説明

マイクロ波コネクタ、アンテナ、およびその製造方法

互いに垂直から45°以内の2つの平面の間でマイクロ波エネルギーを伝達させるように構成されたコネクタであって、第1の誘電体20によって第1の導電接地面24から分離された第1の導体22を備える第1の部材12を備え、第1の誘電体20は、その中にスロット32が形成され、コネクタはさらに、第2の誘電体40によって第2の接地面46から分離された第2の導体41を備える第2の部材41を備え、第2の導体41は、第2の部材14の第1の端部で第2の接地面46への電気接続部48が設けられ、第2の部材14の第1の端部が、第1の部材12のスロット32を通って延在して、電気接続部が、第1の接地面24と第1の導体22との間に位置する。コネクタは、マイクロ波アンテナでもよく、その場合、第1の導体22は、マイクロストリップパッチアンテナを形成する。こうしたコネクタおよびこうしたアンテナのアレイの製造方法も開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通常、マイクロ波スペクトルで使用されるマイクロ波コネクタおよびアンテナに関する。本発明は、マイクロ波コネクタおよびアンテナ、ならびにこうしたアンテナのアレイの製造方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロストリップパッチアンテナは、低コスト、コンパクト性、および特有の低い相互結合性のために、フェーズドアレイの放射素子の候補として魅力がある。こうしたアンテナは、連続した金属接地面によって裏打ちされた、誘電体基板上の長方形または円形の金属パッチからなる。これらのアンテナは、従来、同軸コネクタまたはケーブルで接地面の後ろからパッチに給電するプローブ給電によって、マイクロストリップ送電線路が、パッチの平面内でパッチに直接接続されるマイクロストリップ給電線路によって、またはパッチに対して接地面の反対側のパッチの平面に平行のマイクロストリップ線路が、パッチに隣接する接地面のスロットを介してパッチを励起する開口結合型給電によって、マイクロ波エネルギーが供給される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、こうした方法は、全て特有の欠点がある。マイクロストリップパッチアンテナが、フェーズドアレイの放射素子として使用される場合は、垂直給電、すなわちパッチに対して垂直に延びる給電部が望ましいことがある。それによって、増幅器または移相器など能動部分を、単一の垂直の回路板上にアンテナ接地面の背後に配置することができる。したがって、上記のマイクロストリップ給電線路または開口結合型給電を使用しないことが好ましい。プローブ給電方法または示唆されている他の垂直給電方法に関して、こうした方法では、はんだ付けまたは電気接続部の締結のためにアレイ面の背後にアクセスする必要があるため、大型アレイでは実用的でないことが判明している。以前の垂直給電は、アンテナ放射パターンに望ましくない非対称性を引き起こすものでもあった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、本発明の第1の態様により、互いに垂直から45°以内の2つの平面の間でマイクロ波エネルギーを伝達するように構成されたコネクタを提供する。このコネクタは、
第1の誘電体によって第1の導電接地面から分離される第1の導体を含む第1の部材であって、第1の導電接地面が、その中に形成されたスロットを有する、第1の部材と、
第2の誘電体によって第2の導電接地面から分離された第2の導体を含む第2の部材とを備え、第2の導体は、第2の部材の第1の端部に、第2の導電接地面との電気接続部が設けられ、
第2の部材の第1の端部が、第1の導電接地面のスロットを通って延び、電気接続部が、第1の導電接地面と第1の導体との間に位置し、第1および第2の導体が、垂直から45°以内である。
【0005】
それによって、2つの平面の間でマイクロ波エネルギーの伝達を可能にする対称のコネクタが提供されて、放射の非一様性が低減される一方、製造が簡単になり、はんだ接合部または同様のものが不要になる。好ましい一実施形態では、2つの平面と第1および第2の導体とは、互いに垂直である。
【0006】
