説明

マイナスイオン発生ゴムチップ製造法

【課題】より少ない安価な材料でより早く人工芝、弾性舗装構造体に用いる粘着性のないマイナスイオン発生ゴムチップを製造すること。
【解決手段】従来用いられていたウレタン樹脂の代わりに、イソシアネート基を末端に持つウレタンポリマーを30〜50%、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートを1〜6%、残りが主として酢酸エチルからなる溶液を、溶液重量の30〜50%のポリカーボネートで希釈し、両者の重量の30〜50%のマイナスイオン発生パウダー添加した塗料とし、1〜5mmのゴムチップ100重量部に対し、塗料8〜20重量部、を加え撹拌混合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【001】
本発明は廃タイヤや窓枠廃材等から作られたゴムチップを原料とし、マイナスイオン発生ゴムチップを製造する方法に関するものである。
【技術背景】
【002】
現在、歩道の弾性ゴム舗装材、人工芝充填剤として、広く使用されているゴムチップは、廃タイヤ、窓枠廃材等を樹脂で塗膜する方法があるがいずれも樹脂で塗膜したゴムチップは化学合成ゴム特有の臭気を発生し屋内での使用は適切とはいえない。下記の表に示されたようにマイナスイオン発生ゴムチップの表面に於いては1cmに於いて 個以上のマイナスイオンの発生数の確認ができた。
【003】
【表1】

【004】
表1の結果、一般に於ける森林浴と同じ又はそれ以上のマイナスイオン発生の確認が出来このマイナスイオン発生ゴムチップの表面上での生活はマイナスイオンの効能が期待出来る
【005】
【表2】

