイクロ全分析システム。
【請求項10】
熱分解遅延剤が、メルカプト化合物、アミン化合物、有機錫又は有機ホウ素であることを特徴とする請求項9記載のマイクロ全分析システム。
【請求項11】
熱によりガスを発生する材料が、熱によりガスを発生する化合物を含有することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項記載のマイクロ全分析システム。
【請求項12】
熱によりガスを発生する化合物がアゾ化合物であることを特徴とする請求項11記載のマイクロ全分析システム。
【請求項13】
熱によりガスを発生する材料が、光増感剤を含有することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項記載のマイクロ全分析システム。
【請求項14】
熱によりガスを発生する材料が、熱可塑性樹脂と熱によりガスを発生する化合物よりなる樹脂組成物であることを特徴とする請求項1記載のマイクロ全分析システム。
【請求項15】
熱によりガスを発生する化合物が、アゾ化合物であることを特徴とする請求項14記載のマイクロ全分析システム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−51824(P2008−51824A)
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−277765(P2007−277765)
【出願日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【分割の表示】特願2004−114409(P2004−114409)の分割
【原出願日】平成16年4月8日(2004.4.8)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】