1つまたは複数の第1および第2の部材は、全般的に平坦でもよい。好ましい実施形態では、第1および第2の部材は、共に全般的に平坦であり、または少なくとも第2の部材の第1の導電接地面のスロットを通って延在する部分は平坦である。
【0007】
好ましい実施形態では、コネクタは、第1の導体がマイクロストリップパッチアンテナであるアンテナを形成する。それによって、放射の非一様性が低減され、かつ簡単に組み立てられる垂直給電アンテナが有利に提供される。
【0008】
第1の部材に、第3の誘導体によって第1の接地面から間隔をおいて配置された、さらなる第3の導電接地面も設けることができる。それによって、コネクタの性能が向上することが示された。さらなる導電接地面を、同様の方法で設けることができる。
【0009】
1つまたは複数の誘電体は、誘電発泡体、固体誘電体、または空隙を含むことができる。好ましい一実施形態では、1つまたは複数の誘電体は、誘電発泡体の層および固体誘電体の層を備える。それによって、導体および導電接地面を、固体誘電体上に直接配置することができるようになる。代替実施形態では、1つまたは複数の誘電体は、隣接する導体または導電接地面から空隙によって分離された、固体誘電体のシートを備えることができる。導体と導電接地面の分離は、スペーサの使用によって保持することができる。
【0010】
支持誘電体を、第1の誘電体に対して第1の導体の反対側に設けることができる。支持誘電体は固体誘電体でもよい。それによって、たとえば第1の導体に隣接する第1の誘電体の表面が、誘電発泡体であるなら、第1の誘電体で支持されることが実行不可能な場合に、第1の導体を支持誘電体上に直接配置することができる。
【0011】
第2の導体は、第2の誘電体の第1の端部から離れて延びるに従って幅が減少するように、先細りにすることができるプレーナ要素を備えることができる。先細りは、連続的でもよく、または1つあるいは複数の不連続のステップで形成してもよい。
【0012】
好ましい一実施形態では、第2の導体は、幾つかのステップを有して、アンテナが50Ωインピーダンスのマイクロストリップ線路に一致するようになされている。
【0013】
好ましい一実施形態では、電気接続部は、第2の誘電体を通って第2の導体と第2の導電接地面を接続する少なくとも1つの電気ビア(通路)を備える。3つの電気ビアがあってもよい。あるいは、第2の導体および第2の導電面が、第2の誘電体接地シートの第1の端部の周りに延在して互いに接触してもよい。
【0014】
コネクタは、通常2GHzから18GHzのマイクロ波スペクトルで作動するように構成されることができる。好ましい一実施形態では、コネクタは約10GHzで作動するように構成される。好ましい一実施形態では、電気接続部は、第2の誘電体において、第1の導電接地面または第3の導電接地面があれば第3の導電接地面から、コネクタに使用すべき波長またはコネクタに使用すべき近傍の波長の約4分の1のところに位置付けられることができる。
【0015】
本発明の第2の態様により、アンテナが提供され、アンテナは、
第1の誘電体によって分離されたマイクロストリップパッチアンテナおよび第1の導電接地面を備えるアンテナ構造体と、
第2の誘電体によって分離された給電導体と第2の導電接地面を備える給電構造体とを備え、給電導体および第2の導電接地面は、給電構造体の第1の端部でその間に電気接続部が設けられ、
電気接続部が、第1の導電接地面とアンテナパッチの間にあるように、給電構造体が、第1の導電接地面内のスロットを通ってアンテナ構造体に対して垂直から45°以内で延びる。
【0016】
それによって、非一様な放射が従来技術のアンテナよりも低減され、従来技術のようにアンテナ面の背後に直接接続部を作成する必要がないために組み立てが簡単な、便利な垂直給電アンテナが提供される。好ましい一実施形態では、給電構造体は、アンテナ構造体に対して垂直に延在する。
【0017】
アンテナは、通常、送受信に適している。受信では、アンテナパッチに入射するマイクロ波エネルギーが、第1の導電接地面のスロット内に電磁界を励起させる。それによって、給電導体と第2の導電接地面との間に電磁界が発生して、マイクロ波エネルギーが給電導体に伝達され、給電導体で、マイクロ波エネルギーが従来の検出器に通されることができる。
【0018】