【006】
表1,2より以下のことが明らかである。
【007】
室内に於けるマイナスイオンが1m当たり1452個のマイナスイオンが発生することによりその空間に於けるすべての行動を行う生物にとっては充分なマイナスイオン効果が得られる
【発明が解決するための手段】
【008】
解決しようとする課題はより少ない安価な材料でより早く多くのマイナスイオンを満たすことの出来るマイナスイオン発生ゴムチップを製造することである。
【問題を解決する為の手段】
【009】
従来用いられた塗装用のウレタン樹脂の代わりに、イソシアネート基を端末に持つウレタンポリマーを30〜50%、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートを1〜6%、残りが酢酸エチル等の溶剤に相当する溶液を溶液量の30〜50%のポリカーボネートで希釈し、両者の重量の50〜70%のマイナスイオン発生パウダー添加した塗料とし、1〜5mmのゴムチップ100重量部に対しマイナスイオン発生パウダー塗料8〜20重量部、を加えて撹拌混合する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の方法で廃タイヤや窓枠廃材等から作られた1〜5mmのゴムチップを原料とし、撹拌混合するとき、マイナスイオン発生パウダー塗料は、撹拌とマイナスイオン発生パウダー塗料溶液の濡れ効果によって、ゴムチップ粒子の表面に行き渡り、そこでウレタン樹脂の固化が始まり、混合開始後、1分〜15分でゴム粒子の凝集が起こる。そしてこの凝集は撹拌を続けることによって、機械的に解除され、20〜30分後には、粘着性の無いマイナスイオン発生ゴムチップが製造される。この方法は用いる材料が少量で且つ、安価であり、他に炭酸カルシウム等の粘着防止剤の添加を必要としないことから、早い生産速度と相成って生産コストの大幅な低減が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明で用いる溶液の組成は、イソシアネート基を端末に持つウレタンポリマーを30〜50%、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートを1〜6%、残りが酢酸エチル等の溶剤からなるもので、この溶液は密封容器に入れた状態では固化反応を起こさず、容易に入手される。価格は安価で、濡れ性があることから、通常ではウレタン樹脂の塗料や接着プライマーとして用いられる。この溶液にマイナスイオン発生パウダーを加えたのみで、ゴムチップと撹拌混合すると、含まれるウレタン樹脂の固化反応とマイナスイオン発生物質の付着が起きるが、その速度は遅くウレタン固化後も溶剤の酢酸エチル等が液体として残る。
従って、マイナスイオン発生パウダー物質の多くは残液に残り、撹拌を続けると、ゴムから分離され、長時間掛けてこれを乾燥してもゴム表面には、ほとんど残らない。つまり、プライマーのみでは有効なマイナスイオン発生ゴムチップは出来ない。
【0012】
しかし、前期プライマーにポリカーボネートを添加すると、酢酸エチルを含む溶剤の蒸気圧が上がり、ゴム表面に於ける溶剤の濡れ性も向上する。従って溶液中のウレタン樹脂とマイナスイオン発生パウダーはゴムチップに接触する速い速度でその表面全体に行き渡る。溶液中のウレタンポリマーとイソシアネーと途の反応、すなわちウレタン樹脂の固化反応は、早すぎると溶液の粘性が増し、ゴムチップの表面全体にいきわたることが困難となる。しかし幸いなことに、30〜50%以上のポリカーボネートで希釈された溶液は、ゴムや空気との接触が行われる前は急速な固化反応はしない。したがって、マイナスイオン発生パウダー塗料はこの間にゴムチップ全体に行き渡り固化反応はその後に進行する。
【0013】
塗料中の溶剤が蒸発するとウレタン樹脂と空気及びウレタン樹脂とゴム中の硬化触媒との接触が増し、急速に固化反応が進行する。その結果、ゴムチップ粒子の周りにはマイナスイオン発生パウダーを含むウレタン樹脂の層ができ、1つの粒子の固体層と隣の粒子の個体層とつながる、すなわちマイナスイオン発生パウダーゴムチップの凝集が起こる。これによってマイナスイオン発生パウダーゴムチップの見かけ体積が膨張するので、撹拌途中で、凝集が起こった時期は、容易に見分けることが出来る。撹拌を続けることによって、この凝集は、機械的に解除され、20〜30分後に、粘着の残らないマイナスイオン発生ゴムチップが製造される。
【0014】
添加されるポリカーボネートの量は、概ね、溶剤の酢酸エチルの量と同じではあるが、これ以上でもない。ただ、あまりにポリカーボネートの量が増えると、蒸発に時間が掛かり、付着しないマイナスイオン発生パウダー塗料が増して、製品としては良い物が出来ない。ポリカーボネートの代わりにエチルアルコールを用いた場合は、蒸発速度が遅く、ゴムチップに長時間粘着性が残る。この間、撹拌を続けると、マイナスイオン発生パウダーとウレタン樹脂がゴム表面から分離されるので、所定のマイナスイオン発生パウダー塗料をゴムチップに付着させるには大量の樹脂やマイナスイオン発生パウダーの物質を必要とする。
【0015】
マイナスイオン発生パウダーの塗料が原料のゴムチップ全体に行き渡るのに要する時間は、一度に投入されるゴムチップの量は勿論、撹拌機の大きさ構造によっても異なる。そこで3種類の撹拌機を使用して、着色実験をした結果を実施麗1〜実施例3に示す。なお、これ等の撹拌機は通常、セメントと砂利の混練等に利用される一般的な撹拌機であるが、撹拌による凝集の解除も、混合時と同じ撹拌条件で出来た。なお、ここで製造されたマイナスイオン発生ゴムチップは付着の異物は少なく、さらさらと手触りもよく、剥がれることも少ないと判断された。
【実施例1】
【0016】
ここで用いた撹拌機は45rpmの速度で直径470mmの撹拌羽根が縦方向に回転する撹拌機である。この撹拌機に、3〜5mmの廃タイヤゴムチップ8kgを投入して撹拌した。一方、溶液213g(イソシアネート基を端末に持つウレタンポリマーを40%、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートを3%、残りが酢酸エチルの溶液)、ポリカーボネート427gマイナスイオン発生パウダー320g、を撹拌混合したもの(塗料)を素早く撹拌機に投入。約90秒後にマイナスイオン発生パウダーの物質が付着した着色ゴムの膨張が観測され、85秒後に膨張は止まった。この段階ではゴムチップ粒子間の凝集は見られるが、撹拌を続けることにより全工程20分で一様に凝集がほぼ解除されたマイナスイオン発生パウダーゴムチップが得られた。
【0017】
前期の撹拌機で、廃タイヤの代わりに、窓枠廃材等からつくったゴムチップを前期同様作業した結果、廃タイヤの場合と同じであった。また、1〜3mmの小サイズのゴムチップの場合はマイナスイオン発生パウダーの投入を増やすことによってほぼ同じ結果を得た。より大きなサイズ5〜10mmのゴムチップ及び繊維状(通称ヒジキ)ではより少ない塗料でも付着可能と思われた。
【実施例2】
【0018】
ここで用いた撹拌機は40rpmの速度で、直径50mmの撹拌羽根が横方向に回転する撹拌機である。原料として用いたゴムチップ、マイナスイオン発生パウダー塗料の製法、撹拌機への投入方法は実施例1と同じにした。マイナスイオン発生パウダー塗料を投入後、ゴムチップの膨張が観測された時期は、実施例1の場合より、若干遅れ、膨張が止まったのは120秒であった。そして全工程25分後に凝集が解除されたマイナスイオン発生ゴムチップが得られた。
【実施例3】
【0019】
ここでは、スケールアップのため、大きさが前記のものの3倍、容積が30倍の撹拌機で、3〜5mm廃タイヤゴムチップ、200kgのマイナスイオン発生ゴムチップの作業を行った。用いた撹拌機は、17rpmの速度で、半径750mmの3枚の撹拌羽根が横方向に回転する撹拌機である。マイナスイオン発生パウダー塗料は実施例で用いたものと同じである。この物質が撹拌機の中でゴムチップになるべく全体に行き渡るよう心がけて投入した。投入後数分でゴムチップの膨張が観測され、12〜13分後で膨張は止まりサンプリングにより、ゴムチップ粒子間の凝集が確認された。撹拌を続けた結果、20分後には凝集がほぼ解除されたマイナスイオン発生ゴムチップが得られた。そして、製品はほぼ一様にマイナスイオン発生パウダー塗料が付着したマイナスイオン発生ゴムチップが出来たことが確認できた。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明に係るマイナスイオン発生ゴムチップは製造コストも、時間短縮、材料の安価により、大幅に低減することは明白である。クッション性を持つ弾性舗装構造体にも使用することも可能である。又人工芝の充填剤、天然芝に於いては撒くことにより根切りを少なくし芝の育成も助けマイナスイオンの特徴を感じ取ることが出来る

【特許請求の範囲】
マイナスイオン発生ゴムチップ製造に対し、イソシアネート基を末端に持つウレタンポリマーを30〜50%、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートを1〜6%、残りが主として酢酸エチルからなる溶液を、溶液重量の30〜50%のポリカーボネートで希釈し、両者の重量の50〜70%のマイナスイオンパウダーを添加して塗料とし、1〜5mmのゴムチップ100重量部に対し、マイナスイオン発生パウダー入り塗料8〜20重量部を加え撹拌混合することを特徴とするマイナスイオン発生ゴムチップの製造方法。

【公開番号】特開2012−140841(P2012−140841A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−12352(P2011−12352)
【出願日】平成23年1月5日(2011.1.5)
【出願人】(511021273)
【出願人】(511021228)
【出願人】(511021239)
【Fターム(参考)】