同様に、送信では、マイクロ波エネルギーが給電導体に通され、給電導体は、可変電磁界を給電導体と第2の導電接地面との間に発生する。これは、次に、第1の導電接地面のスロット内に電磁界を生じさせ、パッチアンテナが励起されて、通常の方法でマイクロ波エネルギーを放射する。
【0019】
アンテナ構造体には、第3の誘電体によって第1の接地面から離間された、さらなる第3の導電接地面を設けることができる。それによって、アンテナの性能が向上することが示された。さらなる導電接地面を、同様の方法で設けることができる。
【0020】
1つまたは複数の誘電体は、誘電発泡体、固体誘電体、または空隙を含むことができる。好ましい一実施形態では、1つまたは複数の誘電体は、誘電発泡体の層および固体誘電体の層を備える。それによって、導体および導電接地面を、固体誘電体上に直接配置することができる。代替実施形態では、1つまたは複数の誘電体は、空隙によって隣接する導体または導電接地面から分離された、固体誘電体のシートを備えることができる。
【0021】
導体と導電接地面の分離は、スペーサの使用によって保持されることができる。
【0022】
支持誘電体を、第1の誘電体に対してアンテナパッチの反対側に設けることができる。支持誘電体は、固体誘電体でもよい。それによって、たとえばアンテナパッチに隣接する第1の誘電体の表面が、誘電発泡体であるなら、第1の誘電体で支持されることが実行不可能な場合に、アンテナパッチを支持誘電体上に直接配置することができる。
【0023】
給電導体は、第2の誘電体の第1の端部から離れて延びるに従って幅が減少するように、先細りにすることができる。先細りは、連続的でもよく、または1つあるいは複数の不連続のステップで形成してもよい。
【0024】
好ましい一実施形態では、第2の導体は、幾つかのステップを有して、アンテナが50Ωインピーダンスのマイクロストリップ線路に一致するようになされている。
【0025】
好ましい一実施形態では、電気接続部は、第2の誘電体を通って給電導体と第2の導電接地面を接続する少なくとも1つの電気ビアを備える。3つの電気ビアがあってもよい。あるいは、給電導体および第2の導電接地面が、第2の誘電体の第1の端部の周りに延在して互いに接触してもよい。
【0026】
アンテナは、通常2GHzから18GHzのマイクロ波スペクトルで作動するように構成することができる。好ましい一実施形態では、アンテナは約10GHzで作動するように構成される。電気接続部は、第2の誘電体において、第1の導電接地面または第3の導電接地面があれば第3の導電接地面から、アンテナに使用すべき波長またはアンテナに使用すべき近傍の波長の約4分の1のところに位置付けられることができる。
【0027】
本発明の第3の態様により、2つの平面の間でマイクロ波エネルギーを伝達させるように構成されたコネクタの製造方法が提供される。この方法は、
a)第1の誘電体の層によって分離された第1の導体および第1の導電接地面を備える第1の層状構造体を形成すること、
b)第2の誘電体の層によって分離された第2の導体および第2の導電接地面を備える第2の層状構造体を形成すること、
c)第2の導体と第2の導電接地面とを接続するために、第2の層状構造体の第1の端部に、第2の層状構造体を通る少なくとも1つの電気ビアを通すこと、
d)第1の層状構造体内に、第1の導電接地面および第1の誘電体を通るスロットを形成すること、および
e)1つまたは複数の電気ビアが、第1の導電接地面と第1の導体との間に存在するように、第2の層状構造体をスロット内に固定することを含む。
【0028】
この方法は、コネクタ面の背後の使用可能な小さい空間に、はんだ付けした接合部またはケーブル接続部を作成する必要がない点で、従来技術よりもはるかに簡単である。通常、コネクタはアンテナとして作用し、第1の導体はアンテナパッチである。
【0029】
好ましい一実施形態では、第1の層状構造体を形成するステップまたは第2の層状構造体を形成するステップは、固体誘電体シートの片側に導電層を形成するまたは固体誘電体シートの両側に導電層を形成するステップ、1つまたは各導電層の少なくとも1つの領域をマスクするステップ、マスクされていない領域を全てエッチングして、第1あるいは第2の導体、または第1あるいは第2の導電接地面を形成するステップ、および、次いで固体誘電体を誘電発泡体の層に固定するステップを含む。
【0030】
第1の層状構造体は、第3の誘電体の層によって第1の接地面から分離された、さらなる第3の導電接地面を備えることができる。この場合、第1の層状部材内にスロットを形成するステップは、第3の接地面および第3の誘電体層を通るスロットを形成するステップを含む。
【0031】
第2の層状構造体をスロット内に固定するステップは、1つまたは複数の電気ビアを、第2の誘電体層において、第1の導電接地面または第3の導電接地面があれば第3の導電接地面から、コネクタに使用すべき波長の4分の1の距離に位置付けるステップを含むことができる。
【0032】
第2の層状構造体を、第1の層状構造体に対して垂直に固定することができる。
【0033】
本発明の第4の態様により、マイクロ波エネルギーを1つの平面から別の平面に伝達させる方法が提供される。この方法は、平行板導波路の端部に短絡を有する平行板導波路の長さにわたってエネルギーを伝達することを含み、短絡は、エネルギーが伝達されるべき平面の導体と、その導体に対して平行の導電接地面との間の間隙内に位置しており、または、この方法は、マイクロ波エネルギーを該ルートの逆に通過させることを含む。
【0034】
平行板導波路および導体は、互いに垂直でもよい。
【0035】
好ましい一実施形態では、短絡は、エネルギーが伝達されるべき平面の導体と2つの平行導電接地面との間の間隙内にある。
【0036】
導体は、伝達されるべきマイクロ波エネルギーを送受信するように構成されたアンテナパッチでもよい。
【0037】
本発明の第5の態様により、本発明の第1または第2の態様によるアンテナのアレイが提供される。好ましい一実施形態では、それらはフェーズドアレイを形成する。
【0038】
以下に一例として本発明の一実施形態を、添付の図面を参照して説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
添付の図面で示したアンテナ10は、2つの部材、すなわち第1の部材またはアンテナ構造体12、および第2の部材または給電構造体14を備える。各構造体は、以下で説明するように幾つかの層を備える。
【0040】
アンテナ構造体12は、2つの誘電体層20、26を備えており、それぞれ誘電体層20、26は、その下側に導電接地面24、28を有する。第1の誘電体層20は、第2の誘電体層26の上部に取り付けられている。各誘電体層は、誘電発泡体20a、26aの上部層を備え、誘電発泡体20a、26aは、その下側に固体誘電体の層20b、26bが取り付けられている。第1の誘電体層の上部に、アンテナ支持誘電体30が取り付けられている。このアンテナ支持誘電体30は、固体誘電体の薄い層を備え、固体誘電体の薄い層の下側には、円形のアンテナパッチ22が形成されている。
【0041】
給電構造体14は、固体誘電体の単一層40を備える。この後ろ側には、導電接地面46が設けられている。誘電体層40の前部には、導体41が設けられており、導体41は、接地面と共に、誘電体層の第1の端部に平行板導波路領域42を画定し、かつ誘電体層の第2の端部にマイクロストリップ給電部52を画定するように形状付けられている。導体41は、平行板導波路領域42においてアンテナに使用すべき波長のほぼ半分から、マイクロストリップ給電領域52における(約数ミリメートルの)通常のマイクロストリップの寸法まで幅を変えることによって、2つの領域42、52間の移行部50も画定する。移行部50は、導体幅における幾つかの不連続な変化を含む。
【0042】
給電構造体14の導電接地面46および導体41は、誘電体層40を通過して2つの導体41と46を接続する、幾つかの、この場合は3つの導電ビア48によって、誘電体層の第1の端部で電気的に接続される。
【0043】
アンテナ構造体には、さらにスロット32が設けられており、スロット32は、アンテナパッチ22から垂直に延びているが、アンテナパッチ22を通らず、第1の誘電体層20および第2の誘電体層26と、導電接地面24、28とを通る。
【0044】
給電構造体14の第1の端部は、スロット32内で固定されて、給電構造体14が、アンテナ構造体12に対して垂直に位置するようになされている。スロットは、給電構造体14をこの位置に嵌めるサイズにされる。給電構造体は、アンテナ構造体12の導電ビア48から第2の外側接地面28までの距離が、アンテナに使用が意図される波長の約4分の1になるように配置される。
【0045】
送信アンテナ10として使用される場合、送信すべき信号は、導体41のマイクロストリップ領域52に送られる。接地面は、全て地電位に保持される。したがって、導電ビア48は、給電部と地面との間の短絡を提供する。給電構造体14は、導体41と給電接地面46に対して平行であり、かつ導体41と給電接地面46との間で中心に位置する平面の周りで、平行板導波路領域40で対称であるため、対称の電磁界が、スロット32の領域内に生成される。それによって、スロット32内に電磁界が発生し、そのため次に、アンテナパッチ22が励起されて通常の方法で送信する。
【0046】
アンテナ10による受信は、同様の方法で行われる。アンテナパッチ22上へ入射する放射が、スロット32内に電磁界を励起する。それによって、平行板導波路領域42内の給電導体41と導電接地面46との間に電磁界が発生する。これが、移行部50を通過してマイクロストリップ領域52に至り、マイクロストリップ領域52で、それが標準装置によって検出されることができる。
【0047】
アンテナ10の製造に使用される材料および技術は、全て、当技術分野でよく知られている。固体誘電体30、20b、26bは、通常、比誘電率2.2を有するPTFEマトリクス材料のランダムマイクロファイバガラスである。固体誘電体層40は、通常、比誘電率10.2を有するPTFEマトリクス材料のセラミックである。誘電発泡体は、通常、ポリメタクリルイミドに基づく剛性発泡プラスチックであり、10GHzで比誘電率1.05を有する。10GHzで使用される通常の発泡体の厚さは、1.5mmである。発泡体と固体の誘電体の組合せを使用することにより、通常は銅の導電性材料の平坦な板を固体誘電体上に配置することができるようになる。次いで、これをエッチングして、導電領域を所望の形状に画定することができる。
【0048】
本明細書に記載したアンテナを形成するには、アンテナ構造体12および給電構造体14に対応する層状構造体を形成する。これは、通常は銅である金属の層をシートの片側に被覆した3つの固体誘電体シートと、第4の誘電体シートの両側を同様の金属の層で被覆した第4の誘電体シートとを含む。こうしたシートの領域は、マスクされてからエッチングされ、アンテナ支持誘電体30上にアンテナパッチ22、固体誘電体20bおよび26b上に第1の接地面24および第2の接地面28、および給電構造体14の導体41および接地面46を画定する。マスクにより、上記のように導電領域の形状が画定される。
【0049】
次いで、アンテナ支持誘電体30および固体誘電体20bと26bが、アンテナ支持誘電体30と第1の固体誘電体20bとの間に誘電発泡体層20a、および第1の固体誘電体の層20bと第2の固体誘電体層26bとの間に誘電発泡体層26aと共に配置される。次いで、この完全なアンテナ構造体12が、接着剤を使用して共に固定される。スロット32は、第1の接地面24および第2の接地面28、ならびに第1の誘電体層20および第2の誘電体層26を通過するようにフライス加工される。
【0050】
電気ビア48は、給電構造体14の第1の端部を通るようにドリル加工され、導体41と導電接地面46とを電気的に接続するようにメッキされる。次いで給電構造体14が、スロット32内に固定され、電気ビアが、第2の接地面28からアンテナ(給電構造体14の誘電体40)に使用される波長の約4分の1にされる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】内部構造を示す、本発明によるアンテナを示す図である。
【図2】図1の線IIを通って切り取られた拡大断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに垂直から45°以内の2つの平面の間でマイクロ波エネルギーを伝達させるように構成されたコネクタであって、
第1の誘電体によって第1の導電接地面から分離される第1の導体を含む第1の部材であって、第1の導電接地面が、該第1の導電接地面に形成されたスロットを有する、第1の部材と、
第2の誘電体によって第2の導電接地面から分離された第2の導体を含む第2の部材とを備え、第2の導体は、第2の導体の第1の端部に、第2の導電接地面との電気接続部が設けられ、
第2の部材の第1の端部が、第1の導電接地面のスロットを通って延び、電気接続部が、第1の導電接地面と第1の導体との間に位置し、第1および第2の導体が、垂直から45°以内である、コネクタ。
【請求項2】
1つまたは複数の第1および第2の部材が、全般的に平坦である、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
第1および第2の導体が、互いに垂直である、請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
コネクタが、第1の導体がマイクロストリップアンテナであるアンテナを形成する、請求項1から3のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項5】
電気接続部が、第2の誘電体において、第1の誘電体接地面からコネクタに使用すべき波長またはコネクタに使用すべき近傍の波長の約4分の1のところに位置する、請求項1から4のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項6】
第1の部材に、第3の誘電体によって第1の導電接地面から間隔をおいて配置されたさらなる第3の導電接地面が設けられる、請求項1から5のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項7】
1つまたは複数の誘電体が、誘電発泡体、固体誘電体、または空隙を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項8】
1つまたは複数の誘電体が、誘電発泡体の層および固体誘電体の層を含む、請求項7に記載のコネクタ。
【請求項9】
1つまたは複数の誘電体が、隣接する導体または導電接地面から空隙によって分離された固体誘電体のシートを備える、請求項7に記載のコネクタ。
【請求項10】
支持誘電体が、第1の誘電体に対して第1の導体の反対側に設けられる、請求項1から9のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項11】
第2の導体が、第2の誘電体の第1の端部から離れて延びるに従って、幅が減少するように先細りになされたプレーナ要素を備える、請求項1から10のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項12】
電気接続部が、第2の誘電体を通って第2の導体と第2の導電接地面を接続する少なくとも1つの電気ビアを備える、請求項1から11のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項13】
第1の誘電体によって分離されたアンテナパッチおよび第1の導電接地面を備えるアンテナ構造体と、
第2の誘電体によって分離された給電導体および第2の導電接地面を備える給電構造体とを備え、給電導体および第2の導電接地面には、給電構造体の第1の端部に、給電導体と第2の導電接地面との間に電気接続部が設けられており、
給電構造体が、第1の導電接地面内のスロットを通ってアンテナ構造体に対して垂直から45°以内に延びて、電気接続部が、第1の導電接地面とアンテナパッチとの間に位置する、アンテナ。
【請求項14】
給電構造体およびアンテナ構造体が、互いに垂直である、請求項13に記載のアンテナパッチ。
【請求項15】
電気接続部が、第2の誘電体において、第1の導電接地面から、アンテナに使用すべき波長またはアンテナで使用すべき近傍の波長の約4分の1のところに配置される、請求項13または14に記載のアンテナ。
【請求項16】
アンテナ構造体に、第3の誘電体によって第1の導電接地面から間隔をおいて配置されたさらなる第3の導電接地面が設けられる、請求項13から15のいずれか一項に記載のアンテナ。
【請求項17】
給電導体が、第2の誘電体の第1の端部から離れて延びるに従って幅が減少するように先細りになされた、請求項13から16のいずれか一項に記載のアンテナ。
【請求項18】
アンテナが、2GHzから18GHzのマイクロ波スペクトルで作動するように構成される、請求項13から17のいずれか一項に記載のアンテナ。
【請求項19】
2つの平面の間でマイクロ波エネルギーを伝達させるように構成されたコネクタの製造方法であって、
a)第1の誘電体の層によって分離された第1の導体および第1の導電接地面を備える第1の層状構造体を形成すること、
b)第2の誘電体の層によって分離された第2の導体および第2の導電接地面を備える第2の層状構造体を形成すること、
c)第2の導体と第2の導電接地面を接続するために、第2の層状構造体の第1の端部に、第2の層状構造体を通る少なくとも1つの電気ビアを通すこと、
d)第1の導電接地面および第1の誘電体を通るスロットを、第1の層状構造体に形成すること、および
e)1つまたは複数の電気ビアが、第1の導電接地面と第1の導体との間に存在するように、第2の層状構造体をスロット内に固定することを含む方法。
【請求項20】
コネクタがアンテナとして作用し、第1の導体がマイクロストリップアンテナである、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
第1の層状構造体を形成するステップまたは第2の層状構造体を形成するステップが、固体誘電体シートの片側に導電層を形成するまたは固体誘電体シートの両側に導電層を形成するステップ、1つまたは各導電層の少なくとも1つの領域をマスクするステップ、マスクされていない領域を全てエッチングして第1あるいは第2の導体、または第1あるいは第2の導電接地面を形成するステップ、および、次いで固体誘電体を誘電発泡体の層に固定するステップを含む、請求項19または20に記載の方法。
【請求項22】
第2の層状構造体をスロットに固定するステップが、1つまたは複数の電気ビアを、第2の誘電体層において、第1の導電接地面からコネクタに使用すべき波長の4分の1の距離に位置付けるステップを含む、請求項19から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
第1の層状構造体が、第3の誘電体の層によって第1の導電接地面から分離されたさらなる第3の導電接地面を備え、第1の層状部材内にスロットを形成するステップが、第3の接地面および第3の誘電体層を通るスロットを形成するステップを含む、請求項19から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
第2の層状構造体が、第1の層状構造体に対して垂直に固定される、請求項19から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
マイクロ波エネルギーを1つの平面から別の平面に伝達させる方法であって、平行板導波路の端部に短絡を有する平行板導波路の長さにわたってエネルギーを伝達することを含み、短絡が、エネルギーを伝達すべき平面の導体と該導体に対して平行の導電接地面との間の間隙内に位置しており、または前記方法が、マイクロ波エネルギーを上述のルートの逆に通過させることを含む方法。
【請求項26】
平行板導波路および導体が、互いに対して垂直である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
短絡が、エネルギーを伝達すべき平面内の導体と2つの平行導電接地面との間の間隙内にある、請求項25または26に記載の方法。
【請求項28】
導体が、伝達すべきマイクロ波エネルギーを送受信するように構成されたアンテナパッチである、請求項25から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
請求項4または請求項13から18のいずれか一項に従属する場合の、請求項4または請求項5から12のいずれか一項に記載のアンテナのアレイ。
【請求項30】
アンテナがフェーズドアレイを形成する、請求項29に記載のアレイ。
【請求項31】
本明細書で添付の図面を参照して実質的に記載されたアンテナ。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2006−520563(P2006−520563A)
【公表日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−505896(P2006−505896)
【出願日】平成16年2月27日(2004.2.27)
【国際出願番号】PCT/GB2004/000792
【国際公開番号】WO2004/079863
【国際公開日】平成16年9月16日(2004.9.16)
【出願人】(501352882)キネテイツク・リミテツド (93)
【Fターム(参考